騎士「今日から、貴女は王様です」少女「お断りします」(5)

騎士「ふむ……それは困りました」

少女「あたしは、立派な騎士になるのが夢なのです。王になっては無意味です」

騎士「どうしても、駄目なのですか?」

少女「駄目です。帰って下さい」

騎士「ですが、聖剣が貴方を選んだのです。聖剣に刃向かえば、その内酷い目に合うかもしれません」

少女「王になるよりマシです。私に王は務まりません。どうぞ、お帰り頂くよう」

騎士「聖剣は、間違えません。必ずや、貴方は国の鍵になる。どうか、御一緒に城まで」

少女「無理」

騎士「来てください」


パカラッパカラッ

パカラッパカラッ

少女「何をどう間違えれば、聖剣はあたしを選ぶ羽目になったのか。いやぁ、謎だなぁ」

騎士「聖剣は間違えません。聖剣はすべてに置いて正しいのです。間違えているとしたら、貴女様です」

騎士「王になって下さい。聖剣に選ばれし、我が国の鍵」

少女「えー…」

騎士「何が不満ですか?騎士になれないからですか?」

少女「それ以外に思い付く理由がないと思うんだけど」

騎士「なら、貴女は今日から騎士王です」

少女「ネーミングセンス無さ過ぎでしょ」

騎士「王騎士…?」

少女「ああ、うん。無理」

ヒヒーン!!

騎士「城に着きました。騎士王様」

少女「君に強引に連れて来られたけど、ここで何するの?ってか、その騎士王って何」

騎士「質問は一つに絞り込んでからだと助かります、騎士王様」

少女「……騎士王って何なの」

騎士「貴女様が王より騎士になりたいと仰ったので、王と騎士の役目を与えた名前です。たった今、僕が考えました」

少女「えっ!それって騎士にもなれるって事!?」

騎士「こうでもしないと貴女様は、王になってくれないかと思いまして」

少女「騎士王……」

少女「ダサいけどいっか」

騎士「……」

騎士「…こほん」

騎士「まぁ、いいでしょう。所で、貴女様は王になってくれるのですか?」

少女「うん」

騎士「あぁ…単純過ぎて目眩が…」フラッ

少女「なんだとコラ」

騎士「どうして、前王は亡くなられてしまったのか。こんな小娘ごときが聖剣に選ばれて…我が国はお先真っ暗…」

少女「あたしが王になると確定した途端に本音だだ漏れなのだが、果たしてこの変わり様は何事か」

騎士「では、城に参りましょう。我が騎士王w」

少女「取り合えず、氏ね」

騎士「門番兵、私だ。私である。門を開けるが良い」

少女「これで誰か分かったら、超人並みだとあたしは思うのだけれど」

ギイイィィィ

騎士「よし!開いた!」

少女「セキリュティと言う言葉が現在迷子です」

騎士「さぁ、共にイきましょう。騎士王」スッ

少女「…」バッチーン

騎士「いってええぇぇぇぇぇ!!!!!!手があぁぁぁぁ!!!手があああぁぁぁぁ!!!」

少女「相手が王様だって分かってる?」

騎士「はい、すみません。調子に乗りました」

少女「次やったらセクハラ行為で訴える」

騎士「はい」

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