えれん「くちく!」(206)

※現パロ
※ネタバレしないように頑張る






ユミル「‥‥ってことで、何か月か出張することんなっちまった」

クリスタ「え、ええええ!?そんなぁ‥‥」

ユミル「ほんとにごめんなクリスタ‥‥」ダキッ

クリスタ「‥‥ううん、私は平気だよ!むしろ、私が迷惑かけちゃってたわけだし、気にしないで」

ユミル「つってもよぉ、不気味なノッポに鼻息荒いメンヘラゴリラのストーカーがいる街にクリスタを残していくなんて‥‥」グスッ

クリスタ「でも、ユミルが何度か撃退してくれたお陰で最近はあんまり見かけないし‥‥もしかしたら、諦めてくれたのかも」

ユミル「未だに曲がり角の度にノッポのハイライト消えた目が浮かんでないか気にするのにか?」

クリスタ「う‥‥」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1370783136

クリスタ「だ、大丈夫だよ!暫く会社に泊まったり、帰る日はタクシー使ったりするから!オートロックのこのマンションだし、それなら平気でしょ?」

ユミル「‥‥いや、やっぱり心配だ。クリスタ、もう会社辞めて私の嫁になれ」スリスリ

クリスタ「きゃ!?も、もう!無理に決まってるでしょ、ユミルったらぁ!」ジタバタ


ガタタッ ガタッ


クリスタ「っふゃああああ!!」ビククッ

ユミル「‥‥やっぱ駄目じゃねぇか」スリスリ

クリスタ「だ、だって今、何か物音が‥‥っ、もう、ユミル!」キッ

ユミル「おー、女神様は怒っても可愛いなぁ」ナデナデ

クリスタ「そうじゃないってばぁ!」


\くちくー!/ ガタガタッ

クリスタ「!? ね、ねぇ、ユミルには聞こえないの!?今、声も‥‥!」

ユミル「‥‥ちっ。ちょっと待ってろ」スタスタ

クリスタ(あれ?ユミルには分かるのかな‥‥そういえば、物音も声もユミルの部屋から聞こえたような‥‥)

ユミル「ほらよ、クリスタ。プレゼントだ」ポイッ


\くち、くっ!?/ ヒューン


クリスタ「え!?な、何‥‥っ、きゃあ!」キャッチ

えれん(10cm2頭身)「‥‥くちく!」チマッ

クリスタ「!?」ズキューンッ

ユミル「あとこれ、飼育マニュアルな」コツン

えれん「くちく!」ムフー

クリスタ「え、えっ!?こ、これって‥‥」

ユミル「ん?ああ、小人だよ。最近話題のマイナーペットって奴だ。詳しくは本読んでくれよ」

クリスタ「そういえば‥‥最近、街でたまに見かけてたかも」ナデナデ

えれん「‥‥くち?」ジー

クリスタ(か、可愛すぎる‥‥っ!)キューン

ユミル「こいつは主人に従順な分、主人以外には好戦的な種類なんだってよ。だから用心棒兼、お留守番のお供ってわけだ」ニヤニヤ

クリスタ「お、お留守番って、子供じゃないのに‥‥」

ユミル「ああ、でもトイレの躾だけはしっかり頼むぞ?」ニヤニヤ

クリスタ「そうだよね、今はルームシェアだけど元はユミルの部屋だし‥‥頑張ろうね?」ツンツン

えれん「くち?くちく!」ムッフー

クリスタ(可愛いよぉ‥‥!!)ズキュキュキューンッ

クリスタ「で、ユミル!この子のゲージとか、飼育道具とかは?」

ユミル「そこまでは知らねーよ、そいつくれた先輩の話じゃ同居人のように扱うだけでいいとか言ってたしいらないんじゃねぇ?」

クリスタ「ええ!?で、でも、こんなに小さいから、入り込んじゃったり、踏んじゃったりが怖いよ‥‥」

えれん「くちくー」キョロキョロ

ユミル「ならその本読んで調べてくれよ、その為にわざわざ恥ずかしい思いして買ってきてやったんだぜ?」


『かわいい小人ちゃんと暮らすための仲良し本~小人ちゃんの全て~』キラキラー


クリスタ「‥‥ふふっ」

ユミル「笑うなよ!」

クリスタ「だって、このすっごい可愛い表紙を、いつもは経済の本とか英語の本買ってるユミルが買ったの想像すると‥‥ふふふっ」プルプル

ユミル「だーもう!さっさと読めよ!」グリグリ

クリスタ「きゃっ!わ、分かった‥‥どれどれ」パラッ


『1.ペットショップ選び~購入、同時に揃える飼育アイテム
2.初めての触れ合い
3.しつけ~基礎編、生活に必要な躾
4.しつけ~応用編、種類・個体に合った適切な育て方
5.しつけ~上級編、これが出来れば小人マスター!
6.病気かな?と思ったら~よくある初期症状、応急処置のあれこれ
8.迷惑行動・悪戯に困ったら~解決方法十選!これで良い子に
7.恋の季節~繁殖について
9.最後に』


クリスタ「‥‥ずいぶん分厚いと思ったら、かなりしっかりしてるんだね‥‥」

ユミル「おまけにカラー満載写真満載、これ一冊で五千円だぞ!?ぼったくってるよなぁ」

クリスタ「で、でも、ちゃんとした知識は必要だし‥‥ちょっとずつ読んでみるね」パラ

『1.ペットショップ選び~購入、同時に揃える飼育アイテム』


クリスタ「ペットショップ選びは飛ばしちゃっていいかな‥‥へぇ、ブリーダーさんに直接っていう方がまだ多いんだね」

ユミル「あー、そういえば先輩の知人がブリーダーって言ってたな」

クリスタ「ふむふむ‥‥一体一体のお世話が結構手間が掛かるから、同時に多数飼うのは大変って事らしいよ。頑張らなきゃ!」グッ

えれん「くちくー!」ダッシュ

ユミル「また瓶に詰めるぞ?」ジロリ

えれん「くち!?」ビクッ

クリスタ「そんなことしてたの!?ユミルひどい、こんなにかわいいのに!」

ユミル「いいからさっさと読めよ、テーブルから落ちないようにだけ見といてやる」ペシ

クリスタ「う、うん‥‥もう詰めないでね?」パラ

『‥‥して、この子はあなたの家族です! \可愛がってね!/』

クリスタ「きゃー!この写真の子も可愛いー!」

ユミル「おい、さっさとしろって」

クリスタ「ご、ごめん‥‥ええっと、肝心な部分はっと‥‥飼育アイテムね」

『小人ちゃんは基本的に、人間と殆ど一緒です。成体ではほとんどの個体が絵本を読む程度が出来ます。文字を書いたという報告もあり、まだまだ小人ちゃんは発展途上です』

クリスタ「すごい!文字まで書ける子がいるんだぁ。この子は出来るかな?」

えれん「くちく?」キョトン

ユミル「馬鹿っぽいから無理じゃねーの」ケラケラ

クリスタ「そんなことないよ!‥‥っとと、続き続き」

『そんな小人ちゃんと暮らすために必要なアイテムはこちら!

1.小人ちゃんのベッド
小人ちゃんよりも一回り大きく、寝返りを打ってもはみ出してしまわないようなサイズが一般的です。
手作りベッドは愛情が増しますね!その場合は、程良い弾力がないとかえって疲れてしまうので注意!

2.小人ちゃんのおトイレ
大抵の小人ちゃんは、ブリーダーさんから既におトイレの方法を教わっています。ブリーダーさんってスゴイ!
なので、小人ちゃん専用のおトイレを設置してあげましょう。ご自宅のトイレ付近に設置しておくと、お掃除が簡単ですね!
おトイレが壊れてしまった際の緊急措置として、手作りの方法もあります。それがこちら!』


クリスタ「よかった!緊急措置の方法が書いてあるよ、ユミル!これで今夜は大丈夫だね」

えれん「くちくー!」ダッシュダッシュ

ユミル「ああ、垂れ流しなら危うくトイレの天井から吊るしとかなきゃならんとこだった」

えれん「くちぃ!?」ゾワッ

クリスタ「ユミル!!」

『3.食器類
小人ちゃんの食べ物は、全て人間と同じで大丈夫です!なので必要なものは食器ですね。
幼体の小人ちゃんは器を持って傾けてガツガツとご飯を食べるので、月齢に合わせた持ち上げやすいサイズと重さにして下さい。飲み物も同様です。
成体になるとスプーンを使って上手に食べるようになるので、「4.しつけ~応用編、種類・個体に合った適切な育て方」を参考にして下さい』


クリスタ「きゃあ~!この写真の子、女の子かな?お人形の食器で食べてる、可愛い~!」ジタバタ

ユミル「へぇ、専用の餌買わなくていいのは楽そうだな」

クリスタ「ドールハウスみたいな可愛いミニチュアでお食事、いいなぁ‥‥あ、でもこの子って男の子だよね?」

ユミル「ん?‥‥そうだな、確かめてみるか」ヒョイッ

えれん「くちっ!?くちく!!くちくー!!」ジタバタ

クリスタ「ちょっとユミル、足持ったら可哀想だよ!」

ユミル「よっと」ズボンズルッ

えれん「くちち!?」ポロン

クリスタ「きゃ、きゃあ!!///」バッ

ユミル「だっはっは!なんだこのゴマ粒!!おーいクリスタ、コイツ雄だぞ!!」ゲラゲラ

クリスタ「もうっ、ユミル!!早く履かせてあげて!!///」チラッチラッ

えれん「くちちちちちー!!!!」ジタバタジタバタ

『4.おうち(専用ケージ)
小人ちゃんのパーソナルエリアです。あなたにとっての個室と同じなので、掃除をする前にきちんと声をかけてあげましょうね!
サイズはいろいろとありますが、ベッドを置いてぎゅうぎゅうにならないよう十分なスペースがある事が望ましいです。
※要注意!以前飼っていた別の小動物の小屋の流用は厳禁です!清潔な新品を用意してあげて下さい。
専用商品はこちらのラインナップ!人気のおうちばかりです!』


