医師「安価で怪我人が増える」(183)

医師「勇者、敗れる」

医師「この知らせは全世界に衝撃を与えた」

医師「なんでも、魔王の作戦で魔王城ごと吹き飛ばされた、らしい」

医師「その後の勇者の消息は掴めていないそうだ」

医師「当の魔王はというと、別の場所に新しく魔王城を建設」

医師「勇者に削られた軍力を確実に取り戻し、伸ばしているとか」

医師「で、そんな中で国王様が出した命令が」

医師「『戦える者はとにかく魔王城に向かえ』」

医師「随分必死なもんだ」

※※※

戦士「安価で登場人物が増える」
側近「安価で魔物が増える」

と世界観を共有しております。

直接の繋がりは無くして前作を読まなくてもいいような内容にしようと思いますが、気になったら読んでみて(ry
前作から読んで頂いてる方は引き続きお楽しみください。

※※※




医師「そんなわけで、魔王城の近くにあるこの村では腕っ節の強い奴らが集まるようになった」

医師「突撃した結果、怪我してここに運ばれてくる奴とかもいるので、医者である俺が王都から派遣された訳だ」

医師「なんで俺一人だけなんだよ、無茶だろ」

村人「先生!、怪我人です!」

医師「今日も早速来たかー」

>>3「……」

道具屋

道具屋「く、ぐ……」

医師「ん、村の道具屋さんじゃないか」

医師「……魔物の爪による切傷に毒か、回復魔法で傷は塞がるな」ポワッ

医師「毒は治療薬でいけるな、飲め!」ズッ

道具屋「んっく……た、助かったー」

医師「何があったんだ?」

道具屋「外れの森で薬草を摘んでいたところを魔物に襲われてしまいまして」

道具屋「何とか村の近くまで逃げてきたのは良かったけれど、毒が回って力尽きてしまって」

村人「おらが見つけてここまで連れてきたんでさ」

医師「森?、あそこに毒を持つ魔物なんていたのか」

道具屋「私も見たことのない魔物でした」

医師「ふむ、ギルドに言えば誰か暇な奴が腕試しで狩りに行くんでない?」

道具屋「そうですね、この後寄っていきます」

医師「毒は既存の治療薬で対処出来るものだったから、討伐は容易いと思うぞ」

道具屋「そうですか、じゃあ毒治療薬を売りつけてやります、へへ!」

医師「回復したばかりなのに見上げた根性だこと」

道具屋「あ、そうそう、この薬草買い取ってくださいな」スッ

医師「ん、沢山採ってきたなあ、襲われるわけだ」

道具屋「は、はは……」

医師「まあ、小言はいいとして、怪我人が多過ぎるから回復薬がいくらあっても足りないんだ、ありがとう」

道具屋「先生の作る回復薬は凄いですもんね!」

医師「ギルドに行った後は討伐報告が来るまで森に行くんじゃないぞ」

道具屋「あ、あー、分かりました」

医師「(すぐにでも行くつもりだこいつ)」

道具屋「じゃあ失礼します、ありがとうございました!」

医師「森に行くなよ?」

道具屋「ははは!、では!」バタン

医師「笑って誤魔化したぞあいつ」

医師「あいついつもあんな感じでここに来るからなあ」

医師「商売根性はいいけどいい加減学習しないかなあ」

ガチャ

医師「次来るのが早いなぁ」

>>9「ういー……」

衛兵

衛兵「センセェー、薬くれぇー……あだだ」

医師「……お前また二日酔いかよ、飲み過ぎだ」

衛兵「だってなぁー、昨日はすげぇ盛り上がったんだぜ?」

医師「そんな調子で毎日来ないでくれるとありがたいんだがな」

衛兵「それより早く薬くれよー、頭痛が……」

医師「はいはい、これ二日酔いの薬ね」

衛兵「おー、サンキュ……ニガッ!!」

医師「うんと苦くしておいたからよく効くぞ」

衛兵「おい、ちょ!、こんな苦くなかったろこの薬?」

医師「いい加減迷惑だからな、そろそろ懲りてもらいたいと思ってな」

衛兵「うげぇー、水くれ、水」

医師「ほれ、で、毎晩飲んでていざという時戦えるのか?」

衛兵「ごくごくっぷほっ、だーいじょーぶ、分別はつけるさ」

医師「……まあそこら辺はお前の上司に任せるか」

衛兵「そうそう、昨日盛り上がった話なんだけどな?」

衛兵「先生、女いるか?」

医師「いたらここに一人で飛ばされないっての」

衛兵「ははっ、そりゃそうだ」

医師「俺は忙しいんだ、雑談する暇はないから帰った帰った」

衛兵「道具屋の姉ちゃん、中々いいよな?」

医師「あいつは無鉄砲すぎて付き合いきれん、てか帰れ、はよ」

衛兵「今度一緒に飲もうぜー!」バタン

医師「全く、あいつはいつも……」

ガチャ

>>14「急患だー!」

医師「絶え間ないな本当」

農フューチャー
明日は無い訳ない。農の力で明日を拓くんだっ!
そんな意図で作られた農耕用多目的ロボ。農に関してなら殆どの事が可能

農未来「急患だー!」

医師「聞こえてる!、連れてきてるのか?」

農未来「下手に動かせないだー!」

医師「場所は?」

農未来「ついて来るだー!」

医師「分かった!、準備するから待ってくれ」

医師「(農作業ロボット、農フューチャー)」

医師「(大昔に失われた技術、ろすとてくのろじーとやらで動く金属製ゴーレム、らしい)」

医師「(俺も最初見たときは驚いた)」

医師「(こんな村にあんなものがあるとは思わなんだ)」

医師「よし、案内してくれ!」

農未来「分かっただー!」

農未来「ここだー!」

医師「ん、え?」


衛兵「ぐええー……」オロロロ


医師「診療所を出てすぐじゃないかっ!」

農未来「この人が出てきたところにおらとぶつかっちまっただー」

農未来「そしたらこの人、吐き出したから頭を打ったと思っただー」

衛兵「気持ち悪っ……うっぷ」

医師「……二日酔い引きずりすぎだろ」

農未来「ど、どうするだー?」

医師「寝かせれば治る、悪いが嘔吐物の処理を頼む」

農未来「わかっただー!」

医師「うっ、くせぇ」

衛兵「ぐへぇー」

医師「おら、水だ、飲め!」

衛兵「ぶふっ!?、ガボゴボ!?」

医師「お前、昨日どれだけ飲んだんだ!」

衛兵「んんー?、どれくらい飲んだかな……」

医師「こいつは……」

農未来「処理終わっただー」

医師「早いな、こっちはもう大丈夫だ」

農未来「じゃあ、オラは持ち場に戻るだー」

医師「お前も立てるなら早く戻れ、ほら」

衛兵「うぐ、揺らさないでくれよおい」

医師「あーもう無駄に疲れた、準備したものが全く必要無かったぞ」

医師「やっぱゴーレムだからかなぁ、農作業以外での物事の判断はどうも苦手らしい」

