モバP「思慕の匂いに誘われて」 (65)
モバマスSSです。
試験的にスマホからの投稿です。
至らない点があるとは思いますがご容赦下さい。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1397482217
古典シリーズの設定を使ってますがちょっと外伝的な感じです。
いつか本編で出してみたいですが、それは他の人を出してからですねぇ…。
P「それじゃあな」
凛「うん。わざわざありがと」
P「いや、気にするなって。大した距離でもないし」
凛「でも、まだ仕事あるんでしょ?」
P「まぁ、あるけど気にしなくていいって」
凛「ならいいけど…」
P「そういうこと。それじゃあな」
凛「うん。バイバイ」
P「さてと…」
ポツ…ポツ
P「ん?雨か」
P「確かここに折りたたみ傘が…」
P「あった。よし事務所に帰るか」
P(そう言えば昔、凛に傘貸したよなぁ…)
P「翌日すぐに返されたけど」
P「こっちの歩道通った方が近道かな」
「――。――♪」
P「何か聞こえる…?」
P(歌声かな…?)
P「あ…なんだあれ?」
P(ピンクの傘が躍ってる…)
P「まぁ、雨の日はテンション上がるって気持ちも分からなくないかな…」
ピタ
P(あ、止まった…)
「……あ」ジー
P(あ、見つかった)
「あちゃー、見つかちゃったか」
P「あ、もう行くんでどうぞ気の済むまでどうぞ」
「ううん。もう飽きちゃったんだ」
P「そうですか。それじゃ」
「え。あー、ちょっと聞いていい?」
P「どうかしましたか?」
「ここ…どこか分かる?」
P「どういう意味ですか?」
「いやね、ちょっと前に向こうから帰ってきてブラブラ歩いてたらこんなとこに出ちゃったんだよね」
P「向こう…?」
「あー、ごめんごめん。海外から帰ってきたってこと」
P「迷子ですか」
「うーん。人生の迷子かも?」
P「それは流石に私じゃ無理ですけど」
「そっかー、残念。それじゃ、道案内の方は頼んでいい?」
P「駅までですよね?」
「話が早いねー。お兄さん頭良いでしょ?」
P「そんなことはありませんよ」
「そう?」
P「えぇ。それじゃ行きましょうか」
「うんうん。レッツゴー」
P「こんなこと言うのはアレなんですが…」
「うん?」
P「知らない人に滅多に付いていくもんじゃないですよ」
「分かってるってー」
P「そうですか?」
「うんうん。あ、関係ないけど、さっき女の子送ってたでしょ?」
P「えぇ、そうですけど…?」
「あんな可愛い子と一緒で狼にならない人が見ず知らずの人を襲うとは考えないと思ってねー」
P「なるほど」
「まぁ、いざとなったら傘で突くんで安心してね」
P「どう安心していいか分かりませんが、了解しました」
「えーと名前ってなんて言うの?」
P「私ですか。Pと言います」
「ふーん。あ、私は志希って言うんだ。一ノ瀬志希。希望を志すって書いて志希って言うの」
P「そうなんですね」
志希「そうなんですよ」
P「そう言えば、海外に行かれてたって旅行か何かですか?」
志希「いや、飛び級で学校に行ってたかな」
P「飛び級ですか」
志希「そうそう。ギフテッド?って言うらしいよアタシ」
P「そうなんですね」
志希「そうそう。そういう反応がいいよねー」
P「どういうことですか?」
志希「アタシの周りの人は皆その才能って奴に話掛けて来たからね。あたしはうんざりして、つまんなくなっちゃってこっちに来たんだよね」
P「頭良いのも考え物ですね」
志希「キミはどうなのさー」
P「私は別に凡人ですよ」
志希「嘘だね。だってなんでいきなり暗闇から現れたJKと普通に喋ってるのさ」
P「馴れですかね…」
志希「馴れ?」
P「アイドルのプロデューサーをやってるんですよ」
志希「へー。アイドルってあの歌って踊るアレだよね。へー面白い」
P「だから、一ノ瀬さんくらいの人と話すのは得意なつもりです」
志希「なるほどねぇ。その仕事って忙しいの?」
P「まぁ、暇ではないですね」
