クールなクリスタ (27)
※ネタバレあり
基本的には原作通りですが、クリスタの性格が違います。
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―――845
キース「貴様は何者だ!?」
アルミン「シガンシナ区出身、アルミン・アルレルトです!」
キース「そうか!バカみてぇな名前だな!!………」
キース(…)ザッザッ
エレン「…」
ミカサ「…」
ライナー「…」
ベルトルト「…」
アニ「…」
ユミル「…」
クリスタ「…」
キース(こいつらは目付きが違うな…二年前の巨人襲撃を体験してきたのか………ん?)
クリスタ「…」
キース(こいつシーナ出身じゃなかったっけ)
―――――
サシャ「はあ……はあ……」ザッ ザッ
コニー「あいつまだ走らされてるぜ」
エレン「入団式で芋を食うとはな……」
マルコ「あそこにいる娘も何か男子からしつこく話し掛けられてるよ」
エレン「ん?」
訓練生「なあ、君、名前なんていうの?」
クリスタ「………クリスタ」
訓練生「可愛なあ、遊ぼうぜ。いいだろ?」
クリスタ「……あなた達は何しにここに来たの?」
訓練生「へ?」
クリスタ「兵士やる気ないなら開拓地に戻りなよ、鬱陶しい」
訓練生「」
アルミン「ことごとくあしらわれてるけどね…」
エレン「へえ…真面目な奴じゃねぇか」
クリスタ「………はぁ……」ザッザッ
訓練生「……ちっ、なんだよあいつ。つまんねぇな…感じ悪い」
訓練生「ノリ悪い女だぜ。俺ああいう奴嫌いだわ」
アルミン「ちょっと…君たち…」
エレン「…俺はお前らの方が嫌いだわ」
訓練生「あ!?なんだお前!!」
エレン「兵士になるために訓練に来てるのにヘラヘラしてんじゃねぇよ!!」
ミカサ「エレン…喧嘩は駄目」ザッ
エレン「あ、ミカサ…」
ミカサ「あなた達…これ以上騒ぐようなら…」ギロッ
訓練生「ひいっ!?」ビクッ
―――食堂
ガヤガヤガヤガヤ
エレン「………そして、巨人を全て駆逐してやるんだ!!」
ミカサ「さすがはエレン、夢が大きい」
クリスタ「…」カチャカチャ
訓練生「…なんかあの娘、近寄りがたいよね。口数少ないし、笑わないし」
訓練生「目も怖いよね…なに考えてるんだろ」
クリスタ「…」カチャカチャ
クリスタ(…周りから避けられるのは慣れてる。今更なにも…思わない)
クリスタ(私はただ…強くなるために訓練生に入った。友達なんかいらない。私は私の目的さえ達成できれば……)
ユミル「おい、どうしたお前。1人で食って」ズイッ
クリスタ「!!」ビクッ
ユミル「はっ、お前いまビクッてしたろ?」
クリスタ「……急に知らない人に体引っ付けてくるなんてどうかしてるよ。暑苦しいから離れて」
ユミル「おいおい、寂しそうにしてたから来てやったのに…」
クリスタ「私は1人がいいの」ギロッ
ユミル「…」
クリスタ「…」
ユミル「はっ……そうかい。まあ、1人でいたい奴にべたべたしても鬱陶しいだけだからな。悪かったよ、じゃあな」ザッザッ
クリスタ「………」
コニー「…まだ、走らされてるな。あの芋女」
アルミン「晩飯抜きって言われてたね」
クリスタ「………」
―――ヒストリア、こんな事も出来ないのか役たたずが!!!
お前は1週間飯抜きだ!!
……お母さん……お腹、空いた……
―――そのまま飢えて死んでしまえばいいのに
クリスタ「………」
ゴソゴソ
ユミル「…」
―――
サシャ(はあ…はあ…まさか、本当に死ぬ寸前まで走らされるなんて……)
サシャ(内地に来れば…美味しいものをたくさん食べられると思ったのに)ガクッ
サシャ(もっと色んなものを食べたかっ………た……)
クリスタ「…」ザッザッ
サシャ「…」ピクッ
サシャ「うぐあああああっ!!!」バシュッ
クリスタ「!!?」ビクウッ
バクウッ!!!
