765P&961P「ふたりのプロデューサー」 (702)
真「余計なこと考えてるから、ミスする。......分かってるだろ。ボク達はミスしたら終わりなんだ」
雪歩「あの、私...ごめんなさい」
春香「ほら、真ちゃん!リハーサルもう終わりだから、行こうよ!雪歩ちゃんも!」
961P「そろそろ時間ですよ、みなさん。千早はとっくに戻っているというのに...」
真美「ゆきぴょんはるるんまこちん!真美たちが次リハーサルなんだYO!」
春香「さ、ふたりとも、いこ?...プロデューサーさん、失礼しますね!」
やよい「おつかれさまですーっ!」
961P「さあ、わんつ→ているずは急ぎましょう。あまり時間はありませんよ」
真美「りょーかい兄ちゃん!」
やよい「がんばりまーっす!」ガルーン
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1397748545
~765プロ事務所~
TV<しっぽがひとーっつ!
響「これが961プロの新ユニットか~」
貴音「ふふっ、まこと可愛らしいですね」
美希「とーってもキラキラしてるの!」
伊織「...アンタ達、デビュー前からあんなに話題になってたのに知らなかったの?」
亜美「いや~我が姉ながらやりますな~」
あずさ「うふふ、亜美ちゃんそっくりね」
亜美「んっふっふ~♪亜美の方がちょっとだけせくちーだけどね!」
TV<続いては、『モンデンキント』のデビュー曲、微熱S.O.S!!です」
律子「しっかし新ユニットふた組が同時デビューとはねぇ…」
伊織「にひひっ♪私達がジュピターをやっつけちゃったから焦ってるんじゃないかしら」
亜美「おおぅ、いおりんが悪い顔ちてれぅ~」
美希「あはっ☆みーんなミキよりおっぱいちっちゃいの!」
響「...どこ見てんのさ...美希...」
貴音「しかし、ジュピターに続きとても強力ならいばるが現れましたね」
あずさ「うふふ、竜宮小町もまだまだ頑張らないと、ですね」
響「フェアリーも負けないさ―!」
亜美「真美には負けられないですなぁ~」
ドア<ガチャッ
765P「フェアリー、次の収録行くぞー」
ハーイナノ!ワカッタサー!ショウチイタシマシタ
~バー~
高木「いやぁ~、例の新ユニット、好調だねぇ~」
黒井「フン、あたりまえだろう。超一流の我が961プロのアイドルなのだ」
高木「ジュピターの3人が辞めた後、お前がどうするのかずっと気になっていたんだが...」
高木「...この様子だとお節介だったようだな!」ハッハッハ...
黒井「断わっておくが、今回のユニットはジュピターとはまったく違う」
黒井「お前の貧相で華の無いアイドル達と無知なプロデューサーには二度と負けん」
高木「ほほう、というと何か新たな計画でもあるのか?」
黒井「...プロデューサーを雇った」
高木「おお、そうか...。お前のことだから優秀な指導者を呼ぶぐらいでは驚かないさ」
黒井「ノンノン。プロデュース業にはまったくの素人を用意した」
高木「な、なにっ!?」
黒井「......ティンときた、ってやつだ」ニヤリ
~アウトドア ルージュ~
真美「会場の兄ちゃん姉ちゃーん!!」
やよい「わんつ→ているず、これからもよろしくお願いしまーっす!!」
\ワーーーーーー!!!ヤヨイチャーン!!マミー!!/
やよい「うっうー!次はモンデンキントのみんなだよー!!」
\フゥゥゥゥゥ!!/
......
961P「お疲れ様。二人とも、素晴らしいライブでした」
やよい「あっプロデューサー!お疲れ様ですーっ」ガルーン!!
真美「ねーねー兄ちゃん!真美たち、ちゃんと出来てたかな?」
961P「ああ、とても素敵だったよ。本当はふたりと一緒に喜びたい所だけど...」
961P「モンデンキントが終わったら、アンコールもあるからな。気を抜かずに行こう」
春香「後ろの人もちゃーんと見えてるからね―!!」
\ワァァァァァァァァ!!!/
雪歩「最後の曲は、私達モンデンキントの新曲」
真「『恋だもん~初級編~』を歌うよ」ヘヘッ!
千早「最後までよろしくお願いします!!」
\フォォォォォォォォォォォ!!!!/
~ミニライブ終了後~
春香「お疲れさまでした!」
961P「両ユニット混合のアンコールも大成功でしたね。みなさん、本当に素晴らしいライブをありがとう」
千早「プロデューサーのおかげです。私達をここまで導いてくださったからこそ...」
春香「そうですよ!プロデューサーさんのおかげです!ねっ雪歩ちゃん!」
雪歩「...zzz」
春香「って寝てるし!!」ガーン
アハハ・・・ユキホチャンカゼヒクヨー
真「あ...萩原、ちょっといいか」
雪歩「はい?」
真「その...この前のTVのリハーサルの時...悪かったな。言い過ぎた」
雪歩「えっ!?そんな、私がミスしちゃって、それで足引っ張っちゃったから...」
雪歩「だから、その、気にしないでください...」
真「ああ、すまない。それで...」
真「...ミスはミスだから言うけど......ステージの上で如月千早を意識するの、やめろよ」
雪歩「...」
真「昨日のライブでも余計なこと考えてただろ」
真「萩原が如月のためにアイドルやってるのは知ってる。でもそれはミスの言い訳にはならないからな」
雪歩「...分かってる。私だって、あの人に迷惑はかけたくないから...!」
真「...ボクの言いたいことは言ったから。ひきとめて悪かった」スタスタ...
~765プロ~
小鳥「プロデューサーさん、今年度のIA大賞の詳細が届いてますよ!」
765P「ありがとうございます、音無さん。律子には俺から伝えておきますね」
高木「いや~今年は竜宮小町にフェアリーと、765プロから大賞候補が複数出場できるなんて」
高木「嬉しい限りだね、きみィ」ハッハッハ…
小鳥「今年こそ、765プロがIA大賞を勝ち取れますよ!」
765P「はい!そのためにも俺は全身全霊でフェアリーをプロデュースします」
765P「竜宮小町と張り合うためにも...」
765P「...それに、ちょっとした脅威も出来ましたからね......」
本日分はこれで終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。また続きます。
~ユニットデビューから半年後 961プロ 社長室~
961P「...どうでしょうか、この勢いならIA大賞にもノミネートできるのではないかと」
黒井「...IAを甘く見てもらっては困るな。現在のアイドル界はまさに激戦区なのだ」
黒井「勢いで栄光が掴めるほど優しくはない」
961P「承知しております。油断の無いよう、勤めていきます」
黒井「我が961プロは凡百の甘ったれたプロダクションとは違う」
黒井「下手に金を使って結果が残せなければ、お前の今後は無いのだからな」スッ…
961P「......多大なる援助、感謝申し上げます。結果は必ずや」ペコリ
961P「(とは言っても、かなり厳しい戦いになるな...)」
961P「(ノミネートは直接対決で決まるわけじゃない。既得権益が大きい古株の方が幾分有利だ)」
961P「(とにかく、俺はアイドル達のために、できることをやろう)」
~765プロ 事務所~
765P「...というわけで、これがノミネートされるまでの流れだ」
律子「765プロ主催、2枚看板ユニット合同ライブ成功の後押しもあって、
竜宮小町、フェアリーのノミネートはほぼ確実と言っていいわ」グッ
伊織「当然よ!そのままIA大賞もいただくわ!」
響「IA大賞はフェアリーも譲らないさー!」
765P「とにかく、ノミネート発表まで俺たちにやれることをやろう!」
美希「せっかくだから、ファンじゃない人達にもフェアリーのかわいいとこ、いっぱい見てもらいたいの!」
貴音「頼もしいですね、美希」フフ...
小鳥「みんなも忙しくなりますね♪」
765P「それじゃあ今日の予定は...」
~961スタジオ~
やよい「こんばんやよやよ~!961プロのアイドルみーんながお送りするラジオ、クロラジが始まりますー!」
真美「今日もトップアイドル目指していっくよー!」
春香「モンデンキントの天海春香です!」
真「菊地真だよ」
雪歩「萩原雪歩です♪」
千早「如月千早です。この番組はファンの皆さんの応援のもとお送りします」
やよい「それではっ、最初のコーナーは......」
..................
雪歩「ラジオネーム、リファさんからのコメントです
『アイドルの皆さんの座右の銘を教えてください』ですって!
...座右の銘、ですか」
真「...スベスベマンジュウガニ」
春香「!?」
やよい「なんだかおいしそうですーっ!」
真「食べたら死んじゃうよ」クスッ
真美「えーっ!?」
..................
..................
千早「以上で、クロラジテーマ曲公開録音イベントのお知らせでした」
春香「たくさんの参加ご応募ありがとうございました!」
真美「にーちゃんねーちゃん!一緒に楽しい時間にしようねー!!」
.................
.................
やよい「というわけで、先週の番組プレゼント『ペンギンiPhoneカバー』は、
ラジオネーム、カラスさんが当選されました!」
雪歩「クロラジ、来週もよろしくお願いします♪萩原雪歩でしたっ」
...............
961P「お疲れ様みんな」ニコニコ
アイドル達「お疲れ様です!」
春香「(プロデューサーさん、なんだか嬉しそうじゃない?)」ボソッ
千早「(何かあったのかしら...)」ボソッ
真美「(お給料あがったとか?)」
雪歩「...zzz」
真「どうしたの?」
961P「なにがかな?」
やよい「プロデューサー、とっても嬉しそうかなーって!」
961P「ああ、なんと......ペンギンiPhoneカバー、当選したんだ!」
アイドル達「......」
~765プロ 事務所~
小鳥「IA大賞の運営から、ノミネートされたユニットの発表通知が届いてます!」
社長「おおぅ、ついにきたか...」ガタッ
765P「音無さん、結果を教えてください」ドキドキ...
社長「...」ドキドキ...
小鳥「ノミネートされたのは、876プロの『ディアリースターズ』を筆頭に、
魔王エンジェル、ニュージェネレーション、新幹少女...」
律子「小鳥さん、765プロは...」ドキドキ...
小鳥「...765プロからは、フェアリー、竜宮小町の2組ともノミネートされています!!」
765P「やった...!」グッ
律子「ふぅ...なんだか少し解放された気分です」
社長「キミたち、大変ご苦労だった。これからも一層の活躍を期待しているよ」
律子「プロデューサーとフェアリーには悪いですが、大賞は私達竜宮小町がいただきますよ」
765P「む、フェアリーだって譲る気はさらさらないさ」
765P「...それと、音無さん。通知を見せてもらっていいですか?」
765P「(...わんつ→ているず...だけ、か)」
~961プロ レッスンスタジオ~
961P「わんつ→ているずIA大賞ノミネート、おめでとう」
やよい「はわっ、ノミネートですか?」
真美「やったねやよいっち!」
春香「うわぁー!おめでとう!」
雪歩「おめでとうございます。真美ちゃん、やよいちゃん」
千早「...私達はノミネートされなかったのね」
雪歩「千早さん...」
春香「モンデンキントもデビューからあんなに頑張ったのになぁ...」
961P「残念だけど...しかし、IA大賞がすべてじゃ...」
真「...なんでだよ...」
961P「真、結果は結果だ。今回は運が無かっただけだ」
961P「......わんつ→ているずは来週ノミネート公式発表会が船上ライブと共に行われる」
961P「大賞を取るにはその会場での良いアピールが不可欠だ。それに向けて準備していこう」
961P「それと...」
961P「モンデンキントは...ひとつ作戦がある」
1です。本日分は終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。また続きます。
春香、真、雪歩はXENOGLOSSIAから
千早、わんつ→ているず、竜宮小町(律子)、フェアリー、はそのまま
ビジュアルは全員2nd vision
一部ストーリー、用語は祐祐先生のコミックからお借りしています。
黒井社長は浄化されました。
>>23>>24の「社長」は前出の「高木」と同じ人です。(これから高木で統一します)
~765プロ 劇場~
未来「IA大賞ノミネート、おめでとうございます!!」
美希「ありがとうなの!」アハッ!
翼「いいなぁ~私もIA大賞候補アイドルなんてなりたいなぁ~」
静香「翼はもう少しお仕事頑張らないと.....」
響「自分たち、劇場のみんなの分も輝いてくるからね!」
貴音「舞台は違えど、私達の心はひとつ、ですよ」
未来「みなさんの船上ライブのTV中継楽しみにしています!」
翼「あ、ウチCS見れないから未来の家に見に行っていい?」
未来「え?しょうがないなぁ~」
あずさ「うふふ、私達も船の上でライブなんて楽しみだわ」ニコニコ
伊織「船の上ならさすがにあずさも迷子にならないわね♪」
アラ~!! アハハハ...
亜美「いや~亜美たち、トップアイドルになっちゃうっぽいよ?」
律子「はぁ...あんたはそうやってすぐ調子に乗るんだから...」
765P「亜美も頑張ったんだ。少しくらい気を抜いてもいいじゃないか...」
律子「だ・め・で・す!...まったくプロデューサーは亜美に甘いんですから!!」
765P「フェアリーの3人みたいなパーフェクトなアイドルと接してると、
時々亜美のアホさが必要になるんだよ」
亜美「うあうあ~!兄ちゃんそれってどーゆうことだYO!」
~961プロ 社長室~
黒井「...お前が高木の所のアイドルと共演を望むとはな」
961P「IA大賞にノミネートされたユニットに注目が集まっている今こそ、
一度剣を交える時期かと。計画は組み立て済みです」
黒井「だが、IA大賞前のこのデリケートな期間に歌唱対決はリスクの面からいって、
765側が拒否する...いや、その可能性はない、ということか」
961P「...765プロは必ず乗ってきます。相手が我々ですから」
黒井「フン、こんなところで昔買った恨みが功を奏すとはな...」
黒井「モンデンキントのLive×Aliveの出演、許可する。
相手が格上だろうと、無様な負けは許されない。分かったな」
961P「...承りました」
~IA大賞ノミネート公式発表会&船上ライブ 会場~
律子「あら、涼!」
涼「あ、律子姉ちゃん!竜宮小町もノミネートおめでとう!!」
律子「あんた達もついにIA大賞ノミネートまできたのね」
涼「最初876が選ばれたって聞いたときはびっくりしたけど...
でも、大賞も狙っていくからね!」
律子「いや、あんた大賞無理でしょ」ヤレヤレ
涼「!?」
律子「だって大賞をとるのは――」
スピーカー<キミガフレタカラー♪
伊織「みんなー!こんばんは!」
亜美「亜美たち、IA大賞ノミネートしちゃったZE☆」
あずさ「それでは竜宮小町の七彩ボタン、聴いてください♪」
\ワァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!/
船上ライブ後...
やよい「うう~プロデューサー、どこいっちゃったのかな...」オロオロ
伊織「ちょっとそこのアンタ!!」
やよい「はわっ!?私ですか?」
伊織「あんたが961プロの高槻やよいね!悪いけど、IA大賞は私達が頂くのよ!!」
やよい「...?」
やよい「...よく分からないですけど、私たちも負けないようにがんばりまーっす!」
やよい「ええっと、竜宮小町さんの...」
亜美「おでこサンシャイン」ボソッ
やよい「おでこサンシャインさん!」
伊織「そうよ!私がおでこサンシャイン...って違うわよバカ!!」
真美「あれ~?そこにいる真美にそっくりな美少女は...」
亜美「お?この亜美にそっくりなぷりちーな声は...」
美希「私だ」ナノ!
亜美「うあうあ~!ミキミキ邪魔しないでYO!」
美希「しっぽがふたーつ!のやよいちゃんだよね?
近くで見るとちっちゃくてますますカワイイの!!」
やよい「えへへ...」
伊織「美希!なに仲良くなってるのよ!相手は961プr...」
美希「やよいちゃん、とーってもカワイイの!!」スリスリ
伊織「話を聞けー!!」プンスカ!
美希「やよい、ミキはフェアリーのミキなの!!」
やよい「水瀬伊織さん、星井美希さん、亜美ちゃん!初めまして高槻やよいです!」
真美「真美って呼んでねー!もしくはビューティフルクイーン」
伊織「はぁ...なによ、961プロなのにまったく普通じゃない...」
やよい「あのー、961プロと何かあったんですか?」
伊織「......」
伊織「...知らないのね...」
やよい「...えっ?」
美希「んー、やよいとミキは友達だから、気にしなくていいの!」
亜美「まみー!あの有名な普通すぎるアイドルがいたYO!」
真美「ほほう、それは楽しそうな感じですな!」
伊織「...あんたたちねぇ...」
一方その頃...
響「あずさぁー...どこにいったんだー!!」
貴音「困りましたね...船から降りていないといいのですが...」
凛「...我那覇さんに、四条さん?」
響「あれ...凛!久しぶりだね!!」
モバP「おう、響、貴音。ノミネートおめっとさん」ヒョイッ
貴音「ふふっ。ぷろでゅーさー、その言葉お返しいたします」
響「CGプロもすっごい大きくなったよね!」
モバP「いや~事務所立ち上げ当時にお前たちが手伝いにきてくれなかったら今ここにいなかったよ」
凛「...生っすかにもたくさん出さしてもらってるし、私達が走り続けられたのは765プロのおかげです」
響「どういたしまして!......ところで卯月と未央は?」
モバP「おたくの亜美ちゃんとその姉にさんざん遊ばれてるよ」アッハッハ...
貴音「それで二人で、でーとしているという訳ですね」
凛「四条さん...!」アタフタ
貴音「ふふ、じょーくですよ、凛」
モバP「ところで、さっきあずさを見かけたけど...」
響「ほんと!?どこにいた?」
モバP「ああ、確か...」
響「モバPの言ってた所に来たら」
貴音「何故かぷろでゅーさーがいますね...」
響「プロデューサーと一緒にいるのは...」
~響、貴音が来る少し前~
961P「あの、少しよろしいでしょうか」
765P「えっと...あなたは...」
961P「初めまして、961プロでプロデューサーをしております。961Pです」
765P「...765プロ所属フェアリーのプロデューサー、765Pです」
961P「...唐突ですが、ジュピターの件は本当に申し訳ありませんでした」
765P「...あなたも関わりが?」
961P「私がこの仕事に就いたのはジュピターが961プロを辞めたあとです。
...ですが、数々の妨害行為が765プロに行われたことは聞いております」
765P「......」
961P「...私もアイドル達も、これからの765プロさんとの活動に支障をきたすことを望んでいません」
765P「...今後は妨害しないから一緒に仕事してくれ、と?」
961P「はっきりおっしゃいますね...
言い訳がましいですが、私のアイドル達に罪はありません...
モンデンキント、わんつ→ているずは共に765プロとの共演を希望しています」
765P「(ウチの力がついてきたことから、反撃を恐れての停戦か?)」
765P「(それとも純粋に友好を求めているのか...)」
765P「...961プロと揉めてから半年以上が経っていて、正直、打開策が無いかと私も模索していました。
この話は私達にとっても嬉しいことです。これからもよろしくお願いします」
961P「ありがとうございます」
(物陰)
響「(961プロのプロデューサーだったのか)」
貴音「(響、なぜ私達は隠れて盗み聞きをしているのでしょうか...)」
響「(だって、二人とも怪しいぞ!)」
貴音「(今怪しいのは間違いなく私達だと思いますが...)」
765P「ところで、...高槻さんは高パフォーマンスの維持が苦手。
おそらく体力の少なさが原因でしょう」
961P「!?......体力に関してなら、星井さんは無意識に無駄な力をセーブする癖があります。
限界が見えにくい分、突然倒れる危険性がありますよ」
(物陰)
響「(なんだこれ...)」
貴音「(ぷろでゅーす力の見せあいですか...
確かに美希はレッスン中に倒れたことがありますね...)」
765P&961P「............」
765P「双海真美さんは少女特有の儚さと幼さすべて持ち合わせているよって無敵」
961P「四条さんを四条さんたらしめているのは気品あるふるまいに時々見せるかわいさ」
765P&961P「............」
(物陰)
響「(貴音...耳まで真っ赤だぞ...)」
貴音「(盗み聞きなどするから...罰が...)」カァァ/////
亜美「(ふーん。兄ちゃん、亜美にあんなこと言ってくれないのに)」
響「(うわっ亜美!いつからいたの!?)」
765P&961P「............」
765P「わんつ→ているずのお兄ちゃんになりたい。そして絶えることなくしっぽをなで続けたい」
961P「フェアリーに思わせぶりにウインクされたい。そのままヴァンパイアガールに献血したい」
765P&961P「(このプロデューサー......できるッッ!!!!!!!)」
(物陰)
響「(聞かなきゃよかったぞ...)」
貴音「(聞かなければよかったです...)」
亜美「(これ聞いちゃいけないヤツだったな→)」
本日分は終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。
ばらばらな投稿になってしまいゴメンナサイ。
次回からはまたまとめて投下します。
~船上ライブ翌日 765プロ~
律子「...というわけなんですけど」
小鳥「モンデンキントと竜宮小町のステージバトルのオファー、ですか...」
765P「律子の考えは?」
律子「普通のユニットなら、この時期にステージバトルをするのはリスクが高いですが...」
律子「でも、こっちは竜宮小町ですし、TVのゴールデン枠生放送でアピールできると考えると...」
律子「...でも相手は961プロだし...」
765P「(ジュピター倒して、IAもノミネートして...律子も竜宮小町に相当自信がついてるな...)」
765P「なぁ律子、961プロのプロデューサーと話してみて、どうだった?」
律子「えっと...ものすごく丁寧な人...でした」
765P「だよな。向こうからこれほど友好的に接近されたことは今までなかった」
律子「それは罠かもしれない...ということですか?」
小鳥「罠......」
765P「(いや、罠じゃない...なにかひっかかる)」
765P「どうしてこの時期にモンデンキントなのか...わんつ→ているずがノミネートしているのに」
律子「それは多分、わんつ→ているずが負けてしまうとダメージが大きいから?...あっ」ピコーン!
765P「そういうことだ。妨害でも買収でもして、最初から勝つ準備をしているなら、
向こうはわんつ→ているずを出してくるはず」
小鳥「つまり、モンデンキントは真っ向から挑んでくる、ということですね」
765P「これは推測でしかないが、ステージバトルでモンデンキントが竜宮小町に勝利し、
勢いを削ぐことで、わんつ→ているずの状況を有利にすることが狙い...」
律子「.........?」
律子「黒井社長の手駒がそんな回りくどいことすると思います?」
765P「んー確かに...」ウーム
律子「おそらく...」
律子「向こうの狙いは...モンデンキントに注目を集める。多分それだけですよ」
律子「.........」
律子「.........そうかー真っ向勝負かー」ボソッ
律子「竜宮小町に勝てるとでも...?ナメられたものね」フフフ…
律子「やっぱりこの勝負乗らないわけにはいかないわ!」
765P「...そうだな」
765P「だけど律子、相手側には十分気をつけろよ」
律子「大丈夫ですよ♪向こうのプロデューサー、私のファンだったって、開口一番に言いましたし♪」
765P「......」ナンダソリャ
律子「私なんかを応援してくれてたファンに悪い人はいません♪」ドヤァァ
~961プロ レッスンスタジオ~
961P「勝って、モンデンキントに注目を集める。それが狙いだ」
真「向こうがそんな簡単に勝負を受けてくれる訳ないだろ」
961P「真、もう765プロから返事を頂いている。舞台は整っているんだ」
千早「どんな理由の舞台であろうと、歌えるのなら私は歌います...!」
雪歩「千早さんと一緒なら、私も...!」
春香「961プロの看板はわんつ→ているずにばっか任せてらんないです!!」
真「分かってるのか?このステージバトルで負けたらモンデンキントは...」
千早「真、失敗を恐れて何もしないままでは、私達はアイドルでいられないのよ」
真「!?...うるさい!ボクに説教するな!!」
真「それなら...やってやるさ...足引っ張るなよ...!」
961P「アイドルとして最高のステージをみせる。それでいいんだ」
961P「さっき言ったことと矛盾するけど、変に勝負にこだわる必要はない」
真「......やるからには勝つに決まっているだろ」
961P「(やはり真はノミネート落選以降、焦りというか...不安が見える...)
961P「(Live×Aliveまでの時間は少ない...ここでまとまりを失う訳には...)」
961P「よし、バトルに向けて短期で戦略的にレッスンを組んだ。それの説明をする...」
~Live×Alive前日 双海家~
真美「今日どっちで寝る?」
亜美「んじゃー下で」
真美「ほい。おやすみー」
亜美「うん...」
ベッド上<明日頑張ってね。亜美
亜美「りょ→かい!」
亜美「.........」
亜美「.........」
亜美「.........」
亜美「ねえ真美。亜美はね...亜美はずっと辛かったんだよ」
亜美「真美のデビューはないぞと、黒井社長にいじわる言われたりもした」
亜美「それに、亜美のせいで真美がひどいこと言われてないか、心配してたんだよ」
亜美「.........」
亜美「だからね、真美のデビューが決まったとき、本当に嬉しかったんだ→」
亜美「この前のライブでも、真美が楽しそうに踊ってて、ほっとした」
亜美「真美とやよいっちなら、IA大賞になってもいいかなーって思った」
亜美「......」
亜美「...ごめんウソついた」
亜美「亜美たちは......竜宮小町はモンデンキントを倒して、そのままIA大賞をとるの」
亜美「ねえ真美。亜美たちはIA大賞をとるから。わんつ→ているずとか、フェアリーじゃなくて」
亜美「...もう寝てたかな...それだけ。寝る!」
~???~
「兄ちゃんは...765プロにいじわるしたりしないよね...?」
...この場所は確か...真美に最初に会った時の...
961P「...夢か」
961P「......こんな日になんて夢を見たんだろう」
~Live×Alive スタジオ~
春香「プロデューサーさん!おはようございます!!」
千早「今日は頑張りましょう。プロデューサー」
雪歩「......zzz」
961P「みんなおはよう。雪歩、起きろー...真は大丈夫か?」
真「誰に言ってんの」プイ
961P「...よし、リハーサルまで時間はあるから、楽屋でゆっくり準備してきてくれ。挨拶も忘れずにな」
\はいっ!/
そしてこの日をきっかけに、俺は思い知らされることになる。
本当は彼女達のことを、何一つ分かっていなかったのだと――
本日分は終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。また続きます。
~Live×Alive リハーサル~
律子「みんな、準備はいい?」
亜美「おっけ→だよー!!」
律子「それじゃ、始めましょう!スタッフのみなさん、よろしくお願いします!」
―――――――――♪
..................
\ソットニギッテクーレーター♪/
伊織「...はい、私は大丈夫です」
<リョーカイデース
あずさ「あの、すみません、ちょっとここ、移動の時に引っ掛かりそうになっちゃって...」
<リョーカイ、カクニンシマス!
あずさ「はい!お願いします」
亜美「律っちゃんただいま~」
律子「お疲れ様。良いリハーサルだったわね!
私はまだ用事があるから、みんなは先に楽屋の方に行ってて」
伊織「あら、宣戦布告でもするの?」
律子「...しないわよ!そんな血の気が多いように見えるの!?」
アハハハ…
<ツギ、モンデンキントサンリハーサルハイリマース!
961P「よろしくお願いします!」
961P「...さあみんな、いってらっしゃい」
―――♪
春香「(あれ...ステージから見える景色ってこんな灰色だったっけ?)」
千早「(息苦しさを感じるわ...それに雪歩...私の動きに気を取られすぎよ...)」
雪歩「(...!)」
真「(くそっ!なんでどいつもレッスン通りに動かないんだよ...!)」
―――♪
961P「すいません!いったん止めてください!!」
―――
――
―
961P「...確かに、この4人では久しぶりの大舞台になる。
でもな、今までだってたくさん歌ってきたんだ。緊張することはないよ」
961P「俺はみんなを...」
真「分かったからもういい。時間ないんでしょ。リハの続きを」
千早「真、焦っても仕方ないのよ。今は冷静に...」
真「ボクは焦ってなんかいない!」
雪歩「やめてください。うるさいです」
961P「...時間をとって悪かった。続けよう」
961P「(...本番までにどうにかしないとな)」
~竜宮小町楽屋の前~
響「激励かー...」
美希「そういえば、ミキ達が初めてTVに出たとき、竜宮小町が来てくれたっけ」
貴音「あのときはとても元気をもらえましたね」
響「今度はこっちが応援する番だな」
美希「あはは、ミキ達じゃうるさくするだけなの!」ガチャッ
「あっ!ミキミキ達だ!」
「あらあら、みんなそろっちゃったわね」
「にひひっ♪私達は緊張なんかしてないわよ?」
―――
――
―
~リハーサル後 移動中~
春香「...ねえ真ちゃん...さっきの真ちゃんの所にね...」
真「ボクにかまっている暇があったら...天海はリハで声上ずってたから喉整えたら?」
春香「そっか...ごめんね余計なことしちゃって」
春香「(......うまくいかないからって当たんないでよ...!)」
~Live×Alive 出演者楽屋近く~
スピーカー<ミナサンコンバンハ!!
765P「(お、番組が始まったか)」
765P「(前半はトークパート。そのあとに歌唱対決)」
765P「(ステージバトルは...俺は会場の特別席で応援する)」
765P「(...とある人と一緒に、だけど...)」
~モンデンキントの楽屋~
春香「ええっと進行表は... 真ちゃん進行表かしtうわっ!」ステーン!
ガタッ!ダバァ...
真「なにすんだよ天海!!衣装びちゃびちゃじゃないか!!」
春香「ごっごめん!......でも、真ちゃんもペットボトルのふたぐらいちゃんと閉めてよ」ボソッ
真「なんだよその態度は!?」
春香「風邪引くから早く着替えてきたら?」
真「―――!!!」
千早「真、熱くなりすぎよ」
真「......チッ!」スタスタ
ドア<バタン!
オーイ、マコトドコイクンダー?
…キガエテクルダケ!
千早「春香も反省すべきだわ」
春香「......」
雪歩「(この二人、どれだけ千早さんの足を引っ張れば気が済むのかしら...)」
ドア<ガチャッ
961P「...みんな、話すことがあるから、真を呼んでくるまで、ここで待っていてくれ」
~竜宮小町の楽屋~
貴音「前半のとーくぱーとが終わりました」
美希「いよいよなの...」
響「竜宮小町とモンデンキントの...」
―――直接対決―――
~Live×Alive ステージバトル本番~
司会「みなさまお待たせしました!」
司会「歌唱対決コーナー『Live×Alive』!!」
司会「今回のカードは『IA大賞に最も近いユニット』VS『デビューから快進撃を続ける新星』!!」
司会「どちらが観客の心をより多くつかむのか!」
司会「まずは――――」
司会「モンデンキント!!」
\ワァァァァァァァァ!!!フゥゥゥゥゥゥ!!!/
『残酷よ希望となれ』
幸せのために 愛のためだからと
残酷な戦いを繰り返して
それでも涙がとまらない
願う心は一緒
それぞれの未来が呼ぶんだ
――――――♪
真「(天海...声がふらつきすぎだ...)」
真「(萩原も...レッスンの時のアプローチと違う...!)」
ガクッ!!
真「(えっ...!?)」
真「(なんで...コードが...)」
――――余計なこと考えてるから、ミスする――――
...ドシーン!!
―――
――
―
~竜宮小町の楽屋~
響「......」
美希「......」
貴音「......」
響「なんだか、舞台を楽しんでるようには到底見えないぞ...」
美希「やよいちゃんや真美はもっと人に伝わるように歌うの...この人たちからは...」
貴音「...(デビュー当時の輝きさえ失われていますね..)」
―――
――
―
司会「エクセレント!その一言につきるステージでした!」
司会「続いては竜宮小町です!さあモンデンキントを超える感動を巻き起こせるか!?」
\ワァァァァァァァァァァァァ!!!!フォォォォォォォ!!!!/
「律子」
「律っちゃん」
「律子さん」
――――亜美、絶対律っちゃんをIA大賞につれてくかんね!
――――私達はいつも律子さんと一緒ですよ!
――――最高のステージにできるって確信してるの。あんたの竜宮小町だから!
「みんな...。私は...私は忘れない...!今日の、このステージを―――」
『初恋~二章 告白の花火~』
「もう夏だね…」
君が笑う
今夜のお祭り
みんな騒ぐ教室
窓の桜
今ないけど
心の花びら
今も舞ってく…
――今読者注目の新アイドルユニットが誕生した。その名は「竜宮小町」
私恋してる
君の事想うだけで
嬉しいでもすぐ切なくなる…
好きと言いたくて
言えなくていつもいつも
でも今日の帰り道
君にちゃんと伝えよう…
――そうです私が秋月律子!歌って踊れるプロデューサー!!
学校の帰り
黙る私
「ねえどうしたんだよ?」
心配そうな君
優しいのはうれしいけど
何故か急に胸痛くて
泣きそうになった…
――聞いて、みんな。もし竜宮小町がIA大賞を取ったらね...
さよならする
分かれ道に着いた時
手を振る君はもう会えなそうで…
「君が好きだよ」
思わず言った瞬間に
遠くから花びらの様に
花火が舞った…
――『先に進むという選択』をするの
空を見る私の手
そっと握ってくれた…
―
――
―――
765P「もしも...」
765P「もしも俺と律子が、別々の事務所だったとして」
765P「竜宮小町とフェアリーが直接戦うことになっていたら」
765P「...俺たちは今日の竜宮小町に勝てただろうか」
765P「いや、フェアリーだけじゃないディアリースターズ、ニュージェネレーション、ジュピター...」
765P「きっと伝説と呼ばれたあなたでさえ......」
???「あら、相変わらず生意気ね」
???「確かに分からないわ。...でも」
???「彼女たち、まだホントの底力はみせていないわね」
本日分は終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。また続きます。
『初恋二章』は粒ぞろいのアイマス曲の中でもとっても良い曲なので、まだ未聴のプロデューサーさんはぜひ。
~Live×Alive放送後 バー ~
善澤「IDOL JAM以来だな。黒井」
黒井「ああ。悪かったなこの忙しい時期に」
善澤「お互い様だろう」ハハハ…
善澤「今日はモンデンキントの子たち、残念だったね」
黒井「...負けるということは分かっていた」
善澤「ん?...詳しく聞かせてくれるかい」
黒井「......」
黒井「いくら環境に恵まれているといえど、デビューしてまだ半年」
黒井「モンデンキントは...あの子たちはアイドルとしても人間としても未熟な部分が多い」
黒井「だが今日の相手は、偶然とはいえジュピターを倒した手練ユニットだ」
善澤「...ならどうして出演の許可を?」
黒井「...長い話になる」
善澤「構わん。こうして話すのも久しぶりだ」
黒井「当初、ジュピターとモンデンキントは近い時期にデビューする計画だった」
黒井「――だが、先にデビューしたジュピターが予定より早く路線に乗ってしまった」
―――
――
―
―――ジュピター デビュー当時―――
TV<今日のゲストは、日本中に大旋風を巻き起こしているジュピターのみなさんです!!
TV<キャァァァァアアアア!!!ショウター!!ホクトサーン!!ラセツクーン!! ウッセ!アマガセトウマダ!!
黒井「フハハハハ!!...どうだ高木め、これで私が正しかったということを思い知っただろう!!」
黒井「ジュピターは完璧なアイドルとなり、我が961プロは絶対的な王者となるのだ...!!」
黒井「...そして、プロジェクト・モンデンキントの成功によって、新たな伝説の幕開けとなる!」
秘書「黒井社長!765プロのことですが...」
黒井「なに!?各地のオーディションを765プロのアイドルが制圧...!?」
黒井「何故だ...765プロには秋月律子とかいうDランク止まりしかいなかったはず...」
秘書「それが...高木順二郎が765プロ社長に就任後、秋月律子はプロデューサーに転身していまして...
さらに新たにプロデューサーを雇い、アイドル候補生を次々とデビューさせていると...」
黒井「ぐぅぅ!!高木ぃ...! 他人に頼ることしかできん無能の分際で!!」
黒井「...ならばよいだろう」
黒井「我が961プロが王者だということを、その貧相なアイドル達に分からせてやる...!」
黒井「私はなんとしても...ジュピターを最強のアイドルにしなければならん...!!」
――デビューできないって、どういうことですか!?
――黒井社長がしばらく待ってくれって...なんでそんな急に...
――ボクたちを、捨てたのかな...
――ねえ...私達、いつ『アイドル』のモンデンキントになれるんだろう?
―――
――
―
黒井「......」
黒井「高木は他人の才を見抜く能力に長けていた。反面、育成する技能に乏しかった」
善澤「...そう。そして君はその逆だ」
黒井「候補生の中からジュピターを結成したのは私だった」
黒井「ジュピターは見てくれこそ恵まれているが、
アイドルの要素であるダンス・ヴォーカル・ヴィジュアル全てに才能があったわけでは無かった」
黒井「だが私は、ジュピターというアイドルを育て上げ、961プロを成長させた」
黒井「私のやり方は間違っていなかった」
黒井「しかし、他人の力を測り誤った」
黒井「高木はあの男をスカウトし、自身の弱点を補完した」
黒井「私は焦燥した。否定し続けてきた高木に負けるわけにはいかなかった」
黒井「...そして、私はあの男の根性と機転の良さを見誤り、忌み手を使った」
黒井「結果、IDOL JAMで身を滅ぼすことになった」
黒井「私は失ったのだ。自らの手で築きあげた、自分の信念ともいえるジュピターを」
善澤「.........」
黒井「それからしばらく、プロデュースができるような状態ではなかった」
黒井「.........」
黒井「...だが私は、“贖罪”をしなければならなかった」
黒井「私が死なせてしまったプロジェクト・モンデンキントと...無意識に傷つけていた双海真美に」
善澤「双海亜美の姉...か。彼女は知っていたのかい、961プロが765プロの妨害を行っていたことを」
黒井「本人に訊いてはいないが...おそらく」
善澤「お前は最低の大人だな」
黒井「...そうだな」
黒井「...この半年は償いだった。そう私の、彼女たちへの償いだ。
モンデンキントをジュピターに代わるユニットという名目でデビューさせ、
真美は、親友のやよいとユニットとしてデビューさせた」
黒井「しかし、モンデンキントも、真美も、私がプロデューサーになることを望んでいないのは明白だった」
善澤「だから961P君をプロデューサーに?」
黒井「...それも今日までだがな」
善澤「どういうことだ...?」
黒井「ヤツにはモンデンキントは荷が重すぎたのだ」
善澤「そりゃあ、素人のプロデュースでアイドル達を、
ジュピターに代われるレベルまで成長させろ、などというのは確かに無茶な話だと思うが」
黒井「いや、そうではない。ヤツに実力が無いという話ではないのだ」
黒井「いくら961プロに力があるとはいえ、
真美とやよいをたった半年でIA大賞ノミネートまで押し上げたのはヤツの力だ」
善澤「では何故...」
黒井「モンデンキントのメンバーをプロデュースするには...ユニットの亀裂が多すぎる」
黒井「ファンを見ようとしない雪歩、他人を見ようとしない真、自分を見ようとしない春香...」
善澤「おいおい...」
黒井「そして、今日の敗北で亀裂は地割れへと変化した」
黒井「ヤツのプロデュース力が足りなかったというのもあるだろうが...」
黒井「...お前からの質問への答えはこうだ。
“モンデンキントはどこかで敗北せざるを得なかった”」
黒井「そしてその“どこか”に、私が今日を選んだだけだ」
黒井「正確にはヤツが選ばせた、となるな」
善澤「...」
善澤「...961Pのプロデュースを外して、モンデンキントはどうするつもりだ?」
善澤「この不安定な時期に彼女たちを支える人がいなくなるのだぞ?」
黒井「ああ。おそらく彼女たちは解散するだろう」
黒井「それが...彼女たちのためでもあり、961Pのためでも...」
善澤「...それのどこが償いなんだ。そもそもそんなこと961P君が...」ハァ…
黒井「ヤツは研修でハリウッドに飛ばす。負けは負けなのだ...
