適当に色んな短編書いていく【安価】 (8)

ダラダラっと色んな短編書いていきます

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[一人ぼっちの世界]

勇者「久々だな、この街に帰ってくるのは」

勇者「魔王討伐してこい!って言われたっきり戻ってきてなかったからな」

勇者「俺が勇者の血を引いてるからって無茶言いやがるとか昔は思ってたな」

勇者「あ、このよろず屋見るのも久々だな」

勇者「ここの親父さんにはよく遊んでもらってたっけな」

勇者「毎日のように遊んでくれて、人のいい親父さんだったな」

勇者「あ、この武器屋も懐かしいな」

勇者「昔よくここに来ては剣やら槍やら眺めてたっけ」

勇者「あの頃は武器に憧れてたな、俺」

勇者「はは、懐かしいなぁ、ほんとに」

勇者「あ…ここは……魔法使いの家か」

勇者「あいつとは昔っからよく一緒に色んなことをしてたな」

勇者「みんなの家のドアにいたずらしたり、街の至るところに落書きしたり」

勇者「そんなことをしては親父に怒られてたっけ」

勇者「魔法使いは爆発力のある魔法ばっか使ってたな」

勇者「そのせいで補助技使われたこととかなかったな
あいつよくMP切れ起こしてたし」

勇者「それでもやっぱあいつが一番俺のことをわかっててくれたな」

勇者「ま、よく喧嘩もしたけど
女なのにおれより強くていつも一方的にボコボコにされてたけど」

勇者「………さて、そろそろ俺の家に顔出しに行くか」スタスタスタスタ

勇者「外見何も変わって無いな、ま、当たり前か」ガチャ

勇者「ただいまー」

勇者「懐かしいな、この空気、この匂い」

勇者「全部子供の頃のまんまだ」

勇者「……俺が昔描いた落描きもそのまんまだ」

勇者「剣と盾持ってるな……多分勇者を描いたんだろうな、これ」

勇者「魔法使いの絵、親父の絵、モンスターの絵……いろいろ描いてんな、俺」

勇者「台所……昔ここで母さんがよく俺に味見をさせてくれたっけ」

勇者「母さんの料理はどれも美味しくて、大好きだったな」

勇者「特に母さんは魚料理がうまくて、魚料理が出た時は大喜びしてた」

勇者「父さんも俺と一緒に喜んでたな……魚の取り合いもよくしたっけな」

勇者「はは、懐かしいなぁ……」

勇者「………親父の部屋に行くか」スタスタスタスタ


ガチャ


勇者「……相変わらず散らかってるな、この部屋」

勇者「ま、親父は掃除全然してなくて、その分母さんがやってくれてたからな、まったく……」

勇者「とりあえず親父、ただいま。帰ってきたぜ」

勇者「親父が魔王討伐してこい!って言った時は正直やる気なかったけどとりあえず魔王倒してきたぜ」

勇者「どうだ親父、俺、成長しただろ?」

勇者「っていっても、今でも親父を超えられる気はしないけど」

勇者「きっと、いつまでもそうなんだろうな」

勇者「ほら、親父窓の外見てみろよ
星がたくさん輝いてるぜ」

勇者「俺がこの街を出ていく時と同じ空だ
何も変わってない、あの時の空だ」

勇者「……親父、親父は変わらない物語を変えようとしてすべて失った俺をどう思う?」

勇者「時も人も世界もなにもかも失った俺をどう思う?」

勇者「この世界を、プログラムで塗り固められた世界を変えようとしたこと自体間違ってたのか?」









勇者「…………なんてな」

勇者「今更誰も返事をくれないことなんてわかってる」

勇者「……それでも俺は生きていく、世界への償いとして、この何もない世界で」











書いてほしい短編とかあったらテーマ書いてくださるとありがたいです

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