咲「ツモ。4000オールです」
久「ふぅ、須賀君のトビで終わりね」
優希「うがー、この馬鹿犬!お前のせいで優希ちゃんの華麗な逆転劇が始まる前に半荘終っちゃったじょ」
京太郎「うっせえ、俺だって好きでとんだ訳じゃないつーの!」
優希「犬の分際で口答えとはなまいきだじぇ」
咲「まあまあ優希ちゃん、抑えて、抑えて」
和「そうですよ優希、今回は須賀君の打ち方が悪かったという訳ではなく単純に宮永さんの調子が良かっただけです。現に部長と優希の点数も残りわずかだったでしょう」
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優希「うぐぅ、それを言われると言い返せないじぇ……」
京太郎「和マジ天使」
優希「ぐぬぬ」
久「いやー、それにしても今日の咲にはまいったわー。この調子なら全国も余裕ね」
まこ「まさに鬼神のごとき鬼ヅモだったからのお。咲の後ろに世紀末覇者が見えたわ」
咲「もう二人ともからかうのはやめてくださいよ。今日はたまたまですよー」
京太郎「ちくしょー!久しぶりに卓に座れたっていうのにこんなのあんまりだー!!」
咲「ふふふ、でもわたしは久しぶりに京ちゃんと麻雀できて楽しかったよ!」
京太郎「咲…お前……」ホロリ
咲「だって、京ちゃんが卓に入ったらビリになることはないもん」
京太郎「そんなことだろうと思ったよ!ちくしょう!」
咲「あはは」
久「あら?もういい時間ね、みんなそろそろ帰るわよー」
まこ「暗くなる前に帰らんと」
優希「かわいいのどちゃんはお家に帰る時間だじぇ」
和「どういう意味ですか?」
久「あんまり帰りがおそい時間になると、和みたいなかわいい娘は変質者に襲われちゃうかもしれないから早く家に帰りなさい。てことよ」
和「ななななにを言っているんですか!そんなことあるわけないですよ!!」
久「いやー、そんなことないと思うわよ。あなたも暗い夜道の中、和が一人で歩いてたらついつい襲っちゃうでしょ?須賀君」
京太郎「話題の振り方も内容も最悪ですよ部長!!」
咲「……」
京太郎「咲さん、無言で足を踏むのをやめてください」
和「須賀君……」
京太郎「和、これは誤解だ!だからそんな悲しい目で俺を見ないでくれ!!」
まこ「ここだけ切り取ってみると、本妻に浮気がばれた駄目男みたいでおもしろいのー」ニヤリ
優希「わたしは会社の上司役を希望するじぇ!」
京太郎「お願い!悪乗りしないでこれ以上は収拾つかなくなるから」
ワイワイガヤガヤ
京太郎「部長!さっきの言いがかりを早く訂正してくださいよ!」
久「あはは、ごめんごめん。みんなが面白い反応してくれると思ったからついね」
京太郎「完全に部長は遠巻きに楽しんでましたけどね」
久「うん、意外に思うかもしれないけど私Sなの。だから自分に被害が及ばないところで人が酷い目に合ってるのを見るのが大好きなの!」ニコッ
京太郎「部長、あなたがドSなのは意外でも何でもない周知の事実ですし、なにより後半部分に関してはただの性格の悪い女性みたいになってますよ!」
久「私が性格が悪い女ですって?映画13日の金曜日でジェイソンに感情移入できるこの私が!?」
京太郎「部長!そのフォローは全く意味がないです!逆に先ほどの自分は手を汚さず高みの見物をしている知的な悪党っぽいイメージに猟奇的な殺人鬼までプラスされて、なんかもう知性と力を併せ持つ稀代の殺人鬼みたいなイメージになっちゃってます」
久「そういえば、須賀君て結構かっこいい顔してるわよね。うふふ、食 べ ち ゃ い た い ぐらい」二コリ
京太郎「なんで今のタイミングでそんなこと言うんですか!普通に怖いですから、いつもは素敵な笑顔が逆に怖いですからー!」
久「冗談よ、須賀君があまりにもいいリアクションするからついつい遊びすぎちゃうのよ」
京太郎「さいですか……」ゲッソリ
久「それはそうと、皆の誤解もそろそろ解かないとね」
京太郎「お願いします」
久「オーイ!皆、さっき言ったことは私の冗談だから須賀君のこと誤解しないであげてね!須賀君は夜道で一人歩いてる女の子をどうこうする男の子じゃないわよー」
咲「そ、そうだよね!京ちゃんに限ってそんなことするわけないよねー。わたしも部長の冗談に乗ってみただけだから、京ちゃんがそんなことしないって知ってたよー」
京太郎「おい、咲……俺の眼を見て話せ」
咲「ヒュー、フシュー」
京太郎「お前が口笛のつもりでやっているそれ全然音でてないから、ただ口から息をはいてるだけだからな」
和「須賀君ごめんなさい……、同じ部員である仲間を疑ってしまうなんて私最低です……」ホロリ
京太郎「和……、わかってくれたならいいよ!俺も気にしてないしさ」
和「でも……」
京太郎「いいって誰にだって間違うこと位あるし、今後こうゆうことがないように気をつけていけばいいだけの話じゃないか」
和「須賀君……、そうですね!ありがとうございます須賀君」ニコッ
京太郎「おう!(和ちゃんマジ大天使ミカエル)」
和(チョロイですね)ニヤリ
まこ(あまいのー)
優希(チョロアマだじぇ)
京太郎「まあ、なんにせよ皆の誤解が解けてよかったよ」
久「そうね、誤解が解けてよかったわね須賀君」
京太郎「はい、ありがとうございました!(誤解の原因の8割くらいは部長にあると思うが、口に出したら怒られそうだから言わない)」
久「大体普通に考えたらわかるはずじゃない。須賀君が夜道で襲うなんてことするはずないのにねー」
京太郎「全くもってその通りですよ!俺がそんなことする男に見えるのかって話ですよ!」
久「そうよねー、須賀君が女の子を襲っちゃうのはロッカーの中だけだよねー」
京太郎「そうそう、俺が女の子を襲っちゃうのはロッカーのって……あれ?」
久「部室内の狭いロッカーの中で女の子と二人きりで出るに出られない状況になった須賀君は女の子の髪や首筋から香る、女の子のにおいに自分が抑えきれなくなってほとばしる若いパトス(情欲のみ)をそのまま、わた『それ以上いけない!!!』」
京太郎「なんてこと口走ってくれてんだ!!あんたわ!!」
久「あら、事実じゃない?」
京太郎「事実だけれども!!」
咲「京ちゃん……」
京太郎「ひっ」
優希「犬……、今部長が言っていたいやに真実味を帯びた生々しい話しはどうゆうことだじぇ」
京太郎「落ちけつ優希」
まこ「まずはお前が落ち着け」
和「いま、須賀君事実って……」
京太郎「違うんだ和!これは別の世界線の話で」
咲「京ちゃん」クルクル
京太郎「咲、待ってくれ!これは誤解なんだ!」
咲「京ちゃんはエッチだなあ」グルグル
京太郎「咲……、お前の右腕なんか回転してね?」
咲「エッチな京ちゃんはロッカーの中で何しちゃったんだろうね?」ギュルギュル
京太郎「いやいやいや、絶対回転してきてるって!心なしか音も激しくなってきてるし!!」
咲「わたしに教えてよー京ちゃん」ニコッ ギュオーンギュオーン
京太郎「(このままじゃヤバイっ)咲……よく聞いてくれ。部長が言ってたあれは嘘なんだ、作り話なんだ、だから俺が女の子と一緒にロッカーに入った事実なんてない。つまり、ロッカーの件はさっきのと同じく部長の冗談なんだ」
咲「ほんとう?」くるくる
京太郎「あぁ!そうだ!(回転が遅くなっていく)」
咲「ひどいですよー、部長冗談だったんですか?」
京太郎(今だけでいい、部長……空気を読んでください)
久「えっ?事実だけど(そういう物があるのは)」
京太郎「あんたって人はーーーーーーーーーーー!!!!!」
久「言ったでしょ須賀君……」
久「私Sなのよ!」ドヤッ
京太郎「くっ(殴りたいこのドヤ顔……)」
咲「京ちゃん……、なんで嘘ついたの?」ギュオーンギュオーン
京太郎「咲!」
咲「嫌っ!もう聞きたくない!!」ギャレオンギャレオン
京太郎(あっ!これもう助からないわ)
咲「京ちゃんの」バリバリバリ
京太郎「なんか帯電し始めてるぞ!お前の右腕!!」
咲「ばかぁーーーーーーー!!」ドゴォーーーーン
京太郎「8100オール!!!!!!」バタンキュー
優希「親倍だじぇ」
まこ「なぜか一本場ついとるのお」
和「どんな手だったんでしょうか?」
久「あらら、さすがにやりすぎちゃったかしらね」
まこ「からかうのも、ほどほどにしておかないと京太郎の身がもたんぞ」
久「わかっちゃいるんだけどねぇ……。咲の誤解も解かないとね」
説明中
咲「そうだったんですか……」
久「ごめんね、咲のリアクションが面白くてつい羽目を外しすぎちゃったわ」
咲「いえ、それで京ちゃんは大丈夫なんですか!?わたし京ちゃんに酷いことしちゃって」
久「それなら大丈夫よ。気を失ってはいるけど幸い怪我とかはしてないわ」
咲「よかった…。でも、京ちゃんに酷いことしたのは事実だし京ちゃん許してくれるかなあ……」
優希「京太郎ならきっと許してくれるじぇ!」
和「そうですよ宮永さん、須賀君は優しい人ですからきっと許してくれますよ」
まこ「それに責任の大半は部長にあるしのー」
久「うぐっ、反省してるわよ……」
久「それより、あなた達は早く帰りなさい。もう外も真っ暗になってるわよ」
まこ「あなた達はって、部長はどうするつもりなんじゃ?」
久「須賀君が目を覚ますまでここで待ってるわ。もともと私のせいでこんなことになったんだもの、これ位のことはさせてもらうわ」
咲「それならわたしも!」
久「だめよ」
咲「どうしてですか!?」
久「理由は二つあるわ。一つはこれ以上遅くなってしまうと心配してる親御さんに申し訳が立たないとうこと、もう一つはもし教員が見回りに来ても学生議会長である私は色々と言い訳できるけど、咲はそういう訳にもいかないからよ」
久「だから今日は諦めて明日謝りなさい」
和「宮永さん、須賀君が心配なのはわかりますが幸い怪我もないわけですしすぐに目を覚ましますよ。ここは部長の言うとおりにして、明日謝るのが一番いいと思いますよ」
咲「……そうだね原村さん。わかりました、明日謝ることにします。でも部長、京ちゃんが目を覚ましたらわたしにメールください。やっぱり心配なんで……、お願いします!」
久「ええ、お安いご用よ」
優希「それじゃあ、のどちゃんが襲われないように帰るとするかだじぇ」
咲「それでは部長、京ちゃんのことよろしくお願いします。失礼します」
和「失礼します」
まこ「またのー部長」
バタン
久「ふぅ……」
久「ついついやりすぎちゃう。悪い癖ね……」
久「ごめんなさいね、須賀君」
久「うーん、それにしても須賀君が起きるまで何してようかしら」
久「読書でもしようかしら」
久「!」
コソコソ
久(こんな機会じゃないと須賀君の顔をじっと見る機会なんてないし)
久(須賀君が起きるまできれいなお顔を観察してましょうかね)ニヤリ
久(それでは失礼して)
久(ふぅ、やっぱり須賀君ってイケメンよね。ちょっとチャライけど顔立ちはきれいだし)
久(睫毛長いし)
久(肌もきれいだし、お手入れとかしているのかしら?)
久(……実に妬ましいわね)
久(ふふふ、唇の皮がめくれちゃってるわよ)
久(本当、黙ってればかっこいいのに)
久(その気になってちょっと頑張れば、彼女なんてすぐに出来ると思うわ。がんばれ!須賀君)クスクス
久(彼女ねぇ)
久(……)
久(須賀君の彼女ねぇ……、誰がお似合いかしら)
久(やっぱり幼馴染の咲が一番お似合いかしら?)
久(あんまり派手なデートとかはしないでお互いの家を行き来するような家族ぐるみの付き合いが似合いそうね)
久(だけどしっかり咲の尻に敷かれてる。そんな感じがするわ)クスクス
久(和はどうかしら?)
久(……………………)
久(全く思い浮かばないわ)
久(須賀君には悪いけど和と付き合うことになってもあんまり上手くいきそうにないわね)
久(優希は言わずもがなね。きっと毎日が楽しく過ごせると思うわ!(主に優希が))
久(須賀君がなけなしのお小遣いをはたいて栄養ドリンクを買う姿が目に浮かぶわ……)
久(まこはどうかしら?)
久(うん)
久(いいと思うわよ!以上)
久(結論としては、やっぱり幼馴染の咲が一番相性よさそうね。次点で優希かしら?)
久(…………)
久(ふぅ……)
久(私が頭の悪い女の子だったらよかったのに)
久(どうして気づいちゃうかなあ……)
久(こうやって、自分を除いて考えようとしてたのが何よりの証拠よね……)
久(意識してるのバレバレじゃない)
久(はぁ)
久(恨むわよ須賀君)
久「イケメンになびくような女じゃないつもりだったのになー」
久「咲や優希も絶対須賀君に好意を持ってるわよね……」
わざわざ声に出して言うことじゃない。そんなことはわかっていた
久「だいたいなんでよりによって須賀君なのよ!顔がいい男なんて他にもいくらでもいるじゃない!」
顔だけじゃない。そんなことはわかっていた
久「須賀君なんてただのチャラ男よ。なんでそんな男好きになったの!?」
須賀君がもし起きてたら聞かれてしまう。そんなことわかっていた
久「だいたい私は本当に須賀君のこと好きなの?勘違いっていう場合もあるはずでしょ」
虚勢を張って自我を保とうと必死になっている。そんなことわかっていた
久「嫌いよ……、須賀君なんて」
口に出してしまった言葉が怖かった。本当に須賀君のことが嫌いになってしまいそうで怖かった。
久「今のは嘘よ」
だから
久「私は」
私は
久「須賀君のことが好き」
須賀君のことが好きだ。そう自覚できた。そんなことはとっくにわかっていたけど
久(結局認めたくなかっただけなのよね)
久(普段大人ぶってるけど、私もまだまだ子供ね)
久(好意を自覚してるであろう咲たちの方がよっぽど大人だわ)
久(はぁ、自己嫌悪だわ)
久(須賀君まだ寝てるかしら)
久(今の聞かれたなら聞かれたで別にいいけど(どうせ面と向かって告白なんてできないし))
久(なんだ、まだ寝てるのね)
久(乙女の情けない告白を聞かれなくてよかったと思うべきか、タイミングを逃して残念と思うべきか)
久(……よかったと思っときましょう。そうでなきゃやってられないわ)
久(そういえば須賀君、ただ寝てるだけみたいだし起こしても大丈夫みたいね)
久(………………)
久(こんな時間まで付きっきりで看病してあげたんだから、報酬はあってしかるべきよね)
久(そうよ!いくら私のせいでこんな状況になってしまったことを差し引いても報酬はあってしかるべきのはずよ!間違いないわ!!)
久(………………)
久(それじゃあ、報酬として何を頂こうかしら)
久(お金とかはさすがにゲスイからなしとして)
久(うーんどうせなら、この状況でしかできないことがいいわね)
久(閃いたわ!この状況のお約束として、寝ている異性にチューしようとし、いざチューしようとしたら抜群のタイミングで寝ていた人が目を覚ますっていうあれをやってみましょう!)
久(須賀君が目を開けてくれたら成功で須賀君が目を瞑ったままなら罰ゲーム!いいわね面白そう)
久「それでは」コホン
久「須賀君起きてー」ゆさゆさ
久(起きるなよー)
久「もう!早く起きてよ」ゆさゆさ
久(起きるな!絶対起きるな!)
久「むぅ、起きないとチューしちゃうぞー」
久(相変わらずかっこいいわね、この男は)
久「須賀君、まだ寝てるの?」ゆさゆさ
久(ごめん咲、優希、私……もぅ)
久「……本当にチューしちゃうわよ?」ゆさゆさ
久(須賀君は私のものよ)キリッ
久「……須賀君が悪いんだからね」ハァハァ
久(近くだと須賀君の匂いがするな……いい匂い)クンカクンカ
久「それじゃあ、失礼して」ハァハァ
久(首筋にキスマーク付けちゃおうかしら)スーハー
京太郎「……部長何やってるんです?」
久「……」
久(オワタ)
京太郎「あのぉ、なんで俺の身体の上に部長が馬乗りになってるんですか?状況が全然分かんないんd「chu」…………えっ?」
久「こういうことよ」
京太郎「」
久「私は須賀君のことが好き。だからキスしたくて寝込みを襲ったのよ」
京太郎「いや、え?部長が俺のことが好き?それに後半は、そんなあけっぴろげに言う内容じゃないでしょ!?」
久「むらむらしてやった反省はしている」
京太郎「あれ、なんでだろう反省しているはずなのに印象は最悪になった」
久「そうよ。こんな女でドン引きしたでしょう。ごめんなさい」
京太郎「はい。ドン引きしました」
久「ドン引きしたんだ……」
京太郎「あっ!でもほら、いい意味でのドン引きですから!!」
久「須賀君て、おそろしくフォロー下手ね」
京太郎「はい、すいません……」
久「謝らなくていいのよ須賀君。私はそんなあなたを好きになったんだから」
京太郎「部長……」
久「ふふふ」
京太郎「いい感じの雰囲気を作って、俺の寝込みを襲った話を逸らそうとしていませんか」
久「そそそそんなことないわよよよぉ」
京太郎「物凄く動揺した!?」
久「ふぅ、冗談はこれくらいにして改めて謝罪するわ須賀君ごめんなさい」
京太郎「正直に話してくれましたし許しますけど……」
久「許してくれるの?やっぱり優しいのね、須賀君」
京太郎「まあ、さっきされたキスだって嫌な気はしませんでしたし」
久「あら?これって、私脈ありと思っていいのかしら」
京太郎「部長は綺麗ですし、キスされたら俺を含めて大抵の男は喜ぶと思います」
久「ありがとう。須賀君、私とってもうれしいわ!」ニコッ
京太郎「かわいいいいいいいいいいいい」
久「そうだ!須賀君、告白の返事のことなんだけど」
京太郎「はい」
久「明日の放課後まで待ってもらえないかしら」
京太郎「それは別にいいですけど……なんでですか?」
久「抜け駆けはいけないでしょ」
京太郎「はぁ?そうですね」
久「という訳で、今日はもう帰りましょうか」
京太郎「そうだ!今何時って……、もうこんな時間!?あれ?そういえば俺なんで寝てたんだっけ……」
久(咲にメールしとかないと)ピロリン
久「須賀君もう部室閉めるわよ」
京太郎「あっ、はい(まあいいか、いいことあったし結果オーライだ)それじゃあ、部長帰りましょうか」
久「こんな時間まで待っていてあげたんだから、私の家までエスコートしてくれるんでしょ須賀君?」
京太郎「そりゃあこんな真っ暗の中、女性を一人で帰らせるなんてことできませんよ。お供します」
久「京ちゃんマジ紳士」
京太郎「茶化すなら、帰りますよ」
久「ごめんごめん須賀君といるとついつい、いじりたくなっちゃうのよ」
京太郎「どうせ俺はいじられ気質ですよ……」
久「違うわよ、そんな理由じゃないわ」
京太郎「ではなんでですか?」
久「好きな子を見るといじめたくなっちゃう。そういうことよ」
おわり
やっぱりこんなもんじゃ少ないんだな
次はもっと書き溜めてから投下します
翌日の放課後
京太郎「昨日、あんなことがあったから部長と顔を合わせづらい」
京太郎「あっけらかんとした部長のことだ、きっとすでにみんなに公表しているよな……」
京太郎「はぁ、今から盛大にいじられるとなると気が重いな」
京太郎「今日は部活休もうかな……」
京太郎「いやいやいや、それはいかん!こういうことはちゃんとしなきゃ駄目だ」
京太郎「覚悟を決めろ!須賀京太郎、進む道は修羅道なれどここで背を見せれば男が廃る!」
京太郎「いざゆかん」
バタン
京太郎「たのもー!」
優希「遅いじょー犬ー」
和「もうとっくに部活始まってますよ」
まこ「堂々と遅刻するとはいい御身分じゃのー京太郎」
咲「京ちゃん!」
京太郎「すいません、掃除当番で遅れちゃいました」
まこ「なんじゃ、そういう事情があるなら仕方ないの」
優希「犬のことだから、遅刻の言い訳のための嘘かも知れないじょ」
京太郎「そんな嘘つかないっつーの!クラスの中でせっせと机運んでたわ」
咲「そういえば京ちゃん掃除当番だったね、ごめんね、忘れちゃってたよ」
京太郎「いや、こればっかりはしょうがねぇよ。普通他人の掃除当番の日程なんて覚えてるわけないもんな。咲に伝え忘れた俺の落ち度だ」
和「今度から気をつければ問題ないですよ。そうですよね部長!」
久「そうねぇ、事前に連絡がない状況で掃除が長引いてしまったら無断欠席と捉えられてもおかしくないのよ。そういう事態を防ぐために連絡はしっかりしましょうね須賀君」
京太郎「はい!以後気をつけます」
久「うん、いい返事」
咲(自称京ちゃん検定、段位持ちのわたしにとって掃除当番なんて知ってて当然のことなのに……もっと精進しなきゃ)
久「それじゃあ、さっきの続きから再開しましょう。咲、和、まこは卓に戻って」
久「須賀君と優希はひとまず見学、もしくはネット麻雀をやっててもいいけど、どうする?」
京太郎「俺は皆のを見学してます。人が打ってるのを見るのも勉強になりますし」
優希「じゃあ、優希ちゃんは犬をじーっくりみてるじぇ!」
京太郎「……それなんの意味もないだろ」
優希「犬の一挙手一投足を事細かに実況し解説を交えて紹介していく番組だじぇ」
京太郎「そんな番組があってたまるか!!そういうのいいからお前も一緒に見学するぞ」
優希「しょうがないじぇ、飼い犬がキャンキャンうるさいから飼い主様が一緒にいてやるじぇ。感謝するんだじぇーいぬー」
京太郎「はいはい、ありがとうございます」
優希「そうだじぇ!見学する前にタコスを買いに行くじょ!付き合え犬」
京太郎「へいへい、わかりましたー。お供しますよー」
優希「というわけで、行ってくるじょ部長」
久「わかったわ、行ってらっしゃい」
京太郎「はい、行ってきまーす(感じからすると、どうやら部長は昨日のことを皆に言ってないみたいだな……)」
バタン
和「須賀君、優希の扱い方上手になりましたねー」
まこ「優希の言うことに従っても、たずなはしっかり握ってコントロールしているそんな感じかの」
久「あら、そうかしら。もしかしたら、犬根性が身に着いてしまって優希をご主人さまと認識してるのかもしれないわよ」ニヤニヤ
咲「そんなことないですよ部長!京ちゃんは意外と要領いいから、日々の経験の中で優希ちゃんの気持ちを酌みつつ自分の要求も通す。そいうことができるようになっただけですよ」
久「あはは、冗談よ。咲の言う通りだってことは、あの二人を見てたらわかるから心配しないで」
まこ「部長の言うことは無駄に説得力があるから怖い」
和「そうですね……少し考えればそんなことはありえないということがわかるんですけど、それをさせない力がありますね」
まこ「詐欺師のそれと同じじゃな」
和「そうですね」
久「ちょっと二人とも失礼なことを言わないでちょうだい。詐欺師みたいって……、もっと別の言い方があるでしょう」
まこ「部長は嘘つくのが上手い」
久「……なんか余計酷くなった気がする」
和「気のせいではないです。シンプルになったせいで余計酷くなりました部長」
久「はぁ、もうそれでいいわ。いちいち突っ込むのもめんどくさいし」
まこ「えぇー、もっとノってきてくれてもええじゃろー部長」
和「いけずですー部長」
久「あんた達キャラのブレが酷いわよ。特に和」
まこ「京太郎だったらもっとノってきてくれるのにのー」
久「わたしに須賀君ばりの返しを求められても困るわよ」
和「それはそうと、最近の須賀君は優希を甘やかしすぎだと思いませんか?」
まこ「確かにのぉ。もしかして犬根性としてじゃなく、龍門渕の執事みたいに半ば忠義として優希に仕えてるのかもしれないのー」ニヤニヤ
咲「そんなことありえないですって!」ムゥ
久「須賀君が義理立てしようと思うような高尚な行為を優希がするわけないでしょ……」
咲「ですよねー!部長、京ちゃんに限ってそんなことありえませんよね」
久「」ニヤリ
久「そうね、須賀君が優希をご主人様として思っているのかもしれない、そんなことはあり得ないわよ」
久「でもね咲、もしかしたら優希と須賀君が特別な関係になるかもしれない、そういう可能性があることも事実なのよ」
