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少女勇者「エッチな事をしないとレベルがあがらない呪い…?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426683598/)
※R-18
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1429623781
-主な登場人物
勇者<ユッカ>
15歳。天真爛漫で正義感溢れる少女。
魔王の復活を阻止すべく仲間と共に旅に出る。
淫魔の呪いを受け、性的行為をしなければ経験値があがらない体質。
また定期的に理性が崩壊し発情してしまう。
幼いころの記憶が一部欠落している。
僧侶<ヒーラ>
16歳。ユッカの幼馴染で彼女のことを心から愛している。
聖魔法、防御魔法が得意。
大聖堂に務める大神官の一人娘。
高貴な身分でありながらも親しみ深い性格。
パーティの家事担当。
魔女<マナ>
15歳。ユッカの昔馴染み。
黒魔術が得意。
近くにいる他人の魔力を吸い取ってしまう生まれ持った体質に苛まれている。
人に忌避された過去があり人付き合いが苦手であるが、ユッカたちには心をひらいている。
傭兵<ソル>
25歳。勇者のガードを務める青年。元・王国騎士。
剣術体術といった武芸に秀でているが、魔力を一切操る事ができない。
ユッカの事を人一倍気にかけている。
-敵
淫魔<サキュバス>
ユッカに呪いを与えた張本人。呪いを通して心を交信させることが出来る。
呪術・占星術・黒魔術の扱いに長けている。
つきまとう目的は不明。
闇の魔剣士
魔王復活の野望を果たすべく暗躍する魔剣士。
仮面には大きな十字傷が刻まれている。ソルの仇敵。
生まれたてのマントルドラゴンを使役する。
幼竜<マントルドラゴン>
本来は火山帯に生息し灼熱を操る翼竜種。
街の中で孵化し人々を恐怖に陥れるも、ユッカたちの手によって撃退された。
-その他の人物
獣の商人<マオ>
バザの街で薬店を営む獣人の少女(猫)
馬車の故障で立ち往生しているところをユッカたちに助けられる。
一行に宿泊する部屋を貸し与え、マナに薬術を伝授し笑顔で新しい旅立ちを見送った。
魔導師
魔女マナの後見人で元・王宮付きの大魔導師。
マナの呪われた体質を不憫に思い、王宮を離れ人里離れた深い森へと共に身を隠した。
ソルとは旧知の間柄。
第13話<港へ続く道>つづき
勇者「お風呂わいたよー。えへへドラム缶でお風呂なんて楽しそうだね」
傭兵「お、どれどれ」ピチャ
傭兵「あっつ!!」
傭兵「釜茹でにでもする気か!!?」
勇者「火強すぎ?」
傭兵「薪少しへらしてあとは残り火でだ。それとこの木の板を沈めて入れな」
僧侶「底の部分は熱いのでしょうか?」
傭兵「気をつけてね」
魔女「わかった」
勇者「はーい! じゃあ少し冷めたらさっそくはいろ!」
魔女「一人ずつしか入れない」
傭兵「じゃあ俺最後な」
勇者「いいの?」
傭兵「俺が先に入るとお湯があふれてもったいないからな」
勇者「そっかぁ」
傭兵「それに男が入った後なんて嫌だろ?」
勇者「別に? ねぇ?」
僧侶「えぇ。ソル様なら特になにもおもいません。ですよね?」
魔女「…」コク
傭兵「そ、そうか…。だけどやっぱり俺は最後にしておくな」
僧侶「わかりました。お気遣いありがとうございます」ニコリ
勇者「よーし誰から入るかじゃんけんしよっか! いっくよー!」
傭兵「…」
傭兵(こいつらにもそのうち反抗期が来たりするのだろうか…)
勇者『ソルなんて嫌い! 話しかけないでよ!』
僧侶『下着のお洗濯はどうぞご自分で!』
魔女『くさい。あっちいって。顔も見たくない』
傭兵(なんてな……はは)
勇者「? どしたの?」
傭兵「いやなんでもない」なでなで
勇者「じゃあお風呂入ってくるね! あ、覗いちゃやだよ!」
傭兵「見ねーって」
<夜>
【荷馬車・屋根の上】
傭兵「もうすぐ満月か」
傭兵「日が経つのはあっというまだな」
傭兵「さて寝るか。せっかく荷台を広くしても結局だれかあぶれるんだよなぁ…」
傭兵「さすがにヒーラちゃん達にくっついて寝ようぜとは言えないしな」
傭兵「俺にはここが良い。バザでの生活のほうが違和感があったんだ」
傭兵「……。マオのやつ……寂しがってるかな」
俺は猫の少女の妙ちくりんな方言を思い出しながら身体を休めた。
あいからず横になることはない。
馬車旅に戻った以上、常に周囲に対しての警戒を怠らず有事に備えなければならない。
それが旅での俺の務めだった。
トントントンと荷台車の中から軽い足音がする。
誰かが中のはしごを登っているようだ。
小さなノックの後、屋根に取付けられた蓋が開き、月光に照らされた栗色の跳ねっ毛頭がちょこんと頭を出した。
傭兵「どうした」
勇者「うー…なんだか眠れなくて」
勇者「…空綺麗だね。雲ひとつないや」
傭兵「だな。明日は満月だ」
勇者「外にいて寒くない?」
傭兵「いやべつに。もう少し北へ進んで海を渡ると寒いかもな」
勇者「次は港町なんだよね? なにがあるのかな」
傭兵「船と、うまい魚と、酒と、あとは舶来品とか色々」
傭兵「バザにもたくさん流れてきていたようだけどな」
勇者「魚かぁ…ボクねタコ嫌いなんだ」
傭兵「急だな。どうして」
勇者「だってぶにぶにしてるし、吸盤が怖いし…味も生臭くて苦手」
傭兵「うまいのにもったいない。大人になれば好きになるかもな」
勇者「そうかな? っていうかボク大人だよ!」
勇者「すぐ子供扱いするんだから…」
ユッカはやれやれとおおげさなポーズをとり、ゆっくりと身を寄せてくる。
ここ数日でずいぶんとお互いの距離が近くなった。
…もちろん、よくないこともした。
勇者「ねぇねぇ」
勇者「ちょっとだけ抱っこしてよ。ふたりっきりなんだから」
勇者「いいでしょ?」
有無をいわさずユッカは俺の胸に身体をあずけもたれかかる。
石鹸ではなくていつものユッカの匂いがした。ドラム缶風呂では満足に身体や髪を洗うことはできなかったのだろう。
傭兵「甘えるなよ」
勇者「ヒーラたちの前じゃこんな風にできないよ」
傭兵「もしかして…来ちゃってるのか?」
勇者「う、うん…ちょっとだけ。うずうずするかなって」
バザではユッカの呪いを解く方法は見つからなかった。
仕事の合間にたくさんの商人や情報屋と情報交換をしてみたが、どれもすべて空振りだった。
港町ならどうだろうか。
海の向こうの大陸から来た人間なら、なにかしっているかもしれない。
それでだめなら、手元にあるあの手紙。魔導師のじいさんのツテを辿るしか無い。
もしくはあの淫魔を直接叩き斬れば…とも思うがどうにも尻尾をつかめない。
姿を自由に消すことのできる奴がいまどこにいるのか、魔覚のない俺には検討もつかなかった。
傭兵「じゃあちょっとだけ…。指かしてやるから」
勇者「してくれないの?」
傭兵「屋根の上でギシギシしたらヒーラちゃんとマナを起こしちゃうだろ」
勇者「う、うん…それわかってるんだけど…」
勇者「ソルの顔みたら…したくなっちゃったな」
傭兵「……」
勇者「レベル上げだよ? ね?いいでしょ」
ユッカは困ったような顔で俺を見つめ、手を握ってきた。
やがて吐息のかかるような距離まで顔をよせてくる。
勇者「ねぇ…チューしたい」
勇者「ボクとチューして…」
傭兵(そんな顔されるとな…)
連日のユッカとの情事を思い出し俺の身体は勝手に期待をよせていきり立つ。
勇者「ほら、おちんちんおっきくなってきてるよ。これそうでしょ?」
勇者「ボクとえっちしたいってことだよね…?」
勇者「なのにダメなの? レベル上げしよ」
傭兵「…なぁユッカ。もうすこし恥じらいをもったほうが素敵なレディになれるとおもうぞ」
傭兵「お前の」
勇者「ボクは自分に正直に生きるから」
勇者「んっ…んむ…」
いいかけようとした途端にユッカに唇を奪われる。
今日はいつもにくらべて積極的だ。
これでユッカと唇を重ねるのは何度目だろう。
柔らかくて甘い感触に俺は酔いしれ理性が崩れてくる。小さなユッカの手を強く握り返した。
傭兵「服を脱げ」
勇者「うん」
ユッカはするりと薄いシャツを脱ぎ、たたまずにそのまま捨て置いた。
小ぶりな胸が露出し、ユッカは自身のそれを手に取るとすこし恥ずかしそうに笑った。
勇者「さわる?」
傭兵「あぁ」
ユッカの乳に両手をかける。
指でかるく押し込むと、小さいながらもしっかりとした弾力を感じられる。
勇者「おっきくなるかな」
傭兵「……」ふにふに
ユッカの胸のこれ以上の成長は正直あまり期待できなかった。
おそらくこのまま発育がわるいまま大人になるような、そんな予感がする…。
勇者「なにその目は。なんか言いたそう」
傭兵「い、いやなんでもない! 大きくなるといいな!」ふにふに
勇者「ソルがこうやって触ってくれたらおっきくなるよ」
勇者「ヒーラよりおっきくなっちゃおっかな!」
傭兵「それは…アンバランスな気が。背を伸ばさなきゃ」
勇者「ボクのママはどうだったんだろう。もし親が小さかったら無理なのかな」
傭兵「あ、ああ。そうかもな」
勇者「下も脱いでいい? こっちも触って欲しいな…」
ユッカは下もすべて脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿になる。
例えそれがよく知った間柄でも、月明かりに照らされた少女の裸体はあまりにも神秘的に見えた。
キメの細かい肌とサラサラの髪の毛が光を反射しきらりと輝く。
俺はそんなユッカの鎖骨に舌を這わせ、両手で軽く抱きしめて全身を愛撫した。
勇者「や…んっ…」
勇者「ソルとこんなエッチな関係になると思わなかったよ」
傭兵「俺のほうが思わなかった」
勇者「まだ出会ってちょっとなのにね?」
傭兵「そうだな」
尻を撫でていた手をすこしもぐりこませ、すでに湿りつつある陰部に指先で触れる。
ユッカはそれだけで過敏な反応をしめし、ぎゅっと首元に腕をまわして強く抱きついてきた。
勇者「そこ…もっと触って♥」
傭兵「ここ?」
勇者「いじわるぅ…そこはお尻だよ…そっちじゃなくて…」
勇者「おまんこの穴のほうがむずむずするから…」
傭兵(呪いのせいですっかりエッチな子になってしまったな)
傭兵(それともそれ以上に素質があったのか…うーんわからん)
ユッカの膣穴に指を滑らせる。
傭兵「どう?」
勇者「はむ…ソルの肩大好き。はむ…」
勇者「首もふとくて好き…えへへ」
傭兵(きいてねーな…)
傭兵(俺の方で勝手にしてくれと?)
勇者「んぅ…もっと、して♥」
傭兵(あぁ、もういいか。考えてもしかたない)
あの日ユッカを一生守ると決めた。愛してやると決めた。
もうとっくに後戻りはできない。俺の残りの人生はこの子のためにある。
じいさんの言葉の通り、ユッカもいずれ全てを思い出す時が来るだろう。
その時まで俺はずっとこの子の側にいたい。
傭兵「ユッカ。挿れるな?」
勇者「うん…♥」
俺は屹立したペニスを取り出し、愛する少女とまぐわった。
彼女は声を抑えることなく一晩中矯正をあげて鳴いていた。
第13話<港へ続く道>つづく
更新おわりおやすみ
また近いうちに更新します
前スレ埋めありがとうございました
http://fsm.vip2ch.com/-/sukima/sukima378535.jpg
勝手にこんな構造だと思っている。
>>1応援しているので、ぜひ今後も頑張ってください。
また遅くなっちゃった…
明日更新できるよう頑張ります
>>28
ありがとうだいたいそんな感じかな
車輪は4つあります。そのうち絵に起こすかも…
第13話<港へ続く道>つづき
<翌朝>
僧侶「眠れませんでした…」
勇者「…おはよ」
僧侶「おはようございます。昨夜は私眠れませんでした」
僧侶「すっごく。眠れませんでした」
勇者「き、きこえてるよ…」
僧侶「…」ジトー
勇者「ぼ、ボク顔あらってこよーっと!」
傭兵「あっ、この」
僧侶「ソル様。昨夜はおたのしみで」
傭兵「あー…それは悪かった。ごめん」
魔女「天井がぬけるかもしれない。気をつけて」
傭兵「…すいません」
僧侶「ふしだらです。毎日毎日…っ、私のユッカ様を」
魔女「それはウソ。昨夜あなたはソルの名前を呼びながらオ――」
僧侶「さぁ朝ごはんの仕度しましょうねぇ。マナちゃんも行きましょうねー」グイッ
魔女「…」
傭兵(なんなんだ…)
【野営地近辺の川】
勇者「はぷっ」
勇者「はー冷たい。ソルも顔洗いなよ」
傭兵「おう…」
勇者「浮かない顔してどうしたの?」
傭兵「なぁ。やっぱり荷馬車の上でするのはまずかったみたいだ」
傭兵「ヒーラちゃんの可愛い目元に隈が…はぁ」
勇者「う…でもするとこないし」
傭兵「荷台の中は改造して多少広くなったとはいえ、4人で寝るにはまだまだせまい…」
傭兵「それにまさかヒーラチャン達の隣でするわけにはいかないしな」
勇者「ボクさ、うずうずしてもなるべく我慢するよ。マオにゃんにもらった薬も持ってるから」
傭兵「そうしてくれるか?」
勇者「うん」
傭兵「悪いな、朝からこんな話」
勇者「い、いいよ! ボクにとって大事な話だから!」
・ ・ ・
傭兵「というわけで、これからはすこし自重しようと2人で決めた」
僧侶「…」ハムハム
傭兵「聞いてる?」
僧侶「聞いてます」
勇者「ねぇヒーラ怒ってるの?」
僧侶「怒ってませんよ」
僧侶「ユッカ様の"レベル上げ"は、大切ですからね!」
勇者「うえーん怒ってるじゃん」
傭兵「寝不足になってしまったのは謝る! どうか日中存分に寝ていてくれ!」
僧侶「そ、そうさせてもらいます…ふぁ…ぁ」
・ ・ ・
<移動中>
僧侶「zzz」
勇者「あっという間に寝ちゃったね」
魔女「馬車が揺れてると私は眠りづらい」
勇者「マナも寝不足になっちゃった?ごめんねぇ」
魔女「別に」
魔女「すっきりしたらよく眠れたから」
勇者「?」
・ ・ ・
傭兵「おーいお前らのどっちか。ちょっと速度おとすから上立ってくれるか」
勇者「なぁに?」
傭兵「向かって左手の遠方になにか建物のようなものがある気がする」
傭兵「御者台からじゃ見えない。上から見渡してくれないか」
勇者「おっけーボクがいくよ」
勇者「よいしょ…天井の蓋のハンドルちょっと固くしすぎだよこれ、んしょ」
傭兵「そうじゃなきゃ雨降ったらすぐ雨漏りだぞ」
勇者「ボクはともかく…マナやヒーラは開けられないんじゃないかな
がぱっ
勇者「よっと」
傭兵「なにか見えるか」
勇者「うーん…」
魔女「私も登りたい」
勇者「えー揺れてるから危ないよ?」
魔女「登りたい」
勇者「う、うん。わかったはしご気をつけてね」
コツ コツ コツ
勇者「手もって。引き上げるよ。よいしょ」
魔女「ん……ありがとう」
魔女「…いい眺め。風が気持ち良い」
勇者「だよね。ボクのお気に入りの場所なんだ」
魔女「昨夜はここで」
勇者「もーいまはその話はいいでしょ! 落ちないように気をつけて」
魔女「どっち?」
勇者「あっちのほう…確かに道の外れの森の中になにかあるような気がする」
魔女「見えない」
勇者「ボクは目がいいから」
魔女「…ずるい。術式、センシス」
勇者「なにそれ」
魔女「五感を短い間だけ鋭敏化させる魔法…。これがあればあなたに負けないくらい目がよくなる」
勇者「それは便利だね!」
魔女「鼻も良くなるからあなたに染み付いたあの人の臭いだって感じとれる」
勇者「…な、なにがいいたいの」
魔女「昨夜はお楽しみでしたね」
勇者「もー! からかわないでよぉ! さっきヒーラがそれ言ったでしょ!」ぽかぽか
傭兵「見えたのか見えてないのか早く報告してくれ」
勇者「えっとねぇ」
魔女「黒い屋根が見えた。あれは家」
勇者「だね! 結構大きいよ。お屋敷かなぁ」
傭兵(森の中に屋敷…)
傭兵(盗賊の言ってたアジトはもっと先の山中のはずだし、なんだろうな)
勇者「ねぇもしかしてアレじゃない! 冒険者向けの宿!」
魔女「そんなのがあるの?」
勇者「あるんだよ! けっこーあちこちに点在してるらしくってね。ボクは噂程度でしか聞いたこと無いんだけど」
傭兵「どうやら物好きな富豪があちこちに慈善で建ててまわっているそうだ」
傭兵(だがどうしてこんな道の外れに?)
傭兵(本当にそうだとしたら、もっと堂々と道中に建っているはずだが…)
勇者「ソル! 寄っていこうよ! 他の旅人から情報収集もできるかも!」
勇者「それに今日はヒーラもちゃんとベッドで寝た方がいいし!」
傭兵「…そうだな」
傭兵「ならすこし道を外れるが、行ってみるか」
森の入り口のぬかるみにいくつかの轍をみつけた。
おそらくはバザ帰りの隊商だろうか。
どうやらあの館には人の出入りがあるようだ。
勇者「行こうよ!」
森に入ってしばらく進むと、いくつもの大きな緑樹に侵食された古い屋敷が佇んでいた。
錆びついた門戸は開いている。
勇者「…入っていいのかな?」
勇者「人が住んでいるようには見えないよ」
僧侶「でもほら、お庭の中に馬車が停まってますよ」
傭兵「…」
僧侶「ふぁぁ…ソル様どうなさいますか…」
傭兵「あまりいい予感がしないな」
勇者「そう?」
傭兵「あたりや屋敷の中から魔物の気配はしないか?」
勇者「ちょっとまってね…探ってみる」
勇者「……。うん、魔物はいないよ」
傭兵「そうか。お前がそういうなら大丈夫そうだな」
僧侶「入りましょうか。ちょうどお昼時ですし」
傭兵「そうだな。旅の備蓄品にも限りがある、外食と補給ができるならそれに越したことはない」
俺たちは庭に馬車を泊めて屋敷の扉を開いた。
すこし薄暗くて広いエントランスを見渡すと、一人の少女が奥の階段を軽快な足取りで降りて、こちらへとやってきた。
少女「ようこそ、旅人の館へ」
勇者「一泊いいですか?」
少女「はい。表こんな風貌ですけど、設備はありますので」
少女「…どうぞごゆっくりおくつろぎ下さいね」
少女はペコリと小さく頭を下げる。
まるでどこかの御令嬢のような可憐な振る舞いと様相で俺たちを出迎えてくれた。
あまり飾り気はないが質の良さそうな純白のドレスと、人形のような金色の巻き髪が良く似合っている。
落ち着いた物腰で、とても気品のある少女に見えた。
少女「お疲れでしょう。早速お部屋にご案内いたしますね」
傭兵「二部屋あるか?」
少女「うふふ。たくさん空きはございますよ」
傭兵「他に従業員はいないのか」
少女「親族経営でして。いまは私一人なんです」
傭兵「そうか…他に宿泊客は? 表に馬車があったが」
少女「いらっしゃいますよ。いまはお部屋でお休み中です」
勇者「お昼ご飯ありますか!?」
少女「はい。ご用意いたしますね」
少女「準備ができたらお呼びいたします。お食事はこちらの、大ホールにて召し上がってください」
勇者「やった!」
勇者「ぼろっちい屋敷だけど中はピカピカで綺麗だね! あ…ごめんなさい」
少女「いいえ。せめて館内だけはと、なんとか維持している次第です」
少女「もう築100年ほどになります」
勇者「へーすごいなぁ」
僧侶「広いですね。私の実家より広いかも…」
魔女「私の住んでた家の100倍くらいある」
少女「皆様方は旅のお方ですか?」
傭兵「あぁ、道すがらちょっと目に入ったんで寄ってみた」
少女「そうですか」
傭兵「どうしてこんなところに」
少女「昔はこのあたりも街道だったのですよ。いまは見る陰もなく森に飲み込まれかけていますが…」
傭兵「へぇ…」
少女「もしかしてバザから?」
傭兵「あぁ。フェスティバルがあってな」
少女「この時期は毎年何組かのお客様がいらっしゃいます。嬉しいものですね」
少女「さぁこちらが皆様のご宿泊のお部屋です!」
勇者「わーすごい!」
僧侶「お姫様みたいなベッドですね」
魔女「眩しい」
少女「うふふ。スイートルームなのですが、使わずにいるのももったいないのでお通しいたしました」
傭兵「いやでも金が」
少女「もちろん宿泊の料金は通常のお部屋とおなじで結構です」
傭兵「本当にいいのか?」
少女「はい。お世話をさせていただく私はアリス。どうかよろしくおねがいします」
傭兵「あぁよろしく」
傭兵「おいユッカ! ベッドに乗るのは服を着替えてからにしろ!」
勇者「え~~?」ぼよーんぼよーん
魔女「ユッカ降りて。私もする」
僧侶「ふぁぁきもちいい…やっぱりベッドは最高ですね…おやすみなさ~い」
傭兵「あーもう…」
少女「うふふかわいい。ではごゆっくり」
少女「さ、殿方のお部屋は上の階の3号室になっております」
少女「案内いたしましょうか?」
傭兵「ありがとう」
傭兵「にしても部屋がたくさんあって迷いそうだな」
傭兵「お、この部屋は?」
少女「あ。えっと、こちらは…覗かれますか? すこし恥ずかしいですけど」
若干物々しい扉を開くと、部屋の中には大小様々なガラスケースがいくつも並べてあった。
その中にぬいぐるみや色とりどりの人形がひとつひとつ丁寧に鎮座している。
傭兵「おお…なんだこの空間は。メルヘンチックというか…少女趣味?」
少女「あの、笑わないでくださいね。私、お客さんが来ない間は寂しくってこの子たちと…うう」
傭兵「あー…なるほど。いや気にしないでくれ」
少女「実は全部手作りなんですよ」
傭兵「へぇそれはすごいな。あとでユッカたちにも見せてあげたい」
少女「はいもちろんです。ではお部屋のほうへ」
傭兵「あぁ」
そして俺達は立ち寄ったこの親切な館で一夜を明かすこととした。
第13話<港へ続く道>おわり
更新おわり
次回14話本日夜予定
第14話<アリスの館>
【ダイニングルーム】
少女「さぁ召し上がれ。」
勇者「わぁいただきます!」
僧侶「これ全てアリスさんがご用意されたのですか?」
少女「えぇ。料理には自信がありまして」
僧侶「私とそう変わらない歳で…すごいです」
魔女「このシチューおいしい」
勇者「おにくおいひい」ハムハム
少女「うふふ。たくさんありますのでゆっくり召し上がってくださいね」
傭兵「へぇあんたらもバザから」
旅人A「あぁ。おいらたちは商人じゃなくてただの買い物目当ての観光客でな」
旅人A「この時期になると必ずバザに立ち寄っているんだ。これ、あそこで買った舶来品の時計だぜへへ」
旅人B「おたくらは? 表にたいそうな荷馬車がとめてあるけどありゃおたくらのかい?」
傭兵「まぁな。俺たちも商人じゃない。ただの旅人だ」
旅人A「若い子連れ回して羨ましいねぇ。あっちのテーブルは華があっていい」
旅人B「館の主人のアリスさんも美人だし言うことねぇな!」
傭兵「主人? あの子が主人なのか」
旅人A「みてーだぜ。おいらたちはここにもう2日泊まってるが他の従業員は見かけてねぇな」
旅人B「あんな小さい子がたったひとりでこんなデカイ宿を経営してるなんて偉いよなぁ」
旅人A「心打たれた俺達は昨日一日御礼にと館内の掃除を手伝ったってわけさ!」
傭兵「へぇ。どうりで」
旅人A「そういやバザと言やあ、ドラゴン騒ぎもちろんは知ってるよな?」
傭兵「あぁ」
旅人A「街中に魔物なんておっかねぇ。ただすぐに街の守備隊に撃退されたみたいだ」
旅人B「あの街にもたいした用心棒がいたもんだな。へっぴり腰の素人兵ばかりだとおもっていたが…」
傭兵「…」
旅人A「ひとつツラを拝んでみたかったね」
旅人B「いやぁ被害でおおきくなくてよかったよかった。来年中止になるとたまったもんじゃねぇからなぁ」
旅人B「感謝感謝だよ」
傭兵「そうだな」
旅人A「バザは楽しかったかい。何しに行った」
傭兵「旅の補給と情報収集だ。ほかにもいろいろ珍しいことがあって、まぁ楽しかったよ」
旅人A「そうかい。んでこの後はどこへ?」
旅人A「いや言いたくねぇならいいんだ! さすらいの旅人に旅路の果てを聞くのは野暮ってもんだ」
傭兵「…なぁ。闇の神殿って知っているか」
旅人A「闇の神殿?」
旅人B「…?」
傭兵「知らないならいい。忘れてくれ」
旅人A「いやまてよどこかで聞いたことがあるな…」
傭兵「本当か」
旅人A「大昔、まだ大魔王といわれる存在が生きていたころに使われていた魔物の総本山じゃねぇか?」
傭兵「それはそうなんだが。どこにあるのか探している」
旅人A「うーんしらねぇなぁ」
旅人B「魔物なんておっかねぇもんには近づきたくもねぇ」
旅人A「そこに何しにいくんだい。もうとうの昔に遺棄されて廃墟になってるんでねぇか?」
傭兵「…その可能性はあるが」
旅人A「もしかして盗掘でもしようってのか? おたくら実はこの辺りに出る盗賊団の一味だったりして?」
傭兵「違う。もっと東からきた武芸者だ」
旅人A「腕には自信ありってとこか。だがやめときな。魔物なんて相手にしてると命がいくつあっても足りゃしねぇ」
旅人B「そうだぜ。君子危うきに近寄らず。住む場所選べば平和な時代だ。のんびりやろうぜ」
傭兵「忠告感謝するよ」
旅人A「あぁ。食おう食おう」
旅人B「旅の出会いにもう一度乾杯!」
傭兵「おう」
コツン
傭兵(旅慣れてそうな奴らでもやっぱり噂程度にしか知らないか…)
傭兵(魔剣士の仮面野郎を叩きのめして直接吐かせれば訳もないんだがな)
傭兵(とにかく今は港へ急ぐか)
<夜>
勇者「おっふろ♪ おっふろ♪」
傭兵「おい廊下は走るな」
勇者「は~い! やっぱり広いお風呂がいいよねぇ。ヒーラもマナも早く早く!」
僧侶「そうですね。ドラム缶風呂は…正直無いよりマシというか」
僧侶「あっ、ごめんなさいせっかく取付けていただいたのに!」
僧侶「思ったより…その、恥ずかしくて」
傭兵「だよな。あれは女の子の入る物じゃない」
傭兵(入る時と出る時に周りに誰かいたら丸見えだしな…)
傭兵「断じて俺はみてないけど…」ブツブツ
僧侶「あの…?」
傭兵「せっかく宿に泊まったんだからお風呂を満喫してきな」
僧侶「はい!」
魔女「ねぇ」クイ
傭兵「ん?」
魔女「あっちの部屋何」
傭兵「あぁあそこは人形が飾ってある部屋だ」
魔女「人形…見たい!」
傭兵「興味あるのか? アリスさんに一言断ったほうが…っておいマナ」
カチャ
魔女「…」
傭兵「まぁあとで言っておけばいいか」
魔女「…」
傭兵「どうした。お前ぬいぐるみや人形が好きなのか」
傭兵「やっぱり女の子なんだな」
傭兵「あとでゆっくり見ないか。ユッカとヒーラちゃん先に風呂行ったぞ」
魔女「これ」
傭兵「この人形たちがどうした。この2体おそろいだな。一つもらえたりしないだろうか」
魔女「……別にいらない」ツカツカ
傭兵「…? どうしたんだ」
魔女「お風呂行く」ツカツカ
傭兵「お、おう…変な奴」
傭兵「…」ジィ
傭兵「そういやさっきこの部屋きたときこんな人形あったっけな」
・ ・ ・
傭兵「あぁいい湯だったなぁ」
傭兵「やっぱ広い浴槽につかるとスッキリするぜ」
勇者「ふぁ~~そうだね」
僧侶「zzz」
傭兵「あれ。ヒーラちゃんもう寝てるのか」
勇者「今日はお疲れみたい」
傭兵「キングサイズのベッドなら蹴飛ばされる心配もなく眠れるな」
勇者「むーなんでボクの顔みて言うの」
傭兵「それにずっと狭苦しい場所ばっかりだったからな。マオの家でもベッドはシェアだったし…」
勇者「ソルもここで寝ない? おっきいいベッド2つあるからさ…」
傭兵「俺は上に部屋がある。お前もたまにはゆっくり寝ろ」
勇者「う、うん…じゃあそうする」
魔女「おやすみ」
傭兵「おうお休み」
【男部屋】
コンコン
カチャ…
傭兵「? マナか」
魔女「…」
傭兵「どうした?」
魔女「今日は、なんだか眠られなくって」
傭兵「お前夜になってから落ち着きがないな。なにかあったのか」
魔女「外を見て」
傭兵「外? 何もないけど。俺たちの馬車が泊まってあるな」
魔女「そうじゃなくて。上」
傭兵「上? …満月、だな。いい夜だ。明朝出発じゃなきゃ酒でも飲みたくなってくる」
魔女「あの大きな目が私のことを見てる」
傭兵(何を言ってるんだ…)
魔女「満月の夜は、嫌い」
傭兵「マナ?」
魔女「満月の夜は、魔力に満ちて力が……呪われたこの力が強くなる気がする」
魔女「ユッカとヒーラの側にあまりいたくない」
傭兵「……そうか。俺にはわからない話だが」
魔女「あなたの側なら、なにも心配はない」
魔女「私は唯一あなただけを傷つけることができないから」
魔女「今夜はここで寝させて」のそ
傭兵「あ、あぁ…好きにしろ」
傭兵(じいさんが深い森の中に隠れ住むことを選んだのはこういう理由があったのかもな…)
魔女「普通の人は、満月が怖くないの?」
傭兵「怖くはないと思う…魔力が満ちる感覚は人によってはあるみたいだ」
傭兵「高等な黒魔術の類なんかは満月の夜に行われることがおおいらしい」
傭兵「伝聞ばっかりで悪いな。俺はあまり詳しくない」
魔女「…そう」
魔女「魔物も、満月の夜に強くなる」
魔女「私は…何だろう」
傭兵「…。マナは俺にとってユッカやヒーラちゃんとなにもかわらない普通の女の子だよ」
魔女「…そう」
俺は側で背中を丸めて眠る少女の頭を小さく撫でた。
絹糸のような美しい銀色の髪が窓の隙間から吹き込むそよ風にまくられ、少し哀しそうに揺れていた。
【女部屋】
勇者「うう~…あついよぉ…あついぃぃ」
勇者「ヒーラぁ…」
僧侶「…~♪ …zzz」
勇者(どうしていつもこうなの! マナは知らないうちにどっか行っちゃったし! 絶対ソルのとこだ!)
勇者「一緒に寝て被害を被ってるのはキミじゃなくてボクのほうだよ…」
僧侶「ユッカしゃま…れべるあげ…うふふふ…zzz」
勇者(怖い…)
カチャ…キィ…
勇者「…? マナ?」
コツコツ
勇者「違う。誰」
少女「お休みの所申し訳ありません」
勇者「あっ、なんだアリスさんか」
少女「…」キョロキョロ
勇者「どうしたの?」
少女「お二人だけですか?」
勇者「う、うん…そうだけど」
少女「そうですか…うふふ」
勇者「…? あの、何か用ですか?」
少女「…。満月の夜は私に力を与えてくれる…」
勇者「えっ」
少女「さぁ踊りましょう。私の2つの秘術で」
少女「あなた達を素敵なコレクションに加えてあげる」
第14話<アリスの館>つづく
更新おわり
次回本日内
第14話<アリスの館>つづき
勇者「ボクたちを…コレクション…?」
少女「うふふ…」
勇者「な、なにを言ってるの…?」
少女「逃さないわ。秘術【マリオネット】」
薄暗闇の中で目の前に立つアリスさんの目が妖しく光った。
その直後、指先から光るロープのようなものがビュンと飛び出してきてあっという間にボクとヒーラの額に張り付いた。
がくんと体から力がぬける。
勇者「うあっ!?」
勇者(どうしたんだ…魔力がなくなっていく…!)
僧侶「むにゃ…?」
少女「あらあら。お二人ともたくさんの魔力をお持ちなのですね」
少女「吸い尽くすのに時間がかかりそう…うふふ。ご馳走のお返しにたっぷりいただきますね」
勇者「な…んだこれは…っ」
少女「これはとりつけた相手の魔力に絡みつき吸い取り、身体を意のままに操る魔法の糸」
少女「あなたたちはもう私のお人形になったのですよ」
少女「ですが、カラダはもっと可愛い物を用意してあげますね…うふふ」
勇者「なにをいってるの…? わけがわからないよ」
勇者「うっく、体が…うごか――」
勇者(まずい…ぴくりとも動けない)
勇者(ヒーラっ、起きてっ!)
勇者(あれ!? 声がだせない!? どうして! 優しいアリスさんがどうしてこんなことを!)
少女「まだわからないのですね。おまぬけさん」
少女「他人を信じ過ぎると痛い目にあうってお母様に教わりませんでしたか?」
少女「あの殿方は私のことを少し疑っていたようですけど…」
少女「先日手に入れた旅人達が役に立ちました」
勇者(嘘だ…まさかアリスさんは魔物!? いやちがうっ、魔物の感覚じゃない)
少女「そう。お察しの通り私は人間ですよ?」
少女「ふふ…敏感な魔覚をお持ちなのですね。うらやましいです。しかしこの力ももうすぐ私のものに…うふふ」
勇者(ボクたち…どうなっちゃうの…。ソル! 助けてソル!)
少女「すごい…すごい魔力! まるで洪水のごとく流れこんできます! あぁっ、もうぞくぞくしちゃうっ」
勇者(うぐ…魔力が、吸われてるっ!)
勇者(まだ大した量じゃないけど…こんなのが続けばいつかすっからかんに)
少女「にしても時間がかかりますね。あなたには糸をあと2本、糸を追加しておきましょう」
つぷ…
今度はボクの胸元とおへそのあたりに魔法のロープが突き刺さる。
突き刺さるといっても痛みは一切なく、ボクの身体を巡る魔力の流れをせき止めてそこから吸い出しているようだった。
勇者(こんな魔術が…っ)
少女「そっちの小娘はもうじきに終わりそうですね」
勇者(!)
僧侶「 …う…ぁ」
勇者(ヒーラ! くそぅ!)
少女「金髪のあなたの魔力は聖性に満ちていて…心が洗われるようです」
少女「あぁでもこれは私の生きがいですから。改心なんていたしません…たっぷりといただきます」
僧侶「…っ、ぁ」
少女「うふふ」
勇者(どうしてこんなことをするんだ!)
少女「どうして?」
少女「それは私が…永遠の少女でいるため♥」
少女「お父様の残したこの館を、未来永劫守りぬくためです」
少女「さぁ。タフなあなた方といえど、いい加減弱ってきましたね」
少女「魔力を完全に失った肉体はどうなるかご存知ですか?」
少女「魔力とは生命の源」
少女「失えば、慢性的な肉体の疲労感や倦怠感、筋力の低下」
少女「精神力や回復力も弱まり、さながら老衰したご老体にようにやがて朽ち果ててしまいます」
少女「もう歩くことすら困難でしょう」
少女「かわいそうですね…」
勇者(くそぅ…なんとかしなきゃっ!)
少女「本当に可愛そう…まだ若くてこんな美しいのに」
僧侶「……ぅ」
勇者(ヒーラにさわるなっ…!)
少女「でも安心してください。あなたたちは死にはしませんよ」
勇者(なんだって)
少女「肉体を失っても、気高き魂だけは生き続けるのです」
アリスの手には2体の小さな人形があった。
それは手のひらサイズの3頭身ほどで、まるでボクとヒーラを模したような見た目をしている。
少女「うふふ。かわいいでしょう」
少女「私は美しいものよりかわいいもののほうが好きなんです」
勇者(それは…一体)
少女「まもなくです。3…2…1♪ はい♪」
僧侶「ぅ…――」
少女「おしまい。ヒーラさん、ごちそうさまでした」
勇者(まさか…っ)
少女「この子の体はこのさき緩やかな死へと向かいます」
少女「だから助けてあげるのですよ」
少女「この小さな新しい体にあなたたちの魂を移して、ね?」
不敵な笑みを浮かべる目の前の少女から恐ろしい言葉がなげかけられた。
勇者(ヒーラが死ぬ…?ボクも…?)
勇者(魂だけ…その小さな人形に…?)
少女「はい」
少女「先にどうなるか見せてあげますね」
少女「秘術【ワンダーランド】」
ヒーラの体が輝きだし、にゅるりと大きな光の塊が抜けヒーラをかたどった人形の中へと入っていく。
そしてヒーラの肉体はピクリとも動かなくなった。
目を閉じたまま、やすらかに眠っているようにみえた。
だけど、呼吸の音一つ聞こえてこない。
少女「うふふ…また私のコレクションが増えちゃった」
勇者「そん…な…」
勇者「ヒー…ラ」
少女「…! へぇ。まだ抵抗できるのですか。動きは封じてあるのですが…」
少女「本当にタフな子。ふんふんなるほど、あなたには魔性の者の力が宿っているのですね」
少女「だけど残念。なーんの役にもたたないみたいですね?」
勇者(サキュ…いないの…? こんなこと頼みたくないけど、助けて…)
勇者(サキュ! どうしてなにも言ってくれないの!)
少女「…なるほど、サキュバス。うふふ」
少女「まだ現存していたのですね。珍しい力が手に入りそう♪」
勇者(サキュ…ヒーラが死んじゃう! 助けてよ!!お願いだよ!!)
少女「無駄ですよ。あなたは淫魔の特性をご存じないようですね」
少女「彼女たちは常闇の生き物」
少女「このような光り輝く月夜に姿を現すことはありません」
少女「さぁあなたもこの子の中にお入りなさい」
少女「あなたのかわいい顔を思い浮かべながら、つくったお人形ですよ」
少女「きっと最高の住み心地だとおもいます」
少女「ですよねー? ヒーラちゃん」きゅっ
人形「…」
勇者(うわああああああ!!!)
少女「あらら、魔力が漏れてますよ…もったいない」
【男部屋】
魔女「……」むくり
魔女「…」キョロキョロ
傭兵「ん……どうしたこんな時間に。眠れないのか」
傭兵「あーもしかしておしっこか?」
魔女「はぁ……」
傭兵「わ、わるい。行って来い」
魔女「…ねぇ」
傭兵「ん」
魔女「あなたはなにも感じない?」
傭兵「は? いや、殺気なんてなにも…」
魔女「…おばけかも」
傭兵「怖いのか。ついていってやろうか」
魔女「いらない」
傭兵「トイレわかるか?」
傭兵「階段で下の階に降りて廊下をまっすぐ進んで、えっと確か」
傭兵「この館広すぎるよな」
魔女「平気。あなたはここで待ってて」
【廊下】
トボトボ
魔女(ここにはたくさんの未練が渦巻いている)
魔女(落ち着かない)
魔女「…暗い」
魔女「火の玉、でておいで」ボゥッ
▼魔女は蒼い火の玉を呼び出した。
魔女「あなたも感じるでしょ」
火の玉「…」ふよふよ
魔女「いやな気配。まるで私と同じだね」
少女「うふふ…それは私の事?」
魔女「!」
少女「こんな時間に、お手洗いですか?」
魔女「その手の人形は…」
少女「マナさんは上の階でお休みだったのですね」
魔女「人形、何? 質問に答えて」
少女「私の新しいコレクションをお部屋に飾りに行こうとしたところなんです」
魔女「どうしてあなたからユッカとヒーラの気配がするの」
少女「…うふふ」
少女「先に三体目をつくっちゃいましょうか」
魔女「…そう」
魔女「術式…アイスビュレット」
▼魔女は無数の氷の弾丸を放った。
少女「!」
魔女「魔を防げ…術式:結界」
▼氷の弾丸は見えない壁によって弾き飛ばされた。
魔女「それはヒーラの…」
少女「便利な力ですね。やはり冒険者を吸うのは最高です」
少女「それにしてもなんて遠慮のない子。仲間のおまぬけさんのようには行かないみたいですね」
魔女「ヒーラとユッカは?」
少女「あぁ。死にますよ。まもなく肉体はね」
少女「でも魂は…こ・こ♪」きゅっ
人形「…」
魔女「そう」
魔女「術式…フレイムキャノン」
▼魔女は巨大な炎の弾丸を放った。
少女「術式:聖守護結界!」
▼炎の弾丸は光の壁によって消滅した。
少女「はぁーあぶない」
少女「ちょっと! そんな危ないもの家の中でつかわないでください! 大切なお屋敷なんですよ」
×魔女「魔を防げ…術式:結界」
○少女「魔を防げ…術式:結界」
修正
魔女「その技…見たことない」
少女「まだあの子たちは本来の力を引き出せていないようですが。私のレベルならそれら十分に扱うことができます」
少女「それ以外にも私はいままでにたくさんの人間から力を奪ってきました」
少女「勝ち目があるとでも?」
魔女「それがあなたの能力? くだらない」
少女「くだらないですって…我が家に伝わる最高の秘術を…くだらないですって」
少女「ならばその恐ろしさ、その身に刻んであげましょう。秘術【マリオネット】」
▼少女は光る魔法の糸を魔女の体に突き刺した。
魔女「!」
少女「うふふふ…これであなたの体も私の意のまま…!」
少女「さぁあなたの魔力をあじあ……!?」
少女「なっ、なんで…」ガクン
魔女「…」
少女「どうして私の魔力が…抜けていくの…」
魔女「…」
少女「あなた…一体なに!?」
魔女「くだらない。返してもらう、私の仲間の魔力も力も全て」
少女「まさか…あなたが吸っているの…? 私のマリオネット以上の速度で…!?」
少女「か、解除を…! ありえないわ」
魔女「この糸、絶対に離さない」ぎゅっ
少女「い、いやっ! やめてくださいっ…! 離せ!!」
少女「吸われていく……ッ! くぁ…離して」
魔女「…」
少女「こ、こんなことがぁ…!」
少女(なんとかしなくては)
少女(こいつを魔法で叩きのめせば…ってまともな攻撃魔法は持ってないし)
少女(ううう…)
魔女「…かわいそうな人」
少女(このままでは…)
コツ…コツ…
< おーいマナー。迷子かー
少女「…! しめた!」
魔女「…! 来ちゃダメ」
傭兵「お、おい。どうしたマナにアリスさん」
少女「新しい操り人形になりなさい! 秘術【マリオネット】!!」
▼少女は光る魔法の糸を傭兵の体に突き刺した。
少女「うふふ…形勢逆転ね」
魔女「…」
少女「厄介はあなたはその男の手にかかって死になさい!」
少女「さぁソルさん! わたしの意のままにその生意気な小娘を絞め殺すのよ!!」
▼が、攻撃はうまくきまらなかった。
傭兵「……」
少女「…え?」
少女「魔力を…絡め取れない…? ウソ…なんで」
傭兵「アリスさん、あんたいま何て」
魔女「…ソル。その人を拘束して」
傭兵「……おう」
ガシッ
少女「い、いたっ…」
少女(この男…魔力を持っていない!?)
少女(あ、ありえない…そんな人間がいるなんて)
少女「吸われていく……私の力がぁ…」
少女「あ…あ゛ぁ…っ」
傭兵「お、おいアリスさんが…マナ」
魔女「あなたはユッカたちの部屋に急いで」
傭兵「…! わかった」
少女「あ゛…ああ…あ゛」
魔女「くだらない」
少女「私の…ち、か…ら」
少女「返して…私の若さ…美貌…魔力……」」
魔女「これはあなたの物じゃない。人から奪ったもの」
少女「いやよ…老けたく…な」
魔女「そうして何年生きてきたのかはしらない。あるべき姿に戻りなさい」
少女「あ゛ああああ…」
▼金髪の美しい少女の肌からみるみるうちに生気がうしなわれ、やがて少女は皺の深いやせ細った醜悪な老婆へと変貌した。
魔女「それが本当のあなたなのね」
少女「そん…な…」
【スイートルーム】
カチャ…
傭兵「……マナ、か」
魔女「おわったわ」
傭兵「ユッカたちが、目を覚まさない…」
傭兵「俺は…また」
傭兵「くっ、う…ぅ」
魔女「…平気。まだ2人の肉体は死んでいない」
魔女「ただ魔力がなくなって緩やかな死を辿っているだけ」
傭兵「…なんとか、なるのか…?」
魔女「そう。これから先はあの淫魔のおかげ」
傭兵「…?」
魔女「私はあの人からユッカのちからを奪い返して、この身に宿している」
魔女「だからユッカの魔法が一時的に使える」
魔女「いま返すね」
魔女「術式、魔力貸与」
▼魔女は魔力貸与を使った。
▼勇者と僧侶の顔色に生気が戻ってゆく。
傭兵「…!」
傭兵「あぁ…ユッカ…ヒーラちゃんっ」ゆさゆさ
傭兵「おいっ、起きてくれ! たのむ!!」
魔女「まだダメ」
傭兵「どうして…顔色は戻ったのに」
魔女「2人の魂が肉体から離れてしまっている」
傭兵「なんだって」
魔女「これ」
傭兵「人形…?」
魔女「アリスは人形に、人の魂を閉じ込めていた」
魔女「それが私があの部屋で感じた違和感、憎悪や未練の念の真相」
魔女「ユッカとヒーラの魂はいまこの中にある」
傭兵「魂だと…一体どうすれば」
魔女「うまくいくかわからないけど、やってみる」
傭兵「何を…」
魔女「いますぐあの部屋の人形を集めてきて」
・ ・ ・
傭兵「持ってきたぞ」
傭兵「すごい数だな…本当にこれ1体1体全てに魂が…?」
魔女「…ずいぶんと古いお人形もいるね」なでなで
傭兵「マナ…」
魔女「すべての魂達よ。元の場所に帰りなさい。あなたたちを永遠の牢獄から解き放ちます」
魔女「秘術【ワンダーランド】」
傭兵「!!」
カタカタカタ…
傭兵「人形たちが光って――――」
――
―
勇者「う、う…ーん」
傭兵「ユッカ!」がばっ
勇者「わっ、ソル!」
傭兵「よかった…ほんとうによかった…」
僧侶「ふぁ…ぁぁ…やな夢をみました」
傭兵「ヒーラちゃん!」ぎゅ
僧侶「ひゃうっ!? なんですか!?」
魔女(うまくいって良かった)
勇者「マナ…ありがとう」
魔女「私に出来ることをしただけ」
勇者「ううんほんとうにありがとう。マナはすごいよ…」ぎゅ
魔女「せっかくもどしたのにまた吸ってしまう。離れて」
勇者「マナに吸われるのはきもちいいもん…」すりすり
魔女「そう」
僧侶「ひ、ひぃっおばけ! ソル様うしろ!!」
傭兵「ん?」
勇者「どうしたの? うわっ、火の玉がいっぱい!」
傭兵「これは…人形から出てきた魂か?」
魔女「…」
魔女「帰る場所を失った子たちがたくさん」
魔女「ごめんなさい。あなたたちの体はもうないの」
魔女「おいで。みんな私の中で生きていい」
くるくる くるくる
魔女「入ってきていいよ」
くるくる くるくる スゥー……――
傭兵「…」
傭兵(森でマナに出会った時に従えていたあの火の玉は火球ではなくやはり人魂だったのか…・)
<翌朝>
旅人A「いやぁおっかねぇ目にあった。いまでも夢じゃねぇかと思ってしまう」
旅人B「まさかアリスさんの正体が100年生きる魔女だったとは。おたくらには感謝してもしきれないね」
傭兵「無事でよかった」
魔女「もう少し遅ければ肉体に戻れなくなっていたかも…」
旅人A「ひぃっ、おどかさねぇでくれよ」
旅人B「お嬢ちゃんありがとうよ。あんたは命の恩人だ」
魔女「…そ、そう」
旅人A「んじゃあな! お達者で」
傭兵「あぁ!」
勇者「まさかアリスさんが数百年生きるおばあさんだったなんて」
僧侶「たくさんの人達の命をうばって生き長らえるなんて許せないです」
勇者「懲らしめなきゃいけないのは…魔物だけじゃないんだね」
傭兵「あぁ。人間も魔力をもっている。中には魔物に加担したりする奴もでてくる」
傭兵「あの女の場合は私利私欲だったが…あの力を広く悪用されたら厄介だったな」
勇者「だね…全く抵抗できないままにやられちゃったもん」
傭兵「ちゃんと見極めねぇとな…はぁ」
勇者「どしたの。ため息なんてついて」
傭兵(やっぱ俺ってこういうことになると役にたたねーな…)
魔女「…」
傭兵(マナがいて助かった)
魔女「…」チラ
傭兵「あの女のことが気になるのか。もうなにも悪さできやしないさ」
傭兵「逝くのも…時間の問題だ」
魔女「ううん、気にしてない」
魔女「ただ、私もいつか…ああなってしまうかもしれない」
魔女「魔力の味をおぼえるというのはそういうこと」
魔女「あの女と…根っこの部分はかわらない。むしろそれよりたちが悪い」
魔女「私は意識せずとも人から力を奪っていく」
傭兵「…。お前は人のために正しく力を使うことができる優しい子だよ。あの婆さんとは違う」
僧侶「そうですよ。マナちゃんがいなかったら私達死んでいたんですから」
勇者「マナはボクの自慢の仲間だよ!」
魔女「……べ、別に。ほめてもなにもでない」
傭兵「マナ、ありがとうな」なでなで
魔女「なでてもなにもでない」
勇者「ちょっと笑顔が出てるよ」
魔女「そんなことない!」むすっ
魔女(邪魔者だった私も、やっと役に立てたのかな)
魔女(おじいちゃん…私も居場所を見つけた気がするよ)
傭兵「よぅし! 気を取り直して港へ向かうぞ!」
勇者「おー!」
魔女(ずっとあなたたちと一緒に…)クス
第14話<アリスの館>おわり
更新おわり
次回15話本日中か明日予定
なんでもうpしておk
更新明日になります
日またいでた…
更新本日中です
第15話<山脈温泉紀行>
勇者「やー大変な目にあったなぁ。まさか人形の中に入っちゃうなんて」
僧侶「そうですね。世にも奇妙な…といったところでしょうか」
勇者「死んじゃったらあんな感じなのかな」
傭兵「どんな感じだったんだ?」
勇者「…うーん、あんまりおぼえてないや」
傭兵「なんだよ」
勇者「でもマナが一生懸命たすけようとしてくれたことはちゃんと覚えてるよ」
僧侶「そうですね。魂だけでも人の意思や魔力を感じ取れるものなのですね」
傭兵「不思議なもんだなぁ」
勇者「あんなのは二度とごめんだよ」
勇者「そういえばマナはさ、あの能力を奪った…ことになるんだよね?」
魔女「うん。あの女に返した覚えはない」
勇者「…だよね。ふとしたはずみで発動しちゃったりしたらおっかないなぁって…思うんだけど」
魔女「安心して。使えないから」
傭兵「使えないとは? あの時使ったのを目の前で見たが」
魔女「ただしくは発動の」
僧侶「条件が満たせないから再現できない! ですよね!」ドヤ
魔女「…私が言おうとしたのに」
僧侶「うふふ」
勇者「どゆこと?」
僧侶「ユッカ様ぁ。魔法のお勉強はしましたよね?」
勇者「ある程度…」
傭兵「おい俺にわかるように教えてくれよ」
魔女「魔法の発動には、条件がある」
傭兵「条件なぁ……レベルとか?」
魔女「そう。色々。ちょっと待ってね。紙があれば」
魔女「…書くから」ゴリゴリ
傭兵「なんだ?」
魔女「書くから待ってて」
傭兵「お、おう」
傭兵「マナの奴、なんだかうれしそうな顔してるな」ヒソヒソ
僧侶「そうですか? いつもと変わりませんよ」
勇者「ボク勉強やだ」
魔女「書けた。これを見て」
-------------------
[魔法習得/発動フローチャート・簡易版]
①<発動に必要な魔力が有る>-No→[習得失敗…]
↓Yes
②<習得レベルを満たしている>-No→[習得失敗…]
↓Yes
③<属性の素質(適正)が有る>-No→[習得失敗…]
↓Yes 習得成功!
