アナスタシア「魔人偶像高峯のあ」 (43)
前回の続き。
注意点
・シンデレラガールズのメンバーでネウロやってみた
・キャラ崩壊あり
・元ネタの都合上、アイドルが死んだり、犯人になったり、ぶっちゃけたりすることあり
・地の文が混ざることあり
捕捉
この中に出てくる『輝』『偶像』の読み方は特別な場合を除き、『かがやき』『アイドル』に固定されています。
特別な場合の例:星輝子
これまで
みく「魔人偶像高峯のあ」
みく「魔人偶像高峯のあ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1394295762/)
拓海「魔人偶像高峯のあ」
拓海「魔人偶像高峯のあ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1394712297/)
前回見なくても分かるように書きます。
今回は「旅」。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1395503955
みく「みんな! ありがとにゃー!」
ファン『みくにゃーん!!!』
のあ「雷光のように、…音より早く届けてあげるわ」
ファン『のあにゃーん!!! 美しーい! みくにゃんのファン辞めてのあにゃんのファンになります!』
みく「え、ひどくない? もー、絶対みくのファンに戻してやるのにゃ! じゃあラスト行くにゃ!」
私、前川みくは駆け出し中のアイドルだ。そして、それ以外にももう一つの顔を持っている…。
みく「ふにゃあ…疲れたにゃあ」
ちひろ「お疲れ様、みくちゃん、ライブ大成功おめでとう!」
みく「ちひろさん、ありがとうにゃ」
ちひろ「のあさんは?」
みく「何か偉い人とお話があるって先に帰らされたにゃ、何もなければ今日は体を休めろって」
ちひろ「そうなの、あ、みくちゃん。ライブ成功のお祝いになるけどコレ、使ってみない?」
みく「何々…? 錯真湯温泉郷、渋林旅館招待券!? コレってあの超一流旅館じゃにゃい!」
ちひろ「うん、ツテで手に入れたんだけど予定が合わなくって。余り物渡すみたいでごめんね、ペアチケットだからのあさんと『一緒に』行けばいいわ」
みく「…ウグッ、そ、そうだね」
ちひろ「?」
みく自室
みく「のあにゃんかあ…嫌な予感しかしないな。拓海ちゃん誘おうかなあ…」
のあ「…私を差し置いて小旅行、いい身分ね、みく」
みく「フニャアッ!?」
のあ「…悲しいわ、みく。私達の絆と貴女の猫キャラはそんなに脆かったのね…」シュッ
みく「 いきなり背後は止めて…にゃ! というよりここ、みくの部屋にゃ! あとベッドに靴で乗るな!」
私のもう一つの顔…、それは「探偵みくにゃん」。この美女、魔人、高峯のあが生のエネルギーである『輝』を食べるための隠れ蓑だ。
のあ「微弱だけど…このチケット『輝』の気配を感じるわ」
みく「まあ、予想はしてたにゃ…でもにゃあ、のあにゃんなんか連れていったらろくな事が…」ハッ
のあ「ダメかしら…?」
のあにゃんは指を口に当て、眉を下げた切なそうな顔で私を見ている。…そう、『今まで見たことがないほど』。
みく「(連れていかなきゃ…殺す気だ!!!)」
みく「………………分かったにゃあ」
のあ「ありがとう、みく。感謝を捧げるわ…」
翌日
みく「そういえばのあにゃん、事務所の方はどうするの? ちひろさんも今日は出かけてるらしいし。アイドルはいいとしてのあにゃんが無駄にスタイリッシュなHP作ったせいで最近探偵頼むお客さんも来てるんでしょ?」
のあ「とるに足らない塵芥のような依頼ばかりだけど…確かに留守番は必要ね。…こういうときのために、彼女をキープしているのよ」
みく「…御愁傷様だにゃあ」
拓海「おら、どけよ。…アァ? いつも世話してやってる恩を忘れたってのか? …そうかそうか、一度どっちが上かをキッチリ叩き込まなきゃいけねえみたいだなぁ…?」
みく「拓海ちゃん…野良猫相手に何やってるにゃ…?」
拓海「て、てめーら、この野郎ッ! てめーらこそなんだ朝っぱらからッ!」
のあ「…少し頼みたい事があるの、事務所に連行するわよ、みく」
拓海「あ、ま、待てコラ、今日はオフだろ!? アタシはツーリングの予定が…チクショー!」
拓海「…留守番だァ!? そんな下らねー用事で呼んだのかよ!」
のあ「ええ、私達が一泊二日の旅行をする間…貴女には探偵関係の顧客の応対と、電話番をお願いしたいの」
拓海「アタシのオフを潰したんだ…当然それ相応の報酬はあるんだろーなァ!?」
のあ「もちろんよ…その間の食料は支給するわ。6食分として…おにぎり6個ね」
おにぎりメーター:残り6
拓海「…ナメんのもたいがいにしろよ!」
のあ「…イヤかしら?」
拓海「当たり前だろ! 大体アンタはアタシを何だと…」ハッ
のあ「…イヤかしら?」
おそらく、拓海ちゃんがそこに感じた本能的恐怖は、私と同じだったのだろう。
拓海「(留守番しなきゃ…殺る気だ!)」
拓海「……………………畜生」
