※ほむらファンは閲覧注意の鬱シナリオです
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◇ほむらの家
まどか「ほむらちゃんの心臓病が……再発?」
ほむら「ええ……」
まどか「な、なんで? ほむらちゃんは魔法少女になって元気になったんじゃなかったの?」
ほむら「私もそう思っていたのだけど……違ったみたいね……」
ほむら「……私の身体はもう……とっくに限界を迎えていたのよ……」
まどか「そ、そんな……そんなのってないよ!」
ほむら「ごめんなさい……」
ほむら「……気が付いたのはつい先日のことよ」
ほむら「ブラを着けたら胸が締め付けられるように苦しくて……」
ほむら「見てみたら私の乳房が膨らんでいたの」
ほむら「それも両胸の乳房がふっくらとね……」
まどか「そ、そんな! 両胸が!?」
ほむら「一目見て分かったわ。自分がどれだけ病に蝕まれていたのか……」
ほむら「私はもう助からないんだってことが……」
まどか「ほむらちゃん……そんなのヤダよぉ……!」
まどか「せっかく仲良くなれたのに、ほむらちゃんが死んじゃうなんて!」
ほむら「ごめんね、まどか……」
まどか「お、お医者さんには診てもらったの?」
ほむら「ええ……でもダメだった」
ほむら「『セイチョウキでムネがオオキクなったダケ』とか訳の分からないことを言われたわ」
まどか「酷い……! ヤブ医者だよそんな人!」
ほむら「……もしかしたら気を使ってくれたのかもしれないわ」
ほむら「もう永くない私のことを……ね」
まどか「ぐすっ……」
まどか「……そ、そうだ! マミさんに診てもらおうよ!」
ほむら「え?」
まどか「マミさんの魔法なら治るよ、きっと!」
ほむら「無理よ……私自身、魔法で治療を試みたけど」
ほむら「全く効果がなかったんだもの……」
まどか「ほむらちゃんの馬鹿! そんな簡単に諦めちゃダメだよ!」
まどか「一緒にマミさんのところへ行こう! 絶対助かるよ!」
ほむら「まどか……」
ほむら「……そうね、最後まで諦めちゃだめだよね」
ほむら「ありがとうまどか……行きましょう、巴さんの所へ!」
まどか「うん!」
◇マミさんち
マミ「なんですって!? 暁美さんが心臓病に侵されて!?」
杏子「オイ、マジなのかよそれ!」
まどか「うん……」
ほむら「ええ……私の命は、そう永くないと思うわ……」
さやか「そ、そんな……ほむらが……」
まどか「で、でも! マミさんの魔法ならきっと治せると思って!」
まどか「お願いですマミさん! ほむらちゃんを助けてください!」
マミ「…………」
杏子「マミ! どーなんだよ、助けてやれるんだろ!?」
マミ「……正直に言って、治せる自信はないわ」
さやか「え……」
マミ「両胸が膨らむなんて恐ろしい病、聞いたこともないもの……」
まどか「っ……!!」
ほむら「……そう、よね。やっぱり私はこのまま死ん……」
マミ「けどっ! 私が絶対治してみせるわ!!」
ほむら「……えっ?」
マミ「お友達のためですもの、私が、必ず治してみせる!」
マミ「だから……だから暁美さんも、生きることを諦めないで!!」
ほむら「巴さん……!」
まどか「マミさん……!」
さやか「そ、そーだよほむら! 弱気になるなんてあんたらしくないよ!」
杏子「さやかの言う通りだよ! どんな魔女にも負けないアンタなら、病気だってやっつけられるって!」
ほむら「貴女たち……」
まどか「……みんな、ほむらちゃんのことが大好きなんだよ」
ほむら「えっ?」
まどか「みんな、ほむらちゃんがいなくなるなんてイヤなの! お願いほむらちゃん、諦めないで!」
ほむら「…………」
ほむら「……ふふ、今日はなんだか励まされてばっかりね……」
ほむら「ありがとう……みんな!」
まどか「ほむらちゃん……!」
ほむら「私、諦めないわ。絶対病気を治して、生きてみせる」
杏子「へへ、そーこなくっちゃ!」
さやか「あたしも協力は惜しまないよ! なんだって手伝うから!」
マミ「みんなで力を合わせて、暁美さんの病気を治しましょう!」
まどか「うん!」
