クリスタ「ラーメン二郎トロスト区店? (46)

ーー休日・夕方

クリスタ「ごめんねユミル、私の買い物に付き合わせちゃって」

ユミル「まあ私の可愛いクリスタの頼みならお安い御用さ」

クリスタ「はいはい。それじゃあ荷物置いたら食堂に行こっか」

ーー食堂

ガチャ

クリスタ「はあ、お腹すい……うっ!?」

ユミル「どうしたって、臭っ!」

クリスタ「な、なんの臭い……?」

ユミル「……どうやら男子の方からだ。ちょっと言ってくるからクリスタはここで待ってな」

クリスタ「あ、ちょっとユミル!」


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エレン「やっぱライナーの食べっぷりはすげーよな。どうすりゃあんな早く食えるんだよ」

ライナー「別に食べるのにコツなんかないさ」

ジャン「麺と野菜を入れ替える事によってな……」

マルコ「へぇー……なるほど」

ユミル「おい、てめーら。何か臭えから出てけ」

アルミン「ユミル?……ああ、そうかやっぱり臭かったか」

コニー「なんだブス、いきなりなんだよ」

アルミン「やめようコニー。臭いのは事実だ。僕らは今日は外で食べよう。いいよね?」

エレン「アルミンが言うなら」

コニー「しょうがねーか」

ジャン「ったく……」

ライナー「すまないなユミル」ムワァ

ユミル「うっ!臭え!喋んな!」

ライナー「」


クリスタ「おかえり、どうだった?」

ユミル「臭いの元は外に行ったから大丈夫だ。しかしあれは何だったんだ?」

クリスタ「さあ?食べ終わったら聞いてみる?」

ユミル「めんどい」

クリスタ「もう!あの臭いがもし何かの病気だったらどうするの?」

ユミル「はいはい、みんなの女神クリスタちゃんはお優しいこって」

クリユミ「ごちそうさまでした」

ユミル「そういや芋女がいなかったな。食堂にはいつも一番にいるはずなのに」

クリスタ「そうだね。何かあったのか……あ、噂をすれば。サシャーこっちだよ!」

サシャ「クリスタ!遅くなってすみません!私のご飯はまだありますか?」

クリスタ「大丈夫。まだある……」

サシャ「どうしましたか?」ムワァ

ユミル「……芋女から臭女に改名かおい」



クリスタ「ラーメン二郎トロスト区店?」ハナツマミ

サシャ「モグモグ……はい。先月オープンした食堂で今日お昼コニー達と食べに行ったんですよ」

ユミル「で何の店だそりゃあ」ハナツマミ

サシャ「ラーメンという様々な食材を煮込んだスープに小麦粉を練って紐状にした物を入れた食べ物を出してるお店です。具は野菜とニンニクと煮豚です」

ユミル「臭いの原因はニンニクか。てか肉入ってんのか。高くねーのか?」

サシャ「それがビックリするほど安いんです!しかも量も多い!私毎日あそこに行きたいです!」

ユミル「安くて大盛りの店ねぇ……いかにも貧乏な男の店だね。私達には縁のない店だ。な、クリスタ?」

クリスタ「……」キラキラ

ユミル「クリスタ……?」

クリスタ「サシャ!今度二郎に連れて行って!」

ユミル「お、おいクリスタ!?」

サシャ「もちろんいいですよ!」

クリスタ「やったー!ユミルも行こ!」

ユミル「……はぁ、分かった分かった」


ーー次の休日・朝

サシャ「あ、おはようございます」

クリスタ「ふぁ~おはようサシャ。二郎って大盛りって聞いたけど朝からそんなに食べて平気なの?」

サシャ「逆ですよ。空腹が長いと胃が縮んでしまうので食べる事でそれを防ぐんです」

