まどか「恐竜戦隊ジュウレンジャー?」(426)

――???


鹿目まどかは走っていた。

ただひたすらに出口を探し走り回っていた。
先の見えないほど長い道を走り、1つの扉を発見する


その扉を開くと、声が出なくなる。

彼女の目に飛び込んできたのは、黒い雲に覆われた崩壊した世界。

ビルは崩れ、瓦礫は宙を舞い、その中心で、巨大な歯車を持った悪魔と称するに相応しい「それ」が笑っていた。
対峙するとは一人の少女。


まどか「酷い……あの子一人じゃ無理だよ!!」


「仕方がないよ。彼女1人には荷が重すぎたんだ」


いつの間にか、まどかの隣には白い奇妙な生物がいた。この悲惨な状況を見ても顔色一つ変えずに話し続ける。

「でも彼女も覚悟の上だろう」

まどか「……そんな、こんなのってないよ。あんまりだよ!!」

「でも、君なら運命を変えられる。避けようもない滅びも、嘆きも、すべて君が覆せばいい。そのための力が君には備わってるんだから」

まどか「……本当なの? 私なんかでもこの結末を変えられるの?」


「勿論さ。だから僕と契約して、魔法少女に」




                    ―待てぇ!!―




白い生物の提案を遮り、背後から聞こえてくる力強い声。

まどか「え……? 五色の光?」

後ろを振り返ると、光が彼等を照らしていた。


逆光で顔は確認できないが赤、黒、青、黄、桃色の5人の戦士。
更に、その背後には巨大なロボ。


「決着をつけるぞ!!行くぞ、大獣神!!」


5人は「それ」へと向かっていく。大獣神と呼ばれるロボが稲妻のように輝く剣を「それ」へと振り下ろすと、辺りが光に包まれる。


まどか「キャアッ!?」


光はまどかをも飲み込んだ。


そこで、まどかは目を覚ました。


まどか「ん……。はぁう……夢落ち」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1372070040

題名通りの恐竜戦隊ジュウレンジャーと、まどマギのクロスSSです。
世間ではブレイブな奴らが活躍中ですが、まぁ、ジュウレンジャーでやっていきたいと思います。

地の文は酷いと思いますが、プロローグ以降はあまり使いませんので、許してください。
一応書きだめありですが、ゆっくりやっていきたいと思います。

         一億数千万年の恐竜時代から、今よみがえった5人の戦士達


              恐竜戦隊 ジュウレンジャー


仲間の犠牲を払いながらも、大悪魔大サタンを滅ぼし、魔女バンドーラを封印し、恐竜の卵を守り抜いた恐竜戦隊ジュウレンジャー。
恐竜の未来を子ども達に託した5人の戦士達は、その使命を終えて守護獣の待つ天界へと帰ったのであった。


――天界

ボーイ「大変だぁ!! 大変だぁ!!」

黄色い衣装を纏ったタイガーレンジャーである少年・ダイム族のボーイ。

ダン「何だよ。騒がしいな……」

睡眠をとっていた、トリケラレンジャー・エトフ属のナイトのダンが目を覚ます。

ボーイ「ダン、起きろよ!! 大変なんだよ!! 守護獣達が俺達をまた地上に行けって言うんだよ。だから集まれって!!」

ダン「また地上に!? なんでだよ、まさかもうバンドーラが戻ってきたのかよ。冗談じゃねえよ!! こんなに早くなんて」

ボーイ「取り敢えず、速く!!」

――神殿


ダンとボーイが辿り着いた時に既にほかのメンバーが集まっていた。

メイ「もう。遅かったじゃないのぉ、2人ともぉ」

リシヤ属のプリンスである少女、プテラレンジャー・メイ。

ゴウシ「随分と気が緩んでたようだなぁ」

メンバー内で最年長であるシャーマ族のナイト、マンモスレンジャー・ゴウシ。


ボーイ「だって、僕はダンを呼びに行ってたんだぜ。遅れたなんて酷いよ」

ダン「ちょっと、俺のせいにするなよ。……それで、急に地上に行けなんて何があったんだよ?」

ゴウシ「うーん。実をいうと、俺達もわからないんだ」

メイ「私たちも、ただ集まっただけだから……」


ゲキ「全員、集まったようだな」


奥から赤の衣装を身に纏った男が現れる。
この男こそジュウレンジャーのリーダーでありヤマト族のプリンス、ティラノレンジャー・ゲキ。

ゴウシ「ゲキ、何故また地上に?」

ボーイ「もしかして、バンドーラが!?」

ゲキ「う、うわ、待ってくれ。俺もまだ詳しくは知らされていないんだ」


『それについては、私達から説明しよう!!』


ダン「この声は……守護獣!?」



赤い装甲と鋭い爪をもつ、ヤマト族の守護獣ティラノザウルス。

黒の巨大な体格に凛々しく生える牙に雄叫びと同時に上下に揺れる鼻、シャーマ族の守護獣ジュウマンモス。

青い体に、頭部に輝く角を持つ、エトフ属の守護獣トリケラトプス。

黄色い身軽な体に、口元には岩をも噛み砕く一対の鋭い牙を生やす、ダイム族の守護獣サーベルタイガー。

巨大な翼と嘴をもつ、リシヤ属の守護獣プテラノドン。

ティラノザウルスと同様にヤマト族の守護獣であり、死すら恐れずに戦った誇り高き戦士の相棒である、守護獣ドラゴンシーザー。

どの守護獣をも圧倒する巨体の持ち主。長い首と要塞のような体が特徴の獣騎神、キングブラキオン。

守護獣『よく集まった。ジュウレンジャーよ』

ゲキ「守護獣達よ。何故、俺達を再び地上へと向かわせようとしているのか。教えてくれ!!」

メイ「そうよ!! 戦いは終わったはずよ!!」

守護獣『確かにこの世界での戦いは終わった。だからこそ、お前たちに向かってもらうのは別の世界の地上だ』

ダン「別の世界だって? そんなのあるのかよ!?」

ボーイ「そうだよ。僕、聞いたことないよ」

ゴウシ「いや、多次元説。前に神殿の書庫で読んだことがある。似たような地球が幾つもあり、お互いに干渉しないように成り立っているが、神殿の何処かに別世界へとつながる場所がある……と。まさか、本当にあるんですか?」

ティラノザウルス『左様。別世界は確かに存在する。そして向かう術もある』

メイ「あるのはわかったけど。どうして私たちがその地球へと向かう必要があるの? それに、別世界になんてそんな簡単に行っちゃダメなんじゃないかしら?」

守護獣『確かに、その通りだ。しかし、今回は例外中の例外。その世界で大サタンが生きている事が判明したのだ』

ダン「な、なんだって!?大サタンは俺たちが倒したはずだろ!?」


守護獣『私達も確かに大サタンは完全に滅びたと思っていた。しかし、あの最後の一撃で、奴の強大なエネルギーと私達のエネルギーがぶつかり合い開かない筈の次元の壁が開いてしまい、奴はそこから逃げ出した』

ゲキ「つまり、あくまでこの世界から完全に消滅しただけで、大サタンはまだ生きている」

ゲキの問いに守護獣ティラノザウルスは大きく頷く。


ティラノザウルス『今はまだ小さな悪意だ。だが、向こうの世界で人間の悪意をを吸収して復活するのは時間の問題。そこでジュウレンジャーに向かってもらいたいのだ。行ってくれるか?』


守護獣から告げられた衝撃的な事実。バンドーラよりも恐ろしく、幾人のもの人々を苦しめ、ジュウレンジャーさえも敗北へと追いつめた大サタンが生きている。


ゲキ「皆。答えはもう決まってるな」

「「「「おう!!」」」」


覚悟は既に出来ている。別世界だろうが、人々を守るためなら戦い続ける事が出来る。
恐怖さえも、5人の絆で乗り越えられる。


守護獣『ならば行くのだ、恐竜戦隊ジュウレンジャー。地下神殿で不思議仙人バーザが待っている。今こそ新たな戦いの時なのだ』


守護獣の後押しを受けゲキは、ゴウシは、ダンは、ボーイは、メイは、守護獣に背を向け、腰のベルトに装着されたバックルへと手をかける。



―ダイノバックラー!!-



バックルを上下回転させると、5人は五色の戦士へと姿を変えた

――見滝原市


ダン「うわぁ、すっげぇなぁ」

メイ「本当ね。私たちが戦っていた場所は建物ばっかりだったもの。それに比べて、なんだか綺麗」

ボーイ「ねぇねぇ、見てよ。あの人が持ってるあの小さな箱って何かな?」

ゴウシ「あの一室が別世界の入り口だったなんてなぁ。驚いたな、ゲキ」

ゲキ「あぁ。しかし、こんな美しい場所にまで大サタンの魔の手が伸びているなんて」


地下神殿の一室から別世界である、この地上に辿り着いたゲキ達。

現在は、朝の通勤時間帯であり、彼らの目の前を会社に通う人、学校に通う人など、多種多様な人々が通る。


ゲキ「よし。皆、手分けして探そう。何か見付かったら直ぐに知らせるんだ」

 その言葉に対して4人は頷く。



マミ「私が住んでるマンションから出てきた人達だったたけど、何かしらあの人達? 不思議な衣装だったけど、劇団の人たちかしら?」



近くで見ていた金髪の少女が不思議そうに呟いた。


取り敢えず、ここまでです。
次は、夜か明日になると思います。

レンジャーキーが揃ったテンションで書いているの馬鹿なので、温かい目で見守ってください。

今ニコニコでやってるんだっけ?

何気にジュウレンジャーの反応が良くてビックリ!?

ジュウレンジャーの人気を改めて実感しました。
兎に角、続きを書いていきたいと思います。

>>14の方が言う通り、ニコニコでジュウレンジャーも放映しているので、気が向いたらどうぞ。
ただ、無料公開日数が少なすぎる気が……。

最初に言いますが、さやかファンとマミファンの方はすみません。


――見滝原中学校


先生「みなさん!! プテラノドンやマンモス、サーベルタイガーはティラノザウルスやトリケラトプスと同じ恐竜に入りますか? 入りませんか? はい、中沢君!!」

中沢「え?えぇ……と、細かいことはいいんじゃ……」

先生「その通り細かいことはよろしい!! 例え哺乳類や翼竜だとしても、大人の事情で恐竜だと言ったら恐竜なのです!! 皆さんも大人の事情には突っ込まないように!!

中沢「あ……はい」


先生「それでは、今日は皆さんに転校生を紹介します」

さやか「そっちが後まわしかよ」


名前を呼ぶ声が聞こえ転校生にが入ってくる。


まどか「……え?」

ほむら「暁美ほむらです。よろしくお願いします」



さやか「なんか、あの転校生、めっちゃまどかを睨んでるけど……なにかしたの?」ヒソヒソ

まどか「うえっ!? 何もしてないよ」



先生「こら、鹿目さん。静かにしなさい!!」





その一日、ほむらはクラスの人気者となっていた。
他クラスの生徒たちも季節外れの転校生とそのクールで美しい姿に興味津々となり、わざわざ教室まで見に来るほどであった。
しかも、数学や英語の授業では教師真っ青の完璧な答えをし、体育では県大会を更新する程の動きを見せた。

――放課後・ショッピングモール


さやか「はぁぁぁぁ!!家族を大切にしろ? 転校生にそんなこと言われたの?」

まどか「あ……うん。なんだかわけ分からないけど、自分を変えようと思うな……って」

さやか「才色兼備に文武両道と思いきや実はサイコな電波さん。くぅ~どこまでキャラ付すれば気が済むんだぁ!! 実にけしからん!!」

まどか「ハハハハ……」


さやか「そもそもさ、先生はいつ転校生にまどかが保健委員だって教えたんだろ? 別に連れて行く人なんて誰でもよくない?」

仁美「うーん。和子先生はあれでもマメな人ですし。……病弱と知っていたから、朝のうちに教えたのではないでしょうか?」

さやか「病弱って……。体育の時の動きを見る限り、そうは見えないんだけどね」

仁美「まぁ、そうですが……。ところで、まどかさん。本当に暁美さんとは初対面ですの?」

まどか「う~ん、常識的にはそうなんだけど」

さやか「なにそれ、非常識なところではあるの?」

まどか「夢の中で会ったような……気が」

さやか「はははははっは!! まどかにも変なキャラがたったぁ!!」

まどか「酷い。私真剣に悩んでるのに。それにさ、その夢で変な人達も出てきたんだよね……」

仁美「変な人?」

まどか「う~ん。赤とか黄色とか……そんな感じのスーツを着た人達がいたような?」

さやか「本当に何それ? そんなのいたら変人だよ」

まどか「……とにかく変な夢だったな(ロボットの事は黙ってた方がいいよね……なんとなく)」



仁美「もしかしたら、暁美さんと本当は会ったことがあるのかもしれませんわ。
まどかさん自身は覚えていないつもりでも深層心理では彼女の印象が残っていて、それが夢に出てきたのかもしれません」

まどか「それ出来すぎてない? しかも、例の赤とかのスーツの人はどう説明すんのさ?」

仁美「まぁ、あくまで推測ですから……。あらもうこんな時間、ごめんなさい。お先にも失礼しますわ」

さやか「また稽古。今日は何? ピアノ? 日本舞踊?」

仁美「お茶のお稽古ですの。もうすぐ受験だというのにいつまでやらされるのか」

まどか「それじゃあ、私たちも行こうか」

それに賛同し、トレイを片す仁美に続くように立ち上がる。
すると、さやかは身を乗り出し向かいの席に座るまどかへとそっと耳打ちをする。

さやか「まどか。帰りにCD屋よってもいい?」

まどか「いいよ。また上条君の?」

さやか「へへ、まぁね」

恥ずかしそうにさやかは頷いた。

ファーストフード店を後にして、仁美に別れを告げると2人はCD屋へと向かっていく。

さやか「それでさぁ。先生はさぁ、前の彼氏に『女は家に帰って洗濯でもしてろ』って言われて別れたらしいんだよねぇ」

まどか「ウェヒヒヒ。うちのママも『女を馬鹿にしたら承知しないよ』って言いそうな言葉だね」


「あぁ、ちょっと!! ごめん、どいて!!」


前から黄色の民族衣装の様な物を纏った少年が走ってきていた。
後ろを向いているまどかは男に気づいていない。

さやか「まどか。危ない!!」グイッ

まどか「え、さやかちゃん?」

咄嗟にさやかがまどかを引っ張り衝突は避ける。
少年はそれに気づき立ち止まると、まどかに近づいてくる。

ボーイ「ごめんよぉ。走り出したら止まらなくて……怪我はない?」

まどか「大丈夫です……。わたしこそ前を見ていなかっ」
さやか「ちょっと、気を付けてよ。危ないじゃん!!」

大丈夫ですと手を振ろうとするまどかの前にさやかが出る。

ボーイ「本当にごめん!! 僕、ちょっと急いでてさぁ」

さやか「だいたいさぁ、普通ショッピングモールで走り回るとかする? 見たところあたし達と変わらない年齢っぽいけど、他の人達の迷惑になること位わかるよね?」

ボーイ「いや……それはそうだけど……。こっちにだって事情が」

さやか「事情? そんな幼稚な行為をするのに事情があるわけ?」

まどか「さ、さやかちゃん。もういいよ……」

友達の為ならどんな物事に動じずにはっきりと言えるのはいいことだが……。
さすがに少し言い過ぎである。


さやか「……まぁ、まどかにも怪我が無かったらいいけど、次からは気を付けてよね。行こうまどか」

まどかの手を引っ張り、CDショップへと向かっていく。
引っ張られながらもまどかは申し訳なさそうにボーイに頭を下げた。


ボーイ「はぁ……。どこの世界でも女は怖いなぁ。大サタンよりも怖いんじゃないのか?」


ボーイ「そういえば、さっきもぶつかりそうになったよな。あの時にやめとけばよかったよ……。でもあの黒髪の子……確かに、あの時もぶつかったと思ったんだけど……
気のせいだったのかな?」

ボーイ(ぶつかった、って思ったら目の前からいなくなってたし、何だか時計の音が聞こえたような気もするんだけどな……何だったんだろう?)

――CDショップ。


クラシックのCDを慎重に選ぶさやか。
特に用がないまどかは適当にCDの試聴をする。

『ミズヒクンダウンガー
オコメツロウ ターンボ
イシヲブッツケテ ファーイヤー
ゴハンデキタラ バーンザイ
ナガレボシダゾ ハーレ
イッテミタイナ ギーンガ
ユウキガレーバナンデモデキルー』

まどか「ウェヒヒヒ。やっぱりいい歌だよね。特に地球が丸くて青いところのあたりなんて、本当にラッパピーヤだね。でも、何でこんな古いCDが試聴できるんだろう?」


『助けて……』


まどか「え!?」


『助けて……まどかぁ。……僕を助けてぇ』


まどか「今のは……? わたしを呼んでるの?助けってて……」



ボーイ「何だろう? この声……テレパシー? 取り敢えず、行ってみよう」

ショッピングモールを走り回っていたボーイも、もまどかと同じように声の方向へと走り出した。

――立ち入り禁止の場所


『助けて……』

まどか「どこなの?」


一歩踏み出すと天井の壁が外れ、中から傷だらけの白い猫のような生物が出てくる。


まどか「あなたなの?」

「た……すけて」


ほむら「そいつから離れて」


まどか「ほむら……ちゃん?」

ほむら「もう一度言うわ。そいつから離れて」


冷たく突き刺すような視線を向けもう一度、言い放つ。


まどか「ほむらちゃんがやったの?」

ほむら「あなたには関係ないわ」

まどか「駄目だよ、だってこの子は怪我してる。乱暴なことしないで!!」

まどかの言葉には答えず、ほむらはまどかの腕に抱かれる白い生物を睨む。

ほむら「そう。あなたが呼んだのね。相変わらず姑息の手を使うのね」

まどか「姑息の手って……そんな言い方ないよ!!」

相変わらず、まどかの問いには答えず一歩一歩近づいていく。
恐怖で動けなくなるまどか。ほむらの手がまどかの手に触れようとした瞬間。



プシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ



さやか「まどか!! こっち!!」

通路に置かれていた消火器をほむらへと向かって発射するさやか。
一瞬ほむらの視界が完全に遮られる。
その隙にまどかの手を引っ張り、空になった消火器をほむらへと投げる。


さやか「なんだよあいつ。今度はコスプレで通り魔かよ!!……ていうか、何それ? 恐竜……には見えないか」

まどか「わからない。でも傷ついてる」

さやか「そう……ていうか、ここどこ? 私達いつの間にこんな場所に?」

走るのに夢中になっていて気が付かなかったが、自分たちが今いる場所は先程とは全く違う。
今いる場所は先程とはまた違った意味で重苦しい暗闇。
洋風な建物が聳え立っているが、その何処からも人の気配は感じられず、頭上の巨大な歯車が恐怖を誘う。

さやか「なにこれ? あたし、悪い夢でも見てるんだよね!! ねぇ、まどか!!」

まどか「わからない……わからないよ……」

信じたくはない。実は夢でしたと思いたい。
震えが止まらず、身を寄せ合う様に2人は抱き合うような形になる。


使い魔A『はghjはgんmしゃsgんhg』

使い魔B『tがsjyわhsmjはsんjs』


2人を囲むように集まる、この世界を支配する魔女の使い魔達。
園芸鋏で2人へと襲い掛かろうとしていた。







ボーイ「やめろおおおおおぉっ!!」









怪物達を飛び越えてまどかとさやかの前に立つ少年が一人。

まどか「あ、あの人って……」

さやか「あんたは、さっきまどかとぶつかった奴!!」

2人を助けに来たのはボーイであった。
ボーイは腰から一組のダガーを取り出す。

ボーイ「僕がこいつらを何とかするから、早く逃げて!!」

さやか「逃げろって……あんたはどうすんの!?」

ボーイ「僕は大丈夫だから!! 早く!!」

まどか「だ、駄目だよ。逃げるなら、みんなで逃げないと……」

ボーイ「そんなこと言いから、はや」

使い魔「キシャヤヤヤ!!」

ボーイが後ろを振り向いて、逃げる様に促した瞬間。
使い魔がボーイへと襲い掛かる。

ボーイ「うわっ!!」


ガチャァン


ギリギリで避けたが、鋏は腰のダイノバックラーに当たり、ダイノバックラーがからメダルが外れてしまう。

ボーイ「あっ、メダルが……」

使い魔の方へと転がっていき、メダルを取り返せる手段はない。

ボーイ「こうなったら。変身しないで戦うしかないか……」

使い魔A「キシャヤヤアァァァァ!!」

ボーイ「タァッ!!」

使い魔B「キシャヤヤ!!」

使い魔C「キシャァァア!!」

ボーイ「トアッ!! くそっ、倒しても倒しても限が無い」

向かってくる使い魔を次々と倒していくが、幾ら倒してもまた湧いてくるため限が無い。


使い魔「キシャァァァァ!!」


さやか「きゃぁぁぁぁ!!」

まどか「さやかちゃん!!」

ボーイ「しまった!? 後ろから!!」

使い魔は背後からさやかとまどかへと襲い掛かる。
強がっていても、普通の少女である2人に使い魔をどうにかできる手段はない。




「プテラアロー!!」



使い魔「アグァァァ……アァ」

2人へと襲い掛かった使い魔に矢が突き刺さり、消滅していく。


ゲキ「大丈夫か、ボーイ」

ボーイ「みんな!!」

駆けつける4人の仲間達。

さやか「うわ……また、凄い服来た人たちが増えた……」


ダン「ほら、メダルだ」

ボーイ「ありがとう」

落ちていたメダルをボーイへと渡す。

ダン「うわっ!? 何なんだこいつ等?」

ゴウシ「わからないが……嫌な気配を感じる」

メイ「それじゃあ。サタンの?」

ボーイ「話は後、後!! 折り合えず、先ずはこいつ等を倒さないと」

ゲキ「ボーイの言う通りだ!! みんな、変身だ!!」

5人はダイノバックラーを構える。


「「「「「ダイノ……」」」」」





「皆、伏せて!!」





ドゴオオオオオオオオオオオオオオォォォン!!