志希「あ、そうそう。ちょっとコレ嗅いでみて」
P「はい…?」クンクン
P「何だか甘い匂いがしますね」
志希「それだけ?」
P「え?……何かの花の香りですか?」
志希「えーと多分」
志希(おかしいなぁ…)
P「どうかしたんですか?」
志希「いや、これ志希ちゃん特製の惚れ薬なんだけど…効かなかった?」
P「…なんてものを嗅がせるんですか」
志希「まぁ、効かなかったから結果オーライでしょ。それより、なんでかな?鼻はちゃんとあるよね?鼻づまりとか?」
P「そういう訳じゃないですけど…」
志希「なんかこういうことを曖昧のままにしておきたくないんだよねぇ…うーん」
P「あ、これのせいですかね」ヒョイ
志希「何それ?香水?」
P「そうですね」
志希「男の人がこんなに可愛い感じの香水を持ってるなんて意外だねー彼女から?」ニヤニヤ
P「いや、そうじゃなくてですね。ちょっと曰くつきの物なんですよね」
志希「おーおー、そういうの嫌いじゃないよ」
P「まぁ、ヴァルプルギスの夜に作られたもので妖精が作った惚れ薬だそうです」
志希「へー!面白いね。なにが入ってるのかな?」
P「さぁ…」
志希「とりあえず嗅いでみるね」
P「まぁ、今はもう平気だと思いますけど…」
志希「んー、いい匂い。あ、言い忘れたけど、あたし結構香水とか作るの好きなんだよね」
P「そうなんですね」
志希「……効かないっぽいね」
P「でしょうね」
志希「ちょっと期待したのになー」
P「期待したんですか?」
志希「まぁね。そもそも自分以外に惚れ薬なんて作る人いないと思ってたし」
P「まぁ、作ったというか出来たというか…」
志希「妖精が作ったってのはファンタジーかもしれないけど夢があるよね」
P「夢はありますね」
志希「うーん…」
P「どうかしましたか?」
志希「それだよ。それ」
P「どれですか?」
志希「喋り方だよー。どうも明らかに年上の人にそういう言葉使いされるのは気持ち悪いんだよねぇ…」
P「そうですか?」
志希「うん。だからもっとこうフランクに。ね?」
P「…分かりました。これでどうだ?」
志希「おっ!意外に良い感じ」
志希「先生!駅はまだですか!」
P「もう見えてきたぞ」
志希「あ、本当だー」
P「そういや、ここから近いんですか?」
志希「まぁ、近いっちゃ近いね」
P「それは良かった」
志希「何かあるの?」
P「いや、知らない人にフラフラついて行かないかなって」
志希「平気だって。人を見る目はあると思うし」
P「それじゃ、お疲れ様」
志希「わざわざありがとねー。ばいばい」
P「何だか不思議な感じの子だなぁ…」
P(凛と周子と何かを混ぜた感じかな…)
P「すっかり遅くなっちゃったな急いで戻らないと」
事務所
P「お疲れ様です」
ちひろ「凛ちゃんの家で一服でもしてきたんですか?」
P「いえ、そういう訳ではないんですけど」
ちひろ「あら、違うんですね」
P「えぇ、ちょっと道案内を頼まれまして」
ちひろ「あら、お優しいですね」
P「流石に頼まれて断る訳にはいかないでしょう?」
ちひろ「確かに。……ん?」
P「どうかしましたか?」
ちひろ「プロデューサーさん。ちょっとこちらへ」
P「はい」
ちひろ「…うーん。女性の方ですか?その道案内した方は」
P「えぇ、そうですよ」
ちひろ「やっぱりですか。少しいい匂いがします」
P「あぁ、惚れ薬の…」
ちひろ「えっ、なんですか?」
P「その子が俺に惚れ薬を嗅がせてきたんですよ。全く効きませんでしたけど」
ちひろ「若干クラクラってきたのはそのせいですか…」
P「大丈夫ですか?」
ちひろ「まぁ、平気ですけど…慣れましたし」
P「あぁ、あの時は…」
ちひろ「目を逸らさないでくれますか?流石に恥ずかしいんですけど…」
P「すみません。ちょっと刺激が強くて」
ガチャ
杏「お、帰ってきたんだ」
P「寧ろまだいたのか」
杏「まーね。雨が降ったらお休みでー。って気分だよ」
P「カメハメハ大王か」
杏「よく覚えてるね。そういや、いつ帰るの?」