修行を積まなければ先には進めんと言えば、納得するだろう」
黒井「...わんつ→ているずは765プロに移籍なりさせるさ」
黒井「向こうのプロデューサーもこの二人のことを喉から手が出るほどプロデュースしたいはずだ」
黒井「同年代アイドルが多いプロダクションなら真美もやよいも文句はないだろう」
善澤「相変わらず強引だなぁお前は」ヤレヤレ
善澤「...そう上手くはいかないだろうな。私が思うに、あの961P君は...」
黒井「765Pに似ていると言いたいのだろう?」
善澤「ははは...分かってるじゃないか」
善澤「それに、きっと君も心のどこかで、彼が拒否することを望んでいるんじゃないのか?」
黒井「さぁどうだかな」フフフ…
小鳥「お前はいつもはぐらかすなぁ!宗ちゃん...」ピヘヘ…
黒井「.........」
善澤「.........」
小鳥「あれ、もしかして私、まずかったですか・・・?」
黒井「.........」
善澤「.........」
小鳥「わ、わたし失礼しますね~!」アタフタ
黒井「...小鳥!」
小鳥「はいぃ!!」ビクッ
黒井「......母親は元気にやってるのか?」
小鳥「...最近はときどき電話をするぐらいですけど、でも声を聞くときはいつも元気です」フフッ♪
黒井「そうか...ならいい」
黒井「それから高木にこう伝えておけ
“これで961プロに勝った気でいるなよ”とな」
小鳥「うふふ...分かりました」
小鳥「...黒井社長?これからは765プロとも仲良くしてくださるんですよね??」キラキラ
黒井「早く帰れ」
小鳥「もう!...善澤さん、今日のステージはいかがでした?」
善澤「ハハハ...相変わらず、良い歌声だったね」
小鳥「えへへ...ありがとうございます♪それでは、失礼しますね!」ガチャッ
黒井「飲みすぎたな。勢いであんなことを訊いてしまうとは」ハァ…
善澤「...君とここで語っていると、昔に戻ったように感じるよ」
黒井「ここでの話は他言するなよ...」
善澤「高木にもかい?」
黒井「笑えないジョークはよせ...」
「「マスター、またくるぞ...」」
~Live×Alive翌日 961プロ~
961P「あれ、おはよう千早!...今日はオフだけど、自主トレーニングか?」
千早「おはようございます。トレーニングルーム、お借りしますね」
961P「ああ。でも、昨日の疲れもあるだろうから、ほどほどにな」
千早「体調管理には自信があります」キリッ
961P「(もっと凹んだりしてると思ったけど、千早は大丈夫そうだな...)」
961P「(俺は今からものすごい凹むことになりそうだけど...)」
961P「(ああ...行きたくない社長室。絶対大変なことになる...)」
961P「(いや、まだまだモンデンキントはこれからなんだ...)」
961P「(大丈夫。俺はプロデューサー。彼女たちをトップアイドルにするために生まれてきた男...)」
―――――――
961P「社長、失礼します...」ガチャッ
黒井「来たな961P。お前にはハリウッドにいってもらうことになった」
961P「...」
961P「はい?」
本日分は終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。また続きます。
~765プロ 事務所~
善澤「律子ちゃん、ありがとう。これは良い記事が書けそうだ」
律子「いえいえ、こちらこそいつもお世話になってます」ニコッ
善澤「...高木は社長室にいるかな?」
律子「ええ、今の時間なら書類整理をしているはずです」
・・・
善澤「高木、入るぞ」
高木「おお、善澤。律子くんへのインタビューは終わったのかな?」
善澤「ああ。 ...明後日にはIA大賞グランドファイナルがあるというのに、律子ちゃんはなかなか余裕があるね」
高木「それも、彼女のいい所だ。昔はもっと心配性で臆病だったんだがな...」ハハハ…
善澤「竜宮小町は昨日の勝利でぐっとIA大賞に近づいた訳だが...」
高木「...彼女は、結果そうなれば、“行く”と決めているようだ」
善澤「!...そうか」
善澤「...昨晩、黒井と会った」
高木「ほう...」
――――――――――――――――――――――......
善澤「...と。この話は他言するなと言われていたんだ。そういう体で頼むよ」ハハハ…
高木「ははは...それにしても、黒井も変わったものだ」
善澤「プロデュースにかける想いだけは昔から変わらないみたいだけどね...」
善澤「突然ハリウッドだの言い出した時は唖然としたよ」
高木「想いが強過ぎて、表現方法を間違ってしまう。そんな不器用なヤツなんだよ」
善澤「はっはっは、懐かしいセリフだな。あの頃は961プロがまったくのヒールだった」
高木「...私の個人的な事情で765プロのみんなには大変な迷惑をかけてしまったのは事実だ」
高木「だが、時代は変わっていくものさ」
高木「...これから始まろうとしているのだ。あのふたりによって...」
―――恨みの無い、同志としての、765プロと961プロの新たな関係が...
~961プロ トレーニングルーム~
961P「なあ、千早」
千早「はい?」
961P「俺がみんなのプロデューサーでよかったのかな」
千早「...昨日のことですか...?」
961P「まあ、いろいろあったんだけどさ。...結論から言うとね」
961P「俺、来年のIA大賞が終わったら、アメリカに行くことになった」
―
――
―――
―――お願いします!!俺はまだモンデンキントに何もしてやれてないんです!!
―――.........ならば一年やる。来年のIA大賞までに、
モンデンキントとわんつ→ているずをトップアイドルにしてみせろ。
―――それができなければお前はクビ。だが、条件を飲まないのならこの場でクビだ。
―――そして契約を果たした暁には、1年間の研修に必ず行ってもらうからな。
―――...分かりました。必ずトップアイドルにしてみせます...!!
―――
――
―
千早「たしかに、他のプロデューサーの下にいたら、今頃私は海外レコーディングをしていた...」
千早「ということもあったかもしれません」
千早「ですが、私はこうしてプロデューサーに巡り合ったんですから、それ以上もそれ以下もありませんよ」
千早「...それに昨日のことは、プロデューサーだけが悪いわけじゃないですから...」ボソッ
961P(千早...ありがとう)
961P(千早なら...任せられる)
961P「...プロデューサーとして千早に頼みがある」
961P「少しの間、モンデンキントを守ってくれないか」
~IA大賞グランドファイナル 国立オペラ劇場~
美希「やよいー!!また会えたの!」
やよい「あっ!美希さーん!」フリフリ
貴音「ふふっ。双海真美、こんばんは」
真美「亜美にいっつも聞いてるよぅ!チミがお姫ちん君だね!?」
響「実際に見るとホントに亜美そっくりだぞ...」
真美「うわーひびきんだねー!?真美よりちっちゃーい!!」ガバッ
<ウギャー!!
765P「高槻さんに双海さん、初めまして。フェアリーのプロデューサーです」キリッ
やよい「初めまして高槻やよいですっ!」シュバッ!
真美「真美だよ→♪よろよろ~!」
765P(あー可愛いなー)
響(プロデューサー顔がゆるんでるぞ...)
765P「おっと、そろそろアニバーサリーが始まるな...」
765P「高槻さん、双海さん、フェアリーとこれからも仲良くしてやってくれ」
真美「りょ→かい!」ビシッ
やよい「うっうー!美希さん、貴音さん、響さん!また会いましょー!!」
765P「お前たちとあの子たちが一緒にいると、まるで同じプロダクションのアイドルみたいだな」
美希「なんだかやよい達は、他の子たちみたいに『ライバル』って感じがしないの!」
響「そうだなー。別にわんつ→ているずに実力が無いって話じゃないけど」
貴音「ふふ、これから共演する機会も増えると良いですね」
765P「...ああ」
司会「......以上24組のアーティストが、IA大賞にノミネートされています」
司会「果たして、各賞の栄冠は誰の手に?そしてIA大賞の行方は!?」
スノーホワイト賞 ディアリースターズ
愛「受賞したよーーーーーー!!!!!」ワーーーイ!!
絵理「愛ちゃん...おさえて、おさえて...」
フォレストグリーン賞 竜宮小町
伊織「ふぅ...まずは部門ね...」ドキドキ
フェニックスレッド賞 フェアリー
美希「ぷ、プロデューサー!ミキ達、受賞しちゃったの!!うう、うれしいよ~!!」ウルウル
765P「やったな。でも泣くのはまだ早いぞ、美希」
ブラックパール賞 わんつ→ているず
真美「やったー!受賞できたよ、兄ちゃんっ!」
やよい「やりましょうっ!はいたーっち!!」
「「「いえいっ!」」」パーッン
オーシャンブルー賞 ニュージェネレーション
卯月「...ええっ!?」ガタッ
凛「やった...!受賞だよ!卯月、未央!!」ウルウル
未央「しぶりん...しまむー...!」ウエーン!!
モバP「泣きすぎだ...」
魔王エンジェル「.........チッ」
新幹少女「.........」
司会「以上で、各部門賞の発表を終了します」
―――それでは、皆さん......
―――いよいよこの時がやってまいりました。本日最後の発表となります。
―――本年度、この国でもっとも輝いたアイドルに贈られる、最高の賞!
―――IA大賞の発表です!
―――おっと、今、私の手元に封筒が届きました!手が震えております!早速、開けてみましょう!
―――こっ、これは......!!
765P・モバP・961P・876P
(いいから早く言え!)
―――それでは、皆さん......
―――いよいよこの時がやってまいりました。本日最後の発表となります。
―――本年度、この国でもっとも輝いたアイドルに贈られる、最高の賞!
―――IA大賞の発表です!
―――おっと、今、私の手元に封筒が届きました!手が震えております!早速、開けてみましょう!
―――こっ、これは......!!
765P・モバP・961P
(いいから早く言え!)
―――コホン。それでは発表します。
―――本年度のアイドルアカデミー大賞に輝いたのは......!
ドコドコドコドコドコドコドコドコドコ...ジャーン!!
アイドルアカデミー大賞 『竜宮小町』
―――竜宮小町の皆さんです!おめでとうございまーーーーっす!!!
~その夜~
美希「ミキ、まだ胸がドキドキしてるの...!」
響「竜宮小町のライブ、感動したなぁ...」
貴音「大賞には届きませんでしたが、共に研鑽した仲間が受賞したのです。なんと嬉しき事かと!」
765P「......みんなの頑張りで、フェアリーもフェニックスレッド賞が受賞できたんだぞ?
みんなもおめでとう。良く頑張ったな」
響「へへ...ほめてほめてー!!」
美希「プロデューサー、ミキも!」
貴音「それではあなた様...私も」ウフフ
765P「おいおい...」
―――プロデューサー。ホントにどうもありがとうなの!ミキ、すっごくすっごく、感謝してるよ。あはっ☆
―――ふふっプロデューサー。このメンバーを選んでくださったこと、真、感謝いたしますっ!
―――自分、プロデューサーや皆と、ここまで来れてホント良かったぞ!
765P「ありがとう。俺も皆をプロデュースできて、幸せだったよ」
765P「俺のプロデュースはまだ続くけどなっ!!」
アハハハハ...
~CGプロ 事務所~
卯月「ニュージェネレーション...オーシャンブルー賞...受賞しましたーっ!!」
CGプロ一同\いえーーーーーい!!!/
モバP(事務所揺れたぞ今...これが四捨五入して200人の力か...)
凛「みんな...!私達はまだまだ走り続けたい...!!」
凛「夢の舞台じゃ満足できない。だからこの先はCGプロみんなで夢を実現していきたいって思うんだ!!」キリッ
\うぉぉぉぉぉぉ!!ボンバー!にょわー!ヒャッハー!/
未央「私達が描いたステージで、たくさんの人に魔法をかけちゃおーう!!」エヘッ
\ふぉぉぉぉぉぉ!!ヘーイ!これぞ世界レベル!!/
千川ちひろ「みんな...本当におめでとう!」ウルウル
モバP「アイドルたちは...日々進化し続けているんだ...」
モバP(どこまでも未来が楽しみなやつらだよ。ホントに)ハハ…
~876プロ 事務所~
石川「スノーホワイト賞、受賞おめでとう」
愛「やったーーー!!!!」
絵理「ええっと、嬉しい!」ウルウル
涼「やりました!これで876プロも有名になりますね!」
尾崎玲子「ディアリースターズというユニットにして正解だったわね」
岡本まなみ「ここまで成長するなんてね...」
石川「男性ボーカリストとアイドル二人のユニットがよくアイドルアカデミーにノミネートしたものだわ」
石川「どうなっているのかしらね。IAUは...」
涼「空気など読むなってことですよ。きっと!」
愛「えへへ...今日をきっかけに、私達はもっとトップアイドルに近づける気がします!!」
涼「...そういえば、舞さんは誰を呼びに行ったのかな...?」
絵理「特別...ゲスト?」
愛「楽しみですねーーー!!」
ドア<ガチャッ
――――「そう、僕だ」――――
~あずさ家~
亜美「J(女子)!P(会=Party)!Y(yeah)!2nd!!」ヒャッホウ!
律子「すいませんあずささん...またお邪魔してしまって...」
あずさ「うふふ、適当にくつろいでくださいね♪」
伊織「にひひっ♪」ギュッ
あずさ「あらあら~!どうしたの伊織ちゃん」ウフフ
亜美「あーっ!ずるい、いおりん!亜美も!!」ドタドタ
...台所
律子「やっぱり...新妻って感じですね」アハハ
あずさ「え?そうですか?」ニコニコ
亜美「んっふっふ~ところでいおりんは料理できるようになったのかな?」ニヤニヤ
伊織「あ、あれから少しは練習したわよ!」
律子「(私は全然してない...)」ボソッ
あずさ「あら、じゃあ今回は伊織ちゃん一緒にがんばりましょう♪」
律子「私も手伝います!」アセアセ
亜美「今日は亜美も手伝うよん」ピョコン
律子「あら、珍しいわね」クスッ
亜美「...律っちゃんと一緒にいたいから」
律子「............」
亜美「なっ、なんか言ってよ!超ハズいじゃん!」カァァ╱╱╱
伊織(あーやばいなんか泣きそうっ)グッ...
あずさ「じゃあみんなで楽しく作りましょう♪」
ワイワイガヤガヤ...
「「「「いただきまーす!」」」」
律子「おいしい!」パァァ
あずさ「みんなで作ったスペシャルディナーね」ウフフ
伊織「その...どうかしら。私が作ったのは...」
あずさ「...ふふっ前よりもっとおいしくなってるわ♪伊織ちゃん♪」モグモグ
伊織「ほんと!?」パァァ
亜美「よかったねいおりん」ニヤニヤ
...食後
亜美「あーっ!これ懐かしい!」
伊織「何の写真?...これ、初代パレスオブドラゴンじゃない」
亜美「初めてこれ着たときはヘッドセット落とさないように踊れるか心配だったよ~」
伊織「私もあの帽子が暑くて大変だったわ...」
あずさ「わたしはちょっと...太ももが...あぁ恥ずかしい」╱╱╱
律子(あずささんの恥ずかしがるポイントがよくわからない)
それから...
――――――――――――――――――――
伊織「いっぱい!いっぱい!いっぱい!いっぱい!」
亜美「あ・な・た・の・声をっ!うん!」
伊織「いっぱい!いっぱい!いっぱい!いっぱい!」
あずさ「き・か・せ・て・ほしっい!もう!」
伊織「ぜったい!ぜったい!ぜったい!ぜったい!」
亜美「ほ・か・の・ひ・とより!うん!」
伊織「ぜったい!ぜったい!ぜったい!ぜったい!」
あずさ「す・き・だ・と・おもっう!」
律子「まずちょっとだっけー♪さぐってみよ♪」
律子「わたっしのメ・ガ・ネ♪すきっ?きーらい?」
「「「だいすきー!!」」」
アハハハハハ...
――――――――――――――――――――
就寝前...
――――――――――――――――――――
律子「これから、竜宮小町はどんなアイドルになっていくのかしらね」フフ
伊織「やめてよ律子...あんたが一番涙もろいくせに」ウルウル
亜美「.......うぅ...」グスッ
あずさ「律子さん......」
―――
――
―
―――「頑張れ、私の竜宮小町!!」―――
~律子旅立ち前日 バー ~
律子「社長に来てくれって言われたから何かと思いましたけど...」
律子「まさか...あなたとまた会えるとは...」
?「君は私のアイドルだからね」
律子「もう。私はプロデューサーなんですよ?」
?「...私に力が無かったせいで、アイドル時代の君には苦労かけた」
律子「私は、少しも後悔してないですし、
...こんな私をプロデュースしてくれたあなたにも、感謝の気持ちでいっぱいです」
?「...今日、この場所を指定したのは理由がある」
律子「...まさか」ビクッ
?「歌ってくれないか。律子」
律子「...」チラッ
伊織「にひひっ♪歌いなさいよ律子!」
亜美「律っちゅあ~ん歌ってYO!」
あずさ「うふふ、みんな楽しみにしてますよ」
美希「律子...さん。美希も聞きたいの!」
響「律子、なんくるないさー!」
貴音「これはもう、満場一致ですね」フフ
高木「さぁ、律子くん」
765P「律子!」
涼「律子姉ちゃん!」
律子「...みんな...」
律子「もう、しょうがないわね!」
律子「よしっ!...といきたいところだけど」
律子「私歌える曲なんて...」
?「...この曲ならどうだ」
―― ラ ラ ラ ラ シ♭ ラ♪
?「私が初めて君に渡した曲だ」
律子「...伴奏よろしくおねがいしますね。高木...順一郎プロデューサー!」
順一郎「ああ。任せろ―――」
―――『Cast a spell on me!』
―――『Cast a special spell on me!』
鏡の中 ため息がひとつ
「教科書がボーイフレンド?」
みんな言うけど
机の中 書きかけのラブレター
まだ見ぬあなたに 想いを馳せる
つまらない子だと 思うかしら?
本当はこの胸の ドキドキ探したいのに
恋を夢見るお姫様は
いつか素敵な 王子様に巡り会える
早くそんな日がきますように
そっと瞳を閉じるから
魔法をかけて!
765P(すごい...初合わせのピアノアレンジで、テンポもあれだけ揺らしているのに...)
高木(お互いを分かりあってる...そんな音楽だ...)
涼(やっぱり、律子姉ちゃんはアイドルだよ!)
響「うぅ...ぐすっ!うぅぅ...」ボロボロ
亜美「泣かないでよ...ひびきん...亜美まで泣いちゃうじゃん...」ウルウル
伊織(あんたにかけられた魔法はとけないわ...何があってもね)
あずさ(律子さん...ふふっ、素敵ですよ)
順一郎「受け取れ...律子。私の、最後のプロデュースだ」
~翌日 空港~
律子「じゃあ三人とも...バレるといけないから、もういくわよ...」クルッ
亜美「律っちゃーん!!」
律子「...!」ビクッ
あずさ「どこにいっても、私達の心はひとつ。そうですよね?」
律子「...もう」
律子「当り前でしょー!」
律子「私は竜宮小町の、プロデューサーなんだからー!」ニコッ
伊織「いってらっしゃい!私達のプロデューサー!」
本日分は終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。また続きます。
~IA大賞グランドファイナル後 高槻家~
961P「お邪魔しまーす」
真美「いやーようこそ兄ちゃん!」ンフ
やよい「あれ?間違えて真美の家に来ちゃった...?」ハワッ
961P「いや、やよいの家だから...ほらこれ見覚えある長介だろ?」
やよい「あう、ただいま長介...かすみも」
かすみ「おかえりやよいお姉ちゃん!」
長介「兄ちゃん、久しぶり!」
961P「おう、元気にしてたか?」
――――――――......
浩太郎「ふう、ごちそうさまでした!」
かすみ「真美さん、私にもサイドポニーテール教えてください!」キラキラ
真美「かすみっち~そしたら真美にもお団子教えてね~」ンフフ
やよい「プロデューサー、こんなにたくさんお野菜もお米も...本当にいいんですか?」
961P「大丈夫だよ。結局今日で食べきれなかったし、俺は野菜嫌いだからな」
961P(余るように多めに買ったんだけど)
やよい「それじゃあ、またウチでご飯食べましょう。もちろん真美も一緒に!」
長介「兄ちゃん、浩司も浩三もまた遊んでほしいって!」
961P「オーケー。次はもっとゆっくりした時期にくるよ」
浩太郎「やよい姉ちゃんがね、昨日すごい喜んでたんだよ!
兄ちゃんと真美のおかげですごい賞が取れたんだって!」
やよい「こらっ、“真美さん”でしょ?」
真美「そうだぞ浩太郎。ビューティフルクイーンとお呼び!」
アハハハハ!......
961P「じゃあやよい、俺は真美を送ってくから...今日はありがとな」
やよい「はい!プロデューサー、また明日です!」ガルーン
真美「みんな、まったね→!」バイバイ
961P車内......
真美「ねえ兄ちゃん。あの野菜とお米の量は、さすがにやよいっちも気付いてたんじゃない?」
961P「...大丈夫そうだったよ。 ってか真美、分かってたのか」
真美「いま兄ちゃんが答えるまでビミョ→だったけどね!よく考えたら今までもめっちゃ多かったもん」
真美「...でも、真美は兄ちゃんのそういう所好きだよ...」
961P「はは...そうか。ありがとう」
~961プロ モンデンキント&わんつ→ているずの事務所~
961P(朝の寒さもだいぶ慣れてきたな...)
961P(さて、せっかく黒井社長にこの部屋を頂いたんだ)
961P(今日はアイドル達はみんなオフだし、じっくりモンデンキントの作戦を練るぞ)
961P(そして...765プロとの協定計画も...)
――――――――.........
―――――――――.......
ドア<ガチャッ
千早「失礼します。プロデューサー、トレーニングルームは空いていますか?」
961P「おはよう千早。今日、学校は?」
千早「テストだったので、午前中に終わりました。それで、自主トレーニングをしようと...」
961P「そうなのか。あ、その前にちょっと渡すものが...」
千早「...?」
961P「例の、千早の曲が出来たんだ」スッ
千早「......えっ」パァァ
千早「...あの、ありがとうございますっ。精一杯歌わせていただきますね」ペコリ
961P「それともうひとつなんだけど」
961P「千早と雪歩のこと、そろそろ教えてほしいな」
千早「......」
千早「......プロデューサーは気付くのが遅すぎです」ハァ
961P「うん。今までアイドルをちゃんと見ていなかった。
見ているつもりになっていただけだったと思い知らされたんだよ。あの時のステージでね」
千早「まだ分かっていないことがたくさんあるみたいですけど」
961P「ははは...いじめないでくれよ。
この1年、アイドルのみんなとしっかり向かい合って、みんなをトップアイドルにするって決めたんだ」
千早「まあなんでもいいですけれど...」
千早「...私と雪歩は...961プロに入る前からの知り合いで.........」
―――――――――.........
961P「ふぅぅぅーー...。疲れた...体が固まった」
961P「結局あれから1時間も千早と話し込んでしまい」バキバキ
961P「今日やろうと思ったことはあまり進んでいない」
961P「ま、捌かなきゃいけない仕事は無いから、ゆっくりでもいっか」ウン
ドア<ガチャッ
やよい「おはようございます、プロデューサー!」
961P「あれ?やよい、オフなのに珍しいな」
やよい「はい、いつものオフの日は、学校の後に家事があるんですけど、
昨日私が『また明日』っていったのを勘違いした長介が、全部やっといてくれてたんです!」
やよい「それで、折角なので事務所のお掃除をしようと思って!」
961P「それは助かるよ。ありがとう」
やよい「頑張りまーっす!」ウッウー!
――――――――――.........
961P(モンデンキントのファンをさらに増やすためには...)
961P(わんつ→ているずが広い層に支持されている理由をベースに戦略を考えればいいのか?)
961P(んー真美とやよいの人気の秘密ね...
あれ、俺プロデューサーなのに表面的な売り文句ぐらいしか言えないぞ...)
961P(だめだ、ちゃんと向き合うって決めたんだ。考えろ、俺)
961P「...んー、やよいってなんであそこまで人気あるんだろう」ボソッ
やよい「へっ?」ピョコッ
961P「あっ違うぞやよい別にやよいがだめってわけじゃなくてなんでやよいがかわいいのかちょおっと考えなきゃで...」
やよい「......」
961P(まずいこのままでは俺は765P以下だ...)
やよい「......!」ピコーン
やよい「それじゃあ、一緒に考えましょう!」
やよい「プロデューサーが、私のいいなーって思う所、どこですか?」
やよい「そうですねー...じゃあ、触ってみてください!」
961P(!?...やよいは絶対に勘違いしている...やよいの人気のある部位とかそういうことじゃないんだ...!)
961P(くっそー、この前共演した765プロシアターのあの百瀬とかいうアイドルだなうちのやよいに変なこと吹きこんだのは...!)
961P(今度会ったら飯でも奢って...いや、しっかり注意しなければ...)
やよい「...う?」キラキラ
961P(...しかしここは...)
961P「......ギュッとな」ギュッ
やよい「...はわわ!?」╱╱╱╱
961P「やよいは、全部いいと思うよ」
961P(あれ...なんだろうすごく安心する...)ギュゥ
961P(あったかい...やよい...)
961P(おれ、やっぱりつかれてたのかな...ねむけが...)
961P「やよい、ちょっとごめんな。ソファで寝る」フラフラ…
やよい「あっ、はいっ。毛布どうぞ!」
961P「ありがとう...(なんだこれ、目から...)」フラフラ…ドサッ
やよい「...私はお掃除の続きをっ」ハワッ
――――――.........
「よーし、おしまいです!」
「...」ソロリソロリ…
(プロデューサー...目が真っ赤です...泣いてたのかな...)
「......」
「よいしょっと」モゾモゾ
「泣かないで。プロデューサー」ギュッ
「いつもありがとうございます...」ナデナデ
「ふわぁ...Zzz...」
ドア<ガチャッ
「プロデューサー、新曲、いい曲でした...って」
「ふふ、寝てしまっているのね」
「高槻さんも可愛い寝顔だわ」フフ
「...私が歌えるのも、プロデューサーのおかげです。ちゃんと分かってますよ」ニコッ
「...~♪」 トーキヲーワータルー セーイジャノーヨニー ドンナコドクニー ナイテイタノー♪
~765プロ 事務所~
765P「亜美...可愛いよ...亜美...」ナデナデナデリナデナデナデリコナデリナデナデリ
亜美「......Zzz...」グースカ
伊織「律子がいなくなったとたんこれだよ!!」キーッ!
美希「プロデューサー、また亜美を甘やかしてるの?」
765P「む、亜美が勝手に膝の上に乗ってきたんだ。俺は何もしてないぞ」
伊織「じゃあその手を止めなさいよ!この変態!」
貴音「分かりますよ。響もこの“なでごこち”が...なんとも離し難く...」ナデナデナデリコナデリコナデリナデリナデ
響「...ふわぁぁぁ...」フワァァ
小鳥(あれは...響ちゃんの愛すべきアホ顔ね...)
美希「ふーん...。 んじゃあずさ、美希がナデナデしてあげるの!」
あずさ「それじゃ、お願いね♪」クスッ
765P「亜美...亜美...」ナデナデ 亜美「...Zzz...」ナデラレナデラレ
貴音「ふふっ、綺麗な髪ですね響」ナデリコナデリコ 響「...ふわぁぁぁぁ...」アホガオ
美希「ミキもショートにしよっかなー」ナデナデ あずさ「美希ちゃんならきっと似合うわ」ナデラレナデラレ
伊織(な、なによこの状況...! 律子...早く帰ってきて...!!)
765P「それで、これからのことだけど...」キリッ
伊織「さっきまでのテンションはなんだったの!?」
亜美「デコバルス君、静かにちたまえ」
伊織「あんたさっきまで寝てたじゃない!あと何よデコバルスって!!」ピカーン
響「うぎゃああああ目がああああああああ!!!!」
貴音「3分間待ってやる!」ワクワク
亜美「あ、お姫ちんまだお湯余ってる?」
美希「デコちゃん、突っ込むだけ無駄だって思うな☆」
伊織「...そうね...私も食べるわ。カップそば...」ハァ
765P「...というわけで、961プロとの共演の機会が増えると思う」
伊織「本当に大丈夫なの?」ズズーッ
伊織「いくらLive×Aliveでは何もしてこなかったとはいえ...」ズルズル
高木「君たちは、プロデューサー制の無かった961プロに、新しくプロデューサーが来た話を覚えているね?」
あずさ「ええ...モンデンキントとわんつ→ているずをプロデュースしている方ですね」
高木「そのプロデューサー君が765プロとの友好を求めているのだ」
響「それって...ただそのプロデューサーの実力が無いから、人気のあるウチと組んで仕事を増やしたいだけなんじゃ...」
765P「確かに、何も考えずに受け入れるのはまだ危険だ。でもな、あいつは悪い奴じゃなさそうだぞ」
765P「別に向こうがしてきたことを忘れた訳じゃないがな」
伊織「ヘアメイクを勝手にキャンセルされたり」ズルズル
貴音「悪質な記者に付け回されたり」ズズーッ
美希「むりやりスカウトされそうになったり」
響「山の中に一人で放り出されたり」
あずさ「雑誌の表紙を変更されたりしました...」
亜美「...でもさ、真美の兄ちゃんがイジワルなわけないよ→!」ズルズル
伊織「分かってるわよ...私達だって信じたくないわけじゃないわ」ズルズル
765P「まあ、共演するときは俺が出来るだけ一緒に行くからな」
765P「それで、早速961プロからプレゼントが届いてる」
美希「プレゼント?なになにー?」キラキラ
貴音「はて、甘いものだと丁度良いのですが」ズルズル
響「貴音、食べものじゃないと思うぞ...」
765P「フェアリー、“オーバーマスター”“KisS”。新曲だ」
765P「竜宮小町にも、“ムーンライトラビリンス”を」
伊織「さすが大手ね。新曲だなんて用意がいいわ」
765P「.........」
―
――
―――
765P「じゃあこれ、“Little Match Girl”と“Honey Heart Beat”、“キラメキラリ”」
961P「“オーバーマスター”“KisS”“ムーンライトラビリンス”です」
765P「で、961プロと楽曲シェアしたら、こっちの条件...」
765P「高槻さんがキラメキラリを踊っている所を録画してくれるって話だったな?」
961P「そんなこと言ってないから」
765P「ああ?業界の先輩に逆らうとは、良い度胸じゃねえか?」
961P「そっちが“高槻さんに歌わせたい曲があるから”ってオファーしてきたんでしょ」
765P「...“Honey Heart Beat”は真美ちゃんが歌うようにな」
961P「はいはい...」
―――
――
―
765P(...言えない。個人的な興味で無理やり交換させたなんて)
765P「まああと言いたいのは、これから俺が2ユニットプロデュースするから、いろいろと不都合が...」
<わぁぁ!この曲、すっごくかっこいいの!
<ねぇねぇ、フェアリーの名前が歌詞に入ってるぞ!
<向こうのぷろでゅーさぁも粋ですね...
<あら、いい曲じゃない
<私、気に入りました♪
<亜美の大人っぽさ全開だね!
<この曲ならあんな衣装やこんな衣装...ピヘヘ
<音無君、帰ってきたまえ...
765P「...............」ボッチーボッチーヒトリーボッチー...
~961プロ 961Pの事務所~
961P「今日も春香は来ていないか...」
真「...ほっときゃそのうち来るさ」
雪歩「プロデューサー、これからの話ってなんでしょう?」
961P「ああ。みんな聞いてくれ。
961プロ主催のわんつ→ているず・モンデンキント合同ライブが決定した」
真美「兄ちゃんほんと→!?」パァァ
やよい「それって、ファンのみんなの前で、何曲も歌えるってことですよね!」
真「...そうか...ボクもいつのまにかそこまで来たのか」
961P「それから、やよい。TVレギュラーが決まった」
やよい「ええっ!?」
真美「おおぅおめでとう!やよいっち!」
961P「真美もいろいろな番組からオファーがきてるぞ」
真美「ええっ!?」
やよい「やったね、真美!」
「「はいたーっち!いえいっ!」」パーンッ
961P「雪歩と真は、受けてほしいオーディションがいくつかある」
雪歩「...はい」
支援なの!
真「プロデューサー、どうしてこの計画を...?」
961P「俺が一年後にハリウッドへ飛ばされるからだ。
一年でみんなをトップアイドルにできなかったら、それすらなくクビになる」
やよい・真美「「ぇええーっ!?」」エエーッ!?
961P「ゆっくり進めようと思っていた765プロとの協定も急ピッチで進めている。それで仕事も増えた。
俺はいなくなってしまうんだ...だからみんなにもついてきてほしい。大変なのは重々承知だ」
雪歩「プロデューサー...私達がふがいない所為ですか...?」
961P「俺がみんなと向き合うのを怠ったから招いた結果さ。
だからこの一年、死ぬ気で君たちをプロデュースする」
961P「今日がまた新しい、俺達のスタートだ」
真美「兄ちゃん...」
やよい「プロデューサー...」
961P「ごめん、話がそれたな。それで、千早は...」
961P「千早はソロデビューすることになった」
本日分はこれで終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。また続きます。
>>156さん支援ありがとうございます。
―――― 千早 決意編 ――――
そのとき私は、三浦あずさのシングル『眠り姫』を歌っていた。
プロダクションのレッスンスタジオの中で、CDに収録されているカラオケの音楽に乗せて。
素敵な曲だと思った。もし765プロにいたら私が歌っていたのかな、とも思ったけれど、
三浦あずさのような人を惹きつける笑顔もスタイルも歌声も無い私には、到底考えられない話だ。
『――だからこうして一人で歌っているんだろ?』
もう一人の自分の声が聞こえた気がして嫌な気分になる。
私はただ、思いっきり歌いたいだけなのに。
あのそら、みーあーげてーーーー!!
パチパチパチ…という音に気付いて私は振り返ると、控えめな拍手の主と目があった。
961P「モンデンキントの如月千早さんですね。私はこれからプロデューサーを担当する961Pです。
勝手にスタジオに入ってしまってすいません...挨拶だけ済ませて退散しようと思ったのですが...」
モンデンキント、という言葉を久しぶりに聞いた気がする。
日を重ねるごとに、私達の間でその単語はタブーと化していったからだ。
「あまりにもすばらしい歌声だったので...如月さん」ニコッ
千早「私のことは千早と呼んでくださって結構です。私...名字で呼ばれるの嫌いですから」ムスッ
それが私とプロデューサーの始まりだった。
ソロデビューシングルの宣伝キャンペーンを終えた私に、プロデューサーはプレゼントをくれた。
「千早、ソロデビューお疲れ様。これはちょっとした記念に...」
デビューしただけでお疲れ様とはなんなのだろう。一体何の記念なのだろう。 ...言わないけど。
プレゼントは機械式のカメラだった。私にはデジタルと機械式の違いは良く分からない。
ところどころに傷みや色あせた部分があるから、プロデューサーの物だったのかと聞いたら、
「カメラの分解が趣味でね。動かなくなった機械式のカメラを安く譲ってもらってそれを直すのが好きなんだ。
だからこのカメラは、譲ってくれた人と修理した俺の思い出がつまってる」
私のプロデューサーは良く分からない。それはデジタルと機械式の違い以上に。
写真を撮る前から思い出のつまっているカメラを渡されても、正直反応に困るわ。
961P「そのカメラを直すのには半年かかったよ...」ハハハ
千早「私がそんな大事なものを頂いていいんですか?」
961P「いいんだ。繊細なものは千早によく似合う。
それにもう、分解はしないって決めたから...手元にあると分解したくなるし。
あ、でもそのカメラの調子が悪くなったらいつでも言ってくれ」
千早「どうしてやめてしまうのですか?」
961P「カメラ以上に直すのが大変なものもあるって分かったから...」ハッハッハ
答えになっていない気がするけど...
そのあと、プロデューサーとたくさん話をした。
アイドルのことが殆どだったけど、カメラの分解の鉄則の話も聞いた。
―――最近、弟の夢をよく見る。あの人からの電話が多いせいだろうか。
今日はソロの如月千早としてラジオに出演し、雑誌の取材を受けた。
モンデンキントのことを聞かれたけど、濁しておいた。
仕事中にあの人から電話が来たので、忙しいからまた、とだけ言って切った。
本当に忙しいのだから仕方ない。
プロデューサーはそのやりとりを見て時間をつくろうとしてくれていたけど、
モンデンキントを守ると決めた私は、プライベートに時間を割いている余裕はない。
また弟の夢だ...
千早「優...私に何か伝えようとしているの...?」
写真に向かって話しかけても、答えは返ってこない。
プロデューサーに弟の夢の話をした。こんな話をしたらこの人が心配するのは分かっているのに。
「千早、今日の午後はオフにしよう。それで、行ってきたらいいんじゃないか」
ここに来るのも久しぶり。当然だ、ここは実家に近いのだから。
入口であの人と出くわした。最悪だ...と思ったけれど、私の顔を一瞥しただけで去って行った。
去り際の目は、「応援しているからね」と言っていたような気がする。
...私は何を考えているのだろう...
弟が眠る場所には、美しい供花と共に、あまり見かけなくなったカセットテープがおいてあった。
“優君と千早へ”
千早「...優、借りるわね」
――再生
――――ザーッ えっと撮れてるかな?...よし。
――――優君、今からお姉ちゃんが歌うよー
―――― <プロデューサー?何をしているのですか?
――――次は新世代の歌姫、如月千早です!
―――― <もう、普通に歌わせてください!
千早「...これは、プロデューサーとレッスンした時の...」
その他にも、モンデンキントの歌や、私がダンスしているだけの足音なんかも録音されていた。
最後に、
「千早か優君か、どっちが先に聴いてるか分からないけど、
お母さんはお前たちのこと、いつも心配してると思うぞー」
というなんとも頼りない気の抜けるメッセージが入っていた。
プロデューサーがしていることは、世間的には多分お節介なんだと思う。
でもそれを他人に対する誠意なのだと理解できるほどには、私と彼の距離は近づいた。
プロデューサーは百戦錬磨の完璧な人間じゃない。
でも...
