八幡「佰ヒャク物モノガタリ語」 (205)
このssは化物語オリジナルドラマCDの『佰ヒャク物モノガタリ語』を真似た百個の短編集です。
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【入学試験】
八幡「俺達の通う総武高校って千葉県の中でもかなりレベルの高い進学校だから入学試験って結構難しかったよな」
雪乃「そうね。倍率もかなりの高さだったのを覚えているわ」
八幡「……」
雪乃「……」
八幡「……よく由比ヶ浜受かったよな」
雪乃「……そうね」
結衣「ちょっと二人とも!? 私に失礼じゃないかな」
八幡「いや、マジでこれはしょうがないだろ。だって由比ヶ浜だぜ?」
結衣「意味分かんないし!」
雪乃「由比ヶ浜さんには悪いけれど。ずっと疑問に思っていたのよね」
結衣「うぅ……」
八幡「多分、総武高校七不思議の一つに『由比ヶ浜が総武高校に受かった』ってのがあるぜ」
結衣「そんなのないよ! ……多分」
雪乃「私もあると思うわ」
結衣「ゆきのんまで!」
八幡「マジでお前どうやったんだよ。小町が受験する時にその裏技使うから教えてくれよ」
結衣「普通にみんなと同じで受験勉強して試験を受けて合格したよ!」
雪乃「由比ヶ浜さん小町さんのためよ。 教えてあげたら?」
結衣「もう、知らない!」
八幡「悪い悪い。冗談だから機嫌直せよ」
雪乃「ごめんなさい。私もつい悪乗りしてしまったわ」
結衣「むー、 ゆきのんは許すけどヒッキーは許さない!」
八幡「なんで俺だけ……」
雪乃「ありがとう由比ヶ浜さん」
結衣「ヒッキー今度私とゆきのんにハニトー奢ってよね」
八幡「なんでだよ……しかも雪ノ下まで」
結衣「奢ってよね!」
八幡「へいへい」
合格発表】
八幡「そう言えば合格発表、見に行かなかったな」
雪乃「確か発表当日は留置所にいたのよね」
結衣「えっ! 本当に!?」
八幡「いや、違うから……明らかに嘘だって分かるだろ」
雪乃「あら、違ったの……」
八幡「残念そうな顔をするな。怖くて見に行けなかったんだよ。確か代わりに小町に見に行ってもらったわ」
結衣「うわぁ……情けないお兄ちゃんだ」
雪乃「小町さんの苦労が目に浮かぶわ」
八幡「しょうがないだろ。そう言うお前らはどうなんだ?」
結衣「私も怖かったけど、ママと一緒に見に行ったよ。私の番号見つけた時は嬉しくてママと二人で抱き合ったな?」
八幡「なんかその時の光景が目に浮かぶわ」
雪乃「私も見に行かなかったわ」
結衣「えっ、ゆきのんもヒッキーと一緒で不安だったの?」
雪乃「いいえ違うわ。私をそこの臆病者と一緒にしないでくれるかしら? 私の場合は受かるのは当然だからわざわざ見に行く必要がないのよ」
八幡「腹立つけどお前なら納得だ」
結衣「流石ゆきのん!」
【入学式】
結衣「ゆきのんって入学式のとき、新入生代表の挨拶してたよね」
雪乃「そうね。本当は断りたかったのだけれど、そう言う訳にもいかなかったのよね」
八幡「へー、お前そんなことをしてたのか」
結衣「えっ、なんでヒッキー知らないの?」
八幡「いや、その時は俺病院にいたから……」
結衣「あっ!………ご、ごめんね?」
雪乃「その……ごめんなさい」
八幡「別にお前らは悪くないんだから気にするなよ」
結衣「……うん」
雪乃「……そうね」
八幡「……なんか悪い」
結衣「……」
雪乃「……」
八幡「……」
結衣「つ、次いこうよ!」
雪乃「そうね」
八幡「ああ」
【クラス分け】
結衣「そう言えばヒッキーとさいちゃんってずっと同じクラスだよね」
八幡「言われてみればそうだな」
結衣「でもヒッキーさいちゃんに気づかなかったんだよね」
八幡「くっ、戸塚と同じクラスにいて気づかないなんて俺はなんて愚かな奴なんだ……」
結衣「まぁ、しょうがないよヒッキーなんだし」
八幡「まだ、高校に入学したばかりの初々しい戸塚と同じクラスにいたのに気づかない俺のバカ野郎ぉ……」
結衣「ヒッキー落ち込みすぎだから。どんだけさいちゃんのこと好きなんだし……」
【クラス分け2】
結衣「ゆきのんと一緒のクラスになりたいな?」
雪乃「いきなりどうしたのかしら由比ヶ浜さん?」
結衣「なんかヒッキーとクラス分けについて話してたら、急にそんなこと思っちゃったんだよね」
雪乃「そう」
結衣「なんかゆきのんが素っ気ない……」
雪乃「ごめんなさい。そんなつもりではなかったの」
結衣「うんん、大丈夫。 そうだ、三年生のクラス分けってどうなるかな?」
雪乃「そうね。まず、文系と理系に別れて、そこから幾つかのクラスに別れていくと思うわ」
結衣「そっか?あたしね、ゆきのんともし一緒のクラスなったらやりたいことが沢山あるんだ!」
雪乃「例えばどんなことかしら?」
結衣「んとね、まず、朝からゆきのんといっぱいお喋りして?」
雪乃「部室でもしてるじゃない」
結衣「もっといっぱいお喋りしたいの! それでね、休み時間にもお喋りして」
雪乃「そんなに話すことがあるかしら……」
結衣「あ、あるよ!それでそれで一緒にトイレにも行って教室で机をくっ付けてお弁当食べたり」
雪乃「トイレに行くのに一緒に行く必要があるかしら? それに今だって部室でお昼飯を一緒に食べているし」
結衣「うー、それで席なんかも隣同士になったら教科書忘れた時に机をくっつけて仲良く二人で見たり! 消しゴム忘れたら二人で代わりばんこに使ったり」
雪乃「……」
結衣「授業で分からないところがあったら教えあいっこしたりしたかったな?」
雪乃「由比ヶ浜さんごめんなさい。私あなたと一緒のクラスになりたいとはあまり思えないわ」
結衣「えー! なんで!なんで!」
雪乃「なんでもよ」
結衣「ゆきのん酷いよぉ?」
雪乃「これは貴女のためでもあるのよ」
結衣「うぅ?」
【テスト勉強】
結衣「テスト勉強の時二人は一夜漬けとかする?」
雪乃「ないわ」
八幡「ないな」
結衣「じゃ、じゃぁ徹夜は?」
雪乃「ないわ」
八幡「ないな」
結衣「えー」
雪乃「由比ヶ浜さん普段から勉強をしていたらそんな事をする必要がないのよ」
結衣「うー」
雪乃「因みに比企谷くんの場合は友達がいないから遊びなどに誘われず勉強くらいしかやることが無かったから」
八幡「なぜ、お前が言うんだよ……本当の事だけど」
結衣「ヒッキー……」
八幡「やめろ、そんな哀れむような目で俺を見るな」
雪乃「比企谷くん……」
八幡「お前は俺と一緒だろ!」
雪乃「……否定はしないわ」
結衣「そこは否定しようよ! あたしが悲しくなってきちゃったよ!」
雪乃「由比ヶ浜さん抱きつかないでくれないかしら」
結衣「ゆきの?ん」
雪乃「……暑苦しい」
八幡「前にもこれと同じ光景を見たな……」
【不良】
結衣「うちの学校って不良いないよね」
八幡「まぁ、進学校だからな。 その代わりビッチとアホの子はいるけどな」
結衣「ちょっ、なんであたしを見て言うし!」
八幡「……別に」
結衣「ヒッキーマジキモい!」
八幡「不良と言えば川なんとかさん見た目は不良ぽいけど、実はただのブラコンなんだよな」
結衣「川なんとかさんってもしかして川崎さんのこと?」
八幡「え?……あぁ」
結衣「ヒッキークラスメイトの名前くらい覚えなよ! 川崎さんに失礼だよ!」
八幡「お、おう……すまん」
結衣「あたしじゃなくて川崎さんに謝りなよ!」
八幡「は、はい」
【兄弟】
結衣「兄弟って憧れるな」
八幡「あ? ああ、一人っ子の奴はたいていそう言うよな。そんないいもんじゃねっての」
結衣「えー、そうかな? でもヒッキーと小町ちゃん見てるとやっぱり兄妹って憧れるよ」
雪乃「そうね。比企谷くんと小町さんくらいの仲の良さは私も憧れるわ」
八幡「お前の所は姉ちゃんがあれだもんな」
雪乃「ええ、本当にやっかいな人よ」
【学問】
結衣「人は天の上に天を造らず、天の下に天を造らず」
八幡「……」
雪乃「……」
結衣「あれ、どうしたの二人とも? これは学問のすすめだよ?」
八幡「ゆいゆい、アホの子、残念な子」
結衣「ノムさんのぼやきみたいに言わないで!」
雪乃「懐かしいわね……」
結衣「ヒッキーなんで、そんなこと言うの! マジあり得ないし!」
雪乃「由比ヶ浜さん、学問のすすめは『人は天の上に天を造らず、天の下に天を造らず』ではなく正しくは『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず』よ」
結衣「え!?……ホント?」
八幡「本当だよ……アホガハマ」
結衣「ちょっとヒッキー!? いくらなんでも失礼過ぎだし! 」
雪乃「比企谷くん流石に酷すぎよ。前にも言ったでしょ? 真実は時に人を傷つけると」
結衣「それもう言っちゃってるよ!」
雪乃「由比ヶ浜さん……真実から目を背けてはいけないわ。 現実を、そして通知表を見て」
結衣「うぅ……ヒッキーゆきのんがいじめるよぉ……」
八幡「俺に助けを求めるなよ」
雪乃「比企谷くんは鏡を見て」
八幡「ほら、俺にも矛先が向いてきちゃったよ……」
雪乃「ふふ♪」
八幡「超楽しそうだな……」
結衣「ゆきのんがわるのんになっちゃったよ」
【友達】
雪乃「比企谷くんには縁もゆかりもない言葉ね」
結衣「ぷっ」
八幡「お前にだけは言われたくないがな」
雪乃「あら、何故かしら? 私には由比ヶ浜さんという大切な友達がいるのよ? 比企谷くんと違ってね」
八幡「くっ……何も言い返せない」
結衣「ゆきのんがデレた!」
雪乃「//」
