モバP「お休みなのに事務所に来てしまった」 (40)

P「しまった、今日はプロダクションまるごとお休みの日だ」

P「10時になっても誰も来ないし、おかしいと思ったんだ」

P「どうしたものか」

ガチャッ

さくら「おはようございまぁす」

P「村松……」

さくら「あっ! プロデューサーさん、おはようございまぁす」

P「村松、今日はお休みの日だ」

さくら「そうです! 今日は土曜日だからぁ、お休みでぇす」

P「そうじゃない、今日は事務所が全部お休みだ」

さくら「??」

P「昨日言っただろうが、明日はみんな、プロデューサーもアイドルもトレーナーさんたちも事務の人たちも、全部お休みだよって」

さくら「えっ!? 明日お休みなんですかぁ!? 何しようかなぁ」

P「そうじゃない」

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さくら「じゃあー、つまり」

P「つまり」

さくら「今日がお休み」

P「そうだ」

さくら「明日はお休みじゃない」

P「そうだ、いいぞ」

さくら「お休みなのに事務所に来ちゃった!」

P「そうなる」

さくら「プロデューサーさんもお休みなのに来ちゃったんですか?」

P「……俺は、ほら、お休みでもあの、花に水あげたりとか、あるから」

さくら「偉いです!」

P「そうか」

さくら「すごく偉い。わたしもお手伝いしまぁす」

P「じゃあ村松はあっちの花瓶の担当な。俺はこっちやる」

さくら「はぁい」

さくら「……」

P「……」

さくら「終わりました!」

P「俺も終わった」

さくら「早かったです」

P「ものの二分だったな」

さくら「どうしましょう」

P「じゃあ遊びに行くか」

さくら「行きたい! ナンジャタウン行きましょー」

P「駄目だ」

さくら「ダメか。じゃあどうしましょう」

P「俺は今、六百円くらいしか持ってない」

さくら「わたしは千二百円くらいあります」

P「あと定期があるから総武線沿線ならある程度移動できる」

さくら「わたしもあります」

P「そういうわけで、誰かの家に遊びに行こう」

さくら「お菓子買っていきましょぉ」

P「で、突然赴いてみたわけだが」

さくら「わけだがです」

P「まさか難波が留守とは。しくじったな」

さくら「お休みですもんねぇ。笑美さん友達多そうだし」

P「どうすんだよ、六百円分もお菓子買っちゃったよ」

さくら「わたしも勢い余ってなわとびとフリスビー買っちゃいました」

P「別の奴の家に行くか」

さくら「誰にしますか?」

P「じゃあ衛藤の家にしよう」

さくら「美紗希さん、でも美紗希さんはぁ、笑美さんよりさらに友達多そうです」

P「じゃあ友達少なそうな奴の所に行くか」

さくら「その言い方よくないですよぉ」

朋「な、何、何で急に来るの!? 来るなら連絡してよ!」

P「お菓子買ってきた。村松もいる」

さくら「います」

朋「と、と、とりあえずちょっと待ってて! いま部屋着だし、あの、メイクしてないし」

P「ひとまずこのドアを開けてくれれば上がって待ってるけど」

朋「無理に決まってるでしょ! もう、ほんと、何で急にくるのよもぉ」

P「村松が休みなのに事務所に来てしまって、暇だから誰かの家に遊びに行こうってなって、来た」

朋「……誰かって言ったら、あたしになるわけ?」

P「うん、まあ」

朋「……そうなんだ。でも次からはちゃんと連絡してよね。準備とか、あるし」

P「ごめん」

朋「ん、まあいいわ。じゃあ、支度するからちょっと待ってて」

P「……」

さくら「……」

P「村松、本当のことは内緒だぞ」

さくら「言えないです、無理です」

P「でも俺が言ったのは別に悪い意味じゃなくて、なんとなくインドアっぽいというか」

さくら「大丈夫です、わかってます、大丈夫です」

P「村松なわとび下手だな」

さくら「こんなの出来ても別にスゴくないもん」

