京太郎「最後のインターハイか…」(527)
・本スレは京太郎が主人公の「咲-saki-」SSスレです
・タイトルの通りにこのスレの”京太郎は”3年生です
・初スレ立てですが生暖かい目で見ていってください
・若干のスタドラ成分が入ってるかもしれません
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1
-4月上旬-
京太郎「いい感じに桜が咲いてるな…クラス表はあっちだっけ?」
京太郎「えーと…俺のクラスは…」
?「おはよう京太郎君!また私たち一緒のクラスになれたよ。今年も仲良くしようね♪」
京太郎「おはよう会長、これで3年目だな…ところでそのキャラ作りはなんなんだ?」
久「そんな!?私たちの仲でしょ?久って呼んでくれないと嫌よ…京太郎…」(グスッ
京太郎「だからそのキャラなんだよ!周りから俺が悪いみたいな空気がただよってるじゃねえか!」
モブ達「須賀が会長泣かしてるぞ…」「サイテー」「男としてどうかと思うぜ」(ざわ…ざわ…
京太郎「おい!お前らわかっててやってるだろ!畜生…俺に味方はいないのか…」
?「お、あれは…」
ワカメ「部長、京太郎先輩、おはようさん」
ワカメ「仲睦まじく騒ぐのはええけどそろそろチャイムが鳴るから早く教室に行ったほうがええよ」
久「あら、おはようまこ…そうね、ほらみんな早く教室に行くわよー!」
モブ達「はーい!」(ゾロゾロ…
京太郎「」
まこ「じゃあわしも行きますけーの。またの、先輩。まあ元気だせ…」(ポンポン
京太郎「…ああ…おはようまこ…またなー…」
京太郎「……俺も教室いこ…」
-教室-
京太郎「おはよー」ガラッ
久「おはよう京太郎、遅刻ギリギリよ」
京太郎「誰のせいだよ…」
久「あらなんのことかしら?」
京太郎「はぁ…。まあいいや、俺の席は何処だ?」
久「ここよ」
京太郎「また隣か…相変わらずの腐れ縁だな。実は仕組んでたりしないか?」
久「名前順よ。それより京太郎。午後の入学式には出るの?」
京太郎「もちろん出るぞ。かわいい妹分の晴れ舞台だからな!」
久「相変わらずのシスコンね…そんなにかわいい子なら紹介しなさいよ」
京太郎「断る。お前に紹介すると手を出されそうだ…なんか百合疑惑あるしな…」
久「何その噂…私はノーマルのつもりなんだけど?」
京太郎「人の噂も750日って言うしな…まあ諦めろ」
久「75日よ。まったく…誰よそんな噂流したの…」
教師「HR始めるぞーさっさと席につけー」(ガラッ
教師「出欠確認するぞー」
・
・
・
教師「はい、全員いるなー。今年は俺が担任だからまあ仲良くしていこうや」
教師「このあと始業式があるが、入学式に出席しないやつはそのまま帰っていいぞ」(キリーツキオツケレイ
教師「あと竹井と須賀の二人。夫婦漫才は構わないが場所を考えてやれよー」
久「先生…京太郎と私をそんな関係に…」
京太郎「先生、こんな百合風味の悪女と夫婦は御免ですよ」(ハハハ
久「」
久「…京太郎」
京太郎「なんだ」(フリムキッ
久「ロンッ!!(物理)」(ドゴォ!
京太郎「ハネマンッ!!」(ガッシャーン!
教師「あー……ちゃんと片付けてから来いよー」
久「私だってこんなシスコン野朗はゴメンよ!」
-始業式-
校長「~であるからして~」
京太郎「zzz...」(スヤスヤ
・
・
・
-???-
s「おんなじだ!私の名前と!!」
t「そうだね、咲」
?「……ぉぃ」
t「森林限界を超えた高い山の上…」
t「そこに花が咲くこともある」
?「…ぉい」
t「おまえもその花のように…強く…」
?「おい!」
照「何よ京ちゃん。せっかく咲にいい話してたのに」
京太郎「荷物全部を俺に持たせて…ハァハァ…山登ってるくせに…ハァハァ…。いい話もクソもあるか!」
咲「お兄ちゃん大丈夫?」
京太郎「…咲ちゃんは本当に優しいなぁ…そこの駄目な姉にも見習わせてやりたいくらいだ」
照「中二病のくせによく言うね。まだ中1のなのに恥ずかしい…」
京太郎「ふん…○○○○○団の王である俺にそんな言葉は届かんな…」
京太郎「ところで咲ちゃん。今どんな話してたんだい?」
咲「んーとね。私が山のてっぺんに咲くお花みたいなんだってお姉ちゃんが言ってたの!!」
京太郎「そうかー、咲ちゃんは高嶺の花だったのかー」
咲「たかねのはなって何?」
照「とても綺麗だけど、手が届かない所にある花のことよ。京ちゃんみたいな駄目人間には特に無理ね」
咲「えー、お兄ちゃんならきっとできるよ!だってお兄ちゃんだもん!!」
京太郎「咲ちゃん…」
咲「でも私がお花さんならお姉ちゃんはなんなのー?」
京太郎「んー…照はきっとそのお花を照らす太陽みたいなもんかなー。名前的にもぴったりだ」
照「えっ」(ドキッ
咲「おー!お兄ちゃんすごい!これがしまいのきずなってやつなんだね!!」(キラキラ
京太郎「そうだぞ咲ちゃん!照は咲ちゃんの引き立て役として大事な存在だぞ」
照「ん?」
咲「お姉ちゃんピカピカー♪」(キラキラ
京太郎「そうだぞ咲ちゃん!…でもピカピカとか言われてると地味にダサ…」
照「京ちゃん…」(ギュィィィン
京太郎「どうした、て…る…」(フリムキ
京太郎「まあ待て。話せばわかる」(アセ…アセ…
照「それを言った人がどうなったかわかるよね?」(ニッコリ
京太郎「し、幸せな余生を過ごしてるとうれしいな…」(ニコッ
-山道- ←
照「ロンッ!!(物理)」(ゴッ
京太郎「バイマンッ!!」(ドンッ
京太郎「うわああぁぁぁ」(ゴロゴロゴロ…
咲「おにーちゃーん!」
照「あっ!ごめん京ちゃん!!待ってー!」
京太郎「ゴフッ」(ズザーッ
咲照「「大丈夫!京(お兄)ちゃん!?」」(タタタ…
京太郎「フフフ…マスクを持ち歩いてなかったら即死だったぜ…」
照「それ持ち歩いてたの!?」
京太郎「当たり前だろ…王たるもの、常に○○星ることができなければ意味が無いわ…いてて」
咲「お兄ちゃん。綺○○るってどういう意味?」
照「聞いては駄目よ、咲」
京太郎「ふん…まあいいさ…俺は王らしく全てを手に入れて…」(フラッ…
照「京ちゃん!」(ダキッ
京太郎「…例えどんな花であろうと、それを照らす太陽であろうと……」(キゼツ
照「えっ……あ…」(ポト…
京太郎「ゴフッ」(ビターンッ
咲「おにーちゃーん!」
京ちゃんが綺羅星十字団の人だったとは
・
・
・
-始業式-
校長「~では皆さん。今年も元気にすごしましょう!」
モブA「おい京太郎、そろそろ起きとけよ」(ボソ
京太郎「…んー。懐かしいけど痛い夢を見た気がする…」
モブA「なんだ?黒歴史でも思い出したか?」
京太郎「おい馬鹿やめろ…多分さっき物理的に痛い目に会ったからだな」
モブA「なんだ中学の時のアレが再発したのかと思ったぞ。なあキング?」
京太郎「アレはお前も一緒にやってただろ…なあ議長?」
モブA「…これ以上はやめようぜ。…あとさっきのことだが、あれはお前が悪い」
京太郎「思ったことを口にしたまでだ」(キリッ
モブA「それがいけないんだろうが。…まあいいや、そろそろ教室に帰ろうぜ」
-昼-教室-
京太郎「さて…飯でも食うかな」
久「あら京太郎。今日は珍しくお弁当なのね」
京太郎「まあ今日は時間あったからなー。弁当を作ることで食事代を浮かせてみた」
久「なるほどね…でもあなたバイトしてるからお金に余裕はあったでしょ?」
京太郎「春休み中にプチ旅行してたんだよ…あとはバイクの維持費で割と金欠なんだ」
久「あの派手なバイクね…。今日は乗ってきてないの?」
京太郎「今ちょっとメンテ中なんだわ、まあそのうちまた乗ってくるさ」
京太郎「そ・れ・に!俺はあのバイク結構気に入ってるからいいんだよ!」
久「別に悪く言ったわけじゃないのよ?気に障ったのならごめんなさい」
京太郎「そういうのじゃないさ。こっちも悪いな」
久「そう?じゃあそのたまご焼きをいただくわ」(ヒョイ
京太郎「あっ!?お前それは許されることじゃねーよ!」
久「いいじゃない。私達の仲なんだし…ん~♪美味しっ」(パクッ
京太郎「基本的に俺に利益がねーよ!…で、本当にうまいか?」
久「味の保障はするわ。婿入りには困らないわね」
京太郎「褒められるのはうれしいけど、主夫にはなりたくないなぁ…」
久「じゃあプロ麻雀士か料理人にでもなってみる?後者なら毎日食べに行ってあげるわよ♪」
京太郎「プロは自信ないけど、料理人は面白そうだな…」
>>12
ヘッドを交代しながら未だに継続中の組織です(中学規模で)
京太郎「麻雀と言えばアレだ。新入生に入部してくれそうな子はいたか?」
久「あら知らないの?今年の新入生には去年のインターミドル王者がいるのよ?」
京太郎「生徒会でもない俺が新入生の名前を閲覧できると思ってるのか?」
久「学生議会よ。それとその子のチームメイトがいるわね。原村和と片岡優希って子だけど知らない?」
京太郎「インターハイにしか興味なかったからなー。…ん?待てよ…原村和って名前は確か麻雀TODAYで見た記憶があるな…」
久「インタビューとか受けてたものね。麻雀部員として情報収集は大事よ」
京太郎「そう…確か中学生離れした胸の持ち主だったはずだ!」(カッ
久「」
京太郎「そうだそうだ!確か本当に中学生なのか疑った記憶がある…あれは素晴らしい胸だった…」(シミジミ
久「京太郎……」(イラッ
京太郎「胸は女性の象徴だろ!それにどう考えても高3のお前よりは大き…」
久「私は平均サイズよ!」(ギュゥゥゥ
京太郎「痛い!やめてっ!わかった!わかったから!…お前も女として美人な部類には入ってるから安心しろって」
久「わかればよろしい」
京太郎「いたた…まあその話は置いとくとして…2人じゃ足して4人だから団体戦出れないだろ。実際入ってくれるかもわからないし」
久「そ、そうね。…どうせなら団体戦に出たいものね。誰かいい子が入ってくれないかしら?」
京太郎「俺はどうせ個人戦だけだからなー。…黒一点として輝かしく生きていきたいもんだ」
久「じゃあもしものときは京太郎が女装すればいいのよ!きっと似合うわよ?」
京太郎「絶対嫌だね!……仕方ない。GW明けまでにメンバー集まらなかったら俺が誰か連れてきてやろう」
久「あら、うれしいわ♪(棒)私が普通の女子高生じゃなかったら危うく惚れていたところよ?(棒)」
京太郎「もっと期待をこめて欲しいもんだ…(コボレヒビクーオトガー♪)…ん?ちょっと電話に出てくる」
久「いってらっしゃーい」
京太郎「そうだ。弁当勝手に食うなよ…絶対だからな!」
久「はいはい…早く電話に出た方がいいわよ?」
京太郎「おっと……はい、もしもし?」(トテトテ
・
・
・
京太郎「予想はしてたがご覧の有様だよ!」
久「ごちそうさま。お弁当おいしかったわよ♪」
京太郎「俺の昼飯はどうするんだよ!」
久「あなたの料理が美味しいのがいけないのよ…今度何か奢るから許して…ね?」
京太郎「はぁ…まったく…仕方がない奴だな…絶対に奢れよ?」
久「わかったわよ。…た・だ・し!条件として、今度は私のお弁当も作ってきてね♪」
京太郎「反省しろよ!…じゃあ俺適当に食ってくるから、また後でなー」
久「またねー」
-入学式-
京太郎(咲が見えない…アイツ小さいから誰かで隠れてるのかな)
司会「では、最後に学生議会長から新入生の皆様に挨拶をお願いします」
久「新入生の皆様、入学おめでとうございます。はじめまして、学生議会長の竹井久です」
京太郎(おっ、我らが会長様のありがたいお話か)
久「先ほどお話があったように、この学校は自由な校風を売りにしております」
久「新入生の皆様には自由と言われてもどれくらい自由かはわからないかと思われます」
久「そこで、皆様が本学校により馴染めるように、少々お話をさせていただきます」(チラッ
京太郎(あいつ今こっち見たよな…)
久「例えば、本学校では学校行事として、春には球技大会と学内交流会、通称春祭があります」
久「これらを通して、クラスメイトや各学年の先輩方と仲良くなっていただけるとありがたいです」
久「ちなみに過去、某生徒が友人と組んでパフォーマンスで儲けようとして指導されましたので、皆様は気をつけてください」(ワハハハ
久「夏と冬には大きなイベントはありませんが」
久「秋にはなんと!一般開放される文化祭、通称秋祭があります!」
久「こちらはルールを守れば大きな規制は受けませんので、商売をしても大丈夫ですよ」(ニコッ
久「あと2年生になってからですが、修学旅行があります。去年は鹿児島に行きました」
久「単独行動で行方不明になって叱られた生徒もいますが、2年生はそうならないようにお願いします」
久「1年生にとっては来年ですが、皆様も楽しみにしてくださいね?」(ハーイ
久「学校への期待を高めることができたでしょうか?」
久「では次に、校則について簡単に説明させていただきます」
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久「最後に部活動についてですが、本日は全面的に休みとなっていますので、見学は明日からでお願いします」
久「これで話を終わります。皆様よい学園生活を送ってくださいね」
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-教室-
久「ふぅ…人前に立つのって疲れるわー」
京太郎「お疲れ様…だけど某生徒さんは若干怒ってるんですよ…」
久「学校の自由さを皆に説明しただけよ」
久「それに朝私に酷いこと言った罰ね」
京太郎「俺はあんま悪くないだろ…明日からが不安でいっぱいだな…」
久「そんなことはどうでもいいのよ」
京太郎「いやよくねえよ!」
久「それで、今日は入学式の片付けも手伝ってくれるのかしら?」
京太郎「あー、無理だな。今日は人を待たせてるから帰るわ」
久「私より妹さんが大事なのね…酷いわ!このシスコン!」
京太郎「そもそもで俺が手伝う理由がないだろ!?」
久「それもそうね…おっと、そろそろ私は行くわね」
京太郎「おー、もうこんな時間か。じゃあまた明日なー」
久「ええ。また明日」
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-校門-
京太郎「さてと…咲は何処かな?」
咲「」(キョロキョロ
京太郎「おー…待てよ。ちょっと驚かしてやるか…」
咲「京ちゃんまだかなー」
京太郎(よしよし、こっちに気づいてないな…)コソコソ
京太郎「だーれだ?」(メカクシ
咲「わっ!…京ちゃんでしょ?おどかさないでよー」
京太郎「やっぱばれたか…悪い悪い、待たせたな、咲」
咲「そんなに待ってないから大丈夫」
京太郎「そうか、じゃあ帰るとするか!」
咲「うん!」
-帰り道-
京太郎「咲、友達はできそうか?いじめられたりしないか?」
咲「もう、お父さんじゃないんだからそんなこと聞かないでよ!」
京太郎「だって心配じゃないか…大事な妹分の初高校生活だぞ!」
咲「大丈夫だよ。同じ中学校の子もいたし、みんないい人だったよ?」
咲「それより!入学式で会長が言ってたアレ、京ちゃんでしょ?」
京太郎「…ナンノコトデショネ?」
咲「とぼけなくってもいいよ?入学式のあとクラスメイトが先生に聞いてたもん」
咲「『それは多分3年の須賀ってやつだな』ってね!」
京太郎「咲…個人情報って大事だと思わないか?」
咲「それはそうだけど…私は京ちゃんのことなら何でも知っていたいと思うよ?」
京太郎「咲……可愛い奴め!」(ナデナデ
咲「むー…髪がグシャグシャになっちゃうから頭撫でないでよー」
京太郎「でも嫌じゃないだろ?」
咲「うん♪…って、何言わせるの!?」
京太郎「じゃあ撫でないでいいな?」
咲「え…もうちょっと撫でてもいいんだよ?」
京太郎「仕方ないなー」(ナデナデ
咲「えへへ…」
-宮永家-
京太郎「おっと、もう着いちまったな」
咲「そうだね…ちょっと残念かな…」
京太郎「何でだ?」
咲「だって一緒に帰るの久しぶりなんだもん」
京太郎「ははは」
咲「むー、なんで笑うのさ!」
京太郎「だってさ、今日からまた一緒の学校じゃんかよ?」
咲「そうだけどさー」
京太郎「学年も違うし、あと1年しかないけどさ…」
京太郎「一緒に登下校とか飯食ったりとかはできるから、一緒に青春を謳歌しようぜ!な?咲」
咲「…しょうがないなー…京ちゃんに免じて許してあげましょう!」
京太郎「そうそう、それでいいんだよ。じゃあ明日は8時くらいに来るから」
咲「うん。わかった!じゃあまたね。京ちゃん」
京太郎「おう!またな、咲」
京太郎「あー…その前に…」
咲「…どうしたの?」
京太郎「咲、入学おめでとう!前にも言ったが制服似合ってるぞ。…じゃあな咲!」(タタタ
咲「…えへへ…ありがと、京ちゃん」
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-翌朝-
咲「いってきまーす!…おはよー京ちゃん」
京太郎「おはよう咲、ちょっと髪立ってるぞ?」
咲「えっ!何処!?京ちゃん直してー」
京太郎「仕方ねーなー、ちょっと立ってろ」
咲「早くしてね?遅刻しちゃうよ!」
京太郎「はいはい……これでよし!じゃあ行くか」
咲「うん!ありがと、京ちゃん♪」
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・
京太郎「咲は何か部活に入るのか?」
咲「うーん…今のところ入りたい部活はないかなー」
京太郎「そっか」
咲「それより図書館だよ!どんな蔵書があるのか楽しみだよ」
京太郎「んー、中学よりは本多かったと思うぞ?」
咲「それは楽しみだね。4月中でどれだけ読めるかな」(ワクワク
京太郎「ははは……そうだ。咲、今日は俺部活に参加するから一緒に帰れねえや」
咲「うん、わかった」
京太郎「悪いな…でも登校はいつも一緒にできるから安心しろよ」
咲「大丈夫だよ。でも京ちゃんなんの部活に入ってるの?」
京太郎「秘密。学校に慣れてきたら教えてやるよ」
咲「何それ」
京太郎「まあいいじゃねえか。それより遅刻しそうだ。急ぐぞ!」(タタタ
咲「あっ!待ってよ京ちゃん!」(タタタ
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-昼-
久「京太郎!部室に行くわよ!」
京太郎「今日はやけに張り切ってるな」
久「だって今日から部活が始まるのよ!気合を入れなきゃ♪」
京太郎「新入部員が楽しみなだけだろ」
久「そ、そんなことないわよ…そ・れ・よ・り!早く行きましょ!」
京太郎「はいはい…じゃあ行くかね」(カチャ
久「あら?貴方眼鏡なんてかけてたっけ?」
京太郎「ファッションだよ…どうよ?」
久「似合わないわ」(バッサリ
京太郎「そうかよ…」
久「ほら!早く行くわよ!」(ダッ
京太郎「わかったって!ちょっと待てよ!」(タタタ
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-部室-
久「とうちゃーく♪さあ京太郎、掃除するわよ!」
京太郎「この前綺麗にしたじゃねえか…」
久「4日も経ってるのよ!失礼があったら困るわ!」
京太郎「誰にだよ…じゃあちょっとだけ掃除するか」
久「ええ!」
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久「これでよし!」
京太郎「やっぱそんなに汚れてなかったな」
久「用意はできたわ!いつでも着なさい!」
京太郎「1年は部活説明があるから来るのは2時ごろだぞ」
久「…そうだったっけ?」
京太郎「お前が忘れてどうする。飯でも食ってゆっくりしようぜ」
久「そうね…あっ、お弁当作り忘れてた…」
京太郎「そんなことだろうと思ったよ…ほら」
久「?これは…」
京太郎「弁当だ。昨日私の分も作れとか言ってただろ?」
久「……流石私の京太郎ね!」(ダキッ
京太郎「お、おい!抱きつくな!」
まこ「いやぁ、HRが長引いてのー。ちっと遅れた…」
まこ「…何しとるんじゃお主ら?」
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まこ「はっはっは。まさか部長が弁当を忘れるとは思わんかったわ!」
久「し、仕方ないじゃない!忙しかったのよ!」
京太郎「嘘つけ…」
まこ「ところで京太郎先輩。そのメガネは…ん?それはまさかカメ…」
京太郎「ファッションだぞまこ!似合ってるだろ!?…ちょっと耳を貸せ…な?」(ボソッ
久「?」
まこ「何事じゃ…」
京太郎「新入部員を待ってそわそわしてる久を見たくないか?」(ボソッ
まこ「!?」
京太郎「去年もそうだったが…今年はそれ以上にテンション高めだぞ?」(ボソッ
まこ「用件を聞こう」(ボソッ
京太郎「久に内緒にしてくれればそれでいい…映像は見せてやろう」(ボソッ
まこ「それだけじゃ足りんな?」(ボソッ
京太郎「弁当を3人前作ってある…」(ボソッ
まこ「わかった。それで手を打とう」(ボソッ
久「2人で何話してるの?」
京太郎「いやー!まこがキャラ被るからメガネは外せってうるさくてな!」
まこ「そ、そうなんじゃよ!流石にメガネキャラはわし一人でいいじゃろ!な、部長?」
久「え、ええ」
まこ「それに似合わんから外せって言っておったんじゃ」
京太郎「仕方ねえなー。じゃあちょっと外すかな」
京太郎(この位置なら大体見えるかな…)コトッ
京太郎「じゃあ飯でも食うか!まこの分も用意しといたぞ」
まこ「早弁したから弁当がなかったんじゃ。いただきますわ、先輩」
久「そうね。いただくわ、京太郎」
・
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久「そろそろね」(ワクワク
京太郎「な?面白いだろ?」
まこ「去年もあんな感じで?」
京太郎「そうだぞ。そんで去年と同じ結果になると思う」
まこ「それは楽しみじゃのう…」
久「京太郎!いつでもお茶を出せるようにしときなさい!」
京太郎「はいはい」
ガチャ
京久まこ「「「!?」」」
??「たのもー!!だじぇ」
?「こら優希。お騒がせしました。ここは麻雀部であってますか?」
久「ええ、そうよ…私が部長の竹井久よ。よろしくね」(キリッ
京まこ「プッ」
??「生徒会長なんだじぇ!」
?「学生議会長よ、優希」
まこ「…わしが2年の染谷まこじゃ。よろしくの」(クスッ
京太郎「ちなみに副部長な」
まこ「わしはそんなん聞いとらんぞ?」
京太郎「そりゃ今言ったばっかだからな。今のうちから慣れとけってことだ」
まこ「む、仕方ないのー」
?「あの…そちらの方は?」
京太郎「おっと、失礼した。俺は3年の須賀京太郎だ。よろしくな」
まこ「極度のおっぱい星人じゃから、気ぃつけなさいな」
?「!」(ササッ
??「私ののどちゃんをいやらしい目でみるんじゃないじょ!」
京太郎「俺の印象を悪くしないでくれるかな!?」
まこ「さっきのお返しじゃ」
久「ゴホン…騒がしくてごめんなさいね?貴方達の名前を聞いてもいいかしら?」(キリッ
優希「私は1年の片岡優希だじぇ!そしてこっちが私の親友の…」
和「同じく1年の原村和です。よろしくお願いします」
和優希「「私達を麻雀部に入部させてください(だじぇ)」」
久「ようこそ!清澄高校麻雀部へ…貴方達を歓迎するわ♪」
・
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・
優希「のどちゃんはIMのチャンピオンなんだじぇ!」
和「優希、そんな大袈裟に言わなくても…」
久「ええ、知ってるわよ。貴方達みたいな子が来てくれてうれしいわ♪」
京太郎「2人とも紅茶でよかったか?嫌なら緑茶もあるけど」(カチャッ
和「大丈夫です。須賀先輩」
優希「私も紅茶でいいんだじぇ」
京太郎「よかった…今日のお茶請けはなんと、かもめの玉子だ」
久「そういえば春休みに岩手に行ってたんだっけ?」
まこ「なんで行ってたんじゃ?」
京太郎「幼馴染に会いに行ってたんだよ。前に言ったろ?今留学してきてるって」
和「留学ですか?」
京太郎「おう。小3まで親父の付き添いでニュージーランドに住んでたんだ」
久「英語も普通にしゃべれるのよ?」
優希「おお!グローバルなんだじぇ」
京太郎「はっはっは。もっと褒めるがいいわ」
和優希「「ごちそうさまでした(だじぇ)」」
まこ「わしは南部せんべえの方がよかったのー」
京太郎「お粗末様でした。そっちは何文句言ってんだよ」
久「紅茶美味しかったわよ。相変わらず器用ね」
京太郎「師匠にはまだ及ばないけどな」
まこ「その師匠ってのにも会ってみたいもんだのー」
京太郎「いつか会えるさ。それよりいい加減麻雀しようぜ!」
久「それもそうね。それじゃあ片岡さんに原村さん…」
優希「部長、優希でいいんだじぇ!」
和「なら私も和と呼んでください」
久「そう?じゃあ優希に和。麻雀をやりましょう…まずは…」
京太郎「半荘2回ってとこかな?」
久「もう!私の台詞取らないでよ!」
京太郎「まあいいじゃねえか。最初は部長とまこが入っていいぞ」
まこ「ほう…一人見学とは何考えてんじゃ先輩?」
京太郎「レディーファーストってやつだよ。俺は片付けとかしてるから先にやってな」
京太郎「そ・れ・に、お前ら2人とも打ちたくてウズウズしてるじゃねえか」
久「そ、そんなことないわよ?…し、仕方ないわね。和、優希、まこ、打ちましょうか?」
京太郎「ははは。やってこい!…っと、1年2人、俺も和と優希って呼んでもいいのか?」
優希「構わないんだじぇ!」
和「私もいいですよ?」
京太郎「よしっ!和、優希!この2人をコテンパンに伸してやれ!」
久「京太郎…言ってくれるわね!」
まこ「いい度胸じゃ…やったるわ!」
京太郎「はっはっは!」
ニュージーランド……だと?
エイスリンくるー?
*本スレでは、女の子のかわいさを楽しむために、差しさわりのない程度の麻雀要素が入っております。
*点数も割と適当にしますがお許しください
>>35
エイちゃんもがんばって出すよ!…出すよ!まだ先だけどさ…
-半荘1回目-
優希「東場は私のもんだじぇ!ツモ!4000オール!」
和「相変わらず東場は勢いがありますね。優希」
久「へぇー。優希は勢いがあるわね」
優希「もっと褒めてもいいじょ♪」(エッヘン
和「負けません!ロン!7700です!」
・
・
・
優希「南場は辛いじょ…」
まこ「ん?南場は駄目なんか?」
和「優希は昔から南場まで勢いが続かないんですよ」
久「なるほどねー、あ!それロンよ♪」
優希「だじぇぇぇ」(バタッ
-1回目終了-
1位 和
2位 久
3位 優希
4位 まこ
和「ありがとうございました」
まこ「流石IM王者じゃの。完敗じゃー」
久「優希は最初の勢いは凄かったわね」
優希「東風戦なら勝ってたんだじぇ…」
京太郎「おつかれさま。といいたい所だがお前らに言いたいことがある」
和「?何ですか須賀先輩?」
京太郎「いや、和はいいんだ。他の3人にちょっとな」
久まこ優希「「「何(じゃ(だじぇ)?」」」
京太郎「まず部長とまこ。まこが様子見してたのはまだわかる」
京太郎「だが部長。お前何緊張してんだよ?」
久「あ、あら京太郎。久って呼んでくれなきゃ嫌よ?」
京太郎「お前が部長と呼べって言ったんだろ…それより俺が言いたいことはだな…」
京太郎「いつもみたいに打たないのかってことだよ」
まこ「あー、確かになんかぎこちなかったのー」
久「むー…仕方ないじゃない…4人打ちなんて久々だったのよ…」
京太郎「じゃあ次からいつも通りしろって。せっかくの仲間なんだからな!」
久「!…そうね。せっかくなんだから楽しまなくちゃね♪」
優希「先輩!私はどうしたんだじぇ!」
京太郎「おー、そうだったな。優希!」
優希「は、はい!」
京太郎「お前のバッグからなんか匂うんだが…なんだあれ?」
優希「あー!タコスを入れっぱなしだったんだじぇ!」
京太郎「タコス?」
和「優希…」
優希「説明しよう!私こと片岡優希はタコスを食べることでパワーアップするんだじぇ!」
京太郎「へー。願掛けとかラッキーアイテムみたいなもんか?」
和「その認識で間違いありません」
久「あら…京太郎と似たようなものね」
優希「?どういうことだじぇ?」
まこ「ああ…京太郎先輩はのー…」
京太郎「ストップ。俺のネタばらしは禁止。運気が下がっちまうからな」
久「えー、いいじゃない。簡単な説明くらい」
京太郎「せめて俺が打ってからにしてくれ」
久「…それもそうね。わかったわよ」
京太郎「はい話終わり!2回目やるぞ!今度は本気で打てよお前ら!」
久「あら?私は常に本気よ」
京太郎「緊張してた癖に…和や優希に失礼ってもんだろ?」
久「そうね…和、優希、ごめんなさいね?」
まこ「わしもすまんかったの」
和「いえ、気にしていません。ですが、次からは本気で打ってくださいね?」
優希「一緒に楽しもうだじぇ!」
京太郎「よしよし、いい感じになったな。俺の番が楽しみだ!」
-半荘2回目-
優希「タコスがあれば私120%だじぇ!部長それロン!11600点だじぇ!」
久「あちゃー、痛いわね…私もがんばるわよ!」
まこ「さて、わしもがんばるかの」(メガネハズシ
和「眼鏡を外すと何かあるんですか?」
久「場を見渡し易くするらしいわよ。和、それロン!8000点よ♪」
和「ぶ、部長!なんでそんな非効率的な待ちを…」
まこ「部長の悪い癖じゃの。悪待ちが好きなんじゃよ」
和「なんて性質の悪い…」
久「あら和。私より京太郎の方がもっと酷いことするわよ?」
京太郎「俺を悪人にしないでくれるか?」
まこ「嘘じゃなかろうに」
優希「タコスが切れたんだじぇ~」
-2回目終了-
1位 久
2位 まこ
3位 優希
4位 和
和「どうしてあんな非効率的な…」
優希「染谷先輩は振込みが一切なかったじぇ…」
久「和はデジタル打ちになれすぎよ。思考が速いけど効率を気にしすぎね」
まこ「優希は南場がの~」
京太郎「終わったようだな」
久「次はあなたの番だけどどうする?」
京太郎「一旦休憩入れようぜ。連続は疲れるだろ?」
まこ「それもそうじゃの」
優希「私はタコスを買ってくるんだじぇ!」(ダッ
京太郎「学食かな?俺もちょっと付いて行くわ。何か買ってくるか?」
久「ヨーグルト買ってきてー」
まこ「わしは大丈夫じゃ」
和「私も大丈夫です」
京太郎「わかった。おーい優希!待ってくれー」(ダッ
まこ「相変わらず気遣いのできる男じゃのう」
久「自慢の相棒よ」(エヘン
京太郎「ふぅ…追いついた…」
優希「中々に早かったじぇ。先輩」
京太郎「…待ってくれててもよかったんだぞ?」
優希「タコスが私を呼んでたんだじぇ」
京太郎「そうかよ…」
優希「タコスは命より重いじぇ…」
京太郎「…気になってたんだが、学食のタコスってうまかったか?」
優希「中々に美味だじょ?」
京太郎「いやさ、タコスって確か俺らの代から出た物でさ」
京太郎「当時食ったときはうまいとは言えなかったから気になってな」
優希「そんなことはないんだじぇ!おばちゃんの手作りタコスは最高だじぇ!」
京太郎「マジかー。俺も久々に食ってみようかな…着いたな」
-学食-
優希「おばちゃーん!タコス3つくださいだじぇ!」
おばちゃん「おやアンタは新入生の…優希ちゃんだったねぇ。後のは須賀君かい?」
京太郎「おばちゃん久しぶり、優希とは同じ部活の仲間さ…タコス美味くなったってホント?」
おばちゃん「もちろんだよ!あのときは悪かったねぇ。お詫びに1つサービスしてあげるよ」
京太郎「マジか!じゃあ5つちょうだい。部員の分も買っていくから」
おばちゃん「おーおー、太っ腹だねぇ!そんなに買ってお金はあるんかね?」
京太郎「まあ大丈夫だって。あとヨーグルトちょーだい」
おばちゃん「久ちゃんの分かね?相変わらずねぇ」
京太郎「ははは…」
優希「タコスッ♪タコスッ♪」
・
・
・
おばちゃん「できたよ。須賀君は1100円、優希ちゃんは600円ね」
京太郎「ヨーグルトなんか高くね?」
おばちゃん「久ちゃん用のは特別なのよ。知らなかったのかい?」
京太郎「初めて聞いたわ。…はい、1100円な」
おばちゃん「はいよ。試しに1個食べてみな」
京太郎「そうだな…(モグモグ)…おおっ!うまくなってるじゃんか!」
おばちゃん「当たり前だよ!私をなんだと思ってんだい!」
優希「…あれ?」
京太郎「?…どうした優希?」
優希「財布忘れてきたんだじぇ…」
京太郎「…え?」
優希「かわいい優希ちゃんにお金貸してくださいだじぇ!先輩♪」
京太郎「はぁ…仕方ねえな。入部祝いだ。奢ってやるよ」
優希「え…会ったばかりでそれは悪いんだじぇ」
京太郎「いいよ。先輩らしい所を見せてやる!」
おばちゃん「はいはい。後が詰まってるから早くしなって」
京太郎「おう。ああ、おばちゃん!俺も作ってみたいから今度レシピ教えてくんね?」
おばちゃん「時間が空いてたら教えてあげるよ」
京太郎「わかった!じゃあまたなおばちゃん!」(ダッ
優希「先輩!待つんだじぇ!」(ダッ
優希「絶対返すんだじぇ!」
京太郎「大丈夫だよ。他の奴らの分も奢りなんだから構わないって」
優希「じゃあ2個分返すんだじぇ!」
京太郎「頑固な奴だな…よしわかった!」
京太郎「じゃあ麻雀で決めようじゃないか」
優希「麻雀で?」
京太郎「おう。お前の順位が上だったら金を受け取ってやるよ」
優希「むー。わかったじぇ…ただし!東風戦で勝負するじぇ!」
京太郎「東風戦かー。それだとお前が有利じゃないか?」
優希「勝負を受ける条件だじぇ!」
京太郎「わかったよ…じゃあ俺も条件だ」
優希「何だじょ?」
京太郎「俺の事を京太郎と呼ぶこと…てのはどうだ?」
優希「京太郎…先輩だじぇ?」
京太郎「そうそう。先輩だけだとまこと被るからな。もっと好きに呼んでいいってことだ」
優希「わかったじょ!部室に戻ったら勝負だじぇ!京太郎先輩!」
京太郎「おう!」
-部室-
優希「ただいまだじぇ」
京太郎「ただいまー。学食のタコスがうまくなってたから全員分買ったけどいるか?」
久「そうなの?じゃあいただこうかしら。もちろん奢りよね?」
京太郎「ヨーグルト代は払えよ?」
まこ「じゃあわしも貰うとするかの」
和「私の分もいいんですか?」
京太郎「入部祝いだ。まあ貰ってくれ」
和「ありがとうございます。実は優希を見てて気になってたんです…」
京太郎「ははは。じゃあ食い終わったら麻雀するか」
-東風戦-
久「私はヨーグルト食べながら見てることにするわ」
まこ「京太郎先輩、半荘じゃないんか?」
京太郎「そういう約束でな。優希のお手並み拝見ってとこだ」
和「よろしくおねがいします。須賀先輩」
優希「絶対に負けないんだじぇ!京太郎先輩♪」
久「あら、何かあったの京太郎?」
京太郎「まあ色々とな」
まこ「のお先輩。今日の運勢を聞いてもいいかの?」
京太郎「教えるわけないだろ?まあ始めようぜ」
和優希「「?」」
-東4局~親:優希-
久「優希が1位ね。京太郎は最下位だけど大丈夫なの?」
優希「ふふふ、これで終わりだじぇ!ダブルリーチ!」
まこ「あ!…これはいかんのぉ…」
京太郎「すまんな優希、九種九牌だ」
優希「あーっ!せっかくのダブリーが!」
京太郎「まあいいじゃねえか。ほら、1本場だぞ?」
久「これは…京太郎の本領発揮ね…」(ボソッ
和「?」
-東4局1本場-
優希「むー、配牌がよくないんだじぇ…」
まこ(今日は何で来るんじゃ…?)
優希「来たじぇ!リーチ!」 打:西
京太郎「ポン!」
優希「むー、一発がなくなったじぇ」 打:白
京太郎「それもポンだ」
まこ「わしのツモ番が来ない…」
優希「牌がこないんだじぇ…」 打:1
京太郎「カンだ!」
京太郎「さーて、何が出るかな…ドラは何かなーっと」 ドラ:4
京太郎「リンシャン牌はっと…来たぜ!」 ツモ:5
優希「へ…?」
和「!まさか…」
京太郎「トイトイドラ3役牌2リンシャンカイホーで12300点責任払いだ」
西西西 白白白 1111 555 ⅠⅠ
1位 和
2位 京太郎
3位 まこ
4位 優希
和「おつかれさまでした」
京太郎「和には追いつけなかったが…俺の勝ちだな」(ドヤァ
優希「むー、悔しいじぇ!」
京太郎「これであのタコスは俺のおごりだな」
久「そんな賭けをしてたの?」
京太郎「おう!先輩の威厳を見せてやったぜ!」
まこ「なるほどのぉ」
久「ちなみに今日の占いはどんな感じだったの?」
京太郎「人に何かをしてあげると、優しくしてもらえるらしいぜ?」
まこ「ラッキーナンバーは?」
京太郎「ラッキーナンバーは…言わねえよ!」
まこ「チッ…わしらに弁当なぞ作ってきたのは運気上げか…」
京太郎「それは久のせいだ。タコスの件も純粋に祝いだよ」
和「なんの話をしてるんですか?」
久「京太郎は運がいいって話よ。実はね…」
京太郎「だから言うなって」
まこ「別に話してもいいと思うがの?」
京太郎「…わかったよ。ただし!次の半荘が終わってからな」
和「はぁ…。わかりました」
優希「?」
京太郎「次の半荘は和に勝つことが目標だな」
和「簡単には勝たせません」
優希「私を無視するなだじぇ!」
京太郎「優希」
優希「うん?」
京太郎「先輩にもっと甘えてもいいんだぞ?」(ニヤッ
優希「くぅー!悔しいじぇ!次は絶対負けないんだじぇ!!」
久「まだ初日なのに仲いいわねぇ」
まこ「嫉妬か?」
久「違うわよ」
和「いい先輩方で良かったですね。優希…」
-半荘-
京太郎「ちょうどやってみたい打ち方があったんだよな」
まこ「なんじゃそりゃ?」
和「どんな手でも負けません!」
優希「さっきの汚名挽回だじぇ!」
和「…優希、汚名は返上ですよ…」
優希「あれ?」
京太郎「これでよしっと」
まこ(京太郎先輩…最初の配牌を全部入れ替えおったんか?)
京太郎「よしっ!リーチだ!」
和(捨て牌から待ちが読めません…)
久「京太郎…やっぱりあなた、私より性質が悪いわよ?」
京太郎「そんなことねえよ。よっしゃっ、ツモだ!1000、2000!」
一二三七八九55ⅠⅡⅢⅦⅧ ツモ:Ⅸ
和「え…フリテンリーチですか?…なんて非効率的な」
京太郎「和を出し抜くにはこれがいいと思ってな。読めなかっただろ?」
久「ほらね?私なんてまだかわいいものよ」
京太郎「俺は地獄単騎なんて狙ってしませんよーだ」
まこ「仲がいいんだか悪いんだか…」(ヤレヤレ
-南4局 親:京太郎-
現状
1位 和
2位 優希
3位 京太郎
4位 まこ
京太郎「オーラスだな。…すまんが九種九牌だ」
優希和「「え?」」
優希「私の目には混老頭一向聴に見えるんだじぇ…」
和「それを捨てるなんてありえません!」
久「和、優希、気にしたらダメよ。それよりも気をつけなさいね」
和優希「「?」」
京太郎「さあ1本場だ!上げていこうか!」
-南4局1本場-
和「リーチです」
まこ(よしっ、聴牌じゃ。リーチはしないでおこうかの)
和「一発とは行きませんね」 打:Ⅷ
京太郎「ポンだ」
久(?これはどうするのかしら…)
まこ(先輩が動いたか…) 打:Ⅵ
京太郎「ポン」
和(まさか…) 打:Ⅲ
京太郎「ポン」
和「…っ」 打:Ⅱ
京太郎「カンだ」 ドラ:Ⅳ・2
京太郎「…ここにあったかー。まぁ多分和が出してくれるかな?」 打:發
和「そうとは限りません…」
和(Ⅳを引いたら負けですね…)
まこ(先輩がそんな素直なわけないじゃろ…) 打:發
優希「緑一色聴牌とか怖すぎるじぇ…」 打:1
和(ツモ…れませんでしたか…しかし、どうやらセーフのようですね) 打:Ⅴ
久(あちゃー…やっちゃったかー)
まこ「ロンじゃ!」
和(やってしまいましたか…)
京太郎「ロン」
和まこ優希「「「えっ!?」」」
京太郎「すまんなまこ。頭ハネだ」(パタッ
ⅡⅡⅡⅡ ⅢⅢⅢ ⅥⅥⅥ ⅧⅧⅧ ⅤⅤ
和「そんな…緑一色ではなかったんですか…?」
まこ「京太郎先輩…一度緑一色の素晴らしさについて話合わんかの…?」(ボキボキ
京太郎「知るか。チンイツトイトイタンヤオドラ2で24000点だな」
和「むぅ…」
久「京太郎の勝ちね」
京太郎「ほらなまこ。ありがたいお返しを貰えただろ?」
1位 京太郎
2位 優希
3位 まこ
4位 和
優希「おー!京太郎先輩すごいんだじぇ!」
京太郎「そう褒めるなよ。照れるだろ?」
和「須賀先輩」
京太郎「なんだ?」
和「さっきの『ここにあったか』というのはⅣを引いたってことではなかったんですか?」
まこ「ドラの方に言ったようにも見えたの」
京太郎「ああ、それはな…」
久「きっと両方よ」
京太郎「む…。そうだよ。ドラとリンシャン牌の両方だよ…」
和「では最初から緑一色を狙ってたわけじゃないんですね!?」
京太郎「お、おう。だって今日のラッキーナンバーが5だったしな」
まこ「そんな理由で!緑一色を捨ておったんか!わしの大好きな緑一色を…」
優希「そういえばラッキーとか運勢とかなんのことだじぇ?」
久「ああ、それについては京太郎が説明してくれるでしょ?」
京太郎「そうだな」
京太郎「まあ簡単に説明するとだな…俺は運気を大事にしてるだけだよ」
まこ「嘘つけぇ!人の運気を吸い取ってる癖に何を言うか!」
優希「どういうことだじぇ?」
久「京太郎が九種九牌したでしょ?あれをすると京太郎の運が上がって、他が下がるのよ」
和「そんなオカルトありえません!ただ運がいいだけですよ」
京太郎「だよなー。まあ俺が運を大事にしてることだけ覚えてくれればいいよ」
和「わかりました」
優希「それでもかなりの豪運だじぇ…」
まこ「あとは…そうじゃ、いい加減今日のラッキーアイテムとか教えんしゃい」
京太郎「わかったよ。ナンバーはさっきも言ったが5で、アイテムは花だな」
まこ「花かー。ナンバーは薄々そんな気はしてたんだがのぉ」
久「まあこれで今日は負けないわ。さあ次をやりましょう!」
和「負けません!」
優希「今度こそ1位になってやるんだじぇ!」
まこ「やっぱ部長はせこいのぉ……先輩、もう一つは内緒にしといてやるからありがたく思えよ」(ボソッ
京太郎「すまんなまこ。アレを話すには色々覚悟がいるんだわ」(ボソッ
まこ「じゃあまた今度弁当を作ってきてくれ。それで対等にしたる」(ボソッ
久「でもいつかは話してあげなさいね?あと私にも秘匿料をよこしなさい?」(ボソッ
京太郎「わかったよ!…和、優希!」
和優希「「はい?」」
京太郎「入部おめでとう!一緒に青春を謳歌しようぜ!」
優希「おお!なんかかっこいいじぇ!」
久「くさい台詞ね」
京太郎「うっせー」
今日はこれで終了です。見てくれた方はありがとうございます
次回は咲ちゃん入部編となります。
本編の間の話とかも一緒に書いてるので若干遅くなると思いますが、
10月中には投下したいと思います
間の話は3話まで投下したらチマチマ出していく予定です
こんばんは>>1です
初めての投下で興奮して寝不足だったりしますが…
咲ちゃんをかわいく書くために努力したいと思います
乙とか言われるとマジうれしいのな。体験してみてビックリだわ
再度>>1ですよー
1話書いてるときに思いついた”パロディ”ネタ短編があるんだけど需要あるかな?
内容は「和が世界の不思議に触れて疑心暗鬼になったりする」ってのだけど
そっかー需要あるかー
じゃあ0時過ぎくらいになったら投下するわー
予想と違ってもあんま怒んないでね?←これ重要
NGしやすいように名前欄はこれでいくことにするね
和をいじってギシアンか……
>>90
んなわきゃない
遅れたけど投下するよー
多分10レスくらいで終わると思う
*注意書き*
○この短編には以下の内容が含まれます
・若干、著しいキャラ違い
・もしかしたら誰かがやったかもしれないネタ
以上の注意点を理解した上でお楽しみください
和(こんなことありえません!)
久「3人も入部してくれてうれしいわ♪」
まこ「そうじゃのう」
久「私は部長の竹井久よ。よろしくね」
まこ「副部長の染谷まこじゃ。よろしくの」
優希「片岡優希だじぇ!よろしくなのだじぇ!」
和(そんなオカルと…?オカルト?いえ…それでもありえません!」
優希「のどちゃん!?どうしたんだじぇ!?」
和「あっ!は、原村和です。よ、よろしくおねがいします!」
久「あとは貴方ね。自己紹介をお願いするわ」
京taro「固体識別メ…1年ノsuga京taroデス。ヨロシクオネガイシマス」ピーガガガ
和(どう見てもロボットですよ!?なんですかこの状況は!?)
~スーパーコンピューター京-kyo-~
和(今固体識別って言いましたよね!?)
和(そんなオカ…いえ、SF?…そんなSFありえません!)
久「いい返事ね!中々の好青年で私うれしいわ」
まこ「そうじゃのう。中々にイケメンじゃのう」
優希「同じ1年の癖に生意気なんだじぇ!」
和「えっ」
京taro「ハハハ。アリガトウゴザイマス」
和(なんでみんな気づかないんですか!?どこもかっこよくありませんよ!)
京taro「原村サンモ、ヨロシクオネガイシマス」(ピカーッ
和「え、ええ…よろしくお願いします須賀君」
和(目が光ってます!しかもなんか私の胸元を照らしてますよね!?)
優希「おい犬!のどちゃんに色目を使うなだじぇ!」
京taro「犬トハ失礼ナ奴ダナ…ブソウヲテンカイシマス」(ウィーンガチャッ
和(優希逃げてーっ!殺されちゃうわよ!?)
久「でも須賀君って犬の真似とか得意そうよね」
まこ「そうじゃのう」
和(この人達何言ってるの!?死んじゃいますよ!!)
京taro「ナルホド…ナラヤッテミマショウ…音声ヲ再生シマス…」ピーガガガ
京taro「ワンワンッ」
和「」
和(今再生って言った!犬の音声再生してた!!)
優希「そっくりだじぇ!やっぱり犬だじぇ!!」
久「本当にそっくりよ!須賀君ってすごいのね♪」
まこ「金を払ってもいいくらいじゃ♪」
京taro「ソレホドデモ…デスガ名前で呼ンデモラワナイトコマリマス」
優希「う…悪かったんだじぇ…京太郎。…これでいいじょ?」
京taro「アリガトウ優希。コレカラモナカヨクシヨウナ」ナデナデ
優希「おう!えへへ…よろしくなんだじぇ京太郎♪」
久「仲良きことはいいことね♪」
まこ「そうじゃのう…」
和(私がおかしいんでしょうか…)(チラッ
京taro「部長、染谷先輩。恥ズカシイデスヨ。麻雀シマショウヨ!」(プシュー
和(煙吹いてたーっ!?やっぱりロボットですよこの人!)
・
・
・
久「ロン!12000点ね♪」
まこ「部長の逆転じゃの。どんまい、京太郎」
京taro「部長。ソノ待チハ実ニ非効率的デス」
久「相手の裏を掻くのも戦術の内よ?」
久「須賀君も捨て牌だけじゃなくて相手の持ってる牌を読めるようになりなさい?」
京taro「ワカリマシタ。ヤッテミマス」
和「では私が交代しますね」
和(彼はどんな打ち方をするのでしょう?)
まこ「じゃあわしが入るとするかの」
・
・
・
京taro「スキャン開始…」ピカーッ
和(また目が光った!しかもスキャンって…)
京taro「京taroフラッグ起動確認…部長ノ危険牌ヲツモ」
和(頭から小さい須賀君出てきたー!!かわいい!…いやそういうことじゃなくて…)
京taro「ロン!倍満デス部長」
久「あちゃー…須賀君が持ってたかー。残念ね」
京taro「部長ニ言ワレタコトヲ試シテミマシタ」
久「あら♪真面目な子は好きよ?」
まこ「はっはっは。京太郎も中々やるのー。次はわしの番じゃ」(メガネハズシ
まこ「…んー?」
まこ「気のせいか京太郎がロボットに見えたわい」
和(流石です染谷先輩!)
京taro「ソ、ソンナワケナイジャナイデスカ…ブソウキドウ」(ウィーンガチャ
和「そ、染谷先輩!にげ…」
久「もう!まこったら…いくらぼやけて見えるからって須賀君に失礼でしょ?」
優希「酷いんだじぇ」
まこ「それもそうじゃのう…」(メガネカケ
まこ「うん…やっぱりただのイケメンじゃの♪すまんかったな京太郎」
和(えーっ!?)
京taro「マッタク、酷イデスヨ染谷先輩」(ウィーンガチャ
和以外「「「「はっはっは」」」」
和(私やっていけるかな…)
照が照魔鏡をつかったら……
・
・
・
京taro「ダイレクトハック…パターンテンホー」(卓ビリビリ
京taro「ツモ!天和デス」
優希「京太郎すごいじぇ!」
和(えー……)
続くかも
これにて終了です
まあ短編ということもあって早く終わりましたね
注意書き通り 若干(和)、著しく(京)キャラ違いがありました
果たして京太郎は何処へ行き着くんですかね?
実はこの短編は3話分作ってたりしますが…
まあ本編を書く作業をしたいと思います
>>102
どうなるんでしょうね?俺も楽しみですわ
なんか昔チャンピオンで連載してた「ロボこみ」って漫画思い出した
結構好きだったんだよな、アレ
どうも>>1です
スーパーで
モンブランだ買おうかな→かぼちゃモンブランかいらんな→みそトマト→みそトマト!?
なことがありました。あれうまいんですかねぇ…
若干の修正をば
>>64
和「そんなオカルトありえません!ただ運がいいだけですよ」
↓
和「そんなオカルトありえません。きっとただの偶然ですよ」
まあたいした修正でもないんでそんなことあったなー程度によろしく
>>106
どっかで見たことある気がしてたけどそれかー!
乙でした。
最初、京taro君は3年生だと思ったので少し混乱してしまいました。
自分はメカ沢を思い出しましたね。
>>108
ロボこみか…懐かしいなあ。
お久しぶりです。>>1です
2話が出来上がったんで今日か明日の夜にでも投下します
あとちょっと聞きたいんですが
投下前のこういうアナウンスってあった方がいいですか?