結衣「ゆきのん大好き!」
雪乃「ちょっと? きゃっ!」
結衣「ゆきのん♪」
雪乃「ゆ、由比ヶ浜さんくすぐったいわ……」
結衣「ゆきのんのん♪」
雪乃「暑苦しい……」
八幡「ガチユリじゃねぇかよ……」
【はやはち】
八幡「これはパスでいいな」
結衣「えー、なんで?」
八幡「いや、喋りたくないから」
雪乃「はやはちとはどういう意味なのかしら? 」
八幡「いや、それは……」
雪乃「比企谷くんは知っているようだけど、教えてくれないかしら?」
結衣「教えてよヒッキー♪」
八幡「お前ら本当は知ってるだろ……」
雪乃「知らないわよ♪」
結衣「知らないよ♪」
八幡「悪魔みたいな奴等だ……」
【とつはち】
結衣「これはパスでいいよね」
雪乃「そうね」
八幡「はっ!? なんでだよ! 別にいいだろ! それと逆だな『とつはち』じゃなくて『はちとつ』だ!」
結衣「ヒッキーキモい!」
雪乃「黙りなさいゴミ」
八幡「ひでぇな」
結衣「いいからパスなの!」
八幡「えー」
【えんぴつ】
八幡「鉛筆って小学生の頃は使ってたけど中学生になってからは全然使わなくなったな」
結衣「懐かしいね」
雪乃「私は小学六年生時にはもうシャープペンシルを使っていたわ」
八幡「あー、俺の学校にも何人かいたわ」
結衣「今じゃ美術とかでしか使わないよね」
八幡「テストで分からない時、よく鉛筆を転がしたな」
結衣「あー! それあたしもやった♪」
雪乃「鉛筆を転がす?」
八幡「六角柱の鉛筆の六面を削って1から6の数字を割り振って、テストの選択問題とかで分からなかったらその鉛筆を転がして、上に向いた数字を「答え」 とする方法のことだ」
雪乃「そんな方法があるのね」
結衣「あたしの学校はみんなやってたよ」
八幡「運頼りの方法ではあるが、昔から愛用されている解答方法の1つだな」
雪乃「そうなの……」
八幡「それ専用の鉛筆を持ってる奴なんかもいたな」
結衣「いたいた♪ なんか、その鉛筆使うとよく当たるとかでね」
雪乃「……」
結衣「あれ? どうしたのゆきのん?」
雪乃「いえ、ただ話に着いていけなくて……」
結衣「ご、ごめんねゆきのん?」
雪乃「……べ、別に気にしてなんかいないわよ」
八幡「ツンデレ乙」
雪乃「何か?」
八幡「いえ何も……」
雪乃「ふん!」
【席替え】
八幡「席替えって嫌なイベントだよな……」
結衣「えーなんで? 超楽しいじゃん! 誰が隣の席になるのかワクワクするし!」
八幡「で、結局思い道理の席にならなくてがっかりするんだよな」
結衣「うっ……確かに」
八幡「がっかりするだけなら未だしも、中学の時に俺の隣の席になった女子がいきなり泣き出したからな」
結衣「……」
八幡「そして何故か俺がクラス全員から避難の嵐を食らって、謝らさせられたな……」
結衣「ヒ、ヒッキー……」
八幡「……2、3回」
結衣「2、3回も!? 」
八幡「席替えって嫌なイベントだよな……」
結衣「あ、あたしはそんなことしないよ! ヒッキーの隣の席になれたら超嬉しいし!」
八幡「えっ! マジ?」
結衣「はわわわわ!! 今のウソ! 全然嬉しくなんかないし!」
八幡「お前って上げて落とすよな……」
結衣「ええっと! そうじゃなくて! えっと!えっと!……ご、ごめんね?」
八幡「謝られると余計に辛いんだが……」
結衣「つ、次! 次に行こうよ!」
【はやはち2】
姫菜「ぐ腐腐腐」
八幡「……」
姫菜「そんなあからさまに引かなくても……」
八幡「いや、いきなりそんな笑い方されたら誰でも引くから」
姫菜「ヒキタニくん的にはどう思う?」
八幡「何がだ?」
姫菜「はやはちだよ♪ はやはち♪」
八幡「どうも思わないってか、そのはやはち広めるの止めてくれない?」
姫菜「そんな恥ずかしがらないでいいからさぁー」
八幡「違うから、全然違うから……」
姫菜「ヒキタニくんの気持ちは分かるよ」
八幡「絶対分かってないでしょ……」
姫菜「あれでしょ『俺は受けだけじゃなくて攻めもしたいんだよ!!』って思ってるんでしょ? はちはやでしょ?」
八幡「全然ちげぇよ!」
姫菜「だからこれから『はやはち』だけじゃなくて『はちはや』も広めようと思ってるんだよ」
八幡「マジで止めて……」
姫菜「あっ! あんな所に隼人くんがいる! おーい♪ 隼人くーん♪」
八幡「葉山! こっちに来るな!」
隼人「どうしたんだい姫菜? というか珍しい組み合わせだね」
八幡「……」
隼人「ヒキタニくんそんなあからさまに嫌な顔しなくても……」
八幡「ふっ……あと数秒でこの顔の意味が分かるさ……」
隼人「?」
姫菜「キマしたわぁ?♪」
八幡 隼人「!」
姫菜「はやはち♪ いや、はちはや♪」
隼人「ヒキタニくんの顔の意味が今、分かったよ……」
姫菜「ねぇ♪ ねぇ♪ 隼人くん」
隼人「なんだい姫菜?」
姫菜「隼人くんは『はやはち』と『はちはや』についてどう思う?」
隼人「はちはや?」
姫菜「ヒキタニくんがさっき『俺は受けだけじゃなくて攻めもしたいんだよ!!』って言ってたんだよね」
隼人「比企谷……」
八幡「いやいやいやいや、そんなこと一言も言ってないから」
姫菜「もー♪ ヒキタニくんは恥ずかしがりやだな」
八幡「それ言ったのは海老名さんでしょ。つうか三浦はどうしたんだよ。友達が擬態すんの忘れて暴走し始めてるのによ」
姫菜「優美子ならトイレに行ったよ」
八幡「マジか……」
姫菜「それよりも隼人くん的に『はちはや』はありなの? それとも『ヒキタニくんは黙って俺の攻めを受けとめろ!』って鬼畜攻めで行くの?」
隼人「ヒ、ヒキタニくん……」
八幡「俺に助け求めんな……」
姫菜「二人でアイコンタクトなんかしちゃって……キマしたわぁー!!」
優美子「はぁ……まーた、出た海老名の病気。ちゃんと擬態しろし」
姫菜「あう」
優美子「ほら、サーティワン行くよ」
姫菜「えっ! でもまだ隼人くんとヒキタニくんに聞きたいことがあるから……」
優美子「どーせ、いつものあれしょ? そんなことより早く行くし」
姫菜「わわわ! 優美子引っ張らないでぇ……」
八幡「三浦が女神様に見える……」
隼人「奇遇だねヒキタニ君、俺もだよ……」
三浦「ほら、隼人も早く!」
隼人「じゃ、行ってくるよ」
八幡「おう……」
【とつはち2】
彩加「ねぇ八幡」
八幡「と、戸塚! どうしたんだ?」
彩加「とつはちって何?」
八幡「……」
彩加「あ、あれ? どうしたの八幡?」
八幡「誰からそれを聞いたんだ?」
彩加「さっき校門の前で」
姫菜『あっ! 戸塚くん♪ 戸塚くん♪』
彩加『なに海老名さん?』
姫菜『とつはちについてどう思う?』
彩加『とつはち!? ……ご、ごめんね? 僕それがなんなのか分からないよ』
姫菜『あー、とつはちって言うのは』
優美子『だから、ちゃんと擬態しろし』
姫菜『あう』
優美子『悪いけど、あーし逹今からサーティワンいかなきゃなんだよね。だからとつはちについてはヒキオに聞きな』
彩加『えっ? う、うん分かったよ』
姫菜『あー、私が詳しく教えてあげるよ♪』
優美子『いいから、あーしらはサーティワン行くよ』
姫菜『せっかくの腐教のチャンスがぁ……』
隼人『ヒキタニくんも散々だな……』
彩加「てな、事があったんだよ」
八幡「戸塚が腐らなかったことには感謝するが、何俺に押し付けてんだよ三浦のやつ……」
彩加「ええっと……それでとつはちってなんのことなのかな?」
八幡「戸塚は知らなくていいことだ……」
彩加「でも、八幡は知ってるんでしょ?」
八幡「……ああ」
彩加「僕も知りたいな……」
八幡「えっ!」
彩加「そしたら八幡とその事について話ができるし……」
八幡「と、とつかぁ……」
彩加「ダメ、かな?」
八幡「ぐはっ!」
彩加「は、八幡!? 大丈夫?」
八幡「あ、あぁ……大丈夫だ。戸塚が天使過ぎて昇天しかけただけだ」
彩加「ええ! それってホントに大丈夫なの?」
八幡「大丈夫だ。ギリギリで戻ってこれた」
彩加「そっか良かったー 僕、八幡がいなくなったら寂しくて世界を滅ぼしちゃう所だったよ」
八幡「えっ!?」
彩加「ふふ♪ 冗談だよ♪」
八幡「……」
彩加「あれ?……八幡……八幡」
八幡「はっ!また、昇天しかけた……悪いが『とつはち』については教えれそうにない。マジでルートに入っちゃいそうだ」
彩加「そっか、よくわかんないけど。とつはちについては諦めるよ」
八幡「そうしてくれるとありがたい」
彩加「また、いっぱい話しようね♪」
八幡「おう♪」
【……学校、楽しい?】
八幡「これほど、残虐で残酷で人を傷つける質問はないよな」
結衣「ヒッキー……」
八幡「おい、やめろ! 憐れむな! ちょ、超嬉しいから! ぜ、ぜんぜんいじめられてなんかないろ!」
結衣「う、ヒッキー……辛かったら泣いてもいいんだよ?」
八幡「いや、その優しさいらないから……勘違いだから……」
雪乃「比企谷くん」
八幡「あん? なんだよ」
雪乃「……生きてて、楽しい?」
八幡「やっぱり、泣いてもいい?」
【女の子の定義】
八幡「何歳までが女の子て言うんだろうな」
結衣「あー確かになんかあやふやな感じだよね」
雪乃「一般的に『子』が付くことから、未成年の女性のことを女の子と呼ぶことが多いけれど、最近では成年に逹していても女の子と呼ぶこともあるから、一概に定義を決めるのは難しいわね」
結衣「へーそうなんだ」
八幡「平塚先生は間違いなく『女の子』じゃないけどな」
結衣「あはは、ヒッキーそれ本人に言ったら殴られるよ」