真と上手く関われなくても、春香を励ませなくても、雪歩と分かりあえなくても...
きっと彼ならモンデンキントを再び...
だから私は先に行って、背中を見せる。早くここまで追い付いて、と。
そして私は輝き続ける。みんなが戻ってくる場所を見失わないように。
審査員「オーディション通過は、7番です。それ以外の方はお帰りください」
961P「やったな千早!これだけのトップレベルがそろうオーディションで...」
千早「ありがとうございますプロデューサー!これは大きな一勝ですね!」
765P(モンデンキントの如月千早...か。ソロデビューしてから急成長したな...)
美希「むーっ!プロデューサー!」ムー!
765P「どうした、美希」
美希「なんでミキが一番じゃないの!?今日ミキはカンペキだったよ?」
765P「俺が読みを間違えたんだよ...美希ならヴィジュアル面ゴリ押しでいっつもいけてたのに」
765P「今日はあの歌のお姫様がツイてたみたいで...」メンボクナイ
美希「...ミキは手ごわい壁にぶつかったって感じなの!」
美希「それにしても、一緒に歌いたかったなぁ...未央たちと」ナノ…
モバP「初めまして。CGプロでアイドルのプロデューサーを務めています。モバPといいます」
千早「961プロダクションの如月千早です。
この度はニュージェネレーションさんとのご共演の機会をありがとうございます」
モバP「ふむ...如月さん、よかったらウチでアイドルやりませんか」
千早「......えっと」
東郷あい「モバP君、やめたまえ困っているじゃないか...。
すまないね。この人が突然スカウトするのは珍しいことじゃないんだが...」ヤレヤレ
あい「よそ様のアイドルに手を出しちゃいかんね。モバP君?」
モバP「出来心だ」キリッ
あい「...」チョップ!
モバP「」
千早「あの、ご好意は嬉しいですけど、私は961Pの如月千早ですから...」
モバP「...そしてモンデンキントの如月千早だね」
千早「はい。モンデンキントは私の大切な居場所です」
モバP「君を見ていると、ニュージェネの最初のころを思い出すよ」
あい「昔話はまたにしよう。彼女も忙しいのだから」ガシッ
モバP「あっ待ってあい、歩けるから! 靴脱げるってば!!」......
―――
――
―
千早「...という感じでした」
961P「あはは、面白い人だとは765Pから聞いていたけどね...」
961P「千早、ニュージェネレーションさんとのコラボも楽しめるといいね!」
千早「はい!そして、これがモンデンキントの再生につながるように...」
千早「精一杯、歌わせて頂きます」ニコッ
千早 決意編 終わり
――― 雪歩 成長編 ――――
―――えと、おなまえは?
―――...グスッ...ゆきほ...
―――ゆきほ、うたってあげるから、わらって!
私はなんでここにいるんだろう。この場所に相応しい人がたくさんいるはずなのに。
そんな考えがアイドルになったとき、ううん、アイドルになる前からずっと心の片隅にある。
だから、今日のオーディションでの失敗は、当然だった。ひとりじゃ私はなにもできない―――
961P「雪歩、今日はひとりだけど落ち着いて、いつも通りで大丈夫だからな」
雪歩「はい...やってみます」
スピーカー<6番さんスタンバイお願いします。
961P「よし、行ってこい!」
雪歩「6番、萩原雪歩です。よろしくお願いします」
―――
――
―
プロデューサーが千早さんのソロデビューを告げた時、私は彼が言っていることを理解できなかった。
961P「真と雪歩と春香は別々にやることがあるから、千早にモンデンキントの留守を任せるんだ」
雪歩「でもそんなの私は望んでいない!勝手なこと言わないでください!!」
千早「雪歩、私達は今のままじゃ前に進めないわ。
お互いのためにも、ファンの方々のためにも、この期間は必要なの」
雪歩「千早さん...!? なんで...私は千早さんがいなきゃ...」
真「......なんで千早だけソロデビューなんだよ...」ギリッ
961P「...真、オーディションもソロも等しくアイドルとしての仕事だ。
俺はみんなを差別したり贔屓したりしない」
オーディションのステージに立つ。
いつもと違う景色。隣にいた千早さんがいない。春香さんがいない。
私はどこを見ればいいのだろう。何を目指せばいいのだろう。
...わたしはなにをすればいいの?
審査員「あなた、筋は悪くないけど...アイドルやってて楽しい?
ぶっちゃけ、その辺の高校生と変わらないわよ?」
961P「なぁ雪歩。今はさ、雪歩がアイドルをやってる理由が見えにくくなってるのかもしれない」
961P「でもな、ファンのみんなの前に立てば、きっと思い出せるはずだ!」
ファン?ファンって何だっけ...
961P「これからはどんどん雪歩の売り込みを増やしていこうと思うんだ」
やめて...私がアイドルなんて、誰も期待してないんです...
961P「雪歩がすっごいアイドルになって、モンデンキントのみんなをびっくりさせよう!」
やめて...
雪歩「...やめてください。そういうの、反吐がでます」
最低だ...私...
私とプロデューサーとの営業が始まった。あのオーディション依頼、プロデューサーと上手く話せない。
プロデューサーは一体何なんだろう。どうして私にこんなに優しくしてくれるんだろう。
961P「今日はまずイベントのキャンペーンガールだ。白雪姫になるぞ雪歩!」
あんなことを言ったのにプロデューサーは変わらずに接してくれる。
その姿を見て私はますます自己嫌悪に陥っていく。
それから午後はデパートの屋上でミニライブをした。
モンデンキントのCDも売り出したけど、千早さんの功績か、少しは売れたみたい。
私のファンは、今日いたのかな...いるわけないか、私のファンなんて。
夜、プロデューサーからメールが来た。
『雪歩、今日はお疲れ様!明日はCDショップで握手会だ(^O^)/』
プロデューサー、千早さんも春香さんも真さんもわんつ→ているずも見ているのに、
なんで私をこんなに気にしてくれるんだろう。
別に、嫌な訳じゃないけど...
握手会の前半が終わって休憩をとっているときだった。
961P「雪歩、ファンのみんなをもっとよく見てごらん」
961P「よく見るっていうのは、
みんながどんな表情をしているか、どんな想いで雪歩と握手しているのかを見てみるってことだ」
961P「そしたら、雪歩はこんなにたくさんのファンに支えられてるってことが分かるからね」
どういうこと?私を支えてくれてるのは千早さんやモンデンキントやプロデューサーじゃないの?
961P「いま雪歩が一番大事にしなきゃいけないのは、千早との繋がりでも、仕事上の契約でもないよ」
961P「ここにいるファンのみんなと雪歩が一緒に楽しむことを、大事にしよう」
楽しむこと...?ファンの皆と...?でも私のファンなんて...
じゃあ、今ここにいるのは誰のファン?千早さんの、春香さんの、真さんの...
そして、私のファンも...
961P「さ、笑って!いってらっしゃい」ニコッ
―――ゆきほ、わらって!
その後の握手会は何かが変わった気がした。
表情を見よう、話すことをよく聞いてみよう。そういった小さなことを気にしただけなのに、
目の前に立っているファンの皆が確かに違って見えた。
はにかむ小さな男の子
励ましの言葉をくれるお姉さん
優しい笑顔のみんな―――
――――がんばってください!
――――あの、応援してます!
――――モンデンキントまた復活するよね?
――――わたしもゆきほちゃんみたいになるー!!
どうしよう...どうしよう...私、この手を離したくないんだ...
私を、支えてくれるこの手を...
――――ゆきほ、てをだして
――――...?
ギュッ
――――こうしたら、あったかいでしょ!
――――...うんっ
この手を... “あの時”と同じ、この手を......!!
雪歩「わたしっ...!アイドルつづけたいですっ...!!グスッ...」ボロボロ
雪歩「もっと...ファンの皆と...うぅ...アイドルしたい...っ!!」ボロボロ
961P「...お疲れ様、雪歩。ちゃんとアイドルだったぞ」ナデナデ
それから私はたくさん営業をこなした。
小さな会場で歌ったり、雑誌のモデルをしたりも時々だけどした。
そして、再びオーディションに挑むときが来た。
審査員「合格は5番よ。それ以外はお疲れ様」
雪歩「うそっ!?やった...!」
961P「やったな雪歩!!」ワーイ!
東豪寺麗華「...IA大賞にノミネートもできない弱小が...ムカつくわね」
朝比奈りん「いひ♪麗華P、こわーい!」イヒヒ
三条ともみ「.........」
東豪寺麗華「ぶっつぶしてやるわ、モンデンキント。私の虚像でね...」
961P「雪歩、本当に強くなったよ」
雪歩「私が変われたのは...プロデューサーとファンの皆のおかげです」
雪歩「そして...モンデンキントにも本当に感謝しています。ずっとダメな私を守ってくれてて...」
961P「もう“千早さんがいなきゃ...”とか言わないな?」
雪歩「あう...言わないですけど...」
961P「はは、ごめん意地悪だったな」
961P「......よし」ウン
961P「頑張った雪歩にプレゼントだ」
雪歩「プレゼント...ですか?」キョトン
961P「新曲、“Little Match Girl”だ。 千早とデュエットで売り出そうと思う」
雪歩「えっ...?」
雪歩「えぇぇぇええええ!!?」エエエエ!?
“Little Match Girl”は発売後、好調に売れ、“ゆきちは”ブームがちょっとした話題になった。
961P「雪歩、これ」
雪歩「えーっと、CGプロの1stライブチケット...?」
961P「その時間帯はオフだから、見てきなよ。タダでもらったから♪」
雪歩「...?わかりました。ありがとうございます」
雪歩 決意編 終わり
“Little Match Girl”は発売後、好調に売れ、“ゆきちは”ブームがちょっとした話題になった。
961P「雪歩、これ」
雪歩「えーっと、CGプロの1stライブチケット...?」
961P「その時間帯はオフだから、見てきなよ。タダでもらったから♪」
雪歩「...?わかりました。ありがとうございます」
雪歩 成長編 終わり
本日分は終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。また続きます。
補足ですが、千早はアイマスそのままですが、ゼノグラシアにすりよせて、
千早に雪歩を“雪歩”と呼ばせています
つまりこっちのちーちゃんは72の方なのか・・・
―――― 春香 復活編 ――――
―――
――
―
それはLive×Aliveが終わった後のこと。
伊織「あんた、モンデンキントの天海春香ね」
春香「...そうですけど」
伊織「さっき、楽屋であんた達のステージを見たわ」
春香「...」
伊織「プロデューサーに言っといて。私達の相手がしたいなら、もっと本気できなさいってね」
春香「私達は本気だったよ...!」
伊織「そう。あれが本気なら、あんたは目をそらしているのね。自分たちの問題から」
春香「初対面で不躾だね...」
伊織「わかってるんでしょ。本気でステージに立ってないって」
春香「やめて...」
伊織「菊地真が周りを見ていないことも、萩原雪歩がファンを見ていないことも」
春香「わ、わたしプロデューサーの所に...」
伊織「待ちなさい。...あんたは自分に嘘ついていいの?」
春香「...いやだよ!!じゃあどうすればいいのよ!?」
伊織「そんなもの自分で考えなさい!」
春香「...そんな...」
伊織「あんなステージをファンに見せて、竜宮小町とも張り合えなくて、
周りがどれだけ迷惑してるか考えなさいよ!」
春香「...だったらほっといてよ...私の気持ちも分からないくせに...」
伊織「...」
春香「優しい仲間がいる水瀬さんには分かるわけないよ...
私と違って、ずっとずーっと早くからデビューして、トップアイドルにも近くて...」
伊織「このっバカリボン!」ブンッ
律子「――伊織っ!?」バタバタ
――ピタッ!
春香「――っ!?」
律子(っと寸止めか。はたかなかったわね...冷静だわ。あの子)
伊織「...トップアイドルが近かった...?ふざけんじゃないわよ...」
伊織「トップアイドルはいつだって遠かった...私はずっと追いかけてここまできたの...!」
伊織「トップアイドルを追い続けて『やっと』ここまできたの!」
伊織「あんたこそ...なにもせずモンデンキントのそばにいただけじゃない!!違う!!?」
春香「...そんなこと...ッ...そんなことっ!」
春香「...うぅ...グスッ!」タッタッタ...
律子「どうしたのよ伊織...」
伊織「別に。今日の勝利に比べれば小さなことよ」
律子「あんたは熱すぎるから、行き過ぎちゃう時が心配だわ」ハァ
伊織「...そうね。もう今日みたいに止めてくれる誰かさんもそのうちいなくなるし...」
私はずっとアイドルになりたかった。
小さいころから、公園で歌を教えているお姉さんに憧れ、テレビの中で踊るアイドルにときめいていた。
だから961プロの候補生になれた時は、もう本当に嬉しくて。アイドルになれるなら上京も苦じゃなかった。
家を出る時に、弟とおじいちゃんがお守りをくれた。二人は離れていても、私の大事な家族。
私はどんなことがあっても大丈夫だろう。
アイドルになれるなら、たくさんの人を笑顔にする存在になれるなら、
765プロのアイドルの曲に登場する少女達のように、頑張れるはずだから。
しかし、私を打ちのめしたのは厳しいレッスンでも、過酷な営業でもなかった。
私が候補生になった時点では、961プロに候補生の子がたくさんいた。
この中の誰かとユニットを組むのかな、とか思いながら、毎日レッスンをこなしていた。
辛いことも、きついことも多かったけど、なんとか2カ月乗りきった。
そのころには、自分の限界を感じて961プロを去っていく子たちが大勢いた。
気がつけば、私と同じ時期に入った子はいなくなっていた。
そんな折に、961社長は、ジュピターとモンデンキントというユニットのデビューの話を持ち出した。
先輩の冬馬さん、北斗さんと、後輩の翔太君によるジュピター。
そして、先輩の千早さん、雪歩ちゃん...と私。そして外部オーディションで選ばれた真ちゃんがモンデンキントに。
選ばれたのは正直驚いた。他の人よりアイドルとして勝っている部分なんてないと思っていたから。
私が候補生になった時点では、961プロに候補生の子がたくさんいた。
この中の誰かとユニットを組むのかな、とか思いながら、毎日レッスンをこなしていた。
辛いことも、きついことも多かったけど、なんとか2カ月乗りきった。
そのころには、自分の限界を感じて961プロを去っていく子たちが大勢いた。
気がつけば、私と同じ時期に入った子はいなくなっていた。
そんな折に、黒井社長は、ジュピターとモンデンキントというユニットのデビューの話を持ち出した。
先輩の冬馬さん、北斗さんと、後輩の翔太君によるジュピター。
そして、先輩の千早さん、雪歩ちゃん...と私。そして外部オーディションで選ばれた真ちゃんがモンデンキントに。
選ばれたのは正直驚いた。他の人よりアイドルとして勝っている部分なんてないと思っていたから。
デビューが目の前にきたのが嬉しかった。モンデンキントのためならなんでもしようと思っていた。
モンデンキント結成の時に撮った写真には、仲間に囲まれて笑顔の私がいる。
でも、私はもうみんなの前で笑えない。
プロデューサーがドアのインターホンを鳴らして私の名前を呼ぶ。
私は応じない。彼が去ったあと、会えばよかったかなと後悔する。
Live×Alive以来みんなには会っていない。
今日はプロデューサーがやよいと真美を連れてきた。
―――春香さん、体調にだけは気をつけてくださいね!
―――はるるん、早く来ないと真美がモンデンキントになっちゃうかもよ→?
私は何をしているのだろう。みんなに心配ばかりかけて...
―――周りがどれだけ迷惑してるか考えなさいよ!―――
水瀬伊織の言葉が突き刺さる。
きっと雄弁な彼女は知らないだろう。飲みこんでは腐ってしまう言の葉の苦さを。
そして恵まれた彼女が知ることはないだろう。仲間に気持ちの伝わらない辛さを。
人を切り捨てる真ちゃんが嫌い。ファンをみていない雪歩ちゃんが嫌い。
デビューをさせなかった黒井社長が嫌い。私達を知らないプロデューサーさんが嫌い。
居心地の悪いモンデンキントが大嫌い。
『私は...!千早さんみたいに歌は上手じゃないし、真ちゃんみたいにダンスもできないし、
雪歩ちゃんみたいに可愛くふるまえるわけじゃないけど...!
アイドルになりたい気持ちはだれにも負けませんっ!』
過去の私の声がする。あなたの好きだったモンデンキントはもういないのに。
なにも考えたくない。なにも知りたくない。
また少し経って、予想外の来客があった。
ドア越しに聞くその人の声は、少し前よりだいぶ穏やかだった。
千早「春香、私はあなたに謝らなければならないの」
千早「春香はずっとモンデンキントを繋いでいてくれた。春香がそこにいたからずっとモンデンキントでいられた」
千早「ソロで歌っているとき気付いたの。モンデンキントは私の大切な居場所だって」
千早「だから、お願い春香...戻ってきて...」
春香「...ほっといてよ!もう私は...みんなと上手く笑えない...!」
千早「ほっとかない...ほっとかないわ!」
千早「私も、雪歩も、真も、プロデューサーだって...みんな春香を待っているの。
モンデンキントとしてもう一度ステージに立ちたいって、それが私達の願いよ」
千早「...待ってるから...」
私の...私の夢は...どこ?
鏡の中の少女に問いかけても、そこには灰色の自分が映っているだけ。
961P「ここが春香の家だけど...」
伊織「...悪かったわね。じゃ、ドアを開けるまでお願いしてもいいかしら。
その、私が呼んでもきっとでないから...」
961P「...はるかー?すまん俺だが、一瞬あけてくれー!」
ドア<・・・
ドア<ソローリ...
伊織「せいっ!」ガシッ
春香「!?」
961P「俺は車に戻るな」
伊織「ええ。ありがとう」
伊織「中、入るわね」
春香「えっと...」
春香「......」
伊織「......」
伊織「いつまでこんなとこ引き籠ってるの?籠ってりゃなにか変わんの?」
伊織「こんな汚い部屋で、いつまでもいつまでもうじうじしてさぁ」
伊織「バカリボンがリボンしなかったら、ただのバカでしょ?このバカ!バカバカバーカ!」
春香「――っ!!」ブンッ
―――ピタッ
伊織「なによ...結構元気じゃない」ハァ
伊織「寸止めには寸止めってワケ?いやみね」
春香「あっ...みなせさ...」
伊織「そんなに体力が余ってんなら、あんたにはまだやれることがあるでしょ」
春香「えっ...」
伊織「これ...あんたのプロデューサーから。...中身見なさいよ?」
伊織「じゃ、帰るから。勝手に入って悪かったわ」
春香「水瀬さん...その...」
伊織「礼を言われる筋合いはないわよ。でも、そうね」
伊織「あんたとはまた会いたいわ。今度はステージの上でね」
そのころの車内
961P(電話)「情けないよ...みんなと向き合うって言っておきながら、ドアを開くぐらいしかできないなんて」
千早(電話)「十分ですよ。ドアから春香を連れ出すのは、モンデンキントの復活と同義ですから」
それはDVDだった。
―――再生
961P「よしっみんな歌うぞっ!」
雪歩「春香さん、見てますか?」ニコッ
真「天海、途中で停止するなよ」クスッ
千早「世界でいちばん頑張ってる君に」
<ぼくはしってるよ♪ちゃんとみってるよ♪がんばってるきみのこーとー♪
プロデューサーさん...歌うの上手なんだな...
<ずっとまもってあげるから♪きみのためにうーたーおー♪
雪歩ちゃん...こんな風に歌えるんだ...
<あたりまえっていうけど...あたりまえじゃなーい♪がんばってるきみのこーとー♪
真ちゃん、私のために歌ってくれたの...?
<ちゃんとわかってあげたいから♪きっみのためっのラーブーソーング♪
千早さんの歌...すごいなぁ。心が...ドキドキしてる...
幸せって意味を教えてくれた 君に感謝したいから
ちょっと照れくさいけれど 君のために歌おう
この広い世界で君に会えたなんて 奇跡だと思うのさ
ずっと大切にしたいから 君のためのラブソング
3人が頭につけてるのは...
―――『これは、モンデンキントの最初のファンである自分からのプレゼントです』
お姫様ティアラ...
―――デビュー曲は“微熱S.O.S!!”......。なんだか私、この曲には運命を感じます!!
―――私の地元と雰囲気が似てるんですよ、ここ。
―――ま、まだそんなこと言うのは早いですよね?私たち、なんにもしてませんし!
―――『運命の出会いを、信じてる?』―――
私は大切にしまったままだったそれを眠りから解放し、自分に装着して鏡を見た。
そこには、あの日の輝きを放つアイドルが、間違いなくいた。
「レッスン...レッスン行かなきゃ...!」
私は走り出す。未来に向かって。
961P「あれ、春香どうしたんだ?汗だくじゃないか...」
春香「はぁ...はぁ...ぷ、プロデューサーさん...」ゼェゼェ...
961P「どうしたんだ...顔が真っ青だぞ...」
春香「これ、あ、すこし、マズイかもぉ。意識が...遠くへ......。
あ、あ、あああああ......」
961P「はっ、はるかっ!?」
――――――――――...
961P「ぼくはしってるっよ♪ ちゃんっとみってるっよ♪」
春香「...ん...ここは...」
961P「お、気がついたか春香。ここはレッスンスタジオだ。
びっくりしたぞ...急に来て急に倒れるもんだから...」
春香「すいません...引き籠ってたので...体力が...」
961P「...大丈夫。ストレッチからゆっくりレッスンしなおそう」
春香「はい...って今からレッスンですか!?」
961P「え?そのジャージ着てるってことはレッスンしにきたんでしょ?」
春香「そうですけど...なんかナチュラルに受け入れすぎじゃないですか?
私昨日までバックレてたんですよ?怒ったりしないのかなって...」
961P「なんだ、そんなこと気にしてたのか。戻ってきてくれたんだし、大丈夫だろ?」
961P「なあ雪歩」チラッ
雪歩「春香さん...あの、今までモンデンキントでいっぱい迷惑かけてしまって...
やっと気付いたんです...私はファンの皆も、モンデンキントのメンバーも大事なんだって」
春香「えぇっ!?雪歩ちゃんなんか中身変わった!?何があったの!?」
961P「ははは!春香は時代に遅れてるだけだ」
春香「そんなぁ...」
961P「雪歩は強くなったんだ。それはもう信じられんくらいに。
さぁ、久々にみんなで踊ろう。春香はきっと驚くぞ。雪歩と真にな」
モンデンキントは二度目覚める。
一度目は耐えきれないほどの我慢の末に
二度目はメンバーの団結が刻まれる時に
真「ほら天海、水」スッ
春香「...ありがとう、真ちゃん♪」エヘッ
真「...その、迷惑かけた。ボクも、モンデンキントが必要なんだって分かったよ」
春香「真ちゃん...」
真「...これからもよろしくな、天海」ウツムキ
春香「うんっ!よろしくね!」ニコッ
春香「そういえば今日は二人ともレッスンの予定だったんですか?」
961P「それがだな...勝手にイベントの仕事がキャンセルされてて...」
春香「えぇっ!?大丈夫なんですかそれ...」
961P「...原因はよく調べておく。春香は心配しなくて大丈夫だから...」
春香「分かりましたけど...何か手伝えることがあったら、すぐに言ってくださいね!」
春香「それで、あの...もし機会があれば、今度765プロの水瀬さんとのお仕事を、頂けませんか...?」
961P「...水瀬さんにやよいとの番組の後に突然呼び出されて、何事かと思ったら、“春香はどうしているのか”って」
961P「Live×Aliveから事務所に来てないって言うと、春香の家に連れてけっていうんだよ」
春香「どうして、水瀬さんは出会って間もない私をあんなに激励してくれたんでしょうか...」
961P「俺はその激励を聞いてないけど、水瀬さんが言うには、アイドルになりたいのに、前に進めなくて足踏みしてる春香がほっとけなかったんだってさ。
あ、これ聞かなかったことにしといてな」
春香「...水瀬さんは私に教えてくれたんです...だから、ちゃんとありがとうを言わないと...」
961P「やよいと真美と千早にもな。あいつらもすっごい心配してたぞ。やよいなんて“激おこうっうー丸です!”とか意味分かんないこといってたし」
春香「そうですね...ちゃんとみんなに、ありがとうを言います」
春香「プロデューサーさんも、ありがとうございました。あのDVD...」クスッ
961P「あれはできれば忘れてほしいかなーって」
春香「私、ちゃんと決めました。もう目をそむけないって。
モンデンキントのみんなで、絶対トップアイドルになるんだって!」
春香「もしかしたら、またぶつかっちゃったりするかもだけど...
何があってもくじけません。自分に嘘、つきません。言いたいことはちゃんと伝えます!
それが、これからの天海春香だから!」
961P(俺は君のプロデューサーになって、自分なりに頑張ったつもりだった)
961P(でも、まだまだみたいだな)
961P(...春香がもう、ひとりで悩んだり、転んだりしないように)
961P(一緒にモンデンキントを支えていきたい。そう思う)
―――それからまた、少しの時間が過ぎて
961P「春香、お疲れ様。水瀬さんと上手くやれたか?」
春香「はいっ!もう伊織ちゃんとっても面白くて!」
春香「いまだに時々バカリボンって呼ばれるんですけど、それを照れ隠しにしているのが可愛いんです!」
961P「そうか、上手くいってそうでよかった」
961P「よし...」
961P「頑張った春香にはい、コレ」
春香「...?あっ! わぁー!これCGプロの1stライブのチケットですね!」
961P「その時間帯はオフになってるから、見てきなよ」
春香「いいんですか?ありがとうございます!」
春香 復活編 終わり
本日分は終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。また続きます。
>>198見た目はみんな2nd visual で考えてください。
美希が冒頭で「みんなミキよりおっぱい小さい」と言っているのはそのためです。
春香が上京しているところなどはゼノグラシアを引き継いでいます。
~961プロ 社長室~
秘書「社長、不審な動きをしている社員がいる模様です」
黒井「私に報告するということは... ただ事じゃないな?」
秘書「モンデンキントの仕事が一部キャンセルされていた、と961P氏からの報告です」
黒井「あいつめ、迂闊に触れまわれば我が社の恥になるというのに...」
秘書「いえ、961P氏は私にのみ報告したと... 」
秘書「この件はおそらく、外部に情報を流出させている社員が...」
黒井「そんなことは分かっている。 ...謀反か...勘だが、金と第三者の私怨が絡んでいるな」
黒井「この961プロの力を知りながら、身の程知らずの真似をするのは...」
黒井「...ガキの仕業だな」
秘書「961P氏に近い社員の警戒を強めます」
黒井「任せたぞ。私は黒幕に心当たりがある。そちらを叩こう」
秘書「社長ご自身が、ですか」
黒井「子供は躾けなければつけあがるだけだからな」クックック…
―――― 真 新生編 ――――
...ねぇ、あの人モンデンキントの人じゃない?
...ほんとだ!すごーいかっこいい!
ひかり「961プロのユニットがオーディションだなんて」
つばめ「なんだか感じ悪いわねー」
のぞみ(かっこいいなぁ~!)
ボクはいつも一人だった。
隣のおうちのお姉ちゃんはボクの憧れ。
かっこよくて、かわいくて、きらめく舞台で歌う、アイドル。
「真ちゃん、今日も応援してくれたのね。うふふ、ありがとう」
「うん!お姉ちゃんすっごくきらきらしてたよ!」
―――ボクも、お姉ちゃんみたいなアイドルになる!
そしてボクは、お姉ちゃんを追ってこの世界に飛び込んだ。
―――×××プロ、悪夢のライブ!!―――
―――たった一人が台無しにしたステージ!!―――
―――すべては一人のミスで崩壊した!?×××プロ、どうなる!?―――
「真ちゃん...私の代わりに...トップアイドルに...」
「大丈夫。真ちゃんなら出来るわ...私の夢の続きを...お願い」
それっきり、大好きだった“アイドル”のお姉ちゃんには会えなかった。
ボクはすべての時間を投げ打ってダンスレッスンやヴォーカルレッスンにとりくんだ。
オーディションの落選と通過を繰り返した。
そして、気付いた時には、誰も彼も置き去りにしていた。
頑張れば頑張るだけ、きっと他人とは分かりあえなくなっていくのだと、悟った。
こいつらは何も分かっていない。
ボク達は自分一人の才能を試す仕事をしているのだ。
―――
――
―
961P「久しぶりのオーディションだけど、コンディションはどうだ?」
真「別に。誰に言ってんの」
961P「よし。それだけ言えれば問題ないな」ハハハ
オーディションなんてこれまで何回受けたか分からない。
大げさに溜息をついたり、こちらを睨み続ける審査員の怖さを、大半の人は知らないだろう。
ボクはもう、そんな冷え切った空気には慣れてしまったけど。
審査が始まる
曲が流れている
踊らなきゃ、でも体が動かない
スポットライトが暑い 何もしなくても汗をかきそうだ
体は動かない
失敗したらどうしよう失敗したらどうなるだろう
頭に浮かぶのはLive×Aliveのステージ
無様に転んで...モンデンキントは負けて
ボクが失敗したせいだ ミスしたから終わりなんだ
ボクはお姉ちゃんみたいにならない そうやって完璧を追求してきたのに
ステージが怖い 今すぐここから逃げたい
審査員「...ハァ。帰っていいわよ」
...ねぇあの子、大丈夫かしら?クスクス
...961プロなら突っ立ってるだけで勝てるって思ってるんじゃない?
...ああいうの、気分悪いから来ないでほしいな
ほらみろ...やっぱりじゃないか...
ミスしたら...終わりなんだ...
961P「真っ!大丈夫か!?」
961P「すいません、今日は失礼します!」
ステージに立っているのはきっとお姉ちゃん
ボクが歌ってと願っても、何も発さない
お姉ちゃん...歌って...
今度はボクがステージに立っている
千早が、天海が、萩原が、歌ってといっている
でもボクは動かない。動いてほしいのに...!
動け...動けよ!
真「動けよこのポンコツっ!!」ガバッ
真「...」ゼェゼェ
真(最悪な夢だ...)
961P「真、今日はオフにするって言ったけど...」
真「プロデューサー、次のオーディションはいつ?」
961P「それはまだ決めてないけど...真は少し休んだ方が...」
真「ダメだ...ボクは立ち止まっちゃいけないんだ!」
961P「真...ちゃんと話をしよう。俺だってあんな状態の真をステージに立たせたくない」
961P「焦らなくていい。たとえ失敗したって、俺は責めない。
でもな、周りのことも自分のことも見失ってる今のままじゃ、いつか真が潰れるぞ」
真「ボクはボクだ!周りのやつらなんて関係ない!」
真「今までだって一人でやれてきたのに、周りが足を引っ張るから...」
961P「それが分かってないって言っているんだ!!」
真「...っ!?」
961P「周りが悪いだって?
真がどれだけみんなに助けてもらってると思ってるんだよ...!」
961P「千早は今、必死に真たちの帰る場所を守っている!
春香はモンデンキントを繋ごうとした代償に潰れかけている!
Live×Aliveをネタに真を貶める記事を書こうとした記者を止めたのは黒井社長だ!!」
961P「そういう支えてくれている人達がいることも知らずに、
一人でやれてるなんて今後一切口にするな!!」
真「...なんで...そんな...」
961P「大きな声だしてごめんな。
...真はしばらくレッスンにするから。見つめ直すんだ、自分と自分の『仲間』のことを」
961P「もしもし765P、こういう仕事ないかな...?」
...
961P「...分かった。じゃあ、俺の方から一度会いに行く。助かるよ」
――『誰に言ってんの?』
――『ボクに説教するな!』
――『くそっ!なんでどいつもレッスン通りに動かないんだよ...!』
――『ほっときゃそのうち来るさ』
――『ボクにかまっている暇があったら...天海はリハで声上ずってたから喉整えたら?』
――『なんで千早だけソロデビューなんだよ...!』
ボクはずっと高みを目指してきた。
自分の力でここまで上がってこられた。
――そう、思っていた。そうでありたいと願っていた。
モンデンキントに入る前のことを思い出す。ひたすらに積み重ねた日々。
そこには辛苦はあれど、楽しい思い出などひとつもない。
それから、モンデンキントに入って、たくさんのステージに立った。
ラジオやテレビに出て、ボクたちにファンレターが届いた。
それは確かに充実した毎日だった。
でも、思い上がって勘違いしたボクがそれを壊してしまった。
...ああ、なんだ。
ボクはずっと失敗し続けていたんじゃないか...
ほんと、ダメなやつ...
961P「真、明日は久々に仕事だ!」
真「プロデューサー、その...まだちょっとステージは...」ウツムキ
961P「大丈夫だ。歌ったり踊ったりはしない」
真「ごめん...なさい。 それで、どんな内容なの?」
961P「...カニと戯れる仕事だ」ハッハッハ
真「カニと戯れる...?あの、魅力的だけど、さっぱり意味が...」
961P「明日になれば分かるよ。おっと、雪歩の営業が終わるから迎えにいってくる!」ダーッシュ!
真「えっ...あっおい!!」
~765Pとの電話から数日後、とあるお店で...
961P(765P、選んだのはよりによってこの子か...適役だとは思うけど...)
961P(モンデンキントどころかわんつ→ているずもまだこの子とは共演してないしなぁ...)
961P(こっちのこと、警戒してるだろうなぁ...あんなことした会社だし)
961P(山の中に放り出して番組奪おうとするなんて...やりすぎだよ黒井社長...)ハァ…
961P(っていうかなんで765Pはこの店を指定したんだよ...)
961P(アイドルとの打ち合わせに中華料理屋って...絶対おかしいだろ!)
ドア<カランコロン♪
響「...」スタスタ
961P「我那覇さん、初めまして菊地真のプロデューサーをしています961Pです」ペコリ
響「...じぶん我那覇響。よろしくおねがいします...“961プロ”のプロデューサー...」ムスッ
961P(ああ、胃が痛くなってきた)ウゥ…
961P「ええっと、今日は来てくれてありがとう」ニコッ
響「...ウチのプロデューサーがどうしてもっていうから」ハァ
961P(765Pよ...無理やりはよくないだろ...)
961P「それで、共演のお話なんだけど...」
......
響「...自分、この番組でまた961プロと共演する日が来るとは思ってなかったぞ」ボソッ
961P「あの、ジュピターのことは本当にごめんなさい。謝ってすむ問題じゃないけどっ!
でもっ二度と961プロはあんな真似はしない!だからどうか...真のために力をかしてくれないか!」
響「...ぷっ」プルプル
響「あっはっはっは!!」ゲラゲラ
961P「へっ?」キョトン
響「ごーめーん!ちょっとからかうつもりだったのに、面白くてつい!」アッハッハ!
961P(爆笑されてる...)
響「あはは、何もしないのはちゃんと分かってるよ!それにあんな昔のこともう気にしてないから!」
(別テーブル)
???(響ちゃんが「一人じゃちょっと」っていうからついてきたら...)
???(めったに見れない響ちゃんの攻めが見れたわっ!これは滾る!)ピヘヘ
???(しかし初対面とは言え、あそこまで響ちゃんを攻めさせるあの男、ただものじゃないわね)
961P「えっとそれじゃあ...」
響「共演、頑張るからね!」
961P「ありがとう我那覇さん...」
響「自分のことは、響でいいよ!」
961P「響...真のこと、よろしく頼みます!」スマイル
響「...!!」ドキッ╱╱╱
響「べっ別に、頼まれたからやってるだけで...!」╱╱╱
(別テーブル)
???(...!?なんてことなの...初見で響ちゃんをツンして照れさせるなんて)
???(今後も目が離せないわね...961P氏...)
響「おいしいなぁ♪」モグモグ
961P(765プロのアイドルって少し変わってるのかな...)モグモグ
961P(初対面の男の前ですごい幸せそうにシュウマイを食べるアイドルって...)モグモグ
961P「...可愛いけど」ボソッ
響「えっ?なんか言ったか?」モグモグ
961P「いっいや、おいしいなって思って!」アセアセ
響「...だってさ。よかったな美奈子!」
961P「...?」
佐竹美奈子「えへへ♪たくさん食べてくださいね?」ヒョコッ
961P「ああっ!美奈子ちゃん!?」
美奈子「お久しぶりです!この間はお世話になりました」ペコリ
響「あれ、二人は知り合いなのか?」
961P「ウチのやよいの番組にゲストとして出てもらったことが...」
響「へぇ~そんなこともあるんだな」モグモグ
961P「えっ、てことはこの料理は美奈子ちゃんが?」
美奈子「はいっ!って言っても、調理師免許は持ってないので、これは商品じゃなくてお礼の範囲内です」ヒソヒソ
美奈子「お礼ですから、お代はいただいておりません♪」
961P「そんな、悪いよ。こんなにおいしいのに」
美奈子「...また961プロのみなさんと一緒にお仕事させて頂ければいいんですよっ!」ニコッ
美奈子「プロデューサーさん、おかわりいっぱいありますから!」
~収録当日...
ディレクター「よんっ、さんっ、にっ...」ドーゾ
響「はいさーい!我那覇響です!飛び出せ動物ワールド!」エヘヘッ
響「今週もどんな動物と出会えるか楽しみだぞー!」
響「それじゃあ元気に、探検開始―!」
...
響「おや~?あそこにいっぱいいるのは何かな~?」
響「あっ、あれはカニだ!カニが数えきれないくらいたくさん!」
響「そしてカニと戯れているのは...」
真「はいさーい!」
響「はいさーい!こちらは今日一緒に探検する、菊地真隊員だぞ!」
真「よろしくね!響隊員!」
響「よろしく!それじゃあさっそくカニの世界へ行ってみよー!」
~休憩中...
響「ほら真、水」スッ
真「...ありがとう、我那覇...さん」
響「さっきも言ったけど、響でいいってば」アハハ
響「自分、カニといっしょに遊ぶのは初めてだったぞ!」
響「それに、真のカニへの愛が伝わって、なんか収録も楽しかったし!」
真「...響は、みんなの気持ちが分かるんだね」
響「カニ太郎やカニ次郎やカニ子のことか?...まあ、分かるってほどじゃないけど...」エヘヘ
響「こっちがよろしくねって思って近づけば、仲間になるのは簡単だよ!」
真「...響にとっての仲間ってなにかな」
真「ボクは、よく分からないんだ」
真「自分しか見ないで、周りを見失って...気付いたら一人ぼっちになっていた」
響「...」ウーン
響「...自分もよく分かるよ、真の気持ち」
響「自分のことばっかりで、家族のことを考えないで...」
響「それで、一人ぼっちになったこともあったよ」
響「あの時は大切なことを忘れかけてたさー...」
響「アイドル始めたときも、自分は完璧だって...そう思ってたけど...」
フェアリーの二人がいなかったら今の自分はないって、今はそう思うんだ」
響「仲間ってね、一人じゃできないことを一緒に乗り越えてくれて」
響「助け合ったり、面倒かけあったりするものだと、自分は思うよ!」
響「真の仲間は、きっといつも真のことを気にしてるはずさー!」
真「気に...してる...僕のことを...?」
響「うん!」
真「そうか...取り戻せるかな...ボクは」
響「取り戻すも何も...」
真「えっ...?」
響「自分は、真の仲間だからね!」ニコッ
――それから数日後...
