さやか「…最低」(21)

さやか「…あれさぁ」

まどか「うん」

さやか「杏子だよね」

まどか「うん」

さやか「ここってさ…」

まどか「うん」

さやか「一緒にいるのってさ」

まどか「…許せない」ゴゴゴゴゴ

マミ「…」ガクガクブルブル


さやか「なんで杏子と」

まどか「ほむらちゃんが」

まどさや「「…ラブホテルから出てくる訳?」」


マミ「…ひっ」

マミ(…どうしてこんな事に)

マミ(そう…あれは確か)


ひと月前・バレンタイン翌日

まどか「えぇ!付き合う事になったぁ!?」

さやか「えへへ///…うん、まぁ。杏子もあたしの事…///」

まどか「凄い!凄いよさやかちゃん!」

マミ「おめでとう!美樹さん」

さやか「まどかとマミさんが相談に乗ってくれたお陰だよ!」

まどか「うぇひひ。私とほむらちゃんの時も随分お世話になったからね」

マミ「鹿目さん達はどうだったの?バレンタイン」」

まどか「ばっちりでした!ほむらちゃん、すっごく喜んでくれましたよ」

マミ「あらあら、それは良かったわね」

マミ(…そう、あの時は確かに平和だったはず。じゃあ、この殺伐とした雰囲気って、一体…)


バレンタインから数日

マミ「あら、美樹さんに鹿目さん?珍しいのね。二人だけなんて」

まどか「あ、はい。ほむらちゃん、何か用事があるみたいで…」

さやか「杏子も…ねぇ、まどか、なーんあの二人最近こそこそしてない?」

まどか「…」

マミ「…そうなの?」

さやか「杏子の奴、放課後になるとすぐどっか行っちゃうんですよね。夜も最近帰りが遅いし…」

まどか「杏子ちゃんも?…実はほむらちゃんも、メールの返信がこの頃夜遅くにならないと来なくて…」

まどか「…今まではすぐに返ってきてたのに」

さやか「…もしかして、二人で何か私達に言えないような事…」

まどか「えっ!」

マミ「…た、例えばでしょう?美樹さん、安易にそういう事言うの、良くないわ」

さやか「…でもマミさん」

マミ「もしかしたら、魔獣関連で何かあるんじゃ…」

さやか「それなら、私やマミさんに何の相談もないっておかしくないですか?」

マミ「それは…」

さやか「…杏子に聞いても、上手く誤魔化されちゃって…」

まどか「…」

マミ「美樹さん…鹿目さん…」

マミ「ほ、ほら、元気出して二人共!今は言えなくても、きっといつか言ってくれるわよ!」

さやか「…」

マミ「み、見てれば分かるもの!暁美さんは鹿目さんをとても大事にしていて、佐倉さんは美樹さんが大好きなんだって…」

まどか「マミさん…」

マミ「だから、二人の事を信じましょうよ…ね?二人の事が大好きなら、尚更」

さやか「…そう、ですよね」

まどか「私達、何を疑ってたんだろ…」

マミ「分かってくれて良かったわ」ホッ

マミ(…それから何事もなくその話しは終わった…はずなのに)

マミ(…この状況は一体何なのよ!)


さやか「…最低」

まどか「…」ワナワナワナ

マミ「お、落ち着いて!落ち着いて二人共!慌てちゃダメ、まだ慌てる時間じゃないわ!」

さやか「…何言ってんですかマミさん」

まどか「私達、落ち着いてますよぉ?とーっても」

まどさや「「ねー?」」ゴゴゴゴゴゴ

マミ「ひっ…」

マミ(ソウルジェムが呪いよりもおぞましい色に…!?)

次の日・放課後

さやか「…やっぱり今日も」

まどか「ホテルに消えていくのであった…」

マミ「…」

マミ(…どうして私まで)

マミ「…ね、ねぇ…そろそろ止めない?もうすっかり遅いし…」

さやか「あははは…すっかり遅くなるまで何してんすかねー…あの二人、まだ出てこねぇやー…あはははは」

まどか「ふふ…ふふふ…酷いよ。こんなのあんまりだよ…ふふっ。ほむらちゃん、私の初めて奪っておいてこんな…うぇひひひひひ」

マミ「鹿目さん!美樹さん!しっかりして!き、きっと誤解よ!そう!これは誤解なのよ!!」

さやか「誤解~?何言ってんすか?こんな所でヤる事って言ったら、ねぇ?」

まどか「…大体マミさんは関係ないんですから、口出さないで下さいよ」


マミ(関係ないのに巻き込まれたんだけど…)

さやか「…杏子、私ともまだなのに…何でほむらなんかと」

まどか「…ほむらちゃんは素敵な子だもん…仕方ないよ…」

ピクッ
さやか「…ほむら、まどか一筋だと思ってたのに…女の子なら誰でも良いんだね」

ピクッ
まどか「…は?」

マミ(…な、何?何か空気が…)

まどか「…大体さぁ、杏子ちゃんってさやかちゃんと付き合ったばっかりなんだよねぇ?」

さやか「…だから?」

まどか「なのに、すぐ人のものにも手を出すって、ちょっとお行儀悪いんじゃないかなぁって」

さやか「…何言ってるか分かんないなぁ。まどかの言う通り、私達付き合ったばっかでまだまだラブラブだったんだわ~」

まどか「…で?」

さやか「ほむらからちょっかいを出したとしか思えないんだよねぇ。どっかの誰かさんが寂しい思いでもさせてるんじゃないかなぁ~?」

まどか「はぁ!?」

さやか「幸せな私達を妬んで…って、ありえない話しじゃないんじゃない?」

まどか「ほむらちゃんは私一筋なんだよ?杏子ちゃんさぁ、さやかちゃんと毎日一緒で飽きちゃったんじゃない?」

さやか「は?」

まどか「ほら、よく言うじゃない。付き合ってみたらイメージと違った~ってやつ?」

さやか「何ですってこのドロボー猫!!」

まどか「ドロボー猫はそっちでしょ!?」


マミ「ちょ、何で二人が喧嘩するのよ…!!」

さやか「…場所変えようか?ここじゃあ人目につきそうだし」

マミ「…ちょ、ちょっとぉ?」

ザワザワケンカダケンカダー

マミ(…というかもう手遅れなんだけど)

「あー、ちょっとちょっと!通して!」

マミ「!?」

「喧嘩なら他所でやってくれる?…って、げっマミ?」

マミ「…佐倉さん!?」

さやか「え?」

まどか「!…ほむらちゃん!」

ほむら「まどか?…何してるのこんな所で…」


まどか「な、何って…」

さやか「誰のせいだと思ってんのよ!」



ほむ杏((…な、何?))

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