静「比企谷……」
八幡「ひ、平塚先生!」
雪乃「平塚先生。入るときにはノック……なんでもないです」
静「比企谷、覚悟はいいな……」
結衣「あ、あたし飲み物買ってくる!」
雪乃「由比ヶ浜さん一人では心配だから私も着いていくわ」
八幡「ちょ、お前ら……ひ、平塚先生。違うんですよ。 ちょっと待って下さい」
静「比企谷、男なら自分の言葉に責任を持て」
八幡「責任とか俺まだ平塚先生と違って若いんで持てません」
静「抹殺のっ! ラストブリットおぉっ!」
八幡「……ぐふっ」
【パンさん】
八幡「パンさんと言ったら雪ノ下だな」
結衣「へ? なんでゆきのんなの?」
八幡「それは雪ノ下が、」
雪乃「比企谷くん、なんの話をしているの?」
八幡「はぁ? お前何って」
雪乃「比企谷くんの言ってることはよくわからないわね……………とにかく、黙って」
結衣「あれ? なんか前にも同じ光景を見た気がする」
雪乃「由比ヶ浜さん、それはデジャビュよ」
結衣「デジャビュ?」
雪乃「まだ "一度も" 経験したことがないのに、いつかどこかで経験したことがあるように感じることをデジャビュと言うの」
結衣「へー」
八幡「雪ノ下……」
雪乃「何かしら?…妄想ガヤくん?」
結衣「あ、そういえば夏休みに千葉村へ行く車の中でパンさんが好きってゆきのん言ってたよね」
八幡「そう言えばそんな話を後ろでしてたな」
雪乃「……た、確かに言ったわね。でも、それは強いて挙げるならの話よ由比ヶ浜さん」
結衣「あれ、そうだっけ?」
雪乃「ええ、そうよ」
結衣「あの時、ゆきのんが同じ内容なのにDVDとBlu-rayがセットになってるやつを持ってるとも言ってたよね?」
雪乃「そ、そうだったかしら?」
結衣「うん、言ってたよ。あの時ゆきのんに『なんで同じ内容なのにどっちもついてるの?』って聞いたはず」
雪乃「確かにそんなことも話したわね」
八幡「すげぇ雪ノ下が由比ヶ浜に着々と追い詰められている」
結衣「なんで、どっちもついてるか分かった?」
雪乃「……さ、さぁ? 何故なのか今だにわからないわね」
結衣「そっかー、わかったらあたしにも教えてね♪」
雪乃「ええ、わかったら教えるわね………いつか」
八幡「ちっ、かわしたか」
雪乃「ふっ」
八幡「そう言えば由比ヶ浜がアホの子だったの忘れてた……」
【モノマネ】
結衣「ヒッキーってゆきのんのモノマネ上手いよね」
八幡「まぁな」
結衣「もしかして、家とかで練習してるの?」
八幡「し、してないぞ」
結衣「してるんだ……」
八幡「してないから誤解だから」
小町「兄はいつもお風呂場で練習してますよ」
八幡「ちょ、小町言うなよ」
結衣「いや、バレバレだからヒッキー」
小町「なんか日に日に上手くなってるんですよね」
結衣「ねぇヒッキーちょっと真似してみてよ」
八幡「『止めてくれないかしら由比ヶ浜さん、あの男に真似されるなんて虫酸が走るわ』」
結衣「やっぱり、うまい……」
小町「と言うかお兄ちゃん、自分で言ってて悲しくならないの?」
八幡「くっ……その事には触れるな」
結衣「あはは……」
八幡「由比ヶ浜も雪ノ下のモノマネやってたよな。死ぬほど似てなかったけど」
結衣「ヒッキーが上手すぎなだけだし」
小町「やってみてくださいよ」
結衣「え、なんか改めてやるとなると恥ずかしいな……」
八幡「俺にやらしたんだからやれよな」
結衣「もう、わかったよ『比企谷くんあなたは、本当に女心が分からないわよね。それだから彼女も出来ないし、友達も出来ないボッチなのよ』」
小町「……結衣さん」
八幡「死ぬほど似てない割りに妙に感情が入ってる感じがしたな」
結衣「そ、そうかな……」
小町「はぁ、ごみいちゃんは……」
結衣「じゃ、じゃあ次は小町ちゃんね!」
小町「え、小町もやる感じなんですか」
結衣「ヒッキーもあたしもやったしさ、それに小町ちゃんのモノマネ見てみたいし」
小町「わかりました。『比企谷くん好き嫌いしないでちゃんとトマトも食べなさい。あなたは好き嫌いが多すぎるわ。人でも食べ物でも、それだからあなたの目は腐るのよ』」
結衣「おー! 小町ちゃんも結構似てる」
八幡「おい、モノマネに乗じて俺への不満を言うな。それと前にも言ったろ好き嫌いがあることは悪いことじゃないって」
小町「『比企谷くん今の雪乃的にポイント低いわよ』」
結衣「うわ!ゆきのんが小町ちゃんみたい!」
八幡「いや、言ってるの小町だから……」
小町「えへへ♪ 小町もたまに練習してたんだよね」
雪乃「あなた逹いい加減にしてくれないかしら? とても不愉快なのだけど……」
小町「おお! 雪乃さんお兄ちゃんよりうまい!」
結衣「流石はゆきのん!」
八幡「本人なんだから当たり前だろ……」
雪乃「はぁ……」
【モノマネ2】
結衣「ヒッキー次はさ、小町ちゃんのモノマネやってみてよ」
八幡「小町?」
結衣「うん、兄妹なんだし出来るよね」
小町「小町も見たい」
雪乃「……」
八幡「はぁ……分かった、やってみる『もう、お兄ちゃん! 家にばっかり居ないで少しは外に出掛けなよ! 小町的にポイント低いよ!』」
小町「おおー」
結衣「小町ちゃんのモノマネもうまい……流石は兄妹」
雪乃「比企谷くんの場合はその上手さに何か良からぬ想いが入っていそうで素直に誉められないわね」
結衣「た、確かにヒッキーシスコンだし……」
小町「まぁまぁ、兄がシスコンなのは千葉の常識ですから、そんなお兄ちゃんも小町は大好きだよ。今の小町的にポイント高いし」
八幡「慰めるな暖かい視線を向けるなポイントを稼ぐな。まちがっちゃうから」
雪乃「そんな常識はないと思うのだけど……」
結衣「ダ、ダメだし!兄妹でとか絶対ダメ!」
小町「では、 気を取り直して次は結衣さん、小町のモノマネいってみましょう!」
結衣「うん!」
八幡「なんでいつの間にかお前が司会してんだよ……」
小町「気にしない、気にしない。 結衣さんどうぞ」
結衣「『お、お兄ちゃん、何処かに出掛ける時には小町も誘ってね。別に小町じゃなくてもゆ、結衣さんだったり、ゆきの、雪乃さんだったりでもいいから、その方が小町的にポイント高いし』」
八幡「雪ノ下のモノマネ以上に死ぬほど似てねぇな、その割りに感情が入った感じなんだよな……」
結衣「うっ……」
小町「ごみいちゃんは本当に……」
八幡「ごみいちゃんって言うな」
小町「では、次は雪乃さんどうぞー」
雪乃「絶対に嫌」
小町「うわー。雪乃さん即答だぁ……」
結衣「えー、ゆきのんやってよー」
雪乃「絶対に嫌」
八幡「諦めろ由比ヶ浜。雪ノ下はモノマネには自信がねぇんだよ。察してやれ」
雪乃「ふっ、その程度の挑発で私がモノマネをやるとでも思っているのかしら。思い上がり谷くん」
八幡「『あら、別に挑発などしていないのだけど、私はただ事実を述べているだけよ。あなたこそ思い上がらないでくれるかしら、思い上がりノ下さん』」
雪乃「な!」
結衣「わわわ!」
小町「お兄ちゃん流石にそれは不味いよ!」
八幡「『悔しかったらモノマネ真似の1つで……も……』わ、悪かった!やめろ、装備すんな」
結衣「ゆきのんカッター、カッターしまって! 」
小町「兄は見ての通り屑なんです! だから許してあげてください!」
雪乃「ふん、まったく……」
結衣「ほら、ヒッキーもっかいちゃんと謝って!」
小町「お兄ちゃん早く!」
八幡「すみません」
雪乃「……『お、お兄ちゃんさっきのモノマネは小町的にポイント超低いよ』」
結衣 小町「え!」
八幡「!」
雪乃「……」
結衣「ゆきのーん」
小町「雪乃さーん」
雪乃「暑苦しい」
八幡「すげえ笑顔だ……」
【モノマネ3】
結衣「つ、次はさ……その……」
八幡「あん? どうしたんだ由比ヶ浜」
小町「分かってますよ結衣さん♪」
結衣「小町ちゃん!!」
小町「次はお兄ちゃんのモノマネいってみましょう!」
結衣「あ、あれ?あたしじゃないんだ……」
小町「では小町からいきます『かー、それはねーわー凛子マジで可愛すぎるだろ…………凛子、好きだよ』」
小町「因みに今のはお兄ちゃんが自分の部屋でラブプラスをやってた時の独り言です」
結衣「うわぁ……ヒッキーマジキモい……」
雪乃「気持ち悪い……」
八幡「な、なぜお前がその事を知ってるんだ!?……母ちゃんには『え、で、電話……』って上手く誤魔化したはずなのに」
結衣「全然上手く誤魔化せてないし……」
雪乃「比企谷くんはまず電話をする相手がいないものね……」
小町「お兄ちゃんが部屋でうるさかったから注意しようと部屋の前にいたら聞こえたんだよね」
八幡「そういえばあの日小町も家にいたんだった……」
小町「お兄ちゃんの恥ずかしい黒歴史があらわになったところで結衣さんいってみましょう!」
結衣「いっくよーぉ!『ラブリーマイエンジェルさいかたん愛してるよ、ぐへへへへ』ど、どうかな?」
小町「えっと、ノーコメントで……」
八幡「お前真剣にやってんのかよ……」
結衣「超やってるよ!」
八幡「お前からは悪意しか伝わってこねぇよ、大体俺は『ぐへへへへ』なんて笑いかたはしないぞ」
雪乃「その前の部分は否定しないのね」
八幡「まー俺が戸塚を愛してることも戸塚がラブリーなのもエンジェルなのも事実だからな」
結衣「ダメ! さいちゃんは男の子なんだから絶対ダメ!」
八幡「確かに戸塚は男の娘だな」
小町「まー、さっきのは忘れて次にいきましょう!」
結衣「こ、小町ちゃん!? それちょっと酷くないかなぁ……」