④<術式を正確に再現した>-No→[発動失敗…]
↓Yes
⑤<発動に必要な媒介が有る>-No→[発動失敗…or発動成功!(精度・低)]
↓Yes
⑥<技の経験を十分に積んだ>-No→[発動成功!(精度・低~中)]
↓Yes
⑦[発動成功!(精度・高)](=^ ^=)
-------------------
勇者「ねぇ、この(=^^=)は何」
魔女「……ねこ」
勇者「ふーん」
傭兵(お前その反応はひどいと思うぞ)
僧侶「か、かわいいですねぇ! 上手ですよ!」
魔女「そう」
傭兵「落ち込むなよ。とりあえず説明してくれ」
魔女「この図の条件を上からきちんと満たして行くことで、魔法は正しく発動する」
魔女「私があの女から奪った【ワンダーランド】を使えない理由は、⑤にある」
傭兵「ええと…媒介ってのか。それが無いんだな?」
魔女「そう。この術の場合は人の魂を移す先である人形」
魔女「人形と言っても、術をかける相手を想い、姿をかたどって手作りした人形じゃないとダメ」
魔女「私にはそれを用意することが不可能」
魔女「よって【ワンダーランド】はもう発動できない」
魔女「さらに⑥の条件」
魔女「圧倒的に経験不足。だから人から技を盗んでも必ずしもうまく扱えるとは限らない」
傭兵「現に発動に成功してユッカ達の魂を戻せたじゃないか」
勇者「そうだよ!」
魔女「あの時は媒介があったから発動はできても、精度自体に不安があった」
魔女「下手をすればユッカたちの魂は行き場を失い永遠に館の中をさまよい続ける…」
勇者「ひっ、脅かさないでよ」
傭兵「危ない賭けだったんだな」
僧侶「ほっ…」
魔女「ひとえに私が魔法の天才だから。うまくいった」
傭兵「ん?」
傭兵「覚えたらすぐにポンと発動できるわけでもないんだな」
魔女「そう。簡単に100%のパフォーマンスを引き出せるわけではない」
魔女「できる人とできない人がいる。魔法の才覚次第と言える」
傭兵「才能か…」
魔女「あなたは考えるだけ無駄よ。フローチャート以前の問題だから…」
魔女「魔力すらもってないなんて論外」
傭兵「お、おう」
僧侶「私の結界がすぐにパリンと割れてしまうのは、経験がたりないからなんです」
僧侶「ほんとはもっと頑強なはずなのですが…お父様には遠く及びませんね」
魔女「もっとたくさん訓練すればいい」
魔女「それと、発動媒介になる杖もちゃんと自分にあった物を吟味した方がいい」
僧侶「杖の問題もあるんですか…」
傭兵「もっぱら人を殴るのにつかってるもんな」
僧侶「つ、つかってません!」
勇者「…へぇ~。ためになるなぁ」
傭兵「へーってお前…。お前だって魔法使えるんだろうに」
勇者「ねぇねぇ。ボクがマナの攻撃魔法をおぼえることはできないの?」
勇者「あの氷の弾をビュンビュンビュン!って飛ばすやつとか!」
傭兵「あぁあれいいな。遠距離攻撃はみんな覚えて損はないぞ」
僧侶「ですね! マナちゃん、教えてください!」
魔女「アイスビュレットはレベル15で習得できる簡単な技」
勇者「おお! じゃあボク覚えられる!?」
傭兵「簡単な技なのか?」
魔女「あの技は空気中の水分を凝結させて弾丸のように飛ばしているだけ」
勇者「うんうん! それでボクは」
魔女「ユッカとヒーラにアイスビュレットを習得させようとしても③の適正段階でつまづいてしまう。」
勇者「③っていうと…うっ、属性の素質か」
魔女「寒いのは好き?」
勇者「嫌い」
僧侶「苦手です」
魔女「なら無理」
勇者(ひどいや…)
僧侶(ひどいですね)
傭兵「おいおいたったそれだけで不可能なもんなのか? ユッカは仮にも勇者だぞ」
魔女「どちらかというと、ユッカは火の魔法のほうが適正がある…気がする」
勇者「うう…」
魔女「ヒーラは聖魔法。人には向き不向きがある。諦めてそっちを磨いたほうが有益」
勇者「でもマナは火も氷もなんだってつかえるじゃん…」
魔女「私は天才だから」
傭兵「は?」
魔女「私は天才であるがゆえ高度な魔法でなければ、ほとんど①~⑥のチャートをすっ飛ばして発動することができる」
傭兵「…すげぇ」
魔女「天才だから」
傭兵(なんだその顔)
勇者「いいな~、ボクも魔法の才能ほしかったよ」
傭兵「イヤミか?」
勇者「あ、ううんそういうわけじゃないよ…ごめんね」
僧侶「人には生まれ持ったものがありますからね。こればっかりはしかたないですね」なでなで
傭兵「…あのなぁ」
魔女「だけど、可能性が0というわけではない」
僧侶「というのは?」
魔女「魔法の発動は本当はもっと複雑。このような単純な演算手順ではない」
魔女「時には想いの力が、魔法の精度を高めることもある」
魔女「だから適正段階では習得不可能なはずの魔法がある日突然発動することもある…と私の師であるおじいちゃんは言っていた」
傭兵「…ああ」
勇者「ねぇ。アリスさんの秘術もそうだったのかな」
勇者「純粋にボクたちのことをお人形にしたいがためだけに…あの恐ろしい魔法を覚えたのかなって思うんだ」
僧侶「どうしてそう思うんですか?」
勇者「あのね。ボク、魔覚を使ってもアリスさんからあまり害意を感じなかったんだ」
傭兵「俺もだ。あの女の腹のうちはわからなかったが、少なくとも敵対するほどの殺意は感じ取れなかった」
傭兵「ゆえの失態だ…ああいう人間もいるんだな」
魔女「あの女がこれほど高度な黒魔術を扱えたのは、おそらくは彼女の狂気が原因」
魔女「狂気も強い想いの力」
魔女「くわえて彼女は100年以上生きた魔女。魔法の扱いは、一流だった」
傭兵「力の矛先が私利私欲だったのはまだ救いかもな」
傭兵「魔物に加担でもされてりゃ…被害は甚大なものになっていたかもしれない」
勇者「でも、アリスさんは悪いことをしたんだから。誰かが懲らしめなきゃいけなかったんだ」
勇者「そうだよね?」
傭兵「あぁ。そうだな…間違ったことはしていない」
魔女「…」
僧侶「さて、お昼ご飯もすみましたし」パンッ
傭兵「そろそろ行くか…山の麓は目の前だ」
勇者「山はいいよねぇ…。自然にあふれててとっても気分が落ち着くんだ」
僧侶「それに、天然温泉もありますし!」
傭兵「あれ? 俺それ言ったっけ?」
勇者「ソルのもってる地図に書いてあるもん」
勇者「はやく温泉はいりたいなぁ」
傭兵「わかってる。ちゃんと寄ってやるから」
魔女「温泉…」
傭兵「マナは初めてか? そうだな、バザで入ったみたいなでっかい風呂だ」
魔女「…そう。楽しみ」
傭兵(お?)
傭兵「よっし、散らかした荷物かたづけろー」
勇者「はーい!」
魔女「…」イソイソ
僧侶「しゅっぱーつ♪」
第15話<山脈温泉紀行>つづく
更新おわり
次回本日21時~(予定)
第15話<山脈温泉紀行>つづき
<山に入って2日>
勇者「うう…もうへとへとだよ」
僧侶「はい勇者様お水」
勇者「ありがと…んく、んく」
傭兵「ほら、休んでないでちゃんと押せよ」グググ
勇者「うううう…」グググ
魔女「…がんばって。ファイト」
勇者「はぁ…」
港へと抜けるやまあいの道に入って数日、俺達は窮地に陥っていた。
山の天気は変わりやすい。
幾度となく降った雨で道はずいぶんとぬかるんでいた。
ふと気づいた時には荷馬車の右前輪が泥に深く沈んでいて、バランスを失った車体は軋みをあげて脱輪した。
俺とユッカは膝から下を泥だらけにしながらなんとか車体を泥から引き上げようと奮闘している。
勇者「ソルのせいだよ! ソルがちゃんと前みてなかったから!」
傭兵「うるせーお前がべたべたくっついてくるからだろ」
僧侶「もうっ! こんなときに喧嘩しないでください」
勇者「はぁもうだめ…疲れちゃったよ」
勇者「ボクとソルでこんだけやっても持ち上がらないなんて、ちょっと荷物積み過ぎ!重すぎ!」
僧侶「ユッカ様怒らないで」なでなで
傭兵「足元を取られてうまく力が入らないな…」
勇者「山を越えるのにあと何日もかかるのにこんなところで体力つかっちゃうなんてさ…」
傭兵「やっぱだめだな」
僧侶「どうしましょう。足元がすこし乾くまで待ちますか?」
傭兵「それこそ何日かかるか。また雨は降るだろうしな…ここは日の照りも悪い」
僧侶「そうですね…」
勇者「ああ泥んこだよ…くすん」
僧侶「泥遊び好きじゃありませんでしたか?」
勇者「そんなの子供の頃だもん」
傭兵「まさかこんなところで立ち往生するとは…」
勇者「マオにゃんもこんな絶望的な気持ちで誰か助けを待ってたのかな…」
傭兵「あの道は商業ルートだが…。こんな舗装もされてない獣道、誰も通りゃしねーぞ…」
魔女「………あ」
傭兵「ど、どうしたマナ! なにか良いこと思いついたのか!? お前の魔法に全てがかかっている!!」
傭兵「こう、あるだろ? 物体を浮かせる魔法とか! 泥を一瞬で蒸発させる魔法とか!」
魔女「お腹すいた。って思っただけ」
傭兵「……。あ、とか言うなよ紛らわしい」
傭兵「そういや腹へったな…備蓄の食料にも限界があるし…参った」
魔女「でも食べ物なら見つけた」ジー
傭兵「ん?」
ぼけーっとした目つきをしたマナの視線の先を追ってみる。
そこには草むらの陰でひょこひょこと揺れる大きなふさふさした尻尾があった。
傭兵「野生動物か?」
魔女「捕まえて」
勇者「ご飯にしよう!!」
傭兵「お前ら…さばくのは人任せだからって…」
僧侶「ですが…このまま何日ここで過ごすことになるかわからないので」
傭兵「…わかった。ちょっくら狩ってくる」
俺は腰の剣に手をかけ、獲物へとにじり寄る。
傭兵「悪く思うな」チャキ
???「っ!?」
傭兵「はァッ!」
???「なっ…ちょっと待てい!」ガサッ
きりかかろうとした途端、その獲物は自ら草むらから飛び出し俺の眼前へと姿を現した。
見慣れぬ白い衣装を来たその少女(?)はおそらくマオのような獣人種だろう、大きな獣耳と尻尾をたくわえ、
くりっとした目で俺を睨みつける。
そして間髪入れずに俺に向かって腕を大きく前に突き出す。
???「ワシは食べ物じゃない! 無礼者」
その言い切った途端、俺は直接触れられてもいないのにまるで見えない巨大なハンマーでぶん殴られたかのように
勢い良く後方へと弾き飛ばされ、荷台の壁面へとたたきつけられた。
傭兵「うがっ!」
勇者「ソル!」
傭兵「いってぇ…なんだ」
???「ふん。少しは頑丈なようじゃな」
傭兵(…こいつ、人間だったのか)
勇者「うわー! ごめんねぇ急に襲い掛かっちゃって」
僧侶「ご、ごめんなさい! お怪我はございませんか!?」
???「まだ斬られとらん。平気じゃ」
傭兵(だれか俺の心配をしてくれ…)
痛む背中をおさえながら。今度はゆっくり俺を謎の力で突き飛ばした相手を観察する。
尻尾や耳に狐のような面影がある。間違いなく獣人だ。
傭兵(狐…? だよな?)
???「いかにも。ワシは狐の獣人じゃ。正確には妖狐と呼ぶ。なにか文句あるか」
傭兵「なっ!? お、おい俺は何も言ってないぞ」
妖狐「ふふ。小童の心を読むくらいたやすいことよ」
傭兵(嘘だろ!?)
妖狐「本当じゃ」
妖狐「さて」
妖狐「ワシに斬りかかった罪、どう落とし前つけてくれようか」
傭兵「ま、まて…争う気はない。非礼を詫びる」
妖狐「ならばその命で――――」
勇者「かわいいー」ギュ
妖狐「ぎゃうっ! なっ、なんじゃこいつは」
勇者「すごいよぉふさふさだよ! マオにゃんよりふかふか」
妖狐「やめんかっ。無礼な」ペシペシ
僧侶「もうしわけありません。ほらユッカ様。失礼でしょ…」うずうず
僧侶(触りたい触りたい触りたい触りたいあぁぁあすごいですこんなふかふかな子がいるなんて)
妖狐「…」
僧侶「ほら。離れなきゃ…」うずうず
僧侶(あああユッカ様ずるいですよぉおぉぉ代わってください代わってください私もさわってみたいです!!)
妖狐「さ、さわってみるか…?」
僧侶「えっ!? いいんですか。やったぁありがとうございます」サワサワ
妖狐「ふ、ふん…」
さわさわ なでなで
妖狐「……」
なでなで ふにふに
妖狐「……」
妖狐「…まだ離してくれんのか?」
勇者「はっ! ごめんね! あんまりにも気持ちよくて」
僧侶「そうですね。ブラシ作りたい…」
妖狐(なんじゃあこいつらは…)
傭兵「めんどくさいやつらだろ」
妖狐「ひっ! おぬしもまさか読心術を!?」
傭兵「って顔してたぜ」
妖狐「ぐぬぬ…」
傭兵「なぁ許してくれないか…? ほんとに悪気も敵意もないんだ。この通り」
妖狐「…そ、そうじゃな。うむ確かに。ならば今回はワシの広い心で許してやろう、特別にな」
傭兵「サンキュ。ほんと悪かったごめんな」
妖狐「ワシのほうこそすまんな。おぬしを妖力波で突き飛ばすようなマネをして」
傭兵「いや。にしても不思議な感触だった」
妖狐「どうやらこの辺りでは法力ではなく魔力と呼ぶようじゃな」
傭兵「見慣れない姿だが。どこから来たんだ」
勇者「この辺りの子じゃないんだよね?」
妖狐「子て…。おぬしのようなちんちくりんに言われとうない」
勇者「ボクはユッカ! こっちがヒーラで、こっちがソル。それとー…あれマナは?」
魔女「……」ぐつぐつ
傭兵「おーいマナ。何やってんだ。こっち来いよ」
魔女「鍋、お湯沸かしてる」
傭兵「あん?」
魔女「食べないの? 狐ってどんな味がするか楽しみ…食べたこと無いから」
妖狐「やっぱりワシのことを食べようとしてたのか!?」
傭兵「あー…食べないぞ。人間を食うのはさすがに無理だ」
魔女「そう。食べないんだ…」
妖狐(この小娘本気か…?)
妖狐「…」ジィ
魔女「…」
妖狐(わ、わからん…まったく心が読めん。何を考えとるんじゃあ…)
魔女「あなた。おいしそうな魔力してる」
妖狐(やっぱり食べる気まんまんなんじゃ…)
・ ・ ・
妖狐「なるほどのぅ。荷馬車が泥んこにはまってしもうたのか」
勇者「そうなんだ。それでボクたち食べ物を探してて…」
妖狐「ウソではないようじゃな」
妖狐「どれ、ワシにまかせてみぃ」
僧侶「なんとかなるのですか?」
妖狐「ワシの妖力にかかればこの程度、お茶の子さいさい…」
ググッ…ふわっ
傭兵「…おお!! あんだけ重かった荷馬車がいともかんたんに!」
妖狐「……と言いたいところじゃが」へなっ
ベチャッ! ずぶずぶ…
勇者「あーあーあー…」
傭兵「おいふざけんな。ますます沈んじまったじゃねーか」
妖狐「術を安定させるための妖力が足らんのじゃ…」
妖狐「ワシはこれでも地元では名のある妖怪でな」
勇者「ヨーカイ? ヨウリキ?」
妖狐「そうじゃな。妖怪というのは、この地方でいうと魔物じゃ」
勇者「ま、魔物!?」
妖狐「そう身構えるな。なんじゃこの地方では魔物はいかんのか?」
傭兵「んでその何しにこっちへ来たんだよ。だいたいどこから来たんだ」
妖狐「あっち」
傭兵「…海の向こうか? 俺達の向かう方角だな」
妖狐「そうじゃ。遠い故郷より海をわたり、この大陸の港へとたどり着いた」
妖狐「というのもワシは霊泉を求めて世界各地をまわっておってな」
勇者「レイセン??」
僧侶「一般的に、強い魔力を帯びた自然温泉のことです」
僧侶「しばらく浸かるだけで立ちどころに傷が癒え、体力と魔力が回復するとか…」
妖狐「その通り。このあたりにも霊泉があると見て、立ち寄ったのじゃ」
傭兵「つまりは…湯治か?」
妖狐「……うむ。しかしこの広い山で霊泉を見つけ出すというのは困難を極めた…まことに参ったのぅ」
勇者「じゃあボクたちと目的は一緒だね!」
妖狐「なんと! おぬしらも霊泉を求めて山へ入ったか」
傭兵「おーい目的かわってるぞ。温泉はついでだついで」
妖狐「そ、それで」そわそわ
妖狐「湯の場所はわかるのか…?」
勇者「え?」
妖狐「検討はついとるんじゃろう? ほらいま思い浮かべてる地図の場所に案内せい!」
傭兵「…わかった教えてやる」
妖狐「本当か! 地獄に仏とはこのことか!」
傭兵「ただし」
妖狐「なんじゃ」
傭兵「お前の妖力とやらが回復したら、この荷台をもちあげてくれないか」
妖狐「うむ。ならばそれで交渉成立じゃ」
僧侶「やったぁ。ありがとうございます」ペコ
勇者「ありがとう!」
傭兵(まぁ温泉の場所を聞いてあるってだけで、それが霊泉とは限らないんだけどな)
妖狐「は?」
傭兵「…ぃ、行ってみないとわかんないだろ!? なっ!?」ポンッ
妖狐「…そうじゃの」
妖狐「では短い間じゃがよろしくの」
勇者「ねぇ、キミの名前はなんていうの! 教えて!」
妖狐「ワシに名前なんてないが」
勇者「えーそんなわけないでしょ! 名前だよ名前! みんなもってるよ!」
妖狐「ふむ…。人々には九尾の狐と呼ばれて恐れられておったの」
傭兵「九尾? 2本くらいしかねーぞ」ぎゅむっ
妖狐「ぎゃうっ! 無礼者! 勝手にさわるな!」
傭兵「あっ、悪い…」
妖狐「いまは妖力を失い見る陰もないが、ほんとのワシはでかくて強いんじゃぞ!」
傭兵「へー…」
傭兵(へー…)
妖狐「心の底からどうでもいいんじゃな…」シュン
勇者「キュービ……じゃあキュウちゃんでいいよね。よろしくねキュウちゃん」
妖狐「…まぁおぬしらがそう呼びたいなら、ワシとしてはなんでもいいんじゃが」
僧侶「よろしくおねがいしますキュウさん」
傭兵「よろしくな。キュウ」
妖狐「う、うむ。アダ名というのは悪くないものじゃな」
魔女「よろしく…」ジーー
妖狐(この娘だけはどうも解せん)
・ ・ ・
<夜>
妖狐「なるほど、おぬしたちは魔王とやらの復活を阻止する旅をしとるのか」むしゃむしゃ
勇者「そうなんだよ。キュウちゃんの国は魔王の脅威にさらされてないの?」
妖狐「閉鎖的な島国じゃからのう。大陸の事情はようわからん」
妖狐「まぁ言ってみればワシが島国の魔王みたいなもんじゃ! 敬って良いぞ!」むしゃむしゃ
勇者「えー…絶対ウソだ」
傭兵「なら念のため斬っておいたほうがいいか」
妖狐「や、やめんか! 楽しい食事中じゃぞ!」
傭兵「ひとんちの食いもんガツガツ食いやがって」
傭兵「…にしてもこっちの魔王がお前みたいに少しは話のわかるやつなら良かったんだけどな」
妖狐「どんなやつなんじゃ」
傭兵「しらねーな。だが数百年前に大陸を滅ぼそうとしたとんでもない悪魔だと伝え聞いている」
妖狐「ワシよりやばいのか?」
傭兵「少なくともあの荷馬車くらい小指の先でもちあげるだろうぜ」
妖狐「むぅ…」
傭兵「そして魔王を討伐した勇者の子孫達はそのバケモンの復活を阻止するための旅を続けている」
勇者「はーいそれがボクだよ!」
傭兵「に付き合ってるのが俺とヒーラちゃんとマナ」
僧侶「です!」
魔女「…」もぐもぐ
妖狐「こんなちんちくりんどもで大丈夫か…」
傭兵「なんとかな」
妖狐「まぁ大陸のことなんて知らん。そっちはそっちで勝手にやっとれい」
妖狐「ワシはこの地の霊泉に浸かることができればそれで満足なのじゃ」
妖狐「これ以上厄介事に巻き込まれるのはごめんじゃ」
傭兵「まぁな。これは俺たちの問題だからお前にどうこうは言わねーよ」
傭兵「あれをなんとかしてくれるだけで十分ありがたい」チラ
妖狐「…にしてもずっぽりハマっとるのう。うくく。あんなまぬけな荷馬車初めて見たぞ」
僧侶「ソル様がよそ見をしてて」
魔女「ユッカとイチャイチャしている間に」
傭兵「そういうことになってるんだな…」
勇者「ったくソルったらぁ」
傭兵「…」
妖狐「…ほほう。おぬしら存外、ただの仲間同士というわけでもなさそうじゃな」
妖狐「どれ、これまでの旅の情事をワシに話してみよ」
僧侶「えっ!?」
僧侶「は、話すわけないじゃないですか」
妖狐「といいつつ、思い浮かべるだけでワシには手に取るようにわかるのじゃ」
僧侶「いやぁぁぁそういうのってプライバシーの侵害ですよっ!」
妖狐「なるほどのう。ヒーラはもう少し踏み込みが足りんようじゃな」
妖狐「あぁ、あともうひと押しあればこんなちょろい男なぞいとも簡単に落とせるものを」
僧侶「な、ななっ、にゃにを」
妖狐「それに比べてユッカのういことよ。人間は素直が一番じゃな」
勇者「う…うう、恥ずかしいよ…」
傭兵「おおお、おいやめろぉ! よそのパーティをむやみにかき回すんじゃない!」
妖狐「なんじゃ…おぬしものぞいてやろうか?」
傭兵「やめてください。本当に…やめろ」
妖狐「…うくく。どれ、ワシにこの娘たちとのめくるめく夜伽について語ってみよ」
妖狐「語らずとも思い浮かべるだけでよいのだぞ…」
傭兵「マナ。俺の上にこい! はやくっ!」パンパン
魔女「?」
妖狐「なんじゃ」
傭兵「盾」ぐいっ
魔女「…」
傭兵「俺をまもれっ」
魔女「なに。離して」
妖狐「やれやれ…つまらん男じゃなぁ。秘密主義は嫌われるというに」
妖狐「よほど覗かれたくない思い出があると見た」
傭兵「人間にはあってあたりまえなんだよ」
勇者「そうだよぉ!! もうっ」
妖狐「そういうものか」
妖狐「あいわかった。すまんかったの」
妖狐「おぬしらの心をのぞくのはこれで最後としよう」
傭兵「ほっ…。ほんとにやめてくれよな…読心なんてたち悪いにもほどがあるぜ」
妖狐「では最後に」
妖狐「ソルよ。おぬしはこの娘っ子たちの中で誰を一番好いておるのか正直に言うてみよ」
傭兵「!!」
妖狐「この中におるんじゃろ…?」
傭兵「や…その質問は」
勇者「えっ、だ、だれなの!?」
僧侶「ちょ、ちょっとそんな質問だめですってば!」
魔女「…」
妖狐「ほほう……ほー、ふーん」
傭兵「やっ、やめろっ! 見たのか!? よせぇぇええ言ったら叩っ斬るぞ」
妖狐「あぁ…うむ。これは言えんな…うふ、うくく」
傭兵「クソ狐ぇ……」ガクッ
妖狐(おぬしも存外、ういやつよの)
第15話<山脈温泉紀行>つづく
更新おわり
誤字多くてスマソ
次回本日夜予定
第15話<山脈温泉紀行>つづき
傭兵「地図によるとこの辺りだが…何もねぇな」
妖狐「…いや、肌身を刺すような荘厳な霊気を感じる」
傭兵「…うーん俺にはわからないな」
妖狐「おぬしはそうじゃろうな」
傭兵「…ん。おいあの先、すこし開けた場所があるみたいだ」
妖狐「おお! 行ってみようぞ」ぴょんぴょん
・ ・ ・
傭兵「これは…」
妖狐「こ、これじゃ!! まさしくワシの求めておった湯じゃ!」
傭兵「本当にこんな山に自然温泉なんてあったんだな…」
妖狐「見よ! この辺り一体すべて霊泉のようじゃぞー!」ピチャ
傭兵「見つかってよかったな」
妖狐「おおう、おぬしらのおかげじゃ!」
傭兵「さて、俺はユッカたちを呼びに戻る。お前は先に浸かっててくれ」
妖狐「そうさせてもらう」スルスル
傭兵「あっ、こら…人前で脱ぐんじゃないっ!」
妖狐「くふ。なにを焦っておるんじゃ。小童ごときに肌をみられようとワシはどうとも思わん」
妖狐「どうもいらぬ心配ばかりで気苦労の絶えない旅をしておるようじゃの?」
傭兵「年頃の女の子に囲まれてりゃな…」
妖狐「おぬしもゆっくり浸かって、そのすり減った精神を癒やして行くと良い」
傭兵「…そいつはどーも。馬車に戻るついでにお前の分のタオルもとってきてやる」
妖狐「すまんの」
傭兵(獣人ってあそこも毛むくじゃらかと思ったが、そうでもないんだな…)
妖狐「くふ。やっぱりオスなんじゃな」
傭兵「だから覗くなって」
妖狐「そんなに毛がみたいなら後でいくらでもみせてやろう…くふふ」
【キャンプ地】
傭兵「おーい! 見つかったぞ!」
勇者「ほんと!?」
傭兵「あぁ。本当に霊泉だそうだ。さっそくみんなで行こうぜ」
僧侶「やったぁ。お風呂♪」
傭兵「不確かな地図片手に半日さまよった甲斐があったぜ」
傭兵「荷物もてるな。今晩の食料と、寝袋と、あとタオルや必要な物」
傭兵「泊まりは向こうだぞ」
勇者「うん、準備万端だよ!」
僧侶「では荷馬車には結界を張っておきますね」
勇者「ほんとにそれだけで、放っておいて大丈夫かな」
勇者「野生の動物に荒らされたりしないかな?」
僧侶「私の結界にお任せください! 杖を突き立ておけば大丈夫ですよ」
勇者「ごめんねスレイプニル。ちゃんと戻ってくるからご飯たべておとなしくしててね」なでなで
馬「ヒヒン…」
傭兵「その馬名前あったのか…」
僧侶「大層な名前ですね…」
魔女「はやく行こ。暗くなっちゃう」
勇者「うん!」
・ ・ ・
【霊泉】
傭兵「どうだ! いい見晴らしだろ!」
勇者「すごーい! これ全部温泉?」
僧侶「麓の方まで見えますね。ずーっとあっちのほうから来たんですよ」
魔女「…お湯から強い魔力を感じる」
魔女「昔おじいちゃんに聞いた、命の水かもしれない」
勇者「ねぇ。キュウちゃんは? 先に入ってるんでしょ?」
傭兵「あれ、どこいった…動物しか入ってねぇな」
僧侶「動物?」
勇者「あ、ほんとだ。動物たちが結構入ってるね」
傭兵「ここは山の動物にとっての憩いの場になってるんだろうな」
傭兵「俺達がずけずけと立ち入っていいものかどうか…おとなしく入ろうな」
勇者「うん!」
僧侶「ところでキュウさんは本当にどこにいったのでしょうか」キョロキョロ
子狐「コン」
魔女「…いるけど」
勇者「マナそれはただの狐…。あれ? この感覚」
子狐『ワシじゃよ』
僧侶「いまキュウさんの声が…」
傭兵「まさかこの狐…」
子狐「コン」
子狐『毛むくじゃらが好みなんじゃろ?』
傭兵「あのなぁ…」
子狐『というのは冗談じゃ。これが本当のワシの姿なのじゃ』
勇者「キュウちゃんは獣人じゃなくて、動物なの?」
子狐『ワシは妖狐。人の姿に化けるくらいたやすいことよ』
傭兵「それならそれでいいんだけどな」
子狐『すまんがこの姿でいさせてもらう。すこしでも早く回復したいのでな』
勇者「あぁかわいいなぁ…あとでぎゅってしていい?」
僧侶(私もっ!)
子狐『ダメじゃ』
子狐『ところで、いつまで眺めておる。入らんのか? 生き返るぞ』
傭兵「そうだな。入ろうか」
魔女「…」コクッ
傭兵「じゃあ俺むこうの岩場の湯で猿とでも楽しんでくるわ。あとで合流しようぜ」
僧侶「はい。では後ほど。これソル様のタオルです」
傭兵「サンキュ」
子狐『……。なーにを言っておる!』
子狐『みんなでここに入ったらええじゃろうが!』
傭兵「いや、でもな…」
子狐『よもやこの雄大な自然を前にしてやましい考えなど湧いてこんじゃろう』
傭兵「…」
僧侶「…」
勇者「…ぅ」
子狐『心も体も裸になって、自然と向き合い、恵みを享受すると良い』
子狐『さすればおぬしらの体にも霊泉の力宿すことじゃろうて』
子狐『それにいまさら裸の付き合いなど、たいしたことないじゃろう?』
子狐『なんせおぬしたちはすでに』
傭兵「だーもうわかったわかったから! ここで!入ればいいんだろ!」
僧侶「…!」
勇者「…そ、ソルと一緒にお風呂…」
魔女「…裸で」
僧侶「混浴…ですか」
子狐『大自然の中に男女の仕切りなどあるものか』
子狐『くだらんことを考えよって』
子狐『さぁ、衣服を脱いでつかるのじゃ』
子狐『その手にもつ布は湯につけちゃならんぞ』
僧侶「…うっ、タオルもだめですか」
子狐『装飾品も全てはずすとよい』
子狐『自然のままに…向き合うのじゃ…』ぷくぷく
僧侶「…ど、どうしましょう」ヒソヒソ
勇者「どうするって、もう入るしかないよっ」ヒソヒソ
僧侶「恥ずかしいですよぉ…」
魔女「裸なの?」
それから俺たちは背中を向け合って装備品を全て外し、肌着を脱いだ。
背後で衣擦れの音がする。
先に脱ぎ終わった俺は振り返ることをせず、先に湯気の濃い霊泉に足先を浸した。
そして座り込み腰まで浸かる。
そこまで深さがないため、体を伸ばさなければ肩まで浸かることは出来なかった。
傭兵(熱くもなくぬるくもなく…うん、ちょうどいい温度だな…)
傭兵(だけど普通の湯と何がちがうんだろうか…魔力の無い俺にはさっぱりだな)
傭兵(…でも本当に、生き返るようだ)
子狐「コン」
傭兵「あぁ。いい湯だ」
そしてしばらくして、ぺたぺたと裸足で岩場をあるく足音が3つ。
見てはいけないものとわかりつつも、泳ぐ視線はつい音のする方向を捉えてしまう。
湯けむりの向こうには白くて若々しい肌を晒した3人の少女の姿があった。
3人の肌を覆い隠すものはここには何もない。
各々少し恥ずかしそうにおずおずとしながら、俺の方へと歩みを進める。
チャプ…
勇者「や、やっほー…来ちゃった」
僧侶「あ、あはは…入っちゃいましたね…うわぁほんとに入っちゃいましたっ」
魔女「あったかい…」
ようやく湯に浸かった少女たちの美しい裸を目前に、それを観察したいという好奇心こそはあったものの、
不思議と彼女たちをいやらしい目で見ることはなかった。
木々の隙間から差し込む月明かりが水面に反射し、艶のある肌をキラキラと照らす。
傭兵(みんな本当に綺麗だ…)
子狐「コン」
僧侶「そ、ソル様! あんまり見ちゃ…はずかしいです」
傭兵「あぁ、ごめん」
僧侶「うう…」
子狐『なんじゃまだ恥ずかしがっておるのか』
子狐『どれ、もっとこっちへ来い』
勇者「いい…?」
傭兵「いいけど。ほら、来い」
勇者「…ヒーラ行こ」
魔女「…」ちゃぷちゃぷちゃぷ
勇者「わっ、マナ早いよ」
マナは特に物怖じすることなく湯をかき分け歩み寄ってくる。
下着に手を入れて恥部をさわらされたことはあるが、裸をみるのはこれが初めてだった。
ヒーラちゃんよりさらに白く、透き通るような肌がまるで人形のようだった。
マナはそのまま何も言わず空いている俺の右隣に座り込む。
傭兵「お、おい?」
魔女「隣がいい」
勇者「あっ! う~…ボクも…」
ユッカもマナに続いてこちらへ近づいてくる。
そしてあっというまに左腕に触れるような位置に陣取った。
勇者「こうやって近くにいると、逆にあんまり見えないよね!」
傭兵「それもそうだな…」
勇者「ほらヒーラもおいでよ!」
勇者「恥ずかしがってないで~」
僧侶「わ、わかってますよ! べつに恥ずかしいとかおもってませんからっ」
ちゃぷちゃぷ…
ヒーラちゃんはそれでもやっぱり恥ずかしかったのか、大きな胸をかるく腕でおさえて隠すような格好でゆっくりと近よってきた。
そして真正面で膝を折り、じゃぷんと座り込む。
僧侶「って、真正面しか空いてないじゃないですか!」
勇者「ヒーラが遅いからだよ」
魔女「そう」
僧侶「そ、ソル様…。み、見えちゃってます…ね。お互いに」
傭兵「あぁ…そうだな」
この霊泉の湯は透明度が高く、湯につかってもほとんど姿を隠すことはできなかった。
真正面に構えるヒーラちゃんの素肌は上から下まで丸見えだ。
目の前でたゆんと揺れるふっくらとした胸と、それをおさえる腕の隙間からときどきこぼれる桃色の乳首が気になってしかたなかった。
傭兵(これはまずいかもしれない…)
傭兵(いやらしい目で見ないと誓ったはずが…)
俺は右も左も正面も艶やかな肌色に囲まれて目線のやり場に困り、
苦し紛れに狐の方へと視線を泳がせた。
あいつは先ほどユッカに場所をゆずり今はヒーラちゃんの斜め後ろあたりでくつろいでいるはずだ。
がしかし
妖狐「くふ」
傭兵「うおあっ」
勇者「どしたの?」
毛むくじゃらのあいつは何故かキュウの姿に?化しており、若い少女の素肌をこれでもかと魅せつけるように晒している。
その目は明らかに俺のことをからかっているようだった。
傭兵(すり減った精神をここで癒やせって!? どうやって!?)
勇者「あーキュウちゃんになってる! キュウちゃんもこっちへおいでよ」
妖狐「いんや。おぬしらの家族団らんに水を差すようなことはせん」
妖狐「ゆっくり楽しむと良い。くふふ」
妖狐「ワシはしばらくその辺の湯を順にまわってみるとする」
妖狐「わずかながらに効能の違いがあるかもしれんでな」
妖狐「ではな」
傭兵(このやろう…)
妖狐「月明かりだけでは不便じゃろう」
妖狐「灯り代わりに狐火をおいていってやる」
キュウの手の平からいくつもの赤い火の玉が飛び出し、あたりをふよふよと漂う。
妖狐「ゆけ」
命令と共にそいつらは俺達の入る湯をぐるりと囲うように宙にとどまった。
傭兵「なっ、誰が明るくしてくれなんて言った!」
僧侶「うっ…うあ」
くすりと笑ったキュウはまた元の狐の姿にもどり岩場を駆けて行った。
傭兵「…」
その後俺たちの間では珍しく、しばらくの無言が続いた。
遠くで滝の流れ落ちる音だけが聞こえてくる。
傭兵(動くに動けないし…ほんとどうすっかな)
傭兵(あぁヒーラちゃんがもじもじしている…やっぱこんだけ照らされると恥ずかしいよな)
傭兵(こんなことになってほんとごめん)
勇者「ね、ねぇ…」
最初に口を開いたのはユッカだった。
傭兵「…?」
勇者「あったかいねぇ…」
きゅっと俺の左腕をつかみながら、しみじみとつぶやく。
傭兵「…あぁ」
僧侶「そうですね…」
しかしそこで俺たちの会話はまた途切れてしまう。
おそらくユッカはいつもみたいに過ごしたいのだろう。
明るいユッカですらこうも黙ってしまうのは、俺とヒーラちゃんの緊張が伝わってしまっているせいだろう。
ユッカの気遣いを無駄にしてしまい非常に申し訳なく思った。
マナはこちらから話しかけないとあまり口を聞くことはない。
それどころかぴくりとすら動かなくて少し不安になる。
真正面のヒーラちゃんがじっと俺の目を覗きこんでくる。
その目はなにか話題を提供しろといいたげにも思えた。
傭兵「…」
傭兵「あ、あのさ」
僧侶「はい!」
しかし言葉を紡ぐことができない。
ついうっかりと出てきた言葉は、俺のいま現在の率直な心のうち。
傭兵「何食べたら…そんなにおっきくなるんだろうな。浮いてるし」
僧侶「……はい?」
傭兵「あ、いや…悪いっ! 忘れてくれ!」
僧侶「ど、どこ見て言ってるんですか!! バカっ」
勇者「ソル…それはダメだよ」
魔女「最低」ぷくぷく
それはユッカたちにすらたしなめられるくらい最悪な話題だった。
その後一発手痛い平手打ちをもらい、俺達はようやくいつもの調子に戻ることが出来た。
第15話<山脈温泉紀行>つづく
更新おわり
次回本日夜(予定)
申し訳ない帰宅遅れたので更新は明日
大型連休中は更新ペース落ちます
第15話<山脈温泉紀行>つづき
勇者「ねぇねぇ、港についたらさ船乗れる?」
傭兵「あぁ。数日乗ることになるな」
勇者「ほんと? ボク船のるのはじめてなんだぁ」
僧侶「私もです!」
魔女「…」コク
傭兵「そうか、船酔いに気をつけなきゃな。馬車とはまた違った揺れだと思う」
勇者「海にでるんだよね…えへへ楽しみだなぁ」
俺達は次の旅の予定などを話し合いながら霊泉を楽しんでいた。
先ほどまで張り詰めていた緊張はほぐれ去り、視界が肌色でうめつくされようといまやほとんど気にならなくなっていた。
ヒーラちゃんはすっかり胸を隠すのをやめて、手足を放り出して深く湯に浸かっている。
それでも大きな胸がふるんと揺れるのをみると一瞬ドキリとしてしまう。
勇者「そろそろお腹すいたねぇ。ねーソル」
ユッカは俺の左腕に抱きついたり、かとおもえば背中側に回って傷跡を突っついたりと楽しそうにしていた。
マナは顔色をうかがってもよくわからなかったが、裸同士でいることにそこまで抵抗はないようだ。
傍らでじっとおとなしくしている。
勇者「やっぱりいいねこういうの」
傭兵「ん?」
勇者「お風呂! ソルも一緒に、みんなで入るの」
傭兵「…あぁ」
僧侶「うふふ。ユッカ様ったらバザの浴場でソル様と一緒に入れたらなぁなんてずっと言ってたんですよ」
傭兵「そうなのか」
勇者「だっていっつもお風呂の入り口で別れてたでしょ。ソル寂しいんじゃないかなって思ったんだ」
傭兵「そんなことはない…」
勇者「一緒に入れてよかった…」キュ
傭兵「お、おいユッカ…あんまりくっつくんじゃない。む、胸が」
僧侶「あらあら。ほらユッカ様、ソル様が照れちゃってますよ」
勇者「いいじゃんめったにない機会なんだからぁ」
勇者「そうだ、身体洗ってあげようか?」
勇者「石鹸もってきてるでしょ?」
傭兵「タオルと一緒にそこに置いてる」
僧侶「わ、私もお背中お流ししますっ!」
傭兵「そんなにサービスしてもらわなくていいって…」
魔女「…」ぷくぷく
その後俺は平たく削れた大きな岩肌の上に上がり、背中を流してもらった。
僧侶「間近でみると、傷跡結構たくさんあるんですね」
僧侶「これなんてすっごくおっきい…痛かったでしょう」
傭兵「んーまぁな。気持ち悪かったらあんまり見ない方がいい」
僧侶「そんなことありません!」ごしごし
勇者「そうだよかっこいいよ。男の勲章だよ」ごしごし
傭兵「勲章なぁ…」
勇者「タオルでこすると痛いかな? ここは手でしてあげるね」
僧侶「そうしましょうか。うふふ」
傭兵「おい…触りたいだけだろ」
左右から2人に素手で体中をぬめぬめと撫でられどんどん泡だってゆく。
傭兵(あっ、やばい…気持ちいい)
僧侶(これが男の人の素肌…ユッカ様と違って…固くて、すごい…)
勇者(ヒーラなんだか楽しそう…)
にゅるにゅるにゅるにゅる…
ぺたぺた…
にゅるにゅる…
勇者「はい、背中と腕おしまい! つ・ぎ・は…」
僧侶「ちょ、ちょっとユッカ様…もしかして」
勇者「前! 洗おっか!」
傭兵「いやもうあとは自分でできるから…」
魔女「ダメ」
傭兵「!」
いつのまにか正面にマナがつったっていた。
目線の先には白い足とその間にくっきりと縦に割れた恥裂があり、思わずぎょっとする。
傭兵「な、なんだ…?」
魔女「…身体、私も洗いたい。見てるだけだと退屈」
傭兵「そうか…じゃなくて。座ってくれないか」
魔女「うん」ペタン
そして目の前に陣取られる。
両斜め後ろにはユッカとヒーラちゃん。肩越しにマナの様子を伺っているようだ。
同時に腕をぎゅっと掴まれて動くに動けない。
こうしてまた俺は逃げ場を失ってしまった。
魔女「石鹸は」
勇者「はいこれ」
魔女「…」コク
傭兵「マナ…気持ちは嬉しいがさすがに前は自分で洗えるから…」
魔女「…」ジー
傭兵(まずいぞ…)
魔女「ユッカとヒーラに出遅れるわけにはいかない」
勇者「マナもしたいよねー?」
魔女「そう」
傭兵(こんな状態で前を洗われたら…いくらなんでも勃たないわけがない)
傭兵(まずい…まずいですよ)
傭兵(なにか穏便にことを逃れるすべを……そうだ!)
傭兵「マナ、お前丸見えだぞ。恥ずかしくないのか」
魔女「……」
傭兵「い、いろいろ…見えちゃってるぞ。はっきりと」
魔女「あなたも見えてるから別に気にしない。おあいこ」
傭兵「はぁ…」
背後から腕をつかまれる力が強まる。
傭兵「いたっ、なんだなんだ」
勇者「…逃げちゃダメだよ。みんな平等に!」
傭兵「は、はい…」
俺は覚悟を決めた。
両腕にふんわりと小さな胸と大きな胸を押し付けられる感触。
目の前には全裸で手に石鹸をとり泡立てる美しい少女。
傭兵(これが赤の他人なら泣いて喜んでおっ勃てるシチュエーションなんだがなぁ)
普段から勝手に保護者感覚で彼女達と接している俺にとっては試練となっていた。
傭兵(とにかく、勃起だけはしないように努めないとな)
傭兵(こんなことで勃つようじゃ会わせる顔がない)
泡立ておわったマナがそーっと腕をつきだして伸ばしてくる。
傭兵「ひっ…」
傭兵(どこからくる…肩か? 胸元か?)
魔女「…」
傭兵(読めない…。というかニコリともしなくて怖い!)
傭兵(このまま肩だよな…?)
傭兵(上半身だけ洗って満足してもうらおう。よし…来い)
しかしマナは俺の予想を大きく裏切り、目の前までつきだした腕をすっと下し、いきなり股間を掴んできた。
魔女「ここからにしよ」
傭兵「ぎゃあ」
勇者「あー…」
僧侶「ま、マナちゃん…」
傭兵「やめろーそこはさわらないでくれぇ」
魔女「ずっと興味があった」ぐにぐに
魔女「これが…男性器」むにむに
魔女「変な形。柔らかい」
マナは小さい泡だらけの手で俺の睾丸と陰茎に遠慮なく触れた。
そしてなにか確かめるように小さく頷いている。
魔女「文献には硬いと書いてあったのに…おかしい」むにむに
傭兵「もういいだろ…」
傭兵「そこは大事なところなので」
魔女「そう。大切な場所だから、丁寧にあらってあげる」
傭兵「なんでそうなる…っ」
勇者「…」ハラハラ
僧侶「…」ゴクッ
魔女「…」ごしごし
傭兵「あっ…やめろ」
魔女「…」ごしごし
傭兵「やめろぉ…」
勇者「ソル。我慢しなきゃだめだよ」ボソリ
僧侶「まさかこれしきのことでソル様が参るわけありませんよね?」ヒソヒソ
傭兵「く、くそうお前ら…止めてくれよ!」
勇者「マナは満足するまでうるさいよ」ボソボソ
僧侶「ですよ。私もしょっちゅう詰め寄られてるんですから」
傭兵「…くっ」
魔女「…不思議な手触り」ごしごし
魔女「…………あ」
勇者「ど、どしたの」
傭兵「…」ガク
気づいたときには手遅れになってしまっていた。
断続的にぬめぬめと気持ち良い刺激を与えられた俺のペニスは、マナの手の中であたりまえのように立ち上がり脈打っている。
魔女「おっきくなった」
傭兵「…そりゃなるわ」
勇者「あーあ…ソル…」
僧侶「ソル様。情けないです」
左右から咎めるような2人の声。
しかしその声色はどこか楽しそうに聞こえる。
傭兵(この状況を楽しんでやがる)
傭兵(年長者の俺が10も年下の女の子達にこんなにいじられるとは…)
裸で取り囲まれているだけなく、ペニスまで握られているこの異常な状況に更に俺の愚息は大きく反り返る。
もう到底言い訳などできないくらいに大きくなってしまった。
勇者「ぷ」
傭兵「笑うなお前あとで覚えてろよ」
勇者「こわーい」
僧侶(ソル様の…やっぱりおっきいな…)ゴク
魔女「…これ、どうしておっきくなったの。なぜ。芋虫みたい。熱くなってる」
勇者「それはねーソルがー」
傭兵「ああぁぁあ! はやく洗い終えてくれ!」
魔女「! わ、わかった」
勇者「…む。大声だして恥ずかしくないの?」ボソボソ
傭兵「お前はさっきからなんなんだ…」
勇者「だってソルが慌ててるとこみるの楽しいもん」
傭兵(こんな情けない姿を…誰かに見られたらと思うと…)
傭兵(例えばマオだったら)
獣の商人『ソルはん羨ましいわぁ』
獣の商人『お金払わんと若い女の子3人とそんなお遊び出来る人なんてめったにおらんでぇ?』ニヤニヤ
傭兵「…って感じか」ゾクリ
傭兵「あぁ良かった…一生いびられるとこだった」
勇者「?」
魔女(手の中でびくびくしてる。おもしろい)わしゃわしゃ
傭兵(そういえばあの狐はどこいった…いま戻ってこられたらまずい)
妖狐「呼んだかの?」
傭兵「う、うわぁああっ!」
妖狐「何をそんなに驚いて――――ほう」
妖狐「これはこれは…お楽しみのところを邪魔してしまったようじゃのぅ」
傭兵「ち、ちがうー!」
魔女(びくびくしてる)
妖狐「てっきり気概のない漢かとおもいきや……こんな小娘どもを侍らして、ずいぶんと好事家なのじゃな」
妖狐「いや好事家というのもおかしいの。こんなもの世の男性みなの夢」
妖狐「よかったの」
傭兵「うるせー! 生皮剥いでやるっ」
勇者「動いちゃだめ」ぎゅ
僧侶「そうですよ」むにゅ
魔女「うごかないで」にぎっ
傭兵「ひんっ」
妖狐「…なんじゃ遊ばれとるだけじゃったか」
妖狐「しかし、霊泉の効能はたいしたものじゃな。そんなに立派に反り返って、別人かと思うたぞ」
傭兵「効能だと…な、なんのこった」
妖狐「言わなんだか? ここは命の湯」
傭兵「傷が癒える…だろ?」
妖狐「まぁそれもあるが…言い換えれば命とは新たな生命、つまり子宝のこと」
傭兵「……は?」
妖狐「子宝の湯じゃ! おぬしの情けない息子も元気になってよかったのう」
僧侶「子宝…」ゴク
妖狐「ここでは人であることを忘れて気にせず盛るとよいぞ」
妖狐「森の動物たちもこの湯に入り身体を温め、あとはそこいら中で行為に及んでおる」
妖狐「ほれそこの野兎なども」
兎「…」カクカク
勇者「ふぁ…兎が…」
僧侶「こ、交尾…してますね」
妖狐「くっく。どうじゃ。ここは森にとって癒しの場、外敵などおらぬ」
妖狐「おぬしらも安心して事に及ぶが良――」
傭兵「うるせーあっちいけ!」
妖狐「…」
キュウはやれやれといった仕草で俺を見下したあと近くに腰掛けた。
魔女「交尾…兎はああやってする?」
勇者(うわぁ…前にボクあんな風にされちゃったよぉ…)
傭兵「お前らは見なくていい」
妖狐「どれ、水をさして悪かったが、手土産じゃ」
妖狐「そこそこ腹もへったであろう」
そう言ってキュウは包の中から何かを取り出す。
中から出てきたのは葉に包まれたおにぎり、そして数本の竹筒。
傭兵「これは…」
妖狐「酒じゃ」
傭兵「お、おお…!」
蓋をあけると澄み切った酒の芳醇な香りがただよう。
それは俺の知らない匂いだった。
妖狐「こちらではぶどうや果実をつかった酒が多いようじゃな」
妖狐「おぬしはこんな清酒飲んだことなかろう」
傭兵「これほんとうに酒なのか? 綺麗な色だ…水にしか見えねぇ」
妖狐「うむ。このおにぎりと同じく、米でできておる」
勇者「わぁおいしそう…」
妖狐「食べてよいぞ。あまり量はないがしっかり噛んで味わうのじゃぞ」
傭兵「悪いな…ありがたくいただく」
僧侶「いただきます」
魔女「…」
傭兵「お前はそろそろ離してくれ」
魔女「…」コク
そして俺は身体についた泡をざっと洗いながす。
傭兵「…ふぅ」
夜空も酒と同じく雲ひとつなくすっきりと澄み切っており、すこし欠け始めた大きな月がこちらをのぞいていた。
実に爽快な気分だった。俺は立ち上がっておおきく伸びをする。
ここのところ立て続けのトラブルが起きていて、知らずのうちにつかれていたのかもしれない。
それと、みなと共にこうしてのんびりと過ごせて少し舞い上がっているのかも。
勇者「おいし~」はむはむ
勇者「あっ中になにか入ってる!」
妖狐「それは当たりじゃ。塩昆布じゃぞ」
勇者「塩気があっておいしい!」
魔女「私のはなにも入ってない…ユッカの半分頂戴」
勇者「いいよ~。はい」
僧侶「…ソル様、いらっしゃらないのですか」
僧侶「ユッカ様に全部たべられちゃいますよ!」
ヒーラちゃんがくいくいと俺の手を引く。
これから始まるちょっとした宴会に俺は心を踊らせた。
第15話<山脈温泉紀行>つづく
更新おわり
次回エロ回
5日に更新予定
遅れました
本日休みなので昼夜2回更新目指しますスマソ
第15話<山脈温泉紀行>つづき
僧侶「さぁこちらにおかけになってください」
傭兵「あぁ。あれ、いつの間に全員バスタオル巻いたんだ」
僧侶「…なっ! ぃ、いいじゃないですか!」
勇者「ダメなの?」
妖狐「すっぽんぽんでおってほしかったようじゃの」
僧侶「そうなんですか…? ソル様のエッチ…」
傭兵「そんなこと言ってねぇ」
勇者「お湯の中じゃないとやっぱり恥ずかしいよね…? あはは…」
魔女「…」ジー
傭兵「な、なんだよ見るなよそんなに」
魔女「洗ってた時より小さくなってる…」
傭兵「うるさいっ。ヒーラちゃん俺にもタオルとって」
僧侶「はい。どうぞ」
妖狐「なんじゃあみんなして隠しよって。これだから人間は…つまらんのう」
傭兵「お前も曲がりなりにも人の姿をとるなら隠してくれねーかな」スッ
妖狐「ワシのカラダが気になって飯も喉を通らんか?くす」
傭兵「ほとんどぺったんこじゃねーか! うぬぼれんなよ」
魔女「!」
傭兵「せめてヒーラちゃんくらいになってから口を聞くこった」
僧侶「もう、ソル様ったらぁ」
魔女「…」
ゲシッ
傭兵「ってぇ、誰だいま蹴ったの。ユッカか! お前だな」
勇者「え~ボクじゃないよぉ! 濡れ衣だよ」
魔女「…」そそくさ
僧侶「マナちゃんどうしました?」
魔女「…」ジー
僧侶「……? どうしました?」
魔女「あなたの隣に座りたくない、それだけ」
僧侶「ふぇ…」
魔女「ユッカとキュウの間がいい」ペタン
勇者「…? どこに座ってもいいけど…」
僧侶「私なにかしましたか…? ぐすっ」
妖狐「気を取り直してはよう飲もうぞ」
妖狐「ほれ、ぐいっと行かんか」トクトク
僧侶「えっ、わたしは…」
妖狐「なんじゃ下戸か?」
僧侶「ゲコ?」
勇者「ヒーラは人間だよ」
妖狐「下戸の建てたる倉も無し。飲まずとも何か得るわけではあるまい。酒はほどほどに楽しむがよい」
妖狐「ほれ飲まんか」
僧侶「えぇ…でも」チラ
傭兵「いいんじゃないか? すっきりしてて飲みやすいぞ」ゴクゴク
勇者「じゃあボクも飲ーもうっと! 綺麗でおいしそー…」
傭兵「あ、お前はダメ」パシッ ゴクゴク
勇者「え~~! ちょっとくらい良いじゃん!」
傭兵「お酒は大人になってから」
勇者「大人だから!!」
魔女「…」クンクン
魔女「薬のような匂いがする」
妖狐「百薬の長じゃぞ。ワシの長生きの秘訣じゃ」
勇者「キュウちゃん何歳なの?」
妖狐「……」
妖狐「聞きたいか?」ゴゴゴ
勇者「ききたーい! 聞かせて聞かせて!」
妖狐「…」
傭兵(そこは、いえ結構ですって断るもんじゃないのか…)
勇者「何歳なのー? ボクたちより年上?」
妖狐「おぬしの歳に十を掛けても足りんくらいじゃ…といっておけば良いか?」
勇者「えーウソはつかなくていいよ。それじゃおばあちゃんじゃん。キュウちゃん小さくて可愛いのに」
妖狐「なんじゃ、少し頭の足りなさそうな娘じゃのう…」ヒソヒソ
傭兵「適当にあしらっといていいぞ」ゴクゴク
魔女「飲まないの?」
僧侶「…う」
魔女「お酒、おじいちゃんよく飲んでた。私にはくれなかった」
魔女「こっそり飲んだことがある。今後飲みたいとはあまりおもわなかった」
魔女「これを飲むと脳みそが緩やかに死んでいく気がする」
魔女「バザでマオと飲んだときは一時的に記憶を失った。恐ろしい飲み物」
僧侶「ですよね。体にわるいです」
傭兵「こんなにうまいのに体によくないわけあるか!」
妖狐「そうじゃぞそうじゃぞ!」
勇者「飲みたいなぁ…ふたりともすごくおいしそうに飲むんだもん」
僧侶「ソル様、私はともかくせめてユッカ様に一口で良いのでわけてあげてくれませんか?」
勇者「そうだよそうだよ!」
傭兵「あーでもなぁ…監督者として子供に飲酒させるわけには…」
僧侶「私だってユッカ様とひとつしかかわりませんよ!」むすっ
妖狐「飲ませてやればええじゃろ。ワシの酒を飲む機会なぞもう来んかもしれんぞ」
妖狐「な?」
勇者「…」コクコク
傭兵「わかった。じゃあちょびっとな。飲めるかしらねーぞ」
勇者「やったーありがとう!!」
勇者「村の儀式のとき以来だよ!」
勇者「いただきまーす」くいっ
傭兵「…あ、こらっ一気にいくな! 舐めるだけに…って遅かったか」
勇者「……ひぐっ!? …か、辛っ」
勇者「のどが…あひゅいっ、たすけて」
傭兵「あーあ。ほらな」
僧侶「はいユッカ様お水」
勇者「うん…ボク水でいい…」
妖狐「慣れるまで飲むんじゃぞ」
傭兵「やめろ」
勇者「村で飲んだお酒はあまかったのに…」
傭兵「そりゃユッカの儀式だったんだからお前が飲めるように作ったんだろうな」
勇者「聞いてないよ!! ヒーラも飲んでみてよ! ほらっ」
僧侶(うわぁ…飛び火しちゃいました)
僧侶「ヤですよ…苦手ですし」
勇者「ボクの酒が飲めないっていうの!? ほら飲むんだよ!」
傭兵「お前、もうまわってるのか?」
僧侶「助けてください」
僧侶「じゃあ一口だけ…」ペロッ
僧侶「……」
勇者「どう?」
僧侶「あれ? おもったより…口当たりがすっきりしてて後味もわるくないですね」
勇者「えー」
僧侶「私のお酒の記憶って、苦くて辛くて飲みづらくて最悪だったのですが…」
僧侶「これなら…飲みやすいです」コク
僧侶「おいしいかも」
妖狐「じゃろ?」
傭兵「お、意外とイケる口だったか!」
僧侶「ご飯とよく合いますね」
傭兵「だろ?」
勇者「ずるい…」
魔女「ユッカは飲まなくていい。私とこれを食べよう」
勇者「このつつみは何?」
妖狐「あっ、それは…」
勇者「なにかななにかな~」ガサガサ
妖狐「大トカゲの姿焼きじゃな」
勇者「あ゛ー! もうやだーっ」
妖狐「うまいぞ」もぐもぐ
・ ・ ・
勇者「…zzz」
魔女「…zzz」
妖狐「ふむ。そろそろお開きじゃな」
妖狐「いつのまにか月があんなに高いとこに登っておる」
傭兵「ヒーラちゃんもうつらうつらしてるしな…寝る準備するか」
僧侶「…眠たくはないんですけど…なんだか頭がぼーっとします」
妖狐「すこし飲み過ぎたようじゃな。水をたくさん飲むとええぞ」
僧侶「そうします…」コクン
妖狐「さて、おぬしらどうするんじゃ」
傭兵「荷は多少もってきている。ユッカとマナはとりあえず寝袋につつんで寝かせるとするよ」
傭兵「じゃあひとりずつ行ってくる」
僧侶「お願いします…」
妖狐「大丈夫かのぅ。明日には抜けとるとええが」
妖狐「間違っても湯に入って溺れたりするんじゃないぞ? ワシは責任とれんからの」
俺はタオル一枚体にまきつけたユッカとマナを小脇にかかえて、荷を置いていた目印代わりの大木の根本に移動した。
レジャーに使える大きめのシートを予め辺りの柔らかい土の上に敷いていたのでそこに2人を寝かせた。
傭兵「着替えさせるか…?」
さすがに濡れたタオルのまま寝袋に押しこむことはできない。
かといってこのタオルをひっぺがして下着をはかせてパジャマを着せて…といった工程を考えると、どうにも後ろめたい気分になる。
傭兵「ヒーラちゃんに飲ませたの失敗だったな…」
傭兵「俺がやるしかないか」
意を決して、張り付いたタオルを剥がす。
当然ふたりの艷やかな幼い肢体が目に飛び込んでくる。
勇者「…zzz」
魔女「…zzz」
傭兵「こんな無防備な姿を…」
とっさに湧いた全身を撫で回したくなる衝動を抑えて、俺はユッカとマナの下着を探した。
勇者「へくちっ…zzz」
傭兵「…びっくりした」
傭兵「ひとりずつ、まずはユッカから。すぐに着せてやるからな」
傭兵「えっと、この綺麗にたたまれているのが…ヒーラちゃんのだよな」
シートの上には彼女たちが脱ぎ置いた下着と肌着があった。
上着をセットで側に置いてくれているなら簡単に判別がついて助かったのだが、
それらは枝木にひっかけてあるので並んだ下着だけパッと見ただけではどれが誰のものだかわからない。
傭兵「こっちがユッカか…? 雑にクシャっと丸めて置いてるしなぁ…」
傭兵「マナはこれか?」
傭兵「日頃からちゃんと観察しておくんだったな」
何を思ったか俺はおもむろに下着を握りしめ、顔に近づけて匂いを嗅いだ。
ここ最近で嗅ぎ慣れた匂いがする。
傭兵「あ、これユッカのか」
傭兵「……あれ」
傭兵(俺は一体何をしているんだ! 酔っているのか恐ろしい)
傭兵「とにかくこれはユッカ確定だから履かせよう」
どうやらうまく頭がまわっていないようだ。
だいぶ酔いがまわっている。
俺はユッカの下半身をすこし持ち上げ、足先を下着の穴に通した。
傭兵「よし…」
苦心して履かせてやったのに、その御礼なのか何なのか、顔面に2発も蹴りをもらってしまう。
傭兵「はぁ…」
傭兵「こんなやつ起こして自分で履かせればよかった…」
傭兵「それでマナのはこれか…?」クン
別の下着を握りしめ、匂いを確かめる。
傭兵(にしてもユッカとくらべてほとんど匂いしないな…)
傭兵(マナは見るからに無味無臭って感じするしな…)
魔女「……zzz」
傭兵「じゃあ残ったコレがヒーラちゃんの…」
傭兵「…」ゴク
傭兵「…案外子供パンツだな。地味だ。大人パンツじゃないのか」
傭兵「ヒーラちゃんいつもどこに下着ほしてるんだろうって思ってたが、これならユッカのと一緒に干しても混ざってわからないな」
傭兵「それで気づかなかったのか。あぁ納得だ」
傭兵「へぇ…なんだか甘い匂いするな」
傭兵「これがヒーラちゃんの…」
傭兵「…ん?」
傭兵「う、うわああぁ」
傭兵「自分が信じられないっ」
傭兵「こんなことしてバカなのか!? すまんマナ、ヒーラちゃん!! とユッカ!」
傭兵「傍から見たらただの変質者じゃねーか」
傭兵「急いで履かせないと…」
そのあと俺は2人を寝袋につつんでシートの上に転がし、ヒーラちゃんの元へと戻った。
・ ・ ・
傭兵「もどったぞー」
妖狐「おう。顔の色すこしはもどっとるな」
傭兵「急に冷めてな…」
妖狐「ちゃんと寝かせてきたのか?」
傭兵「あぁ。ぐっすり寝てるよ」
妖狐「でもこっちはだめそうじゃぞ」
傭兵「?」
僧侶「ふぁ…ソル様…もどってきてくれたんですねぇ」
僧侶「ユッカさまたち…ちゃんとねましたか」
僧侶「えへへ…こっち来てください」チョイチョイ
そこには四つん這いになったヒーラちゃんがいた。
朱に染まった顔でこちらを見上げ艶っぽい声とともに手招きしている。
その度に大きな胸がふるふる弾み、胸元で巻いたタオルがいまにもずり落ちそうになっていた。
傭兵「…ヒーラちゃんなんでこんなことに」
妖狐「水をのませるはずが酒と間違えてな」
傭兵「お、お前っ! わざとだろ!」
妖狐「そんなことない。その娘が勝手に間違えたんじゃ!」
妖狐「おぬしが戻ってくるまでの間さんざんべたべた絡まれてうっとうしかったからもう寝るぞ!」
妖狐「また明日の!」
傭兵「お、おい待て!」
妖狐「ワシはもうしらんっ! 今日の子守は終わりじゃ!」
キュウは狐の姿に戻り、振り返りもせず俺たちの元から駆け足で去っていった。
目の前には飲み食いの後と、ふにゃふにゃになったヒーラちゃんだけが残されている。
傭兵(これ全部俺が後始末するのか…)
僧侶「そるさまぁ…こっちですよぉ。となり、となりに」ポスポス
傭兵「…」
警戒しつつも言われるがままに側に腰を下ろすと、ヒーラちゃんは突然抱きついてきた。
その拍子にタオルがずりおち、やわらかい素肌が直接俺の体に触れる。
傭兵(あぁ…最初にすすめたのが失敗だった)
僧侶「ねぇーもう少し飲みましょ? ソル様に注いであげたいです…」
傭兵「わかった、わかったから…」
どうやらすこし長い夜になりそうだ。
第15話<山脈温泉紀行>つづく
更新おわり
続き21時から
第15話<山脈温泉紀行>つづき
僧侶「はい、どうぞ」
傭兵「…」クイッ
また一献、さらに一献と笑顔でヒーラちゃんがお酒をついでくれる。
それも一糸まとわぬ姿で、生白い素肌を晒しながら。
当然上も下も見ようと思えば丸見えだ。
ヒーラちゃんはトロンとした目つきで酒の入った陶器を手に俺がこの一杯を飲み終わるのをじっと待っている。
僧侶「いい飲みっぷり…おいしいですね」
僧侶「さぁさぁ。まだありますよ」
お酌をしてもらって悪い気はしないしむしろ嬉しいが、やや酔いのさめはじめている俺にとっては目の毒だ。
傭兵(こうなったらまた酔うまで飲むしか無いのか…?)