>>111
すんません。説明不足でした。
京taroは1年生です
また訂正です
>>58なんですが
混老頭一向聴じゃ九種九牌できませんね
なので次のように修正します
>>58修正
-南4局 親:京太郎-
現状
1位 和
2位 優希
3位 京太郎
4位 まこ
京太郎「オーラスだな。…すまんが九種九牌だ」
19ⅠⅠⅨ東西白白中中發發 Ⅸ
優希和「「え?」」
優希「私の目には混老頭七対子二向聴に見えるんだじぇ…」
和「大三元だって狙えます…それを捨てるなんて普通ならありえません」
久「和、優希、気にしたらダメよ。それよりも気をつけなさいね」
和優希「「?」」
京太郎「さあ1本場だ!上げていこうか!」
こんばんは>>1です。
京太郎→京タオル
とか意味不明な誤字とかあったんで
見直し手直しとかして明日の昼か夜に投下します
こんにちは>>1です
もうちょいしたら始めたい思います
京タオルって誤字見てたら
・本編終了後に京太郎がプリントされたタオルを手に入れる話
・京太郎がタオルに「へーんしん!」して色々と…
みたいなこと考えた
まあやらないですけどね
-5月・GW明け-
咲「おはよっ!京ちゃん♪」
京太郎「おう、おはよう咲」
咲「じゃあ学校いこっ?」
京太郎「ああ、そうだな」
・
・
・
咲「GWは楽しかったね?京ちゃん」
京太郎「俺は疲れたよ…まあ楽しかったけどさ」
咲「もしかして私のせい…?ごめんね京ちゃん…」
京太郎「違うから謝るなって。他にも色々やってたんだよ」
咲「?…何してたの?」
京太郎「内緒。…そうだ咲、これ持ってろ」
咲「傘?京ちゃん、今日はいい天気だよ?」
京太郎「今日のラッキーアイテムは傘なんだ。幸せお裾分けだ」
咲「もう、京ちゃんったら…占いとかの気にしすぎだよ?」
京太郎「まあいいじゃねえか」
咲「それに、私が貰ってもいいの?」
京太郎「その点は大丈夫だ。あと6本折りたたみ傘をバッグに入れているからな!」
咲「えー…そんなに持って何に使うのさ…」
京太郎「部活の連中にも配ってやるのさ。ダメなら置き傘だな」
咲「絶対ありがた迷惑だと思うよ?」
京太郎「咲は貰ってくれたじゃんか?」
咲「私だからだよ!…まったく…私がいないと本当に駄目だね?京ちゃんったら♪」
京太郎「何言ってんだ。俺がいないとお前が駄目なんだろ?」(グリグリ
咲「頭掻きまわさないでよー!髪がしわくちゃになっちゃう!」
京太郎「俺に生意気言った罰だよ!うりうりー」(ワシワシ
咲「やめてったらー!」
・
・
・
-学校-
咲「むー」
京太郎「悪かったって!な?…機嫌直してくれよお姫様」
咲「ふーん」(プイッ
京太郎「咲ー…」
咲「…ちゃんの馬鹿」
京太郎「へ?」
咲「…お兄ちゃんの馬鹿…」
京太郎「え…」
京太郎(今お兄ちゃんって言ったよな?…これはかなり怒ってるかもしれない…)
咲「ふんっ」
京太郎「本当に悪かった!なんでもするから許してくれって!な!?」
咲「…なんでもしてくれるの?」(チラッ
京太郎「あ、ああ!男に二言はない!」
咲「じゃあ今度何か奢ってくれれば許してあげるよ?」
京太郎「おう。俺に任とけって!…ん?」
京太郎「咲…実は怒ってないだろ?」
咲「そんなことないよ?私はとっても怒ってるもん♪」(ニコッ
京太郎「はぁー…女ってずるい生き物だなぁ…クレープかなんかでいいか?」
咲「うん♪じゃあ今度の休みにでも一緒に行こうね?」
京太郎「はいはい…ああ、そうだ咲、頼みがある」
咲「何?」
京太郎「もう1回お兄ちゃんって呼んでくんね?」
咲「え?」
京太郎「昔みたいに俺のことをお兄ちゃんと呼ぶんだ!さあ!」
咲「い、嫌だよー。京ちゃんは京ちゃんだもん」(ヒキ
京太郎「ちぇ…あの頃のかわいいおさげなお兄ちゃんっ子の咲ちゃんは何処に行ったのやら…」
咲「ここにいるよ?…それに、学校の入り口で、お兄ちゃんって呼べー!とか迫ってこられるとかなり危ない人みたいだよ?」
京太郎「…今日のところは引いてやろう。しかし、いつかまた呼ばせてみせるからな!」
咲「はいはい」
京太郎「まあそれは置いといて…咲、今日は昼飯一緒に食おうぜ?」
咲「私は構わないけど、急にどうしたの?」
京太郎「まあたまにはいいかなと思ってな…予定あったりするか?」
咲「ううん!全然大丈夫だよ!」
京太郎「そっか…じゃあ昼に学食らへんで待ち合わせな?」
咲「うん♪一緒にご飯食べるのも久しぶりだね?…じゃあお昼にね、京ちゃん!」
京太郎「この前一緒に食っただろ…またなー、咲」
-教室-
京太郎「おはよう久。突然だが傘いらね?」
久「おはよう京太郎。別にいらないけど…何で傘?」
京太郎「今日のラッキーアイテムだ。皆に幸せお裾分けするために家から大量に持ってきた」
久「いらない傘を持ってきただけじゃない?」
京太郎「家の傘ってよく余るよな…。本当にいらない?」
久「いらないわ。大体今日は快晴じゃないの」
京太郎「本当にいらないんですか!?傘ですよ!?傘!」
久「しつこい!」
京太郎「じゃああげるのやめるわー。後悔するなよ?」
久「それはないわね。でもその傘どうするの?」
京太郎「部室に置き傘かな。梅雨になったら役立つだろ?」
久「はぁ…まあいいけど、なんでそんなに傘に拘るのよ?」
京太郎「いやさ、今日の運勢が酷くてな?ありったけの余り傘を持つことにしたんだ」
久「そこまで酷かったの?」
京太郎「【二度あることは三度ある・三度目の正直・仏の顔も三度まで】という格言を頂いた」
久「…それどういう意味になるの?」
京太郎「きっと二度目でアウト確定。三度目で痛い目を見る。とかそんな感じじゃねえかな?」
久「割とどうしようもないわね」
京太郎「だろ?」
久「まあ私は関係ないけどね」
京太郎「ひでーやつだ」
・
・
・
-昼-
咲「~♪」(ペラ…
和「」(テクテク
咲「あっ」
咲(きれいな子)
和「?」(チラッ
咲「!…(ペコリ)」
和「?(ペコリ)」(テクテク
咲(あのスカーフ1年生の……スタイルいいなぁ……はぁ…)(ペタペタ
京太郎「」(テクテク
和「!…(ペコリ)」
京太郎「!……マタナー」
咲(京ちゃん?あの子と知り合いなのかな…)
京太郎「よお咲、またせたな。学食行こうぜ」
咲「うん。あ、そうだ京ちゃん」
京太郎「ん?なんだ咲?」
咲「さっき挨拶してた子は知り合いなの?」
京太郎「まあなー。…どうした?同い年としてスタイルの差に絶望したのか?」
咲「そんなわけないでしょ!…そんなわけ……うぅ…」
京太郎「咲…大丈夫だぞ…咲はそのままで十分かわいいから安心しろって…な?」
咲「京ちゃん…」(ウルウル
京太郎「咲はかわいい、咲はかわいい」(ナデナデ
咲「えへへ……って!京ちゃんがいけないんでしょ!?」
京太郎「わはは。まあ気にすんなって、な?」
咲「うー…もう!早く学食行こうよ!」
京太郎「はいはい、咲ちゃんかわいい咲ちゃんかわいいっと」(テクテク
咲「京ちゃん!」(テクテク
・
・
・
-学食-
咲「京ちゃん何食べるの?」
京太郎「そんなの決まってんだろ。おばちゃん、レディースランチちょーだい」
咲「え?」
おばちゃん「何を言ってんだい。あんたは男でしょ?」
京太郎「いいじゃんよー。なんか今日のランチうまそうなんだもん。顔パスってことでさ?」
おばちゃん「ダーメ。どうしてもってんなら彼女でも連れてきな」
京太郎「ふ…じゃあここにいる咲が買うってことで文句ないな?」
咲「ふぇ?…京ちゃんったら……私たちまだそんな関係じゃ(ボソボソ)」
京太郎「?…これで問題ないだろ?」
おばちゃん「はぁ…わかったよ。じゃあちょっと待ってな」
・
・
・
おばちゃん「おまたせ。そっちのかわいいお譲ちゃんと仲良く食いな」
京太郎「ははは、かわいい妹だからな。仲いいに決まってんだろ。なあ咲?」
咲「うん。京ちゃん、早く席に行こ?」
京太郎「はいはい」
京太郎「やっぱり普通のランチよりこっちの方がうまいな」(ピコピコ
咲「そうなの?大体お弁当だからよくわかんないや」(ペラ…
京太郎「咲、世の中ってのは男女差別が溢れてんだぞ?ちなみにこっちの方がカロリーとかが…」(ピコピコ
咲「京ちゃんストップ!それ以上は言っちゃダメ」(ペラ…
京太郎「別に言ってもよくね?お前食っても体に出ないタイプだろ?」(ピコピコ
咲「それはそうだけどさ…女の子にも色々あるんだよ?」(ペラ…
京太郎「ふーん…まあお前は出るとこ出ないって問題があるからなんとも言えないわな」(ピコピコ
咲「京ちゃん!(ガタッ)言っていいことと悪いことが…ふふっ…」
京太郎「?どうしたんだ咲?」(ピコピコ
咲「京ちゃん。ふふ、口周り汚れてるよ?」
京太郎「マジか!?どこどこ?」
咲「そこじゃないよ。拭いてあげるからちょっと動かないで、ね?」(フキフキ
京太郎「おー、ありがとな」(ピコピコ
咲「まったく、しょうがないなあ♪…よしっ♪取れたよ?」
京太郎「おー、ありがとな咲。感謝感謝」(ピコピコ
咲「もー。食事中にケータイ弄るなんて行儀が悪いよ?」(ペラ…
京太郎「お前だって本読んでるじゃないか?」(ピコピコ
咲「この本今日までだから読まないといけないの!…それよりさっきから何してるの?」(ペラ…
京太郎「これか?これはな…」
モブA「おい京太郎。何食堂で新婚さんみたいにイチャイチャしてんだ?」
京太郎「んだよ?俺たちはただの幼馴染だぞ?」
咲「そうですよ?……そんな新婚なんて…えへへ…」(ボソッ
モブA「そっちの彼女は1年生か?…ん?あー、確か宮永のいも…」
咲「っ!…」
京太郎「咲だ。俺の大事な幼馴染だ」(ジトー
モブA「うっ…そうだそうだ!咲ちゃんだったな!ごめんごめん……悪気はないんだ。許せ(ボソッ)」
京太郎「仕方ねえな(ボソッ)…咲!こいつ覚えてるか!?中学も同じだったから面識あると思うんだけどさ!」
咲「……?」(キョトン
モブA「覚えてないかな!?よくコイツとつるんでたんだけど!?」(アセアセ
咲「……あ!あーあー!確か京ちゃんとよく一緒にいた」
モブA「そうそう!」
咲「議長さん!」
モブA「え!?……京太郎…」
京太郎「咲…名前知らなかったんだな…」
咲「えっ?」(キョトン
モブA改め嫁田「…嫁田です。覚えといてください。お願いですからそっちで呼ばないで……」(ブワッ
咲「は、はい!ごめんなさい!嫁田さんですね…?覚えました」
嫁田「ありがとう……京太郎。こんなかわいい嫁さんがいるんだから大切にしろよ?じゃあな」(ダッ
咲「そんな嫁さんなんて…ねえ京ちゃん?」(テレッ
京太郎「またなー…?どうした咲、なんか言ったか?」(ピコピコ
咲「」
京太郎「?」(ピコピコ
咲「もう!京ちゃんさっきから何やってんの!?」
京太郎「ああ、ほらコレ」(チラッ
咲「麻雀?…京ちゃん麻雀するんだ…」
京太郎「まあ平々凡々のペーペーだけどな」
京太郎「麻雀ておもれーんだわ」(ピコピコ
咲「私は麻雀キライだな…」
京太郎「何?咲って麻雀できんの?(棒)」(ピコピコ
咲「一応ね…」
京太郎「ふーん…なんで嫌いなんだ?」(ピコピコ
咲「お正月にね…家族麻雀でお年玉巻上げられてたんだ…」
京太郎「お前の家ってそんなことしてたのか…なるほどなー…」(ピコピコ
京太郎(何?アレって冗談じゃなかったの?)
咲「京ちゃん?」
京太郎「あ、ああ。咲は麻雀できるんだな…よし!」
咲「?」
京太郎「放課後ちょっと付き合ってくれねえかな?メンツが足りなくなる予定なんだわ」
咲「…え?」
京太郎「麻雀部だよ。…ごちそうさまでしたっと」
咲「うん?…あっ、私もごちそうさまでした」
キーンコーンカーンコーン
京太郎「おお!チャイムなったから急がなきゃな!じゃあ咲、掃除終わった後に迎えに行くから玄関で待ってろよ!」(ダッ
咲「え?ちょっと京ちゃーん!」
・
・
・
-教室-
京太郎「そういうわけだからお前今日ちょっと隠れてろ」
久「いきなりそういうわけとか言われても理解できないんだけど?」
京太郎「そこはわかったとか言って出てったあとに聞きに戻ってくる流れじゃね?」
久「残念ながら私には合わないわ。優希かまこにでも頼みなさい」
京太郎「優希はともかくまこは乗ってくれるか?」
久「さあ?…ところで隠れろってどういう意味?」
京太郎「ああ、今日の部活の間ちょっと身を隠して欲しいってだけだ」
久「それだとメンツ足りないでしょ?まこは今日家の手伝いらしいし」
京太郎「それが目的なんだよ。まあ俺を信じてくれないか。な?」
久「ふーん…。それで?…私に何か得はあるの?」
京太郎「ああ、お前の行動次第で期待の新人が手に入るぞ?」
久「何それ?…まあいいわ。信じてあげる」
京太郎「ありがとな」
久「た・だ・し!結果が残せなかったらどうなるかわかってるわよね?」
京太郎「大丈夫だって、ちゃんと約束は守るよ」
久「約束ねぇ……じゃあ私は部活には参加しないからあとよろしくね?」
京太郎「おう、楽しみにしとけよ」
・
・
・
-放課後-
京太郎「咲は…いないか?…流石に無理やりすぎたかな…」
咲「だーれだ?」(メカクシ
京太郎「おおぅ!…脅かすなよ咲、ちょっとビックリしたじゃねえか」
咲「前のお返しだよー」
京太郎「そんなことしたっけ?…まあいいや、行こうぜ」
咲「入学式の日にしてたよ。それより、私行くなんて言ってないんだけど…」
京太郎「スイーツ奢る約束したろ?……メンツが揃うまででいいから…な?」
咲「でも…本だって返さなきゃいけないし…」
京太郎「大丈夫だって、閉館までには帰してやるからさ」
咲「むー、…そこまで言うならちょっとだけだよ?」
京太郎「よっしゃ!じゃあ行こうぜ!」
咲「ずるいなぁ…」
・
・
・
-部室-
京太郎「我らが麻雀部へようこそ。お姫様」(ガチャ
咲「…やっぱ無理かも…私麻雀キラ…」
京太郎「今更逃がすか!…おーい!カモつれてきたぞー!」(バーン
和「お客様ですか?」
咲和「「!」」
咲「確かお昼に京ちゃんと話してた…」
和「確か昼に学食付近で本を読んでた方ですよね?」
京太郎「何?お前ら面識あったの?」
和「いえ、顔を合わせた程度です」
咲「う、うん…そうそう」
京太郎「そうか…ああ、まずは自己紹介からだな。咲」
咲「あ…宮永咲です。こ、こんにちは」(ペコリ
和「原村和です。こんにちは」(ペコリ
優希「どーん!」(バタンッ
咲「っ!」(ビクッ
優希「知らない子がいるじぇ!」
京太郎「よー優希、何処行ってたんだ?」
優希「タコス買ってきたじぇ!そこの人!私は片岡優希だじぇ!よろしく!」
咲「み、宮永咲です。よろしくおねがいします…」(ペコリ
和「お茶入れますね…」
優希「咲ちゃんか!我が麻雀部に良くやってきたな!褒美としてのどちゃんの素晴らしさについて語ってやろう!」
咲「え?」
・
・
・
優希「…ということだじぇ!わかったか!」(エヘン
咲「は、はぁ…」
和「何故優希が誇らしげなんですか…」
京太郎「容姿端麗でスタイル・知名度共に抜群な上にお嬢様ってとこか…」(チラッ
咲「?」
京太郎「はぁ…」(ヤレヤレ
咲「む…」
京太郎「まぁいいや、ひ…部長はいないのか?」
和「奥で寝てます…」
京太郎「えっ…ここで寝てんの?……部室に隠れんなよな…(ボソッ)」
和「?」
京太郎「まあいいや、じゃあこの咲を入れて俺らだけでやるか!」
咲「え」
和「そうですね」
-半荘1・2回目-
京太郎(さて、咲のお手並み拝見としますかね…)
優希「タコスうまー……それローン!」
京太郎「おいおい、そんなのに振り込むのかよー」
優希(もろ初心者だじぇー)
京太郎「通らばリーチ!ってな!」ターン
咲「ごめんね京ちゃん。それロン」
京太郎「なんですと!…その手はなんだよー…俺の華麗なる逆転劇になんてことを…このこの」(グリグリ
咲「ふぉ、ふぉめんふぇひょーひゃん」
和「私がトップですね」
優希「京太郎先輩大人気ないじぇ」
京太郎「男はかっこよく勝ちたいんだよ」
京太郎(うーむ、良くわからん…まだ様子見なのかな…)
咲「もー、酷いよ京ちゃん!」
和「ふふ…」
-----------
京太郎(流れは和寄り……仕方ない。適当に捨てていくかな…)
・
・
・
優希「のどちゃん酷いじぇー」
京太郎「俺なんかさっきから焼かれてるぜ?…今回も和の圧勝か…」
京太郎(うーむ…咲は2位か…しかしわからん…)
京太郎(俺にもっと観察眼があればわかるかもしれないけど…)
京太郎「うん、無理だわ」
咲和優希「「「?」」」
京太郎「なんでもない。じゃあ次行ってみよう!そして俺の姿に見惚れるがいい!」
優希「それはないじぇ」
和「ないですね」
咲「あはは…」
-半荘3回目-
京太郎「しかし咲の麻雀はパッとしないなー」
優希「点数計算はできるみたいだけどねい」
ゴロゴロ
京太郎「雷か?」
和「夕立きましたね」
久「うそっ傘もってきてないわ!」(ガバッ
京咲和優希「「「「!」」」」
京太郎(何起きちゃってんのお前!?)
咲「あれ?…生徒会長!?…なんで麻雀部に…?」
久「学生議会長よ。そんなの麻雀が好きだからに決まってるでしょ?」
和「麻雀部のキャプテンなんですよ」
京太郎「おはよう」(ジトー
久「あはは……あなたはゲストさん?」
咲「ども」
優希「京太郎先輩が連れてきたんだじぇ」
久「京太郎が?…ふーん…相変わらず交友が広いわね?」
京太郎「もっと褒めていいんだぞ?」
久「ないわね」
京太郎「そうかい」
・
・
・
咲「ロン。1000点」
京太郎(うーむ…やはりわからん……?…何で久が驚いてるんだ?)
京太郎(もしかして何かに気づいた?…年季の違いってやつかねぇ)
久「」(バシッ
京太郎「痛い!何すんだよ!?」
久「あなた今何か失礼なこと考えたでしょ?」
京太郎「んな訳ねーだろ!ただ年季の違いを感じるとかそんな…」(バシッ
久「それが失礼なのよ。……あとで聞きたいことがあるわ(ボソッ)」
京太郎「なんだよもう…」
・
・
・
京太郎「3回目しゅーりょー。…上手に焼けましたー」
優希「先輩…かっこわるいじぇ…」
久「優希、今回の宮永さんのスコアは?」
優希「んー…プラマイゼロっぽー」
咲「!……会長起きたみたいですし、抜けさしてもらいますね」
優希「もう帰っちゃうのー?」
咲「図書館に本返さなきゃ。…そうだ京ちゃん、傘ありがとね。お邪魔しました」(バタン
京太郎「流石俺、役に立ったじゃねえか…」
京太郎(結局掴めなかった…やっぱセンスねえなー俺)
優希「でもやっぱのどちゃん強すぎだじぇ」
久「強すぎ?本当にそうかしら?…このスコアを見て何か気づかない?」
和「3連続プラマイゼロですね?…それが故意だとでも?」
久「不可能だと思う?…でもね、もしも貴方達と彼女との間に、圧倒的な力量差があったとしたらどうする?」
和「!…ッ」(ダッ
優希「のどちゃん!」
京久「「フフッ」」
優希「何2人で笑い合ってるんだじぇ。中々にキモいじょ」
京太郎「お前は部長にキモいとか酷いこと言うなよ…(ゴツン)痛い!」
久「あなたに言ったのよ。ねえ優希?」
優希「そ、そうだじぇ!…ところでなんで笑ってたんだじょ?」
久「あの子が麻雀部に入ってくれないかなーと思ってさ。それで5人…全国を狙えるわよ?」
京太郎「俺は久に合わせただけ…((バシッ))痛い!」
京太郎「お前ら2人で殴るとかひどくね?」
久優希「「なんかイラついたからつい」」
京太郎「ひでーな」
・
・
・
和「ただいま戻りました…」(ガチャッ
優希「のどちゃんビショビショだじぇ」
京太郎「!」(ガタッ
久「優希、タオル持ってきてあげて。京太郎は今すぐこの場を立ち去りなさい」
京太郎「断る!俺は今を生きているんだ!」(ジーッ
京太郎(おっぱい!そしておっぱい!ピンクのブラも素敵だがうっすら見えるおへそも中々キュート!更に濡れたスカートが張り付いてるフトモモもいい…)
和「?…っ!」(バッ
京太郎「ああ…それを隠すなんてもったいな…(ゴスッ)痛い!」
久「いいからあっち向いてなさい!優希は早くタオルを渡してあげて」
優希「のどちゃん大丈夫?風邪ひかないようにな!」
和「ありがとう優希…須賀先輩…セクハラで訴えますよ?」
京太郎「はい…すいませんでした」(ドゲザ
久「今日の部活はこれで終了にするわ。和もあったかくして休みなさい。ね?」
和「はい…ですが傘がないのでそれは難しいかと…」
優希「私も持ってないじぇ」
久「…実は私もないのよね…どうしましょ?」
京太郎「フフフ…そんな時こそこの俺に任せ…」(ガバッ
久「顔を上げるな!」(ゲシッ
京太郎「痛い!…忘れたか久…今日の俺のラッキーアイテムを…」
久「あー、ああ!和、優希、傘ならあるわよ?」
和優希「「本当ですか(だじぇ?」」
久「京太郎が6本くらい持ってたわ」
和「…何故6本なのでしょうか?」
京太郎「今日のラッキーアイテムだ…誰もお裾分けさせてくれなかったんだ」
優希「普通いきなり傘貰っても困るじぇ」
京太郎「今役に立ってるからいいだろ?…そろそろ起き上がっていい?」
久「いいわよ」
京太郎「よし、待ってろ!確か鞄の中に傘が…あった!好きなのを選ぶといい」(ドサッ
優希「じゃあ私はこれを貰うじぇ!」
和「では私はこれをお借りします」
久「私はどれにしようかなーっと…!?」
京太郎「?…どーした久?」
久「なんでもないわ。和、優希、私は京太郎と話があるから先に帰りなさい?」
和「わかりました。優希、帰りますよ?」
優希「はーい、じゃあ先輩、おつかれだじぇ!」
和「おつかれさまでした」
京久「「おつかれー」」
京太郎「で?何か用か?」
久「とぼけないで、あの宮永咲って子の話よ」
京太郎「ああ、かわいいだろ?俺の大事な妹分だ」(エヘン
久「黙れシスコン。…あの子は何者なの?」
京太郎「だから俺の…」
久「真面目に答えて」
京太郎「…始業式の日を覚えてるか?…誰か連れてくるって約束したろ?」
久「約束って…あれ本気だったの?」
京太郎「漢京太郎、女との約束は守るぜ?」
久「そう…ありがとね。…じゃあ聞くわよ?…あの子を連れてきた理由は?」
京太郎「あいつの麻雀を見てみたかったってとこかな?俺も実力とかは知らなかったし」
久「そうなの?よくわからないわね……じゃあ次に、あの子は入部してくれるのかしら?」
京太郎「わっかんねーな。昼に言ったろ?お前の行動次第だって。俺はきっかけを作っただけだよ」
久「それはずるいわ。協力しなさい?…じゃあ最後ね。あの子をここに誘うにはどうすればいい?」
京太郎「うーん…本で釣ればいけんじゃね?お前結構集めてただろ?」
久「そう……決めた!あの子を勧誘するわ!」
京太郎「それはいいな。だけど、俺は交渉できないぞ?」
久「そうね…あの子に会うにはどうしたらいいかしら?」
京太郎「教室に直接…は良くないな。…明日聞いてみるよ」
久「わかったわ。…どうにかして明日もう一度ここで打ってもらいましょう。今度はまこも入れてね?」
京太郎「…お前、楽しんでるな?」
久「当たり前よ!あんな子がいるなんて…私は幸せだわ♪」
京太郎「俺に感謝しろよな?」
久「もちろんよ♪あなたが部員で本当に良かった」
京太郎「おうよ」
久「じゃあ私も帰るわね。戸締り任せてもいい?」
京太郎「ああ、任せとけ」
久「じゃあこの傘借りるわね。また明日…京太郎、ごめんね?」(ガチャッ
京太郎「またなー…俺も帰りますかね…でもあいつなんで謝ったんだ?…」
京太郎「まあいいか、さーて俺はどの傘にしようかな…これだ!…!?」
京太郎「壊れてやがる…じゃあこれにしよう…!?」
京太郎「これも壊れてる…まさか…いやまさかそんなことは…」(チラッ
京太郎「全部壊れてた……まさかさっき久が持ってった傘は壊れてなかったとか…?」
京太郎「あいつ気づいてたな!…3本も壊れやがって…3本?…」
京太郎「2度あることは3度ある…仏の顔も3度まで…なるほど……」
京太郎「おーう…これは中々に凹む…しかし、どっかの戦国武将は言った!」
京太郎「例え3本の壊れた傘だとしても…3本集まればきっと使えるレベルまでなるかもしれない…」(カチャカチャ
・
・
・
京太郎「やっぱ駄目だった……仕方ない。走って帰るか…久め、覚えてろよ…」
・
・
・
-翌日:通学路-
京太郎「ヘックシ!」
咲「京ちゃん大丈夫?」
京太郎「ああ、昨日ちょっと濡れちまってな」
咲「やっぱり男の人には折りたたみ傘は小さかった?」
京太郎「そうじゃないんだが…まあいいや」
京太郎(和のことは聞かないほうがいいかな…)
咲「?」
京太郎「そういえば咲、昨日はちゃんと本返せたか?」
咲「大丈夫だったよ。でも新しい本を借りる時間がなかったんだ」
京太郎「それは悪かったな。じゃあ今日も図書館に行くのか?」
咲「うん。お昼に行こうかなって思ってる。あの本の続きが気になって仕方ないの」
京太郎「そっか、本もいいけど勉強もちゃんとしろよ?」
咲「大丈夫だよー」
・
・
・
-教室-
京太郎「と、言うわけでターゲットは昼に図書館に現れるそうだぞ?」
久「よくやってくれたわ。褒美として部の備品を買う仕事を与えましょう」
京太郎「俺に得がある褒美をくれよ!」
久「部活のために役立てるわよ?」
京太郎「そういうのじゃなくてな…あっ、そうだお前昨日はよくもやってくれたな?」
久「なんのこと?」
京太郎「お前壊れてない傘選んで持って帰ったろ?
久「ああ、そのことね」
京太郎「そのせいで俺はビショビショに濡れて帰るはめになったわ」
久「風邪を引かなかったんだからいいじゃない。…それに知ってたとしても譲ってくれたでしょ?」
京太郎「ぐぬぬ…わかった。俺の負けだ。…それで?咲を誘うとして、和はいいのか?」
久「…そこはアレよ。時間が全てを解決してくれるわ…」
京太郎「プラン無しかよ……はぁ…後は任せたぞ?」
久「大船に乗ったつもりで任せなさいって」(ドンッ
京太郎「どうだか…」
・
・
・
-部室-
京太郎「うぃーっす。…あれ、優希は?」(ガチャッ
和「こんにちは先輩。優希は外で休んでます。部長はいないんですか?」
京太郎「ちょっと遅れるってさ。…昨日は大丈夫だったか?」
和「おかげさまで濡れずに帰れました。ありがとうございます。傘をお返ししますね」
京太郎「気にすんなって。傘は部室に置き傘しといてくれればいいよ」
和「わかりました」
京太郎「…なあ和。突然だけど昨日咲と何を話したか聞いてもいいかな?」
和「…先輩と宮永さんはどんな関係なんですか?」
京太郎「幼馴染だ。…大体5年くらい前に知り合った」
和「そうですか……もう一度打ってくださいと頼んだんです…」
京太郎「断られた…ってとこか?」
和「はい…先輩。先輩からもお願いして貰えませんか?」
京太郎「んー…多分俺がどうこうしなくても大丈夫だと思うぞ?」
和「…それはどういう…」(ガチャッ
「待ち人きたるー…ってね?京太郎、優希呼んできて」
京太郎「おう……優希ー!メンツ揃ったぞー」
優希「今行くじぇー……おお!咲ちゃんだ~」
まこ「…もしかして…この文学少女が例のプラマイゼロ子か?」
久「まこ…今頃気づいたの?……私と京太郎を抜かした4人で麻雀を打ってもらうわ」
京太郎「ん?…俺らはやらないのか?」
久「私が打ったら余裕で勝っちゃうじゃない?…ああ、そうそう。東風赤4で2回戦ね」
京太郎「また面倒くさいルールだな。…で?俺が入らない理由は?」
久「あなたは3年生なんだから遠慮しなさい」
京太郎「なるほど…後は若い者に任せて俺らみたいなロートルは引っ込んでろってこと…(バシッ)痛い!」
久「私はまだ若いわよ!……みんな気にしないでさっさと始めちゃってー」
咲和優希まこ「「「「…はーい」」」」
京太郎「…でも久の方が俺より誕生日早…(ガッシボッカ)」
-東風戦-
京太郎「さあ始まりました東風戦1回目、実況は私須賀京太郎と」
久「解説の竹井久でお送りいたします」
まこ「お主らいい加減黙っておらんか!」
京久「「はーい」」
和「相変わらず仲がいいですね」
咲「京ちゃんったら…」
優希「リーチ!…1発ツモだじぇ!」
久「優希は東場は稼ぐけど南場で失速するタイプなのよね」
京太郎「短距離ランナーみたいなもんだな」
・
・
・
京太郎(咲はテンパイか…優希も和もスルーして…うへぇ…俺には無理だわ)
和「リーチ」
京太郎「リーチ棒かー……この場合どうすればプラマイゼロなんだ?」
久「70符2飜ね。…かなりのレア物よ?…っ!!」
咲「…カン!」
和優希まこ「「「!」」」
咲「リンシャンツモ。70符2飜は1200・2300です」
京太郎(すげえ…これでプラマイゼロか……本当に才能あったんだな…)
京太郎「すげえぞ咲!俺は今とっても感動しているぞ!」(ナデナデグリグリ
咲「京ちゃん痛いよー。あんまりグリグリしないでー」
優希「昨日を入れて4連続プラマイゼロ…ありえないじぇ」
久「…宮永さん。麻雀は勝利を目指すものよ!次は勝ってみなさい!」
咲「え……わかりました。やってみます…」
京太郎(すごい挑発的な言い方に聞こえる…)
・
・
・
咲「…今日はコレ、和了ってもいいんですよね」
京太郎(何そのかっこいい台詞…俺もいつか使いたいな…)
・
・
・
久「あなたの勝ちよ」
優希「すごいよ咲ちゃん」
咲「勝った?」
咲(私が勝った…)
京太郎「咲!」
咲「京ちゃん!」
京太郎「最後の台詞、中二っぽくてかっこよかったぞ!」
咲「台無しだよ!私の余韻を返してよ!」
和「(ウルッ)…」(ダッ
優希「またですかっ……もしかして泣いてた?」
京太郎「和の泣き顔だとっ!何処だ!?」(ガタッ
久「あんたは黙れ!(バシッ)…宮永さん、約束の本はここにあるけど…和が気になる?」
咲「…」(コクッ
久「本は泣いて逃げないから、行ってらっしゃい。…ちなみにここの本は麻雀部に入れば読み放題だからね?」
久「これで宮永さんは最低でも1回以上ここに来ることになるわ」
京太郎「本を理由に誘ったのに本を見せずにまた見に来いとは…とんだ悪女だな」
まこ「そう言われると確かに酷い女じゃの」
久「約束は果たしてるんだから問題はないわよ?」
優希「ああいえばこういう、だじぇ」
京太郎「しかも入部まで勧めてるしな」
久「勧誘は自由でしょ?それとも怖いお兄ちゃんとしては困ることなのかしら?」
京太郎「強制じゃなければいいけどさ…もしも咲に手を出したら…」
久「流石にそんなことしないわよ。私を信じなさいって」
まこ「なぜじゃろう…さっきのこともあるから微塵も信じられん…」
優希「会長なのに不思議だじぇ」
京太郎「残念だな?」
久「もうっ!…話はお終いにして今日の部活はこれで解散にしましょ?」
京太郎「逃げたな」
久「うるさい!」
・
・
・
-翌日-
咲「ねえ京ちゃん…」
京太郎「なんだ?」
咲「麻雀ってさ、好きじゃないと打っちゃいけないのかな…」
京太郎「そんなことはないと思うぞ?…昨日はつまらなかったか?」
咲「ううん。そんなことない!…楽しかったよ…原村さんと打てて楽しかった…」
京太郎「ふーん…それはいいことなんじゃないのか?」
咲「でもね…原村さん的には、麻雀が嫌いな私と打つのが嫌なのかなって…」
京太郎「そう言われたのか?」
咲「違うよ!…ただ麻雀嫌いな私に負けるのは悔しいって…全国には手ごわい相手がたくさんいるって言ってた」
京太郎「それで?咲はどうしたいんだ?」
咲「昨日色々考えてたんだけどさ…そしたらお父さんがコレをね…」
京太郎「麻雀TODAY?これがどうしたんだ?」
咲「57ページを見て」
京太郎「ふーん…ああ、なるほどな」
京太郎(なんという営業スマイル)
咲「…ねえ京ちゃん。私、麻雀部に入ってもいいのかな?…原村さんともっと打っても大丈夫かな?」
京太郎「いいと思うぞ?……咲、いいことを教えてやろう」
咲「何?」
京太郎「和の言った言葉はただの負け惜しみだ。お前が麻雀を打っちゃいけない理由なんて何処にもない」
咲「…そっか……そっか♪…京ちゃん!私、麻雀部に入るよ!」
京太郎「うんうん」
咲「原村さん達と一緒にもっと麻雀を楽しみたい!」
京太郎「うんうん」
咲「勝ち進んで全国に行って、お姉ちゃんと仲直りする!」
京太郎「うんうん…?」
咲「前に会ったときは話してくれなかったもん。だから麻雀でお姉ちゃんと仲直りするんだ♪」
京太郎「うん?…麻雀じゃないと駄目なのか?…それ以前に前会ったっていつの話だ?」
咲「確か去年の春頃かな?…でも私と話してもくれなかったんだよ?…やっぱり麻雀しかないんだよ…」
京太郎「ほう…そんなことがあったのか…」
京太郎(麻雀しかないってのは理解できないけどな…)
咲「京ちゃんには言ってなかったからね……京ちゃんはお姉ちゃんと連絡とってるんでしょ?何か聞いてない?」
京太郎「特に何も……早く仲直りできるといいな。…また3人で山とか登ってみたいもんだ」
咲「うん♪だから京ちゃんも手伝ってよね?」
京太郎「わかったよ。…でもその前に咲の麻雀嫌いを治さないとな?」
咲「が、がんばるよ!」
-部室-
京太郎「~♪」
久「やけに上機嫌ね。何かあった?」
京太郎「お前にもその内わかるよ…(ガチャッ)ほら来た」
咲「失礼します」
久「宮永さん?」
咲「私を麻雀部に入れてください!」
久「おお!」
咲「私、原村さんともっと打ちたい…麻雀をもっと打ちたいんです!…麻雀でもっと勝ちたいんです!!」
京太郎「だとよ久。どうする?」
久「もちろん入部許可よ♪宮永さん、入部おめでとう!」
咲「はい!よろしくおねがいします!」
優希まこ「「よろしく(だじぇ!」」
和「…よろしくおねがいします」
京太郎「よろしくな咲!これから俺らと一緒にせい…」
優希「青春を謳歌しようじぇ!」
京太郎「俺の台詞…」(ガクッ
まこ「そんなに言いたかったんか…」
久「それいい加減辞めた方がいいわよ?」
咲「あはは…」
・
・
・
-1週間後-
京太郎「咲」
咲「あ、京ちゃん」
京太郎「部活行こうぜ」
咲「うん」
・
・
・
京太郎「部活入ってから1週間だけど慣れたか?」
咲「…家族以外とも麻雀打てるし、勝つのも楽しいよ」
京太郎「そうか」
咲「でも…原村さんと話せてないんだ…私のこと嫌いなのかな?」
京太郎「…多分だが、悔しいんだろ。…IMチャンプがポッと出のお前にプライドを傷つけられたんだしな」
京太郎「しかも勝ったら怒られるとか、傍から見ればくだらない理由だったわけだ」
咲「くだらなくなんかない!…くだらなくなんてないんだよ…」
京太郎「咲?…急にどうした。そんなに言っちゃいけないことだったか?」
咲「お年玉のことはね…前に聞いたんだけど、お父さんやお母さんが勝ったときには私たちのためを思って貯金してたらしいんだ」
京太郎「それは悪いことじゃないと思うが?」
咲「うん…でもね、お姉ちゃんとの間にはお金がかかってたんだ」
京太郎「それで勝ったら怒られてた…と?」
咲「うん…今でも忘れないよ…お姉ちゃんったら、お父さん達からもお金取ってたもん…」
京太郎「照の奴…」
咲「もちろん私はそんなことしなかったよ?…お父さん達に怒られるの怖かったから…」(ウルッ
京太郎「咲、もういい。もう話さなくてもいいから…な?」
咲「…私ね。お小遣い帳つけてるんだ。お姉ちゃんに取られた分は全部覚えてる…全部で○○万も…」(グスッ
京太郎「咲!」(ギュッ
咲「ふぇっ!……京ちゃん。痛いよ…」
京太郎「いいんだよ。今はもっと甘えてもいいんだよ。な?咲…」
咲「…うん…ありがと……お兄ちゃん…」(ギュッ
・
・
・
咲「…うん♪京ちゃん分も補給できたからこれで大丈夫だよ?」
京太郎「そっか…俺としてはもっと抱きついててもよかったんだがな」
咲「それは残念でした♪…これ以上は甘えられないよ。お姉ちゃんにも悪いから…」
京太郎「ばーか、そんなこといちいち気にしてたらこの先禿げるぞ?」
咲「そんなことないよ!そんなこと言ってると京ちゃんが禿げるんだよ?」
京太郎「例え俺が禿げてもお前が貰ってくれるんだろ?」
咲「ふぇっ!?」
京太郎「なーんてな…俺としてはもっとお兄ちゃんって、甘えてて欲しかったんだがなぁ」
咲「もうっ!このシスコン!禿げても貰ってあげないんだからね!」
咲(…だって、私が貰ってもらうんだもん)(バサッ
京太郎「ん?咲、なんか落としたぞ?」
咲「あっ、この前の麻雀TODAYだ…」
京太郎「麻雀TODAY…そうだ!咲、これまだ売ってるかな?」
咲「えっ?…多分場所によっては取り置きしてくれてるんじゃないかな」
京太郎「そうか。ありがとな、咲」
咲「う、うん…?」
京太郎(照…大体の原因はお前じゃねえかよ…これは説教が必要だな…)
-部室:部活中-
優希「だー!勝てないじぇ。勝てないとつまんないじょー」
咲「っ!」
優希「私はもう駄目だじぇ……後のことは京太郎先輩に養ってもらうとするじぇ…」
京太郎「俺が介護すんの?俺はヘルパーじゃないんだがなぁ」
優希「じゃあ逆ヒモでお願いするじぇ」
京太郎「そこはお嫁さんとかにしろよ」
優希「えっ。…そんな…まだ結婚は早いじょ…///」
和「寸劇はそこまでにしましょう。優希、次は勝ちましょうね?」
・
・
・
優希「ローン!」
京太郎「?…咲、なんでそんな牌切ってんだ…っ!……あー、これはな…」
優希「国士無双聴牌とか咲ちゃんすごいじぇ…でも、これで私がトップ!やったじぇ!」
京太郎「…咲は…プラマイゼロか…」
京太郎(俺を見逃して優希に振り込んだか…勝負事に気を使いすぎだぞ咲……これじゃみんなで楽しめねえよ…)
和「今日は帰ります」(ダッ
咲「あ、私も一緒に帰る」
優希「行っちゃったじぇ…これでふ、夫婦水入らずね。ア、ア・ナ・タ?」(ガチャッ
京太郎「照れるならやんなよ」
久「仲良いわねー。今日は二人だけ?」
優希「のどちゃんが怒って出てっちゃって」
久「ふーん(ピラッ)…なるほどね。京太郎、あなたは怒らないの?」
優希「じぇ?」
京太郎「和が代わりに怒ったからいいさ。それに今日は咲を怒れる気分じゃない」
久「…そう……でもね、いつかはあなたが叱ってあげなきゃ彼女は駄目になるわよ?」
京太郎「わかってる…今回の件はとりあえず反省してなかったら叱るとするさ」
久「甘やかしすぎね。その内刺されるわよ?夜道に注意しなさい」
京太郎「流石にそれはねーよ」
優希「なんの話をしてるんだじぇ!」
・
・
・
-翌日-
咲「京ちゃん!昨日はごめん!」
京太郎「…なんのことだ?」
咲「だって…昨日の部活で私…」
京太郎「反省してるか?」
咲「うん…もうあんなことしないよ!原村さんとも約束したから!」
京太郎「和と?…仲直りできたのか?」
咲「うん!今日もこのあと…あっ!待ち合わせに送れちゃう!」
京太郎「行って来い。俺はゆっくり行くからさ」
咲「うん♪…ホントにゴメンね?」
京太郎「もう許したって、ほら行け。友達が待ってんだろ?」
咲「はーい♪じゃあ行ってきます!」(ダッ
京太郎「騒々しいなぁ」
京太郎(ほらな?なんとかなっただろ…久)
-昼-
京太郎「ん?よお優希、一緒に飯食ってもいいか?」
優希「別にいいじょ。のどちゃんと咲ちゃんが後から来るけどね」
京太郎「そうなのか?じゃあご相伴に預かりますかね」
・
・
・
咲「あれ?京ちゃんなんでいるの?」
京太郎「まるでいちゃいけないみたいに言うなよ、傷つくだろ」(ショボーン
咲「えっ!ごめんね!私そんなつもりじゃ…」(アセアセ
和「冗談が過ぎますよ、須賀先輩?」
京太郎「ははは」(ケロッ
咲「えっ?…むー、京ちゃん酷いよー」
京太郎「悪い悪い。まあ飯でも食おうぜ」
・
・
・
和「宮永さん。今日は多めに作ったので…一緒に食べませんか?」
咲「いいの?…原村さん、ありがとう!」
京太郎「ほー、和は料理もできるのかー。これは得点高めですなー」
優希「のどちゃんは私の嫁だからな!…先輩、これ貰うじぇ!」
京太郎「おい優希!それは…」
優希「おー!これはタコスだじぇ!京太郎先輩。これはどうしたんだじぇ!?」
京太郎「只今練習中の俺特製タコスだよ。返せって!」(ブンッ
優希「な、なんだってー!(モグモグ)…中々の味だじぇ」(ヒョイッ
京太郎「おい馬鹿!せめてちゃんと作れるようになってから食ってくれよ!…あっ」(ドサッ
咲和「「!」」
優希「あっ……せ、先輩…近いって…早くどいて…///」
京太郎「あ、ああ…すまん…」
咲「京ちゃん…優希ちゃんが困ってるんだから早くどいて…ね?」(ゴッ
和「み、宮永さん?」
京太郎「は!はいどいた!優希、ごめんな!でも勝手に人の飯を取ったらだめだぞ!?」(バッ
優希「えっ!う、うん!わかったじぇ!」
咲「じゃあご飯の続き食べよっ。ね?」(ニコッ
・
・
・
-放課後-
優希「京太郎先輩は私にもっとタコスを作るべきだじぇ」
京太郎「別にいいけど…まだ完全とは言えないぞ?」
優希「あなた作る人、私食べる人。だじぇ」
京太郎「どっかで聞いたことあるフレーズだな。…わかったよ。じゃあ完成まで手伝って貰うぞ?」
優希「おー」
咲「きょ、京ちゃん!私の分も…」
久「はい、注目!寝てる人もタコス談義してる人も集まれー」
・
・
・
久「これが大会のルールと強豪校の牌符ね」
京太郎(去年とルールが違うな…?)
京太郎「久、男子のはないのか?」
久「一応PCには入ってるわ…あなたは自分で集めてるからいいと思ったんだけど…必要?」
京太郎「いいや、問題ない。それに牌符より動画の方がわかりやすいしな」
久「よかった。…PCにあなた好みの動画ファイルがあるから確認しといてね?」
京太郎「流石だな。わかった。後で見とくわ」
優希「ちょ、この人ワケわかんないんですけど…」
久「ああ…龍門渕の天江ね」
優希「この人咲ちゃんより変だじょ」
京太郎(正体は咲に負けず劣らずかわいい女の子だけどな)
久「去年、龍門渕に6年連続県代表の風越が惨敗したのよ。メンバーは全員1年生だったわ」
京太郎「つまり今年は全員2年生のフルメンバーってことだ」
優希「だが、今年はのどちゃん、咲ちゃんがいるウチが勝つ!」
京太郎「それは頼もしいな。…?久、まこはいないのか?」
久「おぉ、忘れてた…実はまこの実家が雀荘なんだけど。今日は人手が足りないらしいのよ」
久「というわけで、和と宮永さんで行ってきて?」
咲和「「!」」
京太郎「お前は行かないのか?」
久「私は学際の準備があるし…あなただってそうでしょ?」
京太郎「あー…確かにそうだな、俺文化祭委員だし…」
優希「私は手伝わなくてもいいのかー?」
久「あなたに接客は無理でしょ?」
京太郎「確かに無理そうだな」
和「間違いなく無理ですね」
咲「あはは…」
優希「酷いじょ…」
久「和も宮永さんもこれでわかったわね?…はい!行ってらっしゃい!」
・
・
・
京太郎「あいつら大丈夫かねぇ…メイド服か…直接見たかったな…」
京太郎(まこに手廻しはしといたから写真は大丈夫だろう…)
優希「ふふふ、そんなこともあろうかと!…じゃじゃーん!メイド服だじぇ!」
京太郎「おお!お前のメイド服も中々だな…でもなんであるんだ?」
久「ああ、学際の劇用の奴よ。丁度いいから優希にも出てもらおうと思ってね」
京太郎「は?…優希、お前もアレに出るの?」
優希「おう!なんか知らないけど出ることになったじぇ!」
京太郎「内容を教えておけよ!…出たら後悔することになるぞ?」
優希「大丈夫だじぇ!…先輩、ほれほれー、パンチラだじぇー」(チラッ
京太郎「優希…お前は間違っている!」(カッ
優希「じょ?」
京太郎「パンチラっていうのはだな!不意に見えてしまうから興奮するからであって!自ら見せるっていうのは限りなく違う!」
京太郎「自ら見せたいっていうならなぁ!恥じらいながらスカートの端を口で咥えてみせろ!…ただし!ガーターベルトを忘れるな!」
優希「お、おう…パンチラ…奥が深いじぇ…」
久「京太郎。それじゃあこんなのはどう?」(チラッ
京太郎「何を…はっ!」
京太郎(座りながらスカートをちょっと上げ、ふとももが見える状態で足を組みなおす…だと…くっ…こいつ中々やるな…だけど…)
京太郎「お前ストッキングしてるから見るに見えないじゃねえか!」
久「見せるつもりないもの。当たり前でしょ?」
優希「部長もすごいじょ…」
京太郎「詐欺だ!…いや、待てよ…」
久優希「「?」」
京太郎「冷静に考えてみるとストッキングってのも中々エロいな。…というわけでもっと見せろ」
久「嫌よ気色悪い」
優希「流石の私も引くじぇ…」
京太郎「男にパンチラの話題させたお前らが悪い!」
久「…くだらないこと言ってないで劇の練習でもしてなさい。…優希、これが台本よ」
優希「はーい」
京太郎「ところで、なんであいつらを手伝いに行かせたんだ?」
久「あなたもよーく知ってる人と打ってもらおうと思ってね」
京太郎「…まさか、藤田さん?」
久「ご明察ー。ちょっと天狗になってるみたいだったから凹ませといて。って頼んでおいたわ」
京太郎「ふーん…やっぱこのままじゃ勝てないってか?」
久「そうよ。勝つためには必要なことだわ……そ・れ・に、昨日の事に対して、私なりに叱っておこうと思ってね」
京太郎「あー…言いづらいがな。咲はもう反省してるぞ?」
久「えっ、そうなの?……そ、そうよ!これは特訓のためなんだからね!?」
京太郎「お前は相変わらず何処か抜けてる…」
優希「ぶ、部長!この劇はなんなんだじぇ!?」
久「へ?…あーあー、面白いでしょ?」
京太郎「んなわけねーだろ…」
優希「こんな面白いことに私を咬ませないなんて酷いじょ!」
久「ほら?優希は私の味方よ?」
京太郎「マジかよ…」
これで2話終了とします。
3話は合宿編です。ついでに過去回想とかも入れる予定なんですが
本編で軽く触れて、投下後に回想を入れる形にしたいと思ってます
劇とかGWとかは番外編として一応書いてますのでまあ3話後にってことで
一応最後まで構想とか設定とか考えてるんですけど
私は執筆速度が残念なので、がんばって咲ちゃんの誕生日くらいを目安にしようと思います
では見てくれた皆様、ありがとうございます
咲ちゃん誕生日おめでとー!
こんばんは>>1です
実は3話がまだ書き終わってないという事態でして・・・
できる限り急いで投下できるようにしたいと思っております
お詫びと言ってはなんですが
本編過去編の一部を短いですが投下しようと思います
あと
・京taro 2話
・まだ1人分しか作ってない小ネタ(兄妹として育ってきた京太郎と実は血がつながってなかった)
などもあったりしますけどこっちは需要ありますかね?
