勇者「あ?王が呼んでる?」兵士「は…はい」 (62)

勇者「要件は何だ?」

兵士「えっ?」

勇者「要件は何だって聞いてんだよ!!」

兵士「わ…私には…分かりません」

兵士「私は勇者様を呼んでくるように言われただけで…」

勇者「チッ…使えねーな」

兵士「…申し訳ありません…」

勇者「…城に行けば良いのか?」

兵士「は…はい…お願いします」

勇者「…ダルいな」

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――お城

勇者「来てやったぞカス共」

王「よく来た勇者よ…魔王を倒し世界に平和をもたらすのじゃ」

勇者「ヤダ」

王「あ?」

勇者「お前が行けよ」

王「…テメー今なんつった?」

勇者「世界を平和にしたきゃお前が行けよ」

勇者「俺は平和なんて興味ねーし…誰がタダ働きなんかするかよ」

王「良いから行けよ」

勇者「あ?」

王「あ?」

勇者「やんのかコラァ!!」グイッ

王「上等だこの野郎!!」グイッ

大臣1「王様、落ち着いてください」ガシッ

王「邪魔すんじゃねーよ…テメーからヤっちまうぞ?」

大臣2「勇者様…どうかコレで…」ジャラ

勇者「何だよ…分かってんじゃねーか」

勇者「最初から出すもん出せば良いんだよ」

王「さっさと行けよボンクラァ!!」

勇者「あぁ?」

王「さっさと行って魔王と相討ちになって死ねよ」

勇者「…その前にテメーの息の根とめてやんよ」

王「…良い度胸だな…表でろや」

勇者「上等だコラ」

大臣2「勇者様…」ジャラジャラ

勇者「チッ…魔王倒したら次はテメーだからな?」

王「いつでも来いや」

大臣2「…とりあえず酒場で3人仲間を集めてから戻って来て下さい」

――酒場

酒場の女将「お待ちしておりました勇者様」

女将「この酒場で仲間を3人選んで下さい」

勇者「……」グルッ

勇者「ダメだな、雑魚ばっかりじゃねーか」

戦士1「おいおい」

戦士2「誰が雑魚だって?」

武闘家1「雑魚はテメーだろうが」

勇者「あ?」

武闘家2「勇者とか言われて良い気になってんじゃねーぞ?」

勇者「…めんどくせぇな」

僧侶1「あぁ?」

勇者「めんどくせぇからまとめてかかって来いや!!」

魔法使い1「ナメてんじゃねぇ!!」

僧侶2「吠え面かくんじゃねーぞこの野郎!!」

――

勇者「チッ…やっぱり雑魚じゃねーか」

女将(そんな…1人で…30人はいたのに…)

勇者「おい」

女将「はい!」

勇者「他には誰もいねーのか?」

女将「…いません」

勇者「チッ…3人集めろって言ってたよな…」

女将「…はい」

勇者「……お前で良いや」

女将「えっ?」

勇者「あとは…そこの犬と猫」

勇者「これで3人だな」

女将「あの…私は…」

勇者「あ?」

女将「……」

勇者「城に行くぞ」

女将「…はい」

犬「ワン」

猫「ニャー」

――お城

王「…お前ふざけてんの?」

勇者「あん?」

王「仲間が酒場の女将に犬と猫って…」

王「近所に散歩行くんじゃねーんだぞ?」

王「魔王倒しに行けつってんだよ!!」

勇者「椅子に座る事しかできねーお前よりは役に立つわ」

王「んだとコラァ!!」グイッ

勇者「悔しかったら酒の一杯でも作ってみろや!!」グイッ

大臣1「王様…落ち着いてください!!」ガシッ

王「離せよ…テメー首切られてーのか?」

大臣2「勇者様、まずは西にある村に向かって下さい」

勇者「そこに魔王がいんのか?」

大臣2「いえ…魔王の居場所は不明なのです…」

勇者「はぁ?」

大臣2「えっ?」

勇者「居場所も分かんねーのに倒せとか言ってんの?」

大臣2「だからまずは情報を集めて…」

勇者「そーゆーの終わってから呼べよ」

大臣2「……」

勇者「…まぁ良いよ…ほら」スッ

大臣2「?」

勇者「ほら」スッ

大臣2「あの…何を…」

勇者「金だよ」

大臣2「それは先ほど…」

勇者「俺が情報集めんだろ?」

大臣2「……」ジャラ

勇者「よし、行くぞ家来共」

女将「…はい」

犬「ワン」

猫「ニャー」

――西の村

勇者「ここだな」

女将「そうみたいですね」

勇者「俺はここで休んでるからお前は情報集めて来い」

女将「…はい」

――数時間後

女将「勇者様…」

勇者「遅い」

女将「すいません…」

勇者「で?」

女将「魔王に関する情報はありませんでした…しかし近くの塔に盗賊が住み着いていて村人は困っているそうです」

勇者「そうか…んじゃ次の村に行くぞ」

女将「えっ?」

勇者「あ?」

女将「あの…助けないんですか?」

勇者「誰を?」

女将「村人です」

勇者「何で?」

女将「何でって…」

勇者「俺は早く魔王を倒して家に帰りたいんだよ」

勇者「盗賊なんてどうでも良いよ」

女将「しかし村人が困って…」

勇者「うるせーな…んじゃお前が助けてやれよ」

女将「えっ?」

勇者「村人助けたいならお前がやれよ」

女将「そんな…」

勇者「犬と猫もいるじゃねーか」

女将「…分かりました、私が行きます」

勇者「せいぜい頑張れよ」

女将(…大丈夫…危なくなったら勇者様が助けてくれるはず…)