しかしそうなってしまうと、後が怖い。
俺にはおそらくこの先潰れるであるヒーラちゃんを介抱するという役目が残っている。
それに、理性を抑えられるかどうか。
僧侶「もう一献♪ うふふ」
また並々と注がれる。
傭兵(天使のような悪魔だ…)
僧侶「私もすこしだけ」
傭兵「もうやめたほうが」
僧侶「ダメです。ソル様とせっかくふたりきりなんですから」
僧侶「大人の付き合いがしたいです…はい、乾杯」
コツン
僧侶「んく…んく」
僧侶「ふぅー…おいしい」
アルコールで紅潮した顔が妙になまめかしく見えた。
顔つきにはまだまだ昔の幼さが残っているなと思っていたが、やはりユッカたちと比べると大人っぽさがある。
体つきは言わずもがな。
あまり観察していると自身を抑えることができなくなってくるので、俺はとっさに視線を外した。
僧侶「? どうしました」
僧侶「あっ、もしかして空っぽ? すいませんすぐに」
傭兵「いやっ、もういいんだ。飲み過ぎは良くない」
僧侶「…」
器を置き酒を断るとヒーラちゃんは唇を尖らせてあからさまに不機嫌そうな顔をした。
僧侶「飲んでくれないんですか」
傭兵「え…」
次は肩を落とし泣きそうな顔。
僧侶「せっかくふたりっきりなのに…もうおしまいですか」
僧侶「私のことぉ…嫌いですか…くすん」
僧侶「私はこんなにソルさまのことが大しゅきなのに…ひどいれす」
傭兵(だいぶ酔ってるな)
僧侶「ソルさまはいつもいつもゆっかさまのことばっかりで」
僧侶「あさもひるもよるもユッカさまユッカさまーってべたべたペロペロしあって」
傭兵(してない…)
僧侶「わたしのことなんてあんまりみてないですよねぇ…らめれすよそんなのかなしいですよ」
呂律が回っていない。
おそらく自分が何を発しているかもはっきりとわかっていないだろう。
俺は適当に相槌をうちながら聞き流すことにした。
僧侶「ちょっときいれるんれすか!」
傭兵「聞いてる」
僧侶「まったくぅ…わたしはソルさまにもっとぎゅーーーってしてほしいのに」
傭兵「ぎゅー…?」
僧侶「そうですよユッカさまみたいに…ぎゅーって、なでなでーって」
傭兵「あ、あぁ…」
僧侶「してくれますか? それとも私のことなんてきらいなんですか」
傭兵「その二択しかないのか?」
僧侶「えらんでください。好きならぎゅーですよ。きらいなら私お湯にでもしずんでますのでさようなら」
傭兵(確かに、キュウが逃げ出すわけだ)
僧侶「はやく! ごーぉ、よーん、さーん…」
傭兵「…わ、わかった」
俺はヒーラちゃんを抱き寄せ、膝の上に座らせてきつく抱きしめる。
そのままいつもユッカにするように、背中をさすったり頭をなでてやった。
僧侶「えへへ…ソルさまぁ…♥」
傭兵「だいぶ溜まってたんだな。ごめんないつも」
僧侶「こうしてほしかったんです」
僧侶「もっとなでていいですよ」
傭兵「…おう」
ヒーラちゃんが心の底から甘えてくれて嬉しく思った。
傭兵(見た目で勝手に大人扱いするのもよくないな…)
傭兵「俺が悪かった」
すっかり汗がひいてさらさらした背中を何度も何度もさする。
ヒーラちゃんは嬉しそうに目を細め、俺に強く抱きついた。
やわらかい豊かな胸が俺の胸板におしつけられてむにゅりと形を変える。
傭兵「…」
僧侶「どうしたんですか? やめないでください…」ギュ
傭兵(これがあるからまずいんだよなぁ)
俺はユッカたちでは味わえないその感触に戦々恐々としていた。
僧侶「…?」
僧侶「そうだ。お酒」
傭兵「いやっ、それはほんとにいいから」
僧侶「どうして」
傭兵「もう堪能した。だからやめとこう?」
僧侶「……。嫌です。私はまだ飲みたいです」むすっ
傭兵「やめといたほうが」
僧侶「飲みます」
ヒーラちゃんは陶器を手に取り、ついには器に注ぐことすらやめ、直接口をつけて飲み始めた。
傭兵「うわっ、こら! そんなに飲んだらぶっ倒れる!」
僧侶「…」
制止とともにヒーラちゃんは口を離した。
そして頬を少しふくらませたまま俺の目をのぞきこんでくる。
どうやら飲んではおらず、まだ口の中に含ませているだけのようだ。
その量が一度に喉を通るとさすがにまずい。
傭兵「ほら、呑まずに吐き出して」
僧侶「…」フルフル
傭兵「…ほんとにダメだぞ」
僧侶「…」ニコ
傭兵「ま、まさか…」
ヒーラちゃんはニコリと笑い、目を閉じて顔を寄せてくる。
俺は逃げることも許されず、あっという間に唇を奪われてしまった。
僧侶「んっ…ん♥」
ヒーラちゃんの舌を伝って熱い液体が俺の口内に流れ込んでくる。
唾液もたくさん混じっているだろうその甘美な液体に、俺は一瞬酔いしれた。
そして何度も大きく喉を鳴らす。
喉だけでなく脳まで焼けてしまいそうな濃厚な口移しだった。
傭兵「ぁ…ぁ…飲んでしまった…またこんなに」
僧侶「えへへ…」
僧侶「キスしちゃいましたね。バザ以来ですね」
傭兵「何考えてるんだ」
僧侶「おいしーですか? おかわりありますよ」
傭兵「やめてくれ…」
傭兵(誰か助けて。神様でもなんでもいいから)
祈りも虚しく、その後俺は何度も無理やり彼女に酒を注がれてしまった。
傭兵「…う、あ」
傭兵(さすがにクラクラしてきた。なんてことをするんだこの子は)
僧侶「ソル様…それ」
傭兵「え…」
ヒーラちゃんの視線をたどってみるとそこには立派に反り返った俺自身がいた。
当たり前だ。裸の美少女にあんなキスを何度もされて勃たないわけがなかった。
それも相手はただの女ではなく、ヒーラちゃんだ。
僧侶「おっきい…さっきマナちゃんにゴシゴシされた時みたいになってますよ」
傭兵「…」
僧侶「うふふ」
許可もしてないのにぎゅっと両手でつかまれる。
とっさにぴくんと体が反応してしまい、それがますますヒーラちゃんのいたずらごころに火をつけてしまったようだ。
ヒーラちゃんは俺の目を見て少しいじわるく笑った後、首を小さく横に傾けた。
僧侶「どうしたいですか?」
傭兵「…ごめん。我慢できそうにない」
僧侶「ですよね? いいんですよ。健康な証拠なんですから」
僧侶「手でしてあげますね」
ヒーラちゃんは俺の顔色を伺いながら手でペニスをこすり始めた。
しかしこのままでは摩擦が強すぎるのか滑りが悪く、思うようにいかない。
僧侶「…どうしましょう」
傭兵「無理なら無理で…」
僧侶「ダメです。うーん…と」
僧侶「…あっ、そうだ」
ヒーラちゃんはもごもごと口を動かした後、唇を開きトロリと唾液を垂らしてきた。
ペニスにねっとりとした熱い粘液がぬりつけられる。
傭兵「うわっ」
僧侶「これしか思いつかなくて。嫌だったらごめんなさい」
傭兵「嫌じゃないけどびっくりした」
僧侶「でも、これで少しは」
ぬちゅ…ぬちゅ
僧侶「♪」
僧侶「私のツバと手できもちよくなってくださいね」
ぬちゅ ぬちゅ…
ぬちゅ ぬちゅ ぬちゅ
傭兵「くっ、あ」
僧侶「ここらへんですか?」
ヒーラちゃんは俺の気持ち良いポイントを探りながら丁寧にこすり続けた。
僧侶「きもちいいですか?」
ぬちゅ ぬちゅぬちゅぬちゅ
ぬちゅぬちゅ ぬちゅぬちゅ
僧侶「手のなかでどくんどくんって跳ねてますよ」
僧侶「かわいい」
僧侶「ソル様もそんな顔するんですね」
僧侶「おちんちんの後ろ側がきもちいいですか?」
僧侶「きもちいい場所があったら全部おしえてくださいね。我慢しなくっていいですよ」
僧侶「ね?」
ぬちゅぬちゅ ぬちゅぬちゅぬちゅぬちゅ
ヒーラちゃんの手は休むこと無く卑猥を音を立てながら上下に動き続けた。
あたえ続けられる刺激に俺のペニスは手の中でさらに張り詰め、硬さと太さを増していく。
彼女はそれを喜びますます手の動きを早くした。
僧侶「おちんちんのさきっちょから、なにか出てきてますよ」
僧侶「ソル様のきもちいいお汁ですよね?」
僧侶「なめちゃっていいですか…?」
僧侶「いいですよね? はむっ」
有無をいわさずヒーラちゃんは俺の陰茎を口に含み舐め始めた。
ちいさな舌で亀頭の先をちろちろと舐めまわしたあと、
またたっぷりと唾液を塗りつけられて、じゅばじゅばと音をたてて吸ったり舐めたりを繰り返した。
傭兵「こ、こら」
僧侶「むぐぅ…んちゅっ、ちゅうう、ちゅる」
僧侶「んれ…れろぉ…♥ んじゅ、じゅぷ…ちゅるっ」
傭兵(前にしてもらった時より…うまい)
傭兵(酔ってるはずなのによくこんなことできるな)
俺は年頃の少女の性技の上達に感心していた。
しかし喉の奥にいれすぎたのか、ときどきケホケホと咳き込む姿に不安になる。
僧侶「だいじょうぶです」
僧侶「んむっ、じゅぷ…じゅぷ…じゅるっ、ちゅむ…れろぉ♥」
僧侶「ソル様のおちんちんおいしいです…ちょっと石鹸の味がします」
傭兵「そりゃあなぁ」
僧侶「ほんとはあの時私があらってあげたかったんですよ?」
僧侶「でもマナちゃんが最近積極的で困っちゃいます」
僧侶「あの子ボケーッとしたフリして意外と強かですよね?」
傭兵「そ、そうか?」
僧侶「私がすっきり綺麗にしてあげますね。あむ、ちゅぷ…じゅ、じゅむじゅるっ」
傭兵「…くっ、ぅ」
傭兵(コレは果たして綺麗になるのだろうか)
ヒーラちゃんは卑猥な音をたてて吸い続ける。
なんとなく目についた頭をなでてやると、舌をチロチロと動かして返事をしてくれた。
僧侶「おひんひん…ソル様の…♥」
じゅぷ じゅぷ じゅるっ
ずずずっ じゅる じゅぷ
僧侶「好き…♥」
傭兵(こんなかわいくて献身的な子が俺のことを好いてくれるなんてなぁ)
傭兵(俺ヒーラちゃんに何かしてあげたっけな)
ヒーラちゃんに激しくペニスを吸われながら王宮時代の過去に思いを馳せる。
しかし記憶はやや曖昧となっており、思い返しても俺のほうから特別何かしてあげたような心当たりがない。
最初の出会いはどうだったか。
ヒーラちゃんはいつごろから俺に好意を寄せていたのだろうか。
さっぱり検討がつかなかった。
傭兵(旅に出てからも特別何かしたわけでは無いと思うけど)
バザのデートは連日続いた騒動と、淫魔の出現も相まって散々なものだった。
ヒーラちゃんをまともにエスコート出来た自信がない。
淫気にあてられ、情事の一歩手前までは行ったのだが、それ以来やや距離を置いてしまっていた。
それが彼女を寂しくさせていたのかもしれない。
裸を見てキスまでしておいて、その後ずっとユッカやマナに構いきりではやきもきもするだろう。
そして大量のアルコールがついに彼女の日頃押し殺していた感情を爆発させてしまった。
そんなところだろう。
傭兵(悪かった…)
また頭を撫でる。
僧侶「?」
ヒーラちゃんは上目遣いでこちらを見上げ、ニッコリと微笑んだ。
傭兵(こんなにいい子を放っていた俺は罪深いやつだな)
僧侶「あむ…♪」
傭兵「ヒーラちゃん、おいで」
僧侶「…? はい」
フェラを中断させてもう一度ヒーラちゃんを抱き寄せた。
またぴたりと胸をあわせる。
乾き始めた長い髪の毛が肩をくすぐった。
傭兵「なぁ。聞いてくれ」
僧侶「な、なんですか」
傭兵「あのな。もしヒーラちゃんが良ければ」
傭兵「もしヒーラちゃんが俺のことを本当に大好きなら」
一言一言紡ぐ度に、彼女の心臓が高鳴るのが伝わってくる。
その先何を言われるのか薄々感じ取っているのか、頬と耳がアルコールに加えてさらに赤く染まっていた。
しっかりを目を捉えて大切な言葉を告げる。
傭兵「君のことを抱いてもいいか」
傭兵「俺もヒーラちゃんのことが好きだ」
僧侶「!」
傭兵「だから、したいと思う」
傭兵「ヒーラちゃんの初めてが欲しい」
僧侶「…ぅ、あ」
ヒーラちゃんは目をぱちくりさせたあと、小さく何度か頷いて顔を隠すように俺に強く抱きついた。
そして耳元でかすれそうな声でつぶやく。
僧侶「お願いします…」
僧侶「もらってください…」
傭兵「良かった。拒まれたらどうしようかとおもった」
僧侶「こ、拒みません! ソル様のことなら私なんでも受け入れ…」
僧侶「…はっ」
傭兵「どうした?」
僧侶「い、いえ…ちょっと、ある人というか淫魔の言葉を思い出しただけです」
傭兵「?」
傭兵「ほんとうに大丈夫?」
僧侶「大丈夫です…覚悟はあります」
僧侶「それに…どんな困難な道であろうとも、私はソル様のことが大好きです」
傭兵「困難?」
僧侶「い、いえ。こちらの話です」
僧侶(だってユッカ様に注がれる寵愛をうばってしまうのですから…)
僧侶(許されるわけ、無いですよね…)
傭兵「ヒーラちゃん」
なにか考えるとこがあるのだろう、不安げな瞳をした彼女にそっと口付ける。
僧侶「んっ、う…」
傭兵「大丈夫だよ。ヒーラちゃんのことをずっと好きでいるから」
傭兵「だから今は俺に素直に抱かれてほしい」
傭兵「ヒーラちゃんの全てが欲しい。いいよな?」
僧侶「…はい♥」
傭兵「どうするかはわかるよな?」
僧侶「わかります…」
僧侶「このあいだの…続き、みたいなものですよね」
傭兵「うん」
僧侶「ソル様のここを…私の…あそこに」
傭兵「できそう?」
僧侶「…」コク
僧侶「ソル様のおちんちんをなめながら、ずっと考えてました」
僧侶「これをあそこにいれてもらったらどんな感じなのかなって」
僧侶「きもちいいのかなって…わたしエッチですよね」
傭兵「今日は痛いかもしれない」
僧侶「そうですか…でもその痛みもソル様が与えてくれるものなら…」
僧侶「なんだって受け入れます!」
傭兵「じゃあ先に触っていい?」
僧侶「は、はい…♥」
ヒーラちゃんを膝にのせたまましばらく見つめ合い、俺は彼女の下半身に手を伸ばした。
本当はひっくり返して足を開いてまじまじと観察したかったが、岩肌の上に乙女を裸で寝かせるわけにはいかない。
その楽しみは次へと取っておこう。
傭兵「ちょっとしっとりしてる」
傭兵「お湯…じゃないよな? もう温泉に入ったのは随分前だもんな」
僧侶「…はい」
ヒーラちゃんは恥ずかしそうに頷いた。
膣のまわりを指先でぬちぬちといじくりまわしていると、粘っこい液体が次々と溢れてくる。
僧侶「ここに…挿れてほしいです」
傭兵「うん。もうすこしほぐしてからな」
粘膜を傷つけないように気をつけながら指を膣内に滑りこませ、腹でひっかくように内側に刺激を与えていく。
十分に濡れたアソコからちゅくりちゅくりと水音が漏れ、すでに男性器受け入れるための準備ができているように思えた。
僧侶「はぅ…んっ、んっ」
傭兵「熱くなってるな。指が溶けそうだ」
僧侶「ソル様の…が、ほしくて、ほしくて」
傭兵「ひくひくしてる」
僧侶「…んっ♥ あっ♥」
傭兵「いれてみようか?」
僧侶「はい…おまたせしてすみませんでした」
傭兵「え?」
僧侶「だって、おちんちんずっと待ってましたよね? ぺろぺろしたのに、射精までいかなくって」
傭兵「あぁなんだそんなこと」
頭を数度撫でたあと、ペニスで陰唇をかきわけ奥にある膣口にあてがった。
ちゅく…
僧侶「んっ」
傭兵「いま入り口に当たってるのわかる?」
僧侶「は、はいっ」
傭兵「緊張しないで、そのまま力抜いて。ゆっくり腰をおろして」
僧侶「…っ、腰を…!? えっと、えっと」
傭兵「怖い?」
僧侶「失敗しちゃったらどうしましょうっ…よくわからなくてっ」
傭兵「わかった。俺が手で腰をおさえてあげるから。ゆっくりな」
腰を下ろすように促してもヒーラちゃんは焦ったままなかなか踏み切れずにいた。
傭兵(やっぱりこの体勢じゃ厳しいか?)
僧侶「腰をおろしたら…ソル様と…ううう」
僧侶「決心したはずなのに…ど、どうしたらっ」
僧侶「神様…私は乙女じゃなくなってしまいます」
傭兵(あぁ、そうもなるよな)
いまヒーラちゃんは聖職者にとってのタブーを侵そうとしている。
彼女たちは結婚するまで肉体的交渉をもつことは許されていない。
それによって神の加護がなくなるといったことはありえないのだが、長年信仰してきた教えを破るのはとても重大なことである。
傭兵(となると自分からは無理だよな)
傭兵「ヒーラちゃん。キスして」
僧侶「えっ? あ、はい…」
言われるがままにヒーラちゃんは俺に口付ける。
俺は舌を無理やりねじ込み、彼女の舌を捉え先に口内を犯した。
僧侶「んっ!? んんぅ…!?」
傭兵(そしてこのまま…)
腰をもつ手に少し力をこめ、ゆっくりと下げていく。
膣口がぬちゅりと広がり、ゆるやかに俺のカリを飲み込んでいった。
僧侶「~~っ!?」
温かいヒダが亀頭を包み込む。
あとすこし進めれば、教えに逆らう事となる。
だが俺もうヒーラちゃんの全てをもらうときめた、いまさら後戻りなどしない。
舌を絡ませて粘っこいキスを続けたまま、俺はペニスを深く突き入れヒーラちゃんの純潔を奪った。
僧侶「っ! んんぅ~~!?!?」
僧侶「あっ、いっ、やぁ…痛っ…ひぅ、んっ」
僧侶「あぁぁソル様…おちんちんがっ…おちんちんがっ中にっ」
傭兵「あぁ、入ってるよ」
傭兵「これでヒーラちゃんは俺のものだ」
僧侶「んっ…♥ 痛っ…いっ、あんっ」
痛がるヒーラちゃんとは裏腹に、俺はとてつもない快楽に浸っていた。
柔らかい無数のヒダがぞわぞわとペニス全体を撫で付け、膣圧できゅうきゅうと締め付ける。
どろっどろに熱くなった膣内で俺の息子はあっというまに溶けてしまいそうだった。
傭兵「すごいな…どんどんエッチな汁が出てくる」
傭兵「ヒーラちゃん、別に淫魔の呪いになんてかかってないよな?」
僧侶「…」コクッ コクッ
傭兵「痛い? ごめんな…こればっかりはどうにも」
傭兵「でも俺はきもちいいよ。ヒーラちゃんのあそこ、おまんこの中すごく温かい」
あえて卑猥な言葉を口に出すと、きゅっとまた膣が締まる。
傭兵「かわいい」
僧侶「うう…」
傭兵「このまましばらくこうしてようか」
僧侶「ソル…さまが…きもちよくなってください」
僧侶「うごいて…きもちよくなって」
傭兵「いいの? まだ痛いだろ?」
僧侶「へいきです。我慢できる痛みです…」
僧侶「私と…セックス…しましょ?」
痛みをこらえて作った彼女のぎこちない笑顔を見て俺の理性ははじけ飛んだ。
つかんだ腰をゆさゆさと揺さぶり、膣内にペニスを擦りつけていく。
僧侶「うぁぁぁっ、あっ…うっ、んんぅっ」
何度も何度も突き入れる。
ぐちゅぐちゅと2人の粘液が膣内で混じりあい、出し入れする度に結合部から溢れだした。
僧侶「あっ、あっ、あっ…あぅっ、あぁっ」
僧侶「ソルさ…まっ、あっ、ひぅっ、んんぅっ」
目の前で大きな胸が上下に弾む。
つんと上向きに尖った乳首を指でこねてもてあそぶとヒーラちゃんはより一層声を荒らげた。
僧侶「はっ、はぁう…んっく、う…」
僧侶「乳首は…だめっ、です」
傭兵「自分でも触ったことあるだろ? こりこりしてるな」
僧侶「だめ…です…よぉ」
傭兵「ほら、あそこのほうにも集中して」
じゅぷ じゅぷ じゅぷ じゅぷ
カリで膣襞をかきまわすようにひっかくうちにだんだんとヒーラちゃんの声に色がついてきた。
顔にかかる吐息は熱く、目元はトロンとしていて目尻には涙が浮き出ている。
僧侶「ううっ、んぅ、あっ、あっ、そこ…はっ、あっ♥」
じゅぷ じゅぷ じゅぷ
じゅぷ じゅぷ じゅぷ じゅぷ
小気味良く腰を付き上げピストン運動を繰り返すうちに、ヒーラちゃんはだんだんと自分でも腰を押し付けるように動き始めていた。
2人の動作が重なり、より一層激しく膣奥を突く。
ぱちゅんぱちゅんぱちゅんっ
ぱちゅんぱちゅん ぱちゅんぱちゅん
僧侶「ああぁあっ♥ そこっ…です」
僧侶「奥にあたって…おちんちんがおまんこの奥に」
傭兵「どう?」
僧侶「すごく…ぞくぞくします」
僧侶「射精…しちゃうんですよね?? 私のおまんこの奥で」
僧侶「あぁぁっ♥ んっ、あっ、ああぁっ♥」
傭兵「出していいのか?」
僧侶「…はい♥」
僧侶「んっ、あっ、あっ、だしてっ」
僧侶「でもまだだめですっ、もっときもちよくなれるはずですからっ…」
傭兵「痛くないのか?」
僧侶「…」フルフル
僧侶「ソル様の与えてくれるものならなんだって嬉しいです」
ヒーラちゃんはそっと俺の頬に両手を伸ばす。
以前俺が送った少々野暮ったい金属質のブレスレットが細い手首できらりと光った。
傭兵「嬉しいな。そんなに俺のことを好きでいてくれるんだな」
僧侶「はいっ、好きですっ」
僧侶「好きですからもっときもちよくなってほしいですっ」
僧侶「私のおまんこできもちよくなって、いっぱい射精してください」
ぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅん
ぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅんっ♥
俺達は一心不乱に腰を打ち付けあった。
さきほどまで聞こえていた虫の音が止んでいる。
辺りには俺達のまぐわり合う水音だけが響く。
僧侶「ああっ♥ ううあっ、あんっ、あんっ」
恥部をからませながら、何度も口づけを交わし、何度も唾液を交換しあい俺達は快楽を高めていった。
流れ出ていた純潔の証である真っ赤な血は大量の陰液で薄まり、もはや姿を潜めてしまっている。
傭兵「はっ、はっ、はっ」
僧侶「あぁっ、あぁっ…んぁっ、あああっんっ♥」
ペニスを突き入れる度にヒーラちゃんは甘い声色で鳴いた。
さらにカリで膣壁を激しくひっかくと嬉しそうに大きく身をよがらせる。
もしかしたら多少のMっ気があるかもしれない。
僧侶「ソルさま…もうっ、わたしっ…」
僧侶「あんっ、あっ、あっ♥ い、イキ…イキそ…」
僧侶「ソルさまも…いっしょ…にっ、ああぁん♥」
ぱちゅん!ぱちゅん!ぱちゅん!
ぱちゅん!ぱちゅんぱちゅん!
僧侶「あっ…あーっ…♥」
傭兵(そろそろ限界だな)
ぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅん
ぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅんっ♥
僧侶「…い、イクっ、イッちゃいますっ♥」
傭兵「いいよ。かわいくイッて」
僧侶「は、はひ…はぅっ…あああっ♥」
最後に思い切り深く付き入れて子宮口に亀頭の先を叩きつけた。
僧侶「~~~っっ! あぁぁぁ~~っ♥!?!」
僧侶「だめぇ~♥ あああ~~~っ!?!?」
僧侶「イッて…イクっ、イッてま…ああぁぁ♥ くぅぅ、ああっ♥」
僧侶「~~っあああっ♥ あぁあっ♥♥」
膣内がぎゅうぎゅうと収縮し、俺のペニスに射精を促すように襞が絡みついてくる。
俺はその快楽に耐え切れず、彼女の産道をうめつくすように大量の精液を吐き出した。
僧侶「あぁ…出てます…熱いのが」
僧侶「これ…ソル様の精液…?」
傭兵「ごめん。我慢しきれなかった」
僧侶「えへへ…いいんですよ」
僧侶「ソル様の…えへへ。私もいただいちゃいました」
僧侶「よかった。出したってことはとってもきもちよくなれたんですね」
傭兵「俺もヒーラちゃんが満足出来たみたいでよかった」
僧侶「ねぇソル様ぁ。もうすこしこうしてましょ?」
傭兵「入れたまま?」
僧侶「だって…抜くのもったいないなって…私がずっと欲しかったものですから」
傭兵「なにいってるんだこの子は」
僧侶「くしゅんっ」
傭兵「激しくした後とはいえ、さすがに冷え込んできたな」
傭兵「ちょっと俺に抱きついてくれるか?」
僧侶「え? はい……うわっ」
俺はヒーラちゃんの温かいふとももを抱えて身体をもちあげて立ち上がった。
僧侶「ソ、ソル様…? なんだか恥ずかしいですよ? コレは一体…」
傭兵「少し温まり治そう」
そして彼女を抱きかかえたまま温泉へと足を進める。
ちゃぷ…
僧侶「…♥」
傭兵「やっぱりいいお湯だ。いつでもこれに入れたらいいのにな」
僧侶「こ、子宝のお湯…らしいです」
傭兵「とか言ってたな。本当にそうなのか眉唾ものだけどな」
僧侶「子宝…」
傭兵「案外狐に化かされているだけかもしれない」
僧侶「…えへへ」
傭兵「?」
僧侶「効き目は本当っぽいですよ?」
僧侶「だってほら…♥」
傭兵「……あ」
あっという間に下半身に血がもどり、彼女の膣内でまた息子が大きく膨れ上がっているのがわかった。
また彼女の膣内がみちみちと刺激を求めて蠢き始める。
傭兵「やらしい子だな」
僧侶「…はい。エッチなんです」
僧侶「幻滅しましたか?」
傭兵「…いいや、ますます好きになったよ」
僧侶「ありがとうございます。これからも私のことかわいがってくれますか…?」
傭兵「今すぐにでも」
僧侶「…♥」
大自然の中で俺達はただのオスとメスだった。
口づけを交わすやいやな、水面がじゃぷじゃぷと波を立てて激しく揺れ始める。
その後動物のような俺たちの交尾はヒーラちゃんがのぼせて倒れてしまうまで続いた。
第15話<山脈温泉紀行>つづく
更新おわり
次回本日夜22時(予定)
第15話<山脈温泉紀行>つづき
勇者「おっはよー!」
魔女「おはよう」
傭兵「お、おう。朝からテンション高いな」
僧侶「…おはようございます」
勇者「昨日は楽しかったね!」
僧侶「っ!? き、昨日…?!」ビクッ
僧侶「あ、あはは…そそ、ソ、そうですねっ!」
傭兵「き、昨日な! あぁ楽しかったなっ…うん」
勇者「どしたの」
勇者「ボク朝ごはん食べたらもう一回入って来ようかな~」
傭兵「午前中には荷馬車に戻るぞ。キュウの魔力がもどってるみたいだからな」
妖狐「うむ。約束通りまぬけな目にあった荷馬車をなんとかしてやろうぞ」
勇者「え~もう? マナももう少し入りたくない?」
魔女「べつに」
勇者「ねぇねぇ、またみんなで一緒にお風呂…ってあれ」
勇者「ヒーラ、ソル。なんでそんなに離れて座ってるの」
傭兵「い、いやべつに」
僧侶「なんでもないですよ…ね、ねぇ?」
勇者「?」
魔女「…」もぐもぐ
傭兵(ヒーラちゃんとまともに顔あわせられねーよ…あぁやっちまった…)
僧侶(お酒の勢いとはいえ、ソル様と…あんなことを…それも何度も…ううう。神よ私をお許し下さい)
妖狐(ほほー…若くてええの)
勇者「??? まぁいいや、いただきまーす」
妖狐「こっちの国の飯もうまいのぉ。これを毎日たべられる奴はさぞや幸せ者じゃな」チラ
傭兵「あ?」
妖狐「どれヒーラよ、ワシの召使にならんか。毎朝味噌汁をつくってくれ」
僧侶「ええっと、ミソ…汁?」
妖狐「スープじゃスープ!」
妖狐「あぁワシとしたことが! もうおぬしには作る相手がおったか! しまったなぁ」
僧侶「…ぅ」
傭兵「黙って食え」ガシッ
妖狐「な、なんじゃ無礼な!」
勇者「スープ?」
勇者「あっ! ボクがつくってあげようか?」
妖狐「言っておくがおぬしは旅のお供にはせんぞ」
勇者「わかってるよ!」
傭兵「お前飯つくれるのか」
勇者「うん! ちょっとだけね! ヒーラのほうが上手だから任せっきりだけど…えへへ」
僧侶「ユッカ様のお料理…うーん…」
魔女「まずそう」
傭兵「何入ってるかわかりゃしねぇな」
勇者「失礼な! 今度つくるから! 見返してあげるよ」
勇者「きっとソルもヒーラもマナも毎朝つくってつくって~ってボクに頭を下げるようになるから」
傭兵「ふーんじゃあ期待してるわ」
僧侶「楽しみにしてますね。なんでもお手伝いしますからね」
魔女「私はヒーラので良い」
勇者「マナぁ~~!」グニニ
魔女「うぎ…やめふぇ、いまふぁしょくじちゅう」
勇者「絶対たべさせてやるから!」
僧侶「まぁまぁ…」
妖狐「…いつもこんな感じなのか?」
傭兵「…俺の監督不十分だ」
妖狐「小童がなにを大人ヅラしておる。くっく」
・ ・ ・
勇者「というわけで。みんなお風呂いかないの? ボクだけ?」
傭兵「あぁ」
僧侶「ごめんなさいユッカ様。私は結構です…」
僧侶(昨日はのぼせるまで入りましたし…)
勇者「え~つまんないなぁ。マナは? 行こ?」
魔女「…いいけど」
傭兵「すぐそこのに入ればいいだろ」
勇者「エッチ! 自分だけここからのぞく気でしょ」
傭兵「…」シッシッ
勇者「お湯によっていろいろ違いがあるんだよ! ねっキュウちゃん?」
妖狐「うむ。昨日いろいろまわってみたが、確かに効能は様々であった」
妖狐「ワシはここが一番霊力が高まって良いとは思うがの」
勇者「霊力って魔力のことだよね?」
妖狐「そうじゃな、呼び方は地方や文化、宗教によってさまざまじゃ」
妖狐「ワシらの国では妖力や霊力と呼んだりもするぞ」
僧侶「更にその中でも属性の区分があるんですけどね、例えば私の場合は――」
勇者「いってきまーす!」ダッ
魔女「…」ズルズル
僧侶「あっ」
妖狐「元気な奴じゃな」
傭兵「あいつの場合それしかとりえがない」
妖狐「…くふ。そんなこと毛ほども思ってもおらんくせに」
傭兵「なっ、また覗きやがったなこの化け狐」
妖狐「乙女に囲まれすぎて煩悩に支配されんようにな」
僧侶「キュウさん…あの、ユッカ様に昨夜のことは内緒にしていただけませんか?」
妖狐「はて、なんのことかのー? ワシにはわからんのー」
妖狐「おぬしの口から具体的に事の顛末を教えてくれたら考えてやってもええんじゃがのぅ」
僧侶「え、ええっと…じ、じつはあのあと……ぐすっ、恥ずかしいですよぉ」
傭兵「いやいや言わなくていいぞ。ダマされるな」
妖狐「ちっ」
傭兵「こんな純情な子になんてことしやがる」
傭兵「こいつが何か言いそうになったら、皮剥いで鍋にぶちこんでやればいいだけだからな」よしよし
僧侶「はい…」
妖狐「言っておくが、今日のワシを昨日のか弱い子狐とあなどってはならんぞ」
・ ・ ・
【滝の近くの霊泉】
勇者「ずっと聞こえてたのはここの滝の音だったんだね」
魔女「お風呂いっぱいある」
勇者「すごい! 全部ボクたちの貸し切りだ!」
魔女「そう…」
勇者「ヒーラとソルも来たら良かったのに」
魔女「あなたはのんきね」
勇者「えっ、何が?」
魔女「私達がここに来ているということは、あっちは2人きり…と1匹」
サキュバス「そのとおり~♪」バサッ バサッ
勇者「!」
魔女「!」
サキュバス「はぁーいおチビちゃん達。グッモーニン」
サキュバス「朝から2人でデートぉ?」
勇者「なっ、お前は…!」
魔女「…」
サキュバス「久しぶりに会ったのにそんなに怖い顔しないで?」
勇者「降りてこい! ボクが成敗…あっ、しまった、剣おいてきちゃった」
サキュバス「ぷ」
魔女「…術式…」
サキュバス「ちょっとストップストップ! こんなとこで戦いなんてしたくないわよ」
サキュバス「それよりあなた、あたしが売ってあげたアレつかってる。毎日入れちゃってる?」
魔女「…黙って」
サキュバス「使ってないんだぁ…そんなんだから出遅れちゃうのよ」
魔女「術式…アイスビュレット」
▼魔女は無数の氷の弾丸を放った。
サキュバス「ぎゃあぅ! 危ないってば! やめなさい!」
サキュバス「あなたがそんなことするならあたしにだって考えがあるわよ」
魔女「…」
サキュバス「例えば~この指をぱっちんしたら、どうなるかしらねぇ」
勇者「!! だだ、だめだめだめぇ! それだけはやめてくださいボク朝からなんてヤだよ」
サキュバス「というわけ。おわかり? さ、杖を置きなさい」
魔女「…わかった」
サキュバス「一緒にお風呂はいろっか?」
勇者「やだ」
魔女「お断り」
サキュバス「ちぇっ。たまにはあたしだってパーティ団らんに混ぜてよ」
勇者「きー誰がパーティだ!」
魔女「ところであなた。どうしてこの前は姿を現さなかったの」
勇者「この前って」
魔女「ユッカが人形にされた日」
勇者「あぁそうだ! サキュ! どうしてあの時呼んでも応えてくれなかったの」
サキュバス「あたしにだって都合があるの!」
サキュバス「いいじゃない生きてたんだから。銀髪のおチビに感謝ね」
魔女「あの日は満月だった。魔力の高まる夜」
魔女「あなた、もしかして満月の夜は…」
サキュバス「ぎくっ。ば、バイバイ!」パタパタ
魔女「逃げた」
勇者「くそぅ。聞きそびれた」
サキュバス「だーからあの子は苦手なのっ!」
サキュバス「ふんっ、でもお楽しみはこれからよ」
サキュバス「淫魔は闇夜にうごめく生き物…」
サキュバス「新月の夜を楽しみにしてなさい…くす」
勇者「はぁ…いつになったらこの呪い解けるんだろう」
魔女「アレを倒すか、魔法で解呪するしかない」
魔女「私にまかせて。いま高等魔法を研究中」
勇者(やな予感しかしないなぁ)
勇者「ま、気を取り直してお風呂はいろ!」ぬぎぬぎ
魔女「…コク」ぬぎぬぎ
勇者「それっ」 じゃぷん
魔女「…」 ぴちゃ
勇者「湯気濃いねぇ。ここならソルと一緒に入っても全然見られないかも。一緒にきたらよかったのに」
魔女「そうだね。2人きりは良くない。とても良くない」
<ぎゅるるる…
勇者「あははマナお腹鳴ってるよ。さっきご飯たべたばっかりなのに」
魔女「そんなわけない。ユッカみたいに食いしん坊じゃない」
<ぎゅるるる…ぎゅるぅ…
勇者「でもたしかに鳴ってるよ」
勇者「どこからだろう…ちょっとマナ静かにしてね」
魔女「…」コク
<ぎゅるるるる…
勇者「ぎゅる? あれ…この音どこかで」
魔女「…」キョロキョロ
魔女「!」
魔女「い、いますぐ逃げた方がいい」
幼竜「ぎゅるるるる…」
勇者「…? う、うあっ!? ど、ドラゴン!」
魔女「あのときのマントルドラゴン」
勇者「う、うあっ、やばいよっ!? ソルに伝えなきゃっ」
【キャンプ地近くの霊泉】
傭兵「とはいえもうひとっ風呂くらい浴びても罰はあたらねーよな」
傭兵「どーせユッカたちははしゃいで帰ってこないだろうし」
傭兵「それにここに入ってりゃ俺の身体にも魔力の恩恵を…なんつって」
ちゃぷ
闇剣士「…」
傭兵「…」
闇剣士「…む」
傭兵「ぬわっ! て、てめぇ」
闇剣士「ほぅ…こんなところで貴様と出会うとはな」
傭兵「なにしてやがる!」
闇剣士「見てわからんのか」
傭兵「…わからねぇ」
闇剣士「湯を嗜んでいるにきまっているだろうが!」
闇剣士「ここは私の見つけた霊泉だ。貴様はおとなしく立ち去れ」
傭兵「バカ言え! 俺たちはここに昨日から入ってるんだよ!」
闇剣士「なに?」
闇剣士「……なるほど、霊気がそこら中に漂っているためか」
闇剣士「私の魔覚もまともに働いていないようだな」
闇剣士「あの小娘がいればお互いのことなど簡単に察知しあうものを…道理で」
傭兵「ひとりで納得してんじゃねぇ!」
傭兵「てめぇはともかく、あのマントルドラゴンはどこにいやがる」
闇剣士「奴ならもっと広い湯で魔力を補給している。私はいま単身だ」
傭兵「ぬけぬけと、叩き斬ってやる」
闇剣士「ふん、剣も持たずに丸腰ではないか。貴様ともあろうものが油断したな」
闇剣士「それともその小刀で私の相手をするか」ザバッ
傭兵「!」
傭兵「…う、うーん、いや俺のほうがデカイぞ」
闇剣士「人間ごときが私を愚弄するか」
傭兵「それよりお前、風呂で仮面はとったほうがいいとおもうぞ…蒸れるだろ」
闇剣士「これは私にとっての戒めなのでな。では丸腰同士、拳で決着をつけよう!」
傭兵「くそ、やっぱりこうなるのか!」
闇剣士「征くぞ」
傭兵「俺の体術を舐めるんじゃ――――」
妖狐「ええいやめんか馬鹿者共!」 ボカッ
傭兵「ぐあっ」
闇剣士「…」
妖狐「危うい気配がしたから来てみれば…一体なにをしておる!」
闇剣士「なんだこの獣人は」
妖狐「…お前こそなんじゃ。変態か?」
闇剣士「…」
傭兵「見ての通りだぜ」
妖狐「この霊泉を争いの場にするなど言語道断!」
傭兵「わ、わるい…」
妖狐「そこの仮面の漢! 貴様もじゃ!全身から禍々しい妖気を放ちよって!」
闇剣士「…貴様何者だ」
妖狐「ワシはおぬしらの世界でいう魔物に属するが、物の分別はつく」
妖狐「先も言うたがここは霊泉。森に住む生き物たちが命を育む地じゃ」
妖狐「殺生や争い事は許さん」
妖狐「この地を荒らすものは、山の神にかわってワシが成敗してくれる」
闇剣士「…ふ」
闇剣士「だそうだ」
傭兵「でもなぁキュウ、こいつ俺にとって最悪の敵なんだよ」
妖狐「ああん!?」
傭兵「あ、おう…」
妖狐「わかればよい。喧嘩せず仲良く入るのじゃぞ」
妖狐「ワシはユッカたちを見に行くからの。ではの」
傭兵「仲良くってもなぁ…」
闇剣士「ここいらの獣は小煩いようだな」
傭兵「あいつ俺たちよりよっぽどよそもんだぜ」
闇剣士「私達の間に入るあの獣の度胸に免じて、この場は剣を引こう」
傭兵(丸腰じゃねぇか…)
闇剣士「次はないと思え」
傭兵「あぁ。今度あったらその時は」
闇剣士「というわけだ。早く出てゆけ」
傭兵「お前が出て行けよ。俺が先に見つけた湯だぞ」
闇剣士「…」
傭兵「…」ギリッ
僧侶「ソル様ー! キュウさーん」タッタッ
傭兵「あ、ヒーラちゃん」
僧侶「移動の前にお昼ごはんの準備をしますので、そろそろユッカ様たちを呼びに…」
僧侶「って…きゃああああヘンタイが2人!!」
傭兵「それはねぇだろ…風呂だってば」
傭兵「ん?2人? 2人って俺も入ってるのか!?」
闇剣士「誠に心外だな」
僧侶「な、なな、なにやってるんですかソル様! その人って…う、ううなんで裸なんですかぁ」チラッ
傭兵「つーわけだ、これ以上てめぇとのんびり湯なんて入ってられるか。おぼえてろよ」
闇剣士「負け犬にふさわしいセリフだな」
【滝の近くの霊泉】
幼竜「ぎゅるる」
勇者「こ、こっちこないで」
魔女「気をつけて」
幼竜「…」クンクン
勇者「どうやらボクの魔力をほしがってるみたいだね」
魔女「あなたが餌付けしたせい」
幼竜「ぎゅるるる…」
勇者「だ、だめだよ! あげないから!」
魔女「このままでは食べられるかもしれないから逃げた方がいい」
勇者「そ、そうだね…ばいばい」
幼竜「…ぎゅる」
勇者(なんだかかわいそうだな)
妖狐「おお、ここにおったか」
勇者「あーキュウちゃんっ」
妖狐「…む? なんじゃその龍は」
勇者「この子、悪いやつに服従させられてるんだ」
妖狐「さきの漢か…なるほどのぅ」
勇者「ボクの前ではおとなしいんだけど」
幼竜「ぎゅるるるる…」
妖狐「どれ子龍よ。ワシに話してみい」
幼竜「ぎゅるる…」
妖狐「ふむふむ…ふむふむ」
勇者「なんて言ってる?」
妖狐「全然わからん」
勇者「え゛っ。心が読めるんじゃなかったの」
妖狐「どうやらまだ赤子同然じゃからの。餌と母親のことしか考えておらん」
勇者「母親…でもこの子のママはもう」
妖狐「いまはおぬしのことじゃぞ。どうやら母乳がわりに魔力を与えてしまったようじゃな」
勇者「あ…」
魔女「…だから言ったのに」
妖狐「ユッカよ。魔力を少しわけてやってくれんか」
妖狐「そうすれば腹も満たされるじゃろう」
妖狐「そしておぬしに似て優しい子に育つはず」
勇者「う、うん…わかった」
幼竜「ぎゅるるる!」
勇者「えへへ。いまあげるからね。いくよ…【魔力貸与】」
闇剣士「待て」
勇者「!」
魔女「!」
闇剣士「余計なことはしないでもらおう」
妖狐「…貴様。おとなしく湯につかっておればええものを」
闇剣士「諍いは無しと言ったが、こうなれば話は別」
闇剣士「その竜と娘は私の野望に必要不可欠でな」
闇剣士「関係のない獣風情は首を突っ込まないでもらおう」
闇剣士「さぁ、ドラゴンよ私に従え…隷属せよ」ズズ
幼竜「ぎゅ…ぎゅる…!」
勇者「あっ!」
魔女「ユッカ、逃げて」
闇剣士「まずはその邪魔な茶髪の小娘を喰らえ。貴様もそいつで腹を満たしたいだろう」
幼竜「ぎゅうう…!!」
妖狐(いかんな目つきがかわった。束縛の術からは逃れられんか)
妖狐「ユッカさがっておれ」
勇者「キュウちゃん、どうするの!?」
魔女「私が時間を稼ぐ術式――」
妖狐「おぬしもじゃ。この地を争いと血で汚すことは許さん」
魔女「でも」
妖狐「なぁに。まかせておけ」
傭兵「ユッカ! マナ! 無事か!」
傭兵「!」
木々をかき分けユッカたちの元へたどり着いた俺の目に飛び込んできたのは、
凶暴な様相で翼を広げバスタオル姿の少女らに牙を向くドラゴンと、その背に立つ完全装備の仮面の魔剣士。
そしてユッカをマナを後ろ手にかばうキュウの小さな姿だった。
傭兵「くっ、間に合わねぇ!」
幼竜「ギュルル…」
闇剣士「さらばだ忌まわしい娘よ。ついでに獣の娘も喰らってしまえ」
勇者「う、うあ…」
魔女「逃げ…なきゃ…」
妖狐「九尾 開放」
翼竜の牙がいままさにユッカたちを切り裂こうとする。
神にも祈ったその瞬間、何かを小さく唱えていたキュウを中心に辺りが禍々しい気に包まれはじめた。
それは魔力のない俺でも感じ取れ、身震いするほどの圧倒的な霊気。
そして一瞬の閃光の後、
大木をも越える背丈をした超大な獣が目の前に現れたのだった。
第15話<山脈温泉紀行>つづく
更新おわり次回また夜に
第15話<山脈温泉紀行>つづき
闇剣士「これは…なんだ」
幼竜「ギュルル…!」
九尾「…」
その巨獣の腕は丸太のように太く頑強で、鋼のような爪は深く大地をえぐる。
そして飢えた狼のような鋭い顔つき。
それは昨夜見た子狐の柔和な表情とはうってかわって、身の毛もよだつおぞましい風体だった。
おびただしい量のドス黒い魔力が周囲をただよい、痛いくらいに肌に突き刺さった。
たったひと睨みで翼竜は怯み、大空へと舞い戻って体勢を整えながら様子を伺っている。
傭兵「こっちだ!」
勇者「う、うん…」
俺はユッカ達の手をとり、急いで足元から退避させた。
握ったユッカの手はひどく汗ばんでいた。
勇者「これが…キュウちゃん…?」
魔女「なに…これは…」
2人の少女は大きく目を見開いてことの成り行きを見守っている。
九尾「グルルル…」
地獄から響いてくるような重音。
もはやその神獣にあのいたずらな笑みを浮かべるキュウの面影は無かった。
闇剣士「これは…この圧倒的な魔力は! これが世に伝わる古の災厄の一つか」
闇剣士「私が…震えているだと」
闇剣士「まさかこんなところでお目にかかるとは」
闇剣士「私もいずれ…これに並ぶ力を…」
闇剣士「魔王様、必ずやあなたを現世に…!」
九尾「グルル…!」
幼竜「ギュルルぅ…」
闇剣士「まずい、すこし距離を取れ。奴は飛べん」
闇剣士「だがあの巨体で跳躍すれば…山の1つや2つ…簡単に飛び越えて噛み付いてくるかもしれんな」
幼竜「ギュル、ギュル」
闇剣士「わかっている。無理はしない」
闇剣士「古の神獣よ。巡り会えたことを光栄に思う」
闇剣士「私は魔王の眷属の末裔」
闇剣士「私は貴殿に刃を向ける気はない。二度とこの地を踏まぬことを誓おう」
九尾「グルルル…」
闇剣士「勇者よ。次の大陸で貴様たちを待つ。その時まで勝負は預けるぞ」
闇剣士「あの海を…無事越えられたらの話だがな」
闇剣士「ゆくぞ」
幼竜「ぎゅるる…」バサッ バサッ
傭兵「待ちやがれ! …行ったか」
九尾「…ググ」
傭兵「キュ、キュウ…もういいぞ」
勇者「助けてくれてありがとう」
九尾「グググ、グルルル…」
傭兵「どうしたんだ…」
魔女「だめ。離れた方がいい」
魔女「おそらく正気を保っていない」
勇者「キュウちゃん! 元に戻ってよ!」
九尾「グググ…」
真っ赤に染まったおそろしい眼光が俺たちを射止めた。
神獣はゆったりと向きを変え、ギラリと輝く巨大な豪爪を俺たちの方へと向ける。
魔女「こちらに敵意を…? 誰が誰だかわかっていない」
傭兵「来る…! くそっ俺につかまれ」
魔女「もう遅い戦うしかない」
傭兵「勝てる相手か!」
勇者「逃げなきゃ!」
魔女「術式…アイスプリズン」
▼魔女は氷の堅牢を生成した。
傭兵「ダメだ、足元までしか届いてねぇ」
魔女「…なんとかあなたたちが逃げる時間を稼ぐ」
傭兵「やめろっ、お前も来い」
魔女「…」
魔女(あの子は…もしかしたら)
サキュバス「ちょっと何よこれ!」ギリ
サキュバス「まずいわね…こんな奴がここにいるなんて聞いてないわよ」
傭兵「お前は」
サキュバス「はいこっち! 早く逃げる! 魔隠しの陣を敷いてるからそこでじっとしてたら気づかれないわよ!」
傭兵「なんだそれ」
サキュバス「あたしがいっつもあんたらにこっそりついてく時に使ってるの!!」
勇者「それで気配がしなかったんだね」
サキュバス「ってそんなのどうでもいいから走って走って!」
勇者「でもマナがっ。置いてきぼりはダメ!」
サキュバス「あんな無謀なおチビほっときなさいよ! あんたの身体が私にとっては大事なんだから!」ガシッ
勇者「やだぁー! 離してよ!」
傭兵「ユッカを頼む」
サキュバス「ふんっ」
勇者「ソル! マナを助けて!! お願いだよ!!」
傭兵「わかってる!!」
九尾「グググ…グルルル」
魔女「あなたも私と同じ忌み子なのね」
魔女「力のコントロールがうまくできない…かわいそうな子」
九尾「グググ…」
パキ…パキ…パリン
▼魔氷の堅牢は砕け散った。
魔女「こんな簡単に! う、次を…」
九尾「グルルル…」
魔女「ダメ。瘴気でうまく魔力を練られない…」
傭兵「マナ! つかまれ!」
俺は詠唱に入ろうとしていたマナを拾い上げ、間一髪で巨大な爪による斬撃から逃れた。
そのまま木々の枝を伝いながら全速力で陣へと向かう。
魔女「逃げてはダメ!」
傭兵「どうしてだ」
魔女「あの子は、苦しんでいる」
傭兵「あいつが自分で使った力なんじゃないのか! 同情の余地はない」
傭兵「あんな化け物みたのはマントルドラゴンの成体以来だ。いやそれよりもまずい」
傭兵「ここで死ぬわけにはいかないんだぞ」
魔女「…」
魔女「あなたはわかっていない」
魔女「あの子をこのまま野放しにすると、この地は滅びる」
傭兵「…!」
傭兵「災厄とか言ってたな。一体それはなんなんだ」
魔女「移動しながらで良いから聞いて。おじいちゃんの本に書いてあった」
魔女「昔、世界各地に災厄と呼ばれる魔を司る神々がいた」
魔女「その者達は大陸に破壊をまき散らしながら、時に争い、やがて世界を荒廃させていった」
魔女「しかし人類はその迫る災厄に抗い続け、やがて打ち倒すことに成功した」
魔女「勇者とは彼らを打ち倒した者。ユッカはその末裔」
傭兵「あんなのに…勝てるわけがない」
魔女「各地に残る伝説の数だけ勇者はいた」
魔女「あの九尾の獣もきっとどこかの国で災厄として恐れられた存在」
傭兵「そうだろうな。霊泉を守るどころか…滅ぼしちまう勢いだ」