のあ「…ありがとう、本当にいい仲間を持ったわ。…それと、ドアの外にカメラを仕掛けておいたの、もし、留守番をサボっていたら…」グシャア
おにぎりメーター:残り5
のあ「…では、行きましょう。みく」
みく「ごめんにゃあ、拓海ちゃん。お土産買ってくるからにゃ」
拓海「…お前が被害者なのは分かってるから謝んな。まあ、あの化け物プロデューサーには逆らっても無意味だしな。…あと、こっそり懐に入れた和牛おにぎりおいてけやァ!」
おにぎりメーター:残り4
あの貫通女が持ってた人形ってアナスタシアって名前だったな
電車「」プァァァァーン
みく「はー、それにしてもチケットもったいないにゃあ」
のあ「? …どうして?」
みく「のあにゃんはどーせ旅なんて…『輝』にしか興味ないんでしょ? 温泉も食事も全く必要ないじゃん」
のあ「そんなことはないわ、私も旅は好きよ、魔界でもよく観光はしたものよ…」
みく「へえ…どーせロクな所じゃない気がするにゃ。例えば?」
のあ「腐屍山は魔界随一の景勝地、魔界一高い山で頂上には濃硫酸の雲が立ち込める星を観察するのに絶好の場所よ…魔界遺産認定されてからは自傷志願者があとを絶たず、私は遠退いたけど…」
みく「ホラ、やっぱりそんなのにゃ」
???「オーマイガッ! 私の手札弱すぎじゃないですカ!?」
???「勝負というのは時の運もありますから…今は向いていないのでしょうね」
???「フフフーン、ストレートフラッシュ!!! みんな、ちょっとポーカー向いてないんじゃないの? このままじゃアタシの一人勝ち確定だね♪」
???「じゃあ次は大富豪でもするカー?」
???「ダー、いいですね、でも、ルールが違うと聞いたことが…」
みく「…なんかアッチ盛り上がってるにゃあ」
のあ「…まだ見ぬ物と出会う期待、興奮。実際に出会わなければ分からないものなど星の数ほどあるわ。…それによる高鳴りは私、…魔人も、人間も、変わらないのね」
何だ、…人間なんて餌の収穫地としてしか見てないと思ってたけどちょっとは分かってるんだ。
???「ふふふ、…完璧だな。どこをどう見ても全く穴が無い。今すぐにでも始めたいくらいだな、私の偉大な研究成果を…!」
のあ「そしていずれその高鳴りはエネルギーを伴い、そのエネルギーは『輝』へと昇華する…。私の感じた『輝』の可能性が本物ならこの旅は私にとっても…至高の晩餐会と成りうるわ」
『輝』の可能性という言葉が気にかかる…。のあにゃんはこういうとき、…決して多くを語らない。
分かっているのは、この旅の途中で私達は事件に遭う可能性があって…旅の途中で出会った誰かが、凶暴な悪意を隠し持っているかもしれない、ということだ。
「終点…錯真湯温泉郷です…」
…まあ、今色々考えても仕方がないや。
みく「のあにゃん! とりあえず行くのにゃ!」
のあ「…あら、急に盛り上がってきたのね」
みく「当たり前にゃ! せっかく旅行に来たんだから、楽しまなきゃ損にゃ!」
書き溜め切れたので今日はここまで。
次回は未定、少し間が空くかもしれません。
始まるときは大体今と同じ時間帯に出現すると思います。
今回はアヤエイジアの話じゃなくて温泉のやつか
全員外国人か
こうきたか、どの国の国歌が流れるか予想できない
私達が今日来た錯真湯(さくまゆ)温泉郷はウリが多い。豊富な湯量に落ち着いた街並み、変化に富んだ周囲の自然や突飛ともいえる名物の数々、アクセスも容易で、さらに恋愛成就の効果もあるとか。
日常からちょっと離れたいプチ旅行には…おあつらえ向きなのだ。
みく「(一緒なのがのあにゃんってのが引っ掛かるんだけどにゃ)」
みく「見て見て、のあにゃん! 錯真湯名物牛タン串! こういうのが程よくあるのがここの見所でね」
のあ「ええ、色物も多いわね(E:魚の膓重ね蒸し)」
みく「それはホンマあかんって…それを買ってるのあにゃんの方が色物扱いされてたにゃ」
のあ「…食べなさい、みく」グイグイ
みく「あかんって言うたやん…! あ、止めて、ホンマあかんって、いや、あ、あああああ!!!」
みく「…」グッタリ
のあ「…大丈夫?」
みく「…どの口が言うにゃ。あー、口直ししたいにゃあ、…そういえばこの近くに飲み湯があるはずなんだけどにゃ」
???「うぅ、このお湯不味いヨー!」
???「クラリスはドウ? 肌がツヤツヤになっちゃうッテ」
???「…少し、口には合いませんね、お肌のツヤを手にいれるためとはいえ、ちょっと…」
みく「あ、あれって電車で一緒になった人達だにゃ」
???「ンー、あ、あなたも、飲んで、みますか?」
みく「え、あ、いただくにゃ」
???「ちょっと覚悟した方がいいかもよ♪ 本当にまっずいから!」
みく「…」ゴクリ
のあ「(桶持たせる)」
みく「…!?」ムリムリ
のあ「…行きましょう、みく、新たな地平線へ」
???「…桶で浴びるように飲んでますケド」
???「そんなに美味しいカナ?」
???「そ、それじゃあ、アタシたち行くけど」
???「良い週末でありますように」
のあ「ええ、そちらもね」
みく「ふにゃあ…」グッタリ
のあ「旅先で魂を通わせる…いいことだと思わないかしら、みく」