>>21「あ、先生、いいところに!」

医師「診療所に戻る暇もなかった」

薬草花妖怪(女)
医師の薬草生産係
容姿は妖艶だが本人はのほほんとした性格

花子「今日の分の薬草です、はい」

医師「あ、ああ、いつもおつかれ」

花子「?、どうしました?」

医師「あまりにも忙しくて薬草が沢山あっても回復薬を作る暇がないものでね」

花子「あー、先生以外に作れる人、いませんものね」

医師「うむ」

医師「(この村に来て一番驚いた事)」

医師「(それは人と魔物が共生していることだ)」

医師「(どうやら魔物にも種類があるらしい、俺にはよく分からないが)」

医師「(とにかく、この村にいる魔物達は魔王軍と違って危険性はない、そうだ)」

医師「(実はまだ慣れてないのは内緒だ)」

医師「(で、この子だが、魔王軍配下の魔物に襲われて怪我したところを治療したら懐かれたわけで)」

医師「(今日のようにときたま薬草を持ってくるようになった)」

医師「(それでも足りないんだよな薬草、怪我人多すぎだっての)」

花子「そうだ、これどうぞ」

医師「この草は……アロマ草か」

花子「この草の香りは気分が安らぎますよ」

医師「混乱状態によく効くんだよな、ありがとう」

花子「いやその、先生が使ってください」

医師「ん?」

花子「先生、疲れてるそうなので」

医師「(あー、気遣われてるのか)」

医師「うん、ありがとう」

花子「では、失礼しますね」スタスタ

医師「うん」

医師「……」

医師「見た目は人間だけど、頭にでっかい花が咲いてるんだよな」

医師「どうやら人間に寄生する魔物らしい」

医師「病気で死んだ人に寄生してるって話だけど、よくもまあこの村に馴染んでいるって思うよ」

医師「そんなわけで、この村には教会は無く、回復できる人はギルドにいる人を除くと俺だけになるわけだ」

医師「……」

医師「せめて助手が欲しい」

医師「寝る暇もないんだぜー全く」

道具屋「呼びましたか!」

医師「呼んでない」

道具屋「こちらに眠気覚ましのドリンクがありますが、要ります?」

医師「眠気覚ましくらい、こっちに沢山あるよ」

道具屋「たはー、お厳しい」

医師「で、何?」

道具屋「急患です!」

医師「先に言え!」

>>29「うぐぅ……」

医師「お前が背負ってるそいつか」

道具屋「はい」

先読み動作人形

先読み人形「ぐう……」

医師「ん?、魔物か?」

道具屋「そですね」

医師「えっと

先読み人形「怪我したのは左足だ」

医師「ん?、ああ、ホントだ、それで

先読み人形「魔物の攻撃による切傷だだ」

医師「見れば分かるよ、揃ってるところを見るに、爪によるものだな」

先読み人形「次にお前は、こっち連れて、ベッドに降ろしてと言う」

医師「こっち連れて、ベッドに降ろして……マジか」

先読み人形「なので先読み動作で先にベッドにいだだだだ!」

医師「足怪我してるんだから無茶すんな」

道具屋「よいしょ」ドサ

医師「おつかれ、さて」

先読み人形「回復魔法は効くぞ」

医師「……」ポワッ

先読み人形「その娘が森で襲われてるところを庇ったのだ」

道具屋「え、ちょっと、何言ってんですか!」

医師「ちょうど聞きたかったことだ、何故先読みできるのに怪我をするのか、ってな」

道具屋「……てへっ」

医師「おいコラ」

道具屋「……えーと」

先読み人形「詫びはいらんさ」

道具屋「そ、そう?」

医師「アホ、先読みされても言うべき事はちゃんと言え」

道具屋「うっ……ごめんなさい」

道具屋「……じゃ、じゃー大丈夫そうなので私行きますね」

先読み人形「私が見張っていよう」

医師「助かる」

道具屋「え、ちょっと」

先読み人形「私を出し抜いて森に行けると思うなよ?」

先読み人形「そしてお前はう、うわー……とげんなりする」

道具屋「う、うわー……うっ」

先読み人形「俺は人形だからな、皆が寝静まっていても私は起きているぞ」

道具屋「よ、夜に行くことが読まれた!?」

医師「……大丈夫そうだな」

医師「しかしなんだ」

医師「回復魔法って魔物全般に効果があるのかね」

医師「研究者じゃないから分からんな」

ガチャ

>>45「おいすー」

医師「次はどちらかなっと」

吟遊詩人

吟遊詩人「んっんー、おはようございまーすー」

医師「おはようございます、怪我を……してるわけでもないな」

吟遊詩人「んんー、ワタクシ、世界を旅して回ってる吟遊詩人です」

医師「へえ、このご時世によくやるね」

吟遊詩人「んーん、この村には魔王城に果敢に挑む冒険者達が集うと聞いたのです」

吟遊詩人「んんーん、そこでこのワタクシが冒険者達の士気を上げるため、謡いに来たのです」

医師「ふむ」

医師「ところで、なんでここに?」

吟遊詩人「んふ、旅して回ってるだけあって魔物から逃げることもしばしばありまして」

吟遊詩人「んー、どうにも怪我が絶えないのです」

吟遊詩人「まあ、この村に来るときは運良く襲われなかったのですがね、んんー」

吟遊詩人「んんっう、そしてですね、村や町に着いたら回復アイテムを補充するのですが」

吟遊詩人「道具屋の方がここの先生の回復薬がすごく効く、と言っていたので」

吟遊詩人「ここに馳せ参じた次第です、んんん」

医師「それはどうも」

医師「(んーんー言うの何とかならんのかね)」

吟遊詩人「んゅん、旅の備えとして回復薬をいくつか売って貰いたいのですが、よろしいですか?」

医師「いいですよ」

吟遊詩人「んー、ありがとうございます!」

吟遊詩人「お礼に一曲、歌って差し上げましょう!」

医師「いや、悠長に聞いている時間が無いんですがね」

吟遊詩人「んんー」ポロロン

吟遊詩人「ナーナーナナァー」ポロロン

吟遊詩人「何時だって何かに逆らい生きてきたぁ�・♪」

吟遊詩人「出てくる者は全て討ち倒してきたぁ�・♪」

医師「……!?」

吟遊詩人「制御不能の止まらぬスピリッツぅ�・♪」

吟遊詩人「ナァーナァー♪」ポロロンポロロン

医師「俺の思ってた歌と違う」

吟遊詩人「千の言葉より残酷なぁ�・♪」

吟遊詩人「測りきれない野生がぁ�・♪」

吟遊詩人「焦る必要なんてないー、オレの時代はもう来ているぅ�・♪」

吟遊詩人「オーーオーーォ♪」ポロロンポロロン

吟遊詩人「迷うなぁー、悩むなぁー、俺だけを見ろぉー♪」