P「俺は三重跳びとか出来るよ」

さくら「えっスゴイ! やってください!」

P「よしよし貸してみろ」

ヒュンヒュンッ バチッ

さくら「出来てない」

P「……」

さくら「二重も怪しかったです」

P「これ靴が悪いな。下もコンクリートだし」

さくら「あぁー、靴は大事です」

朋「……支度できたけど」

P「待て待て、次は出来るから、コツがわかった」

朋「何なのよ……」

P「ん? あっ!」

朋「……なによ」

P「髪下ろしてる!」

さくら「ホントだ!」

朋「……別に、纏めてる時間が、あの、待たせるのもあれかと思っただけで」

P「可愛い!」

さくら「かわいい!」

朋「そんな、少し髪下ろしたくらいで……ていうかグラビアの時とか、たまに下ろしてるじゃない」

P「凄く可愛いな」

さくら「かわいいです。お嫁さんにしたい」

P「そうだな、お嫁さんにしたいな」

朋「……や、やっぱり纏めてくる!」

P「あっ、待て! 触らせろ!」

さくら「……行ってしまいました」

P「まぁ、もさもさポニテを存分に触ればいいか。さて」

さくら「さて?」

P「藤居が明日、どんな髪型で事務所に来るか賭けよう」

さくら「あっ、その笑い方ちょっと悪者っぽくてかっこいいです」

P「で」

さくら「で?」

P「俺は藤居の部屋でも全然良かったんだけど」

朋「無理。散らかってるし」

P「また誰かの家に向かってさまよう羽目になった。藤居のせいで」

朋「えっ、いや、あたしのせいじゃないでしょ。いきなり来るあんたが悪いのよ」

P「こういう事態に備えて、常に部屋の片付けはしておくべきである」

朋「こういう事態って、なんて勝手な……」

P「俺はちゃんと掃除とかしてる。村松もしてるな?」

さくら「わたしの部屋はぁ、学校行ってる間とかに自動で片付いてたりします」

朋「それ自動じゃないから、母の日はプレゼント奮発したほうがいいわよ」

P「まるでダメ松だな」

さくら「まるでダメ松!?」

朋「電車降りて結構歩いたけど」

P「そうだな」

朋「この公園はどこまで続くの?」

さくら「広い公園ですねぇ」

朋「こんな所あったなんて全然知らなかった。でもどうやって入るのかしら」

さくら「入り口全然無いです。中も木しか見えないし」

P「ここは公園じゃない」

朋「え? じゃあ何なの?」

P「入り口はそろそろ……あ、あれだ、あれが入り口」

朋「入り口って言うか……門? かなり大きいけど」

P「じゃあ行ってくる。ちょっと待ってろ」

朋「え? え? ……あっ、それインターホンなの? 門に花束飾ってあるのかと……って待って、まさかこれ誰かの家?」

ピンポーン

『はい』

P「さとみん居ますか?」

朋「嘘でしょ」

さくら「おやつに期待が持てます」

朋「とりあえずさくらちゃん、なわとびしまって。武器持ってるのかと誤解されかねないわ」

『失礼ですが、どちらさまでしょうか?』

P「さとみんのプロデューサーです」

『お名前は?』

P「河合と申します。結構いいやつです」

『……申し訳ありませんが今日のお嬢様の予定に、河合様との面会は記されておりません』

P「まぁいきなり来たからな。でも大丈夫、怪しくない、人望とかは厚いほうだ」

『そ、そうですか……では、あの、失礼します』

P「うん」

朋「……」

さくら「……」

P「さとみん出てくるまで何して待つか」

朋「出てこないわよ。思いっきり引いてたじゃない」

さくら「プロデューサーさんはぁ、コミュニケーションの取りかたがちょっと独特なのでぇ」

P「そうか。じゃあ村松と藤居が俺の代わりに呼び出してくれ」

朋「それでどうにかなるとは思えないけど」

P「いや、多分俺は顔が知られてなかったからあっちも本物のプロデューサーだと判断できず、あんな感じになったんだろう」

さくら「あっ、そうか! でもわたしと朋さんは!」