クリスタ「へぇ~そうなんだ。よく知ってるね」

サシャ「ちなみにこれはアルミンから教わったんですよ」

ユミル「だと思った」



サシャクリユミ「ごちそうさまでした」

クリスタ「さあ食後の運動……」

サシャ「ダメです!食後はゆっくりして胃の消化に専念します」

クリスタ「……徹底してるね」

サシャ「当たり前です!二郎舐めてたら死にますよ!」

クリスタ「……ユミル、ちょっと不安になってきた」ウルウル

ユミル「泣きそうになるならやめとけ」


ーー2時間後

サシャ「では行きましょうか。今なら開店30分前には着くでしょう」

クリスタ「歩いてお店まで行ってお腹を空かせるんだね」

ユミル「距離的に徒歩40分。開店までの30分で休憩ってとこか」

サシャ「二人とも分かってきましたね」ドヤァ

ユミル「うぜーからその顔やめろ」

ーートロスト区

サシャ「あそこを左に行くとお店です」

クリスタ「やっと着いた……って何これ!?」

ユミル「すげえ行列……しかもライナーみたいなむさ苦しい奴ばかり」

ライナー「むさ苦しいって……体は頑丈だが心はこう見えても繊細なんだが」

クリスタ「ライナー!それとみんなも!」

現在の参加者
サシャ、クリスタ、ユミル
エレン、アルミン、ミカサ、ジャン、マルコ、ベルトルト、ライナー、コニー


アルミン「僕らは今来た所だけど」

クリスタ「私達も今来た所。どんなお店か凄く楽しみ」

アルミン「クリスタはここがどんなお店かは知ってるの?」

クリスタ「ラーメンって料理が大盛りのお店じゃないの?」

アルミン「まあ大体そんな感じかな」


ユミル「ミカサも大食いに興味あるのか?」

ミカサ「私が興味あるのはエレンとアルミンだけ。二人が何を食べているのか把握しておかなくてはならない」

エレン「無理矢理着いて来やがって」

ミカサ「あんな口臭になる料理は危険かも知れない。だから私が安全な食べ物か確認する」

エレン「過保護すぎだろ。母親かよ……」

ユミル「相変わらずなこった」


サシャ「コニー!今日もロットバトルしましょう!」

コニー「おう!今日こそリベンジしてやる!」

ーーなんやかんや開店

クリスタ「前のお客さんが入ったら直ぐに出て行くからもうすぐ入れるね」

ユミル「ああ(クリスタは大丈夫か?まあ何かあれば芋女に食わせればいいか)」

アルミン「そう言えばこの前食べた後に色々調べてみたんだけどトッピングに合言葉があるらしいんだ」

ジャン「合言葉だぁ?」

アルミン「うん。前回料理を出される前に「ニンニク入れますか?」と聞かれたよね?」

ライナー「ああ、みんな入れるって答えたな」

アルミン「あれは「トッピングはどうしますか?」って意味らしくてそのタイミングで色々注文出来るみたいだ」

アルミン「トッピングはヤサイ、ニンニク、アブラ、カラメ。ヤサイとニンニクは分かるよね。アブラは豚肉の脂身の部分でカラメというのはスープの味付けらしい」

ユミル「脂身?なんかギトギトして気持ち悪そうだな」

マルコ「まあそこは好みの問題じゃないかな」

アルミン「それでこのトッピングの凄い所はどれだけ量を増やしても値段は変わらない所なんだ」

コニー「マジかよ!?じゃあこーんなにって注文しても値段は変わらねーのか」

アルミン「ははは、それは限度があるけど本当らしいよ」

ミカサ(アルミンが外の世界の事を話している時と同じ表情……久々に見れた)

ミカサ「……二郎はいい店」

エレン(ミカサって大食いだったのか?)

サシャ「ただでさえ大盛りなのに更にトッピング増やし放題なんてますます気に入りました!」

アルミン「それともう一つ、頼み方があるんだけど」

ライナー「普通にヤサイを大目でって言えばいいんじゃないのか?」

アルミン「それでもいいんだけど通はマシと言うのを使うんだ」

サシャコニー「まし?」

ジャン「増すって事か」

アルミン「うん。増やしたいトッピングの後にマシを付けるんだ。またマシより更に大目の場合はマシマシとかね」

ジャン「例えはヤサイかなり大目、ニンニク大目、アブラは普通の場合はヤサイマシマシニンニクマシアブラって頼むのか?」

アルミン「そうだね」

コニー「なあ、俺が馬鹿だから今の説明が分からなかったんじゃないよな」

サシャ「よく分かりませんが全部マシマシと言えばいいんじゃないのでしょうか?」

アルミン「それと……」

ジャン「まだあるのか」

アルミン「これは本当に極一部で流行っている合言葉何だけどマシマシを超える言葉があるらしい」

サシャ「その言葉は……?」

アルミン「超大型巨人」

ベルトルト「……!」ビクッ

エレン「おい、料理に巨人の名前なんて喧嘩売ってんのか?」

アルミン「そういうつもりではないんだ。絶望的な量のヤサイに立ち向かい、そして完食する事で人類最大の敵に勝つという験担ぎみたいなものなんだ」

エレン「なるほどな……」

アルミン「現にこの合言葉を生み出したのが調査兵団なんだ。壁外調査の前日にスタミナをつけようと二郎に行ったのが始まりだそうだよ」

エレン「おお!」

ジャン「けっ!くだらねぇ……」

アルミン「憲兵団もあるんだ。ウォールシーナって頼むんだけど、これは憲兵団がエリートしかなれない事からあの壁を越え内地へ!って意気込みで卒業試験前日に食べて見事と憲兵に行った兵士がいたんだ」

アルミン「更にその兵士は何か壁にぶつかった時は必ず二郎を食べてそして越えてきた。今では師団長になったとして憲兵団の人はウォールシーナって頼むようになった」

ベルトルト「壁を超える……」

アルミン「ああ、そう言えばベルトルトも憲兵団だったっけ?」

ベルトルト「う、うん」

アルミン「頑張ってね」

ベルトルト「ありがとう……」

ライナー「……」

ユミル「トッピングとかどうでもいい。食いきれなぎゃ意味ねーし。なぁクリスタ」

クリスタ「え……そうだね」

サシャ「さあ、ようやく中に入れますよ!」

ユミル「って中でも並んでるじゃねーか」

ジロリアン達「ギロッ」

ユミル「……うっ」ビクッ

ユミル「な、なあ……すげえ睨まれたんだが」ヒソヒソ

サシャ「店内では私語禁止なんですよ」ゴニョゴニョ

ユミル「ただでさえむさ苦しいのに息苦しさが半端ないな」ヒソヒソ

クリスタ「……」ドキドキ

店員「すみません。お先に食券をお求め下さい」

ユミル「一番少ないので」

店員「ラーメンですね。麺は半分にしておきますか?」

ユミル「ああ、それでいい」

サシャ「私は大豚ダブルで!」

店員「大豚ダブルですね」

クリスタ「あ、あの……私は……」

店員「女性で初めてでしたらラーメンの麺半分がオススメですけど」

ユミル「ああ、この娘もそれで……」

クリスタ「待ってユミル!わ、私は……私も大豚ダブルでお願いします!」

ユミル「おいクリスタ!?」

店員「かなり多いですよ?大丈夫ですか?」

クリスタ「大丈夫です!」ケイレイ

店員「……では食券をお持ちになって詰めてお並び下さい」

ユミル「クリスタ……」

クリスタ「ごめんねユミル。でも私は……」

ユミル「分かった分かった。いざとなりゃ芋女も一緒に食ってやるから」

サシャ「お残しはギルティですからね。駄目なら私が食べます!」

ライナー「おう、俺も手伝うぞ(クリスタの食べ残し……)」

ユミル「臭い[ピーーー]」

ライナー「」

店員「大豚ダブルですね」

クリスタ「あ、あの……私は……」

店員「女性で初めてでしたらラーメンの麺半分がオススメですけど」

ユミル「ああ、この娘もそれで……」

クリスタ「待ってユミル!わ、私は……私も大豚ダブルでお願いします!」

ユミル「おいクリスタ!?」

店員「かなり多いですよ?大丈夫ですか?」

クリスタ「大丈夫です!」左胸に決意ドン

店員「……では食券をお持ちになって詰めてお並び下さい」

ユミル「クリスタ……」

クリスタ「ごめんねユミル。でも私は……」

ユミル「分かった分かった。いざとなりゃ芋女も一緒に食ってやるから」

サシャ「お残しはギルティですからね。駄目なら私が食べます!」

ライナー「おう、俺も手伝うぞ(クリスタの食べ残し……)」

ユミル「臭い死ね」

ライナー「」

エレン「アルミン、今日は麺半分なのか?」

アルミン「うん。僕は少食だからさっき言ったトッピングを試すにはね。それよりエレンこそ大豚ダブルなんて大丈夫なの?」

エレン「ああ、ここで超大型巨人を完食して巨人を駆逐する。まあアルミンが言った験担ぎだな」

アルミン「そっか。頑張ってねエレン。君なら完食できるよ」

ミカサ「残したら私が食べる。というか食べさせてほしい」

アルミン(うわぁ……)