ほむら(……こうして、私達の新たな戦いが始まった)
ほむら(巴さんと美樹さんは、得意の治癒魔法で私を癒やそうとしてくれて)
ほむら(杏子とまどかは、医学書を読み病気の原因を探ってくれた)
ほむら(私の病を治すため、みんなそれぞれ一生懸命に協力してくれた……)
ほむら(……でも、そんなみんなの頑張りをあざ笑うかの様に)
ほむら(この忌まわしい病は私の身体を蝕んでいったのだ)
ほむら「…………」ボインボイン
マミ「……また、大きくなってるわね」
ほむら「……ええ」
さやか「そんな……どうして!? あたしとマミさんで治癒魔法をかけてるのに」
杏子「ちっとも良くならないじゃんか……くそっ!」
マミ「ごめんなさい、私の力が及ばないばかりに……」
ほむら「そんな、謝らないで頂戴……巴さんも美樹さんも、私のために頑張ってくれてるもの」
まどか「でもなんで……? 治癒魔法でほむらちゃんの生命力を増進させてるんでしょう?」
マミ「ええ。具体的にどんな病気なのか分からないから、暁美さん自身の持つ生命力を強めて……」
マミ「それで病気を治そうとしていたのだけれど」
ほむら「……やっぱり、私はもう、手遅れなのかしら……」
さやか「バカ! 弱気になるなよ!!」
杏子「今更あきらめるなんて言うなよ? それはマミやさやかに対する侮辱だ」
ほむら「ごめんなさい……」
マミ「まだ諦めるには早いわ。これからはもっと強力な治癒魔法を使いましょう」
さやか「これまでは胸のあたりに魔法をかけていたけど、今度は全身くまなくかけるのはどうかな」
杏子「それがいいかもしれないな。ひょっとしたら病気の原因が胸以外にあるのかもしれないし」
まどか「わたしはあんまり力になれないけど……一緒にがんばろう、ほむらちゃん」
ほむら「みんな……ありがとう……」グスッ
さやか「うん? なんだよほむら、泣いてんのかー?」
ほむら「な、泣いてなんかないわよ……」
ほむら(本当に、みんな優しくて……)
ほむら(みんな私のために良くしてくれて……)
ほむら(私は幸せ者だ)
ほむら(私は、確かな友情というものを感じていた)
ほむら(……でも、それでも、友情の力だけでは解決できないこともあるのだと)
ほむら(改めて思い知らされていくことになる)
中沢「な、なあ? 最近暁美さんメッチャエロくなってね?」ヒソヒソ
恭介「ああ、ヤバいよなアレ。胸とかプルんプルんだし……」ヒソヒソ
中沢「俺はあの尻がたまんないね。ムッチムチでほんとエロの塊だよ」
恭介「いや、僕はあの太もものほうが好きだね。ほどよい肉づき、すべすべの肌……」
中沢「くぅー! どっちでもいい! 挟まりたい!」
女子A「ねえねえ、最近暁美さんヤバくない?」ヒソヒソ
女子B「だよねー、最初はパッドか何か入れてるのかと思ったけど」ヒソヒソ
女子C「着替えの時みたけど、アレまじもんだよね」
女子A「いや、シリコンかもよ?」
女子B「でも尻とかフトモモとかもムチムチで凄いことになってんじゃん」
女子C「……なにか秘密があるなら知りたいね」
◇ほむらの家
まどか「……ほむらちゃん、今日も学校はお休み?」
ほむら「……もう行きたくないの。だって皆……」
ほむら「みんな私のことを好奇の目で見るんだもの」
ほむら「みんなきっと、私の病のことに気がついてるんでしょうね……」
ほむら「私がもう、永くないってことにも……」
まどか「ほむらちゃん……」
まどか「だ、大丈夫だよ……きっと良くなるよ……」
ほむら「…………」
まどか「いつか、きっと……」
QB「その言葉に説得力がないことは、自分でも良く分かっているんだろう?」
まどか「!!」
ほむら「キュゥべえ!!」
ほむら「お前、何をしにきたの!」
QB「ほむらはもう助からない。自分でもそう思っているのだろう、まどか?」
まどか「そ、そんなこと……」
QB「でも君なら、君の願いさえあればほむらは助けられるんだ」
QB「君が契約して、その願いでほむらを助ければいいんだよ」
QB「ねえまどか、僕と契約して魔法少女になってよ!」
まどか「……!」
ほむら「だめよまどか! そいつの言葉に耳を貸しちゃだめ!」
