モバP「所属アイドルのタイムラインがすごい」 (118)


P「事務所内ではLINEというアプリが流行っており、アイドルの七割ほどが利用している」

P「その中にタイムラインという自分の行動を発信できる機能があるわけだが」

P「プロデューサーの俺としては出して良い情報と悪い情報があると思うんだ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1395244591

P「まずは良い例から紹介していこう」

美嘉『今日は莉嘉とショッピングー☆ 久しぶりに莉嘉と遊べて超楽しかったー!!』

P「この投稿には、はしゃぐ莉嘉を後ろから撮影した写真と二人で取ったプリクラの写真が添付されている」

P「実に可愛らしく、美嘉の莉嘉への愛情が溢れた投稿である」

P「この投稿は俺の中でもトップクラスに印象がいい」

P「次、悪い例」

愛海『今日は誰のも揉めなかった。無念……』

P「何故か、千枝の写真が添付されている。しかも隠れて撮ったような」

P「危険極まりない。そして何故これを投稿しようと思ったのだろうか。敵を作るだけなのに」

P「二つを紹介したところで、コメント欄を紹介していこう」

P「美嘉の投稿へのコメント」

莉嘉『超楽しかったね!! また行こうね~』

美波『私も久しぶりに弟と遊びに行こうかな』

美嘉『莉嘉 もちろん! 今度はどこ行く?』

美嘉『美波 そうしたほうがいいよ! きっと弟さんも喜ぶと思う』

P「ちょっと美波の弟になってくる。と言いたい会話である」

P「さっきのは一部だが、全部紹介することも出来ないので次」

P「愛海の投稿へのコメント」

真奈美『どうやらお仕置が必要なようだな』

橘『千枝ちゃんを狙うなんて良くないと思いますよ』

比奈『心中斬首の術の術されてる様子が目に浮かぶっス』

P「まぁ当たり前のコメントである。また愛海のコメントがないことから後悔の念が感じられる」

P「次の投稿を紹介しよう」

P「これは藍子か」

藍子『ちょっとパッションらしさをだしてみました』

P「はい、これダメなやつです。消去依頼を出しておきます」

P「添付されている写真にはゴートゥーヘルな輝子と藍子が写っている。もちろんコメントは大炎上している」

P「無理にパッションを目指さなくていいんだぞ。藍子」

P「そして次の投稿がこれである」

藍子『今、智絵里ちゃんとクローバーを探しています。クローバーを見つけて喜ぶ智絵里ちゃん可愛い!』

P「そう、これを求めていたのである。こういうふわふわしたパッションもあっていいと思う」

P「次は大人組。二十歳以上の投稿を紹介しよう」

P「一人目。姫川友紀」

友紀『ひさぶりに休みださら鳩がえりしあよー。うちねた高校のやくゅう部の練習しつまとこでーしか』

P「字面からしてもう何がどうなっているのかほぼ分からない」

P「友紀は日ごろから画面の文字を連打して文字を打つタイプだから途中で押し間違えなどをしているのだろう」

P「さらに添付された写真もブレまくり」

P「つまり、こいつはシラフではない」

P「ちゃんとした文に正すと」

P「久しぶりに休みだから里帰りしたよー。うちの高校の野球部の練習してるとこでーす」

P「という文になるのであろう」

P「二人目。高峰のあ」

のあ『今回のゴッドフェス、大勝利』

P「引いたであろう。神々のスクリーンショットが貼られている」

P「パズドラというアプリだろう。同じくパズドラをプレイしているユーザーの子供たちからの羨望、嫉妬のコメントで溢れている」

P「別にパズドラをプレイしていることを責めているわけではない」

P「個人的に恨めしいだけである」

P『今回のゴッドフェス金率低くね? 魔剣士とゴーレムが四連なんだけど』

P「……ちっ」

P「三人目。東郷あい」

あい『コスプレ』

P「藍子といい何故チョイスをミスるのか。何故仕事でも着たメイド服にしなかったのか」