咲「どういうことですか!?」
久「えっとね、優希が須賀君にちょっかいをかけては我儘を言って言うことを聞かせているのは知ってるわよね?」
咲「二人が毎日の様にやってるやり取りですから、もちろん知っていますけど……」
久「実はそれが問題の焦点でね。男女共通の異性に惚れる条件の一つとして、「こいつには自分が付いてないとだめだ」と思うというものがあるのを、咲は知っているかしら?」
咲「はい、雑誌とかにもよく載っている内容のものですし、もちろん知っていますけど、それが関係あるんですか?」
久「そうよ。先に結論を言ってしまうとね、二人がこのような関係を今後も続けていくようなら、須賀君が優希に惚れてしまう可能性があるのよ」
咲「ばかばかばかしいです。SOA!SOA!」
和「……」
まこ「動揺して口からでてしまった言葉じゃ、気にせんでいいじゃろ」
久「咲、落ち着いて今の優希と須賀君の状況をもう一度よく考えてみなさい。日頃から男の子に対してお願いばっかりしているの女の子と、愛想を尽かせず女の子のお願いをきいてあげてる男の子。こういう言い方にしたらわかるんじゃないかしら?」
咲「……!!」
久「気づいたようね」ニヤニヤ
咲「でもでも、京ちゃんに限ってそんなこと……」
久「あの人だけは大丈夫だなんてーうっかり信じたらだめ!」
まこ「だめ!」
和「だめ!」
久・まこ・和「だーめだめよ!」
咲「S O S」
まこ・和「パンパン!」ヒューヒュー
久「みんなノリいいなって……、いったい歳いくつなのよあんた達」
まこ「わしは、カメレオン・アーミーが一番好きだったのお」
和「ジパング以外ありえません!」
咲「ペッパー警部が可愛くて好きです」
久「だからなんで知ってるのよあんた達は!今時のJKがピンクレディの曲で盛り上がるってるこの状況おかしいと思わないの!?」
まこ「別に、知ってたって問題ないじゃろ。誰かに迷惑かけてる訳でもあるまいし、それでそういう部長は何が好きなんじゃ?」
久「……世界英雄史よ」
まこ・和・咲「「「渋ッ!!!」」」
久「ふぅ、落ちもついたし話を戻すわよー」
まこ「まてまてまてー。世界英雄史のインパクトが強すぎてそんな簡単に頭切り替わらんわ」
和「冗談ですよね部長!?仮に本当なら多分、部長しかいませんよ!世界英雄史好きの女子高生なんて」
咲「いい曲なんですけどね……でも、それこそ今時の女子高生の会話には絶対出てこないですよ」
久「もういつまでその話題続けるのよ。それはもう終わった話題だからいいでしょ!咲ー、話を戻すわよ」
咲「は、はい!わかりました」
まこ「うぐぅ、なんじゃこの得も言われぬ感情わーー!!」
和「なんか……、すごくモヤモヤします」
まこ「マネマンされた時のどうしようもないあの感じに似てるわ」
和「やるせないです……」
久「二人ともうるさいわよ!!」
まこ・和「ぐぬぬ」
久「咲もさっき気付いたと思うけど、多分その解釈であってるわ。だけど念のために一応解説しておくと」
久「私は、須賀君が日頃から優希ちゃんの言うことをきき続けてる間に、こいつは俺がいないと駄目だ。と思う様になってしまう可能性があると言っているのよ」
まこ・和「あるある」
咲「いやねぇよ」
久「そんなきっぱりと言い切れるかしら?」
咲「お言葉ですが、あえて先ほど部長がおっしゃっていた意見を真っ向から否定させて頂きます。全地球上の男性の99%が当てはまろうと京ちゃんだけは絶対に当てはまることはありえません」
久「へー、その心は?」
咲「だって京ちゃん鈍感ですし」
まこ・和「そうだった!」
咲「おそらく自分の恋心すら自覚できないと思います」
久「学生議会長の私を論破するなんてやるじゃない(咲や優希からあれだけあからさまな好意を向けられてるのに、全く動じてないてことが何よりの証拠よねー)」
咲「京ちゃんの鈍感さは折り紙つきです。とある少女はその鈍感さの被害にあってしまい東京に引っ越してしまったなんて事実があるくらいですから……」
まこ「京太郎本人に悪気がないと分かっているんじゃがこれはあまりに酷いの……。実害が出ている以上対策の一つでも立てて京太郎に気をつけるよう言ってやらんと」
久「余計なことはしなくていいわ」
咲「そうです!京ちゃんには日頃からわたしが言って聞かせてるので安心してください」
和「須賀君に日頃から言って聞かせてる割には全然治っていませんよね」
咲「うっ、それは……」
まこ「咲、今度はわしが先輩としてガツンと言って京太郎の鈍感をなおしてみせるから安心せぇ」
久「それは駄目よ、まこ」
まこ「なんでじゃ部長?さすがに京太郎も先輩から注意したら自分の鈍感さを見直すじゃろ?」
久「説明が必要みたいだから言っておくけど、鈍感さの改善には他人からの働きかけはあまり効果を持たないの」
久「人がせっかく注意をしても須賀君自身身に覚えがないのだから、その注意はのれんに腕押し状態になってしまう可能性が高いの。だから鈍感さを改善するためには須賀君自身がで色んなことを経験して、自分自身で問題に気づき解決していくのが一番良い方法なのよ」
和「へー、そうなんですか。さすが部長物知りですね」
まこ「そうなんかー、鈍感っていう曖昧な基準にも、きちんとした対処法があるんじゃの。勉強になったわ部長」
久「……まぁね」
咲(GJです部長)
ガラガラガラ
優希「今戻ったじょー」
京太郎「ただいま戻りました」
久「おかえりなさい。二人とも」
優希「なんだ、みんなまだ打ってなかったのかだじぇ?」
京太郎「あれ、ほんとだ。もしかして俺と優希のこと待っててくれてたんですか?だとしたら申し訳ありません。結構な時間お待たせしてしまって」
久「イケメンで」
まこ「気遣いできて」
和「腰が低い」
咲「今宵そなたが鳴かすわ誰ぞ」
京太郎「短歌!?どうしたんですかいきなり!!」
久「いいの須賀君あなたは今のままでいてくれたら……」
咲「京ちゃん気にしないで……わたし頑張るから!!」
京太郎「いやいやいや、なんなのこの空気。俺と優希が完璧置いてけぼりなんだけど」
まこ「京太郎、わしからお前に言ってやれることは何一つのない……。しかしな、わしらはみんなお前の味方じゃ!これだけは覚えといてくれ……、頼りない先輩でスマン京太郎」
京太郎「えっ、なんですかこれ!?俺これから戦争にでも行くんです?なんでみんな俺のことをそんな悲しそうな目で俺のこと見てるんですか!?」
和「須賀君気をつけてくださいね(自分の鈍感さに)……。そのせいで不幸になった人がたくさんいるんですから……」
京太郎「マジで!?俺マジで戦争行く感じなの!?」
和「茶化さないで真面目に聴いてください!」
京太郎「えっ、あ、はい」
咲「原村さん落ちついて…」
和「でも、被害にあった人たちのことを考えるとわたし……」グス
京太郎(マジかよ……。やばいこれ……本当に戦争が起こるみたいだ……)
和「須賀君詳しいことは言えませんが、どうか気をつけてください」グス
京太郎「……わかった」コクリ
久「それじゃあ、みんな揃ったし東一局始めるわよー」
まこ「最初の親だけはさっき決めていたから咲が親で始めじゃ」
京太郎「……て!ちょっと待てーい!!おかしいでしょー!そんなのんきに麻雀打ってる場合じゃないでしょ!?今日のところは早く家に帰った方がいいでっすって!」
久「須賀君どうしたのよいきなり大声出してビックリするじゃない」
京太郎「これから戦争が始まるっていうのに、悠長に麻雀やろうとしたら、そら大声も出しますよ!」
まこ「戦争って……、えらい物騒じゃのぉ……」
久「須賀君、冗談にしては面白くないわね」
京太郎「こんな性質の悪い冗談言う訳ないでしょう!!さっきの俺と和の会話聞いてなかったんですか?」
まこ「そりゃあ、バッチリ聞いていたけどのお」
久「それが戦争とどう絡んでくるのかしら、須賀君?」
ワーワーギャーギャー
優希「ねぇねぇ、咲ちゃんさっき馬鹿犬とのどちゃんが話していた内容ってなんだっけ?」
咲「京ちゃんの鈍感さが原因で被害を被る女の子がたくさんいるって話だけど、部長が鈍感な人に自身が鈍感だと伝えるのはよくないって教わったから、京ちゃんにそのことが伝わらないようにし話してたんじゃないかな?」
優希「ふ~ん、なるほどなーだじぇ!」ピコーン
優希「わたしも京太郎と一緒にしばらく部室出てたから、京太郎ほどじゃないにしても、皆が何を言っているのか意味不明だったじぇー」
優希「それにしてもこいつは傑作でじぇ」ゲラゲラゲラ
咲「何か分かったのなら、これ以上変な空気になる前に教えてよ優希ちゃん」
優希「そうするじぇー!みんな話を聞いてほしいじょー!!馬鹿犬は一回廊下で待っててくれだじょ」
京太郎「なんでだよ?」
優希「ちょっと乙女が聞かれたら恥ずかしい話になるじぇ」
京太郎「……なんか腑に落ちないけど分かったよ。しばらく外にいる、話が終わったら呼んでくれ」
ガチャリ
優希「むぅ、最近の犬はやけに聞き分けがいいじょ」
和「クスッ、張り合いがなくてつまらないですか優希?」
優希「そ、そんなことないじょ!あいつもやっと犬としての自覚が出てきて飼い主としては嬉しい限りだじぇ!」
久「面白そうな話だけど、今のところはその話は置いておいて本題に入りましょう。優希どういうことかしら?」
優希「了解だじぇ!」
優希「カクカクシカジカ」
久「須賀君ー!戻ってきてもいいわよー」
ガチャリ
京太郎「失礼しまーす」
和「ごめんなさい須賀君…、私の言い方が悪かったみたいで誤解させちゃいました……」
京太郎「誤解?」
和「はい、安心してください須賀君は戦争に行ったりなんてしませんから」
京太郎「へっ?じゃあ、さっきの話はなんだったんだ?」
和「言えません」
京太郎「なんで!?」
咲「それについては、原村さんの口から答えを聞いても意味ないの。京ちゃん自身が考えて気付かないと意味がないんだよ」
京太郎「和の口から聞いたら意味がない……。俺自身が気付かないと意味がない……」
まこ「少しヒントをやると、京太郎はもう少し自信を持っていいと思うぞ」
京太郎「……自信ですか?」
和「そうですよ、そしていつか気付いてくださいね」
京太郎「…………」
京太郎「!」
京太郎(まさか)
京太郎(でも、そんなことありえるのか?)
京太郎(いや、しかし……他に考えられん)
京太郎(まさか、和が俺のことを好きだったなんて)
京太郎(和の口から聞いても意味はない、俺自身が気付かないとだめ……、これはおそらく、乙女な和のことだから自分から告白するより相手からロマンチックに告白されることを望んでいるはず……、だから俺が和の気持ちを酌んだ上で告白を行えということに間違いないだろう……)
京太郎(ただしこれだけでは単なるこじつけであることも事実だ。そこで生きてくるのが、染谷先輩のヒントだ)
京太郎(俺にもう少し自信を持てとのこと。これは、アニメ・漫画などで用いられる鈍感なキャラへ必死にアピールしているキャラへの粋な手助けとして、主に一線引いた位置にいる双方の友人キャラが使うことが多い、いわばテンプレの台詞である)
京太郎(それをこの場で用いたということは、つまりそういうことででしょう染谷先輩。ただ染谷先輩が誤算だったのは、俺自身が鈍感キャラでは無く、鋭い切れ者だったことだ……。おかげでこんな大変な事実を知ってしまいましたよ)フッ
京太郎(そして極めつけは愁いを帯びた表情で俯く和とその台詞、いじらしい乙女心に違いない!)ムフフ
京太郎(ここまで材料があったら確定してもいいだろう)
京太郎(だとしたら、内心不安がっているであろう和に俺は何をしてあげられるのだろうか?)
京太郎(皆がいる手前、露骨に態度に出すのはまずい)
京太郎(それに部長とのこともあるしな)
京太郎(だからここはアイコンタクトで分かっているから心配しなくていいと言うことだけを伝えよう)
京太郎「和!」ニコッ
和「なんですか!にやけ面でこちらを見ないでください、不快です。死にます」
京太郎「えー……」
部活開始
久「もうすぐ期末ねぇ」ぱち
咲「そうですねー」ぱち
まこ「もうそんな時期かー。はやいもんじゃな」
和「そうですね、でも、だからと言っていつもとやることが変わると言ったわけではないんですが、気持ちの持ち様はやはりいつもと変わってきますよね」ぱち
久「まー今回もなんとかなるでしょうね、私のことだし」ぱち
咲「部長は毎回テストの結果上位じゃないですかー」ぱち
まこ「そういう咲だって現国で満点を取るような猛者じゃからのー」ぱち
和「染谷先輩だって暗記系科目は満点ですよね」ぱち
久「和は和で数学満点でしょうに、本当、うちの部は学業優秀で素晴らしいわね」ぱち
和「それポンです」ぱち
優希「……犬」
京太郎「なにも言うな……」
久「お腹が空いたわ……」ぱち
咲「そうですね」ぱち
まこ「帰り何か食べて帰るかの」ぱち
優希「タコス安定だじぇ!」
和「優希たまには違う物を食べたらどうですか。あんまり同じものばっかり食べてたら体壊しちゃいますよ」ぱち
久「とりあえず優希の意見はスルーして、なんか意見はないかしら?」ぱち
優希「ちょ!?」
咲「駅前に新しくできたケーキバイキングのお店はどうですか?」ぱち
まこ「おー、よさそうじゃのー。わしは賛成じゃ」ぱち
和「私も特に問題ありません」ぱち
久「須賀君も、もちろん来るのよ」
京太郎「男子学生がケーキバイキング……、敷居高いな……」
久「確かそこのバイキングに物凄く可愛いバイトの子がいるみたいな話しが」京太郎「お供します」
久「じゃあ、そこで決定でいいかしら?」ぱち
咲「はい」ぱち
まこ「はいよー」ぱち
和「分かりました」ぱち
優希「了解だじぇ」
久「そういえば昨日皆が帰った後に、私須賀君に告白しちゃったんだよねー」パチ
咲「へー、そうなんですかー」ぱち
まこ「部長も大胆じゃなー」ぱち
和「あ、それチーです。部長を落とすなんて須賀君もやりますねー」ぱち
久「自分が面食いだなんて自覚はなかったのにねえ」ぱち
咲「ははは、でも京ちゃんは性格もいいですから」ぱち
まこ「まあ、優良物件じゃろうな」ぱち
和「天然タラシですけどね」ぱち
久「……」ぱち
咲「……」ぱち
まこ「……」ぱち
和「……」ぱち
京太郎「あ、俺トイレ行ってきますね」
優希「……」ガシッ
京太郎「離せ!タコス!!後で何でも言うこと聞いてやる!だかr」咲「京ちゃん、どういうことなの?」
京太郎「ひっ」
咲「私の耳がおかしかったのかなー。さっき部長が京ちゃんに告白したって言ってたような気がするんだけど、そんなことありえないよねー、京ちゃん?」メキッ
京太郎「咲さんどうか落ち着いてください。肩が痛いです。離してください!お願いします!!」
咲「ごめんねー京ちゃん、事情を話してくれるまで手は離せないかな」
まこ「……部長さっきのはお得意の冗談じゃないんか?」
和「説明せずにあのままほっとくと、また須賀君が気絶してしまいますよ……」
久「その件の説明はちゃんとするわよ。それにしてもあなた達いやに冷静ね」
まこ「あの状態の咲を見ていたら冷静にもなるじゃろ」
和「誰かが、物凄く動揺しているのを間近で見ると逆に冷静になりますよねー」
久「咲ー、私がさっきのこと説明してあげるから須賀君を離してあげてー」
咲「部長……」
京太郎「」
優希「……虫の息だじぇ」
咲「京ちゃんに告白したのって本当なんですか……部長?」
久「えぇ。本当よ」
まこ「冗談じゃない……だと……」
和「師匠乙」
優希「なんでだじぇ……、今までそんなそぶり全然なかったのに……」
久「そうね、そうだと思うわ。だって、私が須賀君が好きって気持ちを自覚したのは昨日のことだもの。気づかなくて当然よ」
まこ「昨日自覚した想いをすぐさま京太郎に伝えたって訳か」
和「漢らしいです」
久「そんな格好良いものじゃ無かったけどね……」
咲「……部長は京ちゃんのことが本当に好きなんですか?」
久「当たり前でしょ、好きでもない男に告白するほど私も落ちぶれちゃいないわよ」
咲「なんで」
咲「なんで今さら」
久「咲……」
咲「わたしは!ずっと、ずーーっと京ちゃんが好きだった!!なのに!!」
和「宮永さん落ち着いてください!!」
咲「……部長は知っていますか?京ちゃんの好きな食べ物を」
久「知らないわ」
咲「京ちゃんの得意な教科は」
久「知らないわ」
咲「京ちゃんの好きな有名人は」
久「知らないわ」
咲「部長は京ちゃんのこと何にも知らないんですね」
久「そうかもしれないわね」
咲「そうですよ。部長は京ちゃんのこと何にも知らないんです」
まこ「お、おい咲」
久「いいのよ、まこ」
咲「わたしは京ちゃんのこと、たくさん知っています」にこっ
久「そう…」
咲「はい!だから京ちゃんのことを全然知らない部長は勘違いしているんですよ」
久「……どういうことかしら?」
咲「部長は京ちゃんのこと本当は好きじゃないって言っているんですよ」
久「……どうしてそう思うのかしら。理由を聞かせてくれる咲?」
咲「昨日わたし達が帰った後、部長は京ちゃんに告白したんですよね?」
久「えぇ、その通りよ」
咲「昨日、わたしは部長に京ちゃんが目を覚ましたらメールを下さいとお願いしました」
咲「部長から京ちゃんが目を覚ましたというメールが届いたのはわたし達が、部室を離れてから1時間半後でした」
咲「多少前後するかもしませんが、京ちゃんが起きるまでの時間、部長は気絶している京ちゃんと二人きりでした」
咲「寝ている京ちゃんと二人きりというシュチュエーション、好奇心の強い部長のことです、いい機会ですし京ちゃんの顔をじっくり見てやろうと思っても不思議じゃありません」
咲「知っての通り京ちゃんは黙っていればそこらのアイドルに引けを取らないくらいイケメンです。そんな京ちゃんの顔をじっくり見ていればドキドキもするでしょう」
咲「わたしがそのシュチュエーションに遭遇したら、おそらく自制が利かず京ちゃんを襲ってしまうかもしれません」
和「お、襲うって……」
まこ「……恥ずかしいやっちゃのー」
咲「あははは、冗談ですよ京ちゃんのことは大好きですけど、そんな痴女みたいな真似はできませんよ」
久「」
久「そ、それで咲は何を言いたいのかしら、はっきり言ってちょうだい」
咲「部長は京ちゃんと二人っきりというシュチュエーションが作用した結果、その場で恋愛感情に似た感情、具体的にいえばアイドルグループに盲目的に入れ込んでいる人達と同様な感情を持ってしまったため勘違いしてしまったんですよ!」
久「乱暴だけど理論としての筋はちゃんと通っているわね」
咲「早く勘違いに気付いてよかったですね、部長!!ですから京ちゃんへの告白を取り下げましょうよ。今なら京ちゃんも許してくれますから」にこにこ
優希「……」
久「須賀君なら許してれるかもしれないわね」
咲「はい!京ちゃんは優しいですから笑って許してくれますよ!なんなら、わたしも一緒に謝りますから」にこにこ
久「そうね須賀君はきっと許してくれるわ」
咲「なら」
久「でも、私が許せない」
咲「え」
久「須賀君のことが好きだって言うこの気持ちが嘘だなんて、私は思わない!思う訳がない!!」
咲「……」
久「咲、あなたはさっき私にこう言ったわよね?須賀君のこと何にも知らないって」
咲「……事実です」
久「そうね、事実だわ」
久「でも私は今の所はそれでも良いと思っているの」
咲「……どういうことですか」
久「さっき咲が須賀君のことなら、たくさん知っていると言っていたわよね、正直、この話をしている時の咲はすっごく憎たらしかったわ……」
咲「……」
久「でもそれ以上に咲が羨ましかったの」
久「知ってる咲?あなたが須賀君のことをたくさん知っていると言ってた時の表情、すごくいい笑顔だったのよ」
久「今まで怖いぐらい無表情で話していて、内心色んな負の感情でいっぱいだったはず、そんなあなたが一瞬だけいつもの可愛らしい宮永咲に戻ったのよ。これって凄いことだと思わない?」
久「大好きな須賀君のことを考えるだけで、今までの嫌な感情をすべて吹っ飛ばして笑顔にしてくれる。咲にとって須賀君はそういう人なんだって」
久「それを見て私は咲が羨ましくなった。それと同時に須賀君をもっと好きになろうと思ったの」
咲「……」
久「今の私は須賀君のことを何も知らない、だけど須賀君と一緒にいて、須賀君を知ることはきっと良いものだって、咲あなたを見て確信できた」
久「これから時を重ねて、あの時の咲の様に笑えたら……、それはきっと素敵なことだと思うの」
咲「部長……」
久「咲が言った通り、私は本当は須賀君のこと好きじゃないのかもしれない。これは単なる憧れで私がただの面食い女だって可能性もあるわ」
久「だけど、自分の気持ちすら分からないハッキリしない私だからこそ、人を好きになるっていう気持ちを人任にしたくないの」
久「私はこれから全力で須賀君のことを好きになる努力をするつもりよ」
久「私が須賀君を本当に好きじゃなかったら須賀君を好きになる、私が須賀君を好きだったらもっと大好きになる。良いこと尽くめでしょ?」
まこ「そんな強引な……」
和「でしょ?って言われましても……」
咲「そんなのずるいです!!ちゃんと自分の気持ちと向き合って、結論を出してから告白するのが普通ですよ!?」
久「いやよ。そんなのめんどくさい」
咲「えー」
久「それに普通ってのに意味があるのかしら?私が悩んでいる間に他の子に取られてしまう可能性がある以上、即断即決、先手必勝が一番でしょ」
咲「でも、でも!」
優希「いい加減にするじぇ……、咲ちゃん」
咲「……ゆうきちゃん?」
優希「今さら、何を言っても部長の気持ちは変わらないじぇ」
咲「でもわたし……嫌だよ……」ぐすん
和「宮永さん……」
まこ「咲……」
久「……」
優希「甘えんな!」
咲「!」びくっ
和「優希!」
優希「泣くほど悔しいんだろ?なら、なんで行動しなかったんだじぇ」
咲「だって、もし、グスッ、京ちゃんに、振られたら、グス、一緒に入れなくなるかも、ヒグッ、しれないし」えぐっ
咲「そんなの絶対いやだもん!」ぐすっ
優希「咲ちゃんは傷付きたくなかっただけだじょ!だから、居心地の良い今のままの関係で妥協してたんだじょ!」
優希「自分以外の他の誰かが、京太郎と恋仲になる可能性だって理解していたはずだじぇ」
咲「グスッ、エグッ、グスッ、嫌ー、いやっ!!」
優希「雛鳥が口を開けていれば親鳥が餌を運んで来てくれる。そんな関係はありえないんだじぇ!」
優希「ずっと一緒にいれば、いつか自分の気持ちに気づいて京太郎の方から告白してきてくれる。そんなことは、ありえないんだじぇ」ギリッ
優希「自分から行動しなくちゃいけなかった」
優希「でもできなかった」
優希「今の関係を壊す勇気がなかったから」
優希「でも部長は、それができたんだじぇ」
優希「今の関係を失うかもしれないことを理解してなお、一歩進んだんだじぇ」
優希「壊れそうになるくらい京太郎が好きだったのに、行動してこなかった、行動できなかった咲ちゃんが悪いんだじょ……」
和「ゆうき!言いすぎですよ」
咲「……いいの、グスッ、原村さん。きっと、グスッ、優希ちゃんも、辛いはずだから」ひぐっ
優希「咲ちゃんは馬鹿だじぇ!」
優希「でも」
優希「もっと馬鹿なのは私だじぇ」
優希「長い時間、京太郎と一緒にいた咲ちゃんに負けたくなくて、いっぱいアピールしたじぇ」
優希「皆の前でじゃれついたり、京太郎に構って欲しくて意地悪なことを言ったりしたじょ」
優希「咲ちゃんを除いて京太郎と一番仲のいい異性は自分だ、なんて思ってた」
優希「今の関係で満足してた、居心地の良さに甘えてたんだじょ」
優希「さっき咲ちゃんに向けての言葉は全部、自分に跳ね返ってくるんだじょ……」
