美羽「みうさぎノートと」加奈「今井メモ!」 (58)


美羽 「う~ん…どうしようかな…」

美羽 「やっぱりもう少しお笑い路線で…んーでもネタが思いつかないし…」

美羽 「可愛い路線だけで行ってみたり…でもそれだけじゃ物足りないかな…う~ん…」



加奈 「うーん、やっぱりもっといろんなこと知らなきゃダメだよね!」

加奈 「いろんな秘密を勉強して、頼れるお姉ちゃんにならないと!」

加奈 「…でも、どんなことを学んでいけばいいのかな…?」



加奈 「ふぅ…おはようございまーす!」

美羽 「あっ加奈ちゃん、おはよー!…うーん…」

加奈 「おはよー、美羽ちゃんだけ?…あれ、どうかしたの?」

美羽 「あっ、大したことじゃないんだけどね?私、何だか悩んじゃって…」


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モバマスの矢口美羽と今井加奈でSSです。
この二人が同時に来てくれた嬉しさで書き上げました。
まったりとやっていきます。
みうさぎは加奈が年上だってことに気づいてません。今回のセリフでそう言っていたので…

前回のみうさぎ
ありす「あ、リス」美羽「ふっw」
少しだけ↑の作品のネタを使っていますが、読まなくても全く何の問題もないです。


加奈 「悩み?」

美羽 「うん…。あ、でもそんな深刻なこととかじゃなくって」

加奈 「そうなの?何か困ったりしてるんだったら、私に相談してみて!」

美羽 「加奈ちゃん…ありがとう!」

加奈 「あっでも、私じゃちょっと頼りないかな?えへへ…」

美羽 「ううん!全然そんな事ないよ!…実はね、私、自分がどんなアイドル目指せばいいのかずっと悩んでて…」

加奈 「どんなアイドル?」

美羽 「うん、今までお笑い路線とかやってみたりしたんだけど、これからも続けていくべきなのかな?って…」

加奈 「なるほどー、自分の方向性で悩んでるんだね!」

美羽 「うん、私のギャグが受けてくれるのは嬉しいんだけど、ほんとに私お笑い路線向いてるのかな?なんて…」

加奈 「そっかー…自分がどういう道に進むべきかって、凄く悩むよね。」


加奈 「でも、その気持ち、なんだかわかるな」

美羽 「加奈ちゃんも自分の方向性で悩んだりするの?」

加奈 「うん、たくさん…私アイドルとしてまだまだ未熟で、知らないことばっかりだから…もっといろんなこと勉強して早く一人前にならなくちゃって」

美羽 「そんな事ないよ!加奈ちゃんはいっつも元気で可愛いし、頼りになるもん!」

加奈 「えへへ、ありがとう。でもアイドルの先輩たちは皆しっかりしてて、私なんてまだまだだなーって思っちゃうよ」

美羽 「だよねー。うーん、アイドルって楽しいけど難しいな。どうするのが正解なんだろう?」

加奈 「あっでも…参考になるかはわからないけど、私は困った時メモを見ることにしてるんだ」


美羽 「メモ?」

加奈 「うん。お仕事について気づいた事とか、先輩達の可愛いところとかを発見した時にメモしておくの。困った時でもそれがあれば何だか安心かなって!」

美羽 「メモかー…いいかも!それ!加奈ちゃん、私も真似してもいいかな?」

加奈 「うん!いろんなことを書いておいて、あとで読み返すのが楽しいんだー」

美羽 「えーっと今はメモ帳ないから…このノートでいいかな!何だか記者さんみたい!」

加奈 「私のはこれ…『今井メモ』なんて書いてあるんだけど」

美羽 「うわー、ちっちゃくてかわいい!じゃあ私のは…えっと…『みうさぎノート』かな?」


加奈 「えへへ、おそろいだねっ!」

美羽 「うん!早速今の状況をメモしなきゃ!」



みうさぎノート 1P

自分の方向性について悩んでるって加奈ちゃんに相談したら、
ずっとメモをつけてるって教えてもらえた!