サシャ「こ、これは……パアンッ!!!」
クリスタ(な、何この子……)
サシャ「…はっ!」
クリスタ「………食べきれなかったから持って来ただけよ。…水も置いとくから、飲みなよ。じゃあ、私帰るから……」
サシャ「あなたが神様ですか!?」ガバッ
クリスタ「!?ちょっ…やっ、離しなさ…」
サシャ「神様あああああっ!!!」
クリスタ「私は、神様なんかじゃ…」
ユミル「何やってんだ?」
クリスタ「!」
サシャ「パアンッ!!」ガツガツ
ユミル「はっ…他人に興味無さそうな顔して、何やってんだよ?」
クリスタ「…あなたには関係ないでしょ」
ユミル「…ふん、そうだな。確かに私には関係ない事だ。お前が芋女にパン食わせたところで私の人生には何の影響も無いからな」
クリスタ「じゃあ何で話し掛けて来たの」
ユミル「面白いからだ」
クリスタ「は?」
ユミル「それより…芋女運ぶぞ。寝ちまってる」
クリスタ「…そこまでやる気は無い。あなた1人で運べば」
ユミル「おいおい、こんなとこに寝させたら何があるかわかんねぇぞ?風邪ひくかも知れねぇし、変な男に悪さされるかも知れねぇ」
クリスタ「………」
クリスタ「…あなたも手伝って」
ユミル「クククッ…」
クリスタ「なに?」
ユミル「何でもねぇよ」
―――翌日 馬小屋
コニー「ああ…ダルい…訓練生になってそうそう馬小屋の掃除を任されるなんて…」
クリスタ「…」ザッザッ
コニー「…黙々とやって真面目だな、お前は」
クリスタ「言われた事はやらなきゃ」
コニー「そうだけどな、でも面倒くさいだろ?愚痴くらい言ってもいいだろ…」
馬「ブルルル…」
クリスタ「…」
コニー「…なあ、クリスタ。馬が好きなのか?」
クリスタ「え?」
コニー「なんか馬といる時はちょっと雰囲気が違うからな」
クリスタ「…動物は純粋だから信用できる」
コニー「よくわからねぇが好きなんだな」
クリスタ「……まぁ…」
コニー「そういえばお前、男子寮で色々言われてたぜ。無表情で暗いとか」
クリスタ「そう…」
コニー「もう少し笑うようにしたらどうだ?」
クリスタ「どうして?」
コニー「え?」
クリスタ「私は別に……笑いたい時だけ笑えばいいと思う。周りを気にして、作り笑いや愛想笑いをするなんて…そっちの方が気持ち悪いよ」
コニー「…」
クリスタ「言いたい人には言わせたらいい……私は自分の好きなように生きるから」
コニー「…」
クリスタ「あなたも私の無表情が気色悪いと思う?」
コニー「いや?なんかよくわからねぇが…そうやって自分の思ってる事ズバズバ言えるのは立派だと思うぜ?」
クリスタ「…そう」
コニー「まあ、正直初めは怖そうな奴かと思ったが…案外そうでもないな」
クリスタ「………」
コニー「って何で急に黙るんだよ!?」
クリスタ「掃除するよ」
コニー「ん?おお、本当だ、そうだな」
―――夜 女子寮
クリスタ「…」
訓練生「あの娘、今日も一度も笑わなかったわよ」
訓練生「話し掛けても一言しか返さないし」
訓練生「怖いし気持ち悪いよね」
クリスタ「…」
クリスタ(ユミルもサシャも別の部屋か………)
クリスタ(……って、なんでこんなこと考えてるんだ……)
訓練生「私、ああいうノリ悪い人嫌いなんだよね、消えて欲しい」
クリスタ「………」
ミカサ「…あなた達」ギロッ
訓練生「!!?」ビクッ
クリスタ「!?」
訓練生「な、なによ…」