P「何故、デューク東郷を選んだのか」

P「確かに東郷繋がりはあるかもしれない。似合ってもいる」

P「失敗だと思った理由は圧倒的に可愛すぎることだ。東郷であってもデュークではない」

P「しかしこれからも投稿を続けて欲しい。続編希望」

P「次は問題アリの高校生組の投稿を紹介しよう」

茜『どのお茶が一番いいんでしょうか』

P「市販のお茶がいくつか並べられている。同じメーカーの種類違いなら別に構わない」

P「しかし、全てのお茶がメーカーの違うお茶であり、コメント欄は団結力で溢れている」

P『選ばれたのは綾鷹でした』

P「ついコメントしてしまったが、違うメーカーのお茶もいろいろ味があって良いと思う」

P「別に一番を決める必要はないと思うぞ、茜」

かな子『ケーキ作りました』

P「文賞だけでは伝わらない。この投稿の問題が」

P「一緒に写真が添付されているが、明らかにおかしいことがある」

P「量が多い」

P「こんな生クリームやらチョコクリームやら甘いものの宝箱を一人食べきる気だろうか。俺は少し食べるだけで吐きそうだ」

P「とりあえず、注意はしておいた」

P『皆と分けて食べるんだぞ。均等に分けるんだぞ』

P「これで大丈夫だろう」

杏『やる気出ないわぁ(´Д` )』

P「字面も問題だが投稿時間にも問題あり。投稿時間は午後一時五十分」

P「仕事が始まる十分前である」

P「至急きらりを杏宅へ向かわせた」

P「現実は非情だ。杏がきらりの身体で生まれていたならば誰も敵わなかったろうに」

きらり『杏ちゃん捕まえたにぃ☆』

P『おつかれー。俺もすぐ行くから杏に準備させといて』

きらり『はーい。杏ちゃん可愛くてキュンキュンしちゃうから無理矢理するのは辛いけど頑張るにぃ』

杏『迂闊にタイムラインなんかするんじゃなかったー!!』

P「繰り返そう。現実は非情である」

P「続いて本気でタチの悪い投稿を三つ。あらすじだけ」

楓『コントラバスでコントする……ふふっ。これすごくないですか?』

早苗『今日は女子会。メンバーコチラ』

留美『奈緒ちゃんに勧められたアニメ見たけど面白いわね。魔法少女まどか☆マギカっていうんだけど』

P「驚きの大人率。なんと百パーセント」

P「ひとつずつ解説しよう」

P「まず、楓さんから」

P「あらすじだけと言ったが、これが全文。写真もなにもない」

P「それだけなら可愛らしいというだけですむのだが」

P「この投稿。実は連投である」

P「ギャグの部分を変えただけの投稿がこの投稿を皮切りに十件連続で一分以内に投稿されている」

P「三つ目くらいまではアイドルの皆も反応を示してくれたが、それ以降は皆コメントではなくスタンプになり、六件を越えたあたりからはスタンプすらつかなくなった」

P「おかげで俺のタイムラインは楓さんで埋め尽くされてしまった。その後の楓さんからのメッセージ」

楓『プロデューサーさん、ちょっとやりすぎちゃいましたね( ´∀`)』

楓『でも、皆楽しんでくれましたよね』

P「俺は、そうですねとしか言えなかった」

P「次、早苗さん」

早苗『今日は女子会、メンバーコチラ。あと今日頼んだお酒。最後に礼子さんのサービスカット』

P「問題点は二つ。一つ目。礼子さんのサービスカット」

P「この投稿を見ているのはアダルトの人だけではなく年少組も見ているのです。自重しましょう」

P「あとだいぶキツイです」

P「二つ目、メンバー紹介の写真に菜々さんが写っている」

P「早苗さんは何故この写真を撮ったのか。そして菜々さんは何故断らなかったのか」

P「何はともあれ菜々さんは晴れて十七歳卒業ですね。めでたい!」

P「最後、留美さん」

留美『奈緒ちゃんに勧められたアニメ見たけど面白いわね。魔法少女まどか☆マギカっていうんだけど。いろいろショッキングなアニメだけれど私はほむらちゃんが好きみたいだわ』