P「もう少ししたらだな」
杏「ん。それじゃ、それまで寝てるから、起こして」
P「体調は大丈夫か?」
杏「ん。元気過ぎて逆に疲れるよ。それじゃ」
バタン
ちひろ「自由ですねぇ…」
P「まぁ、それでもしっかりやってますよあいつは」
ちひろ「たまに杏ちゃんに甘いですよね」
P「そうですかね?そんなつもりはないんですけど…」
翌日
周子「ふーん。そんな子がいたんだ」
P「そうなんだよ」
周子「あたしと似てたんだっけ?」
P「見た目は似てないけどな」
周子「それじゃどこが?」
P「えーっと…言動とか?」
周子「ちょっと適当な感じなんだね」
P「そこは何とも言えないけど」
周子「本人が言ってるから肯定してもいいと思うけど」
志希「それにアタシはそこまで適当じゃないんだけど」
P「そうかなぁ…ん?」
周子「…ん?」
志希「あ、おはよーっ」
P「あ、どうも」
周子「この子?」
P「そうそう」
志希「先生!一ついいですか?」
周子「先生なんて呼ばせてたの…?」ジー
P「なんだ?」
志希「プロデューサーってなにしてるの?」
P「アイドルのプロデュースとか諸々だよ」
志希「アイドルって面白い?」
P「隣に本物のアイドルがいるから聞いてくれ」
周子「あ、あたし?」
周子「…まぁ、楽しいっちゃ楽しいと思うよ」
志希「ふーん…ちょっと興味出てきちゃったかも」
P「そうですか。と言うか、ちょっと熱でもありますか?」
志希「熱はないと思うけどなんで?」
P「ちょっとテンションが高い気がしてね」
志希「今のJKはこんな感じだよー。ね?」
周子「さぁ?残念ながらあたしはJKじゃないんで」
事務所
凛「それで、連れてきたと」
P「連れてきたって言うか付いてきたというか」
志希「綺麗だね?」
凛「そ、そうかな。ありがと…」ポリポリ
志希「いい匂いするし、もう最高っ!」
凛「なんか匂うかな?」
志希「シャンプーのいい匂いだから平気だって」
凛「な、ならいいけど…」
周子「それより疑問なのが、なんでPさんの横にいるの?」
志希「えっと、ソファに堂々と座るのは違うと思ったんだけど…」
周子「まぁ、確かにそうだけど」
志希「大丈夫!邪魔しないんで」
ちひろ「それで、そういうことになってるんですね」
P「まぁ、実害はないからいいですけど」
ちひろ「実害はない…ですかね?」
P「どうかしましたか?」
ちひろ「いえ、皆事務所に入って来た時のリアクション的に…ちょっと」
志希「うーん…もうちょっと離れとくね」
P「そうしてくれ」
志希「はーい」
ちひろ「そもそもどうしたんですかこの子」
P「昨日道案内した子ですよ。どうも気に入られちゃったみたいで。しかも名前で検索してみたら海外のサイトがヒットしまして…」
ちひろ「どういうことですか?」
志希「飛び級してたから多分載ったんだと思うよー」
P「でも、合わなくて帰ってきたらしいです」
志希「こっちでの手続きとかの関係で暫く暇になっちゃって、ここに来たんだ」
ちひろ「そ、そうですか…」
ちひろ「それじゃ、ちょっと出てきますね」
P「はい。行ってらっしゃい」
P「…ふぅ」
志希「どうかしたの??」
P「正直に聞くけど、昨日の惚れ薬が効いてますよね」
志希「…正解っぽい」
P「ですよねぇ…」
志希「どうも、キミを見ると動悸が早くなったり、顔が熱くなったり、匂いを嗅いでたくなっちゃってさー」
P「多分、すぐ抜けると思うんで仮眠室で休みますか?」
志希「うーん。いいかな。こんな気持ち新鮮だし…」
P「えーと…ここの場所を知ってる理由って、恐らく…」
志希「うん。昨日送って貰った駅周辺で芸能事務所を検索してから、公園で会ったことを考えて絶対に通るであろう場所で待ってたんだよね」
P「だと思いました」
志希「ありゃりゃバレてた」
P「関係ないですけど、化学系の専攻なんですね」
志希「そうそう。ケミカルケミカル」
P「正直、そっちの方面は明るくないですが、文系学問に比べてロジックがしっかりしてるイメージがあります」