エレン「そんな食いたいならお前も大にすればよかったじゃねぇか」

アルミン(そう言う事じゃないんだけど……ミカサは捻れ過ぎてるしエレンは鈍感だし上手くいかないなぁ)

注文内容
大豚ダブル
サシャ、クリスタ、ライナー、エレン、コニー

大豚
ベルトルト

豚ダブル
ジャン、マルコ

ラーメン
ミカサ、アルミン(麺半分)、ユミル(麺半分

店員「空いた席にお座り下さい」

ユミル「二人分か。クリスタ、芋女座れ」

サシャ「ユミルとクリスタじゃなくていいんですか?」

ユミル「何かあった時経験者のお前が近いほうが安心だしな」

クリスタ「ごめんねユミル……」

ユミル「何かあったらすぐ助けてやるから」


コニー「サシャ、どっちが早く食べ終わるか勝負だからな」

サシャ「いいですよ。負けたら次回は奢りですよ」

店員「では食券を出して下さい」

クリスタ「あ、あのヤサイニンニク……」

店員「あ、トッピングは後でお伺いいたします」

クリスタ「あ……///」

ヒソヒソ……ギルティ……ギルティ……

サシャ「落ち着いて下さい。アルミンが言ったように「ニンニクは?」の時ですよ?」

クリスタ「う、うん……ごめんね///」

ザワザワ……カワイイ……メガミ……ノットギルティ……ケッコンシタイ……

店員「大豚ダブルのお客様ニンニクは?」

サシャ「全部大型巨人で!」

店員「お隣は?ニンニクは?」

クリスタ「わ、私も全部大型巨人で!」

一同「!?」

アルミン「大豚ダブルでもキツイのにさらに全部大型巨人!?」

マルコ「流石にマズイんじゃないか……」


ユミル「おいクリスタ!」

クリスタ「私は勝つよユミル。勝って私は変わるの。だからユミル、信じて」

ユミル「クリス「はい大豚ダブルです」ドン



ゴゴゴゴゴ……

クリスタ「」

ユミル(あ、だめだコレ)

サシャ「うひょー!いただきまーす!」ズゾゾゾ

クリスタ(ま、負けちゃだめだ!まずはスープを飲んで落ち着こう)

クリスタ(あ、ちょっと濃いけど美味しいかも。訓練所のご飯が薄いから余計にそう感じるのかな)

クリスタ(刻んだニンニクが食欲をそそる。ヤサイは……茹でてあるのか。シャキシャキしすぎずクタクタでもないちょうどいい感じ)

クリスタ(味付けはしてないけどスープが濃い目だから調度いいかも)

クリスタ(お肉……しっかり味がついていて柔らかい。実家で食べたスペアリブの煮込みより柔らかい)

クリスタ(隙間が出来た。ようやくラーメンが食べられる……かなり太い。パスタと違ってモチモチしてる。太いせいか小麦の味が感じられる)

クリスタ(どれも個性的だけど不思議と調和が取れている。美味しい……これなら完食出来るかも)

ーー1分後

クリスタ(さっきから一向に減らない……ヤサイもまだまだだ一杯ある)

クリスタ(サシャは……もうヤサイがない!?しかもあの箸使いは沈んでるヤサイと麺を探している動きだ!)

クリスタ(どうしよう……私も急がなきゃ)

クリスタ(あれ?最初より麺が増えてるような……)

ズルズル……モニュモニュ

クリスタ(一口目の時はモチモチだったのに今はグニョグニョしてる!?スープを吸ってふやけているんだ!)