やっぱり加奈ちゃんは頼りになるな-!しっかりしてて憧れちゃう!
でも、加奈ちゃんも悩んだりするんだ-…皆大変だな-。

加奈ちゃんと皆と一緒に、いろんなこと学んでいけたらいいな!


加奈 「美羽ちゃん、ノリノリだねっ!」

美羽 「えへへ、何だか楽しくって…他に何かメモすることないかな?」

加奈 「うーん…じゃあさ、せっかくだから他の皆の良いところを探しに行かない?」

美羽 「皆の?」

加奈 「そう、皆の良いところをメモして、私達の参考にするの!」

美羽 「それ、面白そう!アイドルとしていろんなこと学べそうだし!」

加奈 「よし、やろう!美羽ちゃん、ついてきて!」


今井メモ ☆冊目 34P

美羽ちゃんにメモとってるって言ったら真似してくれた!嬉しいな!

でも、方向性について悩んでる、か…皆色々考えてるんだな。
何か美羽ちゃんに教えてあげられないかな?

…それにはやっぱり私自身がもっともっと成長しなくちゃ!
今日は皆の良いところを探して、私達の参考にできたらいいな!





美羽 「レッスン場…」

加奈 「誰かいないかな?」

「…つー、さん、し、わん、つー…」

美羽 「誰か練習してるよ!」

加奈 「ドアの覗き穴から見えない?」

美羽 「んー…?」

「わんつーさんし!!」

美羽 「ひゃぁ!!」

加奈 「美羽ちゃん!?」

美羽 「ゆ、指が…」

加奈 「指…?」


愛海 「ごめんごめん美羽ちゃん、加奈さんも、こんにちは~」

美羽 「愛海ちゃん…心臓止まるかと思ったよ…腰抜けちゃったし」

愛海 「いや~、黙々と練習に励んでたら何だかフローラルな気配がしたもんで…」

加奈 「こんにちはー愛海ちゃん。こんな早くから自主練?えらいね!」

愛海 「いえいえー、日課である指先の運動をしてただけですからー。」

美羽 「うぅ…尻もち付いちゃったよ」

愛海 「ごめんね美羽ちゃん…ところで、いきなりだけど何だか思い出さない…?」



美羽 「え…?」

愛海 「そのあどけない表情の下に秘めたわがままなお山…無防備な美羽ちゃんの体勢も…いつぞやのハワイ島の青空を思い出すよね…?うひひ」

美羽 「ちょっとまって愛海ちゃん…!私何だか力入らなくって立てな」

愛海 「大丈夫だよ、優しくするから…それじゃあ今日の一発目、いただきまーす!」

美羽 「ひゃああああ!」

加奈 「すごい…」


愛海 「ごちそうさまでした~」

美羽 「うぅ…朝からこんな…」

愛海 「ところで、二人で一緒に何してたの?レッスンしに来たの?」

加奈 「そうだった!あのね愛海ちゃん、私達今皆の良いところ探してるの」

愛海 「良いところ…」

加奈 「うん、皆の良いところを探して、私達のアイドル活動にも活かそう!って」

愛海 「そうでしたか~。うーん、私の良い所ってなんだろう?」

美羽 「そのおもいっきりの良さじゃないかな…」

加奈 「愛海ちゃんって親しみやすいよね!そういう所がアイドルとしても人気出ると思う!」

愛海 「いやぁ~そんな…あたしが自慢できる事なんて指先の器用さくらいですよ」


愛海 「加奈さんと美羽ちゃんの方が良いところありますよ~!」

加奈 「いやいやそんな…えへへ…何か恥ずかしいな」

愛海 「美羽ちゃんは隠し切れないぐっとくる感じのお山が魅力で、加奈さんはふくっとふくれた柔らかそうなお山が素敵です~!」

美羽 「完全に胸のことしか触れてないよね…?」

加奈 「でもそういう『こだわり』もアイドルには必要な事なのかも…?」


愛海 「それでですね、加奈さん…思ったんですけど私まだ加奈さんの事全然知らないなーって」

美羽 「あっ加奈ちゃんにも取り入る気だ!」

愛海 「だからですね…少しだけ肉体的なスキンシップで、私達の距離を縮めたいな~なんて」

加奈 「えっ、い、いいよー私は…遠慮しておこうかな…?何だか激しそうだし…」

美羽 「うん、遠慮しておいたほうがいいよ…」


愛海 「……ダメ、ですか?こんなわがまま…そうですよね、ごめんなさい…」

美羽 「くっなんてあざとい妹系オーラ…加奈ちゃん騙されないで!」

加奈 「…うん…そうだね…大丈夫。わかってる、大丈夫」

愛海 「お姉ちゃん…ダメ…?」

加奈 「うん、大丈夫、大丈夫だよ!お姉ちゃんを好きにしていいよ!」

美羽 「いいのかよ!」

愛海 「やたっ!いただきまーす!」


みうさぎノート 2P

まさか朝から愛海ちゃんの餌食になるなんて…
ハワイを思い出すって言ってたけどあの頃より手つきが進化してるんだもん…
進化してる…んだよね、愛海ちゃんも毎日の指のトレーニングで進化してるんだ!

私も毎日100個くらいギャグ考える特訓でもやろうかな!

オアフ島でおあふ!は今考えてもまずかったかな…


今井メモ ☆冊目 35P

すごかった…愛海ちゃんの手つき

あんな風に言われたら断れないよ…お姉ちゃん、って
アイドルたるもの、可愛い演技の1つや2つは身につけておくといいって事かな?
でも、愛海ちゃんのあのこだわりの強さとひたむきさ!わたしも見習わなくっちゃ!

…それにしても、本当にすごかったな…


加奈 「すごかったね…」

美羽 「すごいでしょ…」

加奈 「私何だか胸のあたりがまだ変な感じしてる」

美羽 「それ、わかるよ…」

「あらぁ、二人揃ってどうしたんですかぁ~?むふふ…」

美羽 「その語尾は!」


加奈 「日菜子ちゃんおはよー」

日菜子 「おはようございますー…何だか呆けちゃってるみたいですけど」

美羽 「胸がね…」

日菜子 「胸…?」

加奈 「ううん、なんでもないの!大丈夫だよ」

日菜子 (二人揃って胸を…?)



加奈 「あのね日菜子ちゃん、ちょっと聞きたいことがあるんだー」

日菜子 「王子様の胸に…むふふ……あ、はい。何でしょう?」

加奈 「私達ね、今皆の良いところを探してるの」

日菜子 「良いところ、ですかぁ?」

美羽 「うん、皆の良いところをメモして、トップアイドルになるための参考にするの!」

日菜子 「むふ、それは素敵ですね~…でも、日菜子の良い所ってどこでしょう?」

加奈 「日菜子ちゃんっていっつもオシャレだよね!帽子がすごく可愛い!」

日菜子 「むふふ、照れますねー」


美羽 「あと想像力が豊かですごい!」

日菜子 「物は言いようですね~、でも、嬉しいですよぉ。」

美羽 「私も日菜子ちゃんくらい想像力豊かだったらもっとギャグも思いつくのかな…」

日菜子 「じゃあ、一緒にやってみますか~?妄想…むふふ」

美羽 「妄想?」

日菜子 「はい、トップアイドルになった自分を妄想してみるんです…そうすれば何かつかめるかも知れませんよぉ…?」

加奈 「それ面白そうかも!よーし、やってみよう!」



妄想トップアイドル 矢口美羽


美羽「いぇーい皆!盛り上がってる~!?」

ウォォォォォォォォォ

美羽「ロワイヤルー!?」

やるー!!!!

美羽「えへへ…あのですね、この間ハワイにロケに行ってきたんですけど」

おぉ…?ざわざわ…

美羽「向こうのファンの人に声かけられちゃって、一つギャグをやってくれって頼まれちゃったんです!」

おぉ~!?か~ら~のぉ~!?