吟遊詩人「来いよどこまでも抱きしめてやるさぁー♪」

医師「ちょっと外回ってくる」バタン

吟遊詩人「この煌きはもう誰にも制御できないぃー♪」

吟遊詩人「その輝きは大雪原より眩しく勇ましくぅー♪」

吟遊詩人「エレガントに舞い、クレイジーに酔い、」

吟遊詩人「愛に行き、愛に死ぬ、それが孤高のファンタジスタァ~♪」

吟遊詩人「オーーォーーオーー♪」ポロロン

吟遊詩人「……んん!、どうですか!」

吟遊詩人「……あれ?、先生、どこ?」

医師「アカンわ、想像と全然違ってた」

医師「外に出たはいいけれど、どうしたもんかな」

花子「あ、先生!」

医師「ん、君か」

花子「どうしてここに?」

医師「逃げてきた」

花子「え?、はあ……」

医師「ところで何かあったか?、慌ててるようだけど」

花子「そ、そうでした、誰かがあそこにうずくまってて」

>>54「ぐぐくぐ……」

医師「酔っ払い……ではないようだな」

ロリババ

ロリ婆「ぐ、ぬぬぬ……」プルプル

花子「お医者さんですよ!」

医師「一体どうした?」

ロリ婆「お、ごご……こ……」

医師「ん?」

ロリ婆「こ、腰が……」

医師「あー、ぎっくり腰か」

花子「え、え?」

医師「診療所まで運ぼう、悪いが荷物持ってくれ」

花子「あ、分かりました」

医師「よっと、軽いな」ヒョイ

ロリ婆「あ、あだだど!、もっと丁寧に扱わんかい!」

医師「元気そうだな」

吟遊詩人「……んんー……」

ガチャ

吟遊詩人「あ、先生」

医師「ん、まだいたのか、悪いがどいてくれ」

吟遊詩人「あ、はい」スッ

医師「よいしょ」スッ

ロリ婆「あー、痛い……」

医師「んー……」サワサワ

ロリ婆「こら、触る前に一言、あだだ!」

医師「骨に異常は無さそうだ、湿布貼りますね」ペタ

ロリ婆「うー……」

医師「しかしなんだ」

医師「見た目は子供だけど、肉体年齢は凄まじいな、あちこちガタが来てるぞ」

ロリ婆「むむむ、やはりバレてしまうか……」

医師「そういう魔法が何かがあるのか?」

ロリ婆「そうだのう、実はワシは80歳を超えとる」

花子「えっ」

ロリ婆「ワシは昔は魔法使いだったのでの」

ロリ婆「若さを保ちたいがために魔法を研究していたのだ」

ロリ婆「そして、その魔法が完成して自身に使ったのはいいが、」

ロリ婆「何を失敗したか、若くなりすぎて子供の姿になってしもうた」

ロリ婆「その上、変わったのは見た目だけで、肉体年齢はそのまま、なんてことになっての」

ロリ婆「凄まじく不便な身体になってしもうたわい……」

医師「魔法って、何でもありだな」

ロリ婆「欲を出した故の仕打ちなのかもしれぬ……」

医師「とりあえず、数日間は安静に、というか動かない方がいいな」

ロリ婆「ふむ」

医師「空きのベッドがあるから、そこに寝かせよう」

ロリ婆「てことは、入院ということになるのかの?」

医師「そだね」

医師「じゃ、ベッドに連れてますよっと」ヒョイ

ロリ婆「むむ、この体制は何か恥ずかしいの……」

花子「ここに連れて来る時もお姫様抱っこでしたけど」

ロリ婆「えっ」

医師「何を恥ずかしがるのか、医者とババアなのに」

ロリ婆「ハッキリとババア言うでない」

医師「よっと」ストン

ロリ婆「ふむ、寝心地は悪くないベットだの」

医師「何かあったらコールスイッチがあるから、それを押して呼んでくれ」

ロリ婆「分かった……ん?」

>>61「」コヒューコヒュー

ロリ婆「っ!?」ギョッ

医師「あー、そいつ、一昨日運ばれてきた奴な」

謎の館・当主

当主「」コヒューコヒュー

ロリ婆「み、右腕が……」

医師「何人かパーティを組んで魔王城に向かったらしいんだけど」

医師「ご覧の通り、返り討ちにされたというわけだ」

医師「瀕死のまま、転移魔法でこの村まで逃げ帰って来たんだ」

医師「俺も手を尽くしたんだけどな」

医師「一命を取り留めたのはそいつだけだった」

ロリ婆「そうか……」

医師「噂じゃあ、いいとこの貴族らしくて、魔王討伐より、魔王城そのものに目的があったらしい」

医師「詳しい事はずっと意識が戻らないそいつに聞くしかないけどな」

当主「」コヒュー

医師「……この様子じゃあまだ目覚めそうにないな」

ロリ婆「……」

ロリ婆「(こ、こやつと一緒の部屋だと気が滅入ってくるぞ……)」

医師「じゃ、俺も忙しい身なもんでな、じゃな」バタン

ロリ婆「え、う、うむ」

当主「」コヒュー

ロリ婆「……う、うーん……」

ロリ婆「(他に誰もいない中で痛々しいあの姿を見てるのは……結構くるの……)」

医師「……魔王城ね」

医師「そういえば、新しい魔王城はいつの間にか出来ていたって話だけど」

医師「そんなパパっと出来るものなのかね」

医師「……うーむ」

医師「新築でなく、改築した、と考えると」

医師「あの貴族さんはもしや……」

吟遊詩人「…………んんんん」

医師「うをっ、いたのか」

花子「私もいますよ、考え事ですか?」

医師「ん、まあちょっとね」

花子「あ、お客さん来てますよ」

>>66「……」

医師「……ん」

魔王

魔王「……」ドドドド

医師「(な、何だ、この威圧感……)」

魔王「……」

医師「な、何の御用で?」

魔王「……」

魔王「回復薬を……買いにきた」

医師「あ……はい、少々お待ちを」

魔王「……」

魔王「(戦闘力はさほどでもないが……)」

魔王「(回復系の技術は相当なもののようだな)」

魔王「(……)」

魔王「(殺す必要は無いだろうが……計画には邪魔ではあるな)」

魔王「(何か誘導策を考える必要がある……)」

医師「回復薬をお持ちしました」

魔王「……うむ」

医師「……ギルドの人ですか?」

魔王「……そんなところだ」

魔王「邪魔したな」バシュン

医師「……転移魔法」

花子「……今の人」

医師「ん?」

花子「とんでもない魔力を有していたように感じました……」

医師「……そうか」

魔王「……」バシュン

側近「……おかえりなさいませ」

魔王「うむ」

側近「いかがでしたか、偵察の方は」

魔王「……力のある者が集まりつつある」

魔王「あと数日で計画を実行に移す」

魔王「その時は任せるぞ」

側近「承知しました……ククク」

魔王「……」

側近「ところで……例の医者はどうするおつもりで?」

魔王「殺すつもりはないが……対策は既に考えた、魔王だからな」

