元帥「セクハラというのは程度を問わず女性に不快感を持たせる。上の立場の者からならなおさらだ」

元帥「上の者からのセクハラは告発どころか反発もしにくく、誰かに相談することすら出来ない。ましてや彼女たちは年端も行かない少女だぞ！」

提督（幼女いるし、大人もいるんだけどなぁ）

元帥「第一彼女たちは君を信頼しとったのだぞ、その思いを踏みにじるかのような…」

提督「げ、元帥、お言葉ですが…」

見てる人いる？

提督「セクハラなんてしようものなら、確実に手首が落ちます」

元帥「……あの小さな女の子たちがか？ありえんだろう」

提督「そもそもセクハラなんて自分やってませんよ。艦娘たちへの接し方は注意してきたつもりです」

元帥「だがな、告発者がいるんだよ。君の鎮守府からな」

提督「な、なんですって……」

提督（誰だ…誰がそんなデタラメを……）

提督（うちの鎮守府の子たちはみんないい子たちだ、俺を陥れようなんて…）


提督（……そりゃうっかり着替え中に出くわしたり、つまづいた拍子におっぱいさわっちゃったり、やたら艦の甲板で誰かと二人っきりになると突風でパンチラみたり………してるケド）ﾀﾞﾗﾀﾞﾗﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

元帥「これが証拠の写真だ」ﾋﾟﾗｯ

提督「こ、これは……っ」

提督（写っていたのは俺と、加賀。そしてこれは………）



提督（廊下を走っていた島風とぶつかって、そのとき秘書艦で隣にいた加賀を押し倒してしまった時のものだ……）

提督（そして、これは間違いなく青葉の写真……）



元帥「この写真が、けさ中央鎮守府に届けられていた。差出人は無いが君の鎮守府の判子が押されていた」

提督「……」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

提督（……まてよ………けさ届いた？）

提督（写真のシーンは一昨日の出来事、だが青葉はこの一週間、まだフィルムを現像させていない……）

提督「……誰かが俺達を、陥れようとしているのは、間違いない」

元帥「ほぉ、つまり君の鎮守府の中に裏切り者がいるということか」

提督「…！」ｷﾞﾘｯ

元帥「……セクハラ一つでクビにするのかといったね。たしかにいまは人材不足で、君を切るのは正直惜しい」

元帥「たが、ブラック鎮守府の摘発で艦娘の人権問題も起きている。世間が騒ぐほどにはな」

提督「……」

元帥「それに、この鎮守府の赤城も、加賀クンが信頼している人がそんなことをするはずない、と訴えている。私も君には期待している」

提督「元帥…」


元帥「猶予をあげよう。一月以内に犯人と証拠を出さねば、クビは免れない」

提督「………はい」

提督「・・・と、いうわけだ」

加賀「それで、なぜその話を私に・・・？」

提督「え、加賀も被害者だし、信頼の面も考えて最初に相談しに来たんだけど」

加賀「被害者・・・いえ、深く考えてはダメ」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

提督「？」


加賀「・・・とにかく、その密告者を見つけなくては一月後、提督が社会的に轟沈するんですね」

提督「冗談でもその表現はヤメロ」

加賀「手がかりは写真だけですし、まずは青葉にも協力を仰いでは？」

提督「遠征だしちまった、戻るの二日後」

加賀「・・・」