ボーイ「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

さやか・まどか「キャァァァァァ!!」



突然、周囲が爆発し使い魔を吹き飛ばす。

ゲキ「皆、無事か?」

ダン「大丈夫だけど、何だよ、今の爆発!!使い魔は倒したけど。こっちまで巻き込まれそうになるんて、冗談じゃねえぜ!!」

ゴウシ「見ろ。景色が戻っていくぞ……」


魔女の空間が消滅し、元いた場所へと戻る。




「危ないところだったわね」




突如現れる少女。


「そこの女の子2人は私と同じ見滝原中の生徒ね。大丈夫かしら?」

まどか「え……あ、はい。大丈夫です」

さやか「えぇと、その恰好って……あいつ等の仲間なんですか?」

ダン「あいつ等!? 助けてやったのにその言い方かよ!!」


マミ「あら? 貴方達は今朝の……」

ボーイ「今朝? 僕たちこの人と会ったけ?」

「マミ……」

マミ「大丈夫、キュウべぇ? 傷はすぐに治してあげるから。でもその前に……」

マミの視線の先から現れたのはほむらだった。

ボーイ「あぁ!! あの時の!!」

まどか「……ほむらちゃん」


マミ「何の用かしら? 魔女ならもう逃げたわ。仕留めたいなら直ぐに追いかけなさい。今回はあなたに譲ってあげる」

ボーイ「魔女!? バンドーラがいるのか!?」

さやか「いや、バンドーラって誰よ」


ほむら「別にどうでもいいわ、魔女なんて。それよりも……」

マミ「呑み込みが悪いのね。見逃してあげるって言ってるの。お互い余計なトラブルとは無縁でいたいと思わない」

ほむら「話しても無駄って事ね……」


ゲキ「ちょっと待ってくれ!! 君は今、何を言いかけたんだ? 何か知っているじゃないのか?」


去っていこうとするほむらを、ゲキが呼び止める。


ほむら「私が何を言っても無駄な事はわかってる。そこにいる巴マミに聞くといいわ。それじゃあ」


ゲキ「待っ……、行ってしまった」

メイ「何だったのかしら? あの子……」

まどか「あ、あの助けてくれてありがとうございます。あなた達は……」

ボーイ「あぁ、僕たちは」
マミ「私は巴マミ。あなた達と同じ見滝原中の三年生。そしてキュウべぇと契約した魔法少女よ」

ボーイを遮ってマミが自己紹介をする。


まどか「魔法……少女?」

さやか「え、何それ? じゃあ、こっちの人達も……魔法使い?」

マミ「いいえ、違うわ。それよりも、キュウべぇをちょと貸してちょうだい」

QBの体に優しく腕をおくと、その傷が見る見るうちに治っていく。

ダン「すげぇ、傷が治っていく」

メイ「うそぉ……」

マミ「はい、お終い。これでいいわ」

QB「ありがとう、マミ」

ボーイ「喋った!?」


ボーイ「ねぇ……君って本当に」



カチャッ




マミ「動かないで!!」


ゲキ達5人へと、マミはマスケット銃を向けた。

ダン「ちょ、何する気だよ!?」

マミ「……キュウべぇ。彼等は何者なの?」

QB「さぁ、僕にもわからないね。少なくとも魔法少女じゃない。けれども結界に入ってきた。僕はあの魔法少女と同じくらい怪しいと思うね」

マミ「……そう」


まどか「ま、待ってください。この人達はわたしたちを助けて……」

さやか「でも、確かに怪しい奴かも……。服装とかも怪しいし……」

まどか「そ……そうだけど、でも……」


ボーイ「助けたのに、そりゃ……ないよ……」


マミ「悪いけど、貴方たちも今すぐここから立ち去ってもらおうかしら」

ゴウシ「待ってくれ、俺達は別に怪しい奴じゃ」

マミ「怪しい奴じゃない? その恰好のあなた達を信じろとでも? それに、弓とか剣とか銃刀法違反よね?」

メイ「こ、これは……」

ダン「冗談じゃねぇぜ。銃刀法違反……って俺達はこの子たちを助けに」


マミ「口では何とも言えるわ。それに噂になってたわよ。怪しい人たちがうろついてるって。あなた達のことよね? 悪いけど、そんな人たちに教える事なんて何一つないわ」

ボーイ「そんな言い方ってないだろう。僕たちにだって知る権利くらいはあるだろう」

マミ「何度も言わせないで。早くここから立ち去りなさい!!」

げき「ボーイ、ここは彼女の言う通りにしよう」

ボーイ「で、でも」

ゴウシ「いやゲキの言う通りだ。このままじゃ埒が明かない。一回退いたほうがいい」

ボーイ「んん……」

マミ「あら? そっちの人たちは利口じゃない」


ゲキ「邪魔してすまない。ただ、これだけは信じてくれ、俺達は君の味方だ」

マミ「これは私たちの問題よ、部外者は黙ってて頂戴」


ゲキ達に引っ張られボーイは渋々去っていく。
それを確認すると、マミはマスケット銃を下ろす。

さやか「ふわぁ~。緊張した。それにしてもなんだったんでしょうね? 転校生もあの不審者達も」

まどか「不審者って、さやかちゃん、あの人達は私達を助けてくれたんだよ。そりゃあ、変な服だったけど、不審者なんて……」

さやか「でもさ、冷静に考えると巴先輩? マミ先輩?」

マミ「先輩はいいわ。マミでいいわよ」

さやか「それじゃあ、マミさんの言うとおりどう考えても不審者ですよね。武器もなんか古臭かったし。ていうか、そもそも大の大人たちがあんな格好恥ずかしくないの?」

まどか「で、でも……」


マミ「それよりも、あなた達はキュウべぇに選ばれた。私の家で話をしない。あなた達【は】魔法少女のことを知る権利があるわ」






QB(あの魔法少女とは契約した覚えがない。それに、さっきの人たちはなんだったんだ? まどかに送ったはずの声が聞こえ、僕のことも見えていたようだけど……。とにかく、何としてもまどかのことを契約させるために、慎重に動いたほうがよさそうだね)









ほむら(巴マミは相変わらず。それにしても、今までの時間軸では、あんな人達はいなかった。あの人たちは何者なの? いいえ、そんなことはこの際どうでもいいわ。私の目的はただ一つまどかを救うこと。それ以外のことは取るに値しない)


て、ことで寝ます。
マミファンの人たちすみません。自分には先輩風吹かす感じが解らずこんなキャラになってしまいました。

最後に、アキバレンジャーの実質最終回酷いな(良い意味で)wwww

正直違和感バリバリだが
>>1がそう解釈したのならこのSSではそういう性格ということで押し通せ

>>マミ「怪しい奴じゃない? その恰好のあなた達を信じろとでも? それに、弓とか剣とか銃刀法違反よね?」
マスケット銃持ってる奴に言われたく無いよな。

>>36
衣装も人のこと言えないよね

ジュウレンジャーとか個人的にタイムリーなんで期待してる!

ボウケンジャーとのクロス書こうかな、とかぼんやり思ってたら戦隊クロスの先人が……
続き待ってます

どうも、夜分遅くにやってきました。

色々と反応があるようですが、取り敢えず>>33の方が言う通り「このSSでのマミはそういう設定」にしたいと思います。
あくまで、幾多の時間軸の1つということなので、性格が若干違うのもそういうことにしてください。
それがダメな方は、閉じることをお勧めします。

>>36
>>37
衣装とかに関しては、実際ジュウレンジャーの衣装って街歩いても目立ちますよね。
あくまで、マミさん目線から見て怪しいということにしてください。
銃刀法違反も、マミさんのは魔法なので……ってことで。

>>39
キョウリュウジャーの影響もあって結構タイムリーな作品ですよね。
アキバレにも登場してSHFにもなりましたし。

>>40
いや、そっちも書いてください。
こちらよりも面白い作品になるのは確実ですので。

それでは、投下していきます。

ついでに、この話の時間設定は最終回後すぐのレジェンド大戦前となっております。

――マンション

 
マミのマンションに招待された2人は、魔法少女の事について説明を受けていた。


マミ「で、それと引き換えに出来上がるのがソウルジェム。ソウルジェムを手にした者は、魔法少女として戦う使命を負うの」

さやか「あのー、質問です。魔女って何なんですか? 魔法少女とは違うんですか?」

QB「それは、僕が答えるよ。願いから生まれるのが魔法少女だとすれば、魔女は呪いから生まれた存在なんだ。魔法少女が希望を振りまくように、魔女は絶望をまき散らす。しかもその姿は普通の人間に見えないんだから質が悪い」

さやか「あれ? ってことはさっきの人達ってなんだったの? だって、魔女は普通の人間には見えないんだよね」

QB「それが僕にもよくわからないんだ。魔法少女の素質は誰一人としてなかったはずなのに僕のことを認識してた。そもそも、魔法少女じゃなければ結界は開けられないのにも関わらず彼等は結界に入ってきた。まったく、わけがわからないよ」

さやか「……キュウべぇにもわからないことってあるんだ」


意外な発見をする。


マミ「あの人達に関してはキュウべぇの言う通りよ。だから、私はあの人達をあなた達2人から遠ざけたの。もしかして、魔法少女のことを利用しようとする人達かもしれない」

さやか「え!? 魔法少女を利用しようとする人なんているんですか?」

マミ「そうね、例えば、魔法少女の素質を持った手ごろな女の子を見つけて、脅して、無理やり、自分の願いを叶えさせるとか。そんなことだって、ないとも言い切れないわ」

さやか「流石マミさん。そこまで考えてるなんて!!」

QB「まっ、前例はないけどね。ただ、得体の知れないというの確かだ。君達もあまり彼等に近づかない方がいいと思うよ」


まどか「で、でも……わたしはあの人達が悪い人なんて思えないんだけどな……。確かに恰好は変だったけど、一番最初に駆けつけてくれたし……」

さやか「まどか、今の話聞いていた? マミさんやキュウべぇだって素性のわからない奴だよ」

まどか「そうだけど……あのね、上手く言葉に出来ないんだけど、どうしても悪い人達には見えなくて……」

さやか「そんなのそういう風に演じてるだけかもしれないじゃん。それにあの黄色いやつ、あっ、マミさんのことじゃないですよ。そいつなんてまどかにぶつかりそうだった奴じゃん。それだってわざっとだったかもしれないよ」


自分に自信がないのが原因で、上手く言葉に出来ないでいるまどかへとさやかは詰め寄る。


さやか「もしかして、その時から魔法少女になる可能性があったあたし達に目を付けてたかもしれないんだよ。そうじゃないってまどかは言い切れるの!!」

まどか「う……それは……そうだけど。違うとも……」


マミ「鹿目さんは優しいのね」

まどか「優しいとかじゃなくて、あの」

マミ「でもね、敵と決めつけるのは確かに早いかもしれないけれど、警戒をしといて損はないんじゃないかしら? 何が起こるかわからないし、それにあの魔法少女のことだって気になるわ」

さやか「あの魔法少女って転校生のこと?」

マミ「えぇ。彼女に関しても同じ位に警戒が必要ね」

さやか「それってどういう意味なんですか?だって魔法少女同士で、同じ敵を相手にしている正義の味方なんですよね? あれ? そしたら、どうしてキュウべぇを……」

QB「そんなの簡単さ。新しい魔法少女が生まれることを阻止しようとしていたんだね」

さやか「それって、どういうことなの?」

マミ「悲しい事に、魔法少女ってね、そんなに簡単なものじゃないの。仲間同士というよりも、むしろ競争になることの方が多いわ。魔女を倒すとそれなりの見返りを手に入れられるから」

さやか「だから、あいつは最初からまどかが魔法少女の素質があるって知ってて、朝からあんなに絡んできたわけ。魔法少女にさせないために!!」

マミ「多分、そういうことでしょうね」

さやか「でも、そのピンチも、マミさんのおかげで助かったって事ですよね!! 流石マミさん!! 魔法少女の鑑ですよ!!」

マミ「そんな、それは大袈裟よ」

さやか「いやいや、凄いですよ、マミさん!! 正義のために戦ってるなんて!! 憧れちゃうな~」

マミ「こ~ら、これでも戦いは命懸けなのよ。……だからあなた達も慎重に選んでほしい。キュウべぇに選ばれたあなた達はどんな願いでも叶えられるチャンスがあるんだから」


さやか「願いね~。う~ん。悩むなぁ。正直、なんていうか……。まどかは願いとあるの?」

まどか「え!? わたしは……う~ん。わからないかな……」

さやか「だよね……。いざ願いと言われても……」



マミ「そこで提案なんだけど、2人とも私の魔女退治に付き合ってみない?」



まどか・さやか「「え?」」



マミ「魔女との戦いがどういうものか、その目で確かめてみればいいわ。そのうえで危険を冒してまで叶えたい願いがあるのかどうか、じっくり考えてみるべきだと思うの」

※このSSでは、最終回で魔法の力を取り戻した不思議仙人バーザはバンドーラと同じようなことができる設定です。



――地下神殿


ゲキ「成程、それが魔法少女なのか」

バーザ「敵は魔女とはのぉ。こっちでも魔女がいるとは思わんかったわい」


地下神殿に戻ったゲキ達は、魔法使いであるバーザの魔法を使いマミ達の話を聞いていた。
その魔法は、バンドーラガ地球を観察するときに使っていたドのと同じものであった。


ボーイ「バーザの魔法で、あの子達の話を聞けるって言うなら、最初から教えてくれたらよかったのに」

ゴウシ「あそこで話したら、それこそ警戒を強めてしまうだろう。だから、黙っていたんだ」

ダン「まさか、バーザの魔法がこんな所で役立つなんて思わなかったよな。バンドーラとの戦いじゃ、全然使わなかったし」

バーザ「使わなかったんじゃなくて、使えなかったんじゃ。まぁ、バンドーラに勝って、戻ってきた魔法がこんな所で役立つとは思わんかったがな」



メイ「それよりも、バーザは魔法少女や魔女のことを聞いたことがあるの?」

バーザ「いいや、バンドーラ以外の魔女は知らん。ましてや、魔法少女の話なんて聞いたことがないわい」


ダン「そもそもさ、どうして俺達は結界に入れたの? 彼女達の話通りなら魔法少女以外は入れない筈だろ?」

バーザ「それは、守護獣の力が込められたメダルのお蔭じゃろう。恐らく、この世界での不思議な力に反応したんじゃな」

ダン「へぇー。だからあの声が聞こえたのかぁ」


ボーイ以外にも、QBの声は聞こえていた。
それを辿って、あの場所へと辿り着いたのだ。


ゴウシ「しかし、魔女を倒すことで得られる見返りとは何なんだろうか? それを得るために魔女と戦っているということは、余程重要な物なんだろうが」

バーザ「それは、調べてみるしかないじゃろうな」

ダン「でもさぁ、またあいつらに聞きに言ったって、絶対に教えてくれねぇぜ。頼んだところで追い返されそうだし」

ゲキ「確かにその通りだ。正面から行っても絶対に教えてくれない。そこで……ボーイ、彼女達を調べてきてくれないか?」


ボーイ「僕が!? どうしてさぁ。それだったら、僕より同じ女のメイとか、それにバーザが魔法で調べればいいじゃないか」


ゴウシ「いや、確かにボーイが一番適任だろう。年齢も近いし、尾行も得意なはずだ」

メイ「そうよね、ボーイなら身軽だから、彼女たちに何かあっても助けられるものね」

ダン「そうそう。なんたって本物の忍者に認められるほどだしな」

ボーイ「そりゃあ、ばれない自信はあるけど。だからって……」

バーザ「それにじゃ。魔法は確かにあるが、魔女の空間と呼ばれる場所での出来事は探る事が出来ん。ボーイ、お前にしか頼めんのじゃ」

ボーイ「う~ん、わかった。そこまで言われたらやってみるよ。必ず魔法少女の見返りを見つけてくる!!」

ゲキ「よし。頼んだぞ、ボーイ」


魔法少女体験ツアーが決まったと同じ頃、こちらでも魔法少女の動向を探ることが決定した。

――夜・地下神殿


ゴウシ「ゲキ、魔法少女についてどう思う?」

ゲキ「わからない。ただ何か嫌な予感がする。どんな願いでも叶え、その代わりに命懸けで戦う使命を背負わせられる。……本当にそれだけなんだろうか? それに、あの宝石のことも、ただの魔法少女の証には思えなかった」

ゴウシ「俺もだ。……少し神殿の書庫で調べてみようと思う。キュウべぇ……魔法少女……魔女……何かわかるかもしれない。それに、あの黒髪の魔法少女についても探ってみたいと思う。彼女のあの眼は……普通の少女の目じゃなかった」

ゲキ「……頼んだぞ、ゴウシ」

ゴウシ「あぁ」



――同じ頃・マミのマンション


マミ「フンフン~ン」

QB「嬉しそうだね、マミ」

マミ「えぇ、とっても嬉しいわ。だって可愛い後輩が2人も増えるかもしれないんだもの」

QB「そうだね、あの2人なら以前みたいな事にはならないだろう。きっと、君のことをずっと尊敬してくれるよ」

マミ「そうなってくれるように、明日からの魔法少女体験ツアーを頑張らなくちゃね」

QB「でも、何度も言うけど暁美ほむらやあの5人には気を付けた方がいいよ。彼等がイレギュラー中のイレギュラーであることには変わりないからね」

マミ「えぇ、覚えておくわ」

QB「それじゃあ、僕はまどかの所へ行ってくるよ。何かと今日は一緒にいたほうがいいだろうからね」

マミ「そうね。でも魔法少女になるように急かしては駄目よ。それは明日からの魔法少女体験ツアーであの子たち自身が決める事なんだからね」

QB「わかってるよ。それじゃあね、マミ」

マミ「キュウべぇもまた襲われないように気を付けてね」

少ないですが、今日はこのくらいにします。
一応書き溜めはそこそこあるので、特に問題がなければ明日も投稿します。
時間があれば、よろしくお願いします。

追いついた乙
懐かしいな
前に、何者かに破壊されたまど神のソウルジェムの破片をひろった最終回後のバンドーラ一家が
まどかを復活させて家族になるが・・・って話を考えたけどさすがにジュウレンジャー全話見返す
時間が無くてお蔵入りさせてたのを読んでて思い出したわ