優希「分かってたのに、ぐすっ、わかってたのにな、ぐすっ」
まこ「優希……」
優希「だから咲ちゃん、私たちは、ぐすっ、ぎょうだろうを、ひっぐ、あきらめなきゃ、だじょ」
咲「グスッ、分かってる!分かってるよ、ヒグッ、でも、ズビッ、頭では理解しているけど、どうしてもダメなの!!」
和「宮永さん……」
優希「私だって諦めたくないじょ、でも!」
久「そんなに須賀君が好きなら今から告白すればいいじゃない」
咲「」ぽかーん
優希「」ぽかーん
咲「へ?」
優希「は?」
久「だから、ここでのびてる須賀君を起こして二人とも告白しなさいて言っているのよ」
まこ「お前さん、自分が何を言っているのか理解しているのか!?」
久「当然でしょ」
和「では、なんで?自分の彼氏に今から告白しろって、そんなオカry」
久「あのねぇ、私は須賀君に告白したとは言ったけど付き合っているなんて一言も言っていないわよ」
優希「まさか、告白したはいいが京太郎に振られたんだじぇ!?」
久「違うわよ……不吉なこと言わないでちょうだい!須賀君に告白の返事を保留にしてもらっているだけよ」
咲「どうして、そのような事を?」
久「フェアじゃないでしょ。ずーと前から須賀君のことが好きな娘が二人もいるのに、その娘達の想いを無視したまま、須賀君と付き合うのは後ろめたさがあるじゃない」ニコッ
咲「部長」うるうる
優希「ありがとうだじぇー」うるうる
久「勘違いしないでよ二人とも。私が敵に手を貸すのはここまでよ。さっきも言ったけど、こっからは全力で須賀君を落としにかかるから」
咲「私も絶対負けません!」
優希「京太郎と一番近い距離感で接している私だじぇ!ゆえに敗北することなどあり得ないじぇ!」
久「それじゃあ須賀君を起こすわよー、心の準備は良い?」
咲「あわわわ、本当に今から告白するんですか……明日じゃダメですか部長?」
優希「そそそそうだじぇ、今日は日が悪いし、明日にしてくれだじぇ部長!」
まこ「怒ったり、泣いたり、焦ったり忙しい奴らじゃのー」
和「この期に及んで、まだへたれますかこの二人は……」
久「別にいいわよー」
咲「ありがとうございます!部長!」
優希「さすが部長、話がわかるじぇ!」
久「いいけど、私、須賀君に告白の返事きいちゃうわよ」
咲「何を言っているんですか、はやく、京ちゃんを起こしましょう。もうこの気持ちは1分1秒止められません」
優希「そうだじぇ、このままじゃ京太郎への熱い思いが暴走して寝ている京太郎をむちゃくちゃにしかねないじょ」
まこ「本当に何なんだこいつら……」
和「優希にいたっては完全にアウトです」
久「そう、じゃあ起こすわねー」
まこ(京太郎の耳元に顔を近づけていったい何をするつもりじゃ)
和「実にラブリーですね」
久「かぷっ」
京太郎「甘がみっ!!!」がばっ
まこ「実にテンプレじゃの」
和「フラグ立てましたからね!二重の意味で」ドヤー
久「おはよう、須賀君ご機嫌いかがかしら?」
京太郎「最高ですって……顔近いすっよ!?なんですかいきなり!!」
久「なんか、咲と優希が君に話があるそうよ」
京太郎「話し?なんだ二人して」
咲「京ちゃん」
優希「京太郎」
「「好きです(だじぇ)」」
京太郎「へっ?」
咲「中学の頃、友達がいなかった私に声を掛けてくれた時から、ずっと好き」
優希「私の我儘をなんだかんだ言いながらも聴いてくれる京太郎が好き」
咲「好きじゃない所なんてないくらい好きなの」
優希「京太郎の声を聞くだけで元気になるんだじぇ」
咲「だから、私とずっと一緒にいて京ちゃん」
優希「京太郎とずっと一緒にいたいじょ」
京太郎「咲、優希……」
久「須賀君、わたしの事も忘れないでちょうだいね」
京太郎「部長……」
久「当然、私も大好きよ須賀君」
京太郎「俺は……」
まこ「3人とも真剣に告白してるんじゃ、お前さんはそれに応えなければいけない、そうじゃろ?」
京太郎「はい」
和「須賀君、皆さんは相当の覚悟の下あなたに告白しました。なら、あなたも相応の覚悟を持って応えてあげてください」
京太郎「あぁ、分かっている……、中途半端な返事なんてしないさ」
京太郎「俺は」
全員「」
京太郎「俺は!」
全員「」ごくり
京太郎「俺は 久「いっけなーーーい、もうこんなじかーん」」
京太郎「へ?」
久「やばいわー!こんな時間まで部活やってたら目つけられちゃうわー」
咲「そ、そうですね!もう、部活の時間だいぶ過ぎちゃってますし!」
優希「ほ、ほんとだじぇ!今日の所は残念だけどお開きにしとくかだじぇ!」
久「そうね、ひじょーに残念だけど今日の所は時間もないし、しょうがないわねー」
まこ「……おい」イラッ
久「何かしら、急いで帰らないと帰りがおそくなっちゃうわよ!まこ」
まこ「いやいやいやありえんじゃろ!?この空気で京太郎の返事を聞かずに帰るとか、それにまだいつもの終了時間を5分過ぎただけじゃ!!」
久「それは、ほら、あれよ!えぇーっと、そうよ!昨日も遅くなっちゃたし、毎日遅いとお家の人が心配するでしょ!」あせあせ
咲「そうです!昨日わたしの家の人めっちゃ心配してました!」あせあせ
和「宮永さん気が動転して、あなたが普段絶対使わないであろう表現を使ってますよ」
咲「そんなことないでやんす」あせあせ
和「無理がありすぎる!?」
優希「それに、京太郎にも考える時間は必要だじぇ」あせあせ
久「そうよ!須賀君だって色々あって混乱してるだろうし、返事は明日に回した方がいいわよ!」
まこ・和「このへたれ達は本当に……」
久「べ、別にへたれたとか、そういうんじゃなくて、須賀君も今より明日の方がいいでしょ?」
京太郎「俺は今からでもぜんぜんいい 久「そうでしょ!明日の方がいいわよね!!」……はい」
まこ(京太郎も苦労するの……)
和(3人には悪いですが、須賀君は3人とも振るっていう選択肢が一番良いんじゃないかという気がしてきました……)
久「それじゃあ、みんな帰るよー!」
咲「はーい」
優希「はーい」
まこ「京太郎頑張れ、超頑張れ」
京太郎「ははは……」
和「明日はきっといいことありますよ!」
京太郎「皮肉を言われた!!」
京太郎(でも、まあ)
久「須賀君また明日ー」にこ
京太郎(なんていうか)
優希「またなーダーリン」にこ
京太郎(あの残念な三人に振り回されるのも)
咲「京ちゃんバイバイ」にこ
京太郎(悪くない)
京太郎「あぁ!また明日!」にこ
京太郎(そう思います)
とりあえず終わり
部長は肝心な時にへたれな方が可愛いと思うの
続きは全くの未定ですが、わかめちゃんの話し方が難しいので清澄はやらないと思います……
更新は早くて2週間、遅くて1ヶ月くらいになると思うので気長に待っていてください
ここはひとつシロにかいがいしく世話を焼く京太郎でお願いします
>>133で書き始めてますのん
エイスリン『(゚Д゚)ノ』
シロ「……」
エイスリン『(゚д゚)』
シロ「……」
エイスリン『(´;ω;`)』
シロ「……なに」
エイスリン『(^_^;)』グー
シロ「……塞」
塞「はいよ」⊃トッポ
エイスリン『(*≧∀≦*)アリガトー』
塞「豊音もいる?」
豊音「ありがとー」
豊音「美味しいよー」モグモグ
胡桃「私も貰うね」
塞「どうぞー」
胡桃「ありがと」ポリポリ
胡桃「そうだ」
胡桃「先生が皆でいると声が大きくなっちゃうから、新幹線の中では気を付けなさいて言ってた」
胡桃「気を付けなきゃ」
エイスリン『(^_^)ノ』ハーイ
豊音「わかったよー」
塞「そうだな、静かに食べようか」
胡桃「よいしょ」
豊音「充電するの?」
胡桃「うん」
胡桃「長野つくまでシロの膝の上にいるー」グテー
シロ「ダルい」
塞(車内で自分の座席を離れシロの膝の上へ座りに行くのもマナー違反だということになぜみんな気づかない)
豊音「二人は仲いいねー」ニコニコ
エイスリン「トヨネ」
豊音「うん?」
エイスリン「」カキカキ
エイスリン『トヨネ(・∀・)人(・∀・)エイスリン ナカマー』ニコニコ
豊音「ふふふ、そうだね」ニコニコ
塞(なごむな)モグモグ
ガタンゴトンシンカンセーン
シロ「……着いた?」
塞「うん。みんな降りるよ」
胡桃「充電完了!今日も頑張るぞ」
エイスリン「ガンバル」
豊音「長野なんてはじめてきたよー」
塞「私もはじめてだ」
胡桃「塞なんかエロい」
塞「なんでだよ!」
豊音「今日の練習試合の相手校て有名なところなんだっけ?」
胡桃「そうだよ。去年はメンバー5人が全員一年生でありながらも、県の団体戦を優勝して全国でも3位という成績を残した強豪校だよ」
塞「去年全国を経験したメンバーは今も健在しているし、全国前の練習相手としてはこれ以上ない相手だろうね」
エイスリン「キョウテキ」ゴクリ
豊音「そんなすごい人達と麻雀できるなんて楽しみだよー」
塞「楽しみねぇ」
胡桃「豊音は大物だよ……本当」
豊音「おっきくないよ!」
塞「いや、そうじゃなくて」
豊音「?」
胡桃「肝が据わってるてことよ」
豊音「なるほどー」
エイスリン『┐('〜`;)┌ヤレヤレレダゼー』
豊音「ふふふ」ニコニコ
豊音「でもすごいなー。そんな強いところが今回の練習試合を承諾してくれるなんて、インターハイ前で調整が大変な時期なのによくOKしてくれたねー」
塞「龍門渕はインターハイに出れないぞ」
豊音「え」
塞「今年は決勝で敗れたらしい、だから私たちとの練習試合も受け入れてくれたんだ」
胡桃「僅差だったらしいけどね」
エイスリン「ドガカタノ?」
塞「清澄高校だそうだ」
豊音「どこかで聞いたようなー無いようなーだよ」
胡桃「去年、一昨年と人数不足で試合には出れなかったみたいだけど、今年からは人数も集まって試合にも出れるようになったみたい」
塞「部員数も男子を含めて6人しかいないみたいだな」
エイスリン「うちとにてるね」
胡桃「そうだね。部員が少ない分メンバー間の連携がとれてるだろうし強敵だろうね」
豊音「仲の良さだったらウチも負けないよー」
エイスリン「ウン!」
塞「そうだな」
胡桃「なんにせよ。まずは今日の練習試合で勝って、自信をつけましょうか!」
豊音・エイスリン「オー!」
塞「お、ぉー」
胡桃「塞、恥ずかしがるなよ」ニシシ
塞「べ、別に恥ずかしがってなんかいない!」
豊音「ふふふ、シロも一緒にやろうよー……てあれ?」
豊音「シロがいないよー?」
胡桃「え、うそ、さっきまでそこにいたのに!」
エイスリン「トイレ、イキタイッテイッテタヨ!」
塞「なんだ、そういうことか。それなら、ここで待っていたらそのうち帰ってくるだろ」
胡桃「もー、勝手な行動は慎んで欲しいのに」ムキー
エイスリン『(つ´∀`)つ マァマァ』
豊音「シロ大丈夫かなー。迷子になってないかなー?」
塞「大丈夫だろう。シロはああ見えて意外としっかりしてるし」
胡桃「そうだね。知らない場所とはいえ、すぐそこにトイレが見えるのに迷子になるなんてありえないでしょ」
豊音「そうだよね。迷子なんてありえないよねー」
一同「アハハハ」
シロ「……ダルい」
シロ(……)
シロ(ここどこ?)
シロ(パッと見で駅内のトイレ見つからなかったから、繁華街の方へと向かったはいいけど)
シロ(人の多さに嫌気が差したから近くの公園に避難した)←いまここ
シロ(……)
シロ(とりあえずベンチで休もう)
シロ「はぁ」
シロ「ダルい」
京太郎「ふぅ、これで頼まれていたものは全部かな」
アリガトウゴザイマシター
京太郎「相変わらず人使いが荒いな、部長は……」
京太郎「わざわざこんな遠い所まで買い出しに行かせるなんて」
京太郎「はぁ」
京太郎「顔合わせづらいのは分かるけどさ……」
京太郎「こういうのは違うだろ」
京太郎(咲と優希の告白以来、わたくし須賀京太郎が告白の返事をしようとするたびにその都度、部長・咲・優希によって示し合わせたようにはぐらかされている)
京太郎(まぁ、はぐらかすという行為には目を瞑ると。だけど、そのはぐらかし方がな……)
京太郎(ある時はアツアツのお茶を顔面にぶちまけられ)
京太郎(またある時は直前にセクハラ扱いされ)
京太郎「そして今日に至っては完全に厄介払いみたいな感じで、こんな遠くまで買い出し行かされるし……」シクシク
京太郎「あの人達は本当に俺の事が好きなのだろうか」
京太郎「はぁ」
京太郎「めげるわ」
京太郎「それにしても今日は暑いなー」
京太郎「お!あの公園、自販機あるじゃん!」
京太郎「飲み物でも買って少し休憩してから戻ろっかな」
京太郎「その方が都合いいだろうしね……」シュン
京太郎「はぁ、たまにはゆっくりしますかね」
ガコン
京太郎「」ゴクゴク
京太郎「ふぅ」
京太郎「今日のように暑い日はやっぱ冷えた麦茶に限るな」
京太郎「飲み物も買ったしベンチで休憩しようかな」
京太郎「できれば日陰がいいけど……あった!」
京太郎「よっこらしょ。ふぅ、いっぱい歩いたから疲れたぜー」
京太郎「……ん?」
シロ「」ジー
京太郎(なんでだろう、すごく見られてる……)
シロ「」ジー
京太郎(ま、気にしなくていいだろう。しばらくの間我慢すればすぐに飽きるだろうし)
シロ「」ジー
京太郎(それにしても見たことない制服だな、他県の人かな?)
シロ「」ジー
京太郎(修学旅行生かな? でも長野に修学旅行なんて来るのか? 常識的に考えたら長野よりも佐渡がある隣の県の新潟行くよな……、それに普通は東京や大阪、北海道、沖縄とかに行くのが一般的だろうし)
京太郎(だいたい修学旅行生が旅行先で単独行動するなんてありえないだろうし)
京太郎(友達がいないのか? いやいや、友達がいない人はそもそも修学旅行に参加しない)
京太郎(あの人は一体何者なんだ……)
シロ「」ジー
10分後
シロ「」ジーーーーー
京太郎(ガン見してるよ!)
京太郎(いつまでこっち見てるんだよこの人! 俺なんか変なところあるのかな? ヤバイ、すごい気になってきたー!)
シロ「ジーーーーー」
京太郎(声に出しちゃった)
シロ「ジーーーー」
京太郎「……」
シロ「ジーーーー」
京太郎「……」
シロ「ジーーーー」
京太郎「あ、あの」
シロ「ん」
京太郎「何か私に御用でしょうか?」
シロ「ん」コク
京太郎「一体、どのようなご用件でしょうか?」
シロ「トイレに行きたい」
京太郎「あー、そういうことだったんですか。トイレなら目の前のこの通をまっすぐ行って突き当たりを左に曲がったらありますよ」
シロ「ありがと」
京太郎「はい、どういたしまして」
シロ「……」
京太郎「……」
シロ「……」
京太郎「……あの」
シロ「ん?」プルプル
京太郎「行かないんですか……トイレ?」
シロ「行きたい」プルプル
京太郎「なら行けばいいじゃないですか!」
シロ「一歩でも動いたらやばい」プルプル
京太郎「え」
シロ「……ダルい」モジモジ
京太郎「そういうことなら、もっと早く言ってくださいよ!」
シロ「男の人に話しかけるの恥ずかしかった」モジモジ
京太郎「あなたは現在進行形で男の人にもっと恥ずかしいことカミングアウトしてますよ!」
シロ「」ポッ
京太郎「ポッ、じゃないですよ! あー、もうどうしよう」
シロ「限界は近い、頑張っていい案考えて」
京太郎「他人事! なんで? もっと焦りましょうよ!」
シロ「ちょいタンマ」
京太郎「へ?」
京太郎(なんだよこの人、一歩でも動いたら漏れそうて状況なのになんでこんなに余裕なんだよ)
3分後
シロ「名前は?」
京太郎「……須賀京太郎です。お姉さんの名前は」
シロ「小瀬川白望、ダルいからシロでいいよ」
京太郎(自分の名前をダルいって……)
京太郎「分かりました。シロさん」
シロ「ん」
京太郎「……」
シロ「……」
京太郎「……」
シロ「……」
京太郎「……え、終わり?」
シロ「……」
京太郎「ちょいタンマ宣言からしばらく時間を空けて何か考えていた様子だったから黙って見てましたけど、この後どうするか考えていたんじゃないんですか!?」
シロ「……考えた」プルプル
京太郎「それなら早く考えたことを言ってくださいよ! 見たところもう限界そうですし、俺にできることなら協力しますからとりあえず言ってください!」
シロ「確実に成功するパターンとギリギリ間に合うかどうか怪しいパターンの二つを考えた」
京太郎「それなら前者の方がいいですよ! 方法は?」
シロ「まず須賀が私をすぐ後ろの茂みまで運ぶ」
京太郎「はい」
シロ「次に須賀の持っているペットボトルを空にして私の元へ持ってくる」
京太郎「……はい?」
シロ「最後に私が色んなものを犠牲にして茂みで用 京太郎「それ以上いけない!」す」
京太郎「何をトチ狂ってんですか! ダメですよ、そんなの!」
シロ「そう」カー
京太郎「恥ずかしいなら言わなきゃいいのに……」
シロ「別に恥ずかしくないし」
京太郎「さいですか」
シロ「ん」
京太郎「あーもう気を取り直して、後者のパターンでいきましょう」
シロ「須賀が私をお姫様抱っこでトイレまで連れて行く」
京太郎「お、お姫様だっこですか? おんぶとかじゃダメなんですか?」
シロ「……おんぶの格好は色々とまずい」
京太郎「どうしてですか?」
シロ「……察して」
京太郎「あー、なんかすいません」
シロ「そろそろ本当にやばい」プルプル
京太郎「それじゃ行きますよ!」
シロ「いいの?」
京太郎「何がですか」
シロ「私って結構大きいし重いと思うよ」
京太郎「確かに女性の中では大きいほうかもしれませんが、男の俺から見たら他の女性と大差ないっすよ!」
シロ「そういうものなの?」
京太郎「そういうものです」ニコ
シロ「そっか」
京太郎「それに、さっき協力すると言いましたしこれくらい何ともないっす」
シロ「ありがと」
京太郎「それじゃあ持ち上げますよっと」
シロ「ん」モジモジ
京太郎「シロさんスラーっとしてるからか、軽いですねー」
シロ「そう」
京太郎「なるべく揺れないように移動しますが、問題があったら遠慮なく言ってください。できるだけ修正しながら移動しますか」
シロ「ん、よろしくね」
京太郎「はい」
ガコン、シャーー
シロ「ふぅ」
シロ(危なかった)
シロ(もう少し時間が経ってたら完璧にアウトだった)
シロ(須賀には感謝しないと)
シロ(それにしても)
シロ(今日はいっぱい動いたな)
シロ「もう動けない」
シロ「……ダルい」
シロ(ベンチで休憩しよ)
シロ「」テクテク
京太郎「問題なかったみたいですね」
シロ「うん、ありがと須賀」
京太郎「どういたしまして」
シロ「ん」
京太郎「……その手は何ですか?」
シロ「おんぶして」
京太郎「なんでですか!」
シロ「今日はたくさん歩いたから」
京太郎「からって……そんなに歩いたんですか?」
シロ「いつもの十倍くらい歩いた」
京太郎「そういう理由なら仕方ないですけど……でも、シロさんはいいんですか?」
シロ「なにが?」
京太郎「いや、さっき男の人に話しかけるのものすごく躊躇してたじゃないですか。それを考えると、お姫様抱っこについては緊急状態だったので仕方なくみたいな感じだったんじゃないんですか?」
シロ「男の人に触られることよりベンチで休むことの方が大切」
京太郎「……さいですか」
シロ「それに須賀に触られるのは嫌じゃなかったし」
京太郎「はい?」
シロ「正直、あのお姫様だっこは癖になりそうな位いい気分だった」
京太郎「そういうもんなんでしょうか? まあ、なんにせよ喜んでもらえて光栄ですよ」
シロ「ん」
京太郎「それじゃあ戻りますか」
シロ「乗っていいの?」
京太郎「はい」
シロ「失礼します」
京太郎「はいよっと」
シロ「ふぅ、悪くない」
京太郎「じゃあ行きますね」
シロ「ん」
京太郎「……」テクテク
シロ「……」
京太郎「……」テクテク
シロ「……」
京太郎「……」テクテク
シロ「……」
京太郎(わ、話題がない)
京太郎(何か話しかけたほうがいいのだろうか)
京太郎(でもシロさん疲れたって言っていたしそっとしといてあげたほうがいいのかも)
京太郎(それに、見たところシロさんはお話大好きな今時女子なんて感じしないし)
京太郎(この沈黙も居心地悪いものでもないし、しばらくこのままでいいかな)
シロ「ねぇ」
京太郎「どうしました?」
シロ「須賀はいい匂いするね」スンスン
京太郎「え?」
シロ「ハマるー」スンスン
京太郎「さっきからやけに静かだったから何をしてのるかと思えば、本当に何してるんですか!」
シロ「目の前に須賀の首筋があったのでつい。反省はしている」クンクン
京太郎「だーーー! 反省してるならやめて下さいよ! 普通に恥ずかしいですからーー!」
シロ「嫌よ嫌よも」クンカクンカ
京太郎「好きなうち……て、違いますよ! ほ、ほら今日は暑かったんで汗もかきましたし汚いのでやめ」
シロ「だがそれがいい」スーハー
京太郎「へ、へんたいだー」
シロ「ふふふ」
シロ「堪能した」フゥ
京太郎「……もうお嫁に行けない」シクシク
シロ「さすがにそれはキモいよ、須賀」
京太郎「ひどい!」
シロ「ダルい」
京太郎「そして、放置!」
シロ「お腹減ったなー」
京太郎「……」
シロ「お腹減ったなー」チラーミィ
京太郎「……」
シロ「……」チラチーノ
京太郎「……」
シロ「おな 京太郎「分かりましたよ!」」
シロ「ありがとー須賀」
京太郎「はぁ、まぁいいですけど……」
シロ(私が言うことじゃないけど損な性格だな)
シロ「近くにコンビニとかあった?」
京太郎「ありませんね、だからこれで我慢してください」ガサゴソ、ヒョイ
シロ「タコス?」
京太郎「はい」
シロ「どうしたの、これ?」
京太郎「ここに来る前に作ってきたんですよ」
シロ「須賀が作ったの?」
京太郎「師匠に横でコツを教えてもらいながらでしたけどね」
シロ「凄いね」
京太郎「まだまだ修行中の身ですけどね」
シロ「食べていい?」
京太郎「どうぞ」ニコ
シロ「いただきます」
シロ「」モグモグ
シロ「」ゴックン
シロ「おいしい」
京太郎「そうですか。それは良かったです」
シロ「」モグモグ
シロ「ん」ヒョイ
京太郎「?」
シロ「食べる?」
京太郎「え」
シロ「あーん」
京太郎「ち、ちょっとシロさん!」
シロ「あーん」
京太郎「恥ずかしいですよ!」
シロ「あーん」
京太郎(なぜか逆らえない空気が……)
シロ「あーん」
京太郎「あ、あーん」
カプッ
京太郎「何やってんだろ、おれ……」
シロ「須賀はういやつ」
京太郎「……」
シロ「須賀飲み物もらっていい?」
京太郎「いいですけど、飲みかけの麦茶しかないですよ?」
シロ「それがいい」
京太郎「へ」
シロ「間違えた。それでいい」
京太郎「そ、そうですか。はいどうぞ」
シロ「ありがと」
シロ「」ゴクゴク
シロ「ふぅ」
シロ「落ち着くなー」
京太郎「そうですね」
シロ「本当、須賀には至れり尽せりだ」
京太郎「ははは」
シロ「ごめんね。たくさん迷惑かけて」
京太郎「迷惑だなんて思ってないですよ」
シロ「そう」
京太郎「はい」
シロ「……」
京太郎「……」
シロ「……」
京太郎「……」
シロ「須賀ー」
京太郎「なんですかー?」
シロ「ダルい」
京太郎「そうですか」
シロ「肩かしてー」
京太郎「嫌でーす」
シロ「問答無用」コテ
京太郎「あーあ」
シロ「ちょうどいい高さ」グテー
京太郎「匂いは嗅がないでくださいよ」
シロ「……フリ?」
京太郎「違います」
シロ「そう」
京太郎「はい」
シロ「……」
京太郎「……」
シロ「……」
京太郎「……」
シロ「……」
京太郎「……」
シロ(あー)
シロ(居心地いいな)
シロ(きっと須賀は、ダルいのが好きな私のことを気遣って何も聞いてこないんだろうな)
シロ(ういやつめ)
シロ(……)
シロ(宮守に須賀を連れて行けないかな)
シロ(胡桃が私で充電して、私が須賀で充電して)
シロ(悪くないな)
シロ(……宮守?)
シロ「やばい」
京太郎「いきなりどうしたんですか?」
シロ「やばい」ダラダラ
京太郎「だから何がやばいんですか?」
シロ「練習試合に遅刻しそう」
京太郎「へ」
長野に来た事情説明中
京太郎「シロさん、あなた……」
シロ「」テヘ
京太郎「テヘ、じゃなくてですね……、携帯に連絡来てるでしょう」
シロ「ん?」
シロ「本当だ」
京太郎「とりあえず、連絡してどこに向かえばいいか聞きましょう」
シロ「ん」ヒョイ
京太郎「……なんで俺に携帯渡すんですか?」
シロ「怒られる」
京太郎「そりゃそうでしょ」
シロ「怒られたくない」シュン
京太郎「……」
シロ「……」シュン
京太郎「……わかりましたよ。俺が電話で事情を説明します」
シロ「あ、ありがと」パー
京太郎「お任せあれー」
シロ「何それ?」
京太郎「へ?」
シロ「今のやつ」
京太郎「何と言われましても……」
シロ「正直、アレはない」
京太郎「……」
シロ「アレはない」
京太郎「……なんかすいません」
シロ「うん」
シロ「ん」ヒョイ
シロ「後は通話押すだけ」
京太郎「姉帯豊音さんにかけるんですね?」
シロ「ん。豊音なら怒られないと思うし」
京太郎「そうですか。それでは、早速かけますねー」
プルプルプル、ピッ!
豊音「シロー! 今、どこにいるのー? 心配したよー!」
京太郎「あ、あのー」
豊音「ふぇ、シ、シロじゃない人が出たよー。どういうことなのー?」
京太郎「私は先程からシロさんと行動して」
豊音「しかも男の人だよー!」オトコ!? ざわざわ
京太郎「あ、あのー」
豊音「は、はい! なんでしょう」
京太郎「話し続けてもいいですか?」
豊音「あ、はい。わかりました」
京太郎「私は先程からシロさんと行動を共にしている須賀というものです」
事情説明中
豊音「そうだったんだー」
京太郎「はい。現在もシロさんはその公園にいます」
豊音「そうなんですかー。て、それじゃあまだ駅の近くなんですかー!?」
京太郎「そういうことになりますね」
豊音「どうしよ……、困ったなー」
京太郎「どうしたんですか?」
豊音「私達はもう対戦相手の高校に着いちゃってるんだよー。シロはああ見えてしっかりしてるから、もしかしたら、もう目的地に向かってるもんだと思って……」
豊音「こちらから申し込んだ練習試合だから遅刻するのはダメだと思ったし、どうしよう……」
京太郎「……」
京太郎「その高校の名前を教えてください」
豊音「え、え?龍門渕高校だよー」
京太郎「龍門渕ですか!?」
豊音「そ、そうだよー」
京太郎(タコス作っている時、ハギヨシさんが龍門渕の麻雀部が練習試合をするとか言っていたけど、まさか……)
京太郎「あの、皆さん麻雀部の方ですか?」
豊音「そうだよー。シロに聞いたの?」
京太郎(やっぱりそうか……それなら)
京太郎「俺が龍門渕までシロさんを連れて行きますので、皆さんは試合の準備していて下さい」
豊音「え、でもいいの?」
京太郎「はい。それに龍門渕の麻雀部には知り合いがいるので、俺の方からも話しとくので心配いりませんよ」
豊音「そうなの!? なにからなにまで、ありがとー。本当に助かるよー」
京太郎「困ったときはお互い様ですよ」
豊音「それじゃあ、申し訳ないけどシロのことよろしくねー」
京太郎「はい。任せといてください!」
豊音「ひとまずバイバイだね」
京太郎「はい、では」ピッ
京太郎「ふぅ」
シロ「お疲れ」
京太郎「はい。それじゃあ龍門渕へ向かいますか」
シロ「わかった」
京太郎「今回はおんぶとか要求しないんですか?」
シロ「……したいの?」
京太郎「いや、そういう訳じゃなくて……。ダルくないのかなと思って」
シロ「死ぬほどダルい」
京太郎「いいんですか?」
シロ「須賀、荷物たくさん持ってるじゃん」
京太郎「気にしてもらえてたんですね」クス
シロ「わざわざ目的地まで案内してもらうのに、そんなこと頼めない」
京太郎「そうですか」
シロ「そう」
京太郎「……」
シロ「……」
京太郎「シロさんちょっと待っててください」
シロ「ん?」
京太郎「ちょっと、連絡するところがあるんで」
シロ「わかった」
連絡中
京太郎「すいません。よろしくお願いします」
京太郎「はい。ありがとうございます。それでは、ひとまず失礼します」ピッ
京太郎「ふぅ」
シロ「誰と話してたの?」
京太郎「友達ですよ」
シロ「そう」
シロ「それじゃ行こ」
京太郎「龍門渕は繁華街側と逆方面ですから歩いたら、20分位かかりますよ?」
シロ「いい」
京太郎「それじゃあ、向かいますか」
シロ「ん」
京太郎「それにしてもシロさん麻雀部だったんですね」
シロ「ん」コク
京太郎「実は俺も麻雀部なんですよ」
シロ「そうなの?」
京太郎「はい。超弱いですけどね」
シロ「私は強いよ」
京太郎「あの龍門渕と練習試合が組めるくらいですから、そうだとは思いましたよ。でも、まさか岩手の代表とは……」
シロ「」ドヤー
京太郎「ははは」
シロ「ふぅ」
京太郎「大丈夫ですか?シロさん」
シロ「大丈夫じゃない。ちょーダルい」
京太郎「大丈夫そうですね」
シロ「須賀、冷たい」
京太郎「そんなこと言われても、まだ5分も歩いてないですし」
シロ「自分のペースを守ることって大切だと思う」
京太郎「まぁ、それはそうですけど」
シロ「そう」
京太郎「それにしても……、そろそろ合流してもいい頃だと思うんだけど……」
シロ「合流?」
京太郎「あ、言っていませんでしたね。実は 衣「きょうたろーーーーーー!」へぶっ!」
衣「再会の時、待ちわびたぞ京太郎!」
京太郎「いててて、衣さん危ないですからタックルは止めて下さいと、あれほど言ったじゃないですか!」
衣「すまない。久しぶりに親友の顔を見たら自制が気かなかった」
京太郎「いててて、衣さん危ないですからタックルは止めて下さいと、あれほど言ったじゃないですか!」
衣「すまない。久しぶりに親友の顔を見たら自制が気かなかった」
京太郎「久しぶりって、さっき師匠にタコスの作り方教えてもらっている時に会ったじゃないですか!」
衣「そんな昔のことは忘れた!」
京太郎「えー」
ハギヨシ「京太郎さん、お待たせして申し訳御座いません」
京太郎「いえ、すいません師匠。いきなりこんなこと頼んじゃって」
ハギヨシ「問題ありませんよ。透華お嬢様からもお許しをもらっていますので」
京太郎「透華さんにも今度会ったら、お礼を言わないと」
ハギヨシ「そうして頂けたら、透華様もきっと喜びます」ニコ
衣「京太郎」ムギュー
京太郎「はいはい」ナデナデ
衣「ふへへへ」ムギュー
ハギヨシ「衣様、お口が開いていますよ」
衣「む、いかんいかん」
衣「それでは行くとしようか! 京太郎、宮守の先鋒」
シロ「須賀、説明」ギュ
京太郎「はい。こちらの女性が衣さん、龍門渕の大将です」
衣「今日はよろしく頼む」
シロ「よろしくお願いします」ペコ
シロ(このちっこい人が、去年のインターハイで大活躍した龍門渕の大将なんだ)
京太郎「そして、こちらの男性が龍門渕家の執事であり、俺の料理の師匠のハギヨシさん」
ハギヨシ「よろしくお願いします」ペコ
シロ「どうも」ペコ
京太郎「さっき俺が電話していた相手はハギヨシさんで、シロさんを龍門渕まで送り届けてはくれないかとお願いしたんです」
京太郎「そしたら快く引き受けてくださって、今に至るってわけです」
シロ「そう」
シロ「ハギヨシさんありがとうございます」
ハギヨシ「お気になさらないで下さい」
シロ「それでも、ありがとうございます」
ハギヨシ「はい、どういたしまして」
京太郎「それじゃあ早速で悪いですが師匠、運転お願いしてもいいですか」
ハギヨシ「はい」ニコ
衣「衣は京太郎の隣に座るぞ!」ムギュー
京太郎「押さないでくださいよ、衣さん」
シロ「……」ムー
シロ「私も須賀の隣がいい」ギュ
京太郎「分かりましたから、二人とも抱きつかないでください!」
ハギヨシ「仲がよろしいことで」ニコニコ
京太郎「見てないで助けてくださいよ……」
ハギヨシ「そんな無粋な真似はできませんよ。私はあくまで執事ですから」
京太郎「それ言いたかっただけですよね……」
ハギヨシ「どうでしょうね」ニコニコ
シロ「須賀は相変わらずいい匂い」スンスン
衣「わかってるではないか宮守の先鋒、この匂いは癖になる」スンスン
京太郎「ぎゃーーーーー」
ハギヨシ「では出発しますね」
シロ「暴れないで須賀、匂いが嗅げない」クンカクンカ
衣「今日はちょっと汗臭いな……」クンカクンカ
シロ・衣「だが、それがいい」キリッ
シロ・衣「」握手
京太郎「ぎゃーーーーーー」
キング・クリムゾン
まこ「『結果』だけじゃ! この世には『結果』だけが残る!」
龍門渕高校
京太郎「ひどい目にあった……」ゲッソリ
衣「至福の時であった」ツヤツヤ
シロ「ふぅ」ツヤツヤ
ハギヨシ「それでは、会場の方に案内しますね」
シロ「ん」
衣「うむ」
京太郎「それでは師匠、後のことはよろしくお願いします」
ハギヨシ「はい。了解しました」
シロ「え?」
衣「まぁ、已む無しだな」
シロ「須賀、どういうこと?」
京太郎「俺は練習試合を見るわけにはいかないんですよ、シロさん」
シロ「どうして?」
衣「なんだ? 言ってなかったのか京太郎」
京太郎「シロさんが麻雀部だって知ったのが、ついさっきだったもので」
京太郎「言うタイミングが……」
シロ「?」
衣「宮守の先鋒、端的に言うと、京太郎が所属しているチームがインターハイの長野代表なんだよ」
シロ「!」
京太郎「俺が見に行っちゃうと、シロさんのチームを偵察しに来たみたいな形になっちゃうんですよ」
衣「全国前のこの時期に初出場が当たるかもしれないチームに情報がバレてしまうのは致命的だろ」
シロ「そっか」シュン
シロ「でも、須賀は麻雀弱いって言ってた」
衣「それは本当だ」キッパリ
京太郎「そんな即答しなくても……」
京太郎「まぁ、俺が弱いってだけで女子勢は鬼の様に強いっすよ」
シロ「そうだったんだ……」
京太郎「なんかすいません、騙したみたいな感じになっちゃって……」
シロ「大丈夫、気にしてない」
京太郎「そうですか」
シロ「ん」
京太郎「……」
シロ「……」
京太郎「……」
シロ「……」
衣「……」
衣「ふむ。私は先に行くとしようハギヨシ案内してくれ」テクテク
ハギヨシ「かしこまりました衣様。小瀬川様、すいませんが5分ほどお待ちください」
シロ「はい」
ハギヨシ「それでは後ほど」ササッ
シロ「……消えた?」
京太郎「師匠は執事ですから」
シロ「その理由はおかしい」
京太郎「あはは」
京太郎「気を使わせちゃいましたかね?」
シロ「そうだね」
シロ「京太郎、今日は色々とありがとう」
シロ「楽しかった」
京太郎「俺もなんだかんだ楽しかったです」
シロ「須賀のチームも全国来るんだよね」
京太郎「はい」
シロ「そう」
京太郎「……」
シロ「……」
京太郎「……」
シロ「みんな待ってると思うし、もう行かなきゃ」
京太郎「そうですね」
シロ「携帯」
京太郎「はい」
ピロリーン
シロ「ん」ヨシ
京太郎「登録完了っと」
シロ「なんでわかったの」
京太郎「なんとなくです」ニコ
シロ「ふふふ」ニコ
京太郎「ははは」ニコ
シロ「ねぇ須賀」
京太郎「なんですか」
シロ「ひとつお願いしていい?」
京太郎「そうですねー、内容によります」
シロ「今のは、なんでも言ってくださいって言うところ」プクー
京太郎「さすがになんでもは無理ですし……、でなんですか? お願いって」
シロ「最後にもう一回だけ匂い嗅いでいい?」
京太郎「この空気でそれですか!?」
シロ「お願い」ジー
京太郎「うっ」
シロ「」ジー
京太郎「……」
シロ「ジー」
京太郎「声に出てますよシロさん……」
シロ「」ジー
京太郎「わかりましたよ。これっきりですよ……」
シロ「ちょろい」
京太郎「ちょろいとか言わないでくださいよ! シロさんに見つめられると何故か断りずらくなっちゃうんですよ!」
シロ「ふふふ」
京太郎「この人、小悪魔だ……」
シロ「それじゃあ失礼して」ギュ
京太郎「シ、シロさん!? 何も抱きつかなくても」
シロ「ふぅ」スンスン
京太郎「聞いてないしー!」
シロ「須賀うるさい」スンスン
京太郎「あ、すいません……て、おかしいでしょ……」
シロ「須賀ー」
京太郎「なんですかー」
シロ「またね」チュ
京太郎「え」
シロ「次に会うときは唇をもらう」ヒョイ
京太郎「はい?」
シロ「その返事は肯定と見たよ」ニコ
シロ「全国で待ってる」
シロ「またね」
シロ「京太郎」タッタッタッタ
京太郎「シロさん!」
京太郎「ていうか今、俺の名前!」
シロ「ハギヨシさん案内お願いします」
ハギヨシ「気付いてましたか……、覗き見する気はなかったのですが申し訳ありません」
シロ「いいよ、気にしてないから」
ハギヨシ「そう言ってもらえるとありがたいです」
シロ「ねぇ」
ハギヨシ「なんでしょう?」
シロ「京太郎の高校って強いんだよね?」
ハギヨシ「それはもう。龍門渕高校をくだした高校ですから」
シロ「そっか」
シロ「ダルいな」
シロ(でも)
シロ「楽しみだな。インターハイ」ニコ
終わり
シロ編は終わりですが清澄のおまけも書いたので投下します
おまけ
久「……おそい」
久「いくらなんでも遅すぎじゃない」
優希「本当だじぇ」
咲「京ちゃん迷子になってるのかな」オロオロ
まこ「遅いも何も、自分らがわざと遠いところまで買出し行かせたんじゃろ」
久「それにしてもよ! いくらんでもこんな時間かかるわけないじゃない!」
優希「そうだじぇ。きっとどこかでまたフラグ立ててるに違いないじぇ!」
咲「これは教育が必要ですね」
まこ「居たら居たで理由つけてどっかにおいやるくせに、居なかったら居なかったで文句言うとか自分ら本当どうしようもないな……」
久「だって……」
優希「悪いと思ってるじぇ……」
咲「純情な乙女心なんですもん」アヤヤ
和「須賀くんも、皆さんのそんな態度に愛想つかして帰っちゃたんじゃないですか?」
優希「え」
咲「え」
久「え」
和「最近の皆さんの態度は目に余ります」
まこ「そうじゃの。正直なところあれは嫌われても文句言えん」
和「はい。恋愛シュミレーションゲームじゃ無いですけど、須賀くんの好感度下がりっぱなしですよ」
咲「」
優希「」
久「」
まこ「須賀もよう耐えとったけどもう限界だったんじゃろうな」
和「こればっかりは仕方ないですね」
咲「」グス
優希「」グス
久「」グス
まこ・和(やりすぎたーーーーーーーー)
本当に終わり
マヨヒガの能力かはわからんが清澄高校麻雀部で京太郎の待遇が良くなるのはまた別の話
クンカーな女の子が大好きなので出てくる女の子がみんなもれなく変態になってしまう。
ごめんねシロちゃん……
次の投下も2週間~1ヶ月位かかりそう……
毎度、投下遅くて申し訳ない
純「衣ー、いるかー?」
衣「」ドヨーン
ハギヨシ「」ペコリ
純「どうしたんだあれ?」
ハギヨシ「はい。衣様が最近毎日のように通ってらっしゃるあの場所で、藤田様とお遊びしていらっしゃったようです」
純「いつもどおりか」
ハギヨシ「はい」ニコリ
純「はぁ、藤田プロもいい大人なんだから手加減してあげてもいいのになあ」
衣「……」ギロ
純「睨むなって、可愛い顔が台無しだぞ」
衣「そのような勝利に価値などない」
純「麻雀ではその大口に実力が伴っていたから可愛くなかったが、あれに関しては大言壮語で可愛いじゃねぇか」ニシシ
衣「ぐぬぬ」
純「でも、よかったじゃねぇか」
衣「なにが?」
純「麻雀以外で、衣をこんなに熱くさせてくるものなんて今までなかっただろ?」
衣「……確かにそうかもしれない」
純「そうだよ」
衣「うん。少々癪ではあるが、その点に関しては衣もフジタに感謝しているよ」
純「そうか」
衣「そのおかげか、最近になってわかったことがある」
純「うん」
衣「世界は広い」
純「ほー」
衣「ジュンや皆にとっては当たり前のことなのかもしれないが、衣にとっては衝撃的だったのだ」
衣「衣は先の決勝戦以来、宮永咲のおかげで麻雀の呪縛から解き放たれた」
衣「それにより周囲を見渡す余裕も生まれた」
衣「いざ気付いてみれば衣の周りには楽しそうなものでいっぱいじゃないか」
衣「今まで、麻雀しかしてこなかった分これからは色んなことがやってみたい」
衣「そう思えるようになったよ」
純「感心、感心、子供は遊ぶのも仕事のうちだ。目一杯遊べ!」
衣「子供って言うな!」
純「そうやってすぐ腹を立てるあたり、お前はやっぱり子供だよ」ニヤリ
衣「ふ、ふん! もういいさっさと練習を始めるぞ!」
純「へいへい」
衣「今日こそ完膚なきまでに叩きのめしてやる。後、フジタも泣かす」
純「そういう言葉は初心者の俺に一度でも勝ってから言えよ」
衣「ククク、衣を以前までの衣といっしょと思うなよ……。ジュンがこの部屋に現れる少し前までハギヨシと共に練習していたのだ!」
純「それで?」
衣「分からないのか? お前がのうのうと過ごしていたその時に衣は黙々と練習していた。結果衣は凄く上手くなった!」
純「ほー」
衣「故に、ジュンの様な三下相手に遅れをとることなどありえない」
純「随分好き勝手言ってくれるじゃねぇか」
衣「事実だ」
純「練習して上手くなったということについては認めてやらないこともない。しかし、戦ってもいないのに俺を倒せると言い切れるんだ?」
衣「なーに、そんなこと戦ってみれば分かることだ」
純「本当に大した自信だな。いいぜ!相手になってやる」ニヤリ
衣「ふふふ、そうこなくてはな。無様に醜態を晒し泣き喚くがいい!」ニヤリ
京太郎「休日」
京太郎「それは至福の時」
京太郎「悠久の時とも思える長き戦を戦い抜いた者にしか訪れないしばしの休息」
京太郎「つまり」
京太郎「何が言いたいかと言いますと」
京太郎「久しぶりに部活含め、なにも予定のない完璧な休日ですよーっと」
京太郎「いぇーい!」
京太郎「会いたかったよー! 日曜日ちゃーーん!」
京太郎「それに比べてにっくき月曜日、お前はもう来なくていいんだよ! 今週はお前休んでていいから! なんなら来週も!」
京太郎「」ハァ
京太郎「一週間が全部日曜日になればいいのに……」ドヨーン
京太郎「いやいやいや」
京太郎「いかんいかん! せっかくの休日なのにこんなテンションでは!」
京太郎「ちょっとテンション上げて今日という日を目一杯堪能しようではないか」
京太郎「いやー、やっと休みかー」
京太郎「それに部活については今日から三日間休みらしいし久しぶりに羽が伸ばせるなー」
京太郎「全国出場が決まってからというもの、仕方ない事とはいえ休みなしで毎日部活があったからな。逆算して考えてみると1ヶ月くらい休み無かったんじゃないか?」
京太郎「全国に出場する位のチームだったらこれくらい普通のことなのかもしれないし泣き言は言ってられないんだけど……。どうしてもなあ……」
京太郎「まあ、部活動に所属している高校生にとって休日なんてあって無いようなものだろうしそこは割り切るべきだよな」
京太郎「なんにせよ、今日は休日である」
京太郎「なーにしよっかなー」
京太郎「最近色々と大変だったからな。せっかくの休みだし満喫してやる!」
京太郎「……」
京太郎「最近色々大変だったし……」
京太郎(ホントは今までのことをゆっくり考えて、自分の中できちんと結論を出すべきなんだろうけど……)
京太郎(皆の調子があれじゃあな……)
京太郎「」ハァ
京太郎「よし、気を取り直してどっか遊びにでも行きましょうかね!」
京太郎「どこに行こうか」
京太郎「買い物でも行くか?」
京太郎「でも欲しいものとか特にないんだよな」
京太郎「映画とか?」
京太郎「高校生が一人で映画てちょっと敷居が高いよな」
京太郎「うーん」
京太郎「そうだ! そういえば最近、師匠のところに行ってなかったな」
京太郎「せっかくだから師匠のところでタコス作りの練習をしようか」←奴隷脳
京太郎「このまま予定もなくダラダラとものを考えてるのも時間が勿体ないし、それでいこう!」
京太郎「べ、べつに優希の為とかそういう訳ではないし!」
京太郎「最近は料理上手の男子がモテるとか聞いたし、ほら弁当男子とか!」
京太郎「だからそういうとなんだって……。俺は誰に言い訳してるんだよ……」ズーン
京太郎「……とりあえず師匠に電話入れよう」ズーン
prpr
ハギヨシ「はい?」
京太郎「お久しぶりです師匠、須賀京太郎です」
ハギヨシ「これはこれは京太郎さんご無沙汰しております」
京太郎「師匠、今お時間いいですか?」
ハギヨシ「はい。大丈夫ですよ」
京太郎「久しぶりに料理てかタコス作りのの勉強がしたいのですがよろしいでしょうか?」
ハギヨシ「今日ですか?」
京太郎「あ、はい! でも明日、明後日と部活は休みなので学校が終わってからでも構いません」
ハギヨシ「いえ、別に今日でも構いませんよ。つい先ほど衣様にお暇を頂きましたので、ただもし何かあった時のために屋敷の方に待機していたいので申し訳ありませんが龍門渕邸の方まで足を運んでもらってもよろしいでしょうか?」
京太郎「勿論です。それでは今から向かいますね」
ハギヨシ「了解しました。後、今日はこちらで材料を用意しますので」
京太郎「え? でもそれはさすがに申し訳ないですよ!」
ハギヨシ「今日作ったお料理は衣様におやつとして差し出そうと思っていますので問題ないですよ」
京太郎「あ、そうなんですか! 分かりました。でも、そうなるとちょっと緊張しますね」ハハハ
ハギヨシ「大丈夫ですよ。いつもの通りに作っていただければ問題ありません」クスクス
京太郎「そうですか。でも今日は一段と気合を入れて作りたいと思います! それでは今から向かいますね」
ハギヨシ「えぇ、お待ちしております」ニコリ
京太郎+ハギヨシの誰得クッキング省略
京太郎「いやー、師匠ありがとうございました。また一つ高みに登った心地です!」
ハギヨシ「いえいえこちらこそありがとうございます。おかげで予定より早くできあがりましたよ」
京太郎「確か龍門渕の大将の天江さんにお出しするんですよね? ……本当に大丈夫ですかね?」
ハギヨシ「えぇ。それはもう、大変美味しく出来ています」
京太郎「師匠がそう言うなら大丈夫なんでしょうけどやっぱりちょっと不安ですね……」
ハギヨシ「どうしてそこまで不安に感じるのでしょうか?」
京太郎「いや、だって天江さんてお嬢様じゃないですか」
ハギヨシ「はい。確かにその通りですが、それとどのような関係があるのですか?」
京太郎「これは俺の勝手なイメージですけど、お嬢様の食事てお抱えのシェフが値の張る食材を使用して作った美味しい物を食べているというイメージなんですよ。実際はそんなことないんでしょうけど、どうしても気後れしちゃって……」
ハギヨシ「衣様はそういうのを気にしないお方です。それに衣様は全ての食材に感謝を忘れないとても優しい人です。きっと美味しく食べてくれますよ」
京太郎「そうですか。そうですよね! 師匠の主である人がそんなことを気にする人ではありませんよね! 失礼しました」
ハギヨシ「いえいえ気にしないで下さい。それでは早速衣様におやつをお持ちしましょうか」ニコリ
京太郎「はい!」
移動中
ハギヨシ「」コンコン
ハギヨシ「失礼します」
京太郎「失礼します」
ガチャ
衣「うわぁああああああん」グス
純「あー、もういい加減泣きやめよー衣ー」
智紀「ハギヨシお邪魔してる」ペコリ
ハギヨシ「智紀様いらっしゃいませ」ペコリ
智紀「そちらの方は確か清澄の……」
京太郎「あ、はい。須賀京太郎といいます」ペコ
智紀「沢村智紀です。よろしく」ペコ
京太郎「はい。あの、これは一体どういう状態なんです?」
智紀「どうって……見ての通り」
京太郎「見ての通りと言われても……」
ハギヨシ「」ニコニコ
京太郎「師匠なんでニコニコしてるんですか? 師匠の主が泣いてるんですよ?」
智紀「いつものことだし」
ハギヨシ「はぃ」ニコニコ
京太郎「いつものことって!?」
純「ハギヨシー、見てないで助けてくれよー!」
ハギヨシ「はい」
衣「」グスグス
ハギヨシ「衣様おやつをお持ちしました」
衣「……いらんもん」グスグス
ハギヨシ「そうですか……。では純様と智紀様に召し上がっていただきましょうか」
衣「え」グスグス
純「え、いいの?久しぶりにハギヨシの料理が食えるぜー!」
智紀「ありがたくいただく」
ハギヨシ「そこのバスケットに入っていますので、すぐに準備します」
衣「え、え?」キョロキョロ
京太郎「師匠ェ……」
純「うわー旨そう! タコスかこれ? 大会でタコス娘のを食って以来だ」
智紀「私も久しぶり」
ハギヨシ「どうぞお召し上がりになってください」
衣「ぅーーーー」ジーー
京太郎(師匠めっちゃ見られてますよ……)
ハギヨシ「」ニコニコ
衣「ぅーーーーーー」ジーー
京太郎「」ハァ
京太郎「天江さん」
衣「ん?」チラ
京太郎「食べたいならそう言わないと伝わらないですよ」
衣「……いらんもん」
京太郎「そうやって意地張ってたら、お二人に本当に全部食べられちゃうかもしれませんよ」
衣「だって……ハギヨシが」
京太郎「師匠がどうかしましたか?」
衣「あの二人にあげるって言ったもん」グス
京太郎「大丈夫ですよ。師匠は優しいですから、きちんと天江さんの分を確保しているはずです。だからちゃんと謝れば天江さんの分も出してくれますよ」
衣「……そうかな?」グス
京太郎「えぇ、きっと」ニコ
衣「うん。そうだな」ゴシゴシ
衣「ハギヨシに謝ってくる!」タッタッタ
衣「ハギヨシー!」
ハギヨシ「はい」
衣「せっかく作ってくれたのに酷いこと言ってごめんなさい。衣もおやつ食べたいです」ペコリ
ハギヨシ「はい。すぐにご用意します衣様」ニコ
衣「ありがと!ハギヨシー」ギュー
ハギヨシ「はい」ニコニコ
京太郎「良かったですね。天江さん」ニコ
衣「うん! ぇーっと……」
京太郎「あ、自己紹介が遅れました。清澄高校一年の須賀京太郎です。よろしくお願いします」
衣「おー清澄の男子部員だったか、私は天江衣だ。よろしくな京太郎!」
京太郎「はい」
衣「そういえばどうして京太郎がこの屋敷にいるのだ?」
京太郎「それについてはおやつを食べながらお話しましょうか」
衣「そうか、楽しみにしている! 後、私のことは衣と呼んでくれ京太郎」テクテク
京太郎「はい、衣さん」ニコ
衣「うん」ニコ
京太郎「ふぅ」
京太郎「それにしても師匠も結構やりますね。主にあのような態度で応対するなんて」
ハギヨシ「はい」
ハギヨシ「主を正しき道へと導くのも、また従者の務めです」ニコ
京太郎「さいですか」ニコ
お食事中
純「へーそういう経緯だったのか」
衣「タコスはユーキの雀力の底上げのためか……」
智紀「頑張って」
京太郎「ははは、ありがとうございます」
ハギヨシ「食べ終わったようなので片付けますね」
京太郎「師匠俺も手伝いますよ」
ハギヨシ「いえ、結構ですよ。京太郎さんは休憩していて下さい」
京太郎「そういうわけにはいけませんよ」
ハギヨシ「困りましたね……。お客様に片付けを手伝わせるのは龍門渕家の恥とも言える行いになってしまいます」
京太郎「くっ、そう言われると強く出れない……」
純「かー。この男二人は女子力高いねー」
智紀「純ハーレム」ボソ
純「何か言ったか?」
智紀「いや何も……」
衣「ならば、京太郎! 衣と遊ぼう!」
京太郎「はい?」
純「おっ!それいいな」
智紀「こういうのは男の子の方が得意そう」
京太郎「え、え、何の話ですか?」
純「とりあえず遊んでやれよ」
智紀「」コクコク
ハギヨシ「私からもお願いします」
京太郎「いや、別に遊ぶのはいいんだけどなにをするんですか? 麻雀?」
衣「麻雀もいいが今日は別のだ!」
京太郎「はぁ」
衣「京太郎、格ゲーしよう!」
京太郎「……格ゲーですか?」
衣「うん!」
衣「京太郎は格ゲー嫌いか?」
京太郎「いえいえそんなこと無いです。大好きなジャンルですけど」
衣「そうか!じゃあやろう!」
京太郎「分かりました。それでどのゲームをプレーするんですか?」
純「スパ4AEだ」
京太郎「王道ですね」
智紀「へー」
京太郎「なんですか?」
智紀「知ってるんだ」
京太郎「まぁ、これ目当てでゲーセン通ってましたし」
純「おっ!じゃあ結構いけるんじゃないの?」
京太郎「最近は時間なくて全然通えてなかったのでどうでしょうか」ハハハ
衣「京太郎強いのか!?」ニコ
京太郎「どうでしょうか」ニコ
衣「これは余計楽しみになってきたぞー」
京太郎「相手になるかどうか心配ですよ……」
衣「ふふふ、楽しみだ」
衣「奇幻な手合いが増えるなら衣は嬉しい」ゴゴゴ
京太郎「ははは、頑張ります」
京太郎(大丈夫かなこれ)
純「よし付いたぞー」
京太郎「あの……一つ聞いてもよかですか?」
智紀「いいよ(なんで博多弁?)」
京太郎「なんで筐体があるんすか!?」
智紀「なんでって」
純「そりゃあ」
衣「うむ」
衣「買った」
京太郎「金持ちてすげーーーーー!!」
衣「喜んでもらえてなによりだ」
京太郎「すげーすげー」キラキラ
衣「早速対戦したいのだが良いか、京太郎?」
京太郎「あ、すいません。はしゃいじゃって」
純「まぁ、普通は驚くわな」
智紀「」ウンウン
京太郎「ん?」
京太郎「あのー」
衣「どうした?」
京太郎「バージョンアップはしないんですか?」
衣「バージョンアップ……あぁ、藤田がしない方がいいと言っていたからそのままにしている」
京太郎「しない方がいい?」
衣「うん。なんでもバージョンアップ前の方がゲームバランスが良いらしいからな!」
京太郎(ん?)
衣「どうかしたのか京太郎?」
京太郎「あ、いえ、なんでも」
衣「では始めるとしよう、いくぞ! 衣の相棒よ」
京太郎「豪鬼か……」
京太郎(麻雀でも鬼のような強さを持つ衣さんだ。意外とは思わない)
京太郎「じゃあいっちょやりますかね!」
純「ベガか」
智紀「そうね」
トレーニングステージ
衣「ふふふ、京太郎手加減はしてやらんぞ」
京太郎「……望むところですよ」
ラウンド1ファイト
京太郎(様子見なんて格上がすることだ。衣さんのキャラセレクト玄人向けキャラであり、上手い人が使ったらホントにどうしようもないくらい強い豪鬼。あの自信満々な話しぶりから見るに衣さんは出来るタイプの人だ)
京太郎(ここは先制で飛びを入れて荒らしていく! 昇龍で落とされる分のリスクは覚悟の上だ!)カチャ
京太郎(波動!? 体力の少ない豪鬼でリスクを背負っていくのか?)
京太郎(なんにせよ。飛びが通ったことは大きい! きちんと大ダブニーまで入ったし、起き攻めはどうする……当て投げを狙ってみてから要所要所で変えていく)カチャ
京太郎(よし昇龍撃ってこなっかった! 小パン刻んで……グラップは無い!?)カチャ
京太郎(仕切り直しでも、良かったがこれはおいしい! 画面端は徹底的に固めていく!)カチャ
京太郎(小足がヒットしてる。読み勝った!ダブニーで締め)カチャ
京太郎(ウルコンが怖いがピヨリ値も相当だ。ここは投げとの二択で攻める!)
京太郎(固めの小足が刺さった。セビキャンできる分のゲージもあるが、次のラウンドに温存しておきたい。ピヨレ……)
京太郎(よし!ピヨった!)
京太郎(セビからの最大おいしいです!)
京太郎「よし!」
衣「」
純「」
智紀「」
京太郎(P勝ちはまぐれだ。2回戦も集中力を切らさずこのまま……)
戦闘省略!
京太郎(気づけば2連続P勝ち)
京太郎(液晶にはオールA評価で満面の笑みのベガ様、そして勝利コメントが『クズが!』どうしよういたたまれない……)
衣「」
純「」
智紀「」
京太郎(衣さんはこのゲーム初心者だったみたいです)
京太郎(空気が重いです……)
京太郎(とりあえず謝ろう)
京太郎「あ、あのーすい 衣「スゴイではないか! 京太郎!」 はい?」
衣「このゲームのキャラクターてあんなに素早く動けるんだな!」
純「ま、あれだけコテンパンにやられたら悔しさよりも尊敬が先に来るわな」
智紀「コンボ上手いね」
京太郎「あ、ありがとうございます」
純「そうだ衣、須賀にこのゲームのコツ教えてもらったらどうだ?」
智紀「いい考え」
衣「それはいい考えだぞジュン! 京太郎よいか?」
京太郎「俺が衣さんにですか?」
衣「嫌か」ウルウル
京太郎「いや、あの……」
衣「」ウルウル
京太郎「う、分かりましたよ。人にものを教えた経験なんてないんで、上手にできるかわからないですけどやれるだけのことはやります」
純「おー、頼んでみるもんだな。よかったなー衣」
衣「うん」ニコニコ
衣「京太郎もありがとう」ニコ
京太郎「……どういたしまして」
京太郎(ちょっと面倒なことになってしまったな……。ま、格ゲー人口が増えるのはありがたいことだし、この事態をいい方向に捉えよう)
衣「これで藤田をギャフンと言わすことができるぞ」ムフフ
京太郎「あ、その藤田て人に教えてもらうのはダメなんですか?」
智紀「実は一度頼んでいる」
京太郎「そうなんですか」
衣「うん。頼んだらうぃき見ろだのと訳の分からんことを言っていた」
京太郎(Wikiのことだな)
衣「衣がうぃきとはなんだ? と聞いたら『これだからゆとりはぐぐれかす』とか訳の分からん言葉を残して帰ってしまった」シュン
京太郎(これはひどい)
衣「だから藤田には頼めないのだ……」
京太郎「そうですか」
衣「うん」
京太郎「そういうことなら任せてください。力になりますよ!」
衣「よし、見てろよ藤田!ボコしてやるからなー」
京太郎「衣さんの目標は、その藤田という人に勝つということでいいですか?」
衣「うん、その通り! あいつのドヤ顔はもう見飽きたからな。そろそろ泣かす」
京太郎「そうですか。では対策を考えますのでその藤田さんが使っているキャラを教えてください」
衣「キャラか? えーっと、これだ! この青い帽子を被っているスケボー野郎だ!」
京太郎「ユンですか。なら対策は簡単で……」
衣「どうした京太郎?」
純「おい、どうした体調でも悪くなったのか?」
智紀「大丈夫?」
京太郎「あ、大丈夫です。ちょっとした考え事ですよ」アハハ
衣「そうか安心したぞ」ニコニコ
京太郎(ユン、現在のスパ4AE環境内では中堅上位に位置する(俺の主観)比較的万能なキャラ、打たれ弱いため自分のスタイルをいかに相手に押し付けていくかが重要になってくるキャラクター)
京太郎(これはあくまでも現在ではの話しだ)
京太郎(現在、衣さん達がプレーしているスパ4AEはバージョンアップ前の一つ古いタイプにあたる。この中でのユンの立ち位置はというと)
京太郎(ヤン、フェイロンと並び三強と呼ばれる強キャラである。三強の中でもユンはずば抜けて使用者が多かった。なぜか? 理由は一つ、そのお手軽さ故にである)
京太郎(他のキャラ達と比べてコンボが比較的に楽であり(0フレ無いし)各種技がなんでも揃っている。ゲージ回収能力も高い。そして軒並み技の威力が高い。以上の点からお手軽強キャラと言われ少し練習すれば、比較的簡単に勝利することができるキャラであった)
京太郎(ある人は言った。ユンは全キャラ有利だと)
京太郎(使っていて楽しいキャラではあったし、爽快感があっていいとは思う。でも今回の件では話が違う)
京太郎(なぜ藤田さんは衣さんにバージョンアップをさせなかったのだろうか?)
京太郎(この場合、圧倒的強キャラであるユンを使ってボコしたかったから。こう考えてしまっても仕方ないだろう)
京太郎(いやいやいや何を考えてるんだ。俺は……)
京太郎(あった事のない人を印象だけで悪く思うのはよくない。落ち着け)フゥ
衣「本当に大丈夫か京太郎?」
京太郎「大丈夫ですよー。早速練習をはじめましょうか」
衣「うん!」
京太郎「じゃあ。トレモをえらんでっと……」
衣「あ、そうだ。京太郎に聞きたいことがあったのだ」
京太郎「何ですか?」
衣「しょがりってなんだ?」
京太郎「え」
衣「藤田がなー。衣との対戦が終わった後にな、いつも言うんだ!」
衣「しょがりは楽しいなって」
衣「京太郎どういう意味なんだ」キラキラ
京太郎(こんな)
京太郎(こんな素直ないい人を)グッ
京太郎(初刈り)
京太郎(文字通りの意味)
京太郎("初心者狩り"という意である)
京太郎(格闘ゲームに限らず、ゲーム業界の悪しき風習である)
京太郎(藤田さんは、衣さんが強くなることを望んでいるに、その芽を潰そうとしている)
京太郎「衣さん」
京太郎(ただ衣さんをボコして悦に浸っている畜生。そういう認識になってしまっても仕方ないですよね)
衣「ん?」
京太郎(思えば、Wikiの件もはなっから教える気などなかったのかもしれない)
京太郎「格ゲー好きですか?」
京太郎(そんな畜生に)
衣「うん! 大好き!」ニコリ
京太郎(こんなに純粋に格ゲーを楽しんでくれている人の笑顔を曇らせる権利なんてない!)ギリッ
京太郎「衣さん」
京太郎「絶対に藤田さんを倒しましょう」
衣「当然だ!」ニヤ
京太郎(ゴッ倒す!!)
ひとまず終わりです
一ヶ月とはなんだったのか……
今回の内容はあまりにも趣味に行き過ぎていてため、続きを書くかは反応を見てから決めようと思ってます。
一応、妹尾さんとてるてるの話もプロット自体は出来てるのでそっちをやるのもいいかなと思っていますがどうしましょうか?
ころたんと初対面になっちゃってるけどこれは宮守前ってことでFA?
>>321
その通りです。シロの話の衣がどうして京太郎になついていたのかについて書こうと思ってます。
格ゲーの話しを完結させてもいいみたいなので、とりあえずこれを終わらせようと思います。
衣と絡ませる道具をポケモンと迷った挙句格ゲーにしたので受け入れられてひとまずホッとしました。
2回目の投下でまとめきれると思ったらそんなことはなかった。投下します
京太郎「果たし状ですか?」
衣「うむ」
京太郎「藤田さんにですよね……」
衣「当然」
京太郎「もう出したんですか?」
衣「ハギヨシにフジタへ渡すよう頼んできた」
京太郎「そうですか……」
衣「案ずるな京太郎、衣は以前の衣でないことはお前も知っているだろう」ククク
京太郎「それは、まぁ、はい」
衣「衣は再三にわたってフジタに辛酸を嘗めさせられてきた……」
京太郎(なんか始まった)
衣「しかし!」クワッ
衣「京太郎から様々な技を受け継いだ今の衣にとってはフジタなど路傍の石ころ同然、何も恐るるに足らん!」
衣「衣は最強だー!」ワハハ
京太郎「いやいや衣さん、ノリノリのところ悪いですけど、あなた、まだ豪鬼限定で必殺技が出せるようになっただけですよ。しかも阿修羅安定してないですし……」
衣「だって、あれボタンいっぱい押さなくちゃいけないんだもん」
京太郎「まぁ、衣さん手小さいですしね」
衣「馬鹿にするな! 衣の方がお姉さんなんだぞ!」
京太郎「あはは、すいません」
衣「誠意が感じられん!」
京太郎「そんなに怒らないでくださいよ」
衣「別に怒ってなどいない!」
京太郎(ムキになっちゃった)
衣「ふん」ツーン
京太郎「!」
京太郎「そうだ。お詫びと言ってはなんですが、これを差し上げます」
衣「む、なんだこれは?」
京太郎「ゲームパッドというものです」
衣「ゲームパッド?」
京太郎(よし! 話がそれた)
京太郎「簡単に言えば衣さんが今座っている筐体の、レバーやボタンを集約したもので筐体にコードを繋ぐことでそのゲームパッドで操作が可能になります」
(※実際の筐体ではコントローラーをぶっさしてプレイはできません)
衣「こんな小さいので豪鬼がうごくのか!?」
京太郎「家庭用ゲーム機でゲームを行う際、一般的に格ゲープレイヤーはアーケードスティックという筐体についてるような形のコントローラーでゲームをプレイするんですけど、なかには衣さんに差し上げたゲームパッドというタイプのコントローラーを使用する方達もいます。女性の人とかはとくに多いですね」
衣「へー」
京太郎「俺なりに考えた結果、衣さんはスティックよりもゲームパッドの方が良いと判断しました」
衣「確かに……、こちらの方がボタンが一箇所に密集してる分やりやすいかもしれない」
京太郎「はい。ただボタンが一箇所に密集していて入力しやすくなった分、意図していないボタンを入力してしまうということも増えると思うので、そこは注意が必要です」
衣「……京太郎ありがとう」
京太郎「はい。どういたしまして」
衣「……」
衣「」ハァ
京太郎「どうしました?」
衣「……いや、なんでもない、早速練習するとしよう。京太郎つきあってくれ」
京太郎「はい。まずはゲームパッドになれるよう豪鬼を動かしてみましょうか」
衣「心得た!」
~しばらくして~
コンコン
ハギヨシ「衣様。いらっしゃいますか?」
衣「いるぞー。入れー」ガチャガチャ
ハギヨシ「失礼します」
ガチャ
ハギヨシ「衣様、先ほどの果たし状の返事を藤田様から預かってきました」
衣「よこせ」
ハギヨシ「こちらになります」ヒョイ
京太郎(藤田さんも師匠に口頭で伝えればいいだけなのに、衣さんに付き合って返事を書いてくれてるところを見ると案外いい人なのかもしれないな)
衣「ご苦労様だぞ。ハギヨシ」
ハギヨシ「それでは業務のほうに戻りますので、ひとまず失礼します」シュッ
京太郎「最近師匠が突然消えるのを見ても驚かなくなってきたな……」
衣「衣はもう慣れたぞ」
京太郎「俺も毒されてきているな……」
衣「では早速内容を確認するか!」
京太郎「はい」
衣「ふむふむ」ペラ
京太郎「藤田さんはなんとおっしゃってたんですか?」
衣「なるほどー」
京太郎「衣さん?」
衣「……」
京太郎「?」
衣「詰んだ」ダラダラ
京太郎「どうしたんですか! いきなり!?」
衣「クッ、フジタの奴め……。的確に衣の弱点を突いてきた」ダラダラ
京太郎「どういうことですか?」
衣「この文を見ればわかる」ヒョイ
京太郎「どれどれ……、当日の対戦のルールが載ってますね。これが一体どうしたんですか?」
衣「京太郎、分からないのか……」
京太郎「特に問題はないと思いますよ。衣さん、一体どこが問題なんですか?」
衣「それを衣の口から言えというのか……」
京太郎「口に出すのも嫌、そんなレベルなんですか?」
衣「……問題部分を口に出すのが嫌なわけではない」
京太郎「じゃあ、なぜ?」
衣「なぜそれが問題になってしまうのか、その理由を話したくないんだ」
衣「だけど、せっかく京太郎に協力してもらって練習してきたのに今更それが水の泡になってしまっていいわけないし、衣のプライドを守るためだなんて我儘も言っていられない」
衣「だから」
衣「話すよ」ドヨーン
京太郎「衣さん……」
衣「その代わり理由は察してくれ、京太郎」
京太郎「……分かりました」
衣「うむ」
衣「衣はここを問題だと考える」ビシィ
京太郎「ここですか……」
試合方法は5vs5の団体戦で行う。一般とされる勝ち抜き戦ではなく、先鋒、次鋒、中堅、副将、大将それぞれを明確に区切る。その上で先に3勝したチームの勝ちとする
京太郎「……あー」
京太郎(衣さん友達少ないもんな)
衣「……」
京太郎「……」
衣「……衣は友達が少ないしな」
京太郎(こんな時どんな顔したらいいか分からないよ)
衣「フジタは行きつけのゲーセンで幅を利かせている、格ゲー5新とかいう奴らを連れてくるみたいだ」
京太郎「5新て……」
衣「名前に騙されるな京太郎、フジタの文によると奴らはそのゲーセン内でのトップ5達らしい。油断は出来ない」
京太郎「確かに純さん達に頼むのはちょっと荷が重いかもしれませんね……」
衣「うん」
京太郎「……」
衣「……」
京太郎「……」
衣「……」グスッ
京太郎「!?」
衣「……せっかく、ひっぐ、きょうたろうに、付き合ってもらったのに」グスッ
京太郎「衣さん……」
衣「ごめん、きょうたろう」グスッ
京太郎「……大丈夫です」
衣「」グスッ
京太郎「メンバーに心当たりがあります」
衣「……ほんと?」グス
京太郎「はい」ニコ
衣「……ありがと」グス
京太郎「いいんですよ」
衣「でも」
京太郎「……衣さん?」
衣「衣は京太郎に迷惑をかけてばかりだから……」
京太郎「そんなことないです」
衣「そんなことある!」
京太郎「!」ビクッ
衣「衣はあの日から今日まで京太郎に頼りっぱなしだ」
衣「それなのに衣は京太郎に何もしてあげれてない」
衣「かといって、衣が京太郎のために何かしてあげられるかといったらそうじゃない」
衣「衣は何もできない」
衣「できる事と言ったら麻雀で人を壊すことくらいだ」
衣「本当に自分が嫌になる」ギリッ
京太郎「衣さん」
京太郎「迷惑をかけることって、そんなにいけないことですか?」
衣「……いけないことだ」
京太郎「言い方を変えます」
京太郎「友達に迷惑をかけることっていけないことですか?」
衣「何を言っているのだ……」
京太郎「俺と衣さんは友達です」
衣「違う!」
衣「友とは共に助け合うものだ! こんな一方的に助けてもらっている関係を友とは言えん!」
京太郎「友達関係に損得は関係じゃないでしょう!」
京太郎「友達に迷惑かけるのなんて当たり前でしょう!」
衣「理屈では京太郎の言おうとしていることも分かるし、衣を友と呼んでくれるのは素直に嬉しいよ」
衣「でも衣はそんな関係は嫌なのだ」
衣「めんどくさい事を言っているのも自覚してる。衣のワガママが京太郎を困らせてしまってるのも知っている」
衣「でも」
衣「どうしようもなく……、ままならぬのだ」ギリ
京太郎「……」
京太郎「そうですか」
衣「すまん」
京太郎「いえ、衣さんが気持ちを打ち明けてくれたおかげで、これからどうしたらいいのかハッキリしました」
衣「……」
京太郎「衣さんにひとつだけ質問があります。答えてもらってもいいですか?」
衣「……うん」
京太郎「ありがとうございます。では早速」
京太郎「衣さんは俺のこと嫌いですか?」
衣「好きだよ」
京太郎「……」
衣「……京太郎?」
京太郎「」ハッ
京太郎「すいません。あまりにもノータイムで衝撃的な返答だったんで面食らってました」
衣「衣が京太郎のことを嫌いなわけがないだろう。こんなに衣のために親身になって接してくれる人を好きこそすれ、嫌いなわけないだろう」
京太郎「さすがに照れますね……。でも、これで俺も衣さんに自信を持っていうことができます」
京太郎「衣さん、俺も衣さんが好きです」
衣「」トクン
京太郎「衣さん、俺と親友になりましょう!」
衣「……」
衣「馬鹿なことを言うな、京太郎」
衣「衣達は友達ですらないんだ。それをいきなり親友なんて……」
京太郎「衣さん」
京太郎「親友という漢字は親と友という漢字で出来ていますよね?」
衣「それがどうした」
京太郎「親は家族ですよね。家族のような友達だから親友なんじゃないでしょうか?」
衣「何が言いたい」
京太郎「衣さん」
京太郎「家族には迷惑かけるでしょう」
京太郎「家族には迷惑もかけますし、迷惑もかけられます。そこには打算や損得勘定なんて存在しません。それが家族のスタンダードです。当たり前なんです」
京太郎「親友も家族の延長線上だと俺は考えます」
京太郎「だから、親友には迷惑かけたっていいんです」
衣「無茶苦茶だ!」
京太郎「自分でもそう思いますよ」
衣「……ならばなぜ?」
京太郎「だって、寂しいじゃないですか。俺も衣さんもお互いを気に入っているのに友達じゃないなんて」
衣「それは衣のわがままのせいであって……」
京太郎「でも俺は衣さんの『友達にはならない』という、わがままを受け入れました。全然、嫌な気持ち一つなく」
衣「うぐっ」
京太郎「自分で言うのもアレですけど、俺は聖人君主じゃなければ、仏でもないどこにでもいる高校一年の男子です。そんな俺が友人でもない人のわがままを笑ってきいてあげる。こういうことがありえるでしょうか?」
衣「……」
京太郎「ありえないですよ、普通」
京太郎「つまりですね。何が言いたいかといいますと」
京太郎「衣さん、俺はもうあなたを親友だと思っていますよ」
衣「……」
京太郎「後、それともう一つ。衣さんは俺に頼ってばかりだと悩んでいるようですが気にしないで下さい」
衣「気にするなだと……、無理に決まってるだろ! それでは仮に京太郎と衣が親友同士になれたとしても、衣はずっと引け目を感じるぞ! そんなの衣は嫌だ!」
京太郎「衣さんが引け目なんて感じなくてもいいんです」
衣「……無理だよ」
京太郎「」ハァ
京太郎「……衣さん。今から俺、恥ずかしくて寒いことを言いますが引かないでください」
衣「へ?」
京太郎「衣さんが引け目を感じなくていい理由を今から説明します……」
京太郎「」スー
京太郎「」ハー
京太郎「衣さん男ってのは単純な生き物です」
京太郎「それも思春期の男子ならなおさらです」
京太郎「年がら年中、女の子のことばっか考えています」
衣「そ、そうなのか」
京太郎「はい」
京太郎「特にかわいい女の子について考えています」
衣「……京太郎もか?」
京太郎「……はい」
衣「そうか」
京太郎「可愛い女の子と仲良くなるにはどうしたらいいのか、どうしたら可愛い女の子と色々できるか」
京太郎「そんなことばっかりですよ」
衣「色々ってなんだ?」
京太郎「……色々は色々です」
衣「そうか……、色々か……」
京太郎「はい」
衣「……」
京太郎「……」
京太郎(ま、負けないぞ)
京太郎「そんなんですから、いざ可愛い女の子と接する機会が来るとやっぱりすっごく嬉しいんです」
京太郎「思春期の男子なんて、可愛い女の子が笑ってくれるために行う努力は苦にはならない。そういう生き物なんです」
京太郎「だから俺」
京太郎「衣さんが頼ってくれると凄く嬉しいんです」
京太郎「衣さんみたいにかわいい女の子に頼ってもらえるのが、構ってもらえるのがすごく嬉しいんです!」
衣「……」
京太郎「……」
衣「……」
京太郎「……」
衣「……い、言いたいことは分かった」カー
京太郎「……は、はぃ」カー
衣「……」
京太郎「……」
衣「」フゥ
衣「京太郎」
京太郎「……はぃ」
衣「男って馬鹿だな」
京太郎「……その通りでございます」
衣「なんか」
衣「悩んでた衣がバカみたいだな……」ズーン
京太郎「……なんかすいません」ズーン
衣「いや、おかげで吹っ切れたよ」
京太郎「変な方向にじゃないですよね……」
衣「安心しろ。おそらくいい方向だ」
京太郎「身を切ったかいがありました」アハハ
衣「そうだな」アハハ
衣「そろそろちゃんとするか」クスッ
京太郎「そうですね」クスッ
衣「京太郎」
京太郎「はい」
衣「好きだぞ」
京太郎「俺も好きです」
衣「衣と親友になってくれ」
京太郎「俺の親友になってください」
衣「よろしく親友」握手
京太郎「はい」握手
話は戻って
衣「それで京太郎」
京太郎「はい?」
衣「メンバー本当に大丈夫なのか?」
京太郎「はい。師匠に聞いてみたら龍門渕が全面協力してくれるみたいなので、問題ないですよ」
衣「龍門渕の協力が必要になる位すごい人が来るのか!?」
京太郎「あー、まあ確かに有名なプレイヤーですけどそんなに固い人ではないのでその人とのコンタクトに龍門渕の力が必要だったというわけではないです」
京太郎「単純に、他県の方なんで長野までの移動方法を龍門渕にお願いしてもらうという形になっています」
衣「他県の有名プレイヤーと知り合いって……、京太郎もしかしてお前相当すごいんじゃないか?」
京太郎「あはは、そんなことないですよ。運良く相手の方からフレンド依頼があっただけですから」
衣(言ってることはよくわからないけど多分凄いことだと思う)
衣「それで来てくれる人たちの名前は?」
京太郎「本名を意図的に隠している人もいるんで、ゲーマータグと使用キャラだけでいいなら」
衣「あー、こくにぃとかな」
京太郎「……教育に悪いもの見てるな」
京太郎「まあ、それは置いといて簡単に紹介しますと」
京太郎「一人目はkuroharaさんです。この人はリュウを使用キャラとしています」
京太郎「二人目はMakoさん。この人はフェイロンを使用キャラとしています」
京太郎「三人目はjoin-join-sethさんです。名前の通り使用キャラはセスですね」
京太郎「となっています。後、kuroharaさんとMakoさんは姉妹です」
衣「姉妹両方格ゲーが強いとか、凄いんだな」キラキラ
京太郎「はい。しかも二人ともとびっきりの美人ときてます」
衣「むっ」
京太郎「更には、たわわなお餅まで持ってるときた」
衣「」イラッ
京太郎「会うのが楽しみです」ニヤー
衣「京太郎、練習だ!」グイ
京太郎「うわぁ、衣さんいきなり引っ張らないでくださいよ!」
衣「さっさと行くぞ!」グイ
京太郎「わ、わかりましたから、引っ張らないでくださいー」
衣「フフフ、今夜は寝かさないぞ京太郎」
京太郎「え?」
衣「フジタの他にも倒すべき相手が出来たからな」ボソ
京太郎「はぃ?」
衣「なんでもない! 早速勝負だ京太郎、時間は有限だ!」
京太郎「徹夜は勘弁してくださーーい!」
その後
衣は21時には就寝し、京太郎はハギヨシに車で我が家まで送ってもらった。
終わり
おまけ
衣「話を蒸し返して悪いが」
衣「結局、衣が京太郎に何もしてあげられないという問題が解決してないわけだが」
京太郎「それについては問題ないですよ」
京太郎「衣さんに何を頼むかについては、もう決めてますから」
衣「なに!? 京太郎、なんでも言ってくれ! 衣にできることならなんだってするから!」
京太郎「今ここでは言いませんよ。もう少ししたらお願いすることになりますから」ニコリ
衣「……なんかうやむやにして誤魔化してないか」
京太郎「いえいえ、そんなことありませんよ。ちゃんと考えてますよ。それと、衣さん女性があんまり『なんでもする』なんて言わないほうがいいですよ」
衣「ん? なぜだ? 衣は京太郎の頼みならなんでもしてあげられるぞ」
京太郎「……衣さんわざとやってないですよね?」
衣「なにがだ?」
京太郎(この歳になっても無垢なる魔性を維持し続ける逸材がいるとは……。まったくしょうがk)
京太郎「いかんいかんいかん」ブンブン
衣「ヘッドバンギング?」
京太郎「とにかく、そういうことはあまり口にしないよう気をつけてください」
衣「……うん。京太郎が言うなら気をつける」ニコ
京太郎「……ころたんイェイ」ボソ
衣「え?」
京太郎「なんでもないです」
本当に終わり
だんだんとその片鱗を見せ始めた京太郎が紳士として完全変態するのは、また別の話
試合まで持っていく予定だったけど、シロの話しと辻褄合わせるために京太郎と衣を親友にさせたらアホみたいに長くなったので区切りました。格ゲーの話期待してた人には申し訳ない。
後、更新遅くてごめんね
玄「ガードの仕方しってる?レバー裏倒すんだよ?
玄「えっ?知ってる?じゃあなんでガードしないの?今の見えるよね?」
小ネタを書いていたら小ネタじゃなくなっていたでござる
投下します
照「……」クカー
菫「……照」
照「……」スピー
菫「おい!」
照「……」zzz
菫「」ハァ
淡「てる爆睡だねー」
誠子「よだれで机がベチャベチャです……」
尭深「」ズズズ
淡「たかみー先輩、照のよだれ美味しい?」
尭深「ご、誤解されるようなこと言わないで!」
誠子「尭深がズズズとやったのはもちろんお茶です」
菫「くだらないこと言ってないで、早くうちの魔王を起こすのを手伝え!」
淡「別に、こんなミーティングしなくても私達の最強は揺るがないってばー。寝かせといてあげようよー」
菫「淡、驕るはよくないぞ」
淡「えー、私達は王者なんだよ! わざわざ余計なことしなくてもどっしり構えてればいいじゃん!」
菫「調子にのるな!」めっ
淡「でーもー」
菫「」ハァ
菫「それじゃあ、淡が照に勝てたら考えてやる」
淡「え、本当?」
菫「あぁ、だからさっさと照を起こしてこい」
淡「はーい!」
誠子「あいつは馬鹿だなー」
尭深「うん」コク
淡「照ー」ガシ
照「……」zzz
淡「起きろー!」ブンブン
照「……」ユラユラ
淡「勝負するぞー!」ブンブン
照「zzz」グラグラ
淡「起きてったらー」ブンブン
照「zzz」ポロッ
淡「んー、起きろーってあれ? なんか落ちた」
菫「照の生徒手帳だな」ヒョイ
誠子「胸ポケットに入ってたのが落っこちてしまったんですね」
菫「そのようだな、よし淡! 照を起こしてくれー」
淡「」ジー
尭深「」ジー
菫「……どうした?」
淡「気になるの」
尭深「……おなじく」
菫「……一応聞くが何がだ?」
淡い「てるの生徒手帳の中身に決まってるじゃん!」
尭深「うん」
菫「そうか、なら照を起こして中身を見せてくれと頼み込めばいい」
淡「それじゃ意味ないって! てるが気付いていない時に見るのが楽しいんじゃん!」
菫「淡、お前ナチュラルにクズだよな」
淡「えー、こんなに可愛いのにー?」
菫「お前が可愛いかどうかなんて今は関係ないだろ」ハァ
淡「可愛いは正義だよ」ドヤッ
菫「淡、お前可愛くないから」
尭深「うん」
誠子「そうですね」
淡「え、酷くない……(真顔)」
菫「冗談だ」
尭深・誠子「うん」
淡「だよねー、私ってすっごく可愛いし! 声も斎藤千和さんだし! もう、向かうところ敵なし状態じゃん。いやー先輩たちの目が腐ってんのかと思って心配したよ! あーびっくりしたー」
菫・尭深・誠子(……この後輩可愛くない)ピキピキ
菫「あーもう可愛いのは分かったから、さっさと照を起こそう」
尭深「……それはダメ」
菫「おいおい頭が残念な畜生後輩である淡はともかく、尭深お前までそんなことを言うなよ」
淡「ん?」
尭深「悪いことだということは理解している」
淡「ねぇねぇ、今菫先輩が酷いこと言ったようなー」
菫「そんなことはないぞ、こんなことを聞き間違えるなんてお前は可愛いなー(棒)」
淡「えへへそうかなー?」
菫「そうだぞー(棒)」
淡「そうですよねー、菫先輩が可愛い私に酷いこと言うはずないよねー。ごめんね勘違いだったよ! 可愛い私に免じて許してにゃん」ニコニコ
菫「まったく、淡はあわてんぼさんだなー(棒)」
淡「違います! 菫先輩。淡天使さんですよー!」ニコニコ
菫「これは一本取られてしまったなー(棒)」
菫・淡「アハハハ」
誠子「菫先輩の笑顔が引きつってる……」
尭深「目も死んでる……」
菫「本題に戻るぞ」
淡「はーい!」ニコニコ
尭深・誠子(部長ってたいへんだなー)
菫「尭深はなんで照の生徒手帳が気になるんだ?」
淡「だーかーらー」
菫「あ、ごめん淡。お前には聞いてないんだ」
淡「(´・ω・`)」
誠子「よしよし」ナデナデ
尭深「……最近、照先輩が生徒手帳をよく眺めてるから、気になって……」
菫「言われてみれば……、そうかもしれない……」
誠子「今までもちょくちょく眺めてることは目にしましたけど、最近になって急に目にする機会が増えましたね」
尭深「……そう、付け加えて言うなら照先輩は生徒手帳を眺めた後、いつも物憂げな表情を顔に浮かべて溜息を吐く」
菫「なんだよその反応は……、それではまるで」
淡「恋だね! てるは恋しちゃってるんだね!」
誠子「うわ! 急に大声出すなよ、びっくりするだろー」
淡「大声もだすよ! だって照に好きな人ができたんだよ!」
菫「まだ確定したわけじゃないだろ」
淡「いーや、確定だね! 生徒手帳を見た後のてるは完全にメスの顔をしてたし!」
菫「メスの顔って……、他に言いようがあるだろ」
淡「えー、例えばー?」
菫「……こ、恋する乙女とか」
淡「そうですねー」
菫「雑!?」
尭深「……照先輩が恋をしてるかどうかを確認するためにも中身を確認するべき」
誠子「普通にアイドルグループとかの写真とかかもよ?」
菫「いや、それはない」
誠子「え、なんでですか?」
菫「……照は普通じゃないから」
誠子「……そうでしたね」
淡「テレビとか見れるのかな? てるの技術的にー」
尭深「……微妙なライン」
淡「よーし、じゃあ拝見しましょうかねー」ヒョイ
菫「い、いや待て! 仮に照に好きな人がいたとして勝手に中身を見てしまうのはやっぱりいけないだろ!」
淡「菫先輩も気になるでしょ? てるの好きな人」
菫「そ、それはそうだが、しかし……」
淡「はぁ、菫先輩は頭が固いなー」
菫「う、うぐ……。頭がゆるゆるよりはいい……はずだ」
淡「菫先輩考えても見てくださいよー。好きな人ならまだしも、てるに彼氏ができたって可能性もあるんですよー!」
菫「女子力を戦闘力と勘違いしているあいつに彼氏なんて出来るわけないだろう!」
誠子「森ガールをご飯を大盛りで食べる女の子と勘違いした挙句、ついに私の時代が来た……、とドヤ顔で言ってる女性ですしね」
尭深「……照先輩は世間知らずなところがあるから」
淡「そうだよたかみー先輩! てるが世間知らずなことをいい事に、質の悪い男が巧みな口車で手篭めにしちゃったのかもしれないじゃん! これは早急に対処が必要だよ菫先輩」
菫「確かにあいつは中身が残念だが顔はいいからな……」
淡「私ほどじゃないけどねー」
菫「な、なんか急に心配になってきたぞ……」
誠子「確かに、てる先輩お菓子を出されたらホイホイついて行きそうですし……」
尭深「」ウンウン
菫「だが人様のものを勝手に見るのはやはり……」
淡「大丈夫だって! 安心してください!」
淡「可愛い私の可愛い好奇心がやったことです!って言えば、照もきっと私のかわいさに免じて許してくれますよー」
菫「そうか……わかった。照への謝罪は頼んだぞ淡」
淡「まかせなさーい」フンス
尭深・誠子(馬鹿だなー)
淡「それじゃあ早速中身を確認しよー!」
誠子「おー」
尭深「……おー」
菫「……」
淡「」ジー
誠子「」ジー
尭深「」ジー
菫「……お、おー」
淡「よし!」
菫「……い、今の必要か?」
誠子「ハ、ハハハ」
尭深「……うん」
淡「こういうのって大体一番後ろに……」
菫「どうだー?」
淡「あった! って……なんじゃこりゃあ!?」
菫「どれ、私たちにも見せてみろ」ヒョイ
菫「これは……」
誠子「子供ですね……」
尭深「……かわいい」
菫「小学生くらいか、かわいらしいじゃないか」
誠子「照先輩はこの写真を眺めていたんですね」
菫「そういうことになるな、子供好きとは照のやつ可愛いところもあるじゃないか」フフフ
誠子「そうですね」フフフ
淡「」ヒソヒソ
尭深「」ヒソヒソ
淡・尭深「」コクリ
菫「お前らはコソコソ何を話している」
淡「い、いやー、ちょっと」
菫「なんだ言えない内容なのか」
淡「そのー、何て言うか、私としては予想外の事態で……」
尭深「……菫先輩達にも事情を話すべき」
淡「で、でもそしたら、てるが!」
尭深「……どの道、私達だけでは解決できない」
淡「そうだけど……」
菫「なんのことか知らんがさっさと話せ、目の前でそんな風に話されると気分も悪い」
尭深「……写真の子は照先輩の想い人なんです」
菫「何を言っているんだ……、写っていたのは小学生だぞ?」
尭深「……はい、……でも確かな事なんです」
淡「……うん」
菫「……つまりお前たちは照がこの小学生に恋していると言いたいのか?」
尭深「……そういうことに……なります」
菫「なぜそう言い切れるんだ?」
淡「……私達、生徒手帳のこと照に聞いたことがあるんだ」
誠子「どういうこと?」
淡「照が最近生徒手帳を眺めてるのが気になって、理由を聞いてみたんだよ」
尭深「そしたら照先輩が満面の笑みで……、好きな人の写真を見てるのって……」
菫「……冗談だろ」
尭深「……事実です」
誠子「それって……」
淡「……うん」
菫「て、てるが……ショタコンだというのか!?」
淡・尭深・誠子「」ズーン
菫「……なんとか言ってくれ」
誠子「そ、そうだ! 好きな人は好きな人でも、恋愛的な好きじゃなくて、犬や猫などの小動物を可愛いと思う意味での好きだったんじゃないすか!」
菫「そ、そうだ! そうに違いない! 普通に考えればそうだろ。私としたことが冷静さを失ってしまっていた……」
淡「そうだったらよかったのにねー(遠い目)」
尭深「……ねー(遠い目)」
菫「なんだよ! もうこれが結論でいいだろ!?」
淡「てるはねー、その子とどうなりたいの? って聞いたんだよ」
菫「なんでそんなこと聞いたんだよお前はー!!」
淡「しょうがないでしょ! ショタっ子とか普通思わないしさ! 女子だもん! 聞くよそりゃあ!」
誠子「菫先輩、落ち着いてください! まだ答えは出てないです! 二人の反応見てればなんとなく分かりますけど! まだ試合は終了してません!」
菫「いーや、もう終わってるね! 残り10秒で20点差だね! こいつらの反応を見る限り、結婚したいとか言ったとしか思えないだろ!」
淡「すごーい菫先輩ニアピンですよ! ニアピン! 実際の正解は『性的な関係を経て、ゆくゆくは結婚したい』でしたー」
尭深「……おしい」
菫「おしいじゃないよ! 全然嬉しくないよ! しかも照のやつなんで『性的な関係を経て』って前置きしてんだよ! いらないだろ!?」
尭深「……私たちに言われても困ります」
淡「でも大事なことですよ?」
菫「そうだけどさあ!!」
誠子「す、菫先輩捉え用によってはまだ性的な関係は持ってないと、とれますし一旦落ち着きましょう!」
菫「あ、あぁ……、そうだなすまん亦野……、言われてみては照がまだ超えちゃいけないラインを超えていない確かな証拠になり得る情報なのかもしれない」
淡「性的な関係より前のステップは済ましている可能性があr 菫「ない!」」
尭深「でも 菫「ない!」」
淡「だけど 菫「ないから!!」」
尭深「普通先に 菫「ないんだ!!!」」
菫「……ないんだよ(震え声)」
淡・尭深「……はい」
誠子(……心なしか菫先輩が一気に老けたような気がする)
菫「」フゥ
菫「皆、今日見たことを忘れよう」
淡・尭深・誠子「!?」
菫「なかったことにしよう」
淡「え、でも……」
尭深「……本当にそれでいいんですか」
菫「あぁ」
誠子「でもそれじゃあ、何も解決しませんよ」
菫「そうだな」
淡「てるの目を覚ましてあげなくていいの?」
菫「いいんだよ」
淡「でも、それは友人として……」
菫「無責任か?」
淡「……うん、そう思う……」
菫「淡、照は大丈夫だ」
淡「……でもさぁ」
菫「照が写真の子にひどいことをすると思うか?」
淡「何言ってんの? そんな事する訳ないじゃん!」
菫「そうだ、照は絶対にそんな事をしない」
淡「……」
菫「話すタイミングが見つからくて今まで黙っていたが、私も照に生徒手帳の中身を尋ねてみたことがあるんだ」
誠子「そうなんですか?」
菫「うん。そしたらあいつは顔を緩ませて言ったよ『私の宝物ー』ってな。もちろん中身は見せてもらえなかったがな」
菫「あんな無邪気な笑みを浮かべるあいつは初めて見たよ」
菫「まぁ、私が何を言いたいかというとだな……。私は照を応援するよ」
淡「……本当に?」
菫「陰ながらだけどな」
誠子「す、菫先輩?」
菫「なんだ?」
誠子「い、いえなんていうか、そのー……」
菫「意外か、私がこのような結論を出したことが?」
誠子「う、はい……正直……」
尭深「……絶対反対してやめさせると思いました」
菫「あいつが間違えそうになったら止めるさ」
誠子「間違えそうになったらって……、それってどうやって判断するんですか」
菫「そんなものは知らん」
淡「急に無責任!?」
菫「まぁ、手が後ろに回るようなことをするとは思えんし、それに」
淡「それに?」
菫「それに、宮永照って女は決して間違えない、それが世間一般で間違った恋であってもだ!」
菫「違うか?」ニコ
尭深「……違わないです」ニコ
誠子「……そういえばそうでしたね」ニコ
淡「……最初から結論出てたじゃん、 私ったら何真面目に考えてたんだろー」ニコニコ
菫「私は宮永照の恋を応援する」
誠子「もちろん私も!」
尭深「……同じく」
淡「こんなに可愛い私が応援してあげるんだよ! もう縁結びなんか目じゃないくらい御利益ありまくりじゃない!」
菫「ふふふ、そうだな!」
菫「だから私たちは何も気にせずいつも通り過ごしてればいいんだよ」
淡・尭深・誠子「」コクリ
菫「よーし、分かったら返事だ!」ニヤリ
淡・尭深・照・誠子「はーい」
菫「うむ、よろしい!」
淡「……」
尭深「……」
誠子「……」
菫「……」
菫・淡・誠子・尭深「……ん?」
照「私のことをそんなに考えてくれていたなんて……」ジーン
菫「……照」
照「なに?」ニコニコ
菫「……お前いつから起きてた」
照「ついさっき」
菫「そうか……」
照「うん」
菫「……」
照「……」
菫「照あの 照「嬉しかった」」
菫「え?」
照「みんなが私の恋を応援してくれて、私とっても嬉しい」
淡「て、てるあのね」
照「勝手に私の生徒手帳を見たのには腹が立ったけど、それ以上に私嬉しいの……」
尭深「……て、照先輩、私達はそういうんじゃなくて」
照「いいの……、恥ずかしくて皆に打ち明けられなかった私の殻をぶち破ってくれたみんなに感謝してる位だから」
誠子「ち、違うんです。照先輩私達は」
照「いいの。言わないでも分かるから、皆が私の恋を応援してくれるんだよね」ニコ
照「ありがとう」ペコリ
照「みんなが友達で本当に良かった」ニコ
菫「……」
淡「……」
尭深「……」
誠子「……」
菫・淡・尭深・誠子(……どうしよう)ズーン
菫(犯罪の片棒を担ぐなんて私は嫌だぞ!)ヒソヒソ
誠子(私だって嫌ですよ!)ヒソヒソ
尭深(……こういうのは後輩の仕事)ヒソヒソ
淡(ちょっとちょっとちょっとー、何それ! それを言うなら言い出しっぺの法則で菫先輩がやるべきじゃないんですかー)ヒソヒソ
照「早速、作戦会議……?」
菫「え?」
淡「あの、そのーこれは……」
照「……違うの」ウルウル
菫「そ、そうだ! 作戦会議だ! な! 淡?」
淡「は、はい! その通りです! ですよねたかみー先輩!」
尭深「……そ、そう……だね……誠子?」
誠子「う、うん! やだなー! 作戦会議に決まってるじゃないですかー!」
照「」グスッ
菫「て、照どうした!?」
照「こんな、グスッ、いい仲間を持って、ヒグッ、私は幸せだなって」エグエグ
照「みんな、グスッ、私と京ちゃんのこと、グスッ、よろしくお願いします」ペコリ
菫・淡・尭深・誠子(どうすんだよ……本当……)ズーン
おわり
咲キャラってパワポケの彼女候補みたいな感じでデフォルメしたらすっごいハマるんじゃないかなーとか思いつつ書いてたら、京ちゃん登場させれんかったよ
もう少しかかります。さーせん
ウ○コしたら投下します
後、オリキャラ注意です
ゲーセン前
京太郎「いよいよですね」
衣「あぁ」
京太郎「緊張してるんですか?」
衣「少しだけな」
京太郎「大丈夫ですって! あんなに練習したんですからきっと藤田さんに勝てますよ!」
衣「そうだな! あんなに練習したんだもん! きっと勝てる!」
京太郎「その意気ですよ! やる前から気持ちで負けてたんじゃ勝てる勝負も勝てません、前向きにいきましょう!」
衣「その通りだ! 今日はフジタ絶対泣かす! そしてぶっ倒した後に、今どんな気持ちかしつこく聞いてやる! すっごい煽ってやる!」
京太郎「人としては間違っているけど、格ゲープレイヤーとしてはあながち間違っていない、衣さんマジぱねぇっす!」
衣「そうだろーさすがだろー」
京太郎「すっごい複雑な気分ですけど、まぁいいや」
衣「それはそうと京太郎」
京太郎「なんですか?」
衣「助っ人が見当たらないんだが大丈夫なのか?」
京太郎「おかしいですね、師匠にお願いしたので手違いなんてあるはず無いですし……」
衣「ハギヨシに頼んだのなら間違いない、きっともう助っ人も到着しているはずだ」
京太郎「そうですよね……一体どこに『キャーーーーーー!!!!』 へっ?」
京太郎「な、なんだ!?」
衣「随分と派手な登場だな」
ドサッ
「し、しぬかと思ったよ」
「」ブルブル
「」コシューコシュー
ハギヨシ「お待たせしました、衣様、京太郎さん」ペコリ
衣「うむ、パーフェクトだハギヨシ」
京太郎「パーフェクトじゃないですよ!! ツッコミどころありすぎですよ!!」
衣「どうしたんだ京太郎? 実にパーフェクトな仕事じゃないか、時間通りきっちりと助っ人と合流できたし問題なかろうよ」
京太郎「そうですね! 時間通りに助っ人の皆さんと合流できたそれは良かったです。ですけど、登場の仕方が無茶苦茶でしょう!!」
衣「そうか?」
京太郎「そうですよ! どこの世界に格ゲーをするために空からパラシュートで降下してきて合流する輩がいるんですか!?」
衣「むぅ……言われてみれば確かに……」
京太郎「そうでしょう! 体を抱えて震えてる人もいれば、酸素スプレーを当てて青白い顔をしている人だっているんですよ!」
「」ブルブル
「」コシュー
衣「うむ。京太郎の言うとおりだ、ハギヨシどういうことだ! 説明しろ!」
ハギヨシ「はい。龍門渕家自慢の自家用オスプレイで助っ人の皆さんをお迎えに行ったところ、馴染みのない移動手段で舞い上がってしまったようで」
衣「して……どうしたのだ?」
京太郎(オスプレイに馴染みのある庶民なんていないです)
ハギヨシ「助っ人の方からせっかくの機会ですのでこれ(パラシュート)を使用して降りてみたいとおっしゃられたのでその通りに」
京太郎「……その通りにしちゃったかー」
衣「落ち着け京太郎」
京太郎「でも」
衣「聞けば助っ人達発信でこのような事態になったのだ。ハギヨシを責めるのは間違ってる!」
京太郎「確かにそうですけど……こういう時は大人が止めないと」
ハギヨシ「龍門渕家の執事たるものお客様の要望は出来うる限り叶えるべきと判断しました」
衣「うむ、違いない」
京太郎「でも、ほら! 安全性とか!」
ハギヨシ「それについては問題ありません。このパラシュートは龍門渕が独自開発した着用者の体重を自動で計算して目的の座標に寸分違わずピンポイントで着陸できる代物で傘もちょうどいいところで自動で開いてくれます」
京太郎「便利な設定だなー」
衣「含みがある言い方だな」
京太郎「いえ、やっぱり龍門渕ってスゴイ、改めてそう思いました」
衣「うむ、ならば問題ないではないか」
京太郎「……でもやっぱり」
「須賀くん、執事さんに非はないよ!」
京太郎「玄さん」
玄「私たちが望んでやったことだしね!」
「そや」
京太郎「怜さん」
怜「元々うちが提案したことやし」コシューコシュー
京太郎「その割には一番重症そうですけど」
怜「だってうち病弱やし」コシューコシュー
衣「大丈夫なのか?」
怜「少し休憩すれば大丈夫や」コシュー
衣「そうか、一安心だ」
怜「心配してくれてありがとなー」
京太郎「はぁ、宥さんは大丈夫ですかー」
宥「だ い゛じょ う゛ぶ だ よ゛」ガクガク
京太郎「あーもうこんなに震えて可哀想に」
衣「よっぽど怖かったんだな」
京太郎「……そうですね」
玄「誤解が生まれてますね」
怜「せやな」コシュー
――――――――――――――――――
ハギヨシ「どうぞミルクティーです」
宥「」ゴクゴク
宥「ふぅ」
宥「あったかいし、美味しい」パァ
京太郎「寒さで震えていただけだったんですね」
玄「この時期でも空の上は寒かったよ」アハハ
怜「ホンマになー」アハハ
京太郎「この二人は……」
衣「畜生だな……」
宥「そ、そんな事ないよ!」
京太郎「え?」
衣「ん?」
宥「確かに二人とも暴走しちゃう時もあるけど基本的にはとっても良い子だよ!」
京太郎「あのー宥さん?」
宥「え、なに?」
京太郎「衣さんも本気で言った訳じゃないのでフォローはそれくらいで大丈夫ですよ」
宥「そ、そうだったんだ。良かったよー」
衣「誤解させるようなことを言って申し訳なかった」ペコリン
宥「私の方こそごめんね衣ちゃん」ペコリン
衣「うむ」
宥「えへへ」ギュ
衣「え?」
衣「……」
宥「」ニコニコ
衣「……京太郎」
京太郎「なんですか衣さん」
衣「お姉さんに手を握られているのだが」
京太郎「そうですねー」
宥「もしかして嫌だったかな……」シュン
衣「い、いや全然そんなことはない!」
宥「本当? なら良かったー」ニコニコ
衣「うん」
宥「」ニコニコ
衣「……」
宥「」ニコニコ
衣「……」
宥「えへへ」ニコニコ
衣「……京太郎」
京太郎「なんですか」
衣「こ、衣はどうしたらいいのだ」
京太郎「そのままでいいと思いますよ」
衣「そ、そうか……このままでいいのか……」
京太郎「はい」
宥「衣ちゃんの手あったかーい」ニコニコ
ハギヨシ「衣様」
衣「どうした?」パッ
宥「あっ」
ハギヨシ「店内で藤田様がお待ちです」
衣「わかった」
京太郎「じゃあ行きますか」
衣「うむ」
玄「はーい」
怜「うん」
宥「はい」シュン
京太郎「……」
衣「どうかしたのか?」
京太郎「」チラ
宥「」トボトボ
京太郎「」フゥ
衣「本当にどうしたんだ?」
京太郎「衣さん耳かしてください」
衣「ん」
京太郎「ゴニョゴニョゴニョ」
衣「衣は別にいいがビックリするんじゃないか?」
京太郎「きっと喜んでくれますよ」
衣「そうか、わかった行ってくるぞー」
京太郎「はい」ニコリ
ハギヨシ「ありがとうございます」
京太郎「なんのことですか?」
ハギヨシ「色々ですよ」
京太郎「は、はは……」
京太郎「師匠はなんでもお見通しですね」
ハギヨシ「執事ですから」ニコッ
京太郎「理由になってませんよ」クスッ
ハギヨシ「……」フゥ
京太郎「大丈夫だと思いますよ」
京太郎「衣さん素直で優しいですから」
ハギヨシ「はい」
京太郎「たくさん友達ができると思いますよ」
ハギヨシ「はい」
京太郎「……」
京太郎「大事なのは今ですよ」
ハギヨシ「……」
京太郎「今、衣さんが心から笑ってる。それが全てです」
ハギヨシ「……」
京太郎「少なくとも俺はそう思いますし、衣さんはハギヨシさんにそう思っていて欲しいんじゃないでしょうか?」
ハギヨシ「……そうでしょうか」
京太郎「言ったでしょハギヨシさん、衣さんは素直で優しいんです」
ハギヨシ「……」
京太郎「違うんですか?」
ハギヨシ「いえ」
ハギヨシ「私の主、天江衣はとても素直でお優しいお方です」
京太郎「ですよね」ニコリ
ハギヨシ「はい」ニコリ
京太郎「よっし、それじゃあ早く行きましょうか! 藤田さんを待たせるわけには行きませんし」
ハギヨシ「はい」
ハギヨシ「ありがとうございます。京太郎くん」
京太郎「どういたしましてですよ、師匠」
衣「お姉さーん!」
宥「ん」
衣「」ギュッ
宥「えっ?」
衣「い、一緒に行くぞ! 迷ったら大変だからな!」グイッ
宥「えっ? えっ?」
衣「」グイッ
宥「こ、衣ちゃんもう少しゆっくり」トテトテ
衣「あ、すまない気が回らなかった」
宥「う、うん。大丈夫だよ!」ニコニコ
衣「……」ジー
宥「」ニコニコ
衣(お姉さん楽しそうだ! 京太郎の言ったとおりだ)
衣「えへへ」ニコニコ
衣「では行くか」ニコ
宥「うん!」ニコニコ
衣(衣の友達になってくれるかもだ)ニコニコ
玄「なんか私達影薄いねー」
怜「せやなー」
玄「帰っちゃおうかー」
怜「一理有りやな」
京太郎「なしですよ!」
ゲーセン内
藤田「来たか」
衣「フジタ……」
藤田「調子はどうだ、子供?」
衣「子供じゃないころもだ!」
藤田「そうだったかな?」
衣「……ゴミプロ雀士」ボソ
藤田「……何か言ったか?」
衣「な、なんにも!」
藤田「……まぁいい」
衣「」ホッ
藤田「それはそうと果たし状とは粋なことをしてくれるじゃないか」
衣「そうだろ」ニヤリ
藤田「普通に過ごしていれば一生受け取ることの無い代物だ。いい記念になったよ」
衣「そうだろ、そうだろ」
藤田「ちゃんと人数も集めてきたみたいだしな」
衣「うむ」
藤田「お前友達いたんだな」
衣「と、当然だ!」
藤田「でだ」
藤田「果たし状に書いていた師匠はどなたかな?」
衣「ふっ、急かすなよフジタ。紹介しよう衣の師匠であり親友でもある京太郎だ!」
京太郎「どうも」ペコリン
藤田「そうか、君が……」
京太郎「須賀京太郎です」
藤田「藤田だ。今日はよろしく」
京太郎「はい、こちらこそよろしくお願いします」
藤田「」ジー
京太郎「あ、あの……何か?」
藤田「……いやなんでもないよ」
京太郎「はぁ?」
藤田「ま、今日は楽しんでくれたまえ少年」
京太郎「はい」
藤田「うむ、ではひとまず失礼するよ」スタスタ
京太郎「はい」
京太郎「ふぅ……、まいったな」
玄「須賀くん」
京太郎「どうかしましたか玄さん?」
玄「あの人が藤田さん?」
京太郎「そうですよ」
怜「えらい迫力がある大人やったな」
宥「うん、それとなんか怖かった」
京太郎「よく思われてないみたいですね、俺」
怜「藤田さんに何したんや京太郎?」
京太郎「何もしてませんよ……」
玄「でも京太郎くんですし」
宥「……あぁ」
怜「またか……」
京太郎「また?」
玄「気にしなくていいよ」
宥「私達は須賀くんに悪意がないのはわかってるし」
怜「京太郎は試合に集中してなー」
京太郎「え、ちょ、どういうことですか!?」
玄「いいからいいから」
宥「気にしない気にしない」
怜「クールダウンやー」
京太郎「なんなんですかもーー!」
玄・宥・怜(多分)
玄・宥・怜(旗立て放置で爆弾持ちだよねー)チラッ
京太郎「なんですか……その冷たい目わ」
玄・宥・怜「ふぅ」
玄・宥・怜「」ジー
京太郎「……なんすか?」
玄・宥・怜「」ヤレヤレ
京太郎「うわー、すっごいムカつくー」
衣「何をしているんだお前たちは」
京太郎「みんなにいじめられました」
衣「おい! 衣の京太郎をいじめるな!」
怜「別にいじめとらんでー」
玄「うん、むしろ現在進行形でいじめられてるのは私達の方だよ」
宥「爆弾ってあったかいと思うの」ニコリ
京太郎「なんか知らないけど大天使宥さんが怖い!」ヒッ
衣「何だかよく分からないが、京太郎は衣の親友だ。ここは衣に免じて許してやってくれ」
京太郎「あ、あれ、おかしいな。もしかして俺が悪いことになってる?」
玄「衣ちゃんがそう言うなら」
怜「今回は見逃してやるかー」
宥「爆弾処理はお早めにだよ! 須賀くん」
京太郎「宥さんは何を言ってるんだ……」
衣「うむ、そろそろ先鋒戦を始めるらしいから先鋒は筐体前に来てくれってフジタが」
京太郎「そういえばオーダーの順番は決めてませんでしたね、どうしましょう?」
衣「うむ、フジタは大将戦らしいから衣は大将をやるぞ!」
京太郎「わかりました。後、俺一番いってもいいですよ?」
衣「あっ、言い忘れてた! 京太郎は副将にしてくれって相手チームから要望があった。勝手だと思ったがその旨に了解したがまずかったか?」
京太郎「いえ、別に全然問題ないですよ。それじゃあ先鋒は助っ人の方に頼むことになりますがどうしましょう?」
怜「うちが行く」
京太郎「怜さん、良いんですか?」
怜「勝ち抜きじゃない以上、どこで出たって一緒やしええでー」
京太郎「確かにそうですね。相手の情報が無くて使用キャラがわからない以上、キャラのマッチングは運頼みですし」
怜「そうやな」
衣「それでは先鋒は頼んだぞ、怜!」
怜「はいよー」
ちょっと風呂入ってきてよかですか
今のとこ時系列どうなってるんだろ?
咲、照→優希、久→怜、宥、玄(順番は不明)→衣→シロか?三人の見立てではカツ丼さんにも立ってるようだし、また話が遡るのかな?
怜「それじゃあいってくるわ」
衣「頼むぞ! 怜!」
怜「任せときー」
玄「怜さんだけにね!」
宥「クロちゃー……」
京太郎「あ、あはは、この間にお二人のオーダーも決めちゃいましょうか」
宥・玄「はーい!」
京太郎(なんだろう……すごく可愛い!!)
衣「先鋒怜、次鋒宥お姉さん、中堅玄、副将京太郎、大将衣、うんバッチリだな!」
京太郎「助っ人の皆さんに最初任せっぱなしっぱなしなのが気になりますけど……」
玄「気にしないでいいよ!」
宥「うんうん」
京太郎「そう言ってもらえると招いた側のこちらとしては少々気が楽になりますよ。ね、衣さん?」
衣「あ、ああ、そうだな」
京太郎「どうしました?」
衣「いや、怜は大丈夫かなと思ってな」
玄「大丈夫ですよー」
京太郎「即答ですか?」
玄「うん」
京太郎「その心は?」
玄「初見で怜さんの※起き攻めの※択に対応できる人なんていないよ!」
※ダウンした相手の起き上がり直後に攻撃を仕掛けること
※相手にいくつかの選択肢を迫り、ある程度の確率で攻撃を成功させる戦法のこと
京太郎「対応するもなにも択に対する行動なんてほとんど択を予想しての行動、言ってしまえば運によるところも大きくないですか?」
玄「普通はそうだよ」
衣「普通は……?」
玄「うん、普通は運によるところが大きいよ。でも怜さんは相手が次にする行動が読めているかのように択を通していくんだよ」
京太郎「確かにセスを使用していることを差し引いても、怜さんの択はキツイと思いますけど……。俺は対戦していてそこまで絶望的に択を通されたことはないんですよ?」
玄「あぁ、それはね」
宥「須賀くんも普通じゃないってことだよ」
京太郎「俺がですか?」
玄「択のやりとりは基本的に読み合いだけど須賀くんの場合読み合いじゃなくてフィーリングで択に対して相対するんだよ」
京太郎「※ぶっぱってことですか?」
※ヒット確認、または相手の隙を確認せずに技を出すこと
玄「ちょっと違うかな」
宥「うん、ぶっぱも択の一つだから……それに多かれ少なかれ皆使う技術だしね」
京太郎「ではどういう事なんですか?」
玄「大雑把に言ってしまうと、須賀くんは択に対して行動する際にこの技を出したいから使おう! と思って出した技のリスクリターンが全く合ってない場合が多いんだよ」
宥「択を通す側からしたら、択を通す際に相手のキャラ対策の段階でこのキャラはどのような行動をするかという相手側から見たセオリーを考えて択の実行に移すんだけど、須賀くんはそのセオリーから外れた行動を選択する場合が多々あるんだよ」
玄「具体的にはその時の気分次第で、技の性能よりもこの技で反撃したらかっこいいだろうなーとか考えてとんでもない技チョイスをするときがあるよね」
宥「後、ウルコン病だし」
京太郎「……ハイ」
衣「それは格ゲープレイヤーとしてあんまりなんじゃないか?」
玄「あんまり良くないかもね」
宥「そ、そうだね」
衣「京太郎は馬鹿なのか?」
京太郎「……返す言葉もございません」ズーン
玄「で、でもそれが結果的に効果的に働くこともあるよ!」
宥「怜さんも今日オスプレイで来る時、須賀くんの戦い方は対戦していておもしろいって言ってたしね!」
京太郎「フォローが痛い……」シクシク
衣「京太郎もまだまだだな!」
京太郎「その通りでございます……」
玄「怜さんいわく、四択の問題を出されるけど答えはその中には存在しない。そんな問題が通常の4択問題とごちゃ混ぜで出題される感じらしいよ」
京太郎「自分で言いますけどそんな相手とは対戦したくないですね……」
宥「須賀君の場合は基本ができてる分、相手からしたらとっさにプレースタイルが変わったと錯覚して色々考えすぎて結果的にやられちゃうって感じかな」
衣「負けた方からしたらやりきれないだろうな……」
京太郎「……なんかすいません」
玄「だけどだけど上級者からしたら戦ってて楽しいと思うよ!」
宥「うんうん、状況が目まぐるしく変わってそれに対応する練習にもなるしね」
衣「フォローしてくれてるぞ」
京太郎「あ、いや、あの……恐縮です」
衣「とりあえず、怜が心配いらないのと、京太郎がおかしいことはわかった」
トレモで調整
怜「よろしく」
「こちらこそ」ニコッ
怜「それじゃあ、早速始めよかー」ガシャンガシャン
「はい、よろしく」キラキラ
怜「うちは怜って言います」ジョインジョインセス
「御丁寧にどうも。私は灰山と申します。本日はよろしくお願いしますマドモアゼル」キラキラキラ
怜「うん、マドモアゼルじゃなくて怜やけどな」ガチャガチャガチャ
灰山「これは失礼しましたマドモアゼル」キラキラキラ
怜「もうマドモアゼルでもアザゼルでもなんでもええから、早いとこキャラを選んでください」
灰山「! これは私としたことがうっかりしていた」キラキラキラ
怜「……この人しんどいわ」
衣「なんだあいつは」
玄「何者なんでしょう?」
宥「後光が差してるよあの人……」
京太郎「長野のクレイジーオスカルこと灰山です」
玄「二つ名まであるの、あの人!?」
京太郎「そりゃあ、ありますよ。あの見た目ですし」
宥「確かに少女漫画の世界から飛び出てきたかのようなあの見た目、インパクトありすぎだよぉー」
衣「それであいつ強いのか?」
京太郎「えぇ、PPも3000超えてますし強いと思いますよ」
衣「あんな奴なのに?」
京太郎「あんな奴なのにです」
玄「そうなんだ……使用キャラは何なの?」
京太郎「まことです」
宥「クレイジーの由縁はキャラクターからかな?」
京太郎「そうですね。後、ダッシュ唐草、移動唐草をバンバン振ってくること理由の一つだと思います。ちなみにオスカルの由縁は―――」
衣「見た目だろ」
玄「見た目だね!」
宥「み……言動!」
京太郎「宥さん早押しクイズじゃないんで変えなくてもいいんですよー」
宥「あ、ははは」
衣「そろそろ始まるみたいだぞ」
玄「本当だ、応援しなくちゃだ!」
宥「そうだねクロちゃん」フンス
京太郎「それじゃあ俺、怜さんのセコンド行ってきますね」ガタッ
衣・玄・宥「いってらっしゃーい」
京太郎「そろそろ始まりますね」
怜「うん」
京太郎「セコンドって言っても名ばかりなんで特にアドバイスとかはありません。普段通りにやってください」
怜「りょうかい」
京太郎「玄さんか宥さんのどちらかがセコンドだったらなんかアドバイスできたんでしょうけど……、すいません」
怜「心配せんでええよ、ちゃんと勝つから」
京太郎「……そうですね! 怜さん頑張ってください!」
怜「うん」
怜「後な、京太郎がセコンドなこともちゃんと理由があってのことやで」
京太郎「そうなんですか?」
怜「うん」
京太郎「うん?」
怜「理由は言えんけどな」
京太郎「なんで!?」
怜「まぁ、気にせんででええよ」
京太郎「……気になりますよ」
怜「余計なこと考えんと、うちのこと見てたらええ」
京太郎「なんか腑に落ちないですけど分かりましたよ……」
怜「それでええ」ニコ
怜「行ってくる」
京太郎「あ、怜さん」
怜「ん?」
京太郎「頑張ってください!」ニコリ
怜「……ん」ニコリ
怜(京太郎は気づいてへんかったけど)
怜(京太郎が近くでうちを応援してくれる)
怜(緊張するけど)
怜(それ以上に滾るわ)ゴッ
灰山「ボーイフレンドとはもういいのかな?」
怜「京太郎の事かー?」
灰山「違うのかい?」
怜「そうやなぁ……」
怜「」ウーン
怜「違わへんよ」
灰山「そうか、じゃあ早速始めようかマドモアゼル」
怜「はいよ」
まことVSセス
玄「うーんくさいねー」
宥「うん」
衣「何を言っているんだ?」
玄「ちょっと相手のウルコン選択が不穏に思えてねー」
宥「ウルコン1選択、よっぽど決めるのに自信があるのかな?」
衣「普通はウルコン2なのか?」
玄「人によるけどこの組み合わせだったらそうじゃないかな」
宥「まことのウルコン2は発生が早い上に飛び道具の隙に打ち込めるから、ソニックブームを主軸に戦うセス相手には効果的だよ」
玄「後、まこと自体飛び道具に弱いという特性も相まって、相手にウルコンをヒットさせなくてもマコトのウルコンゲージが溜まったら、うかつに飛び道具を打たせ辛い状況を作ることができるメリットもあるから基本的にはウルコン2のほうが良いと私は思うよ」
衣「飛び道具の抑止力になるのか……じゃあなんで相手はウルコン1を選択したんだろう?」
宥「唐草」
衣「からくさ?」
玄「マコトの必殺技のひとつでいわゆるコマ投げだよ」
衣「それがウルコン選択と関係あるのか?」
宥「唐草を決めた後、技の有利フレームの関係でウルコン1が確定で入るんだよ」
衣「?」
玄「簡単に説明すると、セビを決めたような状態になるけど威力やよろけは無く相手の硬直も少ない。でも、そこから強力なコンボを叩き込む余裕はあるからヒット時の期待値がずば抜けて高い技ってところかな」
衣「なるほど」
玄「ま、これだけ説明してアレなんだけどコンボが上手でウルコン1を組み込める自信がある人は当然1を選択するだろうし、無敵対空がないまことにとって無敵があるウルコン1は対空としても役に立ちますしどっちがいいかと言ったら微妙なんですけどね」
宥「うーん、私達はまことそんな触ったことないから自信を持ってどっちがいいとは言えないね……」
玄「最終的には好みだしね」
衣「まぁ、言いたいことはわかったつもりだ」
宥「だったら良かったよー」
衣「うむ。そろそろ試合が始まりそうだな」
玄「それじゃあいってみましょう!」
衣「あっ! それ大会の実況みたいでかっこいい!」
宥「ふふふ、クロちゃんノリノリだね!」
玄「私一度こういうの言ってみたかったんだよ!」フンス
キャッキャッウフフ
京太郎(……楽しそう)
ラウウンド1ファイッ!
灰山(とりあえず距離を取るか……そりゃそうだ)
灰山(牽制ソニック飛んでくるよね)
灰山(どうやって近づこうかな)回避剣
怜(この距離はまこと側やる事なそうやな)
怜(まあゲージが一本光るまではうちのペースで事が進みそうやな)ソニックブーム
怜(でも)
怜(まことを攻勢に回らせたくないからこっちからいく!)
灰山(!)
灰山(三角飛びが刺さっちゃったか)
灰山(百烈じゃなくて昇龍締めか……攻め継続ね)
灰山(でも)
灰山(とりあえずゲージは一本……!!)
怜(光っちゃったか)
怜(もうちょっと早く攻めても良かったみたいやけどそんなもん結果論やし)
怜(なんにせよ起き攻め)
怜(うちのターンや)
灰山(さて)
灰山(どうしたものか)
灰山(先手を取られた以上ゲージはできるだけ攻めに回したいから今回は無しとして)
怜・灰山(どの択を選択するか!!)
灰山(セスが飛んでない以上ここは固めかな)
怜()ニヤリ
京太郎「……ス、スクリュー!?」
灰山(読み負けか)
灰山(それにしても大胆な攻め方するね)
灰山(強気な娘なのかな?)
怜(……さて“種”は蒔いた)
怜(後は水をやるだけや)
灰山(で相変わらず攻め継続か)
灰山(画面端で相手はセス、正直吐きたくなるほどきつい状況だが……)
灰山(まこと使いにはよくあることだ!)キリッ
灰山(さて次は……)
怜(……)カチャ
京太郎「連続で……」
灰山(おいおいマジかよ)
灰山(またスクリューって、わざわざリスク背負う場面じゃないだろ畜生!!)
灰山(ピヨリが近い、この択は負けられない)
怜(うち知ってるんよ)ニヤリ
怜(あんたはいくら読み合いに負けても思考停止ぶっぱはしない)
怜(勝つまで読み合いを続けるんやろ?)
怜(ぶっぱを択の選択肢から最初っから外しとる)
怜(ぶっぱを見苦しいもんやと思ってるんやろ)
怜(そんな間違ったプライドの高さがひしひしと伝わってくるわ)
怜(それじゃあうちには勝てへんよ)
怜(パーが出せないとわかってる相手には負けてやれへんよ)ゴッ
灰山(ゲージをケチってられないが、この択をミスったらこのラウンドで勝つのは絶望的になる)
灰山(その場合、今あるゲージ2本のうち一つを失った状態で次のラウンドを開始しなくてはならない……)ギリ
灰山(どうしたものか……)
怜(とか思ってそうやなー)
怜(で、結局あんたは使わないんや)
怜(そうやろ)
灰山(くそ、使えない!)
灰山(ゲージは2本あってやっと冒険できる。今失うわけにはっ!)
灰山(なんだ、なにで来るんだ!)
怜(うちのゲージはもう少しでマックスか……)
怜(投げに弱いまことだからスクリュー狙ってきたけど)
怜(次あたり投げと小技潰す選択肢で勝負してきそうやな)
怜(となると答えは……)
灰山(これなら!)カチャ
怜(そう……低空剣や)ニヤリ
灰山(昇龍だとーーー)
灰山(まずい、完璧に読み負けてる。幸いピヨッてはいないが状況は絶望的だ)
灰山(しかし、次の選択肢で読み負けたら確実にピヨル)
灰山(ワンチャン正中ぶっぱで可能性があるが、そんな初心者の苦し紛れの一発みたいな真似したくない)
灰山(とりあえず守りきる!!)
怜(とぶよー、正中ぶっぱすれば当たるように空刃だすよー)J大K
灰山(こんどこそ読み勝ってみせる!!)
怜(残念表や)
灰山()チーン
怜(ピヨったし、セビから最大っと)
京太郎「よっし!!」
京太郎「怜さんナイスP勝ちっす!!」
怜「ありがとなー」ヒラヒラ
ラウンド2ファイッ!!
灰山(結果論だ)
灰山(あそこで正中撃ったら決まっていたが)
灰山(そこから逆転したとしても、私はそんな勝利に喜べない)
灰山(私は私のスタイルで彼女を倒す!!)
灰山(まことは一瞬のチャンスや棚ぼたをモノにして勝利するキャラだ)
灰山(守りの択なんて気にしない!)
灰山(重要なのは攻めの択だ!!)
怜(また飛び入れたいけどそうもいかんなー)ソニックブーム
灰山(セビリタイ、セビリタイ、セビリタイ)
灰山(が!)
灰山(まずはゲージだ)剣
怜(セビらんの?)ソニックブーム
怜(大パン狩られるかどうか知らないから打てないわ)
灰山(とりあえず3つ溜まった)
怜(近づいてきたか)中K
灰山(……)
怜(……)中K
灰山(……)垂直
怜(……)中K
灰山(……う、うざい)
灰山(牽制の中Kが機能しすぎだ……)
灰山(剣撃つしかないか……)
灰山(よしっ! うまく引っかかってくれた)
怜(大剣やったか)
怜(ダウンしてもうた)
灰山(やっと攻撃が当たった! その上ダウンのおまけ付き!!)
灰山(やった……やったっ!! )
灰山(私のターンがやっときた!!)
灰山(お、落ち着け慎重かつ大胆にいくぞ!)
灰山(こっからは私の択だ!!)
灰山(と、とりあえず)
灰山(固めるためにで中P重ねて……)カチャ
怜(……)ガチャ
灰山(へ?)
京太郎「こ、ここで昇龍セビバクステですか」
灰山(……へ)ワナワナ
灰山(平和かよ!!!)カッ
怜(ヒット確認? 何それ?)ニヤニヤ
玄「この切り返しは見事だね」
宥「うん、やっぱり凄いよ怜さん」
衣「? ただの昇龍ぶっぱセビバクステだろ、衣もできるぞ?」
玄「うん、やった行動はその通りなんだけどね」
宥「画面上のダメージは昇龍一発分だけど、この行動は相手の人の精神に相当なダメージを与えてるよ」
衣「精神に?」
玄「うん。1ラウンド目の怜さんはリスクを背負って大胆に攻めていたよね」
衣「うん、2連続スクリューとかな」
宥「そのスクリューが肝なんだよ。セスのスクリューって見た目が派手な割にはダメージは通常投げとそんな変わらないんだよ」
衣「い、いがいだ……」
玄「二度スクリューを回したあの場面、通常投げの方が相対的なリスクは少ないんだよ隙も少ないし、グラップされても五分だしね」
衣「うーん……ではなんで怜はスクリューを選択したのだ?」
宥「プレッシャーを与えるためだよ」
衣「うん?」
玄「結構嫌なもんですよ。セスのスクリューくらうの」
宥「普通の投げに比べて拘束時間が増えるし、当たっても大したダメージじゃないのにあの派手な演出だからね」
衣「確かにコマ投げを食らうとイラってくるがそれは大した問題じゃないだろ」
玄「それがそうでもないんだよ衣ちゃん」
宥「うん。特に怜さんの場合はね」
衣「どういうことだ?」
玄「さっき衣ちゃん、コマ投げをくらったらイラッとくるって言ったけどそれはなんで?」
衣「それはさっきお姉さんが言ってた、拘束時間やら演出とかじゃないのか?」
玄「うん、私もそう思う。フレーム単位のやり取りしているのに急にキャラが動かせなくなる。しかも相手主導で、これはイラッてくるよ」
宥「その拘束時間で集中力切れたりもするしね」
玄「だけどさっきの試合ではそれにプラスして精神に来るものがあったんだ」
宥「スクリューをどうやって決めたかだね」
衣「それは怜の起き攻めで……」
玄「そう起き攻めの択だよ」
宥「起き攻めの択で怜さんがスクリューを決めた」
玄「相手の行動を“読んで”決めたんだ」
衣「それは……そうだろ?」
衣「相手が何をしてくるか読み勝ったから、スクリューが決まった。それだけだろ」
玄「うん、それだけだよ」
宥「うん、それだけ」
衣「なら」
玄「でもね、この読みは圧倒的強者の読みなんだよ」ドヤッ
衣「はぁ?」
玄「わざわざ、リスキーなスクリューを回さなくても事足りる場面。ここでスクリューを回す意味」
宥「一つ目のスクリューは試合の主導権を取り、二つ目のスクリューで精神面の主導権を取った」
玄「大事なのは二回目のスクリューだよ。この一撃には毒がしこまれていた」
衣「……毒?」
玄「うん、思考を破壊し挙句、自滅へと追いやる毒がね」
衣「荒唐無稽過ぎて何がなんだか……」
玄「相手側の気持ちになって考えてみるとわかり易いかも」
玄「怜さんは相手に読み勝って二度薄く細い択を通した」
玄「この時点で相手の人は相当まいってるはずだよ」
玄「結局一回も怜さんに読み勝てずに1ラウンド目は取られた」
玄「1ラウンドと2ラウンドの僅かな間で相手の人は色々考えたと思うよ」
玄「特に読み合いについてはね」
玄「これだけ読み負けると何かしら対策するだろうし、やり返してやりたいとも思うよ」
玄「熱くなった頭を冷やして気持ちも切り替えて2ラウンド目にのぞんだ」
玄「その結果、怜さんに先手を取れて今度は怜さん側に択を迫れる状況!」
玄「攻めが非常に強いまことのまたとない好機!」
玄「先ほどは択を強いられる側だったが、今度は自分が択を強いる時!」
玄「見てろよ、借りを返してやる」
玄「と意気込んで中P出したところに怜さんの昇龍セビバクステ」
玄「結果重ねた中Pに昇龍が引っかかり状況は逆転」
玄「衣ちゃんが相手側だったらどう思う?」
衣「……ものすごく萎える」
玄「だよねー」
宥「怜さんは細い択のスクリューを通して気持ちよくなってるのに、相手側の択にはそもそも付き合わない」
衣「これはひどい」
玄「このあと相手の人が陥る状況は顔真っ赤にして怒るか、絶望からヒヨるかの二つだ」
宥「ここから精神の状態を良い方向に持っていくのは難しいんだよ」
衣「なんというか可哀想に……」
玄「今回の場合は昇龍くらった後に受身取ってなかったから……おそらくヒヨっちゃったかな?」
宥「怜さんの攻め継続だね」
灰山(……)
灰山(ワケがわからない)
灰山(択でのスクリュー選択から読み合いが好きなタイプかと思いきや)カチャカチャ
灰山(超絶硬い選択肢でこちらの択勝負には付きあってくれない)カチャカチャ
灰山(あっ、また読み負けた……)
灰山(くそ……クソ!)
灰山(……なんて)
灰山(なんて性格が悪い“女”なんだ!!!)
灰山(ちくしょう! ずるい! 自分ばっかり格ゲー楽しんでずるい!!)
灰山(また読み負けたよ、なんなんだよっこのゲーム! ホント!)
灰山(“俺”だって気持ちよくなりたい!!)
灰山(ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう!)
灰山(せめて……せめて一撃っ!!)ゴッ
怜(後ワンコンボでおしまいやな)カチャ
灰山(! 飛んだ)
灰山(……)ガチャガチャ
怜(!?)
怜(あかん!)
まこと「はぁーーーっ、必殺! 正中線五段突き!!」
怜(くっ!)
灰山(やった! 追撃は)
怜(えっ?)
まこと「」ピョーン
怜()カチャカチャ
セス「昇龍拳!」
セスWIN
灰山()チーン
怜「」フゥ
怜「おつかれさん」
灰山「あ、ああどうも」
怜「やっとパー出してくれて嬉しかったでー」
灰山「な、何の話しですか?」
怜「気にせんでいいよ。それにしても最後のウルコンは驚いたわー」
灰山「あ、あれは!」
怜「良いウルコンぶっぱやったで」
灰山「……みっともないだけだよ」
怜「気持ちの乗ったいいぶっぱやったよ」
灰山「なんですかそれ」
怜「んー何て言うか、こう仕留めてやるって気持ちが伝わってきて……うまく言えないなー」
灰山「?」
怜「あんたの言葉を借りるなら、美しいぶっぱって所やな!」
灰山「ぶっぱが美しい?」
怜「うん。あんたは否定するかもしれないけどね」
怜「うち好きやねん。どんなに惨めでも、泥臭くても勝ちを取りに行こうとする雑草魂とか」
怜「そういうの素敵やん」ドヤッ
灰山「はぁ……」
怜「ていうか逆なのかもしれんな」
灰山「逆?」
怜「うん。頑張ってる人に対して何必死になっちゃってんの? とか言う奴ムカつかへん?」
灰山「それは……思います」
怜「体育祭や球技大会でだりぃ、ながしちゃおうぜー、こんなところで必死になっちゃってかっこわりーとか言う奴おるやん?」
灰山「あぁ……いますね」
怜「うちはそいつらにこう言ってやりたいんよ。そうやって無気力にダラダラやってる人より、必死に頑張ってる人のほうが絶対かっこいいって」
灰山「わかります」
怜「……それに頑張りたくても出来ないポンコツだっておるんやし」ボソ
灰山「え?」
怜「なんでもないよ」
怜「だから、ぶっぱも同じだと思うんよ」
怜「そこまで必死にやって勝ち拾いたいのか?」
怜「そんな事言われたら、うちはこう答えるんや」
怜「当たり前やろって」ニコ
灰山「……そうですよね」
怜「うん」
灰山「惨めでも勝ちたいですよ、やっぱり」
怜「せやな」
灰山「あそこでぶっぱなしとけばよかったって場面結構ありますし、ぶっぱも立派な選択肢の一つですよね!」
怜「そういうことや」クスッ
―――――――――――――――――――――――――――――――
京太郎「怜さんお疲れ様でした!」
怜「しんどかったー」フラフラ
京太郎「ちょっと大丈夫ですか!?」
怜「大丈夫やないでホンマ、あ、うち病弱やし」ガシッ
京太郎「取って付けてような病弱アピールですね」ガシッ
怜「京太郎うちどうやった?」
京太郎「凄くかっこよかったですよ」
怜「惚れ直したかー」
京太郎「はい、そりゃーもう」
怜「えへへ」ギュッ
京太郎(かわいい)
京太郎「みんなの所に戻りましょうか」
怜「んー、後5分」ギュッ
京太郎「……怜さん朝の5分は短いですけど、休日のゲーセンでこの状態での5分はおそらく相当長いですよ」
怜「」スーハースーハー
京太郎「……怜さん?」
怜「」クンカクンカ
京太郎「あんたもかよーーーーーー!!!!!」
怜「えへへ」ギュッ
蛇足的おまけ
怜「後から聞いたけんやけどあんたダッシュ唐草得意なんやろ?」
灰山「はい、そうですけど、それが何か?」
怜「いや、それもぶっぱやん」
灰山「そ……」
灰山「そういえばそうだーーーーーー!!!」
おわり
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