アルミン「エレンとジャンが喧嘩して暴れていた音です」(99)

エレン「!?」

ジャン「!?」

ミカサ「………」

キース「アルレルト、それは本当か?」

アルミン「はい、間違いありません。この目で確かに見ました。この食堂にいる全員も見ています」



エレン「」

ジャン「」

エレン「アルミン……お前…」

ジャン「恨むぞ畜生…」

アルミン「ちゃんと反省するんだよ。二人とも」

ミカサ「サシャが放屁したことにしようと考えていた。のに、先を越された」

サシャ「!?」


キース「よし、ではイェーガーとキルシュタイン、死ぬまで走ってこい!」

エレン「はっ!」

ジャン「はっ!」

―外―

ジャン「てめえのせいだぞエレン」

エレン「なんで俺のせいになるんだよ」

ジャン「元はと言えばお前が喧嘩売ってきたんだろうが!」

エレン「は?喧嘩売ってきたのはお前だろ!」



コニー「すごいなあいつら。喧嘩しながら走ってるよ」

ミーナ「ふふふ、ある意味仲が良いのかもね」

マルコ「喧嘩するほど仲がいいって言うからね」

ミカサ(エレン、今は耐えて。ジャンはあとで私が削ぐ)

サシャ「アルミン、助かりました。あの、ミカサが言ってたこと聞いてましたよね?」

アルミン「うん。ミカサは本当はいい子なんだけど、エレンのことになると暴走しがちになってしまうから許してやってほし

い」

サシャ「ええ、ミカサがいい子なのはわかってます。でも、芋女に加えて放屁女にならなくて良かったです」

アルミン「芋女はまだしも、放屁女はきついね」

サシャ「……はい。色々と。一応女の子ですから」

初ssなので、読み辛かったらすみません
需要があるかどうかわかりませんが、明日も投下します

頑張って下さい

レスありがとうございます
>>6
ありがとうございます!やる気が出ます

続き書きます

サシャ「とにかくありがとうございました。あ、そういえば盗んできたパンがあるんです。お礼に半分どうぞ」

アルミン(盗んできた……だと)

サシャ「どうしました?」

アルミン「い、いや…」

アルミン「!!」

サシャ「?」

アルミン「サシャ、後ろ…」

サシャ「え?」

キース「芋の次はパンか、レパートリーが増えてきたな。次は何を盗むんだ?ブラウス」

―数時間後―

エレン「はぁ、はぁ……疲れた…」

ジャン「はぁ、はぁ、俺も…」

ジャン「俺と同じペースで走るとはなかなかやるな、エレン」

エレン「そっちこそ、よくペースを崩さずに走れるな」

エレン「そういえばサシャは?」

ジャン「俺たちより遅く走り始めたから、まだ走ってるぜ」

エレン「そうか、あいつには悪いけど先に宿舎に戻らせてもらうか」

ジャン「そうだな」


エレン「お前今まで嫌味な奴だと思ってたけど、意外と話せる奴だったんだな」

ジャン「嫌味な奴とはなんだ、嫌味な奴とは」

ジャン「ま、そういう俺もお前のこと死に急ぎ野郎としか思ってなかったけどな。ここまで走り切った根性は認めてやるよ」

エレン「なんだよ偉そうに」

ジャン「んだと!?」

ミカサ「二人とも喧嘩はそこまで」グイッ

エレン「離せよミカサ!」

マルコ「また教官に見つかったら怒られるよ?」グイッ

ジャン「くそっ!離せマルコ!」

―次の日―

エレン「うーん…」チンプンカンプン

エレン(…さっぱりわからねぇ)

エレン(アルミンとミカサは居ないし、この中で座学が出来そうなのは……ジャンしかないな)

エレン(いざ聞くとなると勇気がいるな…。仕方ない……赤点を取るよりはマシだ!)


エレン「ジャン、座学でここがわからないんだ。教えてくれ」

ジャン「あ?エレン、お前こんな簡単な問題が解けないのかよ」ププッ

エレン「くっ……(耐えろ、耐えるんだ)」

エレン「頼む」

ジャン「しょーがねーなぁ」

エレン「………」

ジャン「これはこうだから、こうなって」

エレン「?」

ジャン「こうなるんだよ」

エレン(アルミンの小難しい説明よりわかりやすい…!)

