モバP「消えたプロダクション?」 (78)
P「ふぁーあ」
P「世間はGWかぁ……」
P「まぁ、仕事が多いことはいいことだ。」
P「連休なんて書き入れ時だしな」
P「今日も張り切って行ってきます!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1398995734
P 「?」
P「あれ?鍵間違えたかな?」
P「でも、これ事務所の鍵だし……」
ガチャガチャ
男「あのう……、すみません」
P「はい?」
男「うちの会社に何か御用ですか?」
P「え……?」
P「だってここは、モバマスプロの事務所では……?」
男「モバマスプロ?」
P「ええ。私はそこの社員でして……」
P(露骨に変な人を見る目をしてるな……)
男「そこをみてくださいよ」
P「?」
P「株式会社 モバゲーコーポレーション……?」
男「ええ」
男「何かの間違いだとは思いますが、ここは私共の会社ですよ?」
P「なっ!?」
P「ちょっと待ってください!」
P「私は自分の会社を間違えませんし、昨日でってここで仕事をしていた!」
男「……はぁ」
男「昨日はうちの会社は休業でしたよ」
男「今日だって客先トラブルがなければ、誰も来やしなかった」
P「……でも!」
男「いい加減にしてもらわないと通報しますよ?」
P「……」
男「ただでさえ、急がしいっていうのに……」
P「……失礼いたしました」
P(一体、何がどうなっているというんだ……?)
俺の務めている会社。モバマスプロダクション
中小の芸能事務所ではあるが、最近は売れっ子のアイドル達を
複数抱える、業界では少しは名の通るプロダクションだ。
俺はそのプロダクションでプロデューサーをしている。
昨日も打ち合わせで残業だった。
今日も、今度の企画の打ち合わせがあったのだが……
P(なんだよ、これ……)
検索結果【0件】
P(嘘だろ?)
P(ネットですら事務所の名前が検索に出てこない……)
P(それどころか……)
P(アイドル達の名前も出てこない……)
P「俺の事務所が……」
P「ない……?」
男「何をしているんだい、君?」
P「え……?」
男「いや、差し出がましくはあるのだがね……」
男「こんな通りに腰を掛けて、必死でスマートフォンと向き合っていたものだから」
男「少し気になってね」
P「はぁ……」
男「ほう。芸能プロダクションを調べていたのか?どうしてまた……」
P(なんかなれなれしい人だな……)
P(それでも、何か聞いてみるくらいはできるか?)
P「実は、私芸能事務所のプロデューサーをしておりまして……」
男「なんだ、同業だったわけか」
P「えっ?」
男「実は私も芸能プロダクションをやっていてね」
男「ほら、名刺だ」
P「シンデレラプロダクション……」
P「……代表取締役?」
男「まぁ、そういうわけで社長をしているんだ」
男「君は熱心にプロダクションを調べていたようだが、プロダクションだい?」
P「社長は『モバマスプロダクション』の名前を知っていますか?」
男「申し訳ないが、覚えはないな……」
P「そうですか……」
男「すまないね」
P「私はモバマスプロダクションのプロデューサーです」
P「ですが」
P「事務所が……」
男「ふむ……」
男「なるほど、事情は分かったよ」
P「?」
男「そうだ、君。顔を私に見せてはくれないか?」
P(なんだろう……?)
男「うん!」
男「いいね、君。いい面構えをしている!ティンと来たよ!」
P「はぁ」
男「そういうことならうちで働けばいい。ちょうど、人手不足でね」
P「……え?」
男「経験者というのなら尚のこと良し!」
男「うちの事務所で働かないか?」
男「プロデューサーとして……」
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P(明日、名刺の住所に来てくれとは言われたものの)
P(本当にここで会っているのか?)
P(雑居ビル、しかも相当に古いんではないか?)
P(仕事の携帯に片っ端からかけてみた)
P(アイドル達の番号はつながらず、客先には『そんなプロダクションは知らない』といわれた)
P(何が何だかわからなかった……)
P(でも、今できることがあるとするならば……)
P「よっしゃ!やってやろうじゃないか!」
訂正>>12
男「君は熱心にプロダクションを調べていたようだが、どこのプロダクションだい?」
P(インターホン、これか……)
ピンポーン
女「はい。シンデレラプロダクションです」
P「お世話になります。Pと申します」
P「社長にお時間をいただいておりまして……」
女「わかりました。少々お待ちください」
ぷつっ
P(ふぅ……)
P(それにしても……)
P(聞き覚えのある声だったな)
ガチャリ
ちひろ「お待たせしました。お話は社長から……」
P「!?」
ちひろ「……どう、しましたか?」
P「ち、ちひろさん!?」
ちひろ「ええ、確かに私はちひろですが……」
P「私ですよ!モバマスプロのプロデューサー!」
P「残業用のスタドリいつも頼んでたでしょう!?」
ちひろ「はぁ……」
P「……わかりませんか?」
ちひろ「すみません……。」
ちひろ「何処かでお会いしたことがありましたか?」
P「……」
P「すみません」
P「以前、あなたにとてもよく似た人にお世話になりまして」
P「少し取り乱してしまいました……」
ちひろ「そうでしたか」
P「ええ」
ちひろ「きっと、その方はとても私に似ているんでしょうね?」
P「ええ」
P「きっと本人なんじゃ、ってくらいに」
P(ネームプレートは……)
P(『千川ちひろ』)
P(緩めに結った栗色の髪に、一度見たら忘れないライトグリーンの制服)
P(俺の認識ではモバマスプロの事務員だった人だ
ちひろ「先に自己紹介をしておきますね」
ちひろ「私は千川ちひろ。このシンデレラプロダクションの事務員です」
P(でも、違う)
P(今はシンデレラプロダクションの社員で)
P(モバマスプロも俺のことも覚えていない)
ちひろ「よろしくお願いしますね?」
P(やっぱり、俺がおかしくなったのか?)
ちひろ「?」
P「あ、ああ。すみません。」
P「よろしくお願いします」
P(社内は簡素だな、デスクがいくつか並んでいるだけ)
P(部屋はパーテーション区切られ作られている)
P(『応接室』)
ちひろ「社長がお待ちですよ、中へどうぞ」
P「ありがとうございます」
コンコンコン
P「失礼します」
ガチャリ
男、改め社長「やぁ!よく来たね、君!」
P「お世話になります」
社長「はっはっは、そんなに畏まらなくてもいいんだよ」
社長「君は今日から我がプロダクションの一員」
社長「言うなれば家族のようなものだからね!」
P「ありがとうございます」
社長「それでは早速で申し訳ないのだが、仕事の話をしようか」
社長「……、というわけなんだよ」
社長の話を要約するとこうだ。
シンデレラプロダクション。
新興のプロダクションで設立は半年前。
所属のアイドルは少人数、しかもほとんどは新人アイドル。
この半年の間、スカウト及びプロデューサー業は社長と、社長の知人で行ってきた。
その知人が会社を離れ、急遽代役を探しているところに俺が目に留まった。
新興プロダクション故に、社長のコネクションで細々と営んでいるとのことだ
社長「今はこんなちっぽけな事務所で、仕事も碌にないがね……」
社長「私には夢があるんだよ」
P「夢、ですか?」
社長「ああ!」
社長「昨今、なかなか夢の持てない世の中じゃあないか」
社長「そんな世の中だからこそ、少女に、世間に夢と元気を与えたい」
P「……」
社長「まぁ、こんな風に細々とやっているがね」
社長「シンデレラの名にふさわしいじゃあないか」
P「灰かぶり、ですか」
社長「ああ、そうだ!」
社長「輝かしい栄光の礎には、灰を被るかの如く、下積みが必要なものだからね!」
社長「君には期待しているよ」
社長「ようこそ!シンデレラプロダクションへ!」
すっ
P「ありがとうございます」
ガシッ
社長「まぁ、事務所は好きに使ってくれ。わからないことがあれば、ちひろ君に尋ねるといい」
P「ありがとうございます」
P「ところで……」
社長「何だい?」
P「肝心のアイドル達は……」
社長「おおっと、すまないね」
社長「彼女達なら直に来るはずだよ」
社長「それまで事務所で待っているといい!」
---
ちひろさんが言うには、現在の所属アイドルは3人。
現在も、スカウトとオーディションを継続しているそうだ。
P(ふむ……)
P(ぱらぱらとこれまでの資料を流し読みしては見たが……)
P(よくこれで経営できてるな……)
P(イベントへの露出も、小規模だし)
P(まぁ新人アイドルしかいないんだから、仕方のないことか……)
P(ただ……)
P(潰すわけにはいかない)
P(このチャンスを……!)