P「そう、お前らはアイドル、有名人、しかもさとみんと同じ事務所だ。アイドル仲間がわざわざ赴いたとなれば、あちらも相応の対応をせざるを得ない」

さくら「やってみます!」

P「その意気だ!」

ピンポーン

『はい』

さくら「あっ、あのぉ、ええとぉ、村松さくらでぇす! ニューウェーブの!」

P「ほら、藤居も」

朋「あ、あたしはいいんじゃない?」

P「そんなことない。一人より二人がいいに決まってる。ほらほら早く」

朋「わかったわよもう……えーと、藤居朋です、バラエティの占いコーナーとかにたまに出てて……」

『大変申し訳ないのですが、存じ上げません』

さくら「悲しい」

朋「そこそこ売れてきたかもなんて思い上がりを見事に粉砕されたわね」

P「一時撤退だ! 覚えてろ!」

『はい……あの、私どももそれなりに多忙でして……』

P「大丈夫だ! あと一回! 次は大丈夫だから!」

『はぁ……』

P「じゃあどうするか」

朋「敗因は私とさくらちゃんが知られてなかったことよね」

さくら「じゃあー、もっと有名な人を連れてくればいいんです!」

P「じゃあそういう感じの人を呼びに行こう」

朋「有名な人って言うと」

さくら「CDとか出してる人なら大丈夫かもです」

P「CDデビューしてるくらい売れっ子で、なおかつ友達の少なそうな奴」

朋「友達?」

さくら「プロデューサーさぁん!」

P「あっ、違う、そうじゃない。今の無し」

朋「なんかよくわかんないけど、とりあえず誰にする?」

P「じゃあ俺、近場に住んでる奴をひとっ走り呼んでくるよ。あと俺と藤居は仲良しだからな、友達だ、心配ない」

朋「何よ急に……」

さくら「プロデューサーさぁん!!」

P「というわけで連れて来たぞ。今度こそお前らが泡吹く番だ」

『はい、えぇ……はぁ』

P「そういう事だから頼んだぞおがち、出番だおがち」

智絵里「は、はい……でも、私なんかが……」

P「大丈夫、おがちなら出来る。頼りにしてる」

智絵里「……はい。……あっ、あの」

『はい?』

智絵里「あ、えっと……、今日は皆さん、休日で……あの、里美さんも、一緒に遊べたらって、あの、思ったみたいで……」

『……』

智絵里「いきなり押し掛けてしまって、ごめんなさい……でも、みんな、悪い人じゃないので、えぇと……里美さんと、お話だけでも、ダメですか……?」

『……緒方智絵里だ』

智絵里「えっ?」

『みんな見て! 緒方智絵里ちゃん来た!』

『えっ嘘!? ああホントだ!』

『可愛い!』

『凄い! なんで!? さっきまでの変な人たちは!?』

『と、とにかく門のところ行ってみよう! 生の智絵里ちゃん見なきゃ!』

『お嬢様を呼んでるみたいなんだけど』

『へーきへーき、適当にメロンでも二つ渡しとけば見誤るでしょ!』

『無理だよ! メロンじゃ無理だよ!』

『じゃあ早く呼んで来て! お嬢様いまどこにいるの!?』

『寝てる! 屋根の上で寝てます!』

『早急にたたき起こして!』

『どうやって!』

『棒でつっつけば落ちてくるから!』

P「てんやわんやだな」

朋「大丈夫なのこの家……」

朋「……出てこないわね」

P「この門から家の玄関まで車で十分くらいの距離があるからな」

朋「何事なの」

P「あ、そうだ。おがち」

智絵里「は、はいっ」

P「おがちには頑張ったご褒美がある。これだ、チョコボール、貢献度が高いから二粒な」

智絵里「あ、ありがとうございます」

さくら「あー! チョコボール開けちゃったんですかぁ!?」

P「うん」

さくら「金のエンゼルは!?」

P「出ないよ」

さくら「しゅーん。あっ、それよりプロデューサーさぁん」

P「ん? 村松もチョコボール食べるか? じゃあ、村松は頑張ったから、ニ粒な」

さくら「わぁい」

P「たんとお上がり」

さくら「あっ、違くてぇ、さっきのなんですけどぉ」

P「さっきの?」