美羽「だから、アメリカンジョークを披露してきました!『hey!隣の家にヘイができたんだって!』なんちゃって、ぴょーんぴょん!」

ドッ ワハハ ミウサギー!!ミウサギー!!



??? 「これアイドルじゃなくてお笑い芸人じゃないですか?(ロンパァ」

美羽 「うっ変な幻影が…」



妄想トップアイドル 今井加奈


加奈 「みんなおはよー!」

「加奈ちゃんだ!!おはよー!!」

加奈 「えへへっ皆元気だね!」

「加奈ちゃん、学校の宿題でわからないところがあるんだけど…」

加奈 「ここはね、これをこうして…ほら!できたでしょ?」

「できた!ありがとう加奈ちゃん!」

加奈 「えへへ…皆喉乾いてない?私飲み物買ってくるね!」

「ありがとう加奈お姉ちゃん!」


加奈 「っと…あれ!?メモ置いてきちゃった!あれがないと何買っていいかわからないよ!」

加奈 「やっぱりトップアイドルになってもメモがないと不安だよ-!」


美羽 「芸人さんじゃないよ…アイドルだよ…」

加奈 「うーん…とりあえずそばつゆ…とりあえずそばつゆ…」

日菜子 「二人とも大丈夫ですかぁ…?」

美羽 「はっ…妄想」

加奈 「あっ…良かった…もう悩まなくてもいいんだね…」

日菜子 「日菜子よりよっぽどリアルに妄想してませんでしたかぁ…?」

美羽 「トップアイドルって大変だね…」

加奈 「うん…大変」

日菜子 (何を妄想してたんでしょう…)


みうさぎノート 3P

まさか妄想の中でまで論破されるとは思わなかったよ…
でも、あんなふうにお客さんを楽しませられたら素敵だな!
ギャグ有りでもギャグ無しでも、皆を笑顔にできるようなアイドルになりたい!

…でもアイドルとお笑い芸人さんの境目ってどこなんだろう?


今井メモ ☆冊目 36P

妄想の中でもメモを置いてきちゃうなんて…
去年のクリスマスパーティーみたいだよ…
やっぱりトップアイドルになるためにはもっとしっかりしないとダメってことだよね!

もういっそのこと初めから事務所にそばつゆ置いておこうかな?




