モバP「アニバーサリーパーティで2人と」 (72)





※この話は、前に書かせて頂いた

モバP「天体観測を2人と」

の設定を引き継いでおります。
前作の内容に触れる場面があるため、先に前作を読んで頂けると幸いです。


平気な方、既に読んで下さった方は、よろしくお願いします。





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某ホテル パーティ会場


ワイワイ ガヤガヤ


アーニャ「……プロデューサー、人がとても、沢山いますね?」

P「ああ、凄い人多くて、しかも会場広い……ちひろさん、よくこんな所セッティング出来たなぁ。費用とかどこから……」

のあ「……無粋よ、P。今は何も考えず、ただ今を過ごせば良いわ」

P「あっ、すみません。職業柄、どうもお金掛かっていそうなものを見ると、そう考えちゃって……って、これも言い訳ですね……」

アーニャ「プロデューサー。今日は、お祝いです、パーティです。お仕事のことは忘れて、一緒に楽しみましょう?」

P「ごめんなアーニャ、気を遣わせちゃって。……よし、忘れた、俺はただのパーティ参加者だ」

アーニャ「ふふ、そうですね。私とのあも、ただの参加者です」

のあ「その切り替えの早さ……流石ね。……そろそろ、始まるみたいよ」




ブゥン キィィィィィィィィン


ちひろ『あわわ、マイクが……し、失礼しましたー!』

ちひろ『あー、マイクテスト、マイクテストー。えっと、奥の方、聞こえますかー?』

ちひろ『……大丈夫みたいですね。ではわたくし、千川ちひろが音頭をとらせて頂きます!』


ちひろ『えー、皆さん、ここにお集まり頂いたのは他でもありません』

ちひろ『今日ございました、シンデレラガールズ事務所2周年記念のアニバーサリーライブ、大成功に終わりました!』

ちひろ『LIVEが成功したのも、事務所がここまで続いているのも、偏にアイドルの皆さんと、プロデューサーの方々のお力があってこそです』

ちひろ『本当にありがとうございます!』


\ワァァァァァァァァァァァ/  パチパチパチパチ


ちひろ『えへへ、ありがとうございます、ありがとうございます』




ちひろ『ということで、皆さんへの功労に感謝して、わたくし千川が、この会場をどどんと貸し切ってみました!』

ちひろ『ご用意させて頂いた料理は、和洋中折衷。食べたいものが無いなんてことが無いくらいにあります! デザートも完備してます!』

ちひろ『このパーティ、少しでも皆さんに楽しんで頂ければ幸いです!』

ちひろ『さぁ……皆さん、グラスを持って頂けますでしょうか!』

ちひろ『持ちましたか? 大丈夫ですか? ちょっと人多すぎて確認できないので、すみませんが各々で確認をお願い致します!』

ちひろ『……持ちました? はい、大丈夫そうですね』

ちひろ『……それでは皆さん、今日はお疲れ様でした! これからもシンデレラガールズ事務所の躍進を願って――かんぱーい!』



『『『『かんぱーい!』』』』





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ワイワイ ガヤガヤ……


アーニャ「こんなに大きなパーティ、私初めてです。ドキドキしますね」

P「俺もここまで大きいパーティは初めてだな。……ここに居て良いのかって思うくらいドキドキするよ」

のあ「……」

P「……LIVEとは違った高揚感がありますよね、のあさん」

のあ「……そうね。悪くない気分だわ」

アーニャ「ダー。私も、プロデューサーと、のあと一緒で……楽しい? 嬉しい? んー、やっぱり表現、難しいですね」

P「楽しいし嬉しい、で大丈夫だよ。俺も、のあさんもきっとそうだからさ」

のあ「……ええ、近しい感情であることには間違い無いわね」

アーニャ「あ……ふふ、スパシーバ♪」





P「さて、と。アーニャ、何か食べたいものってあるのか? 俺、とってくるよ」

アーニャ「アー、食べたいものはあります。けれど、プロデューサーと、のあと一緒に取りに行きたいです」

のあ「同感よ。P、貴方は私達と同じ参加者、率先して何かを行う必要は無いの。一緒に、行きましょう?」

P「あ、そうでしたね……では、一緒に行きましょうか。まずはどこから行きます?」

アーニャ「アー、まずは和食の所に行ってみたいです。和食は、まだ食べたことがない物が多いので……楽しみです」

のあ「……だそうよ、P。私は、2人が行く先の物を眼に収め、口にしたいわ」

P「じゃあ、まずは和食ブースからですね。行きましょうか」





スタスタ テコテコ コツコツ


P「そういえば聞いてなかったけれど……アーニャ、のあさんの呼び方変えたんだな?」

アーニャ「アー、そうです。のあが、私のデビューCDを聴いてくれた後、そう呼んで欲しいと……」

P「デビューCDを聴いた後? ……あー、それってもしかして、アーニャが楓さんの事を名前だけで呼んでいたかr」

のあ「……Я люблю тебя. Я не могу жить без тебя.」

アーニャ「!? あ、のあっ、それはダメです! プロデューサーの前で、それは……!」