さくら「まるでダメって事はないと思うんですよぉ」

P「そうか」

さくら「まぁまぁダメくらいですたぶん」

P「まぁまぁダメ松」

さくら「そうです」

P「可愛い松」

さくら「ん?」

P「愛らしい松」

さくら「えへへぇ」

かわいい

P「どうにも、この二つがさとみんということらしい」

朋「いや、それメロンよ、本気で言ってるんじゃないわよね」

P「うぅ……さとみん、どうしてこんな姿に……」

朋「しっかりして! メロンだから!」

さくら「それにしても、智絵里さん大人気ですねぇ」

智絵里「そ、そんなこと、ないです……」

朋「いやそんなことあるでしょ。結局里美ちゃんが出てこないままメイドの子達だけわらわら出て来て」

さくら「サイン貰うのにすごい列が出来てました」

智絵里「あの、はい、ええと……すみません……」

ガチャッ

里美「ほわぁ……あっ、お兄ちゃん!」

P「ん? あっ! さとみんだ!」

朋「やっと出て……髪も服もぼろぼろだけど、大丈夫?」

さくら「まるでどこかから転がり落ちたみたいに見えます」

P「いや、待て、おかしい」

朋「どうしたの?」

P「いま門からさとみんが出てきたということは、この二つの丸いものは一体……?」

朋「あんたメロン見たこと無いの?」

里美「お兄ちゃ~ん」

P「あっ、藤居ちょっとこれ持ってて」

朋「えっ、何……重っ、重いわねこのメロン」

P「さとみんおいで!」

里美「お兄ちゃ~んっ」

ダキッ ギュム

里美「ふわぁ……あったかぁい」

さくら「すごくナチュラルに飛び込みました」

朋「うん、そして凄い自然に抱きとめたわね」

智絵里「……いいなぁ」

朋「えっ?」

智絵里「あっ、いえ、あの……何でもない、です」

さくら「ずるい! プロデューサーさぁん! わたしも! わたしもそれやりたいでぇす!」

P「ああいいぞ、おいでおいで」

さくら「やった!」

朋「いいんだ……何か、抵抗とかないの、そういうの」

さくら「わぁい! 里美さぁん!」

里美「わわっ、さくらちゃ~ん」

朋「あっ、そっちに飛び込むのね」

智絵里「……えっ?」

朋「えっ? ……あっ、いや、ちがっ、そうよね、抱きつくなら里美ちゃんよね、あはは……」

さくら「ちょーやわらかい……」

P「さとみんは甘いやつがいいよな。じゃあこれな、チュッパチャプス、イチゴとキャラメルどっちがいい?」

里美「いちご!」

P「はいイチゴ。藤居は何食べる? ポテロング?」

朋「別になんでもいいけど」

P「オレオもあるぞ」

朋「じゃあオレオにする」

P「はいオレオ」

朋「ん、ありがと」

メイド「あのー」

P「ん?」

メイド「本当にお嬢様のプロデューサーさんだったんですね。先ほどは失礼しましたー」

P「いいよ、俺は寛大な心の持ち主だから。じゃあちょっとさとみん遊びに連れて行くけど、いいよな」

メイド「えぇ、えぇ、もちろんでございます。くれぐれもお嬢様をよろしくお願いいたします。お嬢様は、あの、何と言うか少々あれなので」

P「そうだな、少々あれだな」

メイド「はい、その……アホなので……」

朋「濁したままにしときなさいよ……さっきから何なのよここのメイドさんたちは……」

>>14
> P「うぅ……さとみん、どうしてこんな姿に……」
かなり笑った。

P「さとみんの家が駄目となると、さてどうしたものか」

さくら「里美さんのお家がよかったです」

P「そうだな、あの規模の家ならまず間違いなくおいしい物が出てくるもんな」

さくら「そうです」

朋「言ったって仕方ないでしょ、大掃除だっていうんだから」

さくら「それはそうですけどぉ」

P「あっ、さとみんどこ行くんだ! こっちおいで!」

里美「あっちに珍しい花が~」

P「よしよし、そうだな、じゃあさとみんは手繋いでような、油断するとすぐどっか行っちゃうから」

里美「うん」

P「あ、でも待て、俺の両手はいま二つの丸いものでふさがっている。どうしよう」

