怜「」バタッ

竜華「怜ぃいいいいいいいいいい！！」ガバッ

竜華「怜！怜っ！しっかりしぃや！！」ゆさゆさ

怜「」

竜華「ああ！アカン！怜が、怜がぁ・・・」ぐすっ

竜華「たこ焼きが熱過ぎて死んでもうたぁあああああああああ！！！」

うわぁーん

竜華「セーラぁ！セーラぁああ！！」

ドンドンドンドン！

ガチャ

セーラ「どないしたんや竜華？そんなにあわてて」

竜華「それが、それが怜がっ！」

竜華「たこ焼きが熱過ぎて死んでしもたんやぁああああああ！！！」

セーラ「どっひゃあ！」ドンガラガッシャーン！

セーラ「ホンマか竜華！？」

セーラ「ホンマに怜は・・・」

セーラ「たこ焼きが熱過ぎて死んでしもたんかぁああああああ！？」

竜華「ホンマやぁあああああ！！！」

竜華「ホンマに！！怜は！！！」

竜華「たこ焼きが熱過ぎて死んでもうたんやぁああああああ！！！」

セーラ「どっひゃぁあああああっ！！！」ドンガラガッシャーン！

セーラ「どっちやぁああああああ！！」

セーラ「どっちのたこ焼きが！！！」

セーラ「怜を殺したんやぁあああああああ！！！！」

セーラ「うおおおおおおおお怜ぃいいいいいいいういい！！！」うわぁーん

竜華「どっちのって！？」

竜華「どっちのて何の事やセーラぁあああああ！？」

セーラ「俺がどっちかて聞いたら決まてるやろおおおおおおおお！！！」

セーラ「たこ焼きの！！！」

セーラ「中『とろとろ』か『ふわふわ』のどっちが怜を殺したんか聞いてんねやあああああああああああ！！！」

竜華「どっひゃあ！」ドンガラガッシャーン！

竜華「怜は・・・怜は最期に・・・」ぐすっ

竜華「中ふわふわのたこ焼きを食べて死んだんやぁああああ！！」うわぁーん

セーラ「オンドレふわふわぁああああああ！！！」

セーラ「よくも！よくも怜をおおおおおおおお！！！」わなわな

セーラ「待っとけや竜華ぁ！」

セーラ「お前は怜といっしょに待っとけや竜華ぁあああ！！！」バッ(学ランを羽織る)

竜華「ど、どこに行くねんセーラ！」

セーラ「そんなん決まとるやろ！」

セーラ「ふわふわん所や！！」ギンッ

竜華「そんな・・・！アカンでセーラぁ！！」

セーラ「止めんなや竜華・・・」ぐっ

セーラ「こうなったからには、ふわふわん所にカチコミかけて！！」

セーラ「食い尽くしてやるんじゃああああああああ！！！」

セーラ「待っとけよふわふわぁあああああああ！！！」

セーラ「怜の仇やぁあああああああ！！！」ダッ

竜華「セーラぁあああああああ！！！」

【たこ焼き屋さん】

おっちゃん「まいどおおきにー」

セーラ「おっちゃあああああああん！！！」

セーラ「中！！！ふわふわの！！！たこ焼き！！！」

セーラ「あるだけ全部やああああああああああ！！！」ドンッ

おっちゃん「どっひゃあ！」ドンガラガッシャーン！

セーラ「うおおお怜ぃいいい！！」パクパクパクパク

セーラ「熱い！熱いでぇええええ！！」ハフハフハフハフ

セーラ「ふわふわのアホンダラ・・・こいつらっ！！」

セーラ「ハフハフしても全然冷めへんでええええええ！！！」ハフハフハフハフ

セーラ「うおおおおお！！こいつらが怜の仇ぃいいいい！！！」ハフハフ

セーラ「俺は！俺は負けへんでええええええ！！！！」ハフハフ

セーラ「おりゃああああああああ！！！」パクパクもぐもぐ

セーラ「食ったぁ！食ったったでええええええ！！！」ドンガラガッシャーン！

セーラ「おっちゃぁああああん！！」

おっちゃん「は、はい・・・」

セーラ「今度は！！」

セーラ「中！！！とろとろの！！！たこ焼き！！！」

セーラ「あるだけ全部やああああああああああ！！！」

おっちゃん「どっひゃあ！」ドンガラガッシャーン！

セーラ「ふわふわを食い尽くした今！！！」

セーラ「今度はとろとろのたこ焼きを！！！」

セーラ「怜の霊前に供えん事には怜が浮かばれないんやあああああああああ！！！」

おっちゃん「まいどおおきにぃいいいいいいいいいいい！！！」

セーラ「怜ぃいいい今行くでぇえええ！！！」

セーラ「どっひゃぁあああああっ！！！」ドンガラガッシャーン！

竜華「ううっ、怜・・・どうして死んでしもたんや・・・」ぐすっ

ガチャ

セーラ「戻ったで竜華ぁ！」

竜華「セーラぁ！どこに行っとったんや！！」

セーラ「『ふわふわ』ん所や・・・！！」

竜華「ま、まさかホンマに・・・！？」

セーラ「ふわふわ、食い尽くしてきたったで！！」にっ

竜華「セーラぁ！」うわぁーん

セーラ「こいつは土産や！」どさっ

竜華「こ、これは！」

セーラ「中とろとろのたこ焼きや！」

セーラ「怜に供えてやろな？」

竜華「うん、うん・・・！」うるうる

怜「」

竜華「怜、聞こえるか？」

竜華「セーラが仇とってきてくれたで」

竜華「それに、これ！」

竜華「ふわふわやのうて、中とろとろのたこ焼きや！」

竜華「怜も・・・これを食べてさえいたら・・・」ぐすっ

竜華「うわぁあああん！！怜ぃいいいいい！！」ポロポロ

むくり

怜「泣かんといてや竜華ぁ！！」

竜華「怜ぃーーっ！！」ぎゅっ
怜「竜華ぁーーっ！！」ぎゅぅ


セーラ「奇跡やああああああああああ！！！」

セーラ「たこ焼きが起こした奇跡やああああああああああ！！！」

ガラッ(窓)