魔王「(要は回復手段を無くせば良い)」

医師「ふう……なんだったんだあの人」

花子「あ、私そろそろ戻りますね」

医師「ん?、うん」

吟遊詩人「……んっふ、私もギルドに行きましょうかね……では」

医師「あー、うん」

医師「……」

ガチャ

>>71「あの」

医師「出ていった瞬間に新しい人が来るんだもんな」

全身性感帯となって全裸のマーニャ

申し訳無いが版権はngなので踊り子にします


花子「」

吟遊詩人「」

医師「どうしたお前……ら……」

踊り子「あふぅ」プルン

医師「」

医師「(何故全裸なのだ)」

吟遊詩人「……んぶふう」

医師「とにかく……このままではいけない、何か羽織るものでも」ピト

踊り子「はうぅんっ!」ビクンッ

医師「うおっ!?」

吟遊詩人「扇情的ですねぇ」

踊り子「あっ…はぁっ……た、助けてくださいぃ……」

医師「まず中に入ろう、ここだとマズイ」

吟遊詩人「んん、では私が手を取って」

医師「お前はもう帰れ!」

吟遊詩人「あ、はい」


踊り子「……あふぅ」ビクビク

医師「これは……」ススッ

踊り子「んはぅんっ!」ビクンッ

医師「全身が性感帯になっているのか?」

医師「ていうかよくここまで来れたな……全身がそうだってことは足裏もそうだから歩く度に大変だろうに」

踊り子「あふぅ……」

医師「神経が敏感になっているのか、そういう毒もあるという事か?」

医師「……ん、背中に何か刺さっているな」ズポッ

踊り子「あひぃっ」

医師「……ふむ、魔物の持つ針かな、おそらく毒針だろうか」

医師「魔物に詳しくないから何の魔物かは分からないが……」

医師「毒と分かったからにはまず解毒剤を試すか」

医師「注射は……今の状態だと危険か、経口だな」

医師「飲め!」グイッ

踊り子「んんんんんっ!?」ビクンッ

医師「……参った、口の中も敏感なのか」

踊り子「ん、んはぁ……」トロン

医師「……薬が効くのを待つしかないか」

医師「とりあえず白衣のスペアでも羽織ってもらおうか」パサッ

踊り子「んあっ」

………

踊り子「……ふぅ、ふぅ……」

医師「ん?、元に戻ったか?、薬が効いたか自然に治ったか分からんが……」

踊り子「あふぅ……助かりました、ありがとうございますぅ」

医師「何があったんだ?」

踊り子「そうですねぇ、村の外れで踊りの練習をしていたのですけどぉ」

踊り子「背中に何か刺さった感触がしてぇ」

踊り子「振り返っらぁ、なんか見たことのない人型の魔物がいてぇ」

医師「(喋り方は何とかならんのか)」

踊り子「そしたらぁ、なんか身体がすごいビクビクしちゃってぇ」

医師「今に至ると」

踊り子「そゆことぉー」

医師「やっぱ魔王城の近くだけあってこの村も結構危ないよな……」

踊り子「そ、れ、よ、りぃー」

医師「?」

踊り子「こんな赤裸々な姿を見られちゃったらぁ、ねえ?」

医師「ねえって、何さ」

踊り子「んもぉ、責任取ってもらうしかないのぉ♪」

医師「はあ?」

踊り子「あふぅ、先生、結構好みの顔してるのぉ」ピト

医師「こら、くっつくな」

踊り子「んっふぅ、嫌いじゃないでしょ?」スリスリ

医師「や、やめんか!」

ガチャ

>>78「先生……ぃ?」

医師「タイミングの悪い……」

分身メイド

分身メイド「……ほう」

医師「……何か、御用で?」

踊り子「うふぅー♪」

分身メイド「……そちらは?」

医師「錯乱状態の一種だ、気にしないでいただけるとありがたい」

踊り子「私は正常だよぉー?」ギュー

医師「(医学で培った鋼の精神を舐めるなよ!)」

分身メイド「……その格好は?」

医師「患者のプライバシーをおいそれと話すわけにはいかないな」

分身メイド「……そうですか、失礼しました」

医師「いい加減離れなさい」

踊り子「あふぅ」

医師「あっち行きなさい、ほら」

踊り子「ぶー……」スタスタ

医師「それで……今日もお見舞いかな?」

分身メイド「はい……ご容態の方は?」

医師「まだ意識は戻っていない」

分身メイド「……そうですか」

医師「前も言ったが、頭部に強い衝撃を受けたようでな」

医師「意識が戻ったとしても、障害が残っているかもしれん」

分身メイド「……ご主人様……」

医師「(この人、今入院中の当主に仕えるメイドである)」

医師「(……知り合ったのはギルド内での話だそうだけどな、とにかく誰かに奉仕したい気性らしい)」

ガチャ

分身メイドa「お見舞いの花を買ってきました」

分身メイド「ありがとうございます」

医師「(よくわからないけど、分身出来るらしい、俺も最初見たときは驚いた)」

踊り子「ねぇ、まだぁー?、ってわあ!?、二人いるぅ!?」

医師「まだ終わってないから戻りなさい」

踊り子「な、なんで驚いてないのぉ……?」スタスタ

医師「で、お見舞いするのはいいけど、新しい入院患者が入ったから挨拶はしといて」

分身メイド「分かりました」

分身メイドa「それでは失礼します」

分身メイドb「……ああ、ご主人様……」

医師「……」

医師「(何故か勝手に増える、本人もよく分からないらしい)」

医師「(減らし方も分からないらしい、一晩寝たら何故か一人に戻っているそうだが)」

ロリ婆「……ふぅ」パリッ

当主「」コヒュー

ロリ婆「動けないというのは、中々退屈だのう」

ロリ婆「煎餅が美味い」パリパリ

ガチャ

分身メイド「失礼します」

分身メイドa「ワタクシ、こちらの当主様に仕えるメイドでございます」

分身メイドb「(ご主人様prpr)」

分身メイドc「以後、お見知りおきを」

ロリ婆「!?」ギョッ

医師「……」

踊り子「んふぅー♪」

医師「しまった、一人借りて着替えを買いに行ってもらえばよかった」

分身メイドj「心配御座いません」ガチャ

医師「ん?」

踊り子「え?、さっきあっちに行って、あれ?」

分身メイドj「こんな事もあろうかと、お着替えを買ってきました」

医師「おお、わざわざありがとう」

分身メイドj「さ、着替えましょう、こちらへ」

踊り子「えー?」

医師「いいから行け、はよ」

踊り子「ぶー……」スタスタ

医師「ふー……やっと離れてくれそうだ」

医師「えっと、もう昼になるのか」

医師「飯どうすっかなぁ」

ガチャ

>>86「どうも」

医師「飯食う時間はあるのだろうか」

メアリー・スー こと>>1の化身(肉体は美少女)