春香「ハァ...久々のレッスン...きつい...」ゼェゼェ
真「ほら天海、水」スッ
春香「...ありがとう、真ちゃん♪」エヘッ
真「...その、迷惑かけた。ボクも、モンデンキントが必要なんだって分かったよ」
春香「真ちゃん...」
真「...これからもよろしくな、天海」ウツムキ
春香「うんっ!よろしくね!」ニコッ
ボクは生まれ変わる。そして、報いたい。
こんなボクを支えてくれた、これまでの全てに...!!
――そしてまた少し経って...
961P「真、はいこれ」スッ
真「このチケット...CGプロの1stライブ、ですか?」
961P「見にいっておいで。きっとためになるから」
真「えっと、ありがとう...ございます」ペコリ
真 新生編 終わり
そして 真 覚醒編 に続く
本日分は終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。また続きます。
~765プロ 事務所~
765P「響、菊地さんとは上手くいったか?」
響「うん!きっと真も大切なことを思い出してくれたさー!なっ、ハム蔵」 <ジュイ!
765P「そうだったか。ありがとうな」
765P「そういえば、961Pと話してみてどうだった?」
響「思ってたより普通だったぞ!あ、でも一生懸命な感じだった!」
765P「普通で一生懸命って...まるでしまむr あ゛っ!」ビクッ
響「っ!?どうしたの?」
765P「...CGプロの全体レッスン見に来いって言われてたんだった...」ダラダラ
響「えぇー?もうライブ前なんだから早く行ってあげないと!」
765P「ごめんちょっと行ってくる!」ダーッシュ!
...
響「あ、小鳥も貴音もいるのか。おーい」
~テレビの前...
TV<高槻やよいと!水瀬伊織の!お料理さしすせそ!
TV<料理長の高槻やよいです!アシスタントの水瀬伊織よ♪
小鳥「ふふ、今日の伊織ちゃんもやよいちゃんも可愛いわね...」
TV<きょうのゲストは五十嵐響子さんでーっす!
小鳥「この子たしか...」
貴音「“お嫁さんにしたいあいどるらんきんぐ”なるものであずさとやよいに次いで3位にいた者ですね」
TV<今日は、簡単きのこ甘辛煮!
響「アイドルって、こういうお仕事が出来るのも楽しいよね~」
響「ステージバトルをしたりするよりも、こういうの方が、友好的?...だぞ!」
小鳥(・・・?)
貴音「響、私たちの今は積み重ねた勝利の上にあるのです」
貴音「たしかに争いは好まれるものではありませんが...」
小鳥(そういうことじゃない気がする...二人ともどうしたのかしら)
~CGプロ1stライブ 会場~
雪歩「あっ、真さん!」フリフリ
真「」ギョッ
真「...萩原?もしかして、天海も?」
雪歩「春香さんはいま物販に並んでます」
真「千早は?」
雪歩「千早さんはまだ来てないですね...」
真「でも、僕と萩原と天海で、この列は埋まっちゃうから、千早は...」
―――ちひろ「大変お待たせしました...
これより、シンデレラガールズプロ1stライブ“ワンダフルマジック”を開催します!」
\ワァァァァァァァァァ!!!/\Fooooooo!!/
春香「あっ雪歩ちゃん、これ雪歩ちゃんのサイr...ってあれ?」
雪歩「えへへ、もう真さんから頂いちゃいました...こんなにたくさん」
真「次からはちゃんと持ってくるんだぞ、萩原」
春香(長時間桃青橙黄に、UO4本・楓さん用の浅葱・蘭子ちゃん用の赤...)
春香(...真ちゃん、さすがだよ...)
......
―――...~♪
春香(このイントロはっ!)
雪歩(まさかここにいないっていうことは...)
真(えっウソだろ...)
ライトオン!
千早「ぼくらはーなにーをさーがしてーいるのー♪」
\ワァァァァァァァ!!!!/\千早ちゃんだぁぁぁぁ!!!!/
NG&千早「いまは、このひろーいせかーいーをー♪かえることはできなーくーても♪」
NG&千早「きっとあしあとーはーのこーるはずだから♪」
NG&千早「てをのばーしてーみよーう♪そこになにがまーっていーても♪」
NG&千早「さあ、ひかりもーとめてー♪」
卯月「紹介するね!ニュージェネレーションとのコラボ企画で、一緒に歌ってくれた千早ちゃんだよーっ!!」
千早「みなさん初めまして!如月千早ですっ!」
\Foooooooo!!/
凛「千早さんは、この曲のタイトルにもなっている、CGプロの企画『Searching』で、
一緒にコラボシングルを出させて頂きました」
千早「ここにいるみなさんは、CD聴いてくださいましたか?」
\きいたよーーーっ!!/
千早「ありがとうございます!」パァァ
千早「本当は私なんかがこのステージに立っていいのか分からなかったけど...」
千早「みなさんの暖かい応援を感じることができて本当によかったです!」
千早「これからニュージェネレーションと、モンデンキントがさらn」
未央「ちょっとちーちゃん!CGプロのライブでなにさらっと宣伝してるのさ!」
千早「...モンデンキンt」
未央「スルーなの!?」
\アハハハハハハ!!/\チハヤチャンイイゾー!!/
春香「」アゼン
雪歩「」アゼン
真「...プロデューサーはこれを見せたかったんだな」ハァ
千早「私はこれで失礼しますが...お送りするのは引き続き、CGプロだけのライブです!」
\ドッ!/
千早「次の曲は―――」
NG「もっやせっ!ゆーじょーパッションは、みっつぼっし!」☆☆★
\ウォォォォォォ!!!/\ッハイ!ッハイ!ッハイ!ッハイ!/
卯月(ようやくここにたどり着いた... 届け...!私たちのスマイル!!)
未央(しまむー、しぶりん...楽しいね、このステージ、歓声、全てが!)
凛(さあ、もっと...もっと高みへ!私たちなら、できる!)
――ミツボシ☆☆★ やっと出会えた鳴り響く歓声!!
\ワァァァァァァァ!!Foooooooo!!/
雪歩(春香さん...泣いて、る?あれ、私も...)
真(このエネルギー...すごい、会場を圧倒する力...)
春香(...これが、アイドルなんだ...)ウルウル
~終演...
春香「今日ね、ニュージェネレーションと千早さんのステージを見て、『くやしい!』って思ったの」
春香「本当なら、千早さんと一緒にあの場所に立ってたのは私たちのはずなのになぁ...!って」エヘヘ
雪歩「私も同じことを思いました。モンデンキントで、今すぐにでもファンのみんなに歌を届けられたらいいのにって」
真「...明後日のモンデンキントの復活ミニライブ、絶対、今までで一番のステージにしたい」
春香「...うん!出来るよ!」
雪歩「あんなに頑張りましたから」エヘヘ
~東豪寺プロ~
りん「ただいまー麗華!」
麗華「あら、りん。“あの社員”はどんなことを教えてくれた?」
りん「明後日にこの会場でミニライブだってさ。それもユニット復活の」イヒヒ
麗華「そ。あとでお礼をしなきゃね」
麗華「業界大手・961プロの社員もこんなものねー。金で簡単に裏切るなんて...」
麗華「あの黒井が歯ぎしりするのが目に浮かぶわ」アハハ
りん「麗華ってば、社員まで手を出すなんて、えげつないねぇ~」
りん「ってかやりすぎじゃね?」
りん「この前の菊地真のオーディションとかやばかったっしょ」
ともみ「...うん」
麗華「何も私が特別汚いってわけじゃあないわ」
ともみ「...“この世界がこういうふうにできているだけ”...ね
麗華「さあ、“負け犬”がこれ以上起き上がるのは目障りだわ」
麗華「潰しましょうか、モンデンキントを。二度と夢が見れないように」
―――― 真 覚醒編 ――――
またあの夢だ...
ステージの上のボクは電池のきれたロボット
動かない 動けない
ボクは...報いると決めたのに...
もう嫌なんだ みんなを傷つけるのは
だから...お願い
アイドルになりたい...
961P「真...本当に大丈夫なのか?」
真「うん...あれからレッスンも積んだし、それに...」
真「千早も、萩原も、天海も...待っている。
ボクが歌えるように、踊れるようになるのを」
真「だから、ボクは早く追い付きたい」
真「みんなと一緒に...ステージに立ちたいんだ」キリッ
<10番から15番の人、移動してください
961P「そうか...よし、いってらっしゃい!」
961P「でも、結果はこだわらなくていいからな。あくまで真らしくやればいいんだ」ニコッ
真「はい、いってきます!」
~ダンスオーディション控室...
真(誰だよ鞄の中身ぶちまけたの...!)
麗華「どうしたの?」
真「えっいや、大丈夫!」
りん「あっれー?この人モンデンキントじゃない?」
りん「ほら、地上波ゴールデンで派手に転んじゃったヒト」イヒヒ
真「......」
麗華「ああ、無様だったからよく覚えてるわ」クスッ
麗華「ねぇ、今日はまた転びにきたの?」
りん「うっわー麗華ったらヒドーイ☆」キャハ
真(耐えろ、ボク。こんなの昔はいくらでもあったじゃないか)
麗華「私の会社の記者さんにあなたの記事を書いてもらおうと思ったのに...」
麗華「止められっちゃったみたい!残念だわ...」
ともみ「......」
ドア<ガチャッ
木村夏樹「うっし、今日も決まってる!」
麗華「...チッ」
麗華「ま、せいぜい上手く転びなさい」ボソッ
<10番の方、どうぞー!
真「...」ガタッ
スタスタスタ...
夏樹「...頑張れよ、菊地」コソッ
真「...!」
~オーディション...
真「10番、菊地真です。よろしくお願いします」
~~~♪
よし、体は動く...
――「ああ、無様だったからよく覚えてるわ」――
余計なこと考えるな...
――「ねぇ、今日はまた転びにきたの?」――
今はダンスに集中するんだ...!
――「せいぜい上手く転びなさい」――
あ、足が、震えて...
――「...頑張れよ、菊地」――
...ボクは
――「自分は、真の仲間だからね!」――
...ボクは...!
――「...ありがとう、真ちゃん♪」――
...ボクはアイドルだ!なめんなよ!!
踊って!歌って!誰もが憧れるアイドルなんだよ!!
審査員(あら、途中から持ち返したわね...)
~舞台裏で...
夏樹「菊地、残念だったな」
真「...無様な結果さ...」ウツムキ
真「...でも、ありがとう。木村の一言が無かったら、途中でやめてた」
夏樹「...あの部屋にいたやつら、様子がおかしくなかったか?」
真「同じユニットのアイドルが同じオーディション受けてるなんてどう考えてもおかしいだろ」
夏樹「...なにかされたのか」
真「殴られたよ。言葉で」ハァ…
夏樹「許せねえな。アタシがバシッと...」ガタッ
モバP「――落ち着け、夏樹」
夏樹「...!モバPさん、聞いてたのか」
モバP「菊地さん、このことは君もプロデューサーに報告した方がいい」
真「...はい」
夏樹「...」
夏樹「...それじゃあまたな、菊地」バイバイ
真「あっあの、...いろいろありがとう、木村」
夏樹「...気にするな! 頑張れよ、“真”」ウインク
モバP「961Pさんによろしく」
モバP(菊地さん、か。如月さんに劣らない...いい目だ)
~オーディション会場外...
モバP「やはりなにかしてくるとは思ったよ...東豪寺プロ...」
麗華「あら、これはこれはCGプロのプロデューサーさん」
麗華「いかがでした?“勝者の決まっているオーディション”は...」クスッ
モバP「...ハァ。いいか、人生の先輩だからだから言うけど、
こんなことはもうやめたほうがいい」
りん「なにそれ?説得する気あるの?」イヒヒ
りん「あんたみたいなバカな大人がいるから、アイドルは偽物だらけなの!」
りん「やたら数だけいるようなプロダクションで、偉くなったつもり?」
麗華「いい加減目を覚ましなさいよ。アイドルなんて存在に、夢を見ることは無価値だって」
モバP「...フゥ」
モバP「渋谷凛、島村卯月、本田未央...」
りん「なに?どうしたの?」
モバP「小日向美穂、三村かな子、多田李衣菜、神崎蘭子、城ヶ崎美嘉、城ヶ崎莉嘉」
麗華「」ギョッ
モバP「中野有香、水本ゆかり、福山舞、椎名法子、今井加奈、持田亜里沙、奥山沙織、間中美里
緒方智絵里、五十嵐響子、柳瀬美由紀、櫻井桃華、江上椿、長富蓮実、横山千佳、関裕美
池袋晶葉、太田優、棟方愛海、藤本里奈、大原みちる、遊佐こずえ、大沼くるみ、一ノ瀬志希
前川みく、赤西瑛梨華、松原早耶、相原雪乃、宮本フレデリカ、小早川紗枝、西園寺琴歌、双葉杏
楊菲菲、桃井あずき、涼宮星花、月宮雅、兵藤レナ、道明寺歌鈴、柳清良、井村雪菜、日下部若葉
榊原里美、輿水幸子、安斎都、浅野風香、大西由里子、安部菜々、工藤忍、栗原ネネ、古賀小春
クラリス、佐久間まゆ、村松さくら、丹羽仁美、原田美世、白菊ほたる、早坂美玲、有浦柑奈」
麗華「 」ポカーン
りん「 」ポカーン
ともみ「......」
モバP「黒川千秋、松本沙里奈、桐野アヤ、高橋礼子、相川千夏、川島瑞樹、神谷奈緒、上条春菜
荒木比奈、東郷あい、水木聖來、佐々木千枝、三船美優、服部瞳子、木場真奈美、藤原肇
新田美波、水野翠、古澤頼子、橘ありす、鷺沢文香、八神マキノ、ライラ、浅利七海、ヘレン
松永涼、小室千奈美、高峯のあ、高垣楓、伊集院恵、柊志乃、北条加蓮、ケイト、瀬名詩織
綾瀬穂乃香、佐城雪美、篠原礼、和久井留美、吉岡沙紀、梅木音葉、白坂小梅、岸部彩華
氏家むつみ、西川保奈美、成宮由愛、藤居朋、塩見周子、脇山珠美、岡崎泰葉、速水奏、大石泉
松尾千鶴、森久保乃々、アナスタシア、大和亜季、結城晴、望月聖、二宮飛鳥、鷹富士茄子」
麗華「なんなのよ...!」
りん「」
ともみ「...」
モバP「高森藍子、並木芽衣子、龍崎薫、木村夏樹、松山久美子、斉藤洋子、沢田麻理菜、矢口美羽
赤城みりあ、愛野渚、真鍋いつき、大槻唯、姫川友紀、喜多見柚、上田鈴帆、海老原菜帆、及川雫
小関麗奈、衛藤美紗希、メアリー・コクラン、星輝子、片桐早苗、堀裕子、西島櫂、的場梨紗
財前時子、相場夕美、野々村そら、浜川愛結奈、若林智香、仙崎恵磨、日野茜、諸星きらり
十時愛梨、ナターリア、相馬夏美、槙原志保、向井拓海、市原仁奈、杉坂海、喜多日菜子、北川真尋
小松伊吹、三好紗南、キャシー・グラハム、難波笑美、浜口あやめ、村上巴、土屋亜子、首藤葵
冴島清美、南条光、佐藤心、イヴ・サンタクロース」
モバP「はあ、疲れた」
モバP「今のは、CGプロにいるアイドル全員」
モバP「たしかに、実力の差はある。でもな...」
モバP「みんな、間違いなく本物のシンデレラ達だ」
麗華「でも!あんた達だって、競い合って!蹴落としあって!」
麗華「この薄汚いサバイバルの中で何もかも奪われて!」
麗華「ガラスの靴でライバルの屍の上に立って気付くの...!!」
麗華「ああなんてくだらない夢をみていたのかって!!」アハハ!
モバP「俺も君も、夢を見る。何度でもアイドルの魔法にかけられようとする」
モバP「ウチのアイドルは、楽しい気持ちや優しい気持ちを届ける。
みんなをドキドキワクワクさせる魔法を操るんだ」
モバP「いつか、君もそんな魔法が使えるようになるといいね」ニコッ
麗華「――っ!」
りん「...麗華、ともみ、行こうよ...メンドクサイことになりそうだよ?」
ともみ「...そうだね」
~モンデンキント復活ミニライブ...
961P(いよいよだな...)
961P(Live×Alive以来のモンデンキントのステージ...)
961P(俺は、彼女たちと向き合えただろうか。彼女たちは、自分自身と向き合えただろうか)
961P(...信じよう。モンデンキントを。そして俺自身を)
~控室~
真「みんな、聞いてくれ...ボクは今日まで、みんなに支えられて、ここまで来れた」
真「ボクは自分勝手に周りを傷つけて、みんなの気持ちも考えないで、モンデンキントを壊してしまった...」
真「それでも、みんなは手を差し伸べてくれた」
真「千早も、天海も、萩原も、本当にありがとう」
真「だから、このステージは...」
真「ボクの全身全霊をかけてみんなに応えたい!!」
春香「...真ちゃん♪」スッ
雪歩「真さん」スッ
千早「真!」スッ
真「...みんな」
――――さあ!手を!!
真「...」スッ
春香「961プロー!ファイトー!!」
「「「「オーーッ!!!!」」」」
~リハーサル...
雪歩(あっ、真さんの足、震えて...)
雪歩(まだ、ステージに立つのが...)
真(今日ボクはファンの前に立つんだ...)
真(怖い...でも...)
真(頼む、震えるな!!)
―――「真さん、大丈夫です」
真「萩原...?」
雪歩「ミスしても、大丈夫です。私が絶対カバーします」
雪歩「歌だって、ダンスだって...もし転んでも、私の手を掴んでください」
雪歩「だから、安心してステージを...」
真「...萩原...ありがとう...」
961P「敵わないな...みんなには」ハハハ…
~ステージ袖...
961P「さ、後はみんなに任せるよ」
961P「久しぶりの再会だ。めいっぱい楽しんでおいで」ニコッ
\はいっ!/
真(聞こえる...ファンのみんなの声が...)
真(ファンのみんなは、ボクのことを嫌いになっていないだろうか...)
真(いや、きっと大丈夫...大丈夫だ)
<開演アナウンス入りました!
春香「...あれ、真ちゃん?」
真「...」ドキドキ
春香「真ちゃん、いこ?」ギュッ
雪歩「みんなで一緒に!」ギュッ
千早「さあ、行きましょう!」ギュッ
真(...!震えが、止まって...)
――大丈夫、怖くないよ
――歌おう...!
――歌おう!!いっしょに!!!
ドクンッ!
S.O.S 聞こえた やっとあなたに聞こえた――――
真 覚醒編 終わり
本日分は終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。また続きます。
CGプロのメンバーは手打ちで打ち込んだので、申し訳ないですが誤字があるかもしれません。
よかったら担当アイドルの名前を確認してみてください。
~ミニライブ前日 961プロ~
春香「プロデューサーさん!CGプロのライブ、とっても楽しかったです!
まさか千早さんが出演するなんて...私びっくりしちゃいました!」
961P「いい刺激になったなら良かったよ」
春香「あんなすごいライブを見たから、早く歌いたくてウズウズしちゃって!」メラメラ
961P「春香は明日のライブ楽しみか?」
春香「はい!久しぶりのモンデンキントのステージですから、明日は120%出せるように頑張ります!」
961P「はは、頼もしいぞ。でも、今日は早めに上がってゆっくり休めよ」
春香「プロデューサーさんはまだお仕事ですか?」
961P「いや、これから真美とやよいと飯の約束があってな」
・・・
961P「やよい、真美、クロラジお疲れ様」
真美「おつ→!ちゃーんと明日の宣伝しといたかんね!」ブイ!
やよい「プロデューサー、本当に今日のご飯いいんですか?」
961P「ああ。最近二人には頑張ってもらってるからな。そのお礼だ」
真美「んふふ、真美は美味しいのがいいな」
961P「んー、美味しいよ。きっと!」アハハ
~例の中華料理屋~
真美「...ねえ兄ちゃん、ここ裏口だよ?」
961P「アイドル連れてくるときはこっちからって言われててな」
やよい「大きなお店ですねー」ホアー
ガチャッ
961P「こんばんは...ってあれ」
横山奈緒「いやー私もわかりますわ」アハハ
貴音「ふふ、でしょう?美奈子が自転車に乗っていると...」
美奈子「ええ~!そんなぁ」トホホ
961P「四条さんに、奈緒ちゃん?」
奈緒「ん?...あら、961プロのプロデューサーさん!」
貴音「...お久しぶりです」
真美「えっ、なおなおじゃ~ん!お姫ちんも~!」ウヒョー
やよい「美奈子さんっ!?」ハワッ
美奈子「プロデューサーさん、本当にきてくれたんですね!」ワッホーイ!
961P「四条さんと奈緒ちゃんはなぜここに...」
貴音「これもまた、運命の巡りあわせですね」フフ…
奈緒「真美は元気にしとったかー?」
真美「んふ、ボチボチですなぁ~」
やよい「初めまして高槻やよいです!」ペコリ
奈緒「横山奈緒です。キミがやよいちゃんやな、ほんまカワイイわ!」
真美「よろしくね、みなりん♪」
美奈子「こちらこそ真美ちゃん!」
貴音「プロデューサー、明日はもんでんきんと復活のみにらいぶと聞きました」
961P「そうなったのも、今日まで765プロのみんなが協力してくれたおかげかな」
貴音「謙虚ですね... 彼女たちはまこと良き笑顔になりました」
961P「これからもっと輝くさ。四条さんたち以上にね」
貴音「...その日も遠くないかもしれません」ハァ
961P「えっ?」
貴音「世迷言です。お気になさらず」クスッ
奈緒「なんかお二人さんええ感じやな」ニヤニヤ
真美「ハッ!?ちょっと兄ちゃんだめだよ!」ベシッ
美奈子「あっ、プロデューサーさんおかわりどうぞ!」ズイッ
やよい「プロデューサー!口についてますよ!」フキフキ
961P「お、おう...」オロオロ
―――
――
―
~翌日 ミニライブ会場~
961P「雪歩。いい感じだったぞ、場当たり」
雪歩「ありがとうございます」エヘ
961P「んで、こんなときにする話じゃないんだけど、見てこの写真」
雪歩「...? あっ初めて雑誌に乗った時の私ですね」
雪歩「でも、どうしてこんなに色が薄いんですか?」
961P「実はこの写真撮った時にカメラが壊れててさ。で、半年かけて直して、昨日撮った写真がこれ」ピラッ
雪歩「うわぁ!綺麗ですね...なんというか質感が...」
雪歩「あれでも、この時プロデューサーいなかったはず...?」
961P「撮ったのは千早だから」ハハ…
雪歩「そういえば千早さんカメラを...」
961P「すごい綺麗にとれてるだろ?これ」
雪歩「はい...カメラって直すとこんなに変わるものなんですね」
961P「ああ。直せてよかったよ、ホントに」
<リハーサルハイリマース!
961P「さ、行って来い」ポン
雪歩「はいっ!」
~リハーサル後 楽屋~
春香「そういえば、黒井社長って今日はいらっしゃらないんですか?」
961P「んー忙しい人だからな...どうだろう」
真「あれ、萩原を見てないか?」
千早「私は途中まで一緒だったけど...あら?」
~ミニライブ会場 とある場所~
麗華「それじゃ、よろしく」
麗華「いきなり音響パーにして、ちゃぁんと台無しにしてあげてね」
謀反スタッフ「はい...」
りん「うっわー、麗華そこまでしちゃう?」イヒヒ
ともみ「......」
麗華「モンデンキント復活の舞台がお葬式会場になるなんて最高じゃない♪」
「そのやり方は効果的だが、いささかダメージが小さいな」
りん「だれっ!?」ビクッ
ともみ「...ッ!?」
黒井「私なら、ライブ中に主電源を落とさせる」
謀反スタッフ「黒井社長っ!?ひえええー!!」ダダダダ...
麗華「貴方ほどの重役が、どうしてここに?」
黒井「三流アイドルに私のハンサムな顔を知られているとは、不快だ」
りん「やばいよ...麗華ぁ...」ブルブル
ともみ「......」
黒井「さーてブスども。話がある」
麗華「...クスッ 知らなかったの?これは961プロ側からの依頼なのよ?」
麗華「モンデンキントを終わらせてくれって」
麗華「萩原雪歩に頼まれたのよ。東郷寺プロに協力するから、このくだらないユニットをつぶしてくれってね!」
りん(.........)
ともみ「...ええ」
黒井「...」
ともみ「言葉もでない?」
麗華「あなたもかわいそうな人」ハァ
黒井「...とぬかしているが、雪歩?」クックック…
魔王エンジェル「...!!??」
スタスタ……
雪歩「反吐が出ますね♪」ヒョコッ
麗華「なっ!?」
雪歩「この前のオーディションの後、私の楽屋から出ていく朝比奈さんをみたんですぅ~」
雪歩「私の書類をもっていきましたよね?今日はそれを返してもらおうかなぁって」
りん(うそっバレてた!?)
雪歩「それで社長についてきただけなんですけどぉ~ 私がどうかしましたか?」
黒井「今日のライブを邪魔するそうだが、どうしたい雪歩」ククク…
雪歩「そうですねぇ~」ニコニコ
雪歩「殺します...モンデンキントのために」ギロリ
「「「ひぃぃぃ!!!」」」ビクッ
雪歩「...な~んて♪」エヘ
黒井(迫真だった)
雪歩「これは本当に久しぶりの活動で、私たちもファンのみんなも待ち望んでいたステージなんです」
雪歩「だから水を差したいなら...」
╲ガンッ!╱
雪歩「命かけなさいよ?」
魔王エンジェル「 」ガクガク
雪歩「それじゃ、私はスタンバイしてきますね!」タッタッタ…
黒井「ああ。いってらっしゃい」
麗華「し、知ってるのよ。961プロが765プロに散々イヤガラセをしていたことを!」
麗華「そんな真っ黒なあなたが私たちに説教する気なの?」
黒井「早とちりするなブス。私は聖者になったつもりはない」
黒井「我が社に損害を与える害獣を駆除しに来たのだ」
ともみ「...年下相手に高圧的に振舞って、恥ずかしくないの?」
黒井「ブスが。挑発のつもりか?ガキでなければ弁護士が向かっていたぞ」
麗華「そう、分かったわ。961プロにはもう手をださない。これでいいわね」
りん「うぇぇ...もういこうよぉ...」オドオド
黒井「...貴様らも仮にアイドルなら、もっと“有意義”に時間を使え」
麗華「...」ギリッ
麗華「...お前が...くだらない偽物がアイドルを語るな...」
黒井「一理ある。だが961Pの育てたアイドルは本物だ」
ともみ「...アイドルなんて嘘のかたまり。何の意味もない存在よ」
りん「うぅ、分かるでしょ...?結局この世界はアンフェアな偽物が勝ち残る...」
黒井「ブスなりに考えがあることは褒めてやる。だが本気で勝ち残るならやり方が正しくないな」
黒井「妨害や工作など、結局は小さなもの」
黒井「頂点に立つには...絶対的なアイドルの力が必要なのだ」
黒井「だから765プロが支持される。その圧倒的な本物の輝きを見るために」
黒井「見誤るな。ガキの自己肯定感で頂点をとれるほど世界は甘くない」
麗華「アイドルなんて嘘の塊...偽物なのよ...そうじゃなきゃ私は...」
黒井「偽物の笑顔を浮かべるのも悪くないが...生憎、本物には通じんな」
黒井「私の駒にもかつて本物のアイドルがいたが...」
黒井「私のもとを去って行った。妨害、工作行為を嫌ってな」
黒井「奴らのために私がしたことを、奴らは『余計な真似』と言った」
黒井「そう、奴らにとっては無駄だったからだ。本物には子細工など必要ない、と」
黒井「それでも、お前たちが本物のアイドルを否定したいなら...立ちあがって見せろ、魔王エンジェル」スタスタ…
りん「 」ポカーン
麗華「...いくわよ、りん」
ともみ「.........」ハァ
~モンデンキント 楽屋~
961P「雪歩、さっきまでいなかったけど、なにか不都合があったのか?」
雪歩「いえ、大丈夫です!」
961P「そうか...?」
雪歩「それじゃあ最終チェックいってきます!」
~ミニライブ会場 ステージ袖~
961P「いよいよだな、千早」
千早「はい。やっと、またこの舞台へと戻ってくることができました」
961P「今日まで負担かけてすまなかったな」
千早「お互い様です...それに、このユニットを変えてくれたのはプロデューサーの力です」
961P「俺だけじゃないさ。千早も含めて、関わった全ての人の力だ」
961P「誰か一人でも欠けたら、ここには立てなかった。そう思う」
千早「...プロデューサー。直ったカメラは、これからどんな世界を映すでしょうか」
961P「...きっとこのステージみたいに、輝いた世界のはずだよ」ニコッ
千早「分解の鉄則その1:直すために軽くばらばらにする、でしたね」フフ…
961P「よく覚えてたな。“その2”は戻せなくなる前にばらばらの状態から復元する、だ」
千早「きっとプロデューサーはLive×Aliveから見越していたのですね」クスッ
961P「さあ、なんの話かな」シレッ
―――
――
―
あの時…
961P「...みんな、話すことがあるから、真を呼んでくるまで、ここで待っていてくれ」
・・・
961P「今日はモンデンキントらしいステージをしよう!
ちょっとぐらいかっこ悪くても、お客さんと一緒に楽しむことを優先するんだ」
961P「負けたってモンデンキントが終わるわけじゃないさ」
961P「たとえ上手くいかなくても、俺たちはまた立ちあがれるからな」
961P「だから、楽しんで!」
―――
――
―
千早「プロデューサー、私はモンデンキントを守りました」
千早「ですが、今日このステージで私のその役目も終わりです」
千早「しっかり見ていてくださいね。私が守り抜いたモンデンキントを」
千早「...そして、あなたが信頼した如月千早を」ウインク
961P「...さ、みんなが千早を待ってる」
961P「後はみんなに任せるよ」
961P「久しぶりの再会だ。めいっぱい楽しんでおいで」ニコッ
\はいっ!/
961P(そして、彼女たちはきらめくステージへ―――)
――♪
S.O.S聞こえた やっとあなたに聞こえた?
╲ワァァァァァァァァァァァァァァァァ!!Fooooooooooooooooo!!╱
春香「みんなお待たせ!」
雪歩「あなたのアイドルモンデンキントが♪」
千早「今日帰ってきました!」
真「ただいま!」
╲おかえりー!!╱
カッコかわいくね♪ 不純╱純粋どっちのキャラクター?
╲ハイッ! ハイッ! ハイッ! ハイッ! ハイッ! ハイッ! ウォォォオッ フッフー!╱
同じなのかしら♪ LOVE BEATが速度 ╲ゼンカイッ!!╱
╲フッフー!╱
気付いたコレは特別なMISSION…わかったっ♪
╲ハイッ! ハイッ! ハイッ! ハイッ! ハイッ! ハイッ! ウォォォオッ フッフー!╱
ホンキ見せちゃうよ かなえちゃうから♪
╲ハイッ!╱
空を突き抜けた世界で♪ フシギな想い 感じたよ 瞬間が好き!
╲ウォォォッ ハイ! ウォォォッ ハイ! ウォォォッ ハイ! ウォォォッ ハイ! ウォォォッ ハイ! ウォォォッ ハイ! ウォォォォォオオオッ!╱
テレッ!テレッ!テレッ!テレッ!デン!╲ッハァイ!!╱
笑顔で勝つでしょ♪ やっぱ笑顔は ╲タッダシイノー!╱
╲フッフー!╱
泣いてた小さな 私が ╲タッチッムッカッウッ!╱
なんだろドキドキ♪ ちょっと手当が ╲ヒッツヨウネー!╱
╲フッフー!╱
微熱な気分は♪ 「「「「みんなのせいかもーっ!!」」」」 ╲エスオーエーーッス!!!! Foooo!!!!╱
春香(最高のステージ!)
千早(最高の歌...!)
雪歩(最高のファン♪)
真(...最高の仲間)
――これが...モンデンキントなんだ...!――
~モンデンキント復活ライブから一週間後 765プロ~
小鳥「961プロのモンデンキント、いろんな雑誌でとり上げられていますね」
765P「ええ、底力を見せてきました」
伊織「961プロといい、CGプロといい、勢いは大したものね」
765P「追いつかれないか不安か?」ハハ…
伊織「近づいてきたら叩き潰すだけよ」フンッ
小鳥「竜宮小町もすっかりトップアイドルだもんね、伊織ちゃん」
小鳥「もう私には想像できない世界だわ...」
伊織「ま、そんな変わったことはないんだけど」
765P「俺は死にそうなレベルで忙しいけどな!」
伊織「冗談にしか聞こえないわね♪」
765P「なんせ冗談だからな」ハッハッハ
小鳥「でもプロデューサーさん、無理だけはしないように、ですよ?」
765P「竜宮はセルフマネジメントに秀でてますから、嘘のように負担は少ないんです」
伊織「そうよ。だからあんたはもっとフェアリーに注意した方がいいわ」
765P「気を抜いているつもりはない」
伊織「そ。ならいいけど...もっとやり方は変えるべきかもね」
伊織「あのままじゃ、IA大賞なんて到底無理よ」
本日分は終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。また続きます。
乙
その内961プロ、ライブパフォーマンスで巨大ロボットでも持ってきそうだ・・・
麗華「...クスッ 知らなかったの?これは961プロ側からの依頼なのよ?」
麗華「モンデンキントを終わらせてくれって」
麗華「萩原雪歩に頼まれたのよ。東豪寺プロに協力するから、このくだらないユニットをつぶしてくれってね!」
りん(.........)
ともみ「...ええ」
黒井「...」
ともみ「言葉もでない?」
麗華「あなたもかわいそうな人」ハァ
~オーディション会場外...
モバP「やはりなにかしてくるとは思ったよ...東豪寺プロ...」
麗華「あら、これはこれはCGプロのプロデューサーさん」
麗華「いかがでした?“勝者の決まっているオーディション”は...」クスッ
モバP「...ハァ。いいか、人生の先輩だから言うけど、
こんなことはもうやめたほうがいい」
りん「なにそれ?説得する気あるの?」イヒヒ
りん「あんたみたいなバカな大人がいるから、アイドルは偽物だらけなの!」
りん「やたら数だけいるようなプロダクションで、偉くなったつもり?」
麗華「いい加減目を覚ましなさいよ。アイドルなんて存在に、夢を見ることは無価値だって」
モバP「...フゥ」
モバP「渋谷凛、島村卯月、本田未央...」
りん「なに?どうしたの?」
~765プロ 事務所~
765P「響、菊地さんとは上手くいったか?」
響「うん!きっと真も大切なことを思い出してくれたさー!なっ、ハム蔵」 <ジュイ!
765P「そうだったか。ありがとうな」
765P「そういえば、961Pと話してみてどうだった?」
響「思ってたより普通だったぞ!あ、でも一生懸命な感じだった!」
765P「普通で一生懸命って...まるでしまむr あ゛っ!」ビクッ
響「っ!?どうしたの?」
765P「...CGプロの全体レッスン見に来いって言われてたんだった...」ダラダラ
響「えぇー?もうライブ前なんだから早く行ってあげないと!」
765P「ごめんちょっと行ってくる!」ダーッシュ!
...
響「あ、ピヨ子も貴音もいるのか。おーい!」
致命的な誤字の訂正ラッシュです。ご迷惑おかけしました。
>>321アイドルとロボットというとどうしても先に銀河の歌姫さんが出てきますね
~961プロ レッスンスタジオ~
961P「おはようみんな。モンデンキントも復調して、いよいよ961プロオールスターライブに向けて集中する時期になった」
961P「つまり大詰めだ。計画的に仕事を調整しつつ、人数が揃うようにレッスンを組む」
真美「ねー兄ちゃん、ライブってもうすぐっしょ?ちょっとノンビリなんじゃない?」
961P「んー、大丈夫。ライブ用の変則ユニット練習は前からしてただろ?
これから詰め込むのは細かい演出と6人のステージ練習だけだから」
961P「それに、短期でもしっかり成果が出るように特別なアドバイザーを呼んだよ」
千早「アドバイザー、ですか?」キョトン
961P「うん。大事なのは濃い時間で多くのことを吸収することだと思って!」
やよい「新しい先生...かな」
961P「いやいや、現場のプロだよ。みんなもよく知ってる」
P’s携帯<テッテッテー♪
961P「あ、来たみたい。連れてくるね」
――君を見失う...Alice...
アイドル一同「!?」
ガチャッ
「やっほー♪久しぶり!」
やよい「翔太くん!」
「チャオ☆元気にしてたかい?」
千早「伊集院さん...」
真美「おっ、ジョセフ真月!」
「天ヶ瀬冬馬だ!!」クワッ!
雪歩「ジュピター...」
961P「そう、315プロの人気アイドル。また、みんなの先輩でもあるね」
翔太「“元”だけどねー」
真「いいのか?古巣とはいえ対立会社に協力して...」
冬馬「ヘッ、黒井のおっさんに頼まれたらやってなかったが」
翔太「依頼したのはそこのお兄さんだったしねー」
北斗「それにみんなは俺と冬馬の可愛い後輩だからね☆」
雪歩「私は天ヶ瀬さんと同期です」ムスッ
千早「私もです」ツン
冬馬「まあ...あれだ、俺たちのせいで、お前らに苦労かけちまったみたいだからな...」
春香「デビューが遅れたのはジュピターのせいじゃないよ?気にしない気にしない♪」
翔太「まあまあ、兄妹ユニット同士仲良くやろうよ」アハハ
961P「はは、自己紹介はいらないね?さっそくレッスンを...」
真美「じゃあまず恋を始めるポーズから!」
北斗「こうやるのさっ!」ビシッ
やよい「すごいですー!」
真「よっと!」グルンッ
翔太「すごい一回見せただけで...!」
春香「でも真ちゃんはバク転する機会ないと思うよ...」アハハ…
雪歩「あなたがレッスン出来るんですか?」ニヤニヤ
冬馬「うるせー!...ウチはアイドル候補生だらけだから俺たちが指導することも多いんだよ」
冬馬「だから、野郎たちに教えてる間にトレーナーの域まで達しちまったぜ」ドヤァ
千早「暑苦しそうな事務所ね...」
雪歩「女性に飢えてここにきたんですか?」
冬馬「...何でこんなめんどくさい所に来ちまったんだ俺...」グヌヌ
961P「仲は良いね...みんな」アハハ…
スピーカー<アシタイッチャオウ!キミニイッチャオウ!~♪
961P(これは予想以上だな...ジュピターの熱量にあてられて、みんな動きが良くなっている)
961P(それから彼らのステージ上を意識しての細かい指導。これはジュピターにしかできないな...)
961P(961プロとの確執を飛び越えて3人は来てくれたんだ...ライブ、絶対大成功させなきゃ..!.)
~ドアの外...
黒井「社員がジュピターを目撃したと聞いたから来てみれば...」ハァ…
秘書「社長、よろしいのですか?」
黒井「フン、別に不利益になるようなことをしている訳ではない。放っておけ」
黒井「プロデュースの方針は961Pに一任している。私には関係のないことだ」スタスタ…
秘書「会われなくても...?」
黒井「...」
黒井「今は、まだだ...」
~765プロ~
高木「...どうだね。フェアリーの例のプロジェクトは...」
765P「道のりは平坦ではないです。3人とも受難が続いていますよ」
高木「君の疲労も限界まできているようだが」
765P「俺のことはどうだっていいんです。彼女たちが潰れないように、俺が見てやらなくてどうするんですか」
高木「...こんな時こそ、765プロの人材不足が恨まれるな」
765P「いえ、事務所の外にも協力者は山ほどいますから...今は最高の環境ですよ」
高木「そうか。...それで、今日呼んだのは他でもない、あの件についてだが...」
765P「黒井社長はなんと...?」
高木「問題ない、とのことだ」
765P「ほっ...安心しました」
高木「961プロ、765プロ共同開催、か...信じられんようなことだな」
765P「時代は変わっていくものです。前に社長がそうおっしゃいました」
高木「いやぁそうだった!期待しているよ、君ぃ」ハッハッハ
765P「任せてください。このアリーナライブを、新しい時代の幕開けにしてみせます」キリッ
~961スタジオ~
クロラジ ON AIR
・・・
春香「さてさて、次はライブ関連のコーナーです!」
雪歩「まずは961プロオールスターライブ開催を祝してのプレゼントキャンペーン!」
千早「5週目のプレゼント発表の前に、4週目の抽選の結果をお知らせします」
やよい「ええっと...ラジオネーム テルロウさん、ヤキニクマンさん、ゆず介さん、なずなさんの4人です!」
真「当選者の方々には、オールスターサイン入りライブTシャツが送られます。おめでとう」
真美「んじゃ、今週のプレゼントは~...」
・・・
春香「お疲れ様です!ラジオどうでしたか?」
961P「...」
やよい「プロデューサー?」
961P「...」
961P「当たった...」ボソッ
雪歩「はい?」
961P「Tシャツ...当たったよ...」アハハ…
アイドル一同「......」ポカーン
真「いや、なんで応募したんだよ...」
~東豪寺プロ~
ともみ「麗華、コレ」ポスッ
麗華「何よ」
ともみ「961プロのライブのチケット、3枚」
ともみ「この薔薇といっしょに届いてた」
麗華「そう...捨てといて」
ともみ「ううん。行くよ」
麗華「なんでよ...」
ともみ「ここにいけば、私たちが見たかったものが見れるんじゃないかな」
麗華「りんは?」
りん「...行くよ」
麗華「はぁ...仕方ないわね」
麗華「......」
――立ちあがって見せろ、魔王エンジェル
麗華「...行くわよ。アイツの思惑通りに動くのは気に入らないけどね」
――――真美のメール――――
★月●日
兄ちゃん☆デビュ→、キメてくれてあんがとNE→→→☆
コレカラ、げーのーかいは、真美とやよいっちで、ぃパーぃ♡にしちゃうトヵッ☆
メチャイケアイドルで、がんばんNE!ょろちぃくぅう~♡
(_ _*)×(*_ _)
あと、亜美もめっちゃよろこんでたZE☆
じゃね☆★☆
■月▽日
ヤッホ→→→兄(C)真美ダョ→→→!!!
ヾ(≧◇≦)人(≧◇≦)ノ
兄(C)てば、マヂでわんつ→ているずをトップァィドルにしchao→→→
って思ってンだNE☆アンガト→→→!!!
ホント、めちゃカンド→→→してッヵラ☆↑↑↑↑
つぎヵラは、レッスンも、あそびとおんなぢくらい、メチャがんばンYO!!!
兄(C)も真美とやよいっちをガン×2もりアゲてNE→☆
●月■日
真美だYO☆
兄Chan☆オーデご→かくcho→うれち→ょォ(≧▽≦)人(≧▽≦)
うれちすぎて、ど→にヵなりso→!!!!
今回、マヂふぁんだったし、とちゅ→アピれなかったときとヵ、
も→×かも\(゜▽゜;))((;゜▽゜)/
とヵ思ったヶど、さぃごまでぁきらめなくてョヵったYO!!!!
ニンゲン、ぁきらめナイがカンヂンだNEE☆☆☆
◆月▲日
真美だYO☆ミ
兄(C)、きょ→のわんつ→ているずは
cho→→cho→→cho→→cho→→イケてたヨネ!
(≧▽≦)ハ。・:*:・゜´★,。・:*:♪・゜´☆
かいじょ→のおいチャンたちのシセン、クギヅケだったYO↑↑↑↑
兄(C)のゆ→ことき→て、ガンバってきて、よヵッタ→!!!!!
も→このまま、メチャイケモードで、
IAたいしょ→とヵ、ねらっちゃウ!?
しヵも亜美とヵミキミキとヵしまむーにあったZE☆
いおりんのおでこがめッちゃまぶしヵった(≧▽≦)人(≧▽≦)
▲月●日
兄ちゃん、亜美がね...竜宮小町はモンデンキントに負けないって、言ってたョ...
真美に言われてもどうすりゃいいんだYO!|||(-_-;)|||
とにヵくやよいっちと真美はたいしょ→とりにいくかんね!
×月■日
しんぢらんナイよォ☆まぢぶもんしょ→とれるなんて(≧▽≦)
兄(C)&やよいっちとあそんで楽しかったこと思い出しながら歌ってきたヵらヵナ?
いつもたのしそ→に歌ってて、E→顔してるって、
帰りに、IAUの人にゆわれたし♡
マヂ兄(C)&やよいっちのおかげヵも☆\(^◇^\)(/^◇^)/
これヵらも、ぃっぱぃあそんで、E→思い出つくろ→NEEE☆☆☆
とりあぇずあしたはやよいっちともやしパ→てぃだFoo!!
でも×2やっぱ亜美たちはすごかったZE!
わんつ→ているずだってもっともーォっとキラキラ☆ミしたいYO!
▼月●日
うあうあうあうあ→→→→→も→→→はるるんタチ、ダメかなァ????
イマのカンジだったら、ゼッタイヤバ×1000(Tへヽ)(/へT)
メッチャしんぱィだョォ。。。
はるるんにあいたいョ☆マダがんばれるってイって→→→→!!!
兄(C)よろろろだかんNEEEEE(>_<)/★
☆月■日
真美だYO→☆★☆★
961プロみんないっしょにレッスンできてうれC!!
ジュピターきたのはおどろいたヶド!←
(/^_^)o日☆日o(^0^|)
ダンスとか、ガンバったカラ、め→っちゃツカレタんだケド、
うれしすぎて、全然ねむくなんないYO→!
それに、はるるんとゆきぴょんにメールしまくったら、
がんばろメ→ルがジャカジャカきて、返信いそがCすぎ→!
\(^_^;))((^_^;)ノ
うれC→悲鳴って、こ→ゆ→のを言うんだネ☆
でも、このうれしさ、真美が1番ほ→こくしたい人は。。。
やっぱ兄(C)ヵモ♡
(@^0^@)(@^0^@)
兄(C)、モンデンキントふっかつさせてくれて、ありがと→!!
兄(C)も、はるるんたちも、だ→いスキだょっ☆♡♡♡
◇月○日
あしたはいょいょライブだNE!
にーちゃん、ちっとマジメなはなしするYO!
会ったばかりのときにね、亜美のこと話したよね
真美が961プロに入った理由とかも
真美はさ、やっぱ亜美とチガうんだって分かってほしかったんだよね
同じとこにいたらキャラもかぶっちゃうし、そしたら真美が765プロにいてもしょーがないし!
で、頑張って961プロにはいったんだけど
でもその後、黒井しゃちょーが亜美たちをいじめ始めたって分かってさ、ほんとサイアクだった
昔はね、亜美はときどき元気ないときがあって、真美がどうしたのってきいたってなんでもないってゆうんだ
そういうときはだいたいしゃちょーにいじわるされたときでさー
亜美も前に辛かったって言ってたケド、真美だってそんときはマジどーしようもなくてさ
んで、いつまでたってもデビューできないし、もー961プロやめよっかなーって思ってた
やよいっちがいなかったらとっくにやめてたかもだけどね。。。
そんなときに竜宮小町がジュピターぶったおしてさ、それでセカイが変わったよ。
あまとうたちがいなくなっちゃったのはザンネンだったケドね↓↓
それから兄ちゃんが来て、最初はこの人も765プロにいじわるするんじゃないかって思ってた!
でもね、兄ちゃんはもう兄ちゃんって感じだからさーゼンゼンそんなことなくて、
やよいっちと一緒にデビュ→して、いろんなオシゴトして...
そしたらイイ賞もらったり、なおなおとかあずさおねーちゃんとかとオシゴトできたりもしてさ。
亜美からきいたんだけど、こんどは765プロとチョーでっかいライブしちゃうんでしょ?
(亜美にはヒミツにしといてって言われた←)
さすが兄ちゃんだよ、ホント。
亜美と一緒にステージに立てるなんてびっくりなんだよもー!
まだまだ亜美には追いつけないケド、兄ちゃんがいればすぐ追いぬけるもんね。
そろそろ眠くなってきた...
寝る(≧◇≦)
あしたは真美もゼンリョクでいくYO!
兄ちゃん、これからも真美をよろしく!大スキ♡
~961プロオールスターライブ当日 会場までの道で~
961P(ちょっと時間より早くつきそうだなぁ)テクテク
バッ!
悪ディレクター「へっへっへ、待ってたぜ961P!」
悪記者「悪いがお前さんを拉致するぜ!」ドゴッ
961P「ちょっ...!なんですかあなた達!」
悪カメラマン「アンタに恨みはねえが、961プロを潰すためだ!」
バタン!ブロロロロロ...
悪構成作家「俺たちは961プロに散々使われ、そして捨てられた関係者たちさ...
お前の身柄とひきかえに、今日のライブを中止させるのが目的だ」ヒッヒッヒ
961P「...させるかっ!」グイッ
ガチャッ!ヒュンッ!...ドシーン!
961P「痛ってえ...スーツが...」ダッダッダ…
悪記者「強引にドアを...!?増援を呼んで回りこませろ!」
悪カメラマン「向こうに逃げたぞ!」
961P「ハァ...ハァ...」ダッダッダ…
キキーッ!
悪美術デザイナー「通さねえぜ!」
悪音声担当「ヒャッハー!逃げ切れると思うなよ!」
悪照明「お前もクビになってしまえ!」
961P「なんだこの数...」
ドカッ!バキッ!ドスッ!
―――
――
―
悪’s「これだけ傷めつければもう動かねえだろう」
悪小道具「さ、早いとこ拉致っちまおうぜ」
961P「俺は...こんなところで寝てる場合じゃないんだよ!」フラフラ
悪エンジニア「まだ立つのか...?」
悪脚本家「さっさとくたばりやがれ!」ドスッ!
961P「うぐっ...」バタッ…
...ッテ......ベー......
...ッテ...ンジャエー......
悪オペレーター「おい...何か近づいてきてないか...?」
...クッテ...アッソッベー......アッソンジャエー...... ドドドドドド
...クッテネッテアッソベー!!...アナタノトナリニアナタノトナリニ!!... ドドドドドドド
...ラ♪ラ♪ラ♪ランランラン!!!! ラ♪ラ♪ラ♪ランランラン!!!! ドドドドドド
悪’s「ひぃぃ!?」
ドーーーーン!!
「ぷちどるマスター...参上」╲カッカ!╱╲ナノ!╱
961P(頭がP型で上裸ネクタイの人が...)
961P(...そこからはなんかいろいろとすごかった)
「ダブルバイセップス!!」バキッ ╲ぐわっ!╱ 「ヤー!」「めっ!」スパーンッ! ╲あべしっ!╱
「...ぽー」 ╲穴がぁぁぁ!?╱ 「だぞ!」 ╲喰われるゥゥ╱
悪ディレクター「お、おい!こいつを拉致ってさっさと逃げるぞ!」ワタワタ
ミョンミョンミョン… 「きーっ!!」 ドゴーーン!!
悪ディレクター「...車が...」ボーゼン
「ぴっ!」「ナノ!」「にーちゃっ!」「にーちゃ♪」「うぅ~」「くっ」…セッセッセッセ
961P(この子たち...手当をしてくれてるのか...)
ドドドドドドドドド… 「しじょっ」(なにかいいのこしたことは)╲ハルカッカ!ハルカッカ!ハルカッカ!ハルカッカ!…╱
悪’s「逃げるぞぉぉおおおおお!!!!」ダダダダダ…
Pヘッド「大丈夫かな?若きプロデューサー君」
961P「あなたは一体...そしてさっきのいきものは...」
Pヘッド「多くは語れないが...プロデューサーとアイドルの味方、とだけ言っておく」
Pヘッド「急いでいるのだろう?さあ、このみうらさんの手を」
「あら~」スタンバーイ
~ライブ会場前~
961P「感謝してもしつくせません...」
961P「あの...これ気持ち程度ですけど、チケットを」スッ
961P「もしよかったら今日のライブ見ていってください...アイドル達もあなたに聴いてほしいはずです」
Pヘッド「む、すまないな」
961P「本当にありがとうございました!」タッタッタ…
Pヘッド「...みうらさん、始まるまで時間があるから一度事務所に...」
Pヘッド「あれ?...おーい...」
Pヘッド「...」
Pヘッド「......」ウタイマス
ボッチーボッチーヒトリーボッチーヒトリデカラオケヒトリデイザカヤー...
本日分は終わりです。呼んでくださった方々ありがとうございました。また続きます。
真美のメールはゲームを参考にさせていただきました。
乙、と言いたいが・・・なんだこれwwwwwwwwww
>>357ぷちます!はギャグ回として、頭カラッポで受け取って頂けると…笑
~オールスターライブ会場 関係者エリア~
961P「おはようございます黒井社長」
黒井「お前...一体どうしたのだ、そのボロ雑巾のようなスーツは...」
961P「実は、、、」カクカクシカジカ
・・・
黒井「そのPヘッドはおそらくマジマのことだな」
961P「社長もご存じで?」
黒井「この界隈では名の売れた存在だ」
961P「見た目よりすごい人なんですね...」
黒井「...いいからお前は着替えろ。アイドル達が来てしまうぞ」
~リハーサル~
~♪
雪歩(あれ...?この流れ、イメージ通りじゃないな...)
真「萩原、どうした?」
雪歩「真さん、さっきのこの移動なんですけど...」
真「ああ、ここはこういう間合いで...」
・・・
雪歩「ありがとうございます。問題なくできました」エヘヘ
千早「よかったわね、雪歩」
春香「...」ニコニコ
961P「やよいが待ってるから交代してくれよー」オーイ
╲はいっ!╱
春香「さ、さんにんとも、いこ?」♪
~開場後 楽屋にて~
春香「お客さんいっぱいだって!」
やよい「うぅー、ちょっとドキドキしてきたかも...」
真「これだけ大きい箱だからね...きっと想像つかないぐらい人が...」
真美「いやーでも千早お姉ちゃんはこの余裕ですぜみなさん」ンフフ
千早「~♪」トーキヲーワータルー♪
春香「ああ、頼もしいなぁ...」
真「場数が違うからなのか...」
~別の場所では...
雪歩「あれっ、プロデューサー」
961P「...ん」ゴクゴク
961P「雪歩も水か?」
雪歩「はい...ってプロデューサーこんな所にいて大丈夫なんですか?」
961P「うん。もうやれることはやったからね」
961P「あとはスタッフさんに任せて、みんなを送り出すだけだよ」
雪歩「あれだけたくさんの設備を動かすなんて、スタッフの方々はすごいですよね」
961P「特にウチは演出の量も種類も膨大だからな。961プロのスタッフは優秀な人が多いぞ」
雪歩「たしかにHoneyHeartbeatあたりはアイドルのライブらしからぬ演出だと思います」アハハ
雪歩「演出会議のとき、私が寝ている間にあんなことになるとは思いませんでしたよ」
961P「寝ていた雪歩が悪いな」ハハ…
雪歩「プロデューサー、あの」
961P「んー?」
雪歩「これからも、たくさんのファンが待つ...楽しくてドキドキするステージに導いてくれますか?」
961P「もちろんだよ」
雪歩「優しいだけの相づちはいやですよ?」
961P「...本気だ」
雪歩「それじゃあ...この先も、私をちゃんと見ていてくれますか?......ときどき、いつも」
961P「ときどきいつも?どんな日本語だ...」
雪歩「おっ、乙女の日本語ですっ!╱╱╱╱」タッタッタ…
961P「...なんだったんだ?」
~開演直前 待機場所~
真「天海がLive×Aliveで言おうとしてたことが今分かった」
春香「えっ、急になんのこと?」
真「多分、『あの場所にコードが出てたから気をつけて』...かな」
春香「...あっ、あー!あの時かぁ」
真「この時に天海の話をちゃんと聞いておけば良かったのにな」ハァ…
春香「今それを後悔しちゃうの!?あと1分で人前だよ!?テンション上げてこうよ!!」キョドォ
真「過去のボクをぶん殴りたい。助走つけて」ズーン
<カイエンアナウンスハイリマース!
春香「...私はあの時の真ちゃんがいたから、今があるんだと思うよ?」ニコッ
真「天海...」
「さ、いこう!今までを超えて、私たちの未来を創るために」
<ただいまより、961プロオールスターライブ『Go to the NEW STAGE! 』を開催します!
╲ワァァァァァァ!!Foooooo!!╱
~ライブ序盤 ステージ袖~
<LMGスタンバイオネガイシマース!
雪歩「...千早さん」
千早「どうしたの?」
雪歩「今日のヒロインは、私です」キリッ
千早「...負けないわ」クスッ
千早(強くなったわね...雪歩)
Can you heat it up at frozen night
Like a little match girl,yeah
Kiss me and burn it up
When I look into your heat ――
楽屋では...
スタッフ「961Pさん...Pヘッドの男が渡してくれって...」
961P「えっ、なんだろう...差し入れ?」
手紙<『シツレェシエヤース、ハニートーストオマタッセャシタFoo↑』
961P「あ、ハニートーストだ。後でみんなで食べようかな」
961P「それにしても、マジマさん...ホント何者なんだ...」
~ライブ中盤 ステージ袖~
<キラメキラリっ!ずっとチュっと♪ ╲チュッチュッ!╱
春香「これだけ会場が広いと、ウルトラオレンジも圧巻ですね...」
961P「まるで山火事だよ」ハハ…
真「なあ、高槻ってあんなにパワフルだったか?」
961P「成長したのは真たちだけじゃないってことだ」ドヤァ
<うちゅうかーらーみれーばーちーきゅうもなーがれぼしー♪ ╲ウォォオッハイッ!ウォォオッハイッ!╱
冬馬「アイツ、961プロに来たときとは別人だよな...?」
翔太「あれだけ動き回って、よくペース乱さずに歌えるなぁ」アゼン
北斗「世界中のエンジェルちゃん達の中でも、やよいちゃんは特別な天使だね☆」
<ギターソロかもーん♪ ╲オレガギターソロダ!イヤオレダ!ジャアオレガ!!╱
961P(IA大賞の後から、やよいは基礎的なダンスレッスンを積み直したからな。
体力の向上はもちろん、ダンスもハイレベルにこなせるようになった)
961P(そこにやよいの持つ魅力が相まって、誰も真似できない“やよリジナル”が偶然生まれたんだ)
961P(悔しいことに、この戦略は765P〈やよいファン〉の草案が元になったんだけど...)
<フレッフレッガンバレッ!さいっこー♪ ╲ワァァァァア!!╱
~ライブ終盤 ステージ袖~
961P(よし、いよいよ次はメインのHoneyHeartbeat...会場のボルテージは最高潮)
961P(アイドルの疲労も少しずつ見えてきているけど...)
961P(ここは任せたぞ、真美、春香、真!)
真美「ねーねー兄ちゃんっ!」ピョコッ
961P「どうした真美、スタンバイしないとだめじゃないか」
真美「コレ兄ちゃんにあげるよ!」
961P「ん?手の中に何かあるのか?」カガンデ…
真美「…んっ」グイッ
――――ちゅっ
真美「いってくるねー!」パタパタ…
961P「...へ?」ポカーン
――♪
<そっらっは~♪・・・
―――...~♪
ゴー!╲カンランシャ!╱
照らす♪ ╲サンシャイン!╱
君に? ╲ワンサイン!╱
まわる ╲ユアッサイッ!╱
車はヒミツの ╲アンゴウ!╱
あとでもっかいよろしく! ╲アンコール!╱
さあスリー!╲スリー!╱ ツー!╲ツー!╱ ワン!╲ワンッ!╱ SayYeah!
何してもいっいーんだ♪そらっのうえ ウィっイーンダハウス!╲Foo!╱
~関係者席~
りん「あの子たち、なんであんなキラキラして見えるんだろう...」
ともみ「...ファンの盛り上りも、私たちと異質」
ともみ「これがきっと、“本物”だけがもつ力だと思う」
麗華「私たちが目指していたもの...見たかったもの...」
麗華「...私ももう一度、探してみようかしら...」
――――...~♪
春香「酸欠な車内!そう満月のせいじゃない♪」
春香「海にきらめくハイビーム♪まるでガラスのハイヒール!」
真美「いまなんじー!?」ンフフ ╲ンー、レージカァ!╱
真「シンデレラはベッドで寝る時間!」
春香「だけどミッツ数えてヒミツ作ろう♡ハチミツみたいHoneybeatハーニー♪」
真「シート倒したら?」╲ネエ、ユーシー!╱
真「Gimme君の!」╲エートゥージー!╱
╲キョーアンマリジカンナーイ!╱
真「ならBまでオンザビーチ!」
真美「さあスリー!」╲スリー!╱
春香「ツー?」╲ツー!╱
真「ワン!」 ╲「「「Say Ho!!」」」╱
まだ長いトゥナイト!わたしたちゲットオンザマイク!カモン!
雪歩「実際に見るとすさまじいですね...演出」
千早「火炎、スモーク、フラッシュ、レーザー...」
961P「この後は男性ダンサーの神輿担ぎだ」アハハ…
やよい「そんなのあるんですかー!?」ワクワク
――――...~♪
春香「Say Hoooooo!!」 ╲Hooooo!!╱
真「Say Ho!Ho!」 ╲Ho!Ho!╱
真美「Say Ho、Ho、Ho!!」 ╲Ho!Ho!Ho!╱
「「「Say Ho、Ho、Ho!! さわげーーー!!!!」」」
╲ヒャッホーウ!!ナンダアレハ!?ミコシダー!!ミコシガデタゾ!アハハツキヌケテンナ!!961プロサイコー!!╱
本日分はこれで終わりです。読んでくださった方々ありがとうございました。また続きます。
~客席では~
未央(変装)「なにこれ!ホントにアイドルのライブ!?」アハハ!
卯月(変装)「あっ!真ちゃんがバク転した!!」キラキラ
凛(変装)「菊地さん、カッコいいな...」ホアー
未央(変装)「しっかしファンのみんなもすっごいコールだねぇ~」
卯月(変装)「こんな一体感なかなか味わえません!」キャッキャッ
観客A(もしやあそこにいらっしゃるはニュージェネレーション!?)
観客B(落ち着け、ここで俺らが気付けば騒ぎになる。それは避けなければならん)コソコソ
観客C(ここは何も見なかったようにするんだ)コソコソ
観客A(そうだな...よし、スルーだ。ニュージェネと961プロのために)グッ
そっらっはー♪ まーさにスターリ~♪
╲ハーニー!ビーマイステディー!ハーニー!ソースィートベイビー!╱
こんな夜は止まらない!マイハニー♡ ハートビート♪
╲スリー!ツー!ワン!Hoo!╱ ╲プリーズミー!╱
そっとー♪ わーたすてがーみ~♪
╲ラブミー!ユアミーレディ!ハーニー!アイムソーレディ!╱
さよならすーるよ♪ 夢見たユー&ミー!
╲スリー!ツー!ワン!Ho、Hoo!╱ ╲プリーズプリーズミー!╱
真「Say,my honey,what you want?」――♪
「「「せなっかーにー♪に・じ・の・は・し・を...せおっってー!!」」」
╲ハーニー!ビーマイステディー!╱
「「「ゆーら~♪...ゆーら~~♪...」」」
╲ハーニー!ソースィートベイビー!╱ ╲プリーズプリーズミーナウ!╱
╲ワァァァァァァ!!ハルカーー!!マコトーー!!マミーー!!╱
~終演後 とある場所~
961P「君たちは...」
りん「ライブ見た...。その、良かった」ウツムキ
麗華「菊地真に伝えておいて。今度は正々堂々やりましょうって」
ともみ「いろいろとご迷惑おかけしました」ペコリ
961P「ああ、社長から話は聞いたよ...」
961P「もうこれ以上咎めるつもりはない」
961P「だから...」
961P「...今度は君たちの魔法を見せてね」ニコッ
麗華「...ええ。そのつもりよ」フフッ…
~楽屋では...
...次はどんなステージが待ってるんだろう
...はるるん、もう次の話?気が早いですなぁ
...えへへ、今日まで頑張れた私たちは、もっともーっと頑張れると思います!
...これからも961プロが成長し続けていけるといいな
...そうね。雪歩はどう思うのかしら?
...Zzz
...あら、お約束ね
~熱量の去った静寂のステージで...
961P「黒井社長、撤退完了です」
黒井「ウィ、よくやった」
961P「...ご協力ありがとうございました」
黒井「そういうのは全て終わってからだ」
961P「...はい」
黒井「しかし、よく春香たちをここまでひっぱりあげたな?」
黒井「たいしたものだ。貴様のことを見誤っていた」
961P「いえ、最初は俺の力なんて本当に小さなものでしたが...」
961P「...アイドル達のおかげで成長できました」
961P「向き合って、信頼関係を築いて...失敗したり助けられたりもしましたけど」アハハ…
黒井「信頼関係か...大嫌いな言葉だ」ニヤリ
黒井「...今ならハリウッドの件は見逃してやってもいいぞ」
961P「...」
961P「...いえ、俺は行きます。この先を見据えるなら、自分がもっと成長しなければ、と」
黒井「...フン。馬鹿なやつめ。勝手にしろ」ニヤッ
黒井「それから、この次アリーナライブは765プロごときに主導権を渡すんじゃないぞ」
961P「...任せてください、この961プロのプロデューサーに」
――――フェアリー スーパー・スターダム――――
時は遡ること、モンデンキント復活直後...
~とあるうどん屋...
765P「おっ、本当に旨いな」ズルズル
静香「言ったじゃないですか」ズルズル
翼「さっすが静香、利きうどんだね♪」ズルズル
可奈「私ものど飴だったらいっぱいオススメあるよ!」ヌルヌル
志保「ところでプロデューサー、そんなのんびりしていていいんですか?
今日は先輩のオーディションって言ってましたよね?」ズルズル
765P「もう一人でなんでもできるからな。あいつらは」
765P「今はお前たちが危なっかしくて目を離せん」
翼「そうそう未来ってば、この前も機材に突っ込んだもんねー」
未来「ちょっ、それはもう蒸し返さないって言ったじゃん!」
P’s携帯<テッテッテー♪
765P『音無さん、どうかしましたか?』
765P『...えっ!?』
~765プロ 事務所~
小鳥「それで、相当ショックだったみたいで...」
765P「そうでしたか...まさか響がダンスオーディション予選で落とされるなんてな...」
765P「響、どうして選ばれなかったと思う?」
響「うぅ、分かんない...全力でいったのに...」ズーン
765P「そうか...こんな時に一緒にいてやれなくてごめんな」
響「負けるの、久しぶりだったから...辛いなぁ」ズーン
765P「終わったもんはしょーがない。次のために作戦を練り直すか」ナデナデ
響「...ねぇプロデューサー、なんで自分たちってまだ戦ってるの?」ナデラレ
響「自惚れに聞こえると思うけど、もう十分有名になって、ファンだってたくさんいて...」
響「それなのになんで、まだ他人と競い合わなきゃいけないんだ?」
765P(あー、音無さんが前に言っていた、響の変化はこれか...)
765P「響の言うことも分かるぞ」
765P「ここに来るまで勝利を重ねて、地位を築いてきたな...確かにもう十分戦ってきたな」
765P「でもな、まだ俺たち頂点にはたどり着いてはいないよな?」
「あたらしいーじーぶーんをーいーつーでも~♪みせながらーせーいーちょうしーてーいくよ~♪」
765P「...ってな。歌にもある通り、ファンはもっとお前たちが頑張る姿を見たがっている」
響「歌うまいね」ニヤッ
765P「うるせー。...響もフェアリーも、いろんな所で完璧なアイドルとか稀代のエンターテイナーとか
言われてるけど、お前たちはまだまだ進化する可能性を秘めていると思うよ」
響「頑張るのがイヤな訳じゃないぞ!ただ...ファンのみんなに楽しんでもらえればいいのに、
他のアイドルを蹴落とさなきゃいけないのが...」
765P(うーん...)
765P「...いつからそんなに甘くなったんだ?
トップアイドルを目指すっていうのはそういうこともしなくちゃいけないって...」
765P「最初から分かってここまでやってきたんじゃないか。ちょっと売れたから日和っちまったのか?」
響「わかってたよ!けどっ!!」
小鳥「どうかしましたか?」ヒョコッ
響「っ...」
765P「すまん、言い過ぎたな」
響「ううん...自分こそごめん」
765P(響、だいぶ参ってるな...)
――他のアイドルを蹴落とさなきゃいけないのが...
765P(正直、アレを響に言われたのはダメージでかかったな)
765P(響も本心から言ってる訳じゃないと思うが...)
765P(響が悩む前に相談してやれなかった俺のミスだ...くそ)
亜美「にーちゃーんどったの?元気ないっぽいよー?」
765P「ん、ちょっとな」ハハ…
亜美「亜美のアタマなでるぅ?元気出るかもよ?」ヨイショッ
765P「しょうがねえな」ナデナデ
亜美「んふふ~♪」
765P「...なあ亜美、竜宮小町の人気の秘密を教えてくれよ」
亜美「えぇ~?そりゃーみんなプリチーだからに決まってるっしょ」
765P「やっぱそうだよなー」
亜美「変な兄ちゃん!」ンフフ
765P「じゃあ、律子はどうやって竜宮小町を人気にしたんだ?」
亜美「律っちゃんが、じゃなくて、亜美たちみーんなで竜宮を人気にしたんだよ?」
亜美「そんで、上に向かってったらいつのまにか人気になってたって感じ!」
亜美「上に向かいすぎて律っちゃんはハリウッド行っちゃったけどNE!」アハハ
765P(上に向かい続ける、か...)
~美希の送迎中で~
美希「ね、プロデューサー」
765P「なんだ?」
美希「ミキね、なんか飽きてきちゃったかも」
765P「ちゃんと話してごらん?」
美希「最近ずーっと同じ景色ばっかりなの。キラキラしてて、楽しいんだけどね...」
美希「でもこのままじゃ、いつまでたっても竜宮小町に追いつけないの...」
765P「......」
美希「よーするに」
美希「ミキ的には、もーっとキラキラしたいって感じかな!」
765P「...そうだな。たしかにその通りだ」
―――IA大賞なんて到底無理よ
―――もーっとキラキラしたいって感じかな!
―――上に向かってったら、いつのまにか人気になってたって感じ!
765P(フェアリーをトップアイドルにする...目的はシンプルだ)
765P(問題はその手段...)
~765プロ 事務所~
高木「プロデューサー君は一週間ほど別の場所で仕事をすることになった。
アイドルの諸君には迷惑をかけると言っていたよ」
貴音「もしや身になにかあったのですか?」
高木「なに、心配することはない!が、彼が何をしているかはまだ私の口からは言えん」
高木「何かあったらいつでも連絡をいれて構わないとのことだ」
伊織「何考えてんのかしら...」
小鳥「みんなはいつも通りよろしくね!送迎や付き添いが必要な時は、劇場のマネージャーさんが行くから安心してね」
~一週間後、夜...
765P「...例のプロジェクト、大筋は出来ました」
高木「たった一週間で、か。...君の信頼の厚さが成しえる技だね」
765P「いえ、今回は高木社長のおかげです」
765P「突然のことにも関わらず、“765プロならば”、と多くの企業様が協力してくださりました」
高木「876プロ、CGプロは呼んでも、961プロは呼ばないのかね?」
765P「961プロとは別のまた大きなプロジェクトを進めるつもりです」
高木「うむ...それはまた次の機会に訊こう」
小鳥「プロデューサーさん、このプロジェクトを実行するには、フェアリーの負担が大きすぎるんじゃ...」
765P「承知の上です。これはフェアリーにプレッシャーをかけて、彼女たちの才能を磨きあげるためのもの。
美希たちはアイドルとしては一流ですが、竜宮やジュピターの域にはまだ届きませんから」
高木「99パーセントの努力のための、1パーセントの閃きを与える...ということだな...」
高木「君が行こうとしているのは修羅の道だ。そうと分かった上での決断だね?」
765P「彼女たちが輝くためなら、鬼でも悪魔にでもなります」
高木「そうか...ならば私は見守るのみ」
小鳥(今までプロデューサーさんの方針が間違ったことはほとんどなかったけど...
今回ばかりは、少し急いているんじゃないかしら...)
~フェアリー、ミーティング中~
「「「フェアリー・パワーレインボー?」」」
765P「それが企画名だ。全7公演、日本中でライブをする」
貴音「虹の色数と同じ...魅力的ですね」
美希「これを考えてたからずっといなかったんだね、プロデューサー」ワクワク
765P「そうだ。計画の概要は目を通してもらった通り」
765P「ツアーに先駆けて、全7曲のミニアルバムを売り出す。
その新曲を各公演で一曲ずつ披露する」
響「いっきに7曲かー。大変そうだな!」
貴音「少し、成すべきことが多いのでは?」
765P「...いいか、このツアーはただライブして回るだけじゃない。
フェアリーが日本最高のアイドル、そしてステージメーカーだと知らしめる大局になっている」
765P「強引に新しい地平を切り開こうとしているんだが...不安か?」
貴音「...いえ、私はプロデューサーについていくと決めております」
響「自分も!」
765P「ありがとう。...それで、これがツアーのカナメなんだけど...」
765P「このツアーは、大勢のアイドルと関わることになる」
美希「...?どういうこと?」キョトン
765P「こういう感じだ」カキカキ
1st 仙台 シンデレラガールズプロ より
2nd 十勝 亜美
3rd 名古屋 ディアリースターズ
4th 広島 あずささん
5th 福岡 伊織
6th 大阪 ニュージェネレーション
7th 東京 765プロシアターメンバー より
美希「プロデューサー、これって...」
765P「おどろいたか?」
響「ムチャだ...」
貴音「7回全て同じものはない、ということですね」
765P「そう。どれだけ厳しいツアーになるか分かったな?」
765P「全てを終えた時...フェアリーはアイドルの枠を超えているかもしれない」
本日分は終わりです。読んでくださった方々ありがとうございました。また続きます。
が、あと1~2回の投稿で完結しそうです。
最後までどうかお付き合いください(_ _)
このスレの前ってありますか?
このスレが書き始め?
765P&961Pで検索しても此処しか出ない…
始まりで言っている雪歩のミスとかが見つからない…
美希「ゲストでみんなを呼ぶんだね!」
765P「そうだ。ゲストがステージに立つのは4~5曲。うち、お前たちと一緒に2曲ほど歌う」
響「...露骨なライバル潰しに見えるじゃないか...そんなの」
765P「たしかに、765のメンバー以外はIA大賞に近いアイドル達を選んだ」
765P(...本当はもっと多くの事務所に声をかけたんだが)
765P「実力差を見せつけにきてると思われても仕方ない部分もある」
765P「が、乗って来たのは向こうだからな」
響「んー、向こうも覚悟の上でってこと?」
貴音「自信がある、ということですね...」
765P「ま、きな臭い話は置いといて、実際は一緒に盛り上げようぜってのが狙いさ」
765P「来週は早速ツアーのテーマ曲“ POWER RAINBOW”の収録だ」
美希「どーんと来いなの!」
響(自分、最後までついていけるか不安だぞ)
貴音(試練の時ですね...)
765P(イベントやテレビの仕事を減らして、ツアーのレッスンが本格的に始まった)
765P(レッスンは2パターン。CGプロのメンバーと合同のものと、フェアリー単独のもの)
765P(後者は、今までと明らかに質が変わった)
~レッスンスタジオ~
765P「ツアーの期間、フェアリーを指導してくれる青木麗さんだ」
765P「ちなみにマスタートレーナーの資格を持っている」
麗「うむ、よろしく」
美希「ますたーとれーなー?」
麗「肩書など気にする必要はないよ」
響(あの人、前に雑誌で見たことがあるなぁ)
貴音(私もです...世界中飛び回っておられる方だとか...)