みく「何かのあにゃん、今日テンション高くないかにゃ?」
のあ「…貴女を楽しませようとしていたのだけど」
みく「…色々と言いたいことはあるけど、何でそんなことしようと思ったのにゃ?」
のあ「もちろん、貴女に借りを作るためよ。…ここで楽しませておけば、後々不可能を可能に、有を無にできる。…そうね、謎解きの間、ひたすら秋刀魚を食べるなんてどう? 珍奇なものは人を呼び寄せるわ」
みく「…」
のあ「次は何処へ行きたいの? 満足するまで付き合ってあげる…」ニコッ
みく「白々しいにゃ! そんな話聞いたら楽しむものも楽しめないにゃ! もう日も暮れるしチェックインしちゃお」
錯真湯温泉郷、渋林旅館
みく「うわー! 広いにゃ! 自腹じゃこんな良いところ泊まれないにゃ! さて、まずは温泉につかってゆっくりしたいところにゃッ…がッ!」
のあ「騒々しいわ」
みく「もうすぐ夕食のバイキングが始まるのにゃ、これを最大の楽しみで来たんだから。モタモタしてはいられないにゃ!」
???「いいお湯でした、大満足です」
???「浴衣も板についてきたネ! 私も練習しなくちゃデス」
???「無理せずゆっくりと覚えていけばいいですよ」
???「あ、何かゴメンね、フェイフェイちゃん、アタシたちばっかり楽しんじゃってさ」
???「構わないヨ! みんな楽しければふぇいふぇいも楽しいデス!」
???「そうですね、せっかくの旅行、楽しまなければ。ここのディナーは有名なんですよ」
???「そうそう! 川魚をメインとしたフルコースのバイキング! 考えるだけでヨダレが出るよね!」
???「イイネ! 私、あんまりお刺身とか食べたことないですカラ…あ、あれっテ」
???「あ、昼間の…」
みく「ふにゃあああああ…(床に突っ伏している)」
???「ど、どうしたんでしょうか」
みく「ごめんなさいにゃ…まさか、お魚だけとは思わなくって」
???「あ、でもミャーサ、お肉もありますよ」
???「ハーイ、ウインナー、ウインナー、一つ跳ばしてソーセージ!」
みく「ありがとうにゃあ…」
???「そういえば、そのしゃべり方…何処かで聞いたような」
???「ア、分かった! アイドルの前川みくじゃないデスカ? 猫みたいなのに魚嫌いだって言ってましたシ」
みく「…返す言葉もないにゃあ」
みく「へえ、みんなはサークル仲間なのかにゃ」
???「ええ、申し遅れましたね、私はクラリスといいます。サークルといっても、外国籍を持つ人間どうし集まって、日本を旅するって程度ですけど」
???「ケイトっていいマス。イギリスからの留学生です、ヨロシク、みくサン」
???「アタシは宮本フレデリカ、ママがフランス人って関係で一応このサークルに入ってるけど、実はフランス語も喋れないし、国籍も日本なんだよね!」
???「私はふぇいふぇいダヨー! 香港から来て、得意なことは料理ダヨー!」
???「私はアーニャ、ロシアと日本のハーフです。…ええと、アーニャはニックネームです。本当は、アナスタシア。サークルに入って、少ししかたってません。よろしく、です」
みく「とっても国際色豊かだにゃ」
クラリス「ええ、私達の目的の一つは異文化交流ですから。普段は日本人のメンバーもいるのですけど」
フレデリカ「て言っても、実質は旅行サークルみたいなものなんだけどね、アタシとしては、みんなをダシに安い値段で旅行できて大満足だけど♪」
異文化交流、か。私の小旅行もそうだけど、この人達はそうやって違う世界や人間を見る楽しさを…私より知ってるんだろうな。
みく「(そういやのあにゃんはどこ行った…)」
???「横で聞いていたが…君はアイドルなのか」
みく「フニャッ! そうだけど誰にゃ?」
???「…申し遅れたな、私は池袋晶葉。とある大学で脳科学の教授を勤めている」
みく「…?」
晶葉「そこの君、アイドルとはどういうものだと思うね?」
アーニャ「…ブレスク、輝きを産み出す、星空のような人、でしょうか」
晶葉「…なるほどな、私もだいたいは同意見だ。人の脳に影響を及ぼす力、君に合わせて輝きと言っておこうか、それが脳の構造を本質的に掴む力なのかもしれないな。…まあ、研究対象としては興味深いが、既に私の研究はその上を行っている。君達には想像もつかないだろうレベルでね、…すまない、食事の邪魔をしたようだ」
フレデリカ「…何、あの子。言ってること全然分からなかったんだけど」
みく「…」
菲菲「…ごめん、ちょっとふぇいふぇい調子悪くなっちゃたっヨー、先に部屋で休んでるネ」
クラリス「あ、ええ、送りますよ」
ケイト「みくサン、もう少しお話したいんですケド、いいデスカ? アイドルの話なんて滅多に聞けませんカラ」
みく「う、うん」
何だろう、調子悪いだけじゃなさそうだけど。…それにしても、さっきのあの人、まるでのあにゃんみたいなことを…。
書き溜め切れたので今日はここまで。
次回は未定。また日が空いてしまうかも。
のあさんの誕生日に間に合わなかったのは残念。
まあ春川は彼女だろうなとは思ってた
電人AKIが生まれるんです?