メアリー「やーやーやー!、元気にやってるかい君!」

医師「え、は?」

メアリー「相変わらず多忙だね!、まあそんな設定にしたんだけどね!」

医師「えっと、誰?」

メアリー「ふふふ、君にはこれから色々な事をやってもらうよお?」

メアリー「まあ、安価だからこの先の展開なんて考えてないんだけどね!」

メアリー「1つ1つの安価、これをパズルみたいに組み合わせていくのが楽しくてね!」

医師「はあ」

メアリー「ところで、スレタイが怪我人ってなってるんだけどね?」

メアリー「怪我人じゃない人も出しちゃってるよね!、どうしよっかなあ!」

医師「ちょっと外回ってくる」バタン

メアリー「そもそもメアリーというのはね?」

メアリー「二次創作で蹂躙の限りを尽くすからメアリーなのさ」

メアリー「つまりオリジナルssに分類されるであろうこのssだとただの駄キャラにしかなりえないってことなのさー!」

メアリー「誰が駄キャラだこの野郎!」

メアリー「……ふう」

メアリー「いいよ別に、安価で登場したからには好き勝手やらせてもらうよお?」

メアリー「目指すは世界征服なのです!、にゃふう!」

メアリー「なんちゃって!」

メアリー「では、さらばだ諸君!、またいつか唐突に会おう!」バシュン


分身メイドj「先生、着替え終わりました」

分身メイドk「……あれ、先生?」

踊り子「いつの間に増えるってどういうことなの……あふぅ」

医師「あいつは一体何だったんだ」

医師「回復薬を買いにきた奴とはまた別のベクトルでヤバかったな……」

医師「さて、外に出たはいいがどうするかな」

医師「……うん、丁度いいからお昼にするかな」

>>93「おや、先生?」

医師「ん?」

edo漢

エド「へえ、こんなトコロでかち出会うたあ、珍しーですな」

医師「まあ、そうだな」

エド「先生は昼飯まだですかい?」

医師「どうしようかなって考えてたところだ」

エド「そいつは丁度いいや、一緒に飯食わねーかい?」

医師「ふむ、いいぞ」

エド「へっへ!、先生と食うのは久しぶりだねえ!」

………

医師「どうしてこんなことに」

エド「プハァーっ!!、ウメェーナァー!」

衛兵「酒おかわり!、うっへへ!」

道具屋「ずっと監視されてて気味悪いんてすよ!、ゴクゴク!」

医師「昼から酒を飲むんじゃない!」

エド「てやんでぃ!、俺の酒が飲めねぇってかー!?」

衛兵「先生、女、いないの?、んん?」

道具屋「私だってねえ!、わかってるんですよ!、危ないことくらい!」

医師「絡むな!、俺はまだ仕事があるの!」

エド「仕事だあ?、そんなものに縛られてちゃイカンねェ!」

衛兵「道具屋の姉ちゃんはどうよ、べっぴんだろ?」

道具屋「あらやだ先生ったら!、本当はムッツリなんですね!」

医師「誰か何とかしてくれ」

エド「あぁー……ションベンしてくらぁ!、しゃあ!」

医師「あのね、大声で言うことじゃないでしょ」

道具屋「先生ー、酒注いでくださいよぉー」

医師「……」コトコト

道具屋「えへへぇ、先生の、飲んじゃった……♪」ゴクリ

衛兵「ひゅー!!、熱いね!!」

医師「お前ら……」

ドゴォ!!