八幡「酷いのはお前のモノマネだ」
雪乃「この男はなにを上手いこと言ったみたいな顔をしているのかしら、別にそれほど上手くないわよ」
結衣「うー」
小町「続いてはー雪乃さん!どうぞ!」
雪乃「絶対に嫌」
小町「とかなんとか言ってまた、やってくれるんですよね♪」
雪乃「絶対に嫌」
結衣「ゆきのーん」
雪乃「嫌よ」
小町「雪乃さーん」
雪乃「やらないわ」
小町「こうなったらお兄ちゃん! 例のやつをや?っておしまいっ!!」
八幡「俺はボヤッキーとトンズラーかよ」
結衣「あ、ヤッターマンだね昔再放送で見たことある」
小町「何年か前にアニメリメイクもされましたよね」
八幡「平塚先生はリアルタイムで見てたんだろうな」
小町「お兄ちゃんそんなこと言ったら殴られるよ」
結衣「平塚先生も流石にそこまでの歳じゃ無いんじゃないかな?」
雪乃「ヤッターマンは1977年1月1日から1979年1月27日までフジテレビ系列で毎週土曜の18時30分から19時00分の時間帯に全108話が放送されたのよ」
結衣 小町「へー」
八幡「流石はユキペディアさんだな」
雪乃「平塚先生の年齢は分からないけれど今までの発言からしてギリギリ二十代だと思われるからリアルタイムでは見ていないと思うわよ」
八幡「確かにリアルタイムで見てたとしたらアラフォーってことになるもんな」
小町「話はそれちゃいましたけど、もう一回! お兄ちゃん、や?っておしまいっ!!」
八幡「アラホラサッサ」
雪乃「比企谷くん、もしまた私のモノマネをしたら……死ぬわよ」
八幡「しないから!だから装備すんな!」
小町「雪乃さーん……」
結衣「ゆきのーん……」
雪乃「……」
小町 結衣「じー」
雪乃「……」
小町 結衣「じー」
雪乃「はぁ……分かったわよ」
小町 結衣「やったー♪」
雪乃「いくわよ『……俺はな、自分で言うのもなんだが、そこそこ優秀なんだぞ? 実力テスト文系コース国語学年三位! 顔だっていいほうだ! 友達がいないことと彼女がいないことを除けば基本高スペックなんだ!』」
雪乃「今のは比企谷くんがはじめて奉仕部に来たときに私に言ったことよ」
小町 結衣「う、上手い……」
小町「自分でそんなことを言う辺りお兄ちゃんらしい……」
結衣「しかも最後の部分に致命的な欠陥があったし……」
八幡「俺のことを汚物でも見るような目で見るな。つうか雪ノ下よくそんな前のことを覚えてたな」
雪乃「べ、別にたまたまよ……ふん」
小町「およ? これは!」
雪乃「小町さん、何かしら?」
小町「な、ななな、なんでもないでしゅ……」
雪乃「そう♪」
小町「ふぇぇ……お兄ちゃーん」
八幡「よしよし」
小町「こ、怖かった……雪乃さん怖かったよぅ……」
八幡「よしよし」
結衣「なでなでいいなぁ……」
八幡 小町 雪乃「え?」
結衣「ふわわわ! な、なんでもないし!」
【宇宙人】
結衣「二人は宇宙人いると思う?」
雪乃「由比ヶ浜さん、宇宙人なら今私達の目の前にいるじゃない」
八幡「おい、俺の方を向いて言うなよ。一瞬俺かと思っちゃったじゃねぇか」
結衣「あ、そう言うことか……」
八幡「つうか、宇宙人なんてどこにいるんだよ。俺らしかここにはいないだろ」
結衣「……」
八幡「なに、もしかして幽霊みたいに一部の人にしか見えない感じなの」
雪乃「ここまで頑なにされるとなんだか申し訳なく思ってしまいそうだわ……」
八幡「いや、そこは普通に申し訳なく思えよ……」
結衣「だ、大丈夫だよヒッキー、別にあたしヒッキーが宇宙人だってことを皆にばらしちゃおうなんて思ってないから心配しないで」
八幡「そしてなんでお前はマジで信じてるんだよ。さっきから、なんか分かった感じの雰囲気出してただろ。流石はアホの子に定評がある由比ヶ浜だな」
結衣「え!……………あはは、じょ、冗談に決まってるじゃん! そんなことも分からないなんて、だからヒッキーは友達が出来ないんだよ」
八幡「冗談には見えなかったぞ……」
結衣「うー、ゆきのん騙すなんて酷いよぉ……」
雪乃「あら、私は本気で比企谷くんのことを宇宙人だと思っているのよ?」
八幡「取り合えずお前は俺と由比ヶ浜に謝れ」
雪乃「私は事実を言っただけな……の……由比ヶ浜さん?」
結衣「つーん」
雪乃「ぇ……由比ヶ浜さん?」
結衣「つーん」
雪乃「ゆ、由比ヶ浜さんごめんなさい。あなたを騙すつもりはなかったの……」
結衣「ふふ♪ 別に怒ってないよ♪」
雪乃「え?」
結衣「さっきの仕返し♪」
雪乃「もう」
結衣「えへへ♪ ゆきのん今からカラオケ行こうよ!」
雪乃「ちょっと、由比ヶ浜さん引っ張らないでくれるかしら」
結衣「ほらほら」
雪乃「はぁ……分かったわよ」
結衣「やった! あっ バイバイ、ヒッキー」
雪乃「さようなら比企谷くん」
八幡「え、何この展開……………帰ろ」
【猫】
八幡「猫と言ったら雪ノ下だな」
結衣「そうだね。猫と言ったらゆきのんだね」
雪乃「なぜ、私なのかしら? 比企谷くんだって猫を飼っているのに」
八幡「だってお前猫に話しかけちゃうくらい猫大好きだろ?」
雪乃「そ、それは……」
結衣「それにゆきのんは実家にいた時は自分の部屋で、超真剣な顔で猫動画漁っちゃうくらい猫大好きなんだもんね?」
雪乃「……」
結衣「あれ?」
八幡「どうした由比ヶ浜」
結衣「ヒッキー大変だよ! ゆきのんが拗ねちゃったよ! そして超可愛いよ!」
八幡「お前は雪ノ下が大好きだな」
【犬】
八幡「犬と言ったら由比ヶ浜だな」
雪乃「そうね」
結衣「えっ? なんであたしなの?」
八幡「だってお前犬大好きじゃん。 サスケ飼ってるじゃん」
結衣「サスケじゃなくてサブレだよ!サしか合ってないよ!」
八幡「悪い悪い」
結衣「でも、ヒッキーだって今は猫飼ってるけど昔は犬飼ってたんでしょ?」
八幡「あ? あぁ、まーそうだな」
雪乃「比企谷くん裏切ったわね」
八幡「は? なんでだよ」
雪乃「……」
結衣「あー♪ またゆきのんが拗ねちゃったよ♪」
八幡「なんでお前はちょっと嬉しそうなんだよ」
結衣「だって拗ねちゃったゆきのん可愛いじゃん! すねのん♪」
雪乃「由比ヶ浜さんゆきのんはいいけれど、すねのんは気持ち悪いからやめて」
結衣「ゆきのんがデレた♪」
雪乃「そういう訳ではないのだけど……」
八幡「お前は本当に雪ノ下のことが大好きだな」
【猫派?犬派?】
八幡「これ前に決着ついただろ」
結衣「着いてないよ! 結局うさぎ派で終わっちゃったんだよ!」
八幡「いや、着いてるだろ……うさぎ派で」
雪乃「いいえ、違うわ比企谷くん。猫と犬の二択ならどちらかは聞いてないもの」
八幡「いや、そんなのいいだろ別に……」
結衣「よくないよ!」
雪乃「そうよ比企谷くんこれは重要な事なのよ」
八幡「分かった答えればいいんだろ。俺は…………ヤマハだ!」
結衣「……」
雪乃「……」
八幡「……あれ?」
結衣「ヒッキーマジそう言うのいいから、だからヒッキー友達出来ないんだよ」
八幡「ぐっ……」
雪乃「比企谷くんもし次もこんな下らないことを言ったらあなた……死ぬわよ」
八幡「細木和子先生!?」
雪乃「比企谷くん……」
八幡「目がマジだ……怖い 」
【プリクラ】
結衣「ヒッキーには一生、縁がないものだね」
八幡「開口一番に罵倒とか、なに? お前は雪ノ下なの?」
雪乃「あら、私は罵倒をしているのではなくて、事実を述べているだけよ?」
結衣「でも、実際ヒッキーには縁がないものじゃん」
八幡「は? プリクラくらい撮ったことあるからな」
結衣「えっ!」
雪乃「由比ヶ浜さん、比企谷くんは最近現実と妄想の区別が着かなくなっているのよ」
結衣「うわぁ……」
八幡「違うから、妄想とかじゃなくて現実の話だから」
結衣「じゃ、じゃあ誰と撮ったの?」
雪乃「大方小町さんでしょ?」
結衣「あ、そっかー小町ちゃんか」
八幡「いや、違うけど……」
結衣「え!」
雪乃「なら、材、材………材津くん?」
八幡「材木座な、まー………違うな」
結衣「何その間は?」
八幡「別に、つうか俺がプリクラ撮った所は女子かカップルの場合しか入場出来ないから男だけではプリクラ無理だ」
結衣「じゃ、相手は必然的に女子ってこと……誰だし! 誰と撮ったし!」
八幡「うお! 急に大声出すなよ、ビックリしちゃうだろうが」
結衣「そんなことはどうだっていいの!ヒッキー 誰とプリクラ撮ったの!」
雪乃「由比ヶ浜さん、落ち着いて」
結衣「うー、ごめんゆきのん……」
雪乃「いいのよ、それよりも小町さんや材津くんじゃないなら誰なのかしら? 話からして女の子と撮ったみたいだけど……でも、比企谷くんには女の子の友達はおろか普通の友達すらいないのだからプリクラは撮れないはずのにおかしいわね……」
結衣「そ、そうだよね! ヒッキーに女の子の友達なんていないよね!」
八幡「くっ、すげぇ腹立つけど事実だからなんも言えねぇ……」
雪乃「はっ!」
結衣「どうしたのゆきのん? もしかして誰と撮ったか分かったの?」
雪乃「ま、まさか比企谷くん、あなた女の子を脅して無理矢理一緒にプリクラを撮らせたんじゃないでしょうね」
結衣「さ、流石にそこまでは……しないよね?」
八幡「違うから、勝手に人を犯罪者にするな」
結衣「じゃ、誰なの?」
八幡「戸塚だよ、戸塚」
結衣「さいちゃん!?」
雪乃「戸塚くん!?」
結衣「でも、さいちゃん男の子なのになんで?」
八幡「店員には戸塚が女の子に見えたんだろうな」
雪乃「なるほどそんなトリックがあったとは……」