傭兵「あんなやつらに立ち向かうって…? ユッカが…?」
魔女「ユッカの先祖が何を倒したのかはわからない。けど、あの子は潜在的な力を秘めているはず」
魔女「そしてあなたも」
傭兵「俺が…? 俺は魔法すら使えないただの剣士だ」
傭兵「あんなドス黒い魔力にまみれた化け物とまともに組み合うことすらできねぇよ」
魔女「そんなことはない。あなたがユッカの側に居続けるのはどうして」
傭兵「…ユッカの」
魔女「逃げてはダメ。たしかにあなたは魔法がつかえない、けどあなたにはあなたにしか出来ないことがある」
魔女「恐れずに戦って。あなたが護りたいもののために」
魔女「それと、あなた自身の約束のために」
傭兵「マナ…お前は」
魔女「少しだけ、あなたの過去を知っているわ」
傭兵「…!」
魔女「大丈夫。あなたは誰よりも強い人よ」
傭兵「俺は…どうしたら」
魔女「すこしだけでもあれに取り付ければいい。私の身体能力ではそれができない」
魔女「私をあれの背中に」
傭兵「危険すぎる…」
魔女「大丈夫。私だって死ぬ気はない」
俺はマナを抱えたまま身を翻した。
傭兵「何か策があるのか」
魔女「すこしでも楽にしてあげる方法なら有る」
傭兵「本当だな…? まかせていいのか」
魔女「大丈夫」
魔女「もっと接近さえできれば」
傭兵「わかった。なんとか攻撃をかいくぐってみる。目閉じるなよ」
魔女「うん」
傭兵「来たぞ!」
巨獣は木々を蹴散らしながら轟音とともにこちらへ距離を詰める。
傭兵「これで…射程範囲だ」
魔女「…」ゴク
そして俺たちに向かってまっすぐに巨大な腕が振り下ろされる。
しかし巨大すぎるがゆえに、指の間に十分くぐりぬけられるほどの隙間があった。
傭兵(直撃したら即死だな。だがここしかない)
俺は空中で半身を捻って鋼鉄のような鉤爪を剣の先で受け流した。
激しい火花を散らしながらなんとか巨獣の手の甲へと躍り出て長い真っ白な毛をつかむ。
そして振り下ろされた爪は深々と大地へ突き刺さった。
傭兵「ぐあっ、マナ大丈夫か」
魔女「…平気。早く」
傭兵「いくぞ。つかまってろ」
そのまま手の甲から一気に腕を駆け登った。
魔女「できれば背中に回って!」
傭兵「わかった」
二度三度と跳躍し、ようやく九尾の肩口へと辿り着いた。
魔女「ありがとう。ここでいい。あなたはもう降りて」
傭兵「バカ言え! 置いていけるか!」
魔女「邪魔」
傭兵「…っ! まずい攻撃がくる!」
魔女「飛んで」
傭兵「…絶対無茶すんなよ!」
再びおそいかかってきた剛爪をマナを守るように正面から剣で受け流し、俺は弾き飛ばされるように離脱した。
そのまま草むらへと打ち付けられる。
傭兵「ぐあああっ…マナ…」
魔女「揺れる…」
魔女「なんて瘴気。ここにずっといたら普通の人間ならあっという間に死に絶えてしまう」
魔女「これが…あなたが背負わされた運命なのね」
九尾「グルルル…」
魔女「大丈夫。すぐ楽にしてあげる」
魔女「きっとこの瘴気が収まれば、元に戻れるから」
傭兵「痛つつ……あいつ、一体何をする気だ…」
傭兵「なにか有効な魔法でも…?」
傭兵「…まさか」
魔女「術式はいらない。これは私に生来備わった能力だから」
魔女「あなたの魔力。少しもらうね」
遠目にマナが手の平を九尾の首にかざすのが見えた。
俺には漂う魔力の流れはわからない。はっきりと見ることができない。
ただこの場を支配する殺気の元、邪気とも言える禍々しい気配が次第に収まっていくのを本能的に感じていた。
魔女「…私は、ユッカとは違う」
魔女「誰かに何かを与えてあげることはできない」
魔女「私にはこれしか出来ない」
魔女「ごめんなさい」
巨獣が小さく唸りをあげる。
凶悪な顔つきながらほんのわずかに微笑んだように俺には見えた。
そして再び一瞬の閃光の後、巨獣は姿を消した。
傭兵「マナ…」
魔女「…げぷ」
魔女「よかった。元に戻って」
傭兵「お前、何をした」
魔女「悪い気を吸った。もう?化は出来ないはず」
傭兵「吸ったって…大丈夫なのか?」
魔女「平気」
子狐「…」
傭兵「キュウ…ぐったりしてるな」
魔女「命に別状はない…。けど、あまり状態はよくない」
修正 機種依存文字になってました
× ?化
○ 変化
勇者「おーいソル! マナー!」
サキュバス「やったじゃない!」
勇者「あっ、キュウちゃん…」
サキュバス「なぁに? あの化け狐の正体はこんなちっちゃい狐?」
傭兵「霊泉につけてみようか」
サキュバス「助けるの?」
勇者「キュウちゃんはボクたちの友達だよ!」
サキュバス「また化け狐になってもしらないわよ」
サキュバス「はぁ。にしてもあんたたち結構やるじゃない! あんな化け物を退けるなんてさ!」
勇者「ふたりとも怪我してない? ボク心配で心配で…」
傭兵「大丈夫だ。いやちょっと背中擦りむいたくらいだな」
魔女「私は平気…」
サキュバス「…」ジー
魔女「な、なに」
サキュバス「おチビ。あんた、何者?」
魔女「……わからない」
魔女(だけど私はおそらく…)チラ
子狐「…キュウゥ」
魔女(答えの出る日はいずれやって来る)
魔女(その時がきたら私は…)
勇者「マナほんとに平気?」ペタッ
魔女「…」
勇者「熱あるんじゃない? ほんとのほんとに怪我してないよね!?」オロオロ
魔女「平気だから。確認したければあとでどうぞ」
勇者「ボ、ボクにもっと勇者としての力があれば…マナにこんな危険なことさせずにすんだのに」
魔女「じゃあ早くレベルあげたら」
サキュバス「そうそう!それが一番!」
勇者「うう…」
傭兵「とにかくキャンプ地に戻るぞ。ヒーラちゃんきっと心配してる」
勇者「うん!」
【キャンプ地】
僧侶「うわあああん」ギュッ
僧侶「心配したんですよぉー」ギュウウ
僧侶「あっちのほうで…ぐすっ、とっても怖い気配がして」
僧侶「ユッカ様の気配も消えちゃうし…ぐすっ」
サキュバス「あ、それは魔隠しの陣に入ってたから」
僧侶「あっ、あなた! どうしてここに!」
サキュバス「あたしだって今回は難を逃れるのに協力してあげたんだからいいじゃない!」
勇者「ボクとキミ何もしてないよ…」
傭兵「キュウ…お湯だぞ」
チャプ…
子狐「…キュウゥ」
ポンッ
妖狐「ん…なんじゃ。ワシはいままで一体」
傭兵「効果抜群だな」
妖狐「おう、おぬしら。はて、あの子龍と剣使いはどこへ行ったのじゃ」
傭兵「覚えてないのか…」
魔女「あなたが撃退した。ありがとう」
妖狐「そ、そうじゃったか! ふはは」
妖狐「なんての…うすうすわかっておるんじゃ」
妖狐「霊泉で高まった力をワシは扱いきれんかった…じゃろ?」
妖狐「うぐぅ…またやってしもうた」
魔女「…」
妖狐「すまん。おぬしらを助けようとしたはずが、迷惑をかけた」
妖狐「本当にすまん!」ガツン
傭兵「頭をあげろ。もう終わったんだ。気にしちゃいない」
妖狐「知っての通り、ワシは化け物に変化できる」
妖狐「まぁいまの姿も変化の一つなんじゃが、まさかアレになってしまうとは」
妖狐「面目ない…ほんのすこし大きく化けて子龍を脅かすだけにするつもりだったのじゃ」
僧侶「なんです? なにがあったんです??」
魔女「…」なでなで
妖狐「!」
魔女「あなたのおかげで助かったことにはかわりない。御礼のなでなで」
妖狐「おぬし…まさかワシの妖気を…?」
魔女「討伐報酬としてもらっておく。あのおぞましい術も私が全て吸い取った」
魔女「だからもうあなたは大丈夫」
妖狐「な、ならぬ! あんなもの人間の小娘が耐え切れるものではないぞ!」
妖狐「よいか、あれは超変化術! 発動したものを破壊の神獣へと変貌させる禁術じゃ」
魔女「私はあなたほどの魔力をもってないから使おうにも使えない」
魔女「発動の条件を満たしていない。詠唱も知らない」
妖狐「…じゃが」
魔女「…」
妖狐「…昨日からおもっておったが、おぬしは何者なのじゃ」
魔女「あなたが言ったとおりただの人間の小娘」
魔女「お風呂入ろ」ぬぎぬぎ
傭兵「おわぁこら! 急に脱ぐのやめろ」
勇者「ボクも!」
傭兵「…っ」
サキュバス「わーいあたしも」
僧侶「…」ジロリ
サキュバス「ふ、ふん! べー、だ! ケチ!」
サキュバス「あんたたち次からは気をつけなさいよ! 死んだらだめよ!」
僧侶「余計なお世話です! ユッカ様の呪いを解いて早く消えてください!」
サキュバス「あ! あとあんたはムカつくけど一応祝福しとくね。おめでと!」
僧侶「なっ!?」
サキュバス「これで神に見放されて聖魔法が使えなくなってたらな~…なんて?」
僧侶「ちょっ!」
サキュバス「そういうわけでもないのね? くすくす」
僧侶「も、もー!! あっちいってください!」
傭兵「すっかりいつも通りだな」
傭兵「今回もまたマナに助けられちまった…」
傭兵「俺ってかっこ悪い。なんのための剣だ」
傭兵「なぁ、ありがとなマナ」ぽんっ ぽにゅ
傭兵「…ぽにゅ?」
魔女「……」
傭兵「…あ」
魔女「…女子のそこをなでるのは良くない」
勇者「そ、ソル…マナにまで…うううエッチ」
傭兵「おわっ! す、すまん…そうだ、裸だったんだ…ばかっお前らもっとあっちの方で入ってこい!」
魔女「背中の傷、みてあげるから一緒に入ろう。薬がある」グイッ
勇者「服脱がせてあげる~!」
傭兵「やーめーろー!」
僧侶「…! わ、私も…! ずっとひとり蚊帳の外は寂しいので! あぁでもこんなお日様の高いうちからなんて…」
妖狐「気にせんでええ。ここは風呂じゃぞ」
傭兵「ちょっと休憩したら今日こそ馬車を戻すからな! わかったな!」
妖狐「あ、すまんすっかり妖力切れじゃ。回復するまでもう一日まってくれ」
傭兵「なにぃ~!?」
勇者「わーい今日もみんなで一緒にお風呂だー」
魔女「…」ギュ
傭兵「か、勘弁してくれ…」ガク
第15話<山脈温泉紀行>おわり
更新おわり
次回16話 本日中予定
第16話<強くなりたい!>
ザッ ザッ
傭兵「あーそろそろ到着だな」
魔女「歩きつかれた」
勇者「馬車無事だといいけど…」
傭兵「ヒーラちゃん、この辺りでおろしていいか」
僧侶「ふぁい…」
傭兵「よっと」
僧侶「うう…ありがとうございました」
傭兵「いやいや。柔らかかったぞ」
僧侶「も、もう…」
勇者「ヒーラ平気?」
僧侶「大丈夫です。またのぼせちゃうなんて…お恥ずかしい限りです」
妖狐「恥ずかしいくせに無理して風呂に入るからじゃ」
勇者「あれ? ねぇ、ボクらの荷馬車の隣に知らない馬車が停まってるよ」
傭兵「なんだ?」
傭兵「おい」
兵士「! やはりソル殿でしたか」
傭兵「お前ら…バザの守備隊か?」
兵士「はい。例の盗賊事件の解決によってアジトの場所が判明したので、盗まれた金品の接収に来ました」
兵士「そしたら道中にあなた方のと思われる馬車が脱輪しているのを見かけたので…」
傭兵「お、泥から抜けだしてるな!」
兵士「はい。我々のほうで牽引して引き上げておきました」
傭兵「そりゃ悪いな…手間だったろ」
妖狐「なんじゃ。ワシがちょいちょいとやってやろうかとおもうたのに!」
勇者「よかったぁ。スレイプニル~待たせてごめんね」ギュ
馬「ヒヒン…」
傭兵「これでようやく旅が再開できるな」
僧侶「ありがとうございました」
傭兵「ところでアジトの場所ほんとにわかってんのか? ここに留まってていいのか」
兵士「われわれは部隊の一部です。現在隊長率いる小隊が目的の場所へと向かっています」
傭兵「そうか。あいつも来ているのか」
兵士「このまま山を越えられますか?」
傭兵「あぁそのつもりだ。何か問題があるのか?」
兵士「この道をまっすぐいけば本来ぬけられるはずなのですが、連日の雨で土砂崩れが起きていて」
兵士「山道がふさがっているんです」
傭兵「…」
兵士「我々の持参した地図を御覧ください」
兵士「多少迂回することになりますが、このルートをつかうと3日もあれば抜けられます」
兵士「例のアジトの近辺を通るので隊長が先行しているルートでもあります」
傭兵「3日か…」
僧侶「あと3日も山の中…」
勇者「いいじゃん! 山はたのしいよ!」
傭兵「しかたないな。このルートを使うか」
兵士「お気をつけて」
傭兵「馬の世話もしてくれたみたいでありがとう」
・ ・ ・
【荷台】
勇者「温泉はいりたいなー」
勇者「今晩からまたドラム缶風呂かぁ」
僧侶「ここ数日でいっぱい入ったじゃないですか」
勇者「帰り道で汗かいちゃったよ」
勇者「いいよねヒーラは。ずっとソルにおぶってもらってたから」
僧侶「うう…本当にごめんなさい」
妖狐「一昨日も昨日も今日も何度もゆで蛸みたいにひっくり返りよって」
僧侶「だってそれはキュウさんがお酒なんて出すから…」
妖狐「なにを言うか! おぬしが澄ました顔して煩悩まみれなのはとうにわかっておるのじゃぞ」
妖狐「おおかたあの男の裸体を見――」
僧侶「うわぁああんごめんなさい。いじめるのはやめてくださいよぉ」ガシッ
妖狐「おぬしらをいじくりまわして遊ぶのもあと数日じゃな」
勇者「やっぱりキュウちゃんとはここでお別れなの?」
妖狐「ワシはもともと湯治をしに遠い島からはるばる来たからの」
妖狐「もうすこしくらいこの地で羽を伸ばそうと思っておる」
勇者「そっかぁ…残念」
妖狐「おぬしらは海を越えるんじゃろ?」
勇者「うん。そうだよ」
妖狐「厳しい旅になるじゃろうがくじけるでないぞ」
勇者「うん!」
妖狐「ところでユッカよ」
勇者「なに?」
妖狐「おぬしには淫妖の気がまとわりついていると聞いておるが」
妖狐「どれ、はずしてやろうか」
勇者「えっ、できるの!?」
僧侶「ほんとですか!? よかったですねユッカ様」
勇者「うん!」
妖狐「どれすこし腹を出してみい」
勇者「はい」ペロン
妖狐「ふむ…」
勇者「…」ワクワク
妖狐「…このあたりか」ツツー
勇者「ひゃうっ…」
▼勇者は1の経験値を手に入れた。
妖狐「間違いなさそうじゃな」
妖狐「子宮から膣にかけてたっぷりと淫妖の気が染み付いておるの」
勇者「キュウちゃんならこれなんとかできる?」
妖狐「まかせよ! ワシが今しがたおもいついた術でチョチョイのチョイじゃ。では行くぞ」
勇者「い…ま…?」
妖狐「淫妖解呪…ふぉぉお」
勇者「ねぇ今って言った? 今しがたおもいついたって言ったよね!?」
やめてと叫んだ時にはもう遅かった。
キュウちゃんは魔力を蓄えた両手の平をボクのお腹にあてる。
どうやらここから魔力をボクに注ぎ込むようだ。
やがて温かい波がじんわりとボクの身体の中に染みこんできて、アソコの奥で激しく衝突をはじめた。
当然ボクの呪いは激しく抵抗を始め、混じり合った魔力がアソコの中で渦巻く。
その疼きといったら、過去にヒーラやマナが解呪に失敗したときと同等かそれ以上だった。
勇者「ふぁぁぁああ♥」
妖狐「うぬ?」
魔女「あーあ」
勇者「あっ、あーあじゃないでしょっ。ふぁぁ…っ♥ だめぇぇえ♥」ジタバタ
僧侶「ユッカ様…」
妖狐「な、なんじゃ」
勇者「やだぁぁああっ、あああっ、ふぁぁぁんったしゅけっ、助けてえええええ♥」
妖狐「…ぐぬ、ワシの術が通じぬのか」
妖狐「なるほど。この呪いをかけた者はなかなかの使い手のようじゃの」
妖狐「ワシと同格である高位なものか…うむぅ」
僧侶「いえいえ、ほんとに低俗な淫魔ですよ…」
魔女「やはり外部からの干渉で強制的に解呪するのは難しいと私は判断した」
魔女「エクソシストを探すよりも、他の方法を模索したほうがいい」
僧侶「そうかもしれませんね。この三人で失敗してるわけですし…」
勇者「ちょっ…ちょっひょなんれっ…ボクのこと助けてよぉ…あああぁ! んっ♥」
僧侶「真面目に話をしているので変な声ださないでください」
勇者「ひっ、ひどいよぉ…んんっん♥」
勇者「アソコがあつくて…あつくて、うずうずが…とまらないよぉ♥」
勇者「マナぁ…薬ちょーだい…おねがいぃ…薬ぬらなきゃ、はっはっ」
妖狐「頭の中が自慰と交尾でうめつくされてるの。難儀じゃのう」
僧侶「しょうがないですねぇ」
魔女「はいこれ薬」スッ
僧侶「どうも。ではユッカ様、壁を背に足をひらいてくださいね」
勇者「ふぇ…?」
僧侶「私がぬりぬりしてあげますよ?」ニコ
勇者「や、やだあああっ!!♥」
僧侶「じゃあこのままみんなの前でおまた切ないままにしておきますか?」
僧侶「ぬったらとってもすっきりしますよ。しちゃいましょう」
勇者「自分でできっ、できるよぉ…んうっ♥」
僧侶「そんなにおぼつかない手で? 瓶の蓋すらあけられないじゃないですか。くすくす」
勇者「ぐすっ、ヒーラきらいだよぉおお♥」
僧侶「え?大好き? 嬉しい♪ ユッカ様のエッチなお顔みるのなんだか久しぶりですね…うふふ」さわさわ
妖狐「なんじゃ。ひどい女じゃな」
魔女「そのせいでこのパーティは複雑なの」
妖狐「あの男思った以上に苦労してそうじゃの…」
僧侶「んー、マナちゃんとキュウさんに見られてるのが恥ずかしいですか?」
勇者「それだけじゃないよお…」
妖狐「はずしたほうがええか? といってもこの狭い馬車でどうすればよいのか」
魔女「屋根の上に出られる。けどめんどくさい」
妖狐「そうじゃな。ワシらは見とらんからさっさとその甘ったるい声をとめてやってくれ」
僧侶「はーい」
僧侶「というわけで、パンツぬぎぬぎしましょうね」
勇者「…っ」フルフル
僧侶「怖がらなくてもいいですよ~。ユッカ様のアソコをみても私なんとも思いませんから」
僧侶「これはあくまで 医 療 行 為 ♥ ですよ?」
勇者「ぜったいうそだああー!」
勇者「そんなにっ…んんっ♥ うっ、たのしそうにしてるお医者さんなんてやだっ!」
僧侶「はぁ…。マナちゃん、ユッカ様を拘束」
魔女「うん」ギュ
勇者「!? やめてよぉおおっ、ひどいよぉおお」
魔女「薬の効果を確認する良い機会。場合によっては新しく調合する必要があるかもしれない」
魔女「ユッカのためだから」ジーー
勇者「それもぜったいうそだ!!」
僧侶「パンツぬがしちゃいますねー」
勇者「うわぁぁあん」
僧侶「いまさら裸くらいでぴーぴー言わないでください」
魔女「はやくして。暴れてる」
僧侶「よいしょ」スルリ
勇者「んっ♥」
僧侶「あらあら、べたべたになっちゃってますねぇ」
ヒーラはボクの下着をぬきとって、ついた染みをじっと見つめている。
なんだか目がキラキラとしていて恍惚とした表情に見えた。
勇者「み、みちゃやだよぉ…」
僧侶「これもお洗濯ですね」
僧侶「ユッカ様ったら手のかかる子…うふふふ」
勇者「んっ、んっ…♥」もじもじ
僧侶「ちゃんと足ひらいてくれなきゃお薬塗れないじゃないですか。ほら」
勇者「でもぉ…」チラ
妖狐「…あーワシか? うむ、ならばすこしソルと話でもしてくるとするか」
妖狐「この壁についた扉はどうやって開けるんじゃ?」
魔女「そこの鍵をはずして横にスライド」
妖狐「なんじゃ引き戸じゃったのか」ガラッ
妖狐「ユッカよ。良い仲間に恵まれたことを神仏に感謝するのじゃぞ」
勇者「神様のばかー」
僧侶「あーあ。そんなこと言っちゃってぇ」
僧侶「私怒っちゃいますよ?」ワキワキ
勇者「ご、ごめんなさいっ…もう観念するから早く塗って! うずうずして頭おかひくなっちゃうよぉ」
僧侶「あらかわいい」
僧侶「おつゆがいっぱい出てますね」
僧侶「このトロトロのユッカ様のあそこにいまからお薬ぬっていきますね?」
勇者「…っ」コクッ コクッ
僧侶「我慢できなかったら声だしていいんですよー」
僧侶「はぁい、いきますねー」
ちゅぷり…
粘性のある薬をたっぷり塗ってドロドロになったヒーラの指が、同じくドロドロのボクのおまんことからみあった。
ヒーラはとても意地悪でうれしそうな顔をして、細くてしなやかな指を中でクニクニと動かして薬をぬりつけていく。
勇者「ふぁぁぁあああ!!♥」
魔女(うるさい)
勇者「そこっ、そこっ♥ やぁぁあああ♥」
僧侶「はぁすごい…きゅんきゅんしてますよ」
僧侶「ユッカ様のあそこがもっとお薬くださいくださいっていっぱいおねだりしちゃってます」
僧侶「指がとけちゃいそう…♥」
勇者「んっ、んっ♥ んっ♥ ああぅ♥」
僧侶「あ、でも本当に欲しいのはお薬なんかじゃなくって」
魔女「ソルの男性器」
勇者「!!」ビクンッ
僧侶「もうっマナちゃんったらすこしぼかして言いましょうね」
魔女「…」
僧侶「そうなんですかーユッカ様?」
僧侶「ねぇねぇ。ユッカ様のここは私の指で満足ですかー?」
勇者「ふっ、ふぁっ、んくっ…ぅぅく」
ちゅく ちゅく ちゅく
ちゅく ちゅく ちゅくちゅくちゅく♪
ちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅく♪
勇者「やぁぁぁんっ、あああっ、ああんっ♥」
僧侶「やだすっごいエッチな声…」
僧侶「私…こんなの聞いてるとたぎっちゃいますよ」
ボクは頭の中がぐちゃぐちゃになってもうなにも言い返せなかった。
それほどヒーラの指使いは巧みで、的確にボクの弱いところをみつけて何度もしつこく擦りつけてくる。
僧侶「ユッカ様ここすりすりされるとすっごいかわいい声でますね」
僧侶「好きなんですか? もーっとしてあげますね」
僧侶「指もう一本ふやしちゃいますね。へっちゃらでしょ?」
勇者「ううう…♥」
薬なんてとっくにボクのえっちなお汁でながれてしまっているのに、ヒーラは新しく塗り足す様子はなかった。
ただただうっとりとした顔で、指をうごかしつづけている。
荷台の中はいやらしい音が鳴り響いた。
僧侶「」
勇者(キミって…なんな…の)
ちゅくちゅくちゅくちゅく
ちゅくちゅくちゅくちゅく
ちゅくちゅくちゅくちゅく
勇者「も、もうらめっ♥ い、い゛っイグ…イッちゃ…あぁ♥」
僧侶「もうイッちゃいますか? イキたいですよねぇ…うふふ」
僧侶「イキたかったらどうすればいいかわかりますか?」
勇者「…え」
僧侶「ソル様おしえてくださいませんでしたか?」
僧侶「ちゃーんとおねだりできたら、きもちよくしてあげますよ」
勇者「そ、そんなぁ…んっ、うっ、ああんっ」
勇者(イキたい…あとすこしなのに…)
勇者(ヒーラのいけず)
僧侶「うふふ…それまで小休止」
ちゅく… ちゅく…
勇者「あっ…あ…」
僧侶「んー?」
ちゅく?
勇者(いまさわってるそこ好き…イキたい、イキたいイキたいイキたいっ♥)
僧侶「さぁどうですか?」
勇者「いっ…」
僧侶「イ? くすくす」
勇者「いっ、イキたい…イキたいイキたいイキたい!!♥」
勇者「そこもっとしゅりしゅりしてぇええ♥」
僧侶「……はーい♪」
ちゅくちゅくちゅくちゅくちゅく!!
勇者「ふぁぁあああ♥♥」
勇者「あっ、あっ、ああああああ♥」
・ ・ ・
▼勇者は235の経験値を手に入れた。
勇者「はぁー…♥ ハァー…♥」
僧侶「べたべた♪」
魔女「あなたって魔女ね」
僧侶「はい?」
魔女(私もこんな風にきもちよくなってみたい)
僧侶「結構経験値出たんじゃないですか?」
勇者「ううう…」
僧侶「ねぇ?」
勇者「まぁ…そうだけど」
僧侶「ソル様とするときはどれくらい増えます?」
勇者「うーん…続けてすることもあるから一度でどれだけってのはよくわからない…」
勇者「けど朝には2000くらい増えてるかなぁ…前にしたときの話だけどね」
僧侶「にせっ!? えっ」
僧侶(やっぱりあれってかなり激しかったんですね)
僧侶(私ももし呪いがかかってたらそれくらいもらえてたのかな…)
魔女「レベルは」
勇者「いま…17…もうすぐ18」むすっ
魔女「…」なでなで
勇者「なんかむかつくっ!」
勇者「だってしかたないじゃん! エッチな事しないとだめなんだからぁ」
勇者「ソルとだって毎日毎日するわけじゃないし…」
僧侶「そ、そうですねぇ」
勇者「いいよね2人は普通にレベルあがるんだから!」
勇者「ちなみにいくつなの! 言ってみてよ!!」
僧侶(うわぁ…すごい怒ってる)
僧侶「えと…20です」
勇者「20も…はぁ。なんでぇ、ヒーラなにもしてないとおもったのに」
僧侶「失礼ですね。寝てる間に結界を貼ってるだけで経験値をもらえるんです」
僧侶「一応外敵を退けたりもしてますからね!」
勇者「そうなんだ…いいなぁ」
勇者「マナは? マナも20くらい?」
魔女「35」
勇者「だよねやっぱそれくらい…って、え?」
魔女「35」
勇者「さ、さんじゅうご!?」
勇者「な、なんで…なんでぇええ!!」
魔女「…」
勇者「ずるいよーー」ゆさゆさ
魔女「そんなことをいわれても」ぐらぐら
僧侶「マナちゃん人知れずたくさん戦ってますし…」
勇者「えーー。じゃあボク一番よわいじゃん」
勇者「ソルに聞いてこよ」
僧侶「あっ、やめたほうが…」
ガラガラッ
勇者「ねーソル」ツンツン
傭兵「ん?」
妖狐「おう終わったのか。えらい声で鳴いておったのぉ」
勇者「う、うるさいなぁ…もうすんだことはいいの!」
傭兵「んで何の用だ」
勇者「ソルのレベルおしえてぇ」
傭兵「レベルか…なんでそんなことが知りたい」
勇者「そりゃ知りたいよ。仲間だもん」
傭兵「あんまり気にしなくていいと思うけどな」
傭兵「…54だ」
勇者「ごっ…?」クラッ
傭兵「…俺は魔法を習得するわけじゃないからな。レベルが必要になるのはギルドの依頼を受けるときくらいだ」
傭兵「まぁほかにも探せば色々あるが…特にレベルの次第で困ったことはない」
傭兵「ユッカ。あまり気にすると戦いの本質を見失うぞ」
傭兵「俺たち剣士はレベルで戦うわけじゃない。結局最後は鍛えぬいた肉体と培った技術であって―――」
勇者「ねぇねぇキュウちゃんはいくつー?」
妖狐「ワシかーワシはのー」
傭兵(話きけよ)
妖狐「九十九じゃ。九尾の妖怪だけに」
勇者「……」ふらり
傭兵「うおあっ! 危ねっ! 落っこちるぞお前」
・ ・ ・
<夜>
勇者「はい! レベル上げをします!!」
傭兵「ぶっ。げほっ。なんだいきなり」
僧侶「ソル様汚いです…」
魔女「とばさないで」
妖狐「しずかに飯も食えんのかこの集団は」
勇者「ボク強くなりたい!!」
傭兵「ユッカ。それいま話すことか?」
勇者「だってくやしいよ…」
勇者「ボクなにもできないもん…」
勇者「キュウちゃんのことだって助けてあげられなかった」
勇者「もっと鍛えて、レベル上げて、魔法の練習して…技を覚えて」
勇者「ボクだってみんなの役に立ちたいんだ!」ガタッ
傭兵「まぁ座れよ」
僧侶「さきにご飯たべちゃいましょうね」
傭兵「レベル上げって…お前わかってるんだよな」
勇者「う、うん…」
勇者「もうこれはさけて通れないことなんだ」
勇者「ボク…がんばってするよ。だから…今晩」
僧侶「…」ジー
傭兵「どうして俺を見る」
僧侶「ご指名ですよソル様。がんばってくださいね」ジトー
傭兵「はぁ…?」
傭兵「まてユッカ。焦らなくていいぞ。時間はたっぷり」
勇者「ダメ! もう決めたもん。次の街につくまでにぜっっったいにレベル20になる!」
勇者「絶対に!! これだけは譲らない!」
傭兵(こいつめ…)
僧侶(一度いいだしたらもう無理ですよ…)
魔女「…」もぐもぐ
妖狐「なんじゃ? 交尾しまくるのか?」
傭兵「ボカせよ食事中だぞ」
妖狐「すまぬ」
勇者「ヒーラとマナも協力して!」
僧侶「……えっ私も? ほんとですか!? いいんですか!?」パァァ
勇者「こ、このさい…なりふりかまっていられないと思うんだ…」
勇者「ボクは…なんだってやらなきゃいけない…勇者なんだから!」
僧侶「きゃーさすがですユッカ様」パチパチパチ
傭兵「なんだか急にめんどくさいことになったぞ…」
魔女「滋養強壮の薬ならたくさんあるからがんばって」
第16話<強くなりたい!>つづく
更新おわり
次回本日中予定
第16話<強くなりたい!>つづき
【荷台】
勇者「お風呂あがったよー」
勇者「最後ソル入ってきてー」
傭兵「おう。行ってくるわ」
僧侶「ではユッカ様、早速レベルあげを私と!」ギュ
勇者「ぎゃっ、ちょっと待ってよ!」グイッ
僧侶「逃げないでくださいよぉ。するって言ったじゃないですか」
勇者「言ったけど…まだ心の準備はできてないんだ」
勇者(今晩ヒーラとするとは言ってないんだけどな…)
僧侶「ユッカ様のタマゴ肌~」スリスリ
勇者「…」
魔女「ここでするの? 私どうすればいい、もう眠りたい」
魔女「枕元でうるさくされたら迷惑」
勇者「そんなぁ…」
妖狐「なんじゃこんなとこでおっ始める気か」
妖狐「そしたらワシらが上で寝るとするかの」
魔女「……うん」
僧侶「ごめんなさい。今晩は私達が中つかわせていただきますね。おやすみなさい」
妖狐「ワシは外で寝るのに慣れておるから気を使わんでええぞ。そもそも間借りしとる身じゃしな」
魔女「おやすみ」のそのそ
勇者「お、おやすみ~…」
僧侶「…さ・て・と」
勇者「…」ブルッ
僧侶「アレする前に先に頭拭いちゃいましょっか?」
勇者「あ、うん」
僧侶「ユッカ様私のここに座って! 拭いてあげます!」ポンポン
勇者「子供じゃないんだから…」
勇者「それに髪の毛ならマナの温風の魔法で……ってもう寝ちゃってるかな」
僧侶「ですからたまには私が! ね?」
勇者「わかった。お願い」
勇者「乗っていいの?」
僧侶「どうぞ!」
勇者「よいしょ……あんまりじっと見ないでよ」
僧侶「♪」ニコニコ
勇者「なんだか…恋人同士みたいで恥ずかしいな…ヒーラなのに」
わしゃわしゃ
勇者「んっ」
僧侶「動かないでくださいねー」
僧侶「ユッカ様のしっとりした髪の毛…」
僧侶「いまはこんなにすべすべでまっすぐなのに乾いてしまうと不思議とピコッて跳ねるんですよね」
勇者「ボクもヒーラみたいな髪の毛がよかったな」
僧侶「私はユッカ様の元気な髪の毛が大好きですよ」
わしゃわしゃ
僧侶「あぁ…こうやってユッカ様とふたりきりで触れ合う時間が幸せ…」
僧侶「最近はずっとソル様にユッカ様をとられちゃっていたのでなおさらです」
勇者「そんなことないよ」
僧侶「どうですか、ソル様とうまくいってますか」
勇者「それボクのセリフだよ。ヒーラはソルのこと好きなんでしょ」
僧侶「え? はい」
勇者「ここんところずっと上機嫌だけど…ソルとなにかあったの?」
僧侶「…んー、うふふ」
わしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃ
勇者「うぁあ何!?」
僧侶「内緒です」
勇者「エ、エッチなこと…した?」
僧侶「内緒ですよ」
勇者「否定しないんだね」
僧侶「心配しなくてもソル様はユッカ様のことを一番におもってますよ」
僧侶「もしかして私にとられちゃうかも~とか思っちゃいました?」
わしゃわしゃ わしゃわしゃ
勇者「ち、違うよ…」
勇者「ボク別にソルがヒーラやマナといっぱい仲良くするのは悪くないとおもってるよ」
僧侶「仲良くって?」
勇者「その…男女として」
僧侶「そうなんですか?」
勇者「だって仕方ないよ。ソルだし…。エッチだもん」
僧侶「そうですね。エッチですもんね!」
勇者「それに自然なことだと思うんだ。ボクが仮に男なら…ヒーラのこと放っておかないよ」
僧侶「まぁうれしい」
わしゃわしゃわしゃわしゃわしゃわしゃ
勇者「やーんそれやめてよ」
僧侶「拭いてるだけじゃないですか」
僧侶「もしユッカ様が男の子ならかぁ…えへへ」
勇者「な、なに?」
僧侶「私ね、初めてユッカ様と会った幼少の頃はほんとに男の子だとおもってたんですよ」
勇者「それ100回くらい聞いたよ…すごい小さいころじゃん…」
僧侶「あの頃のユッカ様かっこよかったなぁ…」
勇者「いまは?」
僧侶「もちろんかわ…かっこいいですよ! だんだん仕草が女の子っぽくなってきてますけどね」
僧侶「ソル様のせいでしょうかね~?」
なでなでなでなで
勇者「…」フルフル
勇者「キミは変わってるよね。ソルとボク一体どっちが好きなのさ」
僧侶「完全に別腹です」
勇者「くいしんぼだよ」
僧侶「心配しなくてもちゃんとあなたのことを心から愛してますよ~ユッカ様~」
なでなでなでなで
勇者(ボクが心配してるのはキミの人生のほうだよ…)
僧侶「さぁ乾きましたよ」
勇者「…!」ドキ
僧侶「しましょっか?」
勇者「…う、うん。そうだね…」
僧侶「今夜はいっぱいいっぱい愛してあげますね」
勇者(いっぱいいっぱいって…何をされるんだろう…)
僧侶「ユッカ様のこと食べちゃいますね」
僧侶「ほら見てください。ユッカ様がお風呂に入ってる間に爪短くしたんですよ」
勇者「えぇそこまでしなくても。キミは女の子なんだから」
僧侶「パジャマ脱いでくださいね。それとも脱がせてほしいですか? 脱がせたいです!」
勇者「はう…」
ヒーラはいつも強引だ。
幼いころからこの性格のヒーラに逆らうことは出来なかった。
そういうところはふたりとも大人になった今でもかわらない。
ボクはされるがままにパジャマの前ボタンをはずされて、胸部をむきだしにされてしまう。
僧侶「かわいいお胸…」
勇者「ばかにしてるー」
僧侶「いえいえ。ほんとに可愛いと思ってますよ」
僧侶「おいしそうですね?」
僧侶「ちゅむっ」
勇者「ふあっ!?」
ヒーラは断りもせずに、ボクの乳首に吸い付いて舌先で転がしはじめた。
僧侶「あむ…ちゅ、ちゅー」
勇者「やだぁ…そんなことして何がたのしいの」
僧侶「ソル様にいつもこんなことされてませんか?」
勇者「……」ぷいっ
僧侶「されちゃうんですね?」
僧侶「乳首ぷっくりと膨らんでかたくなってきましたよ」
僧侶「もうちょっとだけいじめちゃおっかな?」
僧侶「はむっ」
その後も何度も吸い付いたり、軽く噛んだりしてボクを辱める。
僧侶「こっちも…ちゅっ」
勇者「い、いいってばぁ…おっぱいやめてよ」
僧侶「どうしてですか。エッチなお顔してますよ。くりくり」
勇者「んうっ…! あっ…」
僧侶「なるほどーこんなちっちゃい乳首でもちゃんと感じるんですねぇ」
僧侶「これは呪いのせいですか?」
僧侶「それともユッカ様がエッチだから?」
あえてボクの耳元で恥ずかしいことをささやくように聞いてくる。
生温かい息が耳をくすぐって一瞬背筋がぴくんとなったのはヒーラは見逃さなかった。
僧侶「お耳も弱いですねぇ…耳かき今度またしてあげますね」
僧侶「耳の奥のユッカ様の性感帯を、かりっかりってするのほんと楽しいんです」
僧侶「ユッカ様あのときどんな顔してるか自分でお分かりですか?」
僧侶「よだれがテローって出ちゃって…だらしない顔してるんですよ?」
勇者「み、耳もとでしゃべらないでよぉ」
僧侶「そろそろあっちのほうがうずうずしてきたんじゃないですか?」
僧侶「汚しちゃう前に先に下着を脱いでおいたほうが良くないですか? くすくす」
勇者「いじわる…」
ヒーラの指摘通り、呪いの効果が身体に充満してきている。
耳元で囁かれた程度で身体が反応してしまったのはそのせいだ。
ボクはずっとこのサキュにかけられた呪いで苦しんでいるのに、どうにもみんな楽しんでいる節がある。
勇者(まぬけな勇者なんてバカにされてもしかたないか…)
僧侶「あらあら、そんな顔しないでください」
僧侶「私達は精一杯この憎き呪いと前向きに付き合うとしているだけですよ」なでなで
僧侶「気持ちいいことは決して悪いことじゃないんです」
僧侶「気持ちよくなることは聖職者の私だって大好きなんですよ?」
勇者「それはどうかとおもうよ…」
僧侶「うふふ。例えあなたが世を救わんとする勇者といえども、所詮はただの一人間なんですから」
僧侶「時には欲求に身を任せましょう? ね?」
勇者「…うん」
僧侶「じゃあ脱いでくださいね」
勇者(なんだか言いくるめられた気がする)ぬぎぬぎ
そうしてボクは親友の前ではだけたパジャマの上一枚というあられもない姿になった。
幸い脱いだ下着はまだそこまで汚れていなかった。
僧侶「…扇情的です」
勇者「そうかな」
僧侶「これはソル様も己を抑えられなくなっちゃいますね」
勇者「…ううそんなこと無いよ」
僧侶「いつもどういう始め方ですか?」
僧侶「ソル様の方から? ユッカ様の方から??」
勇者「しらない。言いたくない」
僧侶「なるほど…。どちらからともなく自然に影が重なって…ってことですね」
僧侶「私とではやっぱりそういうムードにはなれませんか?」
勇者「う、うん悪いけど…エッチな気分にはなってもボクのほうからヒーラになにかするのは…無いかな」
僧侶「つまり、私がリードして一方的にユッカ様を愛さなきゃ」
僧侶「レベル上げができないってことですね?」
勇者「え゛っ」
僧侶「ですよね? いまさらしないとは言いませんよね?」
勇者「は…はい」
僧侶「まずはめざせ経験値500アップ!」
勇者(やっぱりヒーラだけは最初に断ればよかった…)
僧侶「まずはチューから」
僧侶「はむ…」
ヒーラはボクの顔を逃げられないようにはさんで、思いっきり口付けてきた。
ベロをねじこんできて、ボクのをからみとり唾液がぐちゅぐちゅと混ざっていく。
勇者(うううっ、チューってレベルじゃないよ!)
僧侶「はむ…ちゅるっ、ぢゅるる」
勇者「ぷはっ、びっくりした…はぁ」
僧侶「おいしい…♪」
僧侶「ユッカ様の味…♥」
勇者「キミのほうがトロンとしてどうするの」
僧侶「ごめんなさい私ほんとにドキドキしちゃいました」
僧侶「やっぱりユッカ様の唇はぷりぷりでやわらかいですね」
勇者「ヒーラもね……」
僧侶「もう一回しましょうね。ちゅっ」
ヒーラにくっつかれるととってもいい匂いがする。
まさに大人の女性と言う感じの色香とも言える。
同じお風呂に入っていて、同じ石鹸をつかっているのにどうしてだろう。
勇者(髪の毛が長いからかな…?)
そんなことを考えている間にもボクの口の中はヒーラに侵食されていく。
ヒーラのキスはソルがしてくれるそれよりもずっと激しかった。
▼勇者は35の経験値を手に入れた。
僧侶「これだけいっぱいチューしてこれっぽっちですか」
勇者「…」
僧侶「やっぱりソル様じゃないとだめなんですかねぇ」
僧侶「どんな風にしてますか?」
僧侶「私のここにユッカ様のほうからしてみてください」トントン
勇者「えー…」
僧侶「ほーら早く」
勇者「ボクのほうからあんまりしないもん」
僧侶「あんまりってことはすることもあるんですよね?」
勇者「…むぅ。こんな感じだよっ」
ぺろっ。ちゅー…。
ボクは半ば投げやりに目の前の唇軽く舐めたあと、少しだけ吸い付いてすぐに離した。
ヒーラは目を大きく見開いてボクのことを見つめている。
勇者「お、おわり。もうチューはいいよ」
僧侶「…やーんかわいい! なんですかそれ!?」
僧侶「えっ、それキスですか!? こんなにかわいくついばまれたら…」
勇者「たら…?」
僧侶「…とっても激しくしたくなっちゃいますね?」
勇者「あう…」
唐突に強く肩を掴まれて押し倒された。
そしてまた唇を奪われて、そのままヒーラは指をボクの下半身へとすべらせてきた。
爪を短くしたばかりの指がボクの割れ目に触れる。
そして肉をかきわけて、おまんこの中へと潜りこんできた。
勇者「んんぅ!? んっ、ん~~」
僧侶「はむ…んっ、ちゅるっ…」
僧侶「うふふ。入っちゃったぁ…ユッカ様のぬれぬれおまんこは抵抗もなくて素直ですねぇ」
僧侶「それとも素直にされちゃいましたか?」
僧侶「エッチですねぇこんなに簡単に指を飲み込んじゃって」
僧侶「うれしいんですか? ぱくぱく食いついちゃってますよ?」
勇者「や、やめてよぉ…」
僧侶「動かしちゃいますね」
おまんこの中で指が壁をすりつけるようにぐにぐにと動き出す。
もうヒーラには気持ちいい場所をさっきしられてしまったので、下手な抵抗はできない。
ボクはされるがままに身を任せることにした。
僧侶「ちゅくちゅく。エッチな音しますよ」
僧侶「指一本じゃものたりないですねぇ」
僧侶「二本にしましょうか」
勇者「えっ」
ちゅぷり。
しなやかな指が一本追加されてボクの中をかきまわす。
僧侶「いっつもソル様にされてるんですから、これでもぜーんぜんですよね?」
勇者「そ、そんなことっ、無っ…あうっんっ」
僧侶「あーあ、私にもおっきいおちんちんがあったらな」
勇者「それおかしいよぉ。キミ女の子でしょ」
僧侶「そしたらユッカ様のこのあたたかいおまんこを味わえたのに」
僧侶「あっ、でもユッカ様におちんちんが生えてて私を貫いてもらうのも素敵かもしれませんね。えへへ」
勇者「ゆがんでるよぉ…」
僧侶「ほら、ここ好きでしょ? いっぱいエッチなお汁だしてくださいね」
ちゅくちゅく ちゅくちゅく
ちゅくりちゅくり
勇者「はぁぁうっ…んっ♥ んぅ♥」
僧侶「イキたくなったら言ってくださいね」
勇者「もうイキたいっ…」
僧侶「ウソですね」
僧侶「早く終わらせようとしてるでしょ。わかってるんですから」
勇者「うう」
僧侶「ユッカ様、これはレベル上げのための経験値稼ぎなんですよ?」
僧侶「い~~っぱい気持ちよくならなきゃ、結局意味が無いんですから!」
僧侶「私は考えているんです。どうすればソル様以上にユッカ様に快楽を与えられるのかを…」
僧侶「私と行為に及んでも精神的にはそこまで満たされないでしょ? たぶんその分で負けてると思うんですよね」
ちゅくちゅくちゅくちゅくちゅく
勇者「あああっ、ああうっ、かちとか…まけとか、そんなろどうれもいいよぉお♥」
僧侶「いいえ。数字になってあらわれる以上気になります」
僧侶「毎晩ソル様より私のことを求めるように、ユッカ様を絶頂させてみたいんです!」
ちゅくちゅくちゅくちゅくちゅく!
ちゅくちゅくちゅくちゅくちゅく!!
勇者(遊んでるでしょ~~!!)
勇者「ああああっ、んああああ♥」
僧侶「そうだ! いいものがあるんでした」
勇者「えっ…」
ヒーラはさっきまでボクの頭をふいていた小さいタオルを取り出して、ボクの目元にぐるりと巻きつけた。
突然視界がうばわれる。
勇者「なっ、なんなの!?」
勇者「これの何がいいの!」
僧侶「これだけじゃないですよ。もう一つは…あ、見えないですよね」
僧侶「じゃあ。入れちゃいますね」
勇者「えっ、えっ…んぅ!?♥」
じゅぶりと何か太くて硬いものがボクの中に入ってくる。
ヒーラの指とは全然違う。
それはソルのおちんちんと同じくらいの太さと硬さだった。
だけどおちんちんのような硬さの中にある特有の弾力は無い。
勇者「な、なにいれたの!! はぁぁうっ、んんんぅ! あああっ」
僧侶「なんでしょうねぇ」
じゅぷ…じゅぷ…
僧侶「わからないですよねぇ」
僧侶「おまんこで味わって、あててみてください」
僧侶「うふふ…」
じゅぷ じゅぷ
その太い何かは何度も何度もボクのおまんこの壁をきつくこすりながら出入りを繰り返す。
勇者(硬さ的に…鉄?)
もしかした剣の柄かもとおもったけど、金属のような冷たさはない。
それにそんな危ないものをヒーラが使うとも思えない。
勇者(長い棒状なのは確かなんだけど…)
勇者「わかんないっ! わかんないよぉ!」
僧侶「あらあら混乱しちゃってますね」
僧侶「木でできてますよー」
じゅぷ じゅぷ じゅぷじゅぷ
勇者「んんぅ、んんぅっ♥ 木!? 木なの…硬いよ」
僧侶「固くないと意味が無いですからね」
勇者「わかんない! 教えてよぉ怖いよ」
僧侶「ちゃんとアソコに意識を集中して、しっかり形を感じ取ってください」
勇者「えっ…。んっ♥ か、かたち…あうっ」
勇者「えっとお…えっと…」
僧侶「ほら、ゆっくりにしますね…おまんこの奥から手前まで…ぐりぐりぐり~」
勇者「ふぁぁぁあん♥」
がりがりとおまんこの中を何か"かえし"のようなものでひっかかれているのを感じた。
勇者(そうだ…これはまるでソルにされてるときみたいな…)
勇者「んっ、んっ♥」
僧侶「わかりますか~?」
僧侶「ヒントはとってもエッチなものですよ」
勇者「…」フルフル
僧侶「ならもう一回奥まで突きいれて…」
じゅぷん!
勇者「あんっ♥」
僧侶「そしてゆっくりかきだすように~」
ずぬぬぬぬっ
勇者「ふぅぅあああっ、んあああっ♥」
僧侶「気持ちいいですよね。気持ちよくなるための形をしてるんですよ」
僧侶「ユッカ様のべたべたのお汁でテカテカになっちゃいました」
勇者「おち、おちんち…♥ はっ、はっ♥」
勇者「おちんちん!? そんなかたち…してるっ、あうっ、んっ♥ 気がする…」
僧侶「…♪」
僧侶「はい正解です」
僧侶「答えはおちんちんでした♪」
勇者「な、なんでおちんちんがあるの!? ヒーラ女の子でしょ!」
僧侶「むしろ女の子だから、もってるんですよ。まぁ私の持ち物じゃないんですけどね」
勇者「目隠しとっていい?」
僧侶「どうぞ」
タオルを外すと目に飛び込んできたのは、まるで切り取られた男性器のような木の棒だった。
ボクのエッチなお汁でまみれて本当にテカテカになっている。
勇者「そ、それって…」
勇者「誰のおちんちん…」
僧侶「いえいえ道具です…ほんとに誰かから切断したわけじゃないですよ。造り物!」
勇者「なんで…そんなものが」
僧侶「ええとこれはですね、マナちゃんの持ち物なんですけど」
僧侶「女の子がこうして気持ちよくなるための物と言えばわかりますか?」
勇者「…」
僧侶「率直に言うとオナニーの道具です」
勇者「…」
僧侶「なんで固まってるんですか」
勇者「ボクつくりもののおちんちんであんあん言ってたの…」
僧侶「気持ちよかったでしょ?」
勇者「それはそうだけど…」
僧侶「恥ずかしいことじゃないですよ。欲求不満を解消するためのものなんですから」
僧侶「さぁ続きしましょ」
僧侶「ちゃんと最後までしなきゃ」
勇者「…ううやだ」
僧侶「逃げちゃダメ♪」
僧侶「ユッカ様がこんなにおっきいおちんちん頑張ってくわえ込んでるの見てたら私も身体が熱くなってきちゃいました」
勇者「とっくに興奮してるでしょ!」
僧侶「ふたりで裸んぼになりましょ? うふふ」
ヒーラは臆することもなく綺麗な肌をさらした。
勇者(女同士とは言えだいたんすぎるよ…)
僧侶「今日はこの偽物おちんちんを私のおちんちんだとおもって、いっぱいエッチしましょうね」
僧侶「うりうり~」
ぐりぐり
勇者「むうぐ……はぁ」
・ ・ ・
じゅぷん!じゅぷん!じゅぷん!じゅぷん!