エド「ぐへぇ!?」

農未来「ん?、大丈夫だー?」

エド「てやんでぃ、俺にぶつかるたァいい度胸……ウブォロロロロ!」ビチャビチャ

農未来「た、大変だー!、吐いただー!」

医師「……」イライラ

衛兵「うっはははは!、きったねーの!」

農未来「ど、どうしたらいいだー?」

先読み人形「代金だ!、俺は帰る!」バンッ

医師「代金だ!、俺は帰る!」バンッ

衛兵「おー?、待ってくれよ先生、もうちょっと……うっぷ」

道具屋「先生ー、せめてこの人形なんとかしてくださいよぉー……おえっ」

先読み人形「この後、二人共リバースする、こんな感じに、オォーロロロロロラロ!!」

医師「なんだって昼飯食べるのにこんなに疲弊せねばならんのか」

医師「しかし、この後どうするかな」

医師「外回るっていってもなあ」

医師「ギルドの方に顔出してみるか……ん?」

>>104「……」シーン

医師「……道端に誰か倒れとる」

盗賊見習い

盗賊見習い「……」

医師「おーい、大丈夫か」ポンポン

盗賊見習い「……ぅう……」

医師「どうしたんだ?」

盗賊見習い「……は、腹減って……動け……な……」

医師「何だ、ただの空腹か」

分身メイドt「おや、先生?」

医師「(一体何人増えたんだ?)」

医師「何か食べられる物を持ってないか?」

分身メイドt「え?、薬草ならありますが」

医師「……まあ、腹には溜まるか」

盗賊見習い「ぅぇー……」

医師「ほれ、食べ物だ」

盗賊見習い「!、はふ、ハムハフッ!」ガツカツ

医師「うをっ!、動き速いな!」

盗賊見習い「ぶふぅー!?、薬草じゃねーか!、にがっ!」

医師「復活したか」

盗賊見習い「え、あ?、あんたが助けてくれたんすか?」

分身メイドt「薬草を提供したのは私ですが」

盗賊見習い「あー、ありがとっす、助かったっす」

医師「なんでこんなところで倒れていたんだ?」

盗賊見習い「そっすねー、自分、盗賊団の下っ端だったんすけど」

盗賊見習い「やんちゃやりすぎたせいで自分らの盗賊団討伐依頼が出されてたらしくて」

盗賊見習い「依頼受けた奴らがアジト襲撃してきたんす」

盗賊見習い「盗賊団は崩壊、仲間も散り散りになって」

盗賊見習い「ここまで逃げてきた頃には空腹で力尽きてしまったっす」

医師「ふむ」

分身メイドt「そうだったのですか」

盗賊見習い「あー……何か仕事ないすかね、お金無くて」

医師「差し出がましい奴だな……」

分身メイドt「仕事ならギルドに行けば何かあると思いますが」

盗賊見習い「ギルド?、……自分見習いすから顔割れてないっすよね」

医師「まあギルドなら困ることはないな」

医師「盗賊なら偵察の仕事とかあるだろう」

盗賊見習い「あー、自分、盗るのは苦手っすけど偵察は得意っすよ!、やらされてたんで!」

医師「あぁ……そう」

盗賊見習い「じゃ、行って来るっす、食いもんありがとっす!」スタスタ

医師「おう」

医師「……」

医師「大体魔王城の偵察だと思うが大丈夫なのだろうか」

分身メイドt「そうだ、先生、一言もなしに診療所を空けないでください」

医師「ん?、あー、すまん、じゃあ戻るか」

分身メイドt「私は用事があるので」

分身メイドu「それでは」

医師「……お、おう」

医師「(いつの間に増えてるのはビビる)」


踊り子「あ、戻ってきたぁ」

医師「まだいたのか」

踊り子「いいでしょー、それより人が来てるよ?」

>>112「……あの」

医師「ん?」

グンペイの線   こんなヤツね→ / \ ∧ ∨

グンペイ「/\ ∧∨ 」

医師「……」

医師「?」

医師「なんだこれ」

踊り子「さあ?、ミミズか何かじゃないの?」

医師「ミミズにしてはカクカクしてるな……」

グンペイ「∧∨//\」

医師「何この……何?」

医師「何本あるのこれ?」

踊り子「さあ?」

グンペイ「∨/∧\/」

医師「まずこれは生物なのだろうか」

踊り子「んー……」ヒョイ

医師「あ、こら」

踊り子「なんだかパズルみたいで面白いよぉ?」カチャカチャ

医師「失礼だろう……いや、失礼になるのか?」

グンペイ「\\/ ∨∧∧\ ∨/」

医師「なんか増えてるし」

踊り子「あっ、これくっつくんだ」

踊り子「一本に繋げるとどうなるかなぁ?」カチャカチャ

医師「ところで、さっきあのって言ったの誰だ?」

メアリー「私さ」

医師「お前か」

踊り子「あふぅ、とりあえず繋げてみたよぉ?」

グンペイ「\∧∧/∨\/∨\/\∧/∨」

医師「横に並べるとすごい長いな……」

グンペイ「!!!!!!!!」

カッ!

踊り子「ひゃあっ!?」

医師「突然発光した!?」


>>116「ふう……」

医師「線が消えて……え、誰!?」

アカシックレコードの司書

司書「……助かりました、ありがとうございます」

医師「え?」

司書「私は魔王の手によって呪いをかけられ、あのような線に変えられてしまったのです」

医師「……結構単純な呪いなんだな」

司書「それは、私の有する力が強大故、複雑な呪いをかけるには至らなかったのでしょう」

医師「……ほんとに誰?」

司書「申し遅れました、私はアカシックレコードの司書」

司書「過去から未来、全ての歴史……その管理者です」

医師「???」

踊り子「あふぅ、さっぱりだよぅ……」

司書「アカシックレコードとは不変、絶対的な物です」

司書「それ故、未来の歴史も決定されているのです」

司書「魔王は管理者である私を呪いによって隔離し、未来を自在に書き換えようとしたのです」

司書「しかし、私が呪いから開放された今、アカシックレコードへのアクセスを遮断出来ました」

医師「何一つ分からん」

司書「無理に理解せずともよいのです」

司書「魔王から世界を救った……そう考えてもらえば充分です」

踊り子「わわ、私世界救っちゃったよぉ?」

司書「しかし、安心してはなりません」

司書「魔王は聡明な者」

司書「これ以外にもあらゆる手を尽くして世界を我が物にせんとしています」

司書「未来を伝えるのは禁忌故、私は何もお教えすることは出来ませんが……」

司書「その……頑張ってくださいね」

医師「え?、あ、おう」

司書「……それでは」スゥー

踊り子「……消えた」

魔王「……む」

側近「どうされました?」

魔王「アカシックレコードへのアクセスが絶たれた」

側近「……誰かが呪いを解除した、ということですか?」

魔王「そうなるな」

魔王「……しかしまぁ……」

魔王「呪いをかけることが出来るとは思わなかったな」

魔王「暇だったから呪いがかかればいいな、程度のノリでやったのだが」

側近「それで呪いにかけることができるとは、流石ですね」

魔王「魔王だからな」

魔王「まあ、そっちは最初から期待してはおらん、どうでもいいとすら言える」

魔王「本命は……これからだ」

医師「結局何だったんだ」

踊り子「うーん、パズルが楽しかった、でいいんじゃないかなぁ」

医師「やってたのお前だけだがな」

踊り子「あ、私そろそろ戻らなきゃ」

医師「そうか」

踊り子「じゃ、またねぇー」バタン

医師「用も無く来るんじゃないぞー」

医師「……」

医師「あいつ、スペアの白衣持っていきやがった」

ガチャ

医師「ああ、取り返しに行く暇すらない」

>>126「え?」

銀ゴーレム

医師「ああいや、何でもない」

銀ゴーレム「えー」

医師「で、何かな?」

銀ゴーレム「えー、じー」

医師「……」

医師「何言ってんのかわからん」

銀ゴーレム「じー……」スッ

医師「ん、右肩?」

銀ゴーレム「じ」

医師「うわ、すごい欠けてる」

銀ゴーレム「えーじー」

医師「……回復魔法で治るか?」ポワッ

銀ゴーレム「えー……」

医師「錬金とかの方が手っ取り早い気がするけどなあ」

医師「あ、治った」

銀ゴーレム「えーじー!」

医師「あー、どういたしまして」

銀ゴーレム「じ、じー」

医師「ん?」

銀ゴーレム「じー、えーじーえー」

メアリー「ちくわ大明神」

銀ゴーレム「えーじー!」

医師「ふむふむ」

医師「さっぱりわからん」

銀ゴーレム「じー……」

メアリー「高い所から落ちて欠けてしまったんだってさ!」

医師「お前わかったのか」

メアリー「そりゃわかるよ!、俺が考えてんだもん!」

銀ゴーレム「じ」

メアリー「ん?、魔物に襲われて落ちたって?」

医師「場所は?」

銀ゴーレム「えーじー」

メアリー「あっちの洞窟?」

銀ゴーレム「えー!」

医師「あそこに魔物が出るのか……後でギルドに報告しないとな」

銀ゴーレム「じ!」ペコリ

医師「ん?、あー、お大事に」

メアリー「じゃ、俺もおさらばやでぇ」バシュン

医師「何なのあいつ」

銀ゴーレム「じー」

医師「ん?、ああ、もういいよ」

銀ゴーレム「えじ」ペコリ

医師「じゃなー」


医師「ふー、人も大分捌けたな」

医師「今日はここらで終了かな、うん」

ガチャ

農未来「先生!、急患だー!」

医師「くそ、休もうと思った時に……」

農未来「連れてきただー!」

>>134「」

医師「意識が無いのか?」

ぬけがら

抜け殻「」

医師「って、抜け殻やないかい!」

農未来「さっきから返事がないんだー」

医師「そりゃないだろうよ、生き物じゃないし」

農未来「死んでるだー!?」

医師「ちげえよ!、あーもう」

………

農未来「そ、そうだったのだー?」

医師「そうだったの」

農未来「また勘違いで迷惑かけただー……」

医師「君はもう少し考えたほうがいい」

農未来「分かっただー、じゃあ失礼するだー」バタン

医師「……」

医師「しかし……これは何の抜け殻だ?」

抜け殻「」

医師「魔物の抜け殻?、形状的に人型だな……人型の魔物か?」

医師「うーん……魔物に詳しいわけじゃないから分からん」

医師「とりあえずここに置いててもあれだ、端に寄せておこう」

医師「……思ったより重いな、硬いし」

医師「ギルドに持っていくか?、どうすっかな」

医師「うーむ……」

抜け殻「」

医師「……」

医師「……」コンコン

医師「叩いたらいい音鳴るなあ」コンコン

医師「……」コンコンコカンコンキンコン

花子「先生、失礼しますー」ガチャ

医師「ん?、花子か、何かな?」コンコンコン

花子「大した用事では……なんですかそれ?」

医師「これ?、何かの抜け殻らしいが」

花子「あ、それ私の抜け殻です!」

医師「え?」

花子「嘘です」

医師「……」

花子「本当は知りません」

医師「君ねえ……」

医師「で、改めて、何かな?」

花子「この後、時間ありますか?」

医師「んー、この抜け殻をギルドに持っていった後なら大丈夫だ」

花子「じゃあその、その後でいいので、その、一緒にお食事とか、どうですか……?」

医師「ん?、まあいいけど」

医師「(寄生型の魔物が食事?、いや、宿主の養分的に必要なのか?)」

花子「えへ、やった」

医師「そうだな、じゃあこれ持ってくか」

医師「君はどうする?」

花子「せっかくなのでついて行きます!」

医師「そか」

………

医師「はい、ギルドに到着」

花子「いつ来ても人がいっぱいですねー」

盗賊見習い「あれ?、先生じゃないすか?、何持ってんすか?」

医師「おー、君か、これは何かの抜け殻なんだが」

盗賊見習い「魔物の抜け殻すか?、見たことないっすね」

医師「そうか、何か知ってる人はいないかとギルドに来たんだが」

>>143「ん?、君は……」

盗賊見習い「あ、先輩」

ガンコントローラニスト ガンコン(特にコード付きのが)大好き

ガンナー「バッキューン☆」

花子「ひっ!?」

ミョミョミョミョミョミョ

ガンナー「……」ニヤニヤ

花子「……え、え?」

医師「お前なあ……」

盗賊見習い「先輩、皆にそれやってるんすね……」

花子「な、なんですかそれ?、オモチャ?」

ガンナー「そだよー、ろすとてくのろじーとか言うすごい精巧なオモチャなんだ☆」

医師「見た目はまんま銃だからなぁ、そりゃビビるよなあ」

ガンナー「いやー、久しぶりだね先生!」

盗賊見習い「あれ?、知り合いっすか?」

医師「あー、まあな」

医師「俺がまだ王都にいたとき、今みたいにふざけてたら本物の銃を発砲しやがったらしくてな」

医師「その時の被害者を治療するときに知り合った」

ガンナー「いやーはは、お恥ずかしいねっ☆」

盗賊見習い「先輩、ホントに人撃ってたんすか!?」

医師「あの時王都から追放されたらしいけど、こんな所にいたのか」

ガンナー「まあ、これでも魔物退治が生業だしね☆」

盗賊見習い「銃の腕は凄いらしいっすね」

ガンナー「もっと褒めていいんだぞっ☆」

盗賊見習い「このノリはついていけないっす」

花子「私もちょっと……」

ガンナー「あれれー?」

医師「そのオモチャが大層気に入ったからってはしゃぎ過ぎだろ」

ガンナー「だってさあ、これすごいじゃん!、ねえ!」

医師「まあそれはわかるけどな?」

ガンナー「うっきゅん☆」

医師「お前、男でそれはキツい」

ガンナー「むー!、先生もみんなも何か冷たい!」

ガンナー「そんな皆には、こうだっ☆」

ミョミョミョミョミョミョ

医師「……」

盗賊見習い「……あーその、この抜け殻はこっちで預かるっす」

医師「おう」

ガンナー「あ、よかったら一緒にご飯どう?」

花子「嫌です!」

ガンナー「うひゃあ!、バッサリ言われちゃったよっ☆」

医師「あー、まあ、そういうことで、またな」

盗賊見習い「さよならっす」

花子「……ギルドってあんな人ばかりいるんですか?」

医師「安心しろ、あいつは結構変人の方だ」

花子「やっぱり……」