結衣「確かにさいちゃん女の子みたいに可愛いもんね♪」
八幡「本当にそうだな、思わず間違っちゃいそうだわ」
結衣「ダメだからね! 絶対に間違っちゃダメだからね!」
【モノマネ4】
小町「さー続いては結衣さんのモノマネー♪」
結衣「ついにあたしの番だ」
小町「それではお兄ちゃんからどうぞー」
八幡「『やっはろー、アホの子ビッチこと由比ヶ浜結衣でーす。特技は空気を読むことでーす』」
結衣「ちょっとビッチってなんだし! ていうかなんであたしの時だけそんな適当なの!?」
小町「お兄ちゃん今のは酷すぎるよ」
雪乃「そして結構似ていたのがまた、酷いわね」
八幡「お前だって俺の時酷かったじゃねぇか」
結衣「それは……そうだけどぉ……」
小町「はい!お兄ちゃんやり直し!」
八幡「はぁ? 別にさっきのでいいだろ」
結衣「……」
八幡「はぁ……分かった、もう一回やるからそんな顔すんな」
結衣「ヒッキー♪」
八幡「『やっはろー、ゆきのん部活終わったら一緒にカラオケ行こうよ! えーー いいじゃん!行こうよゆきのん…………え、いいの!? やった♪ ゆきのん大好き!』」
小町「お兄ちゃん大胆すぎだよ全く♪」
八幡「なんのことだよ」
結衣「あたしのモノマネっていうのは、わかってるけど…………むー!」
八幡「なんでお前は怒ってんだよ、超似てただろうが、アホぽいところも雪ノ下のことが大好きなところも」
雪乃「ひ、比企谷くんにゆきのんと言われると虫酸が走るから今度からは例えモノマネでも呼ばないでくれないかしら?」
雪乃「そ、それといくらモノマネだからといっても言っていいことと駄目なことがあるわ」
八幡「それはどうもすみませんでしたね」
小町「はいはいお兄ちゃんが拗ねちゃったところで続いては小町が結衣さんのモノマネをやります!」
小町「『ヒッキーさいちゃんだけじゃなくて、少しはあたしのことも見てよ!』」
八幡「うめぇな」
雪乃「うまいわね」
結衣「はわわわ! 小町ちゃんなに言ってるの!」
小町「え? どうしたんですか結衣さん? 今のは小町が言ったことで結衣さんはそんなに気にすることじゃないですよ♪」
結衣「うっ……でも小町ちゃんモノマネうまかったからなんかあたしが言ってるみたいで……」
小町「ふふふ♪」
結衣「小町ちゃんが悪い顔してる!」
小町「それでは最後に雪乃さんやっちゃってください!」
雪乃「はぁ……どうせやらないとあなた達は納得しないのよね」
結衣「うん♪」
小町「はい♪」
雪乃「しょうがないわね」
八幡「満更でもない顔してよく言うぜ」
雪乃「……」
八幡「すみません」
雪乃「よろしい」
小町「おおー! 今のやり取りはもはや熟年夫婦と言え…………しゅ、しゅしゅしゅ、しゅみませしぇん!」
雪乃「よろしい」
小町「ふぇぇ……お兄ちゃん」
八幡「帰りにプリン買ってやるから元気だせ」
雪乃「本当に仲がいいわね……」
結衣「うん、嫉妬しちゃうね」
雪乃「え?」
結衣「ななな、なんでもないし! それより早くモノマネ見せて」
雪乃「え、ええ……」
雪乃「では『小町ちゃんにゆきのんやっはろーっ あ、それとヒッキーも……って! どこ見てるし! えっち! ヒッキーマジキモい!』」
八幡「……」
小町「……」
結衣「……」
雪乃「もう絶対にモノマネはしないわ……」
結衣「ああ! ごめんねゆきのん機嫌直してよ」
小町「雪乃さんすみません。だから機嫌直してください」
雪乃「ふん」
八幡「色々な意味で凄かったな……」
雪乃「何がかしら?」
八幡「別に……」
雪乃「その腐った目で私のどこを見たのかしらゲスタニくん」
八幡「おい、間違いに間違いを重ねるな小ぶりノ下さん」
雪乃「……」
八幡「あ、あの……雪ノ下さん? その手に持ってるホチキスは一体何に使うんですか?」
雪乃「ふふふっ……二度とその減らず口が聞けぬように口をとめてあげるわね♪」
八幡「す、すみません!」
結衣「あ、今の『痛快!ビッグダディ』で見たことある」
小町「懐かしいですね」
雪乃「そのまま私がいいと言うまで土下座してなさい」
八幡「……はい」
雪乃「モノマネはもう二度としないわ」
小町 結衣「あははは……」
八幡「俺なにやってるんだろう……」
【結婚】
静「……」
八幡「……」
雪乃「……」
結衣「あれ? どうしたのみんな黙っちゃって」
八幡「つ、次にいくか」
雪乃「比企谷くんと同じ意見なんてとても不愉快で腹立たしいのだけどそうしましょう」
八幡「 そこは『そうね』とか『そうしましょう』でいいだろ、どんだけ負けず嫌いなんだよ」
結衣「えー なんで飛ばしちゃうの?」
八幡「おい、お前の唯一の特技、空気を読むはどうしたんだよ」
結衣「は? 何その言い方、ちょームカつくんだけど」
雪乃「由比ヶ浜さん私も誠に遺憾ながら比企谷くんと同じ意見よ」
結衣「ゆきのんまで!?」
八幡「分かったら次にいくぞ」
結衣「えー でもせっかく平塚先生が主役になれるやつなのに飛ばしちゃうなんて平塚先生がかわいそうだよ」
八幡「いらないから、マジでその優しさいらないから」
結衣「結婚と言ったら平塚先生じゃん」
静「うっ……」
結衣「この中で一番歳上だし」
静「ぐはっ!……」
結衣「もう結婚していてもおかしくない年齢だしさ」
静「ごはっ!……」
雪乃「本人に悪気がないから余計に辛いわね」
結衣「え? え?」
八幡「先生しっかりしてください」
結衣「平塚先生どうしたの?」
雪乃「はぁ……」
八幡「由比ヶ浜、恐ろしい子」
静「私だって頑張ってるのに…………ぐすっ………もう、やだ、かえる」
結衣「あ、先生帰っちゃった」
雪乃「あなたのせいよ」
結衣「え? なんであたし?」
八幡「頼むから誰か貰ってあげて!」
静「………はぁ、結婚したい」
【みんな比企谷くんが大好き〈小町編〉】
小町「あ、お兄ちゃんおはよー」
八幡「おー」
小町「朝ごはん出来てるよ」
八幡「いつもすまないねぇ」
小町「お兄ちゃん、それは言わない約束でしょ」
八幡「そうだったな」
小町「お兄ちゃんもいつかは小町じゃない女の人に朝ごはんを作ってもらうんだろうなー」
八幡「残念ながら俺は将来、専業主夫になるつもりだから、立場的には逆になるな」
小町「もー、また言ってる。そんなんじゃ結婚出来ないよ?」
八幡「安心しろ、その時は小町に養ってもらうから」
小町「どこを安心しろって言うのかな、まったくお兄ちゃんは……まー、小町はできた妹だからお兄ちゃんの一人や二人養ってもいいけどね♪ 今の小町的にポイント高い」
八幡「その一言がなければな」
小町「てへぺろ♪」
八幡「うぜぇ……」
小町「ちゃんといい人見つけなかったら本当に小町がお兄ちゃんのこと養っちゃうんだからね」
【マラソン大会】
八幡「毎年二月にあるマラソン大会って本当にめんどくさいよな」
結衣「あー、確かにマラソン大会とか超いらないよね」
雪乃「……」
八幡「しかも折り返し地点の橋の欄干にあるカップルたちの落書きと、まだあと半分もあるので二重の苦しみが来るからホント辛い」
結衣「あー、確かにまだ半分もあると思うと辛いよね」
雪乃「そういうときは『まだ、半分もある』と考えるのではなく『あと半分でこの地獄ような苦しみから解放される』と考えるのよ」
八幡「地獄ような苦しみって、どんだけ辛いんだよ」
雪乃「ふん」
結衣「た、確かにマラソンは辛いよね……」
八幡「あ、そういえばお前体力ないけど、一年の時のマラソン大会はちゃんと完走出来たのか?」
雪乃「……」
八幡「え? 無視?」
雪乃「……今日はもう終わりにしましょう」
八幡「あ、逃げやがった」
雪乃「ふん」
結衣「あはは……」
【校則】
八幡「総武高校って進学校だけど、校則ゆるゆるだよな」
雪乃「そうね。髪を染めている子だったり制服を着崩している子がいるものね」
結衣「ゆきのんとヒッキーは髪とか染めないの?」
雪乃「しないわね」
八幡「まー、雪ノ下はその黒髪が似合ってるから染める必要はないよな」
雪乃「この男はいきなり何を言うのかしら。セクハラで訴えるわよ」
八幡「誉めたのにセクハラになるとか、もう本当にヒッキーになっちゃおうかな……」
結衣「ヒ、ヒッキー」
八幡「あん?」
結衣「あ、あたしの髪はどうかな? 似合ってる?」
八幡「まー、そうだな似合ってんじゃないの? アホぽいところとか」
結衣「はぁー!? アホぽいってなんだし!」
雪乃「あなたは髪を染めない……ごめんなさい」
八幡「え? なんで謝られたの? すげぇムカつくんだけど」
雪乃「ただでさえ酷い顔が余計に酷くなるものね。配慮が足りなかったわ。ごめんなさい」
八幡「それ言ってる時点でまったく配慮出来てねぇからな」
結衣「ヒッキーが茶髪とか……ぷっ」
八幡「おい、勝手に変な想像するな」
雪乃「比企谷くんが茶髪……ごめんなさい」
八幡「だから、謝るな」
【避難訓練】
小町「避難訓練といえば、兄は伝説を残しているんですよ」
八幡「おい、やめろ小町」
結衣「えーなになに?」
雪乃「どうせ、ろくでもない伝説なのでしょ」
小町「兄は避難訓練がある授業の時に居眠りをして、目が覚めた時はもう全校生徒が校庭に出ていたんですよ」
結衣「うわぁ……それ超ヤバイじゃん」
雪乃「授業中に居眠りをするからそうなるのよ」
八幡「その授業は避難訓練があるからってことで自習になったんだよ。しかも課題とかなくて、話す相手もいないし本もその時は持ってきてなかったから寝ることにしたんだよ」