どうも>>1です。今回も短いですが、投稿します。

>>47
うわっ!? なんと面白そうな設定!?
こっちのSSより面白いことになりそうな予感が……。
こちらじゃ、バンドーラは出ませんし……。
是非書いてみてはどうでしょうか? 必ず読みますので。


――次の日・まどかの部屋


まどか「昨日の事、夢じゃ……ないんだよね?」

QB「勿論だよ。全部本当の事さ。……君は魔法少女になる素質がある」

まどか「魔法少女……か」




――通学路


まどか「おはよう、さやかちゃん、仁美ちゃん」

QB『やぁ、さやか』


さやか「おはようまどか……ってえぇ!!」

仁美「どうしましたの? さやかさん。急に大声出して?」

まどかの方に乗っているQBに驚きの声を上げたさやかであるが、仁美は不思議そうに首を傾げた。
仁美にはQBの姿は見えていないのであった。

さやか『何これ!? 頭の中に声が聞こえてくる!? もしかして、あたしエスパーに!?』

まどか『違うよ。頭の中で考えるだけで話が出来るみたいだよ』

さやか『本当!?もしかして、もう私達にそんな力が!?』

QB『いやいや、今はまだ僕が中継しているだけだよ。でも内緒話には便利でだろ』

さやか『便利便利!! 魔法少女さま様ですなぁ!! あっ、でも、やっぱり仁美にはキュウべぇは見えてないんだ』

まどか『そうみたいだよ。パパやママにも見えてなかったし』

さやか『仁美には魔法少女の素質はないのか。何だか、ちょっと優越感!!』

まどか『あははは……もう、さやかちゃんったら』


仁美「さやかさんが大声を出したと思ったら、今度は目だけで会話? はっ、まさか二人はもうそんな関係に!?」

さやか「は? 仁美、なんか言った?」


仁美「いけませんわー!! それ、禁断の愛の形ですわっぁぁぁぁぁぁぁ!!」ドップラー


まどか「あっ、仁美ちゃん!!」

さやか「どうしたんだろう? 仁美の奴?」

訳も分からずに、小さくなっていく仁美を見送る2人。


ボーイ「あれ? あの緑の女の子走って行っちゃったけど……いったい何があったんだろう?」

木の陰から彼女達の様子を見ているボーイ。
魔法少女の秘密を探るため、まどか達の後をつけていたのであった。

ボーイ「テレパシーか。なんかすごい便利だよな。はぁ、魔法少女の秘密なんて本当にあるのかな? 何もないような気もするんだけどなー」

ボーイ「それよりも。ふあぁ、朝早くから起きて眠いや……おっと、移動するぞ。後をつけないと……」

慌てて追いかける。
ボーイは気づいていないが、別の場所から同じようにまどか達を見つめる視線が合った。



「……まどか……」

――昼休み・屋上

ボーイ「なんで、あんなに高い場所ばかり行くんだろう? 昼間はずっと外で待機だしさぁ。こっちの事ももっと考えてほしいよ」

文句を言いながら階段を上っていく。

ボーイ「あっ、いたいた。……ここらへんならよく見えるな」

ゆっくりと扉を開けて、屋上の様子を除く。

ボーイ「あれって……昨日の黒髪。それに向こうの建物には金髪の奴が!? 何やってるんだろう?」

内容を聞こうとするが、話は既に終わったらしくほむらがこちらへと向かってくる。

ボーイ「うわわ……やばい。隠れないと。それに、ここまでくるのも不法侵入だし……取り敢えず、窓から逃げよう!!」

階段に備え付けられていた窓を開けて、ボーイは外へと飛び降りる。
普通の人間ならば、大怪我をするだろうが、ボーイは華麗に着地する。


ボーイ「よ、っと。はぁ、また待機か……。あの子達が授業中は暇だなぁ」


ほむら「だったら、諦めればいいんじゃないかしら?」


ボーイ「うわぁぁぁぁ!?」

突然背後に現れたほむらに驚き、ボーイは頭から地面にダイブする。

ボーイ「いつの間に後ろにいたんだよ!?だって、さっきまで……」

ほむら「そんなことどうでもいいわ。……それよりも、もうあの子達には、鹿目まどかには関わらないで」

ボーイ「でも、別に迷惑かけてるわけじゃないし……」

ほむら「迷惑よ。……これは、忠告よ。私の邪魔をするなら、貴方を殺す」

ボーイ「殺、ってそんな言い方は……消えた?」

突如、目の前にいたはずのほむらが消えた。

ボーイ「そんな……。突然消えるなんて……これって……?」

辺りを見回してもほむらはどこにもいない。
昼休み終了を告げるチャイムが学校に響いていた。

――放課後


昨日のショッピングモールから、マミはソウルジェムを使って魔女の気配を探す。
その後を、やはりボーイがつけていた。

ボーイ「ああやって魔女を探すんだ。なんかすごいよなぁ、ドーラモンスターなんて何かしでかすまでわからなかったもんな」



さやか「光、全然変わりませんね」

マミ「取り逃がしてから一晩経っちゃったからね。足跡も随分薄くなってしまったわ」

さやか「あの時……すぐ追っていれば」

マミ「仕留められたかもしれないけど、あなた達を見捨てて優先する事じゃないわ」

まどか「ごめんなさい」

マミ「うふふ、いいのよ」

さやか「う~ん、やっぱりマミさんは正義の味方だ。それに引き換え、あの転校生やあの可笑しな奴ら、本当にむかつくなぁ」

まどか(さやかちゃんはああ言うけど、でも……本当に、悪い人達なのかな……ほむらちゃんも、あの人達も……)



――潰れたビルの前


さやか「マミさん、あれ!!」

さやかが指差す方向には今にもビルから飛び降りようとする女性の姿があった。

女性「死ねば……楽に……なれる。死ねば……楽に……なれる……」

そう呟きながら、ビルから飛び降りた。

ボーイ「あっ、危ない!!」

陰から見ていたボーイが行こうとする。
だが、その前にマミが咄嗟に魔法少女に変身する。

マミ「ハァッ!!」

幾つものリボンがクッションとなり、女性の地面への激突を防ぐ。

マミ「ふぅ。危なかったわ」キャッチ

さやか「おぉ。流石マミさん!!」

まどか「この人は……どうして急に?」

マミ「魔女の仕業ね。でも……もう大丈夫、今は気を失っているだけ」

女性をその場に寝かしつける。

マミ「でも、大本を叩かないといけないわね。……結界の中に入るわよ、絶対に私のそばを離れないでね」

まどか・さやか「「はい」」

女性を寝かして、結界を開いて魔女の空間へと入っていく。


ボーイ「またあそこに行くのか……。ちょっと気が引けるけど、……よぉし!!」

ボーイもマミ達に続いて結界の中へと入っていく。



ほむら「……どうやら、私の忠告は意味がなかったようね。何者なのかしら? あいつは?」

今日は凄い短いですがここまでで。
次投下するときはまとめて投下したいと思いますので、どうかお待ちください。

毎日投稿するのは無理そうですが、完結はさせたいと思いのでよろしくお願いします。

乙っす
次のゲルトさんとの遭遇がどうなるか楽しみだ

>>54
今回はゲルトルート戦となりますが、お菓子の魔女までは殆ど原作と同じ展開です。
変身もまだお預けといったような感じとなります。

補足としてこのSSでの魔法少女たちのキャラ設定

マミ→後輩に格好いいところを見せたい。自尊心が強い。

さやか→原作より、ややマミに対する憧れが強い。

まどか→自分の考えをはっきりと言えない。

ほむら→まどかを魔法少女にさせない。

と、こんな感じになっています。
それを理解したうえで、お読みください。

――魔女の結界


ボーイ「うぉっ!! また!?」

結界に入ったボーイを迎えたのは昨日と同じ大量の使い魔達であった。
使い魔はボーイを見つけると一斉に襲い掛かってくる。

ボーイ「うわっ!? こんなん限が無いって!! それなら……こいつでどうだ!!」

ダイノバックラーを外して、それで跳びかかってくる使い魔を殴りつける。

ボーイ「急がないと」

使い魔を倒し、道が出来たら一気に走っていく。
いちいち使い魔を倒していたら時間がいくらあっても足りない。

ボーイ「扉? なんで、こんな場所に……まぁいいや、兎に角中に入ろう」

ガチャ

最後の扉を開け、ボーイが最深部に辿り着く。


ボーイ「うぅ!?……あれが、魔女? バンドーラと全然違うじゃん、あんなの魔女って言うか、化け物だよ。それに……あの2人は何かに守られてるのかな?」

結界に守られるまどかとさやか。
そして、見るからにグロテスクな薔薇の魔女・ゲルトルートと戦うマミの姿があった。

ボーイ「あの金髪の子……戦ってる!? あんなのとたった一人で!?」

さやか「あ、あんたは昨日の奴!! 何? もしかしてまだ何か企んでるの」

まどか「さ、さやかちゃん。そ、そんな言い方はないと思うよ」

さやか「まどかは黙ってて。残念だけど、あんたらのために使う願いなんてこれっぽっちもないんだから!!」

ボーイ「誰もそんなこと考えちゃいないって!! なんで、そんなこと言うんだよ!!」

さやか「どうだか、だって見るからに怪しいもん、信じろってほうが無理だね」


ボーイ「く……。向こうだと、この格好で何も言われなかったんだけどな……」



マミ「後輩に格好悪いところは見せられないから、一気に決めさせてもらうわよ!!」

無数のマスケット銃を召喚して、薔薇園の魔女・ゲルトルートへと一斉射撃。
だが、ゲルトルートは蝶の羽で空を飛んでそれを避ける。

ゲルトルート『グォォォォォォ……オォォ』

マミ「キャッ!?」

マミの体に蝶が絡み付き、それが長い鞭へと変貌する。
ゲルトルートはマミを叩き付け、逆さ吊りにした。

さやか「マミさん!!」


ボーイ「危ない!!」


身を乗り出して、ボーイはゲルトルートへと跳びかかる。

ボーイ「その子を放せ!!」

ゲルトルート『グゥウゥ……』

ダガーを投げつけゲルトルートに突き刺す。
痛みに体をうねらせ、捕獲していたマミを解放し床に落とした。

ボーイ「大丈夫?」

マミ「邪魔しないで!!」

ボーイ「え?」

マミ「あなたの助けが無くても、私は自分の力でどうにか出来た。余計な邪魔はしないで見てなさい!!未来の後輩に格好悪い姿は見せられないもの!!」

ボーイ「何だよ、昨日から言ってたけどそんな言い方ないだろう!! こっちは助けて」


ゲルトルート『グォォォオオオオ』


口論をしている2人へと、ゲルトルートは襲いかかる。

ボーイ「うわっ!!」

マミ「キャッ!!」


まどか「マミさんが……!!」

さやか「あいつが邪魔しなければ……」


ボーイ「痛たたた……」

マミ「もう、邪魔しないでそこで見てなさい。はぁっ」

ボーイを置いて、マミは跳び上がりリボンを召喚する。
無数のリボンがゲルトルートに絡みつく。

マミ「邪魔になるからどきなさい」

ボーイ「え、うわぁ!!」




マミ「ティロ……フィナーレ!!」






ドガアアアアアアアアアアン






マミ「はい。終わり」

爆風が収まると、マミは何にもないように、魔法でつくりだしたティーカップでお茶を飲んだ。

さやか「勝ったの?」

まどか「凄い……」

結界が消滅し、元の場所に戻る。

マミ「大丈夫かしら? 2人とも」

まどか「あ、はい」

さやか「ティロフィナーレか。うぅ~、流石です、マミさん!!」

マミ「うふふ。これが魔女と戦い方ね。そして、これがグリーフシード。魔女の卵よ」

マミの手にはゲルトルートが生み出したグリーフシードが握られていた。

さやか「卵……」

QB「大丈夫、その状態なら安全だよ。むしろ役に立つ物さ」

マミ「私のソウルジェム、昨日よりちょっと濁ってるでしょう。でも、グリーフシードを使えば」

さやか「綺麗になった」

マミ「ね、これで消耗した魔力も元通り、前に話した魔女退治の見返りってこれ」

ボーイ「へぇ、それが見返りなんだ」

奥からボーイが出てくる。


マミ「あなた、まだいたのね」

ボーイ「いたの、じゃないよ、後ちょっとで死にそうになったんだから」

マミ「そう。撃つ前に一言伝えただけでもありがたいと思ってほしいわね」

さやか「そうだ!! そうだ!! お前のせいでマミさんがいらぬ苦労をしたんだぞ!!」

マミ「まぁ、そういうわけだから。あなたが何をしようとしているのかわからないけど、彼女達に手を出したら承知しないから。行きましょう、2人共」

さやか「はい、マミさん!!」

話すことはないと、去っていくマミとさやか。

まどか「え、えぇと、その……」

さやか「行くよ、まどか!!」

まどか「え!? う、うん」



ボーイ「何なんだよ本当に」

ガチャン

後ろから聞こえてくる、金属がぶつけ合ったかのような音。

ボーイ「あれ? これって僕のダガー」

ほむら「あなたのでしょう。結界の中に置き去りになってたから持ってきて上げたわ」

ボーイ「君は……」

ほむら「わかったでしょう。あなたがしていることは自尊心の強い巴マミを刺激するだけ。これに懲りたら二度と魔法少女には関わらないことね。それに、普通の人間じゃあ、魔女は倒せない」

ボーイ「ちょ、ちょっと、待ってよ!!」

ほむら「何かしら?」

また直ぐに消えてしまいそうなほむらの腕を掴む。

ボーイ「これありがとう。失くしてから大変なことになってたよ」

ほむら「そう」

ボーイ「それとさ、君の目的はなんなの? 敵には見えないんだけど」

ほむら「……私の目的はただ一つよ。鹿目まどかを契約させないこと」

ボーイ「ん? その子だけを契約させないって……それってどういうこと?」

ほむら「話せるのはここまでよ。放してくれるかしら……」

ボーイ「あ、ごめん……。あれ? 消えた」

腕を放した途端、ほむらはボーイの前から姿を消す。

ボーイ「わからないな……。何がしたいんだろう……」

――地下神殿


地下神殿に戻ってきたボーイは、今日起きた出来事を説明する。


ゴウシ「成程、魔女から生まれるグリーフシード、それで魔法少女は魔力を回復するのか」

ダン「なんだか、まるでゲームみたいな回復方法だよな。特定のアイテム取ったら回復って」


ボーイ「本当に大変だったんだよ。魔女は凄く大きいし、気持ち悪いし。あれが大サタンじゃないかって思っちゃったよ」

メイ「お疲れ様。それで彼女達の様子はどうだったの?」

ボーイ「もう最悪だよ!! 昨日と一緒!! 僕の事を信用してないし、助けに行けば邪魔だって言われるし、もう本当に散々な一日だよ!!」

ゴウシ「昨日も行ったが、難しい年頃なんだ。あんまり腹を立てるな」

ボーイ「でもさ」


バーザ「しかし、魔女にグリーフシード、魔法少女にソウルジェム、本当にそれだけじゃろうか。この関係がどうも引っかかる」

ゲキ「確かに、見た目も大層変わらないらしいですし、なによりもそのメカニズムが不明すぎる」

ボーイ「う~ん、あの黒髪の女の子が何か知ってると思うんだけど。多分無理だろうな~。不思議な能力を持ってるみたいだし」

ダン「不思議な能力? なんだよそれ?」

ボーイ「それがさ、急に目の前から消えちゃうんだよ。僕の目の前から急にね」

ダン「何それ、瞬間移動かよ?」

ボーイ「それも、わからないんだよなぁ」


ゲキ「兎に角、ボーイにはまだあの子たちの尾行を続けてほしい」

ボーイ「え!? 何で? だってもう、見返りだってわかったんだし、もう充分じゃ」

ゲキ「確かにそうだが、魔法少女については何もわかっていない。それに、契約を阻止しようとする魔法少女もいる。彼女達の話していたような単純な競争のためとは思えない」

ゴウシ「それに、戦っているといっても特別訓練を受けたわけじゃない子供だ。その子供達を守るのも俺達の使命だ。大サタンの調査は俺達のほうでやっておく、だからボーイにはしばらくの間頼みたい」

ボーイ「そういうことなら任せておいてよ、何かあったら絶対に助けてみせるよ」


ソウルジェムとグリーフシードに隠された秘密とは何なのか?
まどかとさやかは魔法少女になってしまうのか?
そして、暁美ほむらの言葉の意味とは?
静かに戦いが切って下されようとしている。

戦え、恐竜戦隊ジュウレンジャー

次回予告

マミのような魔法少女に憧れるようになるまどか。
病院で見つけた結界には大サタンの影が!
今5人の戦士達が少女達を救うためスーパヒーローに変身した。

恐竜戦隊ジュウレンジャー「変身!! もう何も怖くない」

乙!
ロボ戦はあるのかな?

>>63
ロボ戦は……。
お楽しみにということで、お願いします。

今日はまどマギの3話に該当する部分を一気に投下したいと思います。
戦闘描写は期待しないで、大目に見てください。

――数日後・夜の公園


マミ「ティロフィナーレ―!!」


マミの一撃が炸裂し、大きな爆発を起こしながら暗闇の魔女が消滅する。


さやか「よっしゃ!!」

まどか「やった」


変わらず魔法少女体験ツアーに参加し続ける2人。



――マミ達から少し離れた茂み



ボーイ「ふぅ、やっと終わりか……」

こちらも、あれからマミ達の尾行を続けている。
危険になる時が来るかもしれないと言っていたが、今の所そんな危ない場面はない。

ボーイ「うーん。でもなー、いつ何が起こるかわからないし……そう思うと」


「おい、ボーイ」


ボーイ「うぉ!!」

突然、名前を呼ばれ驚いて転倒してしまう。


ゴウシ「静かにしろボーイ、気付かれるぞ」

ボーイ「何だぁ、ゴウシか。驚かさないでよ」

ゴウシ「すまん、すまん。書庫も調べつくしてな、ゲキ達と大サタンの調査をしてたんだが、近くで彼女達が戦っていたから、ついでに寄ってみたんだ」

ボーイ「そうなんだ。で、何かわかったの?」

ゴウシ「書庫の方も、大サタンのほうも手掛かりは0だ」

ボーイ「なーんだ。そっちも何もないのか……」

ゴウシ「ところで、どうだ。彼女達は?」

ボーイ「う~ん、なんていうか。あの2人は未だに決心がついてないって感じかな。それに、あのマミって奴も」

ゴウシ「理由はわからないが動きや攻撃に大きな隙が出来てる、まるでパフォーマンスのような戦い方。それに自分は絶対に負けないという過剰な自信……そんなところか」

ボーイ「やっぱりそうなんだよね。全然強くないわけじゃないけど。どうもなんかなぁ」

ゴウシ「戦う事への憧れを見せる事で、あの2人を勧誘しようとしてるんだろう。ただ、あれじゃ危険だな。いつやられても可笑しくない」


そんな話をしていると、マミ達は移動を開始する。


ボーイ「あっ、動き出した。それじゃあ、僕また行ってくるから。バーザにはすぐ戻るって伝えといて!!」

ゴウシ「がんばれよ、ボーイ」


走っていくボーイに手を振り、その後ろ姿を見送った。

マミ「2人とも何か願い事は見つかった?」

さやか「願い事ですか? いや、まだ全然……」

まどか「わたしも、これって願いはまだ」

マミ「まぁ、そういうものよね。いざ考えろということになると」

さやか「マミさんはどんな願い事をしたんですか」

マミ「私? そうね、私の場合は考える余裕さえなかった。交通事故に遭って、ただ生きたいって願った。後悔しているわけじゃないのよ。今の生き方も、あそこで死んじゃうよりは良かったと思ってる」

まどか「マミさん……」

マミ「でもね、ちゃんと選択の余地がある子にはきちんと考えてほしいの。私には出来なかったことだから」

QB「願い事が決まったら、いつでも言ってよ。僕は待ってるからさ」

マミ「こらこら。急かしちゃダメでしょ」



「ははははははははははっ」




ボーイ「あいつ、そんな過去が……」


何だか、今までただ単にマミの事が嫌いだったが、そんな過去を知ってしまうと見方が変わってくる。
別に戦いたくて、戦ったわけじゃない。
戦士として育った自分とは違い、それにはどのくらいの勇気が必要だっただろうか?