P「誰でもほむらちゃんが分かるようにほむらの絵が貼られている」

P「そしてその次の写真は留美さんがほむらのコスプレをした写真が貼られている」

P「どうしてそうなった」

P「ヒロインが複数人のアニメを見て誰推しかが決まる。ここまでは誰しもが経験することだ」

P「そこから行動に移す、それが和久井流なのだろう」

P「そしてここで終わらないのが和久井流である。自分一人では恥ずかしかったのか他人を巻き込んだ」

P「美優さんのまどかコス、早苗さんのマミコス、川島さんのさやかコス、レナさんの杏子コス、最後に皆の集合写真が貼られている」

P「四人の肖像権はどこへ行ったのか」

P「わけがわからないよ」

P「では、次の投稿へ行こう」

拓海『みくが犬を愛でてる』

P「アイデンティティー崩壊」

P「この一言に尽きる」

P「みくは自分を曲げないよ? この投稿には語尾が『わん』になったみくが犬とじゃれあう動画が添付されている」

P「一体、みくはどういう気持ちなんだろう」

P「それを知れる都合の良い投稿があったりする」

みく『犬を愛でたことは認めるにゃ。でもみくの一番は猫ちゃんだにゃ! それだけは分かってほしいにゃ』

P「そんなことは言われずとも皆わかってるぞ。でも今度からはじゃれるときも猫キャラを忘れたらダメだ」

P「流石に悪例を出しすぎた。もっと良い投稿をお見せしよう」

柚『見よっ! この大量のぴにゃこら太。穂乃香ちゃんにプレゼントだよ。おかげでお小遣い半分なくなっちゃたー。あ、穂乃香ちゃんには内緒だよっ』

P「いい子。すごいいい子」

P「画像には普通のぴにゃこら太。でかいぴにゃこら太。ストラップぴにゃこら太などいろんな種類のぴにゃこら太が並んでいる」

P「ちなみに穂乃香はLINEをやっていない。タイムラインを見た誰かがばらさない限りはサプライズプレゼントになる」

P「うちのアイドルに限ってそんなことはしないだろう」

P「それにしてもいい子である」

P「次はどうするか。そろそろやめとかないとちひろさんに怒られそうだ」

P「そろそろやめておくか。あくまでそろそろ」

瑞樹『やっぱり洗濯すると気分が晴れるわね。心も洗濯物も真っ白よ』

P「ウワキツな内容は無かった。何処にもなかった。この調子で頑張りましょう川島さん」

P「魔法のパウダーNaHCO3なんて言ってないでちゃんと重曹って言えるようなりましょうね」

P「なんたってもう28歳なんだから」

P「んー。もう紹介するものがなくなってきたな。やめとくか」

P「あれ? 新しい投稿だ。ちひろさんか」

ちひろ『プロデューサーがかれこれ三十分くらい皆のタイムラインに文句つけてます。誰もいない事務所で一人でこそこそと。大丈夫ですかね、この人』

P「」

P「……」クル

ちひろ「ほんとに大丈夫ですか?」

P「ち、ちひろさん、これは……ですね」

ちひろ「ほぉら見てください。私の投稿荒れ放題ですよ。紹介しなくていいんですか?」

P「……」

P「ちひろさんの投稿に寄せられたコメントはプロデューサーきもいとか罵倒する言葉ばかりだ」

P「どうしようもない」

P「もう手遅れだ」

P「もう仕事もやっていける自信がない」

P「仕事やめるしかない」

P「人生終わりだ……」

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P「と、こういうように一歩間違うと大変なことになってしまうんだ」

P「投稿する側もウケを狙いすぎず、見る側も面白いからといって言いふらしたりしちゃいけない」

P「わかったかー?」

雪美「……うん」

薫「はーい!」

文香「……はい」

礼子「流石にそこまではしないわよ」

P「今回のビデオでは被害者が俺だったが、もしかすると皆が被害者になるかもしれないから気をつけるんだぞ」

P「スマホ買ったアイドルに毎回講演するの疲れてきた」

P「あ、そうそう最後に」

四人「?」

P「今日、ビデオで紹介したタイムラインはフィクションです。実際に投稿されたものでは断じてありません」

P「じゃあLINEの講演会は終わり。次、ちひろさんとこでネットの使い方な。お疲れさん!」

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