クリスタ(これ以上悪化しないよう先に麺を片付けないと……ヤサイのインパクトが強すぎて気を取られてしまったけど麺が一番の強敵だった)

クリスタ(ユミルは……少なめを頼んだのに結構辛そう。サシャはスープを飲み始めてる)

クリスタ(サシャを頼……いや、それは駄目だよね。散々心配してくれたのにそれを聞かず無茶して尻拭いなんか絶対駄目)

クリスタ(これは私が選んだ道……責任を果たす!胃が破裂してでも詰め込まなきゃ!)

ズゾゾゾーー!!

ユミル(ペースが上がった?さっきは絶望的な表情だったのに……今は覚悟を決めた顔だ)

ユミル(ヤバいな……あれは死んでもいいって感じだ。しかも形振り構ってないから汗と鼻水と跳ねたスープで顔がグチャグチャだ)

ユミル(私の女神が穢されていく……)

クリスタ「ハムッハムッ!」

サシャ「だ、大丈夫ですか?」

クリスタ「大ほうぶハムッ!わたひはまへないハムッハムッ!」

サシャ「そ、そうですか……(クリスタに合わせてスープを飲みましょう)」チビチビ

クリスタ(麺は終わった!後はヤサイを……)ゴロッ

クリスタ(ゴロ?)ハシツマミ

肉「やあ」

クリスタ(……お肉を忘れてた。こんなデカイのがあと6切れもあるなんて)

クリスタ(ああ、初めて食べた時は美味しかったのに今ではこの柔らかい脂身の部分が憎い……)

クリスタ「肉だけに憎い……フフフ」

ユミル(なんか独り言呟いて笑ってる……本格的にヤバいな)

ユミル(サシャ、食え)ジェスチャー

サシャ(了解です……)

サシャ「クリスタ、手伝います」

クリスタ「だ、大丈夫だから……」モグモグ

サシャ「で、ですが……」

クリスタ「本当に平気だから……ね?」モグモグ

サシャ「クリスタ……」

クリスタ「モグモグ……ぐすっ……モグモグ」

ユミル(泣きそうになるなら注文するなよ……)

ーー10分後

クリスタ(うっぷ……あと豚が一切れ……)

サシャ「頑張って下さいクリスタ!」

ユミル「クリスタ……!」

ーーぱくっ

クリスタ「ご、ごひそうさわでしゅた」モゴモゴ

店員「ありがとうごさいやーーーーーす」

サシャ「やりましたねクリスタ!」ガシッ

ユミル「おい芋女!あんまりクリスタを揺らすな!吐いたらどうする」

サシャ「あ、すみません……」

クリスタ「ごめんね、ありがとう……うぷっ」

クリスタ(喉の直前まで二郎が入ってる気分……どこかで休みたい)

クリスタ「と、とりあえずお店出……」

ーードン


オルオ「ってぇな……おいクソガキ!どこ見て歩いてやがる」

エルド「おいおい、オルオだって余所見してたじゃないか」

グンタ「お互い様だな」

オルオ「俺はちゃんと注意して歩いてた。なのにこのガキがフラフラ~とぶつかって……」

クリスタ「うっ……えっ……」

ユミル「お、おいクリスタ!」

オルオ「は……?」

ビシャビシャビシャ


~しばらくお待ち下さい~

クリスタ「ほんどうに……ひっぐ、すびばぜんでじだ……」

グンタ「気にするなって。こちらこそぶつかって悪かった」

エルド「なーに。ションベン塗れになった事あるんだ。ゲロ塗れくらい平気さ」

オルオ「平気じゃねー!てかションベンなんか漏らしてねーし!バーカ!バーカ!」

ユミル「うちのクリスタがすみません。着替え買ってきたんで」

オルオ「ったく。二郎舐めてるからこうなるんだ。だいたい二郎をそんじょそこらの……」ペラペラ

ユミル(ウゼェ……こいつ舌噛んで死なねーかな)