ミカサ「ずっと聞いていたけれど、さすがに言い過ぎ……クリスタは確かに普段は無口で笑わない子だけど………そんな悪口を言われるような事はしていない」
訓練生「なによ!いつもエレンにベタベタしてる癖に!」
ミカサ「誉め言葉として受け止めておこう」
訓練生「私達の邪魔しないでよ、空気読めよ!」
ミカサ「そんな訳のわからない空気は読む必要なし」
クリスタ「…」
訓練生「くっ、調子に乗って…ボコボコに…」
訓練生「待ちなさい、私見たわ…ミカサの腹筋を…」
訓練生「え?」
訓練生「あれは女の腹筋じゃなかったわ!!」
ミカサ「物凄く失礼」
訓練生「ちっ、今日は見逃してやるわ…命拾いしたわね!」
ミカサ「何なの貴女たちは」
クリスタ「…」
ミカサ「クリスタ、聞いてたんでしょう?」
クリスタ「!」
ミカサ「どうして何も言い返さなかったの?」
クリスタ「…ああいうのは言い返すと調子に乗るから無視が一番いい」
ミカサ「…確かにそうね」
クリスタ「……あなたこそ、何で見ず知らずの私を庇おうなんて思ったの?」
ミカサ「別に庇った訳じゃない。私が気に入らなかったから言っただけ」
クリスタ「そう…」
ミカサ「…私が言い返したのは余計だった?」
クリスタ「…いや…自分が気に入らなくて言い返したんなら、いいんじゃないの」
ミカサ「それはどうも」
―――翌日 格闘訓練
クリスタ「………」ウロウロ
ユミル「…」ジーッ
サシャ「あ、クリスタ1人ですよ!おーー…」
ユミル「待て、芋女。お前は私とだ」
サシャ「じゃ、じゃあクリスタと三人で…」
ユミル「駄目だ」
クリスタ「…」
ユミル(口では偉そうに言うが、やっぱあいつはまだまだクソガキだな)
ユミル(自分から誰かに『私と組んで』と言う事が出来ないのかよ…情けない。だが私は何もしてやらねぇぞ)
サシャ「か、可哀想ですよ、やっぱり…」
ユミル「駄目だ、あいつの為だ」
クリスタ(……まあ、いいか…別に。格闘訓練なんか点数にならないし……)
エレン「おーーい!!」
クリスタ「!」
エレン「こっち来いよ、クリスタ!!」
ユミル「あっ…んの、死に急ぎ野郎……余計な事を……」
サシャ「ま、まぁ…いいじゃないですか」
クリスタ「…なに」ギロッ
エレン「うっ!?な、なんだよ…」
アルミン(ああ、やっぱりよく男子訓練生から声かけられるから警戒してるんだな)
アルミン「クリスタ、そんな警戒しなくても大丈夫だから…」
クリスタ「…」
ミカサ「1人でうろうろしてたら教官に怒られる」
クリスタ「!」
エレン「組む相手がいないならこっち来いよ。ちょうど四人になるし二人ずつで組める」
クリスタ(…ミカサの知り合いなら信じても大丈夫かな…)
クリスタ「わかった、いいよ」
エレン「よし、組もうぜクリスタ」
アルミン(僕が組みたかったなんて言えない)
ミカサ「アルミン、あなたの下心が顔に出ている」
エレン「よし、来い…最初はお前が襲う役だ!」
クリスタ「…」ダダダッ
エレン「ってうわ!クリスタ顔怖いよ!」
アルミン「…エレン…」
ミカサ「正直なのはいい事だけど、もう少し言葉を選んだ方がいい」
クリスタ「…」ビュンッ
エレン「っと、あまり早くないな」サッ
クリスタ「!」
エレン「捕まえた!!」ガシッ
クリスタ「うっ……」
エレン「ってあ…しまった、足が滑って…」ズルッ
アルミン「ああ!!」
ミカサ「危ない!!」
ズルンッ
エレン「うわあっ!!」
クリスタ「……っ!!」
ゴチーーーンッ!!!