765P「後はよろしくお願いします」
麗「ああ。任せてくれ」
―――グッドラックトゥユー! ~~♪ ビシッ
美希「どうかな?」チラッ
麗「...君たちはアイドル離れしているな...大変よかったよ」
美希「ミキ、変じゃなかった?」
麗「はは、変なところなど見つからん」
麗「だがここまで完成しているからこそ、次に進むのが難しくなる」
響「どういうこと?」
麗「ダンスも歌も上手いアイドルは掃いて捨てるほどいるさ」
麗「その中でも君たちは飛びぬけているが...それはいい」
麗「世界のトップレベルに共通しているのは、簡単にいうと高い表現力だ」
麗「今日からはそのスキルを磨いていくことにする」
・・・
響(これは...キツい...)ゼェゼェ
貴音「...申し訳ございません、歌詞がとんでしまいました」ハァハァ
麗「意識が持ってかれている証拠だ」
美希「...~♪」
麗「星井、そこはニュアンス的にこう歌った方がいいな」
麗「~~―――♪」
美希「~~...―♪」
麗「練習しておけ」
美希「そんな難しいことできないの...」
麗「やってから言うんだ」
~レッスン後~
美希「...」グッタリ
響「...」グッタリ
貴音「うたおうおどろうまえをむいてわらおう...」ブツブツ
765P「どうでしたか、最初のレッスンは」
麗「みな優秀だ...そして、君が私を呼んだ理由が分かった」
765P「...今のままでは完成止まりなんです。俺はどうしてもその先へ連れて行きたい」
麗「彼女たちにとっては厳しい日々になるな」
麗「実力の底上げとトンデモ日程なツアーを同時にやるなんて、君は鬼だ」
麗「世間一般がアイドルに期待するレベルを遥かに越えようとしているぞ」
765P「...俺は彼女たちを信頼しています。きっと乗り越えてくれる」
~フェアリーミーティング中~
765P「頭からは、オーバーマスター、edeN、エージェントでいこう」
美希「うん...」
響「大丈夫、だと思う」
貴音「...」
765P「どうした?」
美希「...レッスンいっぱいで、疲れたの」アフゥ
響「昨日も遅くまで歌詞の確認してたし...」
貴音「演出も多いので...身につけるのが...」
765P「...珍しいな。デビュー前みたいだ」
響「その比じゃないよ...」
765P「そうか。...今日はこれで解散にする。ゆっくり休め」
765P(フェアリーをここまで削って...俺のやり方は本当に...)
765P(いや問題ない。ここで手を抜いたら、先には進めん)
~ツアー1st 仙台~
765P「ツアーの明暗を分ける初日だ。今日まで積み重ねてきたことをぶつけてこい」
美希「楽しみなの!」
響「...よしっ」
貴音「準備にはぬかりありません」
765P(前とは表情が変わったな。まだ些細な変化だが)
_____∧ ____ Over Master...
∨
╲ワァァァァァァァァ!!╱
_____∧ ____ Over Master...
∨
╲ワァァァァァァァァ!!╱
モバP「んじゃ、いってらっしゃいみんな。何度も言ってるが、フェアリーに気後れするなよ」
幸子「大丈夫ですよ!フェアリーのみなさんほどじゃないとはいえ、ボク達もカワイイですからね!」
藍子「幸子ちゃんが謙虚だ...」アワワ
加蓮「ま、レッスンであれだけのレベルを見せ続けられたら、ちょっとは遠慮するよね」
美穂「わ、私ちょっと緊張が...」ガタガタ
神谷奈緒「大丈夫だ美穂。みんながいるぞ!」
きらり「がんばってくるにぃ☆」ニョワー
まゆ「ちゃんと見ていてくださいね、Pさん」
モバP「...魔法をかけておいで。シンデレラ」
~ライブ終盤~
╲ワァァァァ!!ヒビキー!タカネーサーン!ミキチャーン!╱
響「次は仙台公演だけのステージ!」
貴音「ここにいるみなさまに届けるための曲です」
美希「みんなっ、盛り上ってね!」 ╲オォーー!!╱
「「「rerations...」」」
765P(レッスンの段階ではこのrelationsがかなり厄介だった)
765P(しかしさすがフェアリーだ。短期間でもしっかりモノにしてる)
765P(このあとは...CGプロと一緒のPOWER RAINBOWのあと、アンコールでヴァンパイアガール)
765P(よくやった、3人とも)
~ライブ終盤~
╲ワァァァァ!!ヒビキー!タカネーサーン!ミキチャーン!╱
響「次は仙台公演だけのステージ!」
貴音「ここにいるみなさまに届けるための曲です」
美希「みんなっ、盛り上ってね!」 ╲オォーー!!╱
「「「relations...」」」
~終演後 とある場所で~
モバP「やはりステージ上のフェアリーは別格だったな」
765P「だろう」ドヤァ
モバP「ウチのみんなにはいい機会だった。...ニュージェネもよろしく頼むよ」
765P「こちらこそ、だ」
モバP「...一つ訊いていいか?フェアリーの雰囲気が若干変わった気がする」
モバP「チープな言い方だけど、空気が違うというか...」
765P「驚くのはこれからだぞ。大阪にはまた進化したフェアリーが行く」
モバP「...楽しみにしてる。が、卯月たちも、フェアリーに食らいつきにいくはずさ」
~後日 レッスンスタジオ~
麗「滑り出しは順調みたいだな」
美希「relaitions、イイ感じだったの!」
麗「そうか。次は...“arcadia”だな」
麗「こちらも表現力の重要な難曲だ。...他にもゲストとのコラボもある」
響「...ホントに、違うライブを7回やるみたいだぞ」ボソッ
貴音(...)
~フェアリーミーティング中~
765P「次のゲストは亜美だな。なんども共演してるから、少しは余裕ができそうか?」
美希「そんなことないかな...亜美だから余計油断できないの!」
貴音「亜美は私たちより先の世界にいます...気を抜けばフェアリーのライブを塗り替えられかねませんね」
響(この先もずっと緊張した毎日が続くのか...)
765P「...よし。じゃあ“arcadia”の演出会議を始めよう」
~765プロ 事務所~
亜美「ミキミキたち、どんな感じ?」
765P「順調、なのかな。一応」
伊織「なにそれ。頼りないわね」
765P「こっちだって手探りさ」
あずさ「...プロデューサーさん、響ちゃんと貴音ちゃん、この頃元気がないですよね?」
765P「俺が追いつめているせいです...」
765P「...あいつらに相談されたら、どうか良くしてやってください」
あずさ「ええ、もちろんです」
伊織「ま、美希たちがトップアイドルになるための試練よ。少しぐらいスパルタでもしょうがないわ」
765P(少しどころじゃないんだよなぁ...)
亜美「ではでは、どのくらいのものか、亜美が一足お先に見てくるとしますか!」
伊織「あんまりおちょくるんじゃないわよ。あの3人も真剣なんだから」ハァ…
亜美「...亜美だって同じステージに立つからには、マジになっちゃうYO!」キリッ
伊織「それでいいのよ。フェアリーのファンに竜宮小町の格をみせつけてやりなさい♪」
~合同レッスン~
亜美「きみへーと、とーどきたーい♪はーだーしーのまーまーで~♪」
美希「ねえねえ、ミキ達どうかな?」
亜美「えっとなんかねー前よりもすごいバシバシ伝わってくるよ!」
美希「えへへー♪」
貴音「レッスンの成果が出ているのでしょう...」
亜美「いっつも修行みたいなレッスンしてるんでしょー?だからかなぁ」
貴音「修行ですか...言い得て妙、ですね」
亜美「フェアリーもこんだけすごいと、亜美もライブまではりきっちゃうよ~?」
響「望む所だぞ!よろしくな、亜美」
~美希の送迎中で~
765P「どうだ美希、ツアーが始まって新しい景色は見れたか?」
美希「うん!」
765P「...そりゃよかった。レッスンはついていけてるか?」
美希「...レッスンはちょっと大変だけどー」
美希「なんとなくファンのみんなの、ミキを見る目が前より変わったような気がするの」
美希「それが嬉しくて、次のライブも頑張れるよ!」
765P「美希が頑張ってるおかげで、貴音も響も折れずについていけてる。ありがとな」
美希「あの二人がいるからミキだってキラキラできるの!あと6回、なんとしてもやり通すよ!」メラメラ
765P(美希...今だけは、精神的な支柱を担ってくれ)
~ツアー2nd 十勝~
亜美「いやー北海道はでっかいどー!」ヤッホー
貴音「野外ステージは気持ちがいいですね」
765P「男性顔負けのパワーがあるフェアリーだから出来るとっておきの作戦だ」
響「なんとなくIDOL JAMを思い出すなぁ」キョロキョロ
ガヤガヤ…ワイワイ…
765P「さ、お客さんもいっぱいだ!今日は1stより成長したフェアリーを見せてくれ」ポンッ
美希「いってくるの!」
響「よしっ!盛り上げるぞ...」
貴音「...この瞬間だけは、何にも変えられませんね...」
_____∧ ____ Over Master...
∨
╲ワァァァァァァァァ!!╱
本日分は終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。また続きます。
>>400
読んでくださってありがとうございます。
このスレが書き始めです。
真が言う“雪歩のミス”は描写してませんが、デビュー番組のリハーサル中に『あったもの』として補完して頂けると助かります。
1レス目はゼノグラシアから春香と雪歩と真を逆輸入している、ということが伝わってほしかったので、
ストーリーが分かりにくいあのような場面になりました...
この物語は2レス目から始まってると受け取って頂いても問題ないはず、です。。。
~亜美の出番前 待機場所~
765P「亜美、少し前にモンデンキントと共演した時にさ...」
亜美「うん?」
765P「あの“日高舞”がたまたま竜宮のステージを見ててな...」
―――
――
―
舞「彼女たち、まだホントの底力はみせていないわね」
765P「ハッタリには騙されませんよ」
舞「ハッタリじゃないわ。 ま、私も全盛期は出し惜しみとかやったけどね。テクニックのひとつよ」
765P「伊織たちは手を抜くような子ではない」
舞「手を抜く? あはは、そうじゃないのよ。ただ何かしらで99%でやってるように私には見えるの」
765P「うーん...あなた以外、誰も分からないと思いますが...」
―――
――
―
亜美「いっつもゼンリョクでやってるYO!」
765P「プロだもんな。やっぱり舞さんが俺をからかっただけか」
亜美「かもね→!」
765P「亜美が意識的に抑えてる訳じゃないなら、全力を見せてくれって言っても仕方ないな」
亜美(なんかイヤな言い方だなぁ)
亜美「...いつもと違う亜美なら見せられるよ?」
765P「竜宮とは違うソロの亜美ってことだろ?」
<MCアケタラ、ユウオウマイシンイキマース!
亜美「ううん...だーれも知らない、亜美を」ニコッ
765P「亜美...?」
亜美「行ってくるねー!」タタタ…
・・・
~スースメー♪マヨーワズーニスースメー♪
765P「なあ美希、いつも通りの亜美だよな?」
美希「うん、いつも通りなの」
765P「だよなー」
美希「んー?」キョトン
<レイメイスターラインハイリマース!
美希「スタンバイしてこなきゃなの!」
765P「おう、いってらっしゃい」
╲ワァァァァ!アミチャーン!!╱
亜美(...黎明スターライン)
亜美(よしっ...)キリッ
~~~~~♪
Preparing for launch.
The first and second liquid fuel systems are ready.
T minus ten seconds.
Sound suppression water system activated.
Main engine ignition.
Three... two... one...
SRB ignition.
Lift off!
亜美(にーちゃんねーちゃん、亜美のパワフルなステージを見ててね♪)
―――
――
―
―――ふわり 静寂をつらぬき・・・
亜美ファンA(亜美ちゃん、さっきまでと雰囲気が変わった?)
亜美ファンB(曲の性質の影響かな...)
亜美ファンC(亜美ちゃんの 法則が 乱れる!)
―――最高? 感動?
貴音「普段の亜美とは、かけ離れていますね」
響「演出も照明も、亜美の意思に沿って動いているように見えるさー...」アゼン
美希「なんだか実に亜美らしくないの!!」
美希「...でも」チラッ
美希「目が離せないの...かっこいい」ハァ…
765P(フェアリーより何かが秀でている、という訳じゃない...)
765P(止まる動作、目線、間、息継ぎ...一連の動きが空気感を創っている。ただそれだけなのか)
765P(いつものあどけないアピールは一切せずに...
COOL...いや、サイバーな雰囲気に近いものだ。765プロの誰にも真似できない)
765P(これが、誰も知らない亜美...)
――とびこめっ ここまでぇ!!
╲╲ワァァァァァァァァァァァ!!╱╱
・・・
亜美「ただいま~兄ちゃん!」フラフラ…
765P「おかえり。よく頑張ったな」
亜美「まあね~!」ギュッ
765P「おっと...」キャッチ
765P「最後は度肝を抜かれたよ」
亜美「んふ、“明鏡も亜美を照らさず”ってね!」
765P「お、珍しく使い方があってるぞ」
~終演後 撤退中のステージ~
765P「美希、まだいたのか?」
美希「プロデューサー...」
765P「もうすぐ撤退も終わるから、楽屋の方に戻っても大丈夫だぞ?」
美希「...今日、ミキ達キラキラしてたかな?」
765P「してたさ。眩しすぎるぐらいにな。arcadiaもコラボのshiny smileも大盛況だった」
美希「ふーん...そっかぁ」
765P「どうしたんだ?」
美希「なんでもないよー」
美希「ただ、もーちょっとミキはキラキラできるようにがんばろーと思う!」アハッ
765P「...その勢いだ、美希。お前たちに限界はない」
~後日 レッスンスタジオ~
<サーバキーヲーハジーメヨウー♪アナタシカーイラナイカラー♪…
響「...」ゼェゼェ…
貴音「......」
美希「難しい曲なの...」
麗「君たちも気付かないうちに、フェアリーは少しずつ進化している」
麗「昨日より今日、1stライブより2ndライブ、といった具合に」
響「そうなのかな...」
麗「君たちはお互い常に共にいるから変化には気づきにくいだろうが...私には分かるぞ」
麗「自分を変えるには積み重ねが重要ということだ。...次の曲、ミニアルバム3曲目のinfernoに移ろう」
<サーメターアスファールトー...ヒートナーミカーイテー♪
麗「四条、モーションが2人より遅れてるぞ!」
麗「次の歌詞を考えたな?集中が途切れて動きがぎこちなくなっていた」
貴音「...はいっ」
麗「我那覇、声が棒だ。音を追え」
響「あう...」
麗「星井、声のトーンが強すぎる。ここはもう少し抑えていけ」
美希「はいなの!」
「「「すべてー燃えて灰になれー♪」」」
麗「四条、入りのアプローチで音程が崩れるのを誤魔化すな」
貴音「...はいっ!」
~765プロ 事務所~
<ガチャッ
貴音「ただいま帰りました」
小鳥「あら、お疲れさま貴音ちゃん」
貴音「あの...プロデューサーはいらっしゃいますか」
小鳥「今は打ち合わせで名古屋までいっちゃってるわね」
貴音「...そうですか」
小鳥「大丈夫?何かあったなら私から連絡をするわ」
貴音「いえ、問題ありません」ニコッ
小鳥「そう...?」
小鳥(一応、プロデューサーさんに伝えておこうかしら)
~合同レッスン~
愛「おはようございまーす!!おひさしぶりです!」
美希「やっほー、愛。いらっしゃいなの」
絵理「よろしくお願いします」ペコリ
響「よろしくなー!3人とも!」
貴音「ツアー3rdを共に成功させるべく、頑張りましょう」フフ…
・・・
<ブランニュータッチハージメヨー♪セイハーロー♪
貴音「まことすばらしいですね。初めて会ったときとは別人のようです」
美希「涼ちゃん、すっかりかっこよくなったねー」
涼「ありがとうございます」キリッ
レッスン終了後...
響「3人とも、今日はありがとうな。2人は仕事で早抜けしちゃったけど、その分もお礼言っとく」
絵理「こちらこそ...ありがとう?」
愛「...あのっ」
響「へ?」
愛「ご...ごめんなさい!先にあやまっておきますね!!あたしたち...ステージでは負けるつもりありませんから!」
響「えっと...ツアーは対決したりするわけじゃ...」
絵理「星井さんたちと一緒にライブをするなら...ダメなんです」
響「ダメって何が...?」
絵理「勝つ気でいかないとダメなんです。私たちがただの引き立て役になっちゃう」
涼「それに舞台はIAUも注目しているツアー。ディアリースターズがフェアリーよりも良いステージをできれば、僕たちはIA大賞に近づける...」
響「そんな...対抗意識なんて持たないで一緒に楽しいライブを創ろうよ!」
愛「もちろんです!...みんな仲良く!それも大事です!」ニコッ
涼「だけど、初日のCGプロ、2ndの亜美さんとは僕たちは別物です。実力差が大きくあるのでもなく、身内のアイドルでもない」
絵理「ファンのみなさんは、きっと私たちとフェアリーを...比べる」
愛「正直、フェアリーはすごいユニットだと思いますけど」
愛「でもっ!」
――あたしたちはフェアリーを超えていきたい
――この3人でアイドルの頂点に立ちたい
――そして、もう一段強く...
~フェアリー単独レッスン~
響(...なんか自分おかしいのかな...いつもなら“負けないさー”なんて言ってたのに...)
響(勝負が怖い...?そんなことは...)
美希「...元気ないね?」
響「はっ!?なんくるないよ!」ビクッ
美希「そう?」
・・・
貴音「~...♪」
麗「もう少しピッチを上げた方がいいな。本番は疲労で下がってくるだろう」
貴音「...」コクリ
美希「かれたーはーなーは~♪」
麗「フレーズの終わりに説得力が無い。音の消える瞬間まで意識をそらすな」
美希「...ここ、ミキの声に合ってないって思うな」
麗「?...四条、歌ってみてくれ」
貴音「枯れた...花は~♪」
麗「うむ、確かに四条の方が適任だな」
貴音「分かりました」
麗「よしっ、もう一度2番から通すぞ」
・・・
麗「今日はこれまでだ。各自、課題を消化しておくように」
╲ハイッ!╱
響「貴音...ちょっと顔色悪いけど大丈夫か?」
貴音「問題ありませんよ...空腹のせいでしょうか」フフ…
響「...?無理はしないようにな...」
貴音「はい。 ...響もですよ」
~765プロ 事務所~
貴音「...プロデューサー、珍しいことですね」
765P「最近はずっと忙しかったからな...事務所にもなかなか帰れなくて」
貴音「多忙の身は存じております。わたくしたちのためを思ってのことですから」
765P「お前たちも見てやりたいんだが...シアター組も人数が多いからな...」
貴音「はい...」
765P「...貴音、俺に話したいことがあるんじゃないか?」
貴音「...」
765P「言ってごらん」
貴音「...」
765P「困ったときは相談だ」ニコッ
貴音「わたくし...私、もう頑張れません...」
765P「...ん。お前は隠そうとするからな...いいんだぞ、俺を頼れ」
貴音「うぅ...」ギュッ…
765P「おう。背中なんていくらでも貸してやる」
貴音「...ダメですね、わたくし...」ギュウ
765P「ダメじゃないさ」
貴音「...あうぅ...グスッ...」
765P「765プロはみんな貴音の仲間だ。一人で抱えるな」
―――
――
―
・・・
貴音「...」ギュゥゥ
765P「貴音?そろそろ離してくれないか...?」
貴音「...」スッ…
貴音「...ありがとうございました。また新たな気持ちで臨めそうです」
765P「自分に負担かけすぎるんじゃないぞ」
「泣きたいときにはー♪涙流してストレスためなーい~♪ ...って」
貴音「個性的な歌声ですね」クスッ
765P「うるせー」
応接スペースのソファ...
美希(...ホント怖がりなの)
美希(......貴音...)
~ツアー3rd前日 名古屋~
765P「はーついたついた」
響「愛たちは?」
765P「名古屋ローカルの生放送だと」
貴音「合流は明日、ということですね」
765P「そうだ。さ、こっからホテルまで移動するぞ」
~夜 ホテル プロデューサーの部屋~
<たのもー!
765P「ん、貴音か」ガチャ
貴音「プロデューサー、資料を受け取りに参りました」
765P「悪いな、さっき渡しそびれちまって」
貴音「いえ...おや?」
TV<ギャオオオオン!!
貴音「涼たちですか...」
765P「ああ、しかもモンデンキントと共演してるみたいだぞ」アハハ…
―――
春香『モンデンキントのイケメンブラボーこと真ちゃんと』
愛『ディアリースターズの二枚目、涼さんを!』
雪歩『どっちがより可愛く改造できるか勝負です!』
千早『真のいる私たちの圧勝じゃないかしら』
絵理『いえ、涼さんの潜在能力をナメてもらってはこまります』
真&涼(不服だ...)
―――
~フェアリーの部屋~
響「美希、入れてー」コンコン
美希「おかえりなのー」ガチャ
響「ただいま...って」
美希「...?」アセダク
響「美希、なんでそんな汗をかいてるんだ?」
美希「あはっ、丁度おどってた所だったの!...暑いの!」
響(...床に汗で水たまりができてる)
響「踊ってたって...なんでさ」
美希「DREAMのフリがちょっと気になったんだー」
美希「それでね、みてみて!」
トンッ…バッ…ピタッ、グルッ…キリッ!
美希「どうかな?」
響「...前から良い動きだったけど、それだけじゃなくなってる」
美希「どーすればトレーナーみたいな表現ができるのかなーって思ってミキなりにやってみたの」
響「毎日こんな汗かくまで練習してるのか?」
美希「んー、始めたのはつい最近だよ」
美希「ミキがもっと上手くなれば、フェアリーもキラキラマシマシだって思うな!」
響「...かなわないなぁ...」
美希「そうかな?」
響「へ?」
美希「ミキたちってさ、フェアリーの中でどっちがすごいとか比べあったことないから、意外と響の方がすごかったりするかもよ?」
響「比べる必要なんてないよ!だって自分たち...」
美希「仲間だから?...それは違うって思う」
響「...うぅ」
美希「仲間だけど、やっぱり響も貴音も、美希のライバルなの」
響「...」
美希「...あはっ。そんな顔しないで響」
響「なにさ」
美希「ミキもね、オーディションで961プロに負けて、いっときテンションがた落ちでやる気なかったんだ」
美希「プロデューサーに八つ当たりもして、“もっとミキをキラキラさせてよ!”ってカンジだったけど...」
美希「キラキラできるようにミキが頑張らなきゃ、やっぱりダメなの」
響「ずっとがんばってたじゃないか...」
美希「ぶっぶー!他のヒトより頑張らなきゃ、また前みたいに負けちゃうの!」
美希「ミキ、負けるのは、ヤ。響もでしょ?」
響「...うん」
美希「自分に勝つだけじゃ、つまんないもんね♪」アハッ☆
響「自分はどうしたかったんだろう...」
美希「...はぁ...シャワー浴びてくるの!」ガタッ
響「えっ、ちょっ」
美希「響、ミキもやれることをやるの!だから響も頑張ってね!」ガチャ
響「...!」
<バタン
美希「...不安にならなくていいんだよ、響...」ボソッ
バスルーム<どこかへおでかけ~♪
響(負けない...か)
響「...すすめー...負けないー...ここからーはじーまーるー♪」
クルッ…ピタッ…バシッ!
響「――今、始まるIt`s Brand New Day♪」
~3rdライブ当日 リハーサル~
<アオイソラ アナタトデアイ アイシテル キモチヲシッテ♪
響「...」ボケーッ
765P「どうした?」
響「貴音も美希もしっかりしてるなーって」
765P「響だってすごいじゃないか。このツアーでみるみる成長してる」
響「あはは、そうなのかな...」
765P「ああ。だから自信をもて」
響「自信?」
765P「そう。なんせお前は完璧だからな」
響「オーディション予選で負けてても?」
765P「はは...まだ引きずってたのか。いいか、負けることは誰にだってある。
負けたことに言い訳しないで次に進めれば、それでいいんだよ」
765P「お前は強い。どんなアイドルだって敵わない素質を持っている!
臆するな。迷わず、その実力を見せつけてやれ」
響「...うん!」
愛「緊張してきた...」ブルブル
まなみ「愛ちゃんリラックス!本番はまだ先なんだから」
絵理「手って人に書いて3回飲む...」
涼「逆だよ絵理ちゃん」
~開演直前 待機場所~
美希「ねえ二人とも」
響「ん?」
美希「ミキね、ふたりのことダイスキ!」
貴音「はて...」キョトン
<カイエンアナウンスハイリマース!
本日分は終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。また続きます。
続きが滞ってしまってすいませんでした。完結までノンストップでいけるように頑張ります。
美希「あのね、ミキ達3人なら、どこまでもいけるってミキは思う」
美希「だからね――」
美希「だから、美希にしっかりついてきてほしいの!」ニコッ
貴音「やはり、頼もしいですね...美希」フフ…
響「...にふぇーでーびる、美希...」
―――Over Master…
<キバノヌケタヤツニナンテー♪ココロウズクワケナイジャナイ! アリエナクナイー♪
愛「わぁぁ...やっぱりステージに立つと違うなぁ...!」
絵理「つきぬける歌声も...パワフルなダンスも...」
涼「かっこいい...女性ファンも多いわけだよ」
765P「どうだ、これがフェアリーだ」
愛「前からすごいなーとは思っていたんですけど...」
絵理「私たちの知ってる頃より...アップデートされてる?」
765P「アプリみたいに言うなよ」
涼「本当にレッスンだけでここまで変わったんですか?」
765P「あいつらが陰でどんな努力をしているかは俺にも分からないさ。
だけど、今の3人は亜美の影響を少し受けているな」
絵理「亜美ちゃんの...?」
765P「特に美希は亜美の動きをかなり意識している。
2ndでの亜美のステージを研究したんだろう...あいつは何でも簡単に吸収してしまうからな」
涼「僕らはフェアリーに追いついたと思っていたら...」
愛「また少し差をつけられてしまったようですね!」グヌヌ
765P「追い続けてくれよ。フェアリーもまだまだ伸びるぞ」
「「「はいっ!」」」
~ライブ中盤~
╲ワァァァァァァァ!!╱
貴音「続いては、この『つあー』のために制作されたみにあるばむの曲となります」
響「名古屋公演に来てくれたみんなしか見られないステージだぞ!」
美希「みんなー?準備はいい?」
╲イエェェェェイ!!╱
貴音(今日までの...わたくしの積み重ねた鍛錬を昇華させるときです)
貴音(全て、燃えて灰になれ――)
♪~
765P(inferno...貴音をセンターにして正解だったな)
765P(安定感と艶のある歌声がライブだとよく映える)
765P(プレッシャーや焦りにもよく耐えてくれたよ、貴音)
枯れた花は 種に変わって いつかまた彩るだろう
星は堕ちても 流星になる
あの日の様に 抱きしめてよ だけどどうして泣くの?
╲╲「「「インフェルノォォー!!!!」」」╱╱
~ライブ終盤~
<~サーエガーオニーナーロー♪モットアシタヲースキニナレルヨニー♪
まなみ「愛ちゃんたちも確実に成長してるわね」
玲子(頑張れ、絵理っ!)
765P(...876、さすがウチのライバルだ)
愛&貴音「いま咲き誇る~♪芽生えた蕾♪」
涼&響「根を張って胸張って ねえ♪」
絵理&美希「いくーつーもー実らせよう♪」
抱きしめる私と言うヒストリー
BRAND NEW達 始まりは
そう "HELLO!!"
~終演後~
まなみ「お疲れ様です。ひと段落、ですね」
765P「わざわざ撤退までありがとうございました。今日の成功もおふたりのご協力のおかげです」
玲子「こちらこそ、絵理達に良い経験をさせてもらったわ」
?「やっほー」
まなみ「あら!」
765P「どうやってここまで...舞さん」アゼン
舞「ちょっと秘密ね。それより、あなた達を労いにきたのよ。765も愛たちも良かったじゃない」
まなみ「ありがとうございますっ」
舞「特に765、とんでもないわねあの子たち」
765P「ほめてますか?」
舞「ほめてるわよ。才能にかまけないで死ぬほど努力しないとあそこまで出来ないわね。自信もガンガン伝わってきたわ」
765P「あいつらに伝えておきます」
舞「あ、これそこにいたサイネリアって子から預かった差し入れ」スッ
玲子(鈴木さん来てたの...)
~フェアリー 東京への帰路~
ガタンゴトン…ツギハーハママツー…
響「はぁ~~~~...」
響「ライブは楽しかったけど名古屋からトンボ返りとか...」
貴音「ツアーとはそういうものです。すぐに次のレッスンが待っていますよ」モグモグ
響「...弁当買いすぎじゃないか?」ウワァ…
貴音「~♪」
響「でも正直、意外だったぞ」
貴音「何がです?」モグモグ
響「美希が」
美希「ミキ?」
響「ツアー、ずっとハードでしょ。最初に美希が文句言うんじゃないかって」
貴音「仕事も私たち以上にこなしていますし」モグモグ
美希「あふぅ...」
美希「ミキね、ライブに向けて頑張ってる今が楽しいんだ」ウトウト
美希「それで...ミキが響と貴音を連れていくの...」ウトウト
響「どこに?」
美希「zzz...」クカー…
響「って相変わらずの瞬間睡眠だな」ハハ…
美希「zzz...」スヤァ
貴音「...響、私たちも美希に負けてはいられませんよ」
響「そうだな。美希についていくだけじゃダメさー!」
響「またリスタートだ。やるぞー!」ウオオ!
~後日 レッスンスタジオ~
<シンケンナマナザシヲズットー!
麗「3人とも良いテンションだ。我那覇、NextLifeのセンターは任せられるな?」
響「なんくるない!」
麗「なにか憑き物でも落ちたような勢いだな」
響「へへ、自分はもっと強くなるんだ!」
麗「これだけダンスの複雑な曲を3人ともよくモノにしている。今日初めて触れたというのにな」
美希「トレーナーの指導にもだいぶ慣れたからかな!」
麗「ほう、見上げた適応力だ...」
麗(こういった曲調はrelationsやarcadia、infernoと違って独特な空気感を体現することが重要だ。
フェアリーの曲には今まで無かったタイプ...習得には時間がかかると思ったが)
麗(それを見越してのフェアリーと性質の違う三浦あずさの起用か...? 計りしれんな、プロデューサー)
~フェアリー ミーティング~
765P「さて、亜美に続いての765プロメンバー、あずささんだが...」
765P「あずささんはフェアリーとはまた違う路線のアイドルだ」
美希「おっぱいが大きいところは似てるね」
765P「そうだな。だがセクシーさではフェアリーは負けてないぞ」
美希「なの!ミキたちはそこは譲れないって思うな!」
貴音「プロデューサー、話が」
765P「おっとすまん。 んで、あずささんは知っての通り、マイクを持ったら右に並ぶアイドルはいない」
765P「つまり相当な実力者だが、それだけに今のフェアリーなら吸収できるモノも多いと思う」
響「なるほど...あずさの技術を勉強すればいいんだね!」
765P「普段一緒にいるとなかなか気付きにくいから、この機会にあずささんがどれだけスペシャルなのか体感してくれ」
~合同レッスン~
<LoveLoveみんなあっげるー♪ あなたがすーきっ♪ ~
あずさ「私、ダンスは3人ほど自信ないわ...」エヘヘ…
貴音「冗談を。ここまで私たちと差の無い動きをして言うことではありませんね」
響「こっちは相当厳しいレッスン積んでるって言うのに、すごいぞ...あずさ」
あずさ「でもこれ以上は本当に出来ないと思うわ」
美希「じゃあ次は、I’m so free! いってみよー!」
<コレカラノーメイクデ~♪
響「はぇー...一回でここまで綺麗に揃うと、ちょっと感動」
貴音「この曲はどちらかというと歌の方が曲者ですね」
響「うんうん、こういうおしゃれな曲って自分歌いにくいかも」
あずさ「私も一緒に頑張るから大丈夫よ♪」
美希「この曲もだけど、あずさの持ち歌って難しい曲多いね」
貴音「それもまた、歌姫と呼ばれる所以のひとつでしょう」
~4thライブ前日 広島 ホテル~
765P「...それでですね、前にモンデンキントとライブバトルをしたじゃないですか」
あずさ「ええ、覚えてますよ」
765P「それで、その時にたまたま一緒に応援していた日高舞さんが、『竜宮小町はまだ底を見せていない』って言ったんですよ」
あずさ「まあ」
765P「俺はあのときとんでもない竜宮小町を見たと思ってたんですけど...俺よりこのアイドルに深い人に言われちゃーしょうがなかったですよ」
あずさ「そのこと、律子さんには...?」
765P「結局言ってないですね。俺も思い出したのはつい最近でした」
765P「...亜美に同じことを言ったんです。結果、亜美は底を見せていない訳じゃなかったんですが、まだ引き出しがあることに気付かされました」
765P「それで、ちょっと気になるんですよ。 ...あずささんの“本気”が」
あずさ「...」
あずさ「...伊織ちゃんや亜美ちゃんと一緒に歌っている時、体がふわって軽くなって、エネルギーが集まってくるような感覚があるんです。力の波に任せれば、もう一段階違うパフォーマンスが出来るような気もするんですけど...」
765P「ふむ」
あずさ「でも、やはり最年長ですから、私があまり勝手な暴走をしてしまうと...」
765P「明日は構いません。思う存分、あずささんの好きなようにやってください」
あずさ「えっ、ですが明日はフェアリーのツアーであって、私のステージではないので...」
765P「あいつらにもみせてやってほしいんです。最高のパフォーマンスを」
765P「フェアリーのファンまでをも虜にしてしまってください」
あずさ「...プロデューサーさんが言うのなら...」ウフフ…
~そのころ、ホテルの屋上~
美希「Sunshine避けながら街の中へ~♪」
響「うがー、美希はなんでそんなカワイイ声でるんだ...」
美希「ミキの声は元からカワイイの!失礼なの!」プンスカ!
貴音「ですが、歌い方がずいぶん可愛らしいものになりました」クスッ
美希「...フラワーガールのギャップには負けるの」ボソッ
響「でも、なんで急にそんな歌い方できるようになったんだ?」
美希「んー、実は歌の上手い小鳥に、どうすればすぐに上手くなるか聞いたんだけど...」
―――
――
―
美希「小鳥、歌上手いよね」
小鳥「どうしたの美希ちゃん?」
美希「ミキはできるだけ楽にあずさや千早さんぐらい上手くなりたいんだけど、どうすればいいと思う?」
小鳥「あら、難しいわね。歌はやっぱり一朝一夕で上達するようなものじゃないから...」
美希「そんなことは分かってるの。小鳥、ミキが言いたいのはもっと新しい方法はないかってことだよ」
小鳥「そうねぇ...これは昔律子さんが実践してたやり方なんだけどね、自分のギャップを限界まで広げるっていうのはどうかしら」
美希「ぎゃっぷ?」
小鳥「そうよ。例えば、律子さんが“livE”を歌うときと、“MOONY”を歌うときじゃまったく違う声質を使っているのが分かるでしょ?」
美希「むむ、たしかになの」
小鳥「だから、この律子さん方式を取り入れれば、美希ちゃんの歌唱力の幅も広がるんじゃないかしら」
美希「でもミキ、“ふるふるフューチャー☆”と“マリオネットの心”じゃ結構使い分けてるよ?」
小鳥「そしたら、第3の星井美希を生みだして見ればいいんじゃないかしら」
響「...なるほど、律子のやり方か...」
貴音「響、気になりますか?」
響「うん。自分、歌でも二人に負けたくないからね!」
美希「じゃあやってみるの!響、可愛く歌うんだよ?」
響「へ?」
美希「ぱぱっぱーぱらぱ~♪ぱぱっぱーぱらぱ~♪」
貴音「...ヴァンパイアガールの前奏ですね」
響「えっ、ちょっと」
貴音「腹をくくったほうがいいですね、響」
美希「ででん♪ででん♪あぁ~♪」
響「...どこかへおでかけ~♪おじょうさまぁ...あっ♡」
響「のどがカラカラ限界ぎりぎり♡ はっきょうすんぜんっ♪ きゅぅぅぅん♡」
<ガチャ
765P「...なにやってんだお前たち」ハァ…
響「う゛ぇぁっ...!プロデューサー!!これはっ...ちがっ!!」アセアセ
765P「自主練もかまわんが早く寝ろよ。明日本番だぞ」
美希「プークスクス」
貴音「ふふっ...」プルプル
響「うぎゃー!なんなのもー!!」ウワァァン!
~4th ライブ当日~
<ネエッネエッネエッ♪デートシテクレーマスカー♪
765P(順調だ。3rdを経験して、やはり一回り成長したな)
765P(まだ美希が一歩前にいるが、響も貴音もすぐに追いつくだろう)
765P(だが...今日のゲストはさらにフェアリーの一歩先を行く存在だ)
╲ワァァァァ!!╱
貴音「ふふ、ありがとうございました」
美希「続いてはこの曲を!」
響「I’m so free!」
< ~♪
I'm so free ! 誰のものでもないよ
Please,Please make my way
飾らないで変わらないFace のままで
『私らしく』がやっぱりいいでしょ
あずさ(美希ちゃん、貴音ちゃん、響ちゃん。ごめんなさいね。私は今日、思うままに...)
あずさ(私を表現するわ...)
あずさ(なんか文句ありますか...!ない!)
――I'm so free!
あずさファンA(あれ、あずささん?)
あずさファンB(すごいエネルギーを感じる...今までにない何か熱いエネルギーを...)
あずさファンC(風...なんだろう吹いてきてる確実に。木々が語る)
あずさファンD(目覚める度変わらない日々に 君の抜け殻探している。着実に)
<『私らしく』歩き出そう I'm so free やっぱりいいでしょ!
765P(アイドル三浦あずさは...一体どこに底が...)