クリスタ「見て見て、ちょっと大きいドールハウスって感じのかわいいのがいっぱいだよユミル!」

ユミル「うへぇ、少女趣味だな‥‥新品なら普通のウサギ小屋でいいんじゃないのか?檻みたいなヤツ」ニシシ

クリスタ「でも隠れられるようにしないといけないっぽいし‥‥うん、やっぱり明日纏めて買ってこようっと」メモメモ

ユミル「ところでクリスタ、お前さっきから見られてんぞ」

クリスタ「え!?」バッ

えれん「‥‥」ジー

クリスタ「ど、どうしたの?」ドキドキ

えれん「‥‥」ジー

ユミル「なんだぁ?言いたいことがあるなら言えっての」デコピン

えれん「くちっ!」パタッ

クリスタ「ユミル!!もう!!」ガバッ ギュー

ユミル「で?他に居るものは?」

クリスタ「え?ええっと‥‥あとは季節に合わせて揃えたいもの、って感じかな?」メモメモ

ユミル「ふぅん。‥‥半分くらいなら出してやるから、ちゃんと領収書貰って来いよ」

クリスタ「! ユミル‥‥!」パァアア

ユミル「先行投資だ、コイツがちゃんとお前のボディーガードするようにならなきゃ意味がないからな!」フンッ

えれん「‥‥くちくっ!」ビシッ

クリスタ「‥‥?ど、どうしたの?ユミルを指さして‥‥」

えれん「くちくっ、くちく!!」プリプリ

クリスタ「‥‥さっきの事で、ユミルを嫌いになっちゃったのかな」シュン

ユミル「生意気過ぎんだろコイツ」ジロ

クリスタ「あんなことしたら当然だよ!もう!」

えれん「‥‥くちくっ」クルッ

クリスタ「ん?今度は私?」オロオロ

えれん「‥‥くちくー」スリスリ

クリスタ「!!!!????」ズズズズズッキューン

ユミル「お、懐いたみたいだな。女神クリスタ様様ってか」

クリスタ「う、嬉しい‥‥!可愛がってあげるからね!」ギュッ

えれん「くちくっ!」ニコッ

ユミル「‥‥そういや、名前どうすんだ?ゴマ粒とかか?」ニヤニヤ

クリスタ「そ、そそそそそんなの可哀想だよ!///」カァアアア

ユミル「なんだぁ?ゴマちゃんとか可愛いじゃねーか」ニヤニヤ ツンツン

クリスタ「あっ!ユミルだめ!」

えれん「くちく!」ガブッ

ユミル「‥‥ってぇえええええええええ!!」バッ

クリスタ「こ、このイェーガー種って、外敵って認識したらかなり攻撃的になって、ちゃんと躾けないと噛むんだって‥‥さっき本に」

えれん「くちく!」ドヤァ

クリスタ「っていうか、ユミルがそう言って連れて来たんじゃない」

ユミル「くっそ、まさかこんなに噛む力あるなんてな‥‥ってぇ、マジで」ギロッ

えれん「く、くちっ!?」ビクッ

クリスタ「き、きっとまだ赤ちゃんだからよ!‥‥だよね?この子って月齢いくつ?」

ユミル「ん‥‥確か三か月っつってたな。もう躾は出来るのか?」ニヤリ

クリスタ「ま、まだみたいだよ!だから駄目、ちゃんと私がユミルもご主人様って教えていくから!」

えれん「くち‥‥くちく‥‥」ブルブル

ユミル「‥‥ふん。おいゴマ粒、次に噛みついてみろ。‥‥早々に去勢手術を私がやってやるよ」ニタァ

えれん「くちいぃいいい!!」ジョワー

クリスタ「?なんかあったか‥‥えええええ!?お、おもらし!?」

ユミル「あっはっはっはっは!!災難だなぁクリスタ!!」ゲラゲラ

クリスタ「ユ、ユ、ユミルが脅したりなんかするからぁ~!!!」バタバタ

ユミル「ふっ、風呂の入れ方、朗読してやろうか?いひ、いひひひひっ!!」プルプル

クリスタ「それはありがとう!!私も一緒に入るから!!」ガチャンッ

ユミル「うっくくくく、苦しいぃ‥‥!!」プルプル




えれん「くちく‥‥くちく‥‥!」ギリッ

クリスタ「な、泣かなくていいのよ、さっきのはユミルが怖い顔するから‥‥よしよし」ヌギヌギ ヌガシヌガシ

えれん「‥‥くちく」ギュー

クリスタ(指にしがみついて顔を隠してる‥‥可愛い!!)キュンキュン

クリスタ「さ、さぁ、まずは体を洗おうね!」

ユミル「‥‥だってよ。やーっぱ人間と変わらねぇんだな」

クリスタ「へぇ、そうなんだ‥‥っていうかユミル、読んでくれたならもうドア閉めてもらっても‥‥」チャプン

ユミル「いやいや、クリスタがゴマ粒を洗ってやったんだから、クリスタを洗うのは私の役目だと思って」

クリスタ「訳わかんないよ、もう!いいから、ありがと!すぐあがるから!」

ユミル「ちぇっ、ごゆっくりー」バタン

クリスタ「ふぅ‥‥ねぇ、落ち着いた?」ツンツン

えれん「‥‥くちー」プカー

クリスタ「‥‥ふふふ、洗面器に浮かんでる‥‥かわいい」ナデナデ

えれん「くちー」プカプカ

クリスタ「‥‥そうだ、名前!ユミルが変な名前で決めちゃわないように、今決めちゃおっと」

えれん「くち?」チャポ

クリスタ「うーん‥‥男の子で、気が強い感じで、呼びやすくて、でもちょっと可愛い感じの‥‥うーん」ジィー

えれん「くちくっ!」ドヤッ

クリスタ「‥‥えれん、なんてどうかな?」

えれん「くちく!」パチャパチャ

クリスタ「うん、君はえれんって感じ。よし決めた、えれん!今日からよろしくね!」ニコッ

えれん「? くちく!」

クリスタ「おまたせユミル、上がったよー」ホカホカ

ユミル「おー。あ、ゴマ粒のトイレ作っといてやったぞ」ヒラヒラ

クリスタ「え!?ありがとうユミル、大好き!」ギューッ

ユミル「おう、私も愛してるぜクリスタ」ギュー

クリスタ「えれんもお礼言おうね?」ナデナデ

えれん「くちく‥‥」ビクビク

ユミル「名前決めたのか?またずいぶん人間くさいのにしたなぁ」

クリスタ「いいじゃない、だってこんなにかわいいんだもん。ペットっていうよりも、家族だよ!ねーえれん?」ナデナデ

えれん「くちく!」スリスリ

ユミル「ペットじゃないの家族なの、かぁ?外で他人にやるなよ、痛いぞソレ」

クリスタ「い、いいもん、きっと同じ小人好きの人には分かってもらえるから」

ユミル「ハイハイ、んじゃあトイレの躾頼んだぞ。私も風呂入って寝る」ヒラヒラ

クリスタ「うん、おやすみユミル!」

えれん「‥‥くちく?」キョロキョロ

クリスタ「大丈夫だよ、もうユミル寝ちゃったから」ナデナデ

えれん「くちくー」ホッ

クリスタ「でも、ユミルがおトイレ作ってくれたから、次からはここでしようね?」ヒョイ

えれん「! くちち!」ビシッ

クリスタ「これは‥‥よいしょ、ここに置いとくからね。いい?ここだよ?」

えれん「くちち!」トイレペチペチ

クリスタ「うーん、分かってくれたかな‥‥とりあえず、今夜はここまで一人で来られるようにしておいてあげて、様子見かなぁ」

えれん「‥‥くちー」クイクイ

クリスタ「ん?どうしたの、えれん?」ナデナデ

えれん「くちく、くちくくちー」グゥウ

クリスタ「‥‥お腹すいたのかな」ヒョイッ タタタ

クリスタ「ちょっと待っててね、ええっと‥‥三か月の子のご飯は‥‥」パラパラ

えれん「くちくー」キョロキョロ

クリスタ「あ、このページ!‥‥うんうん、なるべく調味料を避けて、じっくり煮込んだスープなどがいい、と。お肉は大好きだけど上げ過ぎ注意‥‥」ブツブツ

えれん「くちくー!」タタタタタタ

クリスタ「じゃあ野菜を細かく切って、ささみと一緒に煮てあげようっと。食器は‥‥ちょっとかわいそうだけど、ペットボトルの蓋が丁度好さそうよしっ!」グッ

えれん「くちくー!!」タッタカタッタカ





クリスタ「よし、出来た!ちょっとぬるめに覚ましたし、これで大丈夫だよね。えれーん?ご飯が出来たよー」キョロキョロ

えれん「!! くちくー!!!」タタタタ

クリスタ「!?きゃ、きゃあっ!えれん、ズボン何処に置いてきたの!?///」

えれん「くちく、くちく!!」グイグイ

クリスタ「え、えれん?こっちに何が‥‥あっ!トイレ使ってある!」

クリスタ(小さく裂いたトイレットペーパーもちゃんと使ってる!すごい‥‥!)