――盗賊の住む塔

勇者「ここか?」

女将「はい」

勇者「…お前その棒で戦うの?」

女将「棒だけじゃありません…私にはポチとタマがいます」

ポチ「ワンワン」

タマ「ニャー」

勇者「ダサい名前だな」

女将「行きますよ勇者様」

勇者「えっ?」

女将「…えっ?」

勇者「俺は行かないよ?」

勇者「コレはお前が勝手にやってる事だからな?」

女将「…一緒に来てくれるだけで良いんです」

勇者「タダ働きはしない主義なんだ」

女将「……私の店で1週間飲み放題でどうですか?」

勇者「……良いだろう」

――最上階

女将「いました…盗賊達です」

勇者「頑張れよ」

女将(…大丈夫…勇者様はきっと助けてくれる…)

女将「ポチ、タマ…行くわよ」

――

女将「お…お前達が盗賊か?」

盗賊1「あぁ?」

盗賊2「誰だお前?」

盗賊3「何しに来たんだ?」

女将「む…村人達を困らせるのは止めなさい」

盗賊4「…まさか…俺達を倒しにきたってのか?」

女将「そそそ…そうです」

盗賊5「面白いじゃねーか」

盗賊リーダー「へへへ…たっぷり可愛がってやるよ」

女将(勇者様…信じてますよ…)