勇者「んあっ♥ あっ、ああっ♥」
僧侶「はぁ…はぁ…ユッカ様…かわいいです」
僧侶「もっと可愛い声でないてください。おまんこびしょびしょにしてください」
僧侶「んぅ…」クチュリ
勇者「あんっ、あんっ、だめぇ、あんっ♥」
ヒーラは自分で自分を慰めながら、ボクを道具で激しくついた。
所詮偽物のおちんちん。ソルに与えられる快感ほどではないとわかりつつも、
ボクの身体は快楽には逆らえずにしっかりと反応して、知らず知らずのうちに大きな声をだして喘いでしまっていた。
勇者「あんっあんっ、ああぁんっ、イクっ…イキそうっっ!」
僧侶「イキましょうね! かわいいかわいいユッカ様」
僧侶「私のおちんちんでいっぱい気持ちよくなってくださいね!」
じゅぷんじゅぷんじゅぷんじゅぷん!
じゅぷんじゅぷんじゅぷん!
勇者「ああっ、ああぁっ♥」
勇者「んあああイクっ!! イック…ううう」
僧侶「イッて! イッてください!! ほらっ」
じゅぷんじゅぷんじゅぷん!!
じゅぷ――
勇者「…うっ、~~~~っあああ♥」
びくんびくんと身体が痙攣して頭が真っ白になった。
くやしいけど、ボクはヒーラの手であっけなく絶頂を迎えてしまった。
勇者「あぁぁぁ…すご…すごひ…」
勇者「にせものおちんちんすごいよぉ…♥」
勇者「ボクのおまんこっ、ぐちゃ…ぐちゃれ♥ あぁぁ♥」ひくっひくっ
僧侶「うふふ…こんなにてろてろになっちゃって」
僧侶「ぱくぱく咥えこんで離してくれませんね」
僧侶「気に入りましたか?」
勇者「…♥」コク
僧侶「あら素直で可愛い」
勇者「…え、えへへ…♥ おちんちん…すき」
僧侶「私のおちんちんですよ」
勇者「ヒーラのおちんちんすきぃ…」
勇者「ヒーラのおちんちんだいすきぃ…っ」ひくっ ひくっ
僧侶「~~♥」ゾクッ
僧侶「あぁぁもっと犯したくなってきちゃいました」
僧侶「でもこのままいっぱい突いたら壊れちゃうかも…」
僧侶「偽物おちんちんに限界はないですからね」
勇者「…♥ へーきかも」
僧侶「まずはいまのリザルト!」
▼勇者は352の経験値を手に入れた。
僧侶「…よしよし。いっぱい増えましたね」
僧侶「さぁ、あともうちょっと稼ぎましょうか。いきますよ~」
シャッ
傭兵「ようあがったぜ―――」
僧侶「あっ」
勇者「あひ…?」
傭兵「んなっ!? なにして…裸でっ!? うわぁ!! 悪い悪い悪い!」
僧侶「きゃあっ!」
勇者「えへへ…ヒーラのおちんちんとソルのおちんちんくらべっこしたいなぁ…」
傭兵「な、何言ってんだこいつ…」
勇者「おいで~…えへへへ、おちんちん」
僧侶「こわれちゃってます…」
傭兵「そういえばいつもこんな感じだ…ヤったのか」
僧侶「はい…ちょっとした経験値稼ぎのはずが」
勇者「…えへへへ、えへへ」
ボクおちんちんだいすき…。
おちんちんもっとちょうだい…おちんちんうれしいなぁ♥
第16話<強くなりたい!>つづく
更新おわり
次回本日中予定
申し訳ない
帰宅おくれたのでまた明日
第16話<強くなりたい!>つづき
蕩けた顔をしたユッカに誘われて、俺は裸で抱き合う2人の側に腰を下ろした。
辺りには愛液の飛び散った後がある。
傭兵「ず、ずいぶんと派手にやったんだな…」
僧侶「ごめんなさいユッカ様がかわいくってつい」
勇者「ねぇねぇもっとしよ…もっとぉ」
傭兵「…」
勇者「ヒーラとソルのおちんちんほしいよぉ…♥」
傭兵「ヒーラちゃんにペニスは無いぞ」
勇者「えへへ…あるよ」
傭兵「…?」
ふとユッカの視線をたどるとヒーラちゃんの手に太い棒が握られているのを見つけた。
俺はその棒に見覚えがあった。
おそらく以前見せてもらったマナの張り型だろう。すでにベトベトに汚れてしまっている。
傭兵「それを使ったのか」
僧侶「は、はい。指だけですませるつもりだったんですケド」
僧侶「いっぱい経験値あげたくなっちゃって♥」
傭兵「あぁそう…」
勇者「いっぱい強くなれるよ…ねぇはやくしよ」
傭兵「あーあ、ユッカ今日はトロトロだな」
頭をなでてやるとユッカは過敏な反応を示してから目を細めた。
傭兵「身体もこんなに熱くして」
素肌を優しく撫でていく。
火照って汗ばんだ肌が手のひらに吸い付いた。
勇者「んっ♥」
僧侶「…」
傭兵「どうした?」
僧侶「なるほどそういう風に全身優しくなでてあげたらいいんですね」
僧侶「いつもこんな感じなのですか?」
傭兵「こんな感じって…まぁ、そうだな」
僧侶「ユッカ様きもちよさそう…いいなぁ」
勇者「ヒーラのこともなでなでしてあげて」
傭兵「えっ?」
勇者「ヒーラももっとエッチなことしたいよね…?」
僧侶「ふあ…え、でも」チラ
傭兵「してやろうか?」
僧侶「!」
僧侶「は、はいっ」
触る許可を得たので裸のヒーラちゃんの腰に手を回した。
そのまま腰や背筋をくすぐるように指先でタッチして反応を伺う。
僧侶「んぅっ…」
僧侶「あっ、ダメです…んっ」
傭兵「ヒーラちゃんも身体熱いな。こうやって腕で抱いてると熱気がつたわってくる」
僧侶「はぁう…近いですよ」
勇者「ヒーラよかったね。ねぇねぇボクも抱っこして」
傭兵「おう」
裸のユッカとヒーラちゃんを同時に両腕に抱き寄せる。
傭兵(最近こういうの多いな)
俺は先日霊泉で3人にせまられたことを思い出してつい笑ってしまった。
傭兵(あのままマナに洗い続けられてたらやばかった)
勇者「なにわらってるの」
僧侶「ソル様エッチな事かんがえてうれしくなっちゃいましたか?」
勇者「ソルも脱ごうよ。ここ、もう苦しくなってるでしょ」なでなで
傭兵「そりゃあな」
僧侶「私達の裸をみて興奮しちゃいました」
無言で頷く。
むしろしないほうがおかしい。
荷馬車の中は2人の濃い匂いで満ちていて、それを嗅いでいるだけ頭がどうにかなりそうだった。
勇者「3人でエッチな事しよ…♥」
あっという間に下を脱がされてそそり立った陰茎が外気に晒される。
勇者「みてヒーラ。おっきいでしょ」
僧侶「は、はいそうですね」
勇者「ヒーラの偽物おちんちんよりおっきいよ」
傭兵「なんでお前が自慢気なんだ」
勇者「これ、ボクたちで興奮してこんなんになっちゃったんだよ」
勇者「ソルのエッチ♪」
傭兵「うるせー」グリグリ
僧侶「私もさわっていいですか…?」
勇者「いいよ!」
傭兵「だからなんでお前が…はぁもう好きにしろ」
ユッカにペニスの根本を、ヒーラちゃんに先っぽを握られる。
勇者「あつあつだね」
僧侶「すごく固くなってます…」
勇者「ヒーラこうやって手をうごかしてこすってみなよ。おもしろいよ」
しゅっ しゅっ しゅっ
しゅっ しゅっ
傭兵「うお…」
2人の柔らかい手で同時にペニスを擦られて俺はつい声を漏らしてしまった。
それを聞き逃さなかったユッカはにんまりと笑って俺の耳元で囁く。
勇者「ねぇねぇ…どーしてこんなにおっきくなってるの」
勇者「ボクのアソコに入れたいの?」
勇者「それとも…ヒーラとエッチな事したいの?」
勇者「くすくす。想像したらまたおっきくなっちゃったね?」
しゅっ しゅっ しゅっ
しゅっ しゅっ
傭兵「お前…今日はテンションおかしいぞ」
勇者「ヒーラは男の人ははじめてだから、ボクが教えてあげないと」
傭兵(あぁそういう…)
僧侶「あっ! 私も」
ヒーラちゃんがユッカに負けじと身を乗り出し、
耳に唇が触れてしまいそうな距離で熱い息をおりまぜながら囁いてくる。
僧侶「ふーー…。うふふ。ソル様のおちんちん、かちかちですね?」
僧侶「私とユッカ様どっちの裸をみて興奮しました…?」
僧侶「それとも、このさきのことを考えてですか?」
僧侶「射精…したいですか?」
しゅっしゅっしゅっしゅっ
しゅっしゅっしゅっしゅっ
シュッシュッシュッ
勇者「はむ…ちゅ。おちんちんしゅっしゅされて気持ちいい?」
勇者「きもちいいねぇ。ビクビクってしてるよ」
勇者「ねぇボクとヒーラどっちが上手?」
勇者「根っこのほうがきもちいいか、それともさきっちょのほうがきもちいいかどっちか教えて?くすくす」
傭兵「や、やめろぉ同時に喋られても何言ってるか聞き取れん」
勇者「ふーー♥」
僧侶「くすくす」
傭兵「ひぃっ…さっきからくすぐったいんだよ」
ひとりひとりだと俺を前にいつも恥じらってもじもじとしていることが多いのに、
2人揃うと気が大きくなるのか、今日はやけに積極的で意地が悪い気がした。
完全にからかわれている。
しかもペニスを擦る手も、2人のリズムがちぐはぐなので達することが出来ずにもどかしい。
傭兵「俺なにかしたかな…」
勇者「ボクとヒーラがエッチしてるとこに勝手に入ってきた罰だよ」
傭兵「それはほんとに悪かった…って俺がそんなこと知るか」
僧侶「女の子の部屋にはいるときは注意しなきゃだめですよ」
僧侶「それにしても、ソル様のあの時のびっくりした顔ったら…うふふすいません」
勇者「おかしいよねぇ。ボクたちの裸なんてもう見慣れてるくせにさ」
傭兵「そ、そういう話じゃないだろ」
勇者「あ、ヒーラの裸はまだそんなに見てなかったね?」
勇者「ヒーラ。ソルにもっとくっついちゃっていいよ」
僧侶「え? はい…」
ヒーラちゃんがあぐらをかいた俺の片膝の上に乗り、ギュウッと身体をおしつけてくる。
それをみたユッカも真似して更に距離を詰めてきた。
勇者「ヒーラのおっぱい当たってるね」
勇者「ボクのとやっぱり違う感触?」
勇者「あは、またおっきくなったよぉ。やらしーんだ」
傭兵(助けて!)
僧侶「ソル様のおちんちんのさきっぽからちょっとだけお汁出てきましたよ」
勇者「それ気持ちいいときに出るんだよ。よかったね」
勇者「…そんなにヒーラがいいんだ?」
勇者「はむ…ちゅっ。こんなに耳真っ赤にしてかわいい」
勇者「ヒーラとエッチな事したいよね?」
勇者「ヒーラのおまんこにおちんちんいれてびゅーってしたいよね?」
勇者「ヒーラはソルのことが大好きなんだよ。ソルに抱いてもらいたいって思ってるよ」
僧侶「ちょ…ユッカ様!」
傭兵(しかしすでに経験積みなのだ…)
勇者「ボクとヒーラのアソコさわってみて…?」
勇者「もうソルのこれがほしくて、ぐちょぐちょになってるよ」
傭兵(お前だけだろ…)
確かにさきから俺のふとももにぺたぺたとユッカの愛液が滴っている。
傭兵(あんまりうるさくされても困るし、さっさとしてやるか)
俺は指先で恥部をすこしなでた後、中指をユッカの中に挿入した。
勇者「んっ♥」
勇者「んはっ…ソルの指ぃ♥」
勇者「おまんこ…入ってるよぉ」
勇者「ねぇ…ひ、ヒーラにも…っ。してあげて」
傭兵「と命令が出てるんだけど」
僧侶「…は、はい。どうぞ♥」
同じように少しだけ愛撫をして濡れ具合を確かめた。
ヒーラちゃんもこんな状況ですっかり濡れてるようで、俺の指をすんなりと受け入れてくれた。
温かいひだひだをかきわけて指が彼女の膣内に沈んでいく。
僧侶「はうっ…ぁ…入って…」
僧侶「ぁああ♥」
勇者「よかったねヒーラ…大好きなソルの指だよ?」
勇者「ソル。ヒーラには優しくしてあげてね」
傭兵「わかってるわかってる」
勇者「ボクたちも…再開するね」
勇者「ソルもボクたちの中で動かしてね」
勇者「みんなできもちよくなろ…?」
しゅっしゅっ しゅっしゅっ
しゅっしゅっ しゅっしゅっ
シュッシュッシュッ
手の動きが再開される。
俺はそれにあわせるように膣内に指を付き入れた。
じゅぷ じゅぷ じゅぷん
じゅぷ じゅぷ じゅぷん
勇者「んっ、んっんっ♥」
僧侶「あっ、やっ…んんっ♥」
勇者「ねぇ…ボクたちのおまんこどう…?」
傭兵「どうって…うっ、く」
勇者「あは、ここ好きだね? ヒーラ、もっとおちんちんのうしろっ側をなでるといいよ」
僧侶「あんっ…はぅ…っ」
勇者「…ヒーラは夢中になってるね」
勇者「ヒーラのおまんこの中はボクみたいにヌルヌルになってるの?」
傭兵「あ、あぁ…」
勇者「かわいい顔してる…」
勇者「さっきボクを偽物おちんちんでいじめてたときと全然違うや」
じゅぷ じゅぷ じゅぷ
じゅぷ じゅぷ じゅぷ じゅぷ
勇者「んぅ…そ、ソルの指でずんずんされて…きもちいいっ、んだよねっ♥」
勇者「ボクもっきもちいいよっ」
勇者「はやくおちんちんほしいっ」
勇者「あぁぁっ、あんっおちんちんでじゅぽじゅぽされたい」
勇者「道具でされるのもきもちよかったけどやっぱりソルのがいいっ」
勇者「これ入れたい。ねぇしよっ! しよっ!」
勇者「ボクとしよ!?」
突き入れるペースをあげるとユッカあからさまに余裕をなくして、俺を求めはじめた。
ヒーラちゃんの様子を伺うと彼女は若干呆けた顔で優しく笑って頷いた。
傭兵「ごめん。ユッカもう限界みたいだから先にするな?」
僧侶「きもちよくしてあげてください。ユッカ様のレベル上げですから」
勇者「はっ、はっ、は…ごめんねヒーラ。ボクもう我慢できないっ♥」
勇者「アソコがうずうずして耐えられないの」
勇者「あついよ…あついよぉ…おねがいはやくしてぇ」
勇者「おちんちんっ」
2人の膣内から指をひきぬき、
ユッカの肩をつかんでマットレスの上に押し倒した。
ヒーラちゃんはユッカの真横に座り込み、興味津々にことのなりゆきを見守っている。
そして俺はユッカの膣口にペニスをあてがい、
遠慮無く一気に奥におしこんだ。
勇者「ふぁぁあああっ♥」
傭兵「くっ…ぅ」
勇者「はぁぁ…♥ おちんち…んっ」
勇者「おっき…ひっ♥」
僧侶「ですねぇ」なでなで
勇者「んぅヒーラはずかしいよぉ…みないで」
僧侶「ユッカ様がかわいくあえぐところもう一度みせてくださいね」
傭兵「動くぞ」
勇者「うん…」
ゆっくりと律動を開始する。
ユッカのとろけきった膣内がくいつくように俺のペニスを迎え入れ、
きゅっと締め付けながら快感を与えてくる。
さきほど指で2人の中をさわりながら比べてみたが、指先でなでるだけではよくわからなかった。
しかし実際にペニスを挿入するとやはりその発育具合の差は顕著に思える。
勇者「ふぁっ、あぁっ、あんっ♥」
勇者「そこぉ…すきだよぉ」
ずちゅ ずちゅ ずちゅ
ずちゅ ずちゅ ずちゅ
ユッカの膣内はヒーラちゃんほどざらついていない。
おそらくまだ内襞がそこまで発達していないのだろう。
それはつまり男性の精を搾り取る女性器としては未成熟ということだ。
そんな中に無理やりペニスを押し込んでかき回していると思うと興奮が加速する。
ずちゅずちゅずちゅずちゅ!
勇者「うあうっ♥ ふぁぁあ、あんっ、あっ!」
勇者「おくのほう…もっとぉ」
勇者「じゅくじゅくしてかゆいよぉ…強くつっついてぇ♥」
どんどん激しく動いてユッカを責め立てる。
そのたびに目の前の幼い少女は矯正をあげて快楽に身を震わせた。
俺はそんなユッカとのセックスにある種の背徳感に近い感情をいつも見出していた。
護衛対象である勇者のユッカをたかがガードである俺が思う存分犯している。
そんな状況に興奮していた。
勇者「そるっ、そるっ、あんっ♥」
勇者「おくぅ…♥」
ちいさな胸の肉がふるふると揺れる。
結合部からはたくさんの愛液がこぼれ落ち、マットレスのシーツを汚していった。
僧侶「ユッカ様エッチなお顔…」
僧侶「きもちいいんですね…」ゴク
僧侶「ほらぁよだれ垂れちゃってますよ」
僧侶「こんなに情けないてろてろのお顔になってしまうなんて…」
僧侶「ソル様に抱かれるのが本当に大好きなんですね?」
勇者「あぅ、あんっ、あんっ…す、すひっ、好きぃ…!」
僧侶「いっぱいイキましょうね。愛液ぴゅっぴゅしながら、ソル様に精液だしてもらいましょうね」
ヒーラちゃんは興奮を煽るような言葉を続けて、ユッカの頭をなでつけていた。
次第にその手はユッカの胸元に移動し、ピンと立った乳首をいじめはじめる。
勇者「あっ、らめっ、そっちもされると…ああぁん」
勇者「ヒーラだめだってばあ♥」
勇者「んっ、んっ…」
ユッカの乳首を指でこすりながらきゅっと持ち上げてすぐさま離す。
そのたびに膣内が同調するようにきゅっと締まった。
最初は抵抗していたユッカだが、いたずらなヒーラちゃんに何度も繰り返される内に諦念し、あとは快感に耐えるだけになった。
ずちゅずちゅずちゅずちゅ
ずちゅずちゅずちゅずちゅ
ずちゅずちゅずちゅずちゅ
ずちゅずちゅずちゅ
淫猥に響く音がさらに激しくなる。
お互いの興奮は昂ぶり、いよいよ限界が近くなっていた。
傭兵「はっ、はっ、…ユッカ」
勇者「きて…きて…♥ ボクのなかでっ」
傭兵「ユッカ…!」
僧侶「…」ゴク
ずちゅずちゅずちゅずちゅ
ずちゅずちゅずちゅずちゅ
激しく突き入れると膣内たっぷり溜まった愛液がぴゅるぴゅると押し出されて2人の間からはじけとぶ。
膣奥が甘く食いついて俺の射精を促す。
勇者「イクっ…イクッ…! イグッ♥」
勇者「お、おおっあああっ、あああっ♥」
勇者「ボク…イっひゃ♥ イ…――ク」
勇者「あぁぁああ~~~!!!♥♥♥」
最後に強く子宮口にペニスを押し付けると、ユッカの膣は激しく収縮を繰り返して絶頂を迎えた。
俺もそれによって与えられる快楽に耐え切れず、大量に精液をユッカの奥で吐き出した。
勇者「イっちゃった…」
勇者「えへ…こんなに出てるぅ…」
勇者「ボクのおまんこきもちよかったんだ…えへへ」
ペニスをひきぬくと結合部からドロリと白濁液がこぼれおちる。
ユッカはそれを少しだけ手に取りくんくんと匂いを嗅いだあと、指を口でくわえて舐めとった。
勇者「ソルの味…♥」
勇者「ありがとー…」
傭兵「はぁ…また出してしまった」
自制しようとしてもこらえきれず膣内で繰り返し出してしまう己の甘さに内省していると、ちょんちょんと肩を誰かにつつかれた。
傭兵「…? あっ…」
僧侶「…♥」
そこにはヒーラちゃんがなにかをねだるような上目遣いでこちらを見つめていた。
顔は朱に染まっていて、雰囲気がどこかもじもじとしている。
ずっと2人の行為を側で見ていた彼女はすでに我慢できなくなっているようだ。
僧侶「次は私…ですよね?」
傭兵「……」ゴク
そうしてヒーラちゃんに優しく手を取られ、俺の二回戦がはじまった。
第16話<強くなりたい!>つづく
更新おわり
次回は木曜日夜予定
第16話<強くなりたい!>つづき
勇者「ヒーラにしてあげて」
傭兵「いいんだな…?」
勇者「うん♥」
傭兵「わかった…」
勇者「ヒーラも…おちんちんほしいよね…? ほしいでしょ?」
僧侶「…で、でもほんとうに良いのですか?」
勇者「うん…♪ ソルがもうとっくにボクだけの物じゃないってことくらいわかってるよ」
勇者「さぁ…ここだよソル」
先ほど絶頂に達したばかりのユッカはどこかぼんやりした目つきでヒーラちゃんの身体を背後から抱きしめる。
そして肉づきの良い下半身へと手を伸ばし、あろうことかヒーラちゃんの恥部を指先で大きく広げて俺に見せつけた。
僧侶「ひゃっ!?」
開かれた膣口でとろりと粘液の糸が左右に伸びる。
ユッカは満足気に目を細めた。
勇者「ほら…ヒーラこんなに濡れちゃってる…♥」
僧侶「ゆ、ユッカさまぁ…」
勇者「抵抗しちゃだめ。さっきのお返しだよ…えへへ」
勇者「ねぇソルみてみて…ここがヒーラの」
勇者「お ま ん こ ♪」フー
僧侶「はぅっ。何を」ビクッ
勇者「ひくひくしてるねぇ…ソルのおちんちんがほしくてほしくてたまらないんだね」
僧侶「…は、はずかしいです」
勇者「ヒーラ可愛いなぁ。はむ」
勇者「えへへ。照れるキミを見てるとなんだかボクも恥ずかしくなってきちゃったよ」
勇者「ねぇ、入れてあげて…?」
僧侶「…」ゴク
おもわぬユッカからの反撃に意表を突かれたヒーラちゃんは、気もそぞろに俺に視線を投げかける。
俺は小さく頷いたあと彼女のふとももを掴み、開かれた膣口に再びそそり立った自身をあてがった。
勇者「ヒーラ、ちょっと痛いかもしれないけどがまんだよ?」
勇者「よかったねぇ。ヒーラもこれで…おとなだね」
僧侶「…」チラ
ヒーラちゃんは意味ありげに俺をみて口元だけで小さく微笑む。
そう、俺達は先日すでに身体を重ねている。それも一晩のうちに何度も。
正直ユッカには切り出しづらい話題だと思っていただけに、こうして公認の元で行為をおよべるなら今後の後腐れは少ないだろう。
傭兵(しかし今このユッカが正気ならな…)
勇者「えへへへ…ヒーラおちんちんいっぱいぱくぱくしようね」
勇者「なかにびゅーって出してもらおうね…すっごくきもちいいんだから」
淫魔の呪いの効果だろうか。
普段の様子からは考えられないその振る舞いは、明らかに常軌を逸している…ように見えた。
傭兵(明日の朝になってぶっ殺されたらどうしよう…)
俺はそんな不安をかかえながらも今は目の前に集中することにした。
ペニスの先で陰唇をかきわけゆっくりとアソコの中に埋めていく。
ちゅぷ…
僧侶「んっ…あっ」
経験済みなだけあって、もう痛みは少ないようだ。
たっぷり濡れたヒーラちゃんの膣内はすんなりと俺を受け入れ、さらに奥へと導く。
そして膣の奥の奥、子宮の入り口に俺のカリ先がちょんと触れるまでペニスを深く突き入れた。
僧侶「あぁぁあっ♥」
勇者「…! ヒーラっ、おめでとうっ…」
勇者「よかったね…ヒーラのだいすきなソルのおちんちんだよ…」
勇者「痛くない?」なでなで
勇者「力ぬいたほうがいいよ。リラックスリラックス」
勇者「おおきく深呼吸して~はいて~」
すっかり上級者気分でアドバイスを送るユッカに俺たちは苦笑しつつ、本格的に行為を開始した。
ずちゅ ずちゅ ずちゅ
ずちゅ ずちゅ ずちゅ
僧侶「あっ、あっ、ああっ、ソルさまぁあ」
僧侶「んっ、んぅっ、あっ、ひ…あっ♥」
一回一回突き入れるたびにヒーラちゃんの大きな胸が弾む。
ユッカはそれを興味深そうに眺め、ときどき手にとりピンク色に染まった先端を弄んだ。
僧侶「あぁあんっ、だめですよお」
勇者「おっきいよねぇ…ゆっさゆっさ。ボクの手じゃつかみきれないよ」
勇者「ヒーラのおっぱい…おいしいかな? はむ♪」
僧侶「いやああんっ、だめですったらぁ」
勇者「え~、緊張をほぐしてあげようとしてるのにぃ」
勇者「あむっ、ちゅ…ヒーラの乳首、ぴーんって立ってるよ」
勇者「ソルにおまんこずんずんされて気持ちいいから? いたくなぁい?」
僧侶「んっ、んっは、あっ♥」
勇者「そっか。きもちいいんだね」
傭兵「あんまりいじめてやるなよ」
勇者「ボクもいっぱいいぢめられたもーん」
勇者「ソルは腰動かしてればいいの!」
傭兵「お、おう…」
なんだかこれだとユッカに命令されて、セックスをさせられているようだ。
それはそれですごく興奮するのだが、やはり愛の確認はふたりきりでするものだなと俺は実感した。
ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん
ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん
肉づきのよいヒーラちゃんは激しく腰をぶつけるとそのたびに肉の弾ける小気味良い音がした。
正常位で奥までしっかり突くにはこうするしかない。
愛液も勢い良くとびちり、俺の陰部周辺をべたべたに汚していく。
傭兵(やっぱこの子は…エロい体してるなぁ)
ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん
ぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅん
僧侶「あぅ、あんっ、あん…あっ…はうっ」
勇者「ヒーラ~、きもちいいね?」
勇者「ヒーラのじゅくじゅくおまんこがいまソルのおちんちんでかきまわされてるんだよ」
勇者「どう? かたいでしょ? ふといでしょ? きもちいいでしょ?」
傭兵(なぜお前が自慢気なのか)
僧侶「くぅっ…♥ んっ♥」
勇者「ほら、もっと激しくしてあげて」
勇者「痛くないみたいだし、こんなにほしがってるんだから遠慮しちゃだめだよ」
勇者「ヒーラのおまんこの中でおもいっきりきもちよくなっていいよ」
傭兵「はい」
言われるがままに俺はさらに激しく腰を振った。
ヒーラちゃんの顔がどんどん真っ赤に染まっていき、絶頂がまもなく訪れるだろうことが伺える。
傭兵(感じやすいんだな。良いことだ)
ヒーラちゃんの膣はユッカとくらべて内部の襞がおおきく発達しており、ざらりとした感触でペニスを撫でてくる。
さらに濡れやすくじゅくじゅくとしているので挿入するだけでとても暖かい。
ユッカの未発達で全体的につるんとした幼い膣内とはまた違った味わいがある。
端的に言えばとてもエロい膣をしていると思う。
そして行為の最中の彼女の仕草、蕩けた表情、甘い嬌声といったものも俺のリビドーをさらに掻き立てる。
ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん
ぱちゅん ぱちゅん ぱちゅん
ぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅんぱちゅん
傭兵「…うっ、く。ヒーラちゃ…ぁ」
僧侶「あぁんっ、あんっ、やぁぁあ♥ ああんっ♥」
僧侶「らめれすっ、そこぉ…あああっ、んっ♥ そこはぁ…♥」
僧侶「奥は…よわくて…ぇ、あぁぁん♥」
ヒーラちゃんは側でユッカに見られていることなど忘れてか、淫れに淫れまくっていた。
彼女はさらなる快感を貪欲にもとめて自分から腰を前に突き出して、激しくお互いの性器を重ねあう。
子宮の入り口に何度もしつこくペニスの先をぶつけ、カリで奥に溜まった膣液をごりごりと掻きだす。
ヒーラちゃんはその度に熱い息をもらして、半泣きになりながらいやらしい声をあげた。
性器がドロドロに溶けそうなくらい熱くまぐわりあい、いよいよ絶頂の時を迎える。
俺は登ってきた快感に声を我慢できず、小さく唸ってからヒーラちゃんの膣奥に欲望を吐き出した。
連続した二度目の射精にもかかわらず、ペニスは何度も脈打ち大量に精液を注ぎ込んでいく。
僧侶「あぁぁあ! あぁぁあ! んぁあ~~!!?♥♥♥」
僧侶「あ~っ、イって…!? ああっ、イッ!♥ イッちゃ…っくぅ♥♥」
僧侶「あんっ、あんっ、ああぁ♥♥」
ヒーラちゃんはユッカに頭を何度もなでられながら絶頂を迎えた。
勇者「あーヒーラきもちいいねぇ」
勇者「うんうん。わかるよ、頭まっしろでしょ?」
勇者「あーあこんなによだれでちゃって、だらしないなぁ」
勇者「中でいっぱい出してもらえた?」
傭兵「はぁ…はぁ…」
ずぬぷっ
びくびくと痙攣する膣内からペニスをひきぬくと、2人の交じり合った真っ白な体液がどろりと外へ溢れでた。
勇者「うわぁ…ほんとにいっぱいでたね」
勇者「ヒーラのおまんこ…そんなにきもちよかったんだ…?」
傭兵「…」
僧侶「ぁ…ぁ…えへ、えへ」
僧侶「ソルさま…きょうもすてき…でひた♥」
勇者「…ヒーラがすごくエッチだ」
すっかり蕩けきって放心したヒーラちゃんの身体を布で拭い、後始末をはじめる。
するとユッカが口を尖らせてまた俺にしがみついてきた。
傭兵「な、なんだ?」
> 僧侶「ソルさま…きょうもすてき…でひた♥」
今日も… あっ!(察し)
勇者「もうおしまいとか言わないよね?」
傭兵「な!? 何言ってんだ」
勇者「2人のエッチみてると…またボク、うずうずしてきちゃった…?」
傭兵「しるかっ、1人でして寝ろ!」
勇者「ちゅっ」
淫気に抗えない少女が無理やり俺の唇をうばい、唾液をからませ
ちゅぱちゅぱとわざと音を立てて、俺の理性を揺さぶってきた。
傭兵「お前なぁ」
勇者「しよ…♥」
勇者「ヒーラとのエッチ、すっごく激しくて…嫉妬しちゃった…」
勇者「ねぇねぇ。まだできるでしょ?」
傭兵「無理、無理」
勇者「うそばっかり…自分の下みてみなよ」
傭兵「…ん?」
そこには勇ましく臨戦態勢に入った愚息がいた。
おかしい…こんなに連続で大量に出して、なおもたぎっているなんてありえない。
ふと側に小さな瓶が転がっているのを見つけた。
その見慣れた容器のデザインは、マナがバザで夢中になって研究していた怪しい薬が入っている物と瓜二つだった。
傭兵「お、おいこれ」
勇者「…マナのつくったお薬は優秀だね…♪」
勇者「なんの味もしなくって、すぐ効き目がでるんだもん…くすくす」
傭兵「まさかいまお前が俺にキスしてきたのは…」
言いかけた直後、頭がボウっとしてくる。
気づけばユッカを抱きしめていて、もういつでも挿入できる体勢になっていた。
勇者「んもうエッチぃ…くんくん」
勇者「えへへ…経験値ちょうだい…♥」
勇者「まだまだいっぱいエッチな事しようね…♥」
勇者「目標はレベル20なんだから!」
そして俺は今夜もユッカのレベルアップに長く付き合わされる羽目になった。
▼勇者はレベル18にあがった。
第16話<強くなりたい!>つづく
更新おわり
次回本日中
乙です
第16話<強くなりたい!>つづく
<翌日>
【霊山・中腹】
勇者「滝の音がする」
傭兵「そうだな。地図によればこの辺りだが…」
勇者「アジトだっけ?」
傭兵「そう。滝の裏が入り口になってるって盗賊団のメンバーから聞いた」
勇者「へぇー。そこでちょっと休憩できるかな?」
傭兵「そうだな。ベッドくらいはさすがにあるだろう」
傭兵「ところでお前」
勇者「?」
傭兵「…膝に乗るのやめねーか。いい加減暑いし、馬操りづらいし」
勇者「…」ピトッ
傭兵「おい!隣に座れって」
勇者「…ちぇっ。わかったよ。ソルのケチ」
傭兵(最近遠慮がないな…)
勇者「こうして馬車がゴトゴトしてる間にも経験値稼ぎできたらいいのに」
傭兵「な、中でしてこい。ヒーラちゃんがいるだろ」
勇者「やだよ! だってヒーラとすると一方的なんだもん!」
勇者「ボク…ソルがいいな…?」
傭兵「…御者台の上は危ないからダメだ」
勇者「港町につくまでに20…あと2レベル…」
傭兵「無理だな」
勇者「うわっそんなきっぱり!」
傭兵「俺だって疲れるんだぞ。男には必ず底があるんだよ」
勇者「底?」
傭兵「…」
勇者「あーっ、出なくなっちゃうってこと?」
勇者「だよね。あんだけ出したら…疲れちゃうよね」
勇者「最後のほうなんてお薬どれだけ飲ませてもぴっぴっってくらいしか」
ごちんっ
勇者「い゛だっ! ひどい!」
傭兵「昼間からする話か」
傭兵「そんなに経験値が稼ぎたければ、中行け中」クイッ
勇者「え~~…」
傭兵「ヒーラちゃんのこと嫌いなのか?」
勇者「そんなことないよ…大好きだけど…ソルに対しての好きとは違うもん」
傭兵「ヒーラちゃんは性別関係無しにユッカのこと愛してるよなぁ…まさに溺愛だ」
勇者「でもそんなこと言いながらヒーラはソルのことも」
勇者「セックスしちゃうくらい大好きだし」
傭兵「な、なんだそのジメッとした目は」
傭兵「ええと、昨夜はだな、お前がしてあげてとか言うから」
勇者「呪いのせいであんまり覚えてない」
傭兵「うそつけ」
勇者「でも別に怒ってないよ。今までどおり、ボクにもしてくれるでしょ?」
勇者「これからソルはヒーラとときどき一緒に寝ることもあるだろうけど、ちゃんとボクのことも…抱っこしてね?」
傭兵「あぁ…贔屓なんてしないから」
勇者「約束だよ? ボクが呪いに冒されてうずうずしてる日は、例えどんな事情があろうとボクとすること」
傭兵「それ頷きたくねぇな」
勇者「キミはボクのガードなんだからいうこと聞いてよ」ギュー
傭兵(ガードってなんだっけ…)なでなで
勇者「くふふ」
【荷馬車】
魔女「説明を」
僧侶「…」
魔女「説明を。なぜ私の物を勝手に使ったのか」
僧侶「ごめんなさい」
魔女「今朝ユッカの臭いが染み付いた4号を見つけた時、私がどれだけショックを受けたか」
僧侶「申し訳ありません」
妖狐「なんじゃ4号って」
魔女「…この箱を見て」スッ
妖狐「なんじゃこれは? すけべ用のこけしか? いっぱいあるの」
魔女「サイズが小さい順に1号、2号、3号」
魔女「そして昨夜無断で使用され穢された4号…。最後にこれが大きい5号」
魔女「全部未使用だったのに」ゆさゆさ
僧侶「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいゴメンナサイ」
妖狐「こんなでっかいのが、あの娘の中に入ったのか?」
僧侶「入っちゃいました!」
魔女「入っちゃいましたじゃない。反省して」
僧侶「だってユッカ様のレベル上げに必要だったんですよ!」
僧侶「そうなのです、ユッカ様を愛するために…私にもおちん…この立派な物が!」
魔女「……。ならもうあなたにあげる」
僧侶「えっいいんですか?」
魔女「いまさら4号を自分で使おうとは思わない」
僧侶「そうですか…でもマナちゃん」
魔女「?」
僧侶「未使用と言ってましたけど、ということはまだ1号とやらも使ってないんですよね?」
魔女「……そ、そう」
僧侶「これ、ちょうど私の親指くらいの細さですけど」
僧侶「もしかしてこのサイズ、入らないんですか?」
魔女「…!」
魔女「あなたには関係ない」
僧侶「ですね! でも、ソル様の大きさは…ちょうどこの4号と同じくらい…」
僧侶「…よりすこしおっきいかも? くすくす」
僧侶「ってサイズなので」
魔女「……」
僧侶「どうしましたか? あれれ、額からこんなに汗がでちゃって珍しい」
魔女(たしかにこの前洗い場でさわったときすごく大きかった)
魔女(あれは…最悪お腹がちぎれて死ぬかもしれない)
僧侶「マナちゃん。これをつかってなにをするんでしたっけ?」
魔女「え…か、開発…拡張…すこしずつ」
僧侶「そうですか。まだ1号も入らないんじゃ先は長そうですね?」
僧侶「はやくはじめないと、いつまでたってもソル様を射止めることが出来ませんよ」ヒソヒソ
魔女「はう…」
妖狐(見かけによらずやな女じゃな…)
・ ・ ・
傭兵「はぁようやく着いた」
僧侶「馬車とまってますね」
傭兵「あぁ。きっと洞窟の中にいるんだろう」
僧侶「行きましょうか?」
勇者「あたりに魔物の気配なし! 行こ行こ」
【盗賊のアジト】
傭兵「中は結構広いな」
勇者「お邪魔しまーす」
僧侶「へー滝の裏側から見る景色って素敵ですね」
魔女「…こんなじめじめした場所に住みたくない」
傭兵「お前のいた森も結構肌寒くて湿ってたぞ」
隊長「おや、その声は誰かと思えば。ご無沙汰していますソル殿」
傭兵「また会ったな」
傭兵「まさかお前が来るとは思わなかったよ。街のほうはいいのか?」
隊長「あの一件依頼、本気で街を思う優秀な兵士が増えましたので」
コツ コツ
盗賊「おかげで暇をもてあましたこいつらが早々に接収しに来たってわけさ」
傭兵「お前は…」
勇者「知り合い?」
傭兵「ちょっとな」
盗賊「ちょっと? よく言うね」
盗賊「あんたに体中あちこちまさぐられて、えっぐいゴーモンされたことは一生忘れないよ」
傭兵「はっ!?」
僧侶「そ、ソル様……?」
勇者「拷問? そんなことしたの…? 嘘だよね…? ソルがそんなことするはずないよ」
傭兵「…」
妖狐「どうやら、ほんとにしたみたいじゃな」
勇者「そんな…ソルが…」
僧侶「信じられません…ううっ」
盗賊「…って冗談だよ! この通りピンピンしてるって! そんな神妙な顔すんなよ」
傭兵「あのなぁ」
隊長「はい。今回ソル殿は捕虜相手に拷問など非人道的な行為は行っていません」
隊長「すこし胸をさわったり、足をなでたり、腹をくすぐったりしただけです」
傭兵「おまっ…全然フォローになってねぇぞ!」
勇者「バカーー!」ボカボカ
僧侶「立場を利用して…最低ですね」
魔女「人間の屑」
盗賊「あんなひどいことされて…ゲロらない女なんていねーよ…ぐすっ」
盗賊「あたし、あんなことされるのはじめてだったのに!」
僧侶「あんなことって…まさか」
勇者「うわーんソルのばかばかばかスケベおたんこなす」バシバシバシバシ
傭兵「あ、頭がいたい……そこのベッドですこし横になろう」
妖狐「まわりが女だらけも苦労するの」
傭兵「お前俺が昼寝してる間に誤解といとけよ!」
隊長「善処します」
・ ・ ・
盗賊「なー全部持ちだしてくれよ」
隊長「積み荷には限界があります。今回は過去に窃盗被害のリストの物を探しに来ました」
盗賊「この家具とか食器とかさぁ使わなきゃもったいないだろぉ」
盗賊「あっ! この本帰ったらあたしの牢に差し入れてね」
隊長「なんてのんきな……あなた自分が罪人だということわかってるんですか」
盗賊「自主的に道案内したからちょっとは軽くなるんだろ?」
隊長「…そうですけど」
勇者「ねぇ。キミが…あのドラゴンの卵を運んできた人なんだよね?」
盗賊「あぁ。あんときは迷惑かけたね」
盗賊「あんたらのおかげであたしは救われたよ。ほんとにありがとう」
傭兵「それより、あの卵のことを聞かせてくれないか」
盗賊「寝てたんじゃなかったのかい。まぁいいけど…大した情報にならないとおもうよ」
傭兵「なんでもいい」
盗賊「このあたりが霊泉になってるのは知ってる?」
勇者「うん。入ってきたよ」
盗賊「あたしら盗賊団もよく入ってたんだけど」
盗賊「ある日その湯の中にでっかい卵が浸かっててさ」
盗賊「模様から魔物だってことはわかったんだけど、それがなんなのかはわからない」
盗賊「下手に動かすのも怖いし、しばらくは様子を覗ってたんだ」
盗賊「そしたらその卵、どんどんでっかくなっていってさ」
盗賊「おそらく霊泉から魔力を得ていたんだろうね」
盗賊「あたしらはそれを無理やりひきあげて洞窟の中に置くことにした」
盗賊「そしてしばらく日が経ったある日。手紙が届いてね」
隊長「その手紙とは、例の取引のものですね」
隊長「手紙の現物はどこにありますか?」
盗賊「バザでの取引の時に卵と一緒に持ってくるように書いてあって、ローブの男に処分されちまったよ」
盗賊「だからもう手元にはない」
隊長「そうですか」
傭兵「…なぜマントルドラゴンの卵がこんなところに」
傭兵「あんな化け物、この辺りに生息している種ではない」
隊長「たしかに妙ですね」
妖狐「何がじゃ?」
傭兵「普通そんなもんがポンと湯につかってるか? 何か作為的な物を感じる」
妖狐「おかしいことはあるまい」
勇者「…そっか。キュウちゃんと一緒だ」
妖狐「そうじゃ。まんとるどらごんとやらの生態はしらんが、そやつもワシと同じ目的でここに来た」
妖狐「ここは霊泉」
妖狐「古今東西傷ついたものたちが癒やしを求めて訪れても、なんの不思議もなかろう?」
傭兵「!」
妖狐「彼らもまた、遠路はるばるやってきてこの地に卵を産み落とした」
妖狐「それだけじゃろうよ」
傭兵「……」
妖狐「なにを呆けておる」
傭兵「いやそんなはずは…」
妖狐「俺がとどめを刺したはず、か?」
傭兵「! 人の心を覗くなといっただろ」
妖狐「神秘なる者共の生命力を侮っては行かんぞ」
妖狐「かくいうワシとて、殺されても死にきれん生き物じゃ」
妖狐「いやそれを果たして生き物と呼ぶかどうか」
傭兵「不死身なのか?」
妖狐「この身はいずれ死滅する。じゃがワシらの魂は時代を越え新たに転生する」
妖狐「世に災厄と呼ばれる神獣とは、得てしてそういうものじゃ」
妖狐「そうしてワシはずっと人の世を見てきた。逃れられん運命よ」
傭兵「そうなのか…」
盗賊「なんだけスケールのおおきい話をしているようだけど…もういいかい?」
傭兵「あぁ。すこしすっきりした」
盗賊「というよりも、救われたって顔してるけど」
傭兵「…ん、あぁ」
妖狐「ちょっとこい」クイクイ
傭兵「俺だけ?」
傭兵「なんだよこんな隅っこで」
妖狐「聞かれたくないじゃろうとおもったからの。気を利かせてやったんじゃ感謝せい」
傭兵「…」
妖狐「どうやらおぬしはずっと、洗い流せぬ過去が心根にひっかかっておったようじゃな」
傭兵「…」
妖狐「ゆえに、あの子龍に剣を向けるのをためらったのではないか?」
傭兵「…それは」
妖狐「ええんじゃよ」
妖狐「その剣で摘み取ってきた命もあろう。じゃがそれはおぬしが未来を手に入れるためのこと」
妖狐「時に振り返ることはあっても、立ち止まってはならんぞ」
妖狐「その腰の剣を飾りにするな」
妖狐「そして、いずれきたる運命から逃げんように」
妖狐「愛するものを救いたければ、剣を向けよ」
傭兵「お前は…未来がみえるのか」
妖狐「…ふふ、見えんよ。こんなものただの老婆心じゃ。聞き流してくれて良い」
妖狐「ワシには悩める小僧がかわいく見えての」
傭兵「小僧って…俺もう20代も半ばなんだが」
妖狐「ワシにとっては人間などすべて子のようなものじゃ」
傭兵「その見た目でいわれてもなぁ…」
勇者「ねぇなんの話してるの?」ひょこ
傭兵「おうユッカ。話はおわったよ」
魔女「こっちにおもしろいもの見つけたから来て」グイグイ
妖狐「なんじゃあ引っ張るな」
傭兵「なぁ、おいキュウ」
妖狐「?」
傭兵「ありがとう」
妖狐「…ふふん。例を言うのはワシのほうじゃ」
妖狐「その力、くれぐれも無駄にせんようにな」
傭兵「肝に銘じておくよ」
勇者「ねぇねぇねぇやっぱり内緒話? まさかソル…キュウちゃんまで口説いてたりしないよね!?」
傭兵「しないって」
妖狐「存分に口説いてええんじゃぞ。たまにはワシも若いオスを弄びたい!」
傭兵「勘弁してくれ」
第16話<強くなりたい!>つづく
更新おわり
次回今日明日のどっちかで
更新は明日
本日予定していた更新休みます
申し訳ないまた明日
第16話<強くなりたい!>つづき
【盗賊のアジト】
隊長「接収する金品は以上ですね」
傭兵「こりゃずいぶんな量だな。馬車まで運ぶの手伝おうか?」
隊長「いえ。待機中の部下に運ばせます」
傭兵「そうか。なぁこのアジトはどうするんだ」
傭兵「誰も住まないまま放っておくのか?」
盗賊「好きにしてくれよ。もうここには戻らないからさ」
隊長「特に措置はとりません。しばらくはこのままにしておきます」
妖狐「ならワシがしばらく使わせてもらおうかの」
隊長「あなたが?」
盗賊「しばらくって。お前はこいつらの仲間じゃないのか?」
妖狐「いんや。ワシはよそからこの山に湯治に来ておるだけじゃ」
妖狐「こやつらとはたまたま出おうただけじゃ」
傭兵「ねぐらが見つかって良かったな」
妖狐「うむ。ここなら雨風をしのげてちょうど良い」
傭兵「よし。ベッドは結構な数あるし今日はゆっくり寝られそうだな」
僧侶「へー。台所もあるんですか」
盗賊「っていってもその辺の木で作った手作りだよ…当然水道なんてないから山の湧き水だし」
僧侶「だけど風情があってとっても素敵なお家だとおもいます」
盗賊「そうかな…」
妖狐「ヒーラ、飯じゃ! 晩飯をつくってくれ」
僧侶「はい」
盗賊「そうだ。その辺にあるものなんでも使っていいよ」
僧侶「腕によりをかけて作りますので、盗賊さんも食べていってくださいね」
盗賊「え…いいの?」
傭兵「気にすんなって。お前もたべていくだろ?」
隊長「私ですか…? えぇここで夜を明かすつもりだったので、ではお世話になります」
傭兵「お、酒もあるじゃん」
妖狐「かなり年代物のようじゃな…」
傭兵「あとでこれも開けていいか?」
盗賊「…好きにしなって」
・ ・ ・
僧侶「ふぁう…」クラクラ
妖狐「どうした、もうおわりか? まだちびっとしか飲んどらんぞ」
僧侶「こんにゃの…らめれすよぉ」
妖狐「ほれもっとグイッといかんか!」
妖狐「にしてもこっちの酒は果実の香りが芳醇でうまいのぉ」
僧侶「ひゃうせしゃう…にゃうう」
妖狐「何言うとるかわからなんくなってしもうたな」
傭兵「あーあ。まーた酔っちゃってるのか」
勇者「ねーボクも飲みたいよ」
魔女「だめ。体に良くない。あなたは水でいい」スッ
傭兵「はいはい良くないな。だからお前らの分の酒は俺が代わりに飲んどいてやる」ゴクゴク
隊長「ソル殿、おつぎしましょう」
傭兵「お、悪いな。そういや仕事上の付き合いしかなかったからこういうのも新鮮だな」
隊長「えぇ、そうですね」
盗賊「あんたいい飲みっぷりだな。よしもう一本とっておきをあけちゃうか」
妖狐「おお、これもあけていいのか!?」
傭兵「おお開けようぜ。ヒーラちゃん、おつまみおかわり…って無理か」
隊長「簡単なものでよければ私が用意いたします」
傭兵「お前料理できたのか」
隊長「あたりまえです。花嫁修業は積んでいますので」
盗賊「貰い手なさそうだなー」
隊長「あなたが言うことか! ソル殿は何がお好みですか?」
傭兵「じゃあ玉ねぎの串焼きでも」
盗賊「あぁそれいいね。じゃああたしも」
隊長「わかりました」
勇者「う~~っ。大人だけで盛り上がってずるい」
僧侶「ゆっかひゃまぁ♥」ぎゅむっ
勇者「う…ヒーラお酒の臭いする」
僧侶「ゆっかさまぁ…わたしとあそびましょうよぉ」
勇者「ボクだけ酔っぱらいの相手なんてやだよ~~っ」
魔女「…ねえ」チョンチョン
傭兵「おう?」
魔女「お風呂入りたい」
勇者「あ、うんボクも!」
傭兵「風呂か…ドラム缶使うなら滝道に停めた馬車までもどらなきゃダメだぞ」
魔女「それはめんどう」
盗賊「ならあたしたちがよく使ってた天然温泉にあとでいかないか?」
妖狐「おっ、それはもしや霊泉か!?」
盗賊「かどうかはわからないけど…良いお湯だよ」
妖狐「よしつまみができたらそれと酒を持ってみんなで行くぞ」
僧侶「はぁ~~~い♥」
勇者「ヒーラ大丈夫かな…お水のませたほうがいい?」
隊長「二次会はそちらで? 楽しそうですね」
傭兵(俄然いやな予感がしてきた)
傭兵「まて、そこは…仕切りがあったりするか?」
盗賊「なにをいってんのさ。天然温泉って言ったろ」
傭兵「いやお前ら盗賊団が使ってたとか言ったから…」
盗賊「あるわけないだろ」
傭兵「そういうことなら俺は遠慮して…」
妖狐「こやつ。無理やりひっぱらんとついてこんぞ」
隊長「ソル殿と…こ、混浴ですか? それはちょっと…」
傭兵「なぁ、まずいよな!?」
隊長「え、ええ…」
盗賊「ふぅ~ん。あんたら理性が吹っ飛ぶまでベロベロに酔わせてやろうか?」
僧侶「そるさまもいっしょに行きましょうねぇ」ぎゅむっ
勇者「あっ、ヒーラだけずるい」ぎゅむっ
魔女「お風呂いこ」くいっ
傭兵「あぁぁやめてくれぇえ」
盗賊「なるほど。そうすれば良いんだな」
【天然温泉】
盗賊「ここだよ。案外近いだろ?」
妖狐「おお! わずかながらではあるが霊気を感じるぞ。ここも霊泉に間違いない」
隊長(結局来てしまった…)
傭兵(無理やり連れて来られてしまった…元同僚と風呂はさすがに気まずいだろ)チラッ
隊長「う…ソル殿、よろしいのでしょうか」
傭兵「よろしくない」
隊長「ですよね…しかし」
勇者「わーいお風呂ー」するする
魔女「…」ぬぎぬぎ
僧侶「ユッカさま待ってくださいちゃんと畳まなきゃだめですよ」
隊長「あなたのお仲間はずいぶんと…開放的な方のようで」
妖狐「ここ数日の慣れじゃな」
隊長「慣れとは…まさかあの少女たちと裸の付き合いを…?」
妖狐「くく…そのまさかじゃ」
傭兵「こら余計なことを言うな」スコン
盗賊「あんたら早く脱ぎなよ。服来たまま入る気か?」
傭兵「う、うわっ」
盗賊「…? なに驚いてんの」
傭兵「男の前だぞ! 何気軽に脱いでんだよ!」
隊長「そ、そうです」
盗賊「はぁ…風呂ごときで裸を見ただの見られただの、そんなこと考えてるなんてやらしいやつらだね」
隊長「なっ」
盗賊「だってそうだろ? 頭ン中スケベなんだよ、はは」
妖狐「そうじゃそうじゃー言ったれー」
隊長「くっ…言わせておけば」
隊長「ソル殿。私のことなど気にせず脱衣してください」
傭兵「おいおい。お前のほうはどうなんだよ」
隊長「べ、別にソル殿になら多少見られてもかまいません」
隊長「情けない貧しい体ですが、笑わないでくださいね…?」
こうして俺達は裸の付き合いをすることになった。
小さな丸い温泉にみんなで浸かった。
湯の真ん中に浮くいくつかの盆には持ち込んだ酒やつまみがたくさん乗っていて、皆思い思いに手にとって口へと運んでいる。
隊長「意外と…入ってしまえば気になりませんね」
盗賊「だろ?」
隊長「それにしてもソル殿は…気の多いお方なのですね」
傭兵「はぁ!?」
隊長「意外でした。もっと硬派で一途な方かと…思ったのに」
傭兵「お前は何を言っているんだ」
勇者「ソルあ~ん。食べて~」
僧侶「ソルさま、私のお酒のんでください」
魔女「たまには肩でもたたいてあげる」べしっべしっ
隊長「そんな状況じゃ言い訳できませんよ」
傭兵「これは俺のせいなのか?」
妖狐「おぬしでないなら誰のせいなのじゃ?」
隊長「まぁ…英雄色を好むともいいますし…」
隊長「私はなんとも思いません」
盗賊「納得してない顔してるけどなー」
隊長「うるさいっ」
勇者「たまねぎ~」ぐにっ
傭兵「わかったから押し込んでくんな。はぐっ」
勇者「おいしいね~。これならボクでもつくれるかなぁ」
魔女「…」べしっべしっ べしっべしっ
傭兵「なぁお前はさっきから何をやってるんだ」
魔女「肩たたき」べしっべしっ べしっべしっ
傭兵「普通グーでやらないか? 叩かれると痛いんだけど」
魔女「そうなの?」とんとん
傭兵「あぁそうそう…そんな感じで」
魔女「わかった」
僧侶「んくんく♪」
傭兵「君はもうやめておきなさい。没収」
僧侶「あっ、取っちゃやですっ!」
傭兵(開放してくれ…)
妖狐「心のなかでワシに助けを求めてもダメじゃぞ」
妖狐「もっと素直に喜んでおけばええものをこの男ときたら意気地のないことよ」
サキュバス「ほんとよね。なっさけない」
妖狐「人間など終わってみればなんとも短い命じゃ。ワシはもっと本能のままに生きることを勧めるぞ」
傭兵「へいへい。そうさせてもらいますって。ありがてーおことばだよ」
妖狐「そういうところが小童なのじゃ…」
サキュバス「あっちのほうは立派な大人だけど♥」
妖狐「ところでおぬしはだれじゃ?」
サキュバス「うふふ」
傭兵「おわっ!! てめぇ!!」バシャッ
隊長「ひゃっ、ソル殿…前がっ」
勇者「なんでキミがいるの?」
僧侶「ふぁあぁ…ってあなたは淫魔!」バシャッ
魔女「…」
サキュバス「なんで身構えるのよぉ…なにもしないってば」
勇者「何しに来たんだ」
サキュバス「なにしにって…宴会に混ざりに来たんだけど?」
サキュバス「こんな楽しそうなことしてるのにあたしを呼ばないなんてどういうつもり?」
勇者「だってキミ敵じゃん」
サキュバス「そうやっていつも除け者にしてひどい子!」
勇者「どうしよう、武器なんてもってきてないよ」
僧侶「私もです…」
妖狐「まぁええじゃろう。害意はないようじゃし」
サキュバス「そそ♪ おいしそうな匂いにつられて迷い込んできた動物とでも思っといて」
隊長「あの、そのせつはおせわになりました」ペコ
サキュバス「ん? なにが? ていうかあなた誰」
隊長「バザでのドラゴンじへんでお力ぞえをしてくださったと、住民のうわさでしりました」
隊長「ありがとうございまひた」
サキュバス「あぁ~そんなこともあったわね!」
サキュバス「んじゃお礼はこのお酒で♪」
隊長「は、はい」
傭兵「おーいそいつ魔物だぞ。ちゃんと尻尾見ろ、角も」
盗賊「こいつもう酔ってるから無理だよ」
傭兵「…にしても」
サキュバス「なによ? あたしに文句あるの?」
傭兵「いや…あるっちゃありまくりだが」
傭兵(こいつ、よく見りゃヒーラちゃんと同じかそれ以上にあるな…)
妖狐「こいつ、よく見りゃヒーラちゃんと同じかそれ以上にあるな…」
傭兵「お前つまみにすんぞ!!」がしっ
妖狐「がうっ、やめんか」
僧侶「もうっ、ソルさまのエッチ!」
勇者「さいてーさいてーさいてー。淫魔相手になに考えてるのキミ」
魔女「…」べしべし!