ボーイ「あぁっもうっ!! 今日はもう帰ろうかな……」


ほむら「あなた、まだこんなことを続けてたの」


ボーイ「うわぁぁ!? って、また突然後ろに?」

ほむら「あの子達には関わらないでって伝えたはずよ」

ボーイ「別に、関わりはしないよ。ただ、危なかったら助けようかと……」

ほむら「そう。なら言っておくわ。あの子達は私が助ける。だからあなたは今すぐ手を引きなさい。じゃないと」


次の瞬間、ほむらの手にはボーイのダガーと守護獣メダルが握られていた。


ほむら「次はないと思いなさい」

ボーイ「そんな……。いつの間に……」

ほむら「これが最後の警告よ。あなたを殺ろうと思えば、いつでも殺れる。わかったのならこれは返すわ」


ガチャン カチャン

メダルとダガーを無造作に落とす。


ボーイ「ちょっと待ってよ。なんでそんなにあの子にこだわるんだよ!!だって、君だってあの子に嫌われてる筈だろう!!」

ほむら「前にも言ったはずよ。それが私の目的だから」

ボーイ「あっ、待っ……て、もういない。ますます、わけがわからないな」

――病院


さやか「よ、お待たせ」

まどか「あれ? 上条君は、会えなかったの?」

さやか「う~ん。何か今日は都合が悪いみたいでさー」


病院を出て、駐輪場の方へと歩いていく。


まどか「あれ?」

さやか「何? どうしたの?」

まどか「あそこ、何か……?」


指さす方には、壁に刺さったグリーフシードがあった。


QB「グリーフシードだ!! 孵化しかかってる!!」

さやか「うそ!! 何でこんな所に!?」

QB「不味いよ、早く逃げないともうすぐ結界が出来る」

さやか「まどか、先行ってマミさんを呼んできて。あたしはこいつを見張ってる」

まどか「そんな。危ないよ!!」

QB「まどか、先に行ってくれ。さやかには僕がついてる」

さやか「キュウべぇ」

QB「ここまでくればマミはテレパシーで僕の位置がわかる。最短距離でマミが魔女の所に来るように僕が誘導するから」

さやか「ありがとう、キュウべぇ」

QB「別にお礼を言われることはしてないさ。それに最悪、契約という手もあるからね」

まどか「わたし……直ぐにマミさんを連れてくるから」

ボーイ「うわぁっ!! 寝坊した!! この時間じゃあもう学校は終わってるよ」

ダン「手分けして探せばすぐに見つかるって。それに、流石に学校終わってから余り経ってないし、近くにいるって」


―ハハハ……―


ボーイ「今、何か聞こえなかった?」

ダン「確かに聞こえた。こっちからだ」


声のした方へと向かって走っていくと、2人は病院へと辿り着く。
そこで、直ぐに魔女の結界を発見する。


ダン「ここって病院だろ。しかも、これって……」

ボーイ「もしかして、声って、この中から聞こえてきたんじゃ……」


――ハハハハハハハーー


ダン「やっぱりこの中からだ!! 魔女に大サタンって、こんな組み合わせ冗談じゃねえよ!!」

ボーイ「取り敢えず、僕が中を見てくるよ。ダンはゲキ達を呼んできて」

ダン「よし、わかった。すぐに呼んでくる」


ボーイにその場を任せると、ダンは走ってゲキ達を呼びに行く。
残されたボーイは、意を決して結界の中に入っていく。

――魔女の結界


ボーイ「何度来てもあんまり好きになれないよな……ここって」



―ウワハハハハハハ……―



ボーイ「また声が? って事は、やっぱりここに大サタンが? 急がないと!!」


マミ「本当に、飲み込みが悪い人ね。見逃してあげるって言ったのに」


気付いたら、マミとまどかが結界の中に入ってきていた。


マミ「今度は何の用かしら? もしかして、まだストーカー行為をしてたのかしら? だったら、あまりいい趣味と言えないわね」

ボーイ「そんなんじゃないって!! それに大変なんだよ、この奥にいるのはとんでもない奴なんだって!!」

マミ「えぇ、そうね。確かにあなたにとってはとんでもない魔女かもね。でも、私なら大丈夫よ。これでも魔女退治のプロだから」

ボーイ「だからそんなんじゃなく……うわぁっ!? 何だよ、これ!!」


無数のリボンが現れてボーイの体を縛り付ける。


マミ「勿論怪我させるつもりはないけれど、あんまり暴れると保証しかねないわ」

ボーイ「駄目なんだって。多分、ここの奴は大サ……」


必死に訴えるが、マミはその言葉を聞こうとはせず、ボーイからダガーを取り上げる。


マミ「ついでにこれも預かっておくわね。ありえないと思うけど、キュウべぇの言っていたイレギュラーだもの。これでリボンを切断する事だって考えられるわよね」

ボーイ「僕の伝説の武器が……」

マミ「伝説の武器? 安易なネーミングね。私ならもっといい名前を付けるわよ。さ、行きましょう、鹿目さん」

まどか「あ、はい」



ボーイ「駄目だぁ!! 言っちゃ駄目だぁ!! くそぉ!!」



どんなに叫んでも声は届かず、どんなに暴れてもリボンは解けなかった。

さやか「ここの奥に魔女が……」

QB「そうだよ、慎重に進むべきだ、使い魔にも気付かれないようにね」

さやか「よーし。それじゃあ、さやかちゃんが頑張っちゃいますからね」


ほむら「その必要はないわ」


さやか「転校生。どうしてあんたが……。マミさんとまどかは!!」

ほむら「美樹さやか。あなたがここに入る必要はないわ。もちろん、そこのあんたも」

さやか「答えるつもりはないってこと。でも、いやだね。あんたはこいつのグリーフシードが狙いなんでしょ。そんな奴にマミさんの獲物を渡すもんか!!」

ほむら「そう。なら仕方ないわね」ガチャ

さやか「え、なにこれ、手錠?」


いつの間にさやかの腕には手錠が巻かれており、近くの柱と繋がれる。


ほむら「暫くそこで大人しくして貰うわ。大丈夫、結界を張っておくから、安心して」

さやか「ふざけるな!! 今すぐこいつを外せー!!」

QB「暁美ほむら、今の動きは僕にも見えなかったよ。君はいったい何者なんだい?」

ほむら「……」


その問いに答えず、ほむらは奥へと進んでいく。



ほむら(あいつがあの場所にいたのが幸いだったわ。おかげで、巴マミが話に夢中で私には気付かなかった。後は……あいつを倒すだけ)

ほむら(大丈夫、何も心配ない。ここの魔女の特性は知り尽くしてる。時間を止めて爆弾を仕掛ければいいだけ、それで巴マミは死ななくて済み、まどかや美樹さやかは契約しなくて済む……これで)


扉を開ける。
待っていたのは、お菓子の魔女・シャルロッテ。


シャルロッテ「……」

ほむら「見つけたわ。相変わらず、姿だけは可愛いのね。一瞬で終わらせるわよ」


手榴弾を構える。


シャルロッテ「……ウワハハハハハハハハ」

ほむら「え……?」

さやか「あぁ~もう!! 全然外れない。転校生の奴~本当に頭にくる!!」

QB「僕の力じゃこれは外せないし、マミ達が来るまで待つしかないね。そろそろ来るはずだよ」

さやか「そろそろ来るって言っても、マミさんが来る前に転校生が倒しちゃうじゃん!! それとも、もう終わっちゃったんじゃないの?」

QB「それはないね。現に結界は消えていないだろう。それは魔女が生きてるって証拠さ」

さやか「そうなの? だったら、もう結構経つけど結界が消えてないって事はまだ倒してないってこと?」

QB「さぁね、それは僕にもわからないよ。ただ暁美ほむらが苦戦、もしくは、殺られたってことじゃないかな」

さやか「殺られた? ってことは負けたって事だよね。 へん、転校生目、いい気味だ」


マミ「美樹さーん!!」

まどか「さやかちゃーん!!」


さやか「マミさん!! それに、まどか!!」


さやかのもとへとマミとまどかがやって来る。


マミ「美樹さん、どうしてこんな所に? それにこの結界は……?」

ほむら「そうなんです。マミさん、転校生が奥に行きました!! マミさんの獲物を奪おうとしています。早く行かないと!!」

マミ「……そう。わかったわ。とりあえず、先ずは」


さやかの腕についていた手錠を破壊する。


さやか「ありがとうございます、マミさん」

マミ「どういたしまして。それじゃあ、行きましょう」

さやか「はい、マミさん!!」


急いで奥へと向かう3人。
だが、まどかだけ浮かない顔をしていた。


さやか「どうしたの、まどか?」

まどか「う、うん。なんでほむらちゃんがこんなことしたのかなって、考えちゃって」

さやか「はー? そんなの決まってるじゃん。マミさんの獲物を奪ってグリーフシードを盗るためだよ!! くぅ~、何処まで姑息な奴なんだ、あの転校生は!!」

まどか「本当に、そうなのかな……だって、ほむらちゃんは……」

マミ「2人とも、静かにして。この先に魔女がいるわ」

最後の扉を開ける。
そこには大量のお菓子が広がっていた。


さやか「なにこれ? お菓子」

まどか「何か、凄く可愛らしい場所……」

マミ「えぇ、でも油断しないでね。どれも恐ろしい魔女が生み出したものなんだから」

さやか「マミさん、あれ!!」


辺りを見回していると、額から血を流し、体中を傷だらけにしたほむらを発見する。


まどか「ほ、ほむらちゃん!!」

QB「これは驚いたね。まさか本当に、君程の実力者がやられるなんてね」


ほむら「う……うぅ……巴……マミ……」

マミ「あら? 誰かと思ったら私の後輩に酷い事して、グリーフシードを手に入れようとした暁美さんじゃないの。随分と格好良い姿ね」

まどか「ほむらちゃん、だいじょ」

さやか「駄目だよ、まどか!! 近づいたらなにされるかわからないよ。もしかしてマミさんを嵌めるための演技かもしれないし」

まどか「で、でも、怪我してるよ。可哀想だよ!!」

さやか「あっ!! まどか!!」

止めようとするさやかを振り切って、ほむらが倒れる場所へと走っていく。

まどか「ほむらちゃん、大丈夫?」

ほむら「……鹿目まどか……。どうして?」

マミ「鹿目さん!!」

まどか「すみません、マミさん。でも、怪我してるのに放っておくことなんて出来ないよ……。それに、私どうしてもほむらちゃんが悪い人なんて、思えない。さっきの人も……」

ほむら「まどか……」

マミ「……そう。ならわかったわ。私からは暁美さんには手を出さない。その怪我も全てが終わったら治してあげる。それでいいかしら?」

さやか「マミさん!! こいつは、マミさんの獲物を奪おうとして、それに、キュウべぇだって襲った奴ですよ。そんな奴に情けをかけるなんて……」

マミ「勿論、その事について忘れたわけじゃないわ。ただ、可愛い後輩の頼みだから聞いてあげるの。ただし、それが終わったら、二度と私の前に姿を現さないことね」

まどか「ありがとうございます、マミさん」

さやか「何か、納得いかないなぁ」

マミ「それじゃあ、早いところ終わらせてもらうわ。あの椅子に座ってるやつが本体ね」

ほむら「だ……ダメ。……巴マミ、あなたでは……勝てない」

マミ「あら?自分が負けたからって負け惜しみ? 大丈夫よ、私はあなたより強いから」

ほむら「そうじゃない!! 今までの魔女とは全然ちが……うぅ」

まどか「駄目だよほむらちゃん、叫んだら傷が開いちゃうよ」


マミ「それじゃ、行くわよ!!」


ジャンプして遅い掛かってくる使い魔をマスケット銃で次々と撃ち抜いていく。


マミ「体が軽い。こんな気分で戦うのは初めて」


幾つもの必殺技を使い使い魔を倒していき、みるみるその数が減っていく。



マミ(鹿目さんも美樹さんも魔法少女に憧れを持っている。だから私がその気持ちを後押しするだけ……)

マミ(華麗な動きに、豪快な一撃、目にも止まらぬ連撃。そして相手からは一撃も喰らわない圧倒的な強さ)

マミ(どう? 魔法少女になるなっていうほうが無理でしょう)



さやか「うわー、流石マミさん。転校生なんかとは大違い!!」

まどか「やっぱり、マミさんは格好いいなぁ」


マミ(ほらね)


思わず笑みがこぼれてしまった。
この中でほむらとQBだけが笑っていない。

ボーイ「うぉぉ!! 外れろ!!」


一方その頃、ボーイはリボンと格闘を続けていた。


ゲキ「ボーイ!!」


ダンに呼ばれて、やっとゲキ達が到着する。


ボーイ「みんな、来るのが遅いよ」

ゲキ「待ってろ、今助けてやるからな!! はぁ!!」

龍撃剣でリボンを切断し、ボーイはやっとリボンから解放される。

ボーイ「おっと……。ありがとう、ゲキ」

ゲキ「遅れてすまない。来る途中にダンから話は聞いた。この奥に……」

ボーイ「そうなんだよ、急がないと、彼女達じゃあ、大サタンには勝てないよ!!」


ゲキ「皆、急ぐぞ」


「「「「おぉ!!」」」」

マミ「さぁ、これでも喰らいなさい!!」


マスケット銃でシャルロッテを吹き飛ばし、何度も追撃をする。
リボンがシャルロッテを拘束する。


マミ「ティロ……フィナーレ!!」


取って置きの必殺技が炸裂する。
シャルロッテの体を巨大なリボンが貫いた。


マミ「ふ、どう? 見たかしら、ご覧の通り、魔女は」

ほむら「駄目、後ろぉ!!」




マミ「え……?」




シャルロッテはまだ生きていた。
人形のような体から黒くて太い、第二形態を生み出していた。

それは気付いた時は目と鼻の距離まで迫っていた


まどか「ヒ……!?」






ガッシッィィィィン






シャルロッテの巨大な歯が上下合わさった音が響いた。





誰もが、巴マミが死んだと思った。
無情にも誰も助ける事なく死んでいくのだと……。










ボーイ「間に合ってよかったぁ」


その一言が聞こえてきたのは直ぐの事だった。

マミ「あなたは……どうして……」

ボーイはマミを抱きかかえていた。
シャルロッテにくわれる直前、ボーイが全力で走ってマミを救出したのだった。


ボーイ「あ、そうそう伝説の武器は返してもらうからね」

マミ「え……えぇ……」



ゲキ「ボーイ、彼女を避難させるんだ!!」

ボーイ「わかってるよ」


他の4人もすでに到着し、シャルロッテの前に横一列に並んでいた。


ボーイ「ちょっと、ごめんね」

まどか「マミさん!!」

さやか「マミさん、大丈夫ですか!!」


話しかけてもほとんど反応が無い、恐怖で放心状態になってしまっていた。


ボーイ「暫くは話しかけない方がいいかも、君たちはここで待ってて」

QB「無茶だよ!! 魔法少女じゃない君達に魔女退治が出来るはずがない。ここは2人が僕と契約するしか」

ボーイ「大丈夫だって。僕達、恐竜戦隊ジュウレンジャーがどうにかして見せるって!!」


まどか「恐竜戦隊ジュウレンジャー?」

ゲキ「見ろ!! あの魔女の姿が変わっていくぞ!!」

ゴウシ「あれは、大サタンの力か!!」


――ハハハハハハハハハハハハハハ――


シャルロッテ「……」


笑い声が聞こえてくると、シャルロッテの姿が変貌する。
今までの可愛らしい人形のような姿とも、第二形態とも違う、まるで悪魔のような姿。
大サタンの力が憑依したシャルロッテ。

サタンシャルロッテ。


さやか「何あれ?」

まどか「グ、グロい」

ほむら(私の時と同じ、倒したと思ったら謎の力により復活。そんなこと、今までの時間軸では一度もなかったのに)



ゲキ「皆!! 変身だ!!」


「「「「おぉ!!」」」」




「「「「「ダイノバックラー!!」」」」」




力強い叫びと同時に、伝説の戦士達が現れる。

「ティラノレンジャー!! ゲキ!!」




「マンモスレンジャー!! ゴウシ!!」




「トリケラレンジャー!! ダン!!」




「タイガーレンジャー!! ボーイ!!」




「プテラレンジャー!! メイ!!」




「恐竜戦隊!!」






「「「「「ジュウレンジャー!!」」」」」

巴マミはヒーローに憧れていた。
だが、成長するにつれてこの世にヒーローがいないと彼女は気づいた。
だからこそ、自分が理想とするヒーロー像を求めて戦ってきた。自分が理想とするヒーローになろうと。

だけど、ヒーローはいた。
恐竜の力を授かった5色の伝説の戦士達。


マミ「格好良すぎる……」


彼等の姿を目の当たりにしたマミは、それしか言えなかった。


まどか「マミさん、もう大丈夫なんですか?」

マミ「えぇ。……腰抜けちゃって、立てないけど……もう、大丈夫よ」


ほむら(嘘!? こんなこと、今までの時間軸にはなかった。一体なんなの)




サタンシャルロッテ「グオオオオオオオオォォ」



サタンシャルロッテが強化された使い魔を召喚する。
横一列に並んだジュウレンジャ-は、変身したことにより強化された伝説の武器を構えて迎え撃つ。


ティラノレンジャー「龍激剣!! とぉう!!」

使い魔「グビアアアアア!!」


戦車すらも簡単に斬り裂くその剣で使い魔を薙ぎ払う。


マンモスレンジャー「モスブレイカー!! はぁ!!」


豪快に斧を振り回し、使い魔を一掃した後、刃の部分を掴みバズーカ砲へと変形させ天井を撃ち抜く。
その威力は天井を崩し、真下にいた使い魔を踏みつぶした。


トリケラレンジャー「トリケランス!! これでも喰らえ!!」

タイガーレンジャー「サーベルダガー!! たぁっ!!」


トリケラレンジャーがその槍で、タイガーレンジャーは軽やかな身のこなしとダガーで次々と使い魔を倒していく。


プテラレンジャー「女の子を危険な目に遭わすなんて許さないんだから!!」


プテラアローから放たれる光の矢は使い魔達を貫通し、一気にその数を減らす。


サタンシャルロッテ「プシャアアアアアアァァ!!」


口から大量の溶解液を放ち、ジュウレンジャーへと襲い掛かる。


タイガーレンジャー!「うぉっ!! あぶなっ!? だったら、こいつでどうだ!! サンダースインガー!!」

トリケラレンジャー「更におまけだ!! レンジャースインガー!!」

パチンコの要領で相手へと光の矢を放つサンダースインガーと、レンジャーガンと合わせる事で更に強い一撃を放つ事が出来るレンジャースインガー。

サタンシャルロッテ「グアァァァ……」

ティラノレンジャー「行くぞ、とぉうっ!! ティラノスラッシュ!!」


サタンシャルロッテの頭を一文字斬り。
更に追撃は終わらない。

5人はやぐらを組み、それぞれのレンジャースティックを中央で合わせる。


「「「「「バベルアタック!!」」」」」


5つの力が合わさったことで生まれた強力な一撃が、サタンシャルロッテを撃ち抜いた。

まどか「強い……」

まどか「……ごめんなさい」

さやか・まどか「「え?」」

マミ「私ね、本当はそんなに強くなんてないわよ。寂しがり屋だし、つい意地はっちゃうし。さっきだって、あの人の話も、暁美さんの忠告も聞かずに、あなた達に良い恰好を見せようとして勝手に戦ってやられたんだもの。幻滅しちゃったかな?」

まどか「そんな事なんてないです!! 確かにマミさんは、やられちゃいましたけど、格好悪いなんて、ましてや幻滅なんてしません。わたしにとってマミさんはいつまでも、後輩思いの頼りになる先輩で私の憧れなんです!! だからそんなこと言わないでください!!」

マミ「……鹿目さん」

さやか「そこはさぁ、私のじゃなくて、私達じゃないの? あたしだってマミさんの事を尊敬してるんだから」

マミ「美樹さんも……。2人ともありがとう」

マミ「それじゃあ」

マミはゆっくりと立ち上がる。

さやか「マミさん!!」

マミ「大丈夫、もう動けるわよ」

マミ「じっとしててね、暁美さん。今、治してあげるから」

ほむら「巴マミ……どうして? 私の事を恨んでいるんじゃないの?」

マミ「キュウべぇを傷つけたことは許してない。でも、あなたが私の事を助けようとしたのも事実。だから、助けるの。それじゃあ、駄目かしら?」

ほむら「……ありがとう。巴マミ」

マミ「どういたしまして」



まどか「よかった」

さやか「……」

安心しているまどかとは対照的に、さやかの表情は曇っていた。

サタンシャルロッテ「グガ……ガァ……」

ゲキ「大サタン!! こいつで終わりにするぞ!!ハウリングキャノンだ!!」


ゲキの掛け声と同時にジュウレンジャーは伝説の武器を宙へと投げた。


マンモスレンジャー「モスブレイカー!!」


バズーカ砲に変形させたモスブレイカーが軸となり。


プテラレンジャー「プテラアロー!!」


先端部分に横向きにしたプテラアローを装着し。


タイガーレンジャー「サーベルダガー!!