P「え、何!? のあさん何言ったんですか!?」

のあ「……アーニャのCD、アドリブシt」

アーニャ「あー、だめ、ダメです! のあ、この話は終わりに、終わりにしましょう! ウー……неудобные 」

のあ「P、残念だけれど……アーニャが終わりを欲しているわ。『恥ずかしい』、と」

P「ん、そうですか。アーニャのCD……後で聴き返してみれば分かるかな……」

アーニャ「почему!? プロデューサー、だ、ダメです、もう私のは、聴いちゃだめです!」

P「えっ、いや、それはプロデューサーとして悲しすぎるんだけど!? ちょっと、アーニャ!?」




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和食ブース



P「ここが和食ブースかー。……品揃え、確かに凄いわ」

アーニャ「わぁ……プロデューサー、和食は、こんなにも種類があるんですね。オー、美味しそう……」

のあ「アイドル達の出身地の特産品も……粗方集まっているようね」

P「和菓子も完璧に取りそろえてる……凄いとしか言いようがないな。ああ、アーニャ、和食の何を食べてみたいんだ?」

アーニャ「アー、この、ユバ……ですか? と言う物を食べてみたいです。これ……なんでしょう?」

のあ「大豆を加熱した際に発生する、蛋白質の膜の事よ。京の……京都の精進料理ね」




P「おお……のあさん詳しい。大豆ってのは知ってましたが、そういうものなんですね」

アーニャ「ショウジン料理……?」

P「食材に肉を使わない料理のことだよ。野菜や穀物がメインなるから、今ではヘルシーな料理として一部の人に人気なんだ」

アーニャ「パニャートナ……なるほど。ロシアにも、似たような料理があります。結構、同じ文化があって面白いですね」

のあ「そうね……。Pも、食べるのかしら?」




P「あ、俺取りますよ。流石にここくらいはやらせて貰っていいですよね? もちろん、のあさんの分も取りますから」

のあ「……そう。なら、お願いするわ」

P「ええ、任せて下さい。さて、お玉と箸はどこかな……」ステステ


アーニャ「……のあ、食べたかったんですか?」

のあ「言おうとしたのだけれど……先に見抜かれてしまったわ」

アーニャ「Сердце сердцу весть подаёт……えと、以心伝心、ですね? ンー、羨ましい、です」

のあ「……前にも言ったわ。貴方も、同じよ?」

アーニャ「……ダー♪」

P「よっと……おし、注げた注げた。お待たせしました、2人ともー」




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P「……この湯葉、めっちゃくちゃ美味いな。ちひろさん、どこの料亭に依頼したんだろう……うま、うまぁ……」モグモグ

アーニャ「これは……フクゥースナ、美味しいです! なんでしょう、プリーフクゥス……風味が、あると思います。こんなに薄いのに、食べると、味が詰まってて……」モムモム

のあ「……」パク

のあ「……」モグ

P「……のあさん、どうですか?」

のあ「ええ。滑らかで……美味ね」




P「この湯葉、ずっと食べていたい気になるが……折角の和洋中折衷だし、湯葉だけでお腹いっぱいにするのも勿体ないか」

アーニャ「では、次はのあの食べたい物、探しましょう?」

のあ「私は……」

P「? のあさん?」

のあ「いえ、なんでもないわ。ただ私のは……後にしてもらえるかしら」

P「後って……のあさん、遠慮しなくていいんですよ?」

のあ「私の欲する食物は……和菓子なの。甘味は、食後でしょう?」

アーニャ「アー、そうですね。これだけありますから、無くなることは無さそうです。では、プロデューサーの食べたい物、何かありますか?」

P「俺か……あー、少しここらを回ったら、小籠包とか食べたいかな。ガッツリ行かなくていいものだから、他にも色々食べられるだろ?」

のあ「ここを巡った後は、中華のブースね。……行きましょう」

アーニャ「ダー、楽しみですね」




テコテコ スタスタ コツコツ


P「しかしこう見ると本当に人多いなぁ。アイドルとトレーナーさん達で191人だから……ちひろさんと担当プロデューサーを含めると200人越えるかも?」

アーニャ「アー、他のプロデューサーさんも、プロデューサーみたいにアイドル全員のプロフィールを……覚えているんですか?」

P「この前ヘレンさんのプロデューサーとそういう話をしたときは、『お前、頭ダンサブルだな』って言われたんだ。未だに意味分かって無いんだがなんなんだろうな……?」

のあ「……少なくとも、彼女のプロデューサーは、担当アイドルのプロフィールだけを記憶しているようね」

P「そうなんですかね……まぁ、覚えて損はなさそうですから良いんですが」

アーニャ(のあ、プロデューサーのこと、どう思いますか?)コソッ

のあ(……それが彼の美点、と見た方が得策よ)

アーニャ(アー……そう、思っておきますね)




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P「……あ、飲み物そろそろ無くなってきたか。ちょっと取って来ます、2人のリクエストってありますか?」

アーニャ「大丈夫ですよ? 一緒に……」

P「3人で考える事じゃないし、俺がぱぱっと行って来るよ。ありがとな、アーニャ」ナデナデ

アーニャ「ン……そうですか?」

のあ「……それなら、サロンというシャンパーニュを。もし無ければ、銘柄は気にしないわ」

アーニャ「アー、MOCP……モルスという、ロシアの飲み物があれば、飲みたいです」

P「サロンに、モルス。分かった、直ぐ取ってくるよ」スタスタタ




アーニャ「……プロデューサー、やっぱり優しいですね」

のあ「……私達に何かをしないと気が済まない。一般参加者という体は、困難だったようね」

アーニャ「ふふ、それでこそ、私達のプロデューサーな感じ、ですね? プロデューサー、なんだか生き生きしてました……カッコイイです」

のあ「……そうね」

アーニャ「のあ、シャンパーニュ……お酒、強いんですか?」




のあ「人並み……かどうかは、把握していないわ。他人とは、殆ど行かないの」

アーニャ「そうですか……だから、飲み過ぎる事も、ないですね?」

のあ「ええ。私の限界を認識しているのはPだけ……1人の判断のみでは、私の限界を決定し難いわ」

アーニャ「……プロデューサーとは、行くんですか?」ジー

のあ「…………」

アーニャ「…………」

のあ「……失言だったわ。アーニャ、忘れるべき事柄よ」

アーニャ「のあ、詳しく……聞きたいです。プロデューサーのこととか、色々」ジトー

のあ「……」




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スタスタ…


P(サロンとモルス……まさか本当にあるとは。飲み物の品揃えも本気だったな……)

P(サロンって、確かシャンパーニュの中でかなり高価なものだったような……あー、事務所年長組の人たちがどう動くかちょっと怖いぞ)

P(あとこのモルス……なんだろう、これ? ……色と甘酸っぱい香りからすると、ベリー系のジュースか?)



タタタタ…

ドンッ!