サキュバス「そっかぁ。あたしのことが好きだったかぁ」
サキュバス「ごめんねー? あたしがもらっちゃおうかなぁ」
勇者「うわーん」
傭兵「ユッカ落ち着け」
勇者「やだよーーーソルのバカーまぬけちんちん」
傭兵「…なんて幼稚な。こいつはほっとこう」
傭兵「ヒーラちゃんほんと違うんだよ信じてくれるよな?」
僧侶「…♥ 真面目な顔してやっぱりおっぱいが好きなんですね。うふふかわいい」
傭兵「あっ…だめだ酔ってる」
傭兵「あとマナもそろそろやめてくれ」
魔女「…」べしっ
魔女「あなたは差別主義者」
傭兵「は? 何を言い出すんだいきなり」
魔女「たとえ胸があまりふくらんでいなくても女性は女性。あなたはたった一言で私とユッカを怒らせた」
傭兵「そんなつもりは全くないぞっ!」
勇者「え? なんでボク?」
魔女「…え」
傭兵「こらやめろ」
サキュバス「そうねぇ。おチビの場合は"無"だもんね」
サキュバス「一応少しはふくらんでるこの子と同じ括りにするのは失礼よね…くすくす」
勇者「うあっ、さわるな淫魔!」
むにょん…
魔女「…!!」
傭兵「おい余計な挑発すんな。ほんとやめてくれ…」
魔女「私は…無い」
魔女「私は…ユッカ以下だった…?」
妖狐「気にしちゃいかんぞ。ぺたんこでも困ることはない。むしろ服を着る時ひっかかりが無くて便利じゃ」
傭兵(あぁもう最悪)
魔女「……」ぷくぷく
魔女「もういい…私はあぶくになって消える。さよなら」
傭兵「マナ…溺れるぞ。浮かんでこい」
魔女「…」ぶくぶく
傭兵「おーい…そろそろ苦しいだろ」
魔女「…」ぶくぶく
傭兵「お前はまだ成長期だから。これからこれから!」
魔女「…」ざぷ
傭兵「ほら、一緒になにかたべよう」
魔女「すぅーーー」
魔女「…」ぶくぶく
傭兵「…こいつ」
勇者「ほっとこうよ。マナの気が済むまでそうしたほうがいいよ」
傭兵「ユッカ、お前友達だろ」
勇者「だって…これはボクにはわからない悩みだからさ、ふふ、ふふ」
傭兵「ときどきひどいよなお前…つーか男目線だとたいしてかわんねーよ。一緒だろ」
勇者「…え」
勇者「か、かわるよ! だってほらボクみてよ!」
傭兵「まじまじ見て悪いが、どうみても大差ないだろ…なぁヒーラちゃん」
僧侶「ふぁい?♥」ふるんっ
勇者「……」
・ ・ ・
勇者「…」ぶくぶく
魔女「…」ぶくぶく
傭兵「おおいあがってこい!! のぼせるぞ!」
傭兵「いい加減にしろ!!おい!! めんどくせーな!!」
盗賊(やっぱ最低な奴だな)
隊長(失望しました)
第16話<強くなりたい!>つづく
更新おわり
次回本日中
最近滞りがちなので頑張ります
第16話<強くなりたい!>つづき
サキュバス「ふぁ~~あ。そろそろお開きにしましょ~?」
傭兵「そうだな…」
傭兵「ってなんでお前が仕切ってる」
サキュバス「だって周りみてみなさいよぉ」
傭兵「…全員ぐったりしてんな」
サキュバス「それにあたしも眠たくなっちゃった」
サキュバス「うとうとしてるところをあんた達にズバッと襲われたらおっかないし、グッナーイ」パタパタ
傭兵「…はぁ」
勇者「う~ボクののろいといてけばかー」くらくら
傭兵「お前体真っ赤になってるな。もう湯潜りなんてバカなことはするんじゃないぞ」
勇者「元はといえばソルのせいだから! ボク帰る」
傭兵「そんじゃひきあげるか」
勇者「よいしょ、ヒーラいくよ」
僧侶「ふぇうらうあうへ、あうにゃう」
勇者「……あーうんうん何言ってるかわかんないから。体拭いて服着ようね」
勇者「もうあんまり調子乗ってお酒のまないほうがいいよぉ…」
盗賊「ほらいくよ肩持って」
隊長「む…う…はう」
盗賊「やっぱ慣れない奴が風呂の中で酒飲むのはよくないね」
隊長「面目ない…です」
妖狐「どれワシが介抱してやろう。穴蔵に帰るぞ」
傭兵(あっちは任せるか…)
魔女「…」うとうと
傭兵「湯あたりしたか?」ピトッ
魔女「……へいき」
傭兵「体自分で拭けよな?」
魔女「…うん」ふらっ
傭兵「あーあーあー。危ないな」
傭兵「俺が連れて帰ってやるから、とりあえず体拭けな」
魔女「着た」
傭兵「よっし。行くか。ほら背中乗れ」
魔女「…」ぎゅ
傭兵「お前軽いなぁ。もっと食べろよ」
魔女「あんまりお腹減らない」
傭兵「成長期なんだからたくさん食べて体動かせ」
魔女「そうしたら。大きくなる?」
傭兵「ま、まだ気にしてたのか。あれはだな…言葉のあやというか…なんというか」
魔女「背の話」べしっ
傭兵「うっぐ…すいません。なると思うけどな」
魔女「あと20センチくらいほしい」
傭兵「うーんそれは…うーん。なんで20センチ?」
魔女「それくらいないとあなたの隣にいられない」
傭兵「そんなことないぞ…。ユッカだって小さいし、ヒーラちゃんだって背は平均くらいしかない」
傭兵「それに縦に伸びたマナはあんまり想像できないな。いまのままでもいい」
魔女「だけどもうすこし私の体が大きれば…」
傭兵「…?」
魔女(あなたとすぐにでもセックスができたのに)ぎゅっ
【盗賊のアジト・寝室】
盗賊「この部屋あんたが使ってくれ。ちょっと埃っぽいけどな」
傭兵「サンキュ。ゆっくり寝させてもらう」
盗賊「んじゃおやすみ」
勇者「ヒーラボクたちはあっちの部屋だよ~」ずいっ
僧侶「はうにゃう…へう」
傭兵「ユッカ、頼んだぞ…」
勇者「う、うん…キュウちゃんが酔いに効くお薬つくってくれるからそれ飲ませとくよ」
傭兵「おやすみ」
魔女「おやすみ」
勇者「おやすみー! あれ、マナ」
魔女「…?」
勇者「今日そこで寝るの?」
魔女「…」コクッ
傭兵「あ、そうなの? あれ、部屋他にもあまってるよな」
魔女「ここで寝る」
傭兵「じゃあ俺が別の部屋に」
魔女「…!」ぐいっ!
傭兵「はい…わかったから…どこにも行きません」
傭兵「つーわけだ。明日はここを発つからちゃんと起きろよな」
勇者「はぁい」
僧侶「…zz」
勇者「重いよヒーラ…ちゃんと自分の足で歩いて」ずりずり
傭兵「さて…」
魔女「頭拭いて」
傭兵「お前魔法で乾かせるだろ。ほらいつもやってる微風と熱の複合した奴」
魔女「…」のそり
傭兵「お、おい…」
マナはあぐらをかいていた俺の膝の上に湯上がりで温まった身体を寄せ、持っていたタオルを差し出した。
傭兵(やけに甘えてくるな…)
魔女「…」ジー
傭兵「わかったわかった。拭いてやるから」
わしゃわしゃ
わしゃわしゃ
魔女「…」
傭兵(髪の毛ほそいなー。濡れてるときらっきらだな)
傭兵(俺がいうのもなんだが、一体どこの生まれなんだろうな)
傭兵(こんだけ美人だと、魔導師のじいさんが過保護になるわけだ)
魔女「…」
傭兵(ほんと放っておくとほんと何もしゃべらないな)
わしゃわしゃ
わしゃわしゃ
傭兵「…なぁマナ。さっきはごめんな」
魔女「別に」
傭兵「俺もうちょっと発言や態度にはこれから気をつけるから」
魔女「そう」
傭兵「やっぱ怒ってる…よな?」
魔女「…怒ってない」クルリ
魔女「ほら怒ってない。でしょ」
傭兵(この顔じゃわかんないなー)
マナはいつものむっつりした顔で俺を見上げ続ける。
睨んでいるようにも見えるし、眠たそうにも見えるし、ぼーっとしているようにも見えるなんとも不思議な面持ちだ。
この常に一定の表情でもユッカは感情をある程度読み取れるらしいが、俺にはさっぱりだ。
ひたすらジーっと見つめられるのもなんだか気まずかったので、
俺はつい自然とマナのぷにっとした両頬を指で軽くつねり小さくもちあげた。
魔女「う…ひゅ」
傭兵「お、こうすりゃちょっと笑ってるみたいだな」
魔女「やめふぇ」
傭兵「前も言ったろー、表情を鍛えろって」
ぐりぐり
魔女「ひゃめへ」
傭兵「おもしろいな…ほらこんな顔しても可愛いぞ」
ぐいー
魔女「……う゛ー…」
傭兵「あ、今度こそ怒ってるな」
傭兵「ちゃんとこうやって表情筋を鍛えないと笑い方がわからなくなるぞ」
魔女「笑うほど可笑しいことがない」
傭兵「人は嬉しい時だって笑うんだぞ」
魔女「嬉しいこともない」
傭兵「…ん、とかいいつつ。バザではちょっとだけ笑ってただろ」
魔女「覚えてない」
傭兵「なにぃ、ほら買い物したとき」
魔女「笑ってない。そんな記憶は…ない」
傭兵「ふーん。そうかそうか…じゃあちょっとだけ寝る前にマナを特訓してやるか」
魔女「特訓…? あなたに教えてもらうことはない」
傭兵「お前は身体も硬いし、表情も硬い。いろんなところが硬いんだよ。だからほぐさなきゃな?」
魔女「……??」
傭兵「いくぞ」
魔女「なにをするの?」
俺は両手の指先でマナの薄い肌着越しの脇腹を優しくタッチした。
魔女「…っ!?」
そのままゆっくりとさすりながら身体のラインに沿って登っていく。
魔女「…ひ!」
マナは驚いた顔で目をおおきく見開いた。
魔女「な、なにを…」
傭兵「あぁそんな表情もするんだな…くくく」
傭兵「ぞわぞわするか? くすぐったいだろ?」
魔女「やめてほしい。へんな感触が」
傭兵「お前が意地になって笑わないなら、俺が無理やり笑わせてやる」
マナの不安げに怯えた表情を見て俺は悪戯心に火がつき、マナの身体のあちこちをくすぐり始めた。
こちょこちょ
こちょこちょこちょこちょ
魔女「ん…ぅ」
傭兵「お、脇の下は結構強いか? じゃあこっちはどうだ?」
魔女「…ひっ! いうっ」
傭兵「マナはお腹のほうがくすぐったいんだな」
こちょこちょ こちょこちょ
傭兵「どうだ、こうやってさわられると堪えきれなくなってきただろ?」
魔女「…っ」フルフル
傭兵「我慢すんなよ。お前の笑い顔を俺に見せろ」
ねっとりと息を耳元に吹きかけながら小さな身体の上で指を躍らせる。
リズムに合わせてはマナはぴくんぴくんと身体を反らして過敏な反応をみせた。
こちょこちょ こちょこちょ
こちょこちょ こちょこちょ
魔女「やめ…ぁっ、はっ」
傭兵「これでも手加減してるんだぜ。俺が本気をだすとそれこそ拷問並みになっちまうからな」
魔女「あなたは…なかまに、こんなことをっ、して」
傭兵「一度冷めた身体がまたぽかぽかしてきたな? よしそろそろ」
次は手を下半身にのばして太ももをさすり始めた。
魔女「んっ、ふ…ぁ…だめ」
傭兵「どうだ? 内腿の辺りはくすぐったいか? くすぐったいな?」
魔女「ひゃ…ふ…は…ふぁっ」
腕の中の少女の吐息が次第に荒くなってくる。
くすぐっているだけなのにそれが妙になまめかしく感じられた。
傭兵「マナ。声がエロくなってきたぞ」
魔女「そんなところを…さわるから」
傭兵「くく。どうしてここをさわられると、そんな声がでちゃうんだ?」
こちょこちょ
こちょこちょこちょこちょ
魔女「ぁ…あ、そ、それは…」
傭兵「それは?」
魔女「あなたにさわられると…おかしな気分になるから…」
傭兵「おかしな気分って?」
魔女「…ぅ」
こちょこちょ
さすさす…
魔女「はぅ…んっ、い、いやらしい気分」
魔女「オナニーが…したくなる」
傭兵「へぇオナニーがしたくなるのか」
傭兵「俺が側にいるのにしたいのはオナニーなのか?」
魔女「…だ、だって」
こちょこちょこちょこちょ
こちょこちょこちょこちょ
魔女「ぅぅくっ…はぅっ」
傭兵「俺前に言ったよな? 女の子が簡単にオナニーとか言わないことって」
魔女「…! あっ」
傭兵「約束を破ったらどうするんだっけ」
魔女「え、えっと…? それは」
俺はすっかり動揺したマナを抱き寄せて、その小さな唇を奪った。
下を無理やり口内にねじ込み、マナの中を味わう。
魔女「んぅ、んぅ~!」
傭兵「相変わらずだな」
唇を離すと、目の前には顔を真っ赤にしたマナが口元を抑えながら俺のことをを見つめていた。
傭兵「風呂で裸みられてもなんともないくせになんでキスするとそうなるんだ」
魔女「だ、だって」
手をひきはがし、マナの弱点をもう一度責める。
魔女「んぅっ! んーー!!」
マナはべしべしと俺の肩を叩いて抵抗するが、頭をがっちりと押さえ込んでいるので逃げることはできない。
傭兵「ん…ぷは」
魔女「はぁ…はぁ…」
魔女「き、キスはだめ……だめ」
傭兵「どうして」
魔女「キスは…お姫様と王子様がするもの…」
魔女「け、結婚する人同士じゃないとだめ」
傭兵「はぁ…そうなのか」
魔女「しらないの…? あなたはもっとたくさん本を読んだほうがいい」
傭兵「何を読んだらそんなこと書いてあるんだ…例の文献とやらか?」
魔女「…」フルフル
魔女「童話…。幼いころよく読んでいた童話はみんなそうだった」
傭兵「童話か。お前そういうのに憧れてるのか」
魔女「そうじゃないけど…私はただの魔法使い」
魔女「童話だと悪者…」
傭兵「いやいやこんなにかわいいんだからマナはお姫様だよ」
傭兵「髪の毛もシルバーでキラキラしてて、肌も真っ白ですべすべで」
さわさわ
さわさわ
魔女「……」ジトー
傭兵「嫌だった…?」
魔女「そうじゃない。びっくりしただけ」
魔女「あなたとキスするのは好き。とっても素敵なこと」
魔女「だけど…やっぱり恥ずかしい…」
マナは頬を赤らめて消え入りそうな声でそうつぶやいた。
傭兵(あぁ…ずっとそうやっていじらしくしてくれていたらすごく眼福だ)
魔女「…ぅ」
傭兵(はぁぁあ、可愛い…こんなにマナが可愛く思えるなんて)
傭兵(やっぱ女の子はこうじゃなくっちゃな)
傭兵(最近はユッカがガンガン来るせいですっかり忘れていた感覚だ…)
傭兵「な、なぁマナ」
魔女「…?」
傭兵「直接、触っていいか?」
魔女「…」コク
魔女「あなたがそうしたいなら…してもいい」
傭兵「服脱がせてもいいんだな?」
魔女「ぃ、良い…」
マナに両手を挙げさせて肌着を抜き取ると、日に焼けていない真っ白な肌があらわになった。
まだ成長していない胸部にはぷっくりとした小さな薄い色の乳首がツンと立っている。
裸ならここ数日でもう何度も見ているのだが、ベッドの上でまじまじとみるそれは格別にいやらしく見えた。
魔女「…ちいさい」
そういってマナは控えめすぎる胸を手のひらでおおいかくしてしまった。
やはりあんなことがあったあとでは気になってしまうようだ。
傭兵「そのうち大きくなるって」
魔女「ユッカには負けたくない」
傭兵「あー、うん…あいつはそろそろ止まるんじゃないかな…」
魔女「さわるの?」
傭兵「いいか?」
魔女「くすぐったくはしないで」
傭兵「それはこんな風に?」
こちょこちょ こちょこちょ
魔女「はうっ…だめ」
傭兵「直接さわられるとさっきよりずっとくすぐったいだろ」
魔女「あっ…あ…」
傭兵「マナの肌は敏感だな。こんなに白くてさらさらで綺麗だし、食べるとおいしそうだ」
そういってマナの肌を指先で愛撫しながら、小さな乳頭を口に含んだ。
魔女「あっ! そこは…」
舌で円を描くように、その小さいながらも硬くなって主張する蕾を舐めると、マナはぽかぽかと俺の頭を叩いてくる。
傭兵「いたた…味しないな」
魔女「あたりまえ…あなたは頭がおかしい!」
傭兵「あっそう。そんな悪態をつくなら」
こちょこちょ こちょこちょ
こちょこちょ こちょこちょ こちょこちょ
魔女「んっ、ふぅっ…あっ…だ…め!」
傭兵「今夜はマナのいろんな表情を見るまで続けるからな。覚悟しろよ?」
魔女「そん…なっ。あっ」
第16話<強くなりたい!>つづく
更新おわり
また夜に
第16話<強くなりたい!>つづき
傭兵「マナ。かわいいな」
マナは俺にくすぐられるたびに小さく体をくねらせて熱い吐息を漏らした。
さらさらだった肌がじっとりと汗ばんできて手に吸い付く。
マナの弱点をくすぐりながら乳首を舌で転がしたり、真っ白な脇を舐めたりしながらマナの反応を楽しんでいた。
魔女「んぁ…はっ…はぅ」
傭兵「だんだん声が甘くなってきたな」
傭兵「乳首ピンって立ってるぞ。エッチな気分になってるのか?」
魔女「あっ…わ、わから…な…。あっ」
傭兵「こんなちっちゃな乳首でも感度があるんだな。ちゅむ」
魔女「んんっ…ダメ」
傭兵「こっちもそろそろ…」
魔女「…!」
下着を脱がそうとするとマナに手首をつかまれて制止された。
傭兵「だめなのか?」
魔女「そこは…恥ずかしいとこだと知った…」
魔女「人に見せる場所じゃない」
傭兵「お前は俺にここを一度触らせてるんだぞ?」
魔女「…あれはなにかの間違い。思春期の性的好奇心のせい…」
傭兵「ふぅーん…」
傭兵「だけど俺は今マナのここが見たいな? ダメかな」
魔女「…だめ。見てもいいことない」
傭兵「男は好きな子のエッチな部分は見たいもんなんだよ」
魔女「…す、好きな子…」ピクッ
傭兵「大好きなマナを裸にしたい。上も下も全部脱いで俺にきれいな体を見せて欲しい」
魔女「……ぅ」
傭兵「いいよな?」
魔女「交換条件…あなたも裸になって」
傭兵「俺も?」
魔女「…」コク
魔女「私だけ裸になるのは不公平」
傭兵「つまりお前は…俺のエッチな部分が見たいってこと?」
魔女「…ち、ちがう…違う」
傭兵「そうだよなぁー思春期マナは俺のここが気になってしかたないもんなぁ?」
傭兵「わかった脱いでやるよ」
そして俺は臆面もなく衣服を脱ぎ捨ててマナの目の前に裸体を晒した。
魔女「…!」
傭兵「なんだよいまさら。風呂で散々みただろ?」
魔女「そう…だけど。ここはお風呂じゃない」
傭兵「ほらマナ、お前がみたかったのはここか」
俺はマナの目の前に怒張してピクピクと脈打つ己自身をつきつけた。
マナの柔らかい唇を味わったあたりからもうずっとこの状態だ。
狭っ苦しい場所から解き放たれて、活き活きとしていた。
魔女「…っ」
傭兵「どうした。交換条件なんじゃないのか?」
魔女「そう…だけど」
魔女「どうして私にみせつけるの」
傭兵「そりゃマナに見てもらいたかったから」
傭兵「男のここが大きくなるのはどういう時かしってるだろ?」
魔女「…性的に興奮した時」
傭兵「俺のここはマナがエッチでかわいいからこうなってしまったんだ」
魔女「…そ、そう」
傭兵「触ってくれるか。前にお風呂でしてくれたみたいにこすって欲しい」
傭兵「あの時は半端なままで俺が逃げちゃったからな」
魔女「…触る…の?」
傭兵「あぁお前だって気になってるんだろ?」
傭兵「俺はお前の体を散々触ったんだから、マナも遠慮せず俺を触っていいぞ」
マナはおずおずと俺のペニスを握った。
魔女「硬いし…太い」
魔女「たぶんこれは4号と5号の中間くらいある」
魔女「こんな大きい物…」ゴク
マナの顔はすこし恐怖で固まっているように見えた。
頭を何度かなでてから、ペニスをこするように促す。
しかし前回のように石鹸があるわけでもないので滑らかに手で擦ることができなかった。
ユッカとの行為に使う時の粘液の入った瓶も馬車に置きっぱなしだ。
魔女「…? どうすれば」
傭兵「うーんそうだなぁ」
傭兵「じゃあちょっとだけ舐めてくれるか?」
魔女「…!」
魔女「なめる…? ダメ。これはあなたがおしっこするところ。口に入れたら病気になる」
傭兵「ひどいな…大丈夫だよ。おしっこするわけじゃないから」
傭兵「それに今は風呂あがりで綺麗だよ」
魔女「…」
マナはペニスをにぎにぎとか弱い握力で握りしめたまま動こうとしない。
やはりなんの経験もない少女にいきなりペニスをなめろというのは無理があるようだ。
しかしこのままでは潤滑剤がない。
傭兵(どうするか…)
魔女「…」にぎにぎ
傭兵「どうした。硬いか?」
魔女「うん…。こんなのがいつもユッカの膣に」
傭兵「あ、あぁ…」
魔女「ユッカは痛くないの?」
傭兵「そうだな…痛がってる様子はないな」
魔女「…」
マナは肩を落としているように見えた。
どうやらさきほどの一件といい、同年齢のユッカと比較されることが気になっているようだ。
あるいはこれをうまく使えば…。
傭兵「そ、そういえばユッカはよく舐めてくれるぞ…おいしいって」
魔女「ユッカが…?」
魔女「わかった…あなたの言うとおりやってみる」
傭兵「お…!」
我ながらひどい事をしてしまった。
一瞬自分の発言を悔いた。
しかしその直後ねっちょりとした暖かい感触でペニスを包まれて、そんな後悔はどこへやらと飛んでいってしまった。
マナはユッカに負けじと口を大きく開いて俺のペニスを咥えこんでいる。
魔女「…ん…む」
魔女「ん……ん…?」
傭兵「汚くないからそのまま舌でなめてくれ」
魔女「…ん」
小さな舌がちろちろとカリの上を撫でるように這った。
魔女「ん…む…ん」
魔女「…ちゅ…ん、ちろ」
傭兵「いいぞ。唾液をからませながら、たくさん舐めてくれ」
魔女「ん…ん…ちゅ…じゅる」
魔女「んぅ…? んー…ん」
マナは慣れない行為に試行錯誤しながらも舌を動かし続けた。
およそ口淫とも呼べないそのぎこちない奉仕に俺のペニスはますます硬くなっていく。
魔女「んぅ」
傭兵(あぁ一生懸命フェラしてる顔も可愛いな…)
マナは顔を赤らめ、すこし気まずそうに視線を泳がせながら奉仕を続ける。
うまくできているのかと俺の顔色を伺うために、ときどきチラと上目遣いでこちらを見上げるその仕草がとても愛らしかった。
傭兵「上手だよマナ」なでなで
魔女「…ん」
このまま頭を押さえつけて喉奥までペニスをつきさして激しく口内陵辱したい衝動にかられる。
傭兵(いやだめだぞ…堪えろ。そんなことしたら氷漬けじゃすまない)
そう思った矢先、マナのほうから深くペニスを咥えこんできた。
傭兵「お?」
魔女「んっ、んむ…んっ…じゅる、じゅる」
傭兵(わけもわからないままにこんなに必死に)
魔女「じゅ…じゅる…ちゅ…」
魔女「ん…んん」
魔女「ちろ…ちろ…? ん…んぅっ…じゅっ、じゅる」
傭兵(そうかお前、俺を気持ちよくさせたいんだな)
その拙い奉仕は決して俺に強い官能を与えるものではなかった。
しかしながらマナの一生懸命さや、可愛い顔をみていると、
それだけで俺の気持ちは十分に昂ぶり、だんだんと射精欲がこみ上げてくる。
傭兵(イケるかもしれないな…)
傭兵「うっ…マナ」
魔女「…? じゅる、ちゅる…んっ、む」
傭兵「出そうだ…頼む、離さないでそのまま舐め続けてくれ」
魔女「…?? ん、ちゅ…」
俺の急変した態度をみたマナは不思議そうな顔をして俺を見上げる。
もうその表情だけで――
傭兵「あっ、くっ、マナ…飲めっ」
びゅくっ、びゅくっ、びゅるる…びゅくっ、びゅるる
魔女「んぅっ!? んんぅーーっ!」
ついにマナの口内に真っ白な精液を大量に吐き出してしまった。
魔女「んんっ、んっ!」
傭兵「ふー…まさかマナの顔みてるだけでイケるとは…」
自分自身驚きを隠せない。
だが均整の取れたマナの顔がくずれ俺のモノをしゃぶるその光景はとても刺激的だった。
マナの口からどろりとしたペニスを引き抜く。
口の端からわずかに白い液体がつぅーっと溢れ出てマナの顎先まで伝い落ちていった
魔女「…! んっ、んー」
まだ精液がたっぷりと口の中に残っているのだろう、
マナはリスのように頬袋をふくらませておたおたと慌てふためいている。
手近に吐き出すものを探しているようだ。
傭兵「飲め」
魔女「…んーー!!」フルフル
傭兵「飲めないのか?」
魔女「…」コクッ
傭兵「そうか…しかたないよな。まずいもんな」
傭兵「ユッカはおいしそうに飲んでくれるんだけどな…」
魔女「!」
魔女「…っ」
マナはぎゅっと目をつぶり、こくんこくんと喉を動かした。
そうとう飲みづらかったのか、目のふちに少し涙が溜まっている。
魔女「…」
傭兵「ありがとう。よく飲んでたな。苦しい思いをさせた」
魔女「ぐすっ…」
傭兵「泣くほどだったか…ごめんな」
魔女「私は生まれて初めて他人のおしっこを…飲んでしまった。うう、それもあなたのを…」
傭兵「え!? あーいやいやいまのはおしっこじゃないぞ」
魔女「ちがうの…?」
傭兵「おしっこがそんなネバネバしてるか? ほら、口の端についてるの手にとってみろ」
魔女「…んっ」
マナは顔に付着した精液の残滓を指ですくいとりまじまじと眺める。
魔女「……」ジー
まじまじと眺める。
魔女「……」ジー
まじまじと…。
魔女「……」
傭兵「あ、あの。マナ?」
魔女「これはもしかして…あなたの精液?」
傭兵「そうだけど…」
魔女「これが…。とてもねばっとしてる」
傭兵「あぁ、そういうもんだ」
魔女「セックスではこれを私の膣の奥に出すの?」
傭兵「お、おい」
魔女「セックスって言ったのにキスしないの?」
傭兵「…」
マナはジトッとした目で恨みがましく言った。
きっといまキスすると自身の精液の味がするだろう。
俺はさすがにペナルティと称してキスでマナの口内を陵辱することはできなかった。
魔女「…口をゆすぎたい」
傭兵「…ほんとに悪かった。はいこれ水」
魔女「んく…んく…」
傭兵「でもマナに口でしてもらって気持ちよかったぞ…」
魔女「…そう」
魔女「よかった…ならそろそろ寝――」
傭兵「よし次は交代だな」
魔女「…え?」
傭兵「えってお前が先に言ったんだろ。お互い公平にな?」
魔女「ま、まって…もう今日は…私は十分性行為に励んだ」
魔女「私のレベルは上がった!」
傭兵「あがってない」
魔女「あがった!」
傭兵「あれーマナちゃんはどうしてまだパンツを履いてるんだ? 俺はずーっと裸でいるのにさぁ」がしっ
魔女「あっ、あっ…」
傭兵「ほら、全部脱いで俺に見せろ…」さわさわ
魔女「ぁ、あなたはおかしい」
魔女「射精をしたら性衝動はおさまると書いてあった! これ以上女性の裸に興奮することはありえない」
傭兵「さぁてな」
俺は自らの下半身を指さし、再びいきりたったイチモツをこれでもかとマナに魅せつける。
魔女「…!」
傭兵「…あの程度、射精のうちにも入らねぇ」
魔女「これは一体…」
傭兵「言っとくが、マナ達が作った薬の効果もあるんだぞ」
傭兵「あの薬を毎晩飲み続けてたら、一度や二度出すだけでは物足りない体になってきた…なんてことだ」
魔女「……わ、私は…そういうつもりじゃなくて。ユッカのために師匠があれを作れって…」
魔女「だから…私は関係は…」
俺は怯えるマナを片腕で抱き寄せそっと耳打ちする。
傭兵「お前のせいだからな?」ボソ
魔女「!」
傭兵「裸になってくれるよな?」ボソボソ
魔女「…っ!」
魔女「は…う…」
マナは諦めたように下着を脱ぎ捨てて、俺の眼前にぴっちりと閉じた縦筋を晒した。
第16話<強くなりたい!>つづく
更新おわり
また夜に
更新ありませんスマソ寝ます
また明日
第16話<強くなりたい!>つづき
傭兵「これがマナの…」
魔女「…だ、ダメ」
仰向けに寝かせまじまじと恥部を観察しようとすると、マナは恥ずかしがってすぐさま足を閉じてしまう。
俺は少女の両膝をつかんで股ぐらを大きく左右に開いた。
魔女「……!」
魔女「ぁぁ…っ」
くっきりとした秘裂の周囲は赤みを帯びていて、まだまだ成長の途中であることが伺える。
端的に言えば、とても幼い恥部だった。
傭兵(そりゃ指一本しか入らないしな)
魔女「そんな風に…み、見ちゃ…だ、め…」
少しじたばたと抵抗されたので、俺はマナの腰をぐっと持ち上げて恥部を顔へと近づけた。
魔女「…っ」
傭兵「なにも匂いしないな」
魔女「あたりまえ…お風呂入ったばっかり」
傭兵「いいや。出口がぴっちり閉じてるからな。きっとこの中にマナの匂いは閉じ込められているはずだ」
魔女「な、なにを…」
俺は秘裂に沿うようにそっと2本の指をあてる。
魔女「…そこは…っ」
恥ずかしがるマナを尻目にそのままゆっくりと指を左右に動かした。
ちゅくり…
かすかな湿っぽい音とともにマナの秘裂が開かれる。
むわっと溢れでた少女の濃い匂いが鼻孔をくすぐる。
中を目で確認すると薄いピンク色の粘膜がものほしそうにひくひくとうごめいていた。
魔女「……ぅっ。ぁぁ…」
傭兵「きれいな色だな。お前はどこもかしこも色が薄いんだな」
マナは髪の毛から肌、乳首や膣にいたるまで体中至る所の色素が薄かった。
シミやほくろなどひとつもない、まるで人形みたいな体だ。
こんな美しく幼い少女の大切な場所がいま俺の眼前にある。
俺は背徳感で更にそそり立ち、マナの恥部を観察し続けた。
傭兵「ん?」
ちょこんとしか出っぱっていない陰唇のまわりに小さな白い粒をいくつか見つけた。
最初はなにかと思ったがすぐに見当がつく。
傭兵「マナ…そうだな。あんまり自分で洗わないもんな」
魔女「…?」
傭兵「大事な場所なんだから、ちゃんと綺麗にしような」
そう言って俺は顔を恥部へと近づける。
魔女「…!? えっ」
そしてマナの体臭が凝縮されたそれを舌で舐めとった。
陰唇から皮被りの陰核にかけて舌を這わせて丁寧に掃除する。
ちろ…ちろ…
ちゅく
魔女「ぅ…あぁぁあ、あなたはなにをっ…んっ」
傭兵「とってもマナの味がする」
魔女「ぃゃっ…そこで喋っちゃダメ…ッ」
傭兵「マナが俺のを舐めてくれたから、俺もお前のを舐めてやる」
傭兵「そうじゃないと不公平だろ?」
魔女「んっ…んっ、そんなっ」
ちろ ちろ
ちゅくちゅく ちゅう
傭兵「マナのここは本当に小さいな」
魔女「ぞわぞわ…する…汚い場所だから…ダメなのに」
傭兵「だから今綺麗にしてるんだ」
魔女「んんんぅっ…!」
舐め続けていると、舌先にとても粘度の強い液体が付着した。
おそらくマナの恥穴から溢れてきた保護液だろう。
きゅっとしぼんでぴくぴくと動くその穴の奥は、すでにぐじゅぐじゅに湿っているのかもしれない。
俺はもっとその味を知りたくなって、入らないことを承知で舌先を穴の入口にねじ込んだ。
ちゅぷ…
魔女「ぁぁぁ! そこは…だめ、ダメ…」
ちゅっぷ…ちゅっぷ…
魔女「やっ、そこはなめちゃだめなとこ…だから」
傭兵「マナのここ、すごく濡れてきてる」
傭兵「エッチな気分になってるんだな」
魔女「…そ、そう、かもしれない」
魔女「けど、私はまだ…出来ないから」
傭兵「そうだな。本当に入り口の浅いところまでしか入らない」
傭兵「ん」
ちゅぷ…
魔女「ぁぁ…」
魔女「ざらざら…してる」
傭兵「舌だからな」
魔女「…んっ…ぁぁ」
傭兵「気持ちいいのか? そんなに我慢しなくても声だしていいんだぞ」
傭兵「マナのエッチな声がききたいし、エッチな顔がみたくてやってるんだから」
傭兵「我慢されるといつまで経っても終わらないぞ?」
ちゅぷ…ちゅっ、ちゅ
魔女「ぁ、あなたは…頭がおかしいっ」
傭兵「おかしくない。マナのことをみてエッチな事をしたくなるのはごく自然なことだ」
傭兵「それはマナが女の子として魅力的だからだぞ」
魔女「……ぅ。ぅ、そんな事」
ちゅぅぅう。
魔女「うぁぁあっんっ、あっ、あっ」
傭兵「マナのここはいやらしいな。どんどんと粘っこい汁が出てくる」
さらにほんの少しだけ舌を奥へと入れた。
舌先のぷにぷにとした感触。そこにはマナが大切にしてきたものがあった。
傭兵(マナの…)
魔女「んんっ、んっ、あ…。んっ」
マナは迫る快感に耐えながらもひたすらに声を抑えていた。
そういえば大きい声を出しているところなんて見たことがない。
普段おとなしい少女は叫び方すら知らないのかもしれない。
マナの声がもっとききたい。
俺はそんな想いを胸に、少女の純潔の証である内ひだを舌でちろちろとなぶった。
魔女「んんぅ…んっ…うっ」
まだ声は官能を帯びていない。
これはくすぐったさやゾワゾワとした身震いで生じる声だ。
快感に身を任せるということを体で会得していないのかもしれない。
俺はなんとしてもマナを快楽の渦に叩き落としたくなった。
一旦口を離す。
愛液と唾液のまじった汁がとろりと糸を引いた。
傭兵「指いれていいか?」
魔女「え…」
傭兵「指で気持ちよくしてやる」
傭兵「指の太さなら大丈夫だよな?」
魔女「……う」
マナは一瞬逡巡したように俺から目をそらし、そのあと小さく頷いた。
許可を得たので俺はマナのひくつく膣口に向き直る。
傭兵(いずれセックスがしたいと言っていたが…こんなの調子でいつになるのか)
中指を念のため唾液でしめらせてから、ゆっくりと沈めていった。
じゅぷり…じゅぷ、じゅぷ
魔女「……っ! うっ、あっ」
じゅぷじゅぷ
狭い膣道を押し広げながら指が沈んでいく。
指がぎゅうぎゅうと食いちぎられそうなほどに締め付けられる。
奥へ進める度に保護液が押し出されて外へと溢れでた。
魔女「あっ、はぁ…あっ」
傭兵「入ったな。きつきつだ」
魔女「……っ」コクッ
傭兵(おもったよりきつかった。裂けてないよな…?)
一度引き抜いて様子を見ても幸い外傷はない。
そしてまた奥へと突き入れる。
魔女「ぁぁあっ! あっ、なっ、いまのは何」
傭兵「いやちょっとな。俺の杞憂でよかった」
魔女「…?」
傭兵(こりゃ今日明日セックスなんて到底ムリだ)
良い雰囲気をつくってマナを抱こうと思った矢先ではあったが、やはり彼女の言うようにココの開発と拡張が必要なようだ。
俺としてはじっくりと体の成長を待つことも大切だとは思うが、このような危険な旅に生きる身であるがゆえお互いにいつなにが起きるかわからない。
傭兵(マナは俺とセックスがしたいと言った。本当に真に受けて良いのだろうか)
バザでのあの夜。マナは俺の部屋にひとりでやってきて確かにセックスがしたいと告げた。
だがそれは一時的な思春期の性的興味や、言葉のあやでしかなかったのかもしれない。
もしくはユッカへの対抗心。
俺は今ひとつマナの気持ちを測りかねていた。
なぜならこいつはずっと森に住んでいて、俺と魔導師のじいさん以外に男を知らない。
もし他に出会いがあればマナは――
傭兵「なぁマナ」
ちゅく ちゅく
ちゅく ちゅく…
魔女「んっ、んっ…ぁ」
傭兵「これ気持ちいいか?」
魔女「…た、たぶんっ。自分でするより、ぞくぞく、する…」
魔女「きもち…いいっ♥」
傭兵「そうか…そうだな」
俺はこの少女のことをまだ良く知らない。
生い立ちも体に秘めた力の事も何も。
だからこそもっと深く知りたいと思う。
マナは俺との出会いに運命を感じると言った。
俺もそうだ。
彼女の生まれながらに背負った呪い、すなわち生命力を吸い取る能力は世界で唯一俺にだけ効果をなさない。
まさか魔力をもたない自分がこんな形で誰かの役に立つとは思わなかった。
そして旅を通して交流を続けるうちにすこしずつだが彼女の素顔が見えてきた。
これほど純朴で無垢で、それでいて賢い少女はそういない。もちろん見た目も人形のように白く美しく穢れがない。
俺はマナという少女の外にも内にもはっきりと惹かれている。
こうして抱き寄せていると無性にマナが愛おしい。
魔女「んっ、あうっ…んっ♥」
こうして指を出し入れするたびに小さく色めくこの少女を手に入れたくなった。
独り占めしたい。
魔女「んっ、んっ、んっ…んっ、んぅっ♥」
じゅぷ じゅぷじゅぷ じゅぷ じゅぷじゅぷ
じゅぷじゅぷ じゅぷじゅぷ じゅぷじゅぷ
だけどまだその時ではない。
この俺を締め付ける小さな穴は俺の物を受け入れることができないだろう。
指でこねくり回して奪ってしまうこともできるが、それは決してやってはいけないことだ。
いまはただこの少女の愛らしい一面を目に焼き付けていよう。
そして穏やかに開発を続けていくつもりだ。
魔女「あうっ、ああっ♥ あっ♥」
浅い膣奥のこりこりとする部分を指の腹でひっかくようにこするとマナは少し声量をあげた。
それをしばらく続けていると、だんだんと目が虚ろになってくる。
じゅぷ じゅぷ じゅぷ
じゅぷじゅぷじゅぷじゅぷ
どんどんと分泌される液体を頼りに指は滑らかに出入りを繰り返す。
よほど粘度が高いのか、溢れた汁は膣の出入口で白いあぶくとなり垂れること無くとどまっていた。
魔女「あっ、あっ♥ あっ、ま、待って…もうっそれ以上は」
マナが俺の手をとり制止しようとする。
しかしそれは実らず。
魔女「うぁぁあ♥ あっ♥ あぁぁっ♥」
マナは一段と大きな甘声をあげた。
奥まで突き入れた指が内ひだにガチガチに固められる。
狭い膣内は激しい熱とともに収縮を繰り返し、少女が達したことを伝える。
魔女「はぅ…はぅ…あぅ♥」
傭兵「気持ちよくなれたか?」
魔女「はぁ…ハァ…フゥー…」
魔女「…」コク
傭兵「そうか。良かった。可愛くイケたな」
傭兵「少し息を整えようか」
傭兵「指抜くぞ?」
じゅぽっ
魔女「んっ…♥」
傭兵「見ろ。マナのエッチな汁でどろどろだ」
傭兵「マナのにおいがする…」
魔女「あ、あぅ…」
魔女「こんな姿…あなたに見られるなんて…んっ」
傭兵「もうすこしきゃんきゃん鳴いてくれるとおもしろかったんだがな」
魔女「おもしろい…?」
傭兵「あ、いや。可愛かったんだけどな」
魔女「も、もう離して」
傭兵「もうすこしだけマナのここ触っていたいんだけど」
傭兵「ほら、イッたばっかりですごくひくひくしてる。いつかここに…」
再び指で秘裂をこじ開けると陰液でまみれた恥部が顔を現した。
心なしかさきより赤みを増している。
魔女「は、はなして!」
傭兵「どうした?」
魔女「…っ、あ、ええと」
魔女「服を…」
傭兵「マナ?」
行為を終えたあと、マナはなにやら焦っているように見えた。
もじもじと腰を揺らして何かを我慢しているような気配がする。
傭兵「ひょっとして…」
膣口をほんのすこし上にあるちいさなちいさな穴を見た。
そこもまた何かを堪えるようにひくついている。
傭兵「おしっこか?」
魔女「…!」
傭兵「なのか?」
魔女「ち、違……うくはないけど」
傭兵「口直しとか言って結構水飲んでたからな。失礼な!」
魔女「…そ、そんなのあなたに言われる筋合いはない」
魔女「それよりも早く離して!」
傭兵「……」
マナの困ったような焦ったような顔を見ているとつい悪戯心が再燃する。
そしてこの少女はおそらく俺の予想通りの愛らしい反応をみせてくれるだろう。
俺は断りもなくマナの恥部についつき、舌先をおしっこの出る穴にピタリとくっつけた。
魔女「…っ!?」
魔女「な、何を…お願い、と、トイレに行かせて…」
傭兵「ここトイレなんてあんのか?」
魔女「んっ…そこで喋っちゃだめ。息が…あたってる…」
傭兵「トイレか。いまから服を着て、部屋の外にでて真っ暗で長い洞窟をランプ片手に抜けて」
魔女「……っ!」
傭兵「滝に出たら滝道を少し下って、確かそこにようやく茂みがあったな」
魔女「そんな…遠く…?」
傭兵「ま、洞窟なんだしその辺でしてもいいけど。まさか文明人である俺たちが…なぁ?」
傭兵「こんな場所でも一応他人の家だしなぁ?」
魔女「…ぁぅ」
傭兵「よぉし、服きようかー。間に合うかなぁ」
魔女「…! も、もうっ、限界が…」
傭兵「…マナ。漏らさずに済む方法はこれしかない」
ちゅむ
魔女「んんんっ! それだけは…っ」
魔女「おしっこは汚いもの。あなたは頭がおかしい!」
傭兵(それ何回言うんだ…)
傭兵「マナ。おしっこは汚くないぞ」
魔女「き、きたない!」
傭兵「おしっこは飲めるんだ」
魔女「飲めない。お腹を壊す。というかあなた…飲む気…?」
傭兵「もう俺が受け止めるしかないだろ。まわりに受けれそうな空き瓶なんて…ないし」
正確には俺が寝酒にしようと持ち込んだ酒瓶が半分ほど空いていた。
そこに出させてもいいがそれだとあまりにもったいない。
俺はどうしてもどうしても、味わいたかったのだ。マナのおしっこを。
俺は一度顔を股ぐらから離し、マナの目を見据える。
傭兵「マナ。とある国では美容と健康のために尿を飲むそうだ」
魔女「そんな頭をおかしい人達の文化を真似してはいけない」
魔女「おしっこは雑菌があって飲めない」
傭兵「大丈夫だ。マナのおしっこなら飲める」
魔女「飲めない」
傭兵「飲める」
魔女「お腹を壊してしまう」
傭兵「そこの人たちによると、雑菌は尿が空気に触れない限りあまり増殖しないらしい」
魔女「…っ、そ、そんなのありえない」
傭兵「お前がしらないだけだ。勉強不足だったな、ハハ」
魔女「…く」
傭兵「所詮お前は学術書でしか世の中を学んでいない頭でっかちということだ」
傭兵「だが心配するな。俺がこれからいろんなことを身を持って体験させてやる」
魔女「いらない…」
魔女「か、仮にお腹を壊さないとしても…おしっこなんて飲めたものではない…はず」
傭兵「何を言ってるんだ。お前はおしっこの味なんて知らないだろ?」
傭兵「いいか。尿は直前に摂取した食べ物や飲み物によって味がかわる」
傭兵「今日お前は水と野菜ばっかり摂っているし、おそらく味は薄い。よってまずいはずがない」
魔女「あなたの頭に効く薬をつくらなきゃ…んっ」
傭兵「そうこうしてるうちに漏れそうになってるだろ」
傭兵「ほらマナ。おとなしくしろ」
魔女「い、いやぁぁ」
マナは俺の頭を押しのけようとする。
しかしこの細身の腕でどれだけ押されようとも大の男はびくともしない。
恥部に再び舌をあてくすぐると、マナがぐすりと鼻をすする音が聞こえた。
魔女「…ぁ、ぁ…も、もう、ダメ」
魔女「ぃ、ぃゃ…ぁぁ」
小さな悲鳴とともに、俺の口内に熱い液体がなみなみと注がれていく。
マナの体から排出されるその甘美なる液体を俺は舌で味わった。
いや正直にいうとおもったより苦味が強かった。
だが一種の珍しい酒だとでも思えば、その未知の味に俺の喉は俄然うなりを上げる。
魔女「の、飲んじゃ…ダメっ、ああっ、あっ」
魔女「はずかしくて…死んでしまう」
いまマナがどれほどの羞恥に顔を朱に染めているのか見たくてたまらなかった。
しかしおしっこの勢いは留まらず、喉の奥にたたきつけられるように吹き出している。
いま少しでも動くと顔面がびしょぬれになってしまうだろう。
それはそれで趣があるかもしれないが…。
傭兵(我慢してたんだなー)
尿道口を舐め取り、最後の一滴までしっかりと絞りださせて行為はようやく終了した。
そして手近な布で陰部全体を拭った。
おそるおそる顔をあげるとマナはベッドシーツを握ってなんともいえない恥ずかしそうな表情で俺を睨んでいる。
傭兵「…味の感想聞きたい?」
魔女「…」
傭兵「ど、どうしたそんな怖い顔して…漏らさずにすんだんだから良かっただろ!」
傭兵「ここで漏らしてたら今夜俺たちは床で寝るはめになってたんだぞ!?」
魔女「…」
傭兵「ま、マナ…ちゃん」
魔女「今あなたを処刑する方法を考えている」
魔女「火炙りか氷漬け。どっちが好き」
傭兵「どっちも嫌だ」
魔女「朝日は拝めないと思っておいて」
傭兵「……ん」
さすがにやりすぎたのか、お冠な様子だ。
本気で殺されることはないだろうが、身の危険にはかわりない。
俺はマナの飲みかけの水を手に取りぐいっと飲み干した。
そして一息ついてから裸のマナに覆いかぶさってぎゅっと抱きしめる。
そのままゴロンと横向きに転がってタオルケットを被った。
魔女「!? な、なに」
傭兵「こうしてればお前は何もできないから」
手足をしっかりと固めて抱きまくらのように強く抱きしめる。
魔女「…ん…ん、ずるい」
傭兵「マナのこと好きだから。殺さないでほしいな」
魔女「こ、殺さない…ただの冗談」
傭兵「には見えなかったからこうしてるんだよ」
魔女「うう…」
傭兵「ほら俺の腕の中は大好きなんだろ?」
魔女「……」
怒りと羞恥に顔を染める少女はコクンと小さく頷いてまぶたを閉じた。
俺はより一層マナを強く抱きしめてそのすべすべの背中をなでる。
マナは少しくすぐったそうにくぐもった声をあげて、やがて腕を俺の背に回した。
素肌を通して伝わる心臓の鼓動はとても速かった。
傭兵「マナ、ちょっとだけ…キスしたい」
魔女「…」
傭兵「寝ちゃった?」
魔女「おしっこのんだから嫌…」
傭兵「…もう水でゆすいだから。な? 寝る前に一回だけ。いいだろ?」
魔女「…」
勝手にしろと言わんばかりに、マナはきゅっと眉を寄せ口を結ぶ。
俺はそんな愛しい顔にそっと唇を寄せた。
魔女「んぅ…んぅ♥ …んー♥」
傭兵(やっぱり柔らかいな)
唇を離すとマナがかすれそうなほど小さな声でそっと囁きかけてくる。
魔女「き、キスは…愛しあう2人の永遠の誓い…」
魔女「あなたは…ずっと私の側にいないと…だめ…おやすみなさい」
傭兵「…そうだな。おやすみ」
少女の柔らかさと体温を感じながら俺も目を閉じた。
この子をずっとこの腕の中で護りたい。
もうこれ以上誰にも傷つけさせたくない。護り通せるほどの力がほしい。
強くなりたいと、そう願った。
第16話<強くなりたい!>おわり
更新おわり
次回17話本日夜(予定)
スマソ明日昼と夜に更新しますおやすみ
第17話<潮風吹く街へ>
コンコン
隊長「ソル殿。朝食の準備が出来ました」
隊長「…?」
隊長「ソル殿」コンコン
盗賊「まだ寝てるんじゃないの。昨日は結構飲んでたからさぁ」
隊長「…む」
盗賊「いいじゃん。入っちゃおうよ」
隊長「しかし男性の寝室に無断で」
勇者「いいよいいよ」ガチャ
盗賊「そうそ、あたしの貸してる部屋なんだから」
隊長「あ…。まぁ…あなた達がそう言うなら…」
勇者「ソルー。起きてよー朝だよー」
僧侶「朝ですよ~?」
勇者「…寝てるや」
僧侶「ですね」
隊長「ソル殿の寝顔…」
僧侶「そういえばマナちゃんは一体どこにいるんでしょう?」キョロキョロ
勇者「えへへ。最近はベッドでぐっすり眠れるようになったんだね。よかったよかった」
僧侶(ん…あれ? これは…)ピラリ
勇者「ねー起きてよ~」ゆさゆさ
僧侶(なんでベッドの側に下着が…? もしかして…)
勇者「ねぼすけはお布団めくっちゃうよー。起きろー」
僧侶「わあああユッカ様だめぇええ」
勇者「えーい♪」バサッ
勇者「……あ!」
傭兵「……? ん、ぁ、朝か…」
魔女「…zzz」ギュ
隊長「 な゛っ」
僧侶「やっぱり中にいたんですね…しかもそんな格好で…うう」
傭兵「ん゛ーー…ん? うおあっ! なんでお前らっ!」
傭兵「キャーしかも俺裸じゃねぇか! ふざけんな!」
勇者「こっちがふざけんなだよ! びっくりしたじゃん!」
盗賊(きゃーって…)
傭兵「お前が急にめくるからだろっ!」
勇者「だって裸なんて知らないし! し、しかもマナまで!!」
僧侶ちょ、ちょっ、早く隠してください」パサッ
隊長「…なにを…なにをしていたのですか」ワナワナ
隊長「あなたは…こんな幼気な少女と一晩裸で…抱き合って…」
盗賊「酔っぱらいでもさすがに擁護できないよ…」
傭兵「おいマナ起きろっやばいから助けて」ペシペシ
魔女「zzz…? ん…ぅ?」
傭兵「お前が弁明しろ」
魔女「おしっこまだ飲む…?」
傭兵「 」
勇者「……ん?」
・ ・ ・
妖狐「おお戻ってきたか。はよう食べようぞ」
僧侶「…いただきます」
勇者「…いただきまーす」
妖狐「何を怒っておるんじゃ?」
隊長「幻滅しました。幻滅しました…やはり男など」
魔女「…」もぐもぐ
妖狐「あの小僧はどうした?」
僧侶「ソル様は罰として朝ごはん抜きです」
妖狐「罰?」
盗賊「それで済むのか…優しいな」
妖狐「ふむ…なにがあったかあとでのぞいてみるか」
傭兵「無実だ! 俺はなにもしていない!」ドン ドン
傭兵「マナ! ちゃんと疑いを晴らせ! おい!」 ドン ドン
・ ・ ・
妖狐「ほれ、魚の干物じゃ。こっそり持ってきてやったぞ」
魔女「これも食べて」ピッ
傭兵「悪いな…」ガジ
妖狐「仲間をずいぶん怒らせたようじゃな」
傭兵「くっ…」
妖狐「……」ジー
妖狐「なるほど。昨夜のことはだいたいわかった」
傭兵「ぐうっ、また心の中を…」
妖狐「こっちの娘は全く読めんからの」
魔女「…」
妖狐「やれやれ。酒が入ってたとはいえそれはよくないのぉ…」
傭兵「で、でもな。マナだって喜んでくれたし」
魔女「それはあなたのほう。あなたが悪い」
傭兵「お前が寝ぼけて口滑らすからだろおお!」ゆさゆさ
魔女「…」ガックンガックン
妖狐「ま、まぁ一夜限りの過ちじゃ。そうヤケになるな」
傭兵「たのむ酔っぱらっていただけだと伝えてくれないか…」
妖狐「うむ。ワシが小娘たちに口裏を合わせておいてやる」
妖狐「それでええな?」
魔女「…」コク
魔女「私も寝ぼけていただけ…ということにしておく」
傭兵「ありがとうございます」
魔女「そのかわりもう変なことはしないでほしい」
傭兵「しません」
魔女「人のおしっこは飲まないで欲しい」
傭兵「飲まない…飲まないから…」
魔女「ユッカとヒーラの誤解を解いてくる」スタスタ
妖狐「ところで」
傭兵「なんだよ」
妖狐「どんな味がしたんじゃ?」
傭兵「苦味のある海水…かな…」
妖狐「人間は馬鹿なことをする」
傭兵「それがよぉ、飲んだ直後は割りと口の中スースーしてたんだが」
傭兵「ベッドで寝付こうとしたくらいから、すげぇ匂いというかえぐみが胃の底から登ってきてさ」
傭兵「眠れなくなって、ちょこちょこ起きて水飲んだりしてたらつい寝過ごしちまった」
傭兵「いやぁ、いくらマナのでも小便には違いないな」
妖狐「それ以上は聞きとうない。まだ酔っとるじゃろ貴様」
傭兵「後悔してる」
妖狐「後悔よりも反省をせい」
・ ・ ・
兵士「これで盗品の運び入れは完了しました」
隊長「よし。待機中の部隊に帰還命令を」
兵士「はっ」
隊長「ではソル殿。私達はこれで任務終了といたします」
傭兵「おう。お疲れさん」
隊長「また会えて嬉しかったです。今後の旅のご武運を祈っています」
盗賊「死ぬんじゃないよ」
勇者「うん! バザにはまた遊びにいくからね」
盗賊「その頃にはしっかり刑期を終えて待ってるよ」
隊長「失礼します」
盗賊「あっ、そうだ。あんたらに一つ渡しておきたいものがあったんだ」
隊長「む。盗品じゃないだろうな」
盗賊「違うって。この山で見つけたもんだよ」
傭兵「なんだ?」
盗賊がポーチから取り出したのは金色に鈍く光る鶏卵のような形状をした物だった。
手に平に受け取るとわずかに重みを感じる。
俺はそれをユッカに手渡して様子を見る。
勇者「これなぁに?」
隊長「金塊…?」
盗賊「いや。ぎゅっと握ってみな」
勇者「なんだかちょっとあったかいような」
僧侶「私も触っていいですか? …わぁ、ほんとですね」
盗賊「不思議だろ? それにすごく堅いんだ」
隊長「卵じゃないのか? 堅いのか」
盗賊「いやぁ一回うっかり落としちゃってさ。あ、やばって思ったんだけど殻にヒビ一つ入ってなくてびっくりしたよ」
妖狐「ふむ」
傭兵「なにかわかるか?」
妖狐「いや。この殻が全てを遮断しておるようじゃ。中に命が宿っているのかどうかもわからん」
魔女「魔力を感じない」
盗賊「あたしが山で湯巡りをしていたら、たまたまこれがちょこんとお湯に浸ってたんだ」
盗賊「もうずっと前さ。ドラゴンの卵をみつけるより前」
妖狐「ふむ…」
僧侶「そんなに前からあるのにまだ孵化していないというのは妙ですね」
盗賊「そうなんだよ。死んじゃってるのかな。けどそれだとまだ暖かい理由がわからないし…」
盗賊「もしただの金塊なら街で売りさばけるかもっておもったけど、機会がないままに例の事件が起きちゃって」
盗賊「だからもうあんたたちにあげるよ」
勇者「いいのー?」
盗賊「あんたたちなら不思議な出来事に縁がありそうだし、きっとこれが何かわかるかもしれないね」
勇者「ありがとう。大事にするね」
魔女「…」ツンツン
勇者「だめだよ割れちゃう」
魔女「堅い」
盗賊「そう! ほんとに堅いんだよ壁におもいっきり投げてぶつけても壊れないよ」
傭兵「したのか」
盗賊「し、してないし…」
隊長「行きましょう」
盗賊「じゃあね」
傭兵「あぁ。また」
勇者「さようなら! 元気でね」
・ ・ ・
傭兵「行っちまったな。もうしばらく会うことはないだろう」
勇者「卵かぁ、ボクあっためてみようかな」スリスリ
勇者「……」コンコン
勇者「……」コツコツ
勇者「うわ、ほんとに堅いね?」
傭兵「やめろって」
僧侶「私達もそろそろ出発の準備をいたしましょうか」
傭兵「そうだな」
妖狐「行くのか。また厚い雲が立ち込め始めておる。急いだほうがええな」
勇者「キュウちゃん…」
妖狐「そんな顔をするな。お主のいいたいことは心を読まんでもわかる」
妖狐「じゃがワシはこの地へ湯治へ来たのじゃ。すまんがこの身が癒えるまで旅への同行はできん」
勇者「…そうだよね。ごめんね」
妖狐「他人を心を配ることができる優しい子じゃな」
妖狐「よしおぬしたち、皆ちょっとこっちへ来い」
僧侶「なんですか?」
妖狐「ワシも、いいものをやろう」
傭兵「お前もくれるのか」
妖狐「なに、ただの飾り気じゃよ」
キュウが手渡してきたのは4つの無色透明の小さな玉だった。
それをユッカから順にそれぞれの手のひらに1つずつ丁寧に置いていく。
その途端、ユッカの手の中で玉に色が灯った。
炎のような眩しい赤色に輝くその玉をユッカは不思議そうに見つめている。
妖狐「これはワシの国では虹の珠と言ってな」
妖狐「持ち主の妖力に感応して色を灯す」
妖狐「おぬしらのところでいうと、魔力の属性とやらじゃな」
勇者「属性…」
妖狐「これを見るに、ユッカは炎や光に縁がありそうじゃな」
勇者「そうなんだ」
僧侶「もしかして、魔宝石ですか?」
妖狐「おお。こっちではそう呼ぶのか」
僧侶「例えば私の杖など、魔法具に魔力を伝える媒介として純度の高い魔宝石が使われていたりします」
僧侶「しかし、私が知っているものはこんなに透明なものではありません」
僧侶「ましてや人の秘める魔力を映し出すなんて…すごい純度…」
妖狐「次はおぬしにやろう。手を」
僧侶「は、はい!」
玉はヒーラちゃんの手の中で輝きながら青みを帯びていった。
その清涼な色合いはまさしくヒーラちゃんにふさわしい色だと思った。
僧侶「蒼くなりました」
傭兵「水か? 空か?」
妖狐「水じゃな」
僧侶「水…ですか。私泳げないんですけど」
勇者「綺麗な青色だね」
妖狐「うむ。そしてこの輝き方は聖性もかなり秘めておるな」
勇者「そっちはだいぶ扱えるよね? 結界とか回復魔法とか!」
僧侶「そ、そうですねまだまだですが…」
妖狐「精進するのじゃぞ」
勇者「これがあればマナが前に言ってた魔法の適正も簡単にわかるね!」
僧侶「そうですね! 水かぁ…水の魔法がんばってみようかな…」
妖狐「次はおぬしじゃ」
魔女「…」コク
妖狐「ほれ」
マナの手に玉が置かれる。
玉はぐにゃりぐにゃりと様々な色への変貌を経て、最後は混じり合い深い紫色へと落ち着いた。
魔女「…汚い」
傭兵「そ、そんなことないぞ! かっこいい闇っぽい色だろ!」
魔女「…黒魔法。闇の魔術…」ブツブツ
妖狐「そこに到るまで虹のように色が移り変わっていったじゃろう?」
妖狐「それはおぬしがさまざまな才能に満ち溢れている証明じゃ。誇ってええんじゃぞ」
妖狐(虹色でとどまるのが良かったのかもしれんがな…混じって黒くなるのは初めて見た)
勇者「ねぇねぇ。赤色のボクは炎だけしか才能ないってこと!?」
勇者「ねぇねぇキュウちゃん!」ゆさゆさ
妖狐「……」ニコ
勇者「え~~、なんだよそれぇ。マナの玉頂戴!」
魔女「うん」スッ
妖狐「交換してもどうにもならんぞ」
傭兵「お、俺は!? 俺俺! くれよ」
妖狐「おぬし要るのか?」
傭兵「いるだろ!! くれよ!」
いよいよ俺の手に虹色の玉とやらが乗せられた。
傭兵「おお!」
勇者「ソルは何色になるのかな。ピンク色だったりして」
傭兵「おいおいなんの冗談だ」
勇者「だってエッチだから!」
傭兵「お前なぁ」
僧侶「気になりますね」
魔女「真っ黒になって欲しい」
妖狐「無駄じゃとおもうんじゃが…」
しかし玉は依然無色透明なまま、輝きはじめることすらなくだんまりを続けている。
傭兵「お、おい? 玉? 玉様…何色でもいいから」
妖狐「妖力を持たないものには反応せんのじゃ」
傭兵「あぁ…そうだよな…わかってたよ」
勇者「…」なでなで
傭兵「お前の玉くれよ」
勇者「やだ」
魔女「私のあげる」
妖狐「だから交換しても意味はないと言っとるじゃろ…」
妖狐「返してもらっていいか?」
傭兵「そんな…わかっていたがやっぱり結構堪えるな」
妖狐「ええじゃろう。別に死んだわけでもあるまいに」
妖狐(それに、おぬしの意思はしっかりと灯っておるよ)
傭兵「光れー!」ぐりぐり
勇者「往生際が悪いよ! 才能なしってこと!」
傭兵「うるせー! 玉コラなんとか言ってみろ」
勇者「そんなにしたら割れちゃうよぉ!」
魔女「私の玉でよければ」
傭兵「お前のはいらない」
魔女「…ッ!」べしべしっ
傭兵「俺の玉が光らなきゃ意味ねぇんだよお!!」ぐりぐり
勇者「そんなことしてるから玉が嫌がって光らないんだよぉ」
僧侶「もうっ、玉玉玉玉ってうるさいです!」
妖狐「あげんかったら良かったかの…」
・ ・ ・
妖狐「さて。これで義は果たしたの」
妖狐「雲行きも徐々に怪しくなってきておる。立ち往生する前にそろそろここを経ったほうが良い」
妖狐「おぬしらの旅はまだまだ続くのじゃろう?」
勇者「うん!」
傭兵「あぁ。気つかわせてしまって悪かったな」
傭兵「これはみんなで大事にするよ」
妖狐「いらなくなったら売ると良いぞ」
僧侶「キュウさんから頂いたこんな綺麗な物売ったりしませんよ」
勇者「そうだよ!絶対売らないよ! 肌身離さずもっておくよ!」
妖狐「まぁ、すでに色が定着してしまったものは大した値打ちにはならんがの」
妖狐「せいぜいその玉ひとつで山が2つ3つ買えるくらいの値しかつかんの」
僧侶「……え?」
勇者「こ、この玉が…?」ぶるぶる
傭兵「た、玉様…壊れてないよな!?」なでなで
傭兵「そんな高いものもらっていいのか?」
妖狐「ワシは人里で暮らすことは少ないからの。宝の持ち腐れじゃ」
妖狐「長く生きていれば珍しいものなどいくらでも手に入る、気にせんでええぞ」
妖狐「大事にするならそれで良し。売ってもよし。おぬしらの旅に役立ててくれ」
傭兵「ありがとうキュウ!」がばっ
妖狐「う、うにゅ…現金なやつじゃの、くふ」
勇者(これ一つでハンバーグ何回食べられるかな)
妖狐「では達者での」
妖狐「旅の成就を心より祈っておるぞ」
勇者「うん…ありがとう」
妖狐「みな振りかかる災いと、自らの運命に負けぬように」
妖狐「そして人として力の使い方を間違えぬように」
妖狐「とはいえ…余計なお世話じゃの?」
妖狐「ワシを救ってくれたおぬしたちならきっと大丈夫じゃ」
妖狐「この玉は、その恩義だと思っておくれ」
魔女「…」コク
勇者「さようなら。またね」
こうして俺達は名残惜しさを感じつつ旅の妖狐キュウと別れて、いよいよ山越えへと手綱をとった。
馬車を走らせて山を下ればもうまもなく港町が見えてくるはずだ。
ユッカは俺の隣で盗賊にもらった卵を撫でている。
ときどき視線をおくると、嬉しそうに笑顔を返してくれた。
勇者「そういえばさ」
傭兵「んー…?」
勇者「レベル」
傭兵「…っ」ギク
勇者「港町につくまでに20にしたいって言ったのに! 足りてないよ!」
ユッカは卵をポッケにしまい俺の膝の上にのしかかり抱きついてきた。
傭兵「邪魔。おりろ危ない」
勇者「どうせ昨日はマナとお楽しみだったんでしょ!」
傭兵(まだ疑われていたのか…)
傭兵「してないから! というかマナはまだ出来ない」
勇者「…」ジー
傭兵「あっ…」
勇者「ふーん。じゃあやっぱりするつもりなんだ」
勇者「いいけどさ。ボクのレベルアップ…ますます遅くなっちゃうよ」
ユッカはそうつぶやいて俺の唇をうばい体温を伝えてきた。
どうやら昨夜は欲求不満なままもんもんと過ごしたようだ。
傭兵「ぷはっ、お前に黙って悪いことをしたとは思う」
傭兵「だけど俺の体はひとつしかないから我慢してくれ」
勇者「じゃあ今はボクのものってことでいいよね?」
傭兵「あのなぁ」
勇者「はむ……ちゅー」
傭兵「んく、こら危ないから。前が見えない」
傭兵「わかった。お前のレベル上げは街についてからだ」
勇者「ほんと…? してくれる?」
傭兵「あぁ。約束する」
勇者「やった。レベルあげて炎の技おぼえたいんだ! なに覚えるだろー」
勇者「マナに何か教えてもらおっかな!?」
傭兵(楽しそうだなぁ)
勇者「それでさーソル…」
傭兵「まだなにかあんのか」
勇者「ここ…おっきくなってるケド、どうする?」ぎゅむっ
傭兵「あっ、こら」
勇者「チューしてエッチなこと考えちゃった? ソルも我慢してるんだね」
勇者「ねぇねぇ、ボクが隣で手コシコシ…ってしてあげよっか…?」
傭兵「…」ゴク
勇者「したいよね? ボクの経験値稼ぎにはならないけど…えへへ」
傭兵「……」
勇者「じゃあさっそくー♪」
傭兵「ヒーラちゃーん? ユッカひきとってー」
< はぁーい
勇者「えっ!」
ガラガラッ
僧侶「はい邪魔しちゃだめですよー私とお勉強でもしましょうねー」
勇者「あっ! あー~~っなんでぇ」
僧侶「経験値稼ぎなら私がお手伝いしますって言ってるじゃないですか」グイグイ
勇者「やだよぉ~!!」
傭兵「がんばれよー」
魔女「…ねぇ」ひょこ
傭兵「うわっ、お前まで。何しに出てきたんだ。道ガタガタで危ないから中にいろって」
魔女「ユッカとだけ約束するのはずるい」
魔女「別け隔てなく」ぎゅむ
傭兵「わかったからそこ握るな。レバーじゃないぞ」
魔女「…」ぐにぐに
傭兵「離して?」
魔女「…おもしろかったのに」パッ
魔女「街についたらいよいよアレをはじめるから。そのときは手伝って」
傭兵「あ、あぁ……アレって?」
魔女「それじゃ」
ガラガラ
傭兵「なんだったんだ…」
日々少女達に翻弄される俺は、行く先の不安を抱えどんよりとした気分のまま港を目指して馬を走らせ続けた。
第17話<潮風吹く街へ>つづく
更新おわり
また夜にもう一度予定
第17話<潮風吹く街へ>つづき
<その夜>
勇者「ついた~~」
傭兵「だいぶ遅くなっちまったな」
勇者「港町だぁ…すんすん。海の匂いがする!」
魔女「これが海のにおい?」
勇者「マナは海をみたことないの? じゃああとで海辺に一緒に」
傭兵「もう暗くなってきたから散策は明日にしろ。今夜は宿を探しておわりだ」
勇者「はぁい」
僧侶「大きな街ですね」
警備隊「お前たち。旅人か」
傭兵「あぁ。そうだ」
警備隊「荷馬車の積み荷をあらためさせてもらう」
傭兵「なに?」
僧侶「どうしました?」
勇者「手荷物検査だって…」
警備隊「すぐに終わる」
傭兵「街に持ち込めないものでもあるのか」
警備隊「近頃商船が襲われる事件が多発していてな」
警備隊「こうして検問を行っている」
傭兵「俺たちは山側から来たんだけどな…」
勇者「付き合ってあげようよ。ボクたちやましい事なんてしてないし、何ももってないんだから」
傭兵「そうだな」
僧侶「で、でも下着とか…」
警備隊「失礼。婦人の私物は女性隊員が行う」
僧侶「そういうことなら…」
・ ・ ・
警備隊「協力感謝する。この街への立ち入りを許可しよう」
傭兵「どうも」
警備隊「それにしてもずいぶんと大きな馬車だな」
傭兵「長旅なんでね」
傭兵「そういや俺達着いたばかりで右も左も分からないんだが、この街に宿はあるか」
傭兵「できれば格安の」
勇者(すぐお金ケチろうとするんだから)
警備隊「渡航者用の大きい宿屋通りならあるが、格安となると…そうだな」
警備隊「地図をやろう。この辺りに小さな宿屋ならいくつかある」
警備隊「だが空いている保証はない。近頃の騒ぎで、港を出られずに街に滞在している来訪者が多いのだ」
傭兵「商船がどうとか言ってたな」
警備隊「沖に海賊が出るようになってな。かなりの数の貿易船や客船が襲われている」
警備隊「沈んだ船もある」
警備隊「ゆえに現在は船舶の出港を禁じ、貿易が停滞しているのだ」
傭兵「海に出られないだと!?」
勇者「ど、どうしよう…」
警備隊「現在は我々オクトピア海上警備隊が全力で対応にあたっている」
勇者「オクトピア…?」
警備隊「この街の名前だ」
警備隊「申し訳ないが問題が解決するまでは滞在してもらうことになる」
傭兵「…しかたないか」
警備隊「なに、広い街だ。初めて来たのならゆっくり観光でもしていけばいい」
傭兵(って言われても滞在費がねぇんだよ!)
【宿屋通り・外れ】
傭兵「というわけで一番安い宿を探します」
僧侶「はぁ…ふかふかのベッド…広くて暖かいお風呂…豪華なお食事…」
傭兵「一泊や二泊程度ならそれができたんだけどな」
勇者「うう…」
魔女「気にしない。どこでもいい」
勇者「あっちもダメ。こっちもダメ…」
傭兵「出港出来ずに足止めを食らっている奴らが多すぎるな」
僧侶「今晩中に見つかるでしょうか。街の中で馬車泊なんて嫌です…」
傭兵「でもその辺にテント張ってる奴らもちらほらいるし」
僧侶「 い や で す ! 」
傭兵「はい」
傭兵「お、ここなんてすごく安いな。いいんじゃないか」
魔女「ボロボロ」
傭兵「ほら、よその7割くらいの宿泊費だぞ」
勇者「怪しいよ。それにほんと…風が吹けば壊れそう…」
傭兵「平気平気。宿には違いねぇ。入ろうぜ」
勇者「え~~っ」
僧侶「ソル様、とりあえず一泊だけにしましょ? ね?」
傭兵「そうだな。明日また本格的に探そうか」
ガラガラ
宿屋の少女「! い、いらっしゃいまし…ましぇ!」
宿屋の少女「お、お、おきゃお客様ですか!?」
傭兵「おう。一泊さがしててな」
宿屋の少女「~~~っ! しゅ、宿泊ですか!」
傭兵「そうだけど」
宿屋の少女「ど、ど、どうぞ! 早速ご案内いたします!」
傭兵「えっと…従業員?」
宿屋の少女「は、はいっ!」
勇者「キミが?」
宿屋の少女「宿屋ローレライにようこそ!」
宿屋の少女「わたしはここのオーナーのローレです!」
傭兵「…えっと、1人か?」
宿屋の少女「…!」コクコク
傭兵「よし、別のとこ探すか」
僧侶「ですね」
宿屋の少女「あぁぁぁ…ま、まってくださいぃぃ」
宿屋の少女「商売がしたくてこの宿を買ったのですが…お客様がだれもいらっしゃらなくて」
勇者「そりゃこんなボロボロじゃ…寄り付かないよ」
宿屋の少女「うう…そうですよねぇ」ウルッ
傭兵「それに従業員が1人ってのもな…」
魔女「不便」
宿屋の少女「そうですよね゛ぇぇぇ」ビェェ
傭兵「あと女1人だと客に支払い踏み倒されて逃げられたりするんじゃないか?」
宿屋の少女「……」ブワッ
僧侶「ソル様」
傭兵「悪い…」
傭兵「じゃあ一泊だけ。ベッドはあるんだろ?」
宿屋の少女「あります! あります! いらっしゃいませ!!」
宿屋の少女「他にお客様はいらっしゃいませんので、どうぞ全室ご自由にお使いくださいませ!」
傭兵「全室って…そんなに使わねぇよ」
宿屋の少女「いえ、4つしか部屋ないので」
傭兵「は? 結構奥行きあるのに?」
宿屋の少女「ちなみにひとつはわたしの寝室です」
傭兵「しれっと言うなよ」
勇者(ダメははずだよこの宿…)
宿屋の少女「この際わたしはこのフロントルームで寝泊まりします! ですからなにとぞ…お好きに」
傭兵「わかった3つでいいから! 3つ使わせてもらうって!」
宿屋の少女「ありがとうございます…本日貸し切りに致します」
宿屋の少女「お名前記帳していただけますか」
宿屋の少女「ソル様とユッカ様とヒーラ様とマナ様ですね」
宿屋の少女「それでは皆様のお荷物をお部屋まで…んしょ…うぐ、重゛」
傭兵「……」チラ
僧侶「…はぁ、この子大丈夫でしょうか」
勇者「あはは、ボクたち自分で持つから大丈夫だよ」
宿屋の少女「す、す、すみませぇん……」
宿屋の少女「お部屋は階段をあがって2階です」
勇者「ねぇ1階はなにがあるの? 結構ひろいよね?」
魔女「謎」
僧侶「食堂とキッチンだとしてもまだかなり空きがありますよね」
宿屋の少女「……え、えっと…」
傭兵(森の館であんなことがあったばかりだからな。疑い深くもなるか)
勇者「見てきていい?」
宿屋の少女「ど、どうぞ…たいしたものはありませんが」
勇者「じゃあボクみてくる!」
僧侶「私も!」
タッタ
傭兵「どうでもいいけどさ、床ぺとぺとしてない? 掃除してるのかこれ」
宿屋の少女「申し訳ないです…」
<わぁ~~~!
<きゃ~~っ!
傭兵「なんだ? うるせぇな」
ダダダッ
傭兵「お、戻ってきた。なんだいまの声」
勇者「お風呂!!」
僧侶「お風呂でした!!」
傭兵「あぁそう。それだけ?」
勇者「それだけって! すっごく広いんだから!!」
僧侶「はい! 3つもおっきな湯船がありました! 3つもですよ!」
傭兵「お。そ、そうか……。なんで?」
宿屋の少女「そうなんです…宿を買い取ったのですがお風呂だけ大きくて」
宿屋の少女「私はそれでも気に入っているのですが」
傭兵「…なぁそれって。ココもともとは浴場じゃないのか?」
宿屋の少女「えう!?」
勇者「あーやっぱり。ボクも内装みてなんとなくそうおもってたんだ」
僧侶「…ですね」
宿屋の少女「そ、そうなんですか!? 私の宿は宿屋じゃなかった…?」
宿屋の少女「そ、それでも今夜は泊まってくださいますよね!?」
宿屋の少女「どうかお泊りください! 朝まで不便はかけませんので!!」ビェェ
勇者「……えへへ」
宿屋の少女「…? あの」
僧侶「…はい、こんなに広いお風呂がついてるなら喜んで♪」
僧侶「この値段で素敵なお風呂がついてくるなら何泊だってできちゃいます! ね?」
勇者「うん!」
宿屋の少女「……! ほ、ほんとですか…?」
宿屋の少女「うぇぇええん」
傭兵「なぜ泣く」
宿屋の少女「…ローレライは汚い宿だとか…サービスの悪いおんぼろだとか言っていままで誰も褒めくれなかったので」
宿屋の少女「ありがとうございます」
傭兵「まぁそれは部屋を見てからだけどな」
宿屋の少女「えっ、そ、そんなぁ泊まってくださいよぉ」
勇者「なんかソル意地悪だ」
僧侶「きっとからかいたくなっちゃうんですよ」ボソボソ
勇者「むぅ」
【ローレライ2階・大部屋】
傭兵「とりあえずここに荷物置かせてもらうか」
勇者「ふえーベッドがない!?」
宿屋の少女「こ、こ、ここに、敷布団がありますので…どうかこれでご勘弁ください」
宿屋の少女「お休みの際は人数分ご用意いたします」
魔女「ふかふか」ボフボフ
勇者「ほんとだー。じゃあこれでいいね」
傭兵「……」
宿屋の少女「い、いかかでしょうか…」
傭兵「じゃあ。とりあえずこの宿しばらくの拠点にさせてもらう」
宿屋の少女「ほんとですか! あ、あ、ありがとうございます!」
傭兵「本当にあの値段でいいのか?」
宿屋の少女「も、もちろんですっ! 精一杯サービスいたしますっ!」
傭兵「おう。よろしくな。えっと」
勇者「ローレさんだよ」
傭兵「よろしくローレ」
僧侶「よろしくお願いします」
魔女「よろしく」
宿屋の少女「こちらこそよろしくお願いいたします!」
宿屋の少女(やったぁあお客様だお客様だお客様ぁ~♥)
宿屋の少女「さっそくお布団を」ずるっ
宿屋の少女「あだっ。いたたた…」
勇者「大丈夫?」
宿屋の少女「はい…滑りやすいので気をつけてください」
勇者「そうかなぁ…」
・ ・ ・
宿屋の少女「それではわたしは向かいの部屋にいますので。なにかあればお気軽に声をお掛けください」
宿屋の少女「お風呂は温めておりますので、0時くらいまでなら冷めないかと思います」
勇者「ありがとう。おやすみなさい」
宿屋の少女「はい。ごゆっくり」
傭兵「よし。とりあえず…」
勇者「お風呂!」
傭兵「打ち合わせを…おい」
僧侶「お風呂入りましょう!」
傭兵「あの。街についたらまず情報をまとめてだな…今後の対策と準備を」
勇者「そんなのあがってからでいいじゃん!」
僧侶「ねー♪ ユッカ様タオルそっちに入ってますよ」
勇者「お風呂お風呂♪」ゴソゴソ
傭兵(あ、ダメだ完全にくつろごうとしてるな)
勇者「ねぇ…それともぉ、ソルも一緒に入る? そしたらすぐ打ち合わせできるよぉ」
僧侶「もうユッカ様ったらぁ。街でのお風呂は混浴じゃないんですよ」クスクス
傭兵「知らん!もう早く行け!」シッシッ
勇者「はぁい」ケラケラ
傭兵「はぁ…最近めっきり立場が弱くなった気がする」
魔女「…」
傭兵「あ、まだいたのか」
魔女「…」
傭兵「なぁ、マナは俺の気持ちわかってくれるよな?」
傭兵「俺は怠けたいという誘惑をふりきって旅の義務と責任を果たそうと―――」
魔女「お風呂行く」のそり
傭兵「あぁっ、お前まで!」
魔女「それと。今夜寝る前に2人きりになりたい」
傭兵「…は」
魔女「すこしでいいから。お願い」
魔女「待ってる」スタスタ
傭兵「それは何だ…お誘い…?」
第17話<潮風吹く街へ>つづく
更新おわり
次回本日夜
第17話<潮風吹く街へ>つづき
・ ・ ・
傭兵「おーマナもう上がったのか。お前だけ?」
魔女「…」コク
魔女「私はあんまり長湯しない…」
魔女「ユッカとヒーラは…くつろいでる」
傭兵「俺が入る時間なくなるじゃねーか…」
魔女「…」
傭兵「えっと、さっき言ってた…お誘いはなんだったんだ?」
魔女「…すぐに終わらせる。その前に」
傭兵「?」
魔女「頭を拭いて」
傭兵「お、おう…魔法で乾かせば早いのに」
魔女「便利なものに頼り過ぎたら人間がダメになってしまう」どさっ
傭兵「そうね…うんお前の言うとおりだ……」
わしゃわしゃ
魔女「……」
傭兵(気に入ってんのかな)
わしゃわしゃ わしゃわしゃ
傭兵(表情みえないからわかんねーな。いや見てもわからんけど)
魔女「ねぇ…」
傭兵「どうした。もう少し弱めたほうがいいか」
魔女「今日から。例のアレを始めようと思う」
傭兵「例の? アレ…?」
魔女「あなたには伝えたはず」
傭兵「…なんだっけ」
魔女「…っ!」べしべしっ
傭兵「なっ、なんだよ。いきなり怒るなよ」
髪を乾かしている途中だったのだがマナは俺の手を払い、部屋の隅に置かれた荷物を漁りに行ってしまった。
4つ足で布団の上を歩くと小さなお尻が左右にちょこちょこと振られ、その姿は妙に愛らしく、俺はついフッと笑い出しそうになってしまった。
魔女「これ」
そして戻ってきたマナは俺に見覚えのある大きめの箱を差し出す。
魔女「接収されなくてよかった」
傭兵「これって確か…」
魔女「…」コク
いそいそと蓋を開けると、中に陳列しているのは5本の男性器。を模した木製の棒。
それはまさしくマナがどこぞの怪しい女から手に入れたという淫具だった。
むかって右から2番目のモノには小さく『ヒーラ』と墨で名前がいれてあった。
傭兵「……」
魔女「今日は…1号の初陣。私にとっても大切な日」
傭兵「あぁ…アレか。開発がどうたらいってたな」
魔女「全てはあなたと」
魔女「セックスするため」
傭兵「!」
ふいに見上げてきたマナの瞳は恐ろしく真面目で、俺の胸は一瞬ドキリと鼓動した。
ゆるく着こなしたネグリジェの隙間からは見えてはいけない小さな淡い蕾がちらちらと覗き見える。
傭兵「マナ…」
本気なのか、と尋ねるのはやめた。
マナは他人をからかうような子ではないし、この真剣なまなざしを見ていまさら彼女の気持ちを疑うことはできない。
魔女「1号」
マナが指差した棒をおそるおそる手にとる。
太さも長さも俺の小指ほどしかない。
しかし指とはちがって当然柔らかさはない。
中に入れたら痛いかもしれない。
傭兵「これを…入れるんだよな?」
魔女「私のアソ…膣の中はすごく狭いから、すぐに狭まってしまう」
魔女「これではあなたを受け入れることは無理」
魔女「だからこれを入れたまま生活して、少しずつほぐしていく」
魔女「きっと、この3号が入るくらいに拡がれば…」
魔女「あなたに抱いてもらえるはず」
傭兵「…っ。わかった。けど無理はしないからな」
魔女「…」コク
マナは素直に頷いて、俺に身を預けた。
魔女「背中をあずけたほうがいい?それとも向かい合わせ?」
傭兵「なら…すこし足をひろげて俺の膝の上に向かい合わせで乗ってくれ」
魔女「…」
傭兵「よく見えないと危ないだろ?」
魔女「わかった」
マナは履いていた真っ白なパンツを脱ぎ、ぴっちり閉じた恥部を晒す。
足を開くと陰裂は自然にうっすらと左右に拡がり、中の薄いピンク色が顔をのぞかせた。
マナは少し俯いたまま何も言わない。
恥ずかしがっているのだろうか。
男にこうして恥部を見られるのは恥ずかしいにきまっている。
傭兵「入れるだけならすぐだから」
俺はマナが動かないように細いふとももをしっかりと抑え、恥裂へと1号と呼ばれる木棒の先端を持っていった。
つん
魔女「…っ!」
魔女「入るかな」
傭兵「大丈夫。俺の指が入るんだからこれくらい平気さ」
傭兵「それに風呂あがりで体はゆるゆるだし、なんてことないから心配そうな顔するな」
魔女「…」コク
傭兵「念のため…濡れてるか確認していいか?」
魔女「えっ」
俺は木棒の先で恥裂を上下にさすり、ときにはぐっと押し付けたりしながら、
マナのあそこに準備をするよう促した。
魔女「んっ…ん。くすぐったい」
次第にとろりと粘性の強い汁が棒の先に付着する。
傭兵「よし。ちゃんとエッチな気分になってるんだな」
魔女「あ、あなたの前で…こんな格好をして…ならないわけがない」
傭兵「そうか。俺にココをさすられてマナは興奮してるんだな」
すり すり…
魔女「んっ…あっ、い、いれてほしい」
傭兵「いれようか。その前に」
俺はマナを軽く抱き寄せたあとに、首筋をさすりながら小さく口付けを与えた。
唇を離すとマナの熱い吐息が顔にかかる。
うるんだ瞳をのぞき込むとこの先の不安よりも期待の色が勝っているように見えた。
そして木棒を膣口にあてがい、粘液をたっぷりとまぶす。
傭兵「いれるぞ」
魔女「…」コク
指をそっと倒すと木棒はマナの中へと沈んでいった。
思ったよりもずっとスムーズに、何の抵抗もなく入っていく。
マナの小さな膣はあっという間に1号を根本まで飲み込んだ。
魔女「んっ…あっ、堅い…」
傭兵「動いちゃだめだ。傷ついちゃう」
魔女「…1号が…入ってる…?」
魔女「私の…膣のなかに」
傭兵「そうだよ。痛くなかったか」
魔女「うん…平気。異物感があるだけ」
魔女「あなたの指のほうがすこし太かった気がする」
木棒の根本についたハート型の取っ手をほんの少しだけ左右に動かし、中を揺さぶってみる。
ひちゅりと陰液がかきまわされる音がし、マナはぴくんと身体を跳ねさせた。
魔女「うあ…何」
傭兵「どれくらい余裕があるのかなって」
傭兵「もしかしたら…2号いけるかもしれないな」
魔女「そ、そうなの…?」
ふたりして箱の中の2号に視線を移す。
1号に比べて2周りほど大きいそれは、だいたい俺の親指くらいの太さをもっている。
だが弾力は一切ないのでいざ入れてみると実際の太さ以上の圧迫感があるだろう。
傭兵「これだと…すこし太いか?」
魔女「やってみたい…」
傭兵「いややめとこう。マナに傷をつけてしまったらダメなんだ」
魔女「挑戦! するだけ…ダメそうなら諦める」
傭兵「うーん…そうだな。入り口にあてがうくらいなら」
木棒をとりだすと竿部分全体がねっとりと濡れていた。
糸をひきながら名残惜しそうにマナの穴から離れていく。
魔女「1号…」
傭兵「結構濡れてるな。これ木だから早く拭かないと染みこむよな」
俺はおもむろに1号と呼ばれるそいつを口へ運び味わった。
魔女「!!」
魔女「なにしてる…の」
傭兵「マナの味がする」
魔女「っ!!」
魔女「勝手にそんなことしないで」
傭兵「あ、わり…」
魔女「変なことをするのは禁止…」
傭兵「怖い顔するなよ…ちょっと緊張をほぐそうかと思っただけだ」
魔女「嘘。…2号とって」
傭兵「おう」
魔女「これが入れば…一歩前進する」
傭兵「自分でやってみるか? 俺にはマナの痛みはわからないからさ」
魔女「…」フルフル
魔女「あなたがして。痛かったら言うから」
傭兵「…わかった」
2号ともなるとカリの部分がしっかりと作りこまれている。
もし入れてしまったとしたら、次は引き抜く時に慎重を要される。
俺は一抹の不安を抱えながら、そっと膣口に2号の丸い先端をあてがった。
魔女「…」
マナは少し緊張した面持ちで、自らの恥部の行方を見守っている。
じゅぷ…
様子を見ながらすこしだけ突き進める。
すぐそこに傷つけてはいけないひだがあるので、かなり精神が削がれる作業だった。
傭兵「…」ゴクリ
じゅぷり…
魔女「んっ…ぁ」
傭兵「あっ、ダメそう?」
魔女「わ、わからない…拡げられていく感じ」
傭兵「血、出てないよな? …あぶねー」
魔女「裂けるほど痛くはない…けど、これ以上はどうなるかわからない」
傭兵「なるほど。なら中止だ」
魔女「…」
傭兵「残念そうな顔するな」
魔女「…1号と2号の間のサイズがあればいいのに」
傭兵「あるだろ」
魔女「どこに」
傭兵「これ」
俺はマナの手をとり、自分の中指を握らせた。
マナは一瞬考えた顔をしたあとすぐに気づき、照れくさそうに目を逸らした。
魔女「何の解決にもならない」
魔女「あなたの指を切断して日中ずっと入れていてもいいの?」
傭兵「いやそれはさすがに…お前の発想怖い」
傭兵「けど指で少しずつでもほぐしておくとそのうち2号もすんなり入ってくれるさ」
魔女「…なら。毎晩…してくれる?」
傭兵「時間が取れたらな」
魔女「……」
傭兵「ほら、マナ」
指先でマナの可憐な陰唇をこちょこちょとくすぐる。
魔女「…んっ、ぁ、ぁ」
傭兵「指なら痛くないよな。入れよう。ついでに気持ちよくしてやるぞ?」
傭兵「このままなにもしないで寝るのは難しいだろ?」
傭兵「マナはオナニー大好きだもんな」
魔女「そ、そんなことない! してない、あまり」
ちゅく ちゅく
魔女「んぅ、んぅ…んっ」
そして気づいたころにはマナのきつきつの膣は俺の指をすっかりおいしそうに咥えこんでいた。
俺は声を殺すマナにキスをしたり、乳首をさわってあげたりしながら興奮を高めていく。
ちゅくっちゅくっ ちゅくっちゅくっ
ちゅくっちゅくっ ちゅくっ
魔女「んっ、はぁは、はぁ…はっ」
傭兵「お前は可愛いな。もっと素直に気持ちよくなっていいんだぞ」
魔女「ゆび…がっ、あなたのゆびが…中で、うっ、うっ、あ…ぐりぐり」
傭兵「ここがきもちいいな?」
ちゅくっ ちゅくっ
こしこし…すりすり
魔女「はぁっ、はっ♥」
魔女「んぁっ、はぁぁ、うっ♥」コクッ
傭兵「マナのおまんこ。おいしいおいしいって俺の指を食べてるよ」
傭兵「この狭くてかわいい穴がそのうち俺のあれを求めるんだな」
傭兵「ここに俺のおちんちんが入るんだぞ? 入るかな」
ちゅくっ ちゅくっちゅくっちゅくっ
ちゅくっちゅくっ
魔女「んんぅっ♥」
傭兵「あいかわらずトロトロだな」
傭兵「ほらマナ、口あけて」
やや蕩けはじめたマナの顎をもちあげ、とびっきり激しいキスをした。
逃げるマナの舌を捕まえて、じゅばじゅばと下品に吸って粘液をからませあい、息苦しくなるまで続ける。
その行為に興奮したマナの膣内はきゅんきゅんときつく締まって、しっかりと反応を返してくる。
指が根本から食いちぎられそうだ。
魔女「…んっ、んっ、ちゅ…♥」
傭兵(お?)
魔女「ちゅ…ちゅむ、んっ、は、れろ♥」
次第にマナは自分から舌をつきだして絡めてくるようになり、
淫らな水音はしばらく部屋の中に響き続けた。
【廊下】
勇者「入れないよ…」
僧侶「ですねぇ…はぁ。なんだか私まで欲求不満に」チラ
勇者「…ボクを見ないでよ…お風呂でさんざん触ったでしょ」
僧侶「ユッカ様♪ 空き部屋いきましょっか?」
勇者「はぅぅ…」
第17話<潮風吹く街へ>つづく
更新おわり
次回また夜にでも…
本日更新不可スマソ眠い
第17話<潮風吹く街へ>つづき
魔女「はっ♥ あっ…はぁっ♥」
ぴゅくっ ぴゅくっ
魔女「はぁー…♥ ハァ…♥」
傭兵「よーしマナいい反応だ」
魔女「…ぁ、ぅ」
傭兵「だいぶ指が馴染んできたな」
魔女「も、もうそこ…擦っちゃ…ダメっ♥」
魔女「はぁはぁっはっ♥ だめっ、ダメッ」
傭兵「限界か?」
魔女「…」コクン
傭兵「わかった。今日はここまでにしておこうか」
ぬちゅり…
魔女「んっ…ぅ」
傭兵「マナの汁はすごく…粘っこいな。見ろ、糸引くくらいベタベタだ」
魔女「…そんなの見せなくてもいい」
マナの穴をかき回してねとねとになった中指を見せつけると、マナは不機嫌そうに顔を逸らした。
傭兵「さて。成果を確認しないとな」
魔女「…?」
傭兵「見せてくれ。っと、この体勢じゃ見えづらいな」
魔女「…え」
俺は膝の上に向かい合って座るマナの肩を掴み、そのまま上半身を押し倒した。
マナの頭が羽毛の柔らかい枕へと着地して弾む。
魔女「…!?」
そしてマナの腰をつかんで持ち上げて、天地がひっくり返ったような体勢を無理やり取らせる。
魔女「や、やめ…」
傭兵「おとなしくしてろな。おーこれならよく見える」
魔女「…っ」
ぬちゅり
先ほどまで指でかき回していた恥穴をこじあけて、中の広さを確認する。
中ではピンク色の粘膜が依然荒い呼吸をくりかえし、物欲しそうに蜜を垂らしている。
純潔の証がしっかりと残っていることに俺は安堵した。
傭兵「うーん」
魔女「はぁうっ、やめっ…見ないでほしい」
魔女「そ、そんな風に観察されたら…っ、は、恥ず」
傭兵「やっぱこう見るとまだまだ幼くて狭いよなぁ」
魔女「……」
傭兵「本当に広がるのかコレ…」
魔女「くっ」げしっげしっ
傭兵「こら、暴れるなっ、危な…危ねーだろ!」
魔女「見ないで欲しい!」
傭兵「わかったわかったよ。じゃあこれ入れて最後にするから」
俺は1号と呼ばれる細い木の棒を取り出し、マナの幼穴に深く沈めて行く。
すでにトロトロに蕩けた穴はこの程度の細さならたいした抵抗もなく簡単に受け入れていく。
魔女「んっ…んっ♥ なっ」
傭兵「何か入れとかないとすぐ元に戻っちゃうからな。今晩はこれを入れたまま寝るんだぞ」
こうしてマナの拡張訓練の一日目が終わった。
魔女「……異物感」
魔女「1号がずっと私のなかに入っていて、変な感じ」
傭兵「ごめん。やりすぎた? 痛くないか」
魔女「……しらない。痛くない」
傭兵「ごめんな。でもきっとこれ続けていくうちに2号が入るようになるからな」なでなで
魔女「早くお風呂入ってきたら」
魔女「私は寝るから。おやすみなさい」
傭兵「おう…おやすみ」
【大浴場】
傭兵(また怒らせてしまった気がする…)
傭兵(一体何がダメだったのか。最後が余計だったか…くそ)
傭兵「はぁ~~…」
勇者「はぁ~~…」
傭兵「うおあっ!? お、お前…」
勇者「ん…気づいてなかったの」
傭兵「…」
勇者「最近さぁ。キミ鈍くなってない? 油断しっぱなしっていうかさー」
傭兵「な、な…何ィ」
傭兵(いやそうかもしれないな…。まずい鍛え直さないと)
傭兵「というかお前がなんでここにいるんだ!! 男湯だぞ!!」
勇者「べつに男湯じゃないよ。みんなのお風呂だよ」
傭兵「うるさーい今は俺の時間なの! 男湯の時間なの!! 女は出てけ!」
勇者「…?」
傭兵「あーむかつく顔するな」
勇者「やんっ、ソルのエッチ! そうやってボクの裸ジロジロ見ないでよぉ」
傭兵「……」イラッ
勇者「じょ、冗談だよぉ。怒らないで?」なでなで
傭兵「で、なんでここに居るんだよ。お前さっき入ったんだろ」
勇者「えー…だって。ヒーラがさぁ」ゴニョゴニョ
傭兵「ヒーラちゃんとなんかあったのか」
勇者「…け、経験値が増えた。増やされた」
傭兵「あ、そう。ヒーラちゃんも好きだなぁお前のこと」
勇者「それで…いっぱい変な汗かいちゃったからもう1回お風呂入ろうって」
傭兵「あー…ならしかたないか。出て行かなくていいぞ」
勇者「ソルは…マナのこと、どうだった」
傭兵「えっ」
勇者「えっじゃないよ。ボク知ってるんだから」
傭兵「……」
勇者「…むぅ、ほんとに知ってるんだから!」
傭兵「…隠し事は出来ないか。マナは順調だよ」
勇者「ん、そっかぁ…。あのマナがソルにあんなお願いするなんて思わなかったよ」
勇者「ちゃんとマナのことリードしてあげてね。キミは大人なんだから」
傭兵「わ、わかってる…その日が来たらな」
勇者「…」ぷくぷく
傭兵「妬いてるのか」
勇者「…」コク
勇者「…ちょっとね。だってつい最近までボクだけのソルだったもん」
勇者「ソルが3人いたらいいのに…」
傭兵「無茶言うな」
勇者「もっと相手してほしいよ」
傭兵「…あ、あぁ」
傭兵(俺なりにみんなに別け隔てなく気を配っているつもりだったけど…まだ足りてないのか)
勇者「だからさ…こうしてふたりきりの時くらいは…」
ユッカがお湯から立ち上がって俺に抱きついてきた。
俺の目の前で張りのある肌が水を弾いてなまめかしく煌めいている。
傭兵「ユッカ…お前」
勇者「ねぇ、いいでしょ…? ダメ…?」
勇者「さっき無理やりスッキリさせられたばっかりだけど…また、うずうずしてきちゃったな…」
勇者「ソルのここもかちかちになってるよ? ねぇ、マナにスッキリしてもらってないの?」
勇者「ここ、辛くない? 男の人ってこんな状態のままで眠れるの?」
勇者「ボクがしていい? ね、ボクとしよ?」
ねぇねぇとユッカは矢継ぎ早に言葉を紡ぎ、俺に反論の間を与えずに身体を重ねてきた。
傭兵「ゆ、ユッカっ」
勇者「入っちゃった…えへ」
勇者「ソルのカチカチおちんぽ、中でヒクヒクしてるよ」
傭兵(お前の中のほうがヒクヒクしてるぞ)
勇者「ボク今日は…すっごくエッチな気分。どうしてだろ」
勇者「こんなに欲しくなっちゃうなんて。ヒーラとしたばっかりなのに!」
傭兵「だからそれは嫉妬してるんじゃないのか」
勇者「うん…そうかも。いまはボクだけの物…♥」
勇者「んっ、ちゅ…ちゅう♥ ちゅう~~♥」
傭兵「ぶはっ、いきなりはやめろ」
勇者「のぼせないようにしなきゃね?」
傭兵「はぁ…入れてしまった以上最後までするしかないな…」
勇者「…ソルだってしたいくせに♥」
傭兵「なにをー…!」
勇者「早くぅ…レベル上げしよ?」
こうして俺はユッカに求められるままに腰を振った。
行為を終える頃には湯船のお湯は冷め始めていた。
<翌朝>
【ローレライ2階・大部屋】
傭兵「あーみんなおはよう。ゴホン、それでは今回の作戦会議をはじめる」
勇者「…」モグモグ
僧侶「ユッカ様ぁ、レベル19にあがっちゃってますよ?? あれ、昨夜あがりましたっけ?」
勇者「…えへへ。さぁなんでだろうねー」
僧侶「…むぅもしかして」
魔女「……」もぞもぞ
魔女(1号のせいで座りにくい)もぞもぞ
傭兵「あー聞いてる? 聞いてるよな?」
勇者「ずずずっ、このスープお魚のだしがきいてておいしー」
僧侶「ですね! ローレさんお料理お上手なんですね」
宿屋の少女「お口にあって良かったです」
傭兵「…お、おい」
傭兵(俺の威厳がなくなっているのか…?)
傭兵(食べ終えてからにするか…)
宿屋の少女「ミルクのおかわりどうぞ」
魔女「んく、んく」
勇者「毎日こんな朝ごはん食べられるなんてうれしー」
勇者「お布団もふかふかだしお風呂は広いし、安いし!」
勇者「ずっとここに泊まっていたいくらいだよ。ねー?」
宿屋の少女「そ、そうしていただけると助かりますっ! ぜひぜひウチに根をはってください!」
傭兵「いやいや、俺達にも旅があるから」
勇者「それでさっきソル何か言おうとしてたよね? 早く」
傭兵(こいつ…マイペースさには慣れてきたがやっぱ後でグリグリの刑だな)
傭兵「ええとな。この街で俺たちがしなきゃいけないことを話し合うぞ」
傭兵「たまにはお前が仕切るか? なぁそうしろ、お前が一応チームのリーダーなんだからな。おら早くしろ」
勇者「なに怒ってんの」もぐもぐ
勇者「まぁまかせて!」
勇者「みんな! 昨日はお疲れ様!」
勇者「ええと、新しい街についたから、ええと、ねぇ街の名前なんだっけ」
傭兵「オクトピア」
僧侶「オクトピアですよ」
宿屋の少女「ようこそオクトピアの港へ」
勇者「あーそうそうオクトピア!」
勇者「由来はタコなんだよね。ボクの嫌いな。歯ごたえがぶにぶにしててさ」
宿屋の少女「お客様はタコが苦手なんですか? わかりましたお食事を作る際はレシピを考えてみます」
勇者「うん。ありがとう」
勇者「さて、ご飯もたべたし…運動でも」
傭兵「お前の頭はスカスカなのか!!! ここに何が詰まってる!」グリグリ
勇者「う゛あーー痛いっ痛いっ!!」
傭兵「話を脱線させるんじゃない」グリグリグリグリ
勇者「ごめんなひゃっ、いだっい゛だいってばあ」
僧侶「ユッカ様…」
勇者「ま、まずは…さ、作戦会議をします…」チラッ
傭兵「…そう」コクン
勇者「ほっ…。ボクたちがこの港町でしなきゃいけない事をまとめるよ!」
傭兵「よし。ペンを回すから何をすべきかこの紙に順に書いてみろ」
勇者「まずボクからね。まるいちっと」
①レベルを上げたい!
傭兵「お、おう…優先順位一番低いのから来たな。いいか」
勇者「次マナが書いて! はい」
魔女「…まるに」
②開発して2号と3号を入るようにする
傭兵「…」ビリッ
魔女「!!?」
勇者「なんで破ったの?」
魔女「ひどい。私には必要なこと」
傭兵「うるさいお前らもう座って見てろ。俺が最初から書く」
勇者「うん…? じゃあそうしたらいいじゃん!!」
傭兵「こっちはお前に経験を積ませてやろうとおもったのになぁ」
僧侶(もうグダグダです)
傭兵「まず俺たちが海を渡るためにしなきゃいけないことは」
①船を入手or渡航費を得る
傭兵「これだろ」
勇者「うんそうだね!そのためにはお金を稼がなきゃ!」スッスッ
②お金をかせぐ!
傭兵「おう。お前字下手だな…」
僧侶「そうなりますと…どこでお金稼ぎをすればよいでしょうか」
僧侶「マオさんの時のようにお店を手伝ってというわけにはいかないでしょうし」
傭兵「この街にもギルドがある。そこで俺たちにできる仕事を受注すればいい」
勇者「まるさん…ギルドに行く…っと」
魔女「ユッカの呪いのことも調べなくちゃいけない」
勇者「そうだね。街の人に聞いてみよう」
傭兵「そしてもう一つ大切なことがある」
勇者「…うん? なに」
傭兵「おい! 何、じゃないぞ大丈夫か!」ゆさゆさ
勇者「…??」カックンカックン
傭兵「ユッカ。いや勇者! 俺たちは何のために旅をしている!」
傭兵「旅行じゃないんだぞ!! 旅の目的を思い出せ!!」
勇者「…あ」
僧侶「あ…って……」
勇者「まるよん。魔王の復活を阻止する…っと」
傭兵「…それこの街でできたらいいけどな。現実は情報収集だけだぞ」
勇者「訂正まるよん。魔王について情報収集…っと」
傭兵「あとは自由に思いついたの書いていいぞ」
勇者「わーい。ヒーラとマナも書こうよ」
傭兵「個人的な用事は横に名前も書いといてくれ」
勇者「わかったー」
宿屋の少女「わぁ楽しそう」
【作戦行動inオクトピア】
①船を入手or渡航費を得る
②お金をかせぐ!
③ギルドに行く!
④魔王についてじょうほう収集
⑤呪いについてじょうほう収集
⑥レベルあげ!ま法のとっくん!(ユッカ)
⑦新しい杖を探します(ヒーラ)
⑧開発する (マナ)
⑨己を鍛え直す(ソル)
⑩たくさん人助けをする!(ユッカ)
⑪海賊騒動の早期解決に助力する(ソル)
勇者「ざっとこんなもんかな!」
傭兵「…これ読みやすいと思う人」
勇者「……」
魔女「…字下手」
勇者「ううう…気にしてることを」
僧侶「あとで綺麗にまとめておきます…」
傭兵「よろしくな」
宿屋の少女「わ、わたしも書いていいですか!」
傭兵「ん?」
勇者「いいよー」
傭兵「いいのか? いいか…」
宿屋の少女「やった」
⑫ローレライの経営を立て直します!