セーラ「虹やぁあああああ！！！」

セーラ「この奇跡を讃えるかのように！！」

セーラ「虹がかかっとるでぇえええええ！！！」

竜華「ははっ、大げさやなぁ」

怜「そうでもないで」

怜「私、あの虹を渡って来たような気がする」

竜華「ちょっ！怜それホンマなん！？」

怜「どうやろな。気のせいやろか？」

セーラ「そんなんどうでもええやないか！！怜が戻って来たんやから！！」

セーラ「怜の快気祝いや！！」

セーラ「俺が買ってきたたこ焼き、みんなで食べようや！」

怜「あ、ええなぁ！」

セーラ「中ふわふわと違ごて、とろとろのやで！」

竜華「はい怜、あーん」

怜「あ～んっ」ぱくっ

怜「あ、あっつっ！」ハフッ

怜「」バタッ

竜華「怜ぃいいいいいいいいいいいいいい！！！！」ガバッ

竜華「怜！怜ぃ！しっかりしぃや！！」ゆさゆさ

怜「」

竜華「ああ！アカン！！怜が、怜がぁ・・・」ぐすっ

竜華「たこ焼きが熱過ぎて死んでもうたぁああああああ！！！」

うわぁーん

竜華「セーラぁ！セーラぁああ！！」

セーラ「どないしたんや竜華？そんなにあわてて」

竜華「それが、それが怜がっ！」

竜華「たこ焼きが熱過ぎて死んでしもたんやぁああああああ！！！」

セーラ「どっひゃあ！」ドンガラガッシャーン！

セーラ「泉ぃ！出て来いや泉ぃいいいい！！」

ドンドンドンドン！

ガチャ

泉「どないしたんですか先輩！？そんなにあわてて」

セーラ「それがな、それが怜がっ！！！」

セーラ「たこ焼きが熱過ぎて死んでしもたんやぁああああああ！！！」

泉「どっひゃあ！」ドンガラガッシャーン！

泉「またですか先輩！？」

泉「ホンマに園城寺先輩は・・・」

泉「たこ焼きが熱過ぎて死んでしもたんですかぁああああああ！？」

セーラ「ホンマやぁあああああ！！！」

セーラ「ホンマに！！怜は！！！」

セーラ「たこ焼きが熱過ぎてまた死んでもうたんやぁああああああ！！！」

泉「どっひゃぁあああああっ！！！」ドンガラガッシャーン！

セーラ「しかも！しかも今度は！！！」

セーラ「『とろとろ』の方で死んでしもたんやぁあああああああ！！！！」

泉「どっひゃぁあああああっ！！！」

泉「エライこっちゃないですかぁあああああ！！！！」ドンガラガッシャーン！

セーラ「ついて来いや泉ぃ！！」バッ(学ランを羽織る)