ミカサ「エレン、それは私が教える」スッ

ジャン「ミ、ミカっミカサ!」

エレン「ミカサ、隣に割り込んでくるなよ。俺はジャンに教えてもらいたいんだよ」

ジャン(ミカサが俺の隣に座った!)ドキドキドキドキ

ミカサ「どうして?」

エレン「ジャンの教え方が上手いからだ」

ミカサ「」



ミカサ「………」ギロ

ジャン(ミカサが俺を見つめてる…!)ドキドキ

エレン「とにかく、ミカサはそこを退いてくれ」

ミカサ「…わかった」

エレン「続き頼む、ジャン」

ジャン「え?あ、ああ」

ミカサ「………」



コニー「やべっ、教科書トイレに置いてきた」

ユミル「!?」

トイレ??

―次の日、訓練所―

ジャン(エレンに掴みかかった時に繰り出してきた足払い、見事だったな…)

ジャン(俺も格闘術は出来るようになっておいた方がいいか)

ジャン(あいつに聞くのは俺のプライドが許さないが、仕方ない!)

ジャン「エレン、あの時俺に使った対人格闘術を教えてくれ」

エレン「え?ああ、いいぜ」

エレン「ジャンにはこの間座学を教えてもらった恩があるしな。アニから教わったものの受け売りだけど」

ジャン「アニの格闘術なのか。どうりで動きが完璧だったわけだ」

エレン「本当はアニに教わった方が上達は早いと思うけど、今ここにいないからな」

ミカサ「だったら私が教える」

エレン「ミカサ!?」

ジャン「ミっミミミカサ!」

>>19
コニーは教科書とか適当に放り投げてそうなのでw

ミカサ「これでも私の格闘術の成績は良いほう」パキポキ

エレン「い、良いほうというよりぶっちぎりでトップだろ!?」

ジャン「おいエレン!俺は構わないぜ!ミカサに直々に教えてもらえるなんてこんな有難い話どこにある!?」

エレン「よせ!考え直せジャン!内地に行くんじゃなかったのかよ!?お前が死に急ぎ野郎になってどうする!」

ジャン「ミカサ!お手柔らかに頼む!」

エレン「お、おい!」

ミカサ「………」コクリ

ジャン(よし、ここは上手くかわして逆手を取るというのも手だな。もちろん相手を傷付けないように優しく丁寧に、だ。で、ミカサは俺を見直して、そこから新しい恋が)

ミカサ「ふんっ!」



ドゴォ!



エレン「ジャアアアアアアァァァン!!」

―医務室―

マルコ「リンゴ持ってきたよ」

ジャン「おう、サンキューマルコ」

エレン「ジャン、大丈夫か?すまなかったな」

ジャン「気にするなって。全然気にしてねーから(むしろミカサに殴られて嬉しかったしな)」

エレン「お前、いい奴だな」

ジャン「こうやって見舞いに来てくれるお前もいい奴だよ」

ジャン「ミカサもそんなに気にするなよ」

ミカサ「……っ」


―廊下―

ミカサ「エレン、私とジャンどっちが大切?」

エレン「どっちも大切に決まってるだろ?ミカサは家族でジャンは友達だ」

ミカサ「……でも、ここ最近エレンはジャンと一緒に居ることが多い。それに、とても楽しそうだ」

エレン「そうか?あいつはマルコとも仲がいいし、俺達は四六時中一緒にいるわけじゃないんだぞ?」

エレン「まぁ、一緒に居て楽しいのは確かだけどな。年齢も近いし男同士だし、なんていうか気が合うんだよ」

ミカサ「……そう」

―次の日―

エレン「あ、ジャン!昼飯一緒に食おうぜ!」

ジャン「おう!」

ミカサ「………」

―食堂―

アルミン「ミカサ、元気ないね。何かあった?」

ミカサ「エレンがああなってしまったのは、アルミン、あなたのせい」

アルミン「えっ?」

ミカサ「い、いえ、なんでもない。今の言葉は忘れて」

ミカサ(あの時のアルミンはきっとこうなることを予測していたわけでわない。ので、アルミンを責めるのは間違っている)