まどか「でも……私が魔法少女になればほむらちゃんが助かるっていうなら……」
ほむら「お願い! それだけはやめて!」
ほむら「私がなんとかするから……この病は、自分でなんとかするから!」
まどか「ほむらちゃん……うん、わかったよ……」
まどか「ごめんねキュゥべえ、今はまだ、契約しないでおくよ」
QB「……その気になったらいつでも言ってくれていいからね、まどか」
ほむら(『今はまだ』……)
ほむら(まどかはそう言った)
ほむら(このままではいつか、優しいまどかのことだから……)
ほむら(私のために契約してしまうに違いない……)
ほむら(…………)
ほむら(……こうなったら……)
杏子「え? 幻惑魔法を教えて欲しい?」
ほむら「ええ。お願いできるかしら」
杏子「ほむら、お前……まさか!?」
ほむら「……わかってるわ、こんなの皆に対する裏切りだって」
ほむら「でも、私はもうどうなってもいい。それよりも私はまどかのためにこの命を使いたいの」
杏子「ばかやろう! くそ、お前ってやつは……」
杏子「でも……ちっ、そこまで決意しているやつを止めるわけにもいかねーか……」
ほむら「……ごめんなさい」
杏子「いいよ、教えてやる。アタシの幻惑魔法をね」
……3日後。
さやか「いやー良かった良かった! ほむらの病気が治って!」
マミ「胸も縮んで、体つきも元のスマートな体系になった……」
マミ「身体はすっかり元通りね、本当によかった……!」
まどか「ぐすっ……よかった、よかったよぉ……ほむらちゃんっ……」
ほむら「泣かないでまどか……こうして私は元気になったんだし、笑って頂戴?」
まどか「うん……うん……!」
ほむら「みんなありがとう。みんなのおかげですっかり病気は治ったみたい」
さやか「そうそう、感謝したまえよー? あはは♪」
マミ「まあ、美樹さんたら……うふふ」
まどか「これでもう大丈夫なんだね! これからもずっと一緒に居られるんだよね!」
ほむら「……もちろんよ、まどか」
杏子「…………」
さやか「ん? どうしたの杏子」
杏子「あ、いや、なんでもないよ」
ほむら「……佐倉さんも、ありがとうね」
杏子「ああ……別にアタシは『何もしてない』けどね」
ほむら「そんなことないわ。本当にありがとう」
ほむら(……みんなが笑顔を浮かべる中、佐倉さんだけは複雑な表情を見せていた)
ほむら(当然だ。彼女だけは知っているのだから……)
ほむら(私の病が治ってなどいないことを)
ほむら(私は、幻惑魔法で身体を元通りになったかのように見せているだけに過ぎない)
ほむら(みんなを……私を思ってくれているみんなを、欺いているのだ)
ほむら(これは裏切りと呼べる行為だろう、と自分でも思う)
ほむら(今でも病は私の身体を蝕み続けている……)
ほむら(幻惑魔法で分からないだけで、私の胸は大きくなる一方だ)
ほむら(きっと私は、永くないだろう)
ほむら(でも、後悔なんて、ない)
ほむら(私は、まどかの笑顔を守るために、皆を欺き続けよう)
ほむら(それが、わたしの生き方なのだから)
まどか「そうだ! ほむらちゃんのお祝いに、みんなでどこか遊びにいこうよ!」
さやか「おっ、いいねー!」
マミ「ふふ、言い考えね。私は賛成よ」
杏子「あ、ああ……アタシも良いと思うよ」
まどか「ねっ、いいよねほむらちゃん!」
ほむら「……ええ、そうね」
ほむら「思いっきり楽しみましょう、この尊い人生を」
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ほむら「そういうわけで私はみんなからは貧乳に見えるの」
ほむら「眼鏡をかけていたころの私のほうが胸が大きく見えるのはそういうわけなのよ」
ほむら「あと、ときどき写真によっては胸が膨らんでるように見えたりするけどそれは魔法をミスったからなの」
ほむら「決して胸に何か入れたりとかしてるわけじゃないのよ」
ほむら「ちなみにこれは自分で選んだ道だから哀れんでもらう必要もないのよ」
ほむら「ええ、ええ、全然平気よ」
まどか「ほむらちゃん……(´;ω;`)」
おしまい。
このSSまとめへのコメント
ほむぅ…