のあさんと時子様に清き1票を
アーニャ「ところで、みくはどうして、猫のモノマネをしているのですか…?」
みく「どうしてと言われてもにゃあ…、やっぱり好きだからかにゃ。それにね、アイドルっていうのは誰かに輝きを与えるお仕事だと思うんだ、だから、自分の好きなことで誰かにそうできたら、って。…なーんて、ちょっと恥ずかしいにゃ」
フレデリカ「みくちゃん、途中ちょっと語尾忘れてたでしょー!」
みく「黙っていれば気づかないことを、なぜ言っちゃうのにゃ!」
ケイト「でも、すごく素敵デスネ、その考え方」
アーニャ「ダー、私も、そう思います。とっても可愛いですよ、みく」
みく「にゃー…、照れちゃうにゃ。そういうアーニャちゃんも可愛いよ、ほんと、アイドルになれるくらい」
クラリス「そうですね、初めて会ったとき思わず見とれてしまいましたもの」
フレデリカ「クラリスさんお帰り! フェイフェイちゃんは?」
クラリス「ちょっと弱っていますね、ゆっくり休むよう言っておきました。あとでお見舞いに行きましょう」
みく「大丈夫なのかにゃ?」
クラリス「…ええ、少し湯当たりしたのではないかと、ところでみくさん、私にもお話、聞かせてくれますか?」
……………………
みく「…そんな感じで、ずっとつかまってたんだにゃあ。気がついたら温泉も閉まってて」
のあ「そう」
みく「仕方ないから温泉は明日の朝イチで入るとして…のあにゃんはそこで何やってるのにゃ?」
のあにゃんは天井に張り付いている。
のあ「…私も眠るのだけど」
みく「え…のあにゃん化け物なのに寝る必要あるのかにゃ?」
のあ「…失礼ね、睡眠が不要な生物などいないわ」
みく「…そういえばのあにゃんはどこ行ってたのにゃ? …私におしゃべり押し付けて」
のあ「山の上に、身を灼く原泉があったから…ゆっくり浸かりながら、星空を楽しんできたわ」
みく「(何気に満喫していやがるにゃ!)」
のあ「ああいった場所は瘴気が多いの…だからいい休息地になる…」
みく「その瘴気ってなんなのにゃ?」
のあ「例えるなら…貴女達の、酸素のようなもの。…魔界では眠りを…ほとんど必要としなかった私も、瘴気の薄い此処では…眠りに墜ちやすい…今では、貴女達と変わらない…」トロン
そう言うとのあにゃんは目を閉じた。…酸素と同じ、それってのあにゃんは酸素よりも、食欲をとって地上に来た、ってことになるのか。
みく「…それにしても」
のあにゃんの寝顔なんて…そういえば初めて見たな。相変わらずため息が出るほど美人だ。
ある意味これも、旅行に来なかったら見れなかったのかもな…。
のあ「…そういえば、…原泉に誤って、養殖用魔界マグロを放流してしまったわ…今頃、どこかの温泉に…」
みく「もうこの街の温泉入れないにゃ!!!」
のあ『…ああ、素晴らしい! 決して味わい尽くせない『輝』のフルコース! これが星の真砂の中に眠っていた究極の『輝』…!!!』
みく『よかったにゃ! のあにゃん! さあ、お腹一杯食べるといいにゃ!』
のあ『邪魔よ』ドグシャッ
みく『ギニャァー!』
のあ「ああ、…いただきます」ムニャ
垂れた涎が一滴、一滴と落下し、それは布団を溶かしている。
涎「(みくの頭上)」タラーッ
みく「(落ちる直前に目が開く)…?」ブシュゥ
みく「起きるにゃ、のあにゃん」
のあ「…? 何か今ひどく惜しかった気がするわ」
みく「ワケのわかんないこと言ってないで、何か聞こえないかにゃ? ドアを叩く音みたいな」
アーニャ「フェイフェイ、大丈夫ですか、答えてください、フェイフェイ!」ドンドン
フレデリカ「落ち着いて、アーニャちゃん。今、鍵を取りに行って貰ってるから!」
みく「もしかしたら非常事態かもしれないにゃ。…これってのあにゃんの感じてた」
のあ「そう…可能性がカタチ、『輝』となって現れた。寝る前までは存在していなかった…『輝』の気配」ジュルリ
アーニャ「フェイフェイ、フェイフェイ…」
みく「どうしたのにゃ?」
フレデリカ「うん、フェイフェイちゃんなんだけど鍵かけたまま、呼んでも出てこなくって。…少し心配だからね」
ケイト「鍵、貰って来ましたヨ!」
クラリス「大丈夫ですか、フェイフェイさん、開けますよ?」ガチャ
全員「!!!」
菲菲「カッ…、ア…ガァ…」
アーニャ「フェイフェイ!」
ケイト「オー、マイ! 大丈夫ですカ!? フェイフェイ!」
クラリス「落ち着いて! フェイフェイさん、お水です!」
菲菲「ガ、ア、アァ…」ゴブッ
フレデリカ「血を…」
クラリス「ケイトさん! フロントに行って救急車を! フェイフェイさん、しっかり! 逝ってはダメです!」
菲菲「…」ガクリ
アーニャ「…いや、イヤァァァァッ!!!」
フレデリカ「フェイフェイちゃんは?」
クラリス「…ダメのようです、呼吸も心拍も止まっているらしく。宿の人が一応、警察も呼んだと」
ケイト「…コレって自殺、なんでショウカ?」
クラリス「おそらくは、…でも、こんな死に方を選ばなくとも…。ああ、神様」
みく「…自殺? フェイフェイちゃんは何か自殺する理由があったのかにゃ?」
クラリス「…ええ、彼女は最近重度のホームシックにかかっていたみたいで」
みく「…原因は?」
フレデリカ「何でかは分からないけど、やること全部が上手くいかないんだよね。うん、ちょっと人為的なモノ感じるくらいにね」
みく「…」
ケイト「ア、ちょっと、その部屋入っていいんデスカ? 警察が来るまで置いておいた方ガ」
のあ「…墓荒しの趣味はないわ。なによりみくにゃんが見てこなければ殺す、と脅すの」ガチャ
ケイト「へ、ヘエ、意外とヒドいんですネ、彼女」
アーニャ「人為的であっても、そうじゃなくても、それが重なってしまって…彼女は、だいぶ弱っていたようです」
クラリス「せめて静かな場所でゆっくりしようと、この旅行を計画したのですが…もうすでに彼女の精神は限界だったのかもしれません」
フレデリカ「個室でも調子悪そうだったしね…ルームサービスとかも色々頼んでみたんだけど」
クラリス「逆に個室、というのが仇になったのかもしれませんね…」
晶葉「ふむ、彼女はそんな精神状態だったのか…、自殺…まあ仕方がないだろうな。彼女は死(ゼロ)に負けたんだろう」
フレデリカ「…食堂の」
アーニャ「…イズヴィニーチェ、少し言い方が、悪いと思います」
晶葉「…自然淘汰、というやつだ。生命力は何も体力だけではない。精神の弱い者も、生存競争の中では打ち勝てないということだな」
この人…!
クラリス「止めてください、まるでフェイフェイさんが死んだことを当然のように…!」
アーニャ「そうです…! あのとき、あなたがあんな言葉を使わなければ、フェイフェイはもしかしたら…!」
晶葉「私の探求心のせいで彼女が境界を飛び越えたのなら…謝るよ」ククク
アーニャ「この…!」
フレデリカ「落ち着いて! アーニャ、こいつに当たったって、何にも始まらないよ!」
アーニャ「…!」グッ
晶葉「さて、私も見学させてもらおうか。研究を煮詰めるため訪れたが、こんな余興に出会えるとはな」
みく「…」
あ
みく「のあにゃん、どうにゃ、現場は!」
のあ「…一通り調べ終えたわ。速効性の高い毒物ね。…飲むかしら?」
みく「いらないにゃ! …ところでのあにゃん、言ってた『輝』の可能性がこれなら、つまり…」
のあ「…彼女はただの自殺ではないわ。自殺に見せかけた殺人よ」
みく「…」
のあ「他にも話を聞く相手がいるの。…適当に場を繋いでおいてくれるかしら」
フレデリカ「…まさかとは思うけど、アイツが犯人じゃないよね。怪しい話し方だし、そもそもフェイフェイちゃんがそんな薬品持ってるのが不自然じゃない?」
クラリス「…無闇に人を疑ってはいけません。そもそも、フェイフェイさんが自殺でなければ、なぜ毒を飲ませたのですか? 殺人であれば、わざわざ私達が来るというリスクのある殺し方をする必要はないのですから」
ケイト「部屋に入ったときはすでに毒を飲んでいましたしネ…」
フレデリカ「そうだよね…」
みく「…!」
アーニャ「フェイフェイ…」
みく「アーニャちゃん…」
アーニャ「みく…、ちょっとお話、いいですか? 誰かと話してないと、落ち着かなくって」
みく「みくでよければ喜んでにゃ」
アーニャ「スパスィーバ、…フェイフェイは、私がこっちに来てから、初めてのお友達でした。…まだ慣れてない私を、いつも優しく励ましてくれて。…いつも、頼ってばかりでした。…フェイフェイに会えてとても良かったと、思いました」
みく「…でも、たぶんフェイフェイちゃんはちょっとだけ嬉しかったと思うにゃ」
アーニャ「…?」
みく「アーニャちゃん、あの怪しい人に一番最初に怒ったでしょ。そのあとも、表面には出さなかったけど、怒りをぐっと堪えてるのが分かったにゃ。そういうのってフェイフェイちゃんのこと大切に思ってないとできないにゃ」
アーニャ「でも…」
クラリス「でも、ではありません」
みく「クラリスさん」
クラリス「アーニャさん、みくさんの言葉を引き継ぐ形になりますが、それだけ大切に思ってくれてるというのは、とても嬉しく、幸せなことなのです。だから、フェイフェイさんのためにも、落ち込まないでください」
みく「クラリスさんの言うとおりにゃ、だから元気を出して。なんなら、ここで一曲歌って踊ってあげるにゃ!」
アーニャ「みく、クラリス、少しだけ楽になりました。スパスィーバ…!」
クラリス「元気が出たようで何よりです」
みく「ほんとにゃ、クラリスさんもありがとうにゃ…」ググッ
突然、自然に指がクラリスさんを差した。この力は…!
