勇者「武器を捨てた」(8)

勇者「何てことだ」

勇者「魔王との闘いを前にして」

勇者「火炎放射器、弾道ミサイル、戦車、全部捨ててしまった」

勇者「船が壊れたから、武器を捨てて泳いできてしまった」

勇者「何百メートルもの距離を」



魔王「おっ、勇者来てるじゃん」

魔王「やあ、最近どう」

勇者「たった今、人生最大のアクシデントに見舞われたよ」

魔王「そうかそうか」

魔王「だが、俺がさらなるアクシデントを巻き起こしてやろう」

勇者「えっと、武器を捨・・・」

魔王「今の俺に剣などというチンケな武器は通用しない」

魔王「俺はお前を殺すために、自分をサイボーグ化したからな」

勇者(あのー、そこまで気合入れられると困るんですけど・・・)

魔王「ん?どうした?」

勇者「実は武器を捨ててしまったんです」

魔王「武器って何だ?」

勇者「え~っと・・・あの・・・火炎放射器、ミサイル、戦車・・・」

魔王「フハハハハハ!今の俺にそんなものは通用しない!」

勇者「だって魔王がサイボーグになってるなんて・・・」

魔王「魔王がサイボーグだからなどという言い訳は通用しない!」

魔王「さあ、死ね!」

勇者「おい」

魔王「?」

勇者「闘いは、また今度でもいいよね!」

魔王「えっ!?」

魔王「まあいいよ」

勇者「じゃあ、僕は帰ります」

魔王「じゃーねー」

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