ミカサ(私は、エレンが幸せならそれでいい。でも……)

エレン「で、その時、超大型巨人が―」

ジャン「うおー!すげぇー!」

マルコ「それで、どうなったの!?」



ミカサ(私と居る時以上に楽しそうなエレンを見るのは辛い……)

アルミン(ミカサ……)

サシャ『このパン、もらってもいいんですかね?』ヒソヒソ

アルミン『だ、だめだよ』アセアセ

―次の日―

エレン「アルミン、この間はありがとう」

アルミン「え?」

エレン「お前のおかげで、自分の熱くなりすぎる性格を反省する機会になった。それと、友達が出来たんだ」

ジャン「エレーン!立体機動の訓練しようぜ!ミカサもマルコも待ってるぜ!」

エレン「あぁ、今行く!」

エレン「未だに信じられないけどな。あんなに嫌いだった奴が友人になるなんて」

ジャン「おーい!エーレーーン!早くしろよー!」

エレン「じゃあな!」

アルミン「うん!」



アルミン(大切な友達……か。良かった。本当に)

アルミン(僕の発言もきっかけの一つかもしれないけど、元々二人は仲良くなれる素質はあったんじゃないだろうか)

アルミン(あとはミカサとジャンも仲良くしてくれればいいんだけど)

―廊下―

ジャン(ん?…あれはミカサ!)

ジャン「ミカサー!」タッタッ

ミカサ「………」

ジャン「その……月明かりに照らされていると、一段と黒髪が綺麗に見えるな」

ジャン(わ、我ながら恥ずかしい台詞を言ってしまったジャン…)

ミカサ「……で?」

ジャン「あー、特に用があるって訳じゃないんだが、あ、そういえば最近、俺とエレン仲が良いだろ?」

ジャン「その、心配しなくても大丈夫だ。俺のミカサへの気持ちは変わらないから」

ジャン「食事の時とか、ミカサも会話に加わっていいんだぜ?俺もミカサと沢山喋りたいし」


シーン


ジャン「…あれ?どこ行った?」

ミカサ「………」スタスタスタ

アニ「いつにも増して怖い顔をしてるね」

ミカサ「!」

アニ「あんたにはそんな表情、似合わないよ」

ミカサ「黙ってて。それに、あなたには言われたくない」

アニ「はぁ……でも、はっきり言わせてもらうけど、今のあんたより、ジャンやアルミンと一緒にいたほうがエレンも楽しそうだよ」

ミカサ「……っ!」

アニ「ま、エレンのそばにいられるだけで満足なら、余計な口出しはしないけどね」

ミカサ「………」

ミカサ(私は……)