エルド「おい、その辺にしておけよ。もうすぐ兵長達が来るんだからな」

サシャ「兵長……という事は兵団の方ですか?」

グンタ「ああ、俺たちは調査兵団だ。壁外遠征も近いし二郎に来たんだ」

クリスタ「やっぱりトッピングは超大型巨人なんですか?」

オルオ「まあな。俺くらいになれば二郎の一つや二つ楽勝だ。まっ、テメーらは一生俺の域には達せられんだろうがな」

ペトラ「あんたも最初撃沈したじゃない」

オルオ「う、うるせー!ってペトラ来てたのか」

ペトラ「さっきね。てゆーか訓練兵に威張り散らすとか恥ずかしくないの?」

やいのやいの

クリスタ「あ、あのー……」

グンタ「気にするな。いつもの事だ。そして……」


リヴァイ「テメーら店の前でギャーギャー喚くな」

オルオ・ペトラ「「は、はい!すみませんでした兵長!」」


オルオ「あれもいつもの事だ」

クリスタ「はあ……」


ライナー「あー食いすぎた……」

ジャン「あれをよく食べきったな。俺は普通のでいっぱいいっぱいだったぜ……」

アルミン「エレン大丈夫?」

エレン「や、やったぞ……超大型巨人を駆逐してやっ……うっぷ」

ミカサ「喋らないで。消化を助ける薬草とスッキリする薬草を持ってきたので食べて」


ユミル「おっ、出てきたな」

サシャ「本当ですね。あっ!そう言えばコニーと勝負してたんでした!ちょっと行ってきます!」

店員「お待ちのお客様中へお入り下さーい!」

エルド「兵長、俺達も」

リヴァイ「ああ」

グンタ「じゃあまたどこかでな」

ペトラ「オルオがごめんね。訓練頑張ってね」

オルオ「俺は悪くねぇ。ぶつかったのは」

ペトラ「はいはいもう行くよ」

オルオ「ちっ!いいかお前ら、半端な覚悟で二郎に来るんじゃねーぞ」


クリスタ「行っちゃったね」

ユミル「ああ。さて、どうする?もう少し休んでから帰るか?」

クリスタ「大丈夫だよ。さっきもど……その、楽になったから……」

ユミル「じゃ行くか。にしても散々だったな」

クリスタ「そ、そうだね」

その後他愛もない話しをして宿舎に戻った。夕飯薄いスープだけ飲んで後はサシャにあげた。
お風呂に入り念入りに歯磨きをしてすぐに横になった。
ベッドの中で思いだすのはあの黄色い看板のお店。

クリスタ(そう散々だった。後悔もしていた。なのに何だろうこのモヤモヤ……)

そして日が経つにつれてモヤモヤの正体がハッキリしてきた。

もい一度だけ食べてみたい。

食欲をそそる刻みニンニクの香り。
濃厚で少ししょっぱいスープ。
スープが絡まったモチモチな麺。
柔らかく煮込まれた豚肉。
プリッとしてスープにコクを与える背脂。
それまでの濃さをリセットするシャキシャキの野菜。

薄くて味の薄い兵団の料理を食べる度にそんな事を思い出す。

気付けは次の休日はまだかと待ち侘びている自分がいた。毎日欠かさず二郎を食べるシミュレーションをし休日を今か今かと待ち侘びている。

そして休日

いつもより早く目覚め自主練を行い朝食をしっかり食べる。食後はゆっくり横になった。ユミルからお誘いがあったが断った。何だか泣きそうな顔をしていたような気がしていたが今の私の頭はいかに二郎を味わうかという事しかなかった。

前回同様開店の少し前に着くように出発。しかし早く食べたい欲求からか早足になってたのか、かなり早く着いてしまった。それでも既に4人はいた。私は5番目だった。

列が店の角を曲がりさらに折り返してこちらに戻る程並び始めた頃にようやく開店。前回の反省を活かし麺半分で注文しようとして気付く。前の人がニラキムチと言うモノも注文している。気になって仕方ないので釣られて頼んでみる。

