女友「なんで」

女「なんでも！」

女友「はぁ…なんでキスできないのよ。理由は？」

女「は、恥ずかしい…から…」

女友「恥ずかしいからいいんでしょ」

女「？」

女友「むしろ恥ずかしくなくなったら終わり」

女「？？」

女友「とにかく、今日の帰り道でキスしなさい」

女「ええっ！？そ、そんな…」

女友「別れ際にちゃちゃっと！」

女「む、無理だよぉ…」

女「本当に、本当に無理だからっ…」

女友「まずは手を握って、それから流れですればいいんだから」

女「て、ててててて手を握るの！？」

女友「ま、まさかとは思うけど…」

女「手なんて握ったことないよぉ…」

女友「ほんとに付き合ってるの？マジで」

女「付き合ってるよ…多分…」

女友「はぁ、もう知らない。勝手にすれば？」

女「えっ？」

女友「私には関係ないことだし。それじゃ」

女「…」

♪ ｷｰﾝｺｰﾝ ｶｰﾝｺｰﾝ

女「お、男くんっ！」

男「お、女さん…ごめん、待った？」

女「ううん、今来たところ…だよ…？」

男「そ、そっか」

女「っ、うん…」

男「じゃ、じゃあ、帰ろうか！」

女「そ、そうだね！」

男「…」ｽﾀｽﾀ

女「…」ｽﾀｽﾀ

女友（なんなのあの二人…くん付け さん付けって…）

女友（これじゃあ手すら握ったことないってのも頷ける…はぁ…）

男「…」ｽﾀｽﾀ

女「…」ｽﾀｽﾀ

男・女「あ、あのっ！」

男「…っ」

女「…///」ｶｧｧｧ

男「あ、えっと…」

女「な、なに？」

男「い、いや、その…」

女「…？」

男「なんでも…ない…」

女「そ、そっか…！」

男「…」ｽﾀｽﾀ

女「…」ｽﾀｽﾀ

女友（あーイライラするー何なのマジでー）

女（緊張する…やっぱり慣れないなぁ）

女（友ちゃんに怒られちゃったし…）

女（手、繋ぎたいなぁ……）

男「…ん？」

女「っ！」ﾌﾟｲｯ

男「か、顔に何かついてる？」

女「う、ううん！ついてないよ！」

男「…そっか」

女「…///」

女（どうしよう…今日も何も進展できないのかなぁ…）

女「きゃっっ！！」ﾄﾞｽｯ

男「だ、大丈夫！？」

女「う、うん…何でこんなところにバナナの皮が…」

男「あっ…」

女「…っ！」ｶｧｧｧ

男「ご、ごごごごごめん！！」

女「う、ううん、私こそ…！」

男「……け、怪我はなかった！？」

女「うん！だ、大丈夫だよ！」

ｱﾊﾊ! ｳﾌﾌ!!

女友（密着成功……）ﾆﾔﾘ

男「…っ」ｽﾀｽﾀ

女「…///」ｽﾀｽﾀ

女友（し、しまったぁぁぁ！！）

女友（手すら握ったことないのにいきなり密着しすぎて余計に緊張してるぅぅぅ！！）

女「っ！」ｷﾞｭｯ

男「…！？」

女「…//////」

男「あ、えっと…」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

女「繋いでても…いいでしょ…？」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

男「も、ももももちろん！」

女友（きたきたきたきたきたぁぁぁぁ！！！）

女「じゃ、じゃあ、私こっちだから…」

男「う、うん、それじゃ…」

女「…」ｷﾞｭｯ

男「っ！」

女「ま、また明日…！」

男「うん、ま、また明日 」

女「…///」ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ

男「…」

女友（はぁ、やっと恋人らしい事できたのね）

女友（これは喜びのご報告が来そう…って）

ﾌﾞﾙﾙﾙﾙ

女友（言ってるそばから…良かったね、女）

女友「で、あれから１週間経ったワケだけど」

女「…」

女友「なんであれから進展ないのよ」

女「なんでだろう…」

女友「真面目に言うと、二人の相性が良くないんだよ」

女「えっ…」

女友「なんて言うか、二人とも似てるじゃん？」

女「うん…」

女友「だから進展しないの。例えば彼氏がグイグイ来る人気だったらもうヤってるよ絶対」

女「私、グイグイ来る人 苦手……」

女友「だ、だから例えだってば！」

女「いいよ、もう…キスしなくても…」

女友「えっ？」

女「デートだけで楽しいし、満足してるもん…」

女友「はぁ、あんたは良くても彼氏は良くないんだってば」

女「？」