-男子トイレ-
ジャン「(ミカサ……今日も可愛かった……)」
ジャン「(ミカサ…好きだ……)」
ジャン「( ミ カ サ っ … ! ! ! )」
-寮部屋-
『 ミ カ サ っ … ! ! ! 』
アルミン「わっ!!」
コニー「うおっ!?」
エレン「なんだ今の!?」
-男子トイレ-
ジャン「ふぅ……」
-寮部屋-
ライナー「ジャンの声か?」
コニー「お前らも聞こえたのかよ!」
アルミン「なんだったんだろう…頭に直接聞こえたような感じだったね」
エレン「つーか、なんでミカサの名前叫んでんだよ…気持ち悪ぃな…」
マルコ「幻聴かなと思ったらみんな聞こえてたの?なんだろうね」
バタン!
ジャン「あ?お前ら集まって何してんだ?」
マルコ「ちょうどよかった!ジャン、さっきまでどこに居た?」
ジャン「は?…便所だけど」
マルコ「ミカサ!って叫んだりしてないよね?」
ジャン「…え?いや、してねーよ!!なんなんだよさっきからお前ら!」
アルミン「いや、なんでもないよジャン」
エレン「なんでもなくねーだろ!さっきお前の声で」
アルミン「とりあえず今はいいよ!もう時間も遅いから寝よう!」
ジャン「な、なんなんだよ……」
ライナー「アルミンの言うとおりだ、今日のところは寝たほうがいいだろう」
アルミン「みんな自分の部屋に戻ろう、明日は座学が少ないから身体を休めておいたほうがいいよ!」
-翌日、対人格闘-
サシャ「昇・竜・拳!!」
コニー「はいバリア~」
サシャ「バリア突破~」
コニー「ざんねんバリアは二重でした~」
キース「……」
サシャ・コニー「ぎゃああああああ」
ミカサ「エレン、今日は私と組もう」
エレン「俺アニから習ってるから無理」
ミカサ「そう……」ショボン
ジャン「(ミカサがあぶれてる……)」
ジャン「(あの死に急ぎ野郎に断られたのか)」
マルコ「ジャン、訓練中によそ見したらだめだよ」
ジャン「あ、ああ(くそ、あいつミカサをいつもいつも無下にあしらいやがって!!)」
『くそ、あいつミカサをいつもいつも無下にあしらいやがって!!』
マルコ「…えっ?」
アルミン「ん?」
ベルトルト「…??」
ベルトルト「今、ジャンの声が聞こえた…?」
ライナー「いや、俺には聞こえなかったぞ」
マルコ「僕にも聞こえた……」
アルミン「また…」
ジャン「おいおい、なんだよお前ら昨日に引き続きコソコソしやがってよ」
ジャン「言いたいことがあるんだったら言えよ!」
アルミン「(もしかして……ジャンの頭の中が近くの人にテレパシーみたいに伝わってる……?)」
アルミン「(まさかそんなことが……でも確実なのは、このことをジャンに知られるべきじゃないってことだ!)」
アルミン「あっ、教官だ!」
アルミン、マルコとベルトルトに目配せをする
ベルトルト「サボってると思われるとまずいな、再開しよう」
ライナー「あ?ああ…」
マルコ「僕たちも、」
ジャン「はぁ……なんか釈然としねぇな……」
-夜、寮部屋-
アルミン「今夜みんなに集まってもらったのは……他ならない、ジャンの声についてのことだ」
アルミン「ジャンの声で言葉が聞こえる……それも、脳内に直接響いてくるような感じで」
アルミン「しかも同じ内容は近くにいた人にも聞こえている」
コニー「不思議だよなぁ」
アルミン「うん、本当に不思議なことなんだけど……僕はこう思うんだ」
アルミン「これはジャンの心の声が、みんなに聞こえてしまっているんじゃないかって」
ざわ…ざわ…
マルコ「ってことは、僕たちはジャンの心の中を強制的に覗き見してるようなものだってこと…?」
ライナー「なんだよそれ…怖ぇ話だな……」
アルミン「もちろんこれは僕の憶測に過ぎないよ」
アルミン「でも、もしこれが正解だった場合……本人は考えを周囲にサトラレてることを知るべきじゃないと僕は思う」
ライナー「そうだな」
コニー「だってよ、あれだろ?アルミンの言ってることが正しいとしたらさ」
コニー「昨日のアレは便所でミカサで抜いてたってことだろ?」
エレン「………」
アルミン「コニー……」
マルコ「いったいなんでこんなことになってしまったんだ……」
エレン「これはジャン本人が知ったら死にたくなるだろうな」
アルミン「だからみんなで黙っておくことにしないか?気付かないふりをするんだ」
エレン「ああ、そうだな」
マルコ「うん、賛成」
-深夜、寮廊下-
ベルトルト「ジャンのあれは何なんだろう」
ライナー「わからん……しかし不気味だな」
ベルトルト「ジャンの場合は恥をかくだけ、といったらなんだけど…」
ベルトルト「もし、これが感染るようなものだとしたら……」
ライナー「ああ、本当にまずいことになる」
ライナー「サトラレるようになったらお互いにすぐに報告するべきだな」
ライナー「しかし不特定多数に聞こえてしまうものは対策の仕様が無い…」