のあ「」ゴゴゴゴゴ…
みく「にゃ」
クラリス「え?」
のあ「言いなさい。…いつもの台詞よ」
みく「え、えーっと…。なんか、ごめんなさいにゃ」
みく「犯人は…おまえだっ…!」
書き溜め切れたので今日はここまで。
上手くいけば明日、明後日で終了できそうです。
今日は少し無理そうなので明日に延長します。
その代わり明日には終了できる予感。
最近、時子様のSSが増えて嬉しい限りです。
(´・ω・`)時子さまーっ!
クラリス「…!? 犯人…私が?」
みく「…」
ケイト「ちょっと待ってクダサイ! みくサン、犯人って、…どうしてクラリスさんが犯人なんデスカ!」
フレデリカ「そうだよ! そもそもフェイフェイちゃんは…自殺でしょう? 何で殺人なんてことに」
のあ「…もちろん、みくにゃんが確信を持ったからよ。今から、…私が彼女の推理を代弁する、そのための証言者として女将も呼ばせてもらったわ」
晶葉「…」
のあ「では、現場に入ってくれるかしら…」
全員「…」ゾロゾロ
のあ「まず、貴女たちが楊菲菲の死を、自殺と判断した根拠は…何?」
ケイト「…もちろん、フェイフェイが部屋に閉じ籠って返事をしなかったからデス、それに、フェイフェイは私達が発見したときにはすでニ…」
フレデリカ「アタシたちはそのときに部屋に入ったから飲ませられない。もし、そんな物飲まされようとしてたら、…さすがに逃げるでしょ」
のあ「…確かにそれが自然。…彼女の傍らには毒と思われる小瓶があったわ」
フレデリカ「なら…!」
のあ「…それならば何故、彼女は速効性の毒物を飲まなかったのかしら?」
アーニャ「え…」
のあ「…わざわざ苦しみながら旅立つ必要は無い。その答えは単純よ…彼女を私達が発見したとき、彼女は生きていた。…ただし、『意識が混濁した状態』で。おそらく、普段から飲んでいたと理由を付けられる睡眠薬などを飲まされてね」
フレデリカ「…! じゃ、じゃああのときフェイフェイは…!」
のあ「生きていた、…のでしょうね。そして、その後、『本当の毒』を飲ませられるのは」
アーニャ「クラリス、そういえば、あなたが水を…」
ケイト「で、でも、それはあなたの推理です、決定する証拠ナンテ…!」
のあ「…睡眠薬は何らかの手段で運ばなければいけないわ。そのためにはピルケースなりなんなりが必要。…女将、楊菲菲が亡くなった後に宿を出た人物はいるかしら」
女将「いえ、いません」
のあ「ならば捨てられる場所は限られる。…館内のゴミ箱、および周囲を探せば簡単に発見できるでしょう」
フレデリカ「じゃ、じゃあ、何で密室なんかに」
のあ「…貴女達が入ったとき、鍵はどこにあったのかしら」
アーニャ「…私は、知りません。誰か、知っていますか?」
全員「…」
のあ「あの混乱の中、…『隠し持った鍵を置いておく』のは難しいことではないでしょうね」
クラリス「…」
ケイト「ほ、本当にクラリスさんガ…?」
クラリス「…フフッ、失礼なことを仰いますね。それは全てあなたの憶測でしかないではありませんか。もしあなたの言う証拠が全て揃ったとしても、私を犯人だとする証拠にはならないのですから」
晶葉「…確かに、毒物を入れたというコップはこの血の掛かりようからして、検出は難しいだろう。ピルケースや鍵も何とでも言い訳の仕様はあるうえに、自殺を否定する根拠としては薄い」
のあ「容疑を否認するのね…」
クラリス「もちろん、神に仕える私がそんなことをするなどあり得ません。亡くなった彼女の事を言うのは忍びないですが、彼女は自殺してもおかしくない精神状況だったのですよ? これ以上疑うというのであれば、きっと神罰が下ることでしょう」
みく「…」
のあ「…貴女がその態度を保てるのは、絶対の自信があるから。…被害者は携帯を持っていた?」
フレデリカ「んーと、いや、持ってなかったよ、まだ慣れてないとかで」
のあ「これでツールは一つ失われる…、次にこの部屋、または彼女の私物、…一切筆記具の類いが存在しない。…おかしいとは思わないかしら」
アーニャ「それはつまり…」
のあ「…ええ、あのときの彼女の様子から判断するに意識が朦朧としていても、文字くらいは書いていてもおかしくない。ただ、この部屋にはそれを為せる道具が存在しないわ。…貴女に隠されてね」
クラリス「ですから、それは私を犯人にしたいだけ、あなたの推測に過ぎません」
のあ「…ドラマなどのダイイングメッセージは下らないと思わないかしら。…死ぬ間際に下らないクイズを考えるくらいなら、名を直接示せばいい」ヒョイ
クラリス「何を…」