―夜、男子部屋―

ジャン「エレンってミカサと仲がいいよな」

エレン「そうか?」

ジャン「ああ、いつも一緒にいるだろ?それに比べて、俺とは口もきいてくれないんだぜ…」

エレン「ミカサは元々口数が少ないからな」

ジャン「エレンはそんなミカサが好きなんだろ?」

エレン「まぁ、一緒に暮らしてきた家族だからな。恋って感情は特にないが…」

ジャン「ん?」

エレン「?」

ジャン「今なんて言った?」

エレン「恋って感情は特にないが…だけど」

ジャン「本当か!?本当なんだなエレン!?」

エレン「いてっ!痛いって肩つかむなよジャン!」

ジャン「あぁ、すまん」

ジャン「しかし、あんなに美しい女性と一緒に暮らしてたのに恋心が芽生えないって、ある意味すごいな」

エレン「一緒に暮らしてみればわかるよ。長年暮らしてれば良いところも悪いところも目の当たりにするからな」

ジャン「そんなもんか?ま、とにかくこれで俺にもミカサと両想いになるチャンスが巡って来たってわけだ」

エレン「なに言ってんだお前?」

ジャン「決まってるだろ?ミカサと両想いになって、一緒に内地に行くんだよ!」

エレン「はぁっ!?」

今更ですが原作の最新話辺りまでのネタバレがあります

続き書きます

ジャン「マルコもこの話知ってるだろ?」

マルコ「え?う、うん」

ジャン「そういや、マルコは好きな子いないのか?」

マルコ「えっ!?いいいいないよ!」

ジャン「この顔はいるって顔だな」ニヤリ

マルコ「本当にいないって!」

ジャン「本当かぁ?」ニヤニヤ

コニー「よっ、楽しそうだなお前ら、俺も混ぜてくれよ!」

ジャン「コニーにはまだ10年早い」

コニー「なんだよ!ガキ扱いしやがって。俺だってお前らとそう年齢変わらないだろーが」

ジャン「うっせぇ、そういうもんなんだ」

コニー「わけわからねーよ!」

マルコ「あははは」

エレン「はははは」

エレン「ところでジャン、さっきの話本当なのかよ?」

ジャン「さっきの話って?」

エレン「ミカサと内地に行くって話だよ」

ジャン「ああ、本当だぜ。そして本気だ」

エレン「ジャン、夢を壊すようで悪いが、それは無理な話だ」

ジャン「え」

ジャン「え?」



ジ ャ ン 「 え ?」

ジャン「どうしてだ。何故?why?warum?」

エレン「落ち着け。まず、俺は調査兵団配属希望だ」

ジャン「ああ、それは知ってる」

エレン「俺が、調査兵団に入ると言ったらミカサも調査兵団を希望するだろう」

ジャン「!」

エレン「そして、俺もミカサとは離れたくはない。出来れば一緒にいたい」

ジャン「………」

ジャン「お前、さっき恋心はないって…」

エレン「確かに俺がミカサを思う気持ちは恋とは違う。けど、大切な家族なんだ」

ジャン「………」

エレン「わかるだろ?」

ジャン「ああ…」

エレン「それに、ミカサは家族として俺の事を好きでいてくれている。ジャンを選ぶことはない、と思いたい」

ジャン「そうか、ミカサはエレンのこと大好きなんだよな。馬鹿みたいだ俺。一人で舞い上がって」

エレン「ジャン……すまない」

ジャン「でも告白はさせてくれ。勝ち目はないとわかっていても、踏ん切りをつけたいんだ」

エレン「わかった」

ジャン「あと、これからも友達でいてくれるよな?もちろん、マルコとコニーも」

エレン「もちろんだ!」

マルコ「もちろん!」

コニー「当たり前だ!」



ベルトルト「どうしたんだい?ライナー、さっきから震えてるけど」

ライナー「え?あっ、いや、なんでもない」アタフタ

ライナー「………」

ライナー(俺も恋バナしたい!)

―女子部屋―


ミカサ「ユミルに聞きたいことがある」

ユミル「珍しいな。ミカサが話しかけてくるなんて」

ミカサ「嫉妬ってしたことある?」

ユミル「嫉妬?んーまぁあるにはあるけどよ。主なクリスタ関連でだけどな」

ミカサ「どういう気持ち?嫉妬って」

ユミル「へ?どういうって言われてもなぁ…」

ミカサ「わからないならいい」

ユミル「あ、ちょっと待てよ!」

ミカサ「なに?」

ユミル「誰に嫉妬してるんだよ?エレン絡みか?」ニヤニヤ

ミカサ「………」ダッ

ユミル「………」

ユミル「まったく、いい加減素直になればいいのに…」

クリスタ「ミカサ、何かあったのかな?すごく切迫詰まった表情してたけど…」

ユミル「エレンに新しい女でも出来たんだろ」

クリスタ「えっ!?」

ユミル「冗談を信じちゃうクリスタはマジで女神だな」ギュッ

クリスタ「もう、暑苦しいよぉ~ユミル」

ユミル「そういや芋女の姿を見かけないな。もうそろそろ消灯時刻なんだが」

クリスタ「はっ、忘れてた!走らされてたサシャにパンと水を持って行くんだった!」




―外―

サシャ「」チーン

クリスタ「し、死んでる…!」

―男子部屋―

エレン「zzzzz」

マルコ「zzzzz」

ジャン「zzzzz」

コニー「zzzzz」

ライナー「zzzzz」

ベルトルト「zzzzz」

アルミン(寝られない…)