泉「はい先輩！！！」

竜華「ど、どこ行く気や二人とも！？」

セーラ「そんなん決まてるやろぉ！！！」

セーラ「とろとろん所やぁあああああ！！！」

竜華「そんな・・・！アカンで二人とも！！」

泉「止めないでください清水谷先輩・・・」ぐっ

セーラ「ああ、こうなったからには、とろとろん所にカチコミかけて！！」

セーラ「食い尽くしてやるんじゃああああああああ！！！」

セーラ「待っとけよとろとろぉおおおおお！！！」

セーラ「ついて来い泉ぃいいいい！！！」

泉「はいせんぱぁあああああい！！！」

セーラ「怜の仇やぁあああああああ！！！」ダッ

泉「園城寺せんぱぁあああああいい！！」

竜華「セーラぁああ！！！泉ぃいいいいいい！！！！」

【たこ焼き屋さん】

おっちゃん「ようやく新しいの焼けたで」くりんくりん

セーラ「おっちゃああああああああん！！！」

おっちゃん「どっひゃあ！」ドンガラガッシャーン！

セーラ「中とろとろ全部やああああああああああ！！！」

おっちゃん「どっひゃぁあああああっ！！！」ドンガラガッシャァアアン！！

セーラ「泉ぃいいいいいい！！！」

泉「はいせんぱぁあああああいい！！」

セーラ「この！！たこ焼き！！！」

セーラ「食ぇええええええっ！！！」

泉「えっ、えっ！！？」

泉「食えって・・・このたこ焼きの山・・・」

泉「全部ですかぁああああ！！？」

セーラ「せやぁあああああああ！！！」

セーラ「全部食えや泉ぃいいいいいいいいいい！！！！」

泉「どっひゃぁあああああっ！！！」ドンガラガッシャーン！

泉「た、た・・・」

泉「食べますぅうううううう！！！」パクパクパクパク

泉「あ、熱ぅ！！」ハフゥ

泉「せんぱぁああああい！！中とろとろのたこ焼きは！！！」

泉「口に入れた瞬間が尋常じゃなく熱過ぎですううううううううううう！！！！！」

セーラ「そうかああああ泉ぃいいいいいい！！！」

セーラ「残さず食うんやでえええええっっ！！！」

泉「た、食べまふううううううううう！！！」ハフッ！ハフッ！もぐも

泉「どっひゃぁあああああっ！！！」ドンガラガッシャーン！

セーラ「怜ぃいいいいいい！！！」

セーラ「仇はとったでええええええっ！！！」

セーラ「仇は！仇はとったけど・・・」

セーラ「この後どないしたらええんやあああああああ！！？」

セーラ「ふわふわもダメ！とろとろもアカン！！」

セーラ「俺が怜にしてやれる事はもう無いんかぁあああああ！！？」

泉「せんぱぁああああああああい！！！」

泉「こんな時は！！！」

泉「アレしか無い思いますぅううううううう！！！」

セーラ「せやな泉ぃいいいいいい！！！」

セーラ「アレしか無いよなああああああああああああ！！！」

ドンドンドンドンドンドン！

セーラ「浩子ぉ！！おるかぁあああああ！！？」

ドンドンドンドンドンドン！

泉「舟久保先輩！助けてください舟久保先輩！」

ガチャ

フナQ「また園城寺先輩死んでしもたんですか？」

セーラ「せや！！」

セーラ「どうにかしてくれ浩子！」

フナQ「どうにかて言われましても・・・」

セーラ「頼む！もうお前しか頼れるモンがおらんのや！！」

フナQ「しかるべき医療機関に頼ったらどうですやろか？」

セーラ「何言うてんのや！！」

セーラ「怜をどうにか出来るんは、お前だけや浩子！！」

泉「お願いします舟久保先輩！」

フナQ(なんやろこの絶大な信頼・・・)

フナQ「とりあえず、園城寺先輩の所に行きましょか？」

【葬儀会場】

坊さん「ナンマイダーナンマイダー」ぽくぽく

竜華「ううっ、怜、怜ぃ・・・」うわぁーん

セーラ「竜華ぁ！浩子連れて来たで！！」

竜華「ああ・・・フナQも来てくれたんか・・・」

浩子「えっと、これは？」

竜華「怜の葬式や・・・おっと、もう怜やないんやったわ」

竜華「今の名前は千里院枕庵怜巡童女言うんやで」ぐすっ

フナQ「か、戒名まで付いたんですか！？」

セーラ「くうっ！立派な葬式やで・・・！」ポロポロ

泉「園城寺せんぱぁーーい！！」ぶわっ

竜華「さ、お焼香しよか？」

セーラ「ああ、でも、その前に・・・」

セーラ「お供え物に、とろとろのたこ焼きかふわふわのたこ焼き、どっちをあげたらいいのかわからへん！！」

フナQ「えっ？たこ焼き供えるんですか？」

竜華「せやなぁ。怜の葬式に、たこ焼きがなかったら怜がさびしがるもんなぁ」

フナQ「あ、ホンマに供えるんや・・・」

泉「ううっ、園城寺先輩！たこ焼きも食べられずに送られてしまうんわかわいそ過ぎます！！」

セーラ「せやな。どうにかして、たこ焼きをお供えしたらなアカンな！」ぐすっ

セーラ「と、言うわけで浩子」

フナQ「え」

セーラ「知恵かしてくれ！！！」

フナQ「え」

竜華「頼むで浩子！」
泉「お願いします舟久保先輩！」

フナQ「いや、そんなもん・・・」

フナQ「冷まして食べれば良かったんちゃいますか？」

セーラ「そ、」

竜華「そ・・・」

セーラ・竜華・泉「その手があったああああああああああ！！！」ドンガラガッシャーン！

むくり

怜「アカぁあああああああン！！！」

怜「冷めた！！たこ焼きなんて！！！」

怜「美味しくないやろおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！」

「「どっひゃぁあああああっ！！！」」ドンガラガッシャァアアン！！！

竜華「怜ぃーーっ！！」ぎゅっ
怜「竜華ぁ！！」ぎゅっ


セーラ「奇跡やああああああああああ！！！」

泉「奇跡が起きましたよぉおおおおおおお！！！」

セーラ「おっさぁああああああん！！！葬式中止やああああああああ！！！」

坊さん「どっひゃあ！」ドンガラガッシャーン！

ガラッ(窓)

セーラ「春風やぁああああああああ！！！！」

セーラ「この奇跡を祝福せんがためかのごとく！！！」

セーラ「あたたかな春風が吹いてきたでえええええええええ！！！」

竜華「まったく、大げさやなぁ」

怜「そうでもないで」

怜「私、あの風に乗って戻って来たような気がする」

竜華「ちょっ！怜それホンマなん！？」

怜「どうやろな。気のせいやろか？」

セーラ「そんなんどうでもええやないか！！怜が戻って来たんやから！！」

セーラ「みんなでほっかほかのたこ焼き食いに行こうや！！」

怜「せやな！みんなで行こうや！！」

竜華「よーし食べるで～！」

泉「あ、私も行きます！」

フナQ「・・・みんな行くんでしたら、私も」