のあ「…ここに電卓が落ちているわ。みくにゃんの推理が正しければ、これはこの旅館の物、そうよね、女将」
女将「はい、ルームサービスの計算時に使用して、そのまま忘れていました」
のあ「そして、ここに付着している指紋は、きっと二種類のみ」
晶葉「…なるほど、女将と彼女。つまりそれは彼女のダイイングメッセージというわけだ」
のあ「…その通りよ。みくにゃん、読み上げて」
みく「にゃ、32192933…?」
ダイイングメッセージ出していなかったので一端休憩します。
書き溜めて夜中には戻ってきますので。
ケイト「暗号デスカ…?」
のあ「…日本語を習うときにまず必要になるものを使えばいいの。ヨコ、タテの順にね…」
アーニャ「ヨコ、タテ、…五十音!」
のあ「そう、…3と2でカ行ウ段、同様にすれば」
アーニャ「ク、ラ、リ、ス…!」
晶葉「なるほど、確かにそのままだ」ククッ
全員「…!」
クラリス「…!!!」パシッ
クラリスさんが目を押さえる。
のあ「…これで全てが繋がる。自殺では考えられないような死に方、他殺だと仮定した場合、貴女にしか犯行は不能。…そして被害者が最期の力を使って発見したこのダイイングメッセージ」
そして、のあにゃんがクラリスさんへと近づいていく。
のあ「さあ、どう? これだけの証拠が揃って、貴女は警察の追及をかわしきれるのかしら…?」
みく「…!」
フレデリカ「…う、嘘でしょ、…クラリス」
クラリス「……フ…」
みく「…?」
クラリス「…フ、フ、フーン、フーフフフーン、フフフーン、フーン、フーン」
これって…アメイジンググレース?
クラリス「…申し訳ありません、神よ、私は嘘を吐きました。…懺悔します」
クラリスさんが手を外した。
見開かれたその瞳は、まるでハートマークのように歪んでいる。
クラリス「私…昔から白以外の色を嫌うよう教えられました。服も、家具も…肌の色も!…それはもう、肌の色が違う人間を見るだけで吐き気を催すほど」
な、なんなの…この人!?
クラリス「それもそのはずです。彼らは神に愛されぬ者ですからね。神に愛されぬ者は、一生馬車馬のように生きるべきなのです」
アーニャ「…では、人種を理由に、フェイフェイを殺したのですか!?」
クラリス「それは違います。…私はかつて、それはいけないことだと、愛無きことだと気づいたのです…。話は変わりますが、私の大好きな言葉があります。『強くなければ生きていけない、優しくなければ生きる資格がない』愛無き者には死を、愛され得ぬ者には愛の名の元に死を…」
アーニャ「リュボフィ…?」
クラリス「そう、彼女達はその生まれゆえに神に愛されぬ者達です。ですが、それではあまりにも可哀想だとは思いませんか? 思うでしょう!? …だから殺したのです。神に愛される私が彼女を殺すことにより、殺された彼女は、神に愛される者へと昇華を遂げるのです。…あぁ、ナンテすばらしい『愛』のかたち!」
アーニャ「そんな、そんな愛なんて、おかしいです!」
クラリス「…分かってもらえませんか。悲しいですね、まあ、いいです。あなたも『愛』無き者だったのでしょう」カチャッ
みく「!」
そう言い、クラリスさんが袂から取り出したのは、黒光りする…銃。
クラリス「愛なき者に死を。…私の愛を理解できない者は全員愛無き者です。ですから殺さねばなりません。…心配しなくとも私の崇高な理念による殺人では、私は罪に問われません。だって、『愛』のためなのですから」
その身勝手な悪意が、アーニャちゃんに向いていることに気付き、私はとっさに突っ込んでしまった。
みく「…なんか幼稚だにゃ。誰かに自分の考えを押し付けて、それに当てはまらない人間には暴力を振るって…まるで小学生のイジメっ子だにゃ」
クラリス「…………何ですって?」
晶葉「クック、全くだな。実に幼稚な思考回路だ。ロボットの方がまだましだろう」
みく「『愛』だかなんだか知らないけど、そんな勝手な基準で人を殺しちゃうなんて…愛されているいない以前に、単純に愛される権利を放棄しているんじゃないかにゃ?」
クラリス「言わせておけば、愛無き者が……! 愛無き者が愛を持つ者を、馬鹿にするものではありません…どうやらあなた方は揃って地獄へ行きたいようですね!」ガチャッ
クラリスさんがハートをギラギラと輝かせながら、銃口をこっちへと向けた。
みく「銃なんて怖くないにゃっ! ねえ、のあにゃん!」
のあ「…さすがね、みくにゃん、銃を持っている人間相手にそんな啖呵を切るなんて、…私にはとても真似できないわ」ガクガクブルブル
こいつ…!