ベルトルト「最悪、開拓地行きを願い出るとか?」
ライナー「避けたい事態だな……とりあえず、相手の心の声が聞こえていたときのサインを決めよう」
-翌日、対人格闘-
ミーナ「アニ、手加減しすぎだよー」
アニ「こんなもんだよ」
クリスタ「ちゃんとやってってば!」
ミカサ「その、クリスタはとても、華奢……調子が狂ってしまう……」
クリスタ「もう、遠慮しないでよ~!」
ユミル「よぉ、ベルトルさん」
ベルトルト「あれ、クリスタと組むんじゃないんだね」
ユミル「今日は勉強のためにアニやミカサと組むんだってよ。振られちまったよ。
あんたもいつものガチホモはどうした?」
ベルトルト「…もしかしてライナーのこと言ってる?教官に頼まれて備品を取りに行ってるよ」
ユミル「相変わらずの優等生だな(笑)、ベルさんよ、お互いあぶれ者なら組んでみようぜ」
ベルトルト「ああ!」
ユミル「じゃあさっそくいかしてもらうよ」ヒュッ
ユミルの回し蹴り。
ベルトルト「うわっ」
ベルトルト、ユミルの軸足を払う。
ユミル、ベルトルトの服を掴み、受身を取りながら倒れる。
ベルトルトの下敷きになる前に、横に転がってマウントを取る。
ベルトルト「いきなり飛ばすね」
ユミル「そりゃぁ、"女の子"なもんで。か弱い私は先手を打たなきゃね」ニヤ
ベルトルト「よく言うよ…」
ベルトルト、ユミルの振り上げられた拳を掴み、脚で反動をつけて上体を跳ね起こす。
ユミル「うぉっ…」
ベルトルト、転がって上位を確保し、ユミルに締め技をかけようとするが、
ユミルは抜けてベルトルトからすばやく距離を取る。
ユミル「さすがは3位だね…」
ユミル、ボディ狙いで拳を打つ。
ベルトルト、拳を払ってユミルの後ろに回りこむ。
ユミル「(しまった…!)」
ユミルの上半身に締め技が決まる。
解こうと抵抗するが肘鉄は空を切るばかり。
ユミル「くそっ…!」
ベルトルト「仕切りなおそうか?」
ユミル「(こいつ三割の力も出してねぇんじゃねーか!?余力の相手に負けてたまるか…!)」
なお締め技を解こうとするユミル。
脚を突っ張り、身体を揺らしながら、ベルトルトの腕を抜けようともがく。
ベルトルト「(うわ、おっぱいが!!!)」
『 お っ ぱ い が ! ! ! 』
ユミル「…は?」
クリスタ「…え?」
ミカサ「今のは…何?」
ミーナ「いま、ベル…えーっと、ベル、トルトが叫んだ?」
アニ「……」
クリスタ「ベルトルト、ユミルに何してるの…?」
ベルトルト「えっ!?えっ…」パッ
ユミル「おまえ……おまえ……!!」カァァァァッ
ユミル「死ね!!!!」ドゴッ!!
ベルトルト「ぐぁっ!!??」
女子 (ちょっと……何……?……聞いた?……今の……)
女子 (ユミル……ベルモンドが……揉んで……)
女子 (変態………最悪………)
ベルトルト「なっ、ちが……!」
ライナー「ベルトルト!どうした!」
ベルトルト「らいなぁああああああ!!!!!!」
-救護室-
アニ「人払いは済んだ…」
ライナー「ああ」
アニ「聞かせてもらおうか、さっきのは何?」
ベルトルト「……」
ライナー「さっきのは俺には聞こえていないんだ」
アニ「……」
ライナー「反応を見るに、半径7,8mまでは聞こえていたようだな…
逆に聞くが、アニ、なにが聞こえた?」
アニ「……」
アニ「……」
アニ「…『おっぱいが』と。ベルトルトの声で…」
ベルトルト「…………」
アニ「…叫ぶように。」
ライナー「そうか……。実は、ジャンにも似たようなことが起きた」
ライナー「ミカサへの想いとか、エレンへの嫉妬とか…。諸々心の声が周囲の人間に漏れてしまっているんだ」
ライナー「男子寮の、部屋の近い人間は既に全員知っている」
ライナー「しかし本人が知ればショックを受けることは確実だから、緘口令が敷かれているんだ…」
アニ「そんなことが……。まずいね、それは。なんでもっと早く言わなかったんだい」
ライナー「すまん、身内に起こる可能性を甘く考えていた……」
アニ「……感染するのか?」
ライナー「それはわからないが……」
アニ「……訓練に戻らせてもらうよ」
ライナー「あっ、おい!」
バタン!
ライナー「行っちまった」
ライナー「まぁ、今回のような内容なら問題ないが、今後……」
ベルトルト「問題なくないよ…」
ライナー「………すまん。」
ベルトルト「………」
次にサトラレに感染するとしたら誰ですかね。
エレン、ミカサ、アルミン、アニ、コニー、サシャ、ライナー、クリスタ、マルコ、ミーナ…
キース…!
想定外だったけど良いかもしれない!
読んでくださってありがとうございます。
票が多かったものから明日の夜続きを書きます。
今日のところはおやすみなさい。
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