朋「はいはい、メロン一個持ってあげるから」

P「なんと。藤居は優しいな。でもこれ重いぞ、大丈夫か?」

朋「平気よこれくらい」

P「そうか、じゃあ頼む。藤居がいてよかった、俺は藤居がいないと何も出来ない」

朋「はいはい、そうね」

智絵里「……」

朋「ん? 智絵里ちゃん、どうかした?」

智絵里「あっ、いえ、あの……私も、メロン持とうかな、なんて……」

朋「メロン? ……ああ、ふふっ、うん、いいんじゃない、持ってあげたら」

智絵里「は、はい、すみません……あの、あの、プロデューサーさんっ」

P「ん?」

智絵里「メロン、私も、持ちます」

P「そうか、おがちも優しいな。でも大丈夫だ、これ重いし、片手が空いてればさとみんは捕まえておけるからな」

智絵里「はい、でも、あの……」

朋「折角だから、持ってもらえばいいじゃない」

P「ふむ、そうか、そうだな、じゃあ頼むおがち。ありがとうおがち、おがちはいつも俺を助けてくれる」

智絵里「いえ、あの……えへへ」

朋「で、もう片手も空いたプロデューサーは、その手で何をどうするの」

さくら「あ、じゃあー、わたしもプロデューサーさんと手ぇつないで歩きたいでぇす」

朋「いや違うでしょさくらちゃん、この流れでさくらちゃんじゃないでしょ」

さくら「えー、なんでですかぁ」

朋「順番よ、順番。もう少ししたら交代してもらうといいわ」

さくら「はーい」

P「右手におがち、左手にさとみん」

朋「両手に花ね、うらやましい」

P「世界中から羨望のまなざしを一身に受けて生きていきたい」

さくら「十分で交代にしましょぉ。智絵里さん、わたし、朋さん、わたし、智絵里さんの順番でぇ」

朋「あ、あたしは別に、いいかな……」

さくら「えぇー、でもぉ、それだと智絵里さん、わたし、わたし、智絵里さん、わたしの順番になっちゃいます」

朋「いや、智絵里ちゃん、さくらちゃん、智絵里ちゃん、さくらちゃんって順番にすればいいじゃない」

さくら「あ、そっかぁ」

P「さてさて、どうする、どこ行くか、商店街のほう行ってみるか」

朋「商店街? 何かあるの?」

P「特に何も。ただなんとなく、何かしらのイベントが発生しそうな気がする」

朋「そんな、都合よくはいかないでしょ」

P「大丈夫、俺は例のあの人とも友達だ」

さくら「プロデューサーさんはぁ、お友達多いですねぇ」

朋「誰よ例のあの人って」

P「ご都合主義の神様」

朋「あ、そ、そう……ちょっと何言ってるかわかんないけど」

智絵里「……かっこいい」

朋「えっ、そうなの? こういう不思議な感じがいいの?」

P「そういうわけで商店街だ。何やらおいしい物のにおいがする」

里美「あ~、あっちのほうに~」

P「あ、こら、暴れるなさとみん! 大人しくしてなきゃ駄目だろ!」

里美「ふえぇ」

さくら「もう里美さんは手ぇつないでるってレベルじゃないです」

朋「そうね、腰元抱えられて、あれ荷物か何かの扱いよ」

P「さて、イベントは、っと……お、あそこに見えるのはウザPじゃないか」

朋「えっ、宇佐見さん? いるの? ……あたしあの人、少し苦手かも」

P「そうだな、あいつが得意な奴はそうそういないだろうな」

さくら「あっ! かな子さんも一緒にいます!」

智絵里「それに、菜帆さんと、みちるさんも……」

P「イベント起こったな。どうだ見たか!」

朋「う、うん、そうね。ご都合主義の神様って存在するのね……」

P「おーい! 宇佐見P!」

ウザP「あん? ああ、河合さんじゃないですか、何だよ」

P「何してるんだこんな所で」

ウザP「何してるって、商店街でサッカーしてるようにでも見えますか?」

P「いや、たまの休日なので担当アイドルを連れてご飯を食べるところを探し歩いてるように見える」

ウザP「あっはっは、河合さんはすげえなやっぱ、その通りです」