今日は終わり


女将さん気の毒すぎる

やっべ面白い

――

女将「……」グタッ

ポチ「……」グタッ

タマ「……」グタッ

盗賊リーダー「何だよ、すげー弱いじゃねーか」

女将(勇者様…ホントに助けてくれないなんて…)グスン

勇者「ずいぶん派手にやられたな?」

盗賊1「あん?まだ仲間がいたのか?」

勇者「助けて欲しいか?」

盗賊1「おい、聞いてんのか」ガシッ

勇者「…触んじゃねーよ」ドゴッ

盗賊1「……」グタッ

勇者「おい、助けて欲しいか?」

女将「助けて…下さい…」

勇者「幾らだ?」

女将「…1ヶ月…飲み放題で…」

勇者「……まぁ良いか」

勇者「おい、ゴミ虫共」

盗賊リーダー「あぁん?」

勇者「命乞いしてもムダだからな?」

盗賊リーダー「…野郎共、コイツをブッ殺せ!!」

勇者「……」

――

盗賊リーダー「…すいませんでした」

勇者「おい、お前魔王の居場所知ってるか?」

盗賊リーダー「…知りません」

勇者「チッ」

女将「…村から奪った食料とお金を返して下さい」

勇者「えっ?そんなのあんの?」

盗賊リーダー「……」

勇者「…金があるのか?」

盗賊リーダー「……」

勇者「…仕方ねーな」ボキッ

盗賊リーダー「ギャアァァァァァァ!!」

女将「勇者様!?」

勇者「おいおい、指一本折られたぐらいで喚くなよ」

勇者「あと9本も残ってんだぜ?」

盗賊リーダー「ぁ…ぁぁぁ…」

女将「止めて下さい勇者様!!」

勇者「あ?」

女将「盗賊さん、奪ったものはどこにあるんですか?」

盗賊リーダー「奥の扉の中だ…」

――

勇者「おぉ、結構あるな」

女将「早く返してあげましょう」

勇者「は?誰に?」

女将「村人にですよ」

勇者「コレは俺のだよ?」

女将「えっ?」

勇者「俺が取り返してやったんだから俺のに決まってんだろ?」

女将「違います、コレは村人達のものです」

勇者「あぁ?」

女将「…1ヶ月半…いや…2ヶ月飲み放題にします」

勇者「……」

女将「…おつまみを毎回一品サービスします」

勇者「…何でも良いのか?」

女将「…500G以内なら」

勇者「…良いだろう」

女将「それでは村に戻りましょう」

――西の村

女将「皆さん盗賊をやっつけましたよ」

村長「おぉ…何とお礼を言ったら良いか…」

勇者「感謝は金で…」

女将「良いんです!!勇者として当たり前の事をしただけですから!!」

村長「…ありがとうございます」

勇者「おい、次の村に行くぞ」

女将「待って下さい勇者様」

勇者「何だ?」

女将「ポチとタマの回復を待ってからにしましょう」

勇者「あ?」

女将「村長さん、少しの間滞在させてもらえますか?」

村長「こんな村で良かったらいくらでも居て下さい」

女将「ありがとうございます」

勇者「チッ…」

――数日後

女将「ポチ、タマ」

ポチ「ワンワン」

タマ「ニャー」

女将「良かった、元気になったわね」

勇者「…行くぞ」

女将「はい!!」

村長「一番近い村はここから北に行ったところにあります」

女将「ありがとうございます、お世話になりました」

村長「我々こそお世話になりました…旅の無事を祈っております」

女将「ありがとうございます…それでは行ってきます」

――

勇者「まだ着かないのか?」

女将「たぶんもう少しで……あっ、見えましたよ勇者様」

勇者「よし、行ってこい」

女将「はい…ポチ、タマ、行くわよ」

――北の村

勇者「どうだった?」

女将「…魔王の情報はありませんでした…」

勇者「次行くぞ」

女将「あの…」

勇者「ん?」

女将「…村が近くの洞窟にいるゴブリンに度々襲われているみたいです」

勇者「んで?」

女将「助けて…あげましょう」

勇者「良いよ」

女将「ホントですか!?」

勇者「金を払えばな」

女将「…もう良いです、私達でやっつけてきます」

勇者「実に勇ましいねぇ」

――洞窟

勇者「その剣と鎧どうしたの?」

女将「村の人に貸してもらいました」

勇者「犬と猫の鎧みたいのも?」

女将「それは私の手作りです」

勇者「…お前スゲェな」

女将「さぁ…行くわよ!!」

ポチ「ワン」

タマ「ニャー」

勇者「待て…俺も行く」

女将「えっ?」

勇者「面白そうだから俺も行く」

女将「…勝手にして下さい!!」

勇者「は~い」

続きは夜に

乙でした

乙ー

おつー
確かに面白そうだな

女将(どこにいるのかな…)

女将(松明だけじゃよく見えないわね…)

女将「ポチ、タマ、ちゃんと近くにいてね」

ポチ「ワン」

タマ「ニャー」

勇者「おっ、あいつらじゃねーか?」

女将「…そうみたいですね…」

勇者「じゃあな、頑張れよ」

女将「…行きます」

――

女将「お…お前らが村を襲うゴブリンか?」

ゴブリン1「……」ギロッ

女将(あわわ…どうしよう…怖いよぉ…)

ゴブリン2「何だお前は?」

女将「む…村を襲うのは…止めな…さいぃぃ」ガクガク

ゴブリーダー「村?…村の奴らに頼まれたのか?」

女将「そ…そうだ…か…覚悟しろ…」

ゴブリン1「喰っちまうぞテメェ…」

ゴブリーダー「落ち着け、喰うのは犯ってからだ…」

女将(ひぃぃ…)