クラリス「」ガチャッ
みく「にゃあ!」
のあ「…でもみくにゃんなら、謎の猫パワーで弾丸をかわすことなんて容易いのかもしれないわね」
みく「え…ちょ、いやいやいや、あかんて、マジで!?」
クラリス「愛無き者に死を…愛ある死をッ!!!」ドンッ
アーニャ「危ないです! みく!」
クラリスさんと私の間にアーニャちゃんが飛び込んでくる。銃弾がアーニャちゃんに当たるその寸前。
クラリス「痛ッ!!!」
クラリスさんが目を押さえて倒れこんだ。
クラリス「!?……!?」
のあ「『愛』など関係ないわ。貴女のソレは私の指一本で防げるのだから…」
クラリス「!? めッ、目が…!目が見えないィ! 痛い! 痛い!」
のあ「あら、暴発でもしたのかしら…その目では、愛も何も見えないわね…。愛することの第一歩は、…相手を理解することから始まる。…どう、その目で他人を理解してみるのは」ヌラァッ…
のあにゃんが薄い膜のようなものを、無理矢理こじ開けたクラリスさんの目に押し込んだ。
のあ『消えない走馬灯(イビルレーシック)…』
のあ「…魔界のコンタクトレンズよ、対象者の角膜に黴のようにこびりつき、最も見たくない『本音』を見せるわ…この場合は」
クラリス「え…い、イヤァァァァァ!!!」
刑事「あの、すいません、連行したいんですけど、何でこの人さっきから目つぶってんの?」
女将「何でも目を開けていると、自分に対する悪意が見えるとかで…」
刑事「はあ、世の中には色んな人がいるもんだねえ」
クラリス「暗い、暗いけど、目を開けたら…」
みく「…何か、人類愛を勘違いした人だったにゃ」
のあ「…私も、愛すべき対象の大切さは理解しているわ」
みく「なら今すぐその手を放せにゃ」
晶葉「何をしたのかは分からないが、…先程まで彼女にあのような症状は出ていなかった。あのように急激に体質が変わるのは、体のせいではないだろう、…何らかの方法で、君達が脳のコントロールを乱したんだ」
のあ「…」
晶葉「それでなくともさっきの推理は素晴らしかったよ。これは私の名刺だ、近くによったら訪ねてくれ、…もっとも、それより先に君達はこの池袋晶葉の顔を見るかもしれないがな。偉大な研究の成就者として、TVでね、それでは失礼するよ」
みく「何にゃ? あの人」
のあ「…さあ」
アーニャ「みく…」
みく「あ、アーニャちゃん、さっきはありがとうにゃ!」
アーニャ「ニィエート、…私は何もできなかったから。…実はお願いが、あります」
みく「お願い?」
アーニャ「私を…アイドルにしてくれませんか?」
みく「にゃあ!? みくは大歓迎だけど…どうしてにゃ?」
アーニャ「…今回の事件で、みくは私を力付けてくれました。…その時、私にはみくが星空のように、見えたんです。そして私は…同じようになりたいと思った。みくの言うように…ブレスク、輝きを生み出したいと」
みく「ふにゃあ…照れるにゃ、でも、私の一存だけじゃあ…」
のあ「…いいわ、共に天元を目指しましょう、アーニャ」
みく「いいのかにゃ?」
のあ「…断る理由はあるのかしら?」
みく「ないにゃ!」
アーニャ「スパスィーバ、…よろしくお願い、します。…それと、みく」
みく「にゃ?」
アーニャ「えっと…私のことも、にゃんって呼んで、ほしいです」
みく「…えへへ、よろしくにゃ、あーにゃん!」
アーニャ「よろしくです、みく」
みく「…あ、そういえば温泉入ってないにゃ!」
のあ「あら、まだ諦めてなかったの?」
みく「ちょっと今すぐ入ってくるから待っててにゃ、二人とも!」
のあ「…そうと決まったなら急いで契約を済ませましょう、アーニャ。家はどこ?」
アーニャ「みくは待たなくていいのですか?」
のあ「…みくの『待って』は『待たないで財布を持って帰って』と同意義よ。覚えておきなさい」
アーニャ「ダー、勉強になります。…? のあ、指から血が」
のあ「…あら」ポタッ
みく「おっふろ、おっふろ、ここの温泉は露天の景色がいいらしいのにゃ、ちょっと見て」ガララ
魔界マグロ「」ポチャン…
みく「…混浴かにゃ」
その後、財布を盗られた私が叫びながら事務所へと戻ると、あーにゃんは正式に事務所の一員になって、拓海ちゃんは死にかけてて(おにぎりメーター:残り0)、のあにゃんはいつも通りメイド服でお茶を汲んでいた。
…何はともあれ、新生CGプロはまた新たな仲間を加え、進んでいく。もっとも、…すぐ先にあんな大波があるなんてその時は気づかなかったんだけども。
これにて終了。
応援、支援、感謝。
少し豹変のインパクトが足りなかったかな。
精進します。
乙
おつ
白以外は認めないのに黒の銃は使うのか(困惑
>>41
まあ、愛ゆえにということで
>>41
黒光りならぬ白光りする銃もあるんじゃないかな
S&Wの44マグナムとか、
映画かTVスペシャルで出たルパンのワルサーP38のシルバーモデルとか
このSSまとめへのコメント
このシリーズを待ってたんだよ!