あるなら明日らへんに投下してるかもしれません
~中学時代:咲ちゃん誕生日編~
京太郎「咲ちゃん、誕生日おめでとう!」
照「おめでとう、咲」
咲「えへへ~、お兄ちゃんもお姉ちゃんもありがとー」
照「はい、プレゼントだよ」
咲「わーい!」
京太郎「じゃあ俺からもとっておきのプレゼントだ!」
咲「なになに~?」
京太郎「じゃじゃーん!俺とお揃いの綺羅星マス…」ドゴォ
照「まさかそんなものをプレゼントするわけないよね?」(ゴゴゴ
京太郎「そ、そんなわけないだろ?冗談だって!冗談!」
照「もしもそれ以外用意してないとか言ったら…」
咲「えー…お兄ちゃんプレゼントくれないの…?」
京太郎「だ、大丈夫だって!…ちょっと待って、確か…あった!ほら!これだこれだ!」
照「あれ?それって…」
京太郎「おう、俺とお揃いのロケットペンダントだ!」
咲「お兄ちゃんとお揃い!?やったー!ありがとねお兄ちゃん♪」
照「…いいなー」ボソ
京太郎「ここで更にうれしいサプライズだ!…実はもう1つあって3人でお揃いにできるぞ!」
照「えっ!?」
咲「お姉ちゃんともお揃い!?やった♪」
照「…私もいいの?誕生日でもないんだよ?」
京太郎「お前1人だけ仲間外れにするわけないだろ?」
照「…うん、ありがとね、京ちゃん♪」
京太郎「おうともよ」
咲「ねえお兄ちゃん、これどうやって写真入れるの?」
京太郎「ああ、これはここをこうやって開けて…」
照「そういえば京ちゃんはどんな写真入れてるの?」
京太郎「ああ、俺のはほら、前にみんなで撮ったヤツだよ」パカ
咲「おー、カピちゃんかわいいねー」
照「確か京ちゃんの家でカピーを囲んで撮ってもらったんだよね?」
京太郎「そうそう、あのときのお前らと言ったら、カピーを見たい見たいってうるさかったもんな」
咲「だって見たかったんだもん!」
照「カピバラなんて珍しい動物飼ってる京ちゃんが悪い」
京太郎「なんだそりゃ」
京太郎「…ところで2人はどんな写真入れるんだ?」
咲「んー、内緒!」
照「私はまだ決めてないかなー」
京太郎「そうか……おお!そういえばこのロケットには秘密があるんだった」
咲「ひみつ!?なになに!?」
京太郎「ふふふ、実はだなー…」
照「もったいぶらないでさっさと言ってよ」
京太郎「そういうなって、実はこのロケットな、マスクと同じ工房の作品なんだけどさ」
照「京ちゃんの友達のおじいさんがやってるんだっけ?それがどうかしたの?」
京太郎「そのおじいさんが結構おちゃめでさ、例えばこのマスクの裏側にある窪みあるだろ?」
咲「ちょっとでこぼこしてるね」
京太郎「あの工房の作品全般にこんな感じの窪みがあるんだよ。そしてこのロケットの形を見ろ」
照「…なんか嫌な予感がしてきた」
京太郎「そう!ロケットを他の作品にはめ込んで、それをペンダントにすることが可能なのだ!」
咲「おー!すごいすごい!」
京太郎「だろ?…というわけでここにマスクを2人分用意…」
照「いらないから」
京太郎「ぐっ…でもせっかく用意したんだから…」
照「いらないって…咲もいらないよね?」
京太郎「咲ちゃんは欲しいよね!?ほら、こんな感じでかっこいいよ?」
咲「うーん…かわいくなーい…それに重いからいらなーい」
照「ほらね?」
京太郎「ちくしょー」
カンッ
ん?何でもするって………(言ってない
こんばんは>>1です
3話できたんで見直して明日らへんに投下しますね。
遅くなりましたけど、前に言った小ネタを2本とも投下しときます
まあ合わせて10レスくらいしかないんですけどね
>>182
これでいいんやろ!
続けてやるんで
最初のレスに
~京taro~
~義姉弟短編~
みたいな感じに付けときます
あと、本編以外で注釈入れない場合は基本的に京ちゃん1年生ってことでよろしく
~京taro~
*注意書き*
○この短編には以下の内容が含まれます
・若干、著しいキャラ違い
・まともな人間が損をする成分
・咲ちゃんかわいい要素
以上の注意点を理解した上でお楽しみください
-5月-
和(なんだかんだで慣れてしまった…)
京taro「オーイ、カモ連レテキタゾー」(ガショーンガショーン
和(やっぱりロボットですよね彼…)
~咲ちゃん登場だよ!…だよ!?~
咲chan「コンニチハ」
和「増えたーっ!!!」
優希「ど、どうしたんだじぇのどちゃん!」
和「い、いえ…なんでもないです」
和(お父様!進学校に行かなかった私をお許しください!)
京taro「第3世代型新鋭機…リンシャンマシ…幼馴染ノ宮永咲chanダ」
和(そっかー…新型なのかー…京太郎君よりも新型なのかなー…でもリンシャンマシーンってどういう…)
京taro「コレデメンツハソロッタナ。ヤロウゼ」
咲chan「モウ、京チャンッタラ…」
和「え、ええ…やりましょう…」
優希「私の力を見せてやるんだじぇ!」
京太郎「和、チョットイイカ?」
和「はい?」
京太郎「良カッタラ咲chanト友達ニナッテヤッテクレナイカ?…スキャンカイシ…」(ピカーッ
和(このセクハラロボット!)
和「え、ええ。ですがまだ知り合ったばかりですので何とも言えません。…それに須賀君?あまり胸を見ないでください」
京太郎「ソ、ソンナコトナイデスヨ…ニンムシッパイニンムシッパイ」
咲chan「京チャン?」
京太郎「ナンダ咲?」
咲chan「ソウイウノハヨクナイヨ!…」(京バリバリ
和(仲間割れ!?)
京taro「俺ガ悪カッタヨ……咲chanカワイイ咲chanカワイイ」
咲chan「モウ!京チャンッタラ!人前デ恥ズカシイヨ…」
和(えー・・・)
・
・
・
咲chan「カン!リンシャンカイホー!」
咲chan「…デハ私ハ帰リマスネ」
久「優希!今のスコアは!?」
優希「プラマイ0だじぇ」
京taro「咲ハ狙ッテソレヲヤッタト言ウノデスカ?」
和「そ、そんなことが…」
和(ロボットですから可能ですよね…しかもリンシャンマシーンって言ってましたし)
久「もしも、圧倒的な実力差があったとしたらどうする?」
和「そんなSFありえません!!」(ダッ
優希「のどちゃん!」
京taro「ドウシタンダ和ハ?」
久「きっとプライドの問題よ…」
和「そんな問題なわけありません!でも追わないと話が進まないんですよぉぉ!!(泣)」(ダッ
これで咲ちゃん可愛い成分が入ってるだと…
>>189
咲chanカワイイだもん。ビリビリされるよ?
和「宮永さん!」(バッ
咲chan「原村サン!?」(カサポーン
和「あなたの…あのスコアは…もちろ…こほん…狙ってやったのですか?」
咲chan「私ガ打ツトアアナッチャウンダ…ソレヨリモカサガ…ショート…風邪ヒイチャウ」
和(今ショートって言いましたよね!?)
和「どうして…」
咲chan「家族ト打ッテタラ気ヅイタラアアナッテタ…トインプットサレテイマス」(モクモク
和(インプット!?それより煙出てる!か、傘は何処に!?)
和「そうですか…ありがとうございます…はい、傘です。」
咲chan「アリガトウ原村サン。ジャアネ」(プシュー
和(できれば二度と関わりたくないです…)
続く?
ここから区切りね。咲chanカワイイじゃないから期待しないでね?
~義姉弟短編~
-大星家の場合-
京太郎「おっ、ここにいたか」
淡「んー、どうしたの京太郎?」ペラ
京太郎「ちょっと用があったんだ。何読んでんだ?」
淡「ドラゴンロード。今やっと7つドラを集めて最初のドラ爆弾でニワカを吹き飛ばすところ」ペラ
京太郎「ほー、俺も読んでいいか?」
淡「いいよー」ペラ
京太郎「じゃあ俺も座るから背中貸してくれ」
淡「ん」ペラ
京太郎「どっこいしょっと…うん、これでお互い背中が楽になるな」 (背中合わせ)
淡「京太郎。もうちょっとそっちよっかからせてー」ペラ
京太郎「はいはい…これでいいか?」
淡「そんなかんじー…1巻はそっちにあるから適当に読んじゃってー」ペラッ
京太郎「おー、サンキューな」
淡「ところで用事って何なの?」ペラッ
京太郎「あー、実はなーさっき父さん達からすげーこと聞いちゃってなー」ペラ
淡「何よ?」ペラッ
京太郎「聞いてもショック受けるなよー?」ペラ
淡「もったいぶってないでさっさと言いなさいよー」ペラ
京太郎「俺達って兄妹だよな?」ペラッ
淡「私がお姉さんだから姉弟だけどねー」ペラ
京太郎「実は血がつながってないらしいぞ?」ペラ
淡「…へー、そうだったんだー」ペラ
京太郎「あんまりおどろかないんだなー」ペラ
淡「だって血がつながってないからって言っても、家族なんだから今更関係ないでしょ?」ペラ
京太郎「なるほどー」ペラ
淡「別に関係が悪化するわけでもないんだから気にしないでいいんじゃない?」ペラ
京太郎「それもそうだなー」ペラ
・
・
・
京太郎「次の巻何処だよー」
淡「今読んでるからだめー」ペラ
京太郎「じゃあ仕方ないから解放少女クニヒロ君でも持ってくるわー」
淡「じゃあついでにお菓子とジュース持ってきてー」ペラ
京太郎「わかったー。じゃあ立つから気をつけろよー」
淡「ん」ペラ
京太郎「じゃあ行ってくるわー」
淡「いってらっしゃーい」ペラ
・
・
・
京太郎「ただいまー」
淡「おかえりー」ペラ
京太郎「これジュースとお菓子なー。本にこぼすなよー」
淡「だいじょーぶー」ペラ
京太郎「じゃあ座るぞー」
淡「んー」ペラ
京太郎「…よしっ、これでどうだ?」
淡「かんぺきー、流石京太郎」ペラ
京太郎「だろー?」
淡「すごいすごい」ペラ
京太郎「じゃあ俺も読むかなー」
・
・
・
京太郎「なあ淡」ペラ
淡「なーにー?」ペラ
京太郎「さっきお菓子とか取りに行ったついでに聞いたんだけどさー」ペラ
淡「んー?」ペラ
京太郎「本当の俺の両親ってもういないらしくてさー」ペラ
淡「…そーなんだ…」ペラ
京太郎「まあ覚えてないからどーでもいいんだけどなー」ペラ
淡「んー、よしよし」ナデナデ
京太郎「ん、ありがとなー」ペラ
淡「いいってことよー」ナデナデ
京太郎「…もういいぞー」ペラ
淡「そー?じゃあ続き読むねー」ペラ
京太郎「おー」ペラ
・
・
・
淡「あー、玄がスズの爆発に巻き込まれたー」ペラ
京太郎「こっちはイケダ君とブンド君がいつもな感じ。死んだ魚みたいな目をしてる」ペラ
淡「片方タチウオだもんね」ペラ
京太郎「だろ?文字通り死んだ魚だな」ペラ
淡「あとでそっちも見せてー」ペラ
京太郎「いいぞー」ペラ
淡「そーいえば、他になんか聞いてないのー?」ペラ
京太郎「あー、そういえばなんかあったなー」ペラ
淡「あるんだー」ペラ
京太郎「実は俺ってさー」ペラ
淡「うん」ペラ
京太郎「お前の婿入り的なサムシングらしいぞー」ペラ
淡「…へー、そーなの?」ペラ
京太郎「おー、実はお前は俺の嫁。みたいな状態らしー」ペラ
淡「へー…でもサムシングって…ぷふっ」ペラ
京太郎「うっせー」ペラ
淡「だってサムシングとか言われても……そう拗ねないでって…ぷふっ」ペラ
京太郎「はぁ……でも…どう反応すればいいのか困るなー」ペラ
淡「ふーん…じゃあ結婚してみるー?」ペラ
京太郎「…お前はそれでいーのかー?」ペラ
淡「でもなんか、そんなに関係変わらない気もするのよねー」ペラ
京太郎「それはありえるなー」ペラ
淡「じゃあいいんじゃないかなー。私京太郎の事普通に好きだしー?」ペラ
京太郎「じゃあ結婚するかー?俺もお前のこと普通に好きだしなー」ペラ
淡「おー」ペラ
京太郎「これからもよろしくなー」ペラ
淡「こちらこそー」ペラ
京太郎「…そろそろドラゴンロード読ませてくれよー」ペラ
淡「じゃあクニヒロ君読ませてー」ペラ
京太郎「ほらよ」ポス
淡「ありがと…ねえ京太郎」
京太郎「なんだ?」
淡「これからも末永くよろしくね?」
京太郎「任せとけって」
カンッ
今はここまでー
本編は多分午後からやるんじゃねえの?いつかは知らんけど
何故淡ちゃんを最初に書いたかは知らん
多分現状で本編に出番が少ないと思われるからだろうけど
他にも出番が少ないキャラいるのにね…
このスレ終わったら書こうと思ってるのにはメインの1人に考えてるけどね
次は定番の宮永家でも書いとくかな
ではまた
咲chanカワイイ咲chanカワイイ
おつおつ、あわあわまじあわあわ
しかしこのシチュを脳内再生しても京ちゃんはいくらでも変換できるのに
あわあわは白糸台以外の服装にならなかった……
おはようございます>>1です
今から3話の見直ししてきます
>>199
そりゃまあ本編でも制服姿以外じゃ出てませんからねー
私も私服を想像できませんでしたし
あと強いて言うならそれぞれの家に行っている=それぞれの高校に行っている
という認識でお願いします
一応その家の人間以外特に出さない予定です
京ちゃんのことだからきっとモテモテだろうなー
とか思ってたりもしたけど、他の女の名前出すとか無粋ですからねー
話題だけでも出そうか迷ったけど…
今気づいた
学校から帰って着替えずに寝転がってマンガを読むあわあわなら割と想像できる
あと訂正です
親でもないのに九種九牌で連荘してた
>>52
>>53
-東3局~親:優希-
久「優希が1位ね。京太郎は最下位だけど大丈夫なの?」
優希「ふふふ、これで終わりだじぇ!ダブルリーチ!」
まこ「あ!…これはいかんのぉ…」
京太郎「すまんな優希、九種九牌だ」
優希「あーっ!せっかくのダブリーが!」
京太郎「まあいいじゃねえか。次でオーラスなんだしさ」
久「これは…京太郎の本領発揮ね…」(ボソッ
和「?」
-東4局~親:まこ-
優希「むー、配牌がよくないんだじぇ…」
まこ(今日は何で来るんじゃ…?)
優希「来たじぇ!リーチ!」 打:南
京太郎「ポン!」
優希「むー、一発がなくなったじぇ」 打:白
京太郎「それもポンだ」
まこ「わしのツモ番が来ない…」
優希「牌がこないんだじぇ…」 打:1
京太郎「カンだ!」
京太郎「さーて、何が出るかなっと…ドラは何かなーっと」 ドラ:4
京太郎「リンシャン牌はっと…来たぜ!」 ツモ:5
優希「へ…?」
和「!まさか…」
京太郎「トイトイドラ3役牌2リンシャンカイホーで12000点責任払いだ」
南南南 白白白 1111 555 ⅠⅠ
九種九牌は決めによるだろうけどあんまり親流れない気がするが
>>202
マジで?
家の決めだと九種九牌は親以外だと流れる感じだったわ
じゃあ>>201の訂正はなしで、
こっちの都合にもいいので途中流局は全部親流れなしの連荘にします
ちょっと洗濯物干したり飯食ったりしたら投下します
アナウンスはしないんで最初のレスageで行きますね
最後12000じゃなくて16000じゃね?
>>203 ネットとかMJなんかの場を早く回したいところでは親流れるけど今調べたら日本プロ麻雀連盟では途中流局全般親流れないっぽい
>>204
マジだ…
トイトイが食い下がり1翻だと思ってた時代が私にもありました
じゃあそこだけ修正ってことでお願いします
>>205
返答サンクス
お礼に咲chanカワイイさせてあげよう
2時までには始めようと思います
飯食えてないけど
-部室-
久「では、明日からの合宿についての話をする――」
京太郎「なあ咲、機嫌を直してくれって。お願いだからさ…」
咲「つーん」(プイッ
久「なんで宮永さんはご機嫌斜めなの?」
和「文化祭の劇を見てから機嫌が悪いんですよ」
咲「あんなのシェイクスピアに対する冒涜だよ…」
まこ「なんぞ文学少女っぽい発言じゃの」
咲「それに京ちゃんとあんなこと…部長や染谷先輩や優希ちゃんがうらやましいよ…」
まこ「と思ったら別のことで怒っとったか」
京太郎「だから機嫌を直してくれよー…」
久「なるほど…じゃあ次は宮永さんも一緒にやりましょ?」
咲「…え?」
久「秋にもう1回やりましょう。春よりパワーアップさせてね」
京太郎「…俺はもうやりたくないんだが?」
久「それじゃあ意味がないでしょ?」
咲「部長…本当にもう1回やるんですか?…私も入って?」
久「この際だから麻雀部全員でやりましょう!」
和「え…私もですか?」
久「もちろんよ♪」
優希「それは面白そうだじぇ!」
咲「私も一緒にかぁ…」
まこ「にしても、今考えるとけったいな劇じゃったの…」
和「『リア王』を題材としたコメディチックな劇でしたよね?」
久「面白かった?」
和「面白さはともかく…王を称えて行進する場面はすごい迫力でした」
久「ああ、あれは確かにすごかったわね。私も最初見たときは驚いたわ」
京太郎「あの劇の後から道行く生徒が俺のこと王さまとか呼ぶようになったけどな」
咲「…ねえ京ちゃん…あの人たちってさ」
京太郎「気にするな咲、みんな楽しんでたからいいんだよ…俺以外な」
優希「私も参加して面白かったじょ」
咲「私はもやもやしてたよ…」
和「でも宮永さん。最初の時は笑ってませんでしたか?」
咲「それは…だって、京ちゃんや兵隊役の人がみんなあの仮面着けてたんだもん…」
優希「それは仕方ないじぇ…」
和「ああ、あのかっこいい仮面ですね」
京咲久優希まこ「「「「「!?」」」」」
和「どうしたんですか?」
久「和、あの仮面がかっこいいって本当?」
和「?…かっこよかったと思いますが」
まこ「それは本気で言っとるんか…」
優希「のどちゃん…」
京太郎「和、実は布教よ…あの仮面には余りがあるんだがいらないか?」
和「いいんですか?」
京太郎「余り物だけどな…それなりに量があるんだよ」
和「では一つ貰ってもよろしいですか?」
京太郎「いいぞ。今度持ってくるよ」
咲「原村さん…」
久「…はいはい!その話は置いといて、合宿の話をしましょう」
優希「おお!余りの衝撃に忘れてたじぇ」
京太郎「それもそうだな。ところで何を話すんだ?」
久「そうね…時間とかはもう決めてるから…合宿においての各個の問題点について話しましょうか」
・
・
・
咲「部長、…実は私PCとか持ってなくて…」
優希「えぇ~っ!」
京太郎「そういえばそうだったな」
久「そうなの?…じゃあとりあえず今日は部室のPCを使って特訓ね。京太郎、使い方を教えてあげて」
京太郎「わかった」
咲「よ、よろしくお願いします。京ちゃん」
京太郎「はいはい。任されましたよ。お姫様」
・
・
・
久「これで一通り終わったわね」
京太郎「なあ久。俺の特訓内容に触れてないみたいなんだが?」
久「ああ、そういえばそうだったわね。…あなたはただの基礎訓練よ」
京太郎「なんでまた基礎なんだ?」
久「あなたは前から感に頼りすぎなのよ。それに、対策されたらどうしようもないでしょ?」
京太郎「…否定はできないな」
久「でしょ?…だからなるべく実力のみで勝てるようにならないとね?」
京太郎「わかったよ」
久「あとは…そうだ、京太郎。頼みたいことがあるんだけど」
京太郎「?」
・
・
・
-翌日:朝:スーパー-
京太郎「まだ買うのかよー」
久「女の荷物は多いのよ?」
京太郎「…2日分の食材買いに来たんじゃなかったのか?」
久「そうよ?」
京太郎「にしては関係ない物が混ざってる気がする」
久「私の荷物に決まってるじゃない」
京太郎「…ちゃんと自分で払えよ?」
久「当たり前でしょ」
・
・
・
京太郎「ふう…これ付けてきて正解だったな。なかったら荷物積めなかったぞ?」
久「ご苦労様。…でも驚いたわ。あなたがバイクにサイドカー付けてくるんだもの」
京太郎「知らなかったっけ?」
久「ええ。しかもご丁寧にバイクと同じで、真っ白な車体に金色とかのラインが入ってるわね」
京太郎「そりゃ同じメーカー製で一緒に買ったからな」
久「何処のメーカーなの?」
京太郎「りゅ…コホン。…ちょっとしたオーダーメイドみたいなもんだよ」
久「ふーん…サイドカーだけじゃなくて、ETCにカーナビ、盗難防止もついてるのよね?」
京太郎「知り合い曰く『京太郎さん!聞いた話だと時代は全部乗せらしいですわよ!』とか言ってたな」
久「何それ?」
京太郎「知らね。…そういえば俺も聞きたいことがあるんだが」
久「何?」
京太郎「このままだと約束の時間に間に合わないと思うんだが」
久「えっ!?…これはヤバいわね…京太郎、私を乗せてってくれない?」
京太郎「いいけど…サイドカーに乗るなら2輪免許が必要だぞ?」
久「そうなの?…私スカートなんだけど?」
京太郎「本当はよくないけど…安心しろって。安全運転するし、お前もロングスカートにストッキングも穿いてるだろ?見えたりしないって」
久「…寒くない?」
京太郎「…もしかして前に乗ったとき寒かった?…なんなら上着も貸すぞ?」
久「そこまで寒くなかったわ。…私に上着を貸したとして、あなたは寒くないの?」
京太郎「まあ大丈夫だろ。じゃあ行くぞ?」
・
・
・
-昼-
優希「おはよーだじぇ!」
和「おはようございます。優希」
咲「おはよう優希ちゃん」
まこ「おはよーさん」
和「あといないのは部長と須賀先輩ですね」
咲「京ちゃんはともかく、部長が遅れるのは以外かな」
まこ「あー、2人は買出しとかでちと遅れるとか連絡があったわ」
和「買出しですか?」
まこ「そうそう、2日分の食料とかの買出しな」
和「なるほど…ですが間に合いますかね?」
まこ「大丈夫じゃろう。…ほれ、噂をすればなんとやらとな」
優希「何処だじぇ?」
まこ「ほれ、あそこのバイクがそうじゃ」
咲「ほんとだ!おーい、きょーちゃーん!」ブンブン
・
・
・
久「京太郎、ありがとね。…よければ降りるの手伝ってくれない?」
京太郎「よっと…ほらな、大丈夫だっただろ?」
久「そうね。…はい、上着返すわ」
京太郎「どーも。…よお皆、おはよう!」
久「一応時間には間に合ったけど、遅れて悪かったわね」
まこ「間に合ったんならええじゃろ。おはよーさん、先輩方」
咲「おはようございます部長、京ちゃんもおはよ」
和「おはようございます、そのバイクは…」
優希「おー!かっこいいじぇ!」
京太郎「そうだろうそうだろう。なんなら後ろに乗せてもいいんだぞ?」
優希「ホントか!?乗ってみたいじょ!」
和「もう、優希ったら…スカートで乗ったら見えてしまいますよ?」
咲「えっ!?…ねえ京ちゃん、私今まで見えてたのかな?」
和「宮永さん…まさか…」
京太郎「お前俺にくっ付いて乗るじゃねえか。見えてないから安心しろって」ポンポン
咲「ちょっとー、頭ポンポンしないでよー」
久「相変わらず仲がいいようだけど、そろそろバスの時間なんだから気をつけなさい?」
京太郎「おー、もうそんな時間かー。じゃあ俺は先に行こうかな」
優希「私は後ろに乗せてもらうじぇ!」
久「着いたら色々頼むわよ?」
京太郎「はいはい、ほら、ヘルメットな」ヒョイ
優希「おー!このゴーグルがなんかいかしてるじぇ」
京太郎「だろ?ほら、荷物もよこせ」
久「丁度いいから私の荷物も持って行っといて」
京太郎「はいはい…寒いといけないからコレも羽織っとけ」
優希「わかったじぇ」
咲(京ちゃんの上着…いいなー)ジー
和「宮永さん……先輩のバイクって、このウサギのステッカーとかかわいいのも付けてるんですね?」
京太郎「ああ、ころたんラビットのことか?かわいいだろ?…タンク以外に張ると違和感がすごいことになるけどな」
優希「そういえば駐輪場でこのバイク見たことがない気がするじぇ」
京太郎「そりゃ駐輪場には置いてないからな…それに部活があるときは歩いて通学してるし」
和「え?…まさか学校の規則をやぶってるんですか?…でも通学許可のシールは貼ってますよね…」
久「規則は守ってるのよ?ただこのバイクはとある事情で別の場所に止めてるのよ」
和「とある事情…ですか?」
まこ「そうそう、具体的には防犯ブザーのせいじゃな。お前さんらが入る前に先輩がやらかしたんじゃ」
咲「京ちゃん…本当に色々やらかしてるんだね…」
京太郎「一応言うけど、俺は悪くないからな?」
久「あの時はすごかったわね…教室と駐輪場に音が響き渡ってたわ…」
まこ「よくバイク通学禁止にならなかったもんじゃ…」
京太郎「それは否定できないけどさ……はい!この話終わり終わり!ほら優希、行くぞ?さっさと乗っとけ」
優希「はーい」
・
・
・
-合宿所-
京太郎「はい到着っと」
優希「速かったけどなんか物足りないじぇ」
京太郎「文句言うなって…タンデムだしサイドカーも付いてるからな。お前もスカートだったし、急いだら危険なんだぞ?」
優希「むー、じゃあ今度はサイドカー無しで乗せるじょ!」
京太郎「別にいいぞ。…ただし!その時はズボン穿けよ?お前に怪我させたら気分が悪いしな」
優希「仕方ない!そこまで言うなら聞いてやろう!」
京太郎「態度でかいなー…まあいいや。ほら、お前も荷物持つの手伝え」
優希「私はタコス以上に重い物は持ちたくないじぇ」
京太郎「自分のバッグくらい持ってけよ…」
・
・
・
優希「ふぃ~…疲れたじょ~」バタ
京太郎「お前結局自分のバッグしか運んでないだろ」
優希「まあいいじゃないか」
京太郎「よくねえよ!…じゃあ俺は夕飯の下ごしらえとかしてくるから、みんなが着いたら言っといてくれ」
優希「それって今やる必要があるのかー?」
京太郎「今やっておかないと食いたい時に食えなくなるぞ?」
優希「それは困るじぇ」
京太郎「そういうこと。…ああ、卓も後で持ってくるからそれまで適当に休んでてくれ」
優希「はーい」
京太郎「じゃあまた後でなー」
・
・
・
-大体1時間後-
京太郎「重い…娯楽室遠すぎだろ…そもそもで自動卓って何キロあると思ってんだ……よしっ、着いたっと」ガラッ
和「やめてくださいー!」
優希「先輩命令は絶対だじぇ!」
京太郎「卓持って来たぞーっと……えっ!?」
京太郎(なんか和が剥かれてる!?…ほぉ…眼福眼福…)
咲「見ちゃだめぇ!」ドゴォ
京太郎「ぐぇっ!…俺は悪くないだろ…」バタッ
・
・
・
京太郎「咲…お前本気で殴ることないだろ…」
咲「…ごめんね?」
京太郎「ごめんですむか!」
久「あはは!まぁまぁ、相応の対価とでも思いなさい?」
和「っ!」サッ
京太郎「だから俺悪くないだろ…」
まこ「そういえば先輩遅かったのぉ。何かあったんか?」
京太郎「下ごしらえに数分、びっくりするくらい汚れてた鉄板その他諸々の掃除に数十分、娯楽室から卓運ぶのに数十分。最後に咲のパンチで数分…」
咲「だからごめんってばー」
和「ご、ご苦労様です。先輩…」
優希「おつかれだじぇ」
京太郎「もうさっさと特打ち始めようぜ?…なんか疲れちまったよ」
久「そうね…その前に京太郎、あなたはお風呂に入ってきなさい。一度疲れを取ってからの方が捗るわよ?」
京太郎「…そうだな。お言葉に甘えてちょっと風呂でリフレッシュしてくるわ」
久「ああ、丁度いいから頼んでおいたノートPCも持ってきてくれない?」
まこ「浴衣にも着替えるとええ」
優希「ちょっとジュース買ってこーい」
和「ちょっと優希…」
咲「じゃあ私の分もお願いねー」
和「宮永さんまで…」
京太郎「前者2人はわかった。だが後者2人は許さん!特に咲!」グリグリ
咲「痛い!痛いよきょーちゃん!」
・
・
・
-更に数十分後-
優希「ダメだーッ!!…」
京太郎「うぉっ…なんかあったのかな?」ガラッ
優希「咲ちゃんはなぜか槓材持っててリンシャンで和了るし!ありえない!…のどちゃんはおっぱいでイカサマしてるし!」
和「してません…」
京太郎「ただいまー…なんかあったのか?」
優希「…京太郎先輩と打つと九種九牌で運を吸い取られるし…」
京太郎「?…ああ、言い忘れてたけどあれって別に運を吸い取るもんじゃねえぞ?ちゃんとデメリットもあるしな」
全員「…え?」
京太郎「まあ落ち込むなって…ほら、みんなの分の飲み物買ってきてやったぞ」
まこ「のお先輩。今聞き捨てならんことを聞いた気がするんじゃが…」
京太郎「ほら咲、お前の好きな熱々のお汁粉だぞー?美味しく頂いてくれよ。なあ?」
咲「ちょ、京ちゃん熱い!確かに好きだけどこの時期は熱いって!私が悪かったから許してよー」
和「…須賀先輩、宮永さんも謝ってることですしここはそろそろ許してあげてもよろしくては?」
京太郎「仕方ねーなー…許してやるよ。ただし、冷めてからでもいいからこのお汁粉飲めよ?」
咲「ぶー…わかったよー…」
京太郎「わかればよろしい。今後いきなり人を殴ったりするなよ?」
咲「そんなことするのは京ちゃんだけだもん…」ボソ
京太郎「なんか言ったか?」
咲「な、なんでもないよ!」
久「ねえ京太郎。さっきの話なんだけど…」
京太郎「ああ…ほら、ノートPCなら持ってきてやったぞ」
久「ありがと。…って、そうじゃなくて!さっきの話よ。あなた自分の力についてちゃんと理解できてたの?」
京太郎「ああ、そっちか…3月くらいに理解して、GWらへんでモノにしたってところかな?」
久「…どうして今まで言わなかったの?」
京太郎「言い忘れてた。てへっ」テヘペロ
久「…捕獲!」
京太郎「おいやめ…うわぁーっ!」
・
・
・
京太郎「すいませんでした」スマキ
久「わかればよろしい。…で?どんな力なのか説明しなさい」
京太郎「はい…まず今までのお前らの認識を説明するとこうなる」
―――――――――――――――
運気
+1 久「やったー。スイーツの無料券を貰ったわー」
-1 咲「胸がもうちょっと成長しないかなー」
0 優希「タコスー」
? 京太郎「ククク…」
↓九種九牌↓
運気
0 京太郎「食ったら太るぞ?」 久「くっ…」
-2 京太郎「無理だな」 咲「ぐすん…」
-1 京太郎「俺が食ったので売り切れだわ」 優希「だじぇー…」
?+3 京太郎「他人の不幸で飯がうまい!」
――――――――――――――――
京太郎「これが今までのにんし――痛い!熱い!蹴るな!缶を押し付けるな!」ゲシッペタッ
久「この悪意しかないチョイスは何?」ゲシッ
咲「気にしてるのに…酷いよ京ちゃん!」ペタ
優希「私のタコスを返すじぇ!」ゲシ
まこ「自業自得じゃの…」
和「そうですね…」
京太郎「わかった!止めろって!……はぁはぁ…でだ、次に実際はどうなっているかと言うとだな…」
――――――――――――――――――
場の流れ
+1 久「スイーツの無料券を貰ったわー」
-1 咲「ぐすん…道に迷っちゃったよー…」
0 優希「タコスー」
-1~+1 京太郎「戦いってのはフェアに行いたいもんだ」
↓九種九牌↓
場の流れ
0 久「あら残念。これ期限が切れてるわね…まあいっか」
0 咲「あ!やっとわかる場所に出たよー…早く帰ろっと」
0 優希「タコスー」
0 京太郎「これで仕切り直しだ。さあ、上げてこうか!」
――――――――――――――――――
京太郎「こんな感じ…つまりだ。俺がやっていることはただの場のリフレッシュだけであって、運を吸い取るとかそういうことじゃない」
まこ「なら先輩が九種九牌した後は大体調子がいいのはなんでじゃ?」
京太郎「他の面子が調子狂わされてる所に漬け込んでるだけだから」
和「話を聞くに、ただせせこましいだけですよね…」
久「なるほどね…でも京太郎」
京太郎「なんだ?」
久「なんで私が食い意地が張ってるみたいなのかしら?」
京太郎「偶然だ。…ちょっと痛いから蹴るな!」ゲシ
咲「私が道に迷ってるだけみたいなのは?」
京太郎「よくあることだろ?…熱い!熱いから引っ付けるな!」ピタ
和「…結局は九種九牌をスイッチと考えて、やる気の底上げをしてるだけじゃないですか。やる気は重要かもしれませんがもっと効率的な上げ方を推奨します」
まこ「和は頭が固いのぉ…思えば4月半ばにも部長に対して似たようなことやっとったが…」
久「そういえばそんなことあったわね…和、あの時も言ったでしょ?人にはそれぞれのやり方があるって」
和「う…確かにそんなこともありましたけど…」
咲「そんなことがあったんだ…」
優希「私も知らなかったじぇ」
まこ「まぁあの時はかっこつけてたようじゃが、2人とも屋根に寝転んでた京太郎先輩にパンツ見られて慌てとったな。あっはっはっは!」
京太郎「おい!お前実は俺のこときら――痛い!4人がかりで俺を痛めつけるな!」ゲシッバシッ
久「…ごほん。で?結局デメリットってのは何なの?」
京太郎「お前散々痛めつけといて何えらそうにしてんだよ…わかった!言うから!」
まこ「何故痛めつけられるとわかって口答えするんじゃ…」
咲「いつも一言多いんだよね…もしかしてわざとだったりする?」
優希「きっとマゾだじぇ」
和「あまり理解したくないですね…」
京太郎「お前ら…」
久「はぁ…ほら、早く言いなさいって」
京太郎「わかったよ…実はアレな、対局毎に1回しか使えない上に、使うとその対局中の打点が下がるらしいんだよ」
優希「打点?…よくわからないんだじぇ…」
京太郎「これに関しては俺もよくわかってないんだよな」
まこ「なんだそりゃ」
京太郎「…なんか九種九牌自体が和了り放棄らしくてさ。その時和了る可能性があったの打点に届かなくなるらしい」
久「なるほどね…つまり簡単にまとめると、打点を犠牲に和了り放棄して、場をプラマイゼロの状態に正すってことでいいのかしら?」
京太郎「まあそれでいいんじゃねえの?」
咲「京ちゃんってなんかわからないけどすごかったんだね?」
京太郎「でも所詮一時凌ぎみたいなもんだし、ここにいる面子だと優希にしか大した効果出てないんだよな…」
まこ「わらは流され易い性格しとるからの。わしと和は言わずもがな、部長は途中から流れを掴むタイプだしの…咲もそんなに関係なさそうじゃ」
優希「不公平だじぇ!」
久「まぁまぁ、でも京太郎はそれだけじゃないでしょ?…そろそろみんなに説明してもいいのかしら?」
京太郎「まあいいんじゃね?…俺の特訓にも関係あるしな」
咲「そうなの?」
久「そうなのよ。まあもう一つは打ち方の癖みたいなものなんだけどね―――」
・
・
・
和「……それで、ラッキーナンバーがドラや和了り牌になったり、他のラッキーパーソンが役に関係したりすると?」
まこ「そうじゃ、例えば花がラッキーのときは、嶺上を和了ったりとかの」
和「ただの偶然じゃないんですか?」
久「そうでもないのよねー…実際にナンバーを看破しただけで、少なくとも私とまこは京太郎に放銃しなくなるわよ?」
まこ「毎日変わるのが唯一の救いじゃな」
咲「それと京ちゃんの特訓になんの関係があるんですか?」
久「よくぞ聞いてくれたわね!京太郎の特訓は単純に一つ…そんな物に頼っていない昔の打ち方を思い出すこと。用はただの基礎訓練ね」
優希「今と昔でそんな違うのかー?」
まこ「間違いなく違う。去年の今頃ならちょっと運がいい麻雀暦1年相応の打ち手じゃったからな」
久「それに対して今は、運に身を任せたセオリー無視の打ち手よ?…まあ今の方が強いんだけどね」
京太郎「そして2つを使い分けることにより俺の強さが更にアップするということだ」ドヤ
咲「簀巻きのままで言われてもかっこよくないよ…」
和「そもそもで去年までの強さと、何故変わったのかがわからないんですが…」
京太郎「…県予選の個人戦で3位に喰らいつける程度には…」
咲「えっ!?それってすごいんじゃ…」
久「まあ最後の試合で役満直撃されて13位まで一気に落ちたけどね」
咲「京ちゃんかっこ悪い…」
まこ「そんで、その後色々あって、気づいたら今の打ち方に変わっとったわけじゃ」
優希「…うー…やっぱりズルいじぇー!…元から強かったのに更に強くなったとか意味わかんないじょ!」
京太郎「そういうわけでもないんだけどなー…」
優希「はぁ…私…麻雀向いてないのかな…」
久「そういうこと言って立ち止まっちゃうなら、向いてないかもね」
優希「えぇっ!?」
久「少し昔話をしましょう…2年前、私が部活に入ったばかりの頃なんだけど…」
まこ(何ぞ語りだした…)
久「その時の麻雀部はね、実質私しか部員がいない状態だったのよ?自動卓もないし、どれだけ勧誘しても断られてばっかだった」
京太郎「…懐かしいな」
久「IHに出たかったけど、私立に行くお金もなかった…でも諦めないで続けたからみんなに会うことができた」
優希「…」
久「立ち止まらずに一歩ずつでも進んでいけば、何か必ず違う景色が見えてくるわ」
優希「…うん」
久「だからめげたりしないで、前を見て今を楽しみなさい。…京太郎風に言うなら、青春を謳歌することね」
優希「…わかったじぇ!私はこれから絶対にめげないじょ!」
久「うんうん。やっぱりあなたは笑ってる顔が似合ってるわよ?」
和「優希、良かったですね……でも部長、個人戦なら出れたんではないんですか?」
久「個人戦には興味がなかったのよ」
咲「そうなんだ……あれ?…部長、京ちゃんが話に出てこなかったんですけど…」
まこ「わしもそれが気になっとった。確か1年の頃からの付き合いと聞いた記憶があるんじゃが?」
久「…京太郎のことが聞きたいの?なんなら武勇伝も含めて色々教えてあげてもいいわよ?」
京太郎「おい」
咲「是非!是非お願いします!京ちゃんがどんな高校生活を送ってたかとても気になります!」
京太郎「やめろ!…くそっ、いい加減この簀巻きから開放しやがれ!」ジタバタ
優希「おー!私も気になるじぇ!」
まこ「ご愁傷様。と言いつつわしも気になるのー」
京太郎「和、助けてくれ」
和「…すいません先輩。私の力では解決できそうにありません」
京太郎「せめて助けようとしてくれ…」
久「京太郎が入部したのは5月頃、ちょうど宮永さんの時と同じような日だったわ」
咲「私と同じ……同じかぁ…」
久「部室に居たら『なんかお前が辛気臭い顔してたから後をつけてみた』とか言って入ってきたのよ?」
まこ「それじゃただのストーカーじゃの」
久「それで話してたら雨が降ってきて、京太郎が帰っていったのよ。そしたら、『傘持ってないから雨宿りさせろ』とか言って夜まで居座ってたわ」
優希「中々に図々しいじぇ」
久「それでそのまま流れで入部することになったんだけど、ちょっと面白いことがあってね」
和「面白いことですか?」
久「私その時まで、ずっと京太郎の苗字がスガタだと思ってたのよ」
京太郎「ホント失礼な奴だったよな。お前」
久「だって、あなたクラスで自己紹介したとき思いっきり噛んでたんだもの」
咲「京ちゃん…」
久「それで、後日クラスのみんなに確認してみたら、京太郎の知り合い以外、みんなスガタだと思ってたのよ?笑っちゃうわよね?」
まこ「それはなんとも…」
久「それから色々あったわ…春祭じゃ数人組で例のマスクを『幸運を呼ぶマスク』として売ろうとしたところを捕まえたり」
和「何をやっているんですか…」
咲「流石にそれはダメだと思うよ?」
久「ちなみに翌年は加工して3Dマスク、日蝕マスクとして売り出してたわ…捕まえたときには日蝕マスクが売り切れてたわ…」
まこ「時期が時期だけあったからの…」
京太郎「需要と供給って大事だよな」
久「話がずれたわね…あと1年の時だと、個人戦1回戦敗退と夏休みが空けてからやたらやる気出して麻雀に力を入れ始めたことかしら?」
和「1年の時はいい結果が残せなかったんですね…」
優希「どうなんだ?おとなしく言うじぇ!」
京太郎「尋問かよ。…あとはバイク免許くらいじゃねえかな…」
久「ああ、それもあったわね。確かかわいい女の子に一番にタンデムさせる約束をしたのよね?」
咲「へぇ~…」グリグリ
京太郎「咲ちゃんやめて!お汁粉まだ温かいからやめて!」
久「まあどんな子かは知らないんだけどね?…ああ、1年の終わりならバイトも始めてたわ」
和「そういえば時々部活を休んでいますよね」
まこ「執事見習いとか言っとったか?何処にそんなバイトがあるんじゃ」
京太郎「お前の家だってメイド服着るだろ?」
咲「それはちょっと違う気が…」
久「そして2年生ね、4月にはまこも入って3人で切り盛りしてたわね…」
まこ「懐かしいのぉ」
久「春祭はさっき言ったわね。…結局あのマスクは何なの?」
咲「やっぱり…綺羅星十字団…だよね?」
まこ「綺羅…なんじゃって?」
優希「なんかかっこよさげな名前が聞こえた気がするじぇ」
和「…そうでしたか?」
久「宮永さんは知ってるのね?…教えてくれないかしら?」
咲「はい、中学時代の話になりますけど…部長の話が終わったらお話します」
京太郎「やめろー!これ以上俺をいじめるなー!」
咲「大丈夫だよ京ちゃん。みんな受け入れてくれるって!」
京太郎「そういう問題じゃねー!」
久「こほん…2度目の大会は本当に惜しかったと思うわ…それ以上に事件が重なりすぎて何とも言えなかったけど」
まこ「確かにあの時の先輩の落ち込みっぷりは傍から見ても酷かったもんじゃ…」
優希「どれだけ酷かったんだじょ?」
久「…言っていい?」
京太郎「別にいいよ、咲だってある程度は知ってることだし…過ぎたことだからな」
久「そう…大きく分けて京太郎の身に起きた不幸は4つ…かしら?」
京太郎「それでいいと思うぞ?」
久「そうね…まず1つ目と2つ目はありがちね。財布を落として中身を取られたのと、ケータイが壊れてデータが全部消滅したこと」
優希「財布は落とすのが悪いじぇ」
和「データが全消滅というのは確かに辛いですね」
まこ「まあこの2つが重なる時点でどこかおかしいんじゃがのー」
久「そして、3つ目は当時のバイクが盗難にあって、スクラップになって返ってきたこと」
京太郎「1日に同じ交番に2度も駆け込むとは思わなかったからな…免許とかを生徒手帳に入れといて良かったと思った瞬間だな」
優希「これでまだ1つ残ってるとか…」
和「すごい確立としか…」
久「最後に、これが一番ダメージ大きかったはずだけど、京太郎のペットのカピバラ?が死んじゃったのよ」
和優希「「…」」
咲「うん…あの時期の京ちゃんはとっても荒れてたよ…」
まこ「わしらも一通り知ったときは声がかけられんかったわ…」
久「いっつもペット自慢をしてたものね?…今も2世だっけ?その子の自慢してるけど…」
京太郎「別にいいだろ?カピバラかわいいじゃねえかよ」
咲「でも確か…いつの間にか元気になってた気がするんですけど、何かあったんですか?」
久「あったわ…クラスに数十人が押し寄せてきて、京太郎を連れ去っていったのよ」
まこ「学年もクラスもバラバラだったの、当時の1,2年だけじゃったがな」
咲「もしかして…それって春祭でマスク売ってたり、この前の劇の出演者だったりしませんでした?」
久「そういえばそうね…」
まこ「全員同じ中学の出身だった気もするのぉ」
久「まあ、それは後の楽しみにしましょう。…その次の日から元気を取り戻していったってわけ」
まこ「その頃から麻雀の打ち方が変わり始めとったな」
久「今みたいに占いも信じてなかった。変な力も持ってなかったし、安定もしてなかったわね」
和「今も安定してるとは言えない気がするんですが…」
優希「じゃあいつからなんだじょ?」
久「詳しくは知らないけど、夏休みが終わった頃には安定し始めてた気がするわね。実際はどうなの?」
京太郎「んー、そんなもんじゃね?大体お前の言う変な力と同時期だなー」
久「そう…次は…修学旅行があったわね。実は旅行中に台風が来たんだけど、その日は朝から京太郎が行方不明だったのよ」
和「…確か入学式の時にそんな話してましたね」
まこ「本当に何しとるんじゃろうな。この先輩は…」
久「次の日の夜に帰ってきて説教されてたわね。大体占いを気にし始めたのはその時期だった気がするわ」
まこ「まるでカルト教の自己啓発セミナーから帰ってきた人みたいじゃな」
咲「京ちゃん…そういうのはよくないよ?」
京太郎「ちげーって!それに実際良く当たるんだからいいじゃねえか」
久「まあそれもそうね。その甲斐もあってか、11月には打ち方に癖がついてたわ。ここらへんから強くなり始めたわね」
まこ「あとは…2月に今のバイクに乗り換えて例の事件が起きたくらいかの」
京太郎「おいおい、秋祭で久がまこにメイド服着させられた話があるだろ?」
久「そんなこともあったわね…まこ…あの時はよくもまあやってくれたわね…?」
まこ「なっ!?…あれは先輩がやらせたんじゃろ!」
京太郎「おいっ!それは言わない約束だろ!」
久「…そうなの?私初めて知ったわー。あらー、こんな所に丁度いい椅子があるわねー」ポス
京太郎「重いー」
久「失礼ね。女性に重いって言うのはマナー違反よ?」
京太郎「人1人分が上に乗れば重いのはあたりまえだろ?…というかいい加減解放してくれよ…」
久「宮永さんの話が終わったらね?」
咲「はい!…私話します!」
京太郎「マジでやめてー!」
久「はいはい、黙りなさいって」グルグル
京太郎「…もごー!」モゴモゴ
咲「えーと…聞いた話なんですが、そもそもの発端は京ちゃんが中学1年生の頃…5月とか言ってたかな?」
まこ「5年前かー、そんな歴史ある集団だったんか」
咲「ある女の子がいたんです。クラスにも馴染まずに、本ばっかり読んで、周りと特に話もしてなかったらしいです」
優希「実は咲ちゃんだったりするのか?」
和「その時の宮永さんはまだ小学生のはずですよ?」
咲「あはは…それでですね。京ちゃんが何を思ったか、その子がいじめられてるんじゃないかと勘違いしたらしいんですよ」
久「なんとも言えないわね」
咲「何を思ったのか『イジメなど許さん!この学校に革命を起こすぞ!』とか発起して、人を集めてグループを作ったんです。ヘッドとか名乗ってました」
久まこ和優希「「「「うわぁ…」」」」
京太郎「もご~!」グラグラ
咲「それが綺羅星十字団です。…でも、いざその子を前にして『俺に任せな!』とか言ったら、その子狼狽して京ちゃんを殴り飛ばしたらしいですよ?」
優希「ださいじょ…」
まこ「でも結構な人数に増えとったよな?」
咲「みんな多感な時期でしたから…それに実績もありましたし…」
久「ああ…」
和「では、あのマスクはなんなんですか?」
咲「団員の証みたいなもの…かな。誰かの祖父が工房をやってるらしくて、今でも色々作ってもらったりしてるらしいです」
久「だからみんな同じようなマスクを持っていたのね…」
咲「…話を戻しますね。その子もその事件の後は京ちゃんを含めて、色々な人と話すようになりました。私が京ちゃんと知り合ったのもその時期です」
和「どうやって知り合ったんですか?」
咲「…私とその子の仲が良かったの……よく3人で遊んだんだよ?」
久「それで、そのグループは実際にどんなことをやってたの?」
咲「えーと…イジメ防止や清掃ボランティアとか、色々やってましたよ?」
優希「中二病に目を瞑れば、いいことしてるんだじぇ」
まこ「それが致命的でもあるがの…ところで、その女の子は清澄にはおらんのか?仲が良かったんじゃろ?」
咲「…その女の子は家庭の事情で私が入学する前に転校してしまったんです…」
久「なるほどね…」
咲「私も京ちゃんも喧嘩別れみたいになっちゃって、色々大変だったなぁ…」
和(まさか…)
咲「その時の京ちゃんが『何が綺羅星だよ馬鹿馬鹿しい!』ってマスクを叩きつけて壊しちゃったらしくて、グループから浮いちゃったらしいですよ?」
まこ「ついに中二病から脱出したんか」
優希「自分の過ちに気づいたんだじょ」
久「浮いたわりには、みんなに慕われてたみたいだったけど…?」
咲「それは…実は京ちゃんが大阪に修学旅行に行ったときに、人を助けて事故に遭ったんですけど…」
まこ「またすごい展開になったもんじゃの」
久「その事故のレベルにもよるけどね…」
咲「確か…車に撥ねられて意識不明の重体だったらしいです…私も後から知ってすごいショックだったから覚えてます」
優希「思ったより酷かったじょ」
和「後遺症とかはなかったんですか?」
咲「そういうのはないって聞いたけど…胸には大きな傷が残ってるはずだよ?」
久「へぇ…そうなの京太郎?…京太郎?」
京太郎「…」
まこ「…これは窒息しかけてるんじゃないかの?」
咲「えっ!?ちょっと京ちゃん大丈夫!?」パサッ
京太郎「ぷはっ。…はぁはぁ…危うく酸欠になるところだった…」
久「ごめんね?…ちょっと絞めすぎたかしら」
京太郎「ちょっとってレベルじゃねえよ!それより、いい加減俺を自由にしろって!」
まこ「今放したら続きが聞けなくなるしのぉ」
咲「怒りそうだし…」
京太郎「いや縛った時点で怒ってるぞ?…もう話していいからこれ解いてくれって」
久「相変わらず宮永さんには甘いのね?…はい、これで抜け出せるでしょ?」
京太郎「はぁ…やっと自由になったわ…」パサ
全員「!」
京太郎「なんだよ…」
久「浴衣はだけてるわよ?」
まこ「確かにすごい傷じゃの」
優希「ちょっとかっこいいじぇ」
和「痛そうですよ…」
京太郎「あんま見んなって……よし、これでいいだろ?」ジャラ
咲「…京ちゃん。そのペンダントちゃんと着けてるんだ」
京太郎「そりゃ宝物だからな。常に持ち歩いてるぞ?」
久「アクセサリは校則違反よ?…そんなに大事なものなの?」
咲「私と京ちゃんとさっきの話の子。3人のお揃いなんです。…写真もあの時のままだったりする?」
京太郎「おう。ほら、咲がまだ俺の事をお兄ちゃんと呼んでた時期のままだぞ?」パカ
優希「面白そうだじぇ!見せるじょ!」
和「わ、私にも見せてください!…これが宮永さん…かわいいですね…」
まこ「先輩もまだまだガキっぽいのぉ」
久「そしてこの子が噂の子ね…ふーん…かわいい子じゃない?」
京太郎「性格は悪かったと思うけどな」
咲「そんなことはなかったと思うよ?」
久「それで?事故に遭った後はどうなったの?」
まこ「まだ聞くんか…」
優希「どうせなら最後まで話すじぇ」
咲「…いいかな?」
京太郎「はぁ…じゃあ俺から話すよ…」ポンポン
咲「うー…頭叩かないでよー…」
京太郎「…長い間入院して、退院して学校に行ったときはすごかったんだぞ」
咲「団員みんなが京ちゃんの事を崇拝してたよね」
京太郎「気づいたらマスクが今の奴にパワーアップしてたし、咲にも泣きつかれたな」
咲「そ、そういうのは言うもんじゃないと思うな!」
久「あー、だから京太郎のマスクだけなんか豪華だったのね」
京太郎「それからは…まあ、学校みんなが楽しめるように努力したかなぁ」
咲「あだ名がヘッドからキングに変わってたよね?」
京太郎「なんだ…仕返しか?」
咲「生徒会も乗っ取ってたし…グループの目的も『学校みんな友達だから楽しもう』みたいな感じに変わってたよ」
久「乗っ取り?…そういえば議会にもその団員とやらが数人混じってたような…」
まこ「来年には乗っ取られとるかも知れんの?」
和「そんな軽いノリでいいんでしょうか…」
京太郎「実際にはボランティアとかしてただけだぞ?」
咲「規模がすごかったけどね…その時には全学年全クラスに団員がいたし…」
優希「学校を支配してたんだな!」
京太郎「なあ咲、そういえば俺が卒業してからはどうなってんだ?」
咲「安定して増えてるよ?生徒会長がヘッドになるのも変わってないし…」
京太郎「やっぱりキングは名誉勲章扱いなのか…」
咲「あっ!卒業式に壇上で『綺羅星!』ってするのも京ちゃんの代から変わってないかな」
まこ「なんじゃその『綺羅星!』ってのは」
咲「えぇと…こうやってポーズを決めながら『綺羅星!』って挨拶するんです」テレテレ
京太郎「照れるならするなって…」
和(照れてる宮永さんもかわいいですね)
久「…ださ…」
優希「ダサいじょ」
京太郎「…はい!この話終わり!…さっさと特打ち再開するぞ!」
まこ「逃げたの…」
和「ネーミングセンス以外は中々だと思いますけど…」ボソ
京太郎「?」
・
・
・
京太郎「よしっ」
久「京太郎。九種九牌とかは禁止よ?」
京太郎「そうだった…癖がついちまってんだよなー」
まこ「それを直すための特訓じゃ」
久「それにしても九種九牌っていちいち言うのも面倒くさいわね」
京太郎「俺は宣言で言うから慣れた」
まこ「丁度ええからなんぞ名前でも付けてみたらどうじゃ?」
久「そうね…なんて名前にしようかしら…」
京太郎「おい、俺の意見はどうした?」
久「…『革命』なんてどうかしら?ふふっ」クスッ
優希「俺はこの学校に革命を起こす!だじぇ」ドヤッ
京太郎「おい」
優希「綺羅星!」ドヤヤッ
京太郎「ゆーうーきー」グリグリ
優希「ふぃ、ふぃじふぇひゃど…」グリグリ
まこ「なるほどのぉ…場の流れが気に入らんから、点を犠牲にしてでも場を正す。…確かに革命っぽいかもしれん…」
京太郎「やめて!これ以上傷を抉らないで!」
久「冗談よ。流石に九種九牌ぐらいで面倒くさがったりしないわ」
京太郎「はぁ…まったく…」
優希「何が綺羅星だよ馬鹿馬鹿しい!」ドヤヤヤッ
京太郎「ゆーうーきー…」
ポーン♪
咲「ふぇっ!?…京ちゃーん。なんか画面に出たんだけどどうすればいいのー?」
京太郎「どんなんだ?」
咲「えーと…『GW特別企画の動画がついにアップ!』って書いてるよー」
和「…それはポップアップですね…私もこのネット麻雀を利用してますので操作を教えてあげましょうか?」
咲「うん。お願いします…『打点王:空気が読めないアラフォープロ。失点王・連荘王は【京たろー】がダブル受賞』って書いてるけど…これどんな企画だったの?」
和「残念ながら私はその日に用事があったので、よく知らないんです」
京太郎「ふーん…多分その動画長いから見ないで特訓した方がいいと思うぞ?」
咲「そうなの?…でもこの名場面集ってのはちょっと気になるよ…」
久「あー、あるある。そんな風に広告されると気になるのよねー」
まこ「ミーハーじゃのう」
和「今は特訓に集中しましょう。動画は残るようですし、合宿が終わってから見ることにしませんか?」
咲「そうだね…今は特訓だよね!…原村さーん、ログインってどうやるんだっけ?」
和「はぁ……そこはですね…」
久「…良かったわね?」ボソ
京太郎「なんのことだか」
優希まこ「「?」」
・
・
・
-夜:夕食中-
京太郎「優希!それは俺の肉だ、返せ!」
優希「早いもん勝ちだじぇ!」
まこ「こら!わしの分まで取っていくな!」
久「あなた達…野菜もちゃんと食べなさいね?」
咲「京ちゃんったら…そんなに欲張らなくってもまだいっぱい残ってるよ?」
和「優希もですよ?」
京太郎「俺が用意したんだぞ?そりゃあ欲張りもするさ」
優希「先輩ご苦労!この肉は私が美味しくいただいてやるじぇ!」
久「2人とも元気ねー」
京太郎「…おい久…お前はなんで高い肉ばっかり食ってるのか聞いていいか?」ジロ
久「な、なんのことかしら?」
まこ「なんじゃと!?…わしにもその肉よこせ!」
久「あっ!…こらまこ!あなたよくもやってくれたわね」
咲「あはは…増えちゃったけどどうしようか?」
和「私達は平和にいただきましょう」
優希「お~。この肉、他のとは味が違うじぇ…」
京太郎「ああ、それは俺が丹精こめて味付けした肉だな。……うん、我ながら良くできてる」
久「ちょっと、私にも食べさせなさい!」
まこ「わしもじゃ!」
咲「うん…こういうご飯も美味しいね?原村さん」
和「そうですね」
・
・
・
京太郎「ふぃ~…食った食った」ポンポン
優希「お腹いっぱいだじょ…」
まこ「あんたらは食いすぎじゃ…」
久「まあいいじゃない。私達は片付けでもしてましょ?」
和「そうですね」
咲「用意は京ちゃんに任せっきりだったもんね」
京太郎「おー、頼んだー」
優希「あとは任せたじぇー」
和「優希、あなたは何もしてないでしょ?」
優希「私に片付けを任せてみろ…どうなっても知らんじぇ…」
まこ「あながち否定もできんな」
咲「部長、この鉄板はどうしましょう?」
久「まだ熱いから後回しにしましょう」
京太郎「あー、熱が引いたら俺が片付けとくよ」
久「そう?じゃあ任せるわ」
咲「えっ、でも悪いよ…」
京太郎「大丈夫だって。お前らは食い終わったらゆっくり風呂にでも入って来い」
久「まあ京太郎もこう言ってるしいいじゃない?」
咲「はい…お願いね?」
京太郎「そう遠慮すんなって」
久「…そうだ!…ねえ京太郎?」
京太郎「なんだ?」
久「ご褒美として露天風呂に入る許可をあげましょう」
咲「えぇ!?…そんなぁ…京ちゃんと一緒にお風呂なんてぇ…」ポッ
和「部長!流石にそれはどうかと思います!」
久「あなた達…一緒に入るなんて一言も言ってないでしょ?」
咲和「「えっ?」」
まこ「当たり前じゃ…第一ここの露天は時間交代制じゃぞ?」
優希「そうなのか先輩?」
京太郎「そうだぞ?俺は普通の風呂だけでも良かったんだが…」
久「せっかくの絶景なんだからあなたも楽しみなさい?…10時からでいいかしら?」
京太郎「そこまで言うなら…10時ね…それでいいと思うぞ」
久「なら決定ね。…と言ってもその時間ならみんな寝てると思うからゆっくりしなさい?」
京太郎「はいはい」
・
・
・
-夜:露天風呂-
ガラッ
京太郎「…おー…確かにこれはいい景色だ…」
・
・
・
京太郎「体は洗った。よし、かけ湯よし!…誰もいないよな?」キョロキョロ
京太郎「よしっ!ヒャッハー!」ドボーン
京太郎「ぷはっ。…いやぁ…誰もいないっていいねぇ…」
京太郎「……まったく…久も咲も人の過去を詮索するとか酷いことしやがるもんだぜ…」
?「あら、それは悪かったわね?」
京太郎「ホントだよ。俺にだって人に話したくない過去が腐るほどあるんだぞ?」
?「でもいいじゃない。少なくとも私は所々隠して話したつもりよ?」
京太郎「それでもだ。人に話していいことじゃねえよ」
?「…ごめんなさい。みんな大事な仲間って言ってたから知ってもらっても大丈夫かと思ってたわ…」
京太郎「…まあいいんだけどさ………!?だ、誰だ!?」
久「いや気づきなさいよ?」
京太郎「はぁっ!?…な、ななな、何でお前がここにいるんだ!?…いつからだ!」
久「あなたが来る前からよ?」
京太郎「な!?待て!こっち見るな!隠すから!」
久「はいはい…」
京太郎「…よしっ」
久「向いてもいいかしら?……ふふっ…本当にすごい傷ね?…痛くないの?」
京太郎「ああ、もう痛くはないぞ?…って!違う!なんでお前がここにいるんだよ!?」
久「いいじゃないの?ほら、悪いことしたし…サービスよサービス」
京太郎「くっ…いやいや!…お前はそんなことするタイプじゃねえだろ?…何が目的だ?」
久「あら残念…実はあなたとちょっと話がしたかったのよ」
京太郎「それはいいけど…別にここじゃなくていいだろうに…」
久「誰にも邪魔されたくなかったのよ……と言っても、みんなもう寝てるけどね?」
京太郎「だろうな……はぁ…で?何の用だ?」
久「そうね…じゃあまずは今度の地区予選の話でもしましょうか」
京太郎「ふーん…俺なら負けないぞ?」
久「そうね。私はあなたを信じてるもの。…でも大丈夫?今回は前回1位の弟も出てくるんでしょ?」
京太郎「何の問題もないな。…俺は勝つよ」
久「そう…じゃあ本題に入りましょうか」
京太郎「何だ?」
久「まず1つ…京太郎、あなた今度の大会は能力なしで勝ち上がりなさい」
京太郎「えー…」
久「全国に行くんでしょ?…なら極力隠しておくべきよ」
京太郎「そんなに甘くはないと思うけどなー」
久「前回は自力のみで3位だったじゃない。なら大丈夫よ」
京太郎「…そのための特訓か?」
久「そう、あなただからこそ必要なのよ?」
京太郎「…わかった。できるだけ使わないようにするよ」
久「できるだけね…まあいいわ。…勝ちなさいね?」
京太郎「当たり前だろ?お前らも勝てよ?」
岩手、大阪、龍門渕……京ちゃん交友範囲広いな。
大阪は誰を助けたのだろうか。
岩手はエイスリンが確定してるけど、あそこ全員三年だからなー。
久「もちろんよ。…そして2つめなんだけど…」
京太郎「なんだ?そんなに言いにくいことなのか?」
久「ええ…じゃあ聞くけど…あなたと龍門渕との関係を聞いてもいいかしら?」
京太郎「…な、なんのことか俺にはわからないなー」
久「とぼけないでいいのよ?…去年のIH、あなた龍門渕に付いていったでしょ?…それにあのバイクだって龍門渕ブランドだったし」
京太郎「…はぁ……バイト先だよ。執事見習いしてるって言ったろ?…バイクの時も世話になったけどな…」
久「そう…じゃあレギュラーと麻雀を打ったことはある?」
京太郎「ある。…みんな強いよ」
久「それは知ってるわ。…私達は勝てそう?」
京太郎「勝つんだろ?」
久「ふふ…そうね♪…アドバイスとかはしてくれないのかしら?」
京太郎「しない。…フェアじゃねえからな…それに友達を裏切るみたいで気分が悪い」
久「ふふっ…あなたならそう言うと思ったわ♪」
京太郎「じゃあ聞くなっての…」
久「いいじゃないの」
京太郎「…ったく…お前も性格悪くなったなー」
久「酷い言い草ね?」
京太郎「昔はもっと素直だったからな……ああ、そういえば俺もお前に聞きたいことがあったな」
久「何?…タオルの下でも見たいの?」
京太郎「ばっ!……それはそれで気になるけどさ…」
久「なら見せてもいいのよ?……ほら」パサッ
京太郎「はぁっ!?」
>>233
交友が広いだけでヒロインとは限らないですけどね
久「ざーんねん。下は水着でした~」
京太郎「…男の純情を弄びやがって…」
久「まあいいじゃないの。私の水着が見られるってだけで学校中から羨ましがられるわよ?」
京太郎「言ってろ」
久「つれないわね?…ところで何を聞きたいの?」
京太郎「あー、思い出したんだけどさ…1年の頃さー」
久「ずいぶんと前の話ね」
京太郎「お前苗字で呼ばれること嫌がってたよな?…我先に委員長になったりとか、入部したときに俺に名前で呼ばせたりさ」
久「…」
京太郎「何でだ?」
久「そうね…あなたになら言ってもいいかなー」
京太郎「そうか?…言いづらいことだったらいいんだけど」
久「いいのよ。……私の家族ね…中学3年の頃に離婚したのよ。私は母親に引き取られてね?」
京太郎「そうか…」
久「そのせいで、IMも途中で棄権したし、苗字も変えて、進学も清澄に変えたわ…別に母さんの事を嫌ってるわけじゃないのよ?」
京太郎「じゃあなんで苗字で呼ばれるのを嫌がったんだ?」
久「それは簡単。いきなり苗字変えたら慣れないでしょ?」
京太郎「なんだそりゃ」
久「だって中学でも上埜って呼ばれてたのに、急に竹井に変わったのよ?」
京太郎「上埜ね…それが昔の苗字か?」
久「そうよ。竹井は母方の姓ね」
京太郎「ふーん…じゃあ今呼ばれたらどうなんだ?」
久「今はもう慣れたわよ?…とは言っても会長としか呼ばれないのよねー」
京太郎「そりゃ仕方ないな。あっはっは」
久「でしょ?ふふっ」
京久「「ははは!」」
久「…ねえ京太郎」
京太郎「なんだ?」
久「私ね…あなたに前から言いたいことがあったのよ」
京太郎「前から?」
久「そう、前からね…とても大事な話なんだけど…聞いてくれる?」
京太郎「んー…ダメ!」
久「えっ!?…どうしてよ?」
京太郎「そんな大事な話だってんなら、時と場所を選んでから話そうぜ?」
久「…例えば?」
京太郎「地区予選優勝…なんてのはどうだ?」
久「…ふふっ…それはいいわね…もし負けたらどうするつもりなの?」
京太郎「考えてないな…どうせ負けないんだろ?」
久「そうね♪…じゃあそうしましょうか」
京太郎「おう……そういえば俺もお前に言ってやろうと思ってたことがあったな」
久「そう?…私だけ地区優勝なんて条件つけたんだからあなただって条件をつけなさい?」
京太郎「いいだろう。どんな条件だ?」
久「そうね…じゃあ全国で1番になる。なんてどうかしら?」
京太郎「ハードル高いな!…いいだろう。そっちがその気ならお前も全国優勝まで伸ばしてやる!」
久「望むところよ!なんせ優勝は私達に決まってるもの♪」
京太郎「よく言った!その言葉ちゃんと覚えとけよ?」
久「あなたこそね?」
京久「「…あっはっは」」
京太郎「何やってんだろうな。俺ら」
久「まったくね」
京太郎「そろそろ出ようぜ?…とりあえずお前が先にな?」
久「そうね……ねえ京太郎。アレは持ってきてるの?」
京太郎「あー…一応持ってきてるぞ?」
久「そう…じゃあ久々に2人でやらない?」
京太郎「おいおい…明日も特訓だろ…寝不足になるぞ?」
久「大丈夫よ。…多分」
京太郎「多分かよ」
久「い・い・の!…じゃあ先に出てあなたの部屋で待ってるわ」
京太郎「はいはい…」
・
・
・
なんという釣り会話。つっ、釣られたりしないんだからね!(咲ちゃんが)
咲「うーん…おしっこ…」モゾモゾ
咲「なんで部屋におトイレないんだろ~…」ガラ
和「…?…宮永さん?」ボソッ
咲「原村さん?…ごめんね。起こしちゃった?」ボソ
和「大丈夫ですよ。…どうかしたんですか?」ボソ
咲「うん…ちょっとトイレに行きたくなっちゃって…」ボソ
和「そうですか…場所はわかりますか?」ボソ
咲「一応わかるけど…外暗いね…」ボソ
和「ふふっ…ついて行きましょうか?」ボソ
咲「…お願いしてもいいかな?」ボソ
和「大丈夫ですよ。…では行きましょう」ピシャ
まこ「…ん~?…トイレかなんかかのぉ?」ゴシゴシ
優希「zzz」
まこ「こいつはよぉ寝とるわ…久はどんな顔して寝とるんかのぉ…」ゴソゴソ
まこ「?…おらん…何処かにいっとるんか?」
優希「タコス~…zzz」
・
・
・
>>240
咲ちゃんだけが釣られると思ったか?