――

女将「……」グタッ

ポチ「……」グタッ

タマ「……」グタッ

ゴブリーダー「口ほどにもねーな」

ゴブリン1「さぁ、お楽しみの時間だぜぇ」

勇者「おぅ、待てコラァ!」

ゴブリーダー「あん?コイツの仲間か?」

勇者「仲間?笑わせんじゃねーよ」

勇者「俺はそいつらの主人だ」

勇者「…お前さ、盗賊にも勝てないのに何でゴブリンに勝てると思ったの?」

女将「…剣と鎧があるから…」

勇者「それで勝てるなら村人が戦うに決まってんだろ?」

女将「……」

勇者「…どうする?」

女将「……おつまみ700G以内で…」

勇者「聞こえねーな」

女将「…1000G以内で…」

勇者「よし決まりだな」

ゴブリーダー「いつまでくっちゃべってんだ?」

勇者「あぁん?」

ゴブリーダー「お前らまとめて犯ってやるよ」

勇者「おー怖い怖い」

ゴブリーダー「やっちまえ!!」

勇者「……」

――

勇者「…まとめて何だって?」

ゴブリーダー「すんませんでした…」

勇者「お前は魔王の居場所知ってるか?」

ゴブリーダー「…知らないッス…」

勇者「チッ…おい、剣を貸せ」

女将「…何するつもりですか…」

勇者「倒した証拠がいるだろうが、首を切るんだよ」

女将「そんな…ダメです…」

勇者「あぁ?」

女将「そんな酷い事しちゃダメです」

勇者「何言ってんだお前?」

女将「殺す必要はありません!!」

女将「ゴブリンさん、村を襲わないと約束して下さい」

ゴブリーダー「わ、分かった…もう襲わない」

勇者「おいおい、下らねー事言ってんじゃねーぞ」

勇者「さっさと首出せや」ギラッ

女将「ダメです!!」ガシッ

勇者「何すんだコラ!!」

女将「今のうちに逃げて下さい!!」

ゴブリーダー「あ…あんた命の恩人だ」

ゴブリーダー「この恩は忘れないぜ」ダダダッ

勇者「待てやコラァ!!」

――北の村

女将「村長さんゴブリンを倒してきました」

村長「ありがとうございます…僅かですがお礼の品をご用意しました」

勇者「なかなか気がきく…」

女将「お礼なんて必要ありません!!」

村長「しかし…それでは…」

女将「私達は平和の為に戦っているんです、困ってる人を見過ごす事は出来ません」

村長「おぉ…なんと優しいお方じゃ…」

勇者「……」

女将「そうだ…村長さん、ポチとタマの治療をしたいのでしばらく滞在させてくれませんか?」

勇者「またかよ」

村長「どうぞゆっくりしていって下され、必要な物はすぐに用意します」

女将「ありがとうございます」

――夜

女将「……」ガチャガチャ

勇者「何やってんだお前?」

女将「ポチとタマの武器を作ってるんです」

勇者「は?」

女将「ポチには鉄の牙、タマには鉄の爪を作ってます」

勇者「…スゲェな」

――数日後

女将「お世話になりました」

村長「どうかお気をつけ下さい」

女将「ありがとうございます」

勇者「おいジジィ」

女将「勇者様、なんて事を言うんですか!!」

勇者「うるせーな…お前魔王の情報がありそうな街とか知らねーか?」

村長「…ここから北東に向かうと港街があります」

村長「色々な街から船が来ますので何か分かるかもしれません」

勇者「そうか、じゃあなジジィ」

女将「勇者様!!……村長さんありがとうございました」

――

勇者「アレか」

女将「大きな街ですね…」

勇者「頼んだぞ」

女将「はい」

ポチ「ワン」

タマ「ニャー」

――港街

勇者「何か分かったか?」

女将「ここから北にある国にやたら強い魔物がいるそうです」

勇者「魔王か?」

女将「たぶん違うと思います」

勇者「じゃあ言うなよ」

女将「でも行ってみる価値はあると思いませんか?」

勇者「は?」

女将「強い魔物なら魔王の居場所を知ってるかもしれません」

勇者「なるほど……よし、行ってみるか」

女将「…実は一つ問題が…」

勇者「…また何かあんのか?」

女将「船がないと行けないんです」

勇者「その辺にいっぱいあるだろ?」

女将「北の国にはやたら強い魔物がいるので向かう船があまりないんです」

勇者「じゃあどうすんだ?」

女将「この街に船をたくさん持ってる商人がいるらしいです」

女将「その人に借りるしかありませんね」

勇者「めんどくせぇな…」

――商人の屋敷

女将「失礼します」

商人「何のご用件ですかな?」

勇者「黙って船を貸せ」

商人「えっ?」

女将「勇者様!!……北の国に行きたいので船をお借りしたいのです」

商人「タダと言うワケにはいきませんな」

勇者「あぁ?」

女将「勇者様…少し静かにしてて下さい」

女将「幾らで貸していただけますか?」

商人「そうですね…2000万Gですな」

女将「なっ…そんな大金は…」

商人「ではお引き取り下さい」

勇者「……」

今日は終わり

女将がそのうち勇者になってそうだな 乙

女将「なんとか貸していただけませんか?」

商人「……」

女将「お願いします」

商人「…そうですなぁ……」ジロジロ

女将(うわぁ…凄く見られてる…気持ち悪いなこの人…)

商人「では私が貴女を2000万Gで買いましょう」

女将「えぇっ?」

勇者「良かったな、お前みたいな年増に高値がついたぞ」

女将「勇者様!?」

商人「ぐふふっ、商談成立…」

勇者「ふざけんな」

商人「えっ?」

勇者「コイツらは俺の家来だ」

勇者「女も犬も猫もやらねーよ」

女将「勇者様…」

商人「ではどうするんですかな?」

勇者「お前の命を俺が2000万Gで買ってやる」

商人「はい?」

勇者「頭が悪いな…お前を殺さないでおいてやるから船を寄越せと言ってんだよ」グイッ

商人「うっ…苦し…」

女将「ダメです勇者様!!」ガシッ

勇者「チッ…」ドサッ

商人「で…ではこうしましょう」

商人「南の森に住んでいるオークがとても貴重な宝石を持っているそうです」

勇者「あぁ?」

商人「オークの持つ宝石かそのご婦人のどちらかと船を交換します」

勇者「…チッ」

女将「勇者様…」

――宿屋

女将「勇者様…どうしますか?」

勇者「森に行くに決まってるだろ」

女将「えっ?」

勇者「お前が取られたら困るからな」

女将「えぇっ!?」

女将(もしかして私の事…やだ…困っちゃう///)

勇者「2ヶ月飲み放題に1000Gのつまみを捨てる事は出来ない」

女将(…そうよね…私は年増だもんね…)

――南の森

女将「ポチ、タマおいで」

ポチ「ワン」

タマ「ニャー」

女将「今から装備をつけてあげるからね」

勇者「必要ない」

女将「えっ?」

勇者「俺がヤるからお前らは見てろ」

――

勇者「アイツか…」

女将「強そうですね…」

勇者「は?アレが?」

女将「凄く大きいし斧をもってるし…見るからに強そうです」

勇者「チッ…そこでしっかり見とけよ?」スタスタ

女将「勇者様…」

勇者「おいデカブツ!!」

オーク「…誰だ?」

勇者「宝石を出せ」

オーク「誰だと聞いてるんだ」

勇者「良いから出せよボケが」

オーク「…死ね」ブンッ

勇者「……」ヒョイ

オーク「……」

勇者「素直に出した方が身のためだぞ?」

――

勇者「実力の差が分かったか?」

オーク「……」

勇者「宝石出せや」

オーク「……」

勇者「…知ってるか?人間の耳は意外と簡単にちぎれるんだ…」

勇者「オークの耳はどうなんだろうな?」グッ

オーク「や…やめ…」

女将「いけません勇者様!!」ガシッ

勇者「チッ…邪魔すんなよ」

女将「オークさん、早く宝石を置いて逃げて下さい!!」

女将「この人は本気です!!」

オーク「こ…ここに置いときます」ダダダッ

勇者「クソが…」

――商人の屋敷

勇者「ほら、拾えやブタが」ポイッ

女将「勇者様!!……商人さん、宝石を持ってきました」

商人「……確かに」

女将「では船を貸してもらえますね?」

商人「良いでしょう、すぐに手配させます」

――船

勇者「……」

女将「どうしたんですか勇者様?」

勇者「何か…面倒になってきた…」

女将「えっ?」

勇者「まさか違う国に行く事になるとはな…」

勇者「もらった金とじゃ割に合わねーよ」

女将「わ…私達は平和の為に…」

勇者「……」

――北の国

女将「到着しましたね」

勇者「ダルいなぁ…」

女将(いけない…凄くやる気を無くしてる…)

女将(いったいどうしたら良いの…)

女将「と…とりあえずこの国の王様に挨拶に行きましょう」

勇者「……」

――お城

女将「初めまして、こちらが南の国から参りました勇者様です」

勇者「……」

女将「勇者様!!」

勇者「…俺が勇者だ」

北の王「勇者よよくぞ来た」

北の王「魔王を倒す旅をしてるそうじゃな」

女将「はい、平和の為に戦っております」

北の王「実は最近我が国にも魔物が現れてな」

北の王「その中でも四天王を名乗る魔物が暴れ回っておってな…是非とも退治してもらいたい」

女将「お任せくださ…」

勇者「あぁん?」

女将「勇者様!?」

勇者「王ってのはどこ行ってもクソみてーな奴ばっかだな!!」

北の王「んだテメー…俺に文句あんのか?」

女将(あぁ…始まっちゃった…)

勇者「自分の国なら自分で何とかしろや」

北の王「お前勇者じゃねーの?」

勇者「おぅ、俺が勇者様だぜ?」

北の王「だったら仕事しろや」

勇者「あ?」

北の王「勇者ってのは平和の為に戦うのが仕事だろ?」

北の王「その女も言ってたじゃん」

勇者「そいつが勝手に言ってんだよ」

北の王「じゃあお前は何の為に旅してんの?」

勇者「金の為に決まってんだろハゲ」

北の王「ハゲじゃねーよ!!」

北の王「よく見ろよフッサフサじゃねーか!!」

勇者「それアレだろ?冠にくっついてんだろ?」

北の王「ブッ殺すぞ!!」

勇者「やってみろや!!」

女将(仕方ない…こうなったら…)

女将「勇者様、ちょっとこっちへ」グイグイ

勇者「離せやコラァ!!」

女将「落ち着いて下さい…褒美をもらいましょう」

勇者「あ?」

女将「凄く困ってるみたいだし、何でもくれるかもしれませんよ?」

勇者「……」

女将「大金がもらえるかも…」

勇者「チッ…しょうがねーな」

女将(…後で返しておけば良いわね)

勇者「おいハゲ」

北の王「あぁ?」

勇者「倒してやるから褒美を寄越せ」

北の王「…何が良いんだ?」

勇者「後で決める」

北の王「…魔物は西の山にいる」

勇者「分かった…じゃあなハゲ」

北の王「ハゲじゃねーつってんだろ!!」

今日は終わり


何だかんだでうまくやってるな


こんな国王で大丈夫か?

なぜ勇者も各国の王もそろってヤンキーなのかww

――西の山

勇者「何にしようかなぁ…」

勇者「やっぱり金かな?」

勇者「…酒や食い物も良いな」

勇者「何にしようかなぁ…」

女将(この子…単純だなぁ…)

女将(まぁやる気になったから良いか…)

勇者「おっ、いたぞ」

女将「こないだのオークより大きいですね…」

勇者「お前はここで隠れてろ」

女将「私達も戦います」

勇者「何だと?」

女将「ちゃんと装備もあります」

女将「ポチ、タマおいで」

女将「……」ガチャガチャ

女将「…2人ともカッコいいわよ」

ポチ「ワン///」

タマ「ニャー///」

勇者「……」

女将「私も……よし、準備できました」

勇者「…危ないから隠れてろ」

女将「はい…」

ポチ「ワン…」

タマ「ニャー…」

――

勇者「お前が四天王とか言うヤツか?」

四天王1「ん?何だお前は?」

勇者「お前が四天王か?」

四天王1「そうだ」

勇者「…アレ?…他の3人は?」

四天王1「あぁ?」

勇者「四天王何だから4人なんだろ?」

勇者「残りは?」

四天王1「ここにはいない」

勇者「えっ?…お前1人?」

四天王1「だからなんだよ」

勇者「1人って…お前いじめられてんの?」

四天王1「はぁ?」

勇者「他の3人にいじめられてるから1人なんだろ?」

四天王1「ちげーよ」

勇者「ムリすんなよ、お前泣きそうじゃん」

四天王1「泣いてねーよ、殺すぞコラァ!!」

勇者「な…泣いてねーよ…殺すぞコラァ…」

勇者「…だってよ、やっぱりお前いじめられっ子だろ?」

四天王1「お前…マジで殺す!!」ブンッ

勇者「おっ、結構速いな」ヒョイ

四天王1「……」ブンッ ブンッ

勇者「よっ…ほっ…」ヒョイ ヒョイ

女将「わ…私も戦わなきゃ…」タタッ

四天王1「!?」

勇者「バカ!!出てくるな!!」

四天王1「お前もかぁ!!」ドカッ

女将「アッ!!…う…うぅっ…」ドサッ

四天王1「…何だ?やけに弱いな…」

勇者「……」

勇者「…よくも俺の家来を…」

四天王1「次はお前…」

勇者「…殺すぞ…お前…」ドスッ

四天王1「ぐっ…ぐぇぇ…」

勇者「……」バキッ バキッ

四天王1「あっ…がっ…やめ…あっ…」

勇者「……」ドカッ ドカッ

四天王1「…もう…やめ…ぐっ…」

女将「うぅ…勇者…様…ダメ…です…」

勇者「……」

勇者「……チッ」

――

四天王1「……」グタッ

勇者「おい起きろ」

四天王1「……」

勇者「……」ボキッ

四天王1「ギャアァァァァァ!!」

勇者「目が覚めたか?」

四天王1「…うぅ…」

勇者「魔王はどこだ?」

四天王1「…知らない」

勇者「知らない?」ボキッ

四天王1「ウアァァァァァ!!」

勇者「悲鳴はあげなくて良い…答えろ」

四天王1「うぅ…本当に知らないんだ…」

勇者「四天王なんだろ?」

四天王1「……」

勇者「答えないなら死ね」グッ

女将「ダ…ダメです…殺しちゃ…ダメです…」

勇者「チッ…」

勇者「おい四天王」

四天王1「はい…」

勇者「その女と犬と猫を城まで運べ」

四天王1「私が…ですか?」

勇者「運ぶか死ぬか…好きな方を選べ」

――お城

北の王「……」

四天王1「……」

勇者「倒して連れて来たぞ」

北の王「お前マジか?」

勇者「あ?」

北の王「誰が生け捕れって言った?」

勇者「問題あんのか?」

北の王「今暴れたらどうすんの?」

勇者「ソイツにそんな気力ねーよ」

北の王「……褒美は何にすんだ?」

勇者「…褒美は――」

――数日後

勇者「もう大丈夫か?」

女将「はい…」

勇者「まだどっか痛いのか?」

女将「…お役に…立てませんでした…」

勇者「気にするな」

女将「えっ?」

勇者「お前が弱いのは分かりきってた事だ」

女将「……」

勇者「城に行くぞ」

――お城

勇者「来たぞハゲ」

北の王「ハゲじゃねーよ!!」

勇者「分かったから褒美を寄越せ」

北の王「…持ってこい」

兵士「はい」ゴロゴロ

女将「…剣と鎧?」

勇者「お前のだ」

女将「ええっ!?」

勇者「お前は弱いからせめて良い装備をしろ、貸しがあるんだから死なれたら困る」

女将「しかし…」

北の王「そこのクソ勇者に頼まれ貴女の為に作らせたものです、受け取って下さい」

女将(勇者様…私の為に…///)

勇者「おいハゲ、四天王は何か情報出したか?」

北の王「お前ホント殺すぞ?」

勇者「何か喋ったのか?」

北の王「…西の国に四天王の拠点があるらしい」

北の王「そこなら何か分かるんじゃねーの?」

勇者「……ざっけんなよ!!」

勇者「また違う国に行くのかよ!!」

北の王「うるせーな…早く出ていけよ」

――

勇者「まだつかねーのか?」

女将「歩きだと4日はかかります」

勇者「マジかよ…」

女将「勇者様、村が見えました」

勇者「…わりと大きいな」

女将「今日はあの村で休みましょう」

勇者「ついでに情報集めてこい」

女将「はい!!」

――村の宿

女将「魔王の情報はありませんでした」

勇者「…そんだけ?」

女将「はい」

勇者「…村人が困ったりしてねーの?」

女将「この辺には魔物はいないみたいです」

女将「もしかして四天王の縄張りなんですかね」

勇者「何でも良いよ」

女将「あの…ちょっとお願いがあるんですが…」

勇者「言ってみろ」

女将「…私達に戦い方を教えて下さい!」

勇者「あ?」

女将「勇者様の助けにはなれなくても…」

女将「せめて自分の身は自分で守れるようになりたいんです」

勇者「…今のところお前への貸しは2ヶ月飲み放題に毎回つまみ1000G以内サービスだ」

勇者「これ以上増やすのか?」

女将「3ヶ月…飲み放題と食べ放題で…」

勇者「おいおい…大丈夫かよ」

女将「…お願いします」

勇者「良いだろう、明日から始めるぞ」

今日は終わり、たぶん明日が最後

乙乙

おっつー
期待


さてどうなる

お、もう終わりか
楽しみ乙

この世界の貴族共はなんでどいつもこいつもガラ悪いのかw
だけどこういう掛け合い嫌いじゃない

――

女将「勇者様、西の国が見えてきました」

勇者「やっとか…」

女将「…今度は王様とケンカしないで下さいね」

勇者「バカかお前?そんなの向こうの出方しだいだ」

女将「……」

――お城

女将「初めましてこちらが南の国から参りました勇者様です」

勇者「俺が勇者だ」

西の王「ようこそ西の国へ」

勇者「魔王の情報を教えろブタ野郎」

女将「ちょっ…」

西の王「おぅ…それが人に物を聞く態度か?」

勇者「さっさと教えろブタ野郎」

西の王「…噂通りだな」

勇者「あ?」

西の王「チンピラみてーな勇者が旅してるって話だよ」

勇者「お前も良いセンいってるぜ?」

西の王「あ?」グイッ

勇者「ヤるか?」グイッ

女将「ちょっと待って下さい!!」ガシッ

女将「…王様、私達はこの国に四天王の拠点があると聞いてやってきたんです…」

女将「どこにあるかご存知無いですか?」

西の王「…この城からずっと西に砦がある…そこだ」

勇者「また歩くのかよ!!…もうめんどくせぇから逆にそいつらを連れてこいよ」

西の王「アホかお前、さっさと行ってこいや」

――

勇者「……」

女将(どうしよう…勇者様がずっと機嫌悪いんだけど…)

女将「あの…」

勇者「あぁ?」

女将「…すいません」

女将(この子はホントに子供なんだなぁ…)

――砦近くの街

女将「勇者様、今日はここで休みましょう」

勇者「…警備が厳重だな」

女将「四天王の近くですからね」

勇者「まぁ良いや、早く宿に行くぞ」

女将「はい」

――宿屋

女将「勇者様」

勇者「ん?」

女将「たくさん歩いて疲れたでしょう?」

女将「足を揉んであげます」

勇者「ん」

女将「……」モミモミ

勇者「……」

女将「…勇者様…」

勇者「……」

女将「…勇者様?」

勇者「……」スヤスヤ

女将(…口を開かなければ可愛いのに///)