P「先日のトランプの対決、ババ抜きで負けた三村かな子の奢りでお高いランチを食べようとしているように見える」

ウザP「見ただけでそこまで分かるのかよ、怖ぇよ、何者だよあんた」

P「あっ、村松、ちょっとあの三人の周りを回っておいで」

さくら「回ってきまぁす」

P「うん、よしよし。ええと、で、何だっけ、一緒にご飯食べようって話だっけ」

ウザP「は? え? ……えぇ、まぁ、俺は構わないですけど」

さくら「……」ウロウロ

かな子「ど、どうしたのさくらちゃん」

さくら「いえ、ちょっと」ウロウロ

かな子「そ、そう」

みちる「あんぱん食べます?」

さくら「食べる!」

みちる「あははー、じゃあこれあげますね」

さくら「ありがとうございまぁす」

菜帆「お饅頭もどうかしら~」

さくら「欲しい!」

菜帆「はい、じゃあ皆さんの分もどうぞ~」

さくら「ありがとうございまぁす」

かな子「……」

さくら「……」ウロウロ

かな子「ク、クッキーならあるけど……」

さくら「ありがとうございまぁす」

かな子「うん、いいよ、とほほ……」

さくら「やった! プロデューサーさぁん!」

P「おっ、どうだった村松!」

さくら「これっ、あんぱんとぉ、もみじ饅頭とぉ、あとクッキーもらえました!」

P「よしよし、すごい収穫だ! よくやったぞ村松」

さくら「えへへぇ」

ウザP「……アイドルに意地きたねぇ真似させてんじゃねぇですよ」

P「ん? 村松はただ回ってただけだぞ?」

さくら「そうです」

ウザP「まぁどうでもいいですけど……。じゃあそこの店でメシ食いますか、折角だから奢りますよ、三村が」

かな子「踏んだり蹴ったり……」

ウザP「何だ三村、チャンスが欲しいか?」

かな子「……チャンス欲しいです」

ウザP「そうか、そうか、じゃあ慈悲深い俺に心から感謝しろよ」

かな子「はい、ありがとうございます……」

ウザP「今度のグラビアは水着でいってみるか、そろそろそういう季節だしな」

かな子「はい、あの、それは、その、お腹周りがあの……」

ウザP「はぁ?」

かな子「いえ、嬉しいです、ありがとうございます……」

ウザP「あっはっは、そうだろう、そうだろう。そんじゃあ、河合さん」

P「ん? 俺はカルボナーラにしようかな」

ウザP「そうじゃなくて。LIVEバトルしましょうか、今ここで、昼飯の支払いをかけて」

P「えっ、三村のおごりじゃないのか。だとするとカルボナーラは難しいな」

ウザP「俺らが負けたら三村の奢りです。河合さんたちが負けたら、そっちのメンバーで全額持ってもらうっつーことで」

P「合計九人分か、結構な額になりそうだな」

ウザP「言っときますけどこいつら、一人につきゼロ五つ分くらいは軽く食いますよ」

P「相談タイム!」

朋「えっ?」

P「円になって、相談タイムだから、丸く、寄って寄って」

さくら「何の相談ですか?」

P「声は小さくっ」

里美「ほわぁ」

智絵里「え、ええと……」

菜帆「うふふ~」

P「あっ! 海老が混じってる! 追い出せ!」

菜帆「あ~んっ」

P「俺はいま十八円しか持ってない」

さくら「わたしはぁ……二百円くらいですねぇ」

朋「なんでそんなに無いのよあんたら……」

P「藤居は?」

朋「ええと、一万ちょっと、一万三千くらい」

P「すごい。おがちは?」

智絵里「え、えっと……二万、六千円と、細かいのが少し……」

P「何でも買えるな。で、期待のさとみんは」

里美「ふえぇ、お金持ってないですぅ」

P「そうか……」

里美「お買い物はいつもぉ、この黒いカードで済ませるように言いつけられてますので~」

P「おらぁ! 受けて立つぞウザPめ!」

ウザP「あ? 次ウザPっつったら殺すぞ」

P「う、受けて立たせていただくぞ宇佐見Pめぇ」

朋「弱っ」

智絵里「で、でも、強気に出て喧嘩しないところが、すっ、素敵です……」

朋「智絵里ちゃんはほんとにメロメロなのね……」