志希「まぁ、何をどうしたらどうなるってのは決まってるね」
P「だから、基本的に一ノ瀬さんの考え方もそんな感じかなと勝手に考えていました」
志希「せいかーい」
志希「頭がいいって幸せなのかねー?」
P「どういうことですか?」
志希「ほら、偶に考えない?もし、普通に皆と学校行ったりして帰りにパフェとか食べたりって」
P「そんな話は聞いたことがありますね」
P(そういえば、泰葉が同じこと言ってた気がする…)
志希「ちょっとばかし頭がいいからってそういう所に行っちゃったのはどうかなって思ったら、なんかつまらなくなっちゃって帰ってきちゃったんだよねー」
P「天才はその才能故に縛られるという奴ですね」
志希「中々深い言葉だね?。最大の自由は不自由っての同じかな?」
P「何でも出来るのに何も出来ないってことですよね」
志希「あー、眠くなってきちゃった。寄りかかっていい?」
P「どうぞ」
志希「…ん。いい匂い。何だか落ち着くにゃ?。おやすみー」
事務所
ちひろ「なるほど。そんなことが…」
P「えぇ。今寝かせてますけど」
ガチャ
卯月「あのー…」
P「まだ寝てるか?」
卯月「そうですねーって何ですかあの子凄い可愛いんですけど!」
凛「誰かいるの?」
卯月「うん。新しい子かな?」
凛「ふーん…」チラッ
P「気になるなら行ってくればどうだ」
凛「うん…」
凛「……」
卯月「どうだった?」
凛「ま、まぁ、可愛いかな…」
卯月「だよねぇー。Pさんがスカウトしたんですか?」
P「いや、まだスカウトも何もしてないんだけど…」
卯月「あ、そうなんですね」
凛「じゃあなんでここにいるの…?」
ちひろ「まぁ、プロデューサー曰く色々あったそうですよ」
凛「…ふーん」
凛(色々ねぇ…)
P「ちひろさん」
ちひろ「はい?なんです?」
P「ちょっと、彼女を家まで送ってきますね」
ちひろ「そうですね。いつまでも寝かせておいてもあれですし」
P「えぇ、それじゃ行ってきます」
車内
志希「いや?ごめんっ!」
P「体は大丈夫ですか?」
志希「うん。オールグリーンって感じ」
P「惚れ薬の効果は無くなりましたか?」
志希「いや、それはどうかなー?」
P「はい?」
志希「いや、何だか非常に曖昧な思考で申し訳ないんだけど、治ってない気がするんだよねー」
志希(まだドキドキするし…)
P「え…本当ですか?」
志希「あ、体は平気だから気にしないで。それより別の話をしようよ」
P「別の話?そう言えば、ウチのアイドルが一ノ瀬さんのこと可愛いって言ってましたよ」
志希「そんなこと言われたことなかったから嬉しいなー。気にもしてなかったし。キミはどう?」
P「まぁ、可愛いと思うよ」
志希「ありがとー。あ、そうそう、アイドルって仕事の良い所とか教えてくれない?」
P「そうですね――」
P「ーーこんな感じですかね」
志希「なるほど、それでさ、キミの目には私が輝く姿は見えたりする?」
P「どうでしょうね」
志希「こういうのは直感で言っちゃえ?」
P「そうですね。結論から言うと見えますよ」
志希「わぉ!」
P「でも、アイドルになれるかは分からないですけどね」
志希「それは、どっちの問題?資質?家族?」
P「ご両親の方ですね」
志希「そうかもね。折角面白そうなことに出会えたと思ったのに…」シュン
P「ちょっとコンビニ寄るな」
志希「はーい」
P「何か欲しい物とかあるか?」
志希「コーヒーがいいかな」
P「分かった」
志希「さて…と」
P「ただいま。これ…」
P(いない…?)
P「後ろにもいないし…トランクにはいないだろうし…」
P「どこに行ったんだ?」
P「ちょっと探してみるか…」
志希「……にゃーん」
P「こんな所にいましたか…」
志希「お、はやーい。見つかっちゃったー」ニコ
P「いきなり車から出てって何をしてたんですか」
志希「何となくね」
P「なんとなくって…」
志希「ごめんね」
P「まぁ…見つかったからいいですけど…」
P(本当帰りたくないのか…?)