アルミン(やっぱりミカサ、元気無かったなぁ。エレンとジャンの仲が急速に深まったことと関係してるのだろうか)

アルミン(僕の食堂での発言がなければ、あの二人の溝が埋まることはなかった可能性は否定出来ない)

アルミン(明日、ミカサに謝ることも兼ねて、話を聞こう)

ミカサ「アルミン」

アルミン「ほぁっ!?」

ミカサ「しーっ」

アルミン「」

ミカサ「ついて来て」

アルミン「」コクッ

―裏庭―

アルミン「ミカサ、急に何の用だい?心臓が止まるところだったよ」

ミカサ「ごめんなさい」

アルミン「どうしたの?」

ミカサ「アルミンに頼みがある」

アルミン「頼み?」

ミカサ「エレンとジャンの仲を引き裂いて欲しい」

アルミン「!?」

アルミン「な…何を言って」

ミカサ「いつも、エレンの近くにいて、エレンの笑顔を見られるジャンが許せない。ので、二人の友情を壊して欲しい」

ミカサ「正確に言うと、アルミンには最善だと思われる作戦を提案してもらいたい。私がそれを実行する」

ミカサ「元はと言えばあの時、アルミンの食堂での発言がきっかけであの二人は仲が良くなってしまった」

アルミン「……ぐっ」

アルミン「…確かに、僕の発言で二人に友情が生まれたのは否定出来ない」

アルミン「でもね?ミカサ、エレンが好きなミカサにとって、辛いのはわかるよ」

アルミン「けど、だからと言って、そんなことをしたらエレンが悲しむことになるんだよ?」

ミカサ「わかってる!」

アルミン「!」

ミカサ「私には……エレンしかいない。でも、どうすればいいのか、わからない」

ミカサ「どうすれば、エレンが私を見てくれるのか、わからない」

アルミン「ミカサ……」

ミカサ「ジャンを削ぐことも考えた。が、エレンがあんなに楽しそうにしている姿を見ていたら…体が動かなかった」

アルミン「………」

ミカサ「アルミンが協力してくれないのは残念だ。明日の夜、一人で実行に移すことにする」

アルミン「じ、実行って、なにを!?」

ミカサ「アルミンは知らなくてもいい。おやすみ」

アルミン「あっ!ちょ、ちょっと待ってよミカサ!」

―次の日、図書室―

アルミン(一体ミカサはなにをしようと考えているのだろう)

マルコ「アルミン、目の下にすごいクマが出来てるよ?大丈夫?」

アルミン「あ、あはは…昨日面白い本を見つけちゃってね」

―夜、食堂―

アルミン(とうとう夜になってしまった…。ミカサにはとても話しかけられる状況ではない)

エレン「それでその時ハンネスが―」

ジャン「あっはっは!ウケるなそれ!」

ミカサ「ジャン、ちょっと話がある」

アルミン「!」

ジャン「え?」

ミカサ「ついて来て」

ジャン「あっ、俺もちょうどミカサに伝えたいことがあったんだ」


エレン(ジャン!告白するんだな!?今、ここで!)

アルミン(ジャンにも用があった…だと。なんてタイミングなんだ!)

―外―


ミカサ「話って?」

ジャン「俺から話してもいいのか?」

ミカサ「構わない」

ライナー『ちょっ、押すなよコニー!』

コニー『お前の背が高すぎて前が見えないんだよ馬鹿!』

ベルトルト『ライナー、僕らは後ろの方に移動しよう』

エレン(ジャン、お前の一世一代の告白見届けさせてもらうぜ)

アルミン(ミカサから殺気は感じられない。穏便に事を済ませようとしているのか…)