P(何が起きたのかもわからない。モバマスプロのアイドル達がどうなったのかも)
P(ここにいれば、何かわかるチャンスもあるはずだ)
P(少なくとも、じっとしているよりは……)
ちひろ「プロデューサーさん?」
P「はい?」
ちひろ「どうしたんですか、そんな難しい顔をして……」
P「ああ、すみません。少し考え事を……」
ちひろ「わからないことがあれば、なんでも聞いちゃってくださいね?」
ちひろ「それに、もうすぐうちのアイドルが来ますから……」
ちひろ「そんな難しい顔をしていたら、怖がられちゃいますよ?」
P「ああ、すみません」
ちひろ「いえ、だいじょう……」
「おっはようございまーす!」
ちひろ「噂をすれば……」
ちひろ「さ、行きましょうか。プロデューサーさん?」
>>1です。
あまりSS自体以外での書き込みはしないでおくべきなのでしょうが、少しだけ。
今回のSSは、「ログインできない」をネタに書いております。
携帯変えたり、何かの拍子に再ログインできなくなることがあります。
というか、私が現状再ログインできずに、リスタートです。
そういう状態をネタにして書いています。
お話にどう反映されるかは、後々のお楽しみ
ということで、お願いしたいのですが、
設定に納得がいかないというのであれば、
可能な範囲でネタばらしをしておきたいと思います。
というわけで、そういうイメージで書いていきますので、よろしくお願いいたします。
私に技量がないばかりに、申し訳ありませんでした。
「あ、ちひろさん!おっはよう」
ちひろ「みくちゃん、おはよう」
みく「それと……」
みく「隣にいるお兄さんはだれかにゃあ?」
みく「もしかして、昨日社長が言ってた新しいプロデューサー?」
P「あはは、話が早くて助かるな……」
P「今日から、ここでお世話になります、Pです」
みく「もう、堅苦しいのは、なしなし!」
みく「みく、そういうのはにがてなんだにゃあ~」
P「そうだな。よろしくな」
みく「うん!よろしくね!」
前川みく
ふんわりとしたボブカット。
髪の色は黒味を含んだ茶色。
特徴のある話方に、頭の上の猫耳。
ゆったりとした白のニット。
俺がモバマスプロにいたころは、よくライブで泣かされた強敵だった。
溌剌とした表情に、親しみのあるキャラクター
コアなファンも多く、相手にするには本当に骨が折れる相手だった。
みく「お名前はPっていうんだね……」
みく「じゃあ、きょうからPチャンって呼ぶね!」
P(その前川みくがいるのか……)
P(今、俺の認識がどこまであっているかはわからない)
P(それでも、こプロデュースのしがいがありそうだ……)
みく「みくは、デビューしたのも最近だから、お互い新人同士だね!」
ちひろ「みくちゃん、Pさんは一応前職からプロデューサーやってるからね?」
みく「にゃにー!?」
みく「うう、やっとみくより後輩ができると思ったのに……」
P「ちなみに、デビューしたのはいつなんだ?」
みく「……先週」
P「……そうか」
みく「まぁ、いいもんね!」
みく「Pチャンが頼りになるなら、それはそれで問題ないもん」
みく「みくのこと、てっぺんまで連れて行ってね?」
P「ああ、任せておけ」
みく「頼もしいにゃあ♪」
P(本当に、別の世界みたいだな……。ここは)
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