P「っと、危なっ!?」

?「うおわっ!?」


バシャッ




P「あー、危な……零すところだった……! ……冷たっ」

?「ああああ申し訳ありません! ちょっとよそ見してたら……!」ペコペコ

P「……あれ、あなたはニュージェネの……NGPさん?」

NG(ニュージェネレーション)P「あ、はい、そうです。……貴方は、アナスタシアちゃんと高峯さんの」

P「ええ、Pです。今回のLIVE大成功でしたね、本当にお疲れ様でした」

NGP「あ、ご丁寧にすみません……って、ああ!? Pさんのスーツに水がかかって……!?」

P「ああ、大丈夫ですよ。水、だったんですよね? それなら、そこまでシミにならないでしょうし……」

NGP「すみません、折角のパーティだってのに、スーツを濡らしてしまって……」ペコペコ

P「ああ、頭上げて下さい。室内は暖かいですし、直ぐに乾きますって」

NGP「ああもう、アイドルはきちんとしてるのにプロデューサーがこんなだから……申し訳ないっ!」ペコペコペコペコ

P「加速した!? NGPさん落ち着いて下さい、ちょっと注目されてますから! 目立ってますからぁ!」




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P「あ、いたいた……2人とも、お待たせ」

アーニャ「プリヴェート、おかえり、ですね。……シトー? スーツ、どうしたんですか?」

P「あー、いや、前方不注意で人とぶつかっちゃってさ。ちょっと相手の水被っちゃったんだ」

のあ「……両手、塞がっているのね。少しでも拭くわ……アーニャ」

アーニャ「ダー。プロデューサー、動かないでくださいね?」

のあ「近くにテーブルがあれば飲み物を置けたのだけれど……応急処置だけするわ」




P「は、はい……なんか、2人からスーツ拭いて貰うって、申し訳ないな……」

アーニャ「これくらい、なんてことはない、ですよ?」

のあ「貴方は少し、自分に遠慮をしすぎているわ。私達の甲斐性は、貴方の言葉1つで十分過ぎる対価になるの」

P「そうですか……ありがとう、2人とも」

のあ「そう、その言葉でいい。それで……私達は満足よ」

アーニャ「こちらこそ、です。スパシーバ、プロデューサー――」




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卯月「あ、NGPさん、お仕事お疲れ様です!」

NGP「え? お仕事って……何の話?」

凛「……え? さっき向こうで頭下げてたけど、営業じゃないの?」

NGP「んあ"、それはだな……かくかくしかじかで……」

未央「飲み物かけちゃって平謝りしてた……?」

凛「はぁ……仕事してるわけじゃなかった……」

未央「プロデューサー! そこはさぁ~!」

NGP「え? え? 何の話だったんだ?」

卯月「2人とも、まぁまぁ~。NGPさんがお仕事してくれてるのは本当なんだから……」





凛「それは分かってるよ。ただ、私達が見てる前でも、ちゃんと支えていてくれてるんだって思いたかったから……」

NGP「凛……」

未央「お、お、おお~? 聞きましたか、しまむーさん!」

卯月「はい! 聞いちゃいましたよ、未央ちゃん!」

凛「え、な、何?」

未央「いやー、私達の前でそんなデレッデレな事言っちゃって! さすがクールのアイドル、クーデレの金字塔!」

卯月「凛ちゃん、そういうギャップがあって可愛いよね! 私、そういうのって分からないから……凄いなって思うよ!」

NGP「いや、凛がそんなこと思ってくれてるとは……ありがとうな、凛」




凛「ちょ、ちょっと! なんで私だけこんな扱いになってるの!? 未央も卯月も、同じような事言ってたよ!?」

NGP「そうなのか? 2人も、ありがとうな」

未央「良いって事よー! ま、褒めるのならきちんと口にしたしぶりんを目一杯褒めちぎってあげちゃって!」

卯月「そうですね! 凛ちゃん、前からプロデューサーさんに甘えたいみたいな事言ってたし……」

凛「何言ってるの卯月!? ち、違うよプロデューサー、それは違うから!」

NGP「そうかそうか。凛、遠慮しなくていいぞ? ……ほら、おいで?」

凛「ちょ、ちょっと……もう、し、仕方ないなぁ……」



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コツコツ スタスタ テコテコ


P「ふー、小籠包、美味しかったなぁ」

アーニャ「ダー、何度か食べたことはありましたが……あんなに肉汁の入ったショウロンポーは初めてでした。食文化は、奥が深いですね」

のあ「……そろそろ洋食ブースね。2人は、何か興味を惹く物はあるのかしら」

P「和、中華と比べると一番種類豊富ですからねぇ……こうなると、何食べたいか迷いますね」

アーニャ「ンー、ロシアの料理は、家でも食べられますから……選ぶって、大変です」

P「のあさんは、食べたことのない料理とかありますか? 多分、ここならあるんじゃないかと」

のあ「……そうね、三大珍味などは……まだ正確には経験したことが無いわ」

P「あー、そう考えると、俺もしっかり食べたことないですね」

アーニャ「あ、それなら……キャビアとかどうですか? ロシアでは、キャビアが有名です」

P「キャビアか……のあさんは、大丈夫ですか?」

のあ「ええ、貴方たちについていく……そう決めているから」

アーニャ「ダー、では……キャビア、探しましょう?」




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洋食ブース


アーニャ「ой、プロデューサー、あそこに……」

P「お、あったあった…………キャビアって、こんな山盛りに用意出来るものだっけ?」

アーニャ「……驚きました。私も、こんなに沢山のキャビアは、初めて見ます」

のあ「……壮観ね」

P「ちひろさん、ホントどれだけ……止めよう、考えても意味ないしな」

アーニャ「とてもイイモノ、使っているみたいです。ちひろ、すごいですね」




P「なぁアーニャ、キャビアって、どう食べるのが良いんだ?」

アーニャ「あー、スプーンで掬って食べます。……それ以外は見たこと無いです」

P「そっか、じゃあ気にしなくても良さそうだな。それじゃあ……」

アーニャ「あ、今度は、私が取ります。少し、待っててくださいね?」

P「そうか? じゃあ、お言葉に甘えて……よろしく頼むよ」

のあ「……頼んだわ」

アーニャ「ダー、先に、のあの分を取りますね」テテテテ




P「……そういえばのあさん、食べたいと言っていた和菓子ってなんだったんですか?」

のあ「……柚餅子よ」

P「ゆべし……凄いチョイスですね」

のあ「……故郷で良く、食べていたの」

P「故郷……奈良県でしたよね。へぇ、ゆべしが有名なんですか」

のあ「機会があれば……2人を招き入れるわ。ただ、その時間が無い事は……承知の上よ」

P「日帰りでなら、なんとかなりそうですけど……2人の休みを同時にとるのは、確かに難しいです」

のあ「構わないわ。多忙であるということは、私達がアイドルとして活動している証拠。……私は幸福ね」

P「……ありがとうございます、のあさん」

のあ「……その言葉、そのまま貴方に返すわ」


カチャカチャ


アーニャ「お待たせしました……のあ、どうぞ、キャビアです。まずはひとくち、いかがですか?」




のあ「そう……キャビア……いただくわ」パク

P「……どうですか?」

アーニャ「……」ドキドキ

のあ「…………」モグモ…

のあ「……」




P「……」

アーニャ「……のあ?」

のあ「……………………飲み物、必要。……水でいいわ。……………早く」

アーニャ「のあ!?」

P(のあさん……口に合わなかったんですね……)




アーニャ「アー、私のはジュースですし、近くに飲み物、飲み物は……?」オロオロ

P「アーニャ、落ち着いて。ちょっと俺、急いで取ってくるから……」

のあ「……」スッ

P「あ」

アーニャ「あっ、のあ、それ、プロデューサーのグラス……!」

のあ「……」クイッ…コクン

アーニャ「……アー」




のあ「………………P、貴方の水、勝手に飲んでしまって御免なさい」

P「いえ、のあさんが無事ならそれで良いんですけど……大丈夫ですか?」

のあ「……キャビアは、私の世界には必要のない食材だった。それと……アーニャも、失礼な事をしてしまったわ」

アーニャ「あ、いえ、私も、苦手な食べ物があります。私の方こそ、Извините……ごめんなさい」

のあ「貴方が気に病むことは無いわ。ただ、相性が悪かった……それだけよ」

アーニャ「そうですか? ならよかったですが……その……」




P「アーニャ? なんでそんなソワソワしてるんだ……?」

アーニャ「ぷ、プロデューサーは、どうして平気ですか? その、のあが……」

P「のあさんが……どういうこと?」

のあ「…………成程。アーニャ、貴方のグラスを……私に」

アーニャ「シトー? ど、どうぞ」スッ

のあ「……P」

P「はい、なんですか?」

のあ「……飲みなさい」

P「え、何をですkむぐっ!?」グイッ




アーニャ「!? の、のあ、何を!? その、それ、私の口、付けた……アー……」

P「むぐぐ……ぷはっ。な、なんで急に飲ませたんですかのあさん!?」

アーニャ「アー……」プシュー

のあ「……モルス。味は、どうかしら?」

P「え? ええと……甘かったですね。ベリージュースだとは思っていたんですが、どうやら砂糖とかも沢山入っているようで結構な甘さに……」

のあ「……アーニャ、Pは気にしない性格のようよ。私も……それほど気にしないわ」

アーニャ「そ、そういうことじゃ……のあ、внезапно……急、すぎます! これでおあいこ、ですが、その……ンー!」ペチペチ ペペペペペペ

P「わ、アーニャ、なんで叩いて……ちょ、地味に痛い痛い!」



のあ「……」

のあ「……それほど、気にしないのだけれど…………少し、高揚する。……ふふ」




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アーニャ「フゥ……お腹、いっぱいです」

P「少しずつしか食べなかったけど、結構な数は食べたからなぁ……俺も、十分だ」

のあ「……一通り、回り終えたわね。P、貴方はどうするのかしら?」

P「あー……実は、回っている間に殆どの方へ挨拶ができたので……もうやることなくって……」

アーニャ「свободен……暇、ですか?」

P「そう、暇なんだ。後は会場がお開きになるまでゆっくりとしよう思ってて……アーニャものあさんも、行きたいところがあったら自由にして全然大丈夫ですよ」

のあ「……そう。それなら……P」

のあ「星は、如何かしら?」

P「……星?」




アーニャ「! アー、のあ、素晴らしいアイディアです。プロデューサー、外に出ませんか? 今日はきっとズヴェズダ……綺麗な星空が見えます」

P「ああ、あそこの広いバルコニーにか? 確かに今日は天気良かったから綺麗な星が見られそうだが……俺に構わず好きなことしてていいんだぞ?」

アーニャ「……プロデューサー、分かって無いです」

のあ「……P、今宵の宴……多様な想いが渦巻いているわ。想いは自身を軸として広がり、相手へと収束する」

アーニャ「ヤー、私は……プロデューサーと、好きなことしていたいです」

P「あ……」

アーニャ「……のあも、ですね?」

のあ「……ええ。多様な想いを全て理解しろ、というわけではないの。分からないのならそれでも構わない……ただ、私達はここに居るわ」

のあ「呼吸を止めず、貴方と居るために……ここに居るの」




P「……」

アーニャ「プロデューサー……どう、ですか?」

のあ「……貴方に全て、委ねているわ」




P「……申し訳ないな。そこまで言って貰えないと気づけない自分が、情けない」

アーニャ「プロデューサー……?」

P「俺もさ、ワガママをいうなら……2人と居たいんだ。2人と、一緒に」

のあ「……」

アーニャ「と、いうことは……」

P「うん。それじゃあ、星を見に行こう。誘ってくれて……本当にありがとう」

アーニャ「……ダー。私も、嬉しいです……スパシーバ」

のあ「……行きましょう、バルコニーへ」




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バルコニー前


P「うおぉ……外へ出てないのにかなり寒くなってきてるな……コート着て大正解だった。アーニャ、のあさん、防寒は出来てますか?」

アーニャ「ダー、いつものコートを着てきましたし……私は寒いの、慣れてますから」

のあ「……ええ、平気よ」

P「なら安心ですね。さて……出ましょうか」


――ガチャッ




P「……おお」

アーニャ「わぁ……」

のあ「……」