マルコ『みんな、草の陰から覗き見なんてやっぱりよくない。やめようよ』

ユミル『大丈夫だ。あれだけ目立つ開けた場所で二人して立ってるんだぞ。ご自由に見て下さいって言ってるようなもんだろ』

クリスタ『でも、話ってなんだろう?なんかこっちまでドキドキしてきちゃった』

ミーナ『ジャンがミカサのことを好きだってことは知ってたけど、まさか告白するのかな?』

アニ『ふん、馬鹿馬鹿しい…(ミカサ、頑張りなよ)』

サシャ「皆さん!夕食いらないなら私が食べちゃいますからね!」

ユミル『お前は少し声のボリュームを抑えろ!』

続き投下

ジャン「ミカサはとっくに気がついてたかもしれないけど…」

コニー『おっ!話し始めたぞ!』

アルミン『対するミカサは至って冷静な表情!両者一歩も譲らない構えです』

ユミル『あんたら誰が実況していいと言った』

アルミン『実況は、僕の頭脳に勝てる者などいない。真実はいつも一つ!アルミン・アルレルトと』

コニー『もう馬鹿とは言わせない。実況で名誉を挽回してやる!天才コニー・スプリンガー!』

エレン『解説は、ミカサの家族であり、ジャンの友人であるこの俺エレン・イェーガーでお送りします』

ユミル『おい』

マルコ『みんな!静かに!』

ライナー『……来るぞ』

ジャン「実は俺、ミカサのことが前から好きだった」

コニー『おおっとぉ!?いきなりの告白だー!』

アルミン『随分大胆に、単刀直入に言い切りましたね』

ミーナ『男らしくて良い!』

ユミル『もう突っ込むの疲れた』

コニー『対するミカサは…!』

ミカサ「………」

アルミン『顔色一つ変えていません!これが王者の風格というやつでしょうか!?』

ミカサ「知ってた」

アルミン『こ、これは…ミカサは、ジャンの自分へ好意を把握していたようです!』

エレン『あれだけアピールされてましたからね。勘のいいミカサがすぐに気付くのも無理はないでしょう』

アニ『私でも気づいてたよ。こっちが恥ずかしくなるくらいにね』

ジャン「そ、そうか。やっぱりそうだよな」

アルミン『ジャンは戸惑いを隠しきれない様子です』

ジャン「で、さ……本題に移るけど」

アルミン『しかし、まだ諦めていないようです!』

エレン『ダズの生命力並の粘り強さを見せます!ここは流石というところですね』

ジャン「付き合って欲しいんだ。俺と」

ミカサ「ごめんなさい」

ジャンのような物体「」

コニー『振られたあああぁぁぁ!』

アルミン『わずか2秒で振られました!続きを話す隙も与えません!』

ジャン「……わかった。ありがとう」

アルミン『何かを悟ったかのような表情をしているジャンです』

エレン『普段は勝ち気な彼でも、失恋は辛いはずですからね』

ジャン「次はミカサが話す番だ」

ミカサ「………」

アルミン『珍しく思い詰めたような表情をしているミカサです』

コニー『さぁ、どう動くのか』



ミカサ「」バッ(土下座)

ジャン「!?」

全員「!?」

ジャン「ミカサ…!?」

ミカサ「………」

アルミン『これは…どうしたことでしょう。ミカサがジャンに土下座しているという、信じ難い光景です!』

エレン『………』

ミカサ「エレンを返してほしい」

ジャン「な、なにを言ってるんだ?」

ジャン「顔を上げてくれ、ミカサ」

アルミン『ジャンがしゃがみこんでミカサを気遣います。優しさを忘れていません』

ミカサ「エレンは…私の家族。私は……エレンがいないと生きていけない」

ジャン「ミカサ……」

ジャン「俺はミカサからエレン奪うつもりはこれっぽっちもない。だから安心してくれ」

ミカサ「本当に?」

ジャン「あぁ、本当だ!左胸の心臓を賭けて誓う!」


ミカサ「私は……私は、ジャンが羨ましかった」

ジャン「………」

ミカサ「ジャンは、自分の感情を素直に表現出来る。ので、エレンの笑顔を引き出すことが出来る」

コニー『素直すぎて、たまに腹立つ時があるけどな』

ミーナ『しーっ!今いいところなんだから!』

ミカサ「私には、それが出来ない。素直になることが」

ジャン「いや、出来る」

ミカサ「!」

ジャン「こうして今俺に気持ちを伝えてくれたじゃねぇか」

ジャン「エレンにも言ってやればいいんだ。今、自分が思っている気持ちを」

ミカサ「………」

ジャン「家族なら受け止めてくれるはずだ。友達以上にな」

ジャン「それが、家族ってもんだろう?」

ミカサ「!!」

エレン「ミカサ!」ダッ!