結衣「居眠りする理由がなんか悲しい……」
八幡「憐れむな……悲しくなっちゃうから」
小町「兄の伝説は避難訓練に遅れたことじゃないんです」
結衣 雪乃「え!?」
八幡「くっ」
結衣「どういうこと小町ちゃん?」
小町「兄はそのまま避難訓練をサボったんですが兄がいなかったことに誰も気付かなかったんです」
雪乃「避難訓練をサボるなんって聞いたことないのだけど」
八幡「仕方ないだろ、校長先生が話してる時に一人だけ遅れていくとか無理だから」
結衣「え、でも避難訓練の時は人数確認とかするから普通気付くよね?」
小町「はい、でも兄はその難関をあっさり通ってしまったんです」
雪乃「いないことに気付かれないとは、いることに気付かれない以上の存在感のなさね」
八幡「ほっとけ……つうか伝説って言ってもこのこと知ってるの俺と小町だけだから伝説とは言わないぞ」
小町「学校の伝説じゃなくて比企谷家の伝説だよお兄ちゃん♪」
八幡「そんな伝説はいらない。語り継がなくていいから」
小町「えー、折角だから語り継ごうよ♪」
八幡「『小町ちゃんその伝説は八幡的に超超ポイント低い!』」
雪乃「……」
結衣「……」
小町「……」
八幡「え? なにこの空気?」
小町「お兄ちゃん」
結衣「ヒッキー」
雪乃「比企谷くん」
八幡「な、なんだよ?」
小町 結衣 雪乃「ウザい」
八幡「すみません」
【みんな比企谷くんが大好き〈結衣編〉】
結衣「あ! ヒッキーおはよー!」
八幡「朝からテンション高いな、流石はアホの子」
結衣「ヒド! なんで挨拶しただけでそこまで言われなきゃなんないし!」
八幡「イテ、ちょっ叩くなよ。今、寝違えてて首痛いんだから」
結衣「あ、ごめんね」
八幡「まー、 嘘だけどな」
結衣「はぁ! ちょームカつくし! ヒッキーマジキモい!」
八幡「そう思うんだったら俺に話しかけるな」
結衣「それとこれとは別なの!」
八幡「意味わかんねぇよ……なに?お前Mなの? Mガハマなの?」
結衣「ち、違うし! てか、女子にそんなこと言うとかマジあり得ないから! 変態! 小町ちゃんに言うからね!」
八幡「小町は俺の母ちゃんかよ」
結衣「大体あってるじゃん」
八幡「あいつは俺の大切なたった一人の妹だ」
結衣「シスコン……」
八幡「ちげぇよ……」
結衣「あたしも小町ちゃんみたいな妹がほしいなー」
八幡「なら、今日家に帰ったらお前の親に『パパママ、あたし妹がほしいから今日の夜から頑張ってね♪』って言って頼めばいいだろ」
結衣「は、はぁー!? そんなこと恥ずかしくて言えるわけないじゃん! ヒッキーの変態! えっち! ボッチ!」
八幡「悪かったって」
結衣「むー!」
八幡「唸るなよ。お前はお腹が空いて機嫌が悪くなったときのカマクラかよ」
結衣「ヒッキーが朝から変なこと言うからだし」
八幡「お前が妹がほしいって言うからアドバイスしただけじゃん」
結衣「アドバイスの仕方が生々しすぎだし!」
八幡「だから悪かったって……それより早く教室に行かないともうチャイムなるぞ」
結衣「もう、そういうことじゃないのに…………待ってよヒッキー!」
【休み時間】
結衣「休み時間が十分って、短いよね」
雪乃「そうかしら?」
八幡「まー、時と場合によるな」
結衣「えー、短いよ。もっと友達とおしゃべりしたりしたいじゃん」
雪乃「由比ヶ浜さん、休み時間は確かに友人と談笑したり、リフレッシュする時間ではあるけれど、他にも次の授業の準備時間だったり、教室を移動するための時間でもあって、遊び時間ではないのよ」
結衣「うぅ……」
雪乃「分かったかしら?」
結衣「……はい」
雪乃「明日からその事を頭にいれて休み時間を過ごすようにいいわね?」
結衣「分かりました……」
雪乃「よろしい」
八幡「できの悪い生徒と先生みたいだな」
雪乃「比企谷くんはちゃんと学校に来ること」
八幡「人を引きこもりみたいに言うな! ちゃんと行ってるつうの」
雪乃「でも、遅刻はしてるわよね」
八幡「……」
雪乃「比企谷くん」
八幡「はい」
雪乃「明日からは学校に遅刻しないようにいいわね?」
八幡「分かりました」
雪乃「よろしい」
【それじゃ好きな人と二人一組み作って】
八幡「そろそろ、文部科学省は教育現場において、この言葉を使用禁止にすべきだと俺は思う」
雪乃「はぁ……まったく、この男は何を言うかと思えば」
結衣「えー、なんで? 普通好きな人と組んだ方がいいじゃん」
八幡「ちっ、これだからリア充は……」
結衣「え? あたし何か変なこと言った?」
雪乃「大丈夫よ由比ヶ浜さん、比企谷くんが変なだけだから」
八幡「いや、マジで俺以外の奴も絶対に同じこと思ってるから………特にボッチとか」
結衣「じゃあ、どういう風に決めるんだったらいいの?」
八幡「まー、妥当な所で言ったら隣の席の奴とかだな」
雪乃「それでは、比企谷くんの隣の席の子が余りにもかわいそうじゃない」
八幡「ねぇ、お前今俺に酷いこと言ってるって自覚ある?」
雪乃「あら、あなたはこういう風に言われると幸せな気分になるのではなかったかしら? マゾ谷くん」
結衣「……」
八幡「いや、違うからね? 勝手に俺を変態に仕立てあげないでくれる? それと由比ヶ浜、俺をゴミを見るような目で見るな」
雪乃「そうよ由比ヶ浜さん、比企谷くんが喜んでしまうわ」
八幡「喜ばないから。 大体ボッチなお前なら俺の気持ち分かるだろ?」
雪乃「ごめんなさい。私は、比企谷くんと違って誘われるからあなたの気持ちがまったく分からないの」
八幡「そうだった……くっ」
結衣「あ、ヒッキーがなんか落ち込んじゃった」
雪乃「放っておきなさい。どうせ昔のことでも思い出しているのよ」
八幡「半分はお前のせいだけどな」
雪乃「なんのことかしら?」
結衣「ゆきのんが悪い顔してる! わるのんだ!」
雪乃「由比ヶ浜さん、やめて」
結衣「ごめん」
【ペットショップ1】
八幡「お!」
結衣「あ、ヒッキーやっはろー」
八幡「おう」
結衣「ヒッキーが外に出掛けるなんて珍しいね」
八幡「人を引きこもりみたいに言うな」
結衣「だってヒッキー、あんまし外に出掛けないじゃん」
八幡「超出掛けるから、昨日だって小町に頼まれてコンビニにアイス買いに行ったしな」
結衣「小町ちゃんにいいように使われてるね」
八幡「嫌なこと言うなよ……ちょっと気にしてるんだから」
結衣「気にしてるんだ……」
八幡「因みに今も小町にカマクラの餌が切れたから買いに行ってって頼まれて来てる」
結衣「そうなんだー……」
八幡「くっ……その哀れみの目で見るのをやめろ」
結衣「まっ、ヒッキーだしね」
八幡「おい、なんだその納得のしかた」
結衣「別にぃ」
八幡「すげぇ、ムカつく」
結衣「それはそうと、あたしもサブレの餌を買いに来たんだよ」
八幡「へー、じゃあな」
結衣「ちょっ 待ってよ!」
八幡「あん? なんだよ」
結衣「い、いやー 折角会ったんだからさ、一緒に買い物しようよ」
八幡「いや、一緒に買い物する理由が分からんのだが」
結衣「えーいいじゃん」
八幡「餌って言っても猫と犬はコーナーが離れてるから効率が悪いだろ」
結衣「別にちょっとしか離れてないんだからいいじゃん」
八幡「めんどい」
結衣「もー! いいじゃん!いいじゃん!」
八幡「店の中で大声だして騒ぐなよ、他のお客さんが白い目で俺を見てるから……あれ?なんで俺だけ?」
結衣「ヒッキー……」
八幡「はぁー……猫コーナーの方からでいいか?」
結衣「うん♪」
八幡「んじゃ、早く行くぞ。なんかお客さんが呪文唱え出したから」
結衣「呪文?」
八幡「いいから、行くぞ」
結衣「あっ!この猫缶、CMでやってたやつだ」
八幡「そういえばお前猫苦手なのに大丈夫か?」
結衣「まー、苦手だけど、怖いわけじゃないし、ちょっと悲しくなっちゃうってだけだから大丈夫だよ」
八幡「そうか」
結衣「それより、カマクラはどの猫缶食べるの」
八幡「んー、えっと……あ、あった。これだ」
結衣「えー、これじゃないの」
八幡「ばっか、お前そんな高いの無理だから」
結衣「でも、たまにはこういうのあげてみたら?カマクラ喜ぶんじゃない?」
八幡「いいんだよ。どうせあいつには違いなんて分かんないんだから」
結衣「そうかなー、あっ!ヒッキーこの猫缶、ヒッキーがあげてるやつより値段が安いし、ひとつ缶が多いよ」
八幡「んー、ホントだ」
結衣「こっちの方がお得だよ」
八幡「いや、これでいいんだよ。あいつこの猫缶より安いの食わないから」
結衣「へー、そうなんだ」
八幡「おう」
結衣「ふーん」
八幡「……」
結衣「って! ヒッキーさっき言ってること違うじゃん!」
八幡「ちっ、気付かれたか由比ヶ浜なら気付かないと思ったのに」
結衣「気付くよ! もう、あたしのことバカにし過ぎだから!」
八幡「悪かったって、だから大声だすな」
結衣「むー!」
八幡「どうした、頬っぺた膨らまして、河豚の真似か?」
結衣「違うし!」
八幡「イテ! 猫じゃらし以外と痛い」
結衣「むー!」
八幡「ん?今度はリスの真似か?」
結衣「だから、違うし!」
八幡「はいはい、次は犬コーナーに行くぞ」
結衣「あっ、もう!」
八幡「おっ これCMでやってたやつだな」
結衣「……」
八幡「あの……由比ヶ浜さん?」
結衣「……つーん」
八幡「……」
結衣「……」
八幡「ゆいゆい?」
結衣「それやめて」
八幡「気にすんなよゆいゆい」
結衣「もう! やめてってば!」
八幡「悪かったって……ゆい」