智絵里「いえ、そんな……はい……」

ウザP「これで三村も財布を気にせずメシが食えるな」

かな子「まだ勝てると決まったわけじゃ……」

ウザP「負けるわけねぇだろ」

かな子「はい、まぁ、勝てるとは思いますけど……」

ウザP「そんじゃあ、食前の軽い運動といきますか」

菜帆「は~い」

みちる「ご飯を目前に控えてると、何だかパワーが沸いてきますね!」

ウザP「なんてったって奢りだからな。メインを美味しく頂くためっつー意味じゃ、このバトルは前菜と言っても良いかもな」

みちる「うまいこと言いますねー」

菜帆「ごはんだけに~」

かな子「かぶせた! 菜帆ちゃんすごい」

ウザP「いい感じだ。じゃあ、お前ら、一丁気合入れて」

かな子「はい」

菜帆「は~い」

みちる「あははー」

ウザP「食い散らかしてやれ」

P「……」

朋「……」

智絵里「……」

さくら「……」

里美「……ふえぇ」

さくら「目が光ってるように見えます」

朋「同じ事務所のアイドル仲間を見る目じゃないわね」

智絵里「少し、怖い、かも……」

P「あの目……どこかで見たことがあるような」

さくら「えっ、どこですか、どの辺り?」

P「いや、それがどうにも思い出せない……どこだったか、サバンナの何処かだったのは覚えてるんだが」

朋「大体わかったからもう思い出さなくて良いわよ」

P「相談タイム!」

朋「また? 今度は何よ」

P「……」

朋「あっ、円になるのね」

P「そう」

さくら「なりました!」

朋「で、なに?」

P「一応行く末を藤居に占ってもらおう」

朋「何の意味が……まぁいいけど。タロットでいいわよね」

P「適当に言っただけなのに、持ってるんだタロット」

朋「な、何よ、いいじゃない別に」

朋「……おかしいわね」

P「出たか! タロットはなんて言ってる?」

朋「それが、適当に五枚めくってみたんだけど……」

P「ん? 見せて見せて」

さくら「わたしにも見せてくださぁい」

朋「……」

P「どうした藤居」

朋「十三番が……」

P「ああ、デスか。まぁそういうのが出るときもあるな」

さくら「気にしない気にしなぁい。頑張って死神パワーを弾き返しましょー」

朋「デスが五枚めくれたんだけど……」

P「五人ほど死ぬな」

さくら「えぇー」

P「じゃあ作戦は『いのちだいじに』で。おがちとさとみんもわかったな」

智絵里「は、はいっ」

里美「ほわぁ」

朋「いや、もっと何か反応あるでしょ、一枚しか入ってないのに五枚めくれたのよ? ねえ聞いてる?」

P「食べた食べた、もう食べれない」

朋「すごい食べてたけど、大丈夫? 少し横になる?」

P「へーきへーき」

朋「ならいいけど」

P「……いやぁ、それにしても」

朋「うん」

P「えらい勢いで負けたな」

朋「そうね。考えてみれば、商店街で戦うべきではなかったわよね」

P「そうだな。飲食関係のお店は全部あっちの味方だったもんな」

<パスパース

<アー カナコサン ドコナゲテルンデスカァ

<ゴッ ゴメンナサイッ

<ホワァ

朋「あっちは元気ね」

P「ああ、半角カタカナになると、中国拳法の達人みたいだな」

朋「えっ? 何が?」

P「さとみんが」

朋「えっ?」

P「ん? それより、藤居はフリスビーに参加しなくていいのか?」

朋「うん。お腹いっぱいで動けないし、それに……」

P「それに?」

朋「……ううん、なんでもない」

P「そうか」

朋「……」

P「……ああ、そういえば」

朋「なに?」

P「今日は藤居とだけまだ手を繋いでない」

朋「……だったら、何よ」

P「いや、だから何だと言うわけではない」

朋「そう……」

朋「……」

P「……」

<チエリチャン ソッチイッタヨ

<ハ ハイッ

<アハハー

朋「……」

P「……」

朋「……べつに、いいけど」

P「ん? 何が?」

朋「えっ、あ、なんでも、ない……」

P「え? なにがいいの? ねえねえ?」

朋「そ……」

P「そ?」

朋「そんな反応しなくたっていいじゃない……あたしだって、いま、自分なりに、思い切って……言ったのに」

P「え、う、ごめん。はい、じゃあ、お手を拝借、失礼しまして。あっ、これはやわらかくていい手ですね、少しひんやりしてて気持ち良い」

朋「……ばか」

P「よく言われる」

朋「……」

P「……」

<サクラチャン ツカマエタッ

<アッ ココカラコッチハ セーフデェス イミナイ

<エーッ ナニソノルール シラナイ……

<イマ ツクリマシタ

朋「……」

P「……」

朋「……あんたってさ」

P「ん?」

朋「手、おっきいよね」

P「そうか?」

朋「うん。なんか、安心する」

P「そうか」

<ミチルサン メ メガコワイ デス……

<チエリサンガ タベラレチャウ!!

<タイヘン タベルナラワタシカ カナコチャンニー

<ナンデッ

<イロイロ アマッテルノデー

<アマッテナイヨ!!

P「……もうすぐ陽が落ちるな」

朋「……うん」

P「そろそろ帰るか」

朋「……」

<フエェ

<アッ サトミサン コロンダッ

<ダイジョウブデスカー

<デモ タブン ヘイキデス

<フワァ クッションガ ツイテテ タスカリマシター

<アハハー

朋「……なんか、あっち盛り上がってるし」

P「うん」

朋「もう少しだけ……」

P「そうだな」

社会人なのに財布の中に札がないのはいかんぞ……

翌日

P「村松、そおっとだぞ、そおっと、焦ってはいけない」

さくら「い、いま、は、は、話しかけないでくださぁい」

P「あああー! 駄目だ、その位置は危ない! 揺れてる!」

さくら「静かにしてよぉ!」

ガチャッ

朋「おはよ」

P「あっ、藤居だ」

さくら「朋さん! おはようございまぁす」

ガシャーンッ

P「あー! 倒した! 村松の負け」

さくら「あーっ!」

P「今度こそ俺の勝ちだ。コアラのマーチは俺のものだ」

さくら「……いまのなしです。積み方がわるかったもん」

朋「……何してんの?」

P「ジェンガ」

朋「うん、それは見ればわかるんだけど……」

さくら「プロデューサーさんが変な積み方ばっかりするからすぐ倒れちゃう」

P「じゃあ今度は村松が積めば良いだろ!」

さくら「そうしまぁす」

P「まったく……あ、そういえば」

朋「……何?」

P「……負けた」

朋「えっ? 勝ったんじゃないの?」

P「村松、藤居をよく見てみろ」

さくら「えっ、べつにいつも通り……あっ」

朋「何よ」

P「負けた!」

さくら「わたしも負けましたぁ!」

朋「ど、どうしたの?」

P「両方負けだったから、今日のおやつは藤居に献上しよう……」

さくら「そうですねぇ……」

P「ほら藤居、コアラのマーチだ……」

朋「あ、ありがとう……何なの?」

P「藤居、せめてそのもさもさポニテを触ってもいいだろうか……」

朋「えっ? えっ?」

P「……」

朋「……べつに、いいけど」

以上です。途中から朋ちゃんルートに入りたくて仕方なかった。
ちなみに私は朋ちゃんPです。
HTML化を依頼してまいります。


朋ちゃん可愛い
あと、みんなが仲良しでいいや
優しい世界

乙!いいテンポで読めて面白かった

謎のほんわか空間楽しかった
あとさとみんがメロンとはどういうことだPィ!(胸を凝視しながら)

ホワチャーッ!

なんだろうか、なんていうか、
全体的にものすごくふわふわした雰囲気でものすごく和んだし癒やされたような。
そんな気がします

乙、村松とさとみんアホかわいい
前さくらの卵焼きss書いてた人かな?

これが世に言うゆるふわってやつか

ここまでゆるふわしてるの久々に見たかも
おっつおっつ

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