トリケラレンジャー「トリケランス!!」


その横に双槍にしたトリケランスと、サーベルダガーが装着される。


ティラノレンジャー「よし!! 龍撃剣!!」


最後にティラノレンジャーが高く跳び上がり、龍撃剣を合体させ、5つの伝説の武器が1つになる事で生まれた強力な武器が完成する。


ティラノレンジャー「ハウリングキャノン!! 発射!!」


4人がハウリングキャノンを構え、ティラノレンジャーが中心に立つ。

ハウリングキャノンから発射される、強力なエネルギー弾がサタンシャルロッテを撃ち抜いた。





サタンシャルロッテ「グギ……ア……ァ……」





その体に大きな風穴を開けて、サタンシャルロッテは大爆発を起こした。




マミ「やったああああっ!!」



さやか「マ、マミさん!?」



ほむら(凄い力。もしかして、彼等なら……)

タイガーレンジャー「どうだ!!」

トリケラレンジャー「これで、大サタンを倒したのかよ。何か……結構あっけなかったよな」

マンモスレンジャー「まだだ!! あれを見ろ!! 大サタンの力が消えていく」



――ハハハハハ……ァ……――




煙の中から笑い声が聞こえてくると、黒い何かが逃げるかのように姿を消していく。


ティラノレンジャー「恐らくは、魔女の悪意に引き寄せられてここまで来たんだろう。だけど、大サタンはやられる直前にあの魔女を見捨てたんだ」

プテラレンジャー「それじゃあ、まだ……」


ティラノレンジャー「大サタンは消滅していない。より強い悪意を持った魔女を媒介にして、また復活するだろう」

一気に投稿しました。
今回はこれまで、次回も一気に投稿するか……それともちょくちょく投稿するか……。
どちらの方がいいですかね?

それにしても、レンジャーキーの初期組の造形が酷いな。
特に、ティラノレンジャーと、ターボレッド、ゴーグルレッドが、ほかのメンバーと比べると見劣りしてしまう。


個人的にはまとめて見たいけど…>>1が来れる時に無理せずに

レンジャーキーはコンセレ出るかな…?

乙っす

>マミ「格好良すぎる……」
マミさんに軍平が憑依したwwww

乙!
マミさんのわだかまりが消えたみたいでちょっと安心

マミさん……ちょろい……
まぁ仕方ないよね!!目の前に本物の戦隊ヒーローが現れたら!!

>>87
纏めて見たいとのことだったので、今回からまとめて投稿したいと思います。
今更コンセレ出されても、30本セット買っちゃったしな……。

>>88
ゴーオンジャーも好きでしたので、彼のネタを拝借しました。
どことなく、彼はマミさんと似てるような気が。

>>89
>>91
マミさんに関しては、基本的には悪気はないんです。
ただ、ちょっと自尊心が強かっただけなんです。
それが、敗北したことで崩れて、本物のヒーローを見たことでわだかまりが消えたんです。


て、ことで全開でボーイ・マミの黄色コンビが終了。
今回から、青コンビに移ります。

最後に、私はさやかちゃん好きですよ。
特に、きららマギカのほむらリベンジのさやかが大好きです。

あ、名前の欄に入れ忘れましたが↑のは>>1本人ですので。

サタンシャルロッテを撃破したことにより結界が消滅していく。
ジュウレンジャー達は変身を解き、元の姿へと戻る。


ゲキ「君達、大丈夫だったか?」

まどか「あ、はい」

マミ「大丈夫です」


ボーイは落ちていたシャルロッテのグリーフシードを拾い、マミへと渡す。


ボーイ「はい。グリーフシード……だっけ? 僕達が持ってても仕方がないから」

マミ「え、は、はい。あ、あの、ありがとうございます。助けてもらって」

ボーイ「いいって、いいって。人々の平和を守るのもジュウレンジャーの使命だからさ」

さやか「あの、さっきからジュウレンジャー……ってなんなの? 聞いたことがないんだけど」

マミ「わ、私も……そんなヒーロー聞いたことがな無いです」

ゴウシ「知らないのも無理はない。俺達はこことは別の場所から来たんだ」

マミ「別の場所? それって……」

ほむら「それだけじゃないわ」


先ほどまで倒れていたほむらが立ち上がり、話に割って入る。
今までほむらの事を支えていたまどかは心配そうに見ていた。


まどか「ほむらちゃん。もう大丈夫なの?」

ほむら「えぇ、巴マミのお蔭でね」


口ではそう言っているが、まだどこか辛そうである。


ほむら「あの、魔女の事よ。あれは普通の魔女じゃなかった。もっと違う、何かとてつもない悪魔のような存在に感じられたわ。何か知っているなら話して貰えるかしら」

ゲキ「わかっている。ただ、君についても教えてほしい。お互いに持っている情報を交換し合わないか?」

ほむら「……わかったわ。それで手を打ちましょう」

マミ「あの、だったら私の家で話をしない。いつまでもここで話しているのもあれですし。お茶とお菓子位なら出すわよ」

ボーイ「本当!! やったぁ、久しぶりのおやつだ」

メイ「こら、ボーイ!! それに、女の子の家にこんなに押しかけちゃ悪いわよ」

マミ「大丈夫ですよ。どうせ一人暮らしですし。あなた達が来ても何の問題もありません」

ボーイ「ほら、こう言ってるしさ。行こうよ」

メイ「本当に大丈夫なの?」

マミ「えぇ、大丈夫ですよ」

家主の了承を得たとことにより、場所をマミのマンションへと移すことが決まった。


マミ「それじゃあ、行きましょう。鹿目さんと、美樹さんも来るわよね?」

まどか「い、行ってもいいなら」

マミ「全然かまわないわよ。美樹さんは?」

さやか「……あの、マミさん。ちょっといいですか?」


マミの近くによると、他の皆に聞こえないように小声で耳打ちする。


さやか「マミさん。良いんですか?」

マミ「何がかしら?」

さやか「あいつ等を家に招待する事ですよ。助けてくれたとはいえ、全体的には怪しい奴等ですし、それに転校生も来るんですよ。もしかしたら、全員グルでマミさんを襲う気かもしれませんよ」ヒソヒソ

マミ「考え過ぎよ。それに、もし襲う気なら、そもそも助けないと思うの。それか、魔女を倒した時点でやったはずよ」

さやか「……」


ダン「ん? 何かあったの?」

マミ「いいえ。何でもないわ。それじゃ、行きましょう」


マンションへと向かうことになる一同。
だが、ほむらだけは彼等のもとへ一歩踏み出せないでいた。


マミ「どうしたの、あなたも来るんじゃないの?」

ほむら「行ってもいいのかしら?」

マミ「来たくないのかしら?」

ほむら「……そいうわけじゃ」

まどか「行こう、ほむらちゃん」

ほむら「ち、ちょっと、まどか!!


笑顔で立ち止まっているほむらの腕を引っ張る。
何処となくであるが、いつも無表情のほむらの顔が緩んでるように見えた。


ゲキ「嬉しそうだな、ゴウシ」

ゴウシ「あのくらいの女の子は戦いなんて知らずに、あぁやって友人と話したり遊んだりするのが一番だ。例え、魔法少女だとしても」

ゲキ「そうだな」

――マミのマンション


ボーイ「あれ? ここのマンションって」

マミ「あら、知っているの? そういえば、あなた達このマンションから出てきたことがなかったかしら?」

ボーイ「え、知らない、知らない。ねぇ、ダン」

ダン「え、俺。う、うん、知らない……かなぁ。なぁ、ゲキ」

ゲキ「さ、さぁ、初めて見たマンションだからなぁ。そうだよな、メイ」

メイ「わ、私!? そ、そうねぇ、綺麗なマンションねぇ。す、住んでみたいわ。そうでしょ、ゴウシ」

ゴウシ「あ、あぁ、そうだな。うん、住んでみたいな。うん」

マミ「そうですか? なんか皆さん変な気が……」


明らかに先程とは様子が違い、誰も目を合わせてくれない。

実をいうと、このマンションの地下に、ジュウレンジャーの基地・地下神殿があるのだが……。
そんなこと言えるわけがなく、必死に誤魔化していた。


ボーイ「へ、変じゃないって、それより早く中に入ろうよ」

マミ「あ、は、はい」


ボーイに腕を引っ張れる。
気のせいか、マミの顔が開くなっているように見えた。

舞台が変わり、マミの部屋。
9人という大人数であるが、出来る限り机の近くに腰を下ろす。

さやか「け、結構狭いですね」

まどか「ま、まぁ。仕方ないよ。……人数多いんだし……」


紅茶とケーキが用意され、準備が整ったところでほむらが口を開く。


ほむら「それじゃ、あなた達ジュウレンジャーの事を話して貰おうかしら」

ゲキ「わかったった。実をいうと、俺達は別世界から来たんだ」

さやか・マミ「「別世界?」」

ほむら「つまり……パラレルワールドって事ね」

ゲキ「あぁ、俺達は……」


ゲキ達は少女達に戦いの歴史を説明する。

恐竜族や人類を滅ぼそうとした魔女・バンドーラとの、守護獣の力を借りて激戦を繰り広げた事。
恐竜の卵の争奪戦や、大サタンとの決戦、そして、その戦いの終わりを。

ただし、その話の中には戦いの中で命を落とした6人目のジュウレンジャーの事はなかった。
この少女達にはあの悲劇を話す必要はない、そう判断したのだった。


ほむら「何か、壮大な話ね」

ゲキ「でも、真実なんだ。少なくとも、俺達の世界ではな」

マミ「素敵ですね。妖精や神様が皆と生きている世界なんて。まさに、ファンタジー」

ダン「いや、でも妖精って、あまりろくな奴がいなかったけど」

まどか「それじゃあ、メイさん達は、一億数千年前の人達なんですか?」

メイ「うん、そうよ。でも、ずっと眠りに就いてたからそんなに時間が経ったって感じはしないんだけどね」

ほむら「さっきの魔女に憑りついていたのが大サタンってことよね。それじゃあ、もう大サタンは倒れたし戦いは終わったってこと?」

ゲキ「いや、実をいうとそうではないんだ」

ほむら「それって、どういうことなのかしら?」

ゲキ「俺達はあの魔女を倒した時、大サタンの笑い声を聞いた。つまり奴はまだ生きている。いや、正確に言えば生き返ろうとしている、魔女のエネルギーを使って」

マミ「魔女のエネルギーを?」

ゲキ「そうだ。魔女のエネルギーは絶望、それは大サタンも同じ。魔女に憑りつくことで、その絶望のエネルギーを取り込んで復活のエネルギーにする。しかも、魔女が人を襲えば、更に絶望を取り込む事が出来る。大サタンにとっては一石二鳥だ」

ほむら「確かに、ありえない話ではないわね」

ゲキ「ただ、大サタンは俺達との戦いでかなり傷ついている。余程大物の魔女のエネルギーを取り込まない限り、復活まで時間がかかるはずだ」

マミ「大物の魔女ね。キュウべぇに聞けば分かるかもしれないけど。さっきから姿を見せないのよね」

さやか「……得体の知らない人たちが集まったから、いなくなったんじゃないですか?」

まどか「さ、さやかちゃん。……そんな言い方は……」

マミ「そうよ。きっと、何か理由があって私達の前から姿を消したのよ」



ほむら(あいつ、自分が不利な状況になったから逃げたわね……まぁ、そっちの方が好都合だけど)

ゴウシ「どうしたんだい? ほむらちゃん」

ほむら「なんでもないわ。今度はこっちの番ね……。ただ、これだけは言っておくわ」

ゲキ「何だ?」

ほむら「私の話せるのは目的だけ。それ以上の事は話せないわ」

さやか「あのさ、皆自分の事を話してたんだし、それはないんじゃないのかなぁ」

ゲキ「いや、それで構わない。話してくれないか?」


ほむら「私の目的はただ一つ。この街へと襲い掛かるワルプルギスの夜を倒すこと」

メイ「ワルプルギスの夜? それって……」

マミ「聞いたことがあるわ。史上最悪の魔女……。その魔女が現れた街には瓦礫しか残らない」

まどか「そんなのがいるんですか?」

マミ「あくまで噂……。でも、何で暁美さんはそんな事がわかるの?」

ほむら「統計よ」

ダン「統計って……そんなわかるもんなの?」


それ以上の事をほむらは話そうとはしない。
どうやら、ワルプルギスの夜出現がわかる理由についてはこれ以上聞いても無駄そうである。


ほむら「私はワルプルギスの夜を倒すためなら何でもする。それが目的。……だから、貴方達の力を貸してほしい」

ゲキ「勿論だ。大サタンの事もそうだが、人々が襲われるなら俺達は戦う」

マミ「えぇ、私もこの街を守るためなら力を貸すわ」


結託する戦士達。
ほむらの真意はわからないが、彼等はワルプルギスの夜撃退には全力を尽くす気でいた。

ボーイ「ちょっと待ってよ。君さ、あの時まどかちゃん達を契約させたくないのが目的って言ったよね。それはどうなるの?」

まどか「わ、わたし?」

ほむら「……。彼女達を契約させたくなかったのは、ベテランの巴マミとは違ってワルプルギスの夜との戦いで邪魔になるから」

さやか「なっ!? あんた、そんな言い方!!」

ゴウシ「いや、彼女の言う事にも一理ある。敵が強大であればある程、戦いの初心者は邪魔になる者だ。酷な話だがな」

さやか「そ……そんな」

マミ「美樹さん。それについては、私もゴウシさんに賛成だわ。今から稽古をつけても、ワルプルギスの夜に通じるかどうかわからないわ」

さやか「ま、まどかはどうなの!! 魔法少女になってマミさんと一緒に戦いたくないの?」

まどか「え。え……」


助けを求めるように、まどかへとすがりつく。


ほむら「止めなさい、美樹さやか。魔法少女は強制するものではないわ」

さやか「転校生は黙ってて!! ねぇ、どうなの、まどか」


まどかの肩を掴んで、もう一度問いかける。
だが、返ってくる言葉はさやかが求めたものとは違った。


まどか「私って……ずるい子なのかもしれない。あんなになりたがっていた魔法少女なのに、なりたいって、言えない」

さやか「なんで? だって、あんただってマミさんに憧れてたじゃん!!」

まどか「怖くって、怖くって、マミさんやほむらちゃんが死んだんじゃないかと思うと……だ、だから」

さやか「そんな……でも!!」


仲間が欲しかった。
一緒に魔法少女になりたいと言ってくれ、ほむらを見返したかった。


ダン「おい!! もう止めろよ!! 本人が嫌だって言ってるんだから、もういいじゃねーか」

さやか「くっ……」


間に割って入られ、さやかは悔しそうに下を向くことしか出来なかった。


マミ「私もあなたを無理矢理でも魔法少女にしようとしてたわ。鹿目さん、本当にごめんなさい」

まどか「すみません、マミさん。期待に添えられなくて」

マミ「いいのよ、気にしないで。それに、今はこんなに一緒に戦ってくれる仲間がいるんだから」

メイ「そうよ、まどかちゃん。そんなに思いつめちゃ駄目よ。大サタンも魔女も私達に任せて、ね」

ボーイ「なんたって、魔法少女には俺達ジュウレンジャーがついてるんだから」

まどか「ありがとう。ボーイ君、メイさん」

ゲキ「ほむらちゃんの話はこれで終わりなのかい?」

ほむら「えぇ。これ以上は何も話せないわ。ただ、時期が来たら話すわ、全てを……」

さやか「ふん……その話も何処までが本当何だか……」

まどか「さ、さやかちゃん。そんなこと言っちゃダメだよ」


ゲキ「わかった。君の言葉を信じるよ。マミちゃんも、それでいいかな?」

マミ「えぇ、なんたって、私達はこれから一緒に見滝原の平和を守る仲間なんだからね。ただしその時にキュウべぇを襲った理由も話して貰うわよ」

ほむら「……えぇ、約束するわ」


ゲキ「そうか、それならこれからもよろしく」

マミ「こちらこそ。ねっ、暁美さん。」

ほむら「……よろしく」


それぞれ戦士と魔法少女は握手を交わす。


さやか(なんで? どうして? なんで、マミさんは転校生を信じられるの? どうしてあいつ等が正義の味方だって信じられるの? あたしは……)


