志希「にゃははー♪ いっくらあたしでも、流石にコレはないかなー♪」
晶葉「ああ、ないな。絶対にありえない」
モバP「どうしてだ!? こんなにお前たちに似合う仕事を用意したって言うのに!?」
晶葉「ほう……どうやら助手とは本格的に話し合わなければいけないようだな」
志希「同感だねー! いくら何でもさーヒドすぎるってもんだよねー!」
モバP「何でだよ! 良いじゃないか、『ギリギリ科学少女志希&晶葉』」
※歌詞
http://www.utamap.com/showkasi.php?surl=k-111123-131
※楽曲(一番のみ)
www.youtube.com/watch?v=YPq5Xs2BC4Q
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1397559197
モバP「そりゃ、初めからカバーソングだっていうのが気にくわないかもしれないが。そんなのは話題になってさえしまえば何の問題も……」
晶葉「そういうことではない!」
モバP「え!?」
志希「キミはさ……ちゃんと歌詞見たの?」
モバP「お前たちに歌わせるんだからな、もちろん見たし、原曲も聞いたぞ」
志希「にゃはは~……それで、本当にあたし達に歌わせようと思ったわけ?」
モバP「科学ソングなんだから、ぴったりじゃないか!」
晶葉「どこが科学ソングだ!」
志希「そーだよね。こーみえてまじめにやってるあたしや晶葉ちゃんにずいぶん失礼な話だよね!」
モバP「え? ひょっとして歌詞が気に入らないのか?」
晶葉「当たり前だ! 何だこの、人を似非科学者みたいに!」
モバP「そりゃあ、世間一般では電波ソングに分類されるけど。ほら、『あんずのうた』みたいに……」
晶葉「違う!!」
志希「晶葉ちゃん、落ち着いて落ち着いて。はい、ちょっとこのハンカチの香り嗅いで? うん、リラックスリラックスー♪」
晶葉「はぁはぁ……」
志希「大丈夫かにゃー?」
晶葉「ああ……少しは落ち着いて来た。ありがとう」
モバP「まったく、晶葉も慣れないんだから無理に大声出したりするなよ」
晶葉「誰のせいだと! ……もういい、助手よ黙って聞け」
モバP「なんだ?」
晶葉「これは断じて科学ソングではない!」
モバP「えっ?」
晶葉「『えっ?』じゃない!」
志希「っていうかさー、歌詞にも書いてあるけど、コレじゃ擬似科学ソングだよねー」
モバP「えっ?」
晶葉「……」
志希「……」
モバP「えーと、その……。よく分からんのだが、その擬似?科学ってのも、つまりは科学なんだろ?」
晶葉「ぜ ん ぜ ん 違 う !」
志希「一緒にされるのは心外だね!」
モバP「は? いや、ちょっと待て。落ち着け」
モバP「擬似科学は、科学じゃない?」
志希「YES」
モバP「じゃあいったい何なんだ!?」
志希「うーん、強いて言うなら……詐欺、みたいなもんかなー」
モバP「詐欺!?」
志希「みたいなもんってだけで、ちょっと違うけどねー」
晶葉「いや、人を騙して金儲けをしようという点では同じだな」
モバP「ということはつまり……俺はお前たちに詐欺ソングを歌わせようとしていたって事になるのか」
志希「そういうことに」
晶葉「なるな」
モバP「そうか……なんてこった! それじゃあ、お前たちも怒るのは当然だよな、すまなかった」
晶葉「まったくだ! これに懲りたら……うん? お前たち『も』?」
志希「ん? どーゆーこと?」
モバP「う……いや、実はだな。お前たちに話す前に、この曲でアイドルデビューしないかと新人のスカウトに行ってみたんだが、そこでも断られてしまってな」
志希「えっとさ……それって、どーゆー人?」
モバP「お前たちの方が詳しいんじゃないか? ほら、最近テレビで……」
晶葉「ストップ!」
モバP「えっ?」
晶葉「それ以上は、いけない!」
モバP「あ、そういえばあれって実際のところ、どう……」
晶葉「ノーコメント!」
モバP「いや、晶葉。俺はだな……」
晶葉「ノーコメント!」
モバP「……まあ、いいか。ということは、結局この案は没なんだな」
晶葉「そういうことになるな。次はもっとまともなプランを頼むよ」
志希「あたしはおもしろい奴希望ー♪」
モバP「はぁ……お茶でも飲んで考え直すか。ちょっと待ってろ、お前たちの分も入れてくるから」
志希「おーありがとー♪」
晶葉「ああ、すまない」
モバP「はいよ。お、やっぱり高いのにしただけあって良い香りだな」
志希「あれ? クンクン……いつものと変わらない気がするけど、お茶葉変えたの?」
モバP「いや、前にちひろさんが格安でまとめ買いしてくれたからまだまだ沢山残ってるぞ。あれなら後半年は持つんじゃないかな」
晶葉「ん? さっき高いのにしたと言わなかったか?」
モバP「したぞー。茶葉じゃなくて、沸かした水が特別なんだ。活性水素水って言ってな、健康に良いらしいぞー。何でも肌がすべすべになるって評判だから、試しに買ってみたんだ。どうだ、効きそうか?」
※活性水素水
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B4%BB%E6%80%A7%E6%B0%B4%E7%B4%A0%E6%B0%B4
志希「にゃ、にゃはは……キミ、それいくらしたの?」
モバP「聞いて驚け! 通常なら10リットルで14,980円のところが、なんと特別価格で9,980円だったんだぞ! ずいぶんお得だよな」
志希「えっと、それって事務所のお金?」
モバP「ははは、さすがにいきなり導入は出来ないさ。みんなの事を思ってまずは自腹で買ってみたんだけど、これだけ効果があるんだったらちひろさんに頼んで経費で落として貰えるようにしてみるよ」
晶葉「……おい、助手よ」
モバP「どうした? 晶葉も気に入ったか?」
晶葉「そこに正座!」
モバP「えっ!?」
晶葉「正座!!」
モバP「は、はいっ!」
晶葉「さて、助手よ。キサマ、なぜ正座させられているか、分かるな?」
モバP「えー、それは先ほど天才科学者の池袋晶葉さんに擬似科学の歌を歌わせようとしたからで……」
晶葉「それは関係ない! ん、いや、あるのか」
モバP「どっちだよ」
志希「そうだねー。簡単に言っちゃうと、その活性水素水っていうのはインチキ商品だから。キミ、騙されてるの。にゃはは、バッカでー♪」
モバP「な、何だって! まさか、偽物!? さすが志希、匂いだけでそれを見抜くとは……」
志希「にゃははー♪ どうしてやろう、このスカポンタン♪」
晶葉「ええい、いいからよく聞け!