加奈 「うーん、なかなか難しいね-っ」

美羽 「トップアイドルへの道は険しいね…」

「おはようございます。お二人で休憩ですか?」

美羽 「ありすちゃん!おはよー!」

加奈 「おはよう!ありすちゃん」

ありす 「美羽さんに、加奈さんも…何だか悩んでいるみたいですけど」

美羽 「え、わかるの!?」

ありす 「すぐにわかりますよ」

加奈 「さっすがありすちゃん!鋭いなぁ~」

ありす 「ええ。まあ当然です」


美羽 「あのね、私達今皆の良いところを探してるんだーっ」

ありす 「良いところ、ですか」

加奈 「それをね、私達がアイドルとして成長するためのお手本にしようと思って」

ありす 「なるほど。他人の長所を参考にするのはとても有効ですからね。賢いと思います」

加奈 「ありすちゃんの長所はまず頭が良い所だよね!」

ありす 「ええ。知的で聡明な所ですね」

美羽 「言葉遣いがぐいぐい来るところもだよね…」


ありす 「加奈さんと美羽さんにもいいところはたくさんあるじゃないですか」

加奈 「えへへ、そうかな?ありすちゃんに言われると何だか自信ついちゃうな」

ありす 「加奈さんはいつも皆の面倒を見てくれて頼れます。お姉さんみたいで優しいです」

加奈 「えへへ…」

ありす 「美羽さんは事務所をなごませるエンターティナーです」

美羽 「ほら絶対言われると思ったよその単語!それ褒めてるんだよね!?」

ありす 「褒めてますよ」

加奈 「エンターティナー美羽ちゃん!」

美羽 「ま、まぁエンターティナーだけならいいかな…」


加奈 「ありすちゃんは、トップアイドルになるためには何が必要だと思う?」

ありす 「そうですね…賢さ、でしょうか」

美羽 「賢さ…たしかにテレビに出てる先輩アイドルの人達って賢そうかも!」

ありす 「はい。最近はネットを自由自在に扱えるスキルが求められていますよね。ブログやSNS等で自分の情報を発信するのもトップアイドルへの近道かと」

美羽 「ブログやSNSかぁー…たしかに!私達やってないし!」

加奈 「そういえばありすちゃんはそういうのやってないの?いっつもタブレット持ってるのに」

ありす 「私自身はすごくやりたいんですけど…プロデューサーさんにどうしても止められていて」

美羽 「あぁ…」

ありす 「どうしてでしょう?」

美羽 「どうしてだろうね…」


ありす 「というか美羽さん、また自分の方向性で悩んでるんですか?」

美羽 「うっ…確かにまただけど、そう簡単に答えは出ないかなーって…」

ありす 「いいじゃないですかお笑い路線で。それが美羽さんの武器ですよ」

美羽 「私の武器…」

加奈 「私も好きだなー、美羽ちゃんのギャグ!」

美羽 「加奈ちゃん…ありがとう!何か久々に純粋に褒められた気がするよ…」


ありす 「じゃあそういうことで行ってみますか?今日の美羽さん」

美羽 「いやいいよそんな毎回恒例のコーナーみたいにしなくても!」

ありす 「加奈さんの名前でダジャレを言ってみてください」

美羽 「だめだよー、今日はやらないもん」

加奈 「私の名前で…ちょっと聞いてみたいかも」

美羽 「加奈ちゃん!」

ありす 「じゃあカウントを…10,9,8…」

美羽 「えぇーちょっとまっていまいかないまいかな…」


ありす 「6,5,…」

美羽 「んー…『いつ行くの?今行かな♪』なんて…んっふふw」

ありす 「何自分でちょっとウケちゃってるんですか…」

美羽 「いやちょっと自分でも無理やり過ぎたかなーって思うよ…今行かな♪って…」

ありす 「加奈さんも呆れてますよ」

加奈 「いつ行くの…?今行かな…」

美羽 「加奈ちゃん…?」


加奈 「美羽ちゃん私このネタ貰ってもいいかな!?」

美羽 「えっ?」

加奈 「アイドルとして持ちネタに出来るかも!」

ありす 「加奈さん…」

美羽 「いや…自分で言うのも何だけどやめておいたほうがいいよ…」

加奈 「えーっ、だめかなー?」



みうさぎノート 4P

先日の一件以降ありすちゃんが積極的にネタを振ってくるから怖いよ…
今行かなー!はさすがにヤバかったかな…?

いまいかな…いまいかな…
昨日はタコで、今イカな!…もう意味分かんないよー!



今井メモ ☆冊目 37P

ありすちゃんは頭がよくってすごいなー、尊敬しちゃう!
美羽ちゃんもギャグ面白かったな-。
今行かなー!なんてちょっと可愛いくていいかも!
いつかライブでいつ行くの-?今行かなー!ってやってみたい!





加奈 「ふぅ、順調に皆から話聞けてるね!」

美羽 「うん、メモ取るのって結構楽しい!」

「おはようございまーす…」

美羽 「あっ、だれかレッスン場の方に入ってったよ!」

加奈 「行ってみよう!」


「左手で魔法を…そして、剣で!」

美羽 「えっ!?」

加奈 「すごい…気合入ってるね」

「全てを…葬ってあげる!!」

美羽 「怖い怖い!セリフが怖いよ!」

加奈 「あれ?でもこのセリフどこかで…わかった!」


ほたる 「ふぅ…」

加奈 「ほたるちゃん!おはよー!」

ほたる 「加奈さんに美羽さん…おはようございます!あ、聞かれちゃいましたか…?」

美羽 「おはようほたるちゃん。ごめんねー盗み聞きみたいなことしちゃって」

ほたる 「いえ!そんな…柄にもなく私大きな声出しちゃって、うるさかったですかね」

加奈 「そんなことないよー、ほたるちゃん凄く演技上手いから感心しちゃった!」

ほたる 「そんな…でも、加奈さんにそう言って貰えると…嬉しいです。お二人もレッスンですか?」

美羽 「ううん、私達は違うんだけど…実はね、今皆の良いところを探して回ってるんだっ」


ほたる 「良いところ、ですか…?」

美羽 「うん、皆の良いところを探して、もっと人気のあるアイドルになるために参考にするの!」

ほたる 「そうでしたか…でも、私にいいところなんて…」

加奈 「たくさんあるよ!今だってすっごく上手に演技できてたもん!」

ほたる 「加奈さん…ありがとうございます!」


加奈 「ねえほたるちゃん、さっきのセリフってこの間のミュージカルのやつだよね?」

ほたる 「はい、そうです…覚えててくださったんですか!?」

加奈 「えへへ…私見に行っちゃったから。ほたるちゃんすごくかっこよかったよー」

ほたる 「加奈さん…クリスマスパーティーのときもそうだったけど、お姉ちゃんみたいで本当に優しい…」


美羽 「すごいよねーほたるちゃん、ミュージカルなんて憧れちゃうよ!一人で復習してたの?」

ほたる 「はい、あの…もう練習する必要は無いんですけど…私、何だか自分のいただいた役がすごく気にいっちゃって」

加奈 「あの剣士の役?」

ほたる 「はい。闇に堕ちた騎士…みたいな役なんですけど、何だか私にぴったりというか…演じてるとすごく自然体でいられる気がして。ときどき一人で演技してるんです」

美羽 「闇に堕ちた騎士…かっこいい!」


加奈 「ねえ美羽ちゃん、私達も演技やってみない?」

美羽 「ほたるちゃんみたいに?」

加奈 「そうそう、お芝居の練習ってすごく大事だと思うし!」

美羽 「そうだね!…でも私演技なんてほとんどやったこと無いからよくわかんないなー。闇の力であなたを倒します!みたいな…?」

加奈 「この復讐に飢えた血があなたを倒したがってるよ!みたいな感じかな…?」

ほたる 「…」

美羽 「闇に飲まれよ!ってこれは蘭子ちゃんか!あはは」

ほたる 「違います!!」

美羽 「えっ!?」

ほたる 「騎士はどうして闇の力に堕ちたのか…その絶望をもっと想像して…」

加奈 「ほたるちゃん…?」


ほたる 「心の中の希望が全て打ち砕かれてしまうほどの絶望…その闇の中で騎士は静かに笑うんです」

美羽 「絶望…」

ほたる 「そう、絶望です…想像してみてください…」

美羽 「絶望…ギャグがスベった時のあの空気…」

加奈 「絶望…メモを忘れて一人取り残された時のあの寂しさ…」

ほたる 「そうです、その絶望をもって自分と騎士を重ねあわせて…ほら、わかりませんか?騎士の心を支配する闇…」

加奈 「あれ…なんだか」

美羽 「できるかも…演技」

ほたる 「そうです…さぁ…始めましょうか…この演技に自分の思い、全て重ねて…」




加奈 「暗黒の叫びを轟かせながら…魔獣グリフォンが襲いかかる…」

美羽 「呆然と立ち尽くす彼らに…絶望の雨がジットリと降り注ぐ…」

ほたる 「時は満ちた。…悪の魔力に満たされし、その巨大なる翼をめがけて…」

加奈・美羽 「「クロードが!魂の一撃を振り下ろす!!」」


ほたる 「……ふふ」

美羽 「できた…できたよ加奈ちゃん!演技!」

加奈 「うん!なんだか今すっごく上手に出来た気がするよ!」

ほたる 「ふふ…そのままテレビのコマーシャルに使えそうなほどでしたよ…さぁ、もっともっと…」


トレーナー 「…何してるの?皆」

加奈 「トレーナーさん!?」


美羽 「お、おはようございま…いつからそこに…」

トレーナー 「ずっと聞いてたよ。ほたるちゃんまた騎士の演技してたの?」

ほたる 「す、すみません…勝手にレッスン場使っちゃって」

トレーナー 「まぁいいよいいよ。ていうか3人ともさ、最後の演技…」

加奈 「え…?」

トレーナー 「かなり上手に出来てたじゃん。その調子、だよ!」

美羽 「…!はい!」

加奈・美羽・ほたる 「「「ありがとうございます!」」」


みうさぎノート 5P

トレーナーさんに褒められちゃった!演技少しだけ自身ついちゃったかも!
ほたるちゃんに感謝しないとね!役の気持ちになりきる、かぁ…

絶望…確かにギャグがスベっちゃった時はもう冷や汗止まらないけど
だからこそウケた時に嬉しい…そうだよね、きっと!



今井メモ ☆冊目 38P

ほたるちゃんに教えてもらえて演技すごく上手くなれた!
お姉ちゃんなのにずっと教わりっぱなしだったかな?こんど何かお返ししてあげなくっちゃ!

これからは色んな気持ちもメモしておいて、
演技に活かせるようにできればいいな!


美羽 「褒められちゃった…!」

加奈 「ね、私何だか演技に自信ついちゃったかも…」

美羽 「えへへ、私も今日はすっごくいろんなこと学べたよ!」

加奈 「皆の良いところを探して回るの、大成功だね!」

P 「加奈、美羽!」

加奈 「プロデューサーさん!おはようございます!」

美羽 「おはようございます!どうかしたんですか?」

P 「二人とも一緒だったか!ちょうどいい…よし、お前たち聞いて喜べよ!」

加奈 「…?」

P 「加奈、美羽、お前たち二人が今度のイベントに参加することが決まったんだ!」


美羽 「えっ…!」

加奈 「二人一緒に、ですか!?」

P 「ああそうだ、今度のイベントでは花をモチーフにしたアイドル達の…」


美羽 「……やったぁ-!!」

加奈 「やったよ美羽ちゃん!!今日は何だか美羽ちゃんの日だよ!!」

美羽 「私も加奈ちゃんと一緒にイベントに出られるなんてほんとに嬉しい…頑張ろうね!」

P 「…ああ、おめでとう二人とも!さぁ、今から早速打ち合わせするぞ!」

加奈・美羽 「はい!!」


美羽 「あっ、ちょっと待っててください…」

加奈 「えへへ、私も…」

P 「?」

美羽 「今の嬉しい気持ちも、大切な思い出ですから」

加奈 「メモしておくんです!忘れちゃわないように!」


みうさぎノート 6P

やったー!!
加奈ちゃんと一緒にイベントに出られるなんて!
今日はいろんなことに気づけたし、ほんとに嬉しいな!
これからもいろんなことをこのノートにメモしていこう!



今井メモ ☆冊目 39P

イベントに出られる…美羽ちゃんと一緒に!
もう嬉しすぎてどうメモしたらいいかわからないけど
きっとこれからも色んな事をメモして、皆で一緒にがんばっていけば
もっともっと大きくなれるよね!
よっし、これからもお仕事頑張ろう!!


美羽 「…よし!」

加奈 「メモできました!」

P 「二人揃ってメモ付けてるのか?」

美羽 「はい、さっき加奈ちゃんに教えてもらって」

P 「そうか、これからもいろいろ気づいたことをメモしていくといいぞ」

美羽 「はい!」

P 「トップアイドルになるためにはたっくさんの事を学ばなきゃいけないからな、そのノートとメモ帳、大切にしろよ!」

加奈 「はい、大切にします!だってこれは、皆との大事な思い出が詰まった…」


美羽・加奈 「「みうさぎノートと、今井メモですから!」」



美羽「みうさぎノートと」加奈「今井メモ!」おわり


おわりですー。
まさか美羽と加奈が一緒に登場してくれるなんて嬉しすぎてもうちひろさんには頭が上がりません…


冒頭にも書きましたが、前回のみうさぎSS
ありす「あ、リス」美羽「ふっw」

読んでくれた皆様ありがとうございました!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月28日 (日) 20:00:42   ID: p2X3nliP

これいいなぁ

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