――砦

勇者「…ウジャウジャいるな」

女将「なるほど、だから辺りに魔物がいなかったんですね」

勇者「ここに集まってるワケか…めんどくせぇな」

女将「…私達…大丈夫ですかね?」

勇者「心配するな、その辺の雑魚には負けないくらいには鍛えてある」

女将「……」

ポチ「……」

タマ「……」

勇者「大丈夫だ自信を持て」

――最上階

女将「や…やっとですね…」

ポチ「ワン…」

タマ「ニャー…」

勇者「なんだよ、だらしねーな」

勇者「お前らは雑魚2匹しか相手してないだろ?」

勇者「他は全部俺が倒したじゃねーか」

女将「……」

勇者「…まぁ……少しは…役に立ってるよ」

女将「///」

ポチ「///」

タマ「///」

勇者「…行くぞ」

――

勇者「…やけに広いな」

女将「最上階と言うか屋上みたいですね」

?「…よくぞここまで来たな」

勇者「あ?」

四天王1「お前が勇者だな?」

四天王2「我らは四天王」

四天王3「ここが貴様の墓場となるのだ」

四天王4「覚悟しろ!!」

勇者「…何で4人いるんだ?」

四天王1「あ?四天王だから4人に決まってんだろ?」

勇者「そう、お前だよ」

勇者「四天王1は前に倒しただろ?…お前は誰だ?」

四天王1「は?何言ってんだ?」

勇者「四天王1はもう北の国で倒したんだよ」

四天王1「お前とは今初めて会ったんだけど?」

勇者「んな事は分かってんだよ」

女将「……!」

女将「勇者様…ちょっと」グイッ

勇者「あん?」

女将「…嘘…だったんじゃないですか?」

勇者「何が?」

女将「北の国の四天王1さんです」

勇者「あ?」

女将「実は四天王の部下とかで、勝手に名乗ってたんじゃ…」

勇者「だから…1人だったのか?」

女将「こっちの四天王さんの方が強そうだし…」

勇者「……」

女将「……」

四天王1「おい」

勇者「あ?」

四天王2「お前ら敵を前にして何お喋りしてんの?」

勇者「うるせーな、今から殺してやるよ」

四天王3「死ぬのはお前らだよ」

勇者「あぁ?」

四天王4「ズタズタにしてやんよ」

勇者「……」

――

四天王1「……」グタッ

四天王2「……」グタッ

四天王3「……」グタッ

四天王4「……」グタッ

勇者「チッ…四天王もこんなもんか」

勇者「起きろ」ドカッ

四天王1「うっ…もう…勘弁して下さい」

勇者「魔王はどこだ?」

四天王1「う…上にいます」

勇者「上にいる?」

四天王1「はい…」

勇者「ここが一番上だろうが」ドカッ

四天王1「うっ…」

勇者「…首をへし折られてーのか?」グッ

四天王「ぐっ…空に…いるんです…」

勇者「あぁ?」

勇者「……」

女将「魔王の城が空に浮かんでるとは思いませんでしたね…」

勇者「…この鳥に乗っていけって?」

女将「はい」

勇者「もうヤダ…帰る」

女将「えっ?」

勇者「あちこち歩かされた上に今度は空を飛べだと?」

勇者「もうダルいんだよ!!めんどくせぇんだよ!!」

勇者「もう家に帰る」

女将「そんな…あと少しなんですよ?」

勇者「…金」

女将「…はい?」

勇者「…金をくれたら行く」

女将「……1年間私の店で全てを無料にします…」

勇者「…足りない」

女将「……私をつけます」

勇者「あ?」

女将「私を…その…差し上げます……///」

勇者「…お前みたいな年増じゃなぁ…」

勇者「それに最初から家来だし…」

女将「……」

勇者「……まぁ良いか」

女将「…へっ?」

勇者「お前ら一生俺の家来やれよ?」

女将「はい!!」

ポチ「ワン!!」

タマ「ニャー!!」

勇者「んじゃ行くか…」

――

勇者「アレだな?」

女将「鳥さん着地して下さい」

勇者「待て」

女将「どうしました?」

勇者「……」

女将「勇者様?」

勇者「鳥…城に突っ込め」

鳥「ピー!?」

女将「何を言ってるんですか!?」

勇者「城を攻略するのがダルい」

勇者「このまま魔王の所に突っ込む」

鳥「ピーッピー!!」

勇者「ピーピーうるせぇ!!」

勇者「…その足りない頭でよく考えろよ?」

勇者「一瞬だけ痛い思いをするのと殺されるのはどっちがマシだ?」

鳥「……」

勇者「行け」

――

ドカ-ン

魔王「!?」

魔王「何だぁ…何か突っ込んで来たぞ!?」

鳥「……」グタッ

魔王「コレは…魔物の移動に使ってる鳥じゃねーか」

女将「イタタタ…」

勇者「受け身ぐらい取れよバカ」

女将「ポチとタマを守るので精一杯だったんです」

魔王「何だお前ら?」

勇者「お前が魔王か?」

魔王「あ?」

勇者「質問に答えろバカ野郎」

魔王「誰がバカ野郎だコラァ!!」

勇者「お前だバカ野郎」

魔王「その前にお前は誰なんだよ」

勇者「俺は勇者だ」

魔王「勇者?…あのチンピラ勇者の事か?」

勇者「おい、誰がチンピラだって?」

魔王「お前だよ」

魔王「お前有名だぜ?史上最悪の勇者だってよ」

勇者「で?」

魔王「えっ?」

勇者「史上最悪だからどうした?」

魔王「いや…その…」

勇者「おいおい、もう詰まっちゃうのかよ」

勇者「顔だけじゃなくて頭も悪いな」

魔王「この野郎…ブッ殺してやる!!」

勇者「……」

――

魔王「……」グタッ

勇者「よし、帰るぞ」

女将「…あの…」

勇者「なんだ?」

女将「鳥さんが気絶してるんです…」

勇者「だから?」

女将「どうやって下に降りるんですか?」

勇者「……」

――南の国

魔王「……」

王「んで?」

勇者「あ?」

王「何で魔王がいるの?」

勇者「鳥が気絶してたから」

王「お前何言ってんだ?」

勇者「魔王に乗って帰って来た」

王「お前何言ってんだ?」

勇者「うるせーな、とにかく魔王は倒したからな」

勇者「お前ら帰るぞ」

女将「はい」

ポチ「ワン」

タマ「ニャー」

王「おいおい」

勇者「あん?」

王「このままって事は無いだろ?」

勇者「何がだよ」

王「魔王だよ、倒して連れてきて…それから?」

勇者「何が言いてーんだ?」

王「お前は本当にダメだな」

勇者「あ?」

王「ちゃんと始末つけろよ」

勇者「お前がやれよ」

王「あ?」

勇者「あ?」

魔王「あの…」

勇者「なんだよ」

魔王「もう暴れたりしないんで帰って良いッスか?」

王「良いワケねーだろ」

女将「王様、もしまた悪さをするなら私達が倒しに行きます…許してあげて下さい」

勇者「おい」

王「……ちゃんと責任とれよ?」

女将「はい」

王「じゃあ…何かもう…どうでも良いや…」

女将「それじゃ帰りましょう勇者様」

勇者「………あっ!」

女将「どうしたんですか?」

勇者「思い出した…魔王の次はテメーだつったよな?」

王「…そうだったな」

女将(せっかく終わったと思ったのに…)

勇者「安心しろ…お前の代わりにちゃんと国は治めてやる」

王「お前に任せるなら豚にやらせた方がマシだよ」

女将(結局最後までこうなのね…)

勇者「あ?」

王「あ?」

女将(…まぁ…少しずつこの子を教育していきましょう…)

勇者「言い残す事はあるか?」グイッ

王「良いから来いや」グイッ

女将(一生…傍にいるんだしね…///)

勇者「上等だこの野郎!!」

王「ブッ殺してやるよ!!」

女将「…私達が頑張らなくちゃね」

ポチ「ワン」

タマ「ニャー」

終わり

乙です
面白かった!

面白かった

良かった!


楽しかったよー

なんかこの王様なら勇者とタメ張れそう

だったらお前が戦えよって話になるがw

おつ!
おもしろかった!

最後までチンピラまみれだったwwwwww
勇者がちょっとデレたおかげで女将ポチタマがかわいい
乙でした

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