咲「…付き合ってくれてありがとね?」
和「構いませんよ…早く戻りましょう」
咲「うん……あれ?…なんか声が聞こえる…」
?「ほら、これでどうだ!」
?「そんな…ずるいわよ?」
和「ここは…確か須賀先輩の部屋ですね」
咲「もう1人は部長かな?」
京太郎「じゃあやってもらおうか?」
久「仕方ないわね…」
咲「何してるんだろ?」
和「さあ…」
久「随分と硬いのね?…これは大変そう…」
京太郎「お前がいつも無茶させるからな…やりがいがあるだろ?」
久「まったくね……こんな感じかしら?」
京太郎「痛っ!…もうちょっと優しくしてくれ」
和「!?」
久「ごめんね?……これでどうかしら?」
京太郎「っ…いい感じだ…強いて言うならもうちょっと緩急をつけてくれ…」
咲「えっ?…えっ?」
久「注文が多いのね?……どう?」
京太郎「あー…気持ちいいぞ?」
咲和「「!?」」
久「……ふぅ…あなたは気持ちいいかもしれないけど、私は疲れるのよ?」
京太郎「そういう約束だったろ?」
咲「ちょっ…何を―――」ガシッ
和「み、宮永さん!…ここは様子を見ましょう!」ボソボソ
咲「だって京ちゃんと部長が!」ボソボソ
和「いいから!ばれると厄介ですよ!?」ボソ
咲「は、はい…(そんなに顔真っ赤にして言われても困るよ………京ちゃん…)」
和(ま、まさか部長と須賀先輩がこんな関係だったなんて…こ、これはあくまで部員として先輩方を心配してですね…)
久「…はい。…これで次は私の番ね?」
京太郎「仕方ねーな…ほら、さっさと布団に寝ろよ」
咲「ふ、布団に!?」
和「ど、どうなるんでしょうか…」ポッ
咲「原村さん…実は楽しんでない?」アキレ
和「そ、そんなことありませんよ?…これも後輩としての義務です」キリッ
咲「えぇ…」
京太郎「お前はやわらかいなー」
久「これでも肩はこるのよ?…議会とかで忙しいもの」
京太郎「肩ねぇ…胸も和より小さいのにこるもんなのか?」
和「大きくても肩がこるだけです…」
咲「いいなぁ…」ジー
久「平均サイズだって言ったでしょ?…ほら、早く揉みなさい」
京太郎「はいはい…」
咲「揉む!?…ねえ原村さん。揉んだら大きくなるのかな?」
和「それはデマらしいですよ?…男性に揉まれたら女性ホルモンが出て大きくなるのかも知れませんけど…」
咲「そうなの?…京ちゃん…私の胸も大きくしてくれないかな…」ポケー
和「み、宮永さん…ちょっと冷静になってください…」
京太郎「ほら…どうだ?…気持ちいいか?」
久「んっ…はぁっ…いいわよ~…もっと揉んでくれない?」
京太郎「お任せあれ」
久「あっ…んぅ…変な声でちゃう…」
和「こ、これは…」ドキドキ
京太郎「ならこれでどうだ?」
久「ひぃあっ。そこは反則!…声出ちゃうからやめてって!…ひぅっ」
咲「ど、何処なの!?…何をしてるの京ちゃん!」ボソ
和「宮永さん、声を抑えてください」ボソボソ
まこ「お前さんらは何をしとるんじゃ?」
咲和「「!?」」
まこ「ここは京太郎先輩の部屋じゃろ…何を―もごっ」バッ
咲「そ、染谷先輩。静かにしてください」ボソ
和「そうですよ!今いいところなんですから!」ボソ
まこ「もごぉ……ぷはっ…何の話じゃ…」ボソ
京太郎「じゃあここからが本番だな」
久「ええ。でもさっきみたいにはいかないわよ?」
咲和「「ほ、本番…」」ゴクリ
まこ「なんじゃ…部長と須賀先輩が一緒にいんのか?」
京太郎「…うぉっ。久…それはちょっとはえーんじゃねーのか?」
久「…しょうがないじゃない。きちゃったんだもの…」
咲「な、何がきちゃったんですか…」
和「そ、それはもう…きっと…」
まこ「?…2人は何をしとるんじゃ?」
咲和「「黙って聞いててください」」
まこ「お、おう…」
京太郎「ふふっ…じゃあ今回はちょっと激しく行くぞ?」
久「ええ…来て…」
咲和「「」」ゴクリ
久「…いたっ…ちょっと京太郎…痛いわ…」
京太郎「あー、悪い。…久々だったしちょっと力入れちまった…落ち着くまで待とうか?」
咲「い、痛いって…しかも久々だって言ってた…」
和「やっぱり痛いものなんでしょうか…」
まこ(まさか…)
久「お願い………もういいわよ?」
京太郎「じゃあ行くぞ?……どうだ?」
久「んっ…気持ちいいわ…昔と比べるとうまくなったものね?」
京太郎「ばーか。俺を誰だと思ってやがるってんだ」
久「そうね…でも本当に久々ね…んっ…1年生組が入ってからやってないもの」
京太郎「そうだな…2年の時は、たまにやってたのにな?」
まこ(1年が入ってからやってないとな…)
久「そうね…でも1年の頃は毎日のようにやってたじゃないの?」
咲「ま、毎日!?」
京太郎「そうだな…部室を片付けて…ベッドを持ち込んでからだったな…」
和「ま、まさか部室にベッドがあるのはそんな理由が…」
まこ「ふーむ…まさかあれかのぉ…」
咲「何か知ってるんですか染谷先輩!?」
まこ「用事で部活に出れんことがあったときに、ちと部室に寄ったことがあってのぉ…確かその時に…」
和「そ、それより…私を含め皆さんあのベッドでたまに寝てるじゃないですか!?」
咲「ふぇっ!?…もう恥ずかしくて使えないよー…」
まこ「?…お主ら何勘違いを…」
京太郎「これで終わりっと」
久「そう?…じゃあ続きをしましょうか?」
咲和「「2回戦!?」」
咲「そんな…激しすぎるよ…」
和「すごいタフネスですね…」
まこ「ははぁ…お前さんらもしかして……なんなら覗いてみるか?」
咲「そ、それは!…見たいですけど!…見たくないです…」
和「そ、そうですよ!?…流石にそこまではよくないですよ?」
まこ「盗み聞きしとりゃ同罪じゃって…開けるぞ?」ガラッ
咲和「「!?」」
まこ「こら!こんな時間に何をやっとるんじゃ!」
京久「「!?」」
咲「こ、こんな時間だからじゃないかな?」ドキドキ
和「そ、そうですよ?…朝っぱらからされても困りますって…」ドキドキ
京太郎「何って…2人麻雀だけど?」
久「もうこんな時間?…ちょっと熱中しすぎたわね…」
咲和「「へっ?」」
まこ「おやぁ~…お主ら何と勘違いしとったんじゃ?」ニヤッ
咲「えっ!?で、でもさっきなんか気持ち良さそうな声とかして…」
和「そ、そうですよ!…本当に麻雀だけなんですか!?」
京太郎「気持ち良さそう…ああ、和了られたらマッサージって条件は付けてたな」
久「なるほど…そうねぇ…1年の頃からやってるものね?」ニヤッ
咲「で、でも…卓は私達の部屋に置いたままですよね!?」
京太郎「牌とシートなら持ってきてたからな」
まこ「懐かしいのぉ…わしが入ったときに先輩が貰ってったもんじゃな」
久「そうね…まこの家のいらなくなった自動卓を貰う前に使ってたものだもの」
和「な…なんでそんなものが今ここにあるんですか!?」
京太郎「そりゃ持ってきてるからだろ?」
久「そうよねぇ…2人は何でそんなに慌ててるのかしらねぇ?」ニヤニヤ
まこ「まったくじゃ」ニヤニヤ
京太郎「そういえばそうだな。…なんでだ?」
和「し、知りません!…宮永さん!部屋に戻って寝ましょう!?」ドタドタ
咲「そ、そうだね原村さん!いこっ!?………よかったぁ」タッタッタ
京太郎「あいつらなんで怒ってんだ?」
久まこ「「さあ?」」ニヤニヤ
まこ「…じゃあわしも戻って寝るとするかの」
久「私も戻りましょうかね」
京太郎「そうか…おやすみ」
まこ「おやすみなさいじゃ。先輩」
久「おやすみ。京太郎」
京太郎「……さて、俺も寝るかな…」
・
・
・
-翌日:朝-
京太郎「おはよう。お前らがランニングしてる間に飯作っといたぞ?」
久「ありがとね」
優希「よくぞやってくれたじょ」
まこ「一応先輩なんじゃからもっと敬っとけ」ポス
咲「お、おはよー…疲れた…」ハァハァ
和「な、何でランニングしなきゃいけないんでしょうか…」ハァハァ
京太郎「お前ら体力ないな?」
久「それに咲も和も寝不足だものね~?」
咲和「「それは部長のせいです!」」
京太郎「ん?いつから名前で呼ぶようになったんだ?」
久「昨日の夜からよ?」
まこ「まったく面白かったのぉ」ケラケラ
優希「何があったんだじょ?私も混ぜるじぇ!」
和「優希は知らなくていいです!」
咲「そ、そうだよ!世の中知らなくていいことがいっぱいあるんだよ!」
優希「じょ?」
京太郎「まあまあ…飯でも食ってゆっくりしようぜ」
・
・
・
久「やっぱり美味しいわね…ご飯任せっぱなしで悪いわね?」
京太郎「好きでやってるんだ。構わないよ」
まこ「しかし…先輩といると女としての威厳が無くなってくる気がする…」
咲「うぅ…美味しいけど複雑だよ…」
和「…ならば昼は私達が作りませんか?」
久「それもそうね。…京太郎、それでいい?」
京太郎「俺は構わないけど…いいのか?」
咲「京ちゃんだけにご飯を任せるなんて悪いよ!」
まこ「そうじゃって」
優希「じゃあみんなよろしく頼むじょ」
和「優希…あなたも料理くらい作れるようにならないと困りますよ?」
優希「私食べる人!だじぇ」
久「前途多難ね…」
・
・
・
和「しかし…昨日は部長にまんまと嵌められました…」
久「私は別に悪くないでしょ?」
咲「でも酷いです!昨日だって寝るまで色々とからかったりして!」
まこ「まあ勘違いしたお主らが悪いが…アレはやりすぎかもしれんのぉ」
京太郎「なんだ?久をギャフンと言わせたいのか?」
咲「何かあるの?」
京太郎「あー、丁度いいものがあるな」
久「えっ?」
京太郎「俺も昨日色々暴露されたしなー…これはお返しするしかないなー」
優希「おお!なんか面白そうだじぇ!」
久「ふ、ふんっ。どうせ大したものじゃないんでしょう?」
京太郎「そうでもないぞ?…なんならお前にも見せてやるよ」
まこ「そりゃあ楽しみじゃのぉ」
久「そこまで言うならやってみなさい?受けて立ってあげるわ」
京太郎「言ったな?…咲、ノートPCを持ってきてくれ」
咲「うん、わかった………はい。持ってきたよ?」
和「それに何かあるんですか?」
京太郎「ああ。…ちょっと待ってろよ……あった!」クルッ
久「何なの?」
京太郎「見てろよ…じゃあスタート!」カチッ
久『ほら!早く行くわよ?』
和「部長が映りましたね」
咲「すっごいスキップしてるよ」
久「」
まこ「ああ、そういえばこれがあったのぉ」
優希「これは何だじぇ?」
京太郎「優希と和が入部した日の、部室に来るまでの一部始終」
久「ちょっ!京太郎。何でこんなものがあるのよ!」
京太郎「何でだろうな?」ニヤ
久「今すぐ止めなさいって!」ガシッ
まこ「それはいかんのぉ…」
優希「そうだじょ…」
和「自分だけ逃げるなんて卑怯ですよ?」
咲「部長」
久「咲、ちょっと助け…」
咲「一緒に楽しみましょう♪」ニコ
久「」
・
・
・
まこ「面白かったのぉ…」
優希「部長もうっかりすることがあるんだな!」
和「部長が楽しそうで何よりでした」
咲「私いなかった……それに京ちゃん…部長に抱きつかれてたね?」
京太郎「そう拗ねるなって」
久「まさかあのメガネがカメラだったなんて……不覚だわ…」
京太郎「ほらな?ギャフンと言わせてやったぞ?」
和「はい、満足です」
咲「うん」
京太郎「これで、久がどれだけお前らを大事にしてるかわかったろ?」
優希「おう!」
まこ「こりゃあ気合を入れられたのぉ」
京太郎「そういうことだ!…がんばって特訓して、絶対に優勝するぞ!」
咲和優希まこ「「「「おー!」」」」
久「…ねえ京太郎?」
京太郎「なんだ?」
久「それで綺麗にまとまったと思ってるの?」
京太郎「みんなに気合が入ったろ?」
まこ「元々は部長が悪いんじゃろ?…素直に反省せい」
久「…お、覚えてなさい!」ダッ
優希「逃げたじょ」
和「特訓だからすぐに戻ってくるとは思いますけどね」
咲「あはは……私が仕返しされなくてよかった…」ボソ
京太郎「ああ、咲。お前も覚えとけよ?」ニコ
咲「えぇっ!?」
・
・
・
咲久和優希まこ「「「「「召し上がれ」」」」」
京太郎「いただきます…結局どうしたんだ?」
久「一人一品ずつ作ることにしたわ…私は唐揚げね」
まこ「わしは玉子焼きじゃ」
和「わたしはハンバーグを作りました」
咲「私はお味噌汁を作ったよ」
京太郎「ほう…優希は?」
優希「ふっふっふ…私はタコスを作ったじょ!」
京太郎「この野菜とチーズとマヨネーズのか。…トルティーヤも自分で焼いたのか?」
久「残念ながら私達が焼いたわ」
まこ「優希は具を盛っただけじゃの」
和「最初はサラダの予定だったんですけど…優希の希望でタコスになりました」
咲「で、でも美味しそうだよ?」
京太郎「そうだな…じゃあ食おうぜ」
久「はい京太郎。あーん」
咲「!?ぶ、部長!何をしてるんですか!?」
久「まあいいじゃない。…ほら京太郎、役得よ?」
京太郎「…なんか嫌な予感がするけど…あーん……んっ!?…か、辛い!水!」
久「ふふっ。どう?あなたのために作った特製激辛唐揚げよ?」
京太郎「……ぷはぁ…お前仕返しにしてもやり方ってもんがあるだろ?」
久「いいじゃない?…激辛は数個しか作ってないのよ?」
まこ「まさか…わしらの分にも入っておるんか?」
久「さあ?どうでしょうね…」
和「なんということを…」
優希「はっ!……おお!…タコスに唐揚げを入れるとうまいじぇ!」
京太郎「なるほど…確かにそうすれば普通に食えるな」
まこ「ナイスじゃ優希」
優希「もっと褒めていいじょ?」ドヤ
咲「…お味噌汁だとあーんできない…」ガク
・
・
・
全員「ごちそうさまでした」
久「さあ京太郎!誰の料理が美味しかったか答えなさい?」
咲「!?…」ワクワク
京太郎「みんな美味かったと思うぞ?」
咲「はぁ…」
久「それじゃダメよ?女として誰の料理が口に合うか気になるじゃない?」
まこ「わしは特に気にしとらんけどな」
和「家庭の味はそれぞれ違うものですからね…誰が一番とかはないと思います」
優希「そうだじぇ!全てにおいてタコスこそ一番美味いに決まってるじょ!」
和「それは優希だけですよ」
久「えー…みんな冷めてるわねー…」
京太郎「誰かに決めるとしても、激辛を平然と持ってきたお前に1票は入れないぞ?」
久「仕方ない…じゃあ片付けして練習を再開しましょ?」
和優希まこ「「「はーい」」」
咲「はぁ…」
京太郎「何しょげてんだよ?」
咲「…なんでもないよ」
京太郎「……はぁ…味噌汁うまかったぞ?」
咲「ふぇっ!?……うん♪…じゃあ片付けてくるね!」
久「…本当に、咲には甘いのね?」
京太郎「知るか」
久「で?…私の唐揚げは美味しかった?」
京太郎「強かだねぇ…はいはい…このまま嫁に出しても性格以外の文句は言わせませんよ」
久「ありがとう。…でも一言多いわね」ペシッ
京太郎「いてっ」
・
・
・
-夕方-
久「みんな、帰る準備はできた?」
和「できました」
久「忘れ物はない?」
咲「ない…と思います」
久「自動卓は片付けた?」
優希「京太郎先輩が片付けだじょ」
久「使った食器とかは?」
まこ「京太郎先輩が片付けたな」
久「余った食材は?」
京太郎「俺が持って帰ることになってるな」
久「よしっ!」
京太郎「いや待て。…後半おかしくなかったか?」
久「何処が?」
咲「なんだかんだで大体京ちゃんが片付けてた気が…」
和「頼りっぱなしでしたね」
久「大丈夫。私達みたいな可憐な女子は男に労働させておけばいいのよ?」
優希「その意見には賛成だじぇ」
京太郎「可憐とか笑わせんな」
まこ「少なくとも可憐な女子は自分を可憐とは評価せんよな」
久「酷いわっ…私とは遊びだったのね?」
京太郎「そんなこと言ってるから悪女って噂が流れるんだよ」
久「…前から聞きたかったんだけどその噂って出所何処なの?」
京太郎「知らん」
まこ「確か同性愛者で女を喰い回ってる悪女とか言う噂だったのぉ」
和「私も聞いたことがあります…皆さん冗談だと思ってますけどね」
優希「わかった!…これは綺羅星十字団の陰謀だじぇ!」
京太郎「流石にそんな陰湿なことはしないと思うぞ?」
咲「あれ?…その噂っていつから流れ始めたんですか?」
久「確か…私が会長になったくらいからだったと思うけど…どうしたの?」
京太郎「会長になってから………まさか…」ボソ
咲「いえ、私が部長の噂を京ちゃんから聞いた時期より遅いなぁ…と」
京太郎「さて、さっさと帰るぞ!」ガシッ
久「待ちなさい…話があるわ」
・
・
・
全員「ありがとうございましたー」
久「じゃあ帰りましょうか」
まこ「そうじゃのう」
和「疲れました…」
優希「今日はぐっすりだじょ」
咲「あの…京ちゃんが…」
久「大丈夫よ。京太郎は頑丈だから」
京太郎「それでも痛いもんは痛いって!」
久「あなたが悪いんでしょ?」ギロ
京太郎「はい…私が悪かったです…」シュン
久「ならよし…じゃあまた明日ね。京太郎」トテトテ
京太郎「はいはい、また明日な。…じゃあ俺は先に帰りますかね…」
咲「あ…」
京太郎「…はぁ……咲、乗るか?」
咲「うん♪」
まこ「じゃあ咲もここでお別れじゃのぉ…またの」トテトテ
和「そのようですね…では宮永さん。また明日」トテトテ
優希「またな咲ちゃん。ついでに京太郎先輩もな」トテトテ
京太郎「俺はついでかよ!…また明日な、皆」
咲「またねー!」ブンブン
京太郎「じゃあ帰るとしますか。ほら、メットな」
咲「うん、ありがと京ちゃん。はい、荷物よろしくね?」
京太郎「おう。…なあ咲、合宿どうだった?」
咲「うん、楽しかったよ」
京太郎「俺の過去をばらしやがって。このこの」ポンポン
咲「わわっ。…頭触るならヘルメット着けてないときにしてよ~」
京太郎「触られるのは嫌じゃないのか?」
咲「撫でてくれるならね?…だって昔からそうだもん」
京太郎「そうかい。…ほら、上着羽織っとけ」パサ
咲「やった♪…あったかーい…京ちゃんの匂いがする…」
京太郎「そんなこと言われても困るんだが……大会…勝とうな?」
咲「もちろんだよ!強い人といっぱい打てるのが楽しみで夜も眠れないよ♪」
京太郎「どうせ家帰ったらすぐ寝る癖によく言ったもんだな。はっはっは!」
咲「えへへ…じゃあ帰ろっか?家までよろしくね。運転手さん?」
京太郎「仰せ仕りました。お姫様」
京咲「「…あはは!」」
続く
今日はここまでですねー
お付き合いいただきありがとうございます
次からは過去編(中学→高1→高2)と投下していく予定です
その後交友関係を出し切ったら番外編投下しますね
これらは1つ出来たらその時点で投下するかもしんないです
12月までに4話にいけるのだろうか不安しかないですけど
なんとかやっていこうと思います
尚、小ネタは気分次第で投下する模様
乙
会長選挙とかって普通3年になる前にやると思うんだけど
咲は中学のころから久の悪口を聞かされてたのか?
終わったあとにageるかも
とか言ってた気もするけど別にやらないでもいいかな?
と思ってたりします
>>258
京太郎「俺のクラスにさー。こんな女がいるんだけどさー。あいつ絶対○○だぞ?ま、嘘だけどなー」
みたいなノリです
それをネタとして咲ちゃんに話した感じです
その冗談をきっと他の誰かに話したんですよ
実際に女子に優しかったりするのでもしかして?
と噂が一人歩きしてる感じです
>>1です
一応京ちゃんが免許を取ったのが1年生で大体16歳の誕生日後すぐで
現在が3年生で17歳と数ヶ月と言う設定です
そして乗ってるのはもちろん原付ではありません
1年以上経ってるので乗れるはずだと思ったんですけど…
まあそれはそれとしまして
中学生編書きつつ京taro書いてたんですが
実は京taroって設定的にシリアスな内容だったんですよ
3話まではギャグで通せるんですけどね
設定はそのままでギャグ路線に書き直そうかとも迷いましたけど
どうしましょ…
というわけでモチベ上げの為に京taro3話投下します
本編は遅くても来週にいけるかもしれん
ギャグは背景を考えたら負けやで……
~京taro~
*注意書き*
○この短編には以下の内容が含まれます
・著しいキャラ違い
・まともな人間が損をする成分
・リンシャンマシーン咲chanカワイイ要素 ←今回は出ない模様
・2000年問題
以上の注意点を理解した上でお楽しみください
>>271
尚、スナッチャー・バイナリードメイン・ターミネーターなどを参考にした模様
~照ちゃん登場~
菫「照。長野県の代表にお前と同じ苗字の子がいるんだが知ってるか?容姿も似てる気がするが…」
照「菫。私時々怖い夢を見るの…」
菫「急にどうした?」
照「私には妹なんていないはずなのに、妹を名乗るロボットがやってくるの…」
菫「何を言ってるんだお前は…それよりこの記事のことだ!」
照「それを私に見せないで!…私に妹はいない…私に妹はいない…」(ブツブツ
菫「照…大丈夫だ。落ち着け…」
菫「わかった。これはきっと他人の空似なんだな…悪かったな…」(ヨシヨシ
照「菫…」
淡awa「ソウヨ”テルー”!ソンナ映画ミタイナコトアルワケナイジャナイ!」ウィーンガシャ
照「淡…そうだよね…」
菫「そうだぞ照…落ち着こう…私たちは全国優勝だけを目指してがんばろう…な?」
照「うん…」
淡awa「”スミレ”モ”テルー”モオオゲサダナー」ピーガガガ
菫「もしもの時は私がお前の敵を射抜いてやるからな」
淡awa「私ダッテ!”テルー”ノ敵ニハ容赦シナイヨ!」ウィーン
照「2人とも…ありがとうね」
尭深「えっ…」
誠子「どうした尭深?」
尭深「だって誠子…あれ…あれ…!」(ユビサシ
誠子「淡がどうかしたか?みんな仲良くっていいなー」
尭深「えっ」
誠子「えっ」
誠子「まったく…どうしたんだよ尭深?」
尭深「い、いや…なんでもないの…」
尭深(なんで誰もおかしいって思わないの…だってあれロボットだよ…?)
尭深「お、お茶美味しいね…」(ガタガタ
尭深(照先輩も妹ロボットはわかるのになんで気づかないの…?)
尭深(で、でも…考えてみたら照先輩の右腕もグルグルしてた気もするし…最近左腕もなんかグルグルしてたような…)
尭深(しかも照先輩と対局するときは電子機器を持ってちゃいけないってルールがあるし…)
尭深(そういえば新入生…淡ちゃん?が入ってからはレギュラー内での対局は禁止になってた…)
尭深(菫先輩は合図したら何処からともなく矢が飛んできて対局相手に刺さるし…)
尭深(刺さった相手は対局が終わった後に白装束の集団が連れて行った気もするし…)
尭深(…でも…そもそもで考えればその白装束って白糸台麻雀部の部員だよね…)
尭深(更に考えれば…私達も対局中以外は白装束を制服の上に着てるものね…)
尭深(しかも部員の大半は何故か照先輩を信奉した宗教みたいになってたよね…菫先輩もそんな感じだし…)
尭深(実はこれファッションじゃないよね…じゃあなんなんだろう…)
尭深(もうわからないよ……私はおかしくない私はおかしくない…)ガタガタ
誠子「本当に大丈夫か尭深?保健室行くか?」
尭深「だ、大丈夫だよ。せい…こ…」(ガクッ
誠子「尭深!?尭深ーっ!!」
・
・
・
~一方その頃~
和「宮永さんが全国に行く理由…お姉さんがいるんですよね…」
和(ロボットじゃないですよね…そうだと信じていいですよね…?)
和「宮永照…写真を見る限り人間のようですが…何故腕にテスラコイルを付けているのでしょうか?」
和「しかも白糸台麻雀部って別名白装束の集団とか書かれてますし…」
和「お父様…最近麻雀の定義が崩壊しつつあります…」
続く?
こんばんは>>1です。
次の投下なんですが、ちょっとリアルが忙しかったりするので遅れそうです
アナウンス的なのが出来なかったことも含めて
申し訳ないです
この時間にあれですが、11月13日に投下したくてできなかった小ネタをほっぽっていこうと思います
まあ誕生日とかまったく関係ないネタですけどね
誕生日の話は高校編に入る予定です
ではちょっとだけ投下します
-誕生日祝い・義?姉弟短編-
京太郎「…ここに…姉さんが…」ガチャ
久「?…誰か…!」
京太郎「あ…ねえ――」
久「こほん。…新入生の子かしら?…私は竹井久、この麻雀部の部長よ…あなたの名前を聞いてもいいかしら?」
京太郎「あ…はい。1年の上埜京太郎です。…実は麻雀部に入部したくて…」
久「そう?…ようこそ麻雀部へ…歓迎するわ」
京太郎「はい!ありがとうございます!」
久「じゃあ上埜君――」
京太郎「あ…」
久「どうしたの?」
京太郎「…できれば…できれば京太郎でお願いします。そっちの方が”慣れて”いるので」
久「なるほどね…わかったわ。じゃあ京太郎君、これからよろしくね?」
京太郎「はい!」
・
・
・
久「みんなお疲れさま。…京太郎君、ちょっと男手が必要なんだけど残って手伝ってくれない?」
京太郎「あ…はい!…俺でよければ手伝います」
久「ありがと。じゃあみんな、またねー」
京太郎「あの――」
久「待って。……行ったみたいね……もういいわよ?」
京太郎「あ…うん…姉さん、久しぶりだね?」
久「そうね…母さん達が離婚してから会ってないものね……久しぶりね京太郎、会いたかったわ」
京太郎「…俺も姉さんに会いたかったよ…」
久「そんなうつむかないの。…ほら、こっちいらっしゃい?」
京太郎「姉さん!」ダキッ
久「ふふっ…甘えん坊ね?」ギュッ
京太郎「だって……なんか実際に会うとどんな顔していいかわからなくてさ…」
久「いいのよ…昔みたいに甘えてもね?」
京太郎「でも…それは…」
久「京太郎、こっち向きなさい」
京太郎「何?あ――」チュッ
久「昔も今も、愛してるわ、京太郎」
京太郎「姉さん…俺も姉さんが大好きだよ」
久「ええ…これからもずっと一緒よ」
京太郎「姉さん!」ガバッ
久「あっ、んっ…もう、私達姉弟なのよ?
京太郎「そんなの関係ないよ。俺は姉さんじゃないと…」
久「仕方のない子ね?…ここじゃ汚れちゃうわ。続きはベッドでね…」
・
・
・
~~~~~~~~~~~~~~~
久「そんな感じで1年間ずっと部活が終わってから愛し合って、貴方ができたのよ~?」ナデナデ
京太郎「いやいや、お腹の子供に何言い聞かせてんだよ」
久「いいじゃないの?…パパの誕生日にね?色々やってたら、貴方ができたのよ~」ナデナデ
京太郎「はぁ…」
久「もうパパったら私にぞっこんでね?…学校でも大変だったのよ?」ナデナデ
京太郎「意義有り」
久「何よ~?今この子とお話してるのよ?」
京太郎「なら尚更、子供に嘘教えるもんじゃないと思うな」
久「嘘じゃないわよ。ね~?」ナデナデ
京太郎「仕方ない…じゃあ俺からもわが子にお話をしてあげるとするかな…」
久「あら、パパがお話してくれるんだって?良かったね~」ナデナデ
京太郎「じゃあパパとママの思い出を話してあげようかな」ナデナデ
~~~~~~~~~~~~~~~~
久「京太郎!京太郎なのね!?…会いたかったわー!…なんで逃げるの?ま、まさかお姉ちゃんのこと嫌いに…え、違うの?…良かった…」ギュッ
久「あ……こほん…みんな、紹介するわ。私の弟の京太郎よ!かっこいいでしょ?…あげないわよ?」ギュー
久「苗字が違う?…ああ、両親が離婚しちゃってねー。おかげで京太郎と離れ離れよ!わかる!?…でもこれからはずっと一緒なのよねー…えへ」ギュ
久「やったわ京太郎!県大会優勝よ!……じゃあご褒美貰おうかしら?」チュッ
久「うへへ…ついに京太郎とキスしちゃったわ……次は…あんっ、そんなのまだダメよ!私達姉弟なのよ!?……これで決まりね!」グッ
久「さあ京太郎!全国優勝したんだからどうなるかわかってるわね?…なんで縛ってるかって?…解いたら逃げるでしょ?」
久「禁断の関係って燃えるわね?…ダメよ?…私の愛は止まらないわ!……ほら、あなただって喜んでるじゃないの?」
久「痛っ…これが初めての痛みなのね…私幸せよ?……仕方ないわね…ほら、解いた――きゃっ…ちょっと京太郎?…あっ…」
久「けだもの……でもこれで言い訳できなくなったわね?……えっ?…まだ収まらないって……仕方ないわね。いいのよ?」
久「すっかりはまっちゃったわね…どうしましょうか?……ダメよ!素直に話したって解決するわけないじゃないの!」
久「えっ!?…そんなぁ…実は血が繋がってないってどういうことなのよ!……私と京太郎はずっと家族だと思ってたのに…」
久「え…『結婚すれば家族だ』なんて……そんなうれしいこと言われたらますます好きになっちゃうじゃない!」
久「じゃーん。かわいいサンタさんはいかが?…ちゃんと避妊しなきゃダメよ?」
久「誕生日プレゼント?…もちろんわ・た・し。どう?がんばってリボン結んでみたんだけど――仕方ないわね?…今日はサービスしてあげる」
久「チョコを体に塗るのってチョコっと怖いかなー…チョコだけに…だめ?」
久「生理が来ないからもしやと思ってたけど…できちゃった…てへっ。…もちろんうれしいわよ?あなたの子だもの」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
京太郎「と、言うことが――」
久「ちょっ、お腹の子に何言ってんのよ!」
京太郎「事実なんだからいいんじゃね?」
久「…はぁ…まったく…酷いパパよね?」
京太郎「本当のことを教えてるだけで何処もおかしくないと思――」
久「あっ!今蹴った!この子蹴ったわよ!?」
京太郎「何だって!?ちょっと触るよ?……あー…うん、蹴った…」
久「どうしてそんなにぼけーっとしてるのよ?」
京太郎「なんかこう…実感が無くってさ。…俺まだ高校生だぜ?…大丈夫かなって…」
久「何そんなことで不安になってるのよ。私もあなたも幸せなんだから大丈夫よ。この子だって幸せにしてみせるわ!」
京太郎「…母は強し…ってか。…叶わないなぁ…」
久「当たり前よ。私はお母さんで…あなたのお姉さんなのよ?」
京太郎「はいはい、完敗ですよ…姉さん」
久「その呼び方もこの子が生まれるまでに直さないとね?」
京太郎「気をつけます」
久「あと早く18歳になって卒業すること!…じゃないと婚姻も結婚式もできないでしょ?」
京太郎「それはあと1年半待って欲しいかなぁ…」
久「あとは…一緒に大学にも行ってみたいわね?…あなたも良い仕事見つけなきゃだし…」
京太郎「え!?…ちょっと待って…子供はどうするのさ?」
久「お母さん達にも言われてるのよ。…その頃にはこの子も大丈夫なはずだし。何より孫を可愛がりたいらしいわよ?」
京太郎「なるほど…急に復縁した理由がなんとなくわかった気がするよ…」
久「あとは…この子が一人だとさびしいと思わない?」
京太郎「あう……せめて大学を出てからでお願いできませんか?」
久「仕方ないわね…それで手を打ちましょう。……愛してるわよ、京太郎」
京太郎「俺も…俺も愛してるよ…姉さん……あ…」
久「もうっ、こういう時は名前で呼ぶものでしょ?」
京太郎「以後気をつけます…」
久「じゃあもう一回言ってくれないかしら?」
京太郎「はぁ……愛してるよ、久…」チュッ
久「んっ…うれしいサプライズね?…合格よ」
京太郎「…合格のご褒美とかないの?」
久「仕方ないわね…じゃあこれでお相子ってことで――」チュッ
京太郎「…愛してるよ、姉さん」
久「ほら、また言った」
京太郎「あー…以後がんばります…」
久「仕方ないわね」
カンッ
これにて投下終了です
本編は半分以上は書けてるつもりなので
早めに投下できればいいなーってとこです
ではおやすみなさい
>>1です
3日の夜は帰ってきてそのまま寝てしまって更新できませんでした
本当に申し訳ないです。
今日の昼頃に改めて投下したいと思っております
よろしければお付き合いください
改めて、あけましておめでとうございます
>>1です
では始めたいと思います
今回は中学編なので
基本は京照咲+αです
*麻雀要素が限りなく行方不明です
*本スレで英語を使う際は≪日本語≫で行きます
*最初の方のみモブが目立つかもしれません
*キャラの語りっぽいダイジェストが含まれています
よろしければ、お楽しみください
~京ちゃんの中学生活~
-5月:昼-
京太郎「嫁田ァッ!」
嫁田「ど、どうした?…須賀、なんかお前目の下クマ酷いぞ?」
京太郎「実は昨日深夜に連続放送の映画見てたから寝てなくて…じゃなくて……俺はGWが明けた今、思うことがあるんだ」
嫁田「なんだ?……それにテンションもおかしいぞ?」
京太郎「朝になったら眠気が覚めて気分が良くなって…じゃなくて…ほら、うちのクラスに宮永っているだろ?」
嫁田「ああ、いつも本ばかり読んでるようだけど…あいつがどうした?」
京太郎「それだよ…実はあいついじめられてるんじゃないかと俺は思うんだわ」
嫁田「そうかぁ?…ただ友達いないだけじゃねえの?」
京太郎「もしかしたらってこともあるだろ?5月にもなって友達とかと話してる姿見たことないし」
嫁田「うーん…確かにそれもあるけど…」
京太郎「映画でもあんな感じでいじめられてた奴いたし…」
嫁田「映画を参考にするのは良くないと思う…」
京太郎「そ・れ・に!クラスの大半と友達になった俺から見て、アイツは大丈夫か気になるもんだしさ」
嫁田「お前はフランクすぎるんだって。…でもあっちの3人とは折り合い良くなかった気がするけど?」
京太郎「あー、あいつらは同じ小学校で色々あったからなー」
嫁田「色々?」
京太郎「俺って実は帰国子女だったんだけどさ。その頃はまだ日本語…特に字がよくわからなくてちょっかい出されたことあるんだよ」
嫁田「衝撃のカミングアウトだな。大丈夫だったのか?」
京太郎「とは言っても日本語は理解できるからさ…≪お前らの言ってることが理解できてないと思ってんのか?≫って言って喧嘩した」
嫁田「…日本語で喋ってくれ」
京太郎「お前ら人が日本語理解できないとでも思ってんのか?この糞野朗共!……って言ってやった…まあその後色々あってそいつらと友達になったよ」
嫁田「そ、そうか…ん?…じゃあ、あの3人組とはなんで友達になってないんだ?」
京太郎「いや…遠巻きに見てただけだったからなー…それにクラス変えもあったし…まあ仕方なかったとは思うけどさ」
嫁田「あー、それで罪悪感?とかで気まずいのか」
京太郎「多分そんな感じだろ。…それでだ!今は宮永の話だよ!」
嫁田「そうだったな…その時のお前に似てるのか?」
京太郎「そうそう、なんか周りに対する空気とかがなー……よっしゃ!…ちょっと行ってくる!」ガタ
嫁田「は?…おい!まだ本当かわかってないのに行くなって!」
京太郎「イジメとかあったら嫌だろ?…大丈夫だって、俺に任せろ!」ダッ
嫁田「何処が大丈夫か言ってみろ!」ガタ
京太郎「大丈夫大丈夫、青春映画と歴史映画で鍛えた今の俺ならいけるって」
嫁田「…不安しかねぇ」
照(皆楽しそうに話してるなぁ……はぁ…どうしよ…クラスに馴染めてないよ…)ペラッ
京太郎「よー宮永。ちょっと話があるんだが――」
照「ッ!?」ビクゥ
京太郎「な、何そんな驚いてんだよ?」
照「い、いや、なんでもないです…え、えーと…確か…」
京太郎「須賀だよ。須賀京太郎」
照「あ、はい…ごめんなさい。…須賀君」
京太郎「別に謝らなくていいよ。…ところで話があるんだけど…いい?」
照「は、はい!…何でも聞いてください!」
京太郎「お、おう…ちょっと聞きにくいことなんだが…」
照(な、なんだろう…まさか愛の告白?……それはないよね…)
京太郎「…実はお前、イジメられてたりしないよな?」
照「え?」
京太郎「入学から1ヶ月経つけど、いつも1人で本読んでるだけだったみたいだから…もしかしてと思ってさ?」グサ
照「う…べ、別にイジメられてなんかないです…」
京太郎「そうか……じゃあもう一つ聞いてもいいか?…こっちもちょっとだけ聞きにくいんだけど…」
照「は、はい」
京太郎「あー…その…なんだ……もしかして…友達いなかったりする?」グサ
照「ぁぅ………実は…」
京太郎「そっか……よしっ、じゃあ俺と友達になろうぜ」
照「!?…えっ、えっ?」オドオド
嫁田「おい須賀、なんか宮永さんオドオドしてるけど何したんだ?」ポン
京太郎「ん?…ただ今友達勧誘中だ。お前もどうよ?」
嫁田「あー…ごめんな宮永さん、こいつなんか寝てないらしくて今おかしいんだわ。…なんかされてない?」
照「あ…はい……でも寝てないって大丈夫なんですか?」
京太郎「大丈夫だって…ほら、こんなに元気―おとと」フラッ
照「あっ」ガタッ
京太郎「やべっ!…あぶね」
照「だいじょ―あっ」コツッ
京太郎「へ?――」
ドンッ
嫁田(須賀を助けようとして…躓いてトドメを差した…だと?)
・
・
・
~~~~~~~
?≪あなたの名前は?≫
京太郎≪…≫
?≪もしかして英語喋れない?≫
京太郎≪違うよ≫
?≪じゃあどうして名前教えてくれないの?≫
京太郎≪…人に自己紹介するときはまず自分からするもんだろ?≫ムス
?≪あっ!…ごめんね?…私の名前はエイスリン!…エイスリン・ウィッシュアート≫
京太郎≪…エイスリン?≫
エイスリン≪そう!あなたのお名前は?≫
京太郎≪…≫ムスー
エイスリン≪?…ゆっくりでいいからお話しよ?…友達になろうよ?≫
京太郎≪友達…?≫
エイスリン≪そう!≫
京太郎≪日本人だからってバカにしない?≫
エイスリン≪しないよ。…だから名前を教えて?≫
京太郎≪京太郎……須賀京太郎って言うんだ…≫
エイスリン≪きょーたろー?…うん♪…じゃあ今から私達は友達だよ?だから…≫スッ
京太郎≪…その手は?≫
エイスリン≪私と握手しよ?…よろしくね?キョータロー♪≫
京太郎≪…うん!よろしくエイスリン!≫ギュッ
・
・
・
エイスリン≪キョータロー。何してるの?≫
京太郎≪日本語の勉強だよ。…俺日本に帰っちゃうだろ?≫
エイスリン≪そうだね…仕方ないけどちょっと悲しいね≫
京太郎≪俺だってお前と離れるのは悲しいよ≫
エイスリン≪向こうに行っても手紙ちょうだいね?≫
京太郎≪当たり前だろ?≫
エイスリン≪日本語で書いてたら読めないよ?≫グス
京太郎≪…書かないよ≫
エイスリン≪…≫グス
京太郎≪泣くなよー…俺まで泣きそうになるだろ…≫グス
京エイ≪うわーん!≫ダキ
・
・
・
京太郎≪じゃあエイスリン…いつかまた会おうな?≫
エイスリン≪うん……キョータロー…あのね?≫
京太郎≪…どうしたの?≫
エイスリン「ズット、トモダチ……キョータロー!ダイスキ!」ダキッ
京太郎「≪エイスリン…日本語を……俺も…≫俺だって…ずっと友達だぞ!」ギュッ
~~~~~~~
-英語の時間 特別HR-
京太郎「…はっ…あれ?…俺もしかして寝てた?」
京太郎(懐かしい夢…今月はちょっと多めに手紙書こう…)
照「あっ……ご、ごめんなさい!私…」
嫁田「宮永さんは気にしないでいいって。悪いのは多分須賀だから」
保険医「まったく…いきなりあの3馬鹿が呼びに来た時は何事かと思ったよ…」
嫁田「あれ?先生あいつらと知り合いなんですか?」
保険医「家が近くてねー…それより大丈夫?」
京太郎「は、はい!大丈夫です!」
教師「なら私にも説明してもらおうか…」
京太郎「へっ?」
・
・
・
京照「「お騒がせしました…」」
嫁田「宮永まで謝らなくてもいいのに」
保険医「連帯責任じゃないの?」
嫁田「先生はなんでまだここにいるんですか?」
保険医「面白そうだったからつい……あっ……わかりましたー帰りますー」
教師「ゴホン…」
保険医「…さよならー…」
教師「あー…じゃあ罰として須賀と宮永。お前ら罰掃除な」
嫁田+クラス数人「「えっ?」」
京太郎「なんでお前らが驚くんだ?」
嫁田「…そういえばお前は掃除グループ違うもんな…」
京太郎「え?…なんのこと?」
教師「ああ、言い忘れてたが嫁田。お前も一緒に掃除だぞ」
嫁田「…マジか…」
京太郎「安心しろ…お前は一人じゃない…何せ俺がいるんだからな!」キリ
嫁田「お前のせいだよ!」
教師「じゃあ英語を始めたいところだが…もう時間がないな」
照「本当にすいませんでした…」
京太郎「うーん……!…先生!俺に授業をさせてください!」
教師「は?…まあ今日の授業はもう辞めるつもりだったからいいが…できるのか?」
京太郎「任せてください!…ただし条件があります!」
教師「なんだ?言ってみろ」
京太郎「もしも先生が納得できたら俺らの罰掃除を無しにしてください!」
照(この人は何を言ってるんだろう…)
教師「そこまで言うならやってみろ」
京太郎「はい!…よっしゃ宮永!俺に続け!」
照「えっ!?…わ、私もやるの?」
京太郎「お前がいないと始まらないんだよ!…俺を信じな!」キリッ
照「え…無理…」
クラス全員(ですよねー)
・
・
・
京太郎「じゃあ気を取り直して、俺に続けて発音してくれ…みんなもな!」
照(なんで私こんなことやってるんだろ…)
京太郎≪私の名前は≫
全員≪ワタシノナマエハ≫
京太郎「よし!…これは前に授業でやった『私の名前は』って意味だ。…じゃあ宮永、自分の名前を付け加えて自己紹介してくれ」
照「う、うん…≪ワタシノナマエハミヤナガテルデス≫…これでいいかな?」
京太郎「よし、それでいい。じゃあ次な…ゆっくり言うから聞いてくれよ?」
照「う、うん」
京太郎≪私と友達になりませんか?≫
照「えーっと…もう一度お願いします」
京太郎「わかった…≪私と友達になりませんか?≫…どうだ?」
照≪ワタシトトモダチニナリマセンカ?≫
京太郎「よーし。じゃあ次はみんなの番な?せーの!」
クラス「≪ワタシトトモダチニナリマセンカ?≫」
京太郎「オーケーオーケー。ここで今の言葉の意味な。『私と友達になりませんか?』って言ったんだ」
照「へー…」
京太郎「と、言うわけで宮永、もう一度言うぞ?…俺と友達になってくれ!」
照「え?…えぇっ!?」
京太郎「さっきは悪かった!…だから改めてさ、良かったら俺と友達にならないか?」
照「え?…………いいの?」
京太郎「むしろ俺がお願いしてるんだけど?」
照「だって私…本ばっかり読んでるし…家族以外と話すのだって苦手だし…」
京太郎「本は趣味だろ?…それに今俺と話してるじゃないか」
照「そ、そうだけど…」
京太郎「大丈夫だって……ゆっくり話せるようになっていければさ」
照「…そうかな?…でも話したりもしないのに友達とかっていいのかな?」
京太郎「いいんじゃねえの?挨拶して、たまに話すだけでも友達にはなれるよ」
照「うーん…でも私から話しかけれるか不安で…」
京太郎「大丈夫だって、手を振るだけでもいいし、俺からでも会えば挨拶するし、休み時間になれば話しかけたりもするからさ」
照「…うん……わかった……ちょっと待って…すぅ…はぁ……よしっ」
京太郎「おう」
照「須賀君。私と友達になってくれますか?」
京太郎「YES!これでOKだ!」
照「うん♪」ニコ
教師「…ゴホン」
京照「「!?」」
教師「お前らが仲良くなってくれたのはいいが…授業やクラスのみんなを忘れるのもどうかと思うぞ?」
照「え…あ…」カァ
京太郎「問題ありません。…なあみんな?…じゃあもう一回さっきの英文言ってみよう!さんはい!」
クラス全員≪ワタシトトモダチニナリマセンカ?≫
京太郎「俺はもちろんYESだ!これでクラスみんな友達だな?…宮永、お前はどうだ?」
照「あ……イエスです……よろしくお願いします」ペコ
クラス全員「よろしく!」「前から話してみたいと思ってたんだ」「お話しようね?」
照「わわっ…一人ずつ、一人ずつお願いしますぅ…」
京太郎「これでよし!…先生!どうですか俺の授業は!?」
教師「いい話だったな…」
京太郎「よしっ!」
教師「でも授業進んでないな。…つーまーりー…罰掃除決定!」ブッブー
京太郎≪くそったれ!≫
教師「罰を増やされたいのか?」
京太郎「すいませんでした…」
教師「わかればよろしい」
保険医「いい話だなー…」
嫁田「あんたさっさと保健室に戻れよ」
・
・
・
-放課後-
照「ごめんなさい」ペコ
京太郎「黒板消しを落として粉を撒き散らす…水入りのバケツを蹴り倒す…ゴミ箱をひっくり返す…」
照「本当にごめんなさい!」ペコペコ
嫁田「だから宮永に任せるなとあれほど…」
京太郎「お前本当にすげー奴だな!これほどユニークな奴は初めてだ!あっはっは!」
照「わ、わざとじゃないんだよ?」
京太郎「しかも天然だぜ!パーフェクトだ!…こんな面白い奴と友達になれて俺は幸せ者だな」
照「え?…えーっと…ありがとうございます?」
京太郎「別に褒めてねえけどな?…しかしお前態度硬いなー」
照「あ…えーっと…ごめん…なさい」シュン
京太郎「謝るなって。もっとフランクに行こうぜ?…俺を吹っ飛ばした時みたいにさ?」
照「えーっと…その…あの時は事故で…私…どんくさ―」
京太郎「素が出たんだな。須賀だけに…」
照「」
嫁田「…それはねーよ…」
京太郎「私が悪かったですよー!ごめんねー!」
照「…ぷっ…あはは…ドジと素は関係ない…よ?…あなた本当に変わった人だね?」
京太郎「おっ?…やっと笑ったな?…それでいいんだよ!それで!」
照「え…?」
京太郎「せっかく友達になったんだからさ。もっと笑って遊んで話そうぜ?」
嫁田「…なあ須賀…」
京太郎「よしっ…とりあえず一緒に帰ろうぜ?」
照「え…あ…でも…」
嫁田「ちょっと待つんだ須賀」
京太郎「もっとフランクに京太郎でいいよ。…ところで何か用か?俺は今から宮永と一緒に帰るところだぞ?」
嫁田「現実を見ろ!…教室は掃除前より汚れてるんだぞ!」
京太郎「…帰っちゃダメ?」
嫁田「俺だって帰りたい…」
照「本当にごめんなさい!」ペコ
ガラッ
?×3「須賀(君)!」
京太郎「お…お前らは…」
照「確か…須賀君が気絶した時に保健の先生を呼んできてくれた…」
京太郎「そーなの?…ありがとう…」
A「当然のことをしただけだって…俺らにも掃除手伝わせてくれ!」
B「さっきの授業のお前クールだったぜ!」
C(女)「そうじゃないでしょ!…あのさ…小学校の時はごめん…私たち見てるだけで…」
京太郎「…別に参加してたわけじゃないだろ?…もう大丈夫だって」
嫁田「それより手伝ってくれるって本当か?…この現場を見ても?」
ABC「「「え?……!?」」」
C「あー…私急用がー…」
京太郎「嫁田!扉を閉めろ!」
嫁田「任せろ!」ピシャッ
照「手伝ってくれるんですよね?…ありがとうございます!」
B「…仕方ねえ!男は度胸だ!…がんばろうぜ?」
A「俺も伊達に運動してるわけじゃないからな…やるか!」
C「はぁ……じゃあがんばろっか?」
京太郎「これが…友情ってやつだな…」
嫁田「違うと思う」
・
・
・
ABC「「「終わったー!」」」
京太郎「ふぅ…結構時間かかったな」
照「私のせいでごめんなさい」
京太郎「いいって。…でもお前今まで掃除の時どうしてたんだ?」
照「えーっと…ちりとりを持つ係、黒板消しを綺麗にする係とかでがんばってたよ?」
京太郎「……そうか……今後も掃除をがんばってくれ」
照「?…うん」
京太郎(なんとも言えねえ…)
嫁田「ゴミ捨ててきたぞー」ガラ
・
・
・
京太郎「俺は思ったんだ」
嫁田「いきなりなんだよ?」
京太郎「この学校からイジメを無くすグループを作ろうと」
嫁田「お前それで失敗したじゃねえか」
照「ご、ごめんね?」
京太郎「いや、宮永は悪くない。…だけどこの際だから、このまま学校からイジメを無くそうと思った…あるか知らないけど」ボソ
C「ふーん…悪い考えじゃないとは思うけど?」
A「…よっしゃ!…俺も…俺達も協力させてくれ!」
B「グループとか面白そうだしな!」
京太郎「そうか…じゃあこれで6人だな!」
嫁田「6人…まさか俺もか!?」
照「え?…私も?……えっと…ごめんなさい…?」
京太郎「ごめんなさいされた!?……仕方ないから5人でやるか!」
照「いいの?」
京太郎「宮永には迷惑かけたからな。…とりあえず手伝ってくれる気持ちができたらその時頼むよ」
照「うん…わかった……多分無理だけど…」
嫁田「いや待て。俺も嫌だぞ?」
京太郎「お前は強制。…ではここに『イジメを無くし、学校に革命を起こす!』グループの結成を誓う!」キリッ
A「グループ名とかねえの?」
京太郎「そうだな…?…なんか聞こえね?」
嫁田「この音は吹奏楽部じゃねえかな?」
京太郎「きらきら星……綺羅星………まだ足りないな……なあ宮永、お前今どんな本読んでる?」
照「え?…これ?」チラ
京太郎「なになに…『銀河美少年伝説~南十字学園青春日記~』…なんか気になるタイトルだな…今度読ましてくれね?」
照「私が読み終わってからでいいなら…」
京太郎「ありがとな。…よしっ!俺らのグループ名は『綺羅星十字団』に決定だ!」
全員「おー」パチパチ
B「なあなあ!?どうせならコードネームとか決めね?」
C「それだったらポーズとかも決めようよ」
A「トレードマークとかも欲しいな!」
京太郎「つーか綺羅星ってどう書くんだ?」
嫁田「おいっ!」
照「…多分…こんな字だと思うけど…」
京太郎「おぉ!…難しい字だ…俺には書けねえ…」
照「えぇー…」
・
・
・
京太郎「じゃあ1つずつ決めようぜ…じゃあまずコードネームだな!」ワクワク
照(ノリノリだ…)
京太郎「じゃあまず俺は創設者でリーダーだしヘッドで!…嫁田はなんだかんだでまとめ役っぽいから議長でいいや」
嫁田「なんか適当じゃね?」
京太郎「そうでもねえよ?…お前らはどうする?」
・
・
・
京太郎「さあ議長、発表の時間だぞ?」
嫁田「俺が言うのかよ……わかったよ…えー…君達の意見をまとめた結果、以下のように決定しました…」
A改めブル「おおっ!レイジングブルとかなんかかっこいいぞ!」
B改めキッド「俺がスピードキッド!感謝感激だぜ!」
C改めキス「スカーレッドキスね。いいじゃん、私にぴったりだわ!」
ブル「ちょっとませ過ぎだろ」
キッド「耳年間って言うんだよなこういうの」
キス「あんた達後で覚えときなさい」
京太郎「まあいいじゃねえか…宮永はどうする?」
照「私も!?…ごめんなさい…ちょっと遠慮しておきます」
京太郎「またごめんなさいされた!?……ふと思ったんだが、お前実はキツい性格だったりする?」
照「えっ!?…そんなことないと思うけど…」
京太郎「冗談だよ。…じゃあ次は決めポーズだな!」
・
・
・
十字団「綺羅星!」キラッ
照(やっぱダサい…)
京太郎「これでポーズは決まったな!…トレードマークって何がいいのかな?」
嫁田「オーソドックスに仮面とかでいいんじゃねえの?」
京太郎「ただの仮面ってのもかっこ悪いな…なんかマークでも書くかー」
・
・
・
京太郎「こんな感じで決定だな。…でもこんな仮面作る場所なんて―――」ガラッ
保険医「あなた達、まだ残ってたの?」
3馬鹿「「「いたーっ!!」」」
保険医「えっ?えっ?何!?」
・
・
・
保険医「なるほどねー…それで私の家に用があるってことかー」
照以外「お願いします」ペコ
保険医「でもお爺ちゃんがそんなこと受けてくれるかなー…」
キッド「姐さんが頼めばイチコロでしょー」
ブル「爺さん姐さんには優しいからなー」
キス「そのせいで彼氏できないんだけどねー」
保険医「最後ちょっと待て」
京太郎「お願いします先生!……いや…プロフェッサー・グリーン!」
照(…誰のこと?)
保険医改めグリーン「…プロフェッサー……ちょっとかっこいいわねぇ…」
キス「そんなんだからかれ―」モゴモゴ
ブル「空気読め」ボソ
キッド「ここで姐さんを不機嫌にさせるのは良くない」ボソ
京太郎「どうしてもお願いします!…プロフェッサー!」
グリーン「そこまで言われたら仕方ないなぁ…お爺ちゃんに私から頼んでみるよ」
京+3馬鹿「やったー!」
嫁田「馬鹿が増えた……」
照(帰って本の続き読みたいなー…)
・
・
・
京太郎「じゃあ今度の休みに工房に集合だ!」
3馬鹿「「「おー!」」」
京太郎「じゃあ今日はみんなで帰るか」
照「え?」
京太郎「どうした宮永。…まさか嫌だった?」
照「え…その…そうじゃないんだけど……なんか恥ずかしい…」
京太郎「お前は何を言っているんだ」ツン
照「あいたっ」
京太郎「あっ…悪い!…大丈夫か?」
照「うん…大丈夫…ふふっ」クス
京太郎「な、何だ!?…急に笑ってどうした!…まさか打ち所が悪かったのか!?」アタフタ
照「そうじゃないけど…なんか楽しくって…あはは!」
京太郎「なんだよー…おどかすなよー」
嫁田「どうでもいいから早く帰ろうぜ…」
照「ごめんっ…じゃあ私もご一緒させてください…ね?」
・
・
・
京太郎「なんだ、結構家近かったんだな」
照「学区が違うだけだったみたいだね」
京太郎「大体20分くらい…かな?……おっと、あそこの分かれ道だっけ?」
照「そうだね……あのっ…須賀君」
京太郎「なんだ?」
照「今日はありがとう。…学校に入ってから初めて友達ができてうれしかった」
京太郎「いいってことよ。…学校は楽しむもんだからな!」
照「勉強するところじゃないの?」
京太郎「勉強面倒くさい!…英語はできるけどなー」
照「素直だね?あははっ」
京太郎「じゃあお前は勉強好きなのか?」
照「国語以外はちょっと好きじゃないかな…」
京太郎「人のこと言えないじゃねーか!…ははっ」
照「あははっ!そうだね?……じゃあここでお別れだね?」
京太郎「そうだなー…じゃあまた明日会おーぜー」
照「うん。…また明日、学校で――」
京太郎「待った。…どうせなんだからここで待ち合わせしよーぜ?…どうせ同じ学校なんだしさ?」
照「…うんっ♪…じゃあまた明日ね?須賀君」
京太郎「おー。…あっ!ちょっと待った!」
照「?…どうしたの?」
京太郎「大事なことを忘れてた。…ほら、≪俺と握手しよう!≫」サッ
照「…今なんて言ったの?…それにこの手は?」
京太郎「握手!…俺の幼馴染直伝の、友達作りの秘訣だよ」
照「友達作りの…秘訣?」
京太郎「おう!手を差し出して、『友達になろう!』…そんでもって、握手すればずっと友達だ!…ってな?」
照「何それ?…でも…なんかいいね。そういうの…」
京太郎「だろ?…ところでさ、手がなんか寂しいんだけどどうすればいい?」
照「あっ、ご、ごめんね?」ギュッ
京太郎「ははっ。何回謝るんだよ?」ギュ
照「ごめっ――じゃない。…これでずっと友達だね?…っ///…わ、私そろそろ帰るね!」タッタッタ
京太郎「おー。じゃあまた明日、8時くらいにここで会おうぜー?」
照「うん!…またねー?……(チラッ)……(チラッ)…」ブンブン
京太郎「こっちばかり見てたら危ないぞー!…またなー!」ブンブン
照「へっ?…(ガンッ)あうっ…す、すいませっ!…電柱?…っ!?」チラッ
京太郎「」ゲラゲラ
照「っ…」ダッ
京太郎「あいつやっぱおもしれーな……友達っていいもんだよな……手紙に書ききれるかな…」
・
・
・
話が思い出せない
~ダイジェスト(数日分)~
照「おはよう…昨日の事は忘れて。ね?」
照「あんなに挨拶されたの初めて……ちょっと疲れちゃったよ…」
照「あの…その…一緒に帰ろ?」
照「うわー…本当にそのマスク付けるの?…やめといたほうが…」
照「隠れ蓑に部活を作るって……隠れるような規模でも、組織でもないと思うけど…」
照「学校のためにいろんなことをする?…ようするに何でも屋ね…」
照「人が増えた?…そんなに集まるものなの?…みんなノリがいいんだね」
照「…私を勧誘しても無駄だと思うよ?……だってどんくさいし……納得しないでよ…」ムス
照「この前は何してたの?…美化委員の手伝い?…確かに学校は綺麗な方がいいよね」
照「今度はネックレス?…へぇー…ロケットなんだ…律儀に仮面マークついてるし…」
照「表は…スペード?…ダイヤもあるんだ…トランプ?……ジョーカーって…先生それでいいんだ…」
照「シルバーって…よくそんな呼び方許してくれたね?…え?…ノリノリ?…そういえばあの先生のお爺さんだったね…」
照「私ね。妹がいるんだ…私にちょっと似てて…かわいい妹だよ?…自画自賛?…咲の文句は許さないよ?」
照「夏に旅行?…ニュージーランドのお土産って何があるの?……キーウィってそんなに可愛かったっけ?」
照「カピバラ?…なんでそんな生き物を…写真?…見せて見せて」
照「あの…英語できるんだよね?…これ翻訳してくれない?…ゆっくりでいいいから…だめ?」
照「字…汚いね?…漢字も間違ってるし…日本語難しいって……じゃあ今度音読して?私が書き写してくから」
照「もっとフランクに呼べって言われても……京ちゃん?…そんな…恥ずかしいよ」
照「……京ちゃん……///」ボソ
照「実はキツい性格って…そんなにキツいかな…思ったままを口にしてるだけなんだけど…」
照「須賀君?…須賀君は私の中学最初の友達で、本の翻訳してくれたりするけど、すっごい変な人で―あいたっ…むー…小突かなくてもいいでしょ?」
照「なんだかんだで一緒に登下校してるよね…掃除まで手伝わなくてもいいのに…え?…私にだって掃除くらい……はい…嘘つきました。ごめんなさい」
>>320
このスレの設定か、スタドラか。どちらかによります
中学編の大まかな内容なら>>223らへんを参考にしていただけると
-夏-
京太郎「エアメールの辛い所って言ったら金がかかることだよな……郵便局が遠いのも辛いけどさ…」
京太郎「まあ金出してもらってんだから文句は言えねえなー……お?あれは…」
?「お姉ちゃん、一人じゃ重いでしょ?手伝うよー」
照「ありがとう咲、じゃあちょっとお願いしようかな…」
京太郎「宮永?…おーい!」
照「?…あっ、須賀君。こんな所でどうしたの?」
京太郎「郵便局行った帰り。…お前こそどうしたんだ?」
咲「」ササッ
照「私はこの子と御使い。紹介するね。妹の咲。……咲、隠れないでも大丈夫だよ?」
京太郎「こんにちは」
咲「…こんにちは。宮永咲っていいます。」サッ
京太郎「…俺なんかしたっけ?」
照「初めて会う人だからね…咲、この人が須賀京太郎って人。何回か話したことあるでしょ?」
京太郎「何を話したんだか…須賀京太郎です。よろしくね?」
咲「…ああっ!…この人がお姉ちゃんが話してた『京ちゃん』だね!?」
照「あっ!咲!それは内緒だって!……はっ」クルッ
京太郎「ほぉ~…ねえ咲ちゃん。お姉ちゃんは普段どんなことを話してるの?お兄さんに教えてくれない?」ニコッ
咲「えーっとね…とっても大事な―」
照「咲、それ以上はダメだよ!」
京太郎「なるほど…家では『京ちゃん』って呼んでるの?」ニヤニヤ
咲「うん!とっても楽しそうに話してるよ?」
京太郎「そっかそっかー…でもね咲ちゃん。お姉ちゃんは普段俺の事を京ちゃんって呼んでくれないんだよ?」
咲「そうなのお姉ちゃん?」
照「いや…その…あの…これは…」
京太郎「呼んでくれてもいいんだぞ?」ニヤニヤ
照「…う」
京太郎「う?」
照「噂され――あいたっ…叩かなくてもいいでしょ?」
京太郎「お前はそれ以外に言うことはないのか?」
咲「あー!お姉ちゃんに酷いことしたらめっ!だよ?」
京太郎「ごめんごめん。お詫びと言ったらなんだけど、その荷物持ってやるよ。ちょっと重いんだろ?」
照「はぁ…じゃあお願いします」
・
・
・
京太郎「なあ宮永」
照咲「「?」」
京太郎「ああ、お姉ちゃんの方な。…そろそろ諦めて『京ちゃん』って呼んだらどうだ?」
照「だって…恥ずかしいし…」
咲「家じゃそんなことないのに」
京太郎「ほう…そういうのはアレだ。何回か呼んでたら慣れるって。ほら試しに言ってみろ」
照「うー………京…ちゃん…」
京太郎「声が小さいな。もう1回」
照「えっ!?…京ちゃん」
京太郎「もう1回!」
照「京ちゃん!」
京太郎「あと5回くらい言ってみよう」
照「京ちゃん京ちゃん京ちゃん京ちゃん……」
京太郎「どうした?1回足りないぞ?」ニヤニヤ
照「実は楽しんでるでしょ?」
京太郎「ばれたか」
照「もうっ!京ちゃんの馬鹿!……あ…」
京太郎「ほらな?慣れただろ?」
照「そうだけど…なんか複雑な気分」
咲「良かったね?お兄ちゃん、お姉ちゃん♪」
京太郎「お兄ちゃん……いい…」
照「どうしたの京…ちゃん。なんか気持ち悪いよ?」
京太郎「酷い言い草だな!?…いやぁ…俺兄妹とかいないから、お兄ちゃんと言われてちょっと感動した」
照「気持ち悪い」
咲「気持ち悪いの?お姉ちゃん大丈夫?」
照「大丈夫だよ咲…そういう意味じゃないから…」
咲「?」
京太郎「お前本当に言葉がキツいな!」
・
・
・
照「ねえ京ちゃん」
京太郎「もう平然と言うようになったな」
照「慣れたからね…いやそうじゃなくて」
京太郎「なんだ?」
照「私だけに京ちゃんと呼ばせるのは卑怯だと思う」
京太郎「そう言われてもなぁ…」
照「それに咲だけ、咲ちゃんって呼んでる」
咲「?」
京太郎「そりゃ宮永って呼んだら2人共返事してるんだもん」
咲「じゃあお姉ちゃんのこともちゃん付けで呼んでみたら?」
京太郎「なるほど…照ちゃん」
照「っ!」
京太郎「照ちゃん照ちゃん照ちゃん」
照「やめて!…ちゃん付けはやめて…」
京太郎「じゃあなんて呼べばいいんだ?…てるりんとかてるてるとか?」
照「もっとやめて!…なんか光物とか雨よけみたいに聞こえるから」
咲「お姉ちゃん?」
照「咲は気にしなくていいよ?……もう呼び捨てでいいから」
京太郎「じゃあ照か…なんかもう一捻り欲しいな?」
照「いらないから!……ちょっと待って…もう一回照って呼んで?」
京太郎「照」
照「………っ///」ボッ
京太郎「なるほど…」
咲「お姉ちゃん顔真っ赤」
京太郎「そう照れるなよ~…なあ照?」ニヤニヤ
照「…///」ウツムキ
京太郎「どうした照?体痛いのか照?もしかして風邪でも引いたか照?」ニヤ
照「…あー!もうっ!京ちゃんうるさい!」
京太郎「わー!照が怒ったー!逃げろー!」ダッ
照「待てー!」
咲「あっ、待ってー!」
京太郎「悔しいなら追いついてみろー!」
照「あ、ちょ、速いって………待ってー………もう走れない……ホントに待ってー…」
咲「…お姉ちゃん大丈夫?」
・
・
・
京太郎「お前体力無さすぎだろ」
照「だって…本ばっかり読んでるし…仕方ないって…はぁ…」
京太郎「わかった、わかったからもうちょっと落ち着け」
咲「お家着いたよ?……ただいまー」
京太郎「ほー…ここがお前の家か」
照「そう…荷物持ってくれてありがと…あとは私が…はぁ…」
京太郎「お前本当に大丈夫か?なんなら玄関までなら運んでやるぞ?」
照「…流石に悪いよ…」ガチャ
咲「お姉ちゃん。お母さんが上がってもらえって言ってるよ?」
照「…あぅ……じゃあお願いします…いらっしゃい、京ちゃん…」
京太郎「流石にお邪魔するのはどうかなー…と…」
照「お母さんも言ってるらしいし…お礼にお茶でもってことで」
咲「そうだよ?いらっしゃいお兄ちゃん」
京太郎「お、おう…じゃあ…失礼しまーす…」
・
・
・
宮永母「――そうなのよー。照ったらいつも学校の話をね――」
照「お、お母さん!」
京太郎「あはは!そうなんですか?いつも学校じゃ――」
咲「へー。お姉ちゃんって学校じゃ――」
宮永父「ただいまー……お客さんか?」
京太郎「あ、お邪魔してます」ペコ
宮永母「おかえりあなた。彼が噂の京ちゃんよ?」
宮永父「ほぉ…君が噂の…照からよく話を聞いてるよ。はじめまして、…須賀京太郎君でよかったかな?」
京太郎「はい。こちらこそはじめまして、須賀京太郎です」
・
・
・
宮永父「――急に友達がたくさんできたと言ってたからすごい驚いたもんだよ。…君には本当に感謝してる。ありがとう」
京太郎「そ、そんな…あの時は俺が変な勘違いして…逆に悪いことをしたくらいですよ」
照「もっと反省してもいいと思うけどな」
宮永母「こらっ。本を1冊丸ごと和訳させた子が言わないの」
・
・
・
京太郎「今日はありがとうございました」ペコ
宮永父「またいつでも着なさい………ところで京太郎君、君はどんな女性が好みだい?」
京太郎「?…よくわかんないですけど、とりあえず胸は大きい方がいいですね!……じゃあ俺はここで…」ペコ
照「またね京ちゃん。……」ペタペタ
咲「?」
・
・
・
-須賀家-
京太郎「ここが俺ん家な。…ただいまー!友達連れてきた!」
照咲「「おじゃましまーす」」
京太郎「いらっしゃいませっと」
・
・
・
照「…か、噛まないよね?」
京太郎「大丈夫だって、おとなしいから」
照「じゃ、じゃあちょっとだけ――」ソー
京太郎「わぁっ!」
照「きゃっ!?な、何!?」
京太郎「ぷっ…あははは!」
照「あ…あーっ!ちょっと京ちゃん!」
京太郎「冗談だって!…本当に噛まないから安心しろって、あははは」
照「むー……わぁ……思った以上に毛が硬い…」
咲「ツンツンしてるー…かわいー…」
京太郎「そうだろうそうだろう。我が家のカピーちゃんをもっと褒めるがよい」
・
・
・
京太郎「じゃあ父さん。よろしくー」
照咲「「おねがいしまーす」」
須賀父「じゃあ撮るぞー?…笑って笑ってー…はいチーズ」カシャ
咲「おじさんありがとーございます」
照「ありがとうございます」
須賀父「大丈夫だよ。カメラが趣味だからね。こっちもいい写真が撮れて良かったよ」
京太郎「また新しいデジカメ買ったんだ…母さんに怒られるよ?」
須賀父「だ、大丈夫だ……じゃあ写真を印刷してくるから…もうちょっとゆっくりしていきなさい」
照咲「「はい」」
・
・
・
京太郎「じゃあ2人にはキーウィのぬいぐるみを買ってきてやろう」
咲「うん♪ありがとお兄ちゃん」
照「本でもいいんだよ?…もちろん翻訳を――」
・
・
・
京太郎「じゃあまたなー。写真大事にしろよー」
咲「はーい!お兄ちゃんまたねー」
照「またね京ちゃん」
・
・
・
-ニュージーランド某所-
京太郎≪よぉエイスリン≫
エイスリン≪キョータロー!≫ダキッ
京太郎≪久しぶり、大きくなったな?≫ギュッ
エイスリン≪キョータローだって……久しぶりだね。いつ来たの?≫
京太郎≪ちょっと前かな?…こっちは寒いなぁ…すっかり忘れてたよ≫
エイスリン≪日本は夏だっけ?≫
京太郎≪そうそう、あっちは暑いぜ?≫
・
・
・
~エイちゃんダイジェスト~
エイスリン≪手紙で色々お話してるけど、まだいっぱい話すことがあるんだよ?≫
エイスリン≪絵もうまくなったよ!……ほらね?…キョータローも練習してみる?≫
エイスリン≪日本語?前より話せるようになったよ?…字はもうちょっと待ってね?≫
エイスリン≪日本の制服ってどんなの?…かわいい服だね?…いいなぁ…≫
エイスリン≪そういえばお友達ってどんな子なの?……ふふっ。とってもユニークな子だね?≫
エイスリン≪私のおかげ?そんなことないよ…その子と友達になったのは京太郎で、なろうと思ったのも京太郎でしょ?≫
エイスリン≪でも私の言葉で、キョータローが友達を沢山作れたって言うなら…うれしいな≫
エイスリン≪写真?…かわいい子だね?…キョータローの写真はいつも笑顔で安心するよ≫
エイスリン≪じゃあ私からその子達に絵をプレゼントしようかな。…どんな絵がいい?≫
エイスリン≪太陽…お花畑…姉妹仲良く本を読む…ツノ??…これでどうかな?≫
エイスリン≪お礼なんていいよ♪キョータローの友達だもの。私にとってもお友達だよ?≫
エイスリン≪キョータローもお土産?…キーウィのぬいぐるみ…じゃあ一緒に買いに行こ?≫
エイスリン≪私にもくれるの?ありがとう♪大事にするね?≫
エイスリン≪すっごく楽しかったよ。…今度は私もそっちに行ってみたいな…≫
エイスリン≪じゃあまたね。話せてよかった≫
エイスリン「キョータロー!マタネ!」ギュッ
・
・
・
-日本-
京太郎「ほら、お土産だぞー」
咲「お兄ちゃんありがとっ!」
照「ありがと…思った以上にかわいい…」
京太郎「そりゃマスコットキャラみたいなもんだしな。かわいくもするって」
咲「ねえお兄ちゃん。この子に名前とかないの?」
京太郎「名前か……キーウィ太郎とかどうだろう。…略してキウ太郎」ドヤ
照「何ちょっとうまいこと言ったみたいな顔してるの?」
咲「じゃあキウちゃんだねー…よろしくキウちゃん」
照「咲……」
京太郎「あとは…これが俺の幼馴染からお前らにプレゼントだ!」
照「これは…絵?」
京太郎「おう!お前らの写真見せて書いてもらったんだ。感謝しな」
咲「こっちのちっちゃいのが私でこっちがお姉ちゃん?」
京太郎「2人して外に出てまで本を読むとか不健康だな?」
照「書いてもらったの京ちゃんだよね?その言い方はどうかと思うけど…」
京太郎「まあいいじゃねえか…俺の幼馴染に感謝しろよ?」
咲「はーい」
照「私からもありがとうって言っておいてね。……そういえばその幼馴染ってどんな子なの?」
・
・
・
照「京ちゃん…山に登ろう…もちろん京ちゃんは荷物もちね?」
京太郎「えっ!?」
照「まあいいじゃない。もう1つプレゼントだと思ってさ」
京太郎「えーっ!?」
・
・
・
-山登り後-
京太郎「いたた…」
照「思ったより無事でよかった」ホッ
咲「ホントにだいじょーぶ?痛いとこない?」
京太郎「大丈夫だよ。これでも男だからね」
咲「男の子ってすごいんだね」
京太郎「じゃあ照。約束通りアイス買って貰おうか。もちろん高い奴な?」
照「…安いのじゃダメ?」
・
・
・
照「冷たくておいしい…財布は寒いけど…」
京太郎「お前が悪いんだから反省しろって」
照「はーい……ねえ京ちゃん、気になってたことがあるんだけどさ」
京太郎「何だ?」
照「綺羅星るって何?…初耳なんだけど…」
京太郎「なんか知らないけど、綺羅星として活動する的なことだ」
照「ふーん…でもなんか口調もおかしかったような…」
京太郎「重いわ暑いわで何言ってたかほとんど記憶にないなー……俺何言ってた?」
照「なんか王とかリーダーとかこの俺様がとか言ってたよ
京太郎「」
照「…もしかしていつもあんなこと言いながら活動してるの?」
京太郎「……」プイ
照「まさか…」
京太郎「アイスうまいな!」
咲「お兄ちゃん。そっちのアイス美味しい?」
京太郎「美味しいよ。一口食べる?」
咲「うん!…じゃあ私のもあげる。はい、あーん…」
照「さ、咲!?」
京太郎「んむっ。おいしいな。じゃあ俺もあーん…」
咲「あーん…うん!こっちも美味しい!」ニコ
照(…本当に美味しそう…)
京太郎「どうした照?…まさかお前もこれが食いたいのか?」
照「えっ!?いやいや!そんなことはないけどっ!?」
京太郎「そっかー…んむ…こんな美味しいのになー…ねえ咲ちゃん?」
咲「うん!」
照「あっ!…それじゃ咲と間接…」ボソ
京太郎「どうした?なんならお前にも食べさせてやってもいいんだぞ?」ニヤニヤ
照「えっ……じゃあ…その…いただきます…」
京太郎「お願いします。がないなー?」
照「っ…お願いします…」
京太郎「仕方ないなぁ…ほら、あーん…」
照「あ、あーん…」
京太郎「あー…げないっと。…うん。うまい!」
照「あ……」
咲「あー!お姉ちゃんいじめちゃダメだよ?」
京太郎「冗談だって。…悪かったよ。だから落ち込むなって?ほらっ、今度はちゃんとやるから…あーん…」
照「……あー…ん…うん…美味しい…」ニコ
京太郎「ほっ…」
照(……あ……でもこれって……///)
咲「?…お姉ちゃんのアイスもちょっとちょーだい!」
照「いいよー…ほら、あーん…」
咲「あーん。…じゃあ私もお返しね?あーん…」
照「あーん…美味しい。……ちょっと味わからないけど…」ボソ
京太郎「あー!俺にもちょっとアイスくれよー」
照「ふぇっ!?……い、いやでも…」
京太郎「なんだよー…さっきのそんなに怒ってんのか?」
照「そんなことないけど…」
京太郎「じゃあちょっとくれよー…あーん」
照「っ…あ、あー…あっ」ペチャ
京太郎「冷たっ。…まったく…ドジな奴だなー」
照「あっ…ごめん。…拭くからちょっと待ってて………取れたかな?」
京太郎「ちょっとベタベタしてるけどな…ほれ、今度こそちゃんと寄越せ」
照「うん…あーん…」
京太郎「あー…んむっ。うまいな…だけど安物の味がするぜ!」
照「…まったく…調子いいんだから…ふふっ」
・
・
・
-秋-
京太郎「この学校の委員会とかって、あんまりやる気ないんだよな」
照「そうなの?」
京太郎「うん。…だから俺らで委員会をやる気ある集団に変えていこうかと思ってな」
照「なるほどね。…多分いいことだと思うよ?」
京太郎「そこで俺は気づいたんだ…生徒会に入れば…いや、我らが議長を生徒会長にすれば実質的に俺らの天下だって…」
照「京ちゃんは何もしないの?」
京太郎「自分から生徒会長になるやつなんているの?」
照「ぎちょ…嫁田君に悪いと思うな」
京太郎「あいつはまとめるの好きだからいいんだ…きっとなりたがってるはず……それより今議長って――」
照「き、気のせいだよ!」
-10月-
照「京ちゃんどうしよう」
京太郎「急にどうした?」
照「もうすぐ咲の誕生日なんだけど、プレゼントが決まってない」
京太郎「なるほど…本とかどうだ?」
照「それも考えたけど…何かいいものない?」
京太郎「うーん…もうお前があげるならなんでもいいんじゃね?」
照「なんか投げやりになってない?…けど咲は喜んでくれるかな?」
京太郎「そこを考えたら始まらないだろ?……その誕生日っていつだ?」
照「10月27日だけど…」
京太郎「もうすぐじゃねえか。…俺もプレゼント用意しなきゃなー」
照「京ちゃんも祝ってくれるの?ありがとう。咲も喜ぶよ」
京太郎「おうよ。…ちなみにお前の誕生日はいつなんだ?」
照「もう過ぎたよ?」
京太郎「言ってくれたらその時も祝ったものを…来年はお前も祝ってやるから、覚えとけよ?」
照「あ…うん。その時はよろしくね?」
京太郎「おう。俺に任せとけって」
照「じゃあ放課後にプレゼント買うの付き合ってね」
京太郎「仕方ないなぁ…」
・
・
・
-咲ちゃん誕生日-
京照「「誕生日おめでとう!」」
咲「えへへ~、お兄ちゃんもお姉ちゃんもありがとー」
照「はい、プレゼントだよ」
咲「わーい!」
京太郎「じゃあ俺からもとっておきのプレゼントだ!」
咲「なになに~?」
京太郎「じゃじゃーん!俺とお揃いの綺羅星マス―」バシッ
照「ま・さ・か、そんなものをプレゼントするわけないよね?」ジト
京太郎「そ、そんなわけないだろ?冗談だって!冗談!」
照「もしもそれ以外用意してないとか言ったら…」
咲「えー…お兄ちゃんプレゼントくれないの…?」
京太郎「だ、大丈夫だって!…ちょっと待って、確か…あった!ほら!これだこれだ!」
照「あれ?それって…」
京太郎「おう、俺とお揃いのロケットペンダントだ!」
咲「お兄ちゃんとお揃い!?やったー!ありがとねお兄ちゃん!」
照「…いいなー」ボソ
京太郎「ここで更にうれしいサプライズだ!…実はもう1つあって3人でお揃いにできるぞ!」
照「えっ!?」
咲「お姉ちゃんともお揃い!?やった♪」
照「…私もいいの?誕生日でもないんだよ?」
京太郎「今年の誕生日分だよ。お前1人だけ仲間外れにするわけないだろ?」
照「…うん、ありがとね、京ちゃん♪」
京太郎「おうともよ…それにこのロケットよく見てみろ」
照「あ……これって…確か京ちゃんの幼馴染が書いてくれた絵と同じ…」
京太郎「そういうこと。つまり2人の為に作ったんだもんだよ。ちょっと無理言って頼んだけどさ」
咲「そうなの?」
京太郎「そうなんだ。…でも今までの中で最高傑作だって言ってたよ」
照「京ちゃんのよりも?」
京太郎「そりゃそうだ。俺のなんてただのスペードだしな」
咲「ねえお兄ちゃん、これどうやって写真入れるの?」
京太郎「ああ、これはここをこうやって開けて…」
照「そういえば京ちゃんはどんな写真入れてるの?」
京太郎「ああ、俺のはほら、前にみんなで撮ったヤツだよ」パカ
咲「おー、カピちゃんかわいいねー」
照「確か京ちゃんの家でカピーを囲んで撮ってもらったんだよね?」
京太郎「そうそう、あのときのお前らと言ったら、カピーを見たい見たいってうるさかったもんな」
咲「だって見たかったんだもん」
照「カピバラなんて珍しい動物飼ってる京ちゃんが悪い」
京太郎「なんだそりゃ」
京太郎「…ところで2人はどんな写真入れるんだ?」
咲「んー、内緒!」
照「私はまだ決めてないかなー」
京太郎「そうか……おお!そういえばこのロケットには秘密があるんだった」
咲「ひみつ!?なになに!?」
京太郎「ふふふ、実はだなー…」
照「もったいぶらないでさっさと言ってよ」
京太郎「そういうなって、実はこのロケットな、マスクと同じ工房の作品なんだけどさ」
照「せんせ…団員のおじいさんがやってるんだっけ?それがどうかしたの?」
京太郎「そのおじいさんが結構おちゃめでさ、例えばこのマスクの裏側にある窪みあるだろ?」
咲「ちょっとでこぼこしてるね」
京太郎「あの工房の作品全般にこんな感じの窪みがあるんだよ。そしてこのロケットの裏を見ろ」
照「仮面のマークがあるね…なんか嫌な予感がしてきたよ」
京太郎「そう!ロケットを他の作品にはめ込んで、それをペンダントにすることが可能なのだ!」
咲「おー!すごいすごい!」
京太郎「だろ?…というわけでここにマスクを2人分用意…」
照「いらないから」
京太郎「ぐっ…でもせっかく用意したんだから…」
照「いらないって…咲もいらないよね?」
京太郎「咲ちゃんは欲しいよね!?ほら、こんな感じでかっこいいよ?」
咲「うーん…かわいくないし…それに重いからいらなーい」
照「ほらね?」
京太郎「ちくしょー」
・
・
・
-文化祭-
照「私達クラスの手伝いしなくてもいいの?」
京太郎「いいんじゃねえかな。…ほら、どうせなら色々周ろうぜ」
照「うん」
京太郎(お目付け役として同行してるとは言えないな…)
照「?…どうしたの京ちゃん?」
京太郎「なんでもないよ、じゃあ行こうぜ」
-クリスマス-
ピンポーン
照「はい、どなたですかー?」ガチャ
京太郎「メリークリスマス!」
照「メリークリスマス。サンタ帽被って何してんの?」
京太郎「サンタクロースさ!」キリ
照「……ごめん京ちゃん…お父さんもさっき同じことやってた」
京太郎「マジかよ…先にやりたかった…」
照「落ち込むことなの?」
京太郎「どうせやるなら一番だろ」
照「そういうことなのかな……ほら、風邪引いちゃうから入ってよ」
京太郎「いいのか?」
照「駄目な理由がないでしょ?…いらっしゃい京ちゃん」
-大晦日-
京太郎「おじさんは?」
照「列の外でちょっと休んでるって」
京太郎「まあ無理言って連れてきてもらったようなもんだし、仕方ないか」
照「京ちゃんのご両親はどうしてるんだっけ?」
京太郎「近所の知り合いと飲んでくるとか言ってたよ」
照「あはは…」
京太郎「お前の方は…流石に咲ちゃんに除夜の鐘は無理だったか」
照「うん。お母さんと留守番して――くしゅっ」
京太郎「大丈夫か?」
照「大丈夫、ちょっと寒いだけだから」
京太郎「そうか?…って、お前マフラーも手袋もしてないじゃねえか」
照「急いでて忘れちゃった」
京太郎「…仕方ねえなぁ。…ほら、俺のマフラーかけてやるよ」パサ
照「あ…ありがと…京ちゃんは寒くないの?」
京太郎「俺は男だからな…手袋も付けろ。…ちょっと大きいかもしれないけどさ」
照「そこまではいいよ」
京太郎「いいから付けてろって、俺は大丈夫だからさ」
照「でも…」
京太郎「はぁ…じゃあ片方だけでいいから。…これ命令な」
照「何それ…わかったよ…でもこれじゃ片手が寒いよ?」
京太郎「じゃあ両方付ければいいだろ」
照「それは駄目」
京太郎「頑固だな……じゃあ手でも繋ぐか、ほら」
照「えっ!?」
京太郎「こうすりゃ寒くないからなっと」ギュ
照「そ、そうだね……あったかいかもね…///」
京太郎「だろ?……にしてもいつになったら鐘撞けるんだろうな」
照「仕方ないよ。…このままゆっくり待とうよ。ね?」ギュ
京太郎「そうだな」
・
・
・
京太郎「並べば全員撞けるってありがたみが薄いよな」
照「まあ撞けるだけいいんじゃないかな?」
京太郎「それもそうだな」ゴーン
照「始まったね。…もうちょっとしたら年が明けるよ」
京太郎「そうだな…」
・
・
・
京照「「あけましておめでとうございます」」
京太郎「今年もよろしくな」
照「こちらこそ、今年もよろしくね」
京太郎「だけど…まだ鐘撞けそうにないな」
照「それは仕方ないよ。…ゆっくり待とうよ…ほら、星だって綺麗だよ?」
京太郎「そうだな…」
照「またこんな空が見れるといいね…」
京太郎「…『でも僕達はこれから…これよりもっと凄い空を、きっと見るさ』」
照「え?…それって確か…」
京太郎「いい台詞だよな?……また貸してくれね?どこにも売ってないんだわあの本」
照「ふふっ…いいよ。どうせ私しか読まないから」
京太郎「あれ?咲ちゃんもお前の本読むんじゃなかったっけ?」
照「咲は私みたいに雑食じゃないから…文学的な本しか読まないんだよ」
京太郎「へー」
照「あの本だって、『星の王子さま』が元なんだよ?…そっちは咲も読むけどね」
京太郎「マジか!?…今度読み比べてみようかな」
照「そうするのも本の楽しみ方の一つだよ?」ニコ
・
・
・
京太郎「そろそろ俺らの番だな」
照「うん」
京太郎「鐘撞いたらおじさん達に合流して二年参りだな」
照「それって神社に年越しで2回お参りすることじゃなかったっけ?」
京太郎「マジか!?」
・
・
・
チャリーン パンパン
京太郎(今年も友達みんなと楽しく過ごせますように)
照(また京ちゃんと1年楽しく過ごせますように…あっ、咲や他の友達みんなともでお願いします)
京太郎「…よしっ!帰ろうぜ」
照「そうだね。…ふゎぁ…」
京太郎「大丈夫か?」
照「ちょっと眠いかも…」
京太郎「じゃあおじさんのとこに急ぐとするか」
・
・
・
京太郎「すんません。照寝ちゃったんで後お願いします…送ってくれてありがとうございました」
宮永父「保護者の務めだよ、京太郎君。…それよりいいのかい?手袋にマフラーまで貰っちゃっても…これまだ新しいんだろう?」
京太郎「いいんですよ。クリスマスプレゼントってことでお願いします」
宮永父「それにはちょっと遅いかもね?…じゃあ今日はこれで…今年もよろしくね?…また遊びにきなさい」
京太郎「あはは…はい。今年もよろしくお願いします……照が起きたら、よろしく言っといてください」
宮永父「ははは。わかったよ、じゃあまたね」
-正月:昼過ぎ-
ピンポーン
京太郎「はいはい、どなたですかーっと」ガチャ
照咲「「あけましておめでとうございます」」
京太郎「おー、あけましておめでとう……なんだ、お前自分のマフラーとか持ってんじゃなかったっけ?」
照「せっかくのプレゼントだもん。大事に使うよ。……手袋もマフラーもありがと」
京太郎「いいってことよ。…年賀状取って来るから先に上がっといてくれ」
咲「うん。…おじゃましまーす」
・
・
・
京太郎「んじゃ改めて…」
京照咲「「「あけましておめでとうございます」」」
京太郎「とは言っても昼過ぎてるけどな…夜はちゃんと寝れたか?」
照「別に起こしてくれてもよかったのに…」
京太郎「ぐっすり寝てたんだよ。……ところでこの年賀状はなんでうちの住所が書いてないんだ?」
照「書くの忘れてて…朝起きてから急いで書いたから……出来立ての新品だよ?」
咲「私はちゃんと書いて送ったよ?」
京太郎「咲ちゃんはえらいねー…ついさっき年賀状をポストに放り込んだ奴とは大違いだ」
照「わざとじゃないんだよ?」
京太郎「そういう問題じゃねえと思うぞ?」
照「まあいいじゃない。…それに京ちゃんだって1枚に2人分の名前書いてたし」
京太郎「普通兄妹とか姉妹とかに送るときってそうしないか?」
照「そうなのかな?…まあいっか。今年もよろしくね、京ちゃん」
咲「よろしくね、お兄ちゃん」
京太郎「よろしくな、2人共………じゃあ初詣に行こうぜ?」
照咲「「うん!」」
照「…でも私達夜に初詣したような…」
京太郎「……行くぞー!」
照「ごまかした…」
-京太郎誕生日-
照咲「「誕生日おめでとー」」
照「私達からのプレゼントです」
咲「です」
京太郎「おー。ありがとな……これは…マフラーと手袋か」
照「京ちゃんのは貰っちゃったからね。…だから新しいのをプレゼント」
京太郎「そっか…お前にあげたやつ、かわいくもない男物だけど良かったのか?」
照「うん。…私はこれがいいの」
京太郎「ふーん……手袋はいいんだが、このマフラー…なんか長くね?」
照「お父さんが、これがいいんじゃないかって言ってたから…駄目だった?」
京太郎「いいや、大丈夫だ。…大切に使わせてもらうよ」
咲「…ケーキ…美味しそう…」ボソ
京太郎「…ああ…じゃあケーキ食おうぜ!さっきから気になってたんだ」
照「もう、京ちゃんったら…」
咲「お兄ちゃん…うんっ!」
・
・
・
照「これでみんな誕生日過ぎたね…」
京太郎「本当に色々あったよな」
照「2年も同じクラスになれるといいね」
京太郎「そうだな」
咲「いいなー…私も早く中学校行きたいなー」
照「咲はもう1年とちょっとがんばらないとね」
京太郎「そうそう、咲ちゃんが入ったらみんなで学校行こうね」
咲「はーい」
-バレンタイン-
京太郎「チョコってさ…友チョコとかあるけど、別に団員とか部員とかからもらえるってわけじゃないんだぜ?」
照「そんなにチョコ貰いたかったの?」
京太郎「うん…」
照「そ、そっかー……あ、鞄の中に丁度チョコが入ってるー…仕方ないなー…これは京ちゃんにあげよう」
京太郎「……いや、うれしいんだけどさ…流石にそれはわざとらしすぎるだろ…」
照「じゃあいらないの?」
京太郎「わ、わーい!すっげーうれしい!どんなチョコかなー!………こ、これは!」
照「あのね…実はお母さんに手伝って貰ってがんばって作ったんだけど…」
京太郎「…市販のチョコじゃね?」
照「すっごい失敗しちゃって……仕方なく市販のをね?」
京太郎「何をどうしたらチョコで失敗するんだ……溶かして型に入れるだけじゃ…」
照「実はカカオからがんばって作ろうと…」
京太郎「何を思ってカカオから作ろうと……失敗したのは?」
照「お父さんががんばってくれました」
京太郎「…別に俺が食っても良かったけどな…」ボソ
照「え?…京ちゃん今なんて…」
京太郎「何でもねーよ。…来年は失敗しても食ってやるからちゃんと持って来いよ?」
照「む…来年は絶対失敗しないよ」
京太郎「期待しないで待っててやるよ」
照「そこは期待しようよ!」
・
・
・
~中学2年:ダイジェスト~
照「同じクラスだよ?また1年よろしくね、京ちゃん♪」
照「あれから1年だね…あの時は本当に困ったよ……感謝してるよ?…ありがと」
照「そういえば貸した本返してもらってない…年明けからずっとかな?」
照「ちょっと汚れちゃったから新しいの買う?い、いいよ。私一回読んだらそれっきりなこと多いし…咲は読まないからね」
照「一緒に買いに行く!?…そ、そこまで言うなら一緒に買いに行こうかなー……何で笑ってるの?…むー…そもそもで京ちゃんが悪いんでしょ?」
照「何処にも売ってなかったね?…仕方ないよ。…無理して返さなくてもいいんだよ?…でも久々に読んでみたいかも…」
照「…あの本初版分しかないの?…どうりで古本屋にも無かったんだね……知らなかったよ…」
照「思ったより綺麗じゃない?…表紙?…カバーつければ大丈夫だよ…そんなにこの本読み直したの?…ふふっ、私も好きだよ…いい本でしょ?」
照「『青春を謳歌しようぜ』って、よっぽどあの本が好きなんだね?…私の青春は去年京ちゃんと会ってから謳歌しっぱなしだよ?」
照「京ちゃんがずっとこの本を読んでくれてたんだ……私もまた読もう…大事にしなきゃね…」ボソ
照「じゃあ罰として久々に本の翻訳して?…今回はこの本です。…もちろん本気だよ?」
照「前より字がうまくなったね?…うん、国語なら任せてよ。…英語はよろしくね?」
照「丸くなった?…太ってないと思うけど……性格?…言動がキツくなくなったって何?」
照「何あの部活勧誘。それっぽいこと言ってたけどね?確か…」
『素晴らしき青春は素晴らしき学校から、自分やみんなのためにがんばって、楽しく青春を謳歌しようぜ!』
照「あいたっ…恥ずかしいなら言わなきゃいいのに…」
照「え?あの勧誘で入ってきたの?…なんかすごいね?…団員も増えたと…」
照「議長の方がリーダーみたいに見られてるって…京ちゃん普段何かしてた?」
照「イジメが起きてないのはいいことだよ?…喧嘩は…まぁ仕方ないよね…」
照「京ちゃん大丈夫?…喧嘩の仲裁なんてするから…そか…その子達仲直りできたんだ…えらいえらい」
照「ヘッドとしての意地を見せたって……まさか意地を見せるためだけにってことは……うん…聞かないでおく…」
照「今年は外国に行かないの?……キウ太郎?…あー…そんな名前だったね……大事にしてるよ?」
照「また山に登らない?…流石に荷物は自分で持ちますー…体力?…あはは…」
照「先に14歳に成らせていただきました。…ブックマーカー?珍しいね…ありがとう、大事にするね。マスクはいらないよ?」
照「ねえ京ちゃん…ちょっと聞きたいことがあるんだけど…うん、時間貰っていいかな?」
・
・
・
京太郎「それで…なんか辛いことでもあったのか?…相談に乗るぞ?」
照「ねえ京ちゃん…もしも…もしもだよ?…もし京ちゃんが相手の事を知ってしまう鏡を手に入れたらどうする?」
京太郎「なんかよくわからないこと言うな?……鏡ねぇ…中二病にでも目覚めた?」
照「違うよ?…そうだね…じゃあ…とっても仲良しの人がいて、その人の知りたくないことを知っちゃったらどうする?」
京太郎「うーん…とっても仲良しなんだよな?」
照「うん。できるならいつまでも仲良くしていたい人とか」
京太郎「それは悪いこと?」
照「……もしも京ちゃんが、相手と真剣勝負してて、手加減されてたらどう思う?」
京太郎「そうだなー…何か理由があっても、良い気持ちにはならないかな?」
照「そんな感じのことだよ……どう?」
京太郎「そっか…難しいな…理由とかないのか?」
照「…そこまではわからないよ……京ちゃんならどうする?」
京太郎「俺だったら……とりあえず一度話してみるかな?…友達に遠慮とかあんまされたくないし」
照「そうだね…とりあえず一回話し合ってみるよ」
京太郎「…でも友達って難しいよな。…とっても仲が良かったとしても、お互い隠し事とかあること多いしな」
照「うん…」
京太郎「まあ俺には誰に対して卑しいことなんて何もないけどな!」
照「何それ?……じゃあ、もしも京ちゃんがそんな子と仲良くしていこうって時にはどうするの?」
京太郎「そういうときは全部吐き出しあって、改めて友達になろう。って言ってやるんだよ」
照「なるほど」
京太郎「例えば…俺なんて昔、ちょっかい出されて喧嘩して、その後にそいつらと仲良くなったことだってある」
照「そうなんだ…京ちゃんも色々あったんだね…」
京太郎「それでも今じゃ大切な友達だよ。…それにお前の場合はもう仲が良い相手なんだから大丈夫だよ」
照「…そうかなぁ…」
京太郎「それによく言うだろ?」
照「?…なんて?」
京太郎「『大切なものは目に見えない』ってな!」
照「…それ絶版だからすっごいマイナーだよ?」
京太郎「残念、『星の王子さま』でした」
照「あっ…それはずるいよ?……でも参考になったよ。ありがとう京ちゃん…私にできるかわからないけど、やってみる…」
京太郎「何の参考になったかは聞かないから、解決できた時にでも教えてくれよ?……でも、どうしようも無いときは頼ってくれ」
照「うん!」ニコ
京太郎「そうそう、やっぱ友達と話してんだから、笑って行こうぜ?」
照「うん♪」
・
・
・
~ダイジェスト~
照「テスト勉強しようよ。…うん、じゃあ私の家でね」
照「私は国語で京ちゃんが英語、完璧だね?…他は…多分大丈夫じゃないかな?」
照「解答欄ずれてた……いいよ、半分は点取れたし……それにもう夏休みになるんだから、楽しまないとね?」
照「アイス?…テストのことはもういいよ…半分こ?…うん、美味しい…もうちょっと高いのくれても良かったんだよ?…冗談だって。あはは」
照「プール?……うん、いこっか。…うん、咲も一緒にね」
照「…ちょっと京ちゃん、なんでそこらへんのお姉さんの胸見てるの?」
照「私だって…まだまだ成長期だから…絶対大きくなるから…なるはずだから……」
照「秋だね…まだ暑いけど…2学期も一緒にがんばろうね?」
照「本当に嫁田君会長に立候補しちゃったんだ…京ちゃんは…何もしないの?…実はめんどくさいだけでしょ?」
照「私と帰れなくなるって……ねえ京ちゃん、ちゃんと私を向きながら答えてみてくれない?……そんなことだと思った…はぁ…」
照「この際だから部長も譲るって……京ちゃんはどうするのさ?…オフィサー?…何それ?」
照「生徒会役員のほとんどに団員が立候補って、それ大丈夫なの?…選挙管理委員も乗っ取ったって…そういえば京ちゃんも…なんかずるくない?」
照「あーあ…これで学校を占拠しちゃったね?…3年が卒業するまではボランティアとかで信頼を集める?…以外と真面目なんだね…」
照「へぇ…今度は生徒会主催で学外のボランティアもやるんだ」
照「…咲の誕生日プレゼント…一緒に買いにいこっか?」
照「付き合ってくれてありがと。…京ちゃんのは私とおそろいのだっけ?…咲のは花なんだ…いつも通りだね?」
照「京ちゃんは…花と太陽だとどっちが好きなの?……星は関係ないでしょ?…はぁ…」
-咲ちゃん2度目の誕生日-
京照「「おめでとう」」
咲「ありがとっ♪」
・
・
・
照「あ、電話だ…ちょっと行ってくるね」
京太郎「おー……ねえ咲ちゃん、ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
咲「どうしたのお兄ちゃん?」
京太郎「最近の照さ、何処か変だったりしないかな?」
咲「うーん…そんなことはないと思うけど…」
京太郎「そっか…」
咲「何かあったの?」
京太郎「うーん…なんか無理してるような気がしてね」
咲「そうなの?」
京太郎「俺の感だからなんとも言えないんだよなぁ……あぁ、そうだ」
咲「?」
京太郎「照の誕生日のちょっと後くらいかな?…あいつ落ち込んだりしてなかった?友達と喧嘩したとかそんな感じで」
咲「えぇと……確か…そうだ!」
京太郎「おっ、何かあった?」
咲「『京ちゃんに言い負けた。悔しい』とか言ってた気がする」
京太郎「…俺何か言ったっけ?」
咲「わかんないよ。それより何でそんなこと聞くの?」
京太郎「なんとなく、心配なだけだよ。…咲ちゃんだって照になんかあったら心配でしょ?」
咲「それはそうだけど…なんかずるいよ、お兄ちゃん」
京太郎「あはは…ごめんね咲ちゃん」
咲「でも今日はプレゼントくれたから許してあげる」
京太郎「ありがとね。……じゃあこれはお願いなんだけどさ」
咲「何?」
京太郎「もしも、照が何かに悩んでたり、何かで困ってたりしたら…俺に教えてくれないかな?…あいつ不器用だから、教えてくれない気がするんだ」
咲「うーん…いいけど…」
京太郎「けど?」
咲「お兄ちゃん、お姉ちゃんだけじゃなくて、私に何かあっても助けてくれるよね?」
京太郎「当たり前だろ!照も咲ちゃんも、俺にとっては大事な友達なんだからさ」
咲「うん!…じゃあお姉ちゃんのことは任せてよね!」
京太郎「おう!じゃあ頼んだよ、咲ちゃん」
照「ただいまー。…何話してたの?」
京太郎「2人だけの秘密」
咲「ひーみーつー…だよ?」
照「何なの…?」
-クリスマス-
照「…京ちゃん遅いな…何かあったのかな……あっ――」
京太郎「颯爽登場!…待たせたな!」
照「遅いよ?…ところでその頭はどうしたの?」
京太郎「サンタ帽だけど?…はぁ、疲れたー…」
照「待ち合わせに遅れた理由は?」
京太郎「…サンタ帽探してました…ごめんなさい」ペコ
照「そんなくだらないことがんばらなくても……マフラーも手袋も付けてないし…」
京太郎「急いで忘れちまったんだよ…」
照「ふふっ…仕方ないなぁ……そうだ、去年のお返し…はい、手袋かたっぽ」
京太郎「あー……ありがとな。……ほら、手が寒いだろ?…」ギュ
照「去年と同じだね?…どうせならマフラーも一緒に使ってみる?」
京太郎「2人で使って長さ足りないだろ?…それに街中でそれは恥ずかしい」
照「手を繋ぐのはいいのに?」
京太郎「?…友達と手を繋ぐのって何処か変か?」
照「…はぁ……何でもないよ。じゃあ行こっか?…恥ずかしいからサンタ帽は取ってね?」
・
・
・
京太郎「そういえば今日は咲ちゃんと一緒じゃないんだな?」
照「咲は友達と一緒にクリスマス会だってさ」
京太郎「ふーん…クリスマス会ねぇ……来年に学校全体でやってみようかな」
照「面白そうだね?…でも京ちゃんは生徒会じゃないんだから、あんまり口出ししたら駄目だと思うよ?」
京太郎「俺だからこそ、許されるのだーってな?…楽しみにしてろよ?絶対に盛り上げてやるからな」
照「うん」
・
・
・
京太郎「でもよー。こんな寒い中で外出なくても、家の中とかで良かったんじゃね?」
照「家は……ちょっと…ね……京ちゃんは私と出かけるのは嫌だった?」
京太郎「いや、楽しいけどな。……寒いけど」
照「だから手袋貸してるんでしょ?…やっぱりマフラーも――」
京太郎「それは恥ずかしいって言ってるだろ?…ほら、早く次行こうぜ!」グイ
照「あっ。ちょっと京ちゃん、あんまり引っ張らないでよー」
-大晦日-
照「今日は連れてきてくれてありがと」
京太郎「でも良かったのか?お前だけこっちに来て…」
照「うん…咲は寝ちゃってるし……お母さん達もね?………咲の前では仲良くしてると思うから…」ボソ
京太郎「ん?…今なんて言ったんだ?」
照「なんでもないよ。それより、お汁粉と甘酒配ってるよ。美味しそう…」
京太郎「そだな…でも父さんももうちょっといいとこ連れてきてくれても良かったのにな?…ここじゃ鐘撞かせてもらえないんだぜ?」
照「でも、ここならお寺も神社も近いから、二年参りができるよ?」
京太郎「…もしかして覚えてた?」
照「うん、忘れるわけないでしょ?」
京太郎「そっか…じゃあ先に神社でお参りして…その後はゆっくり年明けを待つってのはどうだ?」
照「それでいいと思うよ」
・
・
・
京太郎「あれ?そういえばお前マフラー何処やったんだ?…確か来るときはあったよな?」
照「え?…あっ…京ちゃん…どうしよう……京ちゃんから貰った大事なマフラーなのに……」オロオロ
京太郎「大丈夫だって、きっと車に忘れただけだよ。安心しろって」
照「でも…」
京太郎「後で落し物確認にも行こう、な?」
照「それで見つからなかったら…」
京太郎「その時は新しいの買ってやるよ」
照「……」
京太郎「あー、もう!…ほら、俺のマフラー長いから一緒に使うぞ」ファサ
照「え///……でも…京ちゃん、前に恥ずかしいって…」
京太郎「うっせ…今だって恥ずかしいよ…」プイ
照「…うん…ありがとね、京ちゃん…」
京太郎「ほら、さっさとお参りするぞ?…俺は甘酒が飲みたくて仕方がないんだ!」
照「私はお汁粉の方がいいなー…ちょっと京ちゃん、もうちょっとゆっくり歩いてよ。首絞まっちゃう――」
・
・
・
パンパン
京太郎(来年もみんなと楽しく過ごせたらいいな……照のマフラーが見つかるといいな…)
照(来年も京ちゃんと一緒にいたいな……大事なマフラーが見つかりますように)
京太郎「どんなお願いしたんだ?」
照「京ちゃんこそ…じゃあ一緒に言ってみようか?」
京太郎「そうだな…いっせーの――」
京照「「マフラーが見つかりますように!」」
京太郎「なんだよ、真似すんなって」
照「京ちゃんが真似したんだよ?…ふふっ」
京太郎「笑うなよー。…じゃあ願いが叶うように、まずは車まで見に行こうぜ?」
照「うんっ」
・
・
・
照「あったといえばあったけど…」
京太郎「鍵がないから開けられない…父さん達何処にいるんだろうな?」
照「出店の方で休んでるんじゃないかな」
京太郎「そこ以外思い浮かばないな。……仕方ない、俺らも神社に戻るとするか」
照「うん。……もうちょっとこのままで……」ボソ
京太郎「?…ほら、行くぞ」
・
・
・
照「ちょっとサービスして貰えてよかったね?」
京太郎「…だからって、人前にこのままで行くとか恥ずかしすぎるだろ……」
照「寒いんだから仕方ないよ。…うん、仕方ない…」
京太郎「何で二回言ったんだ?」
照「気にしなくていいの。…でも、そんな欲張って両方貰わないでもよかったと思うよ?」
京太郎「お前だって両方貰ってるだろ?」
照「私は京ちゃんに合わせただけだもん」
京太郎「じゃあ甘酒おくれ」
照「お汁粉くれるならいいけど?」
京太郎「…太るぞ?」
照「私は食べても太らない体質だからだいじょーぶです」
京太郎「その割には成長もしないけどな」
照「大きなお世話だよ。…まったく、京ちゃんはデリカシーに欠けてるよ」
京太郎「正直者と言ってくれ…よし、鐘が鳴る前に神社に行くぞ?今度こそ二年参りだ!」
照「そんな急がなくてもいいんじゃ…」
京太郎「どうせなら一番乗りしたいだろ?それにあっちの方が静かだし、星だって綺麗に見えるからな」
照「はぁ…仕方ないなぁ…」
・
・
・
ゴーン
照「お汁粉美味しかったね」
京太郎「甘酒もな。…そろそろだな……あっ」
照「どうしたの?」
京太郎「言い忘れてたことがあったよ。…今年もありがとな、照」
照「あ…うんっ♪私こそ、今年もありがとう、京ちゃん」
京太郎「おう、来年も―――いや、あけましておめでとう。今年もよろしくな」
照「ふふっ、ちょっと遅かったね?…あけましておめでとう。今年もよろしくお願いするよ」
京太郎「うっせー。年が明けたんだから2年参りだぞ!ほら、立った立った」
照「そんなに急かさないでよー」
・
・
・
パンパン
京太郎(とは言っても、何をお願いすればいいかわかんねーな。…そうだ…照の悩みが解決しますように…)
照(お母さん達が仲直りしますように…今日の家族麻雀で咲と話してみようと思います。…今までできなかった私に咲と向き合う勇気をください…)
京太郎「よしっ。…どうした?」
照「ううん、なんでもないよ。…京ちゃんはどんなお願いしたの?」
京太郎「特にお願いすることなかったからな。…適当に今年のバレンタインでお前が失敗しないように祈っといたわ」
照「えー…もっと私を信じようよ?神頼みしなくたって成功するに決まってるでしょ?」
京太郎「お前に限ってそれはないな。…それよりお前は何をお願いしたんだ?…やたら真剣にお願いしてたみたいだけど」
照「な・い・しょ。…女の子には秘密がいっぱいあるんだよ?」
京太郎「お前だけずりーぞ?…俺にも教えろって―――あ…雪が降ってきたな…」
照「そうだね…ちょっと寒くなってきた……おじさん達が迎えにくるまであっちの屋根があるとこで休も?」
・
・
・
京太郎「流石に寒いな。お前は大丈夫か?」
照「あんまり大丈夫じゃないかな?…でも京ちゃんのマフラーが温かいからがんばるよ」
京太郎「そっか……」ピト
照「え?…きょ、京ちゃん!?…あ、あの…そんなにくっつかれると…///」
京太郎「温かいだろ?…あっちにいた頃はさ、冬にエイスリンとこうやって温まってたんだ」
照「………へぇー…他にはどんなことをしてたの?」
京太郎「他には…手を繋いだり…膝の上に乗せて一緒に毛布に包まったりしたなー……懐かしいもんだ」
照「っ…そうなんだ……じゃ、じゃあ今みたいにマフラーを一緒に使ったりは?」
京太郎「それは初めてだけど――」
照「そうなの!?」ガタッ
京太郎「うおっ!?急に乗り出してくるなよ……それに何度も言ったけど恥ずかしいんだぞ?」
照「あ…ごめん…つい………考えてみたら膝の上に乗せる方が恥ずかしくない?」
京太郎「もっと小さい頃だし、家の中だからな?……なんならお前にもやってやろうか?なんか恥ずかしいけど慣れてきたし…」
照「い、いいよ!…もう十分温かいから……それにおじさん達もそろそろ来るし…」
京太郎「それもそうだな……」
照「初めて…か……ふふ…」ボソ
・
・
・
-正月:朝-
ピンポーン
京太郎「ふわぁ……眠い……はーい。どなたですかーっと」ガチャ
咲「おはよーお兄ちゃん!あけましておめでとうございます!」
京太郎「おぉう……あけましておめでとう咲ちゃん。今日はいつもより元気だね?」
咲「うん!」
京太郎「…あれ?…照はどうしたんだ?」
照「あ…おはよう京ちゃん、あけましておめでとう…」
京太郎「照?…どうしたんだ、なんか元気ないぞ?」
照「なんでもないよ」
京太郎「そうか?…まあせっかくだから入ってくれよ」
・
・
・
京太郎「で…また住所が書いてないぞ?」
照「もう毎回直接渡せばいいんじゃないかと思って…挨拶と一緒にね?」
京太郎「お前はそれでいいのかと……まあいいや、2人共昼飯はどうすんだ?」
照「お参りの後に神社の出店で食べようかなって思ってるけど…」
京太郎「ふーん…じゃあ俺もそうしようかな。…じゃあちょっと待っててくれ。…おーい、俺ちょっとお参り行ってくるから――」
・
・
・
-神社-
照「でも良かったの?家でお昼ご飯食べなくて」
京太郎「大丈夫だよ。どうせおせちの余り食べさせられるだけだし…俺あんまり好きじゃないんだよな。あれ」
照「あはは…それはなんとも…」
京太郎「それよりもさ…何かあったんだろ?悩みなら聞くぞ?」
照「…京ちゃんには敵わないね……そんな大したことじゃないんだよ?…やろうと思ってたことがやれなかったってだけだから」
京太郎「なんだそりゃ」
照「それにね。まだ時間はあるんだから、今日やらないといけないってわけじゃないし……大丈夫だよ」
京太郎「ならいいんだけどさ…」
照「そうそう…それより早くお参りしちゃおうよ?ね、咲?……あれ?…ねえ京ちゃん、咲知らない?」
京太郎「え?…そういえば…確かに見当たらないな…もしかしてはぐれた?」
照「ど、どうしよう京ちゃん!…きっと迷子になってるよ!?…ああ…咲…」オロオロ
京太郎「お、落ち着けって…俺が探してきてやるから、お前はそこで待ってろ。な?」
照「私も探すよ!」
京太郎「もしかしたらここに来るかもしれないだろ?…だからお前はここで待つんだ。…わかったな?」
照「……うん……わかった。…咲をよろしくね?」
京太郎「おう、任せろって。…じゃあ行ってくる!…待ってろよ?」
照「うんっ」
・
・
・
京太郎「こっちの方で見たって聞いたけど……お、あれかな?」
咲「ふぇぇ…お姉ちゃん達どこ行ったのぉ?」
京太郎「咲ちゃーん!」
咲「あっ…お兄ちゃーん!」
京太郎「やっと見つけた…こら、一人でどっかいっちゃ――」ダキッ
咲「私を…置いてっちゃやだよぉ」ギュゥ
京太郎「…はぁ……もう大丈夫だよ?」
咲「…ほんとに?…また置いてったりしない?」
京太郎「おう、だから安心して。ね?……俺らだって心配したんだよ?」ナデナデ
咲「うぅ……ごめんなさい…」
京太郎「よしよし……じゃあ照の所に行こうか?」ナデナデ
咲「うん…もう私を置いてかないでね?」
京太郎「いや…咲ちゃんの方がいなくなった気がするんだけど…」
咲「お兄ちゃん達がいなくなったんだよ。…たぶん…」
京太郎「多分って……大丈夫だよ。またいなくなっても、絶対見つけてあげるからね?」
咲「ほんとに?」
京太郎「お兄ちゃんを信じなさい。俺はやるときはやる男だぜ?」
咲「そうかなぁ…」
京太郎「そこは信じて欲しいなぁ…」
・
・
・
咲「~♪」
京太郎「そういえば、今日の咲ちゃんはどうして機嫌が良かったの?」
咲「え?…それはねー…いつもだとお正月はあんまり好きじゃないことやってたんだけどね。今日はやらなかったんだよ」
京太郎「へー。…まあ家によって色々あるもんな。…どうして好きじゃなかったんだい?」
咲「うーん…お兄ちゃんならいっかな。…前までお年玉取られてたんだ。だから嫌いだったの」
京太郎(沢山使っちゃうから預かっています!的なあれかな?)
京太郎「そりゃ辛いなー、俺にも似たような経験あるからわかるよ」
咲「お兄ちゃんもお年玉取られたことあるの?」
京太郎「と言うより、貰えなかったかな?…ほら、俺海外に住んでたからさ」
咲「そうなんだ…今はどうなの?」
京太郎「せっかく日本に住んでるんだから、ちゃんと貰ってるよ。…最初のうちは、使いすぎると駄目だからって勝手に貯金されてたけどね」
咲「あはは。それはお兄ちゃんがいけないよ?…ご利用は計画的にって言うでしょ?」
京太郎「それはちょっと意味が違うと思うんだけど……あ…ほら、照いたよ?…一緒にいてあげるからちゃんと謝らないとね?」
咲「うん」
照「あぁ…咲と京ちゃんまだかな……もしかしたら何かあったのかな……でも…京ちゃんが待ってろって言ってたし……」ブツブツ
京太郎「何をぶつくさ言ってるんだ?」
照「ひゃっ!…あ…京ちゃん!咲も!…無事でよかった…」
咲「お姉ちゃん、それにお兄ちゃんもごめんなさい」
京太郎「よしよし、ちゃんと謝れたな」ナデナデ
咲「うん!」グゥ~
照「ふふっ…早くお参り済ましてご飯食べようか?」
咲「うん…///」
・
・
・
京太郎(年明け二度目のお参りだな……神頼みかぁ…じゃあ無難に無病息災でもお願いしますか)
照(お母さん達もう麻雀すらしたくないのかな…咲のことも……はぁ、マフラーは見つかったのになぁ………次こそはうまく行きますように…)
咲(次に迷子になったときも見つけてくれるんだ…えへへ……あ、そうだ!…お兄ちゃんやお姉ちゃんと3人で中学校に通えますように…)
・
・
・
京太郎「2人共そんなにお汁粉食ってたら太るぞ?」
照「美味しいんだから仕方ないんだよ」
咲「そうだよお兄ちゃん」
京太郎「そういう問題じゃないと思うけどなぁ…」
・
・
・
京太郎「凶……なんか今年は試練の年らしいぞ?…交通安全に気をつけましょうだってさ」
照「私も凶だって……とても辛いことがあるけどがんばればいいこともありますって……咲はどう?」
咲「えーっと……小吉だって……周りの変化?に気をつけましょうって書いてるけど」
京太郎「咲ちゃんいいなー……そうだ!今度から俺のことは"凶"太郎と―――」
照「そういうのいいから、早く結びに行くよ?」
京太郎「…お前強くなったな……その厳しさが身にしみるぜ…」
照「…咲、おみくじを結ぶときはね?利き手と反対の手で結ぶといいんだよ?」
咲「そうなんだー」
京太郎「待って!俺が悪かったから待てってばー!」
-京ちゃん誕生日-
照「京ちゃんごめん!…今回はプレゼント用意できなかったんだ…」
京太郎「どうしたんだ?お前らしくも…あるけど…」
照「京ちゃんが普段から私をどんな風に見てるのかすごく気になってきたよ」
京太郎「そりゃお前、何処か抜けてる幼馴染ってとこだな」
照「前半の修正を求めます。…それより知り合ったの中学からなのに幼馴染なのかな?」
京太郎「どうだろう?…まあなんだかんだでお前が学校で一番仲いいんだし、幼馴染でもいいんじゃないか?」
照「そうなのかな…」
京太郎「きっとそうなんだよ。…そうだ、お前学校終わってから俺に付き合え」
照「いいけど、急にどうしたの?」
京太郎「誕生日プレゼント、買いに行こうぜ?」
照「それは私の台詞じゃないかな…」
・
・
・
京太郎「やってきました綺羅星工房!」
照「その俗称って正直どうなの?」
京太郎「店主公認だから俗称って言わないんじゃね?」
照「それでいいのかな…」
京太郎「そんなことより、これだ!…キーホルダー、1個100円税込み!」
照「…もうちょっと高いものでもいいと思うけど…どれが欲しいの?」
京太郎「ふふふ…俺はこの流れ星キーホルダーを買おうと思う」
照「なんとなく予想はついてたよ。…じゃあこれがプレゼントでいいのかな?」
京太郎「いや、照にはこれ以外のを選んで貰おうと思うんだ」
照「えぇっ!?」
京太郎「当たり前だろ?…ま、まさか…照は俺のためにプレゼント選んでくれないのか?」
照「…わかったよ…選べばいいんでしょ?選べば…」
・
・
・
照「今回はこれがプレゼントだよ。私だと思って大切にしてね?」
京太郎「太陽ねぇ…確かにお前っぽいけど…でもその言い方だともう会えないみたいで気分良くねえな」
照「そうだね。…私が京ちゃんの前からいなくなるなんてありえないよ」
京太郎「だよなー?……ん?なんかシ…店長が呼んでるな…行ってくる!」
・
・
・
京太郎「地味に重い…」ジャラジャラ
照「ふふっ、誕生日プレゼントいっぱいもらえてよかったね?」
京太郎「あの爺め……こんなにいっぱいくれなくてもいいだろ…確かにうれしいけどさー…」
照「私には在庫処分にしか見えなかったけど…なんか変なのも混じってたし…」
京太郎「言わないでくれ。…まあ今後はこれを誰かにプレゼントしていく作業が始まるな…」
照「それは失礼じゃないかな…」
京太郎「冗談だよ。それに俺の心が詰まったプレゼントになる予定だから大丈夫だ。…需要は知らないけどな」
照「えー…」
-バレンタイン-
照「…どう?」
京太郎「……おー…思ったよりうまくできてると思うぞ?見た目もまだまともだし…」
照「…思ってたって…どんな物作ってくると思ってたの?」
京太郎「なんかこう…焦げてて、不思議と甘くなかったり、形もぐんにゃりしてるような物かと…」
照「……ここで京ちゃんに伝えなければならないことがあります」
京太郎「なんだ?」
照「実はそれ、咲が作ったものです。……私のはコレ…」サッ
京太郎「……」ゴクリ
照「京ちゃんの言ったとおりの物でしょ?…ごめんね、これは私が―――」ガバッ
京太郎「これは俺が貰うよ。…あー…ん。……うーん…」
照「きょ、京ちゃん!?無理しなくていいんだよ!?…そんなマズそうなチョコ食べなくても…」
京太郎「…前に食うって言ったろ?」
照「あ……ありがとう…食べてくれてうれしいよ」ニコ
京太郎「……それにしてもだ。…何をどうしたらこんな個性的な味になるんだ?」
照「そんな大したことはしてないんだよ?…ほら、まずは―――」
・
・
・
京太郎「…なんでチョコを作るのに”素人”が”隠し味”を入れるんだよ?」
照「その方が美味しくなると思って…」
京太郎「照…お前は料理とかお菓子作りをしている人に謝るべきだと思う」
照「む…なんでそこまで言うの?」
京太郎「いや言うだろ普通」
照「それは、京ちゃんがお菓子を作ったことがないから言えるんだよ?」
京太郎「はっはっは、俺はあっちに住んでた頃にお菓子作りの手伝いだってしたことあるんだぞ?」
照「…それは自分で作ったとは言えないよ」
京太郎「…それもそうだな。…よしっ、ならばホワイトデーにお前より美味い菓子を作ってきてやる!」
照「へー…それは楽しみだね?」
京太郎「ああ、楽しみにしてろよ?」
照「そうだね。…あ、マシュマロはやめてね?」
京太郎「?…マシュマロ嫌いなのか?」
照「そういうわけじゃないけど…とりあえずマシュマロは駄目」
京太郎「まぁ…マシュマロなんて作れないからいいんだけどな」
照「良かった…」
京太郎(何が良かったんだろ?)
-ホワイトデー-
照「なるほど……クッキーなんだね?」
京太郎「…嫌ならもう食わなくていいぞ?…失敗したからな」
照「ちょっと粉っぽいし…あんまり甘くないけど…私はこれでいいと思うよ?」
京太郎「そうか?」
照「これで私と京ちゃんの料理の腕が同レベルということが判明したよ!」
京太郎「…2人揃って年下の咲ちゃんに負けるのか……言ってて悲しくね?」
照「…そうだね……咲に叶わないのかぁ…まあこっちはどうでもいいんだけどね…」
京太郎「なんか言ったか?」
照「何でもないよ。それより咲の分のお返しはないの?」
京太郎「あるぞ。…ほら、手作りはこんなんだから、店で買ってきた」
照「クッキー?…私の分は?」
京太郎「お前は俺の手作りがいいって言っただろ?」
照「それはそうだけど……これ高くなかった?」
京太郎「そうでもないぞ?…マシュマロ、クッキー、キャンディーの3点セットでちょっとお得だったんだ」
照「うわぁ……酷いお店もあったものだね…」ボソ
京太郎「マシュマロはなんか駄目らしいから自分で食った。美味かったぞ?」
照「キャンディーはどうしたの?」
京太郎「あんまり美味くなかったぞ?…それに飴菓子なんて食った感じがしない物貰ってもうれしくないだろ?」
照「…そういうわけでもないと思うけど…」
京太郎「そうか?…一応余ってるけどいるか?正直、安いミルクキャンディーとかの方が美味いと思うぞ?」
照「貰ってもいいの!?」
京太郎「うおっ。…そりゃいいけど…ほら」サッ
照「あ…ありがとね?///」
京太郎「そんなにうれしいなら食ってみろって、気に入ったなら残りの全部やるぞ?」
照「ほんとにっ?…じゃあ残りも全部貰うよ!……他の人にあげちゃだめだからね?」
京太郎「お、おう…ほらよ」
照「ありがとっ…じゃ、じゃあ私はこれで帰るから!…またね?咲にはちゃんとクッキー渡しとくから!」
京太郎「またなー……食ってもないのに気に入るとか…包装が気に入ったのか?」
・
・
・
照「本当に微妙な味……でも…キャンディー貰っちゃった……///」ジタバタ
照「…あれ?…でもクッキーも貰ったしこの場合って……うーん…」
-3月末-
照「お母さん、話って何?」
照「え……そう…なんだ…」
照「私を!?……急に…そんなの…勝手だよ……」
照「咲は?……お父さんと…うん…うん…」
照「でも…お母さん一人じゃ寂しいもんね?」
照「咲には?…そうだね…言えないよね」
照「大丈夫だよ?…友達だって…それに…京ちゃんだって…わかってくれるはずだから…」グス
照「学校の方には?……じゃあ一緒に行こっか……」
・
・
・
照「春休みで良かった…みんなに会ったら泣いちゃうからね」
照「京ちゃんには私から言うよ。…うん……だって京ちゃんだもん…謝らないで…ね?」
・
・
・
照「荷物……本は…大体読んじゃったもんね…置いていこう…この本は…うん…」
照「明日には東京か……京ちゃん…いきなり言ったら驚いちゃうよね…」
照「でも…その前に…」
咲「お姉ちゃん、話って何?」
照「咲、麻雀しない?」
咲「麻雀?2人で?」
照「そう」
咲「いいけど…」
照「じゃあやろう」
・
・
・
照「ねえ咲、お母さんが明日、家を出て行くんだって」
咲「え…」コト
照「ロン……それでね、私達のどっちかを連れて行くんだって」
咲「お姉ちゃん…何言ってるの?」
照「だからね?…この勝負で負けた方がお母さんに付いて行くってのはどうかな?」
咲「嘘だよね?…嘘なんだよねお姉ちゃん?」
照「残念だけど嘘じゃないんだ。……私はね?まだ京ちゃんと一緒にいたいんだ。……だから咲には絶対に負けられないの」
咲「嫌だよ……私…お姉ちゃんやお母さんと離れるなんて……」
照「だから……最後に真剣勝負…もしも咲が私以上の点数で終わったら咲の勝ちだよ」
咲「お姉ちゃん…おかしいよこんなの……」
・
・
・
照「やっぱり…こうなっちゃうんだね?」
咲「お姉ちゃん!同点だよ!?…これで私達離れないでいいんだよね?…お母さんだってちゃんと話せば――」
照「違うよ咲、私は言ったよね?…咲が私”以上”の点数を取ったら勝ちだって」
咲「え…だって…同点は引き分けじゃないの?」
照「ううん…咲のプラマイゼロを防げなかった時点で私の負け。…そう決めてたからね」
咲「そんな…そんなルールおかしいよ!」
照「咲…」
咲「それにお母さんのことなんて私聞いてないよ!…嘘なんでしょ?…そうだよね?」
照「咲、私の話を聞いて」
咲「……」
照「咲、お母さん達の仲は前から悪くなってたんだよ?…咲が知らなかっただけで」
咲「…」
照「でもね?私にはわからないことがあるんだ」
咲「…なに?」
照「ねえ咲…咲はいつから麻雀をするとき、1番じゃなくてプラマイゼロを狙うようになったの?」
咲「えっ……」
照「知らないと思ってた?……咲は私よりも強いかもしれない。いつも手加減してただけって知ったときはショックだったな…」
咲「わ、私…そんなつもりじゃ…」
照「…じゃあ何で?」
咲「だって……私が勝ったら怒るから……」
照「…そっか……ごめんね咲?…お姉ちゃんがいけなかったんだね……でも…でもね?…ちゃんと勝負してくれない方がもっと辛いし、怒りたくなるんだよ?」
咲「……ごめん…なさい…」
照「咲、もし咲がこれからも誰かと勝負…麻雀に限らずね?…勝負するときに相手の顔色を見て遠慮するようなら……もう勝負はしない方がいい」
照「真剣勝負に遠慮はいけない…相手が傷ついちゃったら咲も嫌でしょ?」
咲「うん…」
照「でも今日は咲の勝ちだよ?…お姉ちゃん怒らないから…安心して?」
咲「でも……それだとお姉ちゃんが……」
照「うん……理由がわかっただけでもいいかな……咲、今日は一緒に寝よ?」
咲「……うん…」
・
・
・
咲「」zzz
照「やっぱり私って不器用なんだね……咲、ごめんね?…」
照(あとは京ちゃんか……仕方ないんだよね?……うん…)
・
・
・
-翌日:朝-
京太郎「ふわぁ……どうしたんだ?…こんな朝早くから…」
照「おはよう京ちゃん、突然だけどお別れをいいに来ました」
京太郎「…は?」
・
・
・
照「――だからね?…私はお母さんに付いていくことにしたんだ」
京太郎「…理由はわかった」
照「…あんまり驚かないんだね?」
京太郎「…俺もさ、昔そんな感じにあいつとお別れしたからな。…当日は流石になかったけどな?」
照「それはごめん……言う勇気も時間もなかったんだ…」
京太郎「そっか……まあお前が泣いてることの方が気になるんだけどな?」
照「えっ?…おかしいなぁ……泣くつもりなんてなかったのに…」
京太郎「どうして…どうして相談してくれなかったんだ?」
照「…」
京太郎「…答えてくれよ…」
照「…家族の問題だから…友達の京ちゃんには言えないよ…」
京太郎「…そっか……家族の問題か」
照「この話はもう終わりにしよ?…もう時間もないから…一番大事な話ができないよ」
京太郎「一番大事な話って…」
照「うん…これが一番大事……ねえ京ちゃん、私ね、咲に酷いこと言っちゃったんだ」
京太郎「咲ちゃんに?」
照「そう…だからってことじゃないんだけど、咲の傍にいてあげて欲しいんだ。私の代わりに」
照「咲も京ちゃんのこと……だと思うし……それに…」
京太郎「…」
照「…京ちゃん?」
京太郎「あー、もうっ!」
照「!」
京太郎「照、お前勝手すぎるぞ?」
照「え…」
京太郎「夫婦喧嘩のことは家族の問題とか言っておきながら、咲ちゃんは頼んだってどういうことだよ?」
照「それは…」
京太郎「だけどな?俺はお前に言われなくても咲ちゃんと友達のつもりだし、困ってたら助けるつもりでもある」
照「…」
京太郎「お前だってそうだぞ?」
京太郎「悩みがあるなら相談しろって言ったろ?…それなのに1人で…いや、こっちはもう遅いか…」
京太郎「とにかくだ!ちょっと待ってろ!」
照「え、え?」
・
・
・
京太郎「これ持ってけ」
照「これって…あのときの流れ星のキーホルダー……でもなんで…?」
京太郎「俺には太陽のがあるからいいんだよ。…あのときの逆だ。これを俺だと思って持ってけ」
照「…ふふっ…何それ…」
京太郎「お前だって同じこと言ったんだからいいだろ?……やっと笑ったな」
照「え…?」
京太郎「お別れだけどさ。また会えるだろ?…だから笑って『またね!』って言ってやる。…会えるよな?」
照「…うんっ。きっと会えるよ」
京太郎「友達も作れるよな?」
照「京ちゃん直伝の友達の作り方があるから大丈夫だよ」
京太郎「青春を謳歌しろよ?」
照「京ちゃんだって、もっともっと青春してね?」
京太郎「英語もできるようになれよ?」
照「京ちゃんだって、国語できるようになってね?」
京太郎「チョコレート作りもっとうまくなれよ?」
照「京ちゃんもお菓子作りうまくなってね?」
京太郎「あとは……なんかあったら連絡しろよ?…今度は絶対だからな?」
照「…うん……京ちゃんも手紙ちょうだいね?」
京太郎「おう…」
照「…もう行かなきゃ……あ…最後にもう一つ」
京太郎「…何個もう一つがあるんだよ?」
照「これが最後だよ。…これを京ちゃんにあげるよ」
京太郎「これって…いいのか?」
照「私には世界の声なんて聞こえないけど、これが私のやりたいことで、やるべきことだと思うから……貰ってくれない?」
京太郎「ははっ…こんなときに引用すんなっての」コツン
照「いたっ…でも私達にはぴったりでしょ?…貰ってくれないかな?」
京太郎「…貸りておくよ。次に会ったときに返す」
京太郎「それまでは大事に読ませてもらうよ」
照「せっかくの希少本なのにもったいない」
京太郎「だからこそ、会って返そうって気持ちが強くなるんだろ?」
照「そっか…それもいいかもね…」
京太郎「照」スッ
照「何?…握手?…はい」ギュ
京太郎「いつか絶対お前に会いに行くよ。この本を返しに」ダキッ
照「あ……京ちゃん、いきなり抱きしめられると恥ずかしいよ…」ギュ…
京太郎「ハグしただけだよ。絶対また会おうな?…だから笑って別れよう」
照「ここは日本だよ?…それに京ちゃんだって泣いてるじゃない…」
京太郎「っ…そんなの気のせいに決まってるだろ!?」ゴシゴシ
照「無理しちゃって…」
京太郎「うっせー。お前だって人のこと言えない癖に」
照「私はもう泣いてないもん、京ちゃんとは違うよ」
京太郎「よく言えるな……これでどうだ?…俺、ちゃんと笑えてるか?」ニコ
照「…うん♪いつものかっこいい京ちゃんだよ?」ニコ
京太郎「そっか……またな!」
照「またね!」
・
・
・
-車の中-
照(まだ温かい……どうせならもっとムードとかあるときにやってもらいたかったな…)
照(4月にまた一緒のクラスになって…一緒に勉強して…)
照(修学旅行も一緒の班になって…一緒に周って…)
照(春も夏も一緒に遊んで…私だって少しは成長してるってことを京ちゃんに思い知らせたり…)
照(今度こそ、文化祭の出し物に貢献するんだって言ったなぁ…)
照(そういえば、団も部も本格始動するとか言ってたなぁ…イジメを無くすって最初の目的は何処に行ったんだろうね…)
照(きっとイベントがいっぱいで楽しいことになったんだろうな…)
照(クリスマス会とか、本当に楽しみだったなぁ…)
照(年末年始もまた一緒にお参りして…また京ちゃんのマフラーに一緒に包まって…ふふ…)
照(誕生日のお祝いを忘れてた…私も…京ちゃんも……咲のもね……)
照(次こそはバレンタインで京ちゃんをあっと言わせてやるつもりだったのに…)
照(お返しにホワイトデーで京ちゃんのお菓子に私があっと言わされたりするのかな…)
照(大事なことを忘れてた…一緒の高校に受験して、一緒に受かって喜んで…『また一緒だね?』って…)
照(卒業式には、鈍感な京ちゃんに『大好きだよ?』って言って…)
照(そのまま高校も手を繋いで一緒に行ったり…できたかな…)
照(なのに……)
照(どうして……)
照(どうしてこうなっちゃったんだろ……)
照「ごめんね…京ちゃん……咲…」ボソ
-夜:須賀家-
京太郎「はぁ……」
京太郎「多分大丈夫だよな?…友達もちゃんと作れるよな?」
京太郎「やっぱりお別れって辛いもんだな…」
京太郎「手紙、書いてみるかな…」
京太郎「あっ…あいつ連絡先も教えずに……まあ何かあったら連絡くらいくれるよな?」
京太郎「…そういえば咲ちゃんを頼むとか言われたけど…あいつ何したんだろ」
京太郎「すぐに会いに行くのも悪い気もするしなぁ…」prrr
京太郎「電話か…はい、須賀です…おじさん?……はい…はい…」
京太郎「朝に挨拶に来ました。…はい…」
京太郎「いえ…連絡先とかも特に聞いてないです…はい…」
京太郎「わかりました。明日家に伺いますね。…あの…咲ちゃんはどうしてますか?」
京太郎「泣き疲れて……そうですか……はい…じゃあまた明日…はい、おやすみなさいです」カチャ
京太郎「はぁ……」
-翌日:宮永家-
宮永父「わざわざ来てもらってすまないね」
京太郎「いえ、俺も用があったんで大丈夫です」
京太郎(おじさん…ちょっとやつれてる…)
宮永父「京太郎君…君には本当にすまないことをしたと思っている。この通りだ」
京太郎「おじさん!?…頭を上げてください」
宮永父「家庭の事情とはいえ、友達とお別れしたんだ。…そしてその原因は私にもある。…殴り飛ばされても文句を言うつもりはないよ」
京太郎「そんなことしません。…それにちゃんとお別れしましたから…あいつ連絡先も教えずに行っちまいましたけどね…はは…」
宮永父「…照は何処か抜けてるからね…らしいと言えばらしいけどね」
京太郎「でしょう?…あの…おじさん、咲ちゃんはどうしてますか?」
宮永父「咲か…そうだね、そのことも話しておかないとね」
・
・
・
京太郎「…そうですか…全部自分のせいだと…」
宮永父「咲は何も悪くない…だが、照と何か話したらしくてね。…照がいなくなったのは自分のせいだと言ってずっと泣いてたよ」
京太郎「…俺も照に咲ちゃんを頼まれました。…何か酷いことを言ったと後悔してました…」
宮永父「そうか…なあ京太郎君、私も――」ガチャ
咲「お父さん、この制服、スカートのファスナーが……っ!」ストン
京太郎「っ…えーと…その…おはよう、咲ちゃん」
咲「え、え?お兄ちゃん、どうしてここに…」
宮永父「咲…スカート落ちてるぞ?」
咲「え?…き…きゃあぁぁぁっ!お父さんの馬鹿!」バタンッ
京太郎「あ…その…落ち込まないでください」
宮永父「…落ち込んでないよ?…それより…京太郎君、君はどう思う?」
京太郎「白…じゃない…似合ってたと思いますよ?制服」
宮永父「そこじゃないよ。それは当たり前だろう?…あと、今見たことは忘れなさい」
京太郎「あはは…じゃあ何のことですか?」
宮永父「様子だよ。空元気にも程がある。…何処かおかしくなかったと思わないかい?」
京太郎「…俺を見たときの様子がちょっと…何とも言えません」
宮永父「無理をしてるんだよ。起きてからずっと、私がしっかりしないと2人が帰ってこない。と言ってね」
京太郎「それは…」
宮永父「京太郎君、君を呼んだ理由としてもう一つ、私からも頼みがあるんだ…」
・
・
・
-須賀家-
京太郎(あの後も、咲ちゃんはなんだか遠慮がちな態度のままだったな…)
京太郎(学校に入ってからもよろしくねって言って帰ってきたけど…)
京太郎「気持ちはわかるけど…『咲を元気付けて貰えないか』って言われてもな…」
京太郎「照とおばさんの話題もできるだけ出さない方が良さげだしなぁ…」
京太郎「俺に何ができるんだかねぇ…」
京太郎「照ならわかるんだろうけど…もう東京の方だろうからなぁ…」
京太郎「…学校は外も中も綺麗にしたんだけどなぁ…」
京太郎「家庭の事情かぁ――」カラン
京太郎「あっ…マスク蹴っちまったよ……はぁ……」
京太郎「イジメとかじゃないけどさ…あいつ結構前から困ってたもんな…」
京太郎「友達失格なのかな…俺…」
京太郎「まだ学校に革命を起こす前だったのに…イベントもいっぱい考えてたんだけどなぁ…」
京太郎「…思えば綺羅星十字団を結成したのも、照と友達になってすぐだったっけ…」
京太郎「…今考えるとあれだな…何が綺羅星だよ馬鹿馬鹿しい……」
京太郎「友達もろくに助けられないで、何が綺羅星だよっ!」バキッ
京太郎「あ…物に当たるもんじゃないな…マスク割れちまった……思ったより脆いなコレ……しかも綺羅星悪くないしな…」グスッ
京太郎「どうしてこうなっちゃったんだろうな…」
-4月:始業式-
京太郎「おう嫁田、俺綺羅星抜けるわー」
京太郎「んー…これがマジなんだわ……理由?…そうだな…ちょっと人が少ないとこ行こうぜ…お前も最初の友達の一人だもんな…」
京太郎「実はさ、照のことなんだけどさ――」
京太郎「まあまあ、落ち着けって…あいつだってお前らに言えなかったこと泣くほど後悔してたんだからさ…」
京太郎「俺?…まあその関係と言えばそれなんだけど…なんか心が折れたとか…勇気?的なのがなくなってな…」
京太郎「俺らしくない?…そうだなー……でもさ、仮面割っちまったんだわ…あれ結構脆いぞ?…え?…じゃあ偶然割れたんだな」
京太郎「まあ気持ちはわかる。結成当初のお前が言いたかった言葉だもんな。わははは――OKOK。痛いから殴らないで!」
京太郎「部もお前に任せるわ。…活動内容的に、内定がグンと上がるぞ?…俺は退部でいいよ」
京太郎「何するかって?……照の妹がさ、この学校に入学するんだわ…結構落ち込んだままでさ…ああ、この写真に写ってる子な?…カピバラじゃないぞ?」
京太郎「まあ、結構気負っててさ、元気付けたいとか、そもそもで俺の気持ちの整理もしたくて…悪いな」
京太郎「うーん…そうだな、当分1年がいる所で照の話題はしない方がいいと思う」
京太郎「…まあ綺羅星だと初期メンバーしかあいつのこと知らないし、大丈夫じゃねえかな?」
京太郎「後輩には……どうする?……じゃあ任せるわ」
京太郎「3馬鹿とかにも説明しないとな…なんだかんだであいつらこの呼ばれ方気に入ってなかったか?」
京太郎「…ヘッド代理、休部…なるほどね…お前やっぱり面倒見いいじゃねえか」
京太郎「そう照れんなよー。…ああ、俺はまあ大丈夫だよ。……正直言えばちょっと泣いたけどさ……おい笑うな!」
京太郎「…そうだな、学校無い日は遊ぼうぜ?…そんときゃ暇してるからさ。連絡くれよ」
京太郎「携帯電話!?…す、すげー……いいなぁ…ん?…なあ、学校って確か……おい生徒会長」
京太郎「…わかった。今度割れたマスク持ってくるよ。…爺さんにもよろしくな」
・
・
・
-入学式-
京太郎「咲ちゃん、入学おめでとう」
咲「あ、お兄ちゃん……うん、ありがとう」
京太郎「友達はできた?」
咲「…うん。…みんな良い人で…これもお兄ちゃん達ががんばったからなのかな」
京太郎「そうだぞー。もっと褒めていいんだぞー」
咲「…うん」
京太郎「友達いっぱい作ってさ、青春を謳歌しないとね」
咲「……でもお兄ちゃん…前よりキラキラしてないよ…」ボソ
京太郎「何か言った?」
咲「何でもないよ…それよりお兄ちゃん、修学旅行は何処行くの?」
京太郎「おー。確か大阪って聞いたなー…どんなお土産欲しい?」
咲「…大阪のお土産って何かな?」
京太郎「…木刀とか?」
咲「それはどっちかって言うと京都とか奈良じゃないかな…」
京太郎「…ご当地ストラップとかお菓子のご当地味とか…」
咲「…そういうのはいらないかなぁ」
京太郎「…どうしようか?」
咲「お兄ちゃんのセンスを信じてるよ」
京太郎「お、おう……ま、任せとけって…」
咲「もっと自信を持とうよ…」
・
・
・
~だいじぇすと~
京太郎「手紙は来ない…と…あいつ家の住所忘れたとか…流石にないよな」
京太郎「連絡がないってことは、元気にしてるってことだよな?」
京太郎「…咲ちゃんのことはがんばってみる。大事な友達だから…」
咲「お姉ちゃん、お兄ちゃん、ごめんね…私のせいで…」
咲「私お兄ちゃんと一緒にいていいのかな…だって…私はお姉ちゃんじゃないんだよ?」
咲「私もっとちゃんとするから、もう麻雀もしないから…だから早く帰ってきて…」
咲「お父さん!もっとしゃっきりしようよ!」
京太郎「自由行動どうする?…じゃあクラス違うけど3馬鹿も混ぜてどっか行くかー」
京太郎「つーかGWに修学旅行が食い込むってどうなんだ?……確かに登校日がなくなるのはうれしいけど」
京太郎「ブルが落ち込んでる?…何したのあいつ?…女にぶっ飛ばされたって…失恋?それともセクハラ?」
京太郎「何処か静かなところで療養ねぇ…」
京太郎「万博公園かぁ……何もなさそうだな!」
京太郎「いいこと考えた。全員違うルートで行ってみようぜ!」
京太郎「大丈夫!お前生徒会長だからある程度は許されるはず!」
京太郎「…よしっ、用意はこんなもんでいいかな?」
京太郎「…一緒に行けなかったけど、ちゃんと持ち歩いてるからな」ジャラ
京太郎「そうだ、本も持っていこう」
京太郎「……寝れない…やっぱ本でも読んでよう」
-大阪某所:GW初日-
京太郎「自由時間…今は1人だけどな。…気前が良くてかわいくて巨乳な彼女でもいればなー…」
京太郎「まあ無理だけどな!…はぁ…この駅でいいんだっけ?」
京太郎「やってきました…えーと……千里山?…さーて、万博行きのバス探すかー」
・
・
・
京太郎「ない…おかしいなぁ…確か千里…あれ?…ちょっと聞いてみるか…」
京太郎「ついに買ってもらった携帯電話ー…あの時に持ってればなぁ……まあ仕方ないよな」ジャラ
京太郎「…ストラップにキーホルダー付けるってどうなんだろうな…えーっと…嫁田の番号は…」prrr
京太郎「ああ、俺俺…詐欺じゃねえよ!…なぁ、万博行きのバスって千里山であってるよな?」
京太郎「千里線だけど駅が違う?…ややこしいわ!」
京太郎「それぞれ別ルートで行くって失敗だろ絶対。…まあ発案者は俺だったけど…う、うるせーよ!」
京太郎「そっちは今何処なんだ?…そっちも千里って付くじゃねえかよ!」
京太郎「まあいいや、じゃあ一旦駅戻ってからそっちに行くわー。じゃあなー」ピッ
京太郎「よし…待ってろよ咲ちゃん。俺がセンスあるペナントをお土産に買ってくるからな!」
京太郎「駅は…この横断歩道で良かったっけ……お?」
妹?「ほら…はよ…のとこいくでー!」
姉?「ちょっと…ちゃん待ってーな!」
京太郎(姉妹かな?…仲いいなぁ…つーか声でけぇ…車が通ってないけど、反対まで聞こえるってすげーなー)
京太郎(あの妹さん?元気だなぁ……お姉さんも大変そうだ)
京太郎(…あの2人もあんな感じに…あそこまで煩くないか)
京太郎「お、青だ。急がないと」ダッ
妹?「ほら絹、急ぐでー」ダッ
姉?「お…ちゃん、ちゃんと周り確認せえへんと危ないでー!」
妹?「大丈夫やて!」タッタッタ
京太郎「…なるほど、俺も周り確認してなかっ――」チラ
京太郎(車!?)
姉?「お姉ちゃん危ない!!」
妹?「へ?」
・
・
・
絹恵「お姉ちゃん…無事でよかった…」
洋榎「…無事やないで…」
絹恵「でもっ」
洋榎「でもやない!…あの兄ちゃんな、うちを突き飛ばしたとき、『ごめん』言うたんや…」
絹恵「お姉ちゃん…」
洋榎「何がごめんや…謝りたいんはうちのほうやで……うちがちゃんと周り見とればこんなこと…」
絹恵「そんなことない…あれは車が悪いんや…」
洋榎「これであの兄ちゃんがもしも――」
絹恵「…お姉ちゃん、救急隊の人が呼んどるで?…いこ?」
・
・
・
~~~~~~~~~
京太郎「よー」
照「」ニコ
京太郎「会って話がしたいと思ってたんだ」
照「!」
京太郎「でも、実は言葉が見つからなかったりする」
照「」ジト
京太郎「そうだ。照、聞いてくれよ」
照「?」
京太郎「俺さ、女の子助けたんだぜ?」
照「!」
京太郎「助けたときさ、俺の中で『やるべきことと、やりたいこと』が一致した気がする」
京太郎「リュック重かったけどさ、なんかそのときは体が軽くなった気がした」
照「…!…!」
京太郎「助けた後?…そういやどうなったんだ?」
照「!…♪」サッ
京太郎「手?…ほら、握手」ギュ
照「♪」グイ
京太郎「うおっ。お前こんなに力あった――」
~~~~~~~~~
-病院ICU:夜中-
京太郎「……ここ…何処?」
京太郎(…体動かねえ…)
・
・
・
京太郎「なんか吹っ切れたような気分です。…意識ははっきりしてますよ?」
京太郎「異常は今のところなしですか…胸に傷?…ちょっと見るのは怖いです。はい…」
京太郎「へー…5月ですかー……マジ?」
京太郎「じゃあ2日ぐらいですか?…うへぇ」
京太郎「あの子は?…無事かー…良かった」
京太郎「…おー…ちょっとだけ手が動いた…」
京太郎「…回復具合を見て普通の病室に?わかりました」
京太郎「あっ、あの…俺の荷物は?ケータイのキーホルダーとか…」
京太郎「リュックはボロボロ…中身は無事ですか…ケータイも無事と…」
京太郎「え…そうですか…ロケット壊れちゃいましたか……いえ、大丈夫ですよ」
京太郎「ちなみにどんな風に……この穴は……え?心臓を守って?……はい、大事にしてましたから」
京太郎「どうもありがとうございました」
京太郎「…壊れちゃったかー…なんだお前、かっこいい壊れ方しやがって…」
京太郎「2人の写真まで守って…俺の部分も守ってたら120点だったぞ?」
京太郎「直せるかな?…明日電話させてもらうかな…」
京太郎「やべぇ…学校どうなってんだろ…」
・
・
・
愛宕姉妹だーやったー!……でもやっぱりフラグは貧しい方なんだね、京ちゃん
あと、>>373は姉妹逆っぽいけど京太郎してんだから?
-翌日-
京太郎「あ、おはよーございまーす。…ご飯ください!…ほら、ちゃんと動きますよ!」
京太郎「やだなー。ちゃんと寝ましたよー。体動かす練習なんてしてないですよー…見回りだって来てたじゃ…あっ」
京太郎「いや、本当に寝ましたって!…2,3時間くらい…はい、ごめんなさい…」
京太郎「…お、おー……結構くっきり残っちゃってますねー」
京太郎「人に体拭いてもらうのってなんか抵抗が…」
京太郎「…これが病院食…味が…」
京太郎「…よっしゃ!やっと車椅子まで行けたぞ!これで移動できますよね?」
京太郎「あ、先にちょっと電話させてください!お願いします」
京太郎「うらめしやー…おう、元気?…まあまあ、積もる話はそっちに帰ってからにしよーぜー」
京太郎「…なるほど…じゃあ学校や他の奴にはまだ事故の件も内緒で頼むよ。…流石生徒会長、頼りになるー!」
京太郎「あ、そうだ。俺のロケット壊れちゃったんだけどどうすればいい?…じゃあ任せる」
京太郎「マジ!?…個室とか豪華っすねー」
京太郎「あれ?リュックは?…捨てちゃいましたかー」
京太郎「本は無事、ケータイも無事、キーホルダーも…っと。いやいや、流石に電源はつけませんよー」
京太郎「おー、母さんひさしぶ――やめて!俺怪我人だからやめて!」
京太郎「そういえば俺が助けた子って……俺と同学年?そうなんだ」
京太郎「へー…あの子洋榎ちゃんって言うんだ。…無事で良かったー」
京太郎「わかった。GWが終わったら長野に搬送ね」
京太郎「帰るの?…1日くらい泊まっていかないの?…あっそ」
京太郎「最後に…俺宛に手紙って着てない?…だよなー…じゃあ父さんにもよろしくー」
京太郎「暇だー…本でも読もう…」
・
・
・
>>377
そうです。まあすぐに解決しますけどね
あと大阪分終わったらちょっと休憩していいですか?これでも後3分の1残ってるんです
-夜-
京太郎「そういや、起きたときになんかあった気がするけど…なんだっけ?」
京太郎「あ…やべっ、咲ちゃんにペナント買ってなかった…どう言い訳しようか…」ガラッ
雅恵「お邪魔するでー」
京太郎「えっ、誰ですか?」
雅恵「あんたに助けてもらった者や」
京太郎「…人違いじゃないですか?」
雅恵「そうかー?そら失礼したわー」ピシャッ
京太郎「何だったんだろうか…」
洋榎「オカン!何やっとるんや!」
雅恵「流石に緊張してな?…オカンなりに空気を和まそう思て」
絹恵「ここ病院やで?静かにしよ?」
京太郎「…何が起こってるんだろうか…」ガラッ
雅恵「改めてお邪魔するでー」
京太郎「えー…」
洋榎「…」
絹恵「ほらお姉ちゃん。今更もう遅いで?行こーや」ドン
洋榎「ちょ、絹!」
京太郎「あ…」
洋榎「…おはようございます」
絹恵「今は夜やで?」
洋榎「うるさいわっ。……こんばんわ…」
雅恵「そこまで硬くならんともいいと思うで?」
洋榎「…ぐぬぬ…」
京太郎「あー、あー!…おはよう!…確か洋榎ちゃんで合ってるかな?」
洋榎「そうやけど…なんで知っとるん?」
京太郎「昼過ぎに母さんに聞いたんだ。…いやー…無事で良かったー」
洋榎「っ!…人の心配なんてせえへんで、自分の心配せいや!」
京太郎「うおっ…何でそんなに怒ってんの?」
洋榎「自分の胸に聞いてみ!」
京太郎「胸…包帯巻いてて喋ってくれそうにないかなー…なんて」
洋榎「…もう怒ったで!」
絹恵「さっきから怒っとるやん…」ボソ
雅恵「絹、しーっ」
洋榎「第一、あんたが怪我したんはうちのせいやろ!」
絹恵「轢いた奴のせいやと思うで」
洋榎「…何でそんなにヘラヘラしとるんや!」
京太郎「君が無事だったから…じゃだめかな?」
洋榎「っ…そんな歯が浮きそうなこと言われても、うれしくなんかないで!」
雅恵「…うれしいんやな」
洋榎「…確かにうちは無事やったけど、あんたは無事ちゃうやろ!」
絹恵「ごまかした…」
京太郎「まあまあ、後遺症も特にないらしいし…ほら、体だって動かせるよ?」ブンブン
洋榎「そら良かったわ…」
雅恵「完全に負けとるやないか」
洋榎「あーっ、もう!絹もオカンも煩い!」
雅恵「うちらは何も間違ったこと言っとらんで?」
絹恵「せやね」
洋榎「もうええ!…と・に・か・く!」
京太郎「?」
洋榎「うちはあんたに恩がある!…なんでもするから言うてみ!」
京太郎「…なるほど…」
雅恵「安易にそういうこと言うもんやないと、オカンは思うけどなー」
洋榎「オカンは黙っとれ!……どうや?」
京太郎「そうだなー…っ」
京太郎(胸が痛い…鎮痛剤欲しいな…どうしよ…)
洋榎「…どうかしたん?」
京太郎「なんでもないよ。…じゃあ1つお願いしようかな」
洋榎「な、なんや?」
サンクス、ところで何でsage進行?
別にいいけど
>>382
最初だけはageればいいかなーって感じです
京太郎「俺と友達になろうぜ!」サッ
洋榎「…そんなことでええの?…もっと色々言ってくれてもええんで?」
京太郎「そんなことなんてとんでもない!事故から助けた子と友達になるなんて…物語みたいで、実に青春してるじゃないか!」
雅恵絹恵「「」」ポカーン
洋榎「…あんた、馬鹿やろ?」
京太郎「よく言われるよ」
洋榎「でもおもろいやっちゃな」
京太郎「それもよく言われるよ」
洋榎「…しゃあないなぁ…そこまで言われたら、友達になるしかないやないか!」ニコッ
京太郎「おう!じゃあ今から俺らは友達だぜ!」ニコ
洋榎「ところで、その手はなんや?」
京太郎≪俺と握手しよう!≫
洋榎「…しぇ、しぇい?……」チラッ
雅恵「シェイクハンズ、握手のことやと思うで」
京太郎「そう、握手。友好の証!握手して、友達だよ!ってね…どーよ?」
洋榎「最初から日本語で話せや!…でもその考えには賛成や」ギュッ
京太郎「おう!これからもよろしく!…絹恵さんも俺と友達になりませんか?」
絹恵「へっ?私も?」
洋榎「…ちょい待ち。…なんでうちが『ちゃん』で絹が『さん』なんや?」
京太郎「え?…だって――」
・
・
・
雅恵「あははははっ!」
洋榎「オカン煩い!」
雅恵「せ、せやけど…まさか洋榎と絹が逆とは……ふふっ…」
絹恵「私ってそんなに老けて見えるんかな…」
京太郎「そっ、そんなことないです…ないよ?…ほらっ、絹恵ちゃんって…その…」チラッ
洋榎「…言うてみ?」ジトー
雅恵「まあ洋榎は絹と比べて貧相やからな」ケラケラ
洋榎「……」グリグリ
絹恵「お姉ちゃん痛い!なんで私に当たるんや!?」
京太郎「あはは…」
洋榎「元はと言えばあんたが原因やろ!」
京太郎「京太郎」
洋榎「なんや?」ジト
京太郎「俺はあんたじゃない。京太郎って呼んでくれるとうれしいかな」
洋榎「…なるほど…それもそうやな…」
雅恵「絹…オカンな?洋榎が将来悪い男に引っかからんか心配になってきたで…」ボソ
絹恵「…私もやで…」ボソ
洋榎「よっしゃ、じゃあ京太郎!…これでええな?」
京太郎「おうよ!」
絹恵「じゃあ私も京太郎さんと呼ばせてもろてええんやろか?」
京太郎「お願いしたいくらいだよ。よろしくね、絹恵ちゃん」
雅恵「ならうちは京太郎君と呼ばせてもらうわ」
京太郎「はい!えーと…」
洋榎「そういえばきちんと自己紹介しとらんかったな。…おばちゃんでええと思うで?」
雅恵「洋榎、ええ度胸やな?」
京太郎「まあまあ、落ち着きましょうよ」
雅恵「…こほん……じゃあ改めて自己紹介させてもらうわ。この娘らの母の愛宕雅恵や、娘を助けてくれてありがとうございます」ペコリ
絹恵「じゃあ私も、愛宕絹恵です。お姉ちゃんを助けてくれてありがとうございます」ペコ
洋榎「三○春○でございます」ペコ
京太郎(…誰?)
雅恵「こんなときにボケんでええ!」スパーン
洋榎「痛っ!痛いでオカン!…愛宕洋榎や。…京太郎、うちのためにごめんな?」
京太郎「別に悪いことしてないんだから、こういうときはお礼を言ってもらえると俺はうれしいな」
洋榎「そか…ありがとうな、京太郎」ニコ
京太郎「俺は友達を助けただけだから大丈夫。……須賀京太郎です。今日は2人と友達になれてうれしいよ」ニコ
・
・
・
-深夜-
?「…夜中のトイレはやっぱ怖いわー…」
?「病院の廊下って、なんで夜はこんなに薄気味悪いんや…」キーコ…キーコ…
?「…何?何の音や?」キーコ…キーコ…
?「…あそこ…誰かおる……なんか白い……これは洒落にならんで…」
?「…怖いわ…助けてーな…竜華…セーラ…」
?「こっち来たっ。…あかん…足が震えて動けへん…」ガタガタ
~京太郎サイド~
京太郎「寝れない…電気も消されちゃってるから本も読めないしなぁ…」
京太郎「そういえばいつの間にか痛みがなくなってるな…気のせいだったのかな?」
京太郎「外は…おっ!…マジ?…今の時期って流星群とかあったっけ?」
京太郎「ここじゃ見づらいなー…外に出てみようかな…あー…車椅子に乗るのだるい…」
京太郎「明日、歩行器が使えるまでがんばってみよう…」
京太郎「寒いかもしんないから換えのシーツを羽織って…」
京太郎「よしっ、レッツゴー!」キーコ
京太郎「…迷った…そういえば俺、この病院の間取り一切知らないんだよな…」キーコ
京太郎「お?…人影?…まさか幽霊とかそういうのじゃ…」
京太郎「…なんかフラフラしてるけど…もしも患者さんだったら危ないよな?」キーコ
京太郎「おーい、大丈夫ですかー?」キーコ
京太郎「そこの人、大丈夫ですか?」
怜「ひっ………んー?……あんた誰や?」
京太郎「ここの患者だけど?」
怜「…なんでシーツ羽織ってるんや?」
京太郎「外出ようと思ってさー…迷っちゃった」
怜「紛らわしいわっ」
京太郎「…なんで俺怒られてんの?」
怜「人を驚かせた罰や」
京太郎「なんだそりゃ。…それより、大丈夫?」
怜「…何が?」
京太郎「なんか動けない感じだけど…具合が悪いの?ナースさん呼ぼうか?」
怜「大丈夫や、あんたのせいでちょっと怖い思いをしたくらいやで」
京太郎「えっ、なんかわからないけどごめん」
怜「もうええで、それより外に出るて、今何時やと思っておるん?」
京太郎「いやぁ…それがさ――」
・
・
・
怜「流星群?…そういえばそんなニュース見たわ」
京太郎「おー、じゃあやっぱり見間違いじゃなかったんだな」
怜「でもこの病院屋上開放されてないで?」
京太郎「マジかよー…じゃあどっか見晴らしのいいところ知らない?」
怜「うーん…あっ、中庭があったわ」
京太郎「そこはどうやって行けばいいの?」
怜「この際や、私が案内したる」
京太郎「いいの?」
怜「ええでー……あ、ちょい待っといてもらえへん?」
京太郎「どうかしたの?」
怜「…女の子に聞いてええことやないでー……じゃあちょっと待っといてーな」
京太郎「なるほど…トイレか…それは失礼」
・
・
・
-中庭-
怜「おー…確かにこれは絶景やね」
京太郎「車椅子押してくれてありがとな」
怜「ええよ…あ、そや。シーツありがと」
京太郎「女の子に寒い思いさせたら悪いから」
怜「私よりあんたの方が体冷やしたらあかんと思うねんけど…」
京太郎「なんで?」
怜「私はただの検査入院やけど、あんたは体もまともに動かへん怪我人やないか」
怜「しかもあれやろ?あんたニュースにも出てた『女の子を助けて車に轢かれた修学旅行中の中学生』やろ?」
京太郎「さっき話したことだね」
怜「せや、2日も寝たきりだった人にそんなことさせてええんやろか?」
京太郎「まあ寒くないし大丈夫でしょ?…それより天体観測を楽しもうぜー」
怜「ええんやろか…」
・
・
・
京太郎「そろそろ戻ろうか?」
怜「せやなー」
京太郎「これでナースさんに見つかったらどうなるんだろうか…」
怜「…間違いなくお説教やなー」
京太郎「…どうしよう」
怜「ばれなきゃええんちゃう?」
京太郎「なるほど…それはスリリングで楽しそうだ」
怜「そういえば、あんたの名前って何て言うん?」
京太郎「言ってなかったっけ?…須賀京太郎って言うんだ。よろしくー」
怜「須賀君かー。私は園城寺怜言うねん。よろしくなー」
京太郎「園城寺さんね。…じゃあ自己紹介もしたことだし、友達になろう!」サッ
怜「ええでー…これは握手?」
京太郎「そうそう…≪俺と握手しようぜ!≫」
怜「何言うてんの?…まあええか。よろしくなー、須賀君」ギュ
京太郎「おう。…そうだ、どうせなら名前で呼んでくれていいよ」
怜「そか?…名前そのままってのもつまらんな…京くんって呼ばせてもらうわ。私のことも好きに呼んでええで?」
京太郎「じゃあ…怜ちゃんととっきーだとどっちがいい?」
怜「どっちでもええでー」
京太郎「わかった。…じゃあ…とっきー、よろしくな?」
怜「こちらこそなー。京くん」
・
・
・
怜「京くんのせいで怒られたやないか!」
京太郎「とっきーが、こっちなら大丈夫とか言ったからだろ!」
怜「なんやてー」
京太郎「なんだとー」
京怜「「ぐぬぬ…」」
京太郎「…お互い様ってことで手を打とうじゃないか」
怜「せやな」
京太郎「そういえば、とっきーの病室って何処?」
怜「なんや京くん、女の子の部屋に忍び込もうとは中々の変態さんやな」
京太郎「ち、ちげーよ。…暇なときに遊びに行こうかと思ってさ?」
怜「なるほどな。…なら京くんの部屋も教えてくれへん?どうせ私は暇やから」
京太郎「とっきーは地元の人だから友達とかいるんじゃないの?」
怜「友達には内緒やねん。…心配させたら悪いやろ?」
京太郎「そっか…でもそれは良くないと思うぞ?」
怜「なんで?」
京太郎「むしろ話してくれない方が心配する。……別れ際とかに言われたら悲しいから…」
怜(…京くん…もしかして友達亡くしたことがあるんかな……)
怜「…なあ京くん、聞いてええことかわからんけど…もしかして経験あるん?」
京太郎「…3月末かな。…当日の朝早くに家にやってきて、お別れを言われたよ」
怜「それは…ごめんな、私が聞いていいこととやなかったわ…」
京太郎「いやいや、大丈夫だよ。…それに、目を覚ますときにあいつに会えた気がするんだ」
怜(きっと起こしてくれたんやな…)
京太郎「だからもう落ち込んだりもしないよ。…残りの青春をめいっぱい謳歌して、あいつを驚かしてやるんだ!」
怜「なるほどな…」
京太郎「だからとっきーも、友達に隠し事は余りしない方がいいよ?…何よりばれたときが一番怖いからね」
怜「…それは怖いなぁ…」
京太郎「…ちょっと説教っぽかったかな?」
怜「ええよ。…確かに京くんの言うとおりや。…退院したら話してみるわ」
京太郎「すぐには話さないんだ?」
怜「家の用事でお出かけってことにしとるからな。…退院してから本気出すわ」
京太郎「お出かけかー…それだとお土産とか無かったらばれない?」
怜「……どないしよ…失念してたわ…」
京太郎「必然的に話す機会ができてよかったな?」ニヤ
怜「京くんいじわるやわー…」
・
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・
~入院生活:愛宕サイド~
洋榎「せやで、GW中は従姉妹の家にお泊りや…学校も休んどるしな!」
洋榎「病院食ってそんな味気ないんか?…べ、別に食べてみたいとかそんなことないで?」
洋榎「ペナント?…そんなもん貰っても誰も喜ばんと思うで…」
洋榎「わかった!うちが良い大阪土産買ってきたる!…楽しみにせえよ?」
洋榎「大阪と言うたらまずたこ焼きや!…急いで買ってきたからホカホカやで?…あれ?」
洋榎「うまいやろ?…病院の飯なんて食べとらんで、もっと大阪らしいもんを…あっ」
絹恵「すんません…お姉ちゃんにはよく言っときますんで…はい…」
洋榎「よく考えてみたら、これお土産ちゃうやん。…今度こそお土産買ってきたるから――」
雅恵「このアホ!…京太郎君、お土産は病院移る日に渡したるから楽しみにしとき?」
洋榎「車椅子うちが押したる!超特急やで!」
雅恵「ほんますんません。…後でよく言い聞かせときますんで…はい…」
絹恵「京太郎さん大丈夫?…なんかドリフトとかしとったけど…」
洋榎「いやぁ…楽しかったなー?…はい…反省しとります…」
洋榎「なんや京太郎、叱られる常連らしいな?…流石やでっ」
洋榎「うちな、夏のIMに絶対出るからな?テレビ楽しみにしとき」
洋榎「何のって、麻雀に決まっとるやろ?」
洋榎「なんやてっ、麻雀を知らんやと!?…そらあかんなぁ…」
洋榎「うちが教えたる!…と言いたいところやけど…もう時間があらへんなぁ…」
洋榎「そや、ケータイ貸しーや。……別に電話するんやないし、大丈夫やろ?」
洋榎「…これでええ、うちのケータイ登録しといたから、あっちに戻っても気軽に連絡しいや?」
洋榎「何かどえらい量のメール着たで……あっ」
洋榎「ほんますんません…うちの方から京太郎に言い聞かせときますんで……こら京太郎!うちを裏切るつもりか!?」
雅恵「すんません…この子には家族みんなで言い聞かせときますんで…はい…」
絹恵「お姉ちゃん、場所選べばケータイ使ってもええんやで?……はい京太郎さん、私も登録しといたからいつでも連絡ください」
洋榎「京太郎!…この英語の宿題手伝ってくれへん?…おー…これで先生に怒られんですむ…あっ」
絹恵「お姉ちゃんったら…宿題は自分でやらんとだめやで?……京太郎さん、私の分も手伝ってもらってもええ?」
雅恵「京太郎くん、あんまあの子らを甘やかしたら駄目やで?…仕方ない…今回は知らんことにしといたる…何にやついとるんや」
洋榎「京太郎、またなー…長野に行っても元気で暮らすんやでー」
~入院生活:怜サイド~
怜「まだちょっと足が震えとるでー?素直に車椅子使っときー」
怜「病院食?…売店で調味料でも買えばええんやない?」
怜「京くん、病院でたこ焼きはテロやでー…個室で助かったなー?」
怜「なんや京くん、また星を見に行くん?…面白そうやー、私も行くでー」
怜「また怒られた…次はもっと計画練って見たほうがええんちゃう?」
怜「京くん車椅子で爆走したってほんまなん?…他の患者さんに迷惑かけちゃあかんよ?」
怜「友達なー。竜華とセーラ言うてな?」
怜「セーラは男っぽい格好して口調も男っぽいんやでー。もちろん性格もなー」
怜「竜華はな、こう…ボンキュッボンって感じでなー…最近お腹のお肉のこと気にしとってなー…京くん目がやらしいで~」
怜「リベンジや。…今度こそ見つからんで外に出たる……京くんもノリノリやな?」
怜「出鼻を挫かれたわー…まさか部屋の前で待ち伏せするとは中々やるなー…そっちもなん?…やられたわー」
怜「そかー、京くんGW空けたら長野に帰ってまうんかー…まあ私もGW中に退院するんやけどね」
怜「なんやこのメモ?…メアドとケータイ番号かー…なら私もや」
怜「このアドレスはパソコンのやでー…うらやましいやろー?」
怜「よう考えたら、メモ渡さんでも病室でパソコン使って送ればよかったんちゃうん?」
怜「京くん麻雀知らんのか。…遅れとるなぁ…」
怜「面白いもんやで?私は下手やけどな。…機会があったらやってみるとええよ」
怜「…宿題?…うち病弱やし……冗談や、学校には入院って伝えとるからなー……勉強もちゃんとやってるでー…竜華がなー」
怜「京くんこそ、勉強はどうなんや?ノートとかちゃんと頼んだん?…持つべきは友達やなー」
怜「今日が流星群のピークらしいで?…最後にもう一度やってみる?」
怜「今度は成功やね…綺麗なもんや…」
怜「私な、明日には退院するんや…京くんも明後日やろ?…まあだから何だってことはないんやけどな」
怜「暇なときは連絡ちょうだいなー。またなー京くん」
ちょっと目が疲れてきたから休憩します
-長野:病院-
京太郎「よう嫁田、帰ってきたぜー」
京太郎「え?…流石に隠しきるのは無理だったかー…」
京太郎「みんな来たがってた?…流石に病院に迷惑だろ?」
京太郎「すぐ退院するからさ、その時に集まろうぜ?」
京太郎「なんか気分が晴れやかなんだ。…まあ大丈夫だよ」
京太郎「そういえば照の件ってどうなって…は?」
京太郎「…照がクイーンで、咲ちゃんがプリンセス?…他に隠し方がなかったのか?」
京太郎「…あと、それだと王様がいないんじゃ…何笑ってんだよ?」
京太郎「まあ咲ちゃんに話題が行ってないなら大丈夫かな…」
京太郎「にしても…お姫様の方はともかく、あいつに女王様はねえよ」
京太郎「じゃあまた学校でなー」
京太郎「ふぅ…」コンコン
京太郎「空いてますよー」ガラッ
雅枝さんの字間違っとるで
>>397
マジだわ。次から直しますんで脳内変換しといてください
じゃあ再会
咲「お邪魔しまーす…」
京太郎「あ…や、やあ咲ちゃん、久しぶりー…」
咲「…心配したんだよ?」ジトー
京太郎「ご、ごめんなさい」ペコ
咲「でも…無事でよかった」ダキッ
京太郎「あ…割と大丈夫だよ?…でも抱きつかれるとちょっと…」
咲「ご、ごめんっ。でもっ、うれしくって…つい…」
京太郎「…泣かないでも大丈夫だよ?」
咲「えっ…泣いてなんかないよっ」プイ
京太郎「ははっ…」
・
・
・
咲「…でもごめんねお兄ちゃん…こんなときにお姉ちゃんがいればもっと色々話せたのに…」
京太郎「…咲ちゃん?」
咲「だってお姉ちゃんなら、もっと沢山話したり…そもそもで事故にだって…」
京太郎「…そんなことないよ」
咲「でもっ」
京太郎「でもじゃない。…それにさ、俺があそこにいたから人を助けられたんだよ?」
咲「…じゃあお姉ちゃんが居たらどうなってたの?」
京太郎「そりゃ照がいたら…一緒に自由時間を過ごしてたかもしれないけどね?」
京太郎「事故のとき一緒だったら…きっとわんわん泣いてたかもな?…そう考えるといなくて良かったよ」
咲「そうなんだ…ねえお兄ちゃん、私前からお兄ちゃんに謝らないといけないことがあって…」
京太郎「なんだい?」
咲「…こんなときに言うことじゃないけど…お姉ちゃんが出てったのって私のせいなんだ…」
京太郎「…どうしてそう思うの?」
咲「だって、私お父さん達が喧嘩してたことも知らなかったし…出て行く前の日にお姉ちゃんと――」
京太郎「はいストップ。…咲ちゃん。なんで自分を悪者にしたがるんだい?」
咲「…お兄ちゃんとお姉ちゃんが一緒に入れないのは私のせいだもん……」
咲「私が悪いんだからもっと責めていいんだよ?…優しくされるとちょっと辛いよ…」
京太郎「はぁ…ねえ咲ちゃん?」
咲「…何?」
京太郎「照のことなら、咲ちゃんは何も悪くないんだよ?…もちろん照だって…」
咲「…」
京太郎「それにね。言っていいのかわからないけど…俺はね、照に咲ちゃんのことを頼まれてるんだ」
咲「お姉ちゃんに?」
京太郎「そう、朝寝てる間にいなくなったことや、その前の日に酷いことを言ったこととかも後悔してたんだよ?」
京太郎「きっと咲ちゃんが落ち込んでるからって、元気にしてあげて欲しいってね?」
咲「お兄ちゃんだって…お姉ちゃんがいなくなって元気がなかったよ…」
京太郎「あはは。…俺はもう大丈夫だよ」
咲「…どうして?」
京太郎「事故の後に起きてからさ、何かが吹っ切れたような気がしてるんだ」
京太郎「それにあっちで友達になった子と話してたら、悩んでたことが馬鹿みたいに感じてきてね?」
咲「それはどういう…」
京太郎「照だって、きっと今頃は友達作って青春してるはずなんだから、俺も青春しないでどうするってね」
咲「お姉ちゃんがいないんだよ?それでもいいの?」
京太郎「それは思ったけどさ。…いつかまた会えるから大丈夫だよ」ニコッ
京太郎「だから咲ちゃんも青春しようよ?…また照に会ったときに笑いながら話して、仲直りしようよ?」
咲「…よくわかんないよ」
京太郎「じゃあ俺が退院するまでに考えておくこと。…まあ割とすぐだけどね?」
咲「うん…」
京太郎「あと一つお願いしていいかな?」
咲「なに?」
京太郎「学校行くときさ、迎えに来てくれない?
咲「いいけど…どうして?」
京太郎「リハビリ中には変わりないからねー…できたら登下校も手伝ってくれるとうれしくて泣いちゃう!」
咲「…ふふっ…いつも一緒に登校してたのに」
京太郎「だから、一緒に学校に行こうよ?」
咲「うん、任せてよ。お兄ちゃん」
京太郎「よろしく頼むよ、お姫様」
咲「…何それ?」
京太郎「な、なんでもないよ?」
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・
・
京太郎「…帰ったよな?……へい、美人なナースさん。ちょっと胸が痛いんだけど痛み止めかなんか貰えません?」
咲「考えるって…どうすればいいんだろ…」
咲「お兄ちゃん、前みたいに元気になってたな…体は痛そうだったけど…」
咲「そういえば…お姉ちゃんに私のこと頼まれてるって言ってたけど…連絡取ってるのかな…」
咲「…聞けないよね…聞いても何すればいいのかわかんないし…」
咲「次会うときかぁ…それまでどうすればいいのかな?」
咲「私にできることって何だろ…」
咲「今まではお姉ちゃんと一緒にお兄ちゃんと遊んだり、一緒にお出かけしたりしたけど…」
咲「2人共私のことをよく気遣ってくれてたな…お姉ちゃんなんて本当は2人が良かったかもしれないのに…」
咲「…でも学校では一緒だったんだよね?…お兄ちゃんって女の子にモテモテだったりするのかな?」
咲「もし…もしも誰かとお付き合いとかするようになったら…お姉ちゃん悲しむよね…」
咲「……決めたっ!…私お姉ちゃんが帰ってくるまで、お姉ちゃんの代わりになるよ」
咲「ちゃんとできるかわからないけど…がんばるね」
咲「それが今の私にできること…だって…私はお兄ちゃんにとって、友達の妹だからね…」
・
・
・
-数日後:朝-
ピンポーン
京太郎「よう、おはよう咲ちゃん。久しぶりー」ガチャッ
咲「おはよう京ちゃん!」
京太郎「…へ?」
咲「ほらっ、鞄持つね?…ちょっとおにい…京ちゃん、これ何が入ってるの?」ジャラ
京太郎「あ、ああ…ちょっと友達に渡す物があって…自分で持てるから大丈夫だよ?」
咲「いいの!私が持つからっ。…ほら、学校いこっ?」
・
・
・
京太郎「ねえ咲ちゃん」
咲「咲って呼んで?」
京太郎「…咲、今の話のことなんだけど…」
咲「うんっ、これが私の考えだよ?」
京太郎(色々違うんだけど…どうしてこんな考え方を…)
咲「…駄目だった?」
京太郎「いや…それが咲ちゃ…咲の考えなら聞きたいとは思うけど…」
咲「けど?」
京太郎「どうしてそうしようと思ったんだい?」
咲「どうしてって…そんなの、私はお姉ちゃんの妹だもん」
京太郎(妹だからって…)
咲「京ちゃんにとっても友達の妹…だからね。…私なりにできることをしてみようと思ったんだ」
京太郎(…そっか……)
咲「ほら、学校に着いたよ?…はい、鞄…これちゃんと教科書入ってるの?」ジャラ
京太郎「え?…入ってないけど?」ジャラ
咲「はぁ…今は仕方ないけど、ちゃんと教科書とか持って帰らないとダメだよ?」
京太郎「以後気をつけるよ」
咲「じゃあ私行くから、また放課後ね?」
京太郎「あ、待った。…放課後は大事な用事があるんだ」
咲「そうなの?…じゃあ私は…」
京太郎「できれば待ってて欲しい。…咲にも大事な話があるから…いいかな?」
咲「うん、わかったよ。じゃあ図書室で待ってるね?」
京太郎「おう!…今日は忙しくなりそうだな。…気合を入れて…上げていこうか!」
・
・
・
京太郎「嫁田ー、頼んでたノートは?…うんうん、持つべきは友達だな?」
京太郎「終わったー!…嫁田、みんなは?…じゃあ屋上行くか。…持ってくれんの?ありがとな」
京太郎「やべぇ…緊張してきた……何笑ってんだよ?」
京太郎「ようみんな!須賀京太郎、ただいま戻ってまいりました!」
京太郎「今日は集まってくれてありがとう。…この場を借りて、俺は宣言します」
京太郎「議長から話は行ってるかもしれないけど、綺羅星を辞めることにするよ」
京太郎「今後のリーダーは……そうだな、生徒会に入った奴を中心に決めるとかどうかな?」
京太郎「…なるほど…じゃあヘッド、議長、その他いくつかは役員毎に受け継ぐ形にしよう」
京太郎「ありがとう…じゃあ本題だ。…事故に遭ってからずっと考えてたんだけど…」
京太郎「俺は綺羅星のトップって立場に自惚れてたみたいだ。…だからこそ綺羅星を抜けようと思ったんだ」
京太郎「その上で言う!みんな、友達になろう!…綺羅星とか関係なくさ、学校みんなで友達になろう!」
京太郎「そんでもって、みんなで青春を謳歌しようぜ!…ダメかな?」
京太郎「じゃあ…≪俺と握手しよう!≫…俺と握手しよう!…流石に多いかな?」
京太郎「あと俺からみんなにプレゼントだ。…じゃーん!キーホルダー!…実は誕生日に押し付けられて困って…なんでもないぞ!?」
京太郎「こんなもんかな?…よ…議長、そういえば頼んでたロケットとかどうなったんだ?」
京太郎「な、何笑ってんだよ……こ、これは?」
京太郎「王冠付きのマスク…ロケットの方も王冠マークだな?…特注品?」
京太郎「はぁっ!?…俺がキング?名誉称号って何だよ!?……みんなやめて!なんか恥ずかしい!」
京太郎「し、仕方ねーなー……行くぞ?…綺羅星っ!」ビシッ
京太郎「でもこれどうやって持って帰るんだよ?…仮面と王冠を分離させて…王冠を折りたたむ…何これすげえ!」
京太郎「最高傑作ね…大事にさせてもらうよ。…じゃあ俺はお姫様を待たせてるから…またな!」
・
・
・
京太郎「ごめん咲、思ったより時間かかっちまった」
咲「大丈夫だよ。…じゃあ帰ろっか?」
・
・
・
京太郎「咲、大事な話…してもいいかな?」
咲「うん」
京太郎「ちょっと胸が痛むけど…今朝の話…俺は咲の話を受け入れることはできないよ」
咲「え…どうして…」
京太郎「俺には、咲を照の代わりとして見るなんてできない」
咲(そっか…お姉ちゃんと話す機会はあるんだっけ……やっぱり私は…)
京太郎「咲は咲、照は照だからね。…友達の代わりなんてできないよ」
咲「…そうだよね…だって…私は京ちゃ…お兄ちゃんにとっては、友達の妹だもんね」
京太郎「咲」
咲「無理して咲って呼ばないでもいいんだよ?」
京太郎「無理してなんかないよ」
咲「嘘、さっきから私を呼ぶたびにちょっとどもってるよ?」
京太郎「はは…思ったより聞き分けがいいんだね?」
咲「そんな気はしてたんだ。…それにお兄ちゃんは私を頼まれたんでしょ?」
京太郎(…言わなきゃよかったな)
咲「せめて…友達みたいに、お兄ちゃんと一緒にいて楽しんでもらえればと思ったんだけど…」
京太郎「はぁ…咲、お前は何か色々と勘違いしてるぞ?」
咲「…どういうこと?」
京太郎「確かに俺は咲を妹分だと思ってるけど…俺にとって、咲が友達の妹だったのは、咲に会うまでだぞ?」
咲「え…それじゃ…私は何なの?」
京太郎「友達だよ」
咲「…友達…」
京太郎「確かに、先に友達になったのは照だし、一緒にいた時間が長いのも照だけど…そんなの関係ないよ」
京太郎「咲も俺の友達で、今一緒に青春してるのも咲だ。…だから咲、俺はお前と一緒にいて十分楽しいんだぜ?」
咲「…本当に?…私もお兄ちゃんの友達なの?」
京太郎「おう!…信じてくれるか?」
咲「…お兄ちゃん単純だから…信じるしかないかな」
京太郎「酷いこと言いやがる」
咲「嘘じゃないから仕方ないよ。ははっ」
京太郎「じゃあ…咲も納得してくれたみたいだし…咲、≪俺と握手しよう!≫」サッ
咲「うんっ」ギュ
京太郎「あれ?…意味わかったの?」
咲「友達作りの秘訣、でしょ?…お姉ちゃんが前に話してたから覚えてるよ」
京太郎「なるほどね…」
咲「それより、前みたいにちゃん付けで呼ばないの?」
京太郎「この際だし、俺は咲って呼ぶから、咲も京ちゃんって呼んでくれ…言葉ももっと崩した感じにしてさ」
咲「えっ…さ、流石に恥ずかしいよぉ…」
京太郎「さっきまで普通に呼んでたじゃねえか」
咲「さっきと今とじゃ色々と違うの!」
京太郎「えー…」
咲「…だから、慣れるまで待ってもらっても…いいかな?」
京太郎「仕方ないなぁ……じゃあ俺が完治するまでに慣れること!ってのはどうかな?」ニコ
咲「それなら…うんっ!私がんばるよ!」ニコッ
京太郎「いい子いい子」ナデナデ
咲「もうっ、子供扱いしないでよ?」
京太郎「ははっ…咲、これからもよろしくな?」
咲「うんっ」
>>404最後付け忘れ
京太郎(…これでいいんだよな?…照)
~だいじぇすと~
咲「おはようおに…京ちゃん…///」
咲「ちょっと笑わないでよ~…あ、京ちゃんも私に対する話し方が前のままだよ?」
咲「私ね、最近お姉ちゃんの本読んでるんだ。…普通の本も結構面白いんだね」
咲「食わず嫌いって…食べ物の好き嫌いはないよ?…本当だよ?」
咲「きょ、京ちゃん、体育はどうしてるの?…そこはおとなしく見学しておこうよ…」
咲「勉強は大丈夫なの?…寝たらダメだよ?めっ」
咲「そういえば球技大会って5月末じゃなかった?…まあまあ、2学期には運動会があるから。ね?」
咲「京ちゃん…声が嗄れるまで応援しなくても良かったんだよ?」
咲「雨だね?…傘忘れたの?…じゃあ私の傘、一緒に使おう?」
咲「もうっ、風邪ひいちゃって…私を庇って雨に当たるからだよ?…ありがとっ」
咲「けほっけほっ…うぅ~…京ちゃんに風邪うつされた~……冗談だよ?けほっ」
咲「桃缶?…食べさせて~……あー、ん。…おいし……ありがとう、京ちゃん」
咲「京ちゃん、テスト勉強教えて?…大丈夫、英語以外期待してないから―いたっ。…小突かないでよぉ…」
咲「テストどうだった?…私は大丈夫だよ?…解答欄?…ずれてないけど…」
-夏-
京太郎「俺、完全ふっかーつ!」
咲「すっかり体も治ったね?」
京太郎「実は結構前に治ってたんだけどな」
咲「そうなの?」
京太郎「おう!…昨日でもう病院に通わなくて良くなったんだ」
咲「へぇー。それはよかったね」ニコ
京太郎「だな。…咲も言葉遣いに慣れたし、良いことづくしだな?」
咲「京ちゃんもね?…最初は大変だったんだよ?」
京太郎「終わりよければ全てよし。って言うだろ?」
咲「もうっ、調子いいんだから…」
京太郎「ははっ。…これでも咲には感謝してるんだぞ?」
咲「私に?…私何もしてないよ?」
京太郎「いいんだよ」ナデナデ
咲「あう…頭撫でないでよー…」
京太郎「嫌か?」
咲「嫌というか…恥ずかしいよ…」
京太郎「そっか。……もう夏休みだな…」
咲「そうだね…」
京太郎「咲」
咲「何?」
京太郎「これからもよろしくな?」
咲「うんっ。よろしくね、京ちゃん」
・
・
・
-夏休み某日:夜-
prrrr
京太郎「はい、もしもし」
洋榎『京太郎!』
京太郎「ちょっ、洋榎ちゃん!?声大きいって!」
洋榎『そんなことどうでもええ。…うちの活躍見てくれたか?』
京太郎「麻雀ね。…見てたよ?…ルールとかわからないけど」
洋榎『ルールくらい覚えとけ言うたやろ!』
京太郎「国士無双だけは覚えたよ!」
洋榎『なんでやねん!他に覚えることあったやろ!』
京太郎「まあまあ…それより、かっこよかったよ」
洋榎『せやろ?…とはいえ1番になれんかったけどな』
京太郎「負けたときもとっても楽しそうな顔してなかったか?」
洋榎『そら自分を出し切ったんや、当たり前やろ?』
京太郎「おおっ」
洋榎『な、なんや?』
京太郎「今の洋榎ちゃん、すっげーかっこいいこと言ってた!」
洋榎『えっ、今うちどんなこと言うてた!?』
京太郎「覚えてないのかよ!」
洋榎『無意識やったんや!…ところでうち、ほんまになんて言うた?』
京太郎「えーと、『そら自分を出し切ったんや、当たり前やろ?』キリッ」
洋榎『最後のキリッは何か意味あるんか?』
京太郎「気分で」
洋榎『気分なら仕方ないな』
京太郎「でしょ?」
洋榎『まあええ。見てくれたんなら十分や。…そろそろ切るで?…ありがとな、京太郎』
京太郎「おう。またな、洋榎ちゃん」
洋榎『次会うまでに麻雀のルール覚えとくんやで?…またなー』ピッ
京太郎「…果たして覚えられるのだろうか…」
prrr
京太郎「今度は誰だ?…おっ…はい、もしもし」
怜『京くんおひさー』
京太郎「ようとっきー。久しぶりー…言うほど久しぶりか?」
怜『声を聞くのは久しぶりやろ?』
京太郎「言われてみれば…なるほど」
怜『せやろ~?…ところで京くん、IMは見てくれた?』
京太郎「見たぞー。あの子だろ?…大阪の愛宕…」
怜『その子ちゃうわ。同じ大阪でも北や』
京太郎「冗談だって。北大阪のあの子だろ?…確かとっきーの友達の…」
怜『そうそう。…私の友達の江口セーラや。かっこよかったやろ?』
京太郎「男の俺が自信無くす程度に…」
怜『セーラは男前やしー。…京くん三枚目やからなー』
京太郎「そこは二枚目と言って欲しかった!」
怜『無理やなー。…京くんの噂な、今でも病院に残ってるんやでー?』
京太郎「…マジ?」
怜『おおマジや。…だから三枚目にぴったりやろー?』
京太郎「ぐぬぬ…とっきーは噂とか残ってないのかよー?」
怜『私は普段良い子してるからなー。…京くんとは出来が違うわー』
京太郎「そうかよ。…とっきー、体は大丈夫?」
怜『私は元気やでー。そういう京くんは…もう通院しないでええんやったな』
京太郎「そこには、元気に走り回る京太郎君の姿がっ!」
怜『入院中も走り回ってたやろー』
京太郎「それもそうだな」
怜『…そろそろ時間やな。…京くんも早く麻雀覚えるんやでー』
京太郎「国士無双だけならわかるぞ?」
怜『それ自慢にならんわー。…ほな、またな京くん』
京太郎「おう、またなー」ピッ
京太郎「…そんなにダメかなぁ…」
-咲ちゃん誕生日-
京太郎「咲、待たせたな」
咲「ううん、私も今来たとこだから大丈夫だよ?」
京太郎「そう?…じゃあ行くか!」
咲「うんっ」
・
・
・
京太郎「防寒具を買いに来たんだよな?」
咲「うん、学校用のコートとか持ってないからね」
京太郎「他は買わなくていいのか?」
咲「あとは手袋かな。…使ってたやつ駄目にしちゃったんだ」
京太郎「手袋ね…どんなのがいいんだ?」
咲「そうだね…あっ、これかわいいかも…京ちゃんはどう思う?」
京太郎「うむ、咲に良く似合ってるよ」
咲「良かった。…じゃあ先にコート買っちゃおうよ」
京太郎「はいはい。わかりましたよ、お姫様」
咲「何それ?……コートは…あった。……サイズは……京ちゃん、こんなのどうかな?」
京太郎「似合ってるよ。…個人的にはこっちの色もいい気がするな」
咲「うーん…確かにそうかもしれない…どうしよう?」
京太郎「好きなほう選べって」
咲「…じゃあ京ちゃんのオススメにするよ。…ちょっと買ってくるね?」
京太郎「おう、行ってこい……じゃあ俺も買ってくるかな…」
・
・
・
咲「おまたせー。…あっ、手袋買うの忘れてた!」
京太郎「おかえり。…戻って早々慌しいな」
咲「あの手袋が無くなってたら悔しいもん」
京太郎「そうかい。…咲、これやるよ」
咲「…これは?」
京太郎「誕生日プレゼント。…開けてみ?」
咲「…あっ…さっきの手袋だ…」
京太郎「大事に使えよ?」
咲「…ありがとう京ちゃん!すっごい大事にするね?」ニッコリ
-文化祭-
咲「ねえ京ちゃん、学校の中を歩いてたマスク着けた仮装行列って…」
京太郎「咲、世の中知らないでいいこともあるんだぞ?」
咲「多分学校の人ならみんな知ってるんじゃないかな?」
京太郎「…そうか…」
咲「それより、先頭を歩いてた王冠っぽいマスク着けてたのって…」
京太郎「やめてっ。…俺をいじめないで!」
咲「そ、そんなつもりじゃないよー…ほら、キャンプファイアーだよ?…拗ねてないで一緒に踊ろうよ!」
京太郎「…仕方ねーなー…足踏むなよ?」
咲「京ちゃんこそね?」
-クリスマス・イヴ-
京太郎「まったく、学校でクリスマスパーティなんて…こんなんで俺が喜ぶと思ってるのか!」ウキウキ
咲「企画したのって京ちゃんじゃないの?」
京太郎「ま、まさかー…俺がそんな子供っぽいことをするとでも…」
咲「…サンタの格好してそんなこと言われても…」ジト
京太郎「…すっげー楽しいです」
咲「ははっ。…素直でよろしい」
京太郎「生意気な奴め。サンタ帽を被せてやるっ」バサッ
咲「ちょっと京ちゃんっ。恥ずかしいからやめてよ~」
京太郎「これでかわいい咲ちゃんサンタの完成だな」
咲「えっ…そんなにかわいい?」
京太郎「かわいいよ」ニコ
咲「そ、そこまで言うなら仕方ないなぁ…///」
京太郎「ほら、ビンゴゲーム始まるぞ?…早く行こうぜ!」
咲「あっ、待ってよ京ちゃん!」
-クリスマス-
咲「そういえば、京ちゃんは何処の高校に行くの?」
京太郎「うーん…多分清澄じゃねえかな」
咲「清澄かぁ…受かるの?」
京太郎「俺はそこまで頭悪くないぞ」
咲「そうだね。…あと3ヶ月もないんだね…」
京太郎「なんだ?寂しいのか?」
咲「…ちょっと寂しいかな?」
京太郎「…そっか……」
咲「だから、残りの3ヶ月を楽しまないとね?…ほら、早く行こうよ?」グイ
京太郎「うわっ、引っ張るなって!」
咲「あははっ」
・
・
・
咲「ねえ京ちゃん、あれ買おうよ」
京太郎「あれ?…へぇ…2つで1組の装飾品ねぇ…」
咲「ダメかな?」
京太郎「別にいいぞ?…咲はどんなのが欲しいんだ?」
咲「うーん…どうせなら京ちゃんと2人で分けてみたいな」
京太郎「なるほど…このハートとか綺麗に割れて、結構面白いぞ?」
咲「それはちょっと悪いかな……あっ、この星とか同じように割れるよ?…京ちゃん星好きでしょ?」
京太郎「うん?…咲がそこまで言うなら…じゃあこれ買うか?」
咲「うんっ。…これを2人でクリスマスプレゼントにしよ?」
京太郎「なるほどな。…すいませーん、これくださーい!」
咲(ハートは…お姉ちゃんに悪いからね…)
-正月:早朝-
京太郎「ったく…迷子になるから離れるなって言ったのに…」
京太郎「咲ーっ!何処だー!」
咲「京ちゃーん!」
京太郎「咲!…すいません、ちょっと通してください!………はぁはぁ…探したぞ?」
咲「京ちゃん!…どうして私を置いて行っちゃったの?…怖かったんだよ?」
京太郎「だから咲が離れて行ったんだって……なんか去年の正月にも同じことしなかったか?」
咲「もうっ。そんなこと言ったって許してあげないよ?」
京太郎「はぁ…でも言ったろ?…絶対に見つけるって」
咲「…覚えてくれてたんだ」
京太郎「当たり前だろ?…とりあえずあっちで休むぞ?…また逸れないように…ほら、手を出せ」サッ
咲「…うん…」ギュ
咲「あ…マフラーどっか行っちゃったみたい」
京太郎「人混みに流されちゃったかー……なんかあの時みたいだな…」ボソ
咲「何か言った?」
京太郎「何でもない。…仕方ないな…咲、これ使え」ファサ
咲「京ちゃんのマフラー…いいの?」
京太郎「これで許してくださいってな」
咲「…別に怒ってないのに…」
京太郎「知ってるよ。…それより大丈夫か?…怪我とか…眠かったりしないか?」
咲「大丈夫だよ…今日はこのために早起きしたんだからね?」
京太郎「そっか。…じゃあお参り行くぞ?」
咲「うんっ」
パンパン
京太郎(去年は連絡来なかったな…年賀状も届かない気がするし…早くまた会いたいな?……話したいことがいっぱいあるんだぞ?)
咲(お姉ちゃん、お母さん、早く帰ってきて……ねえお姉ちゃん。いつからかわからないけど、私も京ちゃんのこと好きだよ?…早く帰ってこないと告白しちゃうからね?)
咲「京ちゃん、おみくじ引きにいこ?」
京太郎「そうだな。…じゃあ行くか!」
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咲「吉だって。…待人来ず…か…京ちゃんはどうだった?」
京太郎「俺は小吉だな。…これから更に運が良くなるらしいぞ?」
咲「いいなー…私と交換しようよ?」
京太郎「だーめ。…初日の出まで暇だし、あっちで座ってようぜ?」
咲「はーい」
・
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京太郎「へくしっ……」
咲「大丈夫?…せっかくのロングマフラーだもん。2人で使おうよ?」ファサ
京太郎「ありがとな…」
咲「…ねえ京ちゃん。お姉ちゃんとはこういうとき、どうしてたの?」
京太郎「急にどうした?」
咲「2人でマフラー使った話とか、ずっと手を繋いでたとか、色々聞いてたから…他にはどんなことしたのかなって」
京太郎「もう真似はしないんじゃなかったのか?」
咲「そうじゃないよ。…ただ…羨ましいなって…」
京太郎「そっか…咲、ちょっと俺の膝の上に座ってくれないか?」
咲「えっ?…いいけど……これでいい?」スト
京太郎「おう」ギュ
咲「きょ、京ちゃん!?…何抱きついてるの?」
京太郎「暖かいか?」
咲「暖かいけど…恥ずかしいよぉ…///」
京太郎「俺だって恥ずかしい。…でもなー、これは照にしてないんだぞー」
咲「…そうなの?」
京太郎「そうそう……はぁー、暖かい」
咲「京ちゃんが暖まりたいだけじゃないの?」
京太郎「そうとも言うな。…まあいいじゃねえか。…日の出までこのままゆっくりしてようぜー」
咲「はぁ…仕方ないなー……えへへ///」
・
・
・
京太郎「咲、起きろー。初日の出だぞー」ユサユサ
咲「ふぇ?……京ちゃん?…あけましておめでとー…」
京太郎「あけましておめでとう。…咲、日の出だぞ?寝ぼけてないで起きろって」
咲「…えっ!?…もしかして、私寝てた?…///」
京太郎「ぐっすりな。…ほら、それよりあっち見ろって」
咲「あっち?…わー…綺麗だね?」
京太郎「だろ?…すまん咲、足が痺れて動けないんだ。…ちょっとどいてくれね?」
咲「あっ、ごめんね?……京ちゃん、ありがとっ」
京太郎「どういたしまして。…何なら家までおぶって行ってやろうか?」
咲「それはやりすぎだよ!…ふふっ」
京太郎「はははっ」
京咲「「あははっ」」
京太郎「咲、今年もよろしくな?」
咲「うんっ。京ちゃんも、今年もよろしくね」
-京太郎誕生日-
咲「京ちゃん、誕生日おめでとう」
京太郎「ありがとな…」
咲「すっごい疲れてるけど大丈夫?…受験勉強そんなにきついの?」
京太郎「範囲は大体できてるんだ…でも不安でな…」
咲「そっか…京ちゃん!…これ、誕生日プレゼントだから、受け取って!」
京太郎「合格祈願のお守りか…ありがとな、咲」
咲「これで絶対受かるんだから!私を信じて。ね?」
京太郎「…さーきー…俺はうれしいぞー」ナデナデ
咲「えっへん。…もっと感謝してくれてもいいんだよ?」
京太郎「こんなかわいい幼馴染がいて、俺はとってもうれしいぞー」ワシワシ
咲「えへへ……これで絶対受かるよね?」
京太郎「もちろん!…俺はやるときはやる男だぜ?」
咲「なら安心だね?」
京太郎「おう!」
咲「じゃあ受かったら記念に何か奢ってね?」
京太郎「おう!…ちょっと待て」
咲「楽しみにしてるからね?」
京太郎「はぁ…わかったよ」
咲「やたっ」
-バレンタイン-
咲「京ちゃん!疲れた脳にはチョコレートだよ!」
京太郎「おー。ありがとな、咲」
咲「早く開けてみて?」
京太郎「そう急かすなって」ガサ
咲(がんばってハート型にして、応援のメッセージを書いたんだよ?)
京太郎「おー……なあ、咲」
咲「何?」ニコ
京太郎「この単語な、スペル間違えてるぞ?」
咲「えっ……おかしいな…確か本の通りにしたはずなんだけど…」ボソ
京太郎「でも美味そうだな。…食べていいか?」
咲「うん…」
京太郎「…うん、美味いぞ?」ニコ
咲「そ、そうだよね?…よかったー…」
京太郎「これは絶対合格しなきゃないけないな?」
咲「うんっ。がんばってね!」
京太郎「スペルも間違わないようにしなきゃな」
咲「もうっ、京ちゃんのバカ!」
・
・
・
京太郎(そういや、照の奴はちゃんとしたチョコを作れるようになったのかな…)
咲(お姉ちゃん。…この恋愛成就の本、役に立たないよ?…はぁ…)
-ホワイトデー-
京太郎「咲!受かった!受かったぞー!」ダキッ
咲「く、苦しいよ京ちゃーん…」
京太郎「悪いっ、あまりのうれしさに抱きついてしまった」
咲「そっちは別にいいんだけど…」ボソ
京太郎「今なんて言った?」
咲「なんでもないよっ。京ちゃん、合格おめでとう!」
京太郎「ありがとなっ。…ああ、これチョコのお返しな」サッ
咲「えー…なんかあっさりしすぎじゃない?」
京太郎「何を言う。それなりにいいクッキーを買ってきたんだぞ?」
咲「今年は手作りしてくれないの?」
京太郎「そんな練習する暇なんて無かった!」
咲「だよねー…」
京太郎「それに咲に出すなら、ちゃんとしたものを作らないと失礼だからな?」
咲「そんなの、気にしなくてもいいのに」
京太郎「ああっ、高校にも合格したし…でも卒業式もすぐだしな……どうしよう?」
咲「知らないよっ」
京太郎「…何怒ってんだ?」
咲「ふんっ」プイ
-卒業式-
咲「京ちゃん、卒業おめでとう!」
京太郎「ありがとな、咲」
咲「でもね?証書貰ったあとに、ポーズとったのはどうかと思うよ?」
京太郎「やらなきゃいけない雰囲気だったんだよ…」
咲「ふふっ、私の隣の子とか、やり返してたよ?」
京太郎「学校の3割くらいを占める集団だからな。…それにしても、卒業か…」
咲「寂しい?」
京太郎「どうだろな?…今は春休みの予定と、高校でどんな青春をするかってことしか考えてないな」
咲「私は寂しいかな…」
京太郎「…咲、春休みは何して遊ぼうか?」
咲「えっ、急に言われても考えてないよ~」
京太郎「そうか!…じゃあ何しようか?…遊ぶ時間はまだいっぱいあるぞ?」
咲「あ…そうだね。…じゃあ最初は約束通り何か奢ってもらおうかな?」
京太郎「えー!…あれって冗談じゃなかったのかよ?」
咲「もちろん。冗談じゃないよ?…そうだ!」
京太郎「どうした?」
咲「京ちゃんがあるものをくれたら、考えてもいいかな~」ニヤ
京太郎「な、何だよ?…高いものはやれないぞ?」
咲「そんな高いものじゃないよ?……制服の第二ボタン、くれないかな?」
京太郎「これか?…いいけど……ほらよ」
咲「ありがと…でも良かったの?」
京太郎「どうせもう着ないしな。…考えてくれたか?」
咲「今度一緒に出かけてくれたら許してあげるよ♪」
京太郎「よっしゃっ!」
咲「ねえ京ちゃん」
京太郎「どうした?」
咲「青春って楽しいね?」
京太郎「だろ?…でもこれからもっと楽しくなるんだぞ?」
咲「そうなの?」
京太郎「そう!だから咲、青春を謳歌しようぜ?」
咲「うんっ!」
京太郎(どうだ照。俺はちゃんと青春してるぞ?)
中学編はこれで終わりです
結構時間がかかってしまいましたが、お付き合いありがとうございました
あと1日か
完結までみたい
>>463
私も完結まで書きたい
お久しぶりです>>1です
保守してくれた方や待ってくれていた方など、ありがとうございます。
ここ2ヶ月忙しくて書き溜め分を整えるくらいしかできませんでした。
ごめんなさい。
短いながらもちょっとだけ投下しておきます。
~ピカピカの高校1年生時代~
-5月:放課後-
京太郎「掃除終わりっと。帰るかー」
?「あのっ」
京太郎「ん?どうした竹井、何か用?」
久「あ…いや、何でもないの」
京太郎「調子でも悪いのか?」
久「大丈夫よ。掃除お疲れ様」
京太郎「おう、竹井もお疲れ様。じゃあまた明日」
久「またね……はぁ…彼に声をかけても意味ないのにね…部室…行かなきゃ」
・
・
・
京太郎「ったく…先生も俺にプリント押し付けなくても…教室には…いないか」
京太郎「もう帰っちまったとか…おっ、いたいた…竹井ーっ!」
久「」スタスタ
京太郎「聞こえてないのかな?…仕方ない。追ってみるかー」
京太郎「いったい何処行くんだ?あっちは…旧校舎?」
・
・
・
-旧校舎-
京太郎「何処にもいねえなぁ…あとは…一番上かな」
京太郎「おっ、部屋があるな…ん?何か聞こえる…」
久「…やっぱり…ここまでなのかしら…これ以上は、学校が、ゆるさないものね」
京太郎(独り言?)
久「この部活は、いまに学校から葬られる…」
京太郎(なんか物騒なこと言ってるけど…)
久「…学校じゃないわね。ゆるさないのも、葬るのも私ね…」
京太郎(…演劇部は…別にあったよな?…じゃあここって…)チラッ
久「あーっ、もうっ!…このままじゃ人間失格の烙印…って程でもないわね…他の本にしましょう」
京太郎「え…麻雀部?」バサバサッ
久「誰っ!?あっ、本がっ」バサッ
京太郎「やべっ、プリントが…」ガチャッ
久「…どなたですか?えっ?あなたは…」
京太郎「よ、よう竹井。プリント持ってきたんだけど…拾うの手伝ってくれね?」
久「はあ…いいけど…」
・
・
・
待ってたよー
京太郎「助かったぜ、ありがとな」
久「別にいいわよ。それよりどうしてあなたがここに?」
京太郎「竹井を追ってきた。旧校舎中探してやっと見つけたんだぞ?」
久「えっ…ストーカー?」
京太郎「ちげえよ!…ここにプリントがあるだろ?呼んでも気づかなかったから追ってきたんだよ」
久「…本当に呼んだ?」
京太郎「声上げて呼んだよ!お前本当に大丈夫か?…さっきからちょっと辛気臭い顔してるけど…」
久「そんなことないわよ?……入部希望かと期待しただけだから…」ボソッ
京太郎「ん?…それにしても、この学校に麻雀部なんてあったんだな」
久「部活一覧にも載ってるわ。知らなかったの?」
京太郎「初めて知った。部活紹介してたっけ?」
久「その他として載ってるわ。まともな部員は私一人だから」
京太郎「お前1年だよな?じゃあ竹井が入部するまでは…」
久「名前だけの部活ね。今じゃもう潰れかけよ」
京太郎「なるほどね。部員の募集とかしないのか?」
久「したわよ?残念ながらみんな興味を持ってくれなかったけどね」
京太郎「そっか…竹井は麻雀がしたいのか?」
久「じゃなきゃここにいないわ。でも…この部活ももうお終いかもね」
京太郎「どうしてだ?」
久「今月中に新入部員が入らないと解散。あなたが持ってきたプリントにもそう書いてるでしょ?」
京太郎「なになに…ほんとだ」
久「自分で持ってきたのに見てなかったの?」
京太郎「別にいいだろ?それより…部活、諦めるのか?」
久「諦めたくないわ。…けど…このまま誰も入部してくれなかったら…」
京太郎「なんだ、ネガティブな奴だな」
久「仕方ないでしょ!実際に誰もちゃんと聞いてくれなかったんだからっ」
京太郎「おぉう。そう怒鳴るなよー。……じゃあ掃除のときに俺に声をかけたのは?」
久「あれは…あなたには友達が沢山いるから…手伝ってもらえないかなって…」
京太郎「なんだ。竹井は友達いないのか?」
久「…悪い?」
京太郎「もったいない。みんなから委員長って慕われてると思ってたんだけどな?」
久「あれはクラスメイトとして仲良くしてるって感じよ…」
京太郎「それ友達って言わないか?」
久「そうかしら?私にはよくわからないわ」
京太郎「そうかい」
久「それより、手伝って…もらえないわよね…」
京太郎「そうでもないぞ?」
久「えっ?」
京太郎「なあ、竹井がこの学校でやりたいことって何だ?」
久「…麻雀かしらね」
京太郎「じゃあ、この学校でやるべきことは何だ?」
久「それは…勉強じゃないかしら?」
京太郎「そこは麻雀って言って欲しかったな」
久「…私達って、勉強するために学校に通ってるのよね?」
京太郎「気持ちの問題だよ。そんな優等生な返事じゃ世界の声も聞こえないぜ?」
久「あなたが何を言ってるのか理解できないわ…それより今の質問は何なの?」
京太郎「気にすんな」
久「無理ね。あなたなら今の質問になんて答えるの?」
京太郎「そんなの簡単だ。どちらも青春の謳歌だ!」
久「曖昧すぎじゃないかしら?」
京太郎「いいんだよ!……実はこれ全部本の受け売りなんだけどな?」
久「それはそれでどうなの?」
京太郎「うっせ…にしても…この部室汚すぎないか?」
久「う…私一人だったからね…」
京太郎「床に本も落ちてるし」
久「それはあなたが急にやってくるからっ……もしかして聞いてた?」
京太郎「何のことだ?」
久「わからないならいいのよ」
京太郎「ああ、人間失格がどうのこうの――」
久「わっ、わーっ!」
京太郎「な、なんだよ?」
久「それは絶対に誰にも言わないで!ね!?」
京太郎「お、おう…」
久「でっ!?部室が汚いから何!?」
京太郎「あ、ああ……このままじゃ人が来たがらないだろ?…だから掃除手伝ってやるよ」
久「大きなお世話よ…それに部員じゃないあなたに手伝ってもらうなんてできないわ」
京太郎「まあ落ち着け、話はまだ終わってないぜ?」
久「…何よ?」ムスッ
京太郎「そうむくれるなって…」
久「別にむくれてないわよ」ジト
京太郎「あはは…言うぞ?……掃除を手伝ってやるからさ、俺に麻雀教えてくれないか?」
>>467
何故ばれたし。どうもありがとうございます
久「え…」
京太郎「実は麻雀って興味あったんだよな。…良い機会だから俺も麻雀を始めてみようと思うんだわ」
久「ちょっと待って!……じゃあ、あなた…」
京太郎「」ニッ
久「あなた…入部してくれるの?」
京太郎「おうっ!これからよろしくな、竹井部長」
久「本当に…本当にいいのね?」
京太郎「勿論!共に青春を謳歌しようぜ?」
久「わかったわ…ちょっと待って!入部届け探すから!」バタバタ
京太郎「…俺の持ってきたプリントの中に混じってたぞ?」
久「そうだった!…あった。…さあ書いて!」バンッ
京太郎「そう急かすなよ………ほら、これでいいだろ」
久「…ええ……これで麻雀部を廃部にしないでいいのね…」
京太郎「須賀京太郎。これから麻雀部でお世話になります!ってな」
久「…あれ?…あなたの苗字って須賀”た”じゃなかったの?」
京太郎「は?…お前クラスメイトで俺の隣の席だよな?」
久「そうだけど…あなた自己紹介したときにそう名乗らなかった?」
京太郎「いやいや、確かに須賀京太郎と名乗った気がするんだけどなぁ」
久「おかしいわね…確かにあの日は…」
~~~~~~~~~~
久(隣はいないのね…休みなのかしら?)ガラッ
京太郎「颯爽登場!すいません!遅刻しました!」
久(どこが颯爽なんだか…初日からとんだ重役出勤ね…まあいいけど)
京太郎「理由ですか?……間違えて中学に行ってました…」
久(馬鹿なの?…あの人高1よね?)
京太郎「あはは…みんな笑いすぎだろ!……咲の奴…気づいてたなら教えてくれればいいのに…」ボソ
久(笑わない方が可笑しいでしょ…)
京太郎「俺の名前は、須賀ッぃた…京太郎です!…いてぇ…」
久(今噛んだわね。すが”た”?…まあその内覚えるでしょう)
京太郎「この高校には…多分何かすごいことをしにきました!みんな、よろしく!」
久(すごいことって何よ…)
京太郎「席は…ここか、お隣さんもよろしく…えーっと…」
久「ぅ…竹井久よ、よろしく」
京太郎「おう、よろしくな」
久(また間違えそうになった…何か解決策を考えないとね…)
~~~~~~~~~~~~
久「確か…あなたおもいっきり噛んだわよね?」
京太郎「た、確かにそうだけど…」
久「それで間違えたんじゃないかしら?」
京太郎「…納得できねえ…」
久「きっと他の人も間違えてたわよ」
京太郎「お前な…一応言っておくけど、クラスのみんなは俺のこと普通に呼んでるぞ?」
久「えっ」
京太郎「…そもそもで竹井って委員長してるけど、みんな”あなた”とか呼んでるよな?…クラスメイトの名前覚えてるのか?」
久「…前後の人くらいは…多分……顔はみんな覚えてるのよ?」
京太郎「えー…」
久「あ、あなただって、私のこと委員長って呼ばないじゃない?」
京太郎「名前知ってんのに委員長とか失礼じゃね?」
久「そ、それもそう…ね…」
久(良いこと言ってるんだけど…ちょっとね…)
京太郎「この際だし、竹井も俺のこと京太郎って呼んだらどうだ?」
久「友達でもないのに、そんなことしたら失礼じゃないかしら?」
京太郎「えっ…俺らって友達じゃなかったのか…」
久「そうなの?」
京太郎「うわー…ショック…」ズーン
久「そ、そう落ち込まないで。ね?」
京太郎「……しゃーない!…改めて友達になろうぜ?」
久「え?…そうね。…改めてよろしくね?私の高校最初の友達さん」
京太郎「こちらこそよろしくな。俺の高校で最初の友達だと思ってたけど、実はクラス最後の友達さん」
久「…実は根に持ってるでしょ?」
京太郎「べっつにー…根に持ってませんよー」
久「それにしても、クラス全員と友達とかよくなれたわね?…全員覚えてるの?」
京太郎「友達は人生の財産って言うだろ?…中学からなら全員覚えてるよ。……もちろん名前も、顔もな?」
久「いちいち突っかかった言い方するわね…あなた、性格悪いわよ?」
京太郎「おいおい、京太郎と呼べって言ったろ?」
久「ならあなた…京太郎も私のことを部長、委員長、もしくは久と呼びなさい?……実は苗字で呼ばれるのってあまり好きじゃないの」
京太郎「オーケー、わかったよ久」
久「よしっ。…だけど私だけ最初ってのも何か癪ね…何かないの?」
京太郎「さっきの仕返しかよ?…そうだなー…じゃあこんなのどうだ?」
久「いったい何をしてくれるのかしら?」
京太郎≪俺と握手をしよう!≫
久「えーと…握手?…なんで?」
京太郎「友達と仲良くなる秘訣だよ。高校生になってからじゃ初めてだぞ?」
久「そう…私はいいけど…あまりやらない方がいいわよ?」
京太郎「何でだ?」
久「そんなの、セクハラになるからよ」
京太郎「え…マジ?」
久「なることもあるって程度だけどね」
京太郎「日本の高校って握手求めただけでセクハラになるんだな…日本こえー…」ズーン
久「あなた日本人でしょ?それにわざわざ英語で言う理由もわからないし…ただ『よろしく』って手を出すだけじゃダメなの?」
京太郎「それは…俺の中の決まりみたいなものがあって…」
久「ここは日本よ?相手のことを考えて話しなさい」
京太郎「はい……俺って今まで間違ってたんだな…みんなごめんな…」ズズーン
久「何言ってるんだか…ほら、よろしくね、京太郎」サッ
京太郎「あ…おうっ、よろしくな、久!」ギュッ
久「ほらね?こうすれば自然でしょ?」
京太郎「そうだな!」ニッ
久(ふふっ、子供みたいな顔で笑うのね)
京太郎「ん?どうかしたのか?」
久「なんでもないわ。でも…そうね、せっかくだから麻雀やりましょうよ」
京太郎「麻雀!…実は初めてなんだよなー」ワクワク
久「そうなの?…ちなみに麻雀のことは何処まで知ってるのかしら?」
京太郎「牌の種類と、国士無双だけなら知ってる!」
久「そう、つまり全然知らないのね。ちょっと待ってて……あった。はい、これ読んでみて」
京太郎「これは…手作り感満載のルールブックだな」
久「私の手作りなの。初心者でもわかりやすいように書いたつもりよ」
京太郎「ありがとな」
久「いいのよ。…どう?わかりやすいかしら?」
京太郎「おー…役ってこんなにいっぱいあったんだな…」
久「何で役一覧から見てるのよ…まあいいわ。説明するから打ってみましょうか」ニコッ
京太郎「お願いします!久先生」ニッ
・
・
・
京太郎「1回も和了れなかった…」
久「高い役ばかり狙うからよ?…しかも最後は決まって国士無双狙うし」
京太郎「俺の目標は、国士無双で一発逆転!って決めたんだ。…どうよ?」
久「和了れなきゃ意味ないでしょ?」
京太郎「なんだよー。国士無双かっこいいじゃんかよー」
久「はいはい、せめて普通に和了れるようになってから言いなさい」
京太郎「でもよー。この役一覧の通りに牌集めてたけど途中でお前が和了るんだもん」
久「…え?…ちょっと待って、それはあくまで例よ?…ちゃんと文字読んだの?」
京太郎「…この通りじゃないといけないんじゃないの?」
久「…はぁ…じゃあ次は鳴いてでも刻子や順子を作ってあなたの望む形を作ってみなさい。それが麻雀よ?」
京太郎「俺の望む形…わかったよ…そしたら和了らせてくれるのか?」
久「嫌よ。私にだって初心者に負けられない意地くらいあるわ」
京太郎「ちぇ…いいですよーっだ。意地でも和了ってやるからな?」
久「その調子よ。…ねえ京太郎、まだ和了れてないけど…楽しい?」
京太郎「楽いぞ。まだわからないことだらけだけど、その分先が楽しみで仕方ない!」
久「そう…良かった」
京太郎「今まで見たことはあっても、やってみてわかったよ」
久「何を?」
京太郎「何事も、やってみなきゃわからない」
久「そうねー。でもまだルールわかってないのよね?」
京太郎「う…いいから麻雀しようぜ!?今は楽しくてたまらないんだ!」
久「ふふっ…そうね。今は楽しみましょう」
・
・
・
久「あら、いつの間にか外が暗くなってるわね」
京太郎「マジか。熱中しすぎて気づかなかったぜ」
久「今日はこれでお開きにしましょうか?」
京太郎「そうだな。じゃあちょっとだけ片付けたら帰るとするかな」
久「いいえ、今日はこのままにしましょう。……私はちょっと残るから、京太郎は帰っていいわよ?」
京太郎「そうか?…じゃあ帰るけど…久、明日からもよろしくな?」ニッ
久「ええ、明日からもよろしくね?京太郎」ニコッ
京太郎「じゃあまたなー!」バタン
久「またね…ふふっ…初めて和了ったときの彼、小さい子供みたいにはしゃいじゃって…」
久「あれで私と同学年なのよね。…もっとわかりやすい教え方を考えなきゃね♪
久「そうだ…彼の最後の持ち牌は…国士無双一向聴…惜しかったわね?…じゃあ次のツモ牌は…あら?」
久「これで聴牌…その次は…残念、和了れなかったわね?」
久「まあ、最後以外は放銃見逃しで打ってたんだけど…危うく一発逆転されるところだったわね」
久「卓はもうちょっとこのままで……あっ…本が落ちたまま…あら、この本は…」
久「あのままこの本を読んでたら、私は今と違う気持ちを抱いたのでしょうね?」
久「ほんと、今日だけで色々変わったわ。…まるで私の1ヶ月があってなかったかのように…」
久「彼が来て、麻雀部も継続できそうだし…もうちょっと待ってみようかしら?まだ1年だし、待つことは得意なんだからね」
久「ふふっ…雨も降って夕日は見えないし……残念だったわね。麻雀部に滅びの美しさは似合わないわ!」
久「そう、『人間は恋と革命のために生まれて来たのだ』」
久「今は恋とかに興味がわかないけど…明日から楽しくなりそうだわ♪」
久「これからもよろしくね、青春の革命児さん?」
久「…やっぱり演劇ってのも良かったかも…いやいや」ブンブン
久「それ以前にこの場合はメロスの方が…うーん…」
ガチャッ
久「誰っ?」
京太郎「雨降ってた…止むまでここに居させてくんね?」
久「かっこつかないわね…さっきの発言撤回しようかしら…」
京太郎「何か言った?」
久「なんでもないわ。…それより雨に気づかなかったの?」
京太郎「気づいてたなら教えてくれよ?」
久「だって…外見えてたでしょ?」
京太郎「男は細かいことなんて気にしないんだよ!」
久「あっそ…じゃあどうする?麻雀の続きでもする?」
京太郎「そうだなー…次こそ負けないぜ?」
久「ええ、かかってきなさい?」
・
・
・
-休日-
京太郎「まさか入学式の時のことがここで来るとはなぁ…咲があの時教えてくれなかったからだぞ?」
咲「えっ、あれって私を心配してついてきてくれたんじゃなかったの?」
京太郎「遅刻してまでそんなことするか!…握手ってセクハラなのかな…」
咲「私はそんなこと言わないよ?」
京太郎「じゃあ英語で握手を求めるのは?」
咲「それはちょっと…直したほうがいいと思ってたけど…」
京太郎「咲は優しいなぁ…ちょっと棘があるけど」
咲「あはは…そもそもで京ちゃんがいけないんだと思うよ?」
京太郎「そうかな?」
咲「そうだよ。…それで、結局何の部活に入ったの?」
京太郎「内緒」
咲「えー…何で?」
京太郎「どうせなら上手くなって咲に教えれるくらいになりたいからな!」
咲「…できそうなの?」
京太郎「……が、がんばれば…きっと…」
咲「京ちゃん?」ジト
京太郎「ど、どうせ咲が清澄に入ったらわかることなんだし…それまで絶対に内緒!」
咲「ずるいなぁ…」
京太郎「…入らないって言うなら、涙を流しながら教えてやるけど?」
咲「ううん、私も清澄を目指すよ。また一緒に登校したいからね?」
京太郎「咲はいい子だなー」ナデナデ
咲「もうっ、子供扱いしないでよー」ムスッ
京太郎「してないって。…そうだ咲、今度学内向けの文化祭があるんだけどさ。何したらいいと思う?」
咲「何したらって…他の人と相談してみたの?」
京太郎「でも1年は自由参加だからなー……自由…自由かぁ」
咲「京ちゃん、なんかろくでもないこと考えてるでしょ?」
京太郎「まさか~、俺がそんなろくでもないことをするとでも?」
咲「中学で自分が何をしたか思い出してみたらいいんじゃないかな?」
京太郎「咲がいじめる…」
咲「い、いじめてないよっ」
咲(高校かぁ…京ちゃんはどんな風に過ごしてるんだろ?)
・
・
・
洋榎『おかしいで!?京太郎に麻雀教えるんはうちの役目やったはずや!』
京太郎「麻雀自体のことなら洋榎ちゃんが教えてくれたけど?」
洋榎『ルールから手取り足取り教えてあげたかったんや』
京太郎「麻雀で足は使わないと思うけど…」
洋榎『やかましいわ!』
京太郎「えぇっ」
洋榎『ったく…うちはあの時のお礼として色々と京太郎にやな…』
京太郎「そこまで気を使わなくていいのに」
洋榎『ええんや、うちがしたい言うてるだけやから』
京太郎「強情だなぁ」
洋榎『せや。京太郎、今すぐ大阪に来い。麻雀教えたるわ』
京太郎「無茶言うなよ!」
洋榎『冗談や。けど…いつかまた大阪に来るんやで?いいとこ沢山教えたるからな』
京太郎「そうだな…次会えたら色々と教えてもらおうかな」
洋榎『それでええ。楽しみにしとき?』
・
・
・
-文化祭後-
久「私が何故怒ってるか、わかるわよね?」
京太郎「実は俺と一緒に周りたかったとか?」
久「引っ叩くわよ?」
京太郎「じゃあ…幸福を呼ぶマスクの売り上げが無かったことか?」
久「そんなものを売ろうとしてたことよ!」
京太郎「みんなで相談して500円まで値段を下げたんだけどなぁ…」
久「あなたねえ…金銭的なやりとりは禁止って話だったでしょ?」
京太郎「文化祭実行委員は飲み物とか売って周ってたぞ?」
久「あれはいいの。当日は購買とか閉まってるんだから仕方ないのよ」
京太郎「へー…勉強になるなぁ」
久「良く言うわ。まったく、私が先に見つけてなかったら、全員何かしらの罰を受けてたわよ?」
京太郎「それもまた青春の1ページだ!…まあ俺もあいつらも昔からバカやってたから、慣れてるよ」
久「はぁ…せっかくあなたのために色々用意したってのに…やっぱり取りやめようかしら」
京太郎「えっ、なに、なんかしてくれたの?」
久「あなたが反省したら教えてあげるわ」
京太郎「とっても反省しました!…だから教えて?な?」
久「調子いいわね……まあいいわ、心して聞きなさい」
京太郎「おうっ!」ワクワク
久「京太郎、あなたをIH男子個人戦の県予選に登録しておいたわ!」
京太郎「おー……なんだって?」
久「簡単に言うと、記念受験してきなさい。…4人麻雀ができるわよ?」
京太郎「マジで!?やったー!」
久「うんうん、喜んでくれて何よりよ」ニッコリ
京太郎「……ところで久、4人麻雀ってどうやればいいんだ?」
久「あー…まずはそこから教えないといけないのね…」
京太郎「でもすっげー感謝してるんだぜ?…でも、久は出ないのか?」
久「私は個人戦に興味ないからいいの。…私が目指すは団体戦での全国制覇だからね」
京太郎「ほー…じゃあ俺も、全国制覇目指してがんばってみる!」
久「気持ちだけは上出来ね?」
京太郎「さあ、祭りの時間だ!…なんか言ったか?」
久「文化祭はもう終わったわよ?…ほら、4人麻雀の打ち方教えるからちゃんと聞きなさい?」
京太郎「はーい」
・
・
・
-個人戦1日目:午後-
久「で?…祭りの時間はどうなったの?」
京太郎「本日午前で終了しました」
久「その割には楽しそうね?」
京太郎「楽しかったからな!…今の俺に出せる全力を尽くしてきたぜ!」
久「ふふっ、それは良かったわね?」
京太郎「でもやっぱりみんな強いなー」
久「今のあなたと比べればね」
京太郎「来年は越えられるかな?」
久「余裕ね。…なんたって、ここに優れた先生がいるんだからね」ドヤッ
京太郎「そりゃ楽しみで仕方ないな!」
久「でしょ?」
京太郎「これで他に部員がいれば完璧なんだけどなー」
久「それは言わない約束よ?…美人先生とマンツーマン授業って素敵な響きだと思わない?」
京太郎「美人とか笑わせんな」
久「失礼ねー。これでも容姿端麗、成績優秀な委員長様としてがんばってるのよ?」
京太郎「自称を付け忘れてるぞ?」
久「そろそろ怒るわよ?」
京太郎「おー怖い。…さて、そろそろ行くか」
久「じゃあ会計よろしく」
京太郎「えっ」
久「わざわざ慰めに来てあげたでしょ?」
京太郎「別に落ち込んでねえよ!」
久「あらそう?なら仕方ないわね……あら?」
京太郎「どうした?」
久「…急いできたから財布忘れちゃった。てへっ」ペロ
京太郎「はっ?……仕方ねえなー。ここは払ってやるよ」
久「今度返すからね?」
京太郎「じゃあ今度学食のレディースランチ食わせてくれ。…あれなんか美味そうなんだわ」
久「わかったわ。…でもそれだとあなたの方が高いわよ?」
京太郎「いいよ。…だって俺の為に急いで来てくれたんだろ?…ありがとな」ニッ
久「なっ…べ、別にあなたの為なんかじゃないわよ!///」
京太郎「おおっ…あのウェイトレスさん胸大きいな……あっ、お会計お願いしまーす!」
久「…この男は……」ジト
京太郎「ほら、行くぞ久?」
久「…そうね、このまま京太郎の奢りで遊びに行きましょうかね?」
京太郎「ええっ!?」
・
・
・
怜『京くんはええなー…私のとこなんて人数制限に引っかかるから1軍か3年じゃないと出られへんもん』
京太郎「へー。じゃあ俺は出れただけで得したってことかな?」
怜『せや、ええ経験したんやで~』
京太郎「そっかー。これで結果さえ残せればよかったんだけどなぁ…」
怜『初心者が高望みのしすぎやと思うで?』
京太郎「ですよねー。あー…なんで麻雀は和了の形があんなに多いんだろうな」
怜『そらそういうもんやし~』
京太郎「せめて俺の和了はこれだ!とかあったらなぁ」
怜『それやったらつまらんやろ~』
京太郎「それもそうだけどさ…とっきーにはそんな願望ないの?」
怜『せやなー…次に引く牌とかわかったら私でも強くなれるんちゃう?』
京太郎「ははっ、結構無茶苦茶なこと言うなぁ」
怜『和了る形決めろとか言うた京くんよりマシやと思うで?』
京太郎「それはそれで面白いと思わないか?」
怜『それ麻雀ちゃうと思うで?…そんなんなら素直に役満でも狙っときー』
京太郎「ふっ…それは既に俺が通ろうとして失敗した道だぜ…諦めないけどな!」
怜『そかー。いつか和了れるとええなー』
京太郎「おうっ。俺はがんばるぜー」
怜『うんうん、京くんは相変わらずまっすぐでよろしい』
京太郎「なんだそりゃ…」
怜『これでも褒めてるんやでー』
・
・
・
-夏-
京太郎「夏だなー」
久「そうねー」
京太郎「夏休みの部活どうする?」
久「この蒸し暑い部室で部活したい?」
京太郎「…ちょっと考えるな」
久「でしょ?…と、言うわけで夏休み中の部活は別のことをしましょう」
京太郎「別のこと?」
久「そう。丁度いいからIHの中継でも見て、あなたなりの考えを聞かせてちょうだい」
京太郎「なるほどなー…で、IHっていつからやるんだ?」
久「そのくらい覚えときなさいよ……男子団体、女子団体、男子個人、女子個人の順番でやるのよ」
京太郎「それって両方出る場合の滞在費が酷いことにならないか?」
久「なんでも、試合日程分は援助されるらしいわよ?」
京太郎「へー。流石に世界規模の競技ってだけはあるな」
久「そういうこと」
京太郎「そういうもんか…でも、両方出る人は割と暇な時間ができるんだな」
久「仕方ないわよ。多分調整や観光で時間潰すんじゃないの?…それだけあれば色々できるでしょ」
京太郎「なるほどな。勉強になったよ」
久「あなたも覚えときなさい。…いつかは行くんでしょ?」
京太郎「おうっ!」
・
・
・
-夏休み-
咲「暑いねー」
京太郎「そーだなー」
咲「ファミレスは涼しくていいねー」
京太郎「勉強も捗るよなー」
咲「まさか京ちゃんがちゃんと勉強するとは思わなかったけどねー」
京太郎「ふっふっふ…俺はこう見えて夏休みの宿題はちゃっちゃとやる派なのだよ」
咲「へー。…じゃあ普段はちゃんと勉強してるの?」
京太郎「…て、テスト前は…」
咲「それじゃダメだよ?ちなみに成績は?」
京太郎「総合してど真ん中だな。赤点も取ってないぞ?」
咲「総合してって言うのがミソだね?」
京太郎「流石咲だな。報酬としてそこにある溶け始めたパフェを食べる権利をあげよう」
咲「えっ?…いつ来てたの!?」
京太郎「何で食わないのかなー…とは思ってた」
咲「気づいてたんなら教えてよ!」
京太郎「俺に怒る暇があったら早く食っちゃえ」
咲「あっ…こぼれちゃう…もったいない」ペロ
京太郎「ははっ、グラス舐めるとか子供かよ」
咲「むっ、これは京ちゃんが教えてくれなかったからですよーっだ」パク
京太郎「拗ねるなって。…咲、顔にクリーム付いてるぞ?」
咲「えっ、どこどこ?」
京太郎「そこじゃねえよ。ここだって…ほら取れた」
咲「あ…ありがとっ」
京太郎「咲もこのクリームと一緒で甘いなー」パク
咲「きょ、京ちゃん!?///」
京太郎「何驚いてんだ?食わないなら俺が食っちまうぞ?」
咲「わ、私が食べるに決まってるでしょ!///」
京太郎「何怒ってるんだか…」
咲「京ちゃんのバカ!………えへへ」パク
・
・
・
-数日後-
京太郎「へぇ~…今は2人共東京にいるんだ」
絹恵『せや、お姉ちゃんは応援で、オカンは監督としてな』
京太郎「洋榎ちゃんはわかるとして、雅枝さんって監督だったの?」
絹恵『なんや京太郎さん、麻雀始めた言うとったのに女子の部は見とらんの?』
京太郎「それはほら、俺の敵は男子の部だし?今回は洋榎ちゃんから見ろよコールされなかったし?」
絹恵『そらあかんなぁ…せっかく南北大阪代表校両方に知り合いがいるんやから、見なきゃ損やで?』
京太郎「そうなの!?…雅枝さんってすごい人だったんだなぁ…」
絹恵『オカンだけやないで?…来年はお姉ちゃんもすごいことになるんやから、楽しみにしててな?』
京太郎「そりゃ楽しみだ」
絹恵『せやろ?…そうそう、そのオカンなんやけど、今日の夜にインタビューがテレビで流れるらしいで?』
京太郎「へぇ~…雅枝さんがインタビューねぇ」
絹恵『オカンから聞いてな?お姉ちゃんはなんか冷やかしてたけど』
京太郎「そんなことして、また怒られるんじゃない?」
絹恵『せやろなー…でもそれが2人共仲良しの証拠だと私は思うんや』
京太郎「それもそうか」
絹恵『お姉ちゃんも試合出れない言うてモヤモヤしとったし、ちょっとしたお茶目くらいオカンも許してくれるて』
京太郎「ははっ。俺からすれば洋榎ちゃんも十分強いんだけど…1年生じゃレギュラーになるのは難しかったのかな?」
絹恵『先輩が強い…でも、いつか追い抜いたる!って楽しそうに話してましたわ』
京太郎「元気だなー。俺もいつかあの舞台に立ってみたいもんだ」
絹恵『そしたら大事に録画させてもらいます。せや、京太郎さん』
京太郎「どうしたの?」
絹恵『1年じゃーとか言うてたけど、女子団体戦優勝校のエースはなんとっ、1年生なんやで?』
京太郎「そうなの!?…すげー1年生がいるもんだ…なんて名前なの?」
絹恵『んー…確か宮なんとかって感じで…忘れちゃいました』
京太郎「覚えてないのかい!」
絹恵『し、仕方ないやん!…途中でサッカー中継見てたんやし…』
絹恵『それにほらっ、個人戦にも出る言うてたし、多分テレビつければ映りますし…』
絹恵『せや、京太郎さんが自分で確認したらええんや!』
京太郎「お、おう…わかったから落ち着いて、ね?」
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-夜-
雅枝『うちの子らは自分を出し切って麻雀を楽しんで来たんや。それでええ』
雅枝『千里山の目標は決勝の舞台に立つことやない、常にトップを目指すことや!ってな?』
雅枝『ん?…こらっ、お前らこっち覗く暇あったら個人戦に向けて練習してこい!…あっ、カメラさんここカットでお願いしますわ』
京太郎「はははっ、カットできてないですよー」
京太郎「やっぱ親子だなー…同じこと言ってるよ」
京太郎「録画しといて良かった。…おっ、選手インタビューもやってるのか」
『では、優勝校である白糸台高校のエース。宮永照さん、何か一言お願いします』
京太郎「へー…絹恵ちゃんが言ってた1年生エースって宮永照って言うのかー…えっ?」
照『は、はい…み、皆のおかげで勝つことができました。個人戦の方もがんばりたいと思います』
京太郎「え、えっ!?…どういうことだよ?…良く似た別人…ってことはないよな?」
京太郎「しかも優勝校のエースって…何、あいつそんなに麻雀うまかったの!?」
京太郎「いや待て、一回落ち着こう……すー…はー…」
京太郎「ふぅ…そっか……色々思うことはあるけど…」
京太郎「元気そうじゃん」
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-大会終了後-
照『優勝できてうれしいです。応援してくださった皆様、ありがとうございます』ペコッ
京太郎「笑顔がぎこちないぞー」
京太郎「はー…優勝しちまったよ…すっげー強いんだなー」ボケー
京太郎「それにしても、あんな真剣な顔もできるんだな」
京太郎「そんなに真剣になれるんなら、俺にも教えてくれりゃ良かったのになぁ…」
京太郎「羨ましいな…俺もあそこに立ってみたい…」
京太郎「だからって照に憧れるってのも納得がいかないよな…」
京太郎「じゃあ、やることは一つしかないよな!」prrr
久『…こんばんは京太郎。あなたが夜に電話なんて珍しいわね。何か用かしら?』
京太郎「よう久、突然だけど明日って暇か?」
久『時間はあるけど、どうかしたの?』
京太郎「明日部室に来てくれないか?」
久『部室?何で?』
京太郎「大事な話があるんだ」
久『大事な…まさか、部活を辞めたいとか言わないわよね?』
京太郎「ははっ、そういうのじゃないって」
久『それは良かったわ。でも何で部室なの?』
京太郎「部室じゃないと駄目なんだ」
久『…暑いわよ?』
京太郎「俺のこの気持ちに熱があるうちに行動したいんだ。部室の暑さなんて俺は気にならない」
久『私が気にするわよ…ん?』
京太郎「わかった。じゃあ俺が先に行って掃除とか換気とかしておくから。な?」
久『そこまで言うなら…じゃなくて、京太郎、今何て――』
京太郎「それにさ、迷惑な話かもしれないけど、こんなことが言えるのは久だけなんだ。頼むよ」
久『え?…あ…はい…そこまで頼まれたら…うん…』
京太郎「おう!じゃあ明日の午後、部室で待ってるからな!…おやすみ!」
久『おやすみ…ってそうじゃ――』ピッ
京太郎「さて、1ヶ月ぶりの部室か…汚そうだなー…気合入れなきゃな!」
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-翌日-
京太郎「ふぅ…大方掃除したかな?」
京太郎「今日は風がいい感じだし、絶好の部活日和だな!」
京太郎「そうだ。これからお世話になるんだし、牌を拭いておこう!…早く来ないかなー」
京太郎「…久はこんな気持ちで1ヶ月も待ってたのかな……強いな…」
久「私がどうかした?」
京太郎「うおっ、来てたなら言ってくれよ!?」
久「今来たのよ。ドアも開いたままだったし…ちょっと遅れたけど、待った?」
京太郎「待つのも楽しみの一つってな。それより久、さっそく俺の話を――」
久「ちょっと待って。昨日話を聞いてから色々考えたんだけどね」
京太郎「ん?」
久「京太郎、本当に私でいいの?」
京太郎「何言ってんだよ。お前以外にこんなこと言える相手いないって言ったろ?」
久「う…ほ、ほら、よく話してる妹みたいな子とか…他にも仲良くしてる子とかいるでしょ?」
京太郎「うん?なんで咲の話が出てくるんだ?」
久「なんでって…京太郎、あなたは一度女心を学ぶべきだと思うわよ?」
京太郎「えっ?」
久「まあいいわ。…京太郎、私はあなたの気持ちには答えてあげられないわ」
京太郎「え…」
久「別にあなたのことが嫌いって訳じゃないのよ?ただもうちょっとお互いを知って、その上で考えても…ね?」
京太郎「そっか…突然ごめんな」
久「私の方こそごめんなさい。…図々しいかもしれないけど、私達友達でいられるわよね?」
京太郎「当たり前だろ!…しかしどうすっかなー…頼れるのは久しかいなかったんだけど…」
久「…頼る?……まあいいわ、せっかく部室にいるんだし、麻雀でもしない?」
京太郎「…ん?」
久「あなたもルールを大体覚えたみたいだし、本気で相手してあげるわよ」
京太郎「…えーと…さっきお前、俺の頼みを聞いてくれないって言ったばっかじゃなかったか?」
久「あ…そうね…流石にこれはなかったかもね…じゃあ今日はこれで解散に――」
京太郎「そうじゃない。俺の『麻雀で鍛えて欲しい』って願いを聞いてくれないんじゃなかったのかってことで――」
久「は?…ちょっと待ちなさい、もう一度、詳しく話を聞かせてもらえないかしら?」
京太郎「だから――」
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久「京太郎、そこに正座しなさい」
京太郎「え、何で?」
久「い・い・か・ら!」
京太郎「…はい」スト
久「…そもそもで、あなたの言い方はややこしいのよ」
京太郎「…何で俺怒られて…はい、黙ってます」
久「まあ、それに関しては今後気をつければいいことなのよ…でもねぇ…」ジト
久「確かに!私も大きな勘違いをしていたわ。ええ、私が大体悪かったのよ!」
京太郎「ひ、久?…落ち着こうぜ?…はい、座ってます」
久「私なりにあなたを傷つけないような言葉を考えたり、ちょっと嬉しくって美容院に行ってみたりとか…」
京太郎「あー…だからいつもよりちょっと可愛く見え…」
久「っ…それでもっ…京太郎!」
京太郎「はいっ!」ビクッ
久「それでもね、あなたがIHを見て、より麻雀に興味を持ってくれたことが…とっても嬉しいのよ?」ニコ
京太郎「ひ、久…」
久「さあ、麻雀をしましょう!お望み通りに本気で鍛えてあげるわ!」
京太郎「いいのか!?」ガタッ
久「もちろん」
京太郎「やったー!」
久(ほんと、子供みたいね…単純で、まっすぐ…青春の謳歌ねぇ)ジー
京太郎「どうした?」ワクワク
久「いえ、見返りに何を要求しようかと思ってね」
京太郎「今の俺なら何でもしてやるぜ?」ニッ
久「安易にそんなこと言ってもいいのかしら?」ニヤ
京太郎「えっ」
久「ふふっ、あなたには2学期から私の手伝いをしてもらうわ」
京太郎「手伝い?」
久「ええ、この部と私の為に必要なことなの。どう?」
京太郎「わかった!俺に任せろ!…ところで久」
久「どうしたの?」
京太郎「お前、俺の頼みをどんな勘違いして――」
久「さ、さあ!麻雀をしましょう!京太郎、早く準備しなさい!」
京太郎「お、おうっ」
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洋榎『京太郎も本気で麻雀打ち始めたんか…なんや、うちの勇士に見惚れたんか?』
京太郎「洋榎ちゃんは今年のIHに出てないだろ?」
洋榎『それもそうやな…お好みの娘でもおんのか?』
京太郎「違うよ…ただ、みんな眩しかったから…あの場所に立ってみたいと思ってね」
洋榎『さよか…それで、上手く行っておるん?』
京太郎「『いつもセオリー通りに行くわけがない』って俺の裏を掻いてくれるよ」
洋榎『京太郎の裏を掻くとか誰にでもできそうやな』
京太郎「なんだとっ」
洋榎『…京太郎、うちに頼ってもええんで?その部長より上手く教えられるで』
京太郎「そうだなぁ…今は大丈夫だよ」
洋榎『さよか…うちのが麻雀上手いと思うんやけどな』
京太郎「む…何を言うか。きっとうちの部長の方が上手いって!きっと…」
洋榎『ほぉ…よお言うたな京太郎。ええで、いつかその部長とやらと打たせろや。絶対うちが勝つからな』
京太郎「何だとー…そこまで言うならいつかやってみようじゃないか」
洋榎『楽しみにしとるで。…せやな、そのときは京太郎も混ぜてみよか』
京太郎「おいおい、そうしたら俺が勝っちゃうだろ?」
洋榎『それはないな。絶対と言い切ったる』
京太郎「ひでーこと言うなぁ」
洋榎『初心者がこの洋榎様に早々勝てるとは思わんことやな』
京太郎「ぐぬぬ…俺だってがんばればきっと何とかなるって」
洋榎『ふーん…まあええ、楽しみにしとるわ』
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今出来るのがここまでです。
仕事や生活を安定させてできるだけ書き溜める時間を取れるようにがんばりますので
よろしければお待ちいただけると有り難いです。
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