勇者「できるかなー」
宿屋の少女「えっ!?」
傭兵(それは言ってやるな)
勇者「とにかく、みんなやることはいっぱいだよ!」
傭兵「これらの期限は港が開かれて出港が可能になるまでだ」
傭兵「それぞれ時間を無断にしないように」
勇者「あーそれボクが言おうとした!」
傭兵「はいはい」なでなで
勇者「よーしやるぞー! ご飯片付けたら早速行動開始だよ!」
僧侶「がんばりましょー」
魔女「…」
魔女(やっぱり座りづらい)もぞもぞ
第17話<潮風吹く街へ>おわり
更新おわり
次回18話 本日夜予定
第18話<オクトピア>
宿屋の少女「この道をこう行ってこう行くと。商店の並ぶ通りに出ます」
宿屋の少女「ここから北に300メートルほど進むとギルドの酒場がありますよ」
傭兵「わかった。サンキュ」
勇者「ありがとう! 夕方には戻るよ」
宿屋の少女「は、はいっお夕飯の支度をして待っていますね」
宿屋の少女「いってらっしゃい」
僧侶「ここも広い街ですね。いえバザ以上かも…」
傭兵「ただの貿易港かとおもいきや、娯楽施設も多くてリゾート地になっているみたいだな」
傭兵「どうりで人も店も多いはずだ」
傭兵「あの辺のでっかい建物全部ホテルだな」
僧侶「すごいですねぇ…」
勇者「みんなローレライの10倍くらいおっきいね」
僧侶「外観が爽やかでとっても綺麗ですね」
魔女「景色良さそう」
傭兵「お前らなぁ…あの子が聞いたら泣くぞ」
【冒険者ギルドの酒場・オクトピア支部】
受付の男「よぉ。初めて見る顔だな。渡航者か?」
傭兵「あぁ。仕事を探しに来た」
勇者「ねーねー天井に飾ってるの何」
受付の男「あれはクジラの骨格だ。でけぇだろ」
勇者「クジラ!? すごー…海の生き物ってやっぱりおっきいな」
魔女「お腹すいた」
僧侶「さっき朝ごはん食べたばっかりじゃないですか」
傭兵「いいよ。何か頼もう」
受付の男「この街には来たばっかりかい?」
勇者「うん! ここのおすすめはなんですか」
受付の男「ならとれたての魚介を使った海鮮スパゲッティなんてどうだい」
勇者「なにそれおいしそー! ねぇそれにしよ!」
傭兵「2人前で。取り皿を2つくれ」
受付の男「あいよ。海鮮ふたつー! さて、待ってる間に話を聞こうか」
受付の男「おおかたあんたらも海賊騒動で港に釘付けになっちまったんだろ」
傭兵「あぁ」
受付の男「すまねぇな。ギルドとしては現在警備隊員を大募集中だ」
受付の男「腕に自信は?」
傭兵「洋上での戦闘経験は無いが」 パサッ
受付の男「…こりゃまたずいぶんくたびれた戦歴手帳だな」
受付の男「ちょいと中を拝見」パラッ
受付の男「…! ほぉ、なかなか大した戦果をあげてるじゃねぇか」
受付の男「最終更新はバザか。大変な目に会ったようだな」
傭兵「まぁ…な」
勇者「こっちボクの」パタ
受付の男「はっはっは。お嬢ちゃんのは新品同然だな」
傭兵「お前は別に警備隊に入らなくていいぞ」
勇者「ボクも何か役に立ちたいよ!」
受付の男「悪いが募集してるのは屈強な海の男だ」
勇者「ボク強いのに…」
受付の男「よし。あんたの方は警備隊に話をつけておいてやる」
受付の男「明日の朝またここに来るといい」
傭兵「わかった。よろしく頼む」
傭兵「とにかく滞在費すらまともに無くてな」
受付の男「貿易商共はみんなひいこら言って仕事をさがしたり、路銀を切り崩してるぞ」
僧侶「あの…私達にできるお仕事はないでしょうか」
勇者「ボクだって海賊と戦えるよ!」
受付の男「うーん…」
僧侶「お金が必要なんです…」
受付の男「う、うーーん。そんな目で見られるとな」
僧侶「お願いします…」
受付の男「ちょっと待ちな」ガサゴソ
受付の男「何枚かチラシやるからあっちの席で飯でも食いながら決めな」バサッ
僧侶「ありがとうございます!」
・ ・ ・
勇者「…スパゲティおいひい」ちゅるちゅる
魔女「…」ちゅるちゅる
勇者「ん、タコ入ってるや。マナーあげるよー」
魔女「いらない。いらない…いらないから入れないで。ユッカが食べて」グイッ
傭兵「こらこら。おとなしくしろ」
勇者「え~~タコ苦手。ソル食べてねこれ」
傭兵「あぁ…置いとけ」
傭兵「にしてもクエストなぁ。ヒーラちゃん達に出来そうなのあるかな」パサッ パサッ
傭兵「お、これなんてどう」ピラッ
僧侶「どれですか?」
僧侶「水着美人サマービーチコンテスト…優勝賞金100000G」
僧侶「コンテストって…い、いやです!」
傭兵「100000だぞ。じゅうまん」
僧侶「……優勝しなきゃ意味ないじゃないですか」
僧侶「それに…ソル様は私がこんなのに参加してもかまわないんですか」
傭兵「…それもそうだな」
傭兵(でも衆目にさらされて恥ずかしそうにしてる姿はちょっとみてみたいかも)
勇者「じゃあボク出よっかな」ちゅるちゅる
傭兵「おーい文字読めるか。美人コンテストだぞ」
勇者「…えい」 グサッ
傭兵「いってぇえ!」
勇者「あーこれなんてどう。海の家だってー」
勇者「お給仕するだけらしいよ」
傭兵「水着でやるウェイトレスみたいなもんだな」
僧侶「水着…」
魔女「私はこれが気になる」
僧侶「幻の蛸娘を探せ…? 賞金1000000G!?」
勇者「すごい! ボクらで探そうよ!」
僧侶「これだけの金額を出せるってことはいないんでしょうね」
傭兵「だろうな」
僧侶「しかもこのチラシだけすっごい古いですね」
傭兵「時効になってるかもな」
勇者「探そうよ!」
傭兵「まともに金を稼ごう」
勇者「むぅー…」
隣の席の老人「おぬしら…この街に伝わる蛸娘の伝説を聞きたいか」
傭兵「いや、いい」
隣の席の老人「それは昔、ワシがまだこの子たちと同じくらいの年頃だった遥か昔のことじゃ」
隣の席の老人「この街はまだ名もない漁村じゃった…」
勇者「ねーなんかしゃべりだしたよ…」
僧侶「しー聞いてあげましょう」
魔女「…」ちゅるちゅる
隣の席の老人「人々は漁に出て海から命をもらい日々を生きる。平和な村じゃった」
隣の席の老人「じゃがある時、遠い大陸より略奪者が海を越えてやってきた」
隣の席の老人「それが海賊じゃ」
魔女「…」ちゅるちゅる
勇者「うんうん」
隣の席の老人「奴らはワシらからあらゆるものを奪っていき、この村をあっという間に占拠した」
隣の席の老人「周辺の海は荒らされ、もはや旅人ひとりとして訪れぬ」
隣の席の老人「村は着実に死に向かっていった」
隣の席の老人「じゃがやつらはやりすぎた。海の女神様の怒りをかったのじゃ」
隣の席の老人「女神様は不思議な力で水を操り、あっという間に海賊どもの船を沈めた」
勇者「すごい!」
隣の席の老人「いまでも覚えておるよ。女神様の…あの美しいお姿」
隣の席の老人「豊満な胸に、すらっとした腰つき、大きなお尻」
傭兵「…」
隣の席の老人「そして何より人ならざるは、そのおみ足じゃった」
隣の席の老人「当時若造だったワシは、浜へあがられた女神様をみて腰を抜かした」
隣の席の老人「なんと女神様の下半身には人の足が無く、そこには無数のタコ足が生えていたのじゃ」
勇者「タコ?」
隣の席の老人「うむ。見間違いではない。あれはまさしくタコ足じゃった」
隣の席の老人「そしてこの村は救われ、女神様はほどなくして海へ帰ってゆかれた」
隣の席の老人「その後村は発展し大きな漁港へと姿を変える」
隣の席の老人「救い主である女神様にちなんで、名前をオクトピアとした」
勇者「へー」ちゅるちゅる
僧侶「そうだったんですか」
傭兵「じゃあこのビラの幻の蛸娘って」
隣の席の老人「うむ。ワシが昔に依頼したものじゃ」
隣の席の老人「時効ではないぞ。見つけたらぜひ会わせて欲しい」
傭兵「ほんとうにいまでもいるのか?」
隣の席の老人「それらしき姿を見たという噂は昔からいくつもあがっておる」
隣の席の老人「じゃが誰一人として会ったものはおらん…」
傭兵「本当にそれがあんたのいう神様なら、簡単に人前に姿は現さないんじゃないか」
隣の席の老人「あぁワシもそうおもって何度か依頼をひっこめたこともある」
隣の席の老人「じゃが老い先短いこの命。どうしてもあの時の女神様を一目見てから逝きたいのじゃよ」
傭兵「…つってもなぁ」
僧侶「どうしようもないですよね」
傭兵「海釣りでもしたらひっかかるか?」
勇者「もーソルったらぁ。おじいさん、ボクが探します!」
僧侶「ユッカ様…」
勇者「タコは苦手だけど…この街にいる間はがんばって探してみるよ!」
隣の席の老人「おお、頼まれてくれるか!」ガシッ ブンブン
僧侶「あ、あの…私はべつに」
隣の席の老人「にしてもええ乳じゃのぅ…まるで女神様みたいじゃ…」
僧侶「…はい?」
隣の席の老人「こ、このコンテストに出てみんか…ちなみにこっちもワシの主催じゃ…ぐへへ」
僧侶「いやですっ!」
傭兵「うさんくせーじじいの与太話に付き合う必要はねぇな…」
魔女「…」ちゅるちゅる
勇者「よーしタコさがすぞー」
隣の席の老人「頼んだぞ」
警備隊「町長。またここにいたのか」
隣の席の老人「おお、首尾はどうじゃ」
警備隊「今日はまだ海賊どもは姿を見せていない」
隣の席の老人「そうか…また海賊が出たんじゃ…きっと女神様もご降臨なさるはず…」
警備隊「まだそんなことを言っているのか」
傭兵「町長? あんた町長なのか」
町長「うむ。いかにも」
警備隊「あんたらは…確か昨夜この街についた旅人だな」
傭兵「あぁ。そういや俺、明日からそっちの世話になるかもしれない」
警備隊「そうか。協力感謝する。追って通達するから明日ここで待機しててくれ」
警備隊「話の途中すまないが、今はこのじいさんを借りて行くぞ」
町長「ううう…若もんの小難しい話はいやじゃあ」
警備隊「あんたはいつまでも伝説にすがってなんていないで、いい加減現実を見てもらわなくては困る」
警備隊「この港街を救うのは女神じゃない。俺たちだ」
警備隊「部隊への資金提供の話、しっかりと詰めさせてもらうからな」
勇者「…」
傭兵「ややこしいとこに首突っ込んじまったかもな」
勇者「蛸…」はむ
勇者「やっぱりぶにぶにしてて苦手」もぐもぐ
・ ・ ・
その後酒場で闇の神殿や蛸娘伝説についてあれこれと聞き込みをしてみたが、どれも噂の域を出ない空振りに終わった。
傭兵「この街ならよそから来た人間が多いから、闇の神殿についてわかる奴が居るかもしれないと思ったけどな」
傭兵「そんな簡単じゃないか」
勇者「人はいっぱいいるしゆっくりやろうよ!」
傭兵「お前の呪いについても全然情報が集まらないな」
勇者「しかたないよ…」
僧侶「さて、今日は残りどうしますか?」
傭兵「どうしようか。ヒーラちゃんたちの仕事のビラは帰ってゆっくりみるとして、暇な時間ができたな」
僧侶「お買い物ですよね!?」
傭兵「う、うん…? そうだな?」
僧侶「うふふ。お買い物しましょ!」
勇者「お金ないよ」
傭兵「何か買いたいものあるのか?」
僧侶「はい…実はマナちゃんにこの前言われたんですけど、あんまり今の杖が自分に合ってないようなので新調しようかと思いまして」
傭兵「そうだな。ここでも少し武装を見直すか!」
傭兵「よぉし! 武器屋行こう武器屋! 舶来の武具がバザ以上にそろってるはずだ!!」
勇者「…」ジー
傭兵「なんだ、来ないのか?」
勇者「…はぁ。行くけど」
傭兵「お前にぴったりの剣を今度こそ選んでやる! な!?」ガシッ
勇者「いらない…」
魔女「急に元気になった」
僧侶「ソル様のウキウキしてる顔かわいいですよね」
魔女「別に」
魔女「あなたの杖は私が見繕ってあげる」
僧侶「お願いします」
僧侶「ついでにいろいろ見て回りましょう?」
勇者「ボク水着ほしい!」
傭兵「いっとくけど水着コンテストにお前は出られないぞ!」
勇者「そういうのじゃないもん! せっかくなんだから海で遊びたいでしょ!」
勇者「泳いだり! 砂遊びしたり!」
魔女「海に入ってみたい」
傭兵「なんてのんきな…そんな時間があれば修行をだな」
僧侶「いいじゃないですか。ね? 旅には休息も必要ですよ」
傭兵「まぁ…ヒーラちゃんがそういうなら…」
勇者「やったあ! あとでみんなで水着買おうね!」
傭兵「…釣り竿でも買うか」
魔女「…海。楽しみ。でも太陽は苦手」
僧侶「日焼け止めも買わないとですねー。ユッカ様ぬりぬりしてあげますねー」
勇者「え~~、やだ」
勇者「ボクはソルに塗ってもーらおっと」
傭兵「はぁ…」
傭兵(俺明日から任務なんだけど)
第18話<オクトピア>つづく
更新おわり
次回また夜に
遅れちゃったので寝ますスマソ
次回明日21時~
第18話<オクトピア>つづき
【繁華街】
商人「下半身がタコの女? いいや知らないな。そういう噂があるとは聞いたことあるが」
商人「もうすこし港沿いにゆけば詳しい船乗りや貿易商がいるかもな」
傭兵「そうか。ありがとう」
勇者「ねぇなにやってるの! 買い物つきあってよ」グイッ
傭兵「お、おう…」
勇者「水着をね、どれにしようか迷ってるんだ」
傭兵「なんでもいいんじゃないか。おい引っ張るなって」
勇者「選んでよ!」
傭兵「好きなの買えよ…」
勇者「むぅ~。いいから来て!」
【水着屋】
勇者「ソルも水着買うでしょ?」
傭兵「必要か? 適当な短パンでいいんだがな」
勇者「せっかくだし買おうよぉ。海入ろ?」
傭兵(金が…)
僧侶「あ、来た来た。ソル様、こっちです」チョイチョイ
僧侶「いま水着を選んでるんです! もう少しまってくださいね」
傭兵「おう」キョロキョロ
傭兵(女物の水着ばっかりで居心地悪いな…)
傭兵「へぇ」ピラッ
傭兵(リゾート地ともなると、こんなハイセンスな水着売ってるのか)
傭兵(…ほとんど紐じゃねーか)
傭兵(というよりこれは一周回って品が無いんじゃないか? うーん俺には縁がなくてわからん)
勇者「そ、その水着がいいの…? エッチ…」
傭兵「いやいや違うっ! たまたま目についただけだ」
勇者「やっぱりエッチじゃん…」
傭兵「いいから早く選んでこい」
僧侶「私。これなんてどうでしょう…水玉模様可愛くて…」
傭兵「へぇ。いいんじゃないか」
僧侶「で、でもビキニなんて恥ずかしいでしょうか…やっぱりこっちのワンピースタイプのほうが」
傭兵「ヒーラちゃんにはそれが似合うと思うよ」
傭兵(なにより胸があるしな)
勇者「……ボクもそういう形のにしようかな」
魔女「…」
傭兵「お前たちはビキニはやめとけ」
勇者「えーなんで。かわいいのに」
傭兵「それ着てヒーラちゃんの隣に立てるのか?」ボソッ
勇者「…!」
勇者「ボクこの白いワンピースにしよっと。マナのも選んであげるね」
魔女「…」コク
僧侶「えっ、じゃあ私も…」
勇者「ヒーラはいまその手に持ってる水玉ビキニでいいでしょ!」
僧侶「は、はい…? そうします…」
傭兵「じゃあ会計してくる」
僧侶「ありがとうございます」
勇者「やっぱりボクの村や城下町って田舎だったんだね」
僧侶「この街はおしゃれな人が多い気がします」
勇者「ボクもいろいろ服がほしくなってきたなー」
傭兵「荷物増やしてどうする。金もないぞ」
勇者「…しかたないか」ガクッ
僧侶「私達は旅に身を置いてますものね」
傭兵「次はどこに入るんだ」
魔女「ヒーラの杖を見に行く」
傭兵「武器屋か!?」
魔女「…」コク
傭兵「よぉし、年代物のレアな剣があったら」
勇者「買わないヨ。荷物増えるデショ。お金もないヨ」
傭兵「…ちっ」
【武器工房】
傭兵「ついでだしいまの兵装をメンテナンスに出すか」
勇者「ボクも剣研いでもらおう」
僧侶「ユッカ様の剣あんまりつかってないじゃないですか」
勇者「ちゃんとソルと剣の稽古してるもん!」
僧侶「そうなんですか?」
魔女「寝床での稽古しか見たこと無い」
傭兵「うるさいっ」
武器屋「いらっしゃい。何かお探しかい」
僧侶「あ、あのっ、杖を探してるんですけど」
武器屋「杖なら隣の魔法具店に行くといいぜ」
僧侶「そうですか。わかりました」
魔女「行こ」
僧侶「ユッカ様とソル様はこちらで待っていていただけますか」
勇者「うん。いってらっしゃい」
傭兵「これの手入れを頼む」ドサッ
武器屋「特急で? 別料金いただきますが」
傭兵「いや。多少時間はかかってもいい」
武器屋「あいよ」
勇者「これもおねがいしまーす」
武器屋「おう」
武器屋「あんた、その腰の剣はいいのかい」
傭兵「あぁこれか。これはいい」
勇者「えーなんで?」
武器屋「セットなら安くしとくぜ」
傭兵「あまり人に触らせたくない」
勇者「結構傷んでるんじゃないの?」
傭兵「いいんだよ。これだけは自分で研いでるからな」
武器屋「ちと見せてくれないか。俺はこんな商売やってるくらい武器マニアでよ」
武器屋「万国から珍しい武器の集まるこの港で店を開くのが夢だったんだ」
傭兵「言っとくが売らねーぞ」ジャキ
武器屋「んじゃ失礼して」
武器屋「ほぉ…綺麗な剣身だ」
勇者「あんまりボロっちくないね」
傭兵「まぁな」
武器屋「いやこんな剣身見たことねぇ。柄の紋章も変わってるな」
武器屋「間違いなく一級品だ…いったいどこの刀匠が手がけたんだ」
武器屋「俺は40年武器マニアやってるがこんなの見たことねぇ」
勇者「この紋章。ボクの剣についてるのにちょっと似てる…かも」
傭兵「…」
武器屋「お嬢ちゃんのはずっと南の剣国の守備隊が浸かつかっているモデルだな」
勇者「そうだよ。ボクたちそこから来たんだ」
武器屋「おおそうか! 遠いとこからよく来たな」
武器屋「まてよ。ってことは兄ちゃんのこの剣はこれの更に上位モデルってとこか」
武器屋「こんな剣を持ってるなんてあんた…」
傭兵「好きに推察してくれ」
勇者「えへへへソルはねー昔ねー」
傭兵「言わなくていいぞ」ぎゅむ
武器屋「いやすまなかった。すげぇもんに出会えたんでつい興奮しちまった」
武器屋「で、いくらで売ってくれる!?」
傭兵「うらねーっての」
武器屋「ウチの最上品の剣と交換しないか」
傭兵「却下だ。俺はこいつじゃなきゃダメなんだよ」
武器屋「そうか…残念だ。見られただけで良かったよ」
武器屋「俺は作業に入るぜ。連れの子たちが戻ってくるまで店内自由に見て回ってくれ」
武器屋「気に入ったのがあっても素振りは勘弁してくれよな」
傭兵「おう」
傭兵「よし、早速ユッカの剣を見繕って――」
勇者「 い ら な い ! いまボクの修理だしたばっかりでしょ!」
傭兵「良い剣が良い剣士を育てるんだぞ」
勇者「じゃあソルのちょーだい」
傭兵「だめ」サッ
勇者「そんなに大事なの?」
傭兵「まぁな。身体の一部みたいなもんだ」
勇者「自分で買ったの? それとも誰かに貰ったの?」
傭兵「……貰いもんだ」
勇者「…そっかぁ。ならしかたないね」
傭兵「待ってる間暇だな」
勇者「だねー」
傭兵「よし、俺がいろいろ話を聞かせてやるぞ。まずそこに掛けられている剣から」
勇者「…」
傭兵「なんだその顔は。お前は勇者のくせに剣に興味がないのか!」
勇者「うん。そんなに…いまは魔法がつかいたいよ」
傭兵「はぁぁ…あんだけ稽古をつけてやったのに」
傭兵「好きになるまで聞かせてやる」ガシッ
勇者「ひぐぅ…やだよぉソルのうんちく聞いてたら耳にタコができるよぉ。タコ嫌いなんだよぉ」
傭兵「なにわけのわからないこと言ってやがる!!」
勇者(あぁぁ…ヒーラ早く帰って来てぇ…)
【魔法具工房】
魔女「……」ジー
僧侶「どうですか? 私に合いそうな杖ありますか…?」
魔女「これがいい。いまの聖杖よりずっと魔力を貯蔵できる」
魔女「あらかじめたくさん魔力を蓄えておけば、発動した魔法の精度と効果が高まる」
僧侶「で、でもちょっとこれ高すぎですよ…」
僧侶「18,000Gですよ…私もちあわせ3,000Gしかないです」
魔女「…じゃあその杖を売ればいい」
僧侶「そうですねぇ…」
店員「その杖なら1300Gで買いとるよ」
僧侶「だめそうですね」
魔女「…どうしてそんなにお金がないの」
魔女「こうなったらこの邪悪にまみれた汚い珠を売って」スッ
僧侶「だ、だだ、だめですよっ! しまってくださいっ」
僧侶「せっかくキュウさんに頂いたのですから大事にしましょう!?」
魔女「だけどこれを売ればお金に困らない」ヒソヒソ
僧侶「そうですけど、そういうわけにはいかないんですよ」ヒソヒソ
店員「へぇ。その珠、すごい純度だねぇ」
僧侶(あぅぅ見られちゃってました)
店員「ケドそんな風に持ち歩いてたら落っことしちゃうよ」
僧侶「ですよね…」
店員「よければ装飾品として加工してあげようか?」
僧侶「装飾品ですか…?」
店員「あぁ。例えばあなたのそのブレスレットにはめ込んだり、もしくはペンダントや指輪に加工したりね」
僧侶「…なるほど」
僧侶「それなら落とす心配がないですね?」
魔女「お金の無駄」
僧侶「やってもらいましょう!」
魔女「あなたは何を買いに来たかわかっているの」
僧侶「よければこのブレスレットに…」
店員「あいよ。鉄製か、ちょっと時間がかかりそうだね」
僧侶「いただきものなのでできればあんまり削ったりといった加工はしないで欲しいんですけど。出来ますか?」
店員「分かった。なら金属を足して小さな留め部を作ってそれに宝石をはめようか」
店員「よければ遠目から見てていいよ。高い宝石をあずけるのは心配でしょ」
僧侶「はい。よろしくお願いします」
店員「あなたはどうする?」
魔女「…私は別にいい」
僧侶「よくないですよ! そうだ、ユッカ様とソル様のも持ち運びやすいように加工してもらいましょう!」
僧侶「マナちゃんここにいてください!」
魔女「……」
店員「で、どうする?」
魔女「こんな黒い珠をアクセサリーにしたくない」
店員「とっても力強さを感じて綺麗だとおもうよ」
・ ・ ・
僧侶「えへへへ…」
勇者「わーい、宝石つけてもらった」
僧侶「いいですねユッカ様のティアラ!」
勇者「だからこれ勇者の兜だってば…失礼な」
勇者「ほらとっても堅くて防御力高いんだよ」コンコン
傭兵「これで落とす心配はなくなったな」
勇者「だね」
傭兵「正直言うとユッカに珠を持たせてるのが不安でたまらなかった」
勇者「もー信用なさすぎ!」
傭兵「マナは何に加工してもらったんだ」
魔女「…」
傭兵「見せてくれないのか?」
魔女「…」もぞもぞ
魔女「ペンダント」
傭兵「お、いいなそれ」
魔女「これなら服の中にしまっておけば見えないから」ソソッ
傭兵「綺麗な色だとおもうけどな?」
傭兵「すっかり日が落ちてきたな」
勇者「もうちょっといろいろ買い物したかった」
傭兵「お前たちは明日以降いくらでも時間があるだろ」
勇者「そうだけどさ、ソルはもうお仕事じゃん」
勇者(バザの時みたいにちょっとくらいデートできたらいいのになぁ)
傭兵「とりあえず帰るか。ローレさんが待ってる」
僧侶「そうですね。今日の目的は十分果たせました」
勇者「明日からタコ探しだ!」
傭兵「じゃなくて今晩もらったビラを見て仕事さがそうな?」
<夜>
【ローレライ2階・個室】
傭兵「ほら、マナ。見せてみろ」
魔女「ん…」
マナはじっとりと濡れた下着を目の前で下ろし、椅子に腰掛けてから足を肘掛けに置いて、股を大きく開いた。
恥裂からはなめらかに加工された木の棒がわずかに飛び出ている。
傭兵「偉いぞ。ちゃんと一日入れていたんだな」
魔女「ずっと…むずむずしてた。座るのが大変だった」
傭兵「自分で抜いてみろ。できるよな」
魔女「…」コク
マナは棒の先端を指でつまみ、一瞬を顔をしかめて、引き抜き始める。
1号はいやらしい粘液をからませながらマナの膣内から徐々に姿を現した。
魔女「ん…ハァ…んっ♥」
ぬるっ…
魔女「あぁぁ…んっ、う」
魔女「出た」
傭兵「べたべただな。一日中マナのエッチな汁を吸いすぎて色が変わっちゃってる」
魔女「乾かさなきゃ」
傭兵「とりあえず置いといて、じゃあ確認するぞ」
俺はマナのひくつく膣口の周りにそっと指を置き、左右にぐにっと広げて中の様子を確認する。
今日は新月なのか窓の外には月明かりが少なく、灯したランプの明かりだけが頼りでやや薄暗くて手持ちが見えづらい。
俺はいつも以上に顔を近づけて慎重に取り掛かった。
魔女「…ん」
傭兵「どうした? 痛かったか?」
魔女「ちがう……やっぱり何度やっても。はずかしい」
魔女「性器は、異性に見せるものじゃない…気がする」
傭兵「そんなことないって! 男は女の子のココを見るのが大好きなんだ」
魔女「…」ジトー
傭兵「ふ~~」
魔女「っ!? や、やめて…いたずらしちゃダメ」
傭兵「さすがに目視で具体的な穴の大きさまではわからないな…」
魔女「じゃあ見なくていい!」もぞもぞ
傭兵「あーだめだめ動くなあぶないぞ」
傭兵「よし指で確かめてみようか」
傭兵「昨日よりきつさを感じなければ広がっているということだ」
魔女「…」
傭兵「その無言は良いってことだな」
俺は指先でマナの秘所をくすぐりながら少しずつ指を中へと突き進めて行った。
容量がいっぱいになった膣内から愛液が溢れ、とろりとおしりのほうへ伝っていく。
魔女「ん…ぁ…ぅ…」
傭兵「どうだ? 痛くないか?」
魔女「聞きたいのは私の方。昨日と違いはある…?」
傭兵「そうだなぁ…」
ぐにぐに
魔女「んんぅっ♥ んっ…っ!」
傭兵「いますごい可愛い声出たな」
魔女「あぅ…だめ。動かしちゃだめ」
傭兵「刺激にも慣れないとな。お前のいうセックスは」
傭兵「ここに俺のペニスをいれて」
ぐにぐに
魔女「んっ、んっ♥ あ…っ、は…」
傭兵「たくさんたくさんごしごしするんだぞ?」
ぐにぐにぐにぐに
じゅぷ じゅぷ じゅぷ
魔女「んんぅ~~…♥」
傭兵「やっぱりすこし抵抗が減ってる気がするな」
傭兵「相変わらず食いちぎられそうなほどきついけど、指を入れてて痛いほどじゃなくなった」
傭兵「2号、いけるかもな」
魔女「…ほんと…?」
傭兵「その前にもうすこしほぐしておこうな」
俺は指を根本から小刻みに震わせるように動かしてマナの膣内に刺激を送り込んだ。
行き場を失った膣液がさらに押し出されていやらしい音を立てながら跳ねる。
指先をくにくにと小さく曲げるとちょうどマナの敏感な部位にあたり、マナは甘い声を小さく漏らしながら官能に溺れていた。
ぷしゅ ぷしゅっ
傭兵「イッた?」
魔女「……」コクン
傭兵「良かった。マナの中だいぶとろけてるな」
傭兵「よし2号いれてみるか」
魔女「あぅぁ、待って、いまは…っ」
俺は箱から2号を取り出し、マナのほぐれたアソコにゆっくりと押し込んでいった。
強い抵抗は無く、あっという間にカリの部分が飲み込まれる。
2号ともなると形は立派なペニスを模してあるので、幼い膣が健気に陰茎を飲み込む姿は、あまりに背徳的で淫靡であった。
傭兵「大丈夫だ…この程度なら傷がつくことはない」
傭兵「力ぬけよ」
魔女「はっ、はっ、ま、待って…心の準備が」
じゅぷん
魔女「んんぅ♥」
マナの膣は2号の竿全体をしっかりくわえ込むことに成功した。
まったくうらやましいことにいま2号はマナの膣内のひだに全身を愛撫されているのだろう。
俺は若干の嫉妬心に駆られつつも、いずれ自分のモノがここに入る日を想い、股間をふくらませた。
傭兵「これでまた一歩前進だな」
魔女「…うん」
傭兵「次は3号かぁ。ちょっと太くなるな」
傭兵「でもこれが無事入る大きさまで拡がったらその時は…」
魔女「…セックスしてほしい」
傭兵「わかってる。俺のを受け入れてくれるか?」なでなで
魔女「うん…早くしたい」
傭兵「マナはエッチな子だな」
魔女「あなたが欲しいだけ」
魔女「ユッカに負けない。あとついでにヒーラにも」
傭兵「あんまり仲間内で対抗心燃やすなよ…心配しなくてもみんな大好きだからな」
魔女「キスして」
魔女「んっ…んっ♥ ちゅるっ、ちゅ…」
魔女「はっ…ん、顔見ちゃダメ」
傭兵「お前のほうからねだるなんて珍しいな」
魔女「今日は少し心細い夜。魔力が弱い」
傭兵「そういや朔の日か。満月とは逆なんだよな」
傭兵「不安ならここで寝るか?」
魔女「…」フルフル
魔女「魔力と共にあの力も弱まるから…今日はユッカたちに迷惑をかけずに少しは安心して眠れる」
魔女「私にとっては満月の夜のほうがよっぽど怖い」
魔女「もし寂しければあなたもこっちの部屋に来ていいよ」
傭兵「俺はもうすこし起きてるよ。おやすみ」
魔女「おやすみなさい。1号を乾かしておいて」
傭兵「おう。ちゃんと綺麗にしとくよ」
傭兵「さてと、ちょっとなまった身体を鍛えてから寝るとするか」
傭兵「ここ最近ふがいねぇからな…」
傭兵「神獣相手にあのざまだ…こんなことではユッカたちは守れない」
腹筋でも始めようかと思った矢先、突然部屋の扉が開かれた。
傭兵「ん、忘れ物か?」
勇者「……」
傭兵「なんだユッカか」
顔を上げると入り口にはパジャマ姿のユッカが突っ立っていた。
傭兵「どうした。寝ないのか」
勇者「ハァ…はぁ…ハァ…はぁ…」
傭兵「もしかしてまたアレが来ちゃったか」
勇者「はぁ…ハァ…はぁ…♥」
なにやら様子がおかしい。
ユッカの息はここまで聞こえるほど荒く、不審に思い顔を見ると、その目は怪しく赤く光っていた。
ユッカはゆっくりとこちらに向かって歩みはじまる。
足音ひとつないその足取りが嫌に不気味思えた。
傭兵「どうした。うずうずしてきたならそこの椅子に座れ」
傭兵「薬を塗ってやる」
勇者「…」フルフル
傭兵「お前、変だぞ」
勇者「ねぇソル。口あけて」
傭兵「?」
ユッカは俊敏な動きでふいに距離をつめ、俺の眼前へと迫る。
そして手に握った何かを俺の口に当てて押し込んできた。
傭兵「んなっ!」
吐き出そうとする前に唇で口をふさがれる。
そしてユッカはじゅくじゅくと激しい音と立てながら唾液で俺の口内を陵辱し、無理やりその何かを俺の喉奥へと流し込んだ。
傭兵「げほっ、なんだっ!」
一呼吸置くと俺は次第に体温の上昇を感じ始めた。
マナとの行為から時間が経ち少し収まりかけていた股間はあっという間に勢いを取り戻し、さらに大きく張り詰めていく。
傭兵「ユッカ! なに飲ませた!」
勇者「えへへ…いっぱい♥」
ユッカは相変わらず据わった目をしたまま、ニタリと歯を出して笑った。
口元にまるで動物の牙のような大きな八重歯が露見した。
傭兵(なにかおかしい…)
傭兵「く、身体が…」
勇者「今日は…身体がおかしいんだ。熱くて熱くて、溶けちゃいそう♥」
勇者「ほしいよぉ…♥ いっぱい欲しい」
勇者「でもいつものソルじゃきっと物足りないから…10倍ううん20倍頑張れるようにお薬のませてあげたの」
傭兵「なにを言ってやがる…お前は誰だ」
サキュバス「誰って。あなたの大好きな勇者ちゃんよ」
傭兵「!」
窓辺にはいつの間にか淫魔が腰掛けていた。
くすくすとたのしそうに笑い、こちらの様子を伺っている。
傭兵「お前の仕業か!」
サキュバス「言ってなかったけ? あたしたちは闇夜の生き物」
サキュバス「今宵はあたしたちがもっとも活発に活動できる夜」
サキュバス「そしてもっとも精に飢える夜」
サキュバス「あたしの呪いを受けたその子もおんなじ♪」
サキュバス「淫魔のはしくれとして、た~っぷりお食事しなきゃ」
傭兵「淫魔の…はしくれ…?」
傭兵「ユッカは…淫魔になってしまったのか…?」
サキュバス「あたしの呪いが強く発揮されてるだけ。完全な淫魔になるには修行がまだまだ足りないわ」
傭兵「ふざけるな!」
勇者「はぁ…ハァ…精液、ちょーだい」
勇者「ボクのおまんこ、壊れるまでかきまわして、ソルのをいっぱい中に出して」
傭兵「なっ」
サキュバス「がんばりなさい」
傭兵「バカを言え! いますぐ呪いを解け!」
サキュバス「だめよ。あたしはこれから自分の分を絞りにいかなきゃダメだもの」
サキュバス「新月までに街についてくれて助かったわ。ありがとね」
傭兵「くそっ」
サキュバス「そうそう、ちゃーんとたっぷりあなたが干からびるまで注いであげなきゃダメよ」
傭兵「できるかそんなこと!」
サキュバス「だってぇ。その子の理性、とっくにぶっ壊れてるから」
サキュバス「あなたで物足りないなら、裸で外に出て行っちゃうかも♪」
サキュバス「そしたらどうなるかしらねぇ」
傭兵「!」
サキュバス「そんな姿見つかったら質の悪い酔った男たちの格好の慰み者よね?」
サキュバス「セックスに頭を支配されたその子はきっと拒まないわ」
サキュバス「そうなればすっごくレベルアップするかもね!」
サキュバス「ま、あたしはそれでもぜーんぜんいいんだけどね! あはは!」
勇者「レベル…えへへ」
傭兵「くっ、ユッカ…正気にもどれ」ギュッ
勇者「ソル…ボク…ボク」ぐすっ
勇者「こんなエッチな身体になってごめんなさい…でも、もう我慢できない♥ もういますぐセックスしたい!」
勇者「はむ…ちゅっ、ちゅる♥ ソルが死んじゃわないように手加減するから…ちゅ…ちゅう」
傭兵「けほっ、げほ」
勇者「セックスしたい、セックスしよ。ボクのおまんこ壊して♥」
勇者「うあぁぁあエッチな事したいよぉお!!」ドンッ
傭兵「ぐあっ!」
俺はとんでもない力で押し倒された。
瞬く間に服をはぎとられ、二人は一糸まとわぬ姿になる。
ユッカは俺にまたがり、すでにひたひたに濡れた淫裂を亀頭の先に押し付けた。
勇者「はぁ…はぅ♥ おちんぽっ」
勇者「きゅぅ…いただきます」
じゅぷん!
ユッカは一気に腰をおろして、俺を膣奥まで招き入れた。
ぶちゅりと陰液がはじけとぶ。
いつもよりはるかに熱くドロドロになった膣内に圧迫され、
入れただけで俺のペニスはあっという間に達してしまった。
勇者「あぅぅん♥ なんか出てるよぉ。早すぎ」
勇者「あはっ、イッちゃったんだね。えへへ、ボクのおまんこそんなに気持ちよかった?」
傭兵「はぁ…ハ、お前」
勇者「でもまだまだ硬いや。お薬たりなくなったらまた飲もうね」
勇者「じゃあ…動くよ♥」
じゅぷ じゅぷ じゅぷ
ユッカは遠慮もなく腰を上下に動かし始めた。
このような体位で性行為に及ぶのは初めてだったが、ユッカはまるで生まれつきしっているかのように、慣れた様子で身体をリズムよく揺らす。
勇者「いっぱいいっぱいしようね。朝までしようね」
勇者「ソルのおちんぽがボクの中で溶けてなくなっちゃうまで…犯してあげる♥」
いまのユッカは、間違いなく淫魔と同化しつつあった。
第18話<オクトピア>つづく
更新おわり
次回月曜日夜
第18話<オクトピア>つづき
じゅぷ じゅぷ じゅぷじゅぷ
じゅぷ じゅぷ じゅぷじゅぷ♪
傭兵「うっ…ぁっ、はぁ…ユッカ」
勇者「はぁ、ハァ♥ どう? ボクの…おまんこ」
勇者「ソルの精子でべたべたで、ドロドロで…ぐっちゃぐっちゃできもちいでしょ?」
勇者「んっ、んっ♥ んっ♥ ハァ…♥」
勇者「ボクの中で何度も出してね? 絶対中出しだよ!」
勇者「逃してあげないから…♥」
じゅぷ じゅぷ じゅぷじゅぷ
じゅぷ じゅぷ じゅぷじゅぷ♪
ユッカは俺の上にまたがり夢中で腰を動かし続ける。
抵抗しようにも俺の胸元を押さえつける力はすさまじく、
また俺自身、身体にうまく力が入らず恍惚に浸る少女を無理やり押しのけることは難しかった。
勇者「ソルのおちんぽ…かたい、硬いね…」
勇者「んぅんぅっ♥ ここ、好きなの」
ユッカは何度も何度も腰を深く降ろし、膣奥に俺の直立した陰茎を自ら突き刺した。
俺のペニスはユッカの内襞を勢い良くかき分けて、子宮の入り口にカリの先をゴリゴリとぶつかる。
その度に途方も無い射精感に襲われたが、必死に理性を動員して耐えていた。
傭兵(何度も出してしまったら…まずい…)
勇者「ハァ♥ ハァ♥ んっ、んっ…ここ、ここ♥」
勇者「おちんちんのさきっぽが、ゴリゴリって♥ ああぁん、当たってるよぉ」
勇者「ソルのおちんちん固くて大好き。もっとしちゃうね。もっと食べちゃうね♥」
ユッカはさらに弾みをつけて、腰を上下にはしたなく振り始めた。
ぶちゅぶちゅと淫猥な音が二人の間から響き、ドロドロに交じり合った汁がどんどんと溢れてくる。
勇者「あっ、あっ、あっ♥ これ、これぇ♥」
傭兵(このままじゃユッカにしぼりつくされて殺されるかもしれない…)
傭兵「だめだ…ユッカ…正気にもどれ」
勇者「ボクはしょうきらよ。えへへ、んっ♥ んっ♥」
じゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷ じゅぷじゅぷじゅぷ
勇者「ほら、こんなにエッチな音してる」
勇者「ソルも見えるでしょ、おちんちんがボクのおまんこに出たり…入ったり…んんぅ♥」
勇者「こんなに、腰を動かすのがきもちいなんて、おもわなか…った♥」
勇者「はぁ、はー…♥ ソルもいつもこんなふうにきもちよくなってたんだね…ずるいよぉ」
勇者「ボクの、おまんこ気持ちいいい!? 奥でいっぱいつつみこんで…あげる」
勇者「ソルのこと、あと10回…ううん20回射精させてあげるからねっ♥」
勇者「お薬…まだまだいっぱい…あるから…れろぉ、ちゅっ…ちゅむ」
ユッカは怪しい錠剤を口にふくむ、だらしない顔を俺に近づけまた無理やり飲ませようとしてきた。
俺はなすすべもなくそれを受け入れる。
ユッカの唾液に口内をふたたび犯されて、ユッカの甘いにおいが鼻までつきぬけた。
傭兵(なんだ…飲まされる度に…身体がいうことを効かなくなってくる…)
傭兵「ま、まさか…」
勇者「…? どうしたの、えへへ…動けないね」
勇者「ボクのツバを飲んだら頭も身体もとろとろになるんだよ…」
勇者「もう逃げられないね…?」
勇者「ソルがただのおちんぽになるまで、いっぱい飲ませてあげる♥」
勇者「はむ…じゅるっ、じゅぷ」
傭兵(やめろ…淫魔に負けるなユッカ…!)
傭兵「けほっ、けほっ」
勇者「おちんぽどんどん硬くなってくるよぉ~? えへへ、2回目の射精だね」
じゅぷ じゅぷ じゅぷじゅぷ
じゅぷ じゅぷ じゅぷじゅぷ♪
勇者「んぁあん、あんっ、ボクの身体もとけちゃうよぉ♥」
びゅくっ、びゅるるっ、びゅく
勇者「あぁー♥ 出てる…出ちゃった♥」
勇者「きもちよかった? でもまだおちんぽカチカチ…♥」
勇者「まだまだ物足りないから、腰うごかすね」
傭兵「やめろ…今は…あぐぁっ」
勇者「んっ…んっ、んっ」
じゅぷ じゅぷ じゅぷ じゅぷ じゅぷじゅぷ
じゅぷ じゅぷ じゅぷじゅぷ じゅぷ♪
勇者「こうやって…ソルがエッチな顔してるなんて、嬉しい…」
勇者「ボクのおまんこでそんなに感じてくれてるんだね」
勇者「いいよ、ほらもっかい…イっちゃえ!」
びゅるるっ、びゅくびゅくびゅく
傭兵「~~~っ!」
勇者「あっははは、おちんぽびっくんびっくんボクの中で跳ねてるよぉ! うれしいねぇソル」
勇者「ボクももーっときもちよくなっちゃおーっと…」
じゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷ
じゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷ…
勇者「うっ、あっ、はっ、んっ、んぅ♥」
勇者「すごいよぉ…何回だしてもカチカチのおちんぽ」
勇者「全部中出しだよ。全部味わってるからね」
勇者「ソルの精子おいしいよぉ、大好きぃ…もっとちょうだい」
勇者「ボクもっ、ボクもっイクっ、来ちゃうっ♥」
勇者「んっ、んんぅ~~~っ! あぁぁぁ……ッ! ~~~っ♥♥」
勇者「はぁ、ははぁ、はぁ♥ しゅごっ、イイっ、イッちゃってる…ボクのおまんこっ」
勇者「ソルのおちんぽ奥にごちゅごちゅあたって…きもちイイっ♥」
勇者「はっ、はっ、はぁ…ハァ♥」
勇者「もっとしたい…頭ビリビリしちゃうくらいもっとしようね」
勇者「うごくよ…死んじゃわないように頑張ってね」
傭兵「ぁ…か…う」
<数時間後>
じゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷ
じゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷ!
勇者「ぁぁあっ、あっ、ああっ!」
勇者「おっ、お゛ぉっ、これっ、これぇ♥ しゅき♥」
勇者「お゛ぉ…ボク、頭こわれちゃうっ…おまんこも自分で壊しちゃいそ」
勇者「あついよぉ、おまんこあついよぉ。とけちゃうとけちゃう」
勇者「射精おそいよぉ、まだぁ? まだなのっ、早く」
勇者「んっ、んぅぅ♥」
じゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷじゅぷ!
びゅく…びゅく…
勇者「き、きてるっ♥ せーし出てるっ! あぁぁぁ♥」
勇者「もっと! もっとだせぇ!」
じゅぷじゅぷじゅぷじゅぷ!!
びゅく…
勇者「~~~~っ♥♥」
<更に数時間後>
じゅぷじゅぷ…じゅぷじゅぷ…
じゅぷ… じゅぷ…
勇者「はぁ…はぁ…うう、ううっ」
勇者「おちんぽぉ…立ってぇ、立って…」
勇者「お薬…のませなきゃ」
勇者「ソル、お口あけてぇ」
傭兵「 」
勇者「あーん…ちゅぷ…ちゅむ。ごっくんしてよぉ」
勇者「はぁ…はぁ…疲れちゃったね」
勇者「もう、腰が…動かないよ」
勇者「おまんこ…きもちくなりたいのに…」
じゅぷ…じゅぷ…
勇者「んっ、んっ…奥にこりこりしたいのに…もっとカチカチになってよぉ」
勇者「ほら…ソルの大好きなおまんこだよ」
勇者「もう何十回もだしてねとねとで…ぬるぬるしてて…きもちいいでしょ」
勇者「なんで…おちんちん立ててくれないの」
勇者「寝ちゃダメだよぉ」ゆさゆさ
傭兵「 」
勇者「うえぇぇん」
じゅぷ じゅぷ…
勇者「足りないよお…ボクのおまんこまだこんなにうずうずしてるのにぃ」
勇者「奥をずっとコリコリして…おちんちんでかきまわしてほしいのに」
勇者「どうしてしてくれないのバカァボクとエッチしてよぉ!!」
勇者「ぐすっ…」
勇者「足りないよぉ」
勇者「……」むくり
勇者「そうだ…ソルでたりないなら……」
チュンチュン…チュンチュン…
勇者「んぅ…? 朝…?」
勇者「あ、あれ…ボク…何を」
勇者「ふぁ…ねむたいな」
勇者「おやすみなさい」どたっ
傭兵「げほっ! …?」
傭兵「…ぁ…?」
勇者「…すぴーzzzz」
傭兵「なんだ…ユッカか」
傭兵「う…水…干からびそうだ…」
勇者「んぅ…ボクのおちんぽ…zzz」ギュッ
傭兵「くそ…なにがどうなってやがる」
傭兵「うわ…こいつ汗くさいな…それとアレの匂いだ」
勇者「んあ…zzz」
傭兵「牙が無くなってる…そうか、朝になって効果が無くなったのか」
サキュバス「うふふ…お疲れ様」
傭兵「てめぇ…」
サキュバス「ちゃーんとあなたのペニスで繋ぎ止めることができたのね。拍手」パチパチ
傭兵「ふざけやがって…」
サキュバス「といってもこのお薬のおかげかしら」
サキュバス「あらら。もうこんだけしか残ってないのね」カランカラン
サキュバス「来月の新月の日は、どうなるかしら」
傭兵「…!」
サキュバス「はぁーい、じゃあ頑張ったご褒美あげるわね」
▼勇者は4375の経験値を手に入れた。
▼勇者はレベル20にあがった。
傭兵「…」
サキュバス「何よ怖い目して」
サキュバス「月に一度の経験値サービスデーよ!! 喜びなさいよ!」
傭兵「死ぬ思いしてか?」
サキュバス「し、しらないわよ! たった数十回で果てるへにゃチンなのが悪いんでしょ!」
傭兵「俺はただの人間だぞ」
サキュバス「あ、そうそう。実は技もひとつ覚えたんだけどぉ、それは起きたらその子に聞いてみてね」
傭兵「…さて」
サキュバス「?」
傭兵「取った!」 ジャキン――
サキュバス「ぎゃう!?」
サキュバス「…って残念でした…あなたじゃあたしは斬れないの」
傭兵「…」
傭兵「…どうやったらお前は死ぬ。それともお前はすでに」
サキュバス「おしえるわけないじゃなーい」
サキュバス「その子とあたしは運命を共にしているんだから、あんまり手荒なことしないほうがいいわよ?」
サキュバス「じゃあね、グッナーイ。じゃなくてグッモーニンか!」パタパタ
傭兵「また逃したか…」
傭兵「ユッカ…お前、放っておくと淫魔になるのか?」
勇者「…すぅ、すぅ…zzz」
傭兵「そんなこと、させやしない。急がないとな」
なでなで
勇者「えへへ…おちん…ぽ……zzz」
傭兵「…」
傭兵(毎月これがあるとしたら、そのうちほんとに殺される……)ゾゾッ
・ ・ ・
僧侶「え? ユッカ様まだ寝てるんですか」
傭兵「あぁ。寝かしといてやってくれ」
僧侶「もしかして…」ジー
傭兵「…なぜ俺を見る」
僧侶「いえいえ…私が寝付くころにはまだ声がしていたので…」
僧侶「…ごにょごにょですか?」
傭兵「…」
傭兵「ヒーラちゃん達には話しておいたほうがいいか」
傭兵「ユッカの呪いの症状は深刻だ」
僧侶「…最近うすうす感じていたんですけど、やっぱりそうですよね」
傭兵「特に新月の夜。昨夜はいつも以上の苦しみ方だった…」
僧侶(すごく甘い声がしたんですケド)
傭兵「このままでは淫魔になってしまう」
僧侶「それはダメです」
魔女「食い止めなければいけない」
僧侶「お薬を塗ってもウズウズはおさまらないのですか?」
傭兵「情けないことに俺は抵抗する間もなく、いいようにしてやられた…くそっ」
僧侶「へぇ」
傭兵「なっ、ほんとだぞヒーラちゃん! 昨晩はほんとにユッカが淫魔になっていたんだ」
僧侶「そーですかー。たいへんでしたねーー」
魔女「いっぱいセックスした?」
傭兵「し、したというか。させられた。朝からその単語を口にするのはやめろ」
僧侶「…」
傭兵「信じてくれ…俺は危うく死ぬところだったんだ!」
僧侶「ユッカ様との行為中に命を失うなら、それはとってもしあわせじゃないですかねぇ」
僧侶「ね?」
傭兵「…悪かった。よし、今夜一緒に寝よう」
僧侶「なっ、そういうことを言いたいわけじゃないです!」
傭兵「それとマナ、お前のつくった薬のおかげで助かった」
魔女「…そう」
傭兵「けどもう無くなったんだ」
僧侶「えっ、あんだけたくさんあったのに全部使っちゃったんですか!?」
傭兵「ま、まぁ…無理やり、飲まされた」
僧侶「絶対身体に悪いですよ」
傭兵「あぁ…水風呂に入ったのにまだ頭がぼーっとする」
魔女「レシピは保存してあるから、材料を集めて作る。幸い今日は暇」
僧侶「では私がお買い物に付き添います」
僧侶「ユッカ様はどうせ起きないでしょうし」
傭兵「俺は飯くったらギルドに向かうよ。最悪なコンディションだが、仕事を受けた以上は初日からサボるわけにはいかない」
僧侶「がんばってくださいね。ソル様のお給金が私達には必要不可欠なんです」
傭兵「だが滞在費とその他雑費で飛びそうだな…」
僧侶「やっぱり私達も早々にお仕事に就いたほうがいいですよね…」
僧侶「それと、この水着コンテストも…」ピラッ
傭兵「お?」
僧侶「すこしでもお金の足しになりそうなら…出てみようかと。恥ずかしいですけど」
傭兵「無理はしなくていいよ。今日はとりあえずマナに付き合って、その後はユッカを頼む」
僧侶「はいっ」
魔女「私もこのコンテストに出たら、賞金を手に入れる確率があがるかもしれない」ジー
傭兵「無理はするな」
魔女「なぜ私には命令口調」
【冒険者ギルドの酒場・オクトピア支部】
警備隊「来たな」
傭兵「今日からよろしく」
警備隊「君の戦歴をみさせてもらった。たいしたものだ」
警備隊「ウチでは即戦力になる」
傭兵「どうも」
警備隊「早速海上の遊撃部隊に回ってもらおう」
傭兵「船の上か…」
警備隊「…と言いたいところだが、船乗りになるには下積みも必要だ」
傭兵「まじかよ…」
警備隊「舟に乗る前にまずは数日、海浜警備にあたってもらう」
傭兵「了解。具体的に何をすればいい」
警備隊「…浜辺の監視員だ」
傭兵「…はぁ」
警備隊「戦力を割くのは惜しいが、特例を認めるわけにはいかない」
警備隊「辛抱してくれ、数日で船に乗せることは約束する」
傭兵「…」
警備隊「それに、件の騒ぎで浜の人口が増えた」
警備隊「出港待ちの商人の家族らはみな浜で暇をつぶしている。例年とは比べ物にならないごった返しだ」
警備隊「我々としては浜の保安に目を行き届かせるのも難しいほど人手不足なのだ」
警備隊「というわけで明日から頼んだぞ新入り」
傭兵「要は浜遊びしてるやつらを見張るだけだろ…」
警備隊「日焼け止めは持っていけ。焦げて死ぬぞ」
傭兵「はい…」
<その夜>
勇者「…」もぐもぐ
宿屋の少女「とれたての魚介をふんだんに使いました。たくさん食べてくださいね」
僧侶「ソル様、明日からいよいよ海賊退治ですね」
傭兵「…」
僧侶「…? ど、どうしました」
傭兵「みんな明日は水着で浜辺に集合だ」
僧侶「な、なにをおっしゃってるんですか!」
傭兵「所詮俺は新入り…さっさと海賊つぶして航路を開くなんて浅い考えだったな…」
僧侶「えぇ…。なんだかすごく落ち込んでますね。なにかあったんですか」
傭兵「船乗りになるには最低でも数日陸で経験をつまなきゃいけないそうだ」
傭兵「その間浜辺で監視員をするから、みんな遊びに来い」
僧侶「遊びにって…私達お仕事さがさなきゃいけないんですけど…」
勇者「…」もぐもぐ
傭兵「だって暇だろ! 監視員だぞ!今日チラっと仕事っぷり見てきたが、一日中すわってるだけだぞ!」
僧侶「そんなこと言われましても…」
傭兵「ユッカ、お前は来てくれるよな! ついでにタコ探しにくるよな!?」
勇者「…う、う」
僧侶「ユッカ様?」
勇者(恥ずかしくて顔あわせられないよ…ソルにあんなことしちゃったなんて…)
傭兵「ちゃんと返事しろ! 浜にくるよな!?」がしっ
勇者「ひゃぐ!? ご、ごめんなさいっ行くからっ、行くよ!」
傭兵「大丈夫か? まだ調子がわるいなら寝てていいけど…」
勇者「へ、へっちゃらだよ! 半日も寝たから元気満タン!」
勇者「明日は絶対遊びにいくよ」
傭兵「よし」
魔女「私は行かない」
勇者「えーどうして」
傭兵「来いよ」
魔女「だって暑そう」
傭兵「それはそうだが。そんな理由で拒まれると悲しい」
勇者「みんなで行くよ! 勇者命令です」
魔女「…む」
宿屋の少女「わぁ楽しそう…」
傭兵「よければローレさんも来いよ。どうせ俺たち宿つかわないし、閉めちゃっても大丈夫だろ」
僧侶「じゃあみんなで海で遊びましょう!」
勇者「わーい。せっかく海に来たんだからちょっとくらい遊んだっていいよね!」
傭兵「ただしユッカ。お前は剣ももってくること。時間を見つけて稽古をつけてやる」
傭兵「一日中遊び倒すのはダメだ許さん」
勇者「はぁい」
僧侶「早速明日の準備しなくっちゃ」
宿屋の少女「お弁当はは私におまかせください」
傭兵「うんうん」
勇者「にしてもさ、いくら暇とはいえソルが自分から遊びにこいなんて言うの珍しいよね」
傭兵「そうか?」
僧侶「そうですね」
勇者「ボクたちの水着がみたいだけだったりして…ソルのエッチ!」
傭兵「なぜそうなる。むしろいまは何も沸き立たない…すっかり枯れ果ててしまった」
勇者「…」
傭兵「わ、わるい…そういうつもりじゃない。ユッカごめん」
勇者「ううん。元気になったら…またしようね?」なでなで
傭兵「それをここで言うのはどうかとおもうぞ…」
勇者「はっ! み、みんな今の聞いてた!? 忘れて!」
魔女「ずるい」
僧侶「ユッカさまのえっちー、それをもっと私に向けてもいいんですよー」
宿屋の少女(当館での公序良俗に反する行為はご遠慮ください…)
第18話<オクトピア>おわり
更新おわり
次回本日22:00~(予定
キリが良いため第19話から次スレに移行します
少女勇者「エッチな事をしないとレベルがあがらない呪い…?」
少女勇者「エッチな事をしないとレベルがあがらない呪い…?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1433253347/)
イラスト等についてはご自由にどうぞ
いずれ設定資料的な挿絵を公開するかも…
このSSまとめへのコメント
ソル弱すぎでは?
竿役としてしか機能してないし