医師「何だかんだで、撃つことに抵抗を持たないからなー、あいつ」

医師「そういう意味でも変態だな」

花子「は、はあ」

医師「で、これから食事か、何食べるかな」

花子「そうですねー……」

踊り子「あ!、先生発見だよぉ!」ガバッ

医師「うおっ!、いきなり抱きつくなよ!」

花子「あ!、全裸だった人!」

踊り子「むふぅー、先生、一緒にご飯食べない?」

医師「あー、悪いけど先約がな、てか離れろ」

花子「むむむ……」

踊り子「えー?、一緒に食べようよぉー?」

医師「あー……どうするよ?」

花子「え?、まあ、いいですけど」

花子「(二人きりが良かったなぁ……)」

踊り子「やったね、むふぅー」

医師「離れろって、ほら」

花子「……むぅ」ギュ

医師「なんでお前も腕絡めて来るんだよ!」

メアリー「……へえ?」ニヤニヤ

医師「おい!、お前何見てんだ!、なんなんだお前ら!」

メアリー「モテモテですなあ!」

メアリー「まあ俺がそんな風にしてるんだけどね!」

エド「てやんでぃ!、二人も侍らすたぁいけすかねえなぁ!」

衛兵「おーおー、先生もやることやってんだねぇー?」

医師「何で集まって来るんだよ!」

医師「誰か助けて!」


メアリー「この後、みんなでわいわい食べたよ!」

メアリー「そんで、ほとんどの人が酔いつぶれたのさ!」

メアリー「そんなこんなで、夜は更けていったのだ!」

………

医師「あーくそ、無理矢理飲ませやがって……二日酔いにならなかったのが幸いか……」

医師「あいつら、外で寝てるけど放っておいていいよな?」

医師「今日も忙しい一日が始まるなぁー」

ガチャ

医師「今日のお客さん第一号」

衛兵「先生、頭痛い……」

医師「お前かよ……!」

医師「ほれ、二日酔いの薬、ウンと苦くしてやったから」

衛兵「えぇー……?」

医師「他の奴らの分も渡すから、配っとけよ」

衛兵「あー、はいはい……」バタン

医師「朝から気が滅入るな……」

医師「あいつ、外で寝た時についた土をばら撒いていきやがった、くそ」

ガチャ

>>157「ども」

医師「あー、はい」

盗賊

盗賊「……」

医師「……何か御用で?」

盗賊「人探しをしてるんだが」

医師「あー、そういうのはギルドに行った方がいいと思うけど」

盗賊「……訳あってギルドには出れなくてな」

医師「……はあ」

盗賊「で、探してる奴の名前だが……」

医師「(そこで、結構沢山の名前が出てきた)」

医師「(どれも知らない名前だったが、一人だけ聞いたことがあった)」

医師「盗賊見習い……なら知ってます」

盗賊「!」

盗賊「詳しく教えてくれ!」

医師「え、ええ」

医師「空腹で道端に倒れていたのを見かけましてね」

医師「食料を分けてあげました」

医師「仕事は無いかと聞かれたのでギルドに行くよう言いましたね」

医師「そういう訳で、今はギルドにいると思う」

盗賊「……そうか」

盗賊「……あいつなら顔が知られてないから大丈夫そうだな……」

盗賊「そうか……生きていたか……」

盗賊「一つ頼みがある」

盗賊「あいつに出会ったらこれを渡してくれ」スッ

医師「はあ」

医師「(ペンダント……?)」

盗賊「……情報、ありがとよ」

盗賊「じゃあな」バタン

医師「……」

医師「誰だったんだろうか」

医師「盗賊見習いが関わってるとすると、あのとき挙がった名前は盗賊団に関係してるのか?」

医師「……残党の討伐依頼を受けた人?、いや、だったらギルドに行くはず……」

医師「うーむ……」

医師「盗賊団の関係者か?」

医師「……」

医師「あ、白衣のスペア借りパクされたままじゃねえか」

医師「さて、預かったからには届けないといけないわけだが」

医師「届けに行く時間があるかどうか、だよなあ」

ガチャ

>>162「おいすー」

医師「無いよなあ」

擬人化の精(憑依タイプ)

擬人化精「ど、どうもー」

医師「?、精霊?」

擬人化精「は、はい、そうでしゅ、です」

医師「……精霊の客は初めてだなあ」

医師「何か御用で?」

擬人化精「はい、えっとですね」

擬人化精「その、私、憑依するばいら、媒体を探してるのです、けれど」

医師「……媒体?」

擬人化精「あっ、ひう、そのですね!」

擬人化精「えっとえっと、物に憑依するタイプの精霊、なんでし、なんです」

医師「……ふむ」

医師「ギルドに行った方が早いんじゃないかな」

擬人化精「あっ、くっ、そ、その!」

擬人化精「わわ、私、人が沢山いるばそ、場所は、えと、に、苦手で……!」

擬人化精「だから、その……あうぅ」

医師「あー、そうなの」

医師「うーん、媒体と言っても、何がいいのか検討もつかないな」

擬人化精「ほ、本当に、なんれ、何でもいいんです」

医師「何でもいいと言われても」

医師「前は何に憑依してたの?」

擬人化精「えっと……け、剣……でふ、です」

医師「剣ねえ」

擬人化精「そ、その、剣の持ち主に、戦いでつた、使うから一端離れて欲しいって、言われて」

擬人化精「それで、離れたんですけろ、けど、持ち主は、えと……」

擬人化精「……戻って、来なくて……」

医師「……」

医師「(思っていたより壮絶な過去の持ち主だった)」

擬人化精「わわ、私、なにこ、何かに憑依してないと、お、落ち着かないんです」

医師「……ん?」

擬人化精「その、裸を見られてるようなきふ、気分になっちゃって、その、恥ずかしくて、えっと」

医師「(……剣の持ち主に特別な感情を持ってたわけでもないのか)」

医師「そう言われてもなあ」

医師「ここに来るまでに何か憑依できるものもあったんでないの?」

擬人化精「ぁぅ、その、」

擬人化精「どり、どれもピンと来なくて……」

医師「(何でもいいんじゃなかったのか?)」

医師「うーん……ここにあるもので言えば……」

医師「これとか?」

擬人化精「えと……>>ひゃう、>>168、ですか?」

武士ならぬ医者の魂”メス”

擬人化精「メス、ですか?」

医師「うむ」シャキン

医師「予備ならいくつかあるから一つくらいいいかなと思って」

医師「切れ味いいぞ?」

擬人化精「……えっと、メスって、その」

擬人化精「い、幾多の人をその、きりきさ、斬り刻んで、きた、アレ、ですか?」

医師「何だその言い方は」

医師「殺す為に切ったんじゃない、助ける為に切ったんだ」

擬人化精「ぁ……今の言い回し、か、かっこいいか、も……えへ」

医師「……」

擬人化精「その……いいですよね……」

擬人化精「沢山の血が、しい、染み付いてるのって……ふふ」

医師「……消毒はしてるぞ」

医師「(こいつ、本当は結構危ない奴なんじゃ?)」

擬人化精「あ、えと……すみません」

擬人化精「長い間、剣にひゅう、憑依してたので、その、」

医師「あー、もう分かったからいいよ」

擬人化精「あ、はぃ……」

擬人化精「じゃ、じゃあ、そ、それに、憑依……しまふ、しますね」

ポフンッ

医師「!?」

メス子「その……憑依、しました」

医師「メスが擬人化した……!?」

メス子「あ、はい」

メス子「その、憑依したものを、きし、擬人化する能力、持ってます」

メス子「えと……剣の頃と、比べると、小柄になりました、ね」

医師「はー、驚いた」

医師「ピカピカに磨いて刃が光った時のような銀髪だなあ」

メス子「あ、はい」

メス子「髪の毛、触ったら、刺さって、きえ、斬れます、よ?」

医師「……そうか」

メス子「……それでですね……」

医師「……言いたい事はわかるよ」

メス子「はぃ……は、はだか、なので、恥ずかしぃ、ですけど……」

医師「はい、白衣のスペア、切らないでね?」

メス子「あいか、ありがとうございます……」

医師「ふうー……」

メス子「その……動揺、しないん、ですね」

医師「医者だからさ、見慣れてる」

メス子「そ、そうれ、そうですか……」

医師「さて、服、どうしたもんかな……」

分身メイドd「話は聞き及びました」

メス子「!?」

医師「こら、いきなり入ってくるな」

分身メイドd「申し訳ございません」

分身メイドd「着替えはこちらでご用意させていただきます」

医師「いつもすまんね」

分身メイドd「いえ、ご主人様を助けていただいたお礼としてはまだ足りないくらいです」

分身メイドd「では、こちらにどうぞ」

メス子「あ、はぃ……」

医師「髪の毛触ると切れるらしいから気をつけろよー」

分身メイドe「存じております」

メス子「!?、ふ、増えた」

分身メイドe「では、私はご主人様のお見舞いに行きますね」

分身メイドd「分かりました、そちらは任せます」

医師「……後は任せても大丈夫そうだな」

ロリ婆「……」

分身メイドe「……」

当主「」コヒュー

ロリ婆「……あの」

分身メイドe「はい?」

ロリ婆「お茶、淹れてくれんかの」

分身メイドf「分かりました」

ロリ婆「すまんのう」

ロリ婆「(頼んでみるものだな)」

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