P「すご……星がよく見られそうだとは思ったが、まさか雲一つ無いなんて……」

アーニャ「クラスィーヴィ……美しい星空、ですね……」

のあ「見事ね。……吸い込まれてしまいそう」

P「都会からはちょっと離れた会場だけど……まさか、ここまで星がくっきり見えるなんて。うわぁ、すげー……」




アーニャ「ふふ、プロデューサー、嬉しそうですね?」

P「あっ、ごめんごめん。ちょっと興奮しすぎちゃったな」

アーニャ「ニェート……いえ、前にも言いましたが……私は、そんなプロデューサーの顔、好きですよ?」

のあ「感情を抑える意味など、私達の前では必要ないわ。貴方の感じたままに、貴方の心を見せて頂戴」

P「そうですか? ちょっと照れくさいですけれど……」

アーニャ「プロデューサーは、もっと私達に、プロデューサーを伝えるべきです。私達ばかりじゃ、ズルイですからね?」

のあ「……平等の主張では無いの。私達が求める物は、対等。アイドルとプロデューサー、それは相互の関係……」




P「……そんなに、対等じゃないですかね、俺?」

のあ「私とアーニャは、貴方にプロデュースされ……多くの世界を見せて貰ったわ。だけど私達は、貴方をそこまで知れているわけではない」

アーニャ「プロデューサーとは、前に3人で一緒に星を見て……その後、パーティもして貰いました。それは、とても嬉しいことです」

アーニャ「でも、まだ足りないです。プロデューサーの事、それだけじゃ、全然知れていません」

P「……そっか」




のあ「Pの私達にする行いが、私達の幸福に繋がっているのは確かよ。でも、それはPの熱意と、優しさという部分しか伝わらない」

のあ「貴方が普段周りに見せない部分も、貴方に変わりない。私は、貴方の全てを知って、貴方のプロデュースを受ける事を望んでいるの」

アーニャ「ダー、もちろん私もです。プロデューサーが私達を知っているのと同じくらい、私達はプロデューサーを知りたい、です。あってるかな……?」

のあ「相違ないわ。大丈夫よ、アーニャ」

アーニャ「アー、良かった。のあ、Благодарю……感謝、です」

のあ「……分かってもらえたかしら、P」




P「……今日はなんだか、2人に気付かされてばかりですね。……プロデューサーとして恥ずかしいな」

のあ「人は完璧を求める生き物……勿論、私もそうよ。けれど、完璧な人間など存在するはずもない」

アーニャ「プロデューサーは、きちんとプロデューサーをされてますよ? 恥ずかしいことなんて、何も無いです」

のあ「これは……私達の我が儘。Pが恥じることも、責任を感じる必要も有りはしないわ」

P「……そうだとしても、気付いてあげられなかった俺も居ます。それは、やっぱり駄目なことだと思うんですよ」

アーニャ「ニェート、プロデューサー、それは……」

P「だから、さ」




ギュ  ギュ

アーニャ「あ、手を……?」

のあ「……」

P「これからは隠すことなく、しっかりと自分を伝えていきたいと思います。きっと駄目な部分が多く見られるけど……2人とも、一緒に来てくれますか?」

のあ「……愚問ね。……当然よ」

アーニャ「ダー、勿論です。よろしくお願いしますね、プロデューサー?」

P「ほっ……良かったぁ。それじゃあ、手を握ったこのままで、星を見ましょうか。……そうしたいんだけど、ダメかな?」




のあ「……今の流れで、駄目になると?」

P「お、思いませんでしたけど……やっぱり、確認って必要ですし」

アーニャ「あー、なら、もっとくっついて見ましょう? その方が、あたたかいです」ススス

P「え!? あ、いや、そこまでして貰わなくても……!」

のあ「……」カツカツ

P「うおぁ、のあさん、無言で迫って来られるとちょっと怖……あ、ちょ、くっつきすぎです! 転けちゃう、転けちゃいます!」




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アーニャ「日本は、星が余り見られないと思っていましたが……ここは、よく見えますね」

P「そうだな。都会の空は、明るい星しか見られないから……ちょっと寂しく感じるよ」

のあ「目の前の事案ばかりに追随し……前方以外を疎かにしてしまう。都会の発展は、人類の典型的な進化の結果ね」

P「だから、こういう星空を見ると心が躍ります。いやー、本当に綺麗ですよ……本当に」

アーニャ「……」ジー




のあ「アーニャ。星を、見ないの?」

アーニャ「あっ、ニ、ニェト、ちょっと、休憩です。のあ、そういうことじゃないです、ホント、ですよ?」

のあ「……そう。私も、休憩しようかしら」ジー

P「……およ? のあさんどうかしました? 俺の顔に何か付いてます?」

のあ「……いえ、ただ……誰かの目を惹く表情が付いているのでしょうね」

アーニャ「の、のあっ!」

のあ「……ふふ」

P「……?」




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P「そういえばアーニャ、この時期のロシアと日本では、見える星って違うものなのか?」