一人だけこの光景に納得がいかなかった。
唇を噛みしめて睨み付けることしか出来ない。


「……」


その光景をベランダから見つめる、赤い瞳に誰も気づいていなかった。

――次の日の昼休み


仁美「さやかさん、まどかさん、ご一緒にお昼にしましょう」

さやか「あー。ごめん、仁美。あたしたち、一個上の先輩といっしょに食べる約束があってさ~」

まどか「ごめんね、仁美ちゃん」

仁美「そうですか。それは仕方がないことですね。もう、お2人の仲には私なんか入れませんのね」

さやか「いや、そうじゃなくて先輩と……」

仁美「いいんですの。私の事なんか気にしないで。でも、お二人のそれは禁断の恋ですのよ~!!」


何故か顔を真っ赤にして仁美は走り去って教室を出ていく。


さやか「あっ、待って。……行っちゃった」

まどか「仁美ちゃんって、どこか変なところがあるよね」

さやか「変って……言うか、天然っていうか。まぁ、今度埋め合わせすればいいでしょう」


まどか「あ、そうだ。ほむらちゃんも……」

さやか「……いいよ、行こう!!」

まどか「え、で、でも……」

さやか「いいから!!」


屋上へと向かっていく。
その様子をほむらは何ともないように眺めていた。


ほむら「まぁ……いつも通りね」


そう言い残すと、ほむらも教室から出て行った。

――屋上


さやか「あの、マミさん。やっぱり、あたしも魔法少女になっちゃ……」


マミを交えた3人でお弁当を食べてる最中にさやかがそう聞いてくる。


マミ「美樹さん、昨日も言ったけど今、魔法少女になるのは危険よ。大サタンに、ワルプルギスの夜……私達だけでも手におえるか」

さやか「そ、そうだけど」

マミ「それに、願いはあるの? 今、魔法少女になっても絶対に後悔しない。そんな願いが」

さやか「そ、それは……」

まどか「さやかちゃん……」」

さやか「あの……聞きたいんですけど。他人の為に願いを使ってもいいんですよね?」

マミ「……あまりお勧めは出来ないわね。美樹さんはその人のために願いを使ってどうしたいの?」

さやか「あたしは、ただ」



ほむら「止めておきなさい。美樹さやか。その願いでの契約であなたは後悔することになるわ」



まどか「ほむらちゃん……」

マミ「あら? 暁美さん来るのが遅いじゃない」


ほむら「遅くて当然よ。そもそも、誘われてないもの」


さやか「そんな事より、後悔ってどういうこと!! あたしは絶対に後悔しない」

ほむら「いいえ、絶対に後悔する。契約は止めておきなさい」

さやか「なんでそんな事が言えんの!! 転校生に何がわかるのさ!!」

ほむら「わかるわ。だって」


キンコーンカーンコーン


昼休みの終了を告げるチャイムが鳴り響く。


ほむら「取り敢えず、伝えることは伝えたわ」

まどか「あ、ほむらちゃん」


屋上から去っていくほむら。
さやかはその後を追おうとはしない。

まどか「さやかちゃん。ほむらちゃんには悪気はなかったんだよ」

マミ「一体何の話だったのかしら? それに、暁美さんは誘わなかったの?」


さやか「後悔なんてするもんか……。あたしは……ただあいつの」

――病院


まどか達が学校に行っている間は、ジュウレンジャーだけで魔女退治をすることになる。
ダンは昨日戦った病院に来ていた。


ダン「ふぁ~。天気も良いし、眠くなっちまったな~。ん、あれは?」


ふと屋上を見上げてみると、今にも身を乗り出そうとする少年の姿があった。


ダン「と、飛び降り自殺!? 急がねぇと!!」


急いで病院に入って、屋上を目指す。
エレベーターを使えば一瞬で行けたんだが、中々来ない。


ダン「こうなったら階段で!!」


仕方ないので、階段で屋上まで上がっていく。


ダン「はぁ、はぁ……ここだ」


屋上へと通じる扉を開けると、無左座に倒れる車椅子と、転落防止の柵に手をかける少年の姿があった。
片腕しか使えないのであろうか?
片腕で柵を越えるのに、悪戦苦闘していた。


ダン「おい、何やってるんだ!! 危ないって!!」

少年「放っておいてください。僕はもう駄目なんです!! 自分の弾けない音楽を聞くだけの人生なんて、もううんざりなんですよ!!」」

ダン「そんなこと、冗談でも言うなよ!! 死んでどうなるっていうんだよ!!」

少年「う、五月蠅い!! 誰も僕の気持ちなんて……」

ダン「わかるわけないだろ!! 俺は、生きたいのに生きられなかった奴だって知ってんだよ!! そいつに失礼だと思わないのかよ!!」

少年「そ、そんな話……僕には関係ない……」

ダン「取り敢えず、飛び降りなんかやめろよ!!」

少年「あっ、放してください!!」


片腕だけで策を上りきることなど出来るはずもなく、簡単に柵から遠ざけられ尻餅を付く。


少年「く、くそ……」


倒れても中々立ち上がらない。
足を動かすのもかなり辛そうで、片腕だけを必死に動かしていた。

大サタン…あのビジュアルは怖かったな

どのSSを見ても思う事だがさやかちゃんは読者をイライラさせる天才だね

ダン「もしかして、腕が動かないのか?」

少年「これでわかったでしょう? 生きてたってどうにもならないんですよ。医者に直々に言われたんですよ……足はリハビリでどうにかなるけど、腕はどうにもならない。もう演奏は諦めろって……」

ダン「だから、死ぬのかよ……」

少年「そうですよ!! 演奏が僕の命だった。でも、僕の手は二度と動かないんですよ……。こんな入院生活だって、もう嫌なんですよ!!」

ダン「馬鹿な事を言うなよ!! そんなんで諦めちまうのかよ!! 諦められんのかよ!!」

少年「諦められるわけないじゃないですか!! でも……でも、もう右手は……」


ダン「右手がなんだよ!! 本当に演奏が好きなら、左手だって、足だって使ってやる気でやってみろよ!!」


少年「そんな簡単に言わないでくださいよ。あなたに僕の何が」

ダン「わかんねぇよ!! やってもないのに諦めるやつの事なんか!! 俺だったら、夢を絶対に諦めない。できるまで何度でもやってやる」

少年「……」

ダン「医者がなんだよ!! 見返してやればいいだろう!! それに、お前が死んで悲しむ奴はいないのかよ? お前が死んだら、そいつらが悲しむぞ」

少年「……。」

ダン「勇気を出してやってみれば、絶対に出来るって。もう一回頑張ってみろよ」


少年はもう何も言い返してこなかった。


ダン「ほら、立てるか? 病室まで送ってやるよ」

少年「……すみません、僕……」

ダン「あ、ほら泣くなよ。いいって、いいって。話くらい聞くからさぁ。俺はダン。君は?」



少年「上条恭介です」

今回はここまで。
次回はなるべくはやくに。

乙っす
なるほど、マミさんがジュウレンジャー達とほむらを信用したが故に、意固地になってしまうか
このパターンは案外無かった気がする

どうでもいいけどサンダース「リ」ンガーな

>>82
なんで、まどかがいきなり謝ったの
えっ

>>1です。

>>111
うわぁ、やってしまったぁ!!
完全に言葉が抜けていました。

>>112
えぇと、あれも誤字です。
まどか「ごめんなさい」×→マミ「ごめんなさい」○
です。
修正版上げた方がいいですかね?

報告ありがとうございます。

>>105
大サタンは私的には大丈夫でしたが、ドーラフランケンが怖かったです。

>>106
さやかちゃんは書いた通り、好きなキャラですよ。
一番人間っぽいキャラですし。

>>110
なんでジュウレンジャーを簡単に信用できる理解できず、マミさんはあいつらにあったせいで変わってしまったと思い込んでいるんです。
和解……できるかな?


最後に、もう一度いいます。
このSSではキャラの設定が変わっている場合があります。あくまでこのSSの設定であり、書き溜めがあるため変更もしない予定です。
それが、嫌な方は閉じることをお勧めします。


では、投下。

――放課後・病院


さやか「可愛い女の子かと思った? 残念さやかちゃんでした!!」


学校が終わって、恭介の病室へとやって来る。
マミはジュウレンジャーと魔女退治、まどかも一緒に行ってしまったが、さやかは断った。
ただ単純にジュウレンジャーと行動するのが嫌だった。


ダン「あれ、幼馴染ってさやかちゃんの事だったんだ?」


さやか「え?」

恭介「もしかして、さやかのこと知ってるんですか?」

ダン「う~ん。まぁ、色々あってね」

さやか「なんで、あんたがここに、恭介に何かしたんですか」

ダン「うおっ、なんだよ? 別に何もしてないって!?」

さやか「だったら、どうして、恭介と一緒にいたんですか」

恭介「さやか。ダンさんは何もしてないよ。逆に助けてもらったって言うか……」

さやか「え……? 助けられた?」


まただ。
また、あいつ等が自分の世界に入ってきていた。
しかも、よりによって恭介を……。


ダン「まぁ、取り敢えず、一回落ち着いて。俺、ジュースでも買ってくるよ。じゃ、また」

恭介「え、はい、お願いします」


俯いているさやかを横目に病室から出ていく。


恭介「不思議な人だよね。なんていうか、変わった格好をしてるし、真面目って性格でもなさそうだったけど、勇気を貰った様な気がするよ」

さやか「そう……なんだ」


恭介「あのさ……。さやかには話しておこうと思うんだけど、もう僕の右腕は動かないんだって」

さやか「え? そ、そんなこと、リハビリさえすれば」

恭介「ううん。医者に言われたんだ。腕はもう治らない。前のように演奏をするのは無理だって」


理解が出来なかった。
どうして、恭介は平然とそんな事が言えるのであろうか。


恭介「でもさ、僕は諦めたわけじゃないよ。左腕だって……最悪、足でだって演奏はできるんだ。まぁ、0から始めるようなもんだから時間はかかるだろうけどね。はははっ」

さやか(どうして? 演奏は……恭介にとっての命だったじゃん。どうして、そんな)

恭介「ダンさんにも言われたけど、勇気を出してやってみるよ。リハビリだって頑張る。だから、さやか、今までありが」


ダンの名前が出た瞬間に、耐えている事が出来なくなった。


さやか「治るよ。恭介の右腕は絶対に治る」

恭介「ん? あぁ、そうだね。治るといいね。でも、右腕はもう、奇跡か魔法でもない限り」

さやか「あるよ!!」

恭介「え?」


さやか「奇跡も、魔法も、あるんだよ!!」

ダン「ジュース買ってきた。って、あれ? さやかちゃんは?」

恭介「えぇと、よくわからないんですけど、急に何処かにいちゃって……」

ダン「急に? どうしたんだよ。恭介君に用があったんじゃないのか?」

恭介「そうなんですけど……。腕が治らないってことを話したら、奇跡も魔法もあるとか言って、それで」

ダン「奇跡も、魔法も……まそか」


思い当たることがる。
嫌な予感が全身を走った。


ダン「ちょっとごめん!!」

恭介「うわぁ、き、急に何するんですか?」


恭介の右腕を確認する。


ダン「やっぱりそうだ」

恭介「やぱっりって……何がですか?」

ダン「腕だよ」

恭介「腕?」

ダン「あぁ、動くだろう」

恭介「っ!?」


ためしにに指先に力を入れてみると、事故を起こす前と同じように動いた。
傷もなくなり、事故が起こる前と同じようになっている。


恭介「本当だ、動く、腕が……動く。ダンさん、僕の腕が動くんですよ」


喜ぶ恭介であるが、ダンは静かに壁を殴った。



ダン「なんでだよ、なんで契約しちまうんだよ」

時間は少し前に遡る。

まどか「はぁー。マミさん達、大丈夫かな?」


放課後、マミやジュウレンジャーと魔女退治に行ったまどかであったが、魔女の結界が見つかると、ゲキやゴウシに危険だからと言われて中に入れてもらえず、帰ることになった。

本当はマミ達の闘う姿を見たかったが、昨日の事もありそうは言えなかった。


メイ「ま~どかちゃん」


まどか「メ、メイさん!? どうして、だってマミさん達と一緒にいるはずですよ」

メイ「う~ん、その予定だったんだけど、まどかちゃんと帰りたいからこっちに来たの」

まどか「え、大丈夫なんですか? みんな、戦ってるんじゃ……」

メイ「大丈夫よ。ゲキ達、それにマミちゃんも十分に強いから」

まどか「そうですか? 」

メイ「うん、きっと大丈夫よ。だから、少し話しながら帰ろう。ね、まどかちゃん」

まどか「は、はい」



帰りながらメイとまどかは最近起きた面白かった事や、好きな食べ物、好きな色などといった他愛もない話をする。
何処となく暗かったまどかの顔もみるみる明るくなってきた。

その最中に、まどかは昨日から思っていることを口にする。


まどか「実をいうと迷ってるんです」

メイ「何を?」

まどか「マミさんも、メイさん達も、魔女退治とか色々とがんばってるのに、わたしだけこんなんでいいのかな、って」

メイ「まどかちゃん」

まどか「昨日の今日って思われるかもしれないんですけど、私って昔から、得意な学科とか、人に自慢できる才能とか何もなく、きっとこれから先ずっと、誰の役にも立てないまま迷惑かけていくのかなって思うと、それが嫌でしょうがないんです」


負ければ誰にも気づかれることなく、決壊の中でさびしく死んでいく。
それは、わかってる。
恐怖もまだ残ってる。

けれども……。


まどか「でも、魔法少女になれば、みんなの役に立てるって、少しでもメイさんたちの役に立てればって思ってるんです、そうすれば、私も何か変われるかなって。だから」

メイ「確かにまどかちゃんの気持ちは嬉しいわ。でもね、そんな気持ちで魔法少女にはなってほしくないの」

まどか「そうですよね、私なんか魔法少女には」

メイ「違うわ。だって、私も最初は戦士になりたかったわけじゃないもの」

まどか「え、それって?」

メイ「昔からずっと訓練ばかりだし、それに一億数千年も眠りに就くことになるのよ。その間、おしゃれも何もできないし、バンドーラが出てこなければ、もっとずっと眠っていたのよ。それが嫌だって思った時期があったわ」

まどか「それじゃあ、どうして?」


メイ「それは、私が、ううん、私たちが地球を守るんだって使命があったから。だから私はジュウレンジャーとして戦ってこれたんだと思うの」


メイ「魔法少女だって戦い続けることは同じだと思うの。誰かの為に、時には自分の為に。あなたには、そんな重い使命を送ってほしくない、もっと自由に生きてほしいの」


まどか「自由にですか?」

メイ「そう、自由に。もっと女の子らしくファッションとかね」

まどか「で、でも、それでも皆の役に」

メイ「だったら、皆の応援をすればいいと思うの」

まどか「応援……ですか?」

メイ「そう、応援。私が前にバンドーラや大サタンに勝てたのは、応援してくれる子ども達がいたから。だから、まどかちゃんには、私達の勝利を信じて、応援してもらいたいの。多分、ほむらちゃんやマミちゃんも喜ぶと思うわ」

まどか「本当にそれだけでいいんですか。もっと他には」

メイ「ううん、帰るところがある、待ってくれる人がいる。それって、凄い戦いのエネルギーになると思うの。そして、これはまどかちゃんにしかできないこと」

まどか「私にしかできないこと……」



メイ「そうだ、そろそろ皆終わると思うから会いに行きましょう。皆、まどかちゃんに遭えば疲れなんて吹き飛ぶわよ。なんたって、まどかちゃんはみんなの帰る場所なんだから」


まどか「は、はい!!」

来た道を戻ろうとする最中にまどかはある人影を見つける。


まどか「あれって仁美ちゃん?」

メイ「知り合いなの?」

まどか「はい、私の友達です。どうして、こんな時間にいるんだろう? 仁美ちゃん」

仁美「あら、まどかさん、御機嫌よう」

まどか「どこ行こうとしてたの?」

仁美「どこって? ここよりもいい所ですわ。ずっといい場所」

まどか「仁美ちゃん。何か……変だよ?」

メイ「待って、まどかちゃん。首元を見て」


言われた通りに、仁美の首元を見てみる。


まどか「あれって、魔女の」


まどかの問いにメイは黙ってうなずいた。


仁美「そうだ鹿目さんも一緒に行きましょう。是非そうした方がいいですわ。そちらの方も一緒にどうぞ、そうですわ、それが素晴らしいですわ」


メイ「まどかちゃんは、皆を呼びに行って。あの子は私がどうにかするわ」

まどか「そんな、仁美ちゃんは友達なんです。だから、わたしも」

メイ「……わかったわ。けど、絶対に私から離れないで」


返事の代わりにまどかはメイの腕を強く握った。

――工場


メイ「ここって……工場? それに、この人たち生気が感じられない」



工場長「俺は……何もできなかった、今の時代に俺みたいなやつが何かできるわけがないんだよな」

主婦「だめよ。あの子も、あの人も……誰も私をわかってくれない……」

学生「ダメだ、もう駄目だ」



まどか「みんな首筋にあの時のマークが」

メイ「この人たちみんな、魔女の餌になるのね。こんなに大勢の人の絶望を、もしも大サタンが取り込んだら」


男性A「楽になるんだ……これで」


まどか「あれって……?」


その2つを見た瞬間に、母親の言葉がよみがえる。
絶対に混ぜてはいけない2つの液体。
混ぜたら、ここの人達は……。


まどか「それはダメー!」


駆け出すが、仁美が腕を広げて道を塞ぐ。


仁美「何をしようとしてますの? これは素晴らしい儀式ですのよ」

まどか「だって、あれはここにいるみんな死んじゃよ!!」

仁美「そうですわ、私達はみんなで旅に出ますの。それがどんなに素晴らしい事かわかりませんかぁ? 生きている体なんて邪魔なだけですわ」

男性B「そうだ!!」

女性「私達は新しく生まれ変わるんだ!!」


仁美の演説により、歓声と盛大な拍手が上がる。


仁美「あなたもすぐにわかります……うっ」


言葉の途中でメイが仁美を押さえつける。


メイ「まどかちゃん、今のうちにあれを!!」

まどか「は、はい!!」



ガシャァァァァァァァン



仁美を押さえつけている内に、バケツを外へと放り投げた。

男性A「うわぁぁぁぁぁ……」


工場長「そいつらを捕まえろ!!」

女性B「神聖な儀式を邪魔した奴らを許すな!!」


人々が目の色を変えてまどかとメイへと襲い掛かってくる。
メイはまどかを後ろに隠し、人々を迎え撃つ。


メイ「まどかちゃん、速く逃げて!!」

まどか「で、でも」

メイ「速く!!」


生身の人達相手じゃ本気が出せず、メイは圧倒的な数を前に追い詰められていく。
その状況を前にして、まどかに出来るのは逃げる事だけ。


まどか「メイさん、すみません」


背後の扉を開き、部屋の中に入る。


男性C「うわあああああああ!!」

メイ「もう、えいっ!!」




まどか「嫌だぁぁ!! 助けてぇ!! メイさあああああああああん!!」





突如聞こえてくるまどかの悲鳴。


メイ「まどかちゃん!? もしかして、魔女がそっちに!?」


悲鳴が聞こえなくなる。
まどかの身に何かが起こったという事だ。


メイ「まどかちゃん!! ダイノ」

仁美「させませんわっ!!」

メイ「きゃぁっ!?」


先程のお返しと言わんばかりに、メイへと体当たりをくらわし、ダイノバックラーが手から零れ落ちる。


男性A「その女を!! 抑えろおおおおおお!!」

メイ「え、ちょっと!?」」

女性C「捕まえろ!!」

女性C「殺してしまえぇぇ!!」

男性D「捕まえたぞ!!