えれん「くちくっ!」ドヤァ

クリスタ「うん、えれんは良い子だね、偉い偉い!」ナデナデ

えれん「くちくー」スリスリ

クリスタ「‥‥で、でも、トイレが済んだらちゃんとズボン履かないとだめよ?///」ズボンヒョイッ キセキセ

えれん「くちく!」グゥウ

クリスタ「もう‥‥うん、ご飯にしようね」クスッ

クリスタ「おかわりまでして、すごい食べたね‥‥でも、やっぱりちゃんと明日からは量を計ってあげなきゃね」ナデナデ

えれん「くちく‥‥」ケプッ

クリスタ(ぽんぽこお腹、かわいい‥‥)ツンツン

えれん「‥‥くちく」アーン

クリスタ「え?も、もう駄目だよ、こんなにお腹ぱんぱんなのに」

えれん「くちく!」アーン

クリスタ「ど、どうしよう‥‥そうだ、本に書いてないかな?」オロオロ パラリ


『食事後に大きく口を開けていたら、歯磨きのサイン!
ブリーダーさんによってはこの初期躾をしている場合があります。おかわりの最速ではないので、間違えないようにしましょう!』


クリスタ「‥‥!!おかわりじゃなかったの!?」ガーン

えれん「くちー」アーン

クリスタ「ご、ごめんねえれん、食べすぎちゃったね‥‥すぐにしてあげるからね。えっと、専用の道具が無い場合は、面貌を濡らして丁寧に‥‥えづかないように‥‥」メモメモ

×最速 ○催促

くそぅ

×面貌 ○綿棒

ちょっと頭冷やしてきます(震え声)

クリスタ「今日はとりあえず‥‥このクッションに、ダンボールを被せたので我慢してね。あ、入り口は切り抜いてあるからここから出入りしてね?」

えれん「くちく‥‥」ウトウト

クリスタ「部屋のドアも開けてトイレにちゃんと行けるようにしてるし‥‥よし、私も寝ようっと」

えれん「くちく‥‥」モソモソ スヤスヤ

クリスタ「‥‥ふふふ。おやすみ、えれん」

えれん「‥‥」モワンモワン


えれん『くちく!』ドヤァ

ユミル『参りましたぁ!!』

クリスタ『えれんすごい!カッコイイ!お肉いっぱいあげるね!』サッ

えれん『くちくー!』


えれん「‥‥くちくー‥‥」スヤスヤ ニヤニヤ

クリスタ「えれん、えれん?」

えれん「」スヤスヤ

クリスタ「‥‥ご飯だよー?」サッ

えれん「くちく!」ガバッ タタタタタ

クリスタ「きゃ!‥‥ふふっ、おはようえれん?」ナデナデ

えれん「くちく!」

クリスタ「はい、ご飯だよ。昨日のスープと一緒だけど、ちっちゃいうちはこういうので我慢してね」

えれん「くちー!」ガツガツ

クリスタ「今日は私はお休みだから、えれんがトイレしたら急いで必要なものだけ買ってくるね。

お留守番は心配だけど、躾がまだなうちはまだ抱っこで連れ歩いちゃいけないだろうから‥‥」

クリスタ「よしよし、今日もちゃんとおトイレ出来たね」ナデナデ

えれん「くちく!」ドヤァ

クリスタ(‥‥この自慢気な顔可愛い。きっとブリーダーさん、トイレ成功の度にいっぱい褒めてあげてたんだろうなぁ‥‥)キュン

クリスタ「じゃあ、近所のペットショップに大急ぎで行ってくるからね。

私のお部屋、えれんの為に危ないものは上にあげたりコンセントもしっかり家具で隠したから、大丈夫だと思うけど‥‥」

えれん「くち?」キョtン

クリスタ「‥‥一秒も目を離したくないよぉ‥‥」ギュウ

えれん「くちく!」スリスリ

クリスタ「でも、エレンがもっと快適に暮らす為だもの。急いで行ってくるね、良い子にしててね」ナデナデ

えれん「‥‥くちく」ギュッ

クリスタ「‥‥離れたくないよぉ」ムギュー

クリスタ「け、結局お昼まで踏ん切りが付かなかった‥‥急がないと!このお店に揃ってるかなぁ‥‥すみませーん!」

ペトラ「はーい、何かお探しですか?」

クリスタ「実は昨日から小人を飼い始めたんですけど、友人が貰って来たので何も道具がなくて‥‥」

ペトラ「ああ、プレゼントでいただいちゃうとたまにあるみたいですね。うち、まだ小人の取り扱いはやってなくて‥‥」

クリスタ「ええ!?じゃ、じゃあ他をあたります、失礼しました‥‥」

ペトラ「あ!待って下さい、ちゃんとありますよ関連商品!」

クリスタ「え?でも取扱いしてないって‥‥」

ペトラ「すみません、個体の販売はやってないんですが、関連商品は置いてるんです。近々個体も取り扱う予定なので、宣伝も兼ねてて‥‥

私も小人を飼ってるので、つい雑談っぽくしてしまって。申し訳ありません」

クリスタ「い、いえいえそんな!嬉しいです、マイナーなペットって聞いてたので、実際に飼ってる方に道具を売ってもらえるならとてもありがたいし!」

ペトラ「では、こちらの『小人飼育セット』と関連商品が‥‥」

クリスタ(随分買っちゃった‥‥でも、これでもうエレンに不自由な思いはさせないですむよね)ヨロヨロ

クリスタ「えれん、ただいまー」ガチャ

えれん「くちくー!!」ダッシュ ムギュー

クリスタ「ひゃっ!お、お出迎えしてくれたの、えれん?」キュン

えれん「くちく‥‥」スリスリ

クリスタ「‥‥ふふ、寂しかったの?待っててね、今買ってきたおやつあげるから」

えれん「くちく!」ヨジヨジ ムフー

クリスタ「わっ!ちょっと、ズボンよじ登ったら危ないよ!」

えれん「‥‥くちくー‥‥」キラキラ

『えれんのおうち』ドドーン

クリスタ「奮発して、屋根裏付のかわいいレトロタイプ買っちゃった!レンガが素敵でしょ?」

えれん「くちく!!」タタタタ ドタドタ

クリスタ「ふっふっふ‥‥何よりこのおうち、えいっ」パカッ

えれん「くち!?」

クリスタ「屋根が開くから、お掃除もしやすいのよ!」

えれん「‥‥くちくっ!」ビシィ

クリスタ「え?‥‥あっ、ご、ごめんねえれん、次からはちゃんとノックするね」オロオロ パタン

えれん「くちくー!くちくー!」ドタバタゴロゴロボフンボフン

クリスタ「‥‥気に入ってくれたみたい」ホッ

クリスタ(でも、これで今月の生活費がギリギリ‥‥領収書見せたらユミルに怒られそう)ハァ

えれん「くちくーっ!」キャッキャッ

クリスタ「‥‥そのくらいいっか」クス

~一か月後~


クリスタ「‥‥えれん?」

えれん「‥‥くちくっ」プイッ

クリスタ「こらぁ!ちゃんと言う事聞きなさーい!」プリプリ

えれん「くちく!」フンッ

クリスタ(しつけ、難しいよぉ‥‥本の通りにやってるのに、全然だめだ‥‥)

えれん「くちく」フンゾリ

クリスタ「頭の上に乗っちゃだめだってば!ほら降りて!」ヒョイッ

えれん「くちくー!」ジタバタ

アッカーマン種は「ので」って言いそうだな

クリスタ「次の休みにユミルが帰ってくるまでには、絶対にちゃんと躾けとかないと‥‥」


ユミル『クリスタ!次にコイツが私に噛みついたら去勢していいよな!?』

クリスタ『だめぇええ!!えれん逃げてぇええええ!』

えれん『くちくー!!』ダダダダダ


クリスタ「‥‥が、頑張るよえれん!えれーなとかに改名になっちゃうよ!」ブルブル

えれん「くちく?」キョトン

クリスタ(どうしよう‥‥あっ、そうだ!)