765P(このステージ、フェアリーにとっての大きなハードルになったな)
765P(しかし...亜美もそうだったが、本当に楽しそうだ。あずささん)
本日分は終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。また続きます。
・・・
╲トオーイカーナターヘータビーダーッター♪ ワターシヲーヒトリオーキザーリニシテー♪╱
美希(すごい...すごいのあずさ...!)ウルウル
響(何かが降りてきているみたいだぞ)
貴音(会場が...神聖な世界に包まれています)
あずさ『側にいると約束をしたあなたは...嘘つきだね』~♪
╲╲ワァァァァァァァァァァァ!!!!╱╱
~4thライブ 終演後~
美希「あずさ、すっごいキラキラしてたの」
響「完全に持ってかれたなー」アハハ…
貴音「私たちもまだまだ、ということでしょうか」クスッ
響「自分たちもあずさを超えていけるぐらい、すごいアイドルにならなきゃね!」
<ガチャ
765P「ん、ここにいたのか」
あずさ「お疲れ様、みんな」ヒョコッ
美希「お疲れ様なの!」
あずさ「みんな、今日はとても楽しかったわぁ♪」ニコニコ
あずさ「なんだか少し若返ったような気持ちになれたわ...」
765P「十分若いのに何言ってるんですか」ハハ…
響「NextLifeもあずさの特別レッスンのおかげで上手くいったよ!」
あずさ「Mythmakerで培ったものが初めて役にたったから、私も嬉しい♪」
貴音「三浦あずさ...本当に素晴らしい舞台でした」
美希「今日はリードされちゃったけど、次一緒にライブするときは負けないの!」
あずさ「あらあら~♪それじゃ私も、もっともっと頑張っちゃうわ♪」ニコッ
765P(今回は本当にいいタイミングでの共演だった。ツアー中盤だからこそ、高いテンションの維持に繋がったな)
765P(あずささんのパフォーマンスには驚かされたが...なにより、それを見ても萎縮したりしなかったフェアリーはさすがというか、成長したというか)
765P(他にも...響のNextLifeはかなりハマっていた。他のステージでも定番にしてもいいくらいだ)
765P(なんにせよ三人とも、今日をきっかけにまた加速度的に成長していくはずだ)
~後日 765プロ 事務所~
765P「ただいま帰りました」
小鳥「お疲れ様です、プロデューサーさん」
765P「お疲れ様です音無さん。確認をお願いしたいメールがいくつかあるんですけどいいですか?」
小鳥「大丈夫ですよ。あ、これ961Pさんからいただいたのでどうぞ」
765P「いただきます。961Pと高木社長はどんな感じでしたか?」モグモグ
小鳥「順調そうでしたよ。律子さんの話でとても盛り上がってました」
765P「よかったです。 ...俺はなかなかこっちにいられないので、社長と音無さんには助けられてますよ」
小鳥「明日は大阪ですか?」
765P「はい。時間があったら奈緒の実家にでも挨拶しようかな」
小鳥「...」
小鳥「あの、プロデューサーさん、最近少しお疲れ気味なんじゃ」
765P「あはは、これだけとび回っても元気なヤツがいたら超人ですよ。...でもフェアリーの負担に比べたら、疲れたなんて言ってられませんからね」
765P「音無さんもフェアリーがどれだけ頑張ってるかご存じでしょう」
小鳥「はい...正直、最初はこのツアーを実行するなんて無茶だと思ってましたけど...」
小鳥「さすが美希ちゃん達というか...プロデューサーさんというか...とにかく、不可能を可能にするってこういうことなんだなって」
765P「壁をぶち破るってのはそう簡単なことじゃない。一気に集中して向かわないと、分厚い壁は破れないんです」
765P「今、フェアリーは追い風です。この好機を逃すわけにはいかない。フェアリーのためにも、765プロのためにも」
小鳥「...プロデューサーさんが自分にいちばん厳しいのは、よく知っていたつもりでしたが...」
小鳥「本当に、体は大事にしてくださいね...これでも結構心配しているんですよ?」
765P「俺にはもったいない言葉です。小鳥さんに心配されるなんて幸せ者ですね、俺は」ハハ…
~フェアリー レッスンスタジオ~
麗「ツアーも峠を越えたな。三浦あずさとの共演からは何か得たものがあったか?」
響「いろいろ勉強になったよ。自分たちが最終的に越えなきゃいけないラインも分かったし」
麗「そうか...なら、次のステージはもっと期待できそうだな」
響「5th専用曲は『Blue Symphony』だね!楽しみだぞ!」
美希「そういえば、トレーナーはミキ達のライブ、見に来たりしないの?」
麗「興味が無い、という訳じゃないぞ。日程がなかなか合わなくてな」
貴音「とれーなーの力で私たちは成長できているのですから、一度くらいは...」
麗「ああ、5thには間に合わせられないだろうが...なんとか予定を調整してみよう」
~合同レッスン 伊織~
< 終わらないmy song ~♪
伊織「ふぅ、まあまあかしら♪ (なによ、なかなかやるじゃない...) 」
美希「んーミキちょっと失敗しちゃったの」
貴音「響、高音のパートが」
響「うん、上手く出せてなかったね...やっぱまだあずさの真似は早いかなぁ」
伊織「...」
伊織「そっ、そうね。今の程度で満足してもらっちゃ困るわ!」フン!
伊織「アンタたち、油断してるんじゃないわよ!5回目だからって慣れでやろうとしたら、痛い目みるんだから!」
貴音「ふふ、伊織。油断などあるように見えますか?」
伊織「...見えない!大丈夫ね!!」
響「どうしたさ伊織...」
美希「きっとデコちゃんは、フェアリーがあんまりすごいからびっくりしちゃったんだよね」アハッ☆
・・・
伊織「そういえば、アンタ達って最近営業とかオーディションとかしてないんじゃない?」
美希「え?、まったくしてないわけじゃないよ?」
貴音「量はかなり減りましたが」
響「たしかに収録とかはあるのに、そういうのはあんまりやってないぞ」
伊織「なるほどね。アンタ達がこうしてレッスンに打ち込めるのも、プロデューサーが走り回ってるおかげみたいね」
美希「ハム蔵みたいに?」
貴音「美希、ふざけるとこではありません」
響「さすがにプロデューサーに失礼じゃないか...?」ハハ…
伊織「アンタねぇ...アイツが倒れたりでもしたらシャレになんないんだからねっ!」
美希「デコちゃんがもっとプロデューサーに優しくしてあげればいいって思うな」
伊織「それは関係ないわよ!可愛い伊織ちゃんに仕えられるんだから喜んでほしいわ」
美希「とかいって、デコちゃんがこの前『大丈夫?疲れてないの?』ってプロデューサーにコーヒー渡してたとこ見たの」
伊織「あっ、あれは!」カァァ╱╱╱
貴音「...私達がプロデューサーに負担をかけているのも事実」
響「そうだなー。なんかたまには役に立ちたいかも」
貴音「そうですね。なにか癒しになるようなことを...」
~765プロ 事務所~
響「...ということなんだ」
小鳥「わかったわ、響ちゃん貴音ちゃん!」
貴音「小鳥嬢、なにか知恵が...?」
小鳥「そうね、まずこのメイド服に」
貴音「却下です」
・・・
小鳥「真面目に考えた結果」
小鳥「貴音ちゃんには特技で」
小鳥「響ちゃんには実務で」
小鳥「プロデューサーさんのお手伝いをしてもらうことになりました」
~765プロ 事務所~
765P「......」カタカタカタ…
貴音「もし、プロデューサー」
765P「ん?」
貴音「わたくし、整体が得意なのですが...」
765P「おう」
貴音「よろしければ...」
765P「あ、もしかして」
貴音「はい。何かプロデューサーのお役に立てないかと思い」
765P「なんか悪いな」
貴音「いえ、わたくしがしたいと思ったのですから、遠慮なさらず」
765P「では、お願いします」
貴音「プロデューサー」
765P「はい?」
貴音「ソファに横になって下さいまし」
765P「あ、そっか。整体だもんな」
・・・・・・
765P「いってえ!たかねっ!いたい!」ヌワー
貴音「これぐらいが効きます」
・・・・・・
765P「貴音...?これは?」
貴音「効きます...じっとしていてください╱╱╱」ギュゥゥゥ
765P「いや、これ誰かに見られたら...」
765P(貴音...こんな甘えたがりだったっけ...?)
765P「ありがとうな。体が軽くなった」
貴音「ふふ、お役に立てて光栄です」
765P「お礼に美奈子の店でも付き合うか」
貴音「それは楽しみですね、あなた様」
765P「ん。レッスン頑張れよ」
貴音「はい。いってまいります」ニコッ
<ガチャ バタン
765P「...“あなた様”?」
~また別の日 765プロ~
「プ、プロデューサーさん、お茶をっ...!」
765P「ありがとうございます、小鳥さ...へ?」
響(事務員)「...どうぞ」
765P「...お、おう」
響(事務員)「...」
765P「...」ズズーッ
765P「さんぴん茶ですか、美味しいですね」
響(事務員)「...! へへーん!」ドヤァ
765P(え、なにこれ、なんで?罰ゲーム?)
響(事務員)「つなぐレインボ~♪」
765P(とりあえず響にはつっこまないでおくか)
765P「あ、事務員さん、CGプロ宛ての書類に誤字ないか確認してくれますか?」
響(事務員)「あ、はい!」
響(事務員)「...」チラッ
小鳥「!」コッチコッチ
響(事務員)「すぐ終わらせるぞ!」タッタッタ…
765P「なにこれすげぇ面白い」
・・・
響(事務員)「えっと...シュレッダーってどこにあるんだ...?」
765P「事務員さーん、亜美のスタイリストさんに電話してー!」
響(事務員)「はーい!いまやるさー!」
・・・
響(事務員)「次は...メールチェック?」
小鳥「いっしょにやりましょう、響ちゃん」
響(事務員)「...小鳥、いっつも大変なんだね」
小鳥「慣れれば、そうでもないのよ」ニコッ
響(事務員)「ほぇ...なんかカッコいいな」
小鳥「うふふ、ありがとう。嬉しいわ」
・・・
765P「小鳥さん、そろそろ出かけます」
小鳥「はい、お疲れ様です。こちら予備の書類を」
765P「ありがとうございます」
響(事務員)「プロデューサー...さん、これ」
765P「無理に“さん”付けなくていいのに」アハハ
響(事務員)「サーターアンダギー、良かったら」
765P「おっ、ありがとう。...くわっちーさびら」
響(事務員)「ん...うさがみそーれー」エヘヘ…
響(事務員)「その、どうだった?今日の自分...」
765P「似合ってたぞ。引退した後の働き口が見つかったな」
響(事務員)「もー!もっとなんかあるでしょー!!」
765P「はは、楽しかったよ。アイドルじゃない響も、やっぱり可愛いもんだな」
響(事務員)「うがっ、また...そういうこというし...」カァァ╱╱╱
765P「元気出たぞ。んじゃ、いってくるな」ナデナデ
響(事務員)「...いってらっしゃい。がんばって」╱╱╱
~そのころ...
美希「むむむ...知らない間に貴音と響が楽しそうなことになってたの」
美希「ミキもプロデューサーになんかしてあげたくなってきたの」ウズウズ
美希「...小鳥に相談してみようかな?」
~星井家 キッチン~
美希(小鳥から“お料理さしすせそ”のDVDを借りたの!)
美希(これを見て作ればなんとかなるって思うな!)
<うっうー!愛情たっぷりお弁当の作り方でーす!
美希(ひゃんっ!ちょっと失敗したかも!)
美希(んー、間違いは成功のもと卵焼きってことにするの)
<ごはんをつめまーす!
美希(ここはおにぎりにするの!ゆずれないの!)
<できましたかー?愛情たっぷり込めてくださいねー!
美希(......)
美希「大好きはーにぃー♪いちごみたーいにー♪」
美希「じゅんっじょうなーのっ♪」
美希「ずっと見てて...ゼッタイよ♪」
美希「...」
美希「...えへへ」ニコニコ
星井菜緒「あら~乙女って感じねぇ」ニヤニヤ
美希「なっ!...勝手に見ないでなの!この貧乳!」
菜緒「」ブチッ
菜緒「...death penalty」
美希「上等なの。ゆとりの本気を見せてやるの」
ギャーギャー!
~765プロ 事務所~
765P「んじゃ、伊織と収録行ってきます」
小鳥「今日はモンデンキントの天海春香ちゃんとのお仕事ですね」
伊織「あんた、忙しいのに私に付き合って大丈夫なの?」
765P「ちょっと961Pに話すこともあるし、伊織と天海さんの共演はなにが起きるか分からんからな」
伊織「ムカつくわね」
765P「気にするな」
美希「プロデューサー!ちょっとまって」
765P「ん?どうした美希」
美希「あの、えっと...」モジモジ
765P「...?」
美希「えっと、その...これ」スッ
765P「これ...お弁当か?」
美希「プロデューサーのために作ってみたの。どうぞなの」
765P「あ、ありがとう...?」
美希「うん。ちょっとおいしいか分かんないケド」
765P「...」ジーッ
美希「な、なに?」
765P「なんでもないぞ。ありがとうな、美希。ちゃんと食べるからな」ニコッ
美希「う、いってらっしゃい、なの」╱╱╱
小鳥(かわいい)
伊織「...」チラッ
伊織(なるほどね)フン
~収録スタジオ~
961P「よかったな、春香」
春香「はい!伊織ちゃんとまた共演できて嬉しいです!」
・・・●REC
伊織「あんたでしゃばりすぎじゃない!?このバカリボン!」
春香「ちょっ、地上波でアイドルに向かってバカってどうなの!?」ムキー!
伊織「何度でも言ってやるわよ!バカバカ!バカリボン!」
春香「やめてよ!デコ!デコジェネラル!」
ギャー!ギャー!
961P(結局こうなるのか...)
・・・
~収録後 伊織の楽屋~
765P「スタッフさんも大笑いしてたな」ハハ…
伊織「あぁぁ...キュートな伊織ちゃんのイメージが...」
765P「予想通りだったよ。次、仕事あるんだろ?早くメシ喰っちまえ」
伊織「あ、ねえ。美希のお弁当見てもいいかしら?」
765P「おう、いいぞ。俺も楽しみにしてた所だ」
パカッ
伊織「ふーん、料理苦手って言ってた割にはキレイじゃない」
765P「いただきます。美希、がんばったな」
765P「...」モグモグ
765P「おいしい」パァァ…
伊織「...美希、今日はネイルアートしてなかった」
伊織「ちょっと夜更かししたのかしら、肌もほんの少し荒れてたわ」
伊織「きっと料理の練習でもしてたのね」
765P「...」モグモグ
伊織「ま、あんたも気付いてたみたいだけど♪」
765P「...」モグモグ
765P「美味しい。美味しいなぁ」モグモグ
伊織「照れ隠しのつもり?幸せ者ね。まったく」
・・・
765P「...ごちそうさま」
伊織「ねぇ、訊いてもいい?」
765P「ツアーのことか」
伊織「違うわよ。...プロデューサーも研修に行くの?」
765P「...行く」
伊織「やっぱりね」
765P「IA大賞が終わったらだな」
伊織「そう...」
伊織「...さ、寂しくなるわね」ウルッ
765P「伊織?」
伊織「なんでもないわ」プイ
~5thライブ当日 リハーサル~
~♪
高く高く 祈る鼓動 羽ばたいて!わたし達の歌
確かな旋律が 雲を突き抜けていくの
青に染まる 音の行方 輝きだす歌が聴こえる
耳に触れたのは アザヤカな風のエコー
あなたの空へと響かせて Spread our wings
<リハオツカレサマデース!
美希「ねーねーデコちゃん、デコちゃんは亜美やあずさみたいに、隠し技みたいなのがあるの?」
伊織「それは私にも分からないわね。でも、出し惜しみなんてしたことないし、まだ隠してるモノなんてのもないわ」
伊織「私はカワイイけど、才能と呼べるものには乏しいのよ。アンタと違って」
美希「そーかなー?」
伊織「そうよ。必死で輝きを追い求めて、やっとここまで来たの。もちろんアンタ達が才能任せにしてるなんて思ってないけど」
美希「でも、竜宮小町のリーダーはデコちゃんにしかできないって思う」
美希「だからデコちゃんもやっぱり特別なの!」
伊織「...ふん。別にそんな当然のこと言われても嬉しくないわよ」テレテレ
~5thライブ 終演後 関係者室~
?「お疲れ様です」
765P「ん、来たな。人気急上昇中事務所のスーパープロデューサー」
モバP「すまんね、少々ツレが...」
765P「ん?あぁ」
765P「...こんばんは、千枝ちゃん、みりあちゃん、千佳ちゃん」シャガミ
「「「こんばんはー!!」」」
765P「ライブは楽しかったかな?」
みりあ「うん!みんなかっこよかったよ~♪」
千枝「千枝も、貴音ちゃんみたいになりたいです」ニコニコ
千佳「フェアリーみたいに変身したーい!」
765P「それは良かった」
765P「三人とも、いつも育と桃子と仲良くしてくれてありがとう」ニコッ
765P「これからもあの二人をよろしくね」
「「「うんっ!」」」
モバP「...さて、6thの参考に今日のステージを見させてもらったけど...」
モバP「1stからの異常な成長に仰天した。一体何があったんだ?」
765P「今日は申し訳ないが全てを話すだけの時間が無い」
765P「...そうだな、卯月達に言っておけ。“引き立て役にはなるなよ”と」
モバP「煽るなぁ」
765P「発破をかけただけだ」
千佳「うふふー♪フェアリー目指して練習しよー!」
みりあ「じゃあ美希ちゃん役をやるねっ」
千枝「千枝は貴音ちゃん役を!」ワーイ
ガヤガヤ…
本日分は終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。また続きます。
~また別の日 765プロ~
「プ、プロデューサーさん、お茶をっ...!」
765P「ありがとうございます、音無さ...へ?」
響(事務員)「...どうぞ」
765P「...お、おう」
響(事務員)「...」
765P「...」ズズーッ
765P「さんぴん茶ですか、美味しいですね」
響(事務員)「...! へへーん!」ドヤァ
~翌日 765プロ 事務所~
765P「集まったな竜宮小町」
765P「まず、礼が言いたい。フェアリーのツアーへの協力、ホントにありがとう」
亜美「どもども~」テヘッ
765P「3人のおかげで響たちはとても強くなった」
あずさ「私たちは仲間ですから、高めあうのは当然ですよ♪」
765P「それと、ツアーの前から3人には助言をもらっていて、俺自身も助けられた」
伊織「にひひっ♪IA大賞なんて無理、って言ってたのが懐かしいわ」
765P「フェアリーは大きな進化を遂げた。ツアーは問題なくフィナーレとなる」
765P「今日はその先の話をしようと思う」
765P「765プロには、次のステップを用意した」
「「「次の、ステップ?」」」
765P「社長」
高木「うむ」
高木「かねてからプロデューサー君が961プロと進めていた企画だ」
高木「これは、765プロ始まって以来の一大イベントとなる」
高木「...」コクリ
765P「...」ウナズキ
765P「アリーナライブが決定した」
「「「あ、アリーナぁ!!??」」」
~フェアリー レッスンスタジオ~
美希「ひとつずつひとつずつ 新たなstageへ昇ろう~♪」
響「女の子 誰だって前だけを見て生きるの♪」
貴音「少しずつ少しずつ トビラを開いて行こうよ♪」
「「「遠回りした分 広がる世界 Goin'my way~♪」」」
麗「よし、そこまで。...失敗しても曲中で渋い表情は出すんじゃないぞ」
美希「この曲、I’m so free! みたいでオシャレなの」
貴音「みにあるばむ全7曲の中で、唯一の明るい曲調ですから、切り替えが重要ですね」
響「“Okey-dokey”...『なんくるない』って意味だぞ!」ヘヘーン
麗「違う」
麗「私的な報告だ。6thライブ、リハーサルも含め当日は私もバックアップすることになった」
美希「やったの!見に来てくれるんだね、トレーナー!」
麗「仕事のウチでもあるからな?」
貴音「まこと、嬉しきことです」
響「最高のフェアリーのステージをみせてあげるさー!」
麗「だから私は客じゃないぞ」
~日帰りバーベキュー中の961プロ~
<おいしいですぅー! あっそれ私の肉! 天海、モクズガニがいたぞ… ワイワイ…
千早「あの、プロデューサー」
961P「んー?」
千早「飲み物です」ガサッ
961P「ありがとう...じゃ、サイダーを」スッ
千早「そういえば、黒井社長は今日のことを知っているんですか?」
961P「いや、こっそり出てきちゃった」
千早「...プロデューサーも、悪い人ですね」クスッ
961P「まあまあ、こういう時間も必要なんだから、社長も分かってくれるさ」
雪歩「...ふんっ!」ドスッ!
スイカ「」グハッ
真美「スゲーゆきぴょん!スイカを一撃で...!」ウワァ
961P「みんな、ちょっといいかな」
ワイワイガヤガヤ…
961P「なんと、765プロとの合同アリーナライブ開催が決まったよ」
ピタッ...!
一同「...へ?」
「えぇぇぇぇぇえええ!!??」
真美(んふ、知ってた)
真「そんな話、少しも聞かなかったのに!」
961P「1stライブでみんなそれどころじゃないと思ったからね」
961P「このライブはただのアリーナライブじゃない。ジュピターの頃から続いた765プロとの悪い関係を完全に無に帰す、記念碑的なライブだ」
961P「...なんて言ったけど、みんなはもう765プロといっぱい共演してるから、連携の方は心配してないよ」
961P「961プロ史上、いやアイドルライブ史上に残るステージにしよう!」ガッツ!
春香「あぁー!燃えてきましたっ!」メラメラ
やよい「うっうー!!やりますよぉ!」ゴゴゴ
961P「あ、それと...」
961P「このライブが、ひとまず俺の日本での最後の仕事になる」
~CGプロ近くの居酒屋~
モバP「初めてだな、楓さんや川島さん抜きでお前とここに来るのは」
麗「なに、仕事の話だ。他意は無い」
モバP「分かってるさ。仕事熱心病め」
麗「ワケわからんあだ名をつけるな。あとそれだけはお前に言われたくない」
麗「渋谷たちの調子はどうだ?」
モバP「こないだの961プロオールスターライブがいい刺激になったみたいでな」
モバP「テンションは高い。フェアリーのツアーに向けてもエンジン全開だ」
麗「良かった。...それでだな、6thまでに一度レッスンを見たいのだが」
モバP「ん?どういう風の吹きまわしだ?」
麗「相変わらずの言葉遣いだな。 ...私の想定以上にフェアリーの実力が伸びているんだ」
麗「ニュージェネレーションが...打ちのめされないか不安になってしまってな」
モバP「さりげなく自分仕事出来すぎるアピールしてくる麗ちゃんマジマスタートレーナー」ボソッ
麗「予定くめるの、くめないのどっちだ」グイッ
モバP「くめます」マガオ
麗「よし」
モバP「あ、6thに麗も出れば?アイドルやりなよ!せっかく可愛いんだし!年?まだ全然キツくないよね?わかるwa」
麗「...」スパーン!
モバP「いたい!」
麗「アシスタントと妹たちの苦労がうかがえるな」ハァ…
モバP「わかるわ」
麗「...」ゴスッ
モバP「」
~フェアリーと大阪に向かう途中~
ガタン…ゴトン…ツギハー…ナゴヤー…
765P「ツアーもあと2回だな」
貴音「長い道のりも終わりが見えてきましたね」
響「ホントにいろんなことがあったから、すごい濃い時間だったさー」
美希「zzz...」スヤァ
響「美希、どんな夢をみてるんだー?」ツンツン
貴音「最後まで油断せず、全力で参りましょう」クスッ
765P「ツアーの前から考えると、3人とも本当に成長したよな」
765P「誰にも負けないくらいのレッスンや、たくさんのアイドルとの切磋琢磨の中で、自分にプレッシャーをかけながらも、アイドルとしてひとつ上のステージに進んだ」
765P「予想以上の伸びの早さなんだ、冗談抜きで。フェアリーは間違いなく史上最高のアイドルになる」
響「なんたって自分たち、完璧だからな!」
765P「...最近気付いたけど、別にフェアリーの三人が完璧なワケじゃないんだ」ハハ…
響「うがっ!?」
765P「...」
――765P『フェアリーの3人みたいなパーフェクトなアイドルと接してると、 時々亜美のアホさが必要になるんだよ』
765P「フェアリーどころか、日本中探しても、パーフェクトなアイドルなんてモノは存在しないんだ」
765P「ただな、完璧を目指しているからこそ、今のフェアリーは最強なんだと思う」
765P「妥協せずに、戦い続けて、フェアリーは“三人一緒に”完璧へと近づいていくのだと」
765P「なんとなくこのツアーで悟ったかな」アハハ
貴音「そうですね...“三人一緒に”」
貴音「...ひとりではできないこと...♪」ボソッ
響「...仲間とならできること♪」ニコッ
765P「のりこえらーれーるのーはー♪」
美希「ヘタなの」クスクス
765P「どわっ、美希起きてたのか...」
美希「プロデューサーはもっと歌の練習した方がいいの!」アハッ
響「たしかに」ニヤニヤ
貴音「ふふ...否定はできませんね」
765P「...がんばります」
~6thライブ当日 リハーサル~
<ジカンワースレーテー♪ミーナレーター♪ケーシキーヲーミーヨウー♪
麗(付け焼刃に近いが、ニュージェネにはフェアリーとスタイルが被らないように指導した)
麗(フェアリーのようにクールなパフォーマンスをすれば、どうしても見劣りしてしまう。それは避けたい)
麗(頭を使わなければ、私の育てたアイドル同士が潰しあうなんてことになりかねん)
<ススメ☆オトメ もっと先へ ねぇ理想のステージ目指そうよ~♪
麗(...本田たちも間違いなく成長しているのだが)
麗(フェアリーの方が次元がひとつ違って見えてしまう)
卯月「トレーナーさん!どうでした?」
麗「うむ、一度のレッスンでよくあれだけモノにできたな」
未央「トレーナーさんの指導が良かったんだよ~」エヘヘ
凛「本番も、この調子で挑みます。星井さんたちに、気持ちで負けないように」
麗「ああ。お前たちの笑顔を届けて来い!」ビシッ
スタッフ<フェアリーサンノラストデース!
美希「KisSだけ新しい演出の確認を!」
スタッフ<リョーカイデス
~ねぇkisskisskiss 何十回も~♪
響(貴音、若干早い)チラッ
~息ができなくていい 死んでもいい...♪
貴音(把握しました)コク
~だからKiss Kiss Kiss 何百回も ~♪
美希(ミキの角度に合わせて)メクバセ
~愛してるなら ...♪
響(オーケー)ウナズキ
~♪
麗(この三人だから...予想以上に伸びたのだろうな)
~会場ロビー フラワースタンド前~
凛「...」
卯月「凛ちゃん? わぁ、綺麗なお花だね」
卯月「あれ?送り主が...」
凛「私の家、花屋でしょ。それで両親が」
凛「この花を見ていたらいろんな人たちに支えられてここまで来たんだなって思っちゃって」
卯月「じゃあ、恩返ししないとね」ニコニコ
凛「...うん!」
卯月「行こう!私たちのステージへ!」
~6thライブ 本番直前~
765P「さぁいってこい。全力で、楽しんで!」
美希「はいなの!がんばるよ~」ウズウズ
響「いっちょやってくるぞー!」メラメラ
貴音「全ては今日のために」フフ…
麗「私の指導の成果を、見せてくれ。...期待している」
「「「いってきますっ!」」」
~待機場所~
美希「ふたりとも、今日もいっぱいキラキラしようねっ」
響「うん、任せて!」
貴音「わたくし達らしく参りましょう」
―――――... over master!!
美希『優しさ欲しいと思ってる?~♪』
╲ウォォォッハイ!ウォォォッハイ!ウォォォッハイ!ウォォォッハイ!╱
貴音『やっぱアンタには高嶺の~♪』
╲ウォォォッハイ!ウォォォッハイ!ウォォォッハイ!ウォォォッハイ!╱
「「「花ね!」」」ビシッ
響『心に響き渡らなくちゃ~♪』
╲ッハイ!ッハイ!ッハイ!ッハイ!ッハイ!ッハイ!ッハイ!╱
「「「意味が無いのよっ!!」」」
麗(一曲目、オーバーマスター...私が初めてフェアリーを見たときの曲)
麗(あの時も彼女たちのポテンシャルには驚いたが)
麗(あの頃より、ダンスのキレ、ボーカルの安定感、表現力が段違いになった)
麗(ここまで来てしまうと、アイドル...なのだろうか。その枠を超えてしまったように思える)クスッ
麗(edeN、エージェント、Day of the future、風花、TRIAL DANCEと続いたが)
麗(今までのレッスンで見たどれよりも、この瞬間の方がすばらしい出来だ)
貴音『once again...あの頃のようにそばにいたい...~♪』
卯月「やっぱり...さすがですね...フェアリーさん」
未央「ひゃー負けてらんない!と言いたい所だけど、ちょっとすごすぎるね?」
凛「...今日は忘れられない日になりそう」ググ…
卯月「...凛ちゃん!未央ちゃん!私たちも頑張って来たんだから、それを出し切ろう!」
未央「そだね!ニュージェネファンのみんなも待ってるし!」
凛「こんなステージを見せられたら、一矢報いずにはいられないよ」クスッ
美希「みんなー!盛り上ってるー!?」
╲╲ワァァァァァァァァ!!!!╱╱
響「3曲続いて、『見つめて』『Brand New Day!』『ふるふるフューチャー☆』でした!」
貴音「この後も、わたくし達のステージをお楽しみください」
麗「しかしこだわりを感じる演出だな。映像やバックダンサーを見ていると、アイドルのライブだということを忘れる」
765P「同業者に一人、演出の創造に長けたヤツがいるんですよ。このツアーの演出はそいつに少し協力してもらいました」
麗「なるほど、その方はマイケルジャクソンからオリンピックの開会式までありとあらゆるステージを研究しているとみた。なかなかの腕前だ」
765P「会ってみると、そんなに大したヤツじゃないと思うんですけどね」ハハ…
麗「ちなみにどこの所属か教えてくれないか?今後の参考にしたい」
765P「...961プロです」
麗(フェアリーが次の『DREAM』を終えたらニュージェネの出番か)
麗(もう一度声をかけに行こう)
「始め」は皆一瞬の刺激
銃弾に撃たれた様だった
熱く燃えてく火花みたく
思いに焦がれてる想い立ち向かえ
「終わり」は皆一生の悲劇
地獄に堕とされる様だった
友が世界が敵になるが
願いとは絶対叶えるモノでしょう
麗「おい、島村たち」スタスタ…
卯月「あっ、トレーナーさん!」
麗「なんだ、本番前だというのにステージを見ていたのか?」
未央「...えっと」
未央「トレーナーさん、このステージ、見た方がいいよ」ウツムキ
凛「これが、、、トップギアのフェアリー、なのかな」ブルブル
麗「ん?どれ...」グイッ
麗「...!!」
貴音『ねえ・・・出来ないのならやるな...』~♪
響『だけど やれるのなら出来る』~♪
美希『自分に勝てるのは自分』キリッ
「「「まっすぐに...たたかえっ!!」」」
夢が夢じゃ終われないから
私の今になりなさい
貴音『傷ついてもいいさ』スタッ
響『苦しくてもいいさ』キリッ
美希『嗚呼、どんな罪でも来なよっ!』ビシッ!
夢じゃ夢が止まれないから
私のモノになりなさい
この心で進め
この両手で掴め
嗚呼抱きしめる Dear My DREAM
『嗚呼、今叶える―――』
「「「Dear My DREAM...」」」
╲╲ワァァァァァァァァァァ!!!!フェアリー!フェアリー!フェアリー!フェアリー!!╱╱
麗「ぁ...」ドキドキ
卯月「まだ上の段階があったなんてなぁ...」
未央「歌もダンスも、ひとつひとつが最高の状態で表現できてる、そんなかんじだね」ハァ…
凛「...卯月、未央、行こう。私たちの番」
麗「島村、渋谷、本田。いいか」
麗「...“夢が夢じゃ終われない”のは、こちらも一緒だ」
麗「アイドルの“新時代”を築くのだろう?」ニコッ
麗「胸を張っていけ」
「「「はいっ!いってきますっ!!」」」タッタッタ…
~ニュージェネレーション待機場所~
モバP「ん、来たな」
未央「プロデューサー、私たち大丈夫かな...?」ガクガク
卯月「えへへ...ちょっといつもより緊張が」ガタガタ
凛「...」ウツムキ
モバP「緊張して当然さ。 ...手を出して」スッ
卯月「はいっ」ギュッ
未央「うん」ギュッ
凛「...よし」ギュッ
モバP「俺たちは輝くためにここにきた!」
モバP「ガラスの靴は履いたか?舞踏会が始まるぞ!!」
モバP「さぁ、魔法をかけておいで、シンデレラ!」
「「「はいっ!!!」」」
お願いシンデレラ
夢は夢で終われない 動き始めてる
輝く日のために―――
・・・
麗(ニュージェネのステージが終わり、コラボ、そしてOkey-dokeyの披露も終えて、残すはアンコール)
美希「...ふぅ、楽しかったの。あ、どうだった?トレーナー」
麗「お前たち、ライブ本番になるとギアが上がるのか?」
響「へへっ、なかなか良かったでしょ」
麗「言葉にしがたい。それほどのモノだった」
貴音「ふふ、ありがとうございます」
<アンコールスタンバイオネガイシマース!
麗「...あっという間だったな」
美希「最後まで集中していくの!」
貴音「全てを出し切りましょう」
響「ちゃんと見ててね、トレーナー」タッタッタ…
麗「...やれやれ、三人ともいい顔じゃないか」ハァ…
<キュンッ!ヴァンパイアガール!! ╲Fooooo!!╱
~6thライブ 終演後 ニュージェネレーション楽屋~
ガチャ
モバP「お疲れ様、卯月」
卯月「!」
卯月「...お疲れ様ですっ!凛ちゃんと未央ちゃんはまだ来てませんよ?」ゴシゴシ
モバP「...卯月、急に入って悪かったな」
卯月「いっいえ!ぜんぜん問題ないですっ!」プイ
モバP「また出直すな」ガチャ…
卯月「ぷろでゅーざぁざんっ!」グスッ
モバP「...」
卯月「わだじ...っ...がんばっできだからっ...!」グスッ
卯月「どうなっても悔いはないなんて思ってたけど...!」ウゥッ
卯月「やっばり...ぐやしいなぁ...!!」ボロボロ
モバP「...卯月。その気持ちを、忘れるな」
バタン
<ウワーーーン!!
モバP「!」
凛「プロデューサー...」
未央「しまむーは...」
モバP「...二人とも、お疲れ様。あいつの側にいてやってくれるか」
凛「分かった」
未央「うん!」
モバP「っと、お前たちも、良く頑張ったぞ」ナデナデ
未央「えへへ...ちょっと今日は目立てなかったけどっ」
未央「これからもがんばるからさっ...!」
未央「だから...」
未央「うぅ...」ポロポロ
未央「だから今はお願い、泣いてもいいよね...」ポロポロ
凛「...」ウルウル
モバP(悔しくないはずがない。あれだけの実力を間近で見せられたんだから)
~フェアリー 楽屋~
響「え゛っ!?トレーナーってCGプロの所属だったの!?」
麗「言ってなかったか?フリーのような仕事もしているが、最近主に見ているのはCGプロだ」
響「知らなかった...」
麗「はは、だからきっと、ツアーが終わった後もまた会うだろうな」
765P「次がツアー最後のライブになる。響、美希、貴音...やり残したことを全てやりきれるようにな」
響「最後かぁ...よし、後悔の無いようにやるぞ!」
貴音「わたくし達の集大成ですね...ますます身が引き締まる思いです」
美希「翼や百合子にも、ミキたちのキラキラを見せてあげるの!」
765P「よし、その意気だ。東京に凱旋するぞ」
本日分は終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。また続きます。
・・・
TV<今日の特集は...!
TV<今、大注目の765プロより、スーパーアイドルユニット、『フェアリー』に迫ります!
TV<全国ツアーもいよいよ大詰め!
TV<そんな中、成長し続けるアイドル達の秘密を取材しました!
街の声...
Qフェアリーは知っている?
高校生A「もちろんっす!俺、この前の名古屋のツアーに参加しました」
高校生B「響ちゃんのサインありますよ」
Qフェアリーの魅力を教えてください
サラリーマン「一番はステージパフォーマンスですかね。カッコいいんですよ、とにかく」
主婦「CMとか見ててもカッコいいなぁって思いますね」
Qフェアリーの好きな曲は?
大学生♂「ヴァンパイアガールでしょ!」ウェーイ
大学生♀「えぇー?DREAMじゃないの?」
レポーター「このスタジオの中で、まさに今、フェアリーと765プロシアターのメンバーが東京公演の準備をしているようです!」
・・・
レポーター「...このツアーも次が最終公演となりますが、振り返ってみていかがですか?」
「日本中の応援してくださる皆様のおかげでここまでこれたのだと実感しております」フフ…
「ファンのみんなと盛り上れて楽しかったさー。それにいろいろなアイドルと共演できたのも大事な経験になったよ!」
レポーター「なるほど...それでは、東京公演を待っているファンに向けてお願いします」
「あはっ☆ミキたちも翼たちもキラキラするから、ちゃんと見に来てね?」
「あと、ミニアルバムをまだ聴いてないそこの人も、聴かなきゃだめだよ?よろしくなの!」
~765プロ 劇場~
961P「やってきました。765プロ劇場」
雪歩「初めて来ました。思ってたよりずっと大きいですね」
真「ボクは2回目だ。建て替えしたのか?前とは別の外観になってるけど」
961P「なんかこの劇場は突然大きくなるんだよなー」
961P「証言によると次の日まったく様変わりしていることもあるらしい」
真「...ホラーだな」
・・・劇場観賞中
<メルヘンアイドルものがたり~♪
961P「あー面白かった」ニコニコ
雪歩「アイドルってこういう世界もあるんですね」
961P「雪歩も舞台とか似合うと思うんだけどな。演技上手いし」
雪歩「えへへ、ありがとうございます」
961P「真も俳優のオファーとかきたら引き受けてくれるか?」
真「女優だ。バカ」プイ
961P「あああ!ごめん!!」ゲザー
雪歩「大失態ですね」クスッ
961P「」チーン
バッドコミュニケーション
エレナ「あっ!ヤヨイのプロデューサー!元気にしてた!?」ギュゥッ
961P「うおっ!?」
莉緒「あら、961プロのプロデューサーくんじゃない。私に会いに来てくれたの?」ウインク
961P「エレナちゃんに...莉緒さん...」ハハ…
エレナ「劇場見にきてくれたんだネ!楽しかったー?ワタシは楽しかったヨー!」
雪歩「...」ジーッ
真「...」
エレナ「いえいっ♪ウキウキしちゃうネ~!」ギュゥゥ
莉緒「ほら、エレナちゃん。プロデューサーくんが困ってるから」アハハ…
雪歩「楽しそうでしたね、プロデューサー?」ニコニコ
961P「は、はい...」
真「落ち着け萩原。たしかに他事務所のアイドルに手を出すなんてクズのすることだが」
961P「そんな!誤解です!」
雪歩「えへっ、ちゃんと分かってますよ」
961P「...」ホッ
961P「雪歩は演技が上手いんだから...」
環「あっ、まみのおやぶーん!」タッタッタ
育「春香さんのプロデューサーさん、お久しぶりです!」
961P「環と育じゃないか。劇場見たぞ、上手になったな」
環「くふふ、環みんなと頑張ったぞ!」
育「すごいでしょ!伊織さんや琴葉さんも褒めてくれたんだよ!」
961P「ああ、頑張った頑張った」ナデナデ
真「おい」クイクイ
961P「ん?」
961P「...!」ゾッ
雪歩「......私演技得意なんですよ♪」ニコニコ
961P(あ、俺死んだな)
~CGプロ 青木麗のとある一日~
@ボイストレーニング室前...
麗(ん、今日は誰もいないのか?)
「あ、おねえちゃん?」
麗「その声は慶か。アイドル達は?」キョロキョロ
慶(ルーキートレーナー)「ついさっき、小学生組がレッスンを終えて帰ったよ~」
麗「そうか...すれ違いになってしまったか」
慶「ところで今日はどうしたの?」
麗「抱えていた大きな仕事にケリがついてな。ここのアイドル達に会いに来た」
慶「そっかあ!じゃあ事務所にいけば誰かに会えるかもよ?」
麗「そうだな。最初からそうすればよかったんだ」
@CGプロ 事務所...
ガチャ
麗「失礼する」
千川ちひろ「お帰りなさ...あら、麗さん!」
麗「千川さん、今日の事務所は静かですね?」
ちひろ「はい、みんなお仕事だったり、お休みだったりで...」
ガラーン…
ちひろ「まさかのすっからかんです。寂しい!」トホホ…
麗「一年に一度あるかないかの偶然だ...」
「あれ、おねえちゃん?」
麗「明、いたのか」
明(トレーナー)「事務所で会うなんて珍しいね」
麗「私がここにいること自体久しぶりだからな」
明「そっか、フェアリーの最終レッスン今日だったっけ」
麗「それを終えて、ホームグラウンドに顔を出しにきたのに」ガラーン…
明「あはは、タイミングが悪かったね!」
麗「仕方ない。退散するか」スゴスゴ
明「事務所にいれば誰か来るとは思うけど」
麗「いや、こういう日は早く引っ込むに限る。大抵期待通りにはならん」ガチャッ
ちひろ「お疲れ様です!」
明「また家でねー」バイバイ
麗(こんな風に時間を持て余すのは何時ぶりだろう...)テクテク
ブロロロロ…
「おーい、そこにいるのは我が姉ではないか!」キキーッ
麗「...今日は不思議な日だ」
@姉妹でドライブ...
ブオォォォン…
麗「仕事は無いのか、聖」
聖(ベテラントレーナー)「ああ。今日はクライアントにデータを渡すだけだった」
麗「...最近のCGプロの様子はどうだ?」
聖「順調だな。候補生も次々とデビューしている。...明も慶もよくやってるよ」
聖「フェアリー、ひと段落したのだろう?感慨のようなモノを語ってくれないか」
麗「ふふ、感慨か...」
麗「彼女たちは...私が関わったパフォーマーの中でも、特別な生徒になるだろうな」
聖「おねえちゃんのことだから、また非効率な厳しいレッスンでもしたのかと思っているが」
麗「私のやり方に穿った見方を持つな。それに私の生徒とお前の生徒では質が違うじゃないか」
麗「効率と合理的思考が重要なのはある程度のレベルまでだといつも言っているだろう」
聖「ふん、ならフェアリーは一体どのレベルまで育ったというんだ」
麗「そうだな...」
麗「...世界で戦えるぐらいには」ニヤ
聖「!?」
麗「もともと彼女たちはアイドルとして上出来な水準にいた」
麗「それ故に765プロのプロデューサーは私を呼んだ」
麗「始め、フェアリーは私の要求するレベルにまったく追いつけなかった。当然だ」
麗「私はツアーが終わるまでに彼女たちの実力の底上げが完成するように計画していた」
麗「...だが、私の見通しは甘かった」
聖「...ツアー中盤に着地点を通り過ぎてしまった、と」
麗「ああ。予想外だった」
麗「飲みこみの早さ、集中力、成長意欲...どれをとっても抜群だったよ」
麗「765P殿のツアー日程の采配、アイドルへのフォローも効いていたと思う」
麗「そして今日、最後のレッスンを終えたが...」
麗「私が口を出す所は、一度もなかった」
聖「...」
麗「いや、言える所はまだあったが、もう私がいちいち言わなくても問題なくなってしまった」
麗「彼女たちは自らそれに気付き、向上させてくる。確実に」
麗「指示を出さなくても、お互い高めあい進化していく力がついたからな」
聖「データの上では、分からない世界だな」
麗「そうだな。人間はどんな風に成長するのか想像がつかん」
麗「...その成長を少しでも支えてやるのが、私たちの役目だと思っている」
聖「フェアリーはツアーが終わったらどうするんだ?本当に世界を目指すのか?」
麗「星井たちが言っていた。961プロとの合同アリーナライブが決定したらしい」
聖「ははっ、ツアーが終わってもまだ忙しいのか...CGプロも負けてられん!」
ブロロロロロ...
~765プロ シアターメンバー レッスンスタジオ~
<オツカレサマデース!
765P「おう、お疲れ」
未来「プロデューサーさん、どうでした?私たちの仕上がりは」
765P「良かった。ずっと練習してた成果が出てたな」
未来「はい!もうずーっとこのメンバーで練習してたので!」
765P「未来たちが頑張ってたのはちゃんと見てたよ」
未来「始めはみんななかなか上手く合わせられなかったりで、大変でした...」
未来「志保と可奈がトラぶっちゃったり、杏奈と星梨花を置いてけぼりにしちゃったり...」
未来「私も、百合子に迷惑かけちゃったし、翼や静香ちゃんにたくさん助けられたりしました」
未来「...でも、やっと来るとこまで来ました!私、頑張ってよかったです!」
765P「その頑張り、ステージで全部見せてくれ」
未来「はいっ!私たちはやりますよ~!!」オォー!
未来「それで、ですね...プロデューサーさんに訊きたいことが...」チラッ
765P「なんでも訊いてくれ」
未来「あの、プロデューサーさん、ハリウッド行っちゃうって本当ですか?」
765P「ああ。貴音たちがIA大賞をとったらな」
未来「...っ!」
765P「シアターのみんなには、ツアーが終わったら報告するつもりだったんだが...」
未来「そんな...私たちはこれからなのに...っ!」
未来「なんで...なんでですか?」
765P「...律子が行く前から、ずっと考えていたことなんだ」
765P「今の765プロは、昔よりもずっと大きくて、たくさん関わっている人がいる」
765P「そんな大きな家族のような765プロを、ずっと続けていくためには、俺自身がもっと成長しなきゃいけない」
765P「俺は未来も含めて、シアターメンバー全員をトップアイドルにしたい」
765P「みんなが日に日に成長し、どんどん上のステージへ登っていくのを、一番近くでみていたからこそ、思ったんだ」
765P「何も今生の別れって訳じゃない。ちゃんと成長して戻ってくる」ニコッ
765P「俺は、お前たちのプロデューサーだからな」
未来「...!」ポロポロ
765P「なんで泣くんだよ」ハハ…
未来「だってぇ...」ウェェ…
765P「...“未来”には、きっとたくさんの可能性があるんだよな。もちろん、不安も」
765P「...でも俺はすごく楽しみなんだ。この先、みんながどうなっていくのか、俺も含めて、どこまで進んでいけるのか...それを見届けたい」
未来「このさき...」ウルウル
765P「...」ナデナデ
765P「未来...最高のライブ、期待してるぞ!」ニコッ
未来「はい゛っっ!!」ボロボロ
本日分は終わりです。読んで下さった方々ありがとうございました。また続きます。
~7thライブ 当日~
765P「うん、天気よし!絶好の...」
高木「ライブ日和だなぁ!」ツカツカ…
765P「どわっ、しゃ、社長...」ビクッ
高木「いや、おはよう」
765P「おはようございます。もういらしてたんですか?」
高木「もちろんだよ。我が765プロ始まって以来の大規模ツアー最終公演...」
高木「さらにシアターメンバーの活躍の場だからねぇ!」
高木「しかしなんだなぁ、ツアーの最後だけでも参加できて、嬉しい限り」
高木「いやはや、感無量だよ~」ハッハッハ
765P「いえ、まだまだです。特に未来たちにとってはここがスタート地点」
高木「んふふふ、そうか」
高木「お、そろそろシアターメンバーの諸君が来るころかな?」
765P「そうですね、そろそろ...」
高木「美希くんたちの方とはどうなっているのかね?」
765P「あの三人は、収録先からここへ直接くることになってます」
高木「おっ、なるほど」
ガチャッ
「「「おはようございまーすっ!」」」
765P「おはよう!今日は頑張ろうな」
「「「はいっ!」」」
~ライブ会場にて シアターメンバーたち~
@控室
翼「うわぁ~!ねぇねぇほっしー、これ見て~!!」
星梨花「ほぁ~!キラキラですねっ!」ウキウキ
杏奈「すごく、きれい...」
静香「......ふふ」ニコニコ
@ステージ付近
百合子「大きい画面...」ミアゲ
奈緒「あ、映っとるで!!」
美奈子「ホントだ!」
奈緒「お~い!!」フリフリ
<アハハ…
@ステージ
可奈「本当だったんだぁ...」
志保「...?なんのこと?」
可奈「えへへ...ちょっと前に連れてってもらったコンサートでね、私、一番後ろの席に座ってたんだ」
志保「...」
可奈「そしたらね、ステージ上のアイドルが、『後ろの人もちゃーんと見えてるからねー!』って」
可奈「本当に見えるんだ...」
可奈「私、今日は一番後ろの人も、一番前の人と同じくらい楽しめるライブにしたいなぁ」
志保「...そうね」
可奈「あの時のモンデンキントみたいに、後ろの人にもすごいアイドルに見えるように!頑張るぞ~♪」
765P「...未来?」
未来「...プロデューサーさん」
765P「どうした?ぼんやりして」
未来「してないですよっ♪」クルン
765P「そうか?」
未来「私たち、ちゃんと輝けるかな...」
765P「大丈夫だよ」
未来「...そうですよね」デヘヘ
P’s携帯<テッテッテー♪
765P「もしもし、響?どうした」
765P「えっ、台風!?」
765P『嘘だろ?こっちは晴れてるぞ』
響『本当だぞ!こっちはちゅーばー雨と風さー...』
響『新幹線が運休になっちゃって...』
貴音「この風では...とばされてしまいそうですね...」
美希「風に乗って会場までいけないかな?」
響『とにかく、動いてる電車を乗り継いでそっちに向かうよ!』
響『リハには間に合わせるぞ!』
765P『ああ、分かった』
星梨花「えっ、台風ですか!?」
765P「ああ。でも到着は遅れるが、スケジュールは予定通りいくからな!」
「「「は、はいっ!」」」
小鳥「みんな、今のうちにお腹になにか入れといてね?」
「「「ありがとうございます!」」」
百合子「あぁ...貴音さん達、大丈夫かな...」
美奈子「百合子ちゃん、心配してても始まらないよっ!」スマイル
百合子「でも...緊張するといろいろ考えちゃって...」
翼「...なっやんでもしーかたない♪」ウインク
奈緒「んがっ!もう朝やでっ!!」ボケッ
アハハハ…ナオッテバ…
杏奈「それに...さっき貴音さんから...こんなメールが来たから...だいじょうぶ」
百合子「...なんて書いてあるのこれ?」
杏奈「貴音さんがしそうな打ち間違いのアルゴリズムに当てはめると、『ひびきががんばっているのでもんだいありませんよ』...だよ」
「「「へ、へぇ~」」」
百合子「大丈夫ですよね、きっと...」
「「うん!」」
<すいませーん出演者の皆さん、場当たりしたいのでステージ前まで集合してください!
「「「はいっ!」」」
ワイワイガヤガヤ…
小鳥「いよいよですね」
765P「ええ」
小鳥「美希ちゃんたち、今どの辺りでしょうね...?」
765P「そうですね...」ポパピプペ…
765P『あ、響...どうだ?今どの辺りに...』
765P『...えっ!?タクシー...どうして?』
響『電車が全部止まっちゃって...それで、タクシーにしたんだ...』
765P『...大丈夫なのか?』
響『うん、なんとか...』
響『ごめん、リハには参加できそうもなくて...』
765P『分かった...何度も言うようだが、無理は...』
<ダイジョウブデスヨ!キヲツケテキテクダサイ!マッテマス!!
響『...迷惑かけてごめんだぞ!』
美希「急いでそっちにいくの!」
貴音「わたくし達がいなければ始まりませんからね...」フフ…
765P『とにかく気をつけてくるんだぞ』
『はーい!』
小鳥「うふふ...」ニコッ
765P「よーし、リハ、始めるぞ!」
「「「はいっ!」」」
<大変お待たせしました!
<間もなく開場します!
ザワザワ…
<物販の方はこちらの入り口からおはいりくださーい!
サイリウム、フェアリーセットヲクダサイ! アリガトウゴザイマース!
P’s携帯<テッテッテー♪
765P「ん?」
着信:我那覇 響
765P「また響から...?」
ガチャッ
小鳥「開場しました!お客さんいっぱいですよ!」
ザワッ…
美奈子「わぁ~、もう開場しちゃったよ~!」
可奈「うぅ~...緊張してきた」ウヌヌ
未来「お、お客さんいっぱいだって!」
静香「ええ!」
765P「...」チラッ
765P(開演まで...あと一時間)
奈緒「プロデューサーさん、フェアリーはまだなんかな?」
杏奈「貴音さんたち...出られないの...?」
「「「......」」」
765P「本番には、間に合いそうもないんだ」
エエッ!? ドヨドヨ…
星梨花「お客さん...がっかりしちゃいますよね...」ウツムキ
翼「プロデューサーさん、まさかライブ中止にしちゃうんですか...?」
765P「...中止にはしない」
765P「響たちが到着するまで、俺たちでなんとかしよう」
~♪
まことに恐れ入りますが、開演時間の変更をお知らせいたします。
当初予定しておりました開演時間を30分遅らせまして、
18時30分からの開演とさせていただきます...
765P「セットリストは組み直せる。だけど、フェアリー到着までの尺を考えると、もう何曲か必要なんだ」
765P「...誰か、フェアリーの楽曲を歌えないか?」
「「「できますっ!」」」
765P「...よしっ、それじゃ、順番に割り振っていこう」
高木「事情は分かった」
765P「俺たちでなんとかしてみせます...!」
高木「うむ、君たちを信じよう」
百合子「...!」ブルブル
可奈「...」ガタガタ
765P「みんな、ちょっと聞いてくれ」
765P「こんな状況での開演になってしまったけど、これを機に、765プロは決して竜宮小町とフェアリーだけじゃないってことを、お客さんに見てもらおうじゃないか」
765P「このステージを楽しみに来てくれてる人達のために、全力をつくそう!」
志保「私はやります...!やっとここまで来たんですから」
可奈「...志保ちゃん」
765P「よし、スタンバイするぞ!」
「「「はいっ!!」」」
会場の皆様、大変長らくお待たせいたしました。
まもなく、ライブツアー“フェアリー POWER RAINBOW”東京公演を開催させて頂きます!
\╲ワァァァァァ!!!!Fooooooo!!!!╱/
未来「プロデューサーさん、お客さんの声、すごいですね...」
未来「私...こんなにたくさんの人とライブが出来るなんて...」
未来「...本当に嬉しいですっ!!」クルンッ
未来「プロデューサーさん、ありがとうございます!」ペコリ
未来「でへへ...」
未来「私、まだまだ半人前ですから、これからもそばで見ていてくださいね、プロデューサーさん♪」ニコッ
未来「それじゃ、いってきます!」タッタッタ…
~ハシャギタイヒトアツマレ♪
可奈「あれ...リボンが見つからない!!」アワアワ
美奈子「えぇ~?もう出番来ちゃうよ!」
翼「お~い、これ代わりに使えるんじゃないかな?」
~ハローハローミンナオイデヨ♪
百合子「ええっ!あのスカーフ渡しちゃったの!?」
翼「ごめんね...百合子ちゃんのだと思わなくて...」
百合子「どうしよう...」アワワ
志保「百合子、落ち着いて...」
未来「静香ちゃんただいま~」
静香「お帰り未来。お客さんどうだった...?」
未来「うーん、あんまり盛り上げられなかったかも」
未来「でも、これからだよねっ!」
静香「...ええ、頑張りましょう!」
ブロロロロロ…
貴音「美希...?」ボソ
美希「なに?貴音」
貴音「いえ...なんとなく嬉しそうに見えたので」クス
美希「あはっ、さすが貴音なの」
美希「...翼たち、今頃頑張ってくれてるだろうなって思って」
響「余裕だぞ...美希」アハハ
美希「大丈夫なの!後半はミキたちの最高のステージをみせてあげればいいの!」
美希「台風とか、遅刻とか全部吹き飛んじゃうようなすごいライブをね!」
響「...今焦ってもしょうがないしな。美希の言うとおりだ」
貴音「ふたりとも、もうすぐ着きますよ...集中を高めましょう」
~ゴゼンレイジマダオドッテタイ♪
フェアリー、マダカナァ…
ゼンザ、ナガクナイ?
ザワザワ…
高木(頑張れ...!)
奈緒「うぐぐぐ、やっぱ閉まらんで杏奈?」グググ…
杏奈「どうしよう...」オロオロ
星梨花「奈緒さんっ、そんなに引っ張ったら...」
可奈「あれ、私次どっちにいったら...」キョロキョロ
美奈子「次が静香ちゃんのソロだっけ...誰か知ってる人...」アワアワ
志保「二人とも、冷静に...」
ガチャッ
未来「ちょっと、落ち着こうよみんな~!」
静香「...!みんな、少し落ち着いて!」
ビリリリッ!
杏奈「...っ!!」
杏奈「こんなんじゃ...でられない...」ウツムキ
奈緒「ごめん...杏奈」
杏奈「...」フルフル
静香「...とりあえず、少し落ち着きましょう」
可奈「落ち着いたら...今度はいろいろ不安になってきちゃった...」ウゥ…
美奈子「私も...歌詞少しとんじゃってるかも...」
奈緒「なんていうか...お客さんも盛り上ってないし...」
星梨花「やっぱり...私たちだけじゃ...」
未来「...」
未来「ねえみんな。今は、お客さんにどう見られるかより、私たちが何を届けたいかを考えることにしない?」
「「...?」」
未来「私たち、ずっと大勢のお客さんの前で歌うことを目標にやってきて、やっとその夢が今日実現できてるんだよ?」
未来「ちょっとぐらい不格好でも、自分たちができること、会場の隅から隅まで届けようよ!」
未来「あれだけみんなで練習したんだもん!きっと、届くよ!」
「「...」」
百合子「そうですね...今は自分たちが焦っても仕方ないですよね」
奈緒「うん...多分、私たちが慌てても、フェアリーの役には立てへんしな」
未来「だからっ...!全力で私たちの歌届けよう!」
「「うんっ!」」
ヨーシガンバルゾー!ワタシダッテ!アンナチャンスカートズグツクロイマスネ!アリガトウ…
~♪
翼「みんないい?」
美奈子「フェアリーが!」
星梨花「くるまで!」
百合子「私たち!」
可奈「歌って!」
美奈子「踊って!」
志保「最後まで...!」
静香「力いっぱい!」
奈緒「頑張るでー!」
未来「いっくよー!765プローー!!!」
「「「ファイトーーッ!!!!」」」
Thank you for…
届け ありったけのステージ
この感動 とめられない!
ジャンプ 高く
虹色の光が つないでくれた
涙ふいて 笑顔咲かそう
輝く時間をありがとう
Thank you for my dears!
汗が弾け 笑顔咲かそう
きらめく出会いを
「せーのっ!」
「「「ありがとう!!」」」
765P(未来たちも...いつのまにか、こんなに成長してたんだな)
765P(...美希たちの初めてのライブを見ているようだ)
765P(まだ俺も未熟だった頃のライブを)
タッタッタ…
美希「プロデューサー!」
響「へへ、遅れてごめんだぞ...!」
765P「来たか!」
貴音「すぐに準備してまいりますっ!」
765P「MC明けのThank You!から頼む!」
「「「はいっ!」」」
765P(今のフェアリーはデビュー当時の何倍も頼もしくなった)
765P(...例えば、こんなアクシデントに見舞われても)
765P(盛り返すのは...三人にかかれば容易い)
・・・
765P(かくして、フェアリーのツアーは波乱と共に大団円を迎える)
765P(ミニアルバム全七曲中、最後の披露となった“we just started”は、フェアリーから未来たちへのメッセージのようにも取れた)
765P(開演時間を遅らせたため、元々のアンコールは削り、最後の曲をアンコールとして代用することになっていた)
765P(...残すは“POWER RAINBOW”のみ)
アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!…
美希「...」ニコッ
響「...」エヘヘ…
貴音「...」フフ…
765P「伝説のツアー、最後の一曲だ」
765P「...」フゥ…
765P「いってらっしゃい」
歌おう踊ろう 前を向いて笑おう 一緒に
君のパワー 私のパワー 集まれば
雨が上がるよ 晴れるよ
空に虹架かるよ みんなで
何でもできる そんな気がするの
百合子(やっぱり...フェアリーはすごいなぁ...)
可奈(私も...いつかこんな風に!)
志保(...負けてられないわ)
美希(さぁみんな、ミキたちについてきてなの!)
貴音(永遠に語り継がれるステージを、披露します)
響(最後の一瞬まで、気を抜かないでよね!)
進化して行く これからも
君と歩み続けたい ずっと
生きてる限り雨も晴れもあるよ
そして行こうよ 連れてくよ
水たまりの青空 みんなで飛び越えようよ
私たちがRAINBOW
伊織「あら...雨、止んでる」
あずさ「ちょうどさっきまで降っていたみたいね~」
亜美「あっ!あれ見てみて!!」
あずさ「...わぁ、とても綺麗ね♪」
伊織「月虹...初めて見たわ...」
フェアリー スーパー・スターダム 完
―――― エピローグ 「ふたりのプロデューサー」 ――――
●ON AIR...『クロラジ』
雪歩「アリーナライブ開催記念のスペシャル企画!」
真「“ようこそクロラジへ!”今夜のゲストはこの方」
あずさ「こんばんは、よろしくお願いします~♪」
やよい「三浦あずささんでーす!いえいっ♪」
ワァーパチパチ
千早「三浦あずささんは、前回アイドルアカデミー大賞に輝いたユニット、竜宮小町のメンバーであり、またソロ活動でも記録的なヒットを生み出しているスーパーアイドルです」
春香「もちろん、開催されるアリーナライブにも出演なされますよ!」
真美「今日はあずさお姉ちゃん宛てに届いたお手紙、メールをばんばん紹介しちゃうYO!」
・・・
雪歩「ラジオネーム“まさヤング”さんからのお便りです」
『765プロと961プロが合宿を行ったと聞きましたが、その時のあずささんの面白エピソードなどはありますか?』
真美「はいはい!」
雪歩「はい、真美ちゃん」
真美「真美と亜美とあずさお姉ちゃんで一緒に合宿場所まで行こうとしたんだけど」
真美「空港つくなりあずさお姉ちゃんが違うバスに乗っちゃって、大変だったんだよ~!!」
あずさ「私、どうも方向音痴みたいで...」
アハハハハ…
春香「あ、あと真ちゃんがあずささんのこと『お姉ちゃん』って何回か間違えてたよね」
真「ちょっ...!天海、ボクのことは関係ないだろ!」カァァ
あずさ「いっそのことそう呼んでくれてもいいのよ~♪」ニコニコ
真「呼びません!」
千早(真に姉はいなかったわよね?)
雪歩(そうですね...?)
雪歩「続いてのお便りです」
『アリーナライブでは765プロさんと961プロさん合同の特殊なユニットも見られるのでしょうか。
僕は、あずささん、千早ちゃん、貴音ちゃんの歌姫ユニットが見たいです』
千早「......」
春香「わ、わぁ~!私も見たいなぁ~!」チラッ
千早「えぇ、そうね。私がセンターで歌えば絵的に面白いかもしれないわね」
あずさ「うふふ、もしそうなったらよろしくね、千早ちゃん♪」
千早「ええ。“歌では”劣らないように頑張るわ」スゥ…
真(おい、早く次いくぞ...!)
・・・
『美希ちゃんのお腹ってたまりませんよね』
真「誰だこれ混ぜたの!」
真美「んっふっふ~♪」
・・・
というわけで、『クロラジ』今夜はこれでお別れです!
エンディングは三浦あずささんで、『晴れ色』。次回もよろしく!
~イーツモーノバーショーデー♪
プロデューサーは月を見ていた。
「屋上にいるなんて珍しいですね?」
月に見入っていたため、少女がドアを開けたことに気付かなかった。
「ん、どうした。雪歩じゃないか」
月に背中を向けるように振り返る。
「何か俺に用事かな」
柔和な笑みを浮かべて訊く。
「いえ、月を見ようって思って......プロデューサーに会ったのはたまたまです」
はにかむ雪歩。
「そうか。こんなに綺麗だもんな」
プロデューサーは述べた。
「ユニット名が“月の子ども”というぐらいですから、月に惹かれるのかもしれません」
月光にあてられて、雪歩は目を細める。
「私は月を見ると、不思議な気持ちになるんです。『どうして月があるんだろう』って。変ですよね」
プロデューサーはうなずく。
「変だな。それじゃあまるで、月の無い世界を知ってるみたいだ」
「プロデューサーは、月を見ながら何を考えていたんですか?」
雪歩は楽しげに訊く。
「さっきまでは...モンデンキントがデビューした頃のことを考えてたよ」
ちょっと驚く素振りをする雪歩。
「黒井社長に任されるままにプロデューサーになって、雪歩たちに会って...あっという間のデビューだったなぁって」
一歩近づきながら雪歩は答えようとする。
「ぎこちない感じでしたね、あの頃のプロデューサー。半年ぐらいずっと敬語でしたし」
月が二人の真上まで昇った。
「しょうがないさ。俺はまったくの新人なのに、君たちはすでに技術のあるアイドルだったからね」
プロデューサーは苦笑した。
「気も使うし、敬語も使うよ。だんだん距離が近づいていったから、しだいになくなってったけど」
「1stライブの時にした約束、覚えてますか?」
雪歩はプロデューサーに一足の間合いまで近づく。
「うん。もちろん」
月に照らされた雪歩を見つめて答える。
「あれ、ハリウッドに行っても守ってくださいね?」
うつむき、話す。
「それから...もし向こうで、今日のような銀月を見たら...私だと思って歌を届けてください」
「そばにいれない...その代わりに」
最後は消え入りそうな声だった。
「約束してくれますか?」
細い小指を差し出す。
「約束する」
静かに、小指を絡めた。
~アリーナライブ 当日~
やよい「具にはレタスとビーフパティ~♪」テクテク
やよい「だいすきすっきハンバーガー♪」ウキウキ
ドンッ
やよい「あうっ!ごめんなさいっ、前見てなくて...」
?「いえ、大丈夫よ。ケガはない?」
やよい「はい、大丈夫です!本当にすいません...」
?「あなた...さっきの歌、知ってるの?」
やよい「えっ? あ、ちょっと前の曲ですしあんまり有名じゃないですけど、私の好きな曲です!」
?「ふふ、そう。今日のライブ、応援してるわよ」ニコッ
やよい「ありがとうございます!」
やよい「...今の人、前にどこかで...?」
「久しぶりね」
伊織「...!」
「私がいない間にアリーナライブなんて、悔しかったからね」
「帰国の予定を少し早めたの。まあ一週間そこらの違いよ」
あずさ「えっと...プロデューサーさんには...?」
「とりあえず、このライブが終わるまでは会わないわ。竜宮以外の子にもね」
伊織「まったく、びっくりしたじゃない!」
「私は、みんな相変わらずみたいで安心したわ」
伊織「...にしても、ちょっと太ったんじゃないの?律子」
律子「失礼ね!誤差の範囲よ!」
<スタンバイオネガイシマース!
真美「んじゃ、いきますか。亜美隊員」
亜美「おーっす。楽しみですな真美隊員」
真美「...やっぱり一緒にいるのがいいね♪」
亜美「...亜美たちふたりなら最強だもんね♪」
真美「じゃあ961プロくる?」
亜美「いやいや、ようこそ765プロへ」
「「...」」ニヤリ
「「んっふっふ~♪」」
響「プロデューサー!最後だよー!ちゃんと見ててね!」
「おうっ!」
春香「プロデューサーさん、いってきます!」
「ああ!」
カツカツ…
「「......」」
「「俺は忘れないからな」」
「「今日のこのステージを――――」」
『READY!!&LIVE for LOVE!』
ARE YOU READY!! I'M LADY!!
始めよう
やれば出来るきっと 絶対 私NO.1~♪
╲ワァァァァァァァ!!ッハイ!ッハイ!ッハイ!ッハイ!╱
START始まる今日のSTAGE~♪
╲ステージー!!╱
CHECK!! マイク・メイク・衣装 IT'S SHOW TIME♪TRY CHALLENGE!!
╲ッハイ!╱ ╲ッハイ!╱ ╲ッハイ!╱ ╲ッハイ!╱
STARDOM光り光るSPOTLIGHT~♪
眩しい輝きまっすぐDEBUT
セーノッ ╲ハーイハーイハイハイハイハイ╱
相談してほしいな ほんのちょっとでも~♪
╲ウォォォッハイ!╱ ╲ウォォォッハイ!╱ ╲ウォォォッハイ!╱ ╲ウォォォッハイ!╱
お役に立ちますよ♪ ふざけたら笑ってくれたの~♪
╲ウォォォッハイ!╱ ╲ウォォォッハイ!╱ ╲パッパン!╱
応援します 毎日がLIVE! 愛情満載の~♪
╲フォウ!!╱ ╲フォウ!!╱
歌ありダンスあり 楽しくなりましょBYE-BYE BAD!!
╲バイバイバッド!!╱
いつでも見守っているのよ近くで~♪
╲フォウ!!╱
大切な ひとだから♪ そう何でもしてあげたいよ
╲フッフー!╱ ╲フッフー!╱
恋する子 ╲ツヨイノッ!!╱
デデデレ♪デデデレ♪ ドゥーーーン…
ARE YOU READY!! I'M LADY!! 歌を歌おう~♪
ッダ!ッダ!ッダ! デデンッ! テーテー♪
ひとつひとつっ! 笑顔と涙は夢になるENTERTAINMENT♪
╲ッッッッッイェェェイ!!!╱ ╲フッフー!!╱
ARE YOU READY!! I'M LADY!! 始めよう~♪
╲フフー!╱ ╲フフー!╱ ╲フワフワフワフワ!!╱
やれば出来る きっと 絶対 私NO.1~♪
ALREADY!! WE'RE ALL LADY!! 踊り踊ろう
╲フフー!╱ ╲フフー!╱ ╲フワフワフワフワ!!╱
一歩一歩 出逢いや別れは愛になるAMUSEMENT♪
╲フッフー!!╱
ALREADY!! WE'RE ALL LADY!! 始めたい~♪
╲フフー!╱ ╲フフー!╱ ╲フワフワフワフワ!!╱
行けばなれる もっと 全体みんなONLY1~♪
\╲オォォォォォォ!!ッハイ!ッハイ!ッハイ!ッハイ!╱/
高木「見たまえ黒井...」
高木「サイリウムの光の波と、星屑のようなスポットライトが...彼女たちを祝福しているようだ」
黒井「お前はいつから詩人になったんだ」
黒井「言っておくが、お前のことをまだ認めたわけではないからな」
高木「冷たいなぁ。君だって生っすかのゴールデン化に協力してくれたんだろう?」
黒井「...あれは我が961プロのアイドルが映るためだ」
高木「結局、961P君がいない間はアイドル達にプロデューサーは付けないみたいだね?」
黒井「お前には関係ない」
高木「関係あるさ。竜宮小町がセルフマネジメントのノウハウを961プロのアイドルに伝えているのだから」
高木「961P君の居場所もちゃんと残すとは、君もなかなか情に...」
黒井「何なのだ貴様は...!」ハァ…
~君が選ぶ道~
「プロデューサー、みんなとのもやしパーティ楽しかったですね!」
隣を歩くやよいが言う。
「そうだな。みんなと一緒で、楽しい時間だった。やよいの料理も美味しかったぞ」
プロデューサーも笑顔で答える。
「ハリウッドにも、もやしってあるんでしょーか?」
他愛のない話をする、車までの道のり。
「...っと、見送りまでありがとうな」
車の前にたどり着き、やよいとはお別れ。この後、飛行機に乗ってしまえば、一年は会えない。
「私たち、本当に空港まで行かなくていいんでしょうか?」
申し訳なさそうなやよい。
「いいんだよ。深夜便だから、みんなも大変だし」
それに優しく応じるプロデューサー。
「こうして、みんなで楽しく笑った後に行こうって、俺も決めてたんだ」
そう言って、車のドアを開けようとした。
「――ぷろでゅうさあっ!」
ぎゅっ!
「おっと、はは、どうしたやよい」
やよいを受け止める。
「向こうに行っても、私のこと、みんなのこと、ときどき思い出してくださいね」
プロデューサーの胸に額を当てながらやよいが言う。
「うん。毎日思い出しちゃうよ。きっと」
最後の温もりを抱きながら、答える。
「やよい、俺が帰ってきた時に、驚くぐらいすごいアイドルになれよ」
小さな体を離し、言葉をかけた。
「いってらっしゃい、プロデューサー...!」
車が見えなくなるまで、やよいは手を振り続けていた。
「行っちゃったね」
プロデューサーの乗った飛行機が見えなくなった後、亜美が呟いた。
「「...」」
少し寂しそうながらも、空を見つめる顔はみんな晴れ晴れとしている。
「美希、なにボーっとしてるの?」
みんなから少し離れた所にいた美希に、律子が声をかけた。
「してないよ?」
美希は素っ気なく答える。
「...あんたも寂しいと思うときはあるのね」
からかい半分で律子は言う。
「寂しい、のかな。なんだか大事なことを忘れてる気分なの」
小さな声の美希。
「...プロデューサー、ミキのこと、忘れたりしないかな...」
うつむく美希。
「何言ってんの。あの人はアンタ達を自分の娘のように思ってるんだから」
律子のどこか寂しげな声。
「忘れるなんてありえないわ」
「ミキね、プロデューサーのこと、スキだったのかも」
美希は空を見てポツリと言った。
「会いたいときに会えないって気持ちが、こんなに切ないなんて、知らなかったの」
空はこんなに晴れているのに。
「...会いたくなった時は、会わせてあげるわ」
美希はその言葉に首をかしげた。
「私はなにも、一年間ただ勉強してただけじゃないってことよ」
律子は美希に微笑んで、提案をする。
「美希、ハリウッド女優なんてどうかしら?」
~ここは ハリウッド~
961P(さて、研修が始まる前に、一通り身の回りのものを揃えないとな...)
961P(懐かしい、この空気...英語話せるってやっぱ気が楽だ)~♪
961P(ん、あそこの...日本人かな?なんか困ってるみたい)
961P「あの」
765P「はい?」
「「......」」メトメガアウー
765P「何だお前この近くなのか?」
961P「え、うん」
765P「そうか...」
961P「...なんか困ってたみたいだけど?」
765P「いや、765プロのCDを持ってくるの忘れてたことに気付いてな...」
961P「...」アキレ
765P「しょうがない。日本から送ってもらうか...」
961P「...」ティン!
961P「あ、とりあえずこのCDどうぞ」
765P「ん...?これ如月さんのCDか」
961P「千早も海外レコーディングが決まって大忙しだ」
765P「良いことだな。 ...この曲、俺も好きだった」
961P「名曲だろう。ソロデビュー曲、『悠久の旅人~Dear boy』」
時をわたる聖者のように
どんな孤独に泣いていたの?
遥か遠い星をつなぎ
ねぇ、思いを描くわ 空を見上げて
Dear boy いつも心にあなたを探せば
あぁ抱きしめるほどに 強い光を放つの
瞬く軌道が ふたりの目印
今どこで見ていても truth 感じてて
『アイドル』
それは女の子達の永遠の憧れ。
だが、頂点に立てるのはただ一組・・・
そんなサバイバルの世界からは少し離れたハリウッドで
今日もふたりのプロデューサーが研修に励んでいる―――
永く永く 紡ぎましょう
決してふたりがほどけぬよう
やがて朽ちたカラダを脱ぎ
ねぇ、ひとつになるまで 照らし続ける
Dear boy いつかあなたが目指した世界は
もう悲しみが消えた 未来でありますように
祈りはわたしに 喜びをくれた
まだ届かないけれど truth 信じてて
『日曜夜のゴールデン!765と961そろって大放送!』
『帰ってきました!生っすかーー!!?』
Dear boy いつも夜空にわたしを探して
すぐ見つけられるように 強い光を放とう
瞬く軌道は ふたりの目印
今どこで見ているの? truth 感じてる
765P&961P「ふたりのプロデューサー」 完
完結しました。今まで読んで下さった方々、本当にありがとうございました。
HTML化されるまで、残りのスペースで感想や質問など、よろしければお聞かせ下さい。
できるかぎり答えたいと思います。
765P(未来たちも...いつのまにか、こんなに成長してたんだな)
765P(...美希たちの初めてのライブを見ているようだ)
765P(まだ俺も未熟だった頃のライブを)
タッタッタ…
美希「プロデューサー!」
響「へへ、遅れてごめんだぞ...!」
765P「来たか!」
貴音「すぐに準備してまいりますっ!」
765P「MC明けのFate of the Worldから頼む!」
「「「はいっ!」」」
765P(今のフェアリーはデビュー当時の何倍も頼もしくなった)
765P(...例えば、こんなアクシデントに見舞われても)
765P(盛り返すのは...三人にかかれば容易い)
ここにきての訂正...すいません(_ _)
感想かぁ・・・
これほどのSSは滅多にお目にかかることは無いから
「素晴らしい」
としか言い様が無いんだよな
ともあれ>>1は乙である
おもしろかったおつ
>>687
>>688
ありがとうございます!続けていても殆ど感想など頂けないダメなssだとずっと思っていたので、とても嬉しいです。
なにより、読んでくださってありがとうございました。
意地でも完結できてよかったです。。。
感想なんて出てこないくらいに良すぎてもうね、乙しか言えないよ
普通のアイマスもゼノグラも好きだからマジに俺得でした
>>690
ありがとうございます!嬉しいです。。。
やっぱりゼノグラシアが受け入れて頂けるか不安だったので...
本当に書いて良かった。。。
無駄に設定盛りすぎて失敗してるな
そもそもなぜわんつーとフェアリーを逆にしたのか
亜美真美を違う事務所にして意味あったの?
>>692
読んでくださってありがとうございます。
自分の見たい世界を書こうと思ったら設定が膨大に...
765プロで輝いてるフェアリーは見たいものの一つでした。
亜美真美が別事務所なのはシリアスな理由はありませんが、
Pのどっちかがあんなに可愛い双海姉妹独占するなんて、戦争が起こるでしょう?
なら普通にジュピター入れといてフェアリーをそのまま765にしとけばいいじゃん
亜美真美はお互い一緒じゃないと意味ないだろ
二人一緒だからさらに輝くのにありえねえよ
大体長すぎる省けるところたくさんあるだろ
簡潔に短く伝わるように書くようにしろよ
長ければいいってもんじゃない
>>694
なんで俺が書きたいもの見たいものを書いてんのに誰かの脚本にそってやらなきゃいけないんだよ笑
亜美と真美が一緒じゃなきゃ意味ないとかそっちの方が分かってねえじゃん。個々で見ても十分可愛いだろうが。
ふたりじゃなきゃ絶対ダメなんて誰が言ったんだ。勝手に決めんな。
しかもジュピターに途中からプロデューサーつけるなんて黒井社長は考えんだろうに。
読んでくださった方々にはすごい感謝してるけど、傑作だから読んでくれって姿勢で書いた訳じゃないんよ。
アイマスが好きだから、自分なりに考えた世界を形にしたかっただけなんだわ。
でも正しい意見もあるし、参考にさせてもらいます。
これが最初で最後かもしれんが、もし気が向いて書くことがあれば、また読んでやってくれ(*^^)v
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません