未央「トップアイドルかあ……」 (26)
モバP「まだ実感が沸かないか?」
未央「ううん、トップアイドルって重いなーって思って」
モバP「それでも、喜ばないとな。掴んだものの重みを、お前は一番知っているはずだよ」
未央「そうだね。でも難しいよ、素直に喜べないや」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1397284683
モバP「振りでもいいんだ。続けていけば、いつか本当になる。トップアイドルになる過程で学んだはずだろう?」
未央「わかってるよ。でもさ、こんな歳で知りたく無かったな、そんなこと……」
モバP「辛い事だけを見たらダメだ。そうでないと、涙を呑んだアイドル達に申し訳が立たない」
未央「それ、プロデューサーだけには言われたくないな」
モバP「……未央」
未央「だってそうでしょ? 他のアイドルって、プロデューサーが辞めさせたみたいなもんじゃない」
モバP「そんな言い方をするな」
未央「私は、もっと和気あいあいとやっていけるものだと思ってたよ。しまむーとしぶりんと一緒にさ」
モバP「彼女達は自分の道を選んだんだ。それは誰にも強要はできないことだよ」
未央「違うよ。プロデューサーが道を断ったんだ」
モバP「そんなこと……」
未央「受け入れてあげれば良かったんだよ。そうすれば、みんな一緒だった。今だって、この場に居たかもしれないんだよ?
でも、プロデューサーは、みんなの気持ちをひとつひとつ丁寧に潰していった」
モバP「俺はプロデューサーなんだ。受け入れられないのは、何度も説明しだろう。この事務所が積み上げてきたものを全て失うことになるんだぞ」
未央「理屈じゃないんだよ。受け入れなくても、少しでも希望を見せてあげれば良かった。
そうすれば、しまむーはアイドルを辞めなかったし、しぶりんだって移籍しなくてよかった。プロデューサーが私達をバラバラにしたんだよ」
モバP「……未央」
未央「……ごめん。でも決めてたんだ。トップアイドルになったらプロデューサーに言ってやろうって」
モバP「俺への当て付けのために、その立場に上がったのか?」
未央「さあ。なんだか、わかんなくなちゃったよ。こんなはずじゃなかったのにね……」
モバP「言っていることは判る。だが、今やお前がトップアイドルだ。なら俺は判断は間違っていなかったんだろう」
未央「本気で言ってるの、プロデューサー」
モバP「どう思われようが、俺はプロデューサーとしての筋を通してきた。その結果、卯月や凛、他にも多くのアイドルが事務所を辞めていったのは事実だよ。
でも、それがお前の心を本当に強くした。だからこそ、お前は自分の夢を叶えることができたんだ」
未央「なに、それ。私にも責任があるって言いたいわけ?」
モバP「そうじゃない。だがトップアイドルになるってことは、他のアイドルの蹴落とすことだ。それは誰よりもお前がよく知っているはずだ」
未央「わかってるよ。でも、私のしてきたことと、プロデューサーのしてきたことは全然違う。そんな理屈で自分を正当化しないで」
モバP「なら、他にどうすればよかったんだ? みんなの気持ちを受け入れればよかったのか?
でもそうなれば事務所もただじゃすまないし、そもそも俺はそこまで器の大きい人間じゃないんだ」
未央「受け入れなくても、理解してあげればよかったんだよ。それで十分だったのに……」
モバP「でも、俺には出来なかった。だから自分のしてきたことが間違いじゃなかったと思いたい。そうじゃないと、俺はみんなに顔向けできないんだ」
未央「プロデューサーはさ、不器用で大げさだったんだよ。1か0でしか、物事を考えなかった。だから……たくさんの人が辞めちゃったんだと思うよ」
モバP「……なあ未央。俺は、間違ってたのか?」
未央「ごめん、プロデューサーだけが悪いんじゃないって、わかってる。でも、抑えられなくて……」
モバP「いや、いいんだ……俺だって疑問に思うことはあったんだ。誰よりも正しいプロデューサーであろうとしてきて、その結果がこれだ。
いろんな人の気持ちを踏みにじって、トップアイドルになった娘さえ悲しませている……」
未央「……」
モバP「俺は、プロデューサーになるべき人間じゃなかったのかもな」
未央「……ねえ。もしかして、プロデューサー辞めちゃおうなんて考えてない?」
モバP「すぐには辞めないさ」
未央「でも、今考えたでしょ?」
モバP「そうだな。でも、無責任に放り出したりはしない。もし辞めるときは、すべてを引き継いでから去るよ」
未央「それこそ無責任だよ。辞めていった人の気持ちや、事務所のみんな、私はどうなるの? 全部捨てていくつもり?」
モバP「仕事の全ては後任に引き継ぐさ。俺の積み上げた伝手もノウハウも全部な。問題ないだろう」
未央「ふざけないで。そんな勝手、絶対に許さないよ。辞めていった人の気持ちまで引き継げると思ってるの?」
モバP「違うんだ。未央なら判るはずだよ。俺はプロデューサーには向いてないんだ」
未央「向いてない人間が、トップアイドルを育てられると思う?」
モバP「たくさんのアイドルを傷つけた。中でも未央、お前を一番傷つけた。俺はアイドル達を、望んだ姿にしてあげられない」
未央「だから大げさなんだよ、プロデューサーは。出来るか出来ないかで考えてる。出来ないなら、出来るようにしてよ。大人でしょ?」
モバP「俺はまた同じ失敗をするかもしれない。それでもいいのか?」
未央「良いも悪いも無いよ。自分だけ楽しようなんて、そんなこと絶対させないからね」
モバP「……そうか」
未央「……」
モバP「ありがとう。もう一度、はじめからやり直すか……」
未央「私も、また一からアイドルやってみるよ。最初の気持ち、思い出したい。だって今、全然面白くないしね」
モバP「でも、もう頂上に登ってしまったな」
未央「関係ないよ。みんなで和気あいあいできて、それでファンのみんなと楽しめるなら、私はそれでいい。
こんなこと、今更思い知ることになるとは思わなかったよ……」
モバP「……悪い」
未央「そういえば、まだ聞いてなかったね」
モバP「なんだ?」
未央「プロデューサー、私トップアイドルになったんだよ」
モバP「ああ」
未央「何か、言うことがあるんじゃないの?」
モバP「おめでとう、未央」
未央「えへへ、ありがとう。でも、やっぱりうれしくないね。プロデューサーのバカ」
FIN
凛の彼女いないよねと卯月のみんなありがとうの2つが前作であってるか
そんな『時期』ってのはつながらなそうだし別作者?
ようするにちゃんみおごりおし運営クソって話か
おもしろくなかった
>>14-16
その通りです。
単品完結でさらっと読めるようにしたかったのですが、うまくいきませんでしたね。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません