駅 ホーム
学生「こ、この人、チカンですッ」
ざわざわざわ
男「ちょ、ちょっと、なに――――」
――――ガシッ
駅員「ちょっと来てもらおうか」
男「おれはやってませんよッ!!」
駅員「まあ、それは後で聞くから。ああ、君もちょっと来てくれ」
学生「は、はいっ」
男「え、あっ……」
男(終わった。高校生にして人生が終わった)
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駅員室
駅員「えー、まあ、チカンというのは見過ごせない犯罪という訳で、一応訊くけど……。
君はー、この男にチカンされたんだね?」
学生「は、はい。お、お尻を……」フルフル
駅員「君もやったのかい?」
男「や、やってませんよッ」
駅員「ドラマでも良く言うが、犯人はいつもそう言うんだよ」
男「で、でもッ」
駅員「いっそ泥をぶちまけてしまった方が勇ましいと思うがなあ……。
盗っ人猛々しいと言うだろう?」
男「しかし……」
駅員「本格的な取り調べは、警察さんがやると思うけれども、まあ、僕らの面目を上げると思って手伝ってくれよ」
男「俺はやって――――」
駅員「――――はいはい。っで、君の名前、年齢、あと在籍校は?」
男「えっ、あっ、名前は男で、年は17歳、それで高校は〇〇高校です」
駅員「ありがとう」
男「その、ホントに――――」
駅員「――――それは警察の人に聞いてもらって。っで、君は?」
学生「わ、わたしですか?」
駅員「もちろんだ。まあ、このクズ野郎のとなりで喋るのは甚だ心苦しいと思うが、しかし便宜上ね、
教えてもらった方が良いんだよ。っで、お名前は?」
学生「女です」
駅員「女ね……。それで、どこの高校に通ってるの?」
学生「……〇〇高校です」
駅員「へー、同じなんだ。それで、年齢は?」
学生「…………」
駅員「どうしたの?」
学生「ね、年齢は……」
駅員「うん」
学生「21です」
駅員「21……って、21ッ?」
学生「……も、もういいです」
駅員「ん?」
学生「ち、チカンとかもう良いですッ!!」
駅員「ちょ、ちょっとッ!!」
タタタタタ……
男「……ど、どういうこと?」
駅員「あー、その、君、災難だったね。もう、帰って良いよ」
男「は、はい……」
駅員「ゴメンね、なんか」
男「いや、大丈夫ですけど……」
男(一体なんだったんだ)
学校
ざわざわざわ
男「はあ……」
友「どうしたあー、朝からテンション低くてー」
男「どうしたもこうしたもねぇーよ。チカンに間違えられてとんだ災難を食っちまったよ」
友「チカン……? ああ、もしかして朝のアレ、お前だったの?」
男「ご名答。俺だよ、俺ですっ」
友「いやー、おなじ学校のヤツが連れられてるなあーって思ってたんだが、まさかオマエとはなあー。ハハハハ」
男「のうてんきだな」
友「そりゃあー、チカンしたことないし」
男「俺もしてねぇーからッ!!」
友「まあまあ、そう猛りなさんな。しかしともかく、勿怪の幸いだったろ。お縄にかかんなくてさ」
男「不幸中の幸いって奴だろうけどなあ……」
友「っで、インサートしたのか?」
男「だからしてねぇーよ!!」
放課後 駅
男「ったく、なんでチカンなんて……ん?」
学生「…………」チラチラ
男(あれって……まさか)
タタタタ
男「おいっ」
学生「」ビクッ
男「今朝のこと、覚えてるよな?」
学生「」フルフル
男「なんとか言えよッ」ガシッ
学生「……ご、ごめんなさい」
男「それで許すと思って……」
学生「ご、ごめんなさい……グズッ……で、でも、怖くて……わ、わたし……」ボロボロ
ジロジロジロ、ざわざわざわ
男「……ちょっと泣かないで。俺が悪いみたいだから」
学生「わ、わたしが全部悪いんですッ!! いっそ反抗しなければ良かったんですッ!!
だから、許してくださいッ!! どんなヒドイこともムゴイことも、あなたの言うとおりにしますから、
どうぞ許してくださいッ!! モウあんな真似はしないでくださいッ!!」
男「…………」
電車内
男「お、女さんだよね?」
女「」コクン
男「えっと……、俺がチカンしてないってこと、信じてもらえた?」
女「…………」
男「信じてないんだ……。で、でも、俺は悪人じゃないってことは分かるでしょ?」
女「わかりません……」
男「いや、まあ、いいけど……。あっ、そうだ。たしか年齢を聞かれた時……」
女「」ハッ
男「21歳って言ってたけど……。あれってどういう意味?」
女「……そのままです」
男「そのままって……。でも、制服を着てるし」
女「こ、こすぷれです」
電車内
男「お、女さんだよね?」
女「」コクン
男「えっと……、俺がチカンしてないってこと、信じてもらえた?」
女「…………」
男「信じてないんだ……。で、でも、俺は悪人じゃないってことは分かるでしょ?」
女「わかりません……」
男「いや、まあ、いいけど……。あっ、そうだ。たしか年齢を聞かれた時……」
女「」ハッ
男「21歳って言ってたけど……。あれってどういう意味?」
女「……そのままです」
男「そのままって……。でも、制服を着てるし」
女「こ、こすぷれです」
男「……コスプレですか」
女「でも趣味じゃありませんッ!!」
男「いや、平日の朝からコスプレしてるようじゃ……なんとも……」
女「しゃ、社会復帰のためなんです」
男「社会復帰?」
女「はい。わたし、実はひきこもりだったんです。高校生活に馴染めなくて、それで学校に行くのが嫌になって、
だんだん足が遠のいていって、終いには学校に行かなくなってしまったんです。
行かなくなると、外に出る機会もなくなって――――でも気が楽だったんですっ。
だけど……。段々、外に出ることが怖くなって、引籠りになって、親たちを悲しませて……」
男「そうなんだ――――いや、そうなんですか」
女「リ、リストカットの痕を見ます?」
男「いや、遠慮しておきます。っで、どういった機会で社会復帰しようと思ったんですか?」
女「一念発起ってやつです……」
男「ふ~ん。じゃあ、なんでコスプレを?」
女「コスプレは……制服に憧れて、ついでに着てみたかったんです。
どうせ、似合ってませんよね?」
男「似合ってるって言ったら?」
女「喜びます……」
男「じゃあ、似合ってますよ、十分」
女「う、嘘を吐かないでください」
男「いやいや、似合ってますよ。顔も身体も幼くて」
女「か、身体は幼くありませんッ!! めいいっぱい大人ですッ!!」
駅 ホーム
ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴト……
男「ここなんですか、降りる駅」
女「男君もここなんですか?」
男「ええ」
女「そうですか。なら、明日も会えますね」
男「待ち合わせるんですか?」
女「だ、だって、チカンされたらヤダし……」
男「つまり、ボディーガードになれと」
女「というか盾ですね」
男「盾って、俺がチカンを受けるんですか?」
女「まあ、そういう訳ですっ」
男「はあ……。なら、明日の朝、ここに集合で」
女「ういっす。わかりました」
男「じゃあ、お気をつけて」
女「送ってくれないんですか?」
男「あっ――――いや、夜道を一人で歩ける位、逞しくなって欲しいと思まして。
でもまあ、そんなに言うんなら行ってあげましょう」
女「エロゲーだったら、エッチに超特急ですねッ!!」
男「エロゲ?」
女「あっ……いや、なんでもありません。その――――さ、さようならッ!!」ダッ
タタタタ……
男「……エロゲーって、エロゲーだよな」
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いっけーいけいけいけいけ作者!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!