志希「それじゃ、帰ろっか」
車内
P「本当にアイドルをやりたいんですか?」
志希「ちょっとだけ興味はあるかな?」
P「ちょっとですか」
志希「でもね。キミの所でやるアイドルには興味はあるよ」
P「……」
志希「何だか面白そうだもん。結果が見えないけど不思議と嫌じゃないし。そうだね…例えるんだったら初めて見る反応が起きそうでワクワクしてるって感じかな」
P「そうですか」
志希「うん。って、また敬語に戻ってるじゃん」
P「あぁ、ごめん」
志希「全くもう」
志希「あ、ここ」
P「想像してたが大きい家だな」
志希「にゃははー。アタシは何もしてないからアレだけどねー」
P「まぁ、そうだけどさ」
志希「家上がってく?」
P「もう一度同じ質問をしていいか?」
志希「やってみたいかな」
P「まだ質問してないけど…」
志希「ほら、あたし天才だし…なーんてね♪」アハハ
志希宅
志希「たっだいまー」
P「お邪魔します」
志希母「あなた…今までどこに…どちら様ですか?」
P「えーっとですね。わ――」
志希「アタシはここまで送ってくれた人」
志希母「わざわざすみません…。それでは是非上がって下さい」
P「すみません」
志希母「粗茶ですが…」
P「いえ、お気遣いなく」
志希「にゃー、やっぱり白衣着ると落ち着くねー」
志希母「お客様の前ではしたない…すみません」
P「いえ、別に」
志希「そうそう。あたし決めたことがあるんだけど」
志希母「何かしら」
志希「アイドルやるね」
志希母「…えっと順を追って説明して貰っていいかしら?」
志希「順も何も…やりたいってことなんだけど」
志希母「どういう風の吹き回し?」
P「それについては私が…」
P「――と言う訳です」
志希母「なるほど、そういうわけですか…」
志希「そういうことなんです?」
志希母「えーと、申し訳ありませんが、プロデューサーさんは志希の経歴のことはご存じで?」
P「海外で飛び級していたということでしょうか?」
志希母「えぇ、そうです。折角海外まで行ったのにいきなりアイドルになるなんて…帰ってきたことですら驚いてるのに…」
志希「ダメ…かな?」
志希母「ダメと言っても聞かない子でしょうに…。面白いことを見つけたって顔してますもの」ハァ
志希母「ちょっと変わっているかもしれませんがよろしくお願いしますね」
P「はい。詳しい話はまた後日、お伺いさせて頂きます」
車内
P「ふぅ…」
志希「にゃー!」
P「うわっ!い、一ノ瀬さん?」
志希「志希って呼んでくれないと離さないから?」
P「し、志希…離してくれ」
志希「ほい」
P「車運転する前で良かったよ…ってなんで乗って来てるんだ?」
志希「ほら、お礼が言いたくて…」
P「志希…」
志希「それに匂いを嗅ぎたくて?」ギュ
P「おいおい…」
志希「匂いフェチだからしょうがないのだ」ハスハス
P「しょうがないのか」
志希「んー?代わりにあたしの匂い嗅いでいいよ?二人して変態チックだね」
P「遠慮しとくよ…」
志希「…ありがとねー」
P「これからが大変だけどな」
志希「うん。そーだね」
*
志希「志希ってさ、希望を志すって書くじゃん」
P「そうだな」
志希「どうせ新しい環境に飛び込むんだったら一番を目指したいよね」
P「そうだな」
志希「でも、もう一つ目標があるんだ。ほら、希望は二つの願いをのぞむことが出来るから」
P「漢字の話か。それで、もう一つの願いは?」
志希「いつか、キミに効く惚れ薬を作ることだね。有体に言えばキミに…惚れられることだね」
P「……」
志希「黙られると恥ずかしいんだけど…」チラッ
P「まぁ、ノーコメントで」
志希「えー、つまんないの」
P「それじゃ、一つ聞くが、それは昨日嗅いだ薬のせいじゃないのか?」
志希「うん。違うよ。それだけは言える」
P「それじゃあな」
志希「あ、ちょっとこっちに来てよ」
ガチャ
P「ん?どうし――」
ギュ
P「え、な、なにを…」
志希「プルースト効果」
P「え…?」
志希「匂いと記憶は密接な関係があるんだよね。だから、私のこの言葉を忘れないようにキミの記憶に匂いを刻んどくの」
P「……」
志希「あ、ちょっと顔赤くなったーっ」
P「そっちが言えた義理じゃないけどな」
志希「そ、それは言わない約束で」カァァ
志希「それじゃ、バイバイ」
事務所
P「匂いと記憶は密接な関係…か」
P「まぁ、確かに昔からそう言われてるな」
頼子「独り言ですか?」
P「あぁ、悪いな」
頼子「いえ、別に。確かに匂いと記憶は確かに密接な関わりがありますね」
頼子「それに、平安の世では、女性を香りで選んでいたそうです」
P「そうなのか」
頼子「えぇ…ん?」クンクン
P「どうかしたか?」
頼子「いえ、嗅ぎ馴れない匂いをしているなと思いまして」
P「まぁ、ちょっと変わった猫娘に好かれたからな」
頼子「そうでしたか。それじゃ、柑橘類かコーヒーの飴でもあげましょうか?」
P「ん?どうしてだ?」
頼子「猫は柑橘類とコーヒーの匂いが嫌いですから」ニコ
とりあえず終わりです。
読んでくれた方ありがとうございました。
次に出すアイドルに希望があればどうぞ
解説と言う解説はありませんが、頼子が言った昔は匂いで女性を決めていたと言うのは源氏物語の梅枝というものです。
渋谷凛(15)
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一ノ瀬志希(18)
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双葉杏(17)
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塩見周子(18)
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島村卯月(17)
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