クリスタ「えれん、ちょっと出かけてくるね!良い子にしててね!」バタバタ

クリスタ「すみませーん!」

ペトラ「はーい、何かお探しですか?」

クリスタ「あの、私前にこちらでいろいろと小人の事を教えてもらって‥‥」

ペトラ「‥‥ああ!あの時のお客さん!お久しぶりです、調子はどうですか?」

クリスタ「それが‥‥全然言う事聞いてくれないんです‥‥」

ペトラ「あら‥‥確かイェーガー種の子でしたよね?上下関係さえ出来れば躾は簡単な部類なんですけど‥‥」

クリスタ「私が舐められちゃってるのかな‥‥」ウルウル

ペトラ「そ、そうですねー‥‥ちなみに、敬礼は出来てます?」

クリスタ「‥‥だめです。ちゃんと見本も見せてあげてるのに‥‥」ガックリ

ペトラ「ああ!それですよ、そのせいです!」

クリスタ「え、えええ!?見本はしちゃいけない!?」

ペトラ「初めて飼う方はよく間違えちゃうんですけど、絶対に見せちゃダメなんですよ。主人が敬礼すると、自分に敬礼をしてる=自分が主人!ってなっちゃうので‥‥」

クリスタ「そんなぁ‥‥も、もうどうにもならないんですか?」ウルウル

ペトラ「訓練所に通えば、きっと大丈夫ですけど‥‥この付近にはないんですよね、まだ全国で八か所しかないので‥‥」

クリスタ「‥‥このままじゃ、一緒にお出掛けできない‥‥」

キース「‥‥おい、貴様!!」

クリスタ「っひゃい!?」ビシッ

ペトラ「!? あ、あの、お客様、何か‥‥?」オドオド

キース「貴様ではない、貴様に言っているのだ!」

クリスタ「わ、私、ですか‥‥!?」

キース「そうだ貴様だ!‥‥間違った飼育をしたからといってすぐに諦めるのか!?」

ペトラ「お客様、店内ではお静かに‥‥」オロオロ

クリスタ「‥‥諦めたりなんか、しません!えれんは絶対にいい子に育てて見せます!」キッ

キース「‥‥そうか。だが、そいつはお前のような主人など欲してはいない」

クリスタ「‥‥!?」

キース「貴様には、小人の下僕にでもなってもらおう!」ザッザッザッ

ペトラ「な、何なのあの人‥‥!?」

クリスタ「‥‥でも、私あの人の声聞いた途端に、背筋が伸びました」

ペトラ「そ、そりゃああんなに大声でしたら、びっくりしてとか‥‥」

クリスタ「きっと、えれんにもそういう厳しさが必要なんです。私、えれんが可愛いからって甘やかすばっかりでした」

ペトラ「‥‥」

クリスタ「私、えれんにもう少し厳しくしつけしてみようと思います!」

ペトラ「‥‥えっと、私はペトラって言います。お客さんのお名前、聞いてもよろしいですか?」

クリスタ「クリスタです。‥‥ペトラさん、私必ずえれんを良い子にして、このお店に一緒に来ます!」

ペトラ「はい、楽しみにしてますね!‥‥良かったら、その‥‥同じ小人の飼い主同士、お友達になってくれませんか‥‥?」

クリスタ「えっ?」

ペトラ「お客さん相手に失礼かとも思うんですけど、実は私も今飼ってる子が初めての子で‥‥周りにやっぱり飼ってる人が居なくて、だから今この店で小人の個体取扱いも進めてるんです。

少しでも仲間が増えたら、あの子達も友達と遊べるんじゃないか、って‥‥迷惑だったら忘れて下さい、申し訳ありません」

クリスタ「‥‥そんなことないです、私もうれしいです!なりましょう、小人仲間!」

ペトラ「‥‥! は、はい!」

クリスタ「えれーん、ただいまー」ガチャッ

えれん「くちく!」フンゾリ

クリスタ(お出迎えも、初めはすりすりしてくれたのに‥‥)ガクッ

クリスタ「‥‥うん、頑張る!えれん、おいで!敬礼の練習しよう!」

えれん「くちくー」プイッ

クリスタ「お、おやつあげるから来てよぉ‥‥」ウルウル

えれん「くちく!」タタタタ

クリスタ「よ、よし。厳しく、厳しくね‥‥さぁエレン、このおやつが欲しいならちゃんと敬礼するのよ?」サッ

えれん「くちくー!くちくー!」ジタバタ

クリスタ「だ、だから違うってば‥‥敬礼は、こう‥‥」ハッ

クリスタ(私が敬礼しちゃダメなんだった‥‥)


キース『おい、貴様!』

クリスタ『ひゃいっ!』ビシッ


クリスタ「‥‥あれを、出来るかな‥‥」

えれん「くちくー!」フガフガ

クリスタ「すぅー‥‥はぁー‥‥」ドキドキ

えれん「くちくーっ!!」ゴロゴロバタバタ



クリスタ「おっ、おい、貴様ぁ!!」カッ

えれん「っちく!?」ビクーン

えれん「‥‥」コチーン

クリスタ(び、びっくりして固まってる‥‥ちょっと可哀想、‥‥でもここは、心を鬼にっ!)

クリスタ「き、きき貴様だぁ!貴様に言っているのだ、えれん・イェーガー!」

えれん「っくちく!!」ビシッ

クリスタ(!!せ、背筋が伸びた!!あと一息!!)

クリスタ「きさ、貴様はっ、敬礼も出来ないのかぁ!敬礼をしないような者はっ、者は‥‥っ」

えれん「‥‥」ゴクリ

クリスタ「‥‥お尻ペンペン、二百回だぁ!!」

えれん「!!」ビシーッ

クリスタ「やったぁ!敬礼出来たね、えれん!はいおやつ!」ムギュー

えれん「くちくっ!」ビシッ

クリスタ(ユミルが帰って来る度におしおきしてたお尻ペンペン、よっぽど痛かったのね‥‥可哀想だったけど、ありがとうユミル!)




ユミル「っへくち!」

「どうしたユミル、風邪か?」

ユミル「いやぁ、残してきた嫁が私を思って眠れぬ夜でも過ごしてんだろ」ニヤニヤ

「‥‥そうか」

クリスタ「すごいのユミル!本当に、敬礼を覚えてからすっかり良い子になっちゃったの!」

えれん「くちく!」ビシッ

ユミル「ほぉー?でも私はさっきから何度もコイツに噛まれてるんだが?」ジロリ

クリスタ「そ、それは‥‥やっぱりユミルを敵だと思っちゃってるから‥‥かな?」

えれん「くちく!」ジロー

ユミル「ふん、ゴマ粒のくせにすっかりボディーガードってか。‥‥お?上下関係がしっかりしてるってんなら、私がクリスタより上だって思わせたらいいんじゃないか?」ニヤニヤ

クリスタ「え、ええー?それはどうかな‥‥」

ユミル「絶対そうだって、ほらよっと」ノシッ

クリスタ「きゃ、きゃー!くすぐったっ、やめてー!助けてえれーん!」

えれん「くちくー!!」ダダダダ ガジガジガジガジ

ユミル「てめぇクリスタ!!お前のせいでもあるじゃねぇかよ!!」

クリスタ「ふぅ、ユミルが帰って来る週末はいつも大騒ぎだね、えれん?」

えれん「くちくー」ムフー

クリスタ「‥‥ふふっ。守ってくれてありがと、えれん」ナデナデ

えれん「くちく!」どやっ

クリスタ「‥‥そうだ!えれん、明日はペットショップに連れて行ってあげる。そこのペトラさんに紹介してあげるね」

えれん「くち?」キョトン

クリスタ「えれんの可愛さに、きっとペトラさんもキュンキュンしちゃうだろうなぁ」ニコニコ

えれん「くちくー」スリスリ

クリスタ「ペトラさーん!」

ペトラ「あ、クリスタ!‥‥と、もしかしてエレン?」

えれん「くちく!」ヒョコッ

クリスタ「はい、おかげさまでお外デビューです!‥‥えれん、敬礼は?」

えれん「? くちくっ!」ビシーッ

ペトラ「おお!これは凄いいい敬礼ね。すっかり上下関係も改善されたみたい、良かったわね」

クリスタ「えれん、この人はいい人だから噛んじゃ駄目よ?」ナデナデ

えれん「くちくー」ムフー



キース(‥‥小人を発見した、偉大なるグリシャよ。

今日、お前の子供の一人が、兵士になったぞ‥‥)シンミリ

ペトラ「あ、そうだクリスタ!放し飼いの散歩は危ないから、これ付けないと」スッ

クリスタ「え?あっ、リードですか?にしては、すごいベルトの数‥‥」

ペトラ「立体機動ベルトって言うの。ハーネスみたいになっててね、この腰の左右のジョイントに付属のリードを付けておくの。

何しろ人間と似てるから、首輪をしても万が一肩から落ちた時に首を損傷したら大変だからね。これなら、全身を支えるから例えずり落ちても安心だし」

クリスタ「だからこんなに全身にベルトが‥‥」

ペトラ「でも向き不向きもあって、たまにベルトを着けたまま落ちてバランスが取れなくていやがっちゃう子もいるのよ。

だから、ベルトを売っているお店ではこういうのがあるの」

クリスタ「これは?」ツンツン

えれん「くちく?」ツンツン

ペトラ「適性判断装置よ、ベルトを装着させた状態で吊り下げて、ちゃんとバランスが取れるかどうかをチェックするの。

じゃないと適性がなかった子の飼い主さんに、せっかく立体機動ベルトを買ったのに無駄になった!って言われちゃうし‥‥」

クリスタ「そうなんですか‥‥じゃあえれん、試させてもらおっか?」

えれん「くちく!」フンフン

ペトラ「ふふっ、えれんもやる気満々みたいね」

えれん「」ブラーン

クリスタ「ええ!?えれん!?」

ペトラ「あら‥‥えれんには向かなかったみたいね」

クリスタ「そんな!この子、バランス感覚は良い方で‥‥」

えれん「」ブララララーン

キース「何をやっているえれん・イェーガー!上体を起こせ」ザッザッザッ

ペトラ「またあなたですか!?いい加減通報しますよ!!」

クリスタ「結局出来なかったね、えれん‥‥」ナデナデ

えれん「」ボーゼン

クリスタ(いつもは元気なのに‥‥よっぽどショックだったのかな)グスン

クリスタ「‥‥大丈夫だよ、えれん!立体機動ベルトが使えなくても、私がちゃんと他の、持ち運び用の入れ物を‥‥!」

えれん「‥‥くちく」プイッ

クリスタ「‥‥えれん‥‥」ナデナデ


\エモノヲッホフル イェーガー!!/


クリスタ「‥‥ユミルからだ」ピッ

ユミル『おークリスタ、元気にしてるかぁ?』

クリスタ「‥‥もう。昨日帰ったばっかりじゃない」クス

ユミル『そうだったか?ったく、クリスタが居ないと一日が長くてたまらないね』

クリスタ「ユミルったら‥‥」クスクス

ユミル『ってか、声沈んでんぞ?マジで何かあったのか?まさかノッポとメンヘラゴリラが‥‥』

クリスタ「ううん、そっちは全然平気!ちゃんと気を付けてるから‥‥えれんの事なの」

ユミル『なんだよ、ゴマ粒は良い子ちゃんしてるんじゃないのか?また反抗期か、やっぱり去勢で大人しく‥‥』

クリスタ「違うったら、もう!‥‥実は‥‥」カクカクシカジカ


ユミル『‥‥ふーん。ま、仕方ないんじゃねぇの?』

クリスタ「でも、えれんすっかり落ち込んじゃって‥‥ご飯も食べてくれないの」グス

ユミル『ほっときゃ直るだろ、ちいせぇ脳みそなんだから一晩寝たらケロッとしてるんじゃねーの?』ケラケラ

クリスタ「あの子たち、本当に賢いんだよ!‥‥だから、余計にがっかりしちゃったんじゃないかな‥‥」

ユミル『‥‥なら、本人が納得するまで通ってやれよ。練習したら出来るってこともあるだろ』

クリスタ「‥‥うん。ありがと、ユミル」

ユミル『ったく、ボディーガードの分際で女神を泣かすとはいい度胸だな。途中で諦めやがったらケツ叩き追加だ』

クリスタ「それは止めてあげてってば」クスクス

えれん「‥‥くちく!くちく!」ユサユサ

クリスタ「うーん‥‥」ムニャムニャ

えれん「くちく!」ペチペチ

クリスタ「んん‥‥あれ、えれん?起こしてくれたの?‥‥でも今日はお休みの日だよ‥‥」ナデナデ

えれん「くちくー!!」グイグイ

クリスタ「きゃっ、もう‥‥そっか、昨日ご飯食べなかったんだもんね。ちょっと待ってね、すぐ作るから」

えれん「くちく!くちく!」フンフン

えれん「くちく!くちく!」フンフン

クリスタ「うう、どうしたんだろう‥‥ご飯も食べてお水も飲んだし、おトイレだってしたのにこんなに騒ぐなんて‥‥」

えれん「くちくっ!」グイグイ

クリスタ「え、えれん?そっちは玄関‥‥、あっ!もしかして!!」

えれん「くちく!!」フンッ

クリスタ「‥‥えれん、諦められないんだね?」ナデナデ

えれん「くちく、くちく‥‥!」ギュッ

クリスタ「‥‥もうすぐお店開く時間だし、行こうかえれん。大丈夫、毎日だって付き合うからね!」ギュッ

クリスタ「ペトラさん!」

えれん「くちく!」フンス

ペトラ「あ、クリスタとえれん。今日はどうしたの?昨日来たばっかりなのに」

クリスタ「実は、えれんがどうしても諦めきれないみたいで‥‥私も、えれんがちゃんと立体機動ベルトを使えるまで、練習させてもらえないかと思って」

ペトラ「そっか‥‥うん、もちろん協力するわ!たっぷり使っていって!」ズイッ

クリスタ「はい、ありがとうございます!よーしえれん、頑張るぞー!」

えれん「くちー!」フンフン

クリスタ「ゆっくり上げるからね‥‥いくよ、えれん」

えれん「‥‥」キッ

クリスタ(頑張れ、頑張れえれん‥‥!)マキアゲクルクル

えれん「‥‥っ、!!」グルンッ ゴンッ

クリスタ「!? え、えれん!!ああっ、頭から‥‥!!」ガバッ ナデナデ

えれん「‥‥くちく」ウルウル ギリッ

クリスタ「‥‥ゆっくりでいいの、えれん。良い子だね‥‥」

キース「‥‥おい、ベルトを外せ」

クリスタ「!?」

キース「これと交換して、もう一度だ」スッ

クリスタ「え?えっ、は、はい‥‥!」カチャカチャ



えれん「くっ、くち、くちくー!!」プルプル

クリスタ「やったぁ!えれん、良くできたね!すごい!!でも、どうして‥‥」

キース「このベルトは破損している。こんな場所が破損するなど聞いたことが無いが‥‥整備項目に加える必要があるな」

クリスタ「え?‥‥あ、ホントだ!すごくちっちゃいけど壊れてる‥‥あの!ありがとうございました!」ペコリ

キース「‥‥ふん」ザッザッザッ

えれん「くちくー!!」ドヤァ




キース(‥‥小人を発見した、偉大なるグリシャよ。

今日、お前の

ペトラ「ちょっとあなた!!出入り禁止って言ったでしょ、帰って下さい!!」

クリスタ「立体機動ベルトもすっかり慣れたし、もうお散歩に行かないと寝てくれなくなっちゃったね」ナデナデ

えれん「くちく、くちく」オヤツモグモグ

クリスタ「仕事で疲れて帰ってきても、えれんとのお散歩で元気百倍だよ!ありがとね、えれん」ナデナデ

えれん「くちくー」モグモグハグハグ

クリスタ「‥‥そういえば、えれんって他の小人に会ったことないのよね。私はたまに外で見かけるけど、小さいからちらっと視界に入る程度だし、ペトラさんの小人も見たことないし。

ねぇえれん、今度一緒に遊んでもらおっか?仲間に会ってみたいもんね」ツン

えれん「くち?」キョトン

クリスタ「って、私が単に他の子見てみたいってのもあるけどね。‥‥ふふふ、もうっ、食べかす付けて‥‥」フキフキ

えれん「くちくー」スリスリ

クリスタ「‥‥えれんかわいい!!」ムギュー

えれん「くちくー、くちっ!」ムギュギュー


バササッ


クリスタ「わっ、っとと‥‥新聞落としちゃった。ちょっとごめんねえれん‥‥あれ?」ピラッ

クリスタ(これ、ペトラさんのいるペットショップのチラシ‥‥珍しいなぁ)ピラン

クリスタ「!!」

えれん「くちくっ」ジー

クリスタ「‥‥ふふふっ。えれん、来週はすっごい所に連れて行ってあげるね!」

えれん「くち?」キョトン

【ペットショップ ウォール・マリア前】

ザワザワ ザワザワ


クリスタ「うわぁ、すっごい混んでるなぁ!ペトラさん大丈夫かな‥‥」

えれん「くちく?」ギュー

クリスタ「えれん、しっかり掴まっててね?‥‥あ、ペトラさんだ!」


ペトラ「ついに小人の個体取扱い、始めました!購入後も飼い方のレクチャーなど、アフターケアばっちりでーす!
フェア中にご購入いただいた方にはなんと小人専用ベットをプレゼント!
たくさんの種類をそろえましたので、ぜひ見て行って下さーい!」


クリスタ「念願かなってやっとの個体取扱いだもんね、ペトラさん。今日は話しかけないで、ゆっくりお友達を見て回ろうか?」

えれん「くちく!」キョロキョロ

クリスタ(えっと、確かチラシには‥‥わぁ!六種類も居るんだ、すごいなぁ。専門店舗並だ)

クリスタ「まずは端から見てこうかな。えーと、あっ!天井からプレートが下がってる!」


『イェーガー種はこちら!』


クリスタ「ってことは、えれんと同じ種類じゃない!急ぐよえれん!」タタタタ

えれん「くちく!」

クリスタ(くぅっ、すごい人混み‥‥ん、しょっと!‥‥あ、あれ!?)


『売り切れ』


クリスタ「そ、そんなぁ‥‥」ガックシ

えれん「くち?‥‥くちくー」ナデナデ

クリスタ「ごめんねえれん、もうちょっと早く来たら仲間に合わせてあげられたのに‥‥」ハァ

クリスタ「で、でも!残りの五体はちゃんと見て回るんだから!」グッ

えれん「くちー!」

クリスタ「えっと、隣は‥‥うわっ、混んでて上しか見えない!プレートが上にあって良かった‥‥」


『キルシュタイン種はこちら!』


クリスタ「わぁ、なんか上品な響きの種類!どんな子だろ‥‥」わくわく

えれん「‥‥くちっ!」ピクッ



じゃん「じゃん!じゃんじゃん!」

クリスタ「わぁ、何か心なしかすらっとしてる子だぁ」ワクワク

えれん「‥‥」ジィー

じゃん「じゃんじゃん!じゃじゃんじゃーん!」フンフンフンフン

クリスタ「ガラス越しでもえれんに気付いてるのかな?ふふっ。えれん、挨拶してあげたら?」

えれん「‥‥くちっ」

じゃん「じゃん?じゃんじゃーんっ、じゃじゃじゃじゃん?」ニヤニヤ

えれん「‥‥」イラッ

じゃん「じゃんじゃんwwwwwwじゃじゃじゃっじゃーんwwwwwww」ニヤニヤニヤニヤ

えれん「‥‥」イライライライラ

クリスタ「うふふ、なんかとっても楽しそう。えれん、良かったね?」ナデナデ

えれん「‥‥くちく!」ガラスバンバン

クリスタ「!? ちょ、ちょっとえれん!!」

じゃん「じゃ~んじゃあああああんじゃんじゃん!!!じゃっじゃじゃ~んwwwwwwwwwwww」ニヤニヤ

えれん「くちくくちくくちくくちくくちく!!!!」バンバンバンバン

クリスタ「ええっ、なんで!?なんでぇ!?」オロオロ

クリスタ(と、とにかく離れよう‥‥、あっ!ガラスの横に注意書きがある!!)


『キルシュタイン種とイェーガー種は相性があまり良くないので、多数飼いを検討されている場合はご注意下さい!』


クリスタ「そうなんだ‥‥ご、ごめんねえれん」ナデナデ

えれん「くちく‥‥くちく‥‥」フーッフーッ

クリスタ「ふぅ‥‥よしっ、次の子次の子っと。今度は注意書きがあるか見ないと」タタタ

えれん「くちくー‥‥」

クリスタ「えれん、良い子だからもうちょっと付き合ってね?‥‥次はこの子ね」


『レオンハート種はこちら!』


あに「‥‥」チョコン

クリスタ「か、かわいい!!ちょっと小さいけど‥‥月齢が小さいのかな?ええっと、注意書きは‥‥」


『レオンハート種とアッカーマン種は相性が~』


クリスタ「ふぅ、この子は大丈夫みたいだね。えれん、ご挨拶して?」

えれん「‥‥くちく!」

あに「‥‥」プイ

えれん「」ガーン

クリスタ「あれっ、えれん振られちゃったね。初めての女の子なのに‥‥よしよし」ナデナデ

クリスタ「それにしても、すっごい静かな子だなぁ‥‥他の子は結構騒いでるのに」


<ジャンジャンジャジャンジャーンwwwwwwww

                 イモデス!!イモデス!!>


クリスタ「そういう種類なのかな?今度調べて‥‥」

キース「レオンハート種」

クリスタ「っ!?」ビクッ

キース「非常に大人しく主人に忠実ではあるが、協調性に若干の難があるため多数飼いでは孤立気味」

えれん「くちく!くちく!!」ジタバタ

クリスタ「えれん、だめ!抑えて!」ギュウッ

キース「鳴き声はよほどの事が無い限り上げることはない、だ。覚えておけ」ザッザッザッ

クリスタ「は、はいっ!‥‥何なんだろう、あの人‥‥」

えれん「くちくー!!」ジタバタ

クリスタ「でも、そっか‥‥あんまり多数飼いには向かないんだ」

あに「‥‥」ジー

えれん「くちく!くち‥‥」ピクッ

あに「‥‥」ジィイイー

えれん「‥‥」ジー

クリスタ「‥‥ん?あれ?ひょっとして、いい雰囲気?」パァアア

えれん「‥‥く、くちく!」ミブリテブリ

あに「‥‥」ジィイイイイイイ

えれん「くちく、くちくっ!くち‥‥」フリフリ

あに「‥‥」ジィイイイイイイイイイイイイイイイイ

えれん「くち、くち‥‥く‥‥」

あに「‥‥」フゥ プイッ

えれん「」ガガガガーン

クリスタ「あ、やっぱり振られちゃった‥‥よしよしえれん、次の子に会いに行こうね」ナデナデ

クリスタ「これで半分かぁ。みんな個性的で可愛いな」ニコニコ

えれん「」ショボーン

クリスタ「えれん、元気出して?きっと他にも女の子はいるから‥‥あ、次の子だよ!」


『ブラウス種はこちら!』

\イモデス!イモデス!/


クリスタ「わぁ、なんかすごい鳴き声が‥‥よいしょっと」

さしゃ「いもです!!」フーッ ドヤァ

クリスタ「わっ、とっても可愛い!すごい、美人な小人だなぁ‥‥ほらえれん、可愛い女の子だよ!」

えれん「‥‥くちく!」

さしゃ「? いもです!」

クリスタ(元気いっぱいのえれんとちょっと似てるかも‥‥あっ、相性はどうかな?)


『ブラウス種は単一飼い推奨です!食欲が旺盛なため、餌の取り合いになってしまいますので十分注意して下さい!』


クリスタ「へぇ、食いしん坊な子なんだね。‥‥ん?何だろうこれ」

『ブラウス種専用の餌です!試しに端っこを持って近付けてみて下さい。とっても面白いですよ!』


クリスタ「細長いジャーキー?へぇ、食いしん坊だからかなぁ。ちょっとあげてみよっと」ヒョイッ

さしゃ「!!!!!いもです!いもです!!!!」ガタガタッ

クリスタ「わっ、すごい反応!‥‥近づけて、っと」ソッ

さしゃ「いもです!!」ガブッ ガツガツガツガツ

クリスタ「きゃあ!!‥‥す、すごい、食べながらどんどん上ってきてる‥‥!?」

えれん「‥‥くちく」ブルッ

さしゃ「」モグモグガツガツ!!

クリスタ「わぁ、もう指に近づいて‥‥あれっ?」

クリスタ(と、とまらない!?かじられちゃう!!)パッ

さしゃ「」ポトッ ガツガツムシャムシャ!!

クリスタ(指食べられちゃうところだった‥‥!もう、ちゃんと注意書きしてよペトラさん!‥‥って、あれ?)


『ブラウス種専用の餌です!試しに端っこを持って近付けてみて下さい。とっても面白いですよ!





※なお、素手は非常に危険なので絶対に横にさしてある鉄の菜箸を使って下さい』


クリスタ「‥‥か、書いてあったね、えれん」

えれん「くち?」キョトン

さしゃ「‥‥いもです」フゥー

クリスタ「と、とにかく、この子はえれんが怖がっちゃってるし‥‥次に行こうか?」ナデナデ

えれん「くちく!」

クリスタ「さて、と。次はどんな子かなー」ワクワク


『スプリンガー種はこちら!』


クリスタ「わぁ、なんか可愛い名前。可愛い子なのかな?」タタタ

こにぃ「」ゴローン

クリスタ「寝てる‥‥のんびりした子なのかな?ご挨拶しよっか、えれん」ジー

えれん「‥‥くちくっ」

こにぃ「!!」バッ

クリスタ「わぁ、この子も小柄だなぁ。髪の毛が無い種類なのかな?」

こにぃ「オアエリ!!オアエリ!!」ピョンピョン

えれん「くちく!」ガラスペタペタ

クリスタ「こ、ここまで来てやっと普通にお友達になれそうな子だぁ‥‥!」ジーン

こにぃ「オアエリ!」シュタタター ピョーンッ

えれん「くちく‥‥!」ソワソワ

クリスタ「随分たくさんおもちゃが付いたケースにいるんだね、いっぱい遊ぶ種類なのかな。身のこなしもすっごい軽やか‥‥」

えれん「‥‥く、くちーく!」ビシィ

こにぃ「? オアエリ!!」ビシィ

クリスタ「あっ、敬礼してる!すごいなぁ‥‥あれ、でもこれって逆

キース「逆だスプリンガー‥‥」ツマミッ コメカミグリグリ

こにぃ「オアエッ!?」

クリスタ「っ!?きゃ、きゃー!!誰かー!!」

クリスタ「ああ、すっごいびっくりした‥‥あの人連れてかれちゃったけど、何なんだろうホント‥‥大丈夫?」

こにぃ「オアエ‥‥オアエリ‥‥」

えれん「‥‥くちく」ナデナデ

こにぃ「‥‥オアエリ?」ジー

えれん「くちくっ!」ビシー

こにぃ「オアエリッ!」ビシー

クリスタ「えれんすごい、慰めてあげたの?えらいね!」ナデナデ

えれん「くちくっ」ムフー

クリスタ「さてと、じゃあ最後の子に会いに行こうか?やっぱり全員見たいしね」

こにぃ「オアエリー!!」ブンブン

えれん「くちくー!!」ブンブン

クリスタ「こ、ここだけ凄い人が集まってる‥‥!他の比じゃないくらい‥‥」ギュウギュウ

えれん「くっ、くち‥‥」モゾモゾ

クリスタ「我慢してね、えれん‥‥ふぅ、やっとプレートが見える位置まで来れた!」


『フェア限定入荷!血統書付のアッカーマン種はこちら!』


クリスタ「血統書付!?す、すごい‥‥急ぐよえれん、また誰かに買われて会えなくなっちゃうかも!」ギュウギュウ

えれん「くちく‥‥」ムギュムギュ

クリスタ「‥‥っぷは!やっと人混みを抜けられた!」

みかさ「‥‥ので?」

クリスタ「‥‥!!!!」ズッキューン!!




>>66採用で

クリスタ(す、すごい‥‥!毛並つやつや、憂い気なたれ目がセクシーで可愛い!!天使‥‥ううん、天女様!?)ドキドキ

えれん「‥‥くち?」ジー

みかさ「ので!!!!!!」バンッ!!

クリスタ「えっ!?」

みかさ「ので!のでので!!」バンバンバンバンビシィッ

クリスタ「ガラスにヒビが!?」


ザワザワ ナンダナンダ ジャジャーンwwwwww アッチカラスゴイオトガ


えれん「くちく!」ジタバタ

クリスタ「え、えれん落ち着いて!ええっ、この子とも相性悪いの!?」オロオロ


『アッカーマン種はイェーガー種にとてもよく懐きます!相性抜群、多数飼い初心者の方にはオススメです!』


クリスタ「えええー!?」

みかさ「のでのでのでのでのでのでのでので!!!!!」バンバンビシビシバンビシィイ!!!

ペトラ「ちょっとすみません、通ります!‥‥あれっ、クリスタ!?」

クリスタ「ペ、ペトラさん!!なんかこの子の様子がおかしくて‥‥!!」

みかさ「のでので!!のでのでので!!!!」バンビシビシビシバンビシシバンビシィ!!

ペトラ「と、とにかく一度離れて!落ち着かせるわ!ほかのお客様もすみません、アッカーマン種はちょっとお昼寝タイムに入りまーす!」ガタガタ

みかさ「のでぇえええええええええええ!!!!!!」ジタバタジタバタ

クリスタ「ああ、びっくりしたぁ‥‥えれん、大丈夫だった?」

えれん「‥‥」ジー

クリスタ「? えれん?」ナデナデ

えれん「‥‥くちくっ!」グイグイ

クリスタ「どうしたの?あの子が気になるの?」

えれん「くちくっ!!」グイグイ

クリスタ(‥‥ペトラさんにお話、聞いてみようかな)

クリスタ「すみません、休憩室に入れてもらうなんて‥‥」

ペトラ「いいのよ、クリスタは数少ない貴重な常連さんだもの!はい、お茶。えれんのもね」コトッ

えれん「くちく!」ゴクゴク

クリスタ「どうもありがとうございます。‥‥でも、さっきのあれは何だったんでしょう‥‥」

ペトラ「うーん‥‥ちょっと心当たりがあったから、さっきブリーダーさんに連絡してみたの。

そうしたらね、『おそらくそのイェーガー種は知り合いに渡した子じゃないか』って」

クリスタ「え!?まさか、そんな‥‥!」

ペトラ「でも、ありえない話じゃないわ。この近辺のブリーダーはあの人だけだし、いつどこにどの子を渡したかっていうのを記録してるんですって。

それで、一か月ちょっと前にショップを通さずにイェーガー種を一体渡したって話だったから‥‥当てはまるでしょ?」

クリスタ「そっか‥‥もともと同じブリーダーさんに育てられてて、ユミルが先輩に話したのを先輩がブリーダーさんに話して、そこからうちに来た、ってことかぁ」ナデナデ

えれん「くち?」キョトン

ペトラ「ちゃんと確かめないと分からないけど、その人も後輩のためにって友人に相談を受けて渡したって言ってたから‥‥多分ビンゴ、ね」

クリスタ「‥‥あの子、えれんと一緒に育ってた家族だったんですね」

ペトラ「まぁ‥‥そういう事になるのかな?そして運命の再会、か。こーんなおちびちゃんなのに、ドラマチックな展開ね?」クス

えれん「くちくー」ノビノビ

クリスタ「‥‥ペトラさん。あの子、いくらで買えますか?」

ペトラ「えっ、‥‥ううーん、正直けっこうするよ?大丈夫?」

クリスタ「だって‥‥!やっと会えた家族を離れ離れになんて、出来ません!!ペトラさんなら分かるでしょ!?」

ペトラ「まぁ、私はお店の人間だし、売上が出てうれしいけど‥‥よし、特別に店長に値下げ交渉してあげるわ!」

クリスタ「そ、そんなの悪いです!ちゃんと払いますよぉ」アセアセ

ペトラ「私だってえれんとあの子を応援したいもの!任せて‥‥」

ガチャッ

ミケ「‥‥」ヌッ

ペトラ「て、店長!休憩オーバーしましたか?すみません!」

ミケ「いや、そうじゃない。‥‥ほほう、イェーガー種か」ヒョイッ

えれん「くちっ!?」ジタバタ

クリスタ「は、はい!えっと、あの、店長さん、お邪魔してます!」オロオロ

ペトラ「ああ、心配しなくていいわクリスタ。店長はね‥‥」

えれん「くちく!くちく!!」フンフン

ミケ「‥‥」クンクン

えれん「‥‥く、くち?」ソワソワ

ミケ「‥‥」フンッ

えれん「!?」

ペトラ「ちょっと変わった癖があるだけなのよ‥‥」

クリスタ「え、ええ‥‥?」

ペトラ「で、店長、休憩オーバーじゃないならどの子か売れたんですか?」

ミケ「ああ、アッカーマン種だ。初心者のようだが、レクチャーを受けずに帰ってしまったので後日電話で何か聞かれるかもしれない」

クリスタ「え‥‥!!」ガタッ

ペトラ「ああー‥‥あっちゃあ」

ミケ「? どうかしたか?」

クリスタ「ぺ、ペトラさん!!どうにかならないんですか!?」

ペトラ「ごめんね、クリスタ‥‥こればっかりは、私じゃどうにも‥‥」

クリスタ「じゃ、じゃあせめてその人の連絡先とか‥‥!」

ミケ「申し訳ないけれど、個人情報は漏らせない。‥‥何か事情があるようだが、こちらも商売だからな。早い者勝ちだ」

クリスタ「そんなぁ‥‥」ヘナヘナ

ペトラ「‥‥多分、絶対に一度はうちに連絡するか寄ってくれるかするだろうから、その時に事情を話しておくわ」

クリスタ「ペトラさぁん‥‥」グスグス

ペトラ「定期的に会えるようなお友達になれるわ!きっと。だから元気出して、ね?」ナデナデ

クリスタ「‥‥はい。お忙しい所をお邪魔してしまって、すみませんでした」ペコリ

ペトラ「気にしない気にしない。‥‥他の子、お迎えするの?」

クリスタ「‥‥もうちょっと考えます。今日は、これで」

ペトラ「‥‥本当にごめんね。絶対!渡りつけてあげるから!」ギュ


えれん「くちく!!」ペチペチ

ミケ「‥‥」フンッ

アルミンかな

クリスタ「ごめんねえれん、えれんのお友達を探しに行ったのにね‥‥」ガックシ

えれん「くち?」キョトン

クリスタ(‥‥あのアッカーマン種の子、とっても綺麗だったなぁ‥‥ユミルに聞いてもらったら、やっぱりえれんの家族だったみたいだし)ハァ

クリスタ「‥‥お願いしますペトラさん、どうか‥‥!!」ムギュー

えれん「くちくー」スリスリ








クリスタ「ほ、本当ですかペトラさん!!」ガバッ

ペトラ『ええ!今お店にいらしてるの。もちろんアッカーマン種も一緒よ、待っててくれるみたいだからいらっしゃい!』

クリスタ「すぐに行きます!!」ピッ

えれん「くちくー?」

クリスタ「行くよえれん!家族に会えるんだよ!!」ムギュー

クリスタ「ペトラさん!!」ダダダッ

ペトラ「クリスタ!大丈夫?凄い息上がってるけど‥‥」

クリスタ「へ、平気ですこのくらい!!」

ペトラ「‥‥えれんが平気じゃなさそうだけど」

えれん「」ムキュー

クリスタ「ああっ!!ごごごめんねえれーん!」

ペトラ「もう、慌て過ぎ!‥‥休憩室で待っててもらってるから、いらっしゃい。えれんも少し休ませた方がいいわね」

クリスタ「は、はい‥‥」

クリスタ(どんな飼い主さんかなぁ‥‥仲良くなれるといいな)ワクワク

だれだろね

ペトラ「お待たせしましたー、この人が例の方です」ガチャ

クリスタ「こ、こんにちは!初めまし‥‥て‥‥」

みかさ「のでー!!!」ジタバタ

アルミン「‥‥やぁ、クリスタ。初めましてなんて、酷いなぁ‥‥」

クリスタ「あ‥‥あ、ある、みん‥‥?」

ペトラ「あら、お知り合いだったの!?すごい偶然ね!アルレルトさん、よかったらみかさちゃん預かりますけど‥‥えれんと一緒にお休みさせておきますよ」

アルミン「あ、お願いします‥‥」

みかさ「のでっ!!」ムギュッ

えれん「」キュウ

ペトラ「あらあら‥‥ふふっ。じゃ、ついでにお茶入れてくるわね」パタン



クリスタ(どうして、なんでアルミンが、ここに‥‥!?)ガタガタ

>>144
お前がアルミンだよ畜生預言者め!

安価ミスった、>>146>>141ちくしょうアルミンめ

アルミン「ふふ‥‥こ、こここんなに近くで話すなんて、ひさ、久々で‥‥緊張しちゃうよ、ふふ、ふひぃ」ニヤァ

クリスタ「い、いや‥‥!!」ガタッ

アルミン「あの暴力女とついに離れたんだね‥‥僕は頭の悪い木偶の坊とか筋肉達磨みたいに、無駄な特攻はしない主義なんだ‥‥」ハァハァ

クリスタ「来ないで‥‥お願い、来ないで‥‥!」ブルブル

アルミン「ふふ、ふふふふふ‥‥あのブス、僕、僕を、根暗チビとか、ぬかしやがって‥‥!自分は、クリスタに振られて逃げたくせに‥‥!!」

クリスタ「‥‥ち、違う!ユミルはただ、出張で‥‥!」ハッ

クリスタ(す、ストーカーに言っちゃダメって言われてたのに、言っちゃった‥‥!)

アルミン「‥‥知ってるよぉ」ニコォ

クリスタ「!?」

アルミン「君の周りの事で、僕が知らない事なんか何もないんだよ‥‥?」ジリジリ

クリスタ「こ、来ないで!お願い、いや!!」ズリズリ

アルミン「可哀想に‥‥クリスタ、僕が慰めてあげる‥‥」ハァハァ

クリスタ「‥‥た、たすけて‥‥!」ブルブル



クリスタ「助けて!!えれぇえええええええええええん!!!!」



ガンガンガンガンッ、バンッ!!

えれん「くちくぅうううううううううう!!!!」ダダダダダッ ガブゥ!!

アルミン「うわぁああ!うわっ、なんだコイツ、離してよぉ!!」ジタバタ

クリスタ「え、えれん!?どうやって‥‥」

みかさ「のでっ」ムフー

クリスタ「‥‥このドア、あなたがやったの?」

みかさ「ので」ダダダッ

クリスタ「あ‥‥」

アルミン「うわっ、何するんだよ!!僕はお前の飼い主だぞ、やめろよぉ!!!」ジタバタ

ペトラ「クリスタ!ごめんなさい、なんかいきなり二人とも飛び出していって‥‥、って、ええ!?どういうこと!?」

クリスタ「‥‥ペトラさぁああああん!!」ムギュー

アルミン「やめてよぉお!!うなじ噛まないでよぉおおおお!!」エグエグジタバタ

アルミン「離せ、離してよぉ!!」

ミケ「‥‥」クンクン

アルミン「!?」

ミケ「‥‥ぉえっ」





クリスタ「ありがとうえれん‥‥あなたも、ありがとう」ナデナデ

えれん「くちく!」ドヤッ

みかさ「‥‥ので」ムフー

ペトラ「つまり‥‥アルレルトさんは、クリスタが小人を飼っていてここにフェアを見に来たからには小人を新しく買う筈だ、訳有りの反応を見せたみかさちゃんを買えば気が引ける‥‥って思ったわけね」

アルミン「その通りだろう!!僕の作戦は完璧だったんだ!!」ジタバタ

ペトラ「君ねぇ‥‥お店の備品も騒ぎで壊してるし、婦女暴行未遂にストーカー。通報してもいいんだよ?」

アルミン「恋人を監視して何が悪い!!この不当な監禁で訴えてやる!!」ジタバタ

クリスタ「‥‥アルミン、落ち着いてよ‥‥」ウルウル

アルミン「ああ‥‥クリスタ、今そっちに行くね!すぐにその家畜共を、僕を噛んだってことで保健所送りにしてやるからね!」ニコォ

クリスタ「‥‥!!」ガタッ

ペトラ「‥‥ちょっと黙ってよ、君」ジロリ

アルミン「うるさいブス!!クリスタと話してるんだよ僕は!!‥‥ねぇ、クリス


パシンッ


アルミン「‥‥え、」

クリスタ「‥‥バイト先でいろいろ教えてくれたこと、今でもすごく感謝してるよ。あの頃のアルミンはとっても素敵だった。

‥‥今のアルミンは、‥‥だいっきらい、よ‥‥」ポロポロ

えれん「くち?くち?」オロオロ

みかさ「‥‥の、ので?」オロオロ

アルミン「‥‥」

クリスタ「ペトラさん、弁償なら私がします」

ペトラ「え!?クリスタが払う事なんてないわよ、被害者じゃない!」

クリスタ「いいえ‥‥元々この人がこんな事をする原因になったのは、私だから。迷惑をかけてしまって‥‥」ペコリ

ペトラ「そんな事‥‥!」ギュッ

クリスタ「あと、店長さん。通報するのは止めてあげてもらえませんか?お願いします」ペコ

アルミン「ク、クリスタ‥‥!やっぱり僕の事が」

クリスタ「勘違いしないで。交換条件に、この子は私のうちに子にしてもらうの」

アルミン「いいよいいよ、そんなのあげるよ!嬉しいな、これからは一緒に」

クリスタ「アルミン」ジッ

アルミン「なぁに?クリスタ!」ニコッ

クリスタ「‥‥私は、あなたが大嫌いよ。もう二度と、顔も見たくないの。近寄って欲しくないの!!

つ、次に目の前に現れたりしたらっ、まとめて通報してやるからね!」ポロポロ

アルミン「‥‥そ、んな‥‥」ガクッ

ペトラ「‥‥私と店長が証人になるわ。この子は、クリスタの家族よ」ナデナデ

ミケ「‥‥ペトラ」

ペトラ「む、無理なお願いなのはわかりますが、どうか‥‥」

ミケ「‥‥送って行ってやれ。お前が帰ってきたら、コイツも離す」

ペトラ「店長‥‥!はい!」

ペトラ「台所借りたわよ。はい、ホットミルク。えれんたちのはこっちね」コトリ

えれん「くちくー!」

みかさ「ので?」キョトン

クリスタ「‥‥ありがとうございました」グス

ペトラ「全く‥‥嫌いって言う度に泣いちゃうなんて、ストーカーにまで優しいのねあなた」ナデナデ

クリスタ「だって‥‥!アルミンは、昔は本当にいい人だったんです‥‥なのに、私がはっきりした態度を取らなかったせいで‥‥!」

ペトラ「‥‥ストーカーにしちゃったのも自分のせい、ってこと?」

クリスタ「こんなこと、友達に言ったら怒られちゃうな‥‥」

ペトラ「あら、私は友達じゃなかったの?」ジー

クリスタ「え?‥‥あっ!ち、違います!えっと、今のは‥‥!」アセアセ

ペトラ「ふふふ、冗談よ」

クリスタ「‥‥ふふふ」

ペトラ「‥‥笑えるなら、もう大丈夫かな?」ナデナデ

クリスタ「はいっ!‥‥きっとアルミンも、これで私の事は諦めてくれたはずだから。新しい人と、違うどこかで‥‥素敵な恋愛をしてほしいな」

ペトラ(末期ね、この子)ハァ

クリスタ「?」

ペトラ「何でもないわ。さーて、お店に戻らなきゃ!」

クリスタ「あ‥‥待って下さい!あの、あっちの子のお名前って‥‥」

ペトラ「ん?ああ、まだ変えちゃっても馴染むと思うわよ?」

クリスタ「でも‥‥混乱させたら可哀想だし」

ペトラ「‥‥なーんちゃって。実はあの名前、ブリーダーさんが呼んでた奴なのよ?」

クリスタ「そ、そうだったんですか!?」

ペトラ「ええ、ちゃーんと書類にあるわ。きっとストーカー君、名付け面倒だから書類のままにしちゃったんじゃないかしら」

クリスタ「‥‥やっぱりアルミン、ちょっと嫌い」プゥ

ペトラ「クリスタはすっかり小人ラブね」クスクス

クリスタ「じゃあ、改めて家族が増えたお祝いに‥‥かんぱーい!」

えれん「くちくー!」

みかさ「‥‥ので」

ユミル「‥‥おい、何で増えてるんだよ!」バンッ

クリスタ「いいじゃないのユミル、ちゃんとお世話するから!‥‥っていうか、アッカーマン種ってすっごい頭いいらしいの!」キラキラ

ユミル「ほーぉ?あれか、世話要らずの上に他の小人の世話までしちゃいますぅとかか?」ニヤニヤ

クリスタ「なんだユミル、知ってたの?」

ユミル「‥‥マジなのかよ」

クリスタ「うん!っていっても、アッカーマン種がお世話するのはイェーガー種だけみたいなんだけどね。ほら見て!」


えれん「くちくくちく!!」ガツガツ

みかさ「‥‥ので」スッ フキフキ

えれん「く、くちく!」イヤイヤ

みかさ「ので」フキフキ


クリスタ「ね?」

ユミル「うわ‥‥なんか押し掛け妻か世話焼き女房って感じだな」

みかさ「ので!」グルンッ

ユミル「おわ!?なんだコイツ怖ぇえ!」

クリスタ「あ、それはね!みかさはきっとえれんがすごく好きなの!だから、妻とか女房とか言ってあげるとすごく喜ぶの!」キラキラ

ユミル「そんなに頭いいのかよ、すげぇな‥‥じゃあちょっとそこのしょうゆ取ってこい」ツン

みかさ「?」キョトン

クリスタ「あはは、さすがに無理だよぉ」

ユミル「‥‥おい世話焼き女房、尽くす女は好かれるぜ?」

みかさ「ので!」ヒュバッ ショウユ!!

クリスタ「え!?」

ユミル「おおー、賢いなぁ」ツンツン

クリスタ「おうちは一緒でもいいらしいから、今日から二人で使ってね」ナデナデ

えれん「くちく!」バッ

みかさ「‥‥ので」バッ

クリスタ「うん、敬礼も上手で凄いなぁみかさは‥‥ちゃんと立体機動ベルトも揃えてあげるからね?」ナデナデ

みかさ「‥‥ので」スリスリ

えれん「くちく!くちく!」スリスリ

クリスタ「二人ともいい子で大好きだよ、もうっ!」ギュー

みかさ「のでので」スリスリスリスリスリスリ

えれん「くちっ!?」ジタバタ

クリスタ「あ‥‥みかさは私よりえれんなんだね」ショボン

クリスタ「じゃあ二人とも、おやすみなさい」パチン モゾモゾ




えれん「‥‥くちく!」グイッ

みかさ「‥‥ので」トテトテ

えれん「くちく、くち!」ビシッ

みかさ「‥‥ので」コクン

えれん「‥‥くちく、くちくっ」ナデナデ

みかさ「‥‥ので、のでっ」ムギュー






おしまい

初めて書き溜めしないでリアルタイムに書いたらかなり長くなってしまった
ちなみに元ネタはいつだったか読んだ咲の未完SS、つまりパクリスペクトですごめんなさい
まだ同じネタで書きたい話があるから、続編は【みかさ「‥‥ので」】とかで立てようと思います

レスとかありがとう、三十分でもいいから今から寝ますおやすみ

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom