京太郎「阿知賀のレジェンド」 (242)


・当スレは『咲-Saki-』及び『咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A』の二次創作SSスレです。

・タイトルから分かるとおり須賀京太郎が主人公のスレです。

・教師になる為に原作と違い京太郎の年齢が異なります。また、独自解釈や年相応の性格に変えるなど他にも原作と異なる所が出てきます。

・ヒロインは阿知賀のレジェンドこと赤土晴絵の予定です。

・当スレは京太郎中心に一人称の地の文が入ることが多いですが、わかりやすくする為に台詞の前にキャラ名を付けていきます。

・基本非安価で進めますがそのうち安価を取るかもしれません。

>>1はこれが初SSなので誤字やおかしな書き方があると思いますが大目に見てください(懇願)

>>1は遅筆なのでのんびり投下していきます。

・雑談はこちらのアイデアにもなるのでスレ内容から大きく外れない限り構いません。

・以上の点が合わないという方は残念ですがお引き取りをお願いします。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1380189501


―8年前―


主人公須賀京太郎(17)は大変困っていた。


―京太郎side―


京太郎「あー困ったー不幸だーどうしよーーー」


めったに起きることじゃないと思っていたが、まさか自分の身に起きるとは思わなかったよ。

いやね、自分でもギリギリいけるだろうとは思ったんだけど、調子に乗りすぎたな…

まさかのガス欠とかしょーもない…


京太郎「あちー重いーダルいーーー」


ぼやいてみるがどうしようもなく、つい先月買ったばかりのバイクを引きずる俺。

車輪がついているとはいえ100kg越えの鉄の塊を夏の炎天下の中押すとかマジ拷問だわ…

まあそれよりも一番の問題は


京太郎「いったい此処はどこで、スタンドは何処にあるんだよー!」ウガー!


おまけにガソリンより前に携帯の充電が切れるという非常事態が起きたため、ガソリンスタンドどころか自分の正確な位置すらわからず。

買ったばかりのバイクも放置できずにいた為に歩き続けるはめになったと。

充電が切れる前に確認した限りでは奈良県に入ったのはわかるんだが街の場所もさっぱりだわ。


京太郎「くそー、おもちがひとつ、おもちがふたつ、おもちがみっつ…」ブツブツ


気晴らしに好物?のおもちを羊のごとく数えてみるがどう見ても不審者だ。

まあ本道から外れている道のせいか人なんてまったく出会わないんだけどね。

あー喉乾いたー、なんか飲みてー。


京太郎「おもちがよっつ、おもちがいつつ、おもちg「あのー」むっつ?」ブツブt


亡者のごとくおもちを唱える俺に戸惑ったような声が聞こえた。

幻聴かな?人間性が足りてないのか?などのアホなことを考えつつ声が聞こえた後ろを振り返ってみると―――


???「あ、そのなんか苦しそうな声が聞こえたんですけど大丈夫ですか?」


そこにいたのはおもち…じゃなくて自転車に跨った女の子だった。

見た目はボーイッシュな感じだが、可愛くないというわけでなくむしろうちのクラスの女子達より可愛いぐらいだ。

身長は女子にしてはそこそこあるが、年齢は少し下ぐらいかな?

ただおもちも小さいが、なぜか惹かれるものがあった。


京太郎「ああ、いえこいつがガス欠起こしてスタンドまで歩いているんですけど全く見つからなくて」アハハ


???「あ、それならこの先に小さいのがありますけど、このまま普通に行くよりもここから200mほど行った先を右に曲がって、奥の道を進んでいけば早く着きますよ」


京太郎「本当ですか!えっと200m進んで右に曲がってええと」


???「良かったら案内しましょうか?本来の道じゃないから結構わかりにくいと思いますし」


京太郎「え?助かりますけど良いんですか?」


???「そう手間でもないですし、お兄さん旅行者みたいだから地元民としてはお客さんに嫌な思いはして欲しくないですしね」アハハ


京太郎「じゃあちょっと厚かましいけどお願いします」


???「はい、じゃあ着いてきてください」


こんな具合にたまたま会った親切な子に助けられてバイクを押す俺。

どこのラブコメ展開だよ!と突っ込みは入るかもしれんが、現実は非情でお互いに見知らぬ相手ということもあり緊張していたのか特に会話もない。

まあ個人的には喉が渇いて話すのも結構ダルい身としては助かった所もある。

それからある程度歩くとガソリンスタンドが見えた。


京太郎「おーやっとあった!いやー本当に助かったわ!」


目的地に着いた嬉しさからか思わずため口になってしまったが年下っぽいし大丈夫かな。


???「いえ、お役にたてたなら良かったです。それじゃあ私はこれ「あ、ちょっと待って!」で?」


京太郎「君のおかげで助かったからなにかお礼をさせてくれないか?」


流石にここでなにもしないと男が廃る、というか人間としてダメだろ。

帰ってからこの話をしたらハギヨシにも説教されそうだし。


???「いえ、別に気にしなくてもいいですよ。私もこっちの方に用事がありましたし」


しかしさらりと断られてしまう。

ただ幸いなことに迷惑だって顔じゃなく本当にたいしたことをしてないって思っている顔である。


京太郎「えーと、あれだ!だったらそこの自販機のジュースだけでも受け取ってくれないかな?それならすぐ済むし!」アセアセ


しどろもどろになりながらも必至に言葉を紡いでみるが、はたから見れば完全にナンパである。

これはやっちまったかなーと思っていると。


???「クスッ、じゃあお言葉に甘えようかな」


意外にもOKが出た。


京太郎「///…あ、じゃあ!俺はコー○でも飲もうかな!君はなにが飲みたい?」


???「それじゃあアクエリ○スでお願いします」


急ぎ足で自分と彼女の分を買いに行く。

くそー、あの笑顔は卑怯だ。

美少女とはわかっていたがおもちがない子に照れるとは不覚!


チャリン ガコン チャリン ガコン


京太郎「はい、君の分」


???「ありがとうございます。えーと…」


京太郎「あ、まだ名乗ってなかったね。須賀、須賀京太郎だ」


???「須賀さんですね。私は―――」








晴絵「赤土晴絵です。よろしくお願いします」ニコッ






これがこの先長い付き合いとなる阿知賀のレジェンドこと赤土晴絵との出会いだった。


くぅ~疲れ(ry
実は、ネタレスしたらお前が書けよハゲって言われたのが始ま(ry


短いですが初回投稿はこれで終わりです。
次の投下は未定ですが、明日明後日にでも書けたらあげたいなーと思っています。

話としてはこのような感じでとりあえず過去編から進めていきます。
そして話が長くなると思うので時間がかかると思いますが、メゲない限り完結させたいと思ってますのでよろしくお願いします。

つまり京太郎の年齢が上がってる話ってことでいいんだよね?

つまりハギー絡みでモンプチ勢とも絡めるわけだな
のんびり見守らせていただこう


>>13,14
そのとおりでレジェンドと同い年で咲本編開始時は25歳になります。
ハギヨシに関しては原作では年上とはわかっても正確な年齢がわからなかったので、なら折角だし同級生にするかと思いハギヨシも同じ年齢にしました。
同性の友人キャラって大事ですよね(否ホモ)

>>17
県大会の所も書くので出る予定ですし、ハギヨシ経由でほかの学校よりも出番は多いと思います。
ただ今の予定ではメインの登場キャラは清澄、阿知賀+αって感じなのであまり話には関われないかなーでも書けたらいいなーって感じです

他の方々も期待感謝です。


ちょっと早いし短いけど安価取りたくなったので中途半端ですが透華します。


 ジュースを渡し自己紹介が終わった後、そのまま行っちゃうかなーって思っていたけれど残ってくれた赤土さん(ちゃん?)

 ただ、引き留めたのはいいけどこの先どうするかまったく考えてなったな…

 クラスの女子とは普通に話せるが流石に初対面しかも年下だろ…年下って言っても咲達とは流石に年が離れすぎてるし、どうするよ俺?

 と、無駄に思考を巡らせて考えていると赤土さんの方から話しかけてきてくれた。


晴絵「えっと、須賀さんは大仏とか見に奈良に来たんですか?」


京太郎「あ、そんな所かな。といっても奈良だけじゃなく夏休み使って色々回る感じだけどね」


晴絵「そうなんですか、いいですねーそういったのも大学生ならではって感じですね」


 ん?大学生?


京太郎「あーいや、勘違いさせてたらゴメン。俺高校生なんだ」


晴絵「……ゑ?」


 赤土さんがちょっと面白い声を上げた


晴絵「え?でもスクーターじゃないバイクって確か18歳からですよね?」


京太郎「え?ああ、バイクにも色々種類があって大型は車と一緒で18歳からなんだけど、普通や小型はスクーターと一緒で16歳から免許が取れるんだよ」コイツフツウニリン


晴絵「//////…あ、あははー、そっ、そっか勘違いしてたなー」ガシガシ


 頭を掻きながら照れをごまかしている赤土さん…可愛いなオイ


晴絵「そ、それじゃあ須賀さんは高校生なら実は同い年かな?それとも二年生とかで年下だったりして!」アハハー


 ん?(二回目)


京太郎「あれ?もしかして赤土さんも三年生?」


晴絵「三年生だけど“も”ってことはやっぱり須賀さんも?」


京太郎「うん、受験真っ只中の高校三年生です」


晴絵「なんだーやっぱ同い年か!なら敬語使わなくても大丈夫か!」アハハー
  

   「あれ?ってことは私も年齢を勘違いされてたってこと?」


 鋭いな、この子。


京太郎「それは…おm、ほら!赤土さんが最初に敬語使ったから無意識に年下かと思っちゃってさ!」アタフタ

 
 口走りそうになった言葉を止めるために咄嗟に出たが、実に苦しい言い訳だな。
 
 初対面なら同い年でも敬語は普通だし、これで騙されるとかありえ―


晴絵「あー確かに紛らわしかったかもね!そこらへんは須賀さんが身長も高くて大人っぽく見えたってことで!うん!」ウンウン

 
 ―たな。多分さっきのバイクの件が残ってるんだろうなー。
 

晴絵「えっと、それじゃあ須賀さんはもう推薦とか出てるから高校最後の夏休みを楽しんでるって感じかな?」


京太郎「あーうん、息抜きというか青春18きっぷというか、こうしてるけど普通に受験する予定かなーっと」メソラシ


 痛い所を突かれて口ごもる俺。
 
 でも受験は大事って言っても息抜きは必要だよな。

 うん、気にしちゃいけない。


晴絵「うんうん、確かに息抜きって大事だね。私も今年受験だけど勉強が大変でさー、今日も息抜きに友達と出かける予定なんだよね!」


京太郎「あ、それだったら時間大丈夫?助けてもらってから結構時間経ってるけど」


晴絵「大丈夫大丈夫!待ち合わせまでまだ30分あるから余裕だし」

   
   テンションアガッテキタゼー
  

晴絵「あっ、とごめん電話みたい」テクテク

 
 ノゾミドウシター? エ?ナンデコナインダッテ? ダッテマチアワセマデマダ エ?スギテル? サンジジャナクテニジ? マジ?チョ!ゴメ!イマイクカラ!


 慌てるように赤土さんがこっちに来る。
 
 まあ何があったか大体わかっているんだけどね、赤土さん結構声大きいし。


晴絵「須賀さんゴメン!時間間違えてたみたいで今すぐ行かなきゃいけなくなった!」リョウテアワセ


京太郎「いいよいいよ。こっちこそ付き合わせてごめんね」


 元々こっちが引き留めなきゃもっと早く着けたし謝るのはこちらの方だ。


晴絵「あ、そうだ!行く前に他に何か聞いておきたいことある?」


 急いでいるんだしもう俺なんて放っておいてもいいのに面倒見がいいな、子供から好かれるタイプだわ。


京太郎「あーそうだな、それじゃあここら辺でおすすめの宿ってあるかな?」

   
    
    「名前さえ教えてくれれば後は自分で見つけられるから」



晴絵「あ、それじゃあ―」


ここで安価とります

sage進行で人もいないと思いますが一応↓2

コンマが
01~50で「ならモブ旅館がいいですよ」
51~00で「なら松実旅館がいいですよ」


>>01~50で「ならモブ旅館がいいですよ」

おk把握した。
安価についてはルート固定のギャルゲーみたいに選択肢によって間のイベントがちょこっと変わる程度の予定です。
本編には影響を及ぼさないはずです。きっと、たぶん、おそらく、めいびー


とりあえず続き書き溜めするのでこれで一旦終わります。


書いてると時々赤土が赤木になってることがあって困る…
あれか、いつものお友達出して京太郎をKAWAIGARIしろってことか。
うちの京太郎はそこそこ打てるようになるぐらいで強くなる予定はないから、そんなん考慮しとらんよ…(´;ω;`)

敬語のレジェンドがキモ…いや、似合わなかったのですぐにため口にさせましたが
やっぱりさん付けも違和感あるんで、早く名前で呼び合える仲にしたいです。…赤土もなるべく打ちたくないし



匿名希望「ハルちゃんは出会ったばかりの人とタンデムするほどビッチじゃないから」


まあレジェンドの自転車を放置するわけにもいかないからね、レジェンドのおもちが背中に当たるのはまだ先だ。許せ京太郎ェ…


キャラ把握のために原作を読み返してるけど、出番は少ないがやっぱ京太郎って良いキャラしてるわ。

ボケもツッコミもできて初心者だから解説時の質問役にも使えるし、世話焼きで料理の才能もありカピバラ飼っててやおもち好きとキャラが立ってる。

作品が違ってたらそこいらの無個性主人公よりもよっぽど主人公張れるな。

他のキャラもすばらがすばらだったし、文堂さんとむっきーは不憫可愛くて、すこやんが残念で、池田は一年生の時の方が可愛かった。


あ、思わず書きに来てしまいましたが本編投下はまだです。

お待ちください!明日まで、明日までお待ちください!明日になれば、レジェンドともう一度出会うところまで書けるはずです!

待ってる。
レジェンド(じょしこうせい)とのイチャイチャはよ

あと違う!
すこやんは「残念可愛い」んだ
容姿は可憐なのに、超可愛いのに
表情が「いぢめる?いぢめる?(プルプル)」してたり
麻雀してる以外はだらしない引きこもりで女子力低かったりで
残念なだけで可愛いんだ
可愛いんだよ!
P.S.絶対に残念美人とは呼ばない。28歳だけど呼ばない。

なんだっけ、ドレスの件だっけ?

やっべーすこやん27歳だった。
某キャラとごっちゃになってたわ……すこやんスレでも誰も突っ込んでくれなかったしさ。

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        。c≦弋 { \|\|\ト .::::::|     /  ≧ュ。_    |/ |/|/ |/
    。≦.  ヽ  ∧ゞ       \|    ヽ      ヾ ≧ュ。_
  〆       ∨ .∧\                      ハ  ヽ `ヽ.
  ∧         ∨ .∧  ≧ュ。              /  ∨  ∧  ハ
∧           ∨ .∧     ≧ュ 。 __ 。c≦    ∨  ∧  .i

阿知賀編一巻のすこやんはレジェンド視点のせいかいつもより残念に見えました(コナミ感)

なんとか出来たので投下します。
あと今回からsageのままだと投下したのがわかりにくいと思ったので投下時のみageるようにします。


晴絵「モブ旅館なんてどうかな?ここらへんじゃ結構評判良いよ」


京太郎「そっか、ありがとう。後で行ってみるよ」


晴絵「どういたしまして!それじゃ勉強頑張って、じゃ!」カタテフリ


京太郎「おう、ありがとうな!そっちも頑張れよ!」フリフリ


お互いに別れの挨拶をし、赤土さんは全速力で自転車を漕ぎだした。

あ、赤信号に引っ掛かって焦ってる。

けれどすぐに思い立ったのか進路変更したな、流石地元民。


京太郎「…さて、俺も行きますか」


赤土さんを見送ってから数分後、放置していた愛車にガソリンを入れるために動き出す。

ほんの短い間だが結構楽しかったし、もっと話したかったけどしゃーない。

これも旅の醍醐味、一期一会ってか。

その後バイクが動くようになり、ある程度走らせるとあっという間に人通りが多い所に着いた。

ビババイク。まったく、たいしたやつだよ。


 さて、気持ちを切り替えてこの後どうするかな。

 携帯の充電器を買いに行くのもいいが、なるべく出費押さえたいから宿で充電したいんだよな。

 とりあえずコンビニでも探すかと考え、バイクを止め周囲を見渡してみると――


京太郎「おいおい、危なっかしいな…」


 視線の先にいたのは袋だった。

 いや正確には袋と足――じゃなく袋を抱えた子供みたいだ。

 ただ問題はその袋が大きすぎて上半身が隠れている為、前が見えていない状況だということだ。

 それでも少しずつ前には進んでいるんだが、荷物もそれなりに重いのか微妙にふらついている。

 お遣いかな、それにしては無理があるんじゃないかとか考えていると。


???「あ!?う、うわわわわわわ!!!???」


 足がもつれたのかころびそうになり―


京太郎「って、あぶねえ!」ダッシュ

 
 その子がいつの間にかこちらに近づいていた為、急いで駆け寄りなんとかキャッチ出来た。


京太郎「ふぅ…おい、大丈夫か?」


???「え?」ビックリ


 その子は驚いたような目でこちらを見ている。

 まあ、転びそうになったと思ったのに、気づいたら知らない人に抱っこされてたら驚くよな。


京太郎「とりあえず放すけど、立てるか?」
   
    「あ、危ないから一回荷物は降ろしたほうがいいぞ」


???「えっと、はい」

 
 いつまでも掴んでいたら悪いと思い手を放し、荷物も降ろすように言う。

 その子は素直に言うことを聞き、しっかり自分の足で立った後荷物を置いたため隠れていた全身が見えるようになった。

 そこでまず目についたのは髪を後ろに束ねたポニーテールと勝気な瞳でどちらも特徴的だ。

 服装は動きやすいのが好きのか上半身ジャージで下は短パンを履いている(※ノーパンノーズボンなんてSOA)

 顔は整った感じで、あと数年も経てば周りの男子から意識されるだろうな。

 ぱっと見ると健康的な女の子といった感じで、歳は咲と同じ7歳ぐらいかな。


???「えーと、ありがとうございました」ペコリ


 こちらが考え込んでいるうちに落ち着き、今の状況が呑み込めたのか礼を述べてくる。


京太郎「いや、気にしなくていいし、怪我がなくて何よりだよ」

    「ただ、頑張るのは良いけどあんまり無茶をするのはよくないぞ」


 子どもということで怖がらせないように普段よりも優しい口調で注意をする。


???「あはは///お店のおじさんにも言われたんだけど、行けるかなーと」テレ


 図星だったのか照れ笑いしながら答えてくる。

 うん、数時間前の俺もそうだったな。これがブーメランか。


京太郎「次からは気をつけてな。それでやっぱり親御さんは一緒にいないのかな?」


???「うん!お母さんに頼まれて買い物だよー」エヘヘー


京太郎「そうか、小さいのに親のお手伝いをするなんて偉いぞ」ナデナデ


???「えへへー」ニコニコ


 笑顔で元気よく答えてくれるので思わずこちらも頬が緩んでしまい、思わず頭を撫でる。

 女の子は髪の毛に触られるのを嫌がるとよく言うが、この子は歳のせいかむしろ喜んだ感じだ。

 あー、なんかいいなーこういうの。癒されるわー。癖になりそう。


京太郎「あ、そうだ。ちょっと聞きたいんだけど言いかな?」ナデナデ


???「んーなーにー?」ニコニコ


京太郎「ここらへんでモブ旅館って名前の旅館を知らないかな?」ナデナデ


 ちょうど良いと思い撫で続けたまま、赤土さんに教えられた旅館についてダメ元で聞いてみる。


???「うん、知ってるよー。うちからもうちょっとだけ行ったところにあるよー」ニコニコ


 意外にも知っていた。

 有名旅館で家に近いとはいえ、ある程度の場所もわかるんだな。

 いやむしろこれぐらいが普通で咲達が例外なのか。


京太郎「えっと、それってどっちの方角かな?」ナデナデ


???「あっちー」ニコニコ


 右の方を指差し答えてくれる。

 確かに遠目からでもいくつか建物が密集しているのが見える。


京太郎「そっか、ありがとうな」ナデナデ


???「どういたしましてー。よかったら案内しようかー?」ニコニコ


京太郎「いや、ここからでもなんとなく見えるし大丈夫だよ」スッ


???「そっかー、背が大きいのうらやましいなー」ヨイショ


 撫でる手を放すと名残惜しそうにしながらも、それを合図としたのか降ろしてあった荷物を持ち上げようとする。

 うん、出来るなら俺ももう少し撫でていたかったよ。

 女の子は荷物を持ち上げようとするが、重いためか微妙によろけてしまったので軽く支える。


京太郎「あー、ちょっと危ないし家まで送って行こうか?」


 近年ロリコンがどうたら騒がれるようになったが、流石にこのまま放っておくのも目覚めが悪いし一応尋ねてみると――


???「送るって?え!?もしかしてそれに乗っていいの!?」キラキラ


 そう言って目を輝かせて見ているのは我が愛車だ。

 あー確かにこの年頃の子ならこういったのに興味を示す子も多いか。


京太郎「ああ、いいよ。ついでに道案内も頼んでいいかな?」


???「まかせてー!」ヤッホーイ

 
 荷物を受け取り積み込み、旅の前に降ろし忘れていた子供用のヘルメットとタンデムベルトを取り出す。

 結構邪魔で荷物になってたんだが、まさかこんな所で役に立つとは思わなかったな。

 バイクに乗りヘルメットを被せ、ベルトで落ちないようにする。



???「うおー!すごーい!」キャッキャッ


 初めてバイクに乗った為か後ろでかなりはしゃいだ声を上げている。

 事故が怖いからなるべく二人乗りはしないようにしているけど、ここまで喜ばれると嬉しいものだ。

 女の子を乗せて数分後、かなり速度を落としたがやはり文明の利器。

 あっという間に女の子の家に着いた。


???「到着ー!」ピョン


 目的地に着き、ベルトを外すと軽やかに降りる。

 家はお店かな?看板はついているが休業日の為か中は見えない。


???「送ってくれて、ありがとうございましたー!」ペコリ


京太郎「そっちも道案内してくれてありがとうな」


???「荷物置いたら、向こうまで案内しようかー?」


京太郎「いや、さっきより近くなってわかりやすくなったし大丈夫だよ」


 荷物を渡し、お互いに礼を述べる。

 向こうからの案内の提案も流石に大丈夫と思い遠慮しておいた。

 流石にこの見える距離で迷子になるなんて見知った二人を除けば滅多にいない。

 そしていつまでもここにいるのもあれなので、再びバイクに跨りエンジンをかける。


???「そっか、それじゃあお兄さんありがとうね!バイバーイ!」フリフリ


京太郎「おう、そっちも次は無茶しないようにな!」フリフリ ブロロローン


 お互いに手を振り、別れを告げる。


 その後、走らせるうちにモブ旅館を発見することができたので泊まれるかどうかを聞いたらOKだった。

 旅館に着き、携帯を充電し、一息ついてから旅館の周りを散歩したりのんびりしているうちに夕食の時間になった。

 赤土さんが言っていた通り、料理も美味く、露天風呂も気持ちよかったし、値段も悪くないと快適な旅館だった。

 ただ、欲を言えば、女将さんや従業員さん達がもうちょっと若ければなー。

 Please give me omoti!


 入浴も済んだあと、明日の為にも早めに就寝に就くことにする。

 そして寝る直前に今日一日のことを少しだけ思い返してみる。


 最初の方はガス欠で悲惨な目にあったが、赤土さんに助けられ、その後はジャージ娘(仮)に会った。

 片方は歳がアレとは言え、可愛い女の子二人と話ができたし実に良い日だったな。

 これがあるから旅はやめらないよなー、まあ昨日までそういった出会いなんてなかったけどね。

 そんなことを考えているうちに瞼が重くなって来た為に本格的に眠りにつこうとする。
 

「今日はとっても楽しかったな。明日は、もっと楽しくなるよな、カピ?」


 遠い長野の実家にいるペットのカピバラに向けて言う。

 ………一人旅って虚しいよなー、あー彼女欲しいな…できればおもちが大きいのが。

 
 翌日、朝食を軽く終えた後、旅館をチェックアウトしバイクを走らせる。

 旅に出てからそれなりに立つし、そろそろ帰らないとなー、財布も寂しくなってきたし。

 今後の心配をしつつ走らせていると人通りの少ない道で、自転車の傍にしゃがみ込みなにやら作業をしている人を発見した。

 つーかあれって――


晴絵「ぬぁーもー!なんでこうなるかなー!うがー!」ガシャガシャ


 ………奇声を上げているのはどう見ても昨日世話になった赤土さんだ

 数十分の間とは言え助けられた身だし、流石に無視はできないと思い話しかけに近寄る。……大丈夫だよな?


京太郎「あの~赤土さん?」


晴絵「なによ!…ってあれ?」


 怒声をあげつつ振り返った赤土さんだが、こちらの顔を見ると思わぬ相手に流石に驚いたようだ。


 
 これがお互いの人生にとって一瞬だけの交差であり、もう会うことがないだろうと思っていた相手との二度目の出会いだった。



 …あ、自転車を弄っていたせいか鼻の上が黒くなっている。

 
おまけ


―晴絵side―


―急いだおかげで電話から10分かからずに新子家へ到着した晴絵



晴絵「いやーごめんごめん!後でなんかおごるから許して」パンッ


望「いや、まあいいけどね」
 
  「それよりなんかいつもより機嫌よくない?なんかあったの?」


晴絵「え?いや!なんでもないない!いつも通りだから!」ブンブン


望「(やっぱりなんか怪しい…)…男でもできた?」ジトメ


晴絵「うぇい!?いや!そんなんじゃないから全然!ただ道案内しただけだから!そんな関係じゃないから!」ブンブン


望「冗談で言っただけなんだけど、本当だったのね…」


晴絵「だから違うって!?須賀さんとはそんじゃなくて!」アタフタ


望「道案内しただけの相手なのに名前も知ってるのね」
 
  「いやー、今まで一切男の影がなかった阿知賀のレジェンドにもようやく春が来たかー」トオイメ


晴絵「だから違うってーーーー!!??」ウワー!


ワイワイガヤガヤギャーギャー


アコス「(うるさいからよそでやりなさいよ…)


カンッ

投下終了!

残念ながら本編で最初に京太郎の後ろに乗ったのは謎のジャージ少女でした!不憫なレジェンドはかわいいと思います!

しかしヒロイン(レジェンド)がたいして出番がないのになんでこんな寄り道してるやら…

今回無駄に集中して書いてたせいか地の文も多かったので、次からは見やすいようになるべく減らしたいです

あとそろそろ呼び名変えるつもりですが「須賀君」呼びにしようと思うのですが大丈夫ですかね?「須賀」だけの方がいいかな?

今日は終わり?
高一組とは約9歳差でアコシズ7~8歳か……

>>59
Yes、今日は終わりです。
その分短いですが明日も投稿出来るかなと思います。


はやりん?誰だっけ?刹那で忘れちゃった。まぁいいか、こんな28歳。

しかし年齢変えたり時代が違うと原作にない年齢になるので口調にすごい悩むわ…

とりあえず短いけど今日も投下します。
あと呼び方に関しては半々みたいですので、後々書いててしっくりきた方を投下します。


【悲報】>>1氏、書き溜めしたデータを消失('A`)

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とりあえず今から出来るとこまで書きながら投下します…


ここで寝たら負けな気がするので書きます(迫真)



 いきなり話しかけたのが想定外だったのか固まっている赤土さん。

 とりあえずもう一度声をかけてみるか。


京太郎「え~と、大丈夫赤土さん?」


晴絵「え!?あ!?なんでここに須賀さんが!?」エ?エ?


京太郎「いや、宿出た後にたまたまこの道を通ったら赤土さんの声が聞こえたんで話かけてみたんだけど」


晴絵「声って…もしかしてさっきの見てた?」


京太郎「あー…うん」


晴絵「…………………くぁー!!!/////////」ガバッ


 先ほどの行動を見られていたのが恥ずかしかったらしく、顔を真っ赤にして蹲ってしまった。

 しまったなー、なんとか誤魔化すべきだったかなー。

 恥ずかしがる顔が見れて役得だなんて思ってないぞー。うん。


晴絵「………………………………………………よし!……やほ!昨日ぶりだね!」パチン! シュタッ


京太郎「ああ…うん、昨日ぶりだな」


 持ち直したのか改めて挨拶する。
 
 ただし顔はまだ赤いままだ。


晴絵「昨日あの後はどうだった。旅館は見つけられた?」


京太郎「おう、見つけられたし言ってた通り良い旅館だったぞ、ありがとうな」
   
    「そっちもあの後大丈夫だったか?友達を結構待たせてたみたいだったけど」


晴絵「あー、大丈夫大丈夫!向こうの家で待ち合わせだったから待つのも楽だったしね!………まあ、色々と詮索されたけど」ボソ


 なにか呟いていたみたいが小さすぎて聞こえなかった。

 なぜか顔がまた少し赤くなったが。


京太郎「あー、とりあえずこれ使ってくれ」スッ
   
    「未使用の清潔なやつだから大丈夫なはずだ」


 先ほどの呟きも気になるが、鼻の上の汚れをいつまでも放置するわけにはいかないしハンカチとウェットティッシュを渡す。


晴絵「え?なんで?」

 
 なにも言わずバイクについているミラーを指さす。


晴絵「???………………!?!?!?///////////////////////」トコトコ ゴシゴシゴシ!!!


 こういった場合ってどうするのが正解なんだろうな…

 帰ったらハギヨシに聞いてみよう。


晴絵「………………………………」テクテクテク


 無言で歩いて戻ってくる。

 なんか居た堪れなくなってきたな、今までで一番顔が真っ赤だし。


晴絵「………………………………アトデアラッテカエス」ボソッ


京太郎「あー、使い捨て用にまとめ買いしてるやつだから別に気にしなくていいぞ」


晴絵「………………………………アリガトウ」コクリ


 なにこれ萌える。


以上レジェンド赤面回でした。普段勝気な子がしおらしくなると良いよね。


すいません、あんなこと言っておきながら眠いし明日早いので中途半端ですが今日はここまでにします。


あと前回書き忘れたのですが、既に皆さんわかっていると思いますがコンマで松実旅館に行っていれば宥姉とドラミちゃんが出てました。

この先もコンマやるときはこんな感じになると思います

夕食後のおやつにちょうど御萩を買いました。御萩ヨシ…いや、なんでもない

たいした設定もないですがハギヨシに関しては長野に帰ったら詳しく書く予定
いつ長野に帰れるかは未定ですけど(白目)


    |∧∧|  ←>>1  (( ) )   (( ) )  ((⌒ )
 __(;゚Д゚)___   (( ) )   (( ⌒ )  (( ) )
 | ⊂l     l⊃|    ノ火.,、   ノ人., 、  ノ人.,、
  ̄ ̄|.|.  .|| ̄ ̄   γノ)::)  γノ)::)   γノ)::) 
    |.|=.=.||       ゝ人ノ  ゝ火ノ   ゝ人ノ
    |∪∪|        ||∧,,∧ ||∧,,∧  ||  ボォオ

    |    |      ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
    |    |      ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
   ~~~~~~~~     | U (  ´・) (・`  ). .と ノ

              u-u (    ) (   ノ u-u
                  `u-u'. `u-u'


昨日のが短かった上に中途半端だったのでまた短いですが付け足しということで投下します


京太郎「あー、そういえばさっきから何の作業してたんだ?」


 戻ってきてから数分間気まずい沈黙が続いたが、流石にこのままと言うわけにもいかず話しかける。


晴絵「………自転車のチェーンが外れたから直してた…」


京太郎「ああ、確かにそれなら汚れても仕方ないし、気にしない方が」


晴絵「ううう…」


 選択肢をミスった。

 そりゃ年頃の女の子があんな姿見られたら恥ずかしいもんな…


京太郎「……よし!まかせとけ!」ポン


晴絵「え?」


京太郎「ちょっと自転車弄らせてもらうな」


 流石に女の子に恥をかかせたままというわけにもいかないから、せめてもの償いをする為に動き出す。

 チェーンが外れたぐらいなら持ち歩いている道具があればなんとかなるかな。


―10分後


京太郎「よし、直った!これで大丈夫だと思うけど一応試してみてくれ」


 後ろで手持無沙汰にこちらを見ていた赤土さんに声をかける。
 
 うん、さっきより顔の色も戻っているし大丈夫かな。


晴絵「え?うん。………あ、本当だ!直ってる!」


京太郎「あーよかった。しばらく弄ってなかったからちょっと自信なかったけどなんとかなったわ」


晴絵「なによ、まかせとけ!って自信ありげに言いながら実は自信なかったの?」アハハ


京太郎「まあ、そこらへんは自分を鼓舞するためってことで」


 向こうも落ち着いてきたためか軽口にも乗ってきてくれる。

 いや、まったく。一時はどうなることかと思ったよ。


晴絵「なんか恥ずかしい所見られちゃったけどありがとうね、おかげで助かったよ」
   
   「そうだ!なんかお礼させてよ」


京太郎「いやいや、俺も昨日助けられたしお互い様ってことで」


晴絵「ダメだって。自転車を直してもらったのと違って、昨日のはただの道案内だし」

   「それにそれはジュースで手打ちにしたでしょ」


京太郎「あー、それじゃあなんか適当にお願いしようかな」


 下手に断り続けても粘られそうだったので提案を受けることにした。

 ないとは思うが、あまりにも大げさな内容なら断ればいいし。


晴絵「じゃあお腹すいてない?近くに面白い喫茶店知ってるんだ」


京太郎「軽く食べただけだから入るっちゃ入るけど、そこまでしなく「いいからいいから、行こう!」…まあいいか」


晴絵「よし、じゃあ案内するから着いてきて!」


 まあ喫茶店ならコーヒーぐらいで済ませられるかと思い了承する。

 赤土さんが自転車を漕ぎだしたためこちらも後についていく。




………面白い喫茶店?


本当に短いけど此処で終了です。

明日は多分これないので次の投下は明後日あたりになると思います。


あと宥姉なら俺の隣で寝てるから。

おまけのクロチャーは河原でおもちを積み上げる作業をしています


そのおもちを崩すのはもちろん宮永姉妹。
なぜなら彼女たちもまた特別な存在だからです。
 

    '. : :.'. : : :.'._」 i -‐i‐‐|: :|: {_____i:.i__i: :i   i: : ハ: : : :ハ: {__i:}  |
     ∧:_:_:!>''"! l !_ . ハ_」_i:.|ハ: : : : : |. :{´i ̄:.「~¨`ヽ: : : :.}: : :.:`ヽ|  
     /        .!. : : :!; <{: | i:.| |: : : : : |: : 八: : | |: : ハ: : : ': : : : : :.:| 
.    /     { . :´: :! xく:|ヽ! iヘ:「ヽ! 八: : : :.:|ヽ:「 \| |:.:/ |: :./ : : :': : : .|  
   /  ,  .∧ : : : i: :|ヽ| ,」⊥jL ヽ  \: :.|ヽァテ¬=ミ、 |ハ'. : :./. : : : |  |    
  ,'. :イイ: : : :. : : {ヽ|,.ァ7'"⌒ヽ`ヽ   ヽ|  ん'.:::::::ハ`Y /: : :/ : : : : :|  ヽ_
  ,''´ | |: : : ∧: :Y 〃 ん'.::::::::ハ         { {::::::::::::i:} }}': :/ヘ: : : : : :.|
    { |: : : : : \! {{ { {:::::::::::i::}         Vヽ.__,ノリ ノ/|/  } : : :.∧|
       |: : : : : : ! \ .Vゝ--' ノ        ゝ--- '     /. : :./ ノ  
       |: : /{: :八 个 > '~´     ,        :.:.:::::   ;  /.: : :/     /
       |: / ヽ: :.:iヽハ   ::.:.::               /_,ノィ: :/     
       |/   \| ゝ:.      、ー― ァ        /: :./ ノ:/         
                }ヘ、        ̄         .イイ/  /     
                |: />. .             .イ:./ ノ′       
               {/  ヽ{≧ト .. __  .  ´ |/
                   ヽi           |_
                      ,|          ノ.::\

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       . ´          `ヽ、
      /
     /                 ,
   / /   /|    ト、        ′
 ∠._/   / i|    i \      〕
    〔  |/ 八〔\ .'   \   /
.     |∧ :| ┯:┯  V ┯:┯∧ /   j
    ' ∧|  乂ノ     乂ノ   ∨、   |
.     /:Ⅴ         ""  ノ   |
    /::::入_           _  < / /| /
  /\ /∧ノ  へ ̄ ̄/  \リイ/ / 〔′
   ̄\\  r‐'   \/  //\ /
     \ヽーヽ └─ー/─'  \
      丶ー|   〉 〈   |  〈

           |  .〈∧/    !__/
           |        | |

やっと帰宅出来たので今から残りを書きますが、多分投下は10時過ぎになると思います。


うい、なんとか書き終わったので投下します。
ただ今回は投下しながら見直しをするため、いつもよりスロウリィで行きます。

あと最後に今後の展開の安価取ります。


晴絵「到着ー!この店だよ」


京太郎「へー、結構落ち着いた感じの店だな」


 数分ほど赤土さんについていくと落ち着いた感じの店に着いた。
 
 お世辞にも都会とは言えない阿知賀にしっくりとくる建物だ。


晴絵「そうそ、知り合いのおばちゃんが一人で経営してるお店で、個人的にお気に入りなんだ」
   
   「それじゃあ暑いしさっさと中に入ろうか。あ、そこにバイク停められるから」


京太郎「了解」


 お互いに愛車を停めて中に入る。


 カランコロン


 そして店の中に入ると、冷房が効いており炎天下の中で火照った体を冷やしてくれる。
 
 店内は外見通り落ち着いた感じであり、ゆったりとした雰囲気がある。

 まだ早い時間の為かお客さんは他にいないみたいだ。
 
 そのような感じで店の中を見回していると、奥から年配の女性が出てくる。


おばちゃん「いらっしゃいませ~。あら?晴絵ちゃんいらっしゃ~い」パタパタ


晴絵「こんにちはおばちゃん」


おばちゃん「こんにちは~。あら、男連れ?」

      「いや~晴絵ちゃんが彼氏連れてくるなんて明日は雪かしら~」


晴絵「ちょ!?違うっておばちゃん!確かに男の人を連れてくるなんて初めてだけど夏に雪は大げさでしょ!」


おばちゃん「何言ってるの。晴絵ちゃんが男の子と一緒にいたのなんて小学校の時以来見たことないわよ~」
  
      「彼氏さん。この子パッと見、男勝りで女の子らしく見えないかもしれないけど、結構女の子らしい所もあるから大事にしてあげてね」


晴絵「だから彼氏じゃないって!?なんでみんな勘違いするのよー!」


京太郎「あはは(苦笑い)…」


 流石おばちゃんパワー、赤土さんの話をまったく聞いていない。

 おばちゃんが人の話を聞かないのはどこに行っても共通だな。


晴絵「はぁ~とりあえず座るから、後で注文お願いね」


おばちゃん「はいはい。ちょっと奥から冷たいお水取ってくるから、それまでは若い二人でごゆっくりしててね~」


 誤解したままおばちゃんは奥に戻っていく。
 
 まあ、おばちゃん特有の軽口で本気では言ってないだろうしな…多分。


晴絵「はぁ~疲れた~」グデー

 
 奥の方のテーブル席に対面になるようにお互い座る。

 隣りあわせは論外だが、向かい合わせで座るのも正面から顔を見ることになるから結構照れるな。


京太郎「お疲れさん。さっき言ってた通りかなり仲良いみたいだな」


晴絵「まあ昔からの付き合いだしね、ここらへんじゃ人も少ないから知り合いも多くなるし」タレパンダ


京太郎「はは、赤土さんが完全に翻弄「ストップ」ん?」


晴絵「えーと、あれさ、それやめない?その赤土さんって言うの」カオアゲ
   
   「結構今更だけどさ、同学年だからため口で話してるのにさん付けってなんだし、なんか~こう、ね?ムズムズする」


 話を遮られたと思ったら赤土さんからいきなりの提案。

 確かにお互いため口で話しているのにさんづけはちょっと違和感があったな。

 俺も須賀さんって呼ばれるたびにムズムズしてたし。

次に阿知賀に来た時には既に周りから婚約者扱いされてる京太郎か………Judge、ありだと思います。



京太郎「あー、確かにそうだな、それじゃあどうしよう…
    
    「さんが駄目なら………赤土ちゃん?」


晴絵「ちょ、なし!?それはなし!?流石に無理!?///」バツ


 ですよねー、さっきのおばちゃんみたいならともかく流石に同い年にちゃん付けはこちらも恥ずかしい。


京太郎「それじゃあ呼び捨てで赤土になるけど大丈夫か?」


 名前呼びなら親密さが上がるだろうがそこまでの度胸はない。

 チキンと呼ぶなら呼ぶがいいさ。


晴絵「うん、そこらへんが妥当かもね」
   
   「それならこっちは須賀君かな」


 ん?


京太郎「いや、そこはそっちも須賀呼びでしょ」


晴絵「いや、だって…ね?ほら、男子を呼び捨てってなんか…恥ずかしいじゃん///」ポリポリ


 なにこの可愛い生き物。

 おばちゃんの言っていたとおり確かに乙女だわ。


晴絵「須賀君はなんか女子と話すの慣れてるみたいだけど、私は女子校だから男子とめったに話さないし…」ジトー


京太郎「まあ、一応共学だしな」


晴絵「ほらズルい。だから須賀君呼びね。ハイ!決定!」ビシッ


京太郎「ズルいって…まあ、いいか」


 確かに同級生の女子からも須賀君呼びだしな。


晴絵「それと、お互い微妙にため口に慣れきってないからそこもしっかりとしようか」


京太郎「わかったよ、赤土」


 とりあえず呼んでみる。


晴絵「え!?いきなり!?//////」


京太郎「なんだよ、何も問題ないだろ」
    
    「なあ?赤土」ニヤニヤ


晴絵「あーうー…///あんま呼ばないでよ、す、須賀君///」


京太郎「赤土が慣れないみたいだしそれに付き合う意味ってことで」


晴絵「うー///……須賀君///」


京太郎「なんだ赤土?」


晴絵「…須賀君///」


須賀「赤土」


晴絵「須賀君」


須賀「赤土」


 やばい、なんか顔が熱くなって来たわ。

 赤土もまた顔が赤くなってるしここら辺でやめとくか。


晴絵「す「はい、お水ね」うひゃああ!!!!!?????」


おばちゃん「いや~若いって良いわね~、初々しくて~」

      「あ、これメニューだからね」


 そういうとおばちゃんはまた奥に戻って行った。

 おばちゃん今の狙ってやったな…

 あ~あ、赤土の奴さらに顔真っ赤になってるし。


京太郎「ほら、とりあえずメニュー見て決めようぜ」


晴絵「うん、そうだね!アハハ!///」


 おばちゃんに渡されたメニューを見る。

 喫茶店らしくコーヒーや紅茶などの飲み物とサンドイッチなどの軽食が中心みたいだ。


晴絵「それじゃあ私は冷たい紅茶とサンドイッチにしようかな」

    
   「須賀君///…はどうする?」   


京太郎「そうだなー、俺はそこまで腹も減ってないしアイスコーヒーだけ頼もうかな」


晴絵「いや、それだけじゃお礼にならないし、ここは一つこの欄から選んでみてよ」


 そういい指をさしたのはメニューの裏の左下の部分だ。

 ……………なんだこれ?


京太郎「ふたるさんサンド、熊本サンド…なんだよこれ?他にも変な名前のやつあるし…」


晴絵「面白い名前でしょ。どうせ私の奢りだしそこから好きなの頼んでよ」
   
   「あ、おすすめはふたるさんサンドかな」


京太郎「あー、なんか怖いしパスということで」


晴絵「いやいや、男子なんだしそこはチャレンジするところでしょ」
   
  「じゃあいつ頼むの?今でしょ」ドヤッ


 もうブーム過ぎてるぞソレ、つーか男子関係ねえ。

 あとドヤ顔やめろ。

晴絵「おばちゃーん!冷たいコーヒーと紅茶にサンドイッチとふたるさんサンドね!」


おばちゃん「は~い。しかしアレを頼むなんて彼氏さんも勇者だねえ~」


 アレ扱いかよ。しかも勇者って。


京太郎「おい、なにが出てくるか不安でしょうがないんだが」


晴絵「大丈夫大丈夫。一応食べ物だから」


京太郎「一応ってなんだよ一応って…まあいいけど」


 頼んでしまった物はしょうがないから諦める。

 サンドイッチだし食べれないことはないだろ多分。


晴絵「そういえば聞いてなかったけど、須賀君ってどこから来たの?」

京太郎「あー、長野から来た」


晴絵「え?長野って冬は雪がいっぱいで夏は軽井沢で優雅に過ごせるけど、グンマーっていう原住民が住みついてるっていわれてるあの長野?」ビックリ


京太郎「前のはともかく後ろはなんだよ…そりゃ隣だ」ミギダ、ミギ


晴絵「長野かー、行ったことないんだけど夏は過ごしやすくて気持ち良いって聞くよね」


京太郎「そりゃ標高が高い所だけだな、確かにそういった所は朝なんか涼しいが俺が住んでるところは普通に暑いぞ」


晴絵「でも涼しい所はあるんでしょ、いいなー」


京太郎「いや、奈良だって良いとこあるだろ」


晴絵「たとえば?」


京太郎「あー、ほら鹿とか大仏」


 前に画像で見た律儀に信号待ちしてる鹿は可愛いと思った。


晴絵「他には?」


京太郎「えーと…ほら、大阪に近いじゃん」アセダラ


晴絵「もう奈良関係なくない?」


 すまん、もう思い浮かばない。


晴絵「まあ大阪とかに比べれば田舎だししょうがないさ、逆に私も長野のこと全然知らないしね」アハハ
   
   「それで須賀君は息抜き旅行って言ってたけど、これまでどんな所行ってきたの?」


京太郎「どんなとこって言ってもなあ…」
    
    「普通に愛知できしめん食ったり名古屋城見たりして、三重では赤福食ったな」


晴絵「おーいいねー、近いと逆に行く機会ないんだよねー」
   
   「いいなー、私も免許取って旅したいなー」


京太郎「赤土は免許取らないのか?」


晴絵「いや~、もう18だし車の免許を取りたいんだけど先立つものがね~」


京太郎「へえ、こっちは二月生まれでまだ先だから羨ましいわ」


晴絵「お、ならこっちがお姉さんだね!どうする?晴絵お姉ちゃんって呼んでみる?」


京太郎「なにが悲しくて同い年を姉呼びしなくちゃいけないんだよ」
    
    「それに、本当に呼んだらまた例の得意技で顔赤くするんだろ?」


晴絵「ちょ!?得意技って何よ!得意技って!」


京太郎「赤土晴絵18歳、ピチピチの高校三年生。趣味赤面」


晴絵「今度は趣味扱いされた!?」


 打てば響くといった感じで話が弾む。
 
 お互い結構相性がいいのかもしれないな。

 そんな感じでバカ話をしていと注文していた品が届いた。


おばちゃん「はい、お待ちどうさま」


晴絵「ありがとうおばちゃん」


 おばちゃんが注文をテーブルに置いたことにより先ほど頼んだ品の姿が見えるようになった。


 ―
 ―――
 ―――――――――――――――――――なにこれ?


 そこにあったのはサンドイッチと呼ぶにはあまりにも不似合いなものだった。

 パンは普通のなんだがその間に挟んであるものが問題だ。

 レタスはまあいい、だけど魚一匹まるごとはあり得ないだろ…しかも生きて動いてるし。

 踊り食いってレベルじゃねーぞ。

 一応パンで挟んであるから定義的にはサンドイッチであってるんだが、これをサンドイッチと呼ぶのはこの世すべてのサンドイッチに対する冒涜じゃないだろうか…



晴絵「あはははは!おばちゃん料理は上手なんだけど創作料理作るのも好きでさ」ケタケタ


おばちゃん「昔リボン付けた女の子のお客さんが来てね、色々話しているうちにアイデアを貰ったんだよ」


京太郎「………これを食べろと?」ウツロナメ


晴絵「いや、見た目はあれだけど案外いけるんだよこれが」


 実はさっきのことを根に持ってて仕返しの為に頼んだってオチじゃないかコレ…

 助けを求めようにもいつの間にかおばちゃんはいなくなってるし。


晴絵「じゃあ熊本サンドに変えてもらおうか?あっちはキムチと梅干が挟んであるけど」


京太郎「なにその究極の選択肢?」
    
    「まあ食べ物無駄にするのもあれだし食べるさ」


 阿知賀的ですもんね。乗るしかない、このビッグウェーブに。


京太郎「南無三!」ガブリ


 少しずつ食べるのは怖いから一思いに一気に行く。

 口の中で魚が動いているのが感じられる。

 パンの触感とレタスの風味と魚の磯的な味が絡み合って何とも言えないハーモニーを…


京太郎「モグモグ…ゴクン。あれ?意外に行けるなこれ」


 見た目と反して味は悪くなかった。

 むしろ絶妙なバランスで作られており普通に美味いと言えるものだった。


晴絵「そりゃ見た目はあれだけど、おばちゃん料理上手だし、喫茶店だから味はしっかりしてるさ」ドヤ


 赤土がドヤ顔で言ってくる。ウゼぇ…


京太郎「いや、普通に考えて美味いなんて思わないだろコレ」


 どう考えても【隠しきれない】嫁のメシがまずい【隠し味】の系列だ。

 まあ、そもそも嫁じゃねーけど。


晴絵「まあまあそこは言いっこなしで」ヒョイ
  
   「あ、こっちのも食べていいからそれ貰うね」


京太郎「取ってから言うなよ」ヒョイ


 お互いに食事を交換し食べる。

 おばちゃんの腕が良い為か普通のサンドイッチも美味いな。


晴絵「そうそ、さっきの話の続きだけど奈良では何見て来たの?」


京太郎「んー?昨日奈良に入ったばかりだからまだ特に見てないなー、すぐにガス欠になったし」


晴絵「ああ、昨日会った時ね」


京太郎「そういえば昨日会ったばかりなのか俺たち」
    
    「なんか赤土とは話しやすいせいか結構前からの知り合いのような感じがするな」


晴絵「私も男子とこういった会話するのも久しぶりだけど、なんだか須賀君とは話しやすいね」


 それはおばちゃんが言ってた通り男勝りな所があるせいだろうな。


晴絵「それじゃあ今日は奈良観光ってわけか………んー、よし!」


 いきなり声を上げたと思ったら立ち上がった。

 しかし前から気になっていたが頭の触手みたいな髪の毛はなんだろうな、気になるわ…


晴絵「よかったら案内しようか?さっきの話だとここらへんの観光地も詳しくなさそうだし」


京太郎「そりゃ助かるし嬉しいけど、外に出てたってことは今日もなにか用事あるんじゃないか?」


晴絵「えーと…まあそこらへんは良いじゃない!行こう!」

 
 ずいぶんと乗り気である。
 
 あれか、勉強しようと思ったけど暑いし面倒だから外に逃げたといった所だろうな。


京太郎「良いけど、どこに行くんだ?場所によっては足も変わるし」


晴絵「んーそうだねえ、観光地と言えばここらへんもあるけどやっぱ春日大社や奈良の鹿がいる奈良市が一番かな~」
 
   「ここからならバイクで一時間ぐらいだし、途中に長谷寺とかもあるからちょうどいいと思うよ」


京太郎「そうだな、それぐらいならバイクの二人乗りですぐだな」


晴絵「え?…あ!そうだよね、案内するなら後ろに乗らなくちゃいけないのか///」


 自分でバイク使うことを提案したのに後ろに乗るのは考えてなかったのかよ。


京太郎「大丈夫か?なんだったら近場の案内でもいいぞ」


晴絵「うー///いや!男子の後ろに乗るぐらいで恥ずかしがってられないし行こうか!」


京太郎「まあ赤土がそれでいいならいいけどな、それじゃ頼むわ」


晴絵「おまかせあれ!」

   「おばちゃん!出るから会計お願い!」


おばちゃん「はいはい、でも晴絵ちゃんが彼氏さんを初めて連れて来たんだし今日はタダでいいよ~」


晴絵「だから違うってもー!はい、お金置いていくからね!行こう須賀君!」
   
   「あ、おばちゃん!自転車置いていくからお願いね!」


 そういうと赤土は逃げるように外に出て行った

 行こうって言いながら俺を置いていくなよ、まだコーヒー飲み終わってないし。


京太郎「ゴクゴク、ふぅ…美味しかったです、ご馳走様でした」


おばちゃん「ありがとう。あと晴絵ちゃんのことよろしくね、お兄さん」


京太郎「はい、任せてください。それじゃあ失礼します」


 おばちゃんに挨拶をして店を出る。

 最後呼び方変わってたし、ありゃ完全に彼氏じゃないのわかっててからかってたんだろうな。

 そして店を出ると赤土が頬を膨らませながら待っていた。


晴絵「遅いよ須賀君。早くいかないと日が暮れちゃうよ!」


京太郎「まだ昼にもなってないし焦るなって」ゴソゴソ
    
    「ほら、ヘルメット。しっかり被らないと危ないし俺が捕まるから気をつけろよ」


晴絵「いくら私でもそれぐらいわかってるって」


 赤土にヘルメットを渡し、エンジンをかける。

 やべえな…女子を後ろに乗せるとか初めてで、オラワクワクしてきたぞ!


京太郎「へい!ユー、乗っちゃいなよ!」


晴絵「いや乗るけど、どうした?」


 うっせぇ、こっちも恥ずかしいんだよ。


京太郎「スピード出すし、乗った後はしっかり掴まれよ」


晴絵「はいよ。…それじゃ、お邪魔します///」ギュッ


 後ろに乗り込み俺の体に腕を回す赤土。

 そして俺の背中にくっつく未知の物体おっぱ…いや、おもち。

 見た目あんまりないと思っていたが着やせするのか意外に大きなおもちが押し付けられる。

 ※参考 咲 –Saki- 阿知賀編 episode of side-A Portable


京太郎「(うお~これが本場のおもちかー。やべえ!マジで奈良に来てよかったぜ!)」

 
 初めての感触は下着がありながらも薄着のおかげで、俺に今までにない感動を与えてくれる。

 やったぜカピ、ハギヨシ、咲、照…俺は一つ大人の階段を上ったぜ………ふぅ。


晴絵「…そろそろ行かない?///」


京太郎「お、おう!じゃあ出発するから手を放すなよ」


晴絵「うん」ギュッ


 お互いに初めての感動と恥ずかしさでしばらく動けずにいたが、赤土が声をかけてきたことによりようやく俺も動き出す。

 そしてもう一度注意したことにより抱きつきが強くなり、俺に更なるおもちの祝福を与えてくれる。すばら!

 しかしいつまでもこうしていたいが、そういうわけにも行かず出発する。

 
 ブロロローン



―こうして俺と赤土の観光巡り(デート)が始まった。

                 .. ----  .
             .  ≦        ミ  .
              /    . . . . . . . . . . . .   \
         /  . . . : : : : : : : : : : : : : : : . . . . ヽ

        . ....: : : : ..:.:./.::.:.. ..:..:..\ ..:.. ヽ: : : ∨‘,  旅行の荷物積んで大人二人乗りとか流石に無理じゃないかってのはスルーしてほしいのです。

          / ./../..:.:.:./:./:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.:.ヽ:.:.:..:Vヽ: . ∨ハ
       / \′:.:.:.:.':.:′:.:.:.:.: |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.Vハ:....ノ i  むしろここは、その分よりおもちが密着して幸せだと考えるべきなのです!
        / .7T..ト....:.:i :i| :i:.:.:.:.{:.|、:{:.:.:.:.:ハ:.:.:.:ト::.i一:. . |
      ′/..:|..:|、:.:./|:.|{ :|:.:.:.:.ト:{ \:.、:.:.:/ : ヽ:|:.:.. i: .|
      : / ..:i|..:{:.\ |:ハ:{、:.:.:.廴__ 斗<:.:|::.:.:.|:.:|:.:.. |: .
.      |:il .:.::ii:八:{::{ |≧十\:∨ ,.     `|:.:.:..ト:|:.:.: |: .{
.      |:|!..:.::,| ..:.トド\ _,   `  z.、__レ|::.:.:.|´j:.:.:..|: .   ( \    / ) {_.}_} r‐
      ,|:{ .::/l| .:小≧==' '^     ´` ̄´`!:.:.: |' }:.:.:..|: . {   \ \/ /    _| |_/ )
     八| :ハ| .:.:{:.i xxx   ,     xxx |:.:.:.:|_,}:.:.:..|: . .i    .>  /    (__  __ ヽ  __
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     ノイ ..:.:.:./! く 廴. / .|乂 __人/::.:.:.:./   /    i: : . .:.
    __ノ/ ..:..::厶}/  \ ノ{ /j__ 斗-/::.:.:.. / i /      {: : . ∧


長かったですが本日の投下は終了です。疲れたナリよ、キテレツ…


次はデート回なのですが、超高校級の残念な>>1は実は奈良の観光地の事なんて全く知りません。

ですのでキッチリ書こうとするとかなり調べないといけないので普段よりも時間がかかってしまいます。

だからここで調べてから書くか、ある程度飛ばしてダイジェストにするか決めてほしいのです。

たいした安価ではありませんがよろしくお願いします。


A:ダイジェストで書く。過程はある程度飛ばされますがその後の流れはまったく変わりません。

B:キッチリデート内容を書く。ニワカだし分量も多くなるため書くのに時間がかかりますし、別のものになりますが恋人になる前にもデート自体は今後もあります。

↓2~6までで多数決です。

おすすめは勿論Aです。


よかった、このスレには無茶ぶりをする人たちはいなかったんだね(歓喜)

今回の安価は次の展開以外にも、今後の参考にさせていただきます。

本日はお付き合いありがとうございました。


自分が書いたのを読み返して気づいたが、なんで現代編を書いてないのに最初に8年前とか書いてるんだろうか…

なので今さらですが、そのうちプロローグとしての現代編も投下します。

あと京太郎が乗ってるのは中型の普通二輪です。原付では基本タンデムが出来ないので。

あ、原付じゃなくスクーターか、まあそこらへんは気合ということで。

なぜか一日中ダークソウルでボウガン縛りとかやってたためにまったく書けていない状況です…
投下にはまだ時間がかかりそうなので気長にお待ちください。


ネタ探しのために漫画を見る→話にのめり込んで読みふける。ネタ探しのためにゲームをする→キャラを普通に攻略してる。

テスト勉強の途中に掃除をし始めて見つけた漫画を読み始める学生かよ…


まあ脱線しつつもなんとか書けました。

待たせたな皆の衆、投下するじぇ。


 おばちゃんの店を出てから赤土の案内で奈良の観光地を巡る俺たち。

 奈良市に来るまでに有名な天理市や長谷寺などを回り、現在奈良公園にて観光中。

 はしゃいだ赤土が鹿煎餅を食べようとしたこと以外は問題なかった。


晴絵「いやー、何度か来てるけど改めて来てみると良いもんだねー」モグモグ
   
   「修学旅行は東京だったからそういったのでは来ないし」


京太郎「修学旅行かー。俺は沖縄だったけど、正直俺も東京の方に行きたかったぜ」モグモグ


晴絵「えーなんで?修学旅行で沖縄とかすごく良いじゃん!」


京太郎「普通ならそうだけど行ったのが三月、しかも雨が降ってたせいで関東の方が暖かかったっていうオチがあるけどな…」ドヨーン


晴絵「あー、それはご愁傷様だね」アハハ
   
   「よっと、やっぱお茶は爽○美茶だよね」ゴクゴク

 
 売店で買った食事と飲み物で休憩中。

 しかし観光ってことになっているけど、これってやっぱデートじゃね?

 そのことを考えたらあることが浮かんだので赤土に尋ねてみる。


京太郎「そういえば赤土はやっぱ彼氏いないのか?」


晴絵「ゴフッ!?げほっつhげっほっへgふ!?」


京太郎「おい大丈夫か?ほらハンカチ」サスサス


 お茶を吹き出し、盛大に咽たためハンカチを渡し背中をさする。

 つい気になったので聞いてみたら予想以上の反応をしてくれた。

 やるな、赤土。


晴絵「ゲホゲホ、ありがとう…」ナミダメ
   
   「というかいきなり何言いだしてるのさ、もう!」プンスカ


京太郎「いや、もし彼氏がいるならこうして出かけてるのばれたらやばいなーと思って」
    
    「おばちゃんは男連れを初めて見たって言ってたけど、実は知らないだけって可能性もあったし」


晴絵「もう、男子としっかり話すの久しぶりって言ったでしょ」
   
   「というか私のこと、彼氏がいるのに他の男と出かけるような軽い女だって見てたわけ?」ジトー


京太郎「あ、いや、それは、えーと…」アタフタ


晴絵「じーーーーーーーーー」ジトメ


京太郎「すまん!つい出来心なんだ許してくれ!」パンッ

 
 流石に言葉が悪かったかと思って手を合わせ急いで謝る。


晴絵「………くく、冗談だって!というかその言い訳可笑しすぎ。あはははは!」


京太郎「えー、そこまで笑うことないだろ…」


晴絵「あはは、ごめんごめん」
  
   「まあ残念ながら生まれてこの方彼氏どころかまともな男友達もいたことなんてないよ………って!何言わせんのさ!」バシン


京太郎「いてえ!」


 恥ずかしいからって照れ隠しに背中を叩かれる。

 いや、まったく。照れたり怒ったり、元気有り余りすぎだろこいつ。


晴絵「しょうがないじゃん女子校なんだし、出会いがないのも当然でしょ」プンスカ


京太郎「そういうもんか?まあ俺は共学だしわからないが」


晴絵「そういう須賀君はどうなの?共学なら彼女いないの?」


京太郎「俺か?俺は、あーうん。いるかいないかと言われれば………ないアルヨ」


晴絵「いや、それじゃ全然誤魔化せてないし使い方違うし」ビシッ


 痛い所を突かれた為に咄嗟に誤魔化そうとしたが無理だった。

 ちくしょう。


晴絵「どうせ須賀君のことだから、たまに誰かから告白されても断ってるんじゃないの?」


京太郎「え?なんで知ってるの?」


晴絵「んー、女の勘ってやつ?」

 
 え?やだなにこの子怖い。


晴絵「まあ実際の所、須賀君チャラそうに見えて真面目だし、簡単に誰かと付き合わなそうだしね」
   
   「その上告白してきた子が好みとは限らなくて、好みのタイプからは良いお友達でいましょうとか言われそうだし」


 当たってやがる、鋭すぎるだろおい…


京太郎「べ、別に俺が本気になれば彼女なんていつでも出来るし、今はそういう気分じゃないだけだからな」


晴絵「はいはいそうだねー、須賀君なら大学行けばすぐ彼女出来るよー」ククク


 ぐぬぬ…さっきの仕返しか積極的に攻めてくる。

 このままではいけないと思い反撃出る。


京太郎「そうだ、赤土から見て俺って一応告白されるような感じなんだよな?」
    
    「つまり赤土から見ても俺って好みのタイプなのか?」


晴絵「うぇい!?いきなりなに言いだしてんのさ!?」アタフタ


京太郎「いやだってそうだろ。赤土がイケてるなーって思ったからそう言ったってことじゃん」


晴絵「うー…///べ、別にそういう意味で言ったんじゃないし!ほら、リップサービスだよリップサービス!」
   
   「まあ確かに最初見た時、須賀君のことちょっとカッコイイなーって思ったし、実際に話したらいい人だったし楽しいけどさ…」ボソボソ


京太郎「え?なんだって?」ニヤニヤ


晴絵「な、なんでもない!」


 聞こえていたが、あえて聞き返してみたら誤魔化されてしまった。

 しかし、カッコいいって思われてたのかー。

 やべえ、なんか嬉しいわ。


晴絵「もう十分休憩したし次行こう次!」ガシッ


京太郎「え?おま!?」


 いきなり手を掴まれたと思ったらダッシュで走り出した。

 いや、さっきも言ったが照れ隠しとは言えどんだけよ。

 そしてこのあと、手を掴んでいたことに気付いた赤土がまたもやテンパったのは言うまでもない。


 
 その後観光地巡りを続け、阿知賀に戻ってくる頃にはすっかり夜も更けてしまった。

 そのためおばちゃんの店で自転車を回収し、一人で返すのは危ないということで途中まで送ることにした。


晴絵「そろそろここらへんでいいよ、あまり遅くなると宿も駄目だしね」


京太郎「わかった、今日はありがとうな。おかげで助かったし、楽しかったぜ」


晴絵「いやいや、こっちも楽しかったしありがとうね。いい気分転換になったし」
   
   「そうだ、明日はどうする?また案内するよ」


京太郎「いや、流石にそろそろ帰らないと行けないから今日宿に泊まったら明日直ぐに出るわ」
   
    「赤土のおかげで今日だけでも色々回れたしな」


晴絵「そっか、もう帰っちゃうのか…」シュン


 そう告げると寂しげな表情をする赤土。

 昨日会ったばかりなのに惜しんでくれるなんてほんといい奴だわ…。


晴絵「それじゃあ明日何時ぐらいに出る?見送りに行くよ」


京太郎「あー、多分朝早くなるし無理しないでいいぞ」


晴絵「むー…そうだ!それなら折角だし番号とメルアド交換しようよ!そうすれば帰ってからも連絡できるし」ガサゴソ


京太郎「いいけど大丈夫なのか?あんだけ男相手に恥ずかしがってたのに」

    「俺たち昨日会ったばかりだろ?」


晴絵「えー、今まで散々遊んで話してたのに今更~?」


京太郎「まあ確かに今更だな」ゴソゴソ

    「ほら、携帯」


晴絵「うい、赤外線と…よし!登録完了!」ポチポチ
  
   「おー、初めて男子のアドレスゲットだぜ」イェーイ


 赤土の初めてをゲットってか。

 流石に口に出すわけにもいかず考えることだけにした。

 というかこんな時に何考えてるんだよ俺。


京太郎「よし、交換もできたし、それじゃあそろそろ行くわ」


晴絵「ん、わかった。こっちからもメールするから、そっちもちゃんとお願いね」


京太郎「おう、それじゃ色々ありがとうな」
    
    「またな」フリフリ


晴絵「うん、またね」フリフリ


 もう少し話していたかったが何時までもこうしているわけにもいかず別れを告げた。

 名残惜しみながらも手を振り別れる。

 走り始め為、後ろを振り返ることはできないが、赤土はこちらの姿が見えなくなるまで手を振り続けてるんじゃないかとそんな気がした。

 そして昨日とは別の宿に泊まり、寝る直前に携帯を開き赤土のアドレスを表示し、メールを送ろうかと思ったが時間も遅いし流石に止めておいてそのまま眠った。

 ―――


京太郎「ただいまーカピー」


カピ「キューキュー!」トテトテ


 翌日阿知賀を出て、寄り道をしつつもようやく帰宅。

 親父達に土産を渡した後部屋に行き、駆け寄ってきたカピバラのカピを抱き上げる。


京太郎「いやーなんかお前と会うのも久しぶりだな、元気にしてたか?」モフモフ


カピ「キュキュー!」スリスリ


京太郎「よしよし」


 久しぶりの感覚に旅の疲れが癒される。


京太郎「さて、どっこいせっと」ゴロン
    
    「えーと携帯携帯っと、あれ?」


 しばらくカピを撫で続けた後ベットの上に寝転び携帯を取り出すと、メールが来ていたことに気づく。

 開いてみると、赤土からだった。

 二時間ほど前に来ていたが、ちょうど運転中だった為まったく気が付いていなかったな。


京太郎「えーと、何々?」


晴絵『やほー、そろそろ着いたかなと思って初メールも兼ねて送ってみたよ』
   
   『しかしなんかあれだね。顔合わせてた時と違ってこれはこれでなんか照れくさいね///』
   
   『だからこれからメールだけじゃなく電話もしてくれると嬉しいかなー…なんてね!』
   
   『それと改めて言うのもなんだけどこれからよろしくね!』
   
   『それじゃ、須賀君も疲れて眠いと思うからこれで終わりにするね、お休み~』
   
   『あ、疲れてるだろうし返事は出さなくて大丈夫だからね。その分明日から電話とメール期待してるぞ♪』


京太郎「ははは、こりゃ責任重大だな」


 赤土からのメールを見て思わず笑みがこぼれてしまう。

 ほんと今回の旅は楽しかったわ、息抜きという理由だったがそれ以上のものが得られたな。


京太郎「しかしずっと走りっぱなしは疲れたな…」

    「風呂も入ってないけど寝るか…お休みカピ」


カピ「キューキュ」


眠気が来てしまった為に電気を消して、明日どんなメールを赤土に送るか悩みながらそのまま眠りについた。


―こうして短いながらも充実した高校生最後の夏の旅は終わった。


―晴絵side―


晴絵「うーん、うーん」ゴロゴロ
   
   「なんて送ろうかなー」


 須賀君と別れてから一日、どんなメールを送ろうかずっと悩んでいた。

 メールの事ばかり考えていたせいで勉強も集中できなかったし…


晴絵「うーん、うーん…」ゴロゴロ


 今まで父親以外には男相手にメールになんて一度も送ったことのない身としては非常に悩ましい状況だった。


晴絵「と言うかむしろここは男らしく向こうから送ってきて欲しいよねー」  

   「むー、こっちは女子校育ちで慣れてないんだから気を利かせて向こうが送るべきでしょ」


 メールの内容を考えながらも向こうからの連絡も待ってたのに…

 まあ、昨日は後ろに乗せて運転してたから疲れてただろうし、今日も長野まで帰るのに忙しいだろうからメールなんてする暇なんてないんだろうけどさ…


 しかし改めてこの数日間の自分を顧みると、普段よりも実に大胆だったと思う。

 最初の道案内やお礼でおばちゃんの店に行ったのは兎も角、二人乗りや手を繋いだのは・・・


晴絵「/////////////………うひゃあ!うーうー!んんー!」バシンバシン


 昨日のことを思い出してしまい思わず枕に顔をうずめたり、手でベットを叩いてしまう。

 会ったばかりの相手にあんなことするってどうなのよ。

 でも今までそういう機会なんてなかったから基準なんてわかんないし…


晴絵「須賀君、初めての男の友達か…」


 携帯からこの一日何度も見ているアドレスを開く。

 今まで父親以外になかった男の連絡先か…。

 確かに昨日はあれで終わりだと思ったら、残念だと感じていきなり連絡先聞いちゃったけど流石に大胆だったかな。


晴絵「うー///もういい!やけくそだ!」


 これ以上悩むとさらにどつぼにはまってしまいそうで思い切ってメールを打つ。

 …まあ思い切ってと言っても硬すぎず柔らかすぎずと注意はしたけど。


晴絵「むー…よし!これでいいや送っちゃえ!」


 30分近くかかりながらもできたメールを送信する。

 その後送ったメールを開いて眺めてみるとなんともいえない気持ちになった。


晴絵「なんで最後に♪なんてつけたんだよー!」ジタバタ


 流石に初メールにしても硬すぎるかと思いつけてはみたが、今更になって恥ずかしくなってきた。

 だってつまらない奴だって思われても嫌じゃん…

 その後夕食を取り、お風呂を済ませて携帯を開いたが須賀君からの返事はなかった。


晴絵「確かにこっちから返事はしなくていいって書いたし、お休みとも書いたけどさ~」ブー


 理不尽に怒りつつも、思わず愚痴を言ってしまう。

 しょうがないじゃん、まだ向こうから一回も連絡ないんだし。


晴絵「いいや、寝よう!須賀君のことだし明日きっと連絡くれるよね」


 長い時間過ごしたわけではないけど、須賀君がこういったのを放置する人じゃないのはわかってるしね。


晴絵「にひひ、明日どんな連絡してきてくれるか楽しみだな~」


 明日の連絡を楽しみに待ちつつ眠りにつく。

 ただ楽しみすぎて眠るのに時間がかかってしまった為、朝に須賀君からメールが来ているのにすぐに気付かなかったのはご愛嬌だ。
 


本日の投下終了!やっと出会い編が終わって長野帰還です。

なぜか教師の京太郎を書くはずが過去編をこんだけ書いてるという状況…

まあレジェンド書くの楽しいし、現代編行くとレジェンドの出番減るから今のうちに書きまくろう。


あとこれ以外にも制作用にキャラ設定も一応書いてあるんですが投下した方がいいですかね?


うい、了解した。ただ既に本文で書かれてる事ばかりなのでたいしたものはありません。


とりあえず書いてみたら無駄に長くなったキャラ設定


須賀京太郎 
 
 清澄高校三年生であり、現在17歳で本作の主人公。趣味おもち。


 
 16歳の時にバイクの免許を取り、少し前までは親のお下がりを使っていたが、バイトに専念し念願の愛車を購入。

 中学校からの親友であるハギヨシをはじめ、その面倒見の良さからか女子にも友人がいる。

 一部(が残念)の女子からは告白されることもあるが、いざとなると本人が乗り気でなくなるためか恋人がいたことはない。

 ようするにヘタレである。

 近所のポンコツ姉妹に懐かれていて面倒を見ることが多い為、年下に対しての相性は原作よりもよくなっている。

 教師になる為に大学受験の勉強中である。

 元の設定ではレジェンドに合わせて、かつてサッカー部に所属していたとか云々あったが、別にいらなくね?ということでボツに。


赤土晴絵(別名レジェンド)

 阿知賀女子学院三年生であり、現在18歳で本作のヒロイン。趣味赤面。

 
 阿知賀生まれの阿知賀育ちで、中学から女子校に通っていた為に男嫌いというほどではないが、男子にはあまり慣れていない。

 明るい性格のため友人は元チームメイトであり親友の新子望を含めそれなりにおり、過去の経歴により教師からの覚えもよい。

 高校1年の時にアラフォーに負けて麻雀部を退部してからは帰宅部で普通(男っ気はない)の女子校生生活を送っている。

 麻雀は未だに好きだがアラフォーの呪いを振り払えずいる為、とりあえず近くの大学にでも行くかと考え勉強中。

 もっとAAとかを使いたいのだが、残念ながらほぼ存在しない為困った状況である。

 教師キャラとは悲劇なのか…今ソウルが試されようとしている。


おまけ

ジャージ娘
 履いている。

おばちゃん
 履いていない。

カピ
 癒し。



以上で終了です。

次回はハギヨシや宮永姉妹の出番ですが、多分今回よりも時間かかると思いますのでまたもや気長にお待ちください

あとレジェンドが可愛いと言ってくださった方々ありがとうございます。

結構レジェンドには力を入れてる為喜んでいただけたら幸いです。



おばちゃんが何を履いていないのかは>>1にもわかりません…というか想像したくありません。


職場で色々あった→この感情を何処にぶつけよう…→そうだ!SSの続きを書こう!→ついでに飲もう!→見直す→なんだこれ…(現在)

あれね、酔いがさめると途端に冷静になって後悔するんだよね
まあ、それでも一応書けたので投下します
最初の3、4投下は流し読みでいいと重湯


 阿知賀から帰ってきて一週間経ち、ついに来てしまった九月一日。

 さよなら夏休み、こんにちは二学期。

 今日までの一週間にも色々あったが、語ると某鈍器ラノベ並みの長さになるのでそこは割愛する。


京太郎「うーす、おはよーッス」ガラガラ


M「おう、おはよう!久しぶりだな須賀」

S「うむ、おはよう椿」

T「おはようで御座るトーリ殿」

N「おはようございますお兄様」


 クラスに到着し挨拶をすると、クラスメイト達から思い思いの返事を返ってくる。

 受験ということで夏休みもほとんど会うことがなかったので、久しぶりに会う為か感慨深いものを感じ…


M「そういえば聞いたぞ~、旅行先で女の子達ナンパしまくりで仲良くなって酒池肉林を楽しんだらしいじゃねえか、須賀マジもげろ」ファック


京太郎「ちょっとまて、それ何処情報だよ」


 …てたのに、一瞬で吹き飛んじまったぞ。

 確かに女の子(赤土)とは仲良くなったが意味が違うし、マジでどこ情報だ。

 旅行の事を言ったのはハギヨシぐらいだがあいつがそんなこと言うわけないし…


M「あーどこだっけ…?ああ思い出した、隣のクラスの風波が言ってたな」


京太郎「そいつ、書いた記事の半分がデマで出来てる新聞部部長じゃねえか信じるなよ!」


M「いや、ほらあれだ。面白いものには巻かれろって言うじゃねえか」ケラケラ


 ああ、こんなにも人を殴りたいと思った気持ちは初めてだわ。

 まあ発信元がアレだしすぐに噂も消えるだろ。

 しかし半分デマらしく旅の事は当たってたな、行きか帰りの姿でも見られてたか。


M「んで、酒池肉林はともかく結局彼女は出来たのか?」


K「ゼロに彼女が出来るなんてそんなオカルトありえません」


J「ふ、無様だな…」


 好き勝手言ってくれるなこいつ等…


京太郎「ま、まあ…自慢じゃねえしわざわざ言うことじゃねえが、出来たぜ彼女」


 あまりにも好き放題言われるため思わず嘘をついてしまった。

 すると…


M「ちょ、マジかよ!?あのヘタレの須賀に彼女が出来たのか!?」

I「なん…だと…」

P「ありえない!あの武藤に彼女ができるとkゲッハァ!?」

R「流石ダークフレイムマスター」


 驚く者、絶句する者、吐血する者、尊敬の目で見る者、他にもetc…

 不用意に放った一言で教室が阿鼻叫喚の渦となった。

 やばい…今更になって嘘だったとか言えない状況だぞこれ。


M「マジかよ…名前は?デートはしたのか?写真は?」


京太郎「えーと…名前の方は言えないが苗字は赤土だ」
   
    「デートはしたけど、写真は恥ずかしいし見せられないな」


 すまん、赤土。俺の為に犠牲になってくれ。

 まあ、苗字だけならばれないだろ…


S「ふむ、実はそいつはテロリスト組織の一員でお前を籠絡しようとしている可能性はないか?」


京太郎「ねーよ、どこの中二設定だよ」
   
    「つーか先生もそろそろ来るし、俺も席に着きたいから解散解散!」


 エー! ブーブー! モットハナシキキタイー! モゲロ!


 これ以上話しているとボロが出そうなので話を切り上げ、後ろにある自分の席まで逃げる。

 まあ飽きっぽい奴らだし、他に面白いことがあればすぐにそっちに興味が行くだろ。


???「おはようございます須賀君。依然と変わらず元気そうで何よりです」


京太郎「おう、おはようハギヨシ。そっちも変わらず元気そうだな」クルッ


 俺に話しかける聞きなれた声に対し、振り向きながら挨拶をする。


ハギヨシ「ええ、執事は主人の為にいつでも健康でいるのが当たり前ですからね」


京太郎「執事ってスゲーな…だけど正確にはまだ執事見習いって言ってなかったか?」


ハギヨシ「確かに仰る通りですね」ハハハ


 今話しているこいつは中学からの同級生で親友のハギヨシだ。

 見ての通り同級生や後輩、果ては友人にまで敬語を使い、名前もさん付けや君付けをするという実に特徴的な男である。

 なんでも家が先祖代々竜門渕というお金持ちに仕えている執事の家系らしく、こいつも将来執事になるために常日頃から相手を立てるように心掛けているらしい。

 また、紳士的な態度やイケメンなどの理由から何度も女子から告白されるので一部の男子からは恨みを買っている男でもある。

 といっても、本人は執事一辺倒なため彼女を作る気はないらしい。

 ついでに言えば同年代に興味がないらしく、好みのタイプは熟女だ。


ハギヨシ「それでご旅行の方はどうでしたか?前に貰ったメールからは実に有意義に過ごしたように感じましたが」


京太郎「おう、すげえ楽しかったぜ!やっぱ勉強も大事だけど、高校生らしく遊ばないといな!」


ハギヨシ「ふふ、それは何よりです。でも教師になる為には勉強の方も頑張らないといけませんね」


京太郎「わかってるって、ハギヨシは龍門渕のお嬢さんの執事になるから就職あつかいだっけ?」
  
    「本格的に働かなくちゃいけないのはキツいからまだ勘弁だけど、受験勉強しなくていいのは羨ましいわ~」


ハギヨシ「教師を目指す人が何を言っているんですか…」ハァ


京太郎「それはそれ、これはこれってやつだな」キリッ


ハギヨシ「やれやれまったく…そういえば先ほどしていた彼女の話ですが」


京太郎「お、おう!?あれな。いやぁ、ついに俺も彼女が出来たんだぜ!」


ハギヨシ「アレ………、嘘ですよね?」ボソボソ


京太郎「なぬ!?」


 なぜバレた、執事か?執事だからなのか?


ハギヨシ「執事は関係ないですよ。友人ですからなんとなくわかったんです」


 いや、今完全に心の中読んだじゃねーか…


ハギヨシ「まあ、須賀君が旅先で会ったばかりの女性といきなり恋人関係になるような軽い人だとは思っていないですからね」

     「それに本当に須賀君に彼女が出来たら、親友として真っ先に教えてくれると信じていますから」ニコ


京太郎「…ったく、なに恥ずかしいこと真顔で言ってるんだよ。ほら、先生来たし前見るぞ」


ハギヨシ「はいはい、そうですね」クスクス


 こっぱずかしい話をしているうちに先生が来たので話を切り上げた。

 ハギヨシは基本的に誰にでも丁寧な態度を崩さないやつだが、気を許した相手にはこうやって気軽な一面を見せることもある。

 親友として信頼されていて嬉しくもあるが、大抵俺が弄られ役になるのでそこは遺憾だ。


先生「おー、おまえらおはよう、そしてお久しぶり。皆変わりがなさそうで何よりだよ」
  
   「ああでも、須賀は婚約者が出来たらしいな。俺がわざわざ口を挟むことじゃないが避妊だけはしとけよー」


京太郎「噂の内容変わってるんですけど!?」


 教師にまで伝わってるってどんだけだよ…

 周りの女子からはセクハラだと非難の声が上がっているが、先生はどこ吹く風だった.


 その後新学期らしく体育館で集会を行い、初日ということですぐに終了となった。

 本来ならクラスの奴らと遊びに行きたいんだが、皆受験勉強ということで解散となり、ハギヨシと一緒に下校中である。


京太郎「あーあ、せっかく集まったんだからボーリングやカラオケにでも行きたいよな~」


ハギヨシ「仕方ありませんよ、既に受験まであと半年を切りましたからね」


京太郎「だよなー、ハギヨシも今日は駄目なんだっけ?」


ハギヨシ「ええ、本家でパーティーがある為、それのお手伝いをしなければならないので。すみません」


京太郎「いや謝んなって、俺たちみたいに勉強さえしてればいい立場じゃないんだし、むしろ立派だと思うしすげーよ」


ハギヨシ「ふふ、ありがとうございます。またお互いに都合の良い日にどこか行きましょう」
    
     「そういえば聞きたかったのですが、旅行先で恋人はともかく、仲良くなった人はいないのですか?特に同年代の女性で」


京太郎「あー、うん。まあ、一応向こうで親切にしてくれたやつがいてな、俺らと同じ学年だ」


ハギヨシ「ほうほう、それはそれは」ニコニコ


京太郎「なんだよその顔、俺が女と仲良くなったらおかしいか?」


ハギヨシ「いえいえ、むしろ今まで須賀君が彼女を作らないのが不思議でしたので」
     
     「その方とは今でも連絡を取り合っているのですか?」


京太郎「あー、まあな。一応連絡先は交換したから何度かメールはしてるな」


 実際は何度かどころかあれから毎日メールして、たまに電話もしてるんだが、流石にそれを話すのは恥ずかしいので黙っておく。

 といっても、ハギヨシの奴鋭いし普通にばれてそうだな。


ハギヨシ「そうですか。もしなにかあったら頼ってくださいね、いつでも力になりますから」


京太郎「なにかどころか、特にそういう関係でもないけどな」
    
    「まあ、いざというときは頼りにさせてもらうわ」

ハギヨシ「おまかせください」
     
     「おっと、それでは私はここらへんで。また明日会いましょう」


京太郎「おう、また明日な」


 お互いの家への分かれ道へ来た為、挨拶を交わし別れた。


京太郎「ふぅ…しゃーない、帰るか」


 ハギヨシと別れた後、流石に一人で遊びに行く気にもなれず素直に勉強でもするかと考え、自宅に向かって歩き出す。


こんな感じで短いですが本日んの投下は終了です。

あれだなー投下したばかりだけどさっそく修正したくなってきたわ
やっぱ酒入れながらだとダメだな、次はちゃんと素面で書きます。ごめんなさい

あとレジェンドは原作でも十分若いからね!

中の人ネタについては正直やりすぎたと思った…

あ、Jはテイルズからです


とりあえずまだ書き終わってないのですが、ちょっと相談があって来ました。

前回の投下もアレだったので今まで書いた分も含めいくつか修正したいのですが、残念ながらここだとうまくできないので、この先の事も考えて別の投稿サイトに移ろうかなと思っております。

他にもこのスレの内容でしたら特に安価もあまり大筋に関わりませんし、落ちるまで二か月もあるとは言え一応期限もあって少し焦ってしまうなどといった理由もあります。

と言っても自分の都合で勝手に移るのも問題なので、お手数ですが読んでくださってる皆さんから「別に構わない」とか「ここでこのまま書いた方がいい」などの意見をお願いしたいのです。

どうぞよろしくお願いします。



ふぅ~む、なるほどなるほどなるほどー、ありがとうございました。

特に問題ないみたいなので、ちょっと今週は忙しいですが週末までになんとか移動したいと思います。

そして向こうに移動し終えたらこちらでお知らせいたします。


移動先はまだ決めてませんが、おっしゃる通りハールメンさん辺りが良いかなって思っています。

ただそこら辺の知識は微妙なので、もし他にいいところがあったなら教えていただけると嬉しいです。


あと今後安価によってイベントが分岐予定だったお話はなるべく統合して書くようになります。

例を挙げると、最初の安価でモブ旅館に行きジャージ娘と会いましたが、それを移動先では松実旅館に行く途中でジャージ娘と会う感じにします。

また、それによって隠し好感度も無くし、安価結果によって後に書く予定だったサブヒロインEDも全部書こうと思います。


ようやく向こうに投稿できました…


「阿知賀のレジェンド」改め「君がいた物語」です。
http://novel.syosetu.org/16775/

意外にハーメルンの機能を理解するのに手間取ったせいで遅れてしまって申し訳ない…
とりあえずプロローグ投下して、今までのも少しずつ修正しながら投下していきます。

あとこのスレは宥動揺に少しの間残して、その後HTML依頼を出したいと思います。

それでは短い間でしたがありがとうございました。
よろしければ向こうでもよろしくお願いします。

おうふ…最後の最後にやっちまった…

×:宥動揺
○:誘導用

別に本編より咲にずっと後に使うはずの宥ENDを書いてたとかそんなことないですからね

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