アーニャ「アー、場所によります。私がロシアで住んでいた場所、日本とはそれほど遠くないので、ナプラヴリエーニイ……あー、方角を変えれば、大体見える物は一緒です」

P「へー、そうなのか。結構違う物だと思ってたなぁ」

のあ「……緯度が近い場所であるから、見える星の位置もほぼ同じよ。ただ違うのは……月の見え方、ね」

P「……月、ですか?」




アーニャ「ダー、そうです。日本では月の模様がクローリク……ウサギに見えると言われていますね? ロシアでは、人の横顔に見える、と言われてます」

P「横顔ねぇ……あ、今日は上弦の月か。双眼鏡もないから、確認のしようがないなぁ」

のあ「……月は常に同じ面を地球に向けて自転しているわ。だから、観測する地点によって、見える面の角度が違うの」

P「ロシアでは、それが丁度人の横顔に見える角度ってわけですね。なるほど……アーニャ、こっちの月を見て驚いたりしなかったか?」

アーニャ「アー、初めは驚きましたが……もう今では、ウサギに見えます。……ぴょんっ、ですね?」

P「ハゥ!?」




のあ「……P? 挙動が些か奇態なようだけれど」

P「え、あ、なんでもないですよ? ええ、特に何でも」

のあ「……」

アーニャ「……プロデューサー、さっきと言ってること、違います。もっとプロデューサーを、私達に伝えてくれる……違いますか?」

P「あ、そうだったな…………え、コレも言うの? ……えーと、軽蔑したり、しない?」

アーニャ「ダー」

のあ「……しないと約束するわ」

P「本当ですね? じゃあ、言いますけれど……」




P「あの……その、アーニャがさ。今、ぴょんって言っただろ?」

アーニャ「? 言いましたが……」

のあ「……」

P「それがその……表情とか言い方とかが完璧でさ、胸に来たっていうか、ときめいたっていうか……そういう事」

アーニャ「あー……アー! 萌え、というやつですね? プロデューサー、私のことカワイイと、思ってくれたのですね?」

P「う……はい、そうです。いや、ちょっとこれ恥ずかしすぎるって……!」

アーニャ「ヤー、私は嬉しいですよ? プロデューサーにそう言って貰えて……ドキドキします、とても、嬉しいです」

P「そ、それはどうも……待って、伝えるってこういう事まで伝える物なのか? ああ、寒いはずなのに、顔めっちゃ熱いんだが……」




のあ「……P」

P「な、なんですかのあさん? 今ちょっと俺、耳まで真っ赤になっていそうなので、あんまり顔を見ないで頂きたいんですけど……」

のあ「………………ぴょん」

P「!?」

アーニャ「あ、のあ、前にバニーの衣装を着てました。その時の台詞ですか?」

のあ「……そうね。P、如何かしら?」

P「のあさん、それ、反則なんですって……のあさんからそう言う台詞は、ギャップがありすぎるんですって……」

のあ「……どうなのかしら?」

P「うっ……凄く、可愛いです。その……とても、胸に来ました」

のあ「……そう」




アーニャ「プロデューサー、もしかして……動物の真似に弱い、ですか?」

P「え!? いや、そんな弱いと言われるほどじゃ……」

のあ「………………にゃん」

アーニャ「にゃー♪」

P「グフッ……ごめんなさい、正直凄いツボです、大好きです……」

アーニャ「……ふふ、のあ、良いこと、知りましたね?」

のあ「そうね。とても重要な情報……参考になるわ」

アーニャ「あー、今度みくにネコミミを借りてきましょう。少しでも、癒されてくれれば……」

のあ「……ウサミミは、菜々かしら」

P「……待って2人とも、何か凄いこと考えてますよね? ちょっとぉ!?」




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のあ「……月が、真上から私達を見下ろしている。外に出て、結構な時間が経ったようね」

P「上弦の月が真上って事は……ああ、もう21時頃ですね。ということはそろそろ……」


ブゥゥゥン

\ちひろ『会場の皆様ー! 名残惜しいですが、そろそろお時間がやって参りました!』/

\ちひろ『食器等の片付けは私達スタッフが担当させて頂いておりますので、テーブルの上に置いたままでよろしくお願いします!』/

\ちひろ『まだ食べてみたい、飲みたい物が有る、と言う方は急いで下さいね?』/

\ちひろ『大丈夫という方は、お忘れ物の無いよう、順次当ホールから退場して頂ければと思います!』/

\ちひろ『というわけで、皆さん。今日は本当にお疲れ様でした! 今後とも、よろしくお願い致します!』/ペコッ


\ワァァァァァ!/





\ちひろ『ありがとうございます! お荷物を預けている方は、1階のフロントにてお受け取り下さい!』/

\ちひろ『外には事務所行きのバス、最寄りの○○駅行きのバスが出ていますので、ご利用される方はどうぞー!』/

\ちひろ『ということで、以上、千川ちひろがお送りしました! ……それじゃあ皆さん、また事務所でね?』/


\パチパチパチパチパチ/ \チヒロサンカッコイイー/ \アリガトウゴザイマス! エヘヘ…/


P「……終わっちゃいましたね」

のあ「……そうね。ここで星を見るのも終わり、かしら」

アーニャ「そうですか……もうちょっと、見ていたかったです」

P「アーニャ……星、また今度見に行こう。今度は、もっと星の見える場所を探しておくからさ」

アーニャ「プロデューサー……ありがとう、ですね」

のあ「……」

P「もちろん、のあさんも一緒ですよ?」

のあ「……ええ、感謝するわ」




P「ふむ、星の見える場所と言っても沢山あるからなぁ……明日からでも探してみようか」

のあ「……場所は、日本限定かしら」

P「海外ですか……ああ、海外LIVEツアーカーニバルに参加出来れば、その合間に見られそうですね。ちょっと掛け合ってみます」

アーニャ「ヤー、私も2人とロシアのオーロラ、一緒に見たいです。ロシアのツアーは、無いんですか?」

P「まだ開催されてないな……もしあったら、絶対参加出来るよう頑張るよ。俺も、アーニャとのあさんと、オーロラ見てみたいから」

のあ「……そう」

アーニャ「バリショーエ スパシーバ! ふふ、プロデューサー、素敵ですね?」




P「あるかどうかも分からないから、期待はそこそこにな? それ以外でも、なんとか休みをとって行けそうな場所を探しておくよ……北海道とか、奈良とか」

アーニャ「それって……プロデューサー……!」

のあ「……貴方は、本当に……ただのプロデューサーじゃないわね」

P「そうできれば良いなぁ、と思っているだけです。実現は、当分先になっちゃいそうなので……」

アーニャ「ハラショー……それでも、嬉しいです。一緒に頑張りましょう、プロデューサー?」

のあ「……仕事は、任せなさい」

P「俺も、プロデューサーとして頑張りますよ。……それじゃあ、ホールに戻るとしましょうか?」




アーニャ「ダー、沢山綺麗なズヴェズダ……見られて良かったです。心が、スッキリしました」

のあ「……良い星だったわ。また、訪れたいものね」

P「そうですね、またここでパーティが出来れば…………あっ」

のあ「……P?」

アーニャ「?」

P「ああいえ、すまない2人とも。手、ずっと握ったままでしたね」パッ

のあ「…………結構よ」ニギ

アーニャ「ヤー、大丈夫ですよ?」ギュ

P「え、2人とも、なんでまた握って……しかも指も絡めて……!?」

のあ「……私達が貴方の手を握るという行為は、おかしいかしら?」

P「いや、おかしくないですけど……」

アーニャ「それにプロデューサーの手……直ぐに離すと、冷えてしまいます。ですから、繋いでいた方が、いいですね?」




P「そ、そうか? ありがとう……で、いいんだよな?」

アーニャ「さぁ、早くホールに、戻りましょう。ずっと外にいるのは、やっぱり寒いですから」クイクイ

のあ「……そうね。意味も無く体を冷やすという行いは、愚の骨頂よ。行きましょう、P」グイ

P「あ、そうですね…………ん? あの、2人とも、もしかして『このまま』、ホールに戻る……の?」

アーニャ「ダー。……何か、おかしかったでしょうか?」

のあ「両手が塞がっているPの代わりに……扉は私達が開閉するわ」

P「いや、そこじゃなくてですね!? あの、まだホールに他のアイドル達が居るので、こう手を繋いでいるのが見えちゃうかと……」

アーニャ「……アー! パニャートナ、それなら私は大丈夫です。むしろ、仲が良いトコロ、みんなに知ってもらいたいです」

のあ「……P。見られることに何か問題があると推測しているようだけれど……私達は構わないわ」




P「ということは……会場に戻っても、手を繋いでいたいってことですよね……?」

のあ「……離して欲しいと願うのならば、無論私達はそれに従うわ。ただ……私達は、貴方と手を繋いでいたい」

アーニャ「プロデューサー、駄目……ですか?」

P「…………」




P「……正直に言うと、みんなから見られるのは……やっぱり、凄く恥ずかしいよ」

のあ「……」

アーニャ「……そう、ですか」

P「でも……俺も、繋いでいたい気持ちの方が大きいかな。いや、大きいんだ」

P「だから、このままで行こう。みんなに見せつけちゃおう……3人の仲の良さを」

アーニャ「ダー、良かったです……!」

のあ「……ええ、皆に知ってもらいましょう。貴方の覚悟を、しっかりと」




アーニャ「……あー、プロデューサー?」

P「ん、どうかしたか?」

アーニャ「Я не могу жить без тебя. だから……これからも、一緒に……」

P「あれ、今の……さっきのあさんが言っていた……?」

アーニャ「!? お、覚えてたのですか!? ア、アー……」

のあ「……端的に言うと、『貴方が必要』という意味よ。勿論……私も、全く同じ言葉を貴方に捧げるわ」

P「ああ、そういう意味だったんですか。……アーニャ、俺も2人がいないとどうしようも無いから、これからもよろしく頼むよ」

アーニャ「……ホントですか? 嘘、じゃないですか?」

P「うん、本当。嘘なんか吐きたくないからな。のあさんも、今後ともよろしくお願いしますね」

のあ「……ええ」




アーニャ「ふふっ……では、プロデューサー。離れないよう、ギュッとしますね?」ギュー

P「え? ……待ってアーニャ、腕に抱きつく必要は無いんじゃないか? ちゃんと手、握るからさ」

のあ「手を繋いで歩くと、自ずと横幅が広がってしまう。……少しでも、狭めた方が迷惑にはならないわ」ギュ

P「のあさん、分かっていてやってますよね? アーニャを見て真似ただけですよね!?」

アーニャ「ヤー、のあとお揃い、ですね。嬉しくて……とても、あたたかいです」

のあ「……不服かしら、P?」

P「あ、いえ、全く不服ではないです。むしろ嬉しいです」

アーニャ「ふふ、やっぱりプロデューサーは、正直ですね?」

のあ「……流石ね」

P「……褒められたんですよね? 喜んでいいんですよね? 前にも同じやりとりをしたような……?」




アーニャ「さぁ、プロデューサー、戻る準備は、出来てますか? 私はもう、いつでも大丈夫です」ギュー

のあ「私も、疾うに準備は出来ているわ。後はP、貴方だけよ」ギュッ

P「……もう手を繋いでいる時点で、くっつこうが大した差はない、か。よし……覚悟、見せなきゃいけませんからね」

アーニャ「プロデューサーがいるだけで、全部がうまくいきそうです。ふふ、のあ、楽しみですね?」

のあ「……そうね、アーニャ。私も……そうありたいと願っている。暗闇で光を放ち、私達を惹き付ける……星のような貴方がいれば……きっと」

P「ええ、2人となら……なんだって大丈夫ですよ。……それじゃあ、行きましょうか!」









アーニャ「ダー♪ これからもずっと、一緒に輝けるように……」

のあ「貴方に……導いてもらうわ。……期待しているわ、私達の――プロデューサー」








お わ り





イベントのキャビアのあさんと新SRアーニャが可愛かったので、つい
キャラクターの台詞は、今までのレアリティの台詞、アイドルプロデュース the 2nd Anniversaryの台詞、加えてとある2曲の歌詞を参考にさせて頂いております

今年はCoPでCoPな年でした。モバマスを知れて良かったと思います



今までに投稿させて頂いたSSはこちら

モバP「アイドルとSNS」

モバP「天体観測を2人と」

モバP「のあさんと、一緒に」

モバP「オトナになりたい女の子」

モバP「台風が来た日に」

モバP「言の葉よりも素直なこと」

モバP「貴方と過ごす曖昧な昼下がり」

モバP「あやかし娘のオフ日和」

モバP「クールな2人の宇宙紀行」

モバP「文学少女の思い方」

興味を持って頂けましたら、少しでも見て頂けると嬉しいです


ここまで読んで下さり、本当にありがとうございました
来年も機会がございましたら、その時はよろしくお願い致します






意味は多少ブレてしまいますが、文中の一部のロシア語

Я люблю тебя. 
「私はあなたが、あなたが好きなのです」

Я не могу жить без тебя.
「私はもう、あなた無しでは生きていけません」

という直球な告白になっております。アーニャのCDを参考にさせて頂きました


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