そもそも科学的には『活性水素水』という物は存在しない!」
モバP「へっ? いや、ちょっと待てよ晶葉。じゃあ、俺たちがさっき飲んだ物はいったい何なんだよ」
晶葉「どうせ、どこかの水道水をボトルに詰めただけだろ。まったく、そんな馬鹿げた物に金を使って……」
モバP「え、あ、ああ。つまり、あの活性水素水は偽物で、ただの水道水だったんだな! ちくしょう、騙された!」
晶葉「おい! いい加減にしろ!!」
モバP「ひぃっ」
晶葉「だから、本物も偽物もそもそも活性水素水という物自体が存在しないんだ!」
モバP「はぁ? いや、だからあの業者が偽物を売っていただけで……」
志希「ねえねえキミキミ、この石買わない? チベットの山奥で採れた天然石で、持っているだけで100年は生きられるんだよ?」
モバP「いや、いきなり何を言い出すんだ、志希? そんな石あるわけないだろ。っと、んー熱はないな」
志希「いきなり何するのかな! というかそういうことはちゃんと分かるんだね」
モバP「そりゃ俺だって立派な大人だからな。今時小学生でもそんなのに騙されたりしないだろ」
志希「そーそー、もちろんこれはそこら辺に転がってたタダの石コロ♪ んでもって、キミが言ってる活性水素水もやっぱりそこら辺のタダの水なんだよー♪」
モバP「は? えっと……いや、まて。一緒にするなよ。だいたい、活性水素水っていうのは科学的に研究されていて……」
志希「有用だっていう実験データはないよ?」
モバP「え? 嘘だろ?」
志希「ホントー。そもそも活性水素水っていうのも商売用に勝手に名前付けているだけでなんの根拠もないんだよ?」
モバP「いや、そんなバカな……」
志希「あーもー、だからさー。自称霊能力者が売るインチキ商品みたいに、自称科学者がインチキ商品を売ってるんだよ」
モバP「う……いや、そんなはずは……あ、志希ひょっとしてお前も……」
志希「晶葉ちゃん、こいつどうしようかー♪」
晶葉「ああ、そうだな! 助手は一度痛い目にあわないと解らないらしいな!」
モバP「ちょ、お前ら、落ち着け! な、何をすっ……」
モバP「……すいっませんでしたっ!」
志希「つーん」
モバP「もう二度とあんな事は言いません。それからちゃんと勉強します……」
志希「つーん」
モバP「本当に、本当に申し訳ありませんでしたぁ!」
晶葉「はぁ……しかし、助手の科学音痴っぷりがここまでヒドいとはな。まさかとは思うがマイナスイオンとか信じていたりはしないよな?」
モバP「えっ!?」
晶葉「えっ!?」
モバP「……」
志希「……」
晶葉「……」
志希「これはちょっと、てってーした教育が必要だねー♪」
晶葉「ああ! 二度と助手が騙されないためにも、私たちの力が必要だな!」
モバP「と、いうことがあったんですよ」
ちひろ「はぁ、それはずいぶん大変でしたね。でもあの二人が講師ならいい勉強になったんじゃないですか?」
モバP「ははは、科学とは何かから始まって、擬似科学と科学の違いについての講義をみっちりと受けてきましたから、もう騙されませんよ」
ちひろ「ははは(あれ、そうすると私のドリンクも……?)」
モバP「しかし、こうして見ると世の中ずいぶんと擬似科学の商品が溢れているんですよね」
ちひろ「ソウデスネ」
モバP「まったく困ったもんです。晶葉と志希は実験データを確認しろって言いますが、そんなの個人でいちいち確かめられませんからね」
ちひろ「ソレハ問題デスネ」
モバP「本当ですよ! あんな話を聞いてからというもの、店で売ってるものは信じられなくなりました。もうちひろさんのドリンクだけが頼りですよ」
ちひろ「あ、そう……そうですか、そうですよね♪ もう、プロデューサーさんたら、仕方ないですねー♪」
お わ り
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