そして待つこと数分。

「麺半分の方、ニンニクは?」

クリスタ「ヤサイマシ、ニンニク、アブラでお願いします」

頭の中で何度もイメージしてきたおかげか、スムーズに言えた。

出てくる二郎。http://i.imgur.com/epQOaZW.jpg
これを待っていた。この日のためにハードな訓練を耐え抜き毎晩二郎をイメージしてきた。はやる気持ちを抑えまずは敬礼。周りに怪訝な顔をされたが気にしない。
まずはスープ。美味い。やはり濃い。
次に麺。この食感はたまらない。
煮豚。噛んだ瞬間ほろっと崩れる。豚の旨味としっかりとした味付けが口に広がる。
最後に野菜。口のなかで野菜がシャッキリポン!一口食べただけで口のなかの濃厚さが治っちゃうわ!
そして野菜の上にある物体。恐らくこれがニラキムチだろう。何かの野菜を赤い何かで和えたものみたいだ。
一口食べてみる。ニンニクのように食欲が湧いてくる香りと辛さ。そして僅かな酸味。これは美味い。
これをスープに溶かしたらどうなるか。味の変化を楽しむため後にとっておこう。

前回の反省。まずは麺の攻略。
ジャンやアルミンが言っていた麺を引っ張りだし野菜の上に乗せ変える方法。これなら麺がスープを吸わず、同時に冷ましてくれるので食べやすくなる。
こぼさないように慎重に行うが中々難しい。そうこうしているうちに隣の人にも二郎がきた。

クリスタ(あれは超大型巨人!?)

忘れもしない。あの屈辱の日。その時のブツが隣に来た。どんな人が食べるのか気になって顔を見る。

クリスタ「あ」

リヴァイ「ん?お前はこの間の……」

クリスタ「こ、こんにちは。この前はどうも……」

リヴァイ「おい、静かに食え」

クリスタ「す、すみません」

言われて入れ替え作業を続ける。ある程度入れ替えので食べ始める。確かに食べやすい。麺を食べ、肉を齧りスープを飲む。箸休めの野菜を一口食べまた繰り返す。

いい感じ。イケる!と余裕がでたのでまた隣に目をやるとそこには驚きの光景が。

クリスタ(あれだけの野菜の山を崩さず入れ替えた!?)

それだけではない。天地返しを目にも止まらぬスピードでやってのけテーブルにはスープの一滴も飛ばしていなかった。
そして食べ方。大胆で男らしいが気品がある。家畜の餌と揶揄される二郎が貴族の料理と思える程だった。

クリスタ(これが人類最強の男……)

と考えてる余裕はない。二郎は自分と時間との戦い。食事を再開する。
大分減って来た所で先程のニラキムチをスープに溶かす。ニラキムチの香りと辛さがスープに合わさって食欲がまた湧いて来る。そこからはあっという間だった。スープも飲み干し文字通り完食した。

クリスタ「ご馳走様でした!」

店員「ありがとうございまーーす!」

笑顔のご馳走様に笑顔で応える店員さん。とても素敵な瞬間だった。丼をあげ、テーブルを拭く。隣はもう別の人。
自分より遅く来て自分より大盛りだったのに自分より早く食べ終わる。
人類最強って凄い。そう思った。

以上レポでした。

キース「……何だこれは?」

クリスタ「自主課題です!」

キース「確かにテーマは自由と言ったが……わからんな。何故二郎にした?」

クリスタ「……?それは何故二郎を食べるかと言う事でしょうか?」

キース「……」

クリスタ「……そうだ!今度一緒に二郎行きませんか?汁無しという物がありまして」キャッキャ

キース(ブラウス訓練兵と居過ぎてが憑ってしまったのか……しかし可愛、っていかんいかん!)



クリスタ「提出してきたよユミル!」

ユミル「あ、ああそうか……その言いにくいんだが」

クリスタ「?」

ユミル「……ちょっとばかし太ったんじゃないか?」

クリスタ「」


おわり

以上SSッス

皆さん二郎は程々に

よくいくお店は湘南藤沢店。メルマガ登録すると限定トッピングの情報が送られます。
汁無しの紅生姜オススメです。

超大型巨人はトロスト区店限定なので現実のお店で注文しないでください。
余裕があれば男性陣側のも其の内書きますので覚えてたらまた見て下さい。
では削除依頼出してきます。

このSSまとめへのコメント

1 :  123   2014年09月27日 (土) 14:00:11   ID: Pl-IpWQf

http://i.imgur.com/epQOaZW.jpg

こんなの食えるかよwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

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