ミカサ「……エレン!」

ジャン「………」

エレン「すまない。俺、気付かなかった。お前がそんなに寂しい思いをしてたなんて」

ミカサ「私も、ごめんなさい。感情を表に出すのをずっと我慢していたから」

エレン「これからも、よろしくな。その…家族として///」

ミカサ「うん…///」


ギュッ


全員(抱きしめ合った!)

エレン「ジャンも友達として、よろしく頼む」

ジャン「ああ!」

ジャン「ミカサもよろしくな」

ミカサ「え?」

ジャン「俺達はもう友達だろ?」

ミカサ「!」

ミカサ「ありがとう」


ジャン(ミカサを幸せにすることが出来るのはエレン、お前だけだよ)

ミーナ『良かったね…』

クリスタ『エレンとミカサが抱き合うところでドキドキしちゃった』

ライナー(俺もクリスタを抱きしめたい)

マルコ(ジャン、いつかきっと君に似合う素敵な女性が現れるさ)

ベルトルト(僕も告白する勇気があればなぁ)

コニー『なぁ、なんで俺、ユミルに手で目隠しされてるんだ?』

ユミル『コニーにはまだ早いからだ』

アニ『…まったく、とんだ茶番を見せられた気分。時間を無駄にしたよ(良かったね、ミカサ)』


ハンナ「私達に続き、104期生に夫婦が誕生したようね、フランツ」

フランツ「ああ、そうみたいだね。ハンナ」

―食堂―

アルミン「あれ?他の104期生はもう食べ終わっていないみたいだけど、サシャ一人でここにいたの?」

サシャ「ゲフッ……あ、はい!」

アルミン「僕らの夕食が見当たらないけど…」

サシャ「あっ、皆さんの夕食は私がいただいておきました」

アルミン「え?」



アルミン「ええええええええええ!?」

サシャ「ちょ、ちょっとアルミン!そんな絶叫されたら教官が来ちゃいますって!」

エレン「どうしたアルミン!?」

全員「どうしたどうした」ザワザワザワ

アルミン「サシャが……僕らの分の夕食を完食していた。な、なにを言っているのかわからないと思うけど(ry」

全員「」



全員「サシャアアアアアアアアア!!」

サシャ「ひいいいいい!」

アニ「今日という今日は許さないよ!」

ジャン「逃がさねーぞ芋女!」

コニー「もうこいつ教官に引渡そうぜ!」

ユミル「おい、そっちに逃げたぞ!捕まえろ!」

ライナー(こうなったら巨人になるしか…!)

ベルトルト(ライナー!やるんだな!?今、ここで!)



ギャーギャー

ドタバタドタバタ

ユミル「ヘッドロック喰らえ!」

サシャ「いだいいだい!隠し持ってた一週間分の食事を皆さんに差し上げますから、許して!」

ユミル「…本当か?」

サシャ「…はい」

クリスタ「も、もうその辺にしてあげようよ」

エレン「そうだ。反省してるみたいだし」

ユミル「次こんなことしたら教官のところに連れて行くからな」

サシャ「は、はひ…」



ミカサ「……クスッ」

アルミン(ミカサが笑った!?)

ガチャ


全員「!!」


エレン(ま…まずい……)

ジャン(教官だ……)


キース「今しがた大きな音が聞こえたが、誰か説明してもらおうか」

全員「………」





アルミン「みんなで仲良く喧嘩していた音です!」


おわり

これで終わりです。
ここまで読んで下さってありがとうございました!

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