結衣「ふぇ!?」
八幡「がはま」
結衣「……ヘタレ」
八幡「ほら、早く買って帰えるぞ。ちびまる子ちゃんが始まっちゃうぞ」
結衣「まったく、もー」
【ペットショップ2】
八幡「まさか、二週連続で来ることになるとは……」
彩加「あれ? 八幡」
八幡「と、ととと、戸塚!?」
彩加「こんなところで会うなんて偶然だね♪」
八幡「あ、あぁ」
彩加「八幡はここに何か買いに来たの?」
八幡「もう そろそろ、猫用トイレの砂がなくなりそうだから、買いに来たんだ。戸塚は何しに来たんだ?」
彩加「昨日うさぎを入れるゲージが壊れちゃったから買いに来たんだよ」
八幡「そういえば、戸塚はうさぎ飼ってたんだよな」
彩加「うん♪ 八幡も、うさぎが好きなんだよね」
八幡「えっ、俺はとつ……あぁ、そうだな」
彩加「とつ?」
八幡「いや、気にしないでくれ」
彩加「うん、分かった。あっ! そうだ」
八幡「ん? どうした戸塚?」
彩加「そ、その……もし、良かったら……僕と一緒に」
八幡「あぁ! もちろん、OKだっ!」
彩加「えっ!? 本当? やった♪」
八幡「あぁー、癒されるぅ」
彩加「ここだと、猫コーナーの方が近いから先にそっちから行く?」
八幡「俺は何処までもお前に着いていくぞ」
彩加「えっ!?、そう? じゃ、猫コーナーに行こっか」
八幡「おう!」
彩加「あっ!」
八幡「ん? どうした」
彩加「カート持ってくるの忘れちゃった」
八幡「あっ、確かに」
彩加「トイレの砂もゲージもカートがないとキツいよね。僕持ってくるよ」
八幡「いや、俺が行くよ。戸塚はここで待っててくれ」
彩加「えっ……いいの?」
八幡「あぁ 任してくれ。 戸塚のためならこんなこと朝飯前だ」
彩加「それじゃ、お願いしちゃおうかな」
八幡「おう、任せろ」
八幡「あれ? 戸塚がいない……」
八幡「まさか、帰っちゃったのか……もしそうなら、俺一生立ち直れない……」
彩加「あっ、はちまーん、こっち!こっち!」
八幡「良かった、帰ってなかった」
彩加「見て見て、今、動物触れ合いなんとかで子猫を触らせてもらってるんだよ」
子猫「ミィーミィー」
彩加「可愛いでしょ♪」
八幡「あぁ、メチャクチャ可愛いな」
店員「あなたも可愛いですよ♪」
彩加「えっ!?」
店員「子猫に負けず劣らず貴女も可愛いですよ♪」
彩加「あ、ありがとうございます…………僕、男の子なんだけどなぁ……」
八幡「戸塚は確かに可愛い」
店員「ん? あれ? 君、先週も来てたよね」
八幡「えっ、は、はー……いましたけど」
店員「その時も女の子と一緒で凄く仲良さそうに……はっ!……そう言うことですか……へー 」
八幡「あれ? なんで俺睨まれてんの?」
彩加「あっ、そういえば買い物の途中だったね。お姉さんどうもありがとうございました」
店員「いえいえ♪」
彩加「じゃ、買い物の続きしよっか」
八幡「そうだな」
店員「……ちっ」
八幡「……」
彩加「猫用のトイレの砂も結構種類があるんだね」
八幡「……」
彩加「八幡?」
八幡「えっ わ、悪い。ボーッとしてた」
彩加「ううん、大丈夫だよ。……八幡こそ大丈夫?」
八幡「ちょっと心が……」
彩加「えっ、心? 」
八幡「いや、大丈夫だ。戸塚の顔を見たら治ったから」
彩加「そう? 無理しないでね」
八幡「あぁ、ありがとう」
彩加「ううん、それで八幡はどの砂を買うの?」
八幡「えーと……あれ? ないな」
彩加「本当に? さっきの店員さんに聞いてみたら?」
八幡「さっきの店員さんは……ちょっと……」
彩加「すみませーん」
八幡「……」
店員「はぁーい♪」
彩加「えっと……猫用トイレの砂を探してるんですけど。八幡なんてやつ?」
八幡「えっ、えっと……『ニャンとも清潔! ニオイをとる砂 5L』ってやつです」
店員「申し訳ございません。その商品は人気のため現在品切です」
八幡「そうですか」
店員「来週には入荷すると思います」
八幡「分かりました。どうもありがとうございます」
店員「いえいえ……」
八幡「はい」
店員「……」
八幡「うっ……」
彩加「残念だったね。別のやつ買うの?」
八幡「いや、アイツあの砂じゃないと、機嫌が悪くなるから、来週にするわ」
彩加「大丈夫なの?」
八幡「あぁ、一週間くらいならギリ大丈夫だ」
彩加「そっか」
八幡「じゃ、次は戸塚のゲージだな」
彩加「うん……ん? 」
八幡「どうした?」
彩加「お母さんから電話だ。ちょっとごめんね」
八幡「全然、気にしなくていいぞ」
彩加「ありがとう」
八幡「なんだったんだ?」
彩加「お父さんが会社の人からゲージ貰ったから買わなくいいことなっちゃった」
八幡「そうか、良かったな」
彩加「うん、でも結局、僕も八幡もペットショップに来て何も買えなかったね」
八幡「そうだな、来た意味がなかったな」
彩加「そ、そんなことないよ!」
八幡「え!?」
彩加「僕……今日八幡と一緒にいれて楽しかったもん」
八幡「戸塚ぁ……」
彩加「八幡は……楽しくなかった?」
八幡「そんなことない! 俺も超楽しかったぞ!」
彩加「ホント♪ そう言ってもらえると凄く嬉しい♪」
八幡「俺も戸塚にそんなこと言ってもらって嬉しい」
彩加「えへへ♪ じゃ、また明日学校でね」
八幡「あぁ、じゃぁな」
彩加「バイバイ」
店員「リア充爆発しろ!」
店長「スミレちゃん、お客様に迷惑だから大声出さないで」
店員「す、すみません!」
【サッちゃんはね〈結衣編〉】
結衣「ヒッキーはね 比企谷八幡っていうんだ ほんとはね」
八幡「おい……」
結衣「だけど 引きこもりだから みんなからヒッキーって言われるんだよ」
八幡「おい……」
結衣「可笑しいね ヒッキー」
八幡「おい……」
結衣「なに?ヒッキー」
八幡「よくそんな、悪意しかない歌うたえるな。」
結衣「なかなか、良かったでしょ♪」
八幡「よくねぇよ! 大体ヒッキーってお前からしか言われてないからな」
結衣「えー、自分じゃよく出来てたと思ったんだけどな」
八幡「全然ダメだ」
結衣「じゃ、次は頑張るね」
八幡「それ頑張るなら、料理か勉強を頑張れよ」
【サッちゃん〈小町編〉】
小町「 ごみいちゃんはね お兄ちゃんっていうんだ ほんとはね 」
八幡「おい……」
小町「だけど ダメダメだから 小町にごみいちゃんって言われるんだよ」
八幡「おい……」
小町「情けないね ごみいちゃん」
八幡「なに、俺を貶す替え歌が流行ってるの?」
小町「いやー、結衣さんが歌ってて小町もついつい作っちゃった♪」
八幡「『作っちゃった♪』じゃねぇよ」
小町「なかなか良かったでしょ? ごみいちゃん」
八幡「ごみいちゃん言うな。その歌を歌うのは禁止だ」
小町「えー、お兄ちゃんのケチんぼ」
八幡「この分だと、雪ノ下も作ってそうだな……アイツのはマジで聞きたくない」
【サッちゃん〈雪乃編〉】
雪乃「比企谷菌はね」
八幡「ちょっとまて!」
雪乃「なにかしら? 歌の途中に割ってこられると、とても不愉快なのだけど」
八幡「俺はそんな替え歌を歌われて不愉快だよ」
雪乃「そう、では続きを歌うわね」
八幡「いや、歌わなくていいから」
雪乃「あら、こんな中途半端な所で終わってしまっては続きが気になって夜も眠れなくなってしまうのではないのかしら?」
八幡「ならないから、むしろ聴かない方がぐっすり眠れるから」
雪乃「そう……では続きを」
八幡「だから、いいって! なにお前、そんなに俺に歌を聴いて欲しいの?」
雪乃「べ、別にそう言う訳ではないわよ……」
八幡「いや、超聴いてほしそうじゃん」
雪乃「だ、黙りなさい! この私のどこが聴いてほしそうにしているというのかしら」
八幡「何処からどう見てもそうにしか見えないぞ」
雪乃「……なら」
八幡「あん?」
雪乃「なら、比企谷くんは私が歌を聴いて欲しいと言ったら聴いてくれるのかしら」
八幡「こ、こいつ開き直りやがった……」
雪乃「ふっふっふ……さぁ、どうなのかしら」
八幡「聴かないな」
雪乃「……」
八幡「……」
雪乃「比企谷菌はね 比企谷くんっていうんの ほんとはね」
八幡「くそっ、歌い出しやがった」
雪乃「だけど 」
静「入るぞ」
雪乃「はぁ……平塚先生入るときにはノックをといつも言ってるのですが……」
静「あぁ、すまない」
八幡「おぉ、助かった」
静「もう、下校時間だから、二人とも帰りたまえ」
雪乃「先生少しだけ時間をくれませんか?」
静「いや、ダメだ!」
雪乃「な、なぜですか?」
静「今日はこの後、大切な合コ……用事があるんだ。だから、早く家に帰って準備をしなければならないので、君たち生徒には速やかに学校から出ていってもらいたいのだ」
八幡「理由が個人的過ぎるだろ……」
雪乃「そうですか。……先生の将来が掛かっているのでは仕方ないですね」
静「あぁ、すまないな」
八幡「まっ、助かったからいいか」
雪乃「比企谷くん」
八幡「なんだ?雪ノ下」
雪乃「この続きはまた、明日」
八幡「!」
雪乃「明日は由比ヶ浜さんも部活に出ると思うから、そのつもりで」
八幡「……」
雪乃「さようなら♪」
数えてないから分からないけど、半分はいったよね。
100個って長い……
魔法科高校の劣等生読んできます。
ボクが無能なばっかりに待たせてしまってすみません。
何個か書いたんですが最後のオチのところがうまく書けなくて……
今は八幡「アホの子親子」結衣 あかり「アホの子 じゃないよ!!」を書いて気分転換していますが必ず両方とも完結させます!
なんでもはしませんが出来ることはします。
だから許してください。
因みに劣等感は8巻まで読みました。
横浜騒乱編(下)が一番おもしろかったです。
【ペットショップ3】
子猫「ミィー♪ミィー♪」
静「やはり、可愛いな……飼うべきか……飼わざるべきか……」
子猫「ミィー?」
静「くっ、そ、そんな目で私を見るな」
子猫「ミィー……」
静「私だってお前を飼ってやりたい、でも……でも……」
子猫「ミィー?」
静「フラグが……フラグが……一生独身フラグが立ってしまうんだ!」
子猫「ミィー?」
静「でも、癒しは欲しい……」
子猫「ミィー……」
静「仕事を終えて家に帰った時に出迎えて欲しい……」
子猫「ミィーミィー……」
静「辛い時にそばにいて欲しい……ぐすっ」
子猫「ミ、ミィー……」
静「あぁ、すまない……」
子猫「ミィー」
静「ありがとう。お前はいいやつだな」
子猫「ミィー♪」
静「よしよし」
先輩店員「うぅ……もう、やめてぇ……ぐすっ……こんなの見てられないよぉ……私まだ、大学生なのにこんなの見せられたら……ぐすっ……スミレちゃん早く休憩から帰って来てぇ」
子猫「ミィー♪ミィー♪」
静「はぁ……結婚したい」
先輩店員「誰か!だれか彼女を貰ってあげて!」
八幡「なに、やってんだよあの人は、まったく……」
静「どうも、ありがとうございました」
先輩店員「ひっく……い、いえ……大丈夫です」
子猫「ミィー!」
静「よしよし、また来るよ」
子猫「ミィー!ミィー!」
先輩店員「っ……この仕事辛すぎる……」
店員「休憩終わりましたー、って!どうしたんですか先輩!?」
店員「なんでもないよ、スミレちゃん……私達も頑張ろうね」
店員「えっ……は、はー」
先輩店員「じゃ、先にあがるね……」
店員「お疲れ様です」
店員「あれ? このバック」
先輩店員「あっ、それさっきの女の人のだ」
店員「その人は今どこに?」
先輩店員「えっと……あっ、いたいた。あの人だよ」
店員「へー凄い美人ですね。きっとモテるんだろうな」
先輩店員「っ………美人も色々と大変みたいだよ」
店員「そうなんですか?」
先輩店員「ええ、悪いけどバック渡してきてもらえる?」
店員「はい」
八幡「なんでペットショップに来て、こんなに悲しい気分にならなきゃいけないんだよ」
静「ん? 比企谷じゃないか、こんな所で会うなんて奇遇だな」
八幡「え、えぇ……」
静「ん、 どうしたんだ? 目が赤いぞ?」
八幡「あぁ、ちょっと掻きすぎちゃいまして……」
静「そうか、バイ菌が入るからあまり、掻いてはダメだぞ?」
八幡「はい……」
静「比企谷は今日は何しに来たんだ?」
八幡「俺は猫用のトイレの砂を買いに来たんですよ」
静「そうか、君の家では猫を飼ってたんだったな」
八幡「えぇ……」
静「いやー私も猫を飼おうか迷ってるんだが、いざ飼うとなると色々とな……」
八幡「そうですね。先生は若手ですから色々と大変でしょうし、まだ飼わない方がいいですよ」
静「若手……そうだな! 私はまだまだ若いからな! 大丈夫だよな!」
八幡「は、はい」
静「せっかく会ったんだし、この後ラーメンでも食べないか」
八幡「すみません。妹が料理を作って待ってるんで」
静「そうか、それなら仕方がないな」
八幡「先生」
静「ん、なんだ比企谷?」
八幡「頑張ってくださいね」
静「君には言われたくないけどな」
八幡「それもそうですね」
静「なんだ?今日はやけに素直だな」
八幡「俺だってたまには素直になりますよ」
店員「あのーすみませんお客様」
静「ん? なんですか?」
店員「バックをお忘れではないでしょうか?」
静「え?……あっ! ホントだ。すみません、ありがとうございます」
八幡「なにやってんすか」
静「いやー、うっかりしてた」
店員「どうぞ……あっ」
静「?」
八幡「……」
店員「また別な人と……」
八幡「……」
静「ん?」
店員「先輩が言ってた大変ってこのことだったんだ……」
静「あの、どうかしましたか?」
店員「あっ……いえ、なんでもないです」
静「そうですか?」
店員「最低」
八幡「なんで?」
【クラブ活動】
結衣「ねーねー二人とも」
雪乃「なにかしら?」
八幡「なんだ?」
結衣「もしもさ、奉仕部じゃない部活に入るとしたら何に入る?」
八幡「帰宅部だな」
結衣「ちょっ帰宅部って部活じゃないじゃん」
八幡「いや、部が着いてるんだからあれも部活でいいだろ」
雪乃「比企谷くん、帰宅部は基本的に架空の部活動・概念に過ぎないわ。実際にはほとんどの学校に存在しないのよ。極まれに部活動への所属が義務付けられている学校では帰宅部が実際に作られた例もあるけれど、ここ総武高校には、帰宅部は存在しないわ」
八幡「流石はユキペディアだな」
結衣「ゆきのん凄い!」
雪乃「べ、別に大したことではないわ」
八幡「いや、超嬉しそうなんだけど」
雪乃「比企谷くん、なにか?」
八幡「いえ、なにも」
雪乃「そう、ならいいわ。因みに私は奉仕部じゃなかったら……そうね、文芸部かしら」
結衣「ゆきのん本読むの好きだもんね」
雪乃「由比ヶ浜さんは何に入るのかしら?」
結衣「え? あたし? そうだなー、何がいいかな?」
八幡「いや、人に聞かないで自分で考えろよ」
結衣「むっ、なにさヒッキーだって特に決まってないくせに」
八幡「あ? 俺はもう決まってるぞ」
結衣「うそっ なに?」
八幡「文芸部の幽霊部員だな」
雪乃「あなた……ストーカー?」
結衣「うわぁ……ヒッキーマジキモい」
八幡「いや、ちげぇよ。ちゃんとした理由があるから」
雪乃「そうなら言ってみなさいストーカーくん」
八幡「その呼び方やめろ。んん。まず文芸部は基本的に参加を強制されたりはしないし、文芸部に入るような奴は大人しい奴ばかりだろうから俺が幽霊部員になっても誰も注意するような奴がいない、だから文芸部に入る」
結衣「理由が最低すぎる」
雪乃「あら? 私がそんなことはさせないわよ」
八幡「なん、だと……」
雪乃「文芸部部長として幽霊部員だなんて許さないわ」
八幡「なんで、お前が部長になってんだよ」
雪乃「さぁ?」
八幡「いや、さぁ?って……」
結衣「むぅ……ずるい」
雪乃「え?」
八幡「あ?」
結衣「ずるい!ずるい!ずるい!あたしも二人と同じ部活がいい!」
八幡「いや、子供かよ」
結衣「あたしも文芸部に入る!」
雪乃「でも、由比ヶ浜さんは他に入りたい部活はないの?」
結衣「んー、ないかな? あたしはゆきのんと一緒の部活に入れればそれでいいもん」
雪乃「ゆ、由比ヶ浜さん」
八幡「なんでこいつらは最終的にゆるゆりに持ってくの?」
結衣「あっ、あとヒッキーともね」
八幡「はいはいそうかよ。つうか、それだったら普段の奉仕部と変わらないな」
雪乃「確かにそうね」
結衣「依頼がないと二人とも本読んでるもんね」
【黒板」
結衣「黒板に文字を書くのって難しくない?」
八幡「ああ、確かに難しいな」
結衣「ノートとかだったら綺麗に書けるんだけど」
八幡「まー、仕方ないだろ。鉛筆やシャーペンとはまったく違う仕組みの筆記具で、その上、地面に対して垂直な面に書くんだから、普段と同じ字が書けないのはしかたないことだ」
結衣「そう言われるとそうだね。……うん!仕方ないことなんだよ!」
八幡「いきなり大声出すなよ。びっくりするだろ」
結衣「あっ、ごめんね」
雪乃「……そうかしら?」
結衣「へ?」
八幡「ん?」
雪乃「私は黒板に字を書くのを難しいとはあまり思はないわよ」
結衣「えぇ! ホント!?」
雪乃「ここで嘘を言う理由がないじゃない」
八幡「なら、そこの黒板に字を書いてみろよ」
雪乃「ええ、いいわよ」
八幡「……」
結衣「……」
雪乃「どうかしら?」
結衣「き、綺麗……」
八幡「上手すぎだろ……なに?もしかしてお前一人でこっそり練習とかしてたの?」
雪乃「そんなことするわけないじゃない。そんな暇があったら猫……本を読むわ」
八幡「ん? なんだ?今の途中まで言いかけた猫って」
雪乃「なんでもないわよ」
八幡「すげぇ、気になる」
結衣「ねーねーゆきのん!」
雪乃「由比ヶ浜さん耳元で大声出さないでほしいのだけど」
結衣「あっ ごめん」
雪乃「で? なに?」
結衣「どうやったらあんなに綺麗な字が書けるの?」
雪乃「そう聞かれても気がついたら書けてたからコツとかは特にないわね」
八幡「なんかその物言いムカつくな」
結衣「そっかー、残念……」
雪乃「ごめんなさい。力になれなくて」
結衣「いいよ、いいよ、気にしないでよゆきのん」
雪乃「そう?」
結衣「うん……よしっ!」
八幡「どうした?」
結衣「あたし、ゆきのんみたいに黒板に綺麗な字が書けるように今から練習するね!」
八幡「お前はまず字の練習する前に勉強しろよ」
【ペプシコーラのCM】
結衣「ペプシのCMあるじゃん」
雪乃「?」
八幡「ああ、桃太郎のやつか」
結衣「そう!そう!」
雪乃「?」
結衣「あのCM凄くない? 鬼とか超強そうだしっ!」
八幡「なんか映画みたいな感じだよな」
結衣「ハリウッドが桃太郎の映画撮ったらあんな感じなのかな」
雪乃「桃太郎……ハリウッド……?」
八幡「もし、映画かされたらちょっと見てみたいな」
結衣「あっ、やっぱりヒッキーもそう思う?」
雪乃「映画? CMの話ではないの……」
八幡「なんか、新しいのだと宮本武蔵も出てたよな」
結衣「出てた!出てた! 浦島太郎も出ないかな?」
八幡「いや、浦島太郎は出ないだろ。出たとしたら金太郎とかじゃねぇのか?」
結衣「金太郎ありそうかも!」
雪乃「宮本武蔵……浦島太郎……金太郎……?」
結衣「あと音楽もいいよね」
八幡「確かにかっこいい感じだよな」
結衣「あれなんってやつなのかな?」
八幡「さぁ? 俺あんまりそう言うの詳しくないしな」
結衣「名前は分かんないけどあたし、あの曲結構気に入ったな」
八幡「携帯で調べればいいだろ」
結衣「今、充電切れちゃってて……ヒッキーのスマホで調べてよ」
八幡「まぁ、いいけど……あっ」
結衣「どうしたの?」
八幡「俺のも充電切れてる」
結衣「もう! ヒッキーの役立たず!」
八幡「その言葉そっくりそのままお前に返してやるよ」
結衣「しょうがない、家に帰ってから調べよっと」
八幡「最初からそうしろ」
結衣「ヒッキーには調べても教えてあげないよ。べーだ」
八幡「お、もう、時間だな」
雪乃「……そうね。今日はもう、帰りましょう」
結衣「あっもう、そんな時間か」
雪乃「では、私は鍵を返して来るから、さようなら」
結衣「バイバイゆきのん!あっついでにヒッキーも!」
八幡「おー」
雪乃「私も帰ったら調べて見ようかしら……」
このSSまとめへのコメント
面白いですッ!
更新ガンバ
ありがとうございます。
ボクがんばる!
なにこの神スレ。
続きはよ
面白いぞ〜!
100と言わず永遠に続いて欲しい