「ヒストリア……すごいね。もうこんなに読めるようになったんだ」
「いいよ、ヒストリアは今のままでいいよ!」
………え?
誰………
「…お姉ちゃ……」
エレン「おい、クリスタ!!」
クリスタ「!!」パチッ
ミカサ「大丈夫?」
アルミン「さっきエレンが滑って…クリスタと頭をぶつけてしまったんだ」
クリスタ「…え?」
エレン「悪いな…いてて。頭は大丈夫か」
ミカサ「たんこぶが出来てる」サスサス
クリスタ「……大丈夫…」
クリスタ(何…今の)
アルミン「…!クリスタ、本当に大丈夫?」
エレン「痛いなら我慢するなよ!?」
クリスタ「…え?」
ミカサ「…涙が出ている…」
クリスタ「え?」
クリスタ(あれ……何で私泣いてるの)
クリスタ「……ちょっと、休む……」
アルミン「うん、それがいいよ。酷いなら医務室にでも…」
クリスタ「…大丈夫…」
エレン「……悪い事しちまったな。俺の不注意で」
アルミン「まぁ、仕方ないよ…予想外の事故は誰にでもある」
ミカサ「………」
アルミン(…何か他にありそうな感じだったな)
クリスタ「………」
クリスタ(さっき見たもの…忘れてしまった……けど、何か、大切なものだった…はず)
クリスタ(…何故か涙も止まらない…)ズズッ
訓練生「あらら、こんなところで何を泣いてるの?」
クリスタ「!」
訓練生「誰も組んでくれなくて泣いてるとか?キャハハハハ!!」
クリスタ「……」
訓練生「ほら、何とか言い返して…みな……」
クリスタ「…」ギロッ
訓練生「さ……い…よ……」
クリスタ「…」
訓練生「な、何よその目……」
クリスタ「……言いたい事はそれだけ?」
訓練生「へ?」
クリスタ「…言いたい事言ったなら……さっさと目の前から去りなさい…」
訓練生「な、なによ…こいつ、調子に乗って…」
「コラアアアアッ!!」
訓練生「!」
サシャ「神様になにさらしてんですかあああっ!!!」
訓練生「うわっ、芋女!」
訓練生「食われるわ逃げましょう!!」
サシャ「物凄く失礼です!!」
クリスタ「…」
ユミル「どうしたクリスタ、いじめられて泣いてんのか?」
クリスタ「…」ギロッ
ユミル「冗談だ冗談!そう睨むなよ!!」
クリスタ「…」
ユミル(こいつ、格闘訓練の途中にエレンと頭ぶつけてから様子がおかしかったな……)
クリスタ「……どうしてそう、いちいち私に絡むの」
ユミル「ああ?私の勝手だろ、自分のやりたいようにしてるだけだ」
クリスタ「…そう……なら、好きにすれば」
ユミル「ククッ、そうさせてもらうよ」
―――立体機動訓練
ビュウウゥゥンン
クリスタ「…」ギュイィィィ
サシャ「今日もクリスタは相変わらず1人ですね」
ユミル「あいつが1人がいいって言ってんだから、それでいいだろ」
サシャ「そんな事言いながらユミルはちょくちょくクリスタにちょっかい掛けてるじゃないですか…」
ユミル「面白いからな」
キース(クリスタ・レンズ…小柄な体の割には運動神経や体力があり、立体機動も小さな体格を生かした動きが得意。何か目的意識持っており、訓練にも真面目だ…が)
訓練生「クリスタ、私にも教えて…」
クリスタ「私に聞くより教官に聞いた方が早いでしょ…そもそも他の人がいたら訓練に集中出来ない」
キース(…対人関係に問題ありだな)
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続きが気になります。
この時点ではクリスタは強くなったな