メイ「放して!! 放しなさいよ!!」


絶体絶命のピンチ。
ただの人間相手だからこそ、この数では分が悪かった。

男性に髪を掴まれ、人々に腕や足を掴まれ身動きが取れなくなる。




ダン「とぉう!!」



男性D「がはっ!?」


工場へと辿り着いたダンは、メイを押さえる男性へと跳び蹴りを喰らわせる。


ダン「大丈夫、メイ?」

メイ「ダン、何処に行ってたのよ?」

ダン「ごめん、ごめん、ちょっとね」

メイ「それより、まどかちゃんが大変なの!! 今、直ぐに助けに行かないと」

ダン「まどかちゃんが!? 取り敢えず、こいつらは俺が喰い止めるから、メイはダイノバックラーを拾って助けに行って!!」



ガッシャーン



また別の音が聞こえてくる。


メイ今のって、ガラスが割れる音? しかも、まどかちゃんが入った部屋からだわ」

ダン「もしかして、さやかちゃん!?」

メイ「えっ、さやかちゃんがどうかしたの? ねぇ、ダン!!」

ダン「おりゃっと!! 話し後で!! メイはまどかちゃんを」


考えている時間なんてない。
ダイノバックラーを拾うと、扉へと走る。


メイ「ダイノ、バックラー!!」


走りながらプテラレンジャーへと変身すると、扉を開け魔女の結界へと入っていく。

プテラレンジャー「あのテレビみたいなのが魔女……それに、誰かと戦ってる?」


この結界の主であるハコの魔女。
魔女と対峙しているのは、結界を猛スピードで移動する青い影。


プテラレンジャー「あれって、さやかちゃん!? ダンの言ってたのはこの事だったんだわ」



さやか「これで、止めだああっ!!」



ハコの魔女「ギギ……」


急降下していき、ハコの魔女へと剣を突き刺す。
ハコの魔女は壊れたテレビの様に、画面が映らなくなり、動かなくなる。


――ハハハハハハハ――

プテラレンジャー「あれって……大サタン!! このままじゃ、蘇っちゃう!!」


笑い声が聞こえてくると、黒い影が魔女に吸い込まれるように入っていこうとする。


「させない!! 伏せて、さやかちゃん!! はぁ!!」


ジャンプしてプテラアローを放つ。
光の矢は黒い影突き破り、ハコの魔女に刺さる。


ハコの魔女「ギギ……ガガガガガガガガガガ……」


大サタンが憑りつく前に、ハコの魔女は爆発する。


プテラレンジャー「はぁ……。何とか間に合った」


結界が消滅する。
黒い影は最初からなかったかのように、いなくなっていた。

まどか「さやかちゃん、その恰好……」

プテラレンジャー「なっちゃったの? 魔法少女に?」

ダン「2人とも、急にあいつら倒れたんだけどやっぱ……り、魔女を……」


さやか「あたしが倒したんですよ。まぁ、最後は持っていかれちゃいましたけどね」


魔法少女姿のさやかを見て言葉が出なくなる。
ゲキやゴウシから魔法少女には何かあるのではないかと聞いていた。
だからこそ、契約はさせたくなかった。


さやか「でもさ、助けがが来るのも遅かったし、あたしが来なければ危なかったね。まぁ、ヒーローなのに、間に合わないって言うのも頼りないけどね」

ダン「そんな事より、何で、魔法少女になっちまったんだよ!! なんで、あんな願いを叶えたんだよ!!それが、どんなことか」

さやか「わかってるよ。だけど、それでもあたしはあいつの腕を治したかった。あいつの演奏をもう一度聞きたかった!!」

ダン「あいつは自分の力で頑張ろうとしてたんだよ!! 勇気を出して、0から始めようとしてたんだよ!! それなのに」



ゲキ「メーイ!! ダーン!!」

マミ「やっぱりこっちにいたのね。あら、鹿目さんや美樹さんも一緒なの?」

ゴウシ「すまないな、もう一体の魔女に手間がかかってな。時間がかかってしまった」



こちらへと走ってくるゲキ達。
どうやら、マミが魔女の気配を探ってここまでやって来たようである。

そして、魔女の気配を感じてもう一人やって来る。


ほむら「なってしまったのね、魔法少女に。私の忠告も聞かず」

さやか「転校生……。あんたの思い通りにはならないよ。あたしは絶対に後悔はしない」

マミ「美樹さん」

さやか「マミさん、すみません。でも、あたしは決めたんです。戦うだけの理由もありました。だから、魔法少女になったんです」


ダン「何だよ。人の気持ちを踏みにじるのが、戦う理由かよ……」

ゲキ「止せ、ダン。なってしまったものを言っても仕方が無い。今更、どうにもならないんだ」

ダン「でも」

ほむら「えぇ、彼の言うとおりだわ。既に何を言っても手遅れなの。少なくとも契約については」

さやか「まっ、そういうことですね。マミさん、これからは魔法少女のイロハをお願いします!!」

マミ「え、えぇ、私は全然かまわないけど。でも」


マミの視線の先には心配そうに見つめるまどかの姿が。


まどか「さやかちゃん……本当に大丈夫なのかな?」

――鉄骨


QB「……そういうわけなんだ。わかってくれたかい?」

杏子「わかるも何も、訳も分からない奴が沢山いるって事だろ。なんて言ったけ? 契約した覚えのない魔法少女に、パワーレンジャー、だったけ?」

QB「違うね、正しくは恐竜戦隊ジュウレンジャーだよ。しかも、彼等が現れてからは魔女まで可笑しな姿になったりしているから質が悪いよ」

「ふ~ん。可笑しな姿ねぇ。でもさ、マミの野郎はそいつらのこと信頼してんだろ?」

QB「そうだね。けれども、彼等の事は僕でもわからない。マミを騙しているのかもしれないよ」

「ふーん。マミの奴がそう簡単に騙されるとも思えないんだけどね」




「まぁ、とにかく。最初はそのジュウレンジャーって奴の、お手並み拝見と行きますか」



今回はここまです。
最後に、私はさやかちゃんが好きです。
次いで仁美が好きです。

>>1です。
色々あって書き込みはできませんでしたが、皆さんの意見は目を通しました。
まぁ、ショックといえばショックですね……。もう止めようかとも思いました。

恐らくここで何を書いても批判をされるだろうと予測しております。
なので、これ以上のことは言いません。

ただ、前にも書きましたが、この作品ではそういう性格なだけです。
それが嫌な方はブラウザを閉じてください。



取り敢えず、完結を目指していきたいと思います。
それでは、投下。

――???


暗闇を提灯の光が照らす。
家は建っているのだが、人の気配は全く感じられない。
どの家も真っ暗。

そのベンチにさやかは座っていた。


さやか「は? どこ……ここ?」


気付いたらここにいた。
それまで何をしていたかは覚えていない。


さやか「何でベンチに? てか、ここってバスの停留所? 何か待ってるの?」



カタカタカタカタカタカタ



さやか「ん、何か来る?」


目の前にやって来るのは、バスではなく一台の人力車。
人力車をひいている男の顔は確認できないが、乗っている人物は不思議と見えた。


さやか「あれ、って。そうだ……昨日亡くなった近所に住んでたおばあさん……。なんで?」


その表情からは何も感じさせずに、老婆はただ一点を見続けていた。
止める事も出来ずに、人力車は通り過ぎる。



カタカタカタカタカタカタ



また、もう一台の人力車がやって来る。
今度はさやかの前で止まる。



「美希、さやかさんですね?」



さやか「そうだけど……。ちょっと待って。この人力車って何? さっきの人は何処に行ったの? だって、あの人はもう」



「何処って……そりゃ……」









「――死の国――ですよ」





全身を駆け巡るのは恐怖。

さやか「そ、そんな……嘘だ。だって、あたしはまだ、こうして生きてる」

死神「確かに貴女はまだ生きています。ですが、貴女の運命というのは珍しいタイプなんですよ。ある事をすると、一気に死の可能性が高まる」

さやか「ある事って……」

死神「もうある事はしていました。問題はこの後……貴女は高い可能性で命を落とす。だから、ここで待っているんですよ。貴女は」

さやか「だから、ある事って!!」

死神「知りたいんですか? 知ったところで死を回避できる可能性は低いですよ? だったら、いっそ乗ってしまった方が楽ですよ。後は、死を待つだけですから」



「ちょっと待ってくれ」



青年、というには少し老いた緑や金やらの模様が入った衣装を纏った男が割って入る。
さやかは男の衣装に見覚えがあったが、どうも思い出せない。


「まだ、彼女の死は確定していないんだろう。だったら、まだ乗る必要はないはずだ」

死神「……確かにその通りです。ですが、既に死んでいたあなたと同様。彼女も特殊なケースなんですよ。乗ってしまった方が楽になります」

「だとしてもだ」

死神「……わかりました。ですが、彼女が次にここに来た時には、その死は避けられない。そう思ってください」



カタカタカタカタカタカタ……


人力車は行ってしまう。
後には、さやかと謎の男だけが残る。


さやか「あの……貴方は……?」


「さやかちゃん。俺から君に言えることは1つだ。仲間を信じろ、希望を捨てるな……そうすれば、死の運命を回避できる」


さやか「何で名前を? それに、それって」


「さぁ。戻るんだ」


そう言うと、さやかはこの世界から消失する。
男はただ願うことしか出来なかった。


「頼んだぞ、ゲキ。あの子を救ってやってくれ」

――地下神殿

まどかたちと別れて、ジュウレンジャーは地下神殿へと戻ってきた。


ダン「くそっ!!」

ボーイ「ダン。落ち着けって」


ダン「だってよ、ゲキだって言ってただろう。魔法少女は何か秘密があるって、俺がさやかちゃんにそう伝えてればよかったんだ。なのに、俺は」


自分自身の事を恨んでいる。
契約をさせないつもりでいたが、少し目を離さしたうちに契約させてしまった自分の未熟さを。



ゴウシ「いや、彼女は後悔はしていないって言っていたんだ。それを伝えても契約していたかもしれない」

ダン「けれど!!」

バーザ「落ち着くんじゃ、今更そんな事行ったところでどうにもならん。大事なのはこれからどうするかじゃ」

ゲキ「バーザの言う通りだ。今の俺達に出来る事は、マミちゃんだけじゃなくて、さやかちゃんも助ける事だ。違うか?」

ダン「……そうだけど」


ゲキ「それに、ダンだけじゃなく。俺達も少しゆっくりしすぎたのかもしれない」

ボーイ「ゆっくり、たって。魔法少女の秘密を探ったりいろいろしてたじゃん」

ゲキ「いや、一番怪しい奴は誰が明白だった。だけど、俺達は、そいつを探そうともしてなかった」

メイ「まさか、それって、キュウべぇの事?」


メイの問いにゲキは頷く。


ボーイ「そういえば、あいつ僕達とマミちゃんが共闘する時からいなくなったよね?」

ゴウシ「何でいなくなったのか。考えてみればすぐにわかることだった。俺達がいては不利なことがあるんだ」

ダン「だけどよ。いなくなった奴なんてどうやって探すんだよ?」

ゲキ「いや、奴は彼女達の近くにいるはずだ」

ダン「どうして、そんな事が……あっ、そうか」


言いかけたが、答えはすぐにわかった。


ゲキ「そういう事だ。さやかちゃんの時は、ダンが止める間もなく契約をしてしまったんだろう。という事は、奴はさやかちゃんのを監視していたんだ。いつでも契約を出来て、俺達に邪魔されないように」

ダン「そうか。だから」

メイ「じゃあ、次は……」




ゲキ「あの中で、唯一契約を断った……まどかちゃんだ。キュウべぇは彼女を監視しているはずだ」


――見滝原中


仁美「はぁぁぁ……あ、はしたない。ごめんあそばせ」

さやか「どうしたのよ、仁美? 寝不足」

仁美「えぇ、昨夜は色々とありまして……」


何があったのか、まどかとさやかは知っている。
知っているからこそ、聞かないことにした。


さやか「そうなんだ。実をいうとさ、あたしも昨日変な夢を見てさ」

まどか「変な夢?」

さやか「そうそう。なんかさ、死の世界だとか、人力車とか」

まどか「死、死の世界!? さやかちゃん、それって」

さやか「はははは、大丈夫だって。ただの夢だよ、夢。気にするだけ無駄だって」

まどか「そうだよね。夢だもんね」


夢と言えば、まどかは思い出す。


すっかり忘れていたが、ほむらともジュウレンジャーとも夢の中で出会っている。
ならば、本当にさやかのみた夢も、ただの夢なのだろうか。

一回ここで切ります。
続きは、午前中のどこかで投稿します。

午前中は投稿できませんでしたが、まぁゆっくり投稿していきたいと思います。
取り敢えず、完結目指して頑張りますのでこれからよろしくお願いします。

――放課後・河原


さやか「久々に気分いわぁ、爽快、爽快」

まどか「あのさ、さやかちゃんは、怖くないの? 魔女退治とか、魔法少女になったこととかに後悔はないの?」

さやか「う~ん、いや、昨日も言ったけど、後悔はないよ。あたしはあいつの演奏が聴きたかった。苦しんでほしくなかった。だから……いいんだ」


さやか「それに、これからはバッシバシとマミさんの手伝いもできるからね、大サタンも、ワルプルギスもドーンと来いって感じ、舞い上がっちゃってますね、あたし!!」


笑ってみせる。
長い付き合いであるまどかには、何だかそれが自然な笑顔に見えた。


さやか「まぁ、後悔と言えば、直ぐに願いが決められなかったって事かな。あいつの苦しみも分かっているつもりだったのに、怖くて、ずっと先延ばしにしてた。あたしなんてどうなってもいいはずなのに」

まどか「そんな!! さやかちゃんがどうだっていいはずがないよ。だって、私は、さやかちゃんに何かあったら……悲しいもん」

さやか「……まどか。えい!!


さやかはまどか頬を引っ張る。


まどか「しゃ、しゃやかしゃん」


さやか「大丈夫だって、あたしはマミさんみたいな立派な魔法少女になるって決めたんだから。だからさ、そんな顔しないでよ」




ほむら「そう。それは、立派な心がけね」



さやか「転校生!?」

まどか「ほむらちゃん」


毎度同じく、いつの間にさやか達の傍に現れる。


さやか「何の用? 昨日も言ったけど、あたしは後悔なんてしない」

ほむら「……私は特に用はないわ。ただ、頼まれただけよ」

さやか「え?」


メイ「さやかちゃん」

ボーイ「やぁ、昨日ぶり」

ダン「……」


ほむらの後ろには、ジュウレンジャーの3人がいた。
3人の中で、ダンだけが表情が暗かった。


さやか「あいつ等……転校生が連れてきたの?」

ほむら「あなた達の居場所を聞かれたから連れてきたの、大体ここら辺にいるってね」

さやか「なんで転校生が知ってんだよ」

ほむら「……統計よ」


また、それ以上は何も語らない。
何かを隠している。それが、さやかを苛立たせた。


メイ「さやかちゃん。ちょっといい?」

さやか「……何ですか?」

メイ「さやかちゃんは昨日契約したって言ってたけど、その時はキュウべぇに契約をしてもらったのよね?」

さやか「えぇ、はい。そうですけど」

メイ「その時、キュウべぇは何処にいたの?」

さやか「何処って……そりゃ……」


そういえば、あの時、キュウべぇはまるでさやかを待っているかのように病院にいた。
何で、あの場所に……。

いや、そんなことどうでもいいはずだ。
たまたまという可能性だってある。


さやか「もしかしてキュウべぇの事を疑っているなら止めてください。キュウべぇは確かにちょっとわからないことはあるけどあたしの恩人なんです」

メイ「そういうわけではないの。ただ、ちょっと気になっただけ」

さやか「……そうですか」


ボーイ(やっぱり、ゲキの言う通りだったんだ。キュウべぇは、今もどこかにいるんだ……)


キョロキョロと辺りを見回してみるが、そのような姿は見当たらない。
ゲキは大丈夫であろうか?

メイ「ありがとう、答えてくれ。後、もう一つ……ほら、ダン」


メイは無理やりダンをさやかの前に立たせる。


ダン「あの……さ。昨日はごめん!! さやかちゃんの願いを否定して……」


頭を下げて謝る。


さやか「そんな、謝られても……」

まどか「さやかちゃん。許してあげようよ。ダンさんだって、悪気はなかったんだよ……」

さやか「……」


許せるか、許せないかで言えば許せない。
自分は、彼等の事が嫌いなのだ。

だが、親友の手前、頭まで下げられて許さないわけにもいかない。


さやか「別にいいですよ」

ダン「え、あ、ありがとう。じゃ、仲直りの握手でもしようよ。これから、一緒に戦っていくんだしさ」


ダンは手を差し出すが、さやかはその手を受け止めなかった。


ダン「なっ……」

ボーイ「あぁ、ダン落ち着いてって」


殴りかかりそうになったが、ボーに止められる。

さやか「……で、話ってのはこれで終わりなわけ? だったら、あたし大事な用事があるんだけど」

メイ「大事な用事?」

ダン「大事な用事って、こんな時間から何があるんだよ?」

さやか「……」

まどか「もしかして……上条君?」


悪気はないであろう、親友の言葉。


ダン「上条君って、昨日のだろ。実はさ、俺今日も行くって約束をしてたんだよね」

さやか「恭介とですか?」

ダン「あぁ。だからさ、俺もついて行っていい?」


本音を言えば、断りたかったが、恭介が会いたいならば仕方が無い。
別に自分は恭介の彼女でも何でもないのだ……。



さやか「別にいいですよ」

ダン「本当!! いや、ありがとう」


素直に喜ぶダン。
昨日まで、さやかと口論をしていたとは思えない。


まどか(ダンさんって……もしかして)

ほむら(良く言えば細かい事は気にしない。悪く言えば、馬鹿ね)

さやかとダン達が病院へと向かってしまい、まどかとほむらが残される。


まどか「それじゃ……わたしも帰ろうかな」

ほむら「えぇ、そうした方が良いわ」

まどか「あの……さ、ほむらちゃんは、この後用事とかないの? もしなかったら一緒に帰ろう?」

ほむら「別にかまわないわ」


一瞬だが、無表情のほむらが笑ったように見えた。


まどか「それじゃ、帰ろう」

ほむら「えぇ」


ほむらとまどかも行ってしまう。
すると、その場所にゲキが現れる。

ゲキはダン達の後を追ってこの場所へとやってきていた、そして、陰からキュウべぇの事を探していたのだ。


ゲキ「どこにいるんだ? キュウべぇ」


探してみるが、見つからない。
だが、絶対に近くにいるはず。


ゲキ「ん、あれは」


猫のような大きさに、兎のように長い垂れた耳、白い体。
間違いない。
キュウべぇだ。


ゲキ「待てっ!!」


キュウべぇは走って行ってしまう。
まるで誘っているようであったが、着いていかないという選択肢はなかった。

――路地裏


ゲキ「どこにいるんだぁ!! 出て来い、キュウべぇ!!」


追いかけていたらこの場所へと到着する。


QB「やれやれ。そんなに騒がなくても、僕はここにいるよ」


以外にも直ぐに姿を現す。
キュウべぇはポリバケツに乗って、ゲキへと目を向ける。


ゲキ「久しぶりだな、キュウべぇ」

QB「そうだね、君と会うのは確かに久しぶりだね。さやかとはこの前会ったんだけどね」

ゲキ「……随分と、あっさりと話してくれるんだな」

QB「僕達は嘘を吐かないからね。聞かれれば答えるよ」

ゲキ「なら、聞きたいことがある。魔法少女の秘密についてだ。 ソウルジェムとグリーフシードとはなんだ? 魔法少女には何が隠されている?」

QB「それが君の聞きたいことかい。いいよ、話してあげる」



QB「ソウルジェムは、魔法少女そのものさ」



ゲキ「何だと?」

QB「聞こえなかったのかい? ソウルジェムは魔法少女そのもの、つまり魂だよ」

ゲキ「ならば、彼女達の肉体は……」

QB「簡単さ、ただの入れ物に過ぎない。考えてみるといい、普通の肉体で魔女となんか戦えるはずがないだろう、場合によっては痛みなんかも遮断できる、戦いにおいては非常に便利だ。むしろ感謝されたいね」

ゲキ「ふざけるなぁ!!」


ジュウレンジャーのリーダーであるゲキがここまで感情を表に出すのは珍しい。
だが、許せなかった。


QB「ふざけてなんかないよ。そもそも、魔法少女というのは、魔力によって駆動される肉体を指すのではなく、脳に、筋肉に、信号を送る魂を移した、つまりボクとの契約によって生まれるソウルジェムのことを指すんだ。それに、目には見えなかったものが、目に見えるようになっただけ。それで不死身の肉体を得た、損はしてないと思うけどね」

ゲキ「人間はその目に見えないものに、喜びを感じながら生きているんだ。お前にはそれがわからないのか?」

QB「いいや、訳が分からないよ。それより、聞きたいのはそれだけかい?」

ゲキ「……いや、もう1つ。ソウルジェムの濁りが溜まるとどうなるんだ? グリーフシードとはなんなんだ?」

QB「君たち、ジュウレンジャーはよくそんなことに目が行くね。当の本人たちは魔力が回復する物って言えば、気にしなかったのにね」

ゲキ「だから教えないのか?」

QB「いいや、聞かれないからさ」


シレっと答える。
まるで、感情が無いみたいである。


QB「この国では成長途中の女性の事を少女と呼ぶんだろう? だったら、やがて魔女になる魔女になる彼女達の事はなんと呼ぶべきなんだろうか?」

ゲキ「……まさか」



QB「そうだよ。ソウルジェムが完全に濁ると、魔法少女は魔女になる」




ゲキ「そんなことが許されると思っているのか? お前は、彼女達を騙していたというのか!!」

QB「騙していたとは人聞きが悪い、聞かれなかったからって言っただろう。それに、これは宇宙のためなんだよ」

ゲキ「宇宙のためだと? 何も知らない少女を騙して、何が宇宙だ!!」

QB「君達の世界では宇宙は平穏らしいね。ただ、僕達はそういうわけにもいかないんだ。色々と事情があるからね」

ゲキ「事情……どういうことだ?」

QB「話してあげてもいいけど、行かなくてもいいのかい? 感じるだろう、魔女の気配を」

ゲキ「!?……しかも、この気配は」

QB「すでに大サタンってのに憑りつかれてるんだね。早く行きなよ。大サタンが復活してしまうよ。まぁ、君に少女であった彼等を倒す覚悟があれば、だけどね」


次に振り向いた時のはQBはもう消えていた。
まだ聞きたい事があったが、迷っている暇はない。

ゲキは魔女の気配がする方へと走っていった。

――結界内


ゲキは変身してティラノレンジャーになり、結界の中へと入る。


ティラノレンジャー「でかい。あれが……魔女か」


委員長の魔女。

かつてはそう呼ばれる存在であったが、大サタンの力が加わり姿が変貌してしまっている。
邪悪な笑みを浮かべる頭が生えており、4本の腕は禍々しい爪生やしており、体は骨のようになっている。

サタンの魔女は笑っていた。
この世のすべてに絶望したかのように。


ティラノレンジャー「だが、彼女は……」


先程のQBの言葉がよみがえる。


魔女「ギャハハハハハハハハハハハハ」


その巨体を揺らして、ティラノレンジャーへと襲い掛かってくる。


ティラノレンジャー「くっ、考えている時間はない。せめて、抑えなければ」


腕を大きく上げて、ティラノレンジャーは叫んだ。


ティラノレンジャー「現れろ!! 守護獣、ティラノザウルス!!」


呼べば、現れるはずだった。
だが、何も起こらない。


ティラノレンジャー「反応が無い。もしや、別世界だから、それとも結界の中だから守護獣が現れないのか」

魔女「ギャハハハハハハハハハハハ!!」

ティラノレンジャー「くっ、レンジャーガン!!」


腰に収められていたレンジャーガンを放つ。
が、あまり効いていない。


魔女「ギャハハハハハハハ!!」

ティラノレンジャー「駄目か!? うわぁぁぁ!!」


洗濯紐のようなものが張りつめられたこの場所では、非常に戦いづらい。
魔女が紐を揺らせば足場も揺れる。

落ちないように戦うだけで精いっぱいである。


魔女「ギャハハハハハハハ」


口から弾丸を放つ。
この技は大サタンの力が加わったことにより、魔女が新たに手に入れた力である。

ティラノレンジャー「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!」

周囲の爆発に巻き込まれ、吹き飛ばされる。

ティラノレンジャー「くぅぅ……」

真下へ落ちそうになるが、左腕で紐を掴んで落下を阻止する。
魔女は蜘蛛のように紐を突っ立って、ゆっくりとティラノレンジャーへと迫る。

ティラノレンジャー「止めるんだ!! 君だって、こんなこと望んでいない筈だ!!」


魔女「ギャアハハハハハハハハハ!!」

ティラノレンジャー「聞こえないのか? もう、手遅れだというのか?」

魔女「ギャハハハハハハハハハハハ!!」


何かに苛立ちを感じているのか、癇癪を起こした子供の様に暴れ紐を揺らす。
その姿はまるで……。


ティラノレンジャー「もしかして……泣いているのか? 騙され、利用され、そして今も大サタンに利用されている。その事を……」


勿論、魔女は何も答えない。
だが、感じる。
魔女の叫びから、彼女の悲しみが。


ティラノレンジャー「生きていたかったんだろう。今日を、明日を、あいつと出会わなければ続く筈だった未来を……」


マスクの下でゲキの涙が零れる
決意はできた。
今自分のやるべきことは分かった。


魔女「ギャハハハハハハハハハ!!」


魔女の体が、再びティラノレンジャーへと向かって動き出す。
もう、その叫びからは何も感じられない。


ティラノレンジャー「もう、人としての感情すらないというのか? ただ、大サタンに利用されるだけというのか? そんなの、間違っている!!」


ティラノレンジャーの決意が、その右腕に短剣を出現させる。


ティラノレンジャー「俺は君の魂だけでも救って見せる!! もう絶望しないように!! 大サタンなんかに利用されないためにも!!」


右腕に出現した短剣・獣奏剣を高く上げる。


ティラノレンジャー「兄さん、力を貸してくれ!!」


叫びと同時に体が眩い光に包まれる。


魔女「!?」


その光に魔女が怯える。

光が収まると、新たな戦士が出現する。



ティラノレンジャー「アームドティラノレンジャー!!」



兄から受け継いだ黄金に輝くドラゴンアーマーが胸に装着され、左腕には龍撃剣、右腕には獣奏剣が握られている。
これこそが、正義と力を兼ね備えたジュウレンジャー最強の戦士の姿である。


魔女「ギャハハハハハハ!!」


サタンの魔女の攻撃をドラゴンアーマーが防ぐ。


アームドティラノレンジャー「効かない。大サタン、少女の絶望を利用した貴様の攻撃など。俺には通じない!!」


魔女の攻撃を防ぎながら、駆け出す。


アームドティラノレンジャー「龍撃剣!! 獣奏剣!! はぁ!!」


龍激剣と獣奏剣。
二つの剣から繰り出される必殺技・アームドティラノスラッシュが魔女の頭を切り裂く。



魔女「ギャハ……ハハ……ㇵ」



消滅していく魔女と、憑りついていた大サタン。


これが正しいのかはわからない。
だけど、こうするしかなかった。


ティラノレンジャー「眠ってくれ、安らかに」

結界が消滅しグリーフシードが残る。


ティラノレンジャー「彼女達は……こんなものの為に」




「へぇ、中々やるじゃん。あんなでかいのを一撃で倒すなんて」




ティラノレンジャーの前に、赤髪の少女が降り立つ。


ティラノレンジャー「君は……魔法少女か?」

魔法少女「そうだけど。キュウべぇに呼ばれてきてみれば、あんたが戦ってるからさ。お手並み拝見程度に見せてもらったわけ。まぁ、何言ってるかは全然聞こえなかったんだけどね。興味ないし」


何言っているかわからなかったのは、幸いだったのかもしれない。
恐らく、この少女も魔法少女の秘密を知らない。


杏子「まぁ、お手並み拝見させてもらうよ」

ティラノレンジャー「何!?」


ガキン!!


剣と槍がぶつかり合う。


ティラノレンジャー「ま、待ってくれ。俺達が戦う理由はないはずだ」

杏子「問答無用!!」


その腹部目掛けて足を振るうが、後ろへと後退して回避する。


魔法少女「へぇ、今のを避けるなんて、中々やるじゃん」

ティラノレンジャー「何故、俺達が戦うんだ? 俺達が戦ったところで、大サタンは消滅しない」

魔法少女「そんなことどうでもいいよ。ただ、あんた等はあたしの邪魔になる。理由はそれだけだよ」


ティラノレンジャー「話を聞いてくれ……うっ」


苦しそうに足を押さえる。


魔法少女「あんた、その足、怪我したのか?」

ティラノレンジャー「あぁ、さっきの戦いでな」


何を思ったのか、魔法少女は溜息を吐いて槍を消した。


魔法少女「ふ~ん。だったら、今はいいや」

ティラノレンジャー「なに?」

魔法少女「……拍子抜けしたし、あたしは帰らせてもらうよ」

ティラノレンジャー「待ってくれ!! 君は、一体何なんだ?」

杏子「佐倉杏子。見ての通り魔法少女だよ、……他人のために戦わないことを決めたね」


そう言い残すと、杏子は去っていく。


ティラノレンジャー「……佐倉杏子。4人目の魔法少女か」

取り敢えず、こんなところです。
書き溜め部分の病院とかのシーンを削りまくって投稿しました。

まぁ、サクサク進めていきたいと思います。

ついでに、マミさんはゴウシと一緒に魔女退治しています。

次回は投稿がかなり遅くなりますがご了承ください。
忙しくなくなったら投稿します。

魔法少女達をクズ呼ばわりしてる馬鹿がいるが
当人達が置かれてる状況への厳しさ、使命への重責をわかってるのかね?
自分だけ生き残って周りが敵ばかりで親も友達もいないという環境で、贖罪からの正義への重責
願いに裏切られ親からは「魔女」と呪われ家族は自分を残して無理心中
今まで入院生活でやっとできた友達は死に助けたくても何度も失敗して誰にも信じて貰えない
こんな環境で孤独な日々を送っていたら、そりゃ擦り切れるのも当然だわ
皆、契約過程や動機や経験から殆ど強迫観念的な責任感や使命感、罪悪感を抱えた結果
良くも悪くも自分が絶対正しいって思考になっちゃってるし
これらを無視してクズ呼ばわりしてる奴は魔法少女界隈で生きていくことや本人達の境遇の過酷さを舐めすぎだわ

まあ少なくとも「自分には先輩風吹かす感じが解らずこんなキャラになってしまいました ^ ^」
とか舐めた事を抜かしてる奴にそんな苦悩が表現できるとは思えないけどね

境遇を言い訳にしてもクズであることには変わらんだろ
草加さんや北崎がましに見えるレベル

>>241
こういう作品下げが自分の嫌いな作品を下げて好きな作品を相対的に上げることになると思っているアホは死んで欲しい
てめえの好きなジュウレンジャーも含めたクロスひいては特撮全体への強烈なアンチ活動にしかなってねーんだよ  糞が

美味しい所はクロス側がかっさらう
可哀想だから助けて挙げようと上から目線
相対的にageるために原作よりも改悪されるキャラ

殆どが当て嵌まるなww

>>267
「BLACK 」はともかく「RX」が当時どれだけ賛否が激しかったのかわかってんの?
白倉PのRX批判とか割と有名だぞ

価値観の押し付けで言うなら、例えば同じライダーの「龍騎」で
RXそのままのノリで「南光太郎」がライダーバトルを止め様とする道理が通用するのかと

俺は無理だな。
「この戦いに、正義はない。そこにあるのは純粋な願いだけである」編集長の言葉が象徴する様な作品でそれやられたら
全てが一気に茶番とかすわ

まぁぶっちゃけた話、>>1が前に書いたっていうコブラクロスも、
あれはコブラだからよかったのであって、他のキャラでやったとしたら相当ウザくなるだろうけどね

てなことで>>1です。

というよりも、毎回凄いな……。
本文よりも、皆さんのレスの方が多いんじゃ、そんな感じです。

皆さんのコメントは毎回読んでいました。
まぁ、色々な意見がおありのようですね。

今回、言いたいことがあります。
まず、1つめに>>292、私はコブラのSSを書いていません。というよりも、このSSにコブラなんて言葉は出ていないと思いますが……。
あの作品は素晴らしかったですよね。私はその方の今の作品も応援しております。
一応、コブラSSの方に迷惑になりますので、そのような批判は言わないでください。

それともう1つ、実を言いますと、>>1はこのサイトで別のSSを書いていました。
この作品が悪いのか、それとも私の書き方が悪いのか、それを調べてみました。
その作品も、クロスでして、片方の方に重点を置いて書きましたが、結果的に、もう1つの作品は無事終わり、皆さんからレスを幾つかもらって終了しました。
こう考えると、やはりこの作品の設定が悪いようですね。

嫌なら見るなとは言いませんが、せめて上げないでください。
この作品は、これからはsage投稿でやっていきたいと思います。

あぁ……こんな作品あったな……。

位な感覚で終わらせる予定です。
どうかお願いします。

それと、投稿は来週まで待っていてください。
それまでには、色々と予定も終わるので。

書きダメはあるのに、遅くなる……。
いったいなんなんだ、このジレンマ?

ってことで、ゆっくりと投稿したいと思います。

――魔女の決壊


マンモスレンジャー「モスブレイカー!! 今だ、マミちゃん!!」

マミ「はい。……ハァッ!!」


無数のマスケット銃からの一斉射撃が、魔女を撃ち抜く。


魔女『ギャアアアアアアアア!!』


叫び声を上げると、魔女はグリーフシードを残して四方八方に爆発していく。


マミ「やった!!」

マンモスレンジャー「お疲れ様、マミちゃん」

マミ「いいえ、ゴウシさんのお蔭です。私一人の力じゃ……」

マンモスレンジャー「いいや、俺は何もしてないよ。マミちゃんが強くなっただけさ」

マミ「はは……、そうだといいんですけど」


笑ってはいるが、何処か元気が無いように見える。
マンモスレンジャーは変身を解くと、その頭に手を置いた。


マミ「ゴ、ゴウシさん」

ゴウシ「さやかちゃんの事を考えていたんだろう? だけど、マミちゃんがそんな思いつめる事じゃないさ」

マミ「……わかっちゃいますか?」

ゴウシ「わかるさ。その顔を見てればな」

マミ「何だか、私っていい加減だなって。あんなに彼女達を魔法少女に勧めてたのに、いざ自分が死にかけて、ゴウシさん達の様な仲間が出来た途端、魔法少女は危険よ、なんて」

ゴウシ「……」

マミ「もしかしたら、彼女を魔法少女にさせてしまったのは私のせいかもしれない。私が、彼女を危険な目に」

ゴウシ「そんな事はないよ。誰だって孤独は嫌さ。仲間が欲しかった、その気持ちは誰も否定できないよ」

マミ「でも!?」

ゴウシ「マミちゃん。俺達は完璧じゃないんだ。予想通りに物事が進まないことだってある、予期せぬことが起こることだってある。大切なのは、その時にどうするかだ」

マミ「どうするかですか?」

ゴウシ「そうだ。一人で抱え込んじゃ駄目だ。皆を頼るんだ。さやかちゃんの事は、これからみんなで考えていけばいい。俺やマミちゃんは守ればいい。そうだろ?」

マミ「……そうですね。ありがとうございます。ゴウシさん」






まだ、彼等は知らなかった。
もう、そんな時間など残されていないという事を……。

既に運命は動き出していたのだ。

――地下神殿


普段、ゲキ達が使っている場所以外にも、地下神殿には幾つもの部屋がある。
サタンの魔女を倒したゲキは、地下神殿に戻り、天界へと続く扉を開いた。

この世界に到着する前に訪れた、守護獣が揃う場所に辿り着くと、ゲキは守護獣へと叫んだ。


ゲキ「守護獣達よ。先ずは聞いてくれ、この世界では守護獣を呼ぶことは不可能だというのか?」

守護獣『あの世界は、お前達がいた世界とは次元が違い、歴史が違う。その世界には私達の力を送るので精一杯だったのだ』

ゲキ「それでは、やはり……」

守護獣『恐竜が滅亡した歴史。その空間に私達が行くことはできない』


やはり想像通りであった。
それに、もう1つ聞きたい事がある。
もっと大事な事が。



ゲキ「ならば、もう1つ尋ねたいことがある。魔法少女を……ソウルジェムを元に戻すことはできないのか?」

守護獣『……』

ゲキ「答えてくれ!! 守護獣達!!」

守護獣『ジュウレンジャーのリーダーゲキよ。今は大サタンを倒すことだけを考えるのだ。そうでなければ、その世界は救えん』

ゲキ「確かに世界も大事だ。だけど、俺はあの子達も救いたい!! このままではいつか、彼女達は……」

守護獣『どうするのかは、前が決めることだ。何も言う言葉はない』

ゲキ「待ってくれ!! 守護獣!!」


ゲキの言葉も虚しく、守護獣達がその部屋から消えていく。

神である、守護獣達は時に厳しい一面がある。
世界を救うために最善を尽くす、その為なら一時的に命をも復活させる。
その為に、残り少ない命で彼は苦しんだのだ。


ゲキ「くっ。どうしようもないというのか? 魔法少女を救うことはできないというのか……」

病院の屋上で行われた恭介の演奏会が終わると、さやかはダン達と別れて足早に帰ってしまった。
これ以上、ダンたちと一緒にいたくはなかったのだ。


さやか「恭介の奴。嬉しそうだったな……あたしはあいつの演奏する姿が見れればそれで良かったんだ。だから……後悔なんて」


「後悔なんてない? そのわりにはさっきから暗い顔してるじゃん?」


さやか「ん!? 誰!!」


突如背後から聞こえてくる声に振り返る。


杏子「まさかと思うけど、やれ正義が、やれ人助けだという理由で、あいつと契約したわけじゃないよねぇ? あんた」

さやか「あんたは……魔法少女なの?」

杏子「そんなの見ればわかるだろ。まぁ、あんたやマミと違う魔法少女だけどね」

さやか「マミさんの事を知ってんの?」

杏子「知ってるよ、正義のために戦ってる甘ちゃんの事だろ?」

さやか「っ!? マミさんを馬鹿にするな!!」


さやかにとって巴マミとは憧れであり、尊敬できる人物である。
それが馬鹿にされるのは許せない。


杏子「はぁ……。キュウべぇ、なんであんたこんな奴と契約したわけ?」

QB「僕に拒否権はないからね。上条恭介の腕を治す、それで契約したいと言ったら、契約したまでさ」

さやか「きゅ、キュウべぇ……」

QB「やぁ、久しぶりだね。さやか」


杏子「へぇ~。やっぱり人のための願いか。そんなどうしようもない願いのために契約したのかよ。笑っちゃうね」

さやか「あんた……絶対に許さない!」


拳を握りしめる。


杏子「何だい? やろうっての? だったら場所を変えよう。ここじゃ、人目に付く過ぎるからさ」


気楽に言うと杏子が背を向けて歩き出し、さやかはその後をついていく。
これから戦う相手に背中を向けてるというのも、絶対に負けない自信がある現れからなのだろうか?

やっぱり魔法少女はクズだな

「大人」を気取ってるジュウレンジャー側が気持ち悪いわ

またまどか厨か

>>341
クロスとは名ばかりの蹂躙を繰り返してる特オタがどうかしたか?
まどマギをいい方向に導くとか思ってるのかね?
何が「ヒーロー」だよキモチワルイ

(いい方向に導いちゃ)いかんのか?

>>343
クロスオーバーってのは両方を引き立てる物だろ
これは推してる作品の為にもう片方を貶めるタイプ
クロスした側の大人()キャラをヨイショしてるだけ

少なくともいい方向だろうが何だろうが「導く」とか何様としか思えないね

>>345
結論ありきで語っている人に何を言っても無駄
このSSが気に入らない、その前提はなにがあろうと絶対に変わることがないんだから
お互いの歩み寄りは期待できない

>>346
こっちも元から馴れ合いなんざするつもりはないですし
それから自分らが被害者みたいな言い分だけど
>>339みたいにまどマギを貶める発言はスルーなのに特撮側の悪口には噛み付くんだな

>>339に限らず、やたらとまどマギを下に見ている発言が多いけどな
このスレは

特撮嫌いの一方的な価値観の押し付けに潰されるとか不幸すぎて笑えん
でも>>1を信じてみるぜ

「特撮嫌い」っていうか「勧善懲悪」が嫌いなのかな?
>>278で「RX」が「龍騎」に参戦するなんてありえない、「想像」でしか解らないような例を挙げて
「俺は」無理だなとか自分の「一方的な価値観による無責任な暴論」押し通そうとしてみたり
>>341で「ヒーロー」を「キモチワルイ」とか言ってみたり「自分で出した言葉」に噛み付いてみたり
結構筋金入りだよねw

ガンダムの例えとか出されてもガンダムしらねーからそんな例え出されてもうろたえるんだが

ニコ百で調べた知識で言うなら、それの為に罪なき人を死なせるならそりゃ大問題だけど
そんなことせず、当たり前の範囲の「苦しむ目に合わせたくない」に収まってるのに何故そんな極端な例えを出すのか

そういえば前にどっかのライダークロスでも同じようなのが力説してたな
確か「フォーゼの弦太朗はまどマギや龍騎みたいな世界じゃ通用しない!」って
しかも理由が「茶番になるから通用しない」っていう謎理論
クロスオーバーなんだから出来なかった事ができるようになるのが当たり前なのに

何だこいつらキメエ
臭いスレには臭い奴等が集まるって本当だったんだな

作品・キャラ・ファンをバカにするようなもん書いといて「二次創作に文句言うな」とかいくらなんでも虫が良すぎるだろ
だいたい「目に付いたから文句言った」ってだけだろう
嫌なら「見ない」のも「文句言う」のも選択肢の一つであるんだし何を書こうが自由


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