真美「はるるんのリボンを取ったら動かなくなった」(1000)

真美「どうしよう……」

亜美「真美のせいだかんね」

真美「兄ちゃんが『リボンは春香の本体だ』って言うから、試しに取ってみたら
   こんなことになるなんて」

亜美「普段テキト→なこと言って亜美達にセクハラかましまくるクセして、
   こんな時だけホントのこと言うなんてタチ悪過ぎだYO!」

千早「どうしたのあなた達」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1340565510(SS-Wikiでのこのスレの編集者を募集中!)

真美「あっ、千早お姉ちゃん」

亜美「はるるんのリボンを取ったら動かなくなっちゃったんだー」

千早「本当ね。心臓が止まっているのかしら」モミッ

真美「躊躇なくパイタッチしたよこの人」

亜美「普段はパイタッチどころか、胸の話をされるのすら嫌がるのに」

千早「あら、『人の嫌がることを進んでやりなさい』って学校で習わなかった?」モミモミ

真美「それは意味が違うよ」

亜美「それで、心臓はどうなの?」

千早「……動いてないわね」モミモミペロペロ

真美「てゆ→か、心臓の位置って正確には左胸っていうより胸の真ん中だって
   パパが言ってたよ」

千早「そうなの?(ゴソゴソ)あっ本当ね、動いてるわ」

亜美「はるるん揉まれ損だね」

千早「普段から私に揉まれているのだから、今更1回くらいどうってことないわ」

真美「聞かなかったことにするからね?」

亜美「それにしても、どうしたもんかね→」

千早「リボンをつけてあげれば元に戻るんじゃない?」

真美「はるるんのリボンはいぬ美のエサに混ぜておいたから、今頃はいぬ美のお腹の中だよ」

千早「なぜそんなことをしたのかしら」

亜美「ひびきんに対するイタズラも兼ねていたからだYO!」

真美「一本でもニンジンってやつだね!」

亜美「そしてイタズラの犯人をいおりんに仕立て上げるつもりだったのさ!」

真美「二足でもサンダルってやつだね!」

千早「あなた達リボンに何か恨みでもあるの?」

千早「仕方ないわね……リボンがないなら何か他の物をつけてみましょう」

亜美「何がいいかな?」

千早「とりあえず私のパンツを被せておきましょう」ヌギッ

亜美「わぁ、純白パンツだね!」

千早「3枚で1,000円なのよ」

亜美「一人暮らしの節約術だね、さっすが千早お姉ちゃん!」

千早「ふふ、これくらいどうってことないわ」

真美「そろそろツッコんでいいかな?」

千早「どうしたの真美?」

真美「なんでパンツを被せようと思ったの?」

千早「私は落ち込んだ時によく高槻さんのパンツを被るのだけど、彼女のパンツを被ると
   全身の細胞が活性化されて生き返ったような気分になるの。
   だから春香も、大好きな私のパンツを被れば目を覚ますはずだわ」

真美「どうしよう、ツッコむことが逆に増えちゃった」

亜美「いいから早くやろうよ」

真美「亜美はそれでいいの?」

亜美「だって早くしないと、下半身裸の千早お姉ちゃんが風邪引いちゃうよ?」

千早「ふふっ、亜美は優しいのね」ナデナデ

亜美「……///」

真美「えっなにこれ、私がおかしいの?」

亜美「とゆ→わけで、千早お姉ちゃんのおパンツそ→ちゃく!」カポッ

春香「」

真美「何も起こらないね」

千早「バカな……何故なの……」

真美「これで目覚めたら、それはそれで『何故なの……』だけどね」

千早「……はっ、まさか!」

亜美「どうしたの、千早お姉ちゃん!」

千早「私はいつも高槻家の洗濯機からパンツを拝借しているのだけど」

真美「そろそろ警察呼んでいいかな」

千早「洗濯機に入っているのはその日の前日のパンツ……。高槻さんの
   一日分の血と汗とその他もろもろの体液が染み込んだ至高の一品……」

真美「千早お姉ちゃん、風邪引いちゃったんだよね?
   熱のせいで頭がおかしくなっちゃったんだよね?そうだよね?」

亜美「汗とかはともかく、おパンツに血はつかないっしょ→」

千早「亜美はまだだったかしら?高槻さんはもう大人なのよ」

亜美「えっ、やっやだ、そういうこと///」

真美「さ、最低の下ネタだよこれ……」

千早「それに対して私のパンツは朝シャワーを浴びた後に穿いた物。
   今はまだ10時だから、洗い立て同然ね。だから私の体液など
   染み込んでいるはずもないわ」

亜美「そ、そんな……」ガクッ

真美「もういい加減気持ち悪くなってきたからさっさと終わらせたいんだけどさ。
   体液体液って言うなら、手っ取り早くおしっこでもパンツにかけてきたら?」

亜美「真美!なにイキナリそんな下品なこと言い出すのさ!」

千早「そうよ、真美。トップアイドルを目指す身でありながら……はしたない。慎みなさい」

真美「ちょっと黒井のおっちゃんに移籍の話を持ちかけてくるよ」

千早「それに、どういうわけか今日は朝からトイレが使用中だから、
   どの道おしっこは出せないわ」

亜美「そういえばそうだね。誰が入ってるんだろう?」

ジャー……ガチャ

響「うう……」

真美「あっ、ひびきん」

千早「おはよう、我那覇さん」

響「お、おはよう……」

亜美「ひびきん、随分長かったね→。ねぇねぇ、どんくらい出たの?後ろの髪の毛くらい?」

千早「ふふっ、亜美ったら」

真美「トップアイドルを目指す身でありながら、はしたないんじゃないの?」

千早「アイドルには子供らしい無邪気さも必要なのよ」

真美「将来について考え直すことにするよ」

響「それが……お尻に何か大きな物が詰まっているような感じがして、全然出ないさー……」

千早「トップアイドルを目指す身でありながら、自分のケツの穴すらコントロールできないなんてね」

亜美「完璧が聞いて呆れるYO」

真美「アイドルがケツの穴とか言っていいの?」

響「今朝もいぬ美のエサをつまみ食いしちゃったからなぁ、バチが当たったのかも……」

千早「仕方ないわね。亜美」

亜美「がってんしょ→ちのすけ☆」ガシッ

響「なっ、何するんだ亜美!」

千早「思い切り腹パンすれば出てくるはずよ」

響「はなせっ!!じ…自分がわるかった!!にどともう、この事務所には来んっ!!」

亜美「に…にどとだまされるもんか…!!」

千早「待たせたな……覚悟はいいか…」

亜美「やれーー!!」

響「まっ、まてーー!!」

千早「魔貫光殺砲!!!!!」

ドゴッ

響「ぐ……ち…ちくしょおおおーっ……!!!!」

ブリブリブリブリブrブrブrブrブババババbbbbbbbbb



真美「かわいそうなひびきん」

亜美「ふぅ、一仕事した後は気持ちがいいね☆」

千早「そうね。……あら?」

真美「ひびきんのブツの中から、はるるんのリボンが!」バーン

亜美「そういえば、いぬ美のエサをつまみ食いしたって言ってたね」

真美「いぬ美ならともかく、ひびきんがリボンに気づかないで食べちゃってるとは思わなかったよ」

千早「きっと頭の中には、脳みその代わりにサトウキビが詰まっているのよ」

亜美「それにしても、パンチ一発でひびきんのフン詰まりとはるるんのリボン紛失事件を
   解決するなんて、さっすが千早お姉ちゃん!」

千早「ふふっ、一本でもニンジンね」

真美「真美が最初に言っておいてなんだけど、それを言うなら一石二鳥だかんね」

真美「……で、どうする?」

亜美「何が?」

真美「それ、本当にはるるんの頭につけるの?」

プーン……

亜美「確かに、いくらはるるんでも、おしっこならともかく
   うんちつきリボンはキッツいかもね」

真美「『いくらはるるんでも』って、はるるんに失礼過ぎでしょ」

亜美「でも、『千早お姉ちゃん大好き!』なはるるんならあるいは……」

真美「千早お姉ちゃんが狂っているっていう認識はあるみたいで安心したよ」

千早「確かに、高槻さんのブツならともかく、我那覇さんのは厳しいわね」

真美「真美、千早お姉ちゃんのこと昨日まではケッコ→尊敬してたんだよ?」

千早「じゃあ、また代わりの物でも探しましょうか」

亜美「あっ、これなんてどう?ひびきんのおパンツ!」パンパカパーン

千早「奇跡的にブツの付着を回避しているわね。
   それに、ほのかに香るお小水の匂い…これならいけるかもしれないわ」

真美「今更『お小水』とか言ってみたところで、上品さのかけらもないけどね。
   まぁ、なんでも、いいですけれど」

千早「あら、私の真似?なんだかんだ言って私を慕ってくれているのね、嬉しいわ」

亜美「あっ、真美ずる→い!亜美も亜美も!くっくっくっ!」

真美「なんか悪役の笑い声みたいだよ」

千早「負けないわ、亜美!じって→ん!じって→ん!ちょもるめらん!」

亜美「マブタヲアケテ サワヤカオメザメ」

千早「屋上」

亜美「ごめんなさい」

亜美「とゆ→わけで、ひびきんのおパンツそ→ちゃく!」カポッ

春香「……う、うーん……」

亜美「こ」

真美「はっ、はるるん!よかったぁ、目が覚めたんだね!」ダキッ

春香「ま、真美!どうしたの急に///」

亜美「いいの?千早お姉ちゃん」

千早「感動の場面に水を差すほど野暮ではないわ。正妻の余裕というやつよ」

亜美「素敵!抱いて!」

千早「よしよし」ナデナデペロペロ

真美「あっ、そうだ。はるるん……その、リボンのことなんだけど……」

春香「えっ、リボン?リボンならしてるよ?」

真美「えっ?」

春香「ほら、ここに」

亜美「な、何ィーー!?ひびきんのおパンツの真ん中にちっちゃなリボンがァー!!」

千早「まさか、パンツのリボンに反応して目覚めたというの……!?」

春香「もう二人とも、パンツパンツって……。
   トップアイドルを目指す身でありながら、はしたないよ?」

真美「その言い回し、流行ってんの?」

亜美「まぁ何はともあれ、一件落着!」

真美「そうかなぁ……頭のパンツ脱いだら、またはるるん動かなくなっちゃうんじゃない?」

亜美「脱がなきゃいいじゃん」

千早「そうね、幸い春香はあれをリボンと認識しているようだし、問題ないわ」

真美「問題なのは同僚のアイドルだった」

春香「ねぇねぇ、クッキー焼いてきたの!みんなで食べよ☆」

千早「なんだか今日はいつもに増して元気ね」

春香「うん!よく分からないけど、全身の細胞が活性化されて生き返ったような気分だよ!」

亜美「おパンツ健康法だね!」



真美「……ま、いっか。はるるんも楽しそうだし。めでたしめでたしっと」










響「」



第一話 終わり

━第二話━

━765プロ━

ガチャ

真美「おはよ→」

P「おはよう、真美」

響「おはよう真美!今日も元気に頑張るさー!」

真美「あれっ、兄ちゃんとひびきんだけなんだね」

P「まぁまだ始業まで時間があるからな」

響「ハム蔵もいるぞー!」

真美「あそっか、ごめんねハム蔵」

ハム蔵「ヂュイ」

真美「そういえばひびきん、この前はごめんね」

響「この前?」

真美「ほら、千早お姉ちゃんと亜美と真美でふざけて……」

響「うーん、それっていつだ?正直、3日以上前のこととなるとほとんど覚えてないぞ」

真美「えっ!?……まさか本当に頭にサトウキビが詰まってるんじゃ……」

響「あははっ、真美は面白いさー!
  いくら自分でも頭にサトウキビは入ってないぞ。なんたって、脳『みそ』だからな!
  最近は赤みそ白みそをバランス良く摂っているから脳内ピンク色だぞ☆」

真美「兄ちゃん」

P「向かいの心療内科は予約制なんだ。9時になったらすぐ電話するよ」

ハム蔵「お願いします」

響「ちょ……冗談だって……」

真美「ひびきんが言うと冗談に聞こえないんだよね」

響「真顔で言われるとちょっとショックだぞ」

P「まぁ今のセリフは誰が言っても病気を疑うけどな」

真美「そういう意味では、クオリティの高いセリフと言えるね」

響「ふふん、自分完璧だからな!これくらいどってことないさー!」

ガチャ

小鳥「おはようございます」

真美「おはようぴよちゃん。このセリフ言ってみて」

小鳥「なになに……最近は赤みそ白みそ……」

響「ごめんなさいやめてください」

P「大丈夫、3日経てば忘れるんろう?」

響「心の傷はいつまでも残るんだぞ」

響「ていうか『忘れるんろう?』ってなんだ?」

P「噛みまみた」

真美「『口先の魔術師』ともあろう兄ちゃんがそんなことでど→すんの?」

響「変態のうえに無能だなんてプロデューサーとしての存在価値が皆無だぞ」

真美「兄ちゃんのPはプロデューサーじゃなくてパシリのPだね」

ハム蔵「隣町のコンビニでヒマワリの種買ってこいよ」

P「すみません最寄りのコンビニで勘弁してください」



小鳥「これは……少しでもヘマをした人が徹底的に叩かれる流れね!」

小鳥「なんだかとっても面白そう♪」

真美「ぴよちゃんが出社早々、仕事以外のことにやる気マンマンになってる」

P「どうしようもないな」

響「そんなんだから行き遅れるんだぞ」

小鳥「ひどい!みんな私のことが嫌いなのねっ!」ウルウル

P「いやいや、数分前に自分が言ったことを忘れないでくださいよ」

真美「ぴよちゃんが嫌いなんじゃなくて、ぴよちゃんがマヌケだからいけないんだよ」

響「他の誰かがヘマをするまでぴよ子が最下層だからな」

小鳥「恐ろしいゲームね」

真美「でも女としても社会人としても最下層であるぴよちゃんが
   ゲームでも最下層になったら心底救えないよね」

小鳥「真美ちゃんが東大合格を目指す『東大一直線』っていう企画を考えたんだけど
   どうかしら。合格するまで家庭教師役の律子さんと同居ってことで」

P「やりましょう」

真美「ごめんなさい許してください」

響「今、真美は何かヘマをしたのか?」

P「やり過ぎたんだよ」

ハム蔵「真実っていうのは、時に人を深く傷つけてしまうものなんだ」

P「まぁこれでみんな最下層を体験したし、ゲームはお開きにしますか」

小鳥「えっ、真美ちゃんの企画は?」

響「空気読もうよ、ぴよ子」

真美「そんなんじゃ二次元ですら恋人できないよ?」

小鳥「真美ちゃんが亜美ちゃんと同じ髪型にして、今後は亜美ちゃんの
   モノマネ芸人として活動していくのはどうかしら。」

真美「ぴよちゃんが珍獣ハンターとなって秋葉原のオタクからひたすら
   婚姻届にサインをもらう企画なんてどう?」

小鳥「真美ちゃんのサイドポニーをいぬ美ちゃんのケツの穴にぶちこむ企画にしましょう」

真美「ぴよちゃんのインカムをいぬ美のケツの穴にぶちこもうよ」

響「おい、いぬ美を巻き込むな」

小鳥「じゃあ響ちゃんのポニーテールをいぬ美ちゃんのケツの穴にぶちこみましょう」

真美「さんせ→」

響「自分も巻き込むな!」

P「ほらほら、もうすぐ始業だからそろそろ静かにしろー」

真美・響「はーい」

小鳥「ああ……今日も最下層の社会人としての一日が始まってしまうのね……」

響「めちゃくちゃ尾を引いてる」

真美「めんどくさいね」

小鳥「せめてみんながもう少し優しくしてくれたら小鳥頑張れるのになー」

響「とうとう一人称が『自分の名前』になったぞ」

真美「巻き添えで真美までイタい子に見えるから、やめさせてくるよ」

響「どうやるんだ?」

真美「ぴよちゃんぴよちゃん、みんなが優しい目で見てくれる魔法の言葉を教えてあげるYO」

小鳥「なになに……最近は赤みそ白みそ……」

響「やめろ!」



第二話 終わり

━第三話━

亜美「……かき氷」

真美「……杏仁豆腐」

亜美「……シロクマ」

響「……あーつーいーぞー」

真美「……シロイルカ」

亜美「……ひびきん」

響「えっ」

響「どうして今自分の名前が出てきたんだ?」

亜美「連想したからだよ?」

響「どうして『冷たい・寒い』から自分が連想されるんだ!?」

真美「別に『冷たい・寒い』から連想してるとは限らないじゃん」

亜美「そ→そ→、ただ単に亜美達の好きなものを連想してるだけかもよ?」

響「そ、そうか……」

真美「心配しなくても、真美達ひびきんのこと大好きだYO!」

亜美「だからもっと自分に自信をもちなYO!」

響「……へへっ、そうだな。自分完璧だからな!」

亜美「んじゃ気を取り直して行くよ→」

真美「ミキミキに呼び捨てされたときのりっちゃんの眼」

亜美「おぉぅ、キョ→レツぅ!」

響「それはどう考えても好きなものじゃないよね」

亜美「あ→、連想ゲームも飽きたね→」

響「じゃあ……怪談でもするか?」

真美「お、いいねひびきん!」

テクテク

亜美「あ、やよいっち」

響「ちょうどいいや、やよいも誘おっか。おーいやよいー」

やよい「あっ、響さん、亜美真美、こんにちはー」ガルーン

真美「今からみんなで怪談するんだけどさ、やよいっちもDo-Dai?」

やよい「(ビクッ)」

響「……やよい?」

亜美「あれ、やよいっち、怖い話ダメだっけ?」

やよい「そういうわけじゃないんだけど……実は最近家に幽霊が出るの……」

真美「えっマジマジ!?」

響「聞かせてもらっても大丈夫か?」

やよい「はい……幽霊は、大体いつも同じ時間……明け方五時頃に現れるんです」

亜美「普通の幽霊とはちょ→っと違うね→」

響「それで、幽霊はどんなやつなんだ?」

やよい「……朝、妙な物音がして目が覚めるんです……それで物音がする方に近づくと……」

やよい「……長い髪をした女の人の幽霊が、洗濯物から私のパンツを漁っているんです!」

響「ギャーーーー!!!」

亜美真美「」

やよい「しかも耳をすますと、幽霊が何か呪文のようなものを呟いてるんです。
    全部は聞き取れませんでしたが、『マブタヲアケテ……』とか『ワスレズ……ホウチョウ……』とか言ってました。
    あと、時折狂ったように笑いながら『タカツキサン』『タカツキサン』と繰り返し……」

響「ヒヒィーーーー!!!」

亜美真美「」

やよい「きっとあの幽霊は私の目玉を包丁でくり抜こうとしてるんです……」ガクガク

響「こ、怖いぞー!ハム蔵ー、ハム蔵きてくれー!」ガクガク

P「ハム蔵はラジオの収録に行ったぞ」

小鳥「ラジオ関西だから、帰ってくるのは夜遅くになるわよ」

響「ハム蔵のバカぁ!」

真美「……で、やよいっち?その幽霊は、やよいっちに見つかったあとどうなったの?」

やよい「それが、私に気づくと幽霊はものすごい早さで窓から逃げ出したんです」

響「……窓から?なんか幽霊っぽくないぞ」

やよい「でも、洗濯機の前の窓は狭くて、とても大人が通れる大きさじゃないんです。
    私も通れるか試したんだけど、胸がつっかえて……」

響「うーん、やよいでも通れないとなると、確かに普通の大人じゃあ無理そうだなぁ」

響「しかし、やよいを怖がらせるなんてひどい幽霊だな!許せないぞ!
  ……あれ?亜美、真美?なんだかやけに静かだな?」

亜美「あ→……実はさ、知り合いに凄腕のりーばいす?がいてさ。
   その人に幽霊をやっつけてもらおうかなって」

やよい「りーばいす?」

響「霊媒師、のことかな。実際に霊媒師が幽霊をやっつけるのか分からないけど、
  凄腕っていうなら是非お願いしたいぞ!早速今からお願いしに行こう!」

真美「い、いや、その人すごく人見知りが激しくてさ。真美達だけでお願いしてくるよ」

響「そうか?なら悪いけど、よろしく頼むぞ」

やよい「亜美、真美、ありがとう。よろしくね」

亜美「おっけ→おっけ→、んじゃ真美行くよ→」

真美「……お→」





━ボイトレの部屋━

真美「……というわけなんだけど」

千早「高槻さんを怖がらせる幽霊……許せないわ!」ギリッ

亜美「本気で言ってんの?」

千早「あら?あなた達は高槻さんのことを本気で心配していないの?」

真美「どちらかというと千早お姉ちゃんの頭を本気で心配してるよ」

千早「冗談は置いといて」

亜美「千早お姉ちゃんって冗談言えるんだね」

千早「亜美、今日はやけに辛辣ね。前はあんなに私に懐いていたのに」

亜美「千早お姉ちゃんのことは大好きだけど、正直言って同じ人種とは思ってないよ」

千早「悲しいわね……でもいいの、いつの時代もトップアイドルは孤独な存在なのだから」

真美「そんな大層なもんじゃないと思うよ」

千早「話を戻すけど、高槻さんが怖がっているというなら洗濯物漁りはやめて
   直接お願いすることにするわ」

亜美「お願いしたらくれると思ってるの?」

千早「亜美ではまだ無理かしらね。これは大人の嗜みだから」

亜美「パンツ被ってエクスタシーを感じるのが大人だってんなら、
   亜美大人になんかなりたくないYO!」

千早「なんてこと……これが第二次反抗期というやつね……」

真美「第二次性徴もおとずれてない千早お姉ちゃんに言われたくないよ」

千早「ナンだとゴラァァァァ!!!!」アオイトリィィィィィ

真美「ひっ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」

亜美「でも、頼めばくれると思ってるなら、なんでわざわざ洗濯物を漁ったりなんかしたの?」

千早「パンツはあくまでも副産物よ」

亜美「?」

千早「私は時々夜中に高槻家に忍び込んで、おやすみからおはようまで
   高槻さんの暮らしをみつめているの」

真美「不健康なライオンちゃんだね」

千早「そして暮らしをみつめる任務をライオンちゃんに引き継いだ後で、
   お土産にパンツを拝借していたの」

亜美「ライオンちゃんもいい迷惑だね」

真美「まだまだツッコみたいことは山ほどあるけど、全部やってたら日が暮れちゃうから
   このへんにしとこう。さ、やよいっちのところに行くよ」

千早「パンツをもらいに行くのね」

真美「謝りに行くんだよ」

亜美「……というわけなんだ」

千早「ごめんなさい、高槻さん……あなたを見守っているつもりが
   逆に怖がらせてしまっていたなんて……」

やよい「い、いいんです千早さん、幽霊がいなくてホッとしました!
    夜の間ずっと見守ってくれていたこともすごく嬉しかったし」

やよい「それに、『年頃の女の子はデリケートだから』って、わざわざ
    私のパンツだけ手洗いするために洗濯物を漁っていたなんて……。
    私の方こそ誤解してました、ごめんなさい!」カ゛ルーン

千早「高槻さん……///」

真美「納得いかね→YO!」

亜美「まぁホントのことを話すと、やよいっちの精神衛生上よくないからね」

真美「やよいっちの引きつった笑顔を見るに、薄々感付いてると思うけどね」

亜美「そして……」

響「うぅ……いい話だぞ……自分感動したぞー!」ガナハー

真美「なんというかね」

亜美「チョロ過ぎるYO!」

響「なんだよー、素直に感動するのはいいことなんだぞ!」

真美「素直に感動することと、簡単に人の話を信じちゃうことは別だと思うんだ」

亜美「ひびきん、振り込め詐欺とか引っかからないでね?」

真美「『ハム蔵が事故を起こして賠償金が~』とか、あり得ないからね?」

響「えっ、なんでさっきの電話のこと知ってるんだ?」

亜美「えっ」サァァァァ

真美「さ、寒気が……」サァァァァ



第三話 終わり

━第四話━

千早「ふぅ……」

真美「千早お姉ちゃん、どったの?」

千早「ええ、ちょっと悩んでいてね……」

亜美「千早お姉ちゃんも人並みに悩むことがあるんだね」

千早「そろそろ泣くわよ?」

亜美「そんなこと言って、ホントは嬉しいくせに→」

千早「あら亜美ったら、言うようになったわね///」ナデナデ

亜美「えへへ……///」

千早「うふふ///」

亜美「えへへ……///」

千早「うふふ///」

亜美・千早「エフッエフッエフッエフッ」

真美「中学生になってから、亜美を遠くに感じることが多くなったよ」

亜美「そんで、何を悩んでるの?」

千早「『天海千早』と『如月春香』……どちらを取るべきかしら、と」

真美「千早お姉ちゃん、お酒は20歳になってからだよ」

千早「飲んでないわ」

亜美「ケツから摂取すると、通常より酔いやすいから危ないんだよ」

千早「ケツからも摂取してないわ」

真美「じゃあシラフでそんなこと言ってるの?」

千早「おかしいかしら?」

亜美「兄ちゃん」

P「今日は向かいの心療内科は休みだぞ」

千早「もし春香をお嫁さんとして迎えるのであれば、彼女は如月春香になる。
   もし私が天海家の婿養子となれば、私は天海千早となる。
   どちらの響きも甘美……でも私にはどちらか一つしか選ぶことはできない」

亜美「どちらか一つなら選べると思ってるところが千早お姉ちゃんのすごいところだよ」

P「このメンタルの強さは雪歩にも学ばせたいな」

真美「てゆ→か結局、千早お姉ちゃんははるるんとやよいっちと亜美の誰が本命なの?」

千早「春香は嫁、亜美は妹、そして高槻さん……いえ、やよいは娘よ」

亜美「千早お姉ちゃん、これドクターマリオってゲームなんだけど、是非やってみるといいよ」

千早「私は正常だし、そのゲームはプレイヤーの病気を治すゲームではないわ」

P「こういうやり取りをみる限り、響と違って脳みそは足りてるんだよなぁ」

真美「てゆ→か、亜美が妹なら私も千早お姉ちゃんの妹になるんだけど、そこらへん分かってるのかなぁ」

千早「嫌かしら?」

真美「嫌じゃないけど、パパとママには紹介したくないね」

千早「私は体だけの関係でも構わないわ」

真美「姉妹に肉体関係はないよ」

ガチャ

春香「おっはよーございます☆」

亜美「あっ、はるるん」

真美「おはよ→はるるん」

P「おはよう春香」

千早「おはよう春香。今日もいい天気ね」ムネヲモミモミ

春香「そうだね千早ちゃん!今日も一日頑張ろうね☆」クビレヲサワサワ

亜美「兄ちゃん」

真美「兄ちゃ→ん」

P「落ち着け、3対2でマトモなのはこっちだ」

亜美「てゆ→かはるるん、前からあんな感じだったっけ?」

真美「どうもこの前のリボン強奪事件以来おかしくなったような」

P「そういえばリボンの色がいつもと違うような」

春香「あっ、分かります?実はこの前千早ちゃんからプレゼントしてもらったんです///」

亜美「なんていうか予想通りすぎるYO」

真美「どこでこんな呪いのアイテム買ってきたのさ」

千早「失礼ね、高槻さんのパンツの布を縫い合わせて作ったのよ」

P「こいつ頭がおかしいぜ」

亜美「やよいっちのパンツを勝手に使って、何も言われなかったの?」

千早「ひとつひとつのパンツから少しずつ布を切り取ったから大丈夫よ。
   おかげで高槻さんのパンツはすべてTバックになってしまったけど」

真美「さっき、やよいっちは娘って言ってなかったっけ?」

千早「お母さん、そろそろやよいも色気を出していい年頃だと思ってるの」

P「こういう親が娘をジュニアアイドルにするんだな」

亜美「でも兄ちゃんのそ→ゆ→DVDにお世話になってるクチでしょ?」

P「俺は事務所内で満足してるよ」

真美「いおりんとかやよいっちの前で言っちゃダメだよ、そ→ゆ→の」

千早「それにしても、高槻さんのパンツが春香をこんなに淫靡にするなんて……。
   やよい……恐ろしい子……!」

亜美「どう考えても製作者の邪念のせいだよね」

真美「そういえば、千早お姉ちゃんってお裁縫できたっけ?」

千早「残念ながらまったくの未経験者だったわ。おかげでこの有様よ」ボロッ

真美「わぁ、指がボロボロ!」

亜美「おまけに胸もえぐれてやがるぜ!」

千早「お姉ちゃん、亜美が中学生になったからちょっと厳しくしつけようと思うの」

亜美「ごめんなさい」

千早「そういえば春香は、『如月春香』と『天海千早』どちらがより甘美だと思うかしら?」

春香「朝ごはんはストッキングがいいです」

P「ん?」

真美「は、はるるんどしたの?」

春香「赤鉛筆を耳の中に入れるとチキンラーメンの味がするするするするするんだよすすす」

亜美「あ→っ!はるるんの呪いのリボンがほつれてきてる!」

千早「まさかリボンが壊れてきたことで自我が崩壊している……?」

春香「ナカッナカムラヤッナカムラナカムラムラムラムララララッ」

P「これはまずい!急いで代わりのリボンをつけるんだ!」

亜美「でもそんなこと言ってもリボンなんてないYO!」

千早「みんな!急いでパンツを脱ぐのよ!」

真美「たとえパンツにリボンがついていたとしても、絶対に脱がないよ」

亜美「亜美も」

千早「っ……この薄情者っ!」

真美「いやいや、リボンなくてもはるるんの動きが止まるだけだし。
   むしろこの機会にちゃんとしたリボンを探して淫猥リボンの呪縛から
   解き放ってあげるべきだと思うよ」

P「……///」テレテレ

亜美「兄ちゃん、亜美達わざと兄ちゃんの方を見ないで話してるんだからね」

真美「早くパンツ穿いた方が身のためだよ」

P「はい」

真美「結局事務所中を探したけど、まともなリボンは1つもなし……」

亜美「一番マシだったのが、ぴよちゃんの引き出しにあった薄い本とはね」

P「リボンズ×ティエリア……なかなかいい趣味してますよ」

千早「まったく……事務所にこんな物を持ち込んで卑猥な妄想をするなんて!
   音無さんは一体何を考えてるの!」

真美「千早お姉ちゃんはもう少し、自らを省みてもバチは当たらないと思うんだ」

P「あとは、これから事務所にくる人に頼るしかないか……」

亜美「今日はっと……も→すぐいおりんがドラマの撮影から帰ってくるね」

ガチャ

伊織「ただいまー」

真美「いおりぃぃぃぃん!」ダキッ

亜美「待ってたよぉぉぉぉ!」ダキッ

伊織「キャッ、何よアンタ達!」

わいのわいの

伊織「……なるほどね、どおりで見慣れない顔がいると思ったわ」

亜美「リボンがないとホントはるるんって影薄いよね→」

P「世が世なら、くノ一として大成しただろうな」

真美「すぐ転ぶから無理じゃない?」

千早「いえ、あの子は転びそうなところでは転ばないのよ。
   私の上でじゃれている時も、絶対転ばないもの」

亜美「自分の体が凹凸があるとでも言いたいの?」

真美「残念ながらそれは、千早お姉ちゃんの体が『つるっとしてて』転びそうだから、
   逆に転ばないだけだよ」

千早「命日まで一緒がいいなんて、実に仲のいい双子ね」

伊織「話進めていい?」

伊織「動けないっていうならしょうがないわね。私のリボンを貸してあげるわ」

真美「やったね!」

千早「ありがとう水瀬さん。お礼にこの特製リボンを……」

伊織「いらないわよ……さっきの話に出てきた呪いのリボンでしょそれ。
   ていうか、春香はともかくやよいを性的な目で見るのはやめて」

千早「でも、2日目の高槻さんから香る女の子の匂いは格別なのよ」

伊織「今度いい病院を紹介してあげるわ。付き添ってあげるから一緒に行きましょう?」

千早「水瀬さんが優しい……これが夢にまで見た、ツンデレのデレなのね……!」

亜美「いおりんの目……兄ちゃんがひびきんを見る目と一緒だ……」

真美「優しい……そしてとても哀しい目……」

亜美「というわけで、いおりんのリボンをそ→ちゃく!」カポッ

春香「……」パチッ

真美「はるるん、具合はどう?」

春香「……あ」

真美「あ?」

春香「あ、あんたのために目覚めたんじゃないんだからっ!」

伊織「ちょっとあんた……」

春香「お、お礼なんて言わないんだからっ!」

亜美「テンプレにもほどがあるよ……」

春香「ち、千早ちゃんなんて全然好きじゃないんだからっ!」

千早「///」ドキューン

真美「ひょっとしてこのパターンのセリフしか言えないの?」

P「所詮春香にはツンデレを使いこなすことなど夢のまた夢だったというわけか」

春香「うるさいうるさいうるさいっ!」

亜美「あっ、パターン増えた」

伊織「私っていつもこんな感じなの?」

真美「いおりんはもっとうまくやってるよ」

千早「というわけで春香は私が持って帰るわ。今日なら子宝にも恵まれそうだし」

P「何が『というわけで』なんだよ」

春香「こ、子宝っ!」

亜美「無理してうまいこと言わなくていいよ、はるるん」

伊織「リボン……無事帰ってくるかしら」

真美「ど→せすぐツンデレにも飽きてリボンつけ替えるだろうから、大丈夫だよ」

伊織「それはそれで複雑ね……」

真美「心配しなくてもいおりんのツンデレは世界一だよぉぉぉぉん」スリスリ

伊織「な、何してんのよ///早く離れなさいよっこのバカっ!///」

亜美「(あ、ツンデレ)」



第四話 終わり

>伊織「リボン……無事帰ってくるかしら」

亜美「『帰って』じゃなくて『返って』じゃない?」

伊織「私のリボンは家族も同然なの。だからこれでいいのよ」

真美「苦しいね」

伊織「うるさいわねっ、このバカ犬っ!」

亜美「ち、違うキャラが混ざってるよ、いおりん……」



第四話 おまけ 終わり

━第五話━

━給湯室━

小鳥「ねぇ雪歩ちゃん」

雪歩「なんですか小鳥さん?」

小鳥「雪歩ちゃんって穴掘りが得意よね?」

雪歩「はい。最近ようやくアスファルトをスコップで掘れるようになったんですよ」

小鳥「ここらで趣向を変えて、ひとつ男のケツの穴でも掘ってみないかしら?」

雪歩「……」バシャッ

小鳥「ア゙ヅッッ!!」

雪歩「あはっ、ごめんなさい」

小鳥「痕になったらどうするのよっ!」

雪歩「別に肌を見せる相手もいないですよね?」

小鳥「あと少しなのよ!」

雪歩「あと少しって何がです?寿命ですか?」

真「なんだか騒がしいけど、どうしたんですか?」

雪歩「あっ、真ちゃん」

小鳥「ひどいのよ真ちゃん、雪歩ちゃんがいきなりお茶をブッかけてきたのよ!」

真「この前教えた護身術を早速試したみたいだね」

小鳥「えっ、護身術?」

真「『術』ってほどでもないですけどね。
  身の危険を感じたらまずアツアツのお茶をブッかけろって」

小鳥「雪歩ちゃんは私のどこに身の危険を感じたのかしら?」

雪歩「いやいや……あの身の毛のよだつ感覚は、ワンちゃんの比じゃなかったですよ」

真「それで、どこにかかったんです?」

小鳥「ここよ!私の鎖骨から左乳首にかけてのラインがアツアツのお茶でグッショグショよ!」

真「顔は狙わなかったんだね、偉いなぁ雪歩は」ナデナデ

雪歩「えへへ……///小鳥さんは765プロの大切な仲間だもん。
   ギリギリのところで思いとどまったんだよ」

小鳥「お茶をかける行為自体を思いとどめて欲しかったわ」

真「どれどれ……一応痕にはなってなさそうですね。
  でも念のため水で冷やしておいた方がいいですよ」

小鳥「見なさい雪歩ちゃん」

雪歩「はい?」

小鳥「肌を見せる相手ができたわ」ドヤッ

雪歩「小鳥さんがそれで満足なら、いい人生だったと思いますよ」

小鳥「あ、あれ?雪歩ちゃんは真ちゃんにLOVE☆ゾッコンで
   私と真ちゃんがイチャイチャしてたら嫉妬で怒り狂って
   『あなたを殺して私も死ぬっ!』状態になるんじゃなかったの?」

真「狂ってるのはあなたの方ですよ」

雪歩「イチャイチャって、ただ傷を診ただけじゃないですか。
   むしろ火傷したかもしれない人を放っておくような
   冷血漢だったら、そっちの方が幻滅ですよ」

小鳥「その火傷の原因を作ったのは誰だったかしら」

真「ていうか雪歩、冷血『漢』って」

雪歩「大丈夫、真ちゃんはどちらかというと熱血漢だもんね」

真「いやだから、『漢』って」

真「まぁお茶をブッかけろって教えたのは僕にも責任があります。
  お詫びに小鳥さんにも護身術を教えたいんですけどどうですか?」

小鳥「お願いするわ」

雪歩「私を見つめながら返事をするのはやめてほしいですぅ」

真「じゃあいきますよ。練習なので、このプロデューサー型多目的人形を的にしましょう」

小鳥「なんかベトベトしてるわね」

雪歩「候補が多すぎて誰の涎か特定できません」

真「涎ならまだマシだろうね」

小鳥「どうやって作ったのかしら?」

真「オリエ○ト工業のオーダーメイドです」

雪歩「みんなでお金を出しあったんですよ」

小鳥「なぜ私も誘ってくれなかったのかしら?」

真「持って帰っちゃうでしょ?」

小鳥「持って帰って、ねつ造したハメ撮り写真を見せてプロデューサーに結婚を迫るわ」

雪歩「そ、想像以上です……」

真「ひ、必死すぎる……」

真「まぁ気を取り直して練習をはじめましょう。まずは僕が見本をみせますね」

真「相手から目をそらさずに湯飲みを持ち……手首のスナップを使ってブッかける!」

バシャッ

小鳥「ビショ濡れのプロデューサー……」

雪歩「加虐性欲をそそられますぅ」

真「じゃあ次、小鳥さんどうぞ」

小鳥「ま、待って!もうちょっと見本をみせてちょうだい」ピッ(録音ボタン)

真「わかりました。……ブッかける!」バシャッ

小鳥「もう一度!」

真「ブッかける!」バシャッ

小鳥「……ハァハァハァ///」

真「ブッかける!」バシャッ

小鳥「……けて……///」

真「ブッかける!」バシャッ

小鳥「ブッかけて!思いっきりブッかけて!///」

雪歩「」バシャッ

小鳥「ア゙ヅヅッッ!!」

雪歩「言うとおりにしましたよ」

小鳥「私は真ちゃんに言ったのよ!」

真「今度は鎖骨から右乳首にかけてのラインを狙ったんだね」

雪歩「左右のバランスを取ってあげたんだよ」

真「雪歩は優しいなぁ」ナデナデ

雪歩「///」

小鳥「私もなでてっ!」

真「お茶はかけなくていいんですか?」

小鳥「どちらかしか選べないというのであれば、お茶をお願いするわ」

雪歩「すごいよこの人」

真「はじめて小鳥さんを心から尊敬したよ」

真「じゃあどこを狙いましょうか」

小鳥「背中をお願いするわ」

雪歩「小鳥さん、ピアノバーで背中の見えるドレスを着てませんでした?」

小鳥「だからこそいいのよ」

雪歩「これほどまでの覚悟とは……おみそれ致した」

真「じゃあいきますよ……ブッかける!」バシャッ

小鳥「ア゙ヅバァァァァァギモ゙ヂイ゙イ゙ィィィィィィィーーーーーーーーーー!!」





――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――――


━給湯室の隣の部屋━


ィィィィィィーーーーーーー…………


やよい「小鳥さん達、楽しそうだね。何してるんだろう?」

伊織「悪い遊びだから、やよいは行っちゃダメよ」

やよい「?」



第五話 終わり

━第六話━

真美「おっはよ→」

?「おはよう、真美」

真美「……どちら様?」

?「真美までひどいなぁ……春香だよ、春香」

真美「は、はるるん!?リボンはど→したの?」

春香「今日はつけてないよ。イメチェンってやつ?」

真美「チェンジどころかイメージがまったくのゼロに……てか、はるるん」

春香「?」

真美「頭大丈夫?」

春香「泣くよ?」

真美「あ→、いや、そういう意味じゃなくてさ。
   前にリボンをつけてなかった時に調子が悪そうだったから、今日は大丈夫かな→って」

春香「千早ちゃんも同じようなことを言ってたんだけどねぇ、自覚症状がないからなんとも。
   いずれにせよ、今日は大丈夫だよ」

真美「ふ→ん……なら安心だけど(ど→ゆ→こと??)」

千早「ふふ……はじめてエロ本を読んだ中学生みたいな顔をしているわね」

真美「千早お姉ちゃん!」

千早「はじめてAVを見た中学生みたいな顔をしているわね、真美」

真美「微妙に言い換えなくていいから。あとそいつらはもっと楽しそうな顔してると思うよ」

千早「そんなことはないわ。今のあなたは、あの時の私と同じ顔をしているもの」

真美「実体験なんだね」

千早「同じ人間でありながら、なぜこうも胸の大きさが違うのか……」

真美「真美は千早お姉ちゃんほど絶望しちゃいないよ」

千早「馬鹿にして……!そうやって貴様は、永遠に他人を見下すことしかしないんだ!」

真美「んで、その口ぶりからすると、はるるんの事情を知ってるみたいだね」

千早「あ、あら……?ねぇ真美、もうちょっと逆シャアごっこしない?」

真美「千早お姉ちゃんが乳ガンダムとか、タチの悪い夢だよ」

千早「私にはゾックがお似合いってかゴラァァァァァ!!」

真美「そこまで言ってないよ」

千早「それで春香のことなんだけど」ケロッ

真美「千早お姉ちゃん、大分こなれてきたよね」

春香「今なら『生っすか』の司会を1人で任せられそうだね」

千早「春香の秘密……それは、これよ!」

ズルッ

春香「キャァァァァァッ!」

真美「何ィー!?はるるんのパンツにリボンがついているぅー!?」

千早「スカート脱がしの練習をした甲斐があったわ」

真美「わざわざ脱がさなくても、口頭で伝えてくれれば十分だったよ?」

千早「百聞は一見にしかずよ」

春香「もうっ、千早ちゃんたら!こんなことするなんてひどいわ!プンプン!」

真美「で、今回はどんな洗脳を施したの?副作用で時代が古くなってるけど」

千早「私ってそんな悪人に見えるかしら?」

真美「胸に手を当てて考えてみなよ」

千早「……Dあるもん」

真美「妄想しろとは言ってないよ」

真美「要は、頭じゃなくても体のどこかにリボンがついていればいいってわけね」

千早「流石ね、真美。ごほうびに私の愛人にしてあげるわ」

真美「真美、痴女には興味ないんだ」

千早「……ということは、あなたの狙いは高槻さん!?ライバル出現ね!」

真美「自分がやよいっちの対極の存在であることは自覚してるんだね」

春香「ねぇねぇ千早ちゃん、早くスカート穿かせて?」

千早「あら、ごめんなさい。ふふ、春香ったら私がいないと何もできないのね?」

春香「そんなことないよ!……でも、今は千早ちゃんに穿かせてもらいたいなって///」

真美「はるるん、最近変なお薬飲んだっしょ。虹色のやつとか」

ギュルルルル

春香「あっ……ずっとスカート脱いでたから、お腹冷えちゃったみたい///
   ちょっとお手洗い行ってくるね」

千早「トイレにいっといれー。……ぷっ、くくくっ……」

ガチャ

響「あーっ、やっとレッスン終わったぞー」

千早「我那覇さんお疲れ様」

響「おーありがと千早ー。……真美、どうした?徹夜明けのぴよ子みたいな顔してるぞ?」

真美「……ツッコみ疲れ。亜美の大切さを痛感したよ→……」

響「??……そうだな、家族は大事だもんな!」

真美「(ありゃ絶対分かってない顔だYO)」

響「というわけで今日はワニ子を事務所に連れてきたぞ!」

ワニ子「ぐるるるる」

真美「(何が『というわけで』なのさ……)」

30分後


千早「……春香、遅いわね」

響「うう……そろそろ自分もまずいぞ……」

真美「ひびきん、お腹の調子悪いの?」

響「今朝、いぬ美のエサの生肉を食べてからどうも調子が悪いんだ」

千早「我那覇さんはどうしていつもそうなの?」

響「アンマーみたいな言い方はやめるさー……」 ※アンマー=お母さん

真美「お母さんって、どこも同じような叱り方するんだね→」

千早「…………」

真美「(やばっ、地雷踏んだかも)」

千早「…………」

真美「千早お姉ちゃん……」

千早「……やよいったら、どうしていつもそうなの!?そんな悪い子はお尻ペンペンよ!」

千早(裏声)「うっうー、ごめんなさいー」

真美「……」ゲッソリ

さらに30分後

響「も、もう我慢できないぞ!」

ダダッ

響「春香ぁ!開けてくれ春香ぁ!」

ガチャガチャ……ガチャッ

千早「開いた!?」

響「はる……うわぁ!」

千早「春香!」

真美「はるるんが……全裸で固まっている!?」

春香「」ノノワーン

響「春香ぁ、しっかりしろ春香ぁ!」

千早「そうか……パンツを脱いだ瞬間、リボンが体を離れたから……」

真美「千早お姉ちゃんの責任だね」

千早「あらどうして?」

真美「リボン付きパンツを薦めたのって千早お姉ちゃんでしょ?」

千早「まぁそうだけど」

響「ていうかなんで春香は全裸なんだ!?」

千早「春香は全裸にならないと大きい方ができないのよ」

真美「そういうのは自宅のトイレだけにしてほしいなぁ」

響「う……も、もうダメだぞ……」ミチッ

千早「ダメよ我那覇さん!高校生にもなって二度も事務所で
   お漏らしなんかしたら……もうアイドルを続けることなんてできないわ!」

真美「事務所内の出来事だから別に問題ないけどね。
   大体、前回(第一話)のは千早お姉ちゃんと亜美のせいだし」

響「あ……ぐ……」

真美「ひっ、ひびきぃぃぃぃぃぃん!!」

ワニ子「がう!」

ガブッ

響「いだぁぁぁぁぁ!」

千早「ワニ子が我那覇さんのケツを!」

ドド‍┣¨┣¨┣¨┣¨‍┣¨┣¨┣¨┣¨‍ドド

真美「あぁ、ひびきんのブツがワニ子の口の中に流れていく!」

千早「飼い主のお漏らしを防ぐ為に……これが家族愛……!」

ワニ子「…………」

響「ワニ子……自分嬉しいぞ」グスッ

ワニ子「………………」

響「ワニ子?」

ワニ子「……………………」プルプル

千早「まずい!真美、ワニ子を社長室に!」

真美「がってん!」

響「え、え、え?」

ワニ子「…………………………」プルプルプル

ガチャ

社長「な、なんだね君たち急に!?」

ポイッ

千早「我那覇さん、あとは頼んだわ!」

真美「骨は拾ってあげるYO!」

響「え、え、え、え?」



―――――――プツン――――――――

ワニ子「ぐああああああああ!」

ボドドドドドドドドドドddddd

響・社長「う、うわぁぁぁぁぁぁ!」

千早・真美「ク、クロコダイーン!!」

――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――――


━XXX年後・月━

貴音「……これがかつて765プロで起きた『獣王の乱』の事の顛末です」

貴音「これを機に、765プロのトイレは増設されることとなります」

貴音「また排泄物・嘔吐物の被害を最小限に抑えることに成功した
   如月千早はその功績を称え、『痴将』と呼ばれることとなりました」

月の民「貴音様!なぜ我那覇響は外のトイレに行かなかったのでしょうか!」

貴音「行かなかったのではなく、考えつかなかったのです。
   そしてそれこそが、彼女の彼女たる所以なのでしょう―――」






※千早と真美は、後で社長にこっぴどく叱られました。



第六話 終わり

書きためてない?

>>89
 はい、第一話以外は書きためてないです。
 書きためて一気に投下の方が、読みやすいでしょうか?
 自分としては、どちらがやりやすいというのはないです。

ここではそんなに書きため気にしなくていいと思うよ

>>92
 分かりました。とりあえず、自分のやりやすいようにやってみたいと思います。

━第七話━

真美「うう、こってり絞られた……これじゃ特濃牛乳だよ……」グテー

雪歩「真美ちゃんお疲れ様。はいお茶」コトッ

真美「さんきゅ→ゆきぴょん」

伊織「それにしても災難だったわね」

真美「最後の最後でちょ→っと調子に乗っちゃったのが命取りだったよ」

伊織「まぁ私としては、この部屋を汚されなくて助かったけどね」

雪歩「千早ちゃんはまだ怒られてるの?」

真美「うん、ショパンだからね」

伊織「主犯ね」

真美「ワニ子が一部始終を社長に説明してくれてさ、ジョ→ジョ→しゃくりょ→ってことで
   真美は釈放されたんだよ」

伊織「ワニ子が?」

雪歩「響ちゃんじゃなくて?」

真美「ひびきんは泣きじゃくってて、それどころじゃなかったよ」

伊織「まぁ気持ちは分からないでもないわね」

真美「それを見た千早お姉ちゃんが『そそるわね』なんて言うから、
   社長の怒りがそこでまた大爆発して大変だったYO!」

雪歩「千早ちゃんってホントぶれないね」

真美「兄ちゃんが、あのメンタルの強さをゆきぴょんにも学ばせたいってさ」

雪歩「」バシャッ

P「アヅッ!」

雪歩「ごめんなさい、身の危険を感じて……」

伊織「どうせなら千早にかければいいのに」

小鳥「どうですプロデューサーさん、気持ちよかったですか?」ドキドキ

真美「ぴよちゃんじゃあるまいし、気持ちいいわけないじゃん」バシャッ

小鳥「アハァァァン!」ビクビク

P「景気よくバシャバシャやってるけど、掃除するのは俺なんだからな」

真美「いおりんはお茶をかけないの?」

伊織「お茶は飲むものよ」

雪歩「伊織ちゃんらしからぬ発言だね」

伊織「あんた私のことをなんだと思ってるの?」

雪歩「『この伊織ちゃんにアツアツのお茶をかけてもらえるなんて、ありがたい
   ことだと思いなさい♪』とかいって新堂さんと毎晩ハッスルしてるんでしょ?」

伊織「親がカタギじゃないからって調子に乗ってんじゃないわよ」

小鳥「伊織ちゃんにお茶をかけてもらえるなんて最高のごほうびね」ハァハァ

P「まったくです」ハァハァ

伊織「何言ってんのよ、この変態!ド変態!EL変態!」バシャバシャ

小鳥・P「アバァーカンジルゥー!」ビクビクブルブル

雪歩「二人ともいい笑顔です」

真美「現代の日本人が忘れた顔だね」

小鳥・P「トケルゥゥゥヴヴヴ!」ドロドロ

伊織「と、溶けてる!?」

雪歩「安らかな死に顔だね」

真美「めでたしめでたし」

伊織「ち、ちょっとのんびりしてんじゃないわよ!二人ともしっかりして!」

>伊織「ち、ちょっとのんびりしてんじゃないわよ!二人ともしっかりして!」

真美「この『二人とも』っていうのはぴよちゃんと兄ちゃんを指しているんだけど
   読みようによっては真美とゆきぴょんを指しているようにも取れるね」

雪歩「いかに765プロが狂人揃いかということがよく分かるね」

真美「とりあえずバケツに入れることで事なきを得ました」

P「面目ない」ドロドロ

伊織「なんで生きてるの?」

雪歩「伊織ちゃん、いくらなんでもそんな言い方ひど過ぎるよ!」

真美「そうだよ!兄ちゃんみたいなクソ虫でも、必死に生きてるんだよ!」

P「雪歩、そこの洗面台から俺を流してくれ」ドロドロ

雪歩「また人間に生まれ変われるといいですね」

伊織「そういう意味で言ったんじゃないわよ。あと雪歩、バイオテロになりそうだからやめなさい」

小鳥「それにしても、これからどうしたものかしら」ドロドロ

真美「ちなみにぴよちゃんのバケツは、夏場にりっちゃんが水を張って足を入れていたやつです」

小鳥「フォォォォォォォ!!」ニュルニュルニュル

真美「あぁ、ぴよちゃんが人間の形を取り戻していく!」

雪歩「恐るべきは秋月の力ですぅ」

伊織「あんたは戻れないの?」

P「俺はあそこまでアグレッシブな変態じゃないよ」ドロドロ

伊織「ところで真美はなんで今日に限って悪ふざけをする側にまわっているのかしら?」

真美「真美はどこでも守れるユ→ティリティ→プレイヤ→だから、
   そのときのバランスをみて自分の立ち位置を変えているんだよ」

伊織「常人一人に狂人四人ってバランスが悪いと思わない?」

真美「真美はさっきまではるるん・ひびきん・千早お姉ちゃんを一人で相手していました」

伊織「ワニ子がいたでしょ」

真美「そっか→。じゃあ真美、常人に戻るね→」

雪歩「この裏切り者っ!」

P「このトリオ、一秒先にはどうなっているか見当もつかぬ」

小鳥「まさにワンダリングスターね」

━営業先━

亜美「へくちっ」クシュン

律子「あら亜美、風邪?」

亜美「ううん、ただどこかで猛烈にハブられた気がしただけだよ」

律子「あらそう。ところで私も足先に強烈な悪寒を感じるのだけど、
   これは私がハブられているせいなのかしら?」

亜美「それは多分ぴよちゃんがよくないことをやらかしたせいだよ」

律子「よくわかるわね」

亜美「双子の桟橋ってやつだよ」フフン

律子「シンパシーね」

真美「それにしても、さっきのいおりんは可愛かったなぁ」

雪歩「涙目になって『死んじゃヤダ!』って言いながらプロデューサーと小鳥さんを
   バケツに入れてましたよね」

伊織「バッ、バカ!やめなさい!」

真美「ぶっちゃけ真美は、あまりの気持ち悪さにしぶしぶ手伝っていたけど
   いおりんは躊躇なしだったよ」

P「いおりんのデレキタァァァァ!」ニュルニュルニュル

真美「あぁ、兄ちゃんが人間の形を取り戻していく!」

雪歩「恐るべきはツンデレの力ですぅ」

伊織「素直に喜べないわ」

小鳥「雪歩ちゃんは、その時どうしてたの?」

雪歩「『変態がうつるかもしれない』とか、『そもそもこのまま安らかに逝かせてあげる方が
   二人のためかもしれない』とか色々考えた結果、私は何もしませんでした」

小鳥「雪歩ちゃんから『イかせてアゲる』ってセリフが!録音するからもう一度お願い!」

雪歩「……チッ」

小鳥「蔑むような視線からの舌打ちぃぃぃィィィィィイ゙イ゙ッ!」ドロドロ

真美「ゆきぴょんの考えが正しかったよ」

真美「というわけで元に戻ったわけだけど」

P「ああ」

真美「今の兄ちゃんには、いおりんの汗と涙が結構な量混ざっていると思うんだ」

P「どこでもいっしょぉぉォォォォォ!」トロトロクロクロ

伊織「気持ち悪いこと考えるんじゃないわよっ!この変態、ド変態、変態大人!」

P「いおりんの罵りマジ最高ゥゥゥゥゥウワラバッ!」ニュルニュルニュル

伊織「―――!」

P「―――!」ドロドロ

伊織「―――!」

P「―――!」ニュルニュル



真美「兄ちゃんがものすごいスピードでドロドロになったり元に戻ったりを繰り返してる」

雪歩「これを応用して永久機関を作れないかな」

真美「夢のエネルギーだね!」

雪歩「夢は夢でも悪夢だけどね」







小鳥「」ドロドロ



第七話 終わり

━第八話━

━社長室━

P「健康診断ですか?」

社長「ああ。アイドルだけでなく、君と音無君を含めた全員を受診させたい」

P「確か四月にみんな受診したと思うのですが、何故またこの時期に?」

社長「必要であると判断したからだよ。最近みんな忙しくなってきたからね、健康管理は徹底したい」

P「そうですか……もう一つ、よろしいでしょうか?」

社長「なんだね?」

P「何故、受診項目にカウンセリングがあるのですか?」

社長「必要であると判断したからだよ」

けいおんで前に書いていた人?

P「というか、よく見たら受診項目がカウンセリングだけじゃないですか。
  これって要は、向かいの心療内科に全員行ってこいってことですよね」

社長「まぁそうだな。特に如月君をよろしく頼む」

P「そういえば先日、彼女を三時間以上説教したと聞きましたが」

社長「説教自体は30分で終わったのだがね。その後はずっと彼女の妄想話に付き合わされていたよ」

P「そういえば社長、随分髪の毛が薄くなりましたね」

社長「聞いてあげたお礼として、『高槻さんがおつかいに来るといつも安くしてくれる近所の八百屋さん』に
   なる権利をもらったよ」

P「おめでとうございます」

社長「めでたいのかね?」

P「『家族になる権利』ではなかったことは喜ぶべきことかと」

社長「確かに」

>>108

 いえ、今回が初投稿です。

 もし、いわゆる「センパイシリーズ」のことをおっしゃっているのでしたら、すごく嬉しいです。
 あのシリーズが大好きで、あれをリスペクトしてこのSSを書いているので。

社長「彼女の中では、天海君が嫁で亜美君が妹、やよい君が娘、そして我那覇君は
   よくエサをねだりにくる近所の野良犬だそうだ」

P「にぎやかな家族ですね」

社長「他に言うことはないのかね?」

P「あずささんや貴音はどうなんですか?」

社長「彼女達は、世界を破滅に導く悪の犯罪組織の構成員とのことだ」

P「まさか中二病まで患っているとは」

社長「貧乳・変態・中二病、三重苦か。まるでヘレン・ケラーだね」

P「苦しいのは本人じゃなくて周りの人間ですけどね」

P「ところで悪の犯罪組織といえば、あずささんと貴音に
  ショッカーの怪人のコスプレをさせるのはどうでしょう」

社長「いいねぇ、ティンときた!」

P「定番は蜂女ですが、ここはイカデビルを推したいと思います」

社長「美女のムチ攻撃か、実にちょもるめらんだ」

P「そうなると大事なのはライダー役ですね」

社長「天海君が一号、真美君が二号でどうだろう?」

P「何かコンセプトがおありで?」

社長「真美君は如月君の愛人だそうだ」

P「オ、オヤジギャグじゃないですか……」

社長「おやじだもんっ」

社長「いやぁしかし、キミとこうやってアイドルの可能性について語り合うのは実に愉快だねぇ」

P「僕も社長とこうして生産性のない会話をするのは、アイドルにセクハラするのとはまた違った幸せを感じます」

社長「言ったなコイツゥ」ツンツン

P「あはははは」

社長「うふふふふ」

P「アハハハハ」

社長「ウフフフフ」

P「キョーキョキョキョ」

社長「ゼハハハハ」

P「シハシハシハ」

社長「魚雷魚雷魚雷」

――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――――


━765プロ━

雪歩「……という感じで、隣の廃ビルから奇妙な笑い声が聞こえるんです」

貴音「面妖な」

真美「魚雷魚雷って笑い声なの?」

小鳥「怖くて仕事が手につかないわ」

伊織「いつものことね」

響「こここここ怖すぎるぞ!なんで765プロはこう幽霊に縁があるんだ!?」

やよい「ううー、怖いですー……人間の狂気を感じます」

響「亜美真美、この前の霊媒師に頼んで幽霊をやっつけてくれ!」

亜美「うーん、今回は警察に頼んだ方が早い気がするなぁ」

小鳥「あー、亜美ちゃんがうんこって言ったー。えんがちょー」

亜美「うるさい、うん小鳥」

千早「うんこなら蝿が寄ってくるだけまだマシだわ」

小鳥「うぅ……」グスッ

真美「ん」

雪歩「こ」

やよい「コンボ成功です!」

伊織「やよい、バカがうつるからやめなさい」

貴音「安心なさい小鳥嬢、私がついております」

小鳥「たっ、貴音ちゃん///」

貴音「明日の朝はみそらぁめんがいいです」

小鳥「私と一夜を共にしてくれれば、明日と言わず毎朝みそラーメンを作ってあげるわ」レロレロレロレロ

貴音「痴れ者っ!」バチーン

小鳥「ピヨッ!」

千早「いいビンタね」

真「ためらいを全く感じなかったよ」

雪歩「四条さん素敵ですぅ」

亜美「ところで、霊媒師がどーたらって先週(※第三話)の話だよね?」

真美「三日以上前のことを覚えてるなんて、ひびきんにしてはやるじゃん」

響「ふふん、今日はハム蔵を連れて来てるからな!」

ハム蔵「ヂュヂュイ」

千早「ハム蔵が我那覇さんの本体というのは、やはり本当だったのね」

真「これからは響のことをキルバーンって呼ぶことにするよ」

響「なんでみんな自分の冗談をすぐ本気にするんだ?」

亜美「ひびきんも人の話をすぐ信じちゃうでしょ?」

真美「ひびきんのおつむのレベルにあわせてあげてるんだYO」

響「流石に泣きそうだぞ」ウルッ

雪歩「あっ、キルバーンが爆発しそう」

亜美「ぴよちゃん、ひびきんを連れて空に飛立ってよ」

真美「そんでもって、なるべく遠く誰の迷惑にもならない場所で爆発させてよ」

千早「小鳥さんは帰ってこなくていいですからね」

小鳥「なぜ私なのかしら?」

真「小鳥さん、手の甲にドラゴンの紋章を描いたことあるでしょ?」

小鳥「もちろん」

真「アバンストラッシュの練習は?」

小鳥「雨の日は毎日したわ」

真「僕らの世代じゃ、そんなことしないんですよ」

小鳥「世代って言い方は隔たりを感じるから、好きじゃないわ。
   まだまだ感性はあなた達と同じくガラスの十代よ」

千早「うるさい松坂世代」

小鳥「ハゥッ」バターン

貴音「小鳥嬢、お気を確かに」

小鳥「貴音ちゃん、みんながいじめるのっ」

貴音「よしよし」ナデナデ

小鳥「キュン///」

貴音「おやつはシーフード味がいいです」

小鳥「私のおっぱいミルクで、特製ミルクシーフードヌードルを作ってあげるわっ!」ヌギッ

貴音「痴れ者っ!」ドスッ

小鳥「ピヨヨヨッ!」バターン

亜美「ヒザ蹴りだね」

真「いいね、今度うちの道場に連れていこうかな」

真美「ぴよちゃんはなんで、自分のおっぱいからミルクを出せると勘違いしたのかな」

雪歩「同人誌の読み過ぎだよ」

千早「そもそも今脱ぐ必要は全く無かったのに、何故突然脱ぎ出したのかしら」

雪歩「同人誌の読み過ぎだよ」

やよい「伊織ちゃん、同人誌って麻薬か何かなの?」

伊織「ある意味ね」

雪歩「話を戻すけど、隣の廃ビルの件はどうします?」

律子「社長室の補修工事が終われば解決するから、もう少しの辛抱よ」

亜美「あっ、りっちゃんいたの?」

律子「何よ、いちゃ悪い?」

真「そうじゃなくてさ。今まで仕事している横でずっと話してたのに、よく怒らなかったなぁって」

律子「この手の会話ってね、雑務を片付けるときにはちょうどいいBGM代わりになるのよ。
   家に仕事を持ち帰ったときにはよく、深夜アニラジを聞きながら片付けているわ」

真美「同列に語られると、流石に深夜アニラジに申し訳ないなぁ」

千早「ところで、補修工事って何かしら?」

律子「ワニ子の口から出てきたブツが、社長室のフローリングの奥深くまで浸食したから
   床の張り替えが必要なのよ」

亜美「ひびきん……一体何を食べたらそんなものをケツから出せるのさ」

雪歩「恐ろしいですぅ」

貴音「大変です……先日響の家で、ごーやらぁめんを食べてしまいました……」ガクガク

響「ワニ子のゲロのせいかもしれないだろ!」

真美「我が身かわいさに、ワニ子に罪をなすりつけるなんて……」

真「響!お前は家族を信じられないのかっ!」

響「自分は仲間を信じられなくなりそうだぞ」

律子「(本当は、老朽化でスキ間の開いた部分からブツが流れ込んでしまったのだけど
   面白いから黙っておきましょう。)」

小鳥「響ちゃん……こっちにいらっしゃい」ユラユラ

雪歩「小鳥さんが響ちゃんを仲間に引き込もうとしている」

亜美「MAKE DOG 同盟だね」

響「い、嫌だ!自分は行かず後家にはなりたくないぞっ!」アセアセ

小鳥「ピギャァァァ!」

貴音「よしよし」

小鳥「キュウンキュウン///」

真「もはやマトモな日本語を話してないよ」

貴音「夜食はしおらぁめんがいいです」

小鳥「しお!?SIO!?私のオグシオ潮吹きラァメェェェェンッッッ」ヌギッ

貴音「痴れ者っ!」ドゴーン

小鳥「ジュリキチッ!」バタッ

真美「ゲェーッ!?あれはキン肉バスター!?」

真「一体いくつの技を持っているというんだ!?」

亜美「技のデパートお姫ちんだねっ」

千早「でもセリフは三回とも同じね」

雪歩「技の豊富さの割に、罵倒語のボキャブラリーが貧困ですぅ」

響「というか自分より先にぴよ子を慰めにいったことが、普通にショックだぞ」

伊織「色気より食い気なのよ」

小鳥「」ピクピク

亜美「すごい光景だね」

貴音「痴れ者に相応しい末路です」

真「それしか知らないの?」

千早「だけど悪口のレパートリーが豊富でも、それはそれで印象が悪いわ」

雪歩「普段どんだけ人を罵ってるの?って感じだよね。そういう人とは関わりたくないかも」

真美「それはそうと、罵倒のエキスパートといえばいおりんだよね」

伊織「その流れで私に振るんじゃないわよっ!このバカッ!最低!人でなし!ド変態!
   ほぉっんとダメダメなんだからぁっ!視界から消えてよっ!惨殺するわよっ!
   ぜっっったいに明日からは私の後ろを歩かないでよねっ!」

亜美「見ろよ、顔を赤らめながらも彼女は我々の期待に必ず応えてくれる」

雪歩「ツンデレの鑑だね」

真美「フッ、真美達もとんでもない仲間を持っちまったもんだぜ……」

ピーポーピーポー

小鳥「あらっ、いつの間にか隣の廃ビルの周りにパトカーが」

亜美「ぴよちゃんがもう回復してる」

貴音「技の極めが甘かったようですね」

小鳥「ふふ、新世代超人(ニュージェネレーション)が簡単に扱えるほど48の殺人技は甘くはないわ」

真美「何言ってんだコイツ」

雪歩「よく見るとパンツを穿いてないよ」

貴音「どうやら脳にダメージがいってしまったようですね」

ザワザワ

千早「ああっ、社長とプロデューサーがパトカーに乗せられているわ」

真「短いつきあいだったね」

響「あれ、律子何やってるんだ?」

律子「あの二人の社員データを削除しているの」

伊織「最初からいなかったことにするのね」

雪歩「事務所のスキャンダルを未然に防ぐんですね」

亜美「さっすがりっちゃん!」

律子「ふふ、これからは社長と呼びなさい」ドヤッ

真「よっ、敏腕女社長!」

真美「美人女社長!」

千早「堕ちた女社長~24時間拷問・激イカせスペシャル~!」

律子「わふー☆」バキャ

千早「クドリャフカッ!」メキャ

亜美「アイドルの顔にグーパンしたよこの人」

雪歩「上司がいなくなったからやりたい放題だね」

真美「なんで千早お姉ちゃんはAVのタイトルっぽいことを叫んだの?」

千早「この前TSUTAYAで真が手にしてたDVDがそんなタイトルだなって」

小鳥「真ちゃんやっぱり……」

雪歩「真ちゃん、女組長じゃダメかな?」

真「千早のいうことを真に受けちゃダメだよ」

律子「じゃあ明日新生765プロの進発式を行うから。
   全員メガネでおさげで事務員兼任のうえ、九時に事務所集合ね」

雪歩「独裁政治がはじまった」

亜美「暴君りっちゃんだね」

真「事務員多すぎないか?」

律子「自分で言っておいてなんだけど、私以外ありえないでしょ?」

あずさ「まあ、どうしましょう?」

美希「あふぅ、どうすんの?」

亜美「別にいらないんじゃん?」

千早「そうね、事務員なんて必要ない」

律子・あずさ「だって私たちみんな」

千早・亜美・美希・真「仲間だもんげ!」







小鳥「」



第八話 終わり

>あずさ「まあ、どうしましょう?」

>美希「あふぅ、どうすんの?」

真美「二人とも今までどこにいたの?」

美希「ずっとソファーで寝てたよ?」

あずさ「トンネルを抜けるとそこは765プロでした」

千早「まぁ、なんでも、いいですけれど」

亜美「千早お姉ちゃん、機嫌悪いね」

千早「奴らは悪の手先よ」



第八話 おまけ 終わり

━第九話━

━朝・765プロ━

ガチャ

律子「おはよう」

亜美「おはよ→りっちゃん」

真美「おっは→」

雪歩「おはようございます」

伊織「おはよう」

やよい「おはようございまーす」

律子「誰一人メガネをかけていないようだけど、これはどういうことかしら」

亜美「りっちゃんの求心力の無さが伺えるね」

やよい「ごめんなさい律子さん……でも急に言われてもメガネを買うお金がなくて……。
    その代わり、お母さんに頼んでお弁当にエビフライを入れてもらいましたー!」

雪歩「おさげの代わりってことだね」

伊織「やよいは偉いわね」

律子「えぇ、流石やよいね」

真美「みんなやよいっちには甘いなぁ」

亜美「でもやよいっち、エビを買うお金あったんだね」

やよい「エビなんて近くの川にいくらでもいるよ?」

雪歩「それはザリガニだよ」

伊織「律子、やよいがお腹を壊したらアンタのせいだからね」

律子「トイレの増設が間に合ってよかったわ」

真美「食べた後の心配をするより、食べさせるのを止めるべきだと思うよ」

律子「それで、やよい以外の四人はどうやって誠意を見せるつもりかしら?」

亜美「誠意の問題なのかなぁ」

伊織「私は今朝エビフライを食べてきたわ」

真美「じゃあ真美も→」

雪歩「私もそれでお願いします」

亜美「おっと乗り遅れちった。もちろん亜美もそれで!」

真美「全員一致だね!」

雪歩「これがワンダリングスターの真の力です」

律子「嘘つきは泥棒の始まりってことわざを知ってるかしら?」

亜美「ドサクサに紛れて社長の座をかすめ取ったりっちゃんには言われたくないよ」

律子「まぁいいわ。まだ出社してない8人はきっとメガネをしてくるでしょうし、
   いずれにせよ私の勝利は揺るぎないわ」

雪歩「いつの間にか勝負になってる」

律子「あなた達が負けたら、あなた達のアクセサリーは永久にビン底メガネよ」

亜美「じゃありっちゃんが負けたら、ウチの病院でレーシック手術を受けてよ」

真美「最近、『美人姉妹のドキドキ☆レーシック手術』ってサービスをはじめたんだ」

伊織「それはマジでシャレにならないからやめなさい」

雪歩「違う意味でドキドキですぅ」

亜美「だいじょ→ぶ!『効果がなかった』っていう苦情は、今まで一件もないよ!」

やよい「わぁ、すごいね亜美真美!」

伊織「その他の苦情は?」

真美「見なかったことにしてるよ」

ガチャ

真「おはよう」

雪歩「おはよう真ちゃん」

亜美「メガネじゃないね」

真美「これで5対2だね」

律子「4対3よ」

真美「相当気を遣って、やよいっちをそっち側に入れてあげたのに、どんだけあつかましいのさ」

律子「伊織はこちら側よ」

雪歩「私達と伊織ちゃん、何が違うんです?」

律子「伊織のウソは、私を傷つけないためのウソよ。
   自己保身しか考えないあんた達のウソとは雲泥の差よ」

亜美「竜宮小町のリーダー抜擢の件といい、りっちゃんはいおりんを過大評価してると思うんだ」

伊織「土下座させるわよ?日頃の行いの差でしょ。私はあなた達の悪ふざけに加担したりしないわ」

真美「その分、家では嵐のように大暴れなんだね」

雪歩「きっとシャルルと毎晩ハッスルしてるんだよ」

亜美「ぶるるぁぁぁぁぁ水瀬くぅぅぅぅぅん、そこは違う穴だよぉぉぉぉぉ」

真美「あっ、似てる似てる!」

亜美・真美・雪歩「キャッキャッキャッ」

伊織「土下座しなさいっ!」

律子「ところであなた達、随分朝早いわね」

伊織「亜美真美に招集されたのよ」

亜美「亜美達が声をかけたのはゆきぴょん・まこちん・やよいっちだけだよ?」

伊織「やよいを狂人の好きにさせるわけにはいかないわ」

真「で、こんな朝早くから何をするんだい?」

真美「うむ、実は昨日じゅ→だいな問題が発覚してね。きんきゅ→会議を開くことにしたのだY
O」

雪歩「重大な問題?」

亜美「うん。実はここに、昨日の会話を収めたカセットテープがあるんだけど」

雪歩「なんでそんなものがあるの?」

真美「ぴよちゃんから借りた」

律子「カセットってところが、実に小鳥さんらしいわ」

伊織「……で?」

亜美「テープを聞いていて発覚した、きょ→がくのジジツ……それは!」

真美「真美、亜美、ゆきぴょん、まこちん……四人のキャラが被っているんだよ!」

雪歩・真・律子・やよい「な、なんだってーーー!!!」

伊織「にわかには信じ難いわね」

亜美「そりゃ見た目とかテレビ向けのキャラとかは全然違うからね」

真美「だからこそテープなんだよ」

亜美「たとえば、テープのこのへん(>>124)を再生して……」

真美「四人の名前をテキト→に並び替えてみると……」



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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

小鳥「」ピクピク

雪歩(元:亜美)「すごい光景だね」

貴音「痴れ者に相応しい末路です」

真美(元:真)「それしか知らないの?」

千早「だけど悪口のレパートリーが豊富でも、それはそれで印象が悪いわ」

亜美(元:雪歩)「普段どんだけ人を罵ってるの?って感じだよね。そういう人とは関わりたくないかも」

真(元:真美)「それはそうと、罵倒のエキスパートといえばいおりんだよね」

伊織「その流れで私に振るんじゃないわよっ!このバカッ!最低!人でなし!ド変態!
   ほぉっんとダメダメなんだからぁっ!視界から消えてよっ!惨殺するわよっ!
   ぜっっったいに明日からは私の後ろを歩かないでよねっ!」

真(元:亜美)「見ろよ、顔を赤らめながらも彼女は我々の期待に必ず応えてくれる」

亜美(元:雪歩)「ツンデレの鑑だね」

雪歩(元:真美)「フッ、真美達もとんでもない仲間を持っちまったもんだぜ……」

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真「確かに、そんなに違和感ないなぁ」

雪歩「細かい口調や呼称を直せば完璧だね」

伊織「なんでこのシーンをチョイスしたのかしら」

亜美「本人の目の前でいおりんのツンデレーションを堪能するのも
   会議の目的の一つだからね」

真美「羞恥プレイだね」

伊織「私を呼ぶつもりはなかったんじゃないの?」

亜美「いおりんを呼ぶために、わざわざやよいっちに声をかけたのさ」

伊織「まわりくどいことしてんじゃないわよっ!」

雪歩「でも、直接声をかけても来てくれないものね」

真美「いおりんの行動を熟知したうえでの、高度な作戦だったのさ!」

真「伊織のことをよく理解してるなぁ」

亜美「いおりんは、竜宮小町の大切な仲間だかんね!」

律子「やよいにとってはハタ迷惑な話ね」

やよい「私はそれなりに楽しんでるから、結果オーライです」

伊織「律子、来週からソロ活動に専念したいんだけど」

亜美「とまぁこんな感じで、四人のセリフをシャッフルしても話が通じちゃうんだ」

真美「このままじゃ真美達の個性がはるるんになっちゃうYO!」

真「早急に、四人の差別化が必要だね」

伊織「ひどい言い草ね」

雪歩「だけど実際、昨日春香ちゃんがいなかったことに誰も気づかなかったよね」

律子「私は気づいていたけど、代わりにハム蔵がいるからいいかなって思ってたわ」

やよい「あっわかります!春香さんの声ってハム蔵によく似てますよねー!」

伊織「ハム蔵の声が春香によく似てる、じゃないのかしら」

やよい「???」

律子「ハム蔵の方が春香より稼いでるから、やよいの認識で問題ないわ」

伊織「まぁ、なんでも、いいですけれど」

雪歩「ちょっといいかな」

真「どうしたの雪歩?」

雪歩「つまり今なら、私が真ちゃんのことを『まこちん』って呼んでもいいってことだよね?」

亜美「ゆきぴょんがよくない電波を受信してる」

真美「デスポエムを書いてるときと同じ目をしてるよ」

真「僕は別に構わないけど」

律子「あんた、電波女が好みだったの?」

真「電波じゃなくて、『まこちん』って呼ばれ方の方だよ!」

雪歩「私、やってみる!」

雪歩「わ、私、まこちんちんが大好き!」

真「こらこら^^」

小鳥「●REC」

雪歩「」バシャッ

小鳥「アヅヅッッ!!」

伊織「噛んだのよね?」

亜美「いや、これはまこちんの真名だよ」

真美「宝具はエクスカリバーだね」

律子「そう……そのまま飲み込んで。僕のエクスカリバー……」

真「あまり調子に乗るなよ」

亜美「その理論でいくと、お姫ちんの真名はお姫ちんちんだね」

真美「お尻ちんちんの方がより淫猥でいいと思うな」

雪歩「アナルファックだね」

真「じゃあ涼は涼ちんちんだね」

律子「その話に興味があります」

亜美「乗ってきちゃった」

伊織「従姉妹として、止めるべきだと思うわ」

真美「いっそ、その三人でユニット組んじゃうのはどう?」

律子「男二人、女一人のglobe的ユニットね」

真「おい」

亜美「そのうち、まこちんちんとお尻ちんちんがくっつくんだね」

小鳥「ちんちんとちんちんがくっつくと聞いて飛んできました」

真美「そして最後はまこちんちんが詐欺で捕まって終わるのさ」

雪歩「素敵……///」

真「雪歩はそれでいいの?」

雪歩「私の好きな人同士が結ばれるなら、それで満足だよ」

律子「無償の愛ね」

雪歩「忘れてもいい、生きていてくれただけで」

真美「北斗のゆきぴょんだ!」アベシッ

雪歩「そして二人を別つ悲劇的結末……今夜はいい詞が書けそう!ビビビ

真「雪歩がまたよくない電波を受信してる」

亜美「やよいっち、このセリフ読んでみて」

やよい「なになに?『違うよ。全然違うよ。』?」

伊織「頼むからやよいを巻き込まないでちょうだい」

雪歩「チャオ☆」

真「ところでキャラ被りの件だけど」

真美「完全に忘れてた」

伊織「このまま会議が終わったら、あんたら全員はっ倒すところだったわ」

やよい「い、伊織ちゃん怖い……」ガクガク

伊織「やよいには、そんなことするわけないじゃない」ナデナデ

小鳥「い、伊織ちゃん怖い……」ハァハァ

伊織「」バチーン

小鳥「アルフォンスッ!」バターン

雪歩「小鳥さんは会議と関係ないから、はっ倒される心配はなかったはずなのに」

亜美「目先の欲に目が眩んだんだよ」

律子「無様ね」

>>145

小鳥「雪歩ちゃんが北斗くんのケツの穴を掘る光景が目に浮かんだわ」ハァハァ

雪歩「最近効き目が薄くなってきたから、小鳥さんのケツの穴にアツアツのお茶を流し込みましょう」カンチョー

小鳥「ンホォォォォァァァア゙ア゙ア゙!」ゴゴゴゴゴ

亜美「ぴよちゃんが魔闘気に包まれていく」

真「まさか小鳥さんが北斗琉拳の使い手だったとは」

律子「若い子に対する憎しみ(逆恨み)が、彼女を修羅に変えたのよ」

雪歩「小鳥さんを倒して、北斗の悲劇に終止符を打ちます」

真美「いっけ→、ゆきぴょん!」

真「僕は昨日、ダイの大冒険フリークっていうキャラを打ち出したつもりなんだけど、どうかな?」

伊織「分かりづらすぎるわ」

雪歩「フリークっていうほどコアなネタでもなかったしね」

亜美「まこちんは少女漫画が好きなんじゃなかったの?」

真「名作にジャンルは関係ないよ」

真美「ダイ大といえば、ひびきんの飼ってるワニの名前がクロコダインじゃなかったっけ?」

雪歩「本人のあだ名はキルバーンだし、もしかして響ちゃんもダイ大フリークじゃないかな?」

亜美「思わぬところでキャラ被りだね」

真「これはリアルに凹むなぁ」

響「お前達、人のいないところで自分の悪口言って楽しいのか」

真美「あ、ひびきんおはよ→」

律子「あら響、どうしてメガネをかけているの?」

響「り、律子がそれを言うのか……?メガネとおさげで来いって昨日言ってたじゃないか」

亜美「ウ、ウワワワー!」

真「ピ、ピュアすぎる!」

雪歩「あまりのピュアっぷりに、後光が差してますぅ」

真美「まるでいおりんのおデコだね!」

伊織「ドサクサに紛れて人を中傷してんじゃないわよっ!」

律子「響……私嬉しいっ!グスン

亜美「泣いとる」

律子「で、おさげは?」

響「自分、みつあみの仕方がよく分からなかったから、代わりに朝エビフライを食べてきたぞ」

律子「嘘だッ!!!」バンッ

響「ひっ」

真美「りっちゃんが情緒不安定だ」

小鳥「社長という役職の重さに、心が耐えられなくなったのよ」

伊織「社長らしいことを何一つやってないけどね」

律子「というわけで、メガネおさげ対決は4対5でこちらが一歩リードね」

亜美「ぴよちゃんはそちら側なの?」

律子「小鳥さんには社長命令で、これから毎食エビフライを食べてもらうことにするわ」

響「ものすごく太りそうだぞ」

真「小鳥さんは見た目だけが取り柄なんだから、やめてあげなよ」

真美「それにしても、いつの間にか逆転されてるよ」

雪歩「選手がレフェリーを兼任してるようなものだからね」

亜美「日韓ワールドカップもびっくりだYO!」

雪歩「伊織ちゃんはこの状況をどう思う?」

伊織「心底どうでもいいわ」

真「どっちが負けても伊織にデメリットはないからね」

真美「そんなのズルいYO!」

亜美「じゃあ勝負が引き分けだったら、いおりんのデコに『肉』って書くことにしようよ」

やよい「伊織ちゃんは牛丼よりハンバーガーが好きだよ!」

小鳥「じゃあ『米』にしましょう」

真美「さんせ→」

亜美「タカビーなところが初期のテリーマンにそっくりだもんね!」

伊織「やよい、あいつらに変なクスリを飲まされたでしょ」

やよい「違うよ。全然違うよ。」

真「この前やよいにキン肉マンを全巻貸したから、肉知識を披露したかっただけじゃないかな」

やよい「うん……ごめんね、伊織ちゃん」

伊織「べ、別に気にしてなんかいないから、大丈夫よっ」

雪歩「他にはどんな肉知識があるの?」

やよい「えっと、キン肉ハウスって、今の私の家にすっごくそっくりなんですよ!」

伊織「この前もやし祭りやったけど、そんな狭くなかったわよ」

やよい「…………」

亜美「いおりん、やめなよ」

真美「やよいっちのパパの稼ぎで、いつまでもあの大きさの家に住めるワケないじゃん」

伊織「あんた達こそやめなさいよっ!」

響「……」

雪歩「『やよいをフォローしたいけど、下手なこと言うとまた自分が標的にされるから黙っておこう』って顔してる」

律子「藤木くんのように卑怯なヤツね」

真「藤木ルバーン」

響「自分が何をしたっていうんだ?」

小鳥「(響ちゃんをフォローしたいけど、下手なこと言うとまた自分が標的にされるから黙っておこう)」

ガチャ

社長「ただいま」

律子「あ、高木容疑者」

雪歩「おはようございます、高木被告」

真美「なんか疲れた顔してるね、高木受刑者」

社長「それでもボクはやってない」

ガチャ

P「ただいま」

真「元プロデューサーだ」

小鳥「お帰りなさい、元プロデューサーさん」

亜美「お疲れ、元兄ちゃん」

響「いや、兄ちゃんに『元』はいらないだろ」

P「これはどうしたことだ」

伊織「すべて律子の仕業よ」

律子「いくら保釈金を積んだんですか?」

社長「いやいや、廃ビルに勝手に忍び込んで騒いでいただけで逮捕されたら敵わんよ。
   警察から説教を受けてきただけだ」

真「警察も職務怠慢だなぁ」

小鳥「でもそれにしては、戻ってくるのが遅かったですね」

P「その後、警察に勧められて向かいの心療内科で診察を受けてきたんだ」

真「と思ったらちゃんと仕事してた」

真美「予約なしで受診できるよう便宜を図ってくれたんだね」

P「そういえば病院の受付で聞いてきたんだけど」

雪歩「はい」

P「最近765プロが、向かいの心療内科の別館だと思われているらしい」

伊織「さもありなん」

亜美「隔離病棟だね」

真「失礼な話だなぁ」

真美「これは由々しき事態っしょ→」

やよい「早く誤解を解かないと大変です」

雪歩「逆に心療内科を乗っ取って、向こうを765プロ事務所・新館にすべきです!」

響「何が逆になんだ?」

真「ちょうど、広めのダンスレッスンルームが欲しかったところなんだよね」

小鳥「私は同人誌の書庫が欲しいわ」

亜美「ぴよちゃんの同人誌のせいで、今の応接室は物置状態になってるもんね」

小鳥「同人誌に包まれた空間にお客様をお招きすれば、どんな商談も一発OKだと思うの」

伊織「フンッ!」ドゴッ

小鳥「バカイヌッ!」バターン

真美「いおりんのボディブローだ!」

やよい「一発KOです!」

雪歩「というわけで、各々武器を持って明日の午前三時に病院入口に集合です!」

真「よーし頑張るぞー!」

雪歩・真・亜美・真美・小鳥「えい、えい、おー!」



社長「あの内気だった萩原君がリーダーに……ここまで成長してくれて、感無量だよ」ウルウル

伊織「他に何か思うことはないの?」

律子「ていうかプロデューサー、こうなること分かってましたよね?」

P「たまにはいいかなって」

律子「何が?」

P「警察に説教されるのも」

響「警察はアイドルのしつけ係じゃないぞ」

亜美「ほらほら、計画会議はじまるよ!いおりん達も早くきなYO!」

伊織「律子、今から泊まりで地方営業に行きましょう。今だったらどんな仕事もするわ」

律子「じゃあ、あの子達の保護者をお願いするわ」

伊織「勘弁してください」



コンコン

一般人「近所で評判の心療内科ってここですか?」

やよい「違うよ。全然違うよ。」



第九話 終わり

━第十話━

亜美「あずさお姉ちゃ→ん」ダキッ

真美「あずさお姉ちゃん大好き→」ダキッ

あずさ「あらあら、うふふ」



千早「亜美真美ったら甘えちゃって」

春香「二人のあんな笑顔を見るの、久しぶりだよ」

律子「今まで周りに、甘えさせてくれる大人がいなかったからね」

小鳥「私は?」

律子「今まで周りに、甘えさせてくれる大人がいなかったからね」

小鳥「私は?」



亜美「それにしても、あずさお姉ちゃんってよく迷子になるよね」

真美「そこがまた可愛いんだけどね」

あずさ「ふふ、ありがとう」

亜美「迷子の迷子の子猫ちゃんだね☆」

真美「あだ名はあずにゃんで決定だね☆」

あずさ「正座」

亜美・真美「ごめんなさい」

小鳥「何があずささんの逆鱗に触れたのかしら」

あずさ「あの小娘のことを思い出すと虫唾が走るの」

春香「小娘て」

千早「確かに、『アズサ』と聞いたらあずささんではなく、某女子高生を思い浮かべる人も多そうですよね」ニヘラニヘラ

亜美「千早お姉ちゃんが、今まで見せたことのない満面の笑みをみせている」

真美「千早お姉ちゃんにとって、あずささんは悪の手先だからね」

亜美「でも、あの邪悪な笑みは、間違っても正義の味方のそれとは思えないよ」

律子「悪の敵は正義ではなく、また別の悪なのよ」

真美「夢も希望もないね」

>真美「千早お姉ちゃんにとって、あずささんは悪の手先だからね」

亜美「『あずささん』?」

真美「ちょっと背伸びして、大人っぽい呼び方をしてみました」ドヤッ

亜美「ちょっと背伸びパンツだね!」

千早「そのパンツに興味があります」

真美「FF7のティファ(巨乳)が穿いてたパンツだよ」

千早「ギリギリギリギリギリギリ」

春香「あぁ、千早ちゃんがものすごい歯ぎしりをしながらライフストリームの渦に飲み込まれていくっ!」

亜美「今度は巨乳に生まれ変われるといいね」

あずさ「あらあら」

律子「まぁそういうことなら、私も身に覚えがあるわね」

亜美「カチューシャの人だね」

小鳥「『あずりつ』の同人誌を探していたら、765プロ以外にも
   甘露なカップリングがあることを知って驚いたわ」ハァハァ

千早「事務所のメンバーで妄想しないでくださいよ」

真美「千早お姉ちゃんがそれを言っちゃう?」

小鳥「ウチの『あずりつ』は、プロデューサーとアイドルの禁断の恋なのだけど
   桜ヶ丘高校の『あずりつ』は、部活の先輩後輩の禁断の恋なのよ」クチュクチュ

亜美「聞いちゃいねェ」

律子「いずれにせよ、禁断の恋なんですね」

春香「まぁ、女の子同士の恋愛ですもんね」

千早「??」

真美「千早お姉ちゃんが、やよいっちみたいな顔をしてる」

亜美「千早お姉ちゃんらしからぬ、無垢な顔だね」

真美「てゆ→か今さらだけど、やっぱりはるるんはノーマルだったんだね」

亜美「時々はるるんが千早お姉ちゃんに対してよくないハッスルをしていたのは
   洗脳によるものだったんだろうね」

真美「可愛い顔して、とんだ極悪人だぜ」

千早「可愛いだなんて……真美、もう一度お願い///」

真美「都合のいいことしか聞こえてないよ」

亜美「使えないデビルイヤーだね」

真美「まぁ真美は向こうの『あずりつ』のことはよく分からないけどさ。
   少なくともこっちの『あずりつ』のおっぱいは誰にも負けないって思ってるよ」

あずさ「真美ちゃん……嬉しいわ」ウルッ

千早「シャァァァァァァァァ」ビーーーーー

春香「千早ちゃんが超音波を発している」

律子「デビルアローね」

亜美「はるるん、太陽のジェラシーで対抗だYO!」

春香「私の歌は超音波じゃないよ!?」

亜美「??」

真美「亜美がやよいっちみたいな顔をしてる」

亜美「バストサイズ91+85で176万パワー!!」

真美「計算がメンドくさいから大体200万パワー!!」

亜美「いつもの2倍のジャンプが加わり、200万×2の400万パワー!!」

真美「そして、いつもの3倍の回転を加えれば、400万×3の」

亜美・真美「バッファローマン!お前をうわまわる1200万パワーだーっ!!」

ドゴーン

千早「ウボァー」

春香「勝っちゃったよ」

小鳥「キン肉マンの出番がなくなっちゃうわね」

律子「個人的には、『計算がメンドくさいから』のくだりが気に入らないわ」

春香「でも、最近は小中学校の算数・数学で電卓を使ってもいいみたいですし」

小鳥「ゆとり教育ここに極まれり、ね」

春香「あんまりゆとりゆとり言い過ぎると、オバサン臭いですよ」

小鳥「この特製アナルパールで春香ちゃんのケツの穴にゆとりを創出してあげるわ」

春香「ごめんなさい」

亜美「よーし、真美!この調子でどんどんいくよ!」

真美「よしきた!」

亜美・真美「年齢21+19で……」

あずさ「あらあら☆」ドスッ

亜美「チアキングッ!」ゲフッ

律子「源三!」メコッ

真美「ワカバヤシッ!」グハッ

春香「みぞおちに深く突き刺さりましたね」

小鳥「どうしてウチの子達は、ためらいなく人を殴れるのかしら?」

千早「きっと人として大事な何かが欠如しているのよ」

春香「千早ちゃんは胸が欠如してるけどね」

千早「春香は個性が欠如してるけどね」

春香「ふふふ」

千早「ふふふ」

春香「ふふふふふふふ」

千早「ふふふふふふふ」

春香・千早「何が可笑しい!!」

小鳥「なんて濃厚なはるちは……」ハァハァ

あずさ「どうして殴られたか分かるかしら?」

亜美「皆目見当がつかないよ」

律子「年齢は増えればいいというものではないわ。
   むやみに2倍3倍されたら、たまったもんじゃない」

真美「今までの真美のじょ→しきの中にはなかった考えだね」

千早「まだ中一だものね」

小鳥「亜美ちゃん真美ちゃん、年齢が低ければ低いほど興奮するのは常識よ」

春香「どこの病院の常識ですか?」

亜美「その理論でいくと、765プロ最強のアイドルは亜美になるね!」ドヤッ

あずさ「……」イラッ

律子「いえ、ハム蔵よ」

真美「面妖な」

律子「実は今度、ハム蔵がハリウッド映画の主演をやることになったのよ」

春香「私たちなんて、邦画の主演すら演じたことないのに……」

千早「それで、どんな映画なの?」

あずさ「『ベイブ』みたいな感動大作かしら?」

律子「『とっとこハム太郎‐EVOLUTION‐』よ」

亜美「地雷臭ハンパないよ」

真美「なんでわざわざ、実写版ドラゴンボールを彷彿とさせるタイトルなのさ」

小鳥「実写版ドラゴンボールは見てないけど、亀仙人がただのアロハシャツ着たオッサンだったり
   色々と散々だったみたいね」

律子「ハム蔵の相手役のリボンちゃんも、アロハシャツ着たオッサンが演じる予定よ」

亜美「ハム蔵の胃が今から心配だよ」

律子「というわけで、あんた達もハム蔵に負けないように頑張りなさい」

真美「ぞんざいなまとめ方だね」

亜美「正直、今の話を聞いてもやる気にはなれないなぁ」

律子「アナルパールでケツの穴を拡張すれば、やる気が出るかしら」ウィンウィンウィン

真美「別のモノが出ちゃうかもね」

千早「どうして小鳥さんは事務所にあんな物を持ってきてるんですか?」

小鳥「いつか使う日のために、ほぐしているからよ」

春香「前の穴も未使用のくせに何言ってるんですか?」

小鳥「言うじゃない春香ちゃん。そういうあなたは使うアテがあるのかしら?」

春香「ないですけど、小鳥さんの歳までには相手を捕まえますよっ」フフン

千早「……///」ニヤァ

亜美「千早お姉ちゃんが範馬勇次郎みたいな笑みではるるんを見ている」

真美「捕まえてほしいんだね」

亜美「どう見ても捕まえる側の顔だけどね」

春香「??」

真美「はるるんが、やよいっちみたいな顔をしてる」

亜美「捕まえられる側の顔だね」



第十話 終わり

━第十一話━

美希「デーコちゃん♪」

伊織「毎日毎日デコデコってうるさいわよっ!もう許さないわ!食らいなさい、太陽拳!」ピカー

美希「うぎゃぁぁぁぁ溶けるなのぉぉぉォォォォォ!!」ドロドロ


――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――――


千早「という夢を見たわ」

伊織「今ドラマの台本を暗記しているから、余計な話を聞くヒマは一切ないのだけど」

千早「ええ、わかってるわ。だから無駄な前置きをせずに、いきなり本題を話し始めたでしょう?」

伊織「この人日本語通じない」

伊織「それで?」

千早「私、アイドルの仕事はみんなの夢を叶えることだと思うの」

伊織「私の夢は、平穏無事な生活を過ごすことなんだけど」

千早「ふふっ、アイドルに平穏無事なんて言葉は似合わないわ」

伊織「その平穏をブチ壊してるやつに言われたくないわよ」

千早「単刀直入に言うわ。あのにっくき金髪毛虫を、あなたの太陽拳で始末してほしいの」

伊織「太陽拳って、単なる目眩ましじゃなかったかしら?」

千早「奴らは闇の眷属だから、聖なる光を浴びると溶けてしまうのよ」

伊織「千早は?」

千早「私は765プロのニセあずにゃんを始末してくるわ」

伊織「アンタが太陽拳を浴びて溶けるかどうかを聞いてるのよ」

千早「もし溶けるならどうするの?」

伊織「太陽拳を練習してやってもいいわ」

千早「ふふっ、ツンデレさんなんだから、このこのっ」ツンツン

伊織「惨殺するわよっ!?」

ガチャ

美希「ただいまなのー」

伊織「あら、お帰り美希」

千早「お帰りなさい、クソビッチ」

伊織「金髪毛虫じゃなかったの?」

美希「あー、デコちゃんヒドいの!けっこう気にしてるのに!」

伊織「クソビッチはいいの?」

美希「びっちってなーに?」ポワーン

千早「15歳の女の子のことよ」

美希「あはっ、そうなんだ!じゃあデコちゃんはデコビッチだね!」

伊織「千早、アンタ私に頼みごとがあるんじゃなかったの?」

千早「てへっ」

美希「千早さんは去年15歳だったから、さしずめ中古ビッチってとこかな?」

千早「」プシュー

美希「あぁ、ミキの髪がスプレーで真っ黒に!」

千早「これから美希のことを我那覇響と呼んであげるわ」

伊織「髪の長さと色だけじゃない」

美希「ヒドいの!ビッチボッチステーションになっちゃうの!」

伊織「何言ってんだコイツ」

千早「さぁ水瀬さん、やっておしまいなさい」

伊織「この流れでアンタのいうことを聞くとでも思ってんの?」

美希「ねぇねぇ、何やるの?」

伊織「とりあえずアンタはシャワー浴びてきなさいよ」

美希「……えっち///」

伊織「」プシュー

美希「あぁ、ミキの髪がスプレーで真っ白に!」

伊織「これから美希のことを四条貴音と呼んであげるわ」

千早「一人プロジェクト・フェアリーね」

美希「ヒドいの!ビッチ姫になっちゃうの!」

雪歩「四条さんがビッチになったと聞いて飛んできました」

伊織「雪歩がよくない電波に引き寄せられてきた」

伊織「ところで美希はどこに行ってきたの?」

美希「先生のところだよ」

雪歩「先生って、近所のお堀にいるカモのことだっけ?」

美希「そうだよ。最近は大人の色気が増してきて、すっごく素敵なの!早く抱かれたいの」

伊織「なんか妙な流れになってきたわ」

美希「ミキの夢は先生と結婚して、一日中寝て過ごすことなの」

雪歩「この子カモに養ってもらうつもりでいる」

伊織「おにぎりの食べ過ぎで脳がトリップしてるんだわ」

千早「この前、オウ助とカモ先生がまぐわっているのを見たわ」ニヤニヤ

美希「ウ……ウソなの……」ガクガク

伊織「千早が精神攻撃をしかけてきた」

雪歩「こうかはばつぐんだ!」

伊織「あんたプロデューサーのことはどうしたの?」

美希「他のアイドルにセクハラ三昧のハニーなんて、アッシーに格下げなの」

伊織「アッシーて」

千早「小鳥さんの仕業ね」

雪歩「ヒマさえあれば、バブル時代の武勇伝(八割増)をアイドルに吹聴してるものね」

伊織「ロクなことしないわね」

美希「それに比べて先生は、いつもミキのことを見てくれているの」

伊織「アンタの持ってるエサを見てるんじゃない?」

雪歩「エサって何をあげてるの?」

美希「フライドポテトだよ。最近先生の血色が悪いから、ケチャップたっぷりつけてあげてるの」

伊織「ケチャップの成分は血液じゃないわよ」

雪歩「おにぎりをケツから摂取し過ぎて、脳がトリップしてるんだ」

千早「この前、オウ助とカモ先生と小鳥さんが3Pしているのを見たわ」ニヤニヤ

美希「い、いやぁぁぁぁぁ!!」ガクガク

伊織「露骨な精神攻撃……」

雪歩「いやらしい……」

小鳥「その話に興味があります」

千早「おやおや、妙な生き物を召喚してしまったわ」

雪歩「いっそ、この生き物をいけにえにして上級モンスターを召喚しようよ」

伊織「何が『いっそ』なのよ」

雪歩「ダメかな?」

小鳥「いけにえ……凌辱……触手レイプ……」ハァハァ

千早「私は異論はないわ」

美希「ミキ、ハニーを召喚してほしいの!」

伊織「プロデューサーはモンスターなの?」

千早「上級ではないでしょうね」

雪歩「いけにえがもったいないけど、美希ちゃんがいいならそれでいいよ」

美希「優しくてカッコよくて、いつもミキだけを見てくれるカッコいいハニーがいいの!」

伊織「カッコいいを二回言ったわ」

千早「クソビッチ」

神龍「ダメだ。その願いは私の力を超えている」

美希「何……だと……?」

雪歩「プロデューサーの色欲は神龍の力をも凌駕するんだね」

美希「この世には夢も希望もないの……」ガックシ

千早「当初の予定と違うけど、美希の精神をズタズタにすることができて満足よ」ニコッ

雪歩「千早ちゃんが、春風のように爽やかな笑顔をしている」

伊織「ここまでセリフと表情が噛み合わないのは初めてだわ」

美希「こうなったら、千早さんに幸せにしてもらうしかないの」

千早「おやおや、これはどうしたことだろう」

美希「ミキを見て千早さんが満足したということは、ミキが千早さんを幸せにしたも同然なの。
   だったら今度は千早さんがミキを幸せにすべきだと思うの」

雪歩「どうして、そう思ってしまったのかな?ちょっとびっくりしました(笑)。」

伊織「おにぎりのせいね」

小鳥「最近のおにぎりには麻薬でも入ってるの?」

伊織「いちごババロアおにぎりとか、いかにも脱法ハーブが入ってそうじゃない」

小鳥「確かに」

千早「ふふっ、仕方ないわね。おいで、美希」

美希「わーい、千早さん大好きー」トテトテ

小鳥「●REC」

雪歩「あれ、千早ちゃんいいのかな?」

伊織「なんだかんだ言って、千早は美希のことを気にかけているのよ」

千早「これから家に持ち帰って……ベッドに押し倒して……それからそれから……」ハァハァ

美希「バカめ、油断したなっ!デコちゃん、技を借りるの!太陽拳!」ピカー

千早「うぎゃぁぁぁぁァァァァァ!!」ドロドロ

雪歩「一度見ただけで技を覚えるとは……やはり天才か」

伊織「私は技を見せた覚えはないわ」

小鳥「」ドロドロ

伊織「小鳥も溶けてる」

美希「闇の眷属は滅びたの!」

雪歩「これで世界は平和になったのね」



第十一話 終わり

課題等の都合で、次の話は明日午後以降になります。もっと早めに言えばよかったです、すみません。

時間ができたので、いけるところまでいきます

━第十二話━

━961プロ━

ガチャ

冬馬「ただいま」

翔太「冬馬くんお疲れー」

北斗「チャオ☆」

黒井「遅いぞ冬馬」

冬馬「レコーディングが長引いたんだよ。で、話ってなんだ?」

黒井「来週の『芸能人事務所対抗運動会』なんだが、急遽お前達に出場してもらうことになった」

北斗「別にいいけど、どうして急に?」

黒井「765プロが出場を表明した途端、他の事務所が一斉に出場を辞退したらしい」

冬馬「どういうことなの」

黒井「このままじゃ開催できないってことになってな、ウチに出場依頼がきたワケだ」

翔太「765プロの参加を拒否すればよかったのに」

黒井「運営曰く『そういうイジメみたいな真似はしたくない』だそうだ」

北斗「結局イジメみたいな状況になってるけどな」

翔太「よくあるパターンだね」

冬馬「…………」

翔太「古傷をえぐっちゃったみたいだね」

北斗「かくれんぼの鬼になって10数えたら、他のみんなはドッジボールをやっていました」

冬馬「やめろ!」

翔太「で、今から作戦会議ってわけ?」

黒井「話が早くて助かるな。奴らの公開練習を撮影したから、種目ごとに見ていこう」

北斗「最初は100m走だね」

黒井「出場者は我那覇響だ」

翔太「響さんって、765プロのキルバーンみたいな子でしょ?」

冬馬「キルバーンみたいなアイドルってなんだよ」

黒井「我那覇響本人の身体能力も要注意だが、真に警戒すべきは外野による妨害だ」

北斗「妨害?」

黒井「ゴール付近でワニ子が口を開けて待っている」

翔太「ワニワニパニックだね」

冬馬「運営は止めないのか?」

黒井「運営曰く『動物は視聴率が取れる』だそうだ」

翔太「出場者の首も取れるかもね」

黒井「とりあえず対策は『北斗がいぬ美のマネをしてワニ子の動揺を誘う』でいこう」

北斗「ヘッヘッヘッ」ペロペロ

冬馬「やめろ、犬のマネをしながら顔を舐めるのをやめろ」

北斗「次は400m走だね」

黒井「出場者は秋月律子だ」

翔太「律子さんって、765プロのフレイザードみたいな人でしょ?」

冬馬「765プロって魔王軍か何かなのか?」

黒井「765プロのある雑居ビルは、近所からはバーンパレスと呼ばれているらしいぞ」

冬馬「向かいの心療内科がかわいそうだ」

翔太「むしろそのおかげで、中二病患者に大人気らしいよ」

北斗「治療が長引きそうだね」

黒井「秋月律子の身体能力は並だが、ためらいなく顔面を狙ってくることが特長だ」

翔太「これって徒競走だよね?」

冬馬「運営は止めないのか?」

黒井「運営曰く『女性と男の身体差を考えればこれくらいのハンデは当然』だそうだ」

北斗「運営の中に田嶋陽子がいるぞ」

翔太「ああいう人が小学校の担任だと大変だよね」

冬馬「…………」

北斗「『天ヶ瀬さん、○○さんに謝りなさい』」

冬馬「う、うわぁぁぁぁ!」

翔太「また古傷をえぐっちゃったね」

北斗「よっぽど理不尽なことを言われたんだろうなぁ」

黒井「やめなよ」

黒井「とりあえず対策は『北斗がいぬ美のマネをして秋月律子の動揺を誘う』でいこう」

翔太「それしかないんだね」

北斗「ヘッヘッヘッ」カクカク

冬馬「やめろ、犬のマネをしながら俺の上で腰を振るのをやめろ」

翔太「マウンティングだね」

北斗「ふぅ……次は1500m走だね」

黒井「出場者は萩原雪歩だ」

翔太「雪歩さんって、765プロのフレイザードみたいな子でしょ?」

冬馬「765プロには何人フレイザードがいるんだ?」

翔太「765プロのアイドルの三分の一はフレイザードで、もう三分の一はザボエラだよ」

北斗「その魔王軍じゃ、勇者一行に勝てそうにないなぁ」

黒井「萩原雪歩の身体能力は並だが、スコップでケツの穴を狙ってくることが特長だ」

翔太「765プロは運動会をプロレスか何かと勘違いしているの?」

黒井「それと、四条貴音が援護攻撃でラーメンを投げつけてくる」

冬馬「運営は止めないのか?」

黒井「運営曰く『ラーメンは視聴率が伸びる』だそうだ」

翔太「うまいこと言ったつもりなのかなぁ」

北斗「死ねばいいのに」

黒井「とりあえず対策は『北斗がいぬ美のマネをして落ちたラーメンを片付ける』でいこう」

翔太「BPO対策だね」

黒井「『※ラーメンはいぬ美がおいしくいただきました』」

北斗「ばうばう」ベロベロ

冬馬「やめろ、犬のマネをしながら床に落ちたラーメンを食べるのをやめろ」

翔太「北斗くんは練習熱心だね」

北斗「へへっ」

北斗「次は何かな」

黒井「競技は以上だ」

翔太「10分で終わるね」

冬馬「で、これに出場してウチに何かメリットはあるのか?」

黒井「ないな」

北斗「どういうつもりだコイツ」

冬馬「壮大な時間の無駄遣いだった」

翔太「クロちゃんのケツの穴に爆竹をつめようよ」

冬馬「う、うわぁぁぁぁァァァァァ!!」ガクガク

北斗「また古傷をえぐってしまった」

翔太「かわいそうな冬馬くん」



第十二話 終わり

━第十三話━

やよい「あの、千早さん」

千早「どうしたの高槻さん?」

やよい「えっと、言いにくいんですけど……」モジモジ

千早「大丈夫、勇気を出して!早速明日から婚前旅行に行きましょう」

真美「千早お姉ちゃんがものすごい勢いで先走ってる」

やよい「いい加減パンツ返してくれませんか?」

亜美「壮絶な勘違いだった」

真「予想通りだね」

真美「やよいっちのパンツ事件(第三話)は解決したんじゃなかったの?」

やよい「うん。あれ以来、毎朝私がパンツを渡すことで、千早さんが私の家に忍び込むことはなくなったよ」

千早「何の問題もないわね」

真「脳に問題があるよ」

やよい「渡したパンツは翌日返してもらうんだけど、この一週間まだ一枚も返してもらってないの」

亜美「訴えたら勝てるよ、やよいっち」

やよい「今穿いているのを含めて、パンツがあと三枚しかなくて……」

千早「ごめんなさい。こういうときどんな顔をすればいいかわからないの」

真美「ぴよちゃんみたいにだらしないニヤけ顔だ」

亜美「『あと三日で高槻さんのノーパン姿が拝めるわ』って顔をしてる」

真「ウソでもいいから、申し訳なさそうな顔をしとけばいいのに」

真美「死ねばいいと思うよ」

真「さっさと返しなよ、どろぼー」

亜美「そうだよ、どろぼーお姉ちゃん」

千早「私の名前がどろぼーになっている」

やよい「『ゼルダの伝説 夢をみる島』だね」

千早「悪夢だわ」

真美「それはこっちのセリフだよ」

亜美「それにしても、やよいっち詳しいね」

やよい「プロデューサーにもらったんだよ、はいこれ」

真「初代ゲームボーイだ」

真美「兄ちゃんは善意でプレゼントしたんだろうけど、DSやPSPを持ってないで
   初代GBだけ持ってると、逆にイジメの対象になりかねないよ」

亜美「みんながすれちがい通信を楽しむなか、一人寂しくゼルダをやるんだね」

やよい「…………」

千早「よしよし」ダキッ

やよい「えへへ。千早さんのお胸、ゲームボーイと同じ手触りかもっ」

千早「フォォォォハァァァァア゙ア゙ア゙!!」ブルブル

真「やよいからの衝撃の一言で、更なる進化を遂げようとしている」

真美「とどまるところを知らないね」

亜美「で、パンツはどこにあるの?」

千早「おいしくいただきました」

真「やよい、このハサミで千早の腹を切り裂くんだ」

やよい「うっうー!」シャキンシャキンシャキン

真美「パンツを救出して、代わりに石を詰めるんだね」

亜美「本当は怖いグリム童話だね」

千早「冗談よ」

真「別にどっちでもいいよ、腹を切り裂ければそれで」

真美「まこちんの目が濁ってる」

亜美「あの目で幾千の女どもを孕ませてきたんだね」

真「どうやら命が惜しくないようだな」ギロッ

亜美「あぁっ、孕んじゃう!陣痛イイ!!」

真美「最近亜美は落ち着いてきたと思ったんだけどなぁ」

真美「ちょっと収拾がつかなくなってきたから、いったん落ち着こう」

千早「深呼吸しましょう」

真美「すー」

やよい「はー」 → 千早「クンクン」

亜美「ひっ」

千早「ひっ」

真「ふー」

亜美「う、産まれるッッ!!」

千早「今日は亜美がおかしくなる番なのね」

真「明日は真美の番だね」

真美「そんな狂ったゲームに参加した覚えはないよ」

千早「3の倍数と3がつくレスの時だけアホになります」

真美「千早お姉ちゃんは1の倍数の時だけ狂人になります」

真美「で、ホントのところはど→なの?」

千早「心配しなくても家に置いてあるわ」

亜美「なんですぐ返さないの?」

千早「実は最近、春香に料理を教わってね」

真美「うん」

千早「先週から、お味噌汁を作るのに凝っているの」

真「おっと、オチが読めてきたぞ」

亜美「もうこのへんで解散にしときますか→」

千早「高槻さんのパンツでダシをとったお味噌汁を、早起きできたごほうびに毎朝飲んでいるの」

真美「最悪のおはよう朝ご飯だ」

やよい「」

亜美「やよいっちが息をしていない」

真「お昼までもたないね」

真「今から救急車を呼んでたら間に合わないね」

真美「真美達で蘇生するっきゃないっしょ→」

亜美「医者の卵の実力をみせてやろ→じゃん!」

真「医者の子供のことをそう呼ぶのは初めて聞いたよ」

真美「ここは、命の源・まこちんミルクをやよいっちにシュート・インするっきゃないね」

亜美「ミルクは☆タンパク質」

真「やよいより先にお前らの息の根を止めてやる」

真美「真美達の発言に他意はないよ」

亜美「怒るということは、自分でも思うところがあるんじゃないかな?」

真「ごまかされるもんか!」マコリーン

千早「やめなさい!高槻さんの躰は、誰にも汚させはしないわ!」

真美「なにいってんの?」

千早「ここだけ見れば、私が超絶カッコよくみえるじゃない?」

真「確かに」

亜美「文脈って大事だね」

やよい「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也」

真美「あ、やよいっち」

亜美「やよいっちが俳句を詠みはじめた」

千早「確かに松尾芭蕉は俳聖だけど、奥の細道は俳句じゃないわ」

真「よくある勘違いだね」

やよい「古池や 蛙飛びこむ 水の音」ドポーン

真美「やよいっちが池に飛び込んだ」

真「やよいの身体に、べろちょろの魂が憑依したんだ」

亜美「憑依合体だね!」

千早「ずるいわ!私も高槻さんと合体する!」ドポーン

真美「千早お姉ちゃんも池に飛び込んだ」

亜美「こうして二人は池の底でいつまでも幸せに暮らしましたとさ」

真「それでは聴いてください。如月千早で、『約束』」



歩こう~♪ 戻れぬ道~♪



第十三話 終わり

━第十四話━

捨て犬「クーンクーン」

亜美「あっ、段ボールの中に犬がいる」

真美「カワイ→ね→」

雪歩「こ、こわいよぉ」

亜美「まだ子犬だし大丈夫だよ→」

雪歩「で、でも急に吠えるかもしれないし……」

真美「じゃあ今からこの犬のことを『ひびきん』って呼ぼうよ」

雪歩「それなら安心だね♪」

響「やめろよそんな遊び」

雪歩「あっ、捨て犬ちゃん」

亜美「捨て犬ん、おっつ→」

響「自分の呼び名まで変える必要はないと思うぞ」

真美「でもそうすると『ひびきん』が二匹になって、真美たち混乱しちゃうYO!」

響「私はこの状況に混乱しています」

亜美「捨て犬んの口調がおかしくなってる」

雪歩「本当に混乱してるんだ」

響「ていうか『捨て犬ん』ってなんだ?」

真美「『捨て犬』って呼ぶと、呼び捨てしてるみたいで悪いかなって」

亜美「亜美達も中学生になって、目上の人に対するレ→ギってやつを意識するようになったのさ!」

雪歩「偉いね二人とも」

響「伝わらないなぁ」

雪歩「でもあの犬をひびきんって呼ぶことで、かなり恐怖が和らいだよ」

響「そ、そうか?ならいいけど。」

雪歩「捨て犬ちゃんもこっちおいでよ。このひびきん、可愛いよ」

響「そうだな。どれどれ……」テクテク

雪歩「キャァァァァァ!!」バシャッ

響「あっちィィィィィ!!」ゴロゴロ

雪歩「ご、ごめんなさい……捨て犬ちゃんを捨て犬ちゃんって呼んでると
   なんだか捨て犬ちゃんが本当の捨て犬に見えてきて……」

亜美「クソわかりづらいセリフだね」

真美「混乱してきたよ」

亜美「それにしてもゆきぴょん、捨て犬んが本物の捨て犬に見えるなんて、感受性が高いね」

真美「さすが765プロ一のデスポエマーだよ」

雪歩「そうかな……えへへ///」

捨て犬「765プロには他にもデスポエマーがいるの?」

亜美「まこちんが時折、珍妙な毒電波を発信するね」

真美「まったく、夫婦そろってアマアマなんだから」

雪歩「夫婦だなんて……そんな恥ずかしい///」キャッ

捨て犬「ふふ、アツアツ過ぎて見ちゃいられないね」

響「そろそろこっちを見てほしいぞ」

響「どうして自分はお茶をかけられたんだ?」

亜美「さっき言ってたじゃん」

雪歩「ひびきんは本当は捨て犬だけどひびきんと呼ぶことで響ちゃんに見えてきて怖くなくなったけど
   捨て犬ちゃんは本当は捨て犬じゃないけれど捨て犬ちゃんと呼ぶことで本当の捨て犬に見えてきて怖い」

響「もう一回頼む」

雪歩「ひびきんの本当を捨て犬だからひびきんも呼ぶことの響ちゃんと見えてきて怖くなくなったから
   捨て犬ちゃんで本当と捨て犬じゃないだから捨て犬ちゃんが呼ぶことの本当は捨て犬で見えてきて怖い」

真美「ひびきん?捨て犬ん?ん?犬?いぬいぬ?イヌヌヌヌヌnnnnnn」ヴーヴーヴー

亜美「ああっ、真美が混乱している」

雪歩「今日は真美ちゃんがおかしくなる番なんだね」

捨て犬「やれやれだぜ」

雪歩「ところで、このひびきんどうしようか?」

亜美「事務所で飼えないかな?」

響「律子に相談してみるかー」



━765プロ━

律子「ダメよ」

亜美「え→なんで→」

律子「生き物を飼うということは、そんな簡単なことじゃないの。
   大体、事務所で飼ったら毎日面倒みれないでしょう?」

響「ですよねー」

亜美「でもそれじゃ、捨て犬んがかわいそうだよ!いつも一人ぼっちなんだよ?」

律子「仕方ないじゃない」

亜美「事務所に来れないときは、自分でご飯食べてもらうようにするから!」

律子「そんなこといって、捨て犬はよく他の動物のエサを食べているそうじゃない。
   周りに迷惑をかけるようなやつは、この事務所では預かれないわ」

響「なぁ雪歩」

雪歩「なぁに?」

響「律子は、さっきまでの自分たちのやり取りを知らないはずだよな」

雪歩「どうだろうね」

響「律子と亜美が言っている『捨て犬』ってのは、本物の捨て犬のことでいいんだよな?」

雪歩「お前がそう思うんならそうなんだろう、お前ん中ではな」

亜美「じゃあ亜美はここで、数学的な解決方法を提案するよ!」

雪歩「数学的?」

亜美「最近学校で習った、ホ→ケ→シキってやつを使うのさ」

響「なぜかタートルネックのビジョンが脳裏をよぎったぞ」

律子「面白そうじゃない、聞いてあげるわ」

亜美「まず、1日の食費をX円、一ヶ月の間に事務所に来る日数をY日として……」

律子「ふんふん」

亜美「対象の体重がZで、Z=41kgを代入し……」

律子「なるほど」

亜美「最後に、段ボールの中に捨て犬んを代入し、捨て犬んのケツの穴にニンジンを代入するのさ」

律子「やるじゃない。見直したわ」

響「なんだかチンプンカンプンだぞ」

律子「つまり、響と捨て犬を置換したのよ」

響「もっと分かりやすく頼む」

亜美「今日から、あの段ボールがキミの家だ」

響「な、なんだと」

律子「餞別はくれてやるわ」ズポッ

響「あひぃぃぃぃィィィィン!!」



真美「ヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ」ヴーヴーヴー



第十四話 終わり

高木社長の誕生日のお話を書きます

━第十五話━

亜美「しゃちょ→、誕生日おめでと→」

真美「誕生日だからなんか買ってよ→」

亜美「亜美、シャネルの財布がいいな→」

真美「真美はヴィトンのバッグ→」

社長「あれれー、おかしいぞー」



あずさ「あらあら、まるでキャバクラみたい」

春香「キャバクラって誕生日でもタカられるんですか?」

あずさ「行ったことはないけれど、そんなイメージね」

律子「奴らキャバ嬢は、話の整合性よりもテンポを重視するからね」

あずさ「私たちと一緒ね」

律子「つまり、765プロはキャバ嬢集団だったのよ」

春香「驚愕の新事実ですね」

貴音「面妖な」

雪歩「すみません、冒頭に『━7月6日・765プロ━』が抜けていました」

真「まったく、雪歩はおっちょこちょいだなぁ」

雪歩「昨日の真ちゃんが、すべてを忘れさせるほど激しかったから……///」

真「あはは」

雪歩「うふふ」

真「あはははははは」

雪歩「うふふふふふふ」



亜美「ああっ、二人の周りにおびただしい量の蝶の死骸が!」

真美「毒電波のせいだね」

亜美「ちなみに、まこちんとゆきぴょんは今日、765プロにはいません」

真美「その方が幸せだろうね」

律子「誕生日といえば、先月の23日が私の誕生日でした」

社長「おお、そうだったね。ちょうどいい、亜美くん真美くん、律子くんに何か買ってもらいなさい」

亜美「は?」

真美「何言ってんの?」

亜美「誕生日の人にはプレゼントを買ってもらうんじゃなくて、買ってあげるんだよ」

真美「社長、ボケちゃったの?」

社長「あれれー、おかしいぞー」

P「社長、その流れからのそのセリフは、本当にボケて幼児退行したように見えますよ」

社長「今度、ヨハネスブルグに765プロ支部を作ろうと思うんだがね」

P「ごめんなさい」

P「それにしても、もう夏真っ盛りだな」

春香「随分強引な話題転換ですね」

P「社長の誕生日トークじゃ、これ以上話が広がらないからな」

社長「ひどいっ」

小鳥「はいはいおじいちゃん、もう部屋に戻りましょうね」

社長「ぴよさんや、お昼ご飯はまだかのう?」

小鳥「いやですねぇ、一昨日食べたじゃありませんか」

律子「幸せそうな老夫婦ですね」

小鳥「嫁と舅のつもりだったのだけど」

社長「同じく」

P「いやいや、金婚式を過ぎた夫婦のイメージが鮮明に浮かびましたよ」

亜美「もういくつ寝ると~♪」

真美「お葬式~♪」

社長「キミ達」

ガチャ

伊織「おはよー……なによここ、あっついわねー……」

亜美「あっ、いおりんだ!」ダキッ

真美「いおり→ん!」ダキッ

伊織「暑苦しいっ!」

亜美「亜美、シャネルの財布がいいな→」

真美「真美はヴィトンのバッグ→」

伊織「会って早々モノをねだるなんて、いい根性してるじゃない」

春香「でも今日の伊織からは、何かいいものをくれそうな雰囲気がする」

あずさ「その手さげ袋には、何が入っているのかしら」

伊織「めざといわね、アンタ達。パパがお中元でもらってきたのよ。
   余らせちゃうから、事務所に持っていきなさいって」

亜美「ヒャッハ→!水ようかんだ→!」

美希「デコちゃんは神様なの!デコ神様なの!」

真美「おデコから慈愛に満ちた光が差し込んでくるぜぇ→!」

伊織「アンタ達には感謝の気持ちってもんがないのかしら?」

P「暑いのに元気だなぁ」

小鳥「まぁ、嬉しいのはわかりますけどね。ぬるくならないうちにいただいちゃいましょう」

美希「ところでデコちゃん」

伊織「なによ」

美希「おにぎり味の水ようかんがないよ」

伊織「ないわよそんなもの」

美希「使えないデコなの」ペッ

亜美「脳の栄養が全部デコにいっちゃったんだよ」

伊織「アンタ達ィィィィィ!!」

春香「栄養があると、デコってハゲ広がるんですか?」

P「水をやり過ぎて根腐れするようなものかな」

貴音「過ぎたるは及ばざるがごとし、ということですね」

伊織「アンタ達、全部聞こえてるんだからね」

小鳥「まぁまぁ伊織ちゃん落ち着いて。さぁさ、みんなで食べましょう」

亜美・真美・美希「はーい」

伊織「まったく……」

P「ありがとな、伊織」

伊織「べ、別にアンタのために持ってきたワケじゃないんだからっ!///」

律子「部屋の気温が上がっていく」

小鳥「これは流石に勘弁してほしいわね」

伊織「うるさいうるさいうるさいっ!」



貴音「ところで」

あずさ「どうしたの、貴音ちゃん」

貴音「先日社長室でワニ子の口からブチまけられたブツと、この水ようかんの色はよく似てますね」

春香「」

伊織「何言ってんだコイツ」

美希「しょ、食欲が……」

亜美「この場にある水ようかんをすべて自分のモノにするつもりなんだ」

真美「恐ろしいまでの独占欲だね」

貴音「ふふ、女は嫉妬深い生き物なのです」

伊織「何言ってんだコイツ」

亜美「こうなったら、一番強烈なウンコ話をした人が全部の水ようかんをもらえることにしようよ!」

真美「絶対負けないかんねっ!」

貴音「ふふ、受けて立ちましょう」

伊織「何がコイツらをここまで駆り立てるというの」

美希「デコちゃん、大発見なの。おにぎりに水ようかんを混ぜると、おはぎになったの」

伊織「アンタ、この水ようかんが一ついくらだと思ってるの?」

美希「0円だよ?」

伊織「タダより高いものはないということを教えてあげるわ」



ワーワーギャーギャー

律子「ホントこの暑い中、よくあんなに騒げるわね」

あずさ「でも、楽しくていいわねぇ」

コンコン

小鳥「社長、水ようかんをお持ちしました」

社長「」

小鳥「社長?」

社長「」

小鳥「し、死んでる」

亜美「もういくつ寝ると~♪」

真美「お葬式~♪」



警察1「これは単なる事故です」

警察2「事件解決ですね」

???「あれれー、おかしいぞー」

P「誰だお前は」







社長「死んでないよっ」



第十五話 終わり

━第十六話━

伊織「ねぇ、プロデューサー」

P「どうした伊織」

伊織「最近やよいの姿が見えないんだけど」

亜美「あれ、いおりん知らないの?」

真美「やよいっちは今頃、千早お姉ちゃんと仲良く池の底に沈んでるよ」

伊織「なんですって?」



小鳥「真美ちゃんの言い方だと、まるで真美ちゃんが二人を沈めたみたいでドキドキするわ」ハァハァ

律子「胸のドキドキは、アンチエイジングに効果的らしいですよ」

あずさ「まぁ本当?じゃあ小鳥さん、さっそく池の底に沈んできてくれませんか?」

小鳥「お前がいけよニセあずにゃん(笑)」

あずさ「あらあら、キレイなうちに死にたいみたいですね」

小鳥「キレイだなんてそんな……///あずささんも、かわいいですよ」

あずさ「あらあら///」

亜美「仲間うちでお互い『キレイだね』『かわいいね』って言い出したら終わりだね」

真美「独身アラフォーコースまっしぐらだね」

あずさ「池の底と言わず、二人をトルコ風呂に沈めてあげる計画を思いついたわ」

P「それは楽しみですね」

伊織「そろそろ話を戻していいかしら」

伊織「やよいが池に飛び込んだのって、先週の話でしょ?」

亜美「そうだよ」

伊織「じゃあ今も池の底に沈んでいるっていうのはおかしいわ」

真美「いや、そのりくつはおかしい」

伊織「今までアイドルが何度ドロドロに溶けても、翌日には元に戻っていたじゃない」

亜美「ドロドロに溶けても、性のリビドーがあれば元に戻れることは実証済みだよ」

真美「いおりんも以前、目の当りにしてるじゃん(第7話)」

伊織「それはそうだけど……」

亜美「いおりん。辛いのはわかるけど、現実を受け止めなきゃ」

真美「死んだ人は生き返らないんだよ」

伊織「やよい……」グスン





やよい「……イオリチャーン……サビシイヨォ……」ヒュードロドロドロ

伊織「キャァァァァァ!?」ビクッ

やよい「ドッキリ大成功!」ピョンピョン

千早「よかったわね、高槻さん」

伊織「や、やよい!?」

P「驚かしてすまなかったな。二人はPVの撮影で一週間ほど海外に行ってたんだ」

やよい「ごめんね、伊織ちゃん……寂しかった?」

伊織「そ、そんなワケないわよっ!私を驚かせた罰として、明日一日ショッピングにつきあってもらうからねっ!」

やよい「えへへ、いいよ♪」ダキツキッ

伊織「///」



亜美「まったく、お熱いねぇ」

あずさ「甘すぎて砂を吐いちゃうわ」ザー

真美「じゃあ真美はその砂でお城を作る!」

律子「じゃあ私は税理士になる」

P「じゃあ俺は警察官だ」

あずさ「なら私はウェブデザイナーになるわ」

千早「大原 大原 本気になったら大原♪」

小鳥「私はお嫁さんになるわっ!」

亜美「それはサポート対象外です」

あずさ「ところでPVって何の話ですか?」

P「今度、千早とやよいで期間限定の新ユニットを組むことになったんだ」

伊織「あらそうなの」

P「ユニット名は『ダブルH~Hinnyu & Hinkon~』だ」

真美「千早お姉ちゃん、よくOKしたね」

P「間奏部分で千早がやよいの脇をなめるダンスを取り入れることで、納得してもらった」

千早「苦渋の選択だったわ」ニヘラニヘラ

律子「千早の表情とセリフがあってないわ」

あずさ「よくあることね」

亜美「やよいっち、よくOKしたね」

やよい「正直、千早さんと一週間も一緒なんて虫唾が走る思いだったけど
    このお仕事に成功すれば、前の家を買い戻せるっていうから……」

伊織「苦渋の選択だったのね」

真美「ちなみに、PVはどこで撮影したの?」

千早「南米のチリよ」

やよい「地図でいうと、ここだよ」ユビサシ

亜美「わぁ、ぺったんこだ!」

P「そうだろう?千早にピッタリだと思ってな」

真美「むしろペッタリだね!」

亜美「それにしては凹凸があり過ぎるかなぁ」

千早「あなた達をまとめて塵にしてやるわ」

伊織「ところで、姿が見えないといえば」

律子「何?」

伊織「この前事務所に水ようかんを持ってきた時、真と雪歩がいなかったわね(第十五話)」

亜美「あの二人はその日、朝から晩までラブホテルにいたよ」

あずさ「あらあら、小娘どもが調子に乗っているわね」

真美「それは別に、羨ましがらなくてもいいんじゃない?」

あずさ「羨ましくなんかないもんっ」

律子「あ、かわいい」

小鳥「この週刊誌に、その時の様子が載っているわ」

千早「なになに?『アイドル萩原雪歩、イケメンホストと密着デート!?』ですって」

律子「ちょうど今、朝のワイドショーでその特集がやってるわ」

ピッ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

司会『それでは、話題のイケメンホストに登場してもらいましょう。どうぞ!』

真『じゃーん!イケメンホストは、実はボクでした~☆まこまこり~ん♪」

キャー! ステキー! ダイテー! ウマレルゥゥ! オギャー!

アナウンサー『これで雪歩ちゃんのファンも一安心ですね』

雪歩『ファンの皆さん、心配かけてごめんね♪』きゅっ

ウォー! ユキポー! キュッテシタ! デンパガー! アババババ!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

亜美「茶番だね」ペッ

真美「公共の面前で、毒電波を流さないでほしいなぁ」ヤレヤレ

伊織「そもそもラブホテルに入ったことが問題だと思うのだけど、私がおかしいのかしら?」

律子「まぁそんなわけで、あの日は真・雪歩・千早・やよい以外は全員いたわね」

真美「そうだね」

伊織「誰か忘れている気がするわ」

あずさ「気のせいよ」

伊織「そうかしら?」

亜美「神がそうだと言っている」

小鳥「ああっ、亜美ちゃんがさっきの毒電波にやられているわ」



――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――――

━公園━

長介「響お姉ちゃんはなんで段ボールの中にいるの?」

響「あいつらが泣いて謝るまで、ここにいるって決めたんだ」

かすみ「このニンジンは何?」

響「心が折れそうになったら、このニンジンを見て、あいつらへの憎しみを思い出すんだ」

長介「臥薪嘗胆だね」

かすみ「いいの、ハム蔵?」

ハム蔵「気のすむまでやらせてあげよう」

いぬ美「私たちは温かいスープを作って、響の帰りを待ちましょう」

捨て犬「そうですね」

長介「響お姉ちゃんは優しい家族を持って幸せだなぁ」



第十六話 終わり

今さらですが、第一話・第六話にスカトロ描写がある旨、Wikiに注意書きを入れました。
ついでに1レスSSも書いてあるので、よろしければご覧ください。

http://ss.vip2ch.com/jmp/1340565510

━第十七話━

━車の中━

ブロロロロ

真美「兄ちゃん、今日の収録どうだった?真美たちイケてた?」

P「急に共演したアイドルのモノマネをノンストップで披露したときはびっくりしたけど、好評だったからよかったよ」

雪歩「私はどうでしたか?」

P「急に共演したアイドルのケツの穴をスコップで掘ろうとしたときはびっくりしたけど、好評だったからよかったよ」

真美「好評だったの?」

P「気持ち良かったらしい」

雪歩「どうしようもないアイドルだね」

真美「ゆきぴょんがね」

プルルルル

雪歩「電話ですよ、プロデューサー」

P「そうか。スピーカーモードにしてくれるか?」

真美「は→い」

ポチッ

千早「もしもし、千早です」

P「千早か、どうした?」

千早「実は困ったことになってしまって……」

雪歩「どうしたの?」

千早「秋葉原のパソコン屋さんにいるのだけど、売り物のパソコン周辺機器を間違えて壊してしまったの」

真美「千早お姉ちゃん、機械音痴だもんね」

千早「弁償しなければならないのだけど、手持ちが足りなくて……」

P「わかった、すぐ行く。何を壊したんだ?」

千早「『桂言葉のおっぱいマウスパッド』と書いてあるわ」

P「それは機械じゃないな」

雪歩「本当に間違えて壊したのかなぁ」

P「それ、いくらなんだ?」

千早「1500円です」

雪歩「千早ちゃんは今日、何を買うつもりだったの?」

真美「その所持金じゃ、ロクなもん買えないよ」

千早「ごめんなさい……このマウスパッド、今日が発売日だったみたいで」

雪歩「壊したのは一つじゃないんだね」

P「スプラッター映画も真っ青の光景が目に浮かぶよ」

真美「『Nice boat.』だね」

P「千早だから『Nice board.』かな」

真美「『ニセボード』って読むの?」

雪歩「板は本物じゃない?」

真美「あ、そっか→」

千早「あなた達に本物の恐怖を教えてあげるわ」

P「さて、事務所に帰るか」

真美「さんせ→」

千早「みんなのいじわるっ」

雪歩「ちーちゃんはかわいいなぁ」

続きは日付が変わってからになります

━犯行現場━

雪歩「言葉ちゃんの顔をイチョウの葉っぱ、おっぱいを銀杏の実とします」

P「はい」

雪歩「お店中が、秋の終わりのイチョウ並木のようです」

P「うん」

雪歩「踏みつけられた銀杏からウンコの匂いがします」

P「えへへ」

雪歩「並木を歩くと、靴やズボンの裾にイチョウの葉っぱがまとわりつきます」

P「おほしさまきらきら」

雪歩「みんなが幸せです」

P「スコップがたべたいなぁ」



真美「兄ちゃんがおかしくなった」

千早「萩原さんのデスポエムのせいね」

真美「千早お姉ちゃんの狂行のせいだよ」

千早「それにしても、発砲スチロールのなんとも言えない鼻につく匂いをウンコに例えるなんて、流石は萩原さんね」

雪歩「こうやって地道にトレーニングしないと、ポエム力は高められないからね」

真美「ケツからアルコールを摂取すれば簡単に高められそうだよ」

千早「アイドルがケツなんて、はしたないわ」

雪歩「真美ちゃん、プロ意識が足りないよ」

真美「ウンコとケツの差はなんなの?」

千早「一目瞭然だと思うけど?」

真美「ですよね」

真美「ところで、おっぱいマウスパッドの中身って発砲スチロールなの?」

雪歩「ググったけど、どうやら違うみたいだね」

千早「きっと、このマウスパッドはパチモノだったのよ。よくみると、言葉さんの目が輝きを失っているし」

雪歩「値段もヤケに安いしね」

真美「そもそも私たちのいるこの世界が、パチモノみたいなものだと思うんだ」

雪歩「そう考えると、安心だね」

千早「あんしんパパね」

P「はじめてーのー?」

ハム蔵「チュウ」

P「君と?」

ハム蔵「チュウ」

P「ウフフ」

ハム蔵「I will give you all my love.」

P「しゃ、しゃべった」

真美「いつものことだよ」

千早「わざわざ来てくれてありがとう」

ハム蔵「いえいえ、外付けHDD買いにきたついでなので」

雪歩「おっぱいマウスパッドを買いにきたついでじゃなくて本当によかったよ」

P「おっと、被害額を想像したら気が遠くなってしまった」

雪歩「お店の惨状をみて気が遠くなったわけじゃないんですね」

千早「この程度でメンタルをやられていては、アイドルのプロデューサーは務まらないわ」

真美「アイドルのプロデューサーは戦場カメラマンより過酷なんだね」

P「で、千早は何を間違えてこんなことをしたんだ?」

千早「私が手を下さなければ、もっと多くの人間が間違いを犯すことになっていたわ」

真美「否定はしないよ」

雪歩「確信犯だったんだね」

真美「本来の意味の方のね」

P「おっぱいは、おっぱいは力なんだ。おっぱいは、この宇宙を支えているものなんだ。
  それを、それを、こうも簡単に失っていくのは、それは、それは、醜い事なんだよ!!」

真美「兄ちゃんが危ないオーラに包まれていく」

社長「こ、こいつはなんだぁ!?」

雪歩「社長、いつの間に」

社長「このセリフを言わなきゃいけない気がして」

千早「ちょうどいいわ、ついでに社長に弁償してもらいましょう」

真美「本来弁償すべき人間のセリフとは思えないわ」

雪歩「『思えないわ』?」

P「だ、誰だおまえは」

あずさ「私だ」

真美「お前だったのか」

あずさ「また騙されたな」

真美「全く気付かなかった」

P「こんなたわわなおっぱいに気付かないはずがありませんよ」モミモミ

あずさ「いやん」

千早「ちょうどいいわ、ついでにあずささんの胸も八つ裂きにしましょう」

雪歩「あずささんは、どうしてこんなところにいるんですか?」

あずさ「ちょっとピラミッドを見にいこうと思って飛行機に乗ったのよ」

雪歩「なるほど」

P「エジプトまで行かなくても、自前のピラミッドがあるじゃないですか」モミモミ

あずさ「いやん」

千早「ちょうどいいわ、ついでにピラミッドも爆破しましょう」

真美「それは犯罪だよ」

千早「そうね」

社長「なるほど、これがおっぱいマウスパッドか。懐かしい手触りだ」プニプニ

P「社長の若かりし頃に、マウスパッドなんてあったんですか?」

真美「ひょっとしたら、おっぱいそのものに対するノスタルジ→なのかな」

千早「その偽乳の手触りに懐かしさを覚えるということは、かつて触れた胸も偽物だったのね」

雪歩「きっと生身のおっぱいに触れたことがないんだよ」

あずさ「あらあら。そんな人間がアイドル事務所の社長だなんて、滑稽ね」

社長「それで、いくら弁償すればいいんだね?」

店員「3,000,000円です」

社長「なんだと」

P「さて、事務所に帰るか」

真美「さんせ→」

ブロロロロ

社長「おいてかれた」

店員「金がないならケツの穴で払ってもらおうか」

社長「ほう、何といい面構えだ。ティンときた!君のような人材を求めていたんだ!」

店員「それでは、ここから先はBGMのみでお楽しみください」



~もっと♪高めて果てなく心の奥まで♪あなただけが使えるテクニックで♪溶かしつくして♪~

━765プロ━

律子「……で、社長を置いてきたわけですか」

P「俺の車は五人までしか乗れないからな」

小鳥「トランクがあるじゃないですか」

P「加齢臭が染みついたら嫌だからなぁ」

あずさ「荷物を入れたくなくなりますね」

真美「ゆきぴょん、加齢臭ってどんな臭いなの?」

雪歩「銀杏の臭いだよ」

律子「それはカレー臭でしょ」

千早「加齢とカレー……ぷくくっ……」

伊織「いや、カレーの臭いでもないからね」

小鳥「それにしても律子さんが社長の心配をするなんて珍しいわね」

律子「書類の決裁をいただきたくて」

真美「なになに、新しい企画?」

雪歩「『四条貴音のおしりマウスパッド』だって」

真美「これなら千早お姉ちゃんも安心だね」

千早「そうね、心配いらないわ」

真美「心配グッバイだね!」

小鳥「損保ジャパンダ!」

真美「パンダ、パンダ、はるるんパンダ~」

あずさ「春香ちゃんが損害保険のCMをやったら、面白いことになりそうだわ」

律子「いいですね、その企画書も作っておきましょう」カキカキ

雪歩「律子さんが黄ばんだ裏紙に何かを書き出した」

あずさ「それをそのまま提出するんですか?」

律子「その方が春香っぽいでしょ」

真美「ちなみに表は、なぜか置いてある真美の小テストの答案です」

小鳥「70点だわ」

千早「普通ね」

律子「その方が春香っぽいでしょ」

雪歩「次のページには、『秋月涼の涼ちんマウスパッド』なんてのもあるよ」

律子「876プロとの共同企画よ」

P「面白いけど、その発想は誰かと被ってそうだな」

律子「あら、涼は被ってないわよ」

P「なんだと」

千早「ある統計によると、日本人男性の半分以上は包茎だそうね」

真美「ということは、兄ちゃんは包茎だね」

P「なぜわかった」

真美「これが論理学だよ」

伊織「狂ってるわ」

あずさ「気づいたら伊織ちゃんが私たちから離れて、部屋の隅で雑誌を読んでる」

真美「会話に混ざればいいのに」

雪歩「ロンリーガールだね」

真美「これからいおりんのことを『捨て犬ん』と呼ぼう」

雪歩「そのゲームまだ続いてたんだ」

伊織「うるさいわねっ、このバカ犬っ!」

真美「だから違うキャラが混ざってるよ、いおりん」

真美「あ、いおりん今何時?」

伊織「えっと、8時5分前ね」

真美「おっと危ない。テレビつけなきゃ」

ポチ

律子「歌番組ね、今週は雪歩と真美が出てるんだっけ」

雪歩「はい。今日収録してきました」

伊織「撮ってその日のうちに放送するなら、生放送でいいじゃない」

P「まぁ、見せちゃいけないものとかをチェックしてるんだろ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

真美「じゃあ次は、『いぬ美のマネをするほくほくのマネ』だよ→ん」

真美「ヘッヘッヘッ」ペロペロ

雪歩「ふふふっ、真美ちゃんくすぐったいよぉ」キャッキャ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

小鳥「生きててよかった」ハァハァ

P「大好評だな」

真美「当然っしょ」エッヘン

伊織「『いぬ美のマネ』とどう違うの?」

P「鬼ヶ島くんによると、『同性を見つめる目』がそっくりらしい」

律子「慈しむ目ね」

伊織「ていうか、鬼ヶ島って?」

P「ジュピターの響みたいなやつが、そんな名前じゃなかったかな」

あずさ「もーもたろさん♪ももたろさん♪」

真美「股間につけた♪きびだんご→♪」

千早「ひとつ♪私にくださいな♪」

律子「そのきびだんごでは、お供が三匹揃わないわね」

真美「では、いおりんにきびだんごをあげよう」

雪歩「もうひとつは真ちゃんにあげようかな」

あずさ「キジはリストラされたのね」

真美「ちなみにキジはぴよちゃんだよ」

小鳥「うぅ……ひどいピヨ」ピヨピヨ

P「そんなこと言ってるからですよ」

伊織「アンタ達をすりつぶしてダンゴにしてやるわ」

千早「水瀬さん……そういうグロテスクなのは私ちょっと苦手で……」ブルブル

あずさ「千早ちゃんの感性は理解に苦しむわ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

司会「雪歩ちゃんは何か嫌いなものとかあるの?」

雪歩「事務所のお友達のおかげでワンちゃんには大分慣れたんですけど、いまだに男の人は苦手ですぅ」

翔太「残念だなぁ」

北斗「まずは俺達から慣れてみないかい?」チャオ☆

雪歩「苦手Deathhhhhhyahhaーーーァァァア゙ア゙!!」ズリュズリュズリュ

北斗「ヒヒヒヒィィィィィンッッ」プルプル

真美「ほくほくのケツの穴がスコップに侵食されていく」

司会「まずい、カメラ止めろ」

北斗「やめろ、止めないでくれっ!」ハァハァ

司会「あ、そう?じゃあそのままどうぞ」

翔太「すごいなぁ、もう柄まで入っちゃった」

真美「ケツの穴がパックリ開いてるね」

冬馬「ウワワワァァァァァ!?!?」ブルブル

翔太「冬馬くんの古傷が開いちゃった」

司会「翔太くんは何か好きなものとかあるの?」

翔太「僕は寝ることが好きかなぁ」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

小鳥「生きててよかった」ドロドロ

伊織「見せちゃいけないものとかをチェックして放送してるんじゃなかったの?」

あずさ「お茶の間からはケツの穴が見えていないから問題ないわ」

律子「北斗はどうして『止めないで』なんて言ったのかしら」

P「あとで聞いたところ、あれはケツの穴を掘るのを止めるなって意味だったらしい」

真美「日本語って難しいね」

伊織「狂ってるわ」

あずさ「もーもたろさん♪ももたろさん♪」

真美「おケツに入れた♪きびだんご→♪」

千早「ひとつ♪私にくださいな♪」

律子「泥団子ね」

真美「いおりん、この泥団子を全部食べたらお供にしてやってもいいよ」

雪歩「ごほうびじゃなくて罰ゲームになっちゃった」

小鳥「ある意味ごほうびね」

伊織「ごほうびに、私が直々にアンタ達を八つ裂きにしてやるわ」

千早「八つ裂きだなんて、水瀬さん……本当に怖い……」ブルブル

あずさ「千早ちゃんが本当にわからないわ」

真美「千早お姉ちゃんはついさっき、おっぱいマウスパッドを八つ裂きにしたんじゃなかったの?」

雪歩「千早ちゃん、よくマウスパッドをあんな風にできたね」

千早「さすがにあの数は骨が折れたわね、顎が疲れたわ」

雪歩「そういう意味で言ったんじゃないよ」

P「しかも道具を使わず噛みちぎったとは」

律子「壮絶な光景が目に浮かぶわ」

真美「パソコン屋の店員さんが心の病気にならなかったか心配だよ」

コンコン

P「はい、765プロです」

店員「こんばんは」

雪歩「あ、さっきの店員さん」

店員「先ほどはマウスパッドをバラバラにしていただき、誠にありがとうございました。
   おかげで楽しいひと時を過ごせました。是非また色んな商品を台なしにしてください」ペコリーヌ

真美「手遅れだった」

律子「そんなことを言うためにわざわざここに来たのかしら」

あずさ「もしかしてまた、心療内科と勘違いされているのかも」

店員「よく見るとあなたいい顔ですね。先ほどのシャッチョさんと3人で楽しみましょう」

社長「///」

千早「よく見ると社長と手をつないでいる」

小鳥「恋人つなぎね」ニュルニュルニュル

P「スコップはおいしいなぁ」バリバリ

真美「兄ちゃんがおかしくなった」

雪歩「病気は伝染するんだね」



第十七話 終わり

やめてっ……!

私の世界を、壊さないで………っ!

>>274

真美「もしかしてこれは、『School Days』ネタなのかな」

雪歩「私たち、実はストーリーをよく知らないから反応しづらいんだよね」

千早「まぁ18禁ゲームの内容を私たちが詳しかったら、それはそれで問題ね」

真美「アニメは全年齢対象なんじゃないの?」

雪歩「『※このお話に登場するアイドルはすべて18歳以上です』」

千早「ど、どうしたの萩原さん?」

雪歩「こう言っておけば、後々あひんあひんな展開になったときにも安心かなって」

真美「やめてよね。18歳以上の真美とか、商品価値がミジンコ並になっちゃうよ」ペッ

千早「その考えでいくと、ウチのアイドルの何割かは既にミジンコね。ニセあずにゃんを筆頭に」ニヤニヤ

あずさ「あらあら。ミジンコ並の脳ミソでも分かるように、じっくり恐怖を刻み込んであげようかしら」

P「スコップはおいしいなぁ」バリバリ

律子「またスコップを食べてる」

真美「あれは今日ほくほくに使ったやつだね」

千早「ミソつきね」

小鳥「こらっ、プロデューサーさん!スコップは1日1本までって決めたでしょ!」

P「はぁい、ごめんなさーい」

雪歩「幸せそうだね」

真美「きっと『School Days』も、こんな風にハートフルな物語に違いない」


第十七話 おまけ 終わり

━第十八話━

小鳥「クーラーがブッ壊れたわ」

真「なんてこった」

亜美「亜美、久しぶりに千早お姉ちゃんの幸せ家族計画が聞きたいな」

千早「ええ、いいわよ。じゃあ今日は、こんなのはどうかしら」

真美「なになに?」

千早「私のやよいが野良犬を自分の部屋で隠れて飼っていて、怒った私がおしりペンペン改めおしりペロペロする話」

亜美「ウッヒョウ、あらすじを聞いただけでゾクゾクするねぇ!」ゾクゾク

真美「『私のやよい』って言ったときの千早お姉ちゃんの顔がたまんないYO!」ゾクゾク

小鳥「うふふ、千早ちゃんのおかげで随分涼しくなったわ」

真「不快指数は上がったけどね」

千早「ところで野良犬といえば、我那覇さんを最近見ないわね」

亜美「そ→だね」

真「どのへんが『野良犬といえば』なんだろう」

真美「千早お姉ちゃんの幸せ家族計画を知る者の間ではジョ→シキだよ」

亜美「勉強が足りないよ、まこちん」

千早「そんなんだから萩原さんにサル扱いされるのよ」

真「あれあれ、今日は流れがおかしいぞ」

小鳥「響ちゃんがいないからよ」

真「こりゃ全力で響を探さないといけないなぁ」

やよい「響さんなら、私の家の隣に住んでますよ」

千早「あっ、やよ……高槻さん」

小鳥「やよたか!?やよいちゃんが攻めなのね!貴音ちゃんをおしりペロペロするのね!」キマシタワァァァァァ

千早「成敗ッ!」バキャ

小鳥「ミンゴスッ!」ンアー

千早「高槻さんを下衆な目で見るなんて……万死に値する」

真「千早はすごい人だよ」

亜美「やよいっちの家ってどこだっけ?」

やよい「近所の公園の中だよ」

真「まだ前の家を買い戻してないんだ」

真美「千早お姉ちゃんとのデュオユニットは大ゴケしたのかな」

小鳥「そんなことないわ。この前、保育園のお遊戯に二人のダンスが使われていたもの」

亜美「そのダンスって、千早お姉ちゃんがやよいっちの脇をなめるやつ?」

小鳥「そうよ」

真美「世も末だね」

千早「小鳥さんはなぜそんなことを知っているのかしら」

亜美「よく知らないけど、女性の変質者に対してはまだまだ警察の取り締まりが甘いんじゃないかな」

真美「世も末だね」

真「どうでもいいから早く公園に行こうよ」

小鳥「真ちゃんが響ちゃん探しに必死になってる」

━公園━

亜美「着いた」

真美「真美達から見て左側にキン肉ハウス、右側には四階建てのダンボールハウスがあります」

真「一応聞いとくけど、左がやよいの家だよね?」

やよい「そうです」

小鳥「響ちゃんたら、よく一人でここまで作り上げたわね」

千早「そのエネルギーを何か別のことに生かせばいいのに」

亜美「どうする?」

真美「とりあえず警察に通報しようよ」

やよい「でもそうすると、私の家も取り壊されちゃうから……」

真「どうして前の家を買い戻さないの?」

やよい「買い戻したんですけど……私の部屋だけ妙な液体に浸食されてて、補修工事の最中なんです」

亜美「きっと変質者がやよいっちの部屋でハッスルしちゃったんだよ」

真美「世も末だね」

千早「まったくだわ」

小鳥「私には犯人がわかった気がするわ」

ピンポーン

響「はーい、どちら様……おー、みんな久しぶりー」

亜美「おひさ→」

真「響。帰ろう、僕らの家に」ギュッ

響「なななっ、真!?どうしたんだ急に///」

真美「まこちんがなりふり構わなくなった」

千早「この光景を是非、萩原さんと美希に見せてあげたいわ」

亜美「すごいことになりそうだね」

真美「いったい何が始まるんです?」

千早「第三次大戦よ」

小鳥「●REC」

亜美「こういうときにぴよちゃんがいて助かるなぁ」

真美「ところでひびきん、仕事はどうしたの?」

響「貴音とデュオで色々やってるぞ。最近は現場に直行直帰してるから、事務所にはあんまり寄ってないけど」

小鳥「そうだったのね」

響「貴音に伝えておくよう頼んだんだけど、聞いてないか?」

千早「いいえ、まったく」

響「そっか。貴音は頭にみそラーメンがカッ詰まってるからな。脳のしわもスープで伸びきっちゃったんだろうなぁ」

小鳥「あら?」

亜美「ひびきん、この泥団子を全部食べたらお供にしてやってもいいよ」

響「」グシャ

小鳥「ひっ」

真美「無言で踏み潰した」

響「自分の嗅覚をナメるなよ。この泥団子、とっくに賞味期限が切れてるじゃないか」

真「泥団子に賞味期限なんてあったんだ」

亜美「でも、おつむの方はともかく、メンタルが今までのひびきんとは比べ物にならない強さだよ」

真美「きっとダンボールからもれ出てくる化学物質が、ひびきんの進化を促したんだよ」

小鳥「ゲッター線か何かでも放出しているの?」

千早「やめて我那覇さん!幼稚園児のように純粋でいつも鼻水たらしてた、あの頃のあなたに戻って!」

響「やよいは自分と千早のどっちが好きだ?」

やよい「全力で響さんです」

千早「アババババババババババ」ガクガク

真美「千早お姉ちゃんを一撃で粉砕した」

小鳥「バ…バカな……あ…あなたは響ちゃんでしょ!?ち…ちがうの…!?」

響「ちがうな……自分は……スーパー響だ!!」

亜美「そのセリフは負けフラグだよ」

真美「せっかくいいところまでいったのに、台なしだ」

真「やっぱり響は響だなぁ」

響「あれ?」

小鳥「それにしても、よくできているわね」

響「へへんっ、すごいだろ。でもダンボールは火に弱いから、コンロとかは使えないんだ」

やよい「それじゃあご飯はどうしてるんですか?」

響「朝起きたり仕事から帰ってきたりすると、誰かがご飯を作っておいてくれてるんだ。
  昨日の夜は温かいスープとゴーヤチャンプルが置いてあったぞ」

亜美「ひびきんは幸せ者だね」

響「なっ、ひどいぞー!また自分のおつむをバカにしたなー!」プンプン

真美「いや、今回ばかりはそういうつもりじゃないよ」

真「よく見ると、そこら中に動物の毛が落ちてる」

小鳥「本当に気づいてないのかしら」

亜美「ひびきんは幸せ者だね」

響「そうか?そう言われるとなんだか嬉しいなっ」ニコッ

真美「今回はそういうつもりで言ったのに」

真「噛み合わないなぁ」

千早「レズセックス」

小鳥「ど、どうしたの千早ちゃん?」

千早「性器の形が噛み合わないな、と」

小鳥「ワニ子ちゃんあたりに頭を噛んでもらえば、もう少し脳がマトモになるかしら」

亜美「ところで、ひびきんはなんでこんなところに住んでいるの?」

真「そういえば、最初に聞くべきだったね」

響「うーん、自分でも覚えてないんだよなぁ。なんか理由があったはずなんだけど」

やよい「理由を忘れても住み続けるなんて、響さんはすごい人です」

響「でもいい加減ハム蔵たちも心配してるだろうし、そろそろ帰ろうかな」

真美「流石にペットのことは忘れてなかったんだね」

小鳥「この状況だと、どっちがペットか分からないけどね」

千早「……あら?これは何かしら」

真「ニンジンだね。ひからびちゃってるけど」

亜美「なんか見覚えがあるなぁ」

響「あっ!なんだこれは……このニンジンを見てると、何かを思い出しそうだぞ!」

小鳥「響ちゃん、頑張って!」

響「む……むむむ……。ダメだー、思い出せないぞ」ガックシ

真美「じゃあこのニンジンをケツの穴に入れてみよう」ズポッ

響「あひぃぃぃぃィィィィン!!」

響「……ん?」

真美「どったの、ひびきん?」

響「あー、思い出したぞ!亜美達の策略にはまって、自分はここに住んでたんだ!」

千早「あら、そうだったのね」

亜美「どうしてニンジンをケツの穴に入れたら思い出したんだろう」

真「きっと脳みそがケツの穴の中にあるんだよ」

真美「ダンボールからもれ出てくるゲッター線が、ひびきんの進化を促したのさ」

やよい「人類は進化すると、そんな気持ち悪い生物になるんだね」

小鳥「そんな進化だったら、ごめんだわ」

亜美「こうしてぴよちゃんは独自進化の道を歩むことになりました」

真「ガラパゴス行き遅れペンギン(笑)」

千早「ガラケーの如く、次の世代を残せずに消え行く運命なのね」

小鳥「ぴよぴよ。ぴよぴよ」

真美「ああっ、ぴよちゃんが幼児退行している」

響「よし、ぴよ子はダンボールハウスの中に置いていこう」

亜美「ここが新しいガラパゴス諸島になるんだね」

千早「それで、我那覇さんは亜美達に対して怒ってないの?」

真「亜美は僕が押さえつけておいたよ」

亜美「あっ、まこちんの裏切り者!」

やよい「さっきから真さん、自分以外の標的を見つけるのに必死です」

真美「男らしくないよ、まこちん」

真「誰が男だゴラァァァァァ!!」キャッピピピピーン♪

真美「わわっ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」

亜美「うーん、パワーバランスが難しいなぁ」

千早「我那覇さんの一弱時代が終わり、765プロは戦国時代へと突入するのね」

やよい「で、響さんはどうするんです?」

響「うーん、別にもう亜美達のことは憎んでないぞ」

真「あれ?」

真美「ハシゴを外されちゃったね」

千早「まぁ、真が自分で勝手にハシゴを爆走しただけだけど」

真美「ホントまこちんは、エテ公なみの脳みそだね」

真「なんだとゴラァァァァァ!!」キャルルルーン♪

真美「今度は負けるもんか!」

亜美「本当に、パワーバランスが難しいなぁ」

千早「真美を助けなくていいの?」

亜美「決着がつくのを待って、勝った方が疲弊しているところを強襲するよ」

千早「容赦ないわね」

亜美「戦国時代だからね」

響「まぁ、『罪を憎んで人を憎まず』ってことで」

やよい「そうですね、人のお肉はおいしくないですもんねっ!」ピョンピョン

真「僕には何も聞こえなかったよ」

亜美「そういえば、どこからともなくお肉を焼くいい匂いがする」

千早「もうじき日が暮れるからね」

響「よーし、じゃあみんな家に帰るさー!」

テクテクテク

真美「ひびきん、ケツ丸出しだよ」

やよい「ニンジンもささったままです」

真「きっと久しぶりの我が家が待ち切れないんだよ」

千早「そうね、じゃあ私たちも帰りましょう」

やよい「今日はハンバーグです☆」



くまのこ見ていた♪ かくれんぼ♪
おしりを出したこ♪ いっとうしょう♪
夕やけこやけで♪ またあした♪
またあした♪



小鳥「ぴよぴよ。ぴよぴよ」



第十八話 終わり

━第十九話━

━軽音部室━

ガチャ

梓「こんにちは」

律「おーす」

梓「あれっ、律先輩だけですか?」

律「ああ。唯とムギは掃除当番で、澪はトイレでウンコしてるよ」

梓「律先輩はもう少し、乙女のはじらいというものを身につけた方がいいと思います」

律「うーん、じゃあ、澪は排泄行為を嗜んでるよ」

梓「『排泄行為』ではウンコと断定できませんし、澪先輩はウンコを好んでひり出しているとは思えません」

律「お前も大概はじらいがないよな」

梓「にゃんにゃん♪」

律「ごまかしてもダメ」

梓「すみません」

律「しっかし、こうしてみると私と梓は案外、似た者同士かもなー」

梓「なっ、何言ってるんですかっ!そう思うんならもっと真面目に練習してください!」

律「ははっ、悪い悪い」

梓「……真面目に練習してくれたら、もっと好きになるのに……」

律「え?」

梓「真面目に練習してくれたら、好きになってあげるって言ったんです!
  恥ずかしいから何度も言わせないでくださいっ///」

律「……梓///」ダキッ

梓「律先輩///」キュン

ガラッ

澪「この泥棒猫」

梓「お義母様っ!?」

――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――――

監督「はーい、カット!OKねー」

あずさ「お疲れさまです~」

律子「ありがとうございました」

雪歩「ふぅ、緊張しました」

伊織「この肩のもげそうな展開はなんなの?」

P「これが『けいおん!‐EVOLUTION‐』のプロローグだ。ここからどんどん盛り上がるぞ」

伊織「既に不愉快な感情がどんどん湧き上がってきてるわ」

律子「それにしても、アニメの実写版には『EVOLUTION』をつけなきゃいけない決まりでもあるのかしら」

雪歩「厄除けみたいなものですよ」

伊織「むしろ厄を引き寄せてるわ」

あずさ「あらあら、今日の伊織ちゃんはご機嫌ナナメねぇ」

律子「それにしてもあずささん、よくこの役を引き受けましたね」

あずさ「うふふ、役とはいえ10代に戻れるなんて幸せだわ」

P「律子より年下の役っていうのも、かなりポイントでしたよね」

雪歩「あずにゃんに対する憎悪より、女子高生という役柄をつかみ取った喜びの方が大きかったんですね」

あずさ「ふふ、雪歩ちゃんもいずれ分かるわ」

雪歩「一生分かりたくないなぁ」キャッキャ

あずさ「分からないまま一生を終わらせてあげようかしらぁ」キャッキャ

あずさ・雪歩「キャッキャッキャッ」

伊織「な、なんなのこの空間は」

律子「女子高生の制服からあふれ出すアロマが、憎しみのオーラと混ざって混沌とした空気を醸し出しているわ」

P「イメクラにいくと頭がトリップしちゃうのと同じだな」

伊織「アンタ、イメクラなんて行ってるの?」

P「行ったことはないけど、お前たちに色んな衣装を着せるのはある意味イメクラだな」

伊織「アンタ、いつも頭がトリップしちゃってるの?」

律子「違うとでも思ったの?」

雪歩「さすがにプロデューサーを買いかぶり過ぎだよ、伊織ちゃん」

あずさ「あらあら、伊織ちゃんはまだまだお子ちゃまねぇ」

P・あずさ・律子・雪歩「キャッキャッキャッキャッ」

伊織「響か真美をこの場に連れてくればよかったわ」

伊織「ところで、あずさと律子のキャスティングの理由は、『名前が似てること』よね」

律子「そうね」

あずさ「私が若く見えるからじゃないかしら?」

雪歩「面白すぎてヘソで穴が掘れちゃいますぅ」

あずさ「私のアホ毛で雪歩ちゃんの脳ミソをほじくり出してあげるわ」

律子「冒頭の伊織もそうだったけど、今日の雪歩はヤケに辛辣ね」

P「女子高生の制服からあふれ出すアロマのせいだな」

伊織「制服にシンナーでも染みついてるんじゃないの?」

律子「それで、何が言いたかったの?」

伊織「ああ、雪歩のキャスティングの理由は何かなって」

雪歩「この後、澪ちゃんがデスポエムを詠むシーンがあるの」

律子「襲いかかる不良高校の生徒達を一網打尽にする、迫力満点のシーンよ」

伊織「『けいおん!』にそんなシーンあったかしら」

P「アニメの実写版は、原作にない設定やシーンをいくらでも追加していいんだぞ」

伊織「まるで便所の落書きね」

あずさ「伊織ちゃん、その発言はまずいわ。特にこのあたりでは」

伊織「??」

伊織「名前が似てるって理由も大概だけど、必殺技が同じっていう起用理由はいかがなものかしら」

雪歩「伊織ちゃん、必殺技って」

P「監督曰く、『見た目だけにこだわった配役は面白くない!キャラクターと俳優の内面を
  重ね合わせてこそ、真に共感の得られる作品になるんだ!」だそうだ」

律子「伝わらないわね」

伊織「クリエイターの独りよがりほど、見てて痛々しいものはないわ」

あずさ「あらあら、本当に今日の伊織ちゃんは厳しいわねぇ」

P「まぁ『今まで誰もやらなかった事』ってのは大抵『先人が思いついたけどあえてやらなかった事』だからな」

伊織「で、私の出番はいつなの?」

あずさ「次のシーンは、律先輩のおデコのアップからはじまるのよ」

P「スタントマンならぬスタントデコだな」

伊織「ここのスタッフは私と『けいおん!』ファンにケンカを売ってるのかしら?」

雪歩「実写版だからね」

伊織「実写版って言えばなんでも許されると思ったら大間違いよ」

伊織「不愉快だわ、私帰る」

P「でも、この1シーンだけでギャラが500万円もらえるぞ」

あずさ「えっ?」

律子「た、たった1シーンでですか?」

P「その輝きには、それだけの価値がある」キリッ

雪歩「で、出た~~!プロデューサーのイケメンスマイル!妊娠確実ッ!」

伊織「フンッ」ゲシッ

P「」バターン

雪歩「で、出た~~!伊織ちゃんのキンタマ直撃キック!ED確実ッ!」

律子「今日の雪歩はいつもに増して頭がトリップしてるわね」

あずさ「きっと役に入り込み過ぎちゃったのね」

雪歩「そろそろ怒られるからやめましょうよ」

伊織「汚らわしいものに触ってしまったわ。新堂、靴を拭いてちょうだい」

新堂「はい、お嬢様」フキフキ

雪歩「伊織ちゃんが本物のお店の女王様みたいになってる」

あずさ「それは本物というのかしら?」

律子「それにしても、いい光景ね。ビデオに収めて小鳥さんに売りつけましょう」

雪歩「悶絶するプロデューサーを蔑むような目で見る伊織ちゃん……500万円で買い取ってくれるかな」

あずさ「『その輝きには、それだけの価値がある』キリッ」

あずさ・律子・雪歩「キャッキャッキャッ」

伊織「千早か小鳥をこの場に連れてくればよかったわ」

雪歩「どうしてその二人なの?」

伊織「その二人になら、心置きなくビンタできるからよ」

律子「一理ある」

P「アミュゥンアミュゥンアミュゥンアミュゥン」

あずさ「プロデューサーさんが気色悪い声を上げている」

律子「股間を蹴り上げられたぐらいで情けないわね」チッ

雪歩「これだから男の人は苦手なんです」ペッ

あずさ「『男では耐えられない痛みでも 女なら耐えられます強いから』」

律子「『THE iDOLM@STER』はキンタマを蹴り上げる歌だったのね」

雪歩「恥じらいなんて時には邪魔なだけですもんねっ」

あずさ・律子・雪歩「キョーッキョッキョッキョ」

伊織「フンッ」ゲシッ ドゴッ バキッ

あずさ「」バターン

律子「」バターン

雪歩「」バターン

伊織「あら、女でも股間の痛みは耐えられないのね。新発見だわ」

新堂「今度学会で発表しましょう」

カメラマン「ああっ、765プロのアイドルさんが倒れてる」

監督「ちょうど映画のラストシーンにぴったりだ。このまま撮影しよう」

カメラマン「でも、唯ちゃん役とムギちゃん役がいませんよ」

監督「唯ちゃんとムギちゃんって誰だっけ?」

カメラマン「原作読んでないんですか?」

監督「読んでないよ」

カメラマン「読まないで映画を作ろうとしたんですか?」

監督「実写版だからね」

伊織「フンッ」グチャ

監督「」バターン

新堂「お嬢様、五人抜きおめでとうございます」

カメラマン「これでアイドルランクも大幅アップだね!」



第十九話 終わり

新堂「ちなみに今日のお嬢様は二日目でした」

伊織「オマエは何を言っている」

律子「だから終始機嫌が悪かったのね」

あずさ「いつもの伊織ちゃんはもっと優しい良い子だものねぇ」ヨシヨシ

伊織「やっやめなさいよ///……あ、アンタ達もいつもはもうちょっっっとだけマトモだと思うわ///」

雪歩「照れちゃってかわいいなぁ」

律子「まぁ、今日は撮影二日目だったからね」

あずさ「女子高生の制服からあふれ出すアロマが、ほどよく私たちの脳に染み込んでいたのね」

伊織「女子高生って、そんな危険な存在なの?」

P「毎日数多くのサラリーマンが、朝の電車の女子高生に人生を狂わされてるからな」

伊織「全員とは言わないけど、ほとんどは自業自得じゃないの?」

P「彼らもまた女子高生におどらされただけの犠牲者の一人にすぎないってことさ」

雪歩「利いたふうな口をきくなぁ」

P「アミュゥンアミュゥンアミュゥンアミュゥン」

律子「プ、プロデューサーが二人いる」

あずさ「あまりの痛みに幽体離脱しちゃったんですね」

新堂「ちょうどいいのでこのまま成仏させてあげましょう」シオヲ カケル

P「アジャパァァァッッッ!!」シュウウウ

雪歩「さようならプロデューサー」

新堂「彼もまたお嬢様のデコにおどらされただけの犠牲者の一人にすぎませんでした」

伊織「フンッ」メキャ

新堂「」バターン

第十九話 おまけ 終わり

━第二十話━

━876プロ━

ドゴーン

愛「おっはよーございますっ!!!」

涼「おはよう、愛ちゃん」

愛「あれ、どうして今日は不愉快そうな顔をしないんですか?」

涼「今日は耳栓を入れてるからね」

愛「そうなんですかー」

涼「だから何も聞こえないよ」

愛「じゃあどうして、会話が成り立っているんですか?」

涼「愛ちゃんのおつむで考えてることなんて、大体予想がつくからね」

愛「アナル」

涼「おや、今のはなんて言ったかわからないぞ」

愛「あははっ、私の勝ちですね!」

涼「ふふ、愛ちゃんには敵わないなぁ」

ガチャ

絵理「おはよう」

涼「おはよう絵理ちゃん」

愛「おっはよーございますっ!!!」

絵理「…………チッ」

愛「あっ、舌打ちだ!いつもの絵理さんですね!」

涼「このやり取りも見慣れたなぁ」

絵理「愛ちゃんの馬鹿でかい声にはいつまでたっても慣れないけど」

愛「ひどいですよ絵理さん。私バカじゃないです」

絵理「じゃあ『クソでかい』ならいい?」

愛「それならはなまるですっ☆」

まなみ「ほらほら愛ちゃん、事務所に着いたらまずヘルメット(フルフェイス)を被るよう言ってるでしょ?」

愛「はーい」カポッ

涼「やれやれ、ようやく耳栓を外せるよ」スポッ

絵理「家から被ってくればいいのに」

愛「やだなぁ絵理さん、そんなことしたら変質者として通報されちゃいますよ」アハハハッ

絵理「そうだ愛ちゃん、事務所の外でこれを声に出して読んでくれない?」

愛「えっと、『ヤッターマン、コーヒー、ライター』ですか?わかりました!」

絵理「ヘルメットは脱いでね?」

愛「わかってます!変質者として通報されちゃいますからね!」

涼「愛ちゃんは賢いなぁ」

まなみ「あなた達、仲悪いの?」

涼「そうだ、被ってるといえば」

まなみ「?」

涼「この前、僕のマウスパッドが発売されましたよね」

愛「『秋月涼の涼ちんちんちんマウスパッド』ですね」

絵理「『ちん』が一つ多いよ、愛ちゃん」

まなみ「一つだけかしら?」

愛「ええっ!?もしかして涼さんって女の子だったんですか!?」

絵理「なぜそうなる」

愛「だって、『ちん』を取ったら女の子になっちゃいます」

絵理「でも、愛ちゃんも頭がチンコみたいな形をしてるよ?」

愛「そっか、じゃあ大丈夫です!はなまるですっ☆」

涼「脳が大丈夫じゃないなぁ」

まなみ「今さらね」

涼「それで、マウスパッドを見てみたんですけどね」

まなみ「ええ」

涼「なんで皮を被ってるんですか?」

まなみ「その方が可愛いじゃない?」

涼「そうかなぁ」

まなみ「涼ちゃんのキャッチコピーは『守ってあげたくなる男の子』だからね」

愛「そうでしたっけ?」

絵理「『スタイル抜群、夢いっぱい!こっそり抱えた大きな秘密!』じゃありませんでした?」

まなみ「だってもう秘密バレちゃったし」

涼「でも新しいキャッチコピーはなんだか雪歩さんっぽいなぁ」

まなみ「雪歩ちゃんのキャッチコピーは『彼女の前に立つな。ケツの穴が惜しければ』よ」

愛「ゴルゴですか?」

絵理「ある意味、真逆だけど」

愛「それにしても、涼さんだけズルいです!」

絵理「私たちのマウスパッドも売り出してほしい?」

まなみ「企画しておいてなんだけど、自分をモデルにしたマウスパッドが
    異性に蹂躙されるのって気持ち悪くないの?」

愛「そんなこと考えてたらアイドルなんてできませんよ」

絵理「むしろ、『どんなに望んでもアイドル本人には指一本触れられないから
   惨めに模造品で自分を慰めているんだ』と考えると、心が暖かいもので満たされます」

涼「アイドルの鑑だね」

まなみ「ドス黒いもので満たされる、の間違いじゃないかしら」

愛「それで、どうなんですか?」

まなみ「残念ながら、あれは765プロの律子さんとケツからアルコールを摂取しながら
    考えた企画なの。いわば一発ギャグみたいなものね。だから二度目はないわ」

涼「なにしてんだアンタら」

絵理「ケツからアルコールを摂取して考えた商品が世に出回るなんて」

愛「日本は狂ってるね」

涼「ていうか、律子姉ちゃんは未成年なんですけど」

まなみ「もちろん律子さんはノンアルコール飲料だったわよ」

涼「ノンアルコールなのに、幻覚が見えちゃったんですか?」

まなみ「プラシーボ効果ね」

愛「すごいすごい!私もそのプラシーボっていうのやってみたいです!」

絵理「じゃあ『私は鳥だ』って思い込みながら、この窓から飛び降りてみなよ」

涼「飛び『降りて』って言っちゃってるよ、絵理ちゃん」

まなみ「もう少しで尾崎さんが来るから、ちょっと待ちましょう」

愛「わかりました、ギャラリーは多い方がいいですもんね!」

絵理「ふふ、尾崎さんの楽しそうな顔が楽しみ?」

ガチャ

尾崎「おはよう」

まなみ「おはよう、尾崎さん」

愛「ピヨピヨ!ピヨピヨ!」バタバタ バタバタ

尾崎「ひっ、な、なんなの?」

涼「表現力レッスンです」

絵理「尾崎さん。雛鳥は親鳥の飛んでいる様を見て、飛び方を覚えるそうです」

まなみ「というわけで、この窓から飛び降りてみてください」

尾崎「えっ、死ぬわよ?間違いなく」

涼「死んだとしても、万が一飛行が成功したとしても、愛ちゃんも一緒だから寂しくないですよ」

尾崎「私は絵理となら地獄の底まで落ちても構わないわ」

愛「絵理さん、3人で一緒にいきましょう!」

絵理「わかった、この話はやめよう。ハイ!やめやめ」

愛「絵理さんが、今朝私と会った時と同じ顔をしてる」

涼「心底不愉快なんだね」

ガチャ

石川「おはよう、みんな」

まなみ「おはようございます、社長」

愛「おっはよーございますっ!!!」

石川「」バターン

尾崎「ああっ!社長が耳から血を流して倒れたわ!」

涼「よく見ると愛ちゃんがヘルメットをしてない」

絵理「社長が来る時間にはいつもヘルメットをしてるから、油断してたのね」

まなみ「どうしてヘルメットを外してしまったの?」

愛「ヘルメットってなぁに?」キョトン

まなみ「ヘルメットがわからなくなっちゃったの?」

愛「私はとりさんだからね」エッヘン

絵理「役に入り込んでる?」

涼「日高の血は伊達じゃないね」

尾崎「社長!しっかりしてください、社長!」

絵理「それにしても、飛び降りたときに確実に頭にダメージがいくように
   ヘルメットを外しておいたら、まさかこんなことになるなんて」

涼「お前の仕業か」

愛「ピヨピヨ!ピヨピヨ!」バタバタ バタバタ

まなみ「愛ちゃんが錯乱してる」

愛「違うよー!レッスンに励んでるんだよー!」

絵理「社長が倒れたら、自分自身の実力だけで生きていかないといけないからね」

涼「愛ちゃんは偉いなぁ」

尾崎「ピヨピヨ!ピヨピヨ!」バタバタ バタバタ

まなみ「尾崎さんもレッスンに励んでるわ」

絵理「尾崎さんは真面目だから」

涼「あれは錯乱してるんじゃないかなぁ」

尾崎「ピヨヨヨヨ!」ガシャーン バサバサ

愛「あ!窓を突き破りました!」

まなみ「そのまま空を飛んでいるわ」

絵理「尾崎さんは真面目だから」

涼「それ関係あるの?」

絵理「努力はいつか実を結ぶ?」

愛「名言ですね」

まなみ「私たちも尾崎さんに負けないよう、力を合わせて頑張りましょう!」

愛「それじゃ、早速レッスン開始ですね!」

まなみ「いえ、まずは警察に連絡よ」

絵理「力を合わせて、口裏を合わせる?」

愛「わぁ、絵理さんダジャレですね!オヤジっぽいです!」アハハハッ

絵理「愛ちゃん、警察をお迎えするときにはヘルメットを被っておいてね」

愛「わかりました!事務所の中なら、変質者と間違われないですもんねっ!」

涼「日頃から僕はみんなと仲良くしておいて助かったよ」



第二十話 終わり

第二十話までの登場回数をまとめてみました。(モブ除く・SSwikiのあらすじ含む)

春香 5
やよい7
真  7
響  10

亜美 13
真美 16
伊織 10
雪歩 10
貴音 3

千早 11
あずさ6
律子 9
美希 3

P  9
小鳥 11
社長 5

冬馬 2
北斗 2
翔太 2
黒井 1

愛  1
絵理 1
涼  2
まなみ1
尾崎 1
石川 1

ハム蔵3
ワニ子1
いぬ美1
捨て犬2
長介 1
かすみ1
新堂 1
神龍 1
コナン1

ワンダリングスター強い。あと第一話から出てるのに社長と同点のはるるん。
ハム蔵の同点の美希・貴音はこれから伸びるかも。
ただ、登場回数が多いことが幸せとは限らないと思います。

━第二十一話━

━夜・765プロ━

響「あー、今日も疲れたなー」

春香「ねぇねぇ、明日は土曜日だし、これからみんなでカラオケにでも行かない?」

美希「さんせーなの!」

貴音「申し訳ありません……明日は友人の結婚式がございまして……」

響「結婚式?」

ピギャァァァァァ

真美「ぴよちゃんの魂が窓から天へと昇っていく」

響「ダンボールから放出されるゲッター線にさらされた結果、聴力が異常発達したからな」

美希「最近、ミキ達のおトイレに聞き耳立ててばっかりだから、いい気味なの」

春香「それで、お友達ってどんな人なんですか?」

貴音「ヒデキといいます。ちょうど写真がこちらに」ペラッ

アバババババババ

響「千早の魂が窓から天へと昇っていく」

真美「『ペラッ』が自分の薄い胸を連想させたんだろうね」

美希「千早さんもダンボールのゲッター線にさらされて、聴力が異常発達したの?」

春香「千早ちゃんは元から異常者だよ」

貴音「面妖な」

響「どれどれ、どんな人なんだ?」

美希「あはっ、オジサンなの」

春香「貴音さんのお友達っていうからもっと若いと思ってたけど、意外ですね」

真美「腕組みしててカッチョい→ね!」

貴音「いえ、その方はヒデキのお父様です」

美希「えっ?」

響「でも、この写真にはこの人しか写ってないぞ」

春香「もしかしてヒデキさんって、手前に写ってるラーメンのことですか」

貴音「しおらぁめんのヒデキです」

真美「塩ラーメンが明日結婚するの?」

貴音「地球では分かりませんが、月の民の感覚ではヒデキは適齢期なのです」

春香「月の民はイカレポンチの集まりなんですか?」

貴音「なんですかそれは?ふるぅつぽんちとどんな関係が?」ワクワク

真美「イカレポンチはフルーツポンチのお嫁さんだよ」

貴音「ふふ、面白いことを言いますね。食べ物が契りを結ぶなんてあり得ませんよ」

美希「あれ?」

響「頭が痛くなってきたぞ」

春香「それで、新婦さんはどんな人なんですか?」

貴音「何を言っているのですか?新郎がしおらぁめんなのですから、新婦はとんこつらぁめんに決まってます」

春香「そうですよね。レッスンで疲れて変なことしゃべっちゃいました」

美希「春香、頑張って。ここが正念場なの」

真美「まぁ考えようによっては、狂人が一人減ったとも言えるね」

響「でもどうせラーメン屋の親父が新婦の父親として出てくるから、プラマイゼロだぞ」

美希「ラーメンとラーメン屋の親父が歩くバージンロードなんて、ミキ想像したくないの」

響「さぞトンコツ臭い式場になるんだろうな」

貴音「ふふ、今から楽しみです」

真美「……で、カラオケど→する?」

春香「なんだかドッと疲れたから、今日はラーメンでも食べて帰ろうか」

美希「春香のそーゆーところはホント尊敬するの」

━翌日・披露宴会場━

響「なぜか招待されてしまった」

真美「真美は半分予想してたよ」

春香「小鳥さんとあずささんも連れてきたかったなぁ」

美希「まさかラーメンに先をこされるなんて思いもしなかっただろうね」

真美「それにしても、予想に反して会場は普通だね」

美希「定員100人くらいの、まぁ一般的な広さなの」

春香「問題は、その会場が既に人で埋まってることなんだけどね」

響「この会場をそのまま特別学級にした方がいいと思うぞ」

真美「せめて真美たちが逃げ出してからにしようよ」

春香「あっ、新郎新婦がでてきたよ」

響「もしかしたらラーメンマンとかラーメンババアが出てくるってオチを期待したけど
  これでもかというくらい普通のラーメンだった」

美希「まるで春香なの。お椀のデザインもどことなくアカ抜けてないの」

真美「聞こえちゃうよミキミキ。せめて今ぐらい仲良くしようよ」

響「そうだぞ。そうでなくても100人の狂人に囲まれて危機的な状況なんだからな」

美希「ごめんなさいなの」シュン

春香「『まるで春香』については否定しないの?」

真美「???」

響「???」

春香「今だけは仲良くしてあげるわ」

春香「通常の流れでいうと、次はケーキカットなんだけど」

美希「なにも出てこないの」

司会「続いてはファーストバイトです。四条さん、どうぞ」

貴音「かしこまりました」

真美「あ、お姫ちん」

響「姿が見えないと思ったら、あんなところにいたのか」

司会「新郎からの一口は『一生食べるものに困らせないから』という意味が込められています」

貴音「おいひゅい」ズルズル

美希「ヒデキを食ってる」

春香「友達じゃなかったのかな」

貴音「おかわり」カランッ

響「一口で完食したぞ」

真美「さっそく食べるものに困ってるよ」

新郎の親父「ヒデキのやつ……立派になって……」ウルッ

美希「泣いてるの」

響「立派になったというか、立派に生涯を全うしたというか」

春香「あっ!まさにこれは『結婚は人生の墓場』ってやつだね!」フフン

真美「無理してうまいこと言わなくていいよ、はるるん」

美希「ドヤ顔がうっとおしいの」

響「あんまりうるさいとリボン外すぞ」

春香「ここをあなた達の墓場にしてあげるわ」

司会「続いては新郎の友人からのスピーチです。星井美希さん、どうぞ」

美希「えっ!?」

貴音「私が推薦しておきました」

響「何勝手なことしてんだコイツ」

真美「ミキミキじゃ新郎の友人じゃなくて新郎の友人の友人になっちゃうよ」

貴音「新郎の友人ではないのですか?」

春香「新郎の友人の友人の友人じゃない?」

貴音「逆に新郎の友人が友人で友人も友人の友人より友人かもしれませぬ」

春香「新郎の友人が友人に友人に友人の絵を描いた」

真美「ユユユユユユユyyyyyyyyy」ヴーヴーヴー

春香「ああっ、真美が混乱している」

美希「とりあえずいってくるの」

貴音「ところで響、妙に静かでしたね」

響「『友人』って言葉を聞くと心が痛むぞ」

春香「それはいいことを聞いたよ」

美希「ミキね、オニギリが大好きなの。だからお米のラーメンがあればいいなって思ったの。
   そしたらハニーがね、『それはラーメンじゃなくてフォーだよ』って教えてくれたの。
   バルタン星人フォッフォッフォーなの」

ドッ ワハハハハ オニギリハー

響「ウケとる」

真美「新郎どころかラーメンの話でもないよ」

春香「可愛けりゃなんでも許されるとでも思ったら大間違いよ」

貴音「大変です、春香が血の涙を流しております」

響「半分は貴音のせいだからな」

美希「ミキね、イチゴババロアのつけ麺があれば売れると思うの。
   イチゴババロアのつけ汁にオニギリを浸して食べれば
   頭の中がおほしさまいっぱいでキラキラになっちゃうって思うな」

ウウッ ナケルワネ ハルカハドウシテソウナッチャッタノ?

響「泣いとる」

真美「もはやただのイチゴババロア茶漬けだよ」

貴音「さすがにこれは私も食指が動きません」

響「ていうかなんで皆泣いてるんだ?」

春香「きっと美希のかわいそうなおつむが哀れみを誘っているんだよ」

真美「はるるんが実にいい笑顔をしているよ」

貴音「響、これも半分は私のおかげですか?」ワクワク

響「こんなことで満面の笑みを浮かべる貴音が少しだけ遠くに感じるぞ」

貴音「シュン……」

響「よしよし」

貴音「///」

春香「チョロいなぁ」

真美「今日のはるるんほどじゃないよ」

司会「続きまして、新婦のヒデ子さんの友人からのスピーチです」

真美「ラーメン界では、名前に『ヒデ』をつけるのが流行ってるの?」

貴音「よき名前ではありませんか。『秀』も『英』も良い漢字です」

響「まぁな」

貴音「奇をてらった名前ではなく、読みやすく分かりやすい名前をつけるのが子供の為です」

美希「ここだけ聞くともっともらしく聞こえるの」

春香「ラーメンに普通の名前をつける人と、子供にキラキラネームをつける人、狂ってるのはどっちだろうね?」

真美「間違いなくどっちもだよ」

ハム蔵「ヒデキさん、ヒデ子さん、ご結婚おめでとうございます」

響「ハ、ハム蔵!?」

ハム蔵「本日は、こんなに楽しく素敵なパーティにお招きいただきまして、ありがとうございます」

真美「ものすごくマトモなスピーチがはじまった」

春香「ネットの例文そのままだけど、前が前だけにすごく賢く聞こえるねぇ」

貴音「春香が本当に楽しそう……呼んだ甲斐がありました」

美希「ミキはなんだか不愉快なの」

ハム蔵「どうも言い慣れない呼び方をしていると、緊張してしまって……」

真美「あ、真美知ってるよ。『いつものように○○と呼ばせてください』っていうヤツだ」

貴音「なんと呼んでいるのでしょうね」

春香「『ラーメン』以外に考えられませんけど」

ハム蔵「いつものように『ブタ太』と呼ばせてください」

響「!?!?!?」

美希「そういえばヒデ子さんはトンコツラーメンだったの」

響「そ、そんな……」

真美「そう考えるとハム蔵がスピーチしてるのも合点がいくよ」

貴音「故人の友人代表ということですね」

春香「ねぇねぇ、これこそまさに『結婚は人生の墓場』ってやつじゃない?」フフン

真美「うっとおしいよ、はるるん」

美希「思ってるほどうまくないからね、それ?」

ウギャアアアアア

真美「ひびきんの魂が窓から天へと昇っていく」

貴音「はたして響はなにが異常発達していたのでしょうか」ワクワク

美希「貴音がとびっきりの笑顔なの」

春香「こんなときでもそんな顔ができる貴音さんこそ、とびっきりの異常者ですよ」

響「うう……あんまりだぞ……」

貴音「響」ツンツン

響「なんだ……?」

貴音「どっきり大成功!」バーン

響「えっ?」

春香「ごめんね?私たちも今朝、話を聞かされたんだ」

真美「お姫ちんが一度、ドッキリをやってみたかったんだって」

貴音「恨まないでくださいまし。一番最後に会場に着いた人をターゲットにするつもりだったのです」

響「いや、ハム蔵の仕込みといい、明らかにターゲットは自分だろ」

美希「細かいことを気にし過ぎるとデコちゃんになっちゃうの」

真美「そういえば亜美が、ひびきんがこの前『貴音は頭にみそラーメンがカッ詰まってるからな』
   って言ってたのを、事務所で言いふらしてたのを思い出したよ」

貴音「ふふ、食べ物の恨みは恐ろしいのです」

春香「それは食べ物の恨みというのかなぁ」

貴音「大体、いくら私でもラーメンの結婚式を挙げるわけがないではありませんか」

春香「それには流石に同意しかねますね」

響「じゃあ、春香と美希の仲がヤケに険悪だったのも仕込みだったのか?」

真美「ひびきんはホントにおめでたいね」

美希「あれが演技だったらミキ達はグラミー賞が取れちゃうの」

春香「あっ、どうせならアマミー賞の方がよくない?」フフン

響「何度もいうけど、さっきからうまいこと言えてないからな?」

春香「友人、友人、友人、友人、友人、友人、友人……」

ウギャアアアアア

真美「ひびきんの魂が窓から天へと昇っていく」

貴音「では、はらみー賞というのはどうでしょう?」ワクワク

真美「お姫ちん、もうその話はやめようよ」

ハム蔵「一応ツッコんでおきますけど、それを言うならアカデミー賞だと思いますよ」

真美「ネタバラシも済んだし、解散だね→」

美希「お疲れ様なのー」

春香「ねぇねぇ、今日こそみんなでカラオケに行かない?」

貴音「申し訳ありません……明日は友人の誕生日パーティーがございまして……」

美希「誕生日パーティー?」

アラアラァァァァァ

真美「あずさお姉ちゃんの魂が窓から天へと昇っていく」

春香「もうすぐ誕生日だからね」

美希「それで、友達って?」

貴音「ヒデヒコといいます。昔ながらのしょうゆ顔です」

真美「そのヒデヒコさんは人間のヒデヒコさんなのかな?」

貴音「ふふ、それはとっぷしーくれっとです」



第二十一話 終わり

━第二十二話━

━外━

テクテク

絵理「知ってる愛ちゃん?抹茶アイスの緑色は、蚕のフンによるものなんだよ」ニヤニヤ

愛「そうなんですか!まるで夢子さんのキャンディですね!」

涼「別に夢子ちゃんのキャンディにはウンコは入ってないからね?」

絵理「…………」

まなみ「想像して気持ち悪くなったのね」

涼「自業自得だよ」

まなみ「ひょっとして怒ってる?」

涼「ちょっと」

愛「あっ、その理論でいくとチョコレートアイスの茶色は……」

絵理「あれ?愛ちゃん、あそこにかりんとうが落ちてるよ」

愛「えっ、本当ですか!」

テクテクテク

愛「……」ジーッ

愛「……」クンクン

愛「……」ツンツン

ダダダッ

愛「ひどいですよ絵理さん!かりんとうじゃなくて犬のフンでした!」

絵理「ふふっ、ごめんなさい?」

まなみ「触ってみないとわからなかったんだ」

涼「そのまま気づかなかったらどうなってたんだろう」

まなみ「涼ちゃんはなぜ止めなかったの?」

涼「怒ってますから」

亜美「あっ、愛ぴょん達だ→」

絵理「亜美ちゃんと真美ちゃんだ」

涼「こんにちは、亜美ちゃん真美ちゃん」

真美「ねぇねぇ、みんなどったの?」

愛「抹茶アイスが蚕のフンだと思ったら、実はかりんとうが犬のフンだったんですよ!」

亜美「ウンコまみれだね」

真美「天真爛漫な愛ぴょんの口から、こんな汚らしいセリフが出てくるとは思わなかったよ」

亜美「きっとそこの引きこもりの仕業だよ」

絵理「なぜわかった」

真美「愛ぴょんがしゃべってるときに、春風のように爽やかな微笑みを浮かべていたからね」

絵理「愛ちゃんはかわいいなぁ、って思っただけ?」

涼「流石にそれは無理があるよ」

絵理「ひぅっ」

まなみ「あらあら、本当に今日の涼ちゃんは容赦ないわね」

涼「二人はどこに行くところなの?」

亜美「ゲームで負けたから、罰としてコンビニまでパシらされてるんだYO!」

真美「Wiiとかだったら絶対勝てたのにね→」

絵理「何のゲームだったの?」

亜美「山手線ゲームだよ」

真美「お題は『ミキミキっぽいもの』でね」

愛「私だったら1、2周で負けちゃいそうだな」

亜美「何周したかは覚えてないけど、軽く2時間はやってたかな」

まなみ「美希ちゃんっぽいものってそんなにあるのかしら?」

真美「みんな昆虫図鑑を片手にやってたからね」

絵理「星井さんはその場にいたの?」

亜美「本人の前でやると思う?」

真美「765プロのアイドルはみんな仲良しなんだYO!」

まなみ「覚えておきなさい涼ちゃん。これが事務所の同僚との付き合い方よ」

涼「勉強になります」

亜美「そんで、みんなはどこに行くところなの?」

愛「バラエティ番組の収録を終えて帰ってきたところだよ」

真美「3人一緒に出演するなんて、珍しいね」

絵理「ウチは基本ソロ活動中心だからね」

亜美「みんな一緒の方が楽しいのになぁ」

真美「ねぇねぇ、そしたらこれからウチにきてみんなでゲームしようよ!」

涼「律子姉ちゃんはいるの?」

亜美「いないって言えば来てくれるの?」

涼「どうだろうね」

真美「りっちゃんは765プロ・ヨハネスブルグ支部に出向になったよ」

涼「じゃあ僕も行こうかな」

亜美「涼ちんは素直だなぁ」

まなみ「気持ちはありがたいんだけど、まずは社長に今日の報告をしないと」

真美「そっかー。あずにゃんマンがそういうなら、ちかたないね」

まなみ「あ?」

まなみ「あずにゃんマンって何かしら?」

亜美「実は、『けいおん!』にはあずにゃん二号なるキャラが存在することが判明したんだ」

真美「そうなると、ウチのあずさお姉ちゃんはあずにゃんV3となって」

亜美「あずさ二号の異名を持つまなみお姉ちゃんは、あずにゃんマンとなるわけだよ」

まなみ「納得いかないわ」

絵理「ライダーマンもかっこいいですよ?」

まなみ「ライダーマンが魅力的なのは認めるけど、年齢的にいえば私が一番上じゃない?」

真美「じゃあ、これからはあずにゃんゾフィーと呼ぼう」

愛「ゾフィー隊長!」

まなみ「やめやめ。誰が一番とかそういうのはくだらないわ」

涼「アイドルのマネージャーにあるまじき発言だ」

亜美「あずさお姉ちゃんにしてもまなみお姉ちゃんにしても、どうしてあずにゃん呼ばわりされるのを嫌うのだろう」

真美「『あずにゃんみたい』って、普通はホメ言葉なのにね」

絵理「パチモノ扱いされるのが嫌なんじゃない?」

涼「まなみさんにいたっては、パチモノのパチモノ扱いだし」

愛「ぱち?ぱちぱち?ぱちんかす!」

まなみ「まぁ、愛ちゃんの頭がショートしちゃったわ」

亜美「まぁでも、パチモノ扱いが嫌ってのは理解できるね」

真美「真美も去年は亜美のパチモノ扱いだったからね」

涼「そうだったんですか?」

真美「真美にも不遇の時代があったのだよ」

愛「ぱーちーぱーちーぱちぱちぱーちっぱいちっぱいぱいぱいぽー」

絵理「愛ちゃんはかわいいなぁ」

まなみ「これ以上は魔物を召喚しそうだからやめましょうね」

絵理「ナニを召喚するんですか?」

まなみ「さぁ、72かしらね」

亜美「去年は、亜美と真美は二人で一人のス→パ→アイドル『双海亜美』をやっていたからね」

絵理「自分でスーパーとか言っちゃってる」

涼「なんでそんなことをしてたんですか?」

真美「ファンの兄ちゃん姉ちゃんのマニア心をくすぐるためだよ」

愛「?」

亜美「公式的には一人のアイドルであるはずが、よく見ると日によって微妙に細部が異なる」

真美「シンジツを暴くために、兄ちゃん姉ちゃんは同じライブに何度も足を運ぶのさ」

亜美「あと、同じCDでも品番によって亜美が歌ってたり真美が歌ってたり」

真美「そうすることで、一人で二人分の売り上げを稼ごうとしてたのさ」

涼「実に回りくどいね」

絵理「普通に別々に売り出した方が早い?」

まなみ「まるでジュラル星人ね」

愛「あみ?まみ?あまみ?すーぱーあいどる!あまみはるかさんです!」プスプス

まなみ「まぁ、愛ちゃんの頭から煙が出ているわ」

亜美「ちょうどここに抹茶アイスがあるよ」

真美「食べさせてみよう」

愛「……おいしい!蚕のうんち食べたら治りました!」ハナマル ハナマル

涼「声が大きいなぁ」

絵理「ヘルメットを持ってくればよかった」

亜美「似ているといえば、愛ぴょんと涼ちんのチンコ頭はよく似ているねぇ」

真美「どっちがパチモノなのかな?」

絵理「うーん、同期だしどっちがパチモノってのはないかな」

涼「絵理ちゃん、ちょっとはフォローしようよ」

絵理「それじゃ私達っぽくない?」

涼「確かに」

まなみ「いいことを思いついたわ!愛ちゃんと涼ちゃんで『ダブルディルド』ってデュオはどうかしら?」

愛「876プロ初のデュオユニット爆誕ですね!」

涼「ナニ言ってんだコイツら」

亜美「愛ぴょんにつられて、あずにゃん・テトラも頭がヤラれちゃったんだ」

真美「あのアホ毛から毒電波を受信しちゃったんだね」

絵理「ガーベラ・テトラって、ガンダム試作四号機ってこと?」

涼「流石にわかりにくいよ、それは」

亜美「でも『あずにゃん試作三号機』ってあだ名は、あずさお姉ちゃん的には大ヒットだったよ」

絵理「最終的な主人公機だから?」

涼「『あずにゃんV3』はなんでダメだったのかな」

真美「あずさお姉ちゃんは、仮面ライダー一号の世代だからね」

絵理「なるほど」

涼「いや、そんなに年食ってないでしょ」

亜美「ここだけの話、765プロのプロフィールは自己申告だから、なんとでもごまかせるんだ」

絵理「夢も希望もないね」

真美「本人がいうには、今21歳だっけ?」

亜美「今月の19日で21歳じゃなかった?」

涼「そのへんにしとこうよ」

真美「なんで?」

涼「色々と身の危険を感じる」

亜美「ですよね」

まなみ「みんなが私を無視する」サメザメ

涼「いい大人が泣かないでください」

まなみ「それで、『ダブルディルド』の感触はどうかしら?」ケロッ

亜美「その言い方は別の意味に聞こえるよ」

愛「見てください、これが『ダブルディルド』のダンスです!」グルグルブルブル

絵理「愛ちゃんが小刻みに震えながら、思い切り頭を振り回してる」

真美「すごい再現性だ」

亜美「よーし愛ぴょん、このまま涼ちんのケツに突撃豆タンクだ→!」

愛「わっかりましたー!!」ブルブルグルグル

涼「おいやめろ」

亜美「ごめんなさい」

真美「今日の涼ちんは怒りっぽいなぁ」

絵理「きっと女の子の日なんだよ」

亜美・真美・絵理「ゲラゲラゲラゲラ」

涼「みんなのロッカーにありったけの毛虫を入れてやる」

まなみ「やめなさい涼ちゃん、ホントに女の子みたいよ」

亜美「正直言うと、涼ちん一人で既に『ダブルディルド』だよ」

絵理「確かにそうだね」

まなみ「涼ちゃんが、頭と涼ちんを女の子の股に挟まれる絵面を思い浮かべると、胸が熱くなるわ」ハァハァ

真美「また毒電波を受信しちゃってる」

亜美「多分、ぴよちゃんが窓を開けて仕事をサボってるんだ」

愛「いいことを思いつきました!『海賊狩りのゾロ』っていうのはどうでしょう?」

まなみ「愛ちゃん・涼ちゃん・涼ちんで三刀流、ってことね」

絵理「愛ちゃんにしてはやるじゃない」ナデナデ

愛「わーい、久しぶりに絵理さんの目が笑いました!」

まなみ「今夜はお祝いね」

涼「お前らを呪ってやる」

真美「ホント女の子みたいだよ、涼ちん」

涼「女の子ってそんな陰湿なの?」

亜美「話も区切りがついたし、そろそろ亜美達は帰るよ」

真美「アイスも溶けちゃうしね」

まなみ「せっかくだし、愛ちゃん達もご一緒したら?」

愛「さっきと言ってることが違いますよ」

絵理「でもこれは別に悪いことじゃないし、乗っておこう?」

涼「再確認するけど、律子姉ちゃんは本当にヨハネスブルグで死んだんだよね?」

亜美「しつこいなぁ、ホント女の子みたい」

真美「てか別に死んだとは言ってないよ」

愛「戻ったら何のゲームをするの?」

亜美「亜美たち的には、山手線ゲームでリベンジしかないっしょ→!」

真美「うんうん!お題は『はるるんっぽいもの』だね!」

まなみ「春香ちゃんっぽいものってそんなにあるのかしら?」

亜美「昨日『あの人は今?』芸人スペシャルを5年分ブッ続けで見たからね」

真美「真美たち的には、ちょ→ホットなお題だYO!」

涼「なんでそんな無駄なことをしてるの?」

亜美「アイドルにとって無駄な知識はないんだよ」

真美「どんな知識でも仕事に生かすのがトップアイドルっしょ」

涼「アイドルって大変だなぁ」

絵理「その知識からは、反面教師的な生かし方しかできそうにない?」

絵理「ところで、春香さんは事務所にいるの?」

亜美「いるよ。お題がミキミキのときはすっごい楽しそうに昆虫図鑑を見てたよ」

涼「本人の前ではやらないんじゃなかったの?」

真美「はるるんなら大丈夫だよ」

亜美「『あっその芸人知ってる!昔流行ったよねー!』」

真美「『私もその人みたいに、流行を作り出せるってことだよね。えへへ、嬉しいなぁ』」

亜美「と、まぁこんな感じだろうね」

愛「さすが春香さんです!」

涼「愛ちゃんが言うと本気で尊敬しているように聞こえる」

真美「真美たちだって、本気ですごいなぁと思ってるよ?」

亜美「765プロのアイドルはみんなお互いのことをすごいなぁって思ってるからね」

絵理「すごい『なぁ』ってところがポイントだね」

まなみ「覚えておきなさい涼ちゃん。これが事務所の同僚との付き合い方よ」

涼「勉強になります」



第二十二話 終わり

━第二十三話━

亜美「ねぇ、ぴよちゃん」

小鳥「なぁに?」

亜美「どうしてぴよちゃんはクビにならないの?」

小鳥「亜美ちゃん」

亜美「何?」

小鳥「ここで言ったらみんなに気づかれてしまうわ」

真「周りが気づいてないとでも思っていたんですか?」

雪歩「きっとクビになるギリギリまでサボり続けるつもりだったんだよ」

真「なんてハタ迷惑なチキンレースなんだ」

雪歩「こうなったら強制的に崖から突き落としてやろうよ」

亜美「しゃちょ→、しゃちょ→!」

社長「いや、気づいてるからね?」

小鳥「ピヨッ!?」

亜美「社長がモ→ロクしてないとすると、どうしてクビにならないんだろう」

社長「モーロクて」

律子「対外的な理由ね」

真「どういうこと、律子?」

律子「小鳥さんをクビにしてしまうと、事務仕事はすべて私が兼任することになるでしょう?」

雪歩「今とまったく変わりませんよね」

律子「実情はそうなのだけど、専任の事務員がいないというのはイメージ的によくないのよ」

社長「事務所の経営状況が悪く見えるし、律子くんがプロデューサー業をおろそかにしているようにも取られかねない」

亜美「ややこしいね」

社長「というわけで音無くんはクビにはできないのだよ」

小鳥「何もしなくていい、いてくれるだけでいい!夢にまで見たお姫様のポジションね!」キラキラ

律子「下手に処分もできないなんて、ホント厄介な産業廃棄物ね」ヤレヤレ

真「同じものについて言ってるのに、言葉が違うだけでこうもイメージが変わるとは」

雪歩「日本語って難しいね」

亜美「ところで、いなきゃいけないのは『事務員』であって『小鳥さん』ではないよね?」

小鳥「亜美ちゃんは何を言わんとしているのかしら」

律子「とても大事なことですよ」

小鳥「亜美ちゃん、私は亜美ちゃんが大好きよ?」

真「情に訴えかける手段に出た」

雪歩「最初から最終手段だよ」

律子「小鳥さんには他にカードがないからね」

小鳥「配られたカードで勝負するしかないのよ」フフン

真「今までカードの無駄遣いをしていたのは他ならぬ自分ですよ」

雪歩「それにしても、せめて亜美ちゃんの弱点の一つでも押さえてれば勝ち目があったのに」

律子「ミキとかだったらオニギリをちらつかせれば陥落できたのにね」

小鳥「……!私、亜美ちゃんにだったらイタズラされてもいいわっ!」ハァハァ

真「自分で言って自分で興奮してる」

雪歩「気持ち悪い」

亜美「大体、待ち構えている相手にイタズラしたって面白くないっしょ」

社長「というかそもそも、亜美くんを押さえても状況は好転しないからね?」

小鳥「社長にイタズラされるのはちょっと……でも中年男性に凌辱されるのもそれはそれでAVみたい……」ドロドロ

真「また溶けてる」

雪歩「本当に気持ち悪い」

亜美「まぁそこの珍妙な生き物はおいといてさ」

律子「もはや生き物と言っていいものかどうかすら怪しいけど」

亜美「珍小鳥が仕事をしなくても事務員を名乗っているということは……」

真「ちんこちんこ」

雪歩「真ちゃん落ち着いて」

亜美「逆に私たちが事務員を名乗って、事務員アイドルという新ジャンルを確立できるチャンスなのでは!」

律子「あら?」

真「事務員アイドルって需要あるの?」

雪歩「分からないけど、『一社に一人』的な感じで出張サービスすれば売れるんじゃないかな」

小鳥「アイドルが出張サービスなんて胸がときめくわ」ニュルニュルニュル

真「でもその事務員アイドルは、事務員としての仕事はしないんでしょ?」

亜美「お世話をしないお世話ロボットが国民的人気キャラになってるんだから、問題ないっしょ」

雪歩「確かに」

小鳥「でも、アイドルの仕事はしてくださるんでしょう?」クチュクチュ

亜美「マッサージはアイドルの仕事じゃないよ」

律子「あー、ちょっと待ってちょっと待って」

亜美「どったのりっちゃん?」

律子「みんな去年の私を覚えてるかしら」

真「残念だけど記憶にないなぁ」

雪歩「メガネかけてましたよね」

律子「それは今もよ」

小鳥「自分の方がナイスバディなのに、千早ちゃんに『スタイルがいい』って言って激怒させてたわね」

律子「私なんて寸胴だし、ナイスバディだなんてそんな///……ってそうじゃなくて!」

社長「はっはっは、実にいいねぇ。照れてる律子くんを見ると股間がティンときたよ」

小鳥「通報しました」

亜美「ぴ、ぴよちゃんがはじめて仕事をした!」

真「やーりぃ!」

雪歩「今夜はお赤飯ですぅ」

社長「キミ達」

亜美「冗談はおいといて、ローソンの制服を着てたよね」

律子「それもそうなんだけど」

真「他にありましたっけ」

律子「メガネでおさげで事務員兼任のアイドルだったわ」

雪歩「ああ……そういえば」

律子「つまり、亜美が言った『事務員アイドル』は、既に私が一年前に通った道なのよ」エッヘン

亜美「りっちゃんのは、『売れない事務員アイドル』でしょ?」

真「実際一年でプロデューサーに転向したし」

雪歩「似て非なるものです」

律子「アンタ達の顔を似ても似つかないようにしててやろうかしら」

真「まぁ、今はプロデューサー兼アイドルとして成功してるからいいじゃない」

亜美「心配しなくても、りっちゃんはかわいいですよ?」

律子「そ、そうかしら///」

小鳥「ふふっ、めでたしめでたしね」

雪歩「小鳥さんはもう少し自分の心配をした方がいいですよ」

小鳥「あら?私のお姫様ポジションは安泰でしょう?」

真「社長が捕まって新社長が律子になったから、小鳥さんはクビですよ」

小鳥「な、なんだと」

律子「新しい事務員はワニ子にするわ」

亜美「ミドリつながりだね!」

小鳥「みんな、私との別れが辛くないの?」

亜美「今まで楽しかったよ、ぴよちゃん」

真「ライブのときはチケット送りますね」

雪歩「半径3メートル以内に入ったらお茶をブッかけますからね」

小鳥「律子さんの頭って腐ったパイナップルみたいでステキだわぁ」

亜美「さっそくりっちゃんに取り入ろうとしている」

真「現金な人だなぁ」

雪歩「明らかに逆効果だけどね」

律子「」ギュッ

小鳥「ゲフッ」

亜美「チョ→クスリ→パ→だ!」

真「ギュッてした!!」

雪歩「ああ、ギュッってしたな!」



第二十三話 終わり

一部の人にしか伝わらないかもしれませんが、ちょっと話をさせてください。

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雑談スレの方で、けいおん!SSのセンパイシリーズのパクリを指摘されました。
ただ、恥ずかしながらどのあたりがアウトだったのか(リスペクトの域を超えて
パクリとなってしまったのか)自分では分からず、困っています。

「どの話もパクリだろ」と言われてしまえばそれまでなのですが、
「○○話あたりはまだマシ」というのがあれば、そのあたりの話の雰囲気を維持
したいので、よろしければ是非ご教示ください。

蛇足かもしれませんが、指摘いただいた方には感謝しています。
無自覚にパクリ続けることが一番怖かったので。
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この手の話に興味のない方、お目汚し大変失礼しました。
次の話は八時頃、投下します。投下ペースはあまり変えないつもりです。

皆様、レスありがとうございます。当面は気にし過ぎず、でも一定パクリには気をつけて書きたいと思います。
どうやら丸パクリの部分があったようなのですが、まだ該当箇所は分かってませんので、土日にセンパイシリーズを確認してみます。
ご指摘のとおり、「リスペクトです」というとかえって言い訳っぽいですね。

これ以上長々と書くと、それこそ言い訳がましくなるので、このへんにしておきます。
では第二十四話を投下します。

━第二十四話━

━765プロ━

律子「うーん……」

伊織「どうしたの、律子?」

律子「今度バラエティー番組のゲストにウチからアイドルを一人出すんだけどね、誰にしようかなと」

伊織「へぇ、なんて番組?」

律子「レロレロキッチン」

伊織「ゲロゲロキッチン?」

律子「レロレロキッチン」

伊織「猛烈に嫌な予感がするわ」

律子「伊織も大分、危機察知能力があがってきたわね」

伊織「お褒めに預かり光栄だわ。それじゃ」

律子「待って!一人で考えてると煮詰まっちゃうの!」

伊織「私を巻き込むんじゃないわよ!」

律子「やよいー!やよいー!」

伊織「いい度胸してるじゃない……付き合ってあげるわよ」

律子「えへへ」

伊織「で、そのレロレロなんとかはどんな番組なの?」

律子「レロレロキッチンは料理番組なんだけどね」

伊織「キッチンだからね」

律子「アイドルが二枚舌チームと舌先三寸チームに分かれて対決するの」

伊織「やっぱりレロレロは舌でなめる音なのね……。てか、なんてチーム名なのよ」

律子「実にアイドルっぽいでしょ?」

伊織「アンタ、アイドルを詐欺師か何かと勘違いしてるんじゃない?」

律子「そんなことないわ、アイドルは皆にひと時の夢を見せる天使よ」

伊織「やっぱり詐欺師じゃない」

伊織「で、料理を作って、美味しかった方が勝ちってこと?」

律子「まさか。レロレロキッチンでは、料理をアイドルがなめまわして唾液コーティングして完成なのよ」

伊織「お疲れ様」

律子「やよいー!やよいー!」

伊織「……ったく。で?」

律子「えへへ」

伊織「で?」

律子「あとは普通に審査員が試食して勝敗を決めるんだけど、料理は抽選で毎週一名様にプレゼントするのよ」

伊織「正気なの?」

律子「倍率は百万倍と聞くわ」

伊織「日本は狂ってるわ」

伊織「そんな番組に出るのは死んでもごめんだけど、今までウチにオファーがなかったのは不思議ね」

律子「二枚舌チームは毎週いぬ美がレギュラーだからね。同じ事務所内での対決は避けてきたのよ」

伊織「いぬ美のなめまわした料理をプレゼントしてきたの?」

律子「倍率は五百万倍と聞くわ」

伊織「今まで食中毒にかかった人はいなかったのかしら」

律子「そういう苦情はきてないわね」

伊織「『犬のなめまわした料理を食べて腹を下した』なんて、恥ずかしくて誰にも言えないだけじゃない?」

律子「犬のなめまわした料理を食べる狂人に、羞恥心なんてあるのかしら」

伊織「この番組の行いが正気の沙汰ではないという認識はあるみたいで安心したわ」

律子「えらい?えらい?」

伊織「今日の律子はいつもに増して狂ってるわね」

やよい「きっと社長業務の心労がたたったんだよ」

伊織「やよい、いつの間に」

やよい「さっき律子さんに呼ばれたよ」

律子「えらい?えらい?」

伊織「ひらがなばっかりで、ちょっとエロい」

やよい「能美クドリャフカちゃんの声みたいです!」

律子「正座」

やよい「はい」

伊織「でもそうすると、どうして今回に限ってウチからゲストを出すの?」

律子「今度のは二時間スペシャルなのよ。前の時間帯の番組が打ち切りをくらってね」

やよい「どんな番組だったんですか?」

律子「主人公の女の子が、学校の様々なトラブルを糞尿をまき散らして解決する話」

やよい「現代のスケバン刑事ですね!」

伊織「脚本家は糞尿系のトラウマでも抱えているの?」

律子「きっと自身のトラウマをドラマの演出で塗りつぶそうとしているのね。糞尿だけに」

伊織「ホント今日の律子はどうしちゃったのかしら」

やよい「主演は響さんですか?」

伊織「ホント今日のやよいはどうしちゃったのかしら」

律子「それにしても、伊織も随分会話がスムーズになったわね」

伊織「昔はコミュ障だったみたいな言い方はやめてもらえるかしら?」

律子「決めたわ、今回のゲストは伊織にしましょう」

伊織「冗談は髪型だけにしなさいよ……大体、私に料理はできないわよ」

律子「誰の頭が腐ったパイナップルだゴラァァァァァ!!」ワフー

やよい「大丈夫だよ、伊織ちゃん。レロレロキッチンは、料理はADさんが作ってるんだよ」

伊織「それ、詐欺じゃないの?」

やよい「唾液まみれになった時点で料理の味なんてわからないし、誰が作っても同じだよ」

伊織「確かに」

律子「ねぇねぇ、むししないでよ」クイクイ

伊織「よしよし」

律子「えへへ」

伊織「やっぱり今日の律子はおかしいわ」

やよい「脳みそは腐ってるかも」

律子「伊織もダメかぁ……どうしようかしら」

やよい「いっそ新人に任せてみるっていうのはどうですか?」

伊織「新人?」

やよい「今、プロデューサーが面接してるよ」

律子「いいわね。使えそうなら、さっそく話を持ちかけてみましょう」

伊織「ショックで辞めちゃうわよ」

律子「大丈夫。天井のシミを数えていればすぐ終わるわ」

やよい「料理をなめながら天井を見上げたら、アヘ顔になっちゃいます!」ピョンピョン

律子「ふふ、倍率は一千万倍はカタいわね」

伊織「やっぱり今日のやよいはおかしいわ」

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―――――――――――――――――
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

司会「さて今週もはじまりました、レロレロキッチン!二枚舌チームはおなじみ、765プロ・いぬ美ちゃんです!」

いぬ美「にょわー☆みんなのいぬ美、今日も頑張っちゃうよぉ☆」

司会「対する舌先三寸チームは、765プロの期待の新人、カモ先生です!」

カモ先生「よろしくお願いします」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

美希「キャー、カモ先生ステキなの!ミキ、お股が濡れ濡れになっちゃうの」

千早「クソビッチ」

伊織「この番組はどの層に人気なの?」

律子「『どうぶつ奇想天外!』が放送終了してから人気があがってゴールデンに昇格したらしいわ」

やよい「ライバルは『天才!志村どうぶつ園』ですね」

伊織「それにしても、よくカモ先生が働く気になったわね」

千早「毎日お堀にプカプカ浮いて過ごしてたんじゃなかったかしら?」

P「どうやら、医療費がかさんできたらしい」

やよい「お医者さん代ですか?」

律子「最近、脂肪分と塩分の摂り過ぎで体調を崩してきたみたいなのよ」

美希「きっと心無い人がカモ先生に悪い食べ物をあげてるの!ミキ許せないの!」

千早「美希、フライドポテトってどんな食べ物だか知ってる?」

美希「おいしい食べ物だよ?特に千早さんみたいに細いヤツは、カリカリに揚がっててすっごくおいしいの!」

千早「うんこビッチ」

伊織「ねぇ、美希に色々教えてあげないの?」

P「うーん、ブレイクするかもしれないからもう少し様子見かな」

律子「体調が治ったら引退しちゃうかもしれないからね。カモだけに」

美希「律子が千早さんみたいなダジャレを言ってるの」

やよい「やっぱり脳みそが腐ってるかも」

律子「カモだけに」

やよい「……チッ」

伊織「や、やよい?」

やよい「えへへ」

伊織「やれやれ、とんだブラック事務所に所属してしまったものだわ」

美希「ストレスでデコちゃんみたいにならないよう気をつけてね。……あっ、デコちゃんだったの。てへっ」

伊織「太陽拳!」ピカー

美希「うぎゃぁぁぁぁ溶けるなのぉぉぉォォォォォ!!」ドロドロ

千早「これよ!これこそ私の夢見た光景よ!」メトメガアウー

やよい「悪夢です」

伊織「うるさい!」ピカー

千早「うぎゃぁぁぁぁァァァァァ!!」ドロドロ

ピカー ウワァァァァァ

ピカー マホウヲカケテェェェェェ



やよい「伊織ちゃんが破壊神のごとく暴れまわってる」

カモ先生「ストレスのせいだね」

やよい「カモ先生、いたんだ」

カモ先生「テレビは収録だからね」

いぬ美「ブラック企業に勤めて心を壊す人はたくさんいるわ」

カモ先生「僕たちも気をつけないとね」

やよい「はい!」



第二十四話 終わり

━第二十五話━

━765プロ━

美希「ミキ、三角関係がしたいの」

真「どうしたんだい、藪から棒に」

亜美「あ!まこちんが藪から棒っていうとヒワイに聞こえるね!」

真美「ジャングルから棒がニョキニョキ~ンって感じだYO!」

雪歩「ねぇ真ちゃん、真ちゃんの藪をつついていいかな?」ドキドキ

真「最近蛇拳を覚えたから、ちょうど技を試したかったところなんだ」バキボキ

亜美「で、なんでミキミキはそんなことを言い出したの?」

美希「三角と言えばオニギリなの。だから三角関係っていうのはきっと、すっごくおいしいゴチソウだと思うな」

真「何言ってんだコイツ」

真美「ご馳走だと思ってるのに、最初に三角関係『したい』と言ったのはこれいかに」

雪歩「脳みそにベチャベチャのお米しか入ってないから、難しい日本語は使えないんだよ」

亜美「『したい』と『食べたい』の違いは難しいのかなぁ」

真「それが難しいレベルなんでしょ」

真美「ミキミキと接するのが難しく思えてきたよ」

小鳥「いいえ!美希ちゃんの言うとおり、三角関係はオイシイのよ!」

雪歩「小鳥さん、いたんですね」

亜美「おかしいと思ったら、やっぱりぴよちゃんの仕業だったんだね」

真「ていうか、クビになったのになんでいるんですか?」

P「紹介が遅れたな。この人は事務所の清掃員のピヨさんだ」

小鳥「ゲヘヘ、ピヨでゲス」ヘコヘコ

真美「すごい卑屈になってる」

雪歩「職業に貴賤はないのにね」

P「お給料が三分の二になったからな」

亜美「世知辛いね」

真美「なんでちゃんと仕事をしてるのにお給料が減るんだろう」

真「きっと仲介業者が中抜きしてるんだ」

小鳥「中で抜く?真ちゃんが?清掃員のお掃除フェラで中出しイキマァァァァァスッッ!!」ビクビク

亜美「わぁ、あたり一面ビチョビチョだ」

P「納得したか?」

雪歩「妥当な評価だったんですね」

小鳥「それで、話を戻すとして」

真「復活が早いなぁ」

美希「話を戻してくれるのはありがたいけど、床を掃除してからにしてほしいの」

小鳥「レロレロレロレロ」ベチャベチャ

真美「床をなめてる」

雪歩「エロ漫画によくある展開だね」

亜美「『なめてキレイにしなさい』ってセリフがあるけど、あれは間違いなく汚してるだけだかんね」

真「というか雪歩はエロ漫画なんて読んでるの?」

雪歩「真ちゃんのベッドの下にあったよ?」

真「ボクの少女漫画はエロ本じゃないよ!」

真美「なんでまこちんは少女漫画をベッドの下に隠してるんだろう」

亜美「最近の少女漫画はカゲキだかんね」

美希「雪歩ばっかりずるいの!ミキも真クンのベッドの下に隠れるの!」

真美「それはホラー漫画だよ」

小鳥「さっきの美希ちゃんのセリフで思いついたんだけど、美希ちゃんと真ちゃんと雪歩ちゃんで三角関係をすればいいと思うの」ビチョビチョ

P「本当にロクなことを思いつきませんね」

亜美「胸のあたりがヨダレで濡れててスゴく臭い」

真美「戦犯はまこちんだね」

真「なんでだよ!美希の発言が原因だろ!」

美希「ミキにそんなことを言わせちゃう真クンが罪な男なの」

雪歩「小鳥さんが床をレロレロなめたのも、真ちゃんのエロ漫画のせいだしね」

亜美「そうだっけ?」

真美「面白いからそうしておこう」

P「満場一致だな」

真「ぐっ……」

亜美「罰として床をレロレロなめなよ、まこちん」

真「レロレロレロレロ」ベチャベチャ

真美「チュ→チョなしだよ」

P「さすが男らしいな」

雪歩「真ちゃんの罪は私の罪だよ!私も一緒に償います!」

雪歩「レロレロレロレロ」ベチャベチャ

美希「ずるいの!美希も一緒になめるの!」

美希「レロレロレロレロ」ベチャベチャ

真・雪歩・美希「レロレロレロレロレロレロレロレロ」ベチャベチャベチャ

真美「おぞましい光景だ」

P「エロ漫画でも見たことないぞ、こんなの」

亜美「完全にホラー漫画の領域だね」

真美「でも三人とも幸せそうだ」

P「これが三角関係なんだな」

小鳥「違う、違うの!これはこれでお股がビショ濡れだけど、三角関係はそんなのじゃないの!」ビショビショ

P「本当にロクな発言しませんね」

亜美「お股からヨダレが出ててスゴく臭い」

真美「亜美、あれはヨダレじゃないよ」

亜美「??」

P「真美はおませさんだなぁ」

真美「や、ヤダ兄ちゃん何言ってんのさ!///」

小鳥「イイわっ!真美ちゃんから香る思春期特有のメスの匂いが実にイイィッ!!」ビクビク

亜美「いいからオマエも床なめに参加してこいよ」

小鳥「ゲヘヘ、いってくるでゲス」

真「オラァ!」バキッ

小鳥「コブラッ」バターン

P「な、なんだあの技は」

真美「蛇拳だね」

雪歩「当然の報いですぅ」

美希「ミキ達の楽園に踏み込もうなんて、悪いヘビさんなの!」

小鳥「三角関係っていうのはね、もっとドロドロしているものなのよ」

真美「もう回復してる」

真「本当に復活が早いなぁ」

小鳥「例えばそうね……左から美希ちゃん、雪歩ちゃん、真ちゃんの順に並んでみてくれる?」

  美希‐雪歩‐真 (↓こっちを向いてる)

小鳥「それでまずは、雪歩ちゃんの頭を真ちゃんの右肩に乗っけてくれる?」

  美希‐雪歩真 (↓こっちを向いてる)

雪歩「ハァハァハァハァ」ダラダラ

真「雪歩、ヨダレが垂れてる」

美希「ガルルルル」

小鳥「それで今度は、ちょっと目線を下に降ろして、腰のあたりに注目ね」

P「はい」

小鳥「雪歩ちゃんに見えないように、美希ちゃんと真ちゃんは後ろで手をつないでほしいの」

   ┏━━━┓
  美希‐雪歩真 (↓こっちを向いてる)

亜美「わぁ、一瞬でまこちんがスケコマシにランクアップしたよ!」

真美「イトウマコトだね!」

真「美希、なんか手がベトベトしてるんだけど」

美希「ミキのヨダレなのっ」

雪歩「ブツブツブツブツ」

※ちょっと違うけど、参考画像
http://www5e.biglobe.ne.jp/~tobutobu/neta_new/sankaku_kankei.jpg

小鳥「それで最後は、さらに目線を下に降ろして、ケツのあたりに注目ね」

P「はい」

小鳥「雪歩ちゃんのスコップで、美希ちゃんのケツの穴をドリルライナーよ!」

雪歩「ミスミスミスタードリドリラァァァァァァァァ!!」ズリュズリュズリュ

美希「オニギリナノォォォォォ!!」ビクビクビクッ

   ┏━━┓
  美希雪歩真 (↓こっちを向いてる)

亜美「すごいすごい!三人が一つにつながったよ!」

真美「これがアクエリオンの真の力なんだね!」

冬馬「創聖合体!」

亜美「どったの、あまとう?」

冬馬「呼ばれた気がして」

P「いいから床でもなめてろよ鬼ヶ島」

冬馬「ウワワワァァァァァ!?!?」ブルブル

真美「またあまとうの古傷に触れちゃったみたい」

P「一体いくつ古傷を持っているというんだ」

亜美「まるで全身性感帯だね」

P「亜美ったら、そんなエッチな言葉をどこで覚えたんだ?」

亜美「や、ヤダ兄ちゃん、ちゃかさないでよぅ///」

小鳥「イイわっ!耳年増な女の子!セーラー服を脱がさないでェェェェェ!!」ビショビショ

真美「おニャン子世代は黙っててよ」

P「リアル年増」

小鳥「バレンタインキッスゥゥゥゥゥ」ジュウウウウウ

小鳥「そんなわけで、三人の中で三組のカップリングが成立しているのが正しい三角関係なのよ」

真美「またもや回復してる」

亜美「いい加減怖くなってきたよ」

真「雪歩と美希のは、恋愛というより憎しみの果ての殺戮劇に見えたけどなぁ」

雪歩「私はどっちでも構わないよ♪」

P「いい笑顔をするようになったな」

美希「雪歩にそんな風に言ってもらえて、ミキも幸せなの♪」

雪歩「み、美希ちゃん///」

真美「あれあれ、どうしたんだこれは」

亜美「まさかぴよちゃんの言うとおりになるとは」

P「さっき小鳥さんのヨダレのついた床をなめていたせいだな」

真美「脳がウイルスにやられちゃったんだね」

亜美「いよいよ冗談抜きでホラー漫画じみてきたよ」

真「……」ガクガク

雪歩「美希ちゃん、あーん」

美希「雪歩に食べさせてもらうオニギリはすっごくおいしいの!」

イチャイチャ イチャイチャ

真「ウイルスのことはおいといて、なんだか疎外感がハンパないよ」

真美「それをおいとける時点で、大分脳がウイルスに侵食されてるよ」

亜美「まこちんの境遇は、元カノ同士が仲良くなっちゃったスケコマシのそれに似ているね」

P「元カレの悪口トークに華を咲かせてるんだな」

真美「こうして、まこちんの周りの女の子はみんな離れていくんだね」

亜美「女っタラシの悲しい末路だね」

真「何度も言うけど、ボクは女だからな」

小鳥「大丈夫、真ちゃん!私がいるわ!さっそくヨダレの口移しをしましょう!」ハァハァハァハァ

真「ハッ!」バキッ

小鳥「スネークッ」バターン

真美「蛇拳ってあんな強いの?」

P「知らん」

P「とりあえず、二人を病院に連れてくか」

真「症例があるといいなぁ」

亜美「なかったらそれはそれで、ビョ→キの名前にゆきぴょんとミキミキの名前が使われるからいいかも」

真美「みきゆき病だね」

P「むしろ小鳥さんの名前がつくんじゃないか?」

真「それは実に不快ですね」

小鳥「ペチャペチャペチャ」ピチャピチャ

亜美「また床をなめてる」

真美「ホント救えないね」

小鳥「ペチャペチャペチャ」ピチャピチャ

P「……!!いや違う!あれは……!」

真「床に残ったボク達のヨダレを……飲んでる!!」

小鳥「ギャァァァァァバァァァァァ!!」

亜美「ぴよちゃんが異形のモノへとその姿を変えていく」

真美「まこちん達のヨダレを取り込むことで完全体になったんだ」

真「ボクたちのヨダレは人造人間なの?」

P「け、警察を……」

亜美「警察は間に合わないよ」

真美「真美たちでなんとかするしかないんだ」

雪歩「真ちゃん、頑張って!」

美希「ミキたちも祈りでサポートするの!」

真「ウオオオいくぞオオオ!」

小鳥「さあ来いマコト!」



マコトの勇気が世界を救うと信じて…!

ご愛読ありがとうございました!



第二十五話 終わり

※終わりません

>第二十五話 終わり

亜美「最後に『まるで少年漫画だぜ!』って言い忘れたよ」

真美「これが抜けると最後の展開が強引に見えちゃうね」

真「そんなに違うかなぁ」

小鳥「どうせなら『タッチ』みたいなラブコメをやりたかったわ」

雪歩「どうしていちいち例えが昭和なんですか?」

美希「骨の髄までアラサーなの」

P「『めぞん一刻』とでも言っておけば、名字つながりという逃げ道がまだあったのに」

小鳥「みんなが総攻撃をしかけてきた」

亜美「大魔王もこれで終わりだね」

真美「大体『タッチ』の南ちゃんといえば、はるるんっしょ」

春香「そうだよねぇ~!国民的ヒロインといえば、やっぱりメインヒロインである私のポジションだよねぇ~!」フフン

美希「イラッ」

亜美「(リボンを取ると)顔の区別がつかないし」

真美「イイ子そうにみえて、独特のウザさと黒さがあるよね」

美希「ゲラゲラゲラゲラ」

春香「そろそろ『タッチ』みたく、双子を一人間引く頃合いかな?」

真美「間引くて」

亜美「そういえば、ア→ケ→ドの頃は真美が妹だったね」

真美「キミは何を言っているのかな?」

春香「駅前で買った宝くじあげるよ。よく当たるって評判なんだ」

亜美「あっ、真美の交通安全のお守りほつれてるよ。直しとくから、先にライブ会場行っててよ」

真美「達也と南が共謀して和也を殺しにかかってる」

雪歩「これが本当の三角関係なんだね」

真「ボク達三人は仲良くしようね」

美希「真クン、そのセリフは女っタラシにもほどがあるの」

P「まったく、真は骨の髄までスケコマシだな」



第二十五話 おまけ 終わり

━第二十六話━

━765プロ━

亜美「ねぇ、真美」

真美「ん?」

亜美「最近、亜美たち全然イタズラしてなくない?」

真美「真美たちが手を下すまでもなく、みんな脳がイタズラされたかのような狂いっぷりだからね」

亜美「ダメだよそんなん!これじゃ亜美たちの愛工大名電が崩壊しちゃうYO!」

真美「それをいうならアイアンメイデンだよ」

春香「アイデンティティでしょ」

亜美「はるるんだ」

真美「はるるんがアイデンティティって言葉を口にすると、なんだか滑稽だね」

春香「アイデンティティは個性とは微妙に違うからね?」

亜美「アイアンメイデンといえば、はるるんは処女なのかな?」

春香「そうだよ」

真美「随分サラっと答えたね」

春香「ガールズトークだからね」

ガチャ

亜美「あっ、兄ちゃん」

春香「プロデューサーさん、もう765プロで処女なのは私だけなんです!
   私だけ仲間外れなんてイヤです、早く処女をもらってください!」

伊織「あ、アンタいきなり何言ってるのよ?」

春香「なんだ、伊織じゃない」

真美「うーん、全然ダメージを受けないなぁ」

亜美「イタズラ失敗だね」

伊織「いきなり汚物をぶちまけられたうえにビッチ扱いされて、私は結構なダメージなんだけど」

真美「愛工大名電といえば、いおりんは処女なのかな?」

伊織「意味がわからないわよ……さっきも言ったけど、処女よ」

春香「さっき思ったんだけど、処女じゃない=ビッチってのは言いがかりだと思うよ」

亜美「ロリコン=やよいスキーとでも言わんばかりの暴論だね」

千早「そうね、十把一絡げに扱うのはよくないわ」

伊織「音もたてずに部屋に入ってきたわ」

真美「ドアと床のスキ間から入ってきたんだ」

春香「これから千早ちゃんを妖怪・いったんもめんと呼ぼう」

千早「」ブチブチッ

春香「」バターン

亜美「髪の毛ごとリボンを引き抜いた」

伊織「きっとうまい例えが思いつかなかったのね」

真美「無個性が強みになる時代がくるとは」

千早「春香のリボンに絡みついた髪の毛がなかなか取れないわ」

伊織「髪の毛は無理に引っ張ると、丸まってくせっ毛みたいになるのよ」

亜美「まるでチン毛みたいだね」

真美「これからはるるんを妖怪・チン毛散らしと呼ぼう」

千早「まぁ、それはとてもステキなことね」

伊織「あだ名も決まったことだし、リボンを戻してあげなさいよ」

カポッ

春香「うーん……」

千早「おはよう、チン毛散らし」

亜美「チン毛散らし、調子はどう?」

春香「一体何が起きたというの」

真美「とてもステキなことだよ」

春香「ところでさっき、いったんもめんから不可思議な発言があった気がする」

千早「何かしら、チン毛散らし?」

亜美「千早お姉ちゃんは、生粋のやよいスキーじゃなかった?」

真美「むしろ千早お姉ちゃんの中では、宇宙=やよいぐらいの勢いだよね」

千早「ああ、そのことね」

伊織「今のでわかるんだ」

千早「実は先日、高槻さんのお家にお邪魔したのだけど」

やよい「ホントに邪魔でした」

亜美「やよいっちが音もたてずに部屋に入ってきた」

真美「冷蔵庫の中にでも隠れてたんだ」

春香「これからやよいを妖怪・餓鬼と呼ぼう」

伊織「」ブチブチッ

春香「」バターン

亜美「今度はいおりんが強硬策に出た」

真美「逆鱗に触れちゃったんだね」

千早「餓鬼って冷蔵庫の中に住んでるのかしら?」

亜美「現代に存在してたら、そんな感じじゃない?」

真美「てか千早お姉ちゃんは怒らなくていいの?」

千早「ぽっこりお腹の高槻さん……か、かわいいいィィィッッ!!」ハァハァハァ

亜美「ダメだこりゃ」

春香「う、うーん……」

真美「既にはるるんの頭が、リボンを中心に半分くらい縮れ毛で覆われている」

亜美「チン毛頭だね」

愛「おそろいですね、春香さん!」ドゴーン

真美「愛ぴょんが音もたてずに部屋に入ってきた」

伊織「いや、かなり大きな音がしたわよ。壁を砕く音が」

千早「残念だけど、日高さんの頭はチンコ頭であって、チン毛頭とは似て非なるものよ」

愛「そうなんですか、私の早ちんちんとりでした!それじゃ帰ります!」バリーン

亜美「窓を突き破って出て行った」

伊織「コイツらはドアというものを知らないのかしら」

春香「愛ちゃんは何と言いたかったんだろう」

やよい「多分『早とちり』だと思います」

千早「話を戻すわ」

真美「千早お姉ちゃんが高槻家の団らんを邪魔しに行ったときのことだね」

千早「今まで気づかなかったのだけど、高槻さんにはかすみという妹がいてね」

亜美「うわぁ」

春香「踏み込んではいけない領域に踏み込んだよ」

やよい「ペッ」ビチャ

伊織「や、やよい!?」

千早「高槻さんが私の顔に唾を……これがツンデレというやつなのね!」

真美「千早お姉ちゃんがツンデレをはき違えてる」

千早「高槻さんの唾の匂いが……イイイイィィハァァァァァンンッッ!!」ドロドロ

春香「人間が踏み込んではならない領域に踏み込んだよ」

亜美「もう何度目だろうね」

伊織「そんな……やよいがツンデレだなんて……」

真美「いおりんもツンデレをはき違えてる」

春香「今までの伊織の種々の言動は一体なんだったんだろう」

亜美「まぁ、いおりんは無自覚にやってるからね」

千早「『敵意』のないツンデレこそ『真の邪悪』よ」

真美「ツンデレって邪悪なの?」

千早「多くの人間を狂わせているじゃない」

春香「確かに」

亜美「てか『敵意』のあるツンデレってなんなのさ」

真美「ただの嫌がらせでしょ」

伊織「ア……アンタ達は、私のやることが嫌だったの……?」シュン

春香「ドキーン///」

亜美「しおらしいいおりんキタァァァァァ!!」ガタン

伊織「う、うるさいっ!何言ってんのよこのバカッ!」

真美「この流れるような感情の切り替え、お見事でござる」

千早「やっぱり邪悪だわ」チッ

亜美「千早お姉ちゃんが不機嫌だ」

真美「はるるんを取られそうだからね」

やよい「とりあえず千早さんは金輪際ウチの敷居をまたがないでください」

千早「ふふ、ヤキモチ焼いちゃってかわいいわね。やっぱり高槻さんが一番よ」

亜美「ホント鉄壁のメンタルだなぁ」

春香「これから千早ちゃんを妖怪・ぬりかべと呼ぼう」

千早「」ブチブチッ

春香「痛い痛いッ!」

真美「千早お姉ちゃんがはるるんの髪の毛を引き抜いている」

亜美「もはやリボンは関係ないんだね」

春香「やめて!このままじゃ私、妖怪・伊織になっちゃう!」

伊織「」ブチブチッ

春香「痛い痛い痛いッ!」

やよい「すごい光景……」

真美「妖怪だってこんな悪さはしないよ」

春香「ううっ……」

亜美「はるるんの周りが床屋さんみたいだ」

伊織「美容院じゃなくて?」

亜美「床屋さんって言った方が、散らかってるイメージがあるかなって」

伊織「失礼なこと言ってんじゃないわよ……」

真美「でもその割に、はるるんの頭はハゲ散らかってないよ」

春香「ああ、私髪の毛伸びるの早いから」

やよい「あっ!もう元に戻りかけてます!」

亜美「まるでチン毛だね」

千早「チン毛ってそんなに伸びるの早いの?」

真美「兄ちゃん曰く、抜いても抜いても2、3日で元通りらしいよ」

伊織「そろそろアイツも事務所の清掃員に格下げした方がよくないかしら?」

千早「まぁ、チン毛散らしが名実ともにチン毛だと判明して、私は満足だわ」

亜美「はるるんも、強烈な個性を手に入れてよかったね!」

春香「そうだね!あはは、ありがとう!」

やよい「髪の毛を抜かれ過ぎて、頭がおかしくなってるかも」

伊織「それより、この髪の毛どうしようかしら」

真美「とりあえず、いぬ美のエサ皿に盛りつけよう」

ガチャ

響「ただいまー」

春香「響ちゃんおかえりー」

響「ん、なんだこれ?」

亜美「沖縄名物ソーキそばだよ」

響「本当か!いただきまーす」パクッ

真美「えっ?」

響「ペッペッ、マズいぞこれ!」

亜美「どうしてペットの皿に盛りつけられたものを、ためらいなく食べられるんだろう」

真美「ウソだと分かりやすくするために、ひびきんに馴染みのある物の名前まで出したのに」

響「一体なんなんだこれは!?」

千早「春香のチン毛よ」

響「うっぎゃぁ~~!大変なものを食べてしまったぞ!」ペッペッ

春香「私のチン毛って言葉に、少しくらい疑問を持ってほしいなぁ」

やよい「響さんには、ちょっと難しいかもです」

伊織「やよいも大分言うようになってきたわね」

亜美「なにはともあれ、イタズラ大成功だね!」

真美「でもひびきんの今後を考えると、気分は晴れないよ」



第二十六話 終わり

━第二十七話━

私は雪歩。

かわいい雪歩。

今日もお家のお庭で、お父様と一緒に優雅なティータイムを過ごすの。

 社長「はっはっは。萩原くん、お茶を入れてくれるかね?」

 雪歩「ごめんね、お父様。古い雑巾を昨日処分してしまったから、今はお茶を入れてあげられないの」

 社長「はっはっは。それは実に残念だ」

お父様の笑顔を見ると、もっと頑張らなきゃって気持ちになるの。

ミスミスミスタードリドリラー、がんばれ自分、負けるな自分っ!

ふと庭の隅の茂みに目を移すと、インカムをつけたウサギさんが立っているわ。

 小鳥「急がなきゃ……急がなきゃ……」

ウサギさんは懐中時計を見ながら、何やら慌てているの。

 小鳥「30歳まであとXXXX時間XX分XX秒……ヤバいヤバいヤバい……」

えっと、『X』が4つってことは最大で9999時間だから……おっと危ない危ない。

ウサギさんの世界が、10進法とは限らないからね。

固定概念に縛られた思考は、脳の老化を早めてしまうわ。

 小鳥「誕生日まであと64日……ヤバいヤバいヤバヤバヤバババババbbbbbb」

あらら、どうやら10進法だったみたい。

たまには常識にとらわれて思いを巡らすのも、悪くはないかもね。

私はスコップを片手に、ウサギさんに話しかけるの。

 雪歩「そこのかわいらしいウサギさん。よかったら一緒に星の声を聴きましょう?」

 小鳥「きゃっ、雪歩ちゃん!?星の声って?」

 雪歩「お星様は昼間は見えないけれど、耳をすませば声が聴こえるよ。
    空のカーテンの後ろでひみつのかくれんぼをしてるんだよ。」

 小鳥「よく分からないけど、『かわいらしい』ってのは聞こえたわ!
    雪歩ちゃんの子宮の声を聞かせてェェェェェェェェ!!」

うーん、どうやらウサギさんには人間の言葉が通じないみたい。

こうなったら万国共通、ボディランゲージの出番だね。

私はウサギさんの右耳めがけて思い切りスコップを振り下ろすの。

バシュ

 小鳥「ヒ、ヒギャァァァァァ!!」

ああっ、ウサギさん。そんなに慌ててどこへ行くの?

私はウサギさんをおいかける。

数十メートル走ったところで、ウサギさんは止まったわ。

まるでアラサー女のように体力のないウサギさんね。

よく今まで、オオカミさんとかに捕まらなかったね?

たまたまオオカミさんの目にとまらなかっただけなのか。

それとも体内に毒を持ってて、オオカミさんが近寄れなかったのかも。

私は警戒しつつ、ウサギさんに近づく。

 雪歩「ウサギさん、さっきの『声』はとってもよかったよ。さぁ、もっと会話をしましょう」

そう。『声』はなにも、口から出るものだけではない。

ウサギさんの怯えきった表情も、右耳から流れ出る真っ赤なワインも。

それはウサギさんの『声』なのだ。

会話の基本はキャッチボール。

投げられた『声』は全力で打ち返さないとね。

私はスコップで素振りをはじめた。

 小鳥「こ、こうなったら……!」

ピョン

ウサギさんは突然、近くにあった穴に飛び込んだ。

困ったなぁ。穴に埋まるのは私の専売特許なのに。

いじわるなウサギさんなんて、きらいっ。だいきらいっ。絶対に許すものか。

そう思って、私は穴に飛び込んだ。

飛び込んだのはただの穴だと思ったら、周りを見るとなんだか図書館みたい。

本棚が下の下の下の方まで、ずぅっと続いているの。

おまけに落ちるのがとってもゆっくり。

それはもう、本のタイトルがはっきりわかるくらい。

私は何気なく目に留まった本を手に取る。

 雪歩「『まこ×あみ』……!」

なぜか分からないけど、激しい憎悪が体中を駆け巡った。

 小鳥「ゲヘヘ、それに目をつけるとは、お目が高いでゲスね。
    だけどあいにく、それはアイマスじゃなくてセーラームーン……」

私はウサギさんの後頭部を思いっきりスコップでお尻ペンペンした。

まだ、ウサギさんに『声』を返してなかったものね。

ごめんねウサギさん、さびしかったね?

 小鳥「」ヒューーー……

ウサギさんはものすごいスピード、というよりはごく普通のスピードで落ちていった。

そうか、生き物はとってもゆっくり落ちるんだね。

ウサギさん、またね。

図書館の底に到着すると、そこにウサギさんの姿はなかったの。

かわりに部屋の真ん中にテーブルがあって、ラーメンが置いてあるわ。

 貴音「萩原雪歩」

 雪歩「あっ、お姉様」

言い忘れたけど、私には一つ上のお姉様がいるの。

でも、どうしてこんなところにいるんだろう?

 貴音「これを飲みなさい、萩原雪歩」

 雪歩「でもお姉様、これはラーメンです」

 貴音「構いません。しおらぁめんは飲み物です」

18歳になると脳が老化し始めるのね、私も気をつけないと。

ズルズル ゴクゴク

 雪歩「……きゃあ!?」

塩ラーメンを食べ、もとい飲み終えると、私の胸が急に縮み始めたわ。

 千早「ゲラゲラゲラゲラ」

気がつくと目の前に、まな板のようなおばけがいるわ。

 千早「ゲラゲラゲラゲラ」スッ

おばけは私に巻き尺を渡したの。

さっそく私は自分のバストを測ったわ。

 雪歩「……71cm!?」

まぁ大変!これじゃあ、お城の舞踏会用のドレスを着れないわ!
 
 千早「キョーッキョッキョッキョッ」

おばけがとても喜んでいる。これがおばけの『声』なのね。

私も『声』を打ち返さないと。右目のあたりがいいかしら。

でも、なんてこと!胸が縮んで、腕に力が入らないわ。

胸が貧しいことが、こんなに大きなハンディキャップだったなんて。

 千早「お前いくらなんでもバカにし過ぎだぞコラ」

おばけの方から何か聞こえたわ。空耳ね、間違いなく。

 貴音「ご安心を、萩原雪歩」

 雪歩「お姉様?」

 貴音「このしおらぁめんを食べなさい」コトッ

お姉様はそう言って、カップ麺をテーブルに置いたわ。

 雪歩「塩ラーメンは飲み物じゃないんですか?」

 貴音「ええ。ですがこれは日清のSIOらぁめんなのです」

ラーメンを食べ過ぎると脳が腐るのかしら。今度お父様に試してみなくっちゃ。

ズルズル ゴクゴク

 雪歩「……きゃあ!?」

SIOラーメンを食べみ終えると、私の胸が急に膨らみ始めたわ。

さっそく巻き尺で測ってみなくっちゃ。

 雪歩「……90cm!?」

 千早「ギリギリギリギリ」

まぁ大変!これじゃあ、お城の舞踏会用のドレスを着れないわ!

でも確か、お姉様のバストが90cmだから、お姉様のドレスを借りればいいかしら。

お姉様とお揃いのドレスなんて、考えただけでお股が濡れ濡れになっちゃうの。

 貴音「それは間違っております、萩原雪歩」

 雪歩「間違ってないです!私はお姉様を真剣に愛しているもの!」

 貴音「そうではなくて、私とあなたではヒップのサイズが異なります」

まぁ、なんてこと!これじゃ結局ドレスを着れないわ。

 千早「ギリギリギリギリ」

さっきから、おばけの歯ぎしりのような『声』がうるさいけど、この際無視するわ。

 雪歩「あんまりですぅ。お姉様と結ばれることができないなんて……」ポロポロ

 貴音「よしよし。涙をふいてあげましょう」ペロペロ

 雪歩「お姉様///」

お姉様にペロペロされることで私の内なるパッションが最高潮に達したわ。

ドガァァァァァン

 貴音「は、萩原雪歩の胸が……爆発した……!?」

 雪歩「……あ!胸が元に戻ってます!」

気づくと私の胸は元通り。81cm。ちんちくりんだけど、慣れ親しんだ私の胸。

 千早「チ、チンチクリン……?ギリギリギリギリ」

私の内なる『声』に呼応して、おばけの『声』も最高潮に達したわ。

ガラガラガラガラ

周りの壁が音を立てて崩れていく。歯ぎしりのような『声』の振動によるものね。

これでようやく外に出られるわ。

 雪歩「ありがとう、おばけさん」

そう言って私は、おばけの右目をスコップで突いた。

外をしばらく歩くと、ズブ濡れのネズミさんが雨の中を走っているのを見つけたの。

 雪歩「ズブ濡れのネズミさん。よかったら一緒に、空の嘆きに心を通わせてみないかな?」

 響「雪歩?何言ってるんだ?」

私ったらドジね。初対面の人に話しかけるときは、まず本題の前に世間話から入らないと。

 雪歩「ネズミさんは、どうしてズブ濡れなの?」

 響「聞いてくれよ雪歩ー。今、『生っすか!?』の収録中なんだけどさ。
   絶対に番組中に完走できない距離を走らされてて……。
   おまけに雨が降ってきて前が見えなくて……」グスッ

ネズミさんったら!話す言葉の沖縄なまりがひどくって、全然聞き取れないわ!

こうなったら、ケツの穴から直接『声』を聴こうかしら。

 亜美「ゆきぴょん、ひびきん、どったの?」

急にアヒルさんが目の前に現れたわ。

 響「聞いてくれよ亜美ー。今、『生っすか!?』の収録中なんだけどさ。
   ……ってあれ?そもそも亜美達は収録ないのか?これ、生放送なんだけど」

 真美「てか『生っすか!?』って何?」

 亜美「また兄ちゃんの悪い冗談に騙されてるんじゃないの?」

 響「え゙!?」

わぁすごい!ドードーさんも現れたよ。

アヒルさんとドードーさんは別の生き物なのに、まるで双子みたいにそっくり。

不思議なこともあるんだね。

 真美「それにしてもひびきん、ズブ濡れだねぇ」

 雪歩「確かに、乾かさないと風邪引いちゃうね」

 亜美「んっふっふ~。体を乾かすには、ス→パ→ジャンケンが一番だよ!」

 真美「ス→パ→ジャンケン?何それ→?」

 雪歩「どんなルールなの?」

 亜美「グ→とチョキとパ→の他にね→、無敵のチョモルメランがあるんだよ→」

 真美「チョモルメラン!?なんかおもろそ→だね」

 響「それじゃチョモルメランを出し続けたら決着がつかないんじゃないか?」

 亜美「だからいいんだよ」

 真美「いつまで経っても決着がつかないから、ス→パ→ジャンケンをやってるうちに
    いつの間にか体が乾いてるって寸法だよ」

アヒルさんとドードーさんはすごいなぁ。

トリは脳みそがクソ小さいっていうのは、やっぱり本当だったのかな。

お家に帰ったら図鑑で調べてみようっと。

 亜美「それじゃさっそくはじめるよ→」

 響「いや、だから自分は収録が……」

 雪歩「観念しなよ、ネズミさん」

 真美「大体カメラマンもいないのに、どうやって収録してたのさ」

 響「……えっ!?あれ、えっ?」



~6時間後~

 亜美「ジャ→ンケ→ン、チョモルメラン!」

 響「チョモルメラン!……あっ、体が乾いてるぞ!」パパパパーン

 雪歩「よかったね、ネズミさん」

 真美「真美たちにかかればこんなもんっしょ!それじゃ、ス→パ→ジャンケン終わり!」

疲れた。クソ疲れた。早く『声』を聴きたい。

アヒルさんとドードーさんのお腹を切り裂いて、子宮の『声』を聴いてやる。

ダメだ、それじゃさっきの毒ウサギさんと同じ発想だ。

ああ、どうしたものか。どうしたものか。

 響「それで、誰がスーパージャンケンの勝者なんだ?」

 亜美「そりゃ、み→んな、だよ」

 真美「み→んなが勝ったから、全員が賞品をもらわないとね」

何言ってるんだコイツら。何言ってるんだコイツら。

 響「でも、誰が賞品をくれるんだ?」

 亜美「そりゃ、ゆきぴょんに決まってるっしょ」

 真美「しょ→ひん!しょ→ひん!」

どうしよう、ポケットに何か入ってないかな。ホウ酸団子とか。

……あれ?昨日処分したはずの雑巾が入ってるよ。

きっと、お父様がもしものときの為に入れておいてくださったんだわ。

ありがとう、お父様。

これからは、トイレ掃除をする前の雑巾でお茶をいれてあげるね。

 雪歩「ふふっ。それじゃみんなに、私特製のお茶をいれてあげるね」

 響「やったぞー!」

できあがったお茶に、雑巾のしぼり汁をたっぷり入れて。

この雑巾はもういらないから、刻んで入れておこう。

三匹とも脳みそがアメーバ並だから、バレないバレない。

 亜美「でも、ゆきぴょんだって賞品をもらわないと、ねぇ」

 真美「真美たちがなんか作ってあげるよ!」

 雪歩「じゃあ、モノじゃなくて権利を一つもらえるかな」

 響「権利?」

 雪歩「うん。みんながお茶を飲む前に、出発する権利。先を急ぐからね」

 亜美「そんなんでよければ、お安いごようだYO!」

 真美「じゃあねゆきぴょん、まったね→」

ああ、気がつくと雨は上がっていたわ。

私の歩く道の両脇には、色とりどりの花が咲いている。

ふふ、お花さん、キレイに咲いてくれてありがとう。

道を歩いていると、森に着いたわ。

ふと見上げると、何メートルか先の木の枝に、チェシャ猫さんが座っていたの。

 雪歩「チェシャ猫さん、こんにちは」

 伊織「何言ってるの雪歩?私は伊織よ」

わぁ嬉しい。チェシャ猫さんは、人間の言葉が分かるみたい。

 雪歩「お願い、教えてチェシャ猫さん。私はここからどっちへ行ったらいいのかな?」

 伊織「そりゃアンタがどっちに行きたいかによるわよ」

 雪歩「どっちでもいいんだけど……」

 伊織「ならどっちに行っても関係ないじゃない」

 雪歩「でも、どこかへは着きたいの」

 伊織「どこかへは着くわよ、間違いなく。アンタの足が棒になるまでタップリ歩けばね」

このデコ猫さんめ。デコの真ん中をスコップで突いて、天津飯みたいにしてやろうかしら。

 雪歩「ところで、ここらへんには、どんな人が住んでるの?」

 伊織「あっちの方向では、律子が帽子屋をやってるわ。
    それと、向こうの方向にはあずさがいるわよ。
    好きな方を訪ねるといいわ。まぁ、どっちも狂人だけど」

 雪歩「でも、狂人のとこなんか行きたくないよ」

 伊織「それはどうしようもないわね。ここらじゃみんな狂人よ。アンタも含めて」

 雪歩「どうして私が狂人なの?」

 伊織「アンタ、今までの自分の行いを振り返ってごらんなさいよ?」

ずるいよ。そんなの何の証明にもなっていないもの。

 雪歩「チェシャ猫さんは狂人じゃないの?」

 伊織「もちろんよ」

 雪歩「それはおかしいなぁ」

 伊織「なんですって?」

 雪歩「まず、いぬ美ちゃんは狂人じゃない。それはいいかな?」

 伊織「まぁそうね」

 雪歩「すると、ね。いぬ美ちゃんは好きな人には甘えて、嫌いな人にはツンツンした態度を取るよね」

 伊織「ええ」

 雪歩「さて、チェシャ猫さんは好きな人にはツンツンした態度を取って、嫌いな人にもツンツンした態度を取る。
    よって、チェシャ猫さんは狂人」

 伊織「キィィィィィ!!いいからさっさとどっか行きなさいよ!!」ドロン

ああ、チェシャ猫さんが消えちゃった。

さて、どっちに行こうかな。確かあっちが帽子屋さんで、向こうが三月ウサギさんだったね。

今は七月だから、誕生日が間近で焦ってる三月ウサギさんの方が面白いよね。

ほんのしばらく歩くと、三月ウサギさんのお家が見えてきたよ。

間違いないね。だって屋根がおっぱいの形をしていて、えんとつが乳首の形をしているもの。

お家の前の木の下にはテーブルが出ていて、三月ウサギさんと帽子屋さんがお茶をしているわ。

ヤマネさんが二人の間でぐっすり寝ていて、ヤマネさんのチンコをクッション代わりにしているの。

ああっ!あのチンコを見ていると……なんだか……お股がジュンッってなっちゃうよぉ。

それにしても、大きなテーブルなのに、二人は随分端っこに座ってるのね。

空いている席にお邪魔して、と。

 あずさ「あら雪歩ちゃん、こんにちは」

 律子「雪歩、ここはもう満員よ」

 雪歩「どこが満員なんですか?いっぱい席が空いてますよ」

 あずさ「真ちゃんのチンコが満員ってことよ」

 律子「残念だったわね」

 雪歩「」バシャッ

 真「アヅッッ!」ビクン

 雪歩「あはっ、ごめんなさい」

ヤマネさんを起こしちゃったね。しっぱいしっぱい。

 律子「あーあ、これで真のチンコをクッションにできなくなっちゃったわ」

 あずさ「あらあら、残念ねぇ」

 真「言っときますけど、そんなモノついてないですからね!」

 雪歩「ところで皆さん、なんでお茶会をしてるんですか?」

 律子「お祝いよ」

 雪歩「何かの記念日なんですか?」

 あずさ「ええ。今日は『なんでもない日』だからね」

 雪歩「なんでそんな日を祝うんですか?」

 律子「それが分からないとは、まだまだ子供ね」

 あずさ「大人にとって、誕生日なんて祝うどころか忌むべき日なのよ」

 律子「この業界にいると、祝日も関係なく仕事だからね。
    むしろオフィス近くの定食屋が休みだったり、休日ダイヤで動き辛かったり。
    いいことなんてこれっぽっちもないわ」

 あずさ「だから『なんでもない日』は素晴らしいのよ」

帽子屋さんと三月ウサギさんの言うことはよく分からないなぁ。

チェシャ猫さんの言うとおり、この二人は狂人なのかも。

 真「ウトウト……」

ヤマネさんがまた寝ようとしているわ。

きっと昨日オナニーのし過ぎで、疲れてるのね。

 あずさ「ねぇ律子さん。真ちゃんのお股にニンジンを挟まない?」

 律子「いいですね。それでハンカチを被せれば、翌日には本物のチンコになってるに違いありません」

まぁステキ!ヤマネさんの本物のチンコ、私もぜひ見てみたいなぁ。

でも、あと丸一日この人たちと一緒にいたら、私まで狂人になっちゃう。

名残惜しいけど、先に進もうっと。

しばらく歩くと、大きなお庭に着いたわ。

お庭の入り口には、大きなバラの木が立っているの。

あぁ、このバラをさっきのヤマネさんがくわえたら、さぞステキだったでしょうに!

そしてヤマネさんのチンコを私がくわえ……おっと、いけないいけない。

でもこのバラ、よく見ると真っ白だわ。

 P「大変だ、大変だ。急がないと春香に踏みつけられてしまう」

 やよい「フルスロットル飛ばしてみましょ~」

ふと見ると、二人の庭師さんがペンキでバラを赤く塗っています。

 雪歩「庭師さん。ピンクのバラのささやきは、碧いうさぎの甘い吐息に似ていると思いませんか?」

 P「どこの狂人かと思えば、雪歩じゃないか」

 やよい「雪歩さん、こんにちはー」

まぁ、ここでも私の『声』は届かないのね。くやしいくやしいくやしいっ。

でもよく見ると、忙しくてそれどころではないって感じね。

まずはこの人たちのお手伝いをしましょうか。

 雪歩「すみません、なぜそのバラにペンキを塗ってるんですか?」

 P「ああ、ここには赤いバラの木を植えるはずだったんだがな」

 やよい「白バラの方が安そうだったから白を発注しちゃいましたー」

 P「お釣りはお駄賃って言っちゃったのがマズかったなぁ」
 
 雪歩「実際、安かったんですか?」

 やよい「発注書が読めないので分かりません」

どうしよう、この人たちと関わらない方がよかったかなぁ。

コツッコツッコツッ

 やよい「あ!あの足音は春香さんです!」

 P「マズい!雪歩、あとで埋め合わせはするから、今はお前も手伝ってくれ!」

 雪歩「わかりました!」

私は男の庭師さんの後頭部を、思いっきりスコップで叩き潰しました。

庭師さんの頭から真っ赤なペンキが飛び散って、周囲の白バラを赤く塗りつぶしていきます。

そういえば、私は男の人が苦手なのに、この庭師さんはなぜか平気だな。

もしかしたら、この人が……私の運命の人、なのかもしれない。

そんな風に考えていると、男の庭師さんはゆっくりとヒザを地面につき、倒れてしまいました。

 やよい「うっうー!なんとか間に合いました!」ピョンピョン

女の子の庭師さんが喜んでいる。いいことをした後は気持ちがいいね。

そうこうしているうちに、赤の女王がやってきたよ。

 春香「あら、見ない顔だと思ったら雪歩じゃない」

 雪歩「はじめまして赤の女王。ステキなお衣装ですね」

赤の女王は真っ赤なドレスに真っ赤なリボンをつけてるよ。

闘牛の群れに放り込みたいなぁ。

 春香「そう?やっぱりメインヒロインたるもの、衣装にも気を使わないとね!」フフン

 雪歩「衣装でしか個性をアピールできないなんて、滑稽だね」

 春香「そこに跪いて!首をちょん切ってあげるわ!」

そんなのまっぴらゴメンだよ。首を切られたら『声』が聴こえなくなっちゃう。

耳がなくても、『声』は聴こえる。

目がなくても、『声』は聴こえる。

鼻がなくても、口がなくても、肌がなくても、『声』は聴こえる。

でもそれらすべてを失ったら『声』は聴こえなくなっちゃう。

させない。邪魔はさせない。『声』を聴く邪魔だけは。

どれほどの距離を歩いたのかな。

気づくと、森の入口にいたよ。

ふと見上げると、前と同じ木の枝に、チェシャ猫さんが座っていたの。

 美希「雪歩、お帰りなさいなの」

 雪歩「チェシャ猫さん、この前と顔が違わない?」

 美希「チェシャ猫はビッチの役目だからなの。デコちゃんは疲れたからお休みなの」

 雪歩「チェシャ猫さんは、淫乱なの?」

 美希「いんらんってなぁに?」ポカーン

このチェシャ猫さんとは会話がかみ合わないなぁ。すごくイライラする。

前のクリリンの方がよかったな。あれ、亀仙人だっけ?どっちでもいいや。

 美希「ビッチっていうのは、15歳の女の子って意味なの」

 雪歩「そうだっけ?」

 美希「そうだよ。これで雪歩も一つ賢くなったの。ミキのおかげなの」

ものすごく無駄なことに脳の容量を割いてしまった。

こんな知識は『声』を聴くのに不要だ。

即刻デリートだ。デリートしなければ。

私はスコップで自分の頭を叩いた。

ゴツン

ゴツン

ゴツン

ゴツン

ゴツン



グシャ

 社長「萩原くん、大丈夫かね?」

 雪歩「……あれ?」

 社長「お茶を飲んでいたら、急にウトウトしはじめてね。疲れているのかもな」

辺りを見渡す。ここは、私のお家のお庭。

いつもお父様とティータイムを過ごすお庭。

 雪歩「夢だったのかなぁ」

そう言って私は自分の手元を見る。

愛用のスコップは血にまみれていた。

ウサギさんの血。

おばけさんの血。

男の庭師さんの血。

そして私の血。

血。

チ。

チ?

 社長「起きたばかりで悪いんだが、お茶を入れてもらえないかな?
    萩原くんのお茶はおいしいからね」

 雪歩「はい、お父様」

今の私に、もう雑巾は必要ない。

お父様の後頭部めがけて、思いっきりスコップを振りかぶる。

庭の隅の茂みから、草木の優しい『声』が聴こえた気がした。

――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――――

雪歩「……っていう夢を見たの」

真「くぅ~、いいよいいよ雪歩!乙女チックオーラ全開だよ!」

律子「雪歩、そこを動かないで。動いたら撃つわ」

P「もしもし、向かいの心療内科ですか?急患を一人、いや二人お願いします」

亜美「ゆきぴょん……」

真美「ゆきぴょんごめんね……」

響「えー、いい話じゃないか。自分のポジションも、お茶をごちそうしてもらったし満足だぞ」

伊織「プロデューサー、急患を一人追加よ」

あずさ「そういえば今日は七夕ねぇ」

貴音「一年に一度の情事に勤しむ織姫と彦星から、最大級の電波が降り注いだのでしょう」

やよい「うっうー、大惨事!」



第二十七話 終わり

━第二十八話━

━765プロ━

やよい「えっ、伊織ちゃん今日お休みなんですか?」

ワニ子「そうなの。今朝電話があって、なんでも熱が出ちゃったそうよ」

美希「きっとおデコを出したまま寝ちゃって冷えちゃったの」

春香「金にモノを言わせていびり倒してきたライバルアイドル達からの怨念だよ」

雪歩「シャルルと夜な夜なハッスルし過ぎたんだよ」

千早「高槻さんを想って夜な夜な自家発電に励んでいたのね」

響「とりあえず全部違うからな」

真美「原因は心労だろうけど、心労の原因は思い当たる節が多過ぎて特定できないね」

春香「とりあえずみんなでお見舞いに行こうか」

真美「はるるんの死刑宣告だ」

響「春香、いじめはダメ絶対だぞ」

春香「いじめじゃないよ?」

真美「信用できないなぁ」

やよい「伊織ちゃんに特大もやし祭りをお見舞いしてやりますっ!」

雪歩「やよいちゃん、その言い方はなんだか違うよ」

美希「『デコちゃんのケツの穴をもやし祭りにしてやるの!』ってのはどうかな?」

響「美希はどうしてそんなことを思いついてしまったんだ?」

美希「千早さんの反応を参考にしたの」

千早「ケツの中が、高槻さんの咀嚼したもやしでいっぱいに……」ハァハァハァハァ

春香「美希、あれはウィキペディアより参考文献にしてはいけない存在だよ」

真美「ウィキペディアってダメなの?」

響「まぁ流石に専門書とかよりは、信憑性が薄いからな」

やよい「千早さんよりはブ厚いですけどね」ケッ

真美「でも、真美たちのスケジュール的に全員でお見舞いに行くのって無理じゃない?」

ワニ子「大丈夫よ。伊織ちゃんがお休みだから、新曲のレコーディングは延期になって
    一緒に録る予定だった美希ちゃん、やよいちゃんは時間ができたわよ。
    今度発売する雪歩ちゃんの詩集も、今プロデューサーさんが添削中だから今日は返ってこないわ。
    千早ちゃんと真美ちゃんは、元々午後はオフの予定だったしね。
    あと今日の午後の予定は、夜から春香ちゃんと響ちゃんがバラエティーの収録があるだけだから
    それまでに戻ってくれば問題ないわ」

春香「す、すごい……」

美希「完璧な事務員なの」

雪歩「スケジュール管理って事務員の仕事なの?」

響「すごいぞー、ワニ子!自分も鼻が高いぞ!」

やよい「じゃあ、さっそく行きましょう!」

千早「でも、誰か水瀬さんの家の場所を知ってるの?」

美希「ミキ知ってるの!ついてきてなの」

春香「なんだかすごく心配だなぁ」

━水瀬家━

春香「ホントに着いた」

美希「ミキにかかれば朝飯前なの」フフン

千早「それにしても大きな家ね」

真美「ゆきぴょんってホントちんちくりんだね」

雪歩「穴掘って埋まってますぅゥゥゥゥヴヴヴ!!」ザクザクザク

春香「さっそく他人の家の庭を穴だらけにしはじめた」

響「止めなきゃ!や、やよいも手伝ってくれ!」

やよい「…………」

美希「心に大きな穴が開いてるの」

真美「貧富の差を目の当たりにしてしまったからね」

雪歩「テレビごしに見るのとは、インパクトが段違いだからね」

千早「高槻さんの心の穴は私の唾液で埋めてあげるわぁァァァア゙ア゙ア゙!!」ペロペロベチャベチャ

ゴシャ

千早「マナイタッ!!」バターン

真美「二階から消火器が降ってきた」

伊織「アンタ達……何しにきたのよ……」ハァ…ハァ…

ガチャ

新堂「皆様、お待ちしておりました」

やよい「あっ、新堂さん」

春香「新堂さん、こんにちは」

新堂「どうぞこちらへ。『他の部屋には一切寄らずに自分の部屋に連れてくるように』とのことですので」

美希「少しでも早く会いたいだなんて、デコちゃんもかわいいところがあるの」

真美「そういうことなのかなぁ」

雪歩「千早ちゃんは軽いしツルツルしてるから、引きずるのがラクだなぁ」ズルズル

千早「どうせなら高槻さんに引きずられたかったわ」

響「起きてるなら歩けよ」

━伊織の部屋━

真美「ウッヒョウ!特大ベッドだYO!」ボヨーンボヨーン

美希「まるでトランポリンなの!」ボヨーンボヨーン

春香「こっちにはウォーターベッドもあるよ!」グニャグニャ

やよい「ソッコーでベッドにダイブしてます」

伊織「アンタ達、お見舞いに来たんじゃないの?」

雪歩「あっ、そうだったね。はいコレ、お見舞いの品。良質の土だよ」

伊織「これ、ウチの庭の土でしょ」

雪歩「よくわかったね」

千早「まぁ目の前でスコップについてた土を手渡されたら、ねぇ」

雪歩「うふふ」

響「笑ってもごまかせないぞ」

伊織「えっ、ホントにこれだけ?」

春香「それにしても、なんで一つの部屋に三つもベッドが?」

伊織「気分で使い分けてるのよ。今日は病弱なお姫様の気分だから、レース付きベッドで休んでるの」

千早「病弱な人ってレース付きベッドで寝るの?」

伊織「お日様の光もマトモに浴びれないイメージがあるじゃない?」

雪歩「なんだかムカついてきたよ」

やよい「いくら伊織ちゃんでも、これは許し難いかなーって」

真美「ひびきん、そこの特大ベッドにウンコしなよ」

響「なんでだよ!」

雪歩「このウォーターベッドに穴をあけたら水が出てくるのかな」

美希「きっとデコちゃんのことだから、100%オレンジジュースがいっぱいなの!」

やよい「すごいです!さっそくハチの巣にしてやりましょう!」

春香「やよい、その言い方はなんだか違うよ」

真美「いっけ→、ゆきぴょん!」

響「わわっ、やめろやめろ!」

伊織「なんだか今日の響は忙しそうね」

千早「水瀬さんの代役だからね」

伊織「せっかく来たんだし、私の他の部屋も案内してあげるわ」

春香「『私の他の部屋』ってどういうことだろう」

やよい「なんだかハラワタが煮えくり返ってきたかも」

千早「さっき新堂さんが言ってたことと違うけれど、いいのかしら?」

新堂「よろしいのですか、お嬢様?」

伊織「私の目の届く範囲にいるのなら構わないわ。帰りがけに勝手に荒らされるよりマシだし」

雪歩「信用ないなぁ」

真美「スコップを壁に向けて構えながら言っても説得力ないよ」

雪歩「そういえば真横に穴を掘ったことはまだなかったなって思って」

美希「思い立ったが吉日なの!」

響「伊織にとっては凶日だな」

伊織「いつものことよ」

━第一の部屋・リボンの間━

春香「ウッヒョウ!リボン!りぼんりぼんRibon!?りり?ぼぼーんぼーん!」

真美「はるるんがおかしくなった」

千早「見渡す限り、リボンだらけね」

雪歩「リボンだけの為に一部屋使ってるの?」

伊織「『私のリボン』だけの為ね。だってその方が使いやすいじゃない?」

やよい「イライラして胃がキリキリしてきた」

美希「響、ここにあるリボンを一つ残らず食べてしまえなの」

響「なんでだよ!」

春香「ぱくぱくぱくぱく」

真美「リボンを食っとる」

千早「実においしそうね。まるでグルメ番組みたい」

伊織「さ、次の部屋に行きましょう」

やよい「伊織ちゃん、熱で頭がおかしくなっちゃったのかなぁ」

響「この部屋をコーディネートしたときは平熱だったはずだぞ」

━第二の部屋・パンツの間━

春香「アッハャェオウ!パンツぱんぱん!おぱんつぱんつアパパパパァ?」

真美「はるるんがまたおかしくなった」

やよい「どうしてだろう?」

千早「よく見ると、リボン付きパンツが多いわね」

美希「デコちゃんらしいカワイイ趣味なの」

伊織「ちょ、ちょっと!見ないでよ!///」

雪歩「壁一面にパンツがかけてある部屋に招待されて、『見ないでよ』と言われても」

響「伊織は元からおかしかったのか?それとも765プロにきておかしくなったのか?」

美希「あっ、ミキ知ってるの。それって『ニワトリが先か、卵が先か』ってやつなの」

真美「そうなのかなぁ」

新堂「このお部屋はお嬢様がお生まれになった際、奥様が装飾なさいました」

響「親の狂育のせいか」

美希「ニワトリが先なの」

真美「それにしても、どうして水瀬家では一つの部屋を一種類のモノで埋め尽くすんだろう」

伊織「その方が使いやすいじゃない?どこに何があるか分かりやすいし、効率的だわ」

雪歩「身だしなみを整えるのに何部屋も行ったり来たりする方が、間違いなく非効率だよ」

伊織「ウォーキングも兼ねているのよ。外の移動はほとんど車だしね」

やよい「もう我慢ならないよ」

美希「響、ここにあるパンツを一つ残らず食べてしまえなの」

響「だからなんでだよ!」

千早「むしゃむしゃむしゃむしゃ」

真美「パンツを食っとる」

雪歩「さっきのグルメ番組を見て、お腹がすいちゃったんだね」

春香「ねぇ、お腹が痛くなってきたんだけど」

響「その汚いケツをこっちに向けるなよ」

春香「待ってね、バッグにウェットティッシュがあったから」

響「ウンコの噴出口をこっち向けるなって言ってるんだよ!」

伊織「着いたわ。ここが『第三の部屋・シャルルの間』よ」

春香「これって……」

雪歩「セントラルドグマの綾波レイを思い出したよ」

伊織「失礼な想像してんじゃないわよ!」

新堂「ご安心ください。お嬢様のシャルル様はただ一人だけでございます」

真美「それなら安心だね」

ガチャ

━第三の部屋・シャルルの間━

伊織「ここはシャルルの予備パーツの部屋なのよ」

響「う、うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

雪歩「壁一面にシャルルの首が吊るされている」

真美「こっちの壁には右腕がいっぱい!」

新堂「喜んでいただけまして何よりでございます」

伊織「ど、どうしたのよ?みんなだって、つけ爪とかエクステとかするでしょ?」

美希「ミキたちはファッション感覚で腕をつけ替えないの」

雪歩「アンパンマンだって、もう少し自分の頭を大事にするよ」

春香「うふふ、こんにちはウサギの頭さん。わたし春香っていうの。その白い頬をペロペロしていいかな?」

真美「はるるんがまたまたおかしくなった」

千早「そういえばシャルルもリボンをつけていたわね」

やよい「イライラで気持ち悪くなってきました」

雪歩「それはイライラのせいじゃないよ」

真美「ひびきん、ここにあるシャルルを一つ残らず食べてしまいなよ」

響「絶対に嫌だからな」

美希「ばりぼりばりぼり」

響「シャルルを……食ってる……!」

律子「ついに目覚めたのね、彼女が」

やよい「覚醒美希さんです!」

雪歩「律子さん、お疲れ様です」

律子「いえいえ。じゃあ私は帰るわね」

春香「千早ちゃんはお腹痛くならないの……?」ゴロゴロ

千早「いいえ、まったく」

真美「新陳代謝が悪いんだね」

美希「だから胸が育たないの」

千早「腕の一本でもねじり切れば、美希の代謝も悪くなるかしら?」

伊織「腕をちぎるとか、やめなさいよ……そういう猟奇的なのは嫌よ」

響「自分はこんな伊織イヤだぞ」

春香「ところで、伊織の部屋はいくつあるの?」

伊織「この廊下に面しているのは全部私の部屋よ」

響「廊下の端が見えないんだけど」

雪歩「流石にちょっと疲れてきたね」

真美「主に精神的にね」

伊織「私もそろそろ体を休めたいから、次で最後にしようかしら」

美希「最後にふさわしいお部屋を頼むの!」

真美「ミキミキは楽しそうだなぁ」

やよい「きっとお胸に栄養を全部とられて、脳ミソは絞りカスなんだよ」

響「やよいはどこでそんな言葉を覚えたんだ?」

やよい「誠に遺憾ながら、千早さんの反応を参考にしました」

千早「クソビッチを罵る高槻さん……ステキ、とろけちゃう!」ドロドロ

春香「やよい、あれはアンサイクロペディアより参考文献にしてはいけない存在だよ」

真美「アンサイクロペディアって腐った妄言しか載ってないの?」

響「それは流石にアンサイクロペディアに失礼だなぁ」

伊織「さぁ、ここが『最終地獄・デコの間』よ」

春香「…………」

やよい「…………」

響「…………」

真美「ついに『地獄』って言っちゃったよ」

雪歩「これは反応に困るなぁ」

美希「こんなときこそ、千早さんの反応を参考にするの」

千早「かすみちゃんの聖水を飲みながら私の聖水を高槻さんに飲ませる……日本の物流が変わるわねっ!」グッ

春香「美希、ペドフィリアを参考にしちゃいけないよ」

真美「ペドフィリアってアンサイクロペディアのパロディサイトなの?」

雪歩「そうだよ」

響「いっそあの千早が本物じゃなくて、模倣品だったらよかったのに」

━最終地獄・デコの間━

ピカッ

春香「うおっまぶしっ」

響「部屋一面に伊織のデコがかけられている」

雪歩「デコが光を反射し合って大変なことになってる」

千早「まるで鏡張りの部屋ね」

真美「千早お姉ちゃん、溶けないの?」

千早「術者の魂のこもっていない太陽拳では、闇の眷属を倒すことはできないわ」

やよい「実に残念です」ペッ

美希「なんだか気持ち悪くなってきたの」

春香「下等な魔族には効果があるみたいだね、美希をこの部屋に閉じ込めて帰ろう」

美希「いじめないでっ」

真美「まぁドアを閉めたら真っ暗になるんだけどね」

響「それこそいじめみたいだぞ」

雪歩「ところで、あまりの事態にツッコミ忘れてたけど」

伊織「何かしら」

真美「この部屋は何の為にあるのかな?」

新堂「お嬢様、そろそろお時間でございます」

伊織「そうね」カポッ

やよい「い、伊織ちゃんのおでこが!」

美希「デコちゃんのデコが理科室の人体模型みたいになってるの!」

伊織「見~~た~~な~~」

響「ヒヒィーーーー!!!」

雪歩「目の前でデコの取り外しをしながらそんなことを言われても困っちゃうなぁ」

伊織「これを見たからには生かしておけないわ」スチャ

響「消火器を構えたぞ」

伊織「フンッ!!」ブンッ

ガッシャーン

真美「わわっ、消火器を投げてきた!」

千早「本当に病人なのかしら」

伊織「消火器はまだまだたくさんあるわよ」ブンッ ブンッ

新堂「隣の部屋は『消火器の間』でございますからね」

真美「そんな部屋まであるの?」

雪歩「金持ちって、もしかしたらそんなに頭が良くないのかも」

響「とにかく逃げるぞ!」

春香「あっ、待ってみんな!お腹が痛くてうまく走れな……」ゴロゴロ

伊織「とりゃ」ブンッ

ドスッ

春香「オウフッ」

やよい「春香さんのケツにジャストミートです!」ピョンピョン

真美「やよいっちは何が嬉しいんだろう」

やよい「伊織ちゃんのことは、自分のことのように嬉しいんだよ」

雪歩「これがウワサに聞く『やよいおり』なんだね」

千早「くやしいくやしいくやしいっ」ギリギリ

春香「あ、もう無理。出る」ミチミチ

真美「はるるんが限界だよ」

美希「ちょうどいいからこの隙に逃げるの」

春香「モ゙モ゙モ゙モ゙モ゙モ゙モ゙モ゙モ゙」



――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――――

━翌日・765プロ━

春香「ずーん……」

響「春香、元気出せよ」

真美「大丈夫だよはるるん。帰りはリボンを外してたから、誰だかわかんなかったよ」ゲラゲラ

雪歩「『ずーん……』って口に出して言っちゃうとか、あざと過ぎて笑っちゃうよ」クスクス

響「お前らちょっと離れてろよ」

やよい「響さん、春香さんに優しいですね」

響「まぁ、同じ経験をしてるからな」

美希「負け犬同士、ケツのなめあいなの!」

千早「高槻さん、一緒にケツのなめあいをしましょう?」

やよい「」グリグリ

千早「高槻さんのカカトが私のつま先をッッ!!実にイイィィィィャッハァァァァ!!」ブルブル

響「言っとくけど、自分の場合は半分くらい不可抗力だったからな?」

春香「えっ、じゃあ私も?」ワクワク

真美「はるるんは100%自業自得っしょ」

春香「ずーんずーん……」

雪歩「あざといなぁ」キャッキャ

ガチャ

伊織「おはよう」

真美「あっ……」

やよい「伊織ちゃん……」

春香「伊織……昨日はごめんね?」

伊織「ああ……もしかしたら誰かお見舞いに来てくれるかもって、少しでも期待した私がバカだったわ」

雪歩「えっ?」

響「今なんて言ったんだ?」

伊織「な、何度も言わせるんじゃないわよっ!ばかっ///」

美希「よく分からないの」

千早「せっかくのツンデレも、状況がのみ込めないと堪能できないわ」

雪歩「伊織ちゃん、新堂さんは元気?」

伊織「新堂なら今、夏季休暇を取ってるわよ」

やよい「どういうことなんだろう?」

響「なんだか怖くなってきたぞ」ゾクッ

美希「このタイミングでお腹が痛くなってきたの」

春香「あっ、事務所のトイレ使わせてもらうね。三時間くらい」バタンッ

真美「じゃあ真美はもう一つのトイレにこもらせてもらうよっ」バタンッ

バキッ

千早「あらごめんなさい。外に行く扉のドアノブをわざと壊してしまったわ。これでは事務所から出られないわね」

美希「みんなのいじわるっ!」

雪歩「でも、これで美希ちゃんのケツの穴からシャルルが出てくれば、昨日のことが事実だと分かるね」

千早「逆にシャルル以外のブツがでてきてしまったら……」

響「う、うわぁぁぁ!美希頼む!ケツからシャルルを出してくれっ!」

伊織「アンタ達!冗談でも言っていいことと悪いことがあるわよ!私のシャルルを汚さないで!」

美希「ヤバいなのヤバいなのヤバいなのヤバいなの」

やよい「事務所がまた汚れちゃいそうだなぁ」





P「そういえば、近所の洋館に幽霊が出るらしいな」

貴音「面妖な」



第二十八話 終わり

レビたんかわゆす。

ところで、第二十八話ってスカトロ描写キツめでしたか?
第一話・第六話は「スカトロ描写あるから注意してね」とSSWikiに載せてるんですが
今回はそこまですべきか微妙なラインで自分では判断に困ってます。

ありがとうございます。とりあえず、wikiには載せないでおきます。

━第二十九話━

━夜・765プロ━

ガチャ

小鳥「あら亜美ちゃん」

亜美「あっ、ピヨさん。どったのこんな時間に?」

小鳥「トイレ掃除の時間なのよ。亜美ちゃんこそ、まだ帰らないの?」

亜美「もうすぐ帰るよ。今、真美のトイレ待ち→」

ガチャ

真美「お待た→」

亜美「遅いよ真美~」

真美「え、えへへ……ごめんごめん。ピヨさん、こんばんは」

小鳥「こんばんは、真美ちゃん。もう遅いから、気をつけて帰るのよ」

亜美「は→い」

真美「ワニ子、ピヨさん、お疲れ様~」

小鳥「お疲れ様」

ワニ子「はい、お疲れ様」

バタン

小鳥「…………」

小鳥「ゲヘヘヘヘ、真美ちゃんの女の子の部分から放たれた匂いは、間違いなくアレ……!」

小鳥「トイレの汚物入れを漁りはじめて早二週間、ようやく中学生の使用済みナプキンを手に入れることができるわ」

小鳥「これだから清掃員はやめられないでゲス。モーッキョッキョッキョッキョッ」

ワニ子「…………」

━翌日・765プロ━

ワニ子「このままではいけないと思います」

P「どうした、ワニ子?」

律子「賃金の引き上げなら、交渉には応じるわ。あくまでも交渉に、だけど」

亜美「うわお。オニ社長」

ワニ子「私ではなくて、小鳥さんのことです」

P「小鳥さんって?」

ワニ子「ピヨさんですよ」

律子「あー、ピヨさんのことだったのね」

響「はっはっは!ワニ子、沖縄の方言で喋ってもみんなには分からないぞー」

真美「沖縄の方言で『小鳥さん』ってどういう意味なの?」

響「うん?そういえば分からないな。自分も東京暮らしが長いからなー」

亜美「ひびきんも大分、都会に馴染んできたねぇ」

響「そんなに褒められると照れちゃうぞ」

亜美・真美・響「キャッキャッキャ」

ワニ子「…………」

伊織「ワニ子、いつものことよ」

ワニ子「分かってくれるのは伊織さんだけです」

ワニ子「プライバシーの侵害になるから詳細は伏せますけど、あの人は事務員をやらせておいた方が765プロの為です」

P「別に伏せなくていいぞ」

律子「よく分からないけど、ピヨさんがよからぬ事をしてるんでしょ?」

ワニ子「いいんですか?」

響「ああ。加害者の人権を気にし過ぎたせいで、被害の全貌がうやむやになってしまうなんて、本末転倒だぞ」

亜美「ひびきんが珍しくマトモなこと言ってる」

真美「どっかで仕入れてきた知識に違いない」

ワニ子「じゃあ言いますけど、あの人毎日トイレの汚物入れ漁ってますよ」

律子「」

響「」

亜美「」

真美「」

伊織「ちょっとやり過ぎちゃったわね」

ワニ子「すみません。私、肉食系女子なもので」

響「ま、まぁ……とにかくピヨさんがとんでもないヤツってことが分かったわけで」

ワニ子「ドン引きさせちゃってすみません。でもある意味私も被害者なので……」

P「えっ、ワニ子も汚物入れ使ってるの?」

響「セクハラだぞ、変態プロデューサー」

亜美「ドすけべ兄ちゃんさいて→」

真美「……えっち」

律子「ちょっと寄らないでもらえますか?」

P「ど、どういうことだ」

ワニ子「私が言うのもなんですけど、プロデューサーさんはごく普通の疑問を口にしただけですよね?」

伊織「積み重ねてきた信用によるものね」

P「伊織、ワニ子、フォローしてくれ」

ワニ子「ちょっと寄らないでもらえますか?」

P「えっ……えっ?」

伊織「ワニ子の信用も失ったのね」

響「ワニ子は学習能力が高いからな」

ワニ子「ピヨさんって私の前では結構、何も気にしないで妄言をベラベラくっちゃべるんですよ」

P「セクハラだな」

律子「エロデューサーは黙っててもらえます?」

ワニ子「たまにならまだしも、それが毎日続くので、精神的にかなり辛いものがあります」

亜美「それって狙ってやってるんじゃない?」

真美「事務員に返り咲かんとするために、ワニ子を殺しにかかるとは」

響「うがーっ、許せないぞ!」

伊織「小鳥のおつむでそんなこと考えつくかしら?」

律子「あら、ピヨさんの肩を持つのね」

伊織「全然。それにそもそも、清掃員の立場を楽しんでるんだからわざわざ事務員に戻りたがるはずが……」

ガチャ

小鳥「こんにちはー、汚物入れ漁りにきましたー」

響「捕らえろ!『Dead or Alive』だ!」ガシッ

亜美「『生死を問わず』ってことだね!」ガシッ

真美「またどっかから仕入れてきた知識だね!」ガシッ

ワニ子「ワニワニパニック!」ガブッ

小鳥「ぎょえ~~~~!!」ブシュー

伊織「ホラ、何も考えずに部屋に入ってきたでしょ?」

律子「確かに」

ワニ子「この人、このあとどうしますか?」ガブガブ

小鳥「ちょっと!私をくわえたまましゃべらないで!」ブシューブシュー

P「なんでピヨさんは生きてるんですか?」

小鳥「ひどいっ!小鳥悲しい!泣いちゃおうかしら!うるうる!めそめそ!」ブシューブシュー

律子「随分余裕ね」

ワニ子「甘噛みですから」ガブガブ

伊織「うっとおしいから、少し血が抜けるまで待ちましょう」

━三時間後━

ガチャ

亜美「ダンスレッスン終わったよ→」

律子「お疲れ様」

真美「ふい~、ちかれた~」

響「まだまだだなー、自分は余裕だぞ!」

ワニ子「ふふ、響は元気いっぱいね」

律子「それじゃ、時間もちょうどだしお昼食べに行きましょうか」

P「そうだな、たるき亭でも行くか」

響「一人でコンビニ弁当でも食ってろよ変態」

亜美「まだ出頭してなかったの?」

P「えっ、まださっきの続いてたの?」

律子「少なくとも今日中は続きますよ」

P「そ、そんな……真美、なんとかしてくれ」

真美「あ、すみません。ホントそういうの無理なんで、勘弁してください」

亜美「真美の反応が一番キッツいね」

響「真美は思春期だからなぁ」

P「」ドロドロ

ワニ子「溶けてる」

律子「気持ちよかったんでしょうね。本当にクズだわ」

ワニ子「あっ、そうだ」

━社長室━

ガチャ

ワニ子「小鳥さん、お元気ですか?」

小鳥「止血もしないでこんなところに閉じ込めておいて『お元気ですか?』はないんじゃない?」

ワニ子「よかった、元気みたいですね」

小鳥「真美ちゃんのナプキンがなければもたなかったわ」

ワニ子「聞かなかったことにしますね」

律子「あっ、ピヨさん」

響「ピヨさん、なんでそんなところにいるんだー?」

亜美「ピヨさん、その真っ赤な服カッチョイ→ね!」

真美「まるではるるんみたい!」

響「これでまた一つ、春香からなけなしの個性が失われていくんだな」

律子「ピヨさん、あまり春香をいじめないでくださいね?」

小鳥「ワニ子ちゃんがいてくれて本当によかったわ」

ワニ子「伊織ちゃんがドラマの収録に行っちゃいましたからね」

小鳥「大体なんで私はこの部屋に閉じ込められていたのかしら?」

ワニ子「ごめんなさい、血の臭いを嗅ぐとお腹がすいちゃって」

P「ワニ子は肉食系女子だからな」

ワニ子「馴れ馴れしくしないでもらえますか?」

P「うわ~ん、真美助けて~」

真美「……し、しょうがないですよね。男の人、ですものね」

P「やった!分かってくれた!」

律子「真美が敬語使ってるところを初めて見たわ」

響「心の壁が視認できるぞ」

亜美「それもどっかから仕入れた知識?」

響「いや、そこまで難しいこと言ってないだろ」

律子「だんだん思い出してきたんだけど、ピヨさんが何かよからぬ事をやらかしたんじゃなかった?」

小鳥「あなた達が私にしてくれた仕打ちも、少しでいいから思い出してください」

亜美「あつかましいなぁ」

響「それで、ピヨさんをクビにするって話だっけ?」

ワニ子「いや、そこまでは。清掃員ではなく事務員に戻してはどうかなって」

真美「それはちょっと甘過ぎない?」

ワニ子「でもこの人を社会に放り出したら何をしでかすか分からないわ。ここなら心療内科も近いし」

律子「心療内科は保健所じゃないわよ」

亜美「ついでに言うと、保健所に捕まった動物はすぐ殺されるわけじゃないよ」

真美「まぁピヨさんじゃどの道、引き取り手がつかないだろうけど」

ワニ子「まぁ、そうだったんですか?」

響「ワニ子はまだまだ人間の世界の勉強が足りないなぁ」

小鳥「あなた達の言ってることがよく分からないのだけど、私も勉強が足りないのかしら」

律子「そういえば、『よからぬ事』で思い出したんだけど」

亜美「『よからぬ事』で思い出すことって、大抵ロクなことじゃないよね」

律子「そろそろ元社長が釈放される頃だわ」

真美「そうだっけ?」

P「ちょうどいいから、元社長が戻ってきたらピヨさんを事務員に戻すか」

響「近寄るなって何度言えば分かるんだ?」

律子「言ったかもしれませんけど、社長はセクハラで捕まったんですからね」

P「ごめんなさい許してください頼むから勘弁してください」ドゲザー

亜美「完璧な土下座だ」

真美「きっとこの人も色々苦労してきたんだね」

律子「でもまぁ確かに、元社長が戻れば私にも事務員を兼任する余裕ができるわね」

ワニ子「元社長が戻り、律子さんがプロデューサー兼事務員に戻り、小鳥さんが名ばかり事務員に戻る、と」

響「ムダの多い玉突き人事だな」

ガチャ

社長「ただいま」

律子「お帰りなさい、高木元死刑囚」

亜美「『元死刑囚』って、どんなことすれば呼んでもらえるの?」

真美「死刑判決を受けた後、執行前に冤罪が判明した人とかかな?」

響「どうやら、死刑執行された後の死刑囚がそう呼ばれるらしいぞ」

亜美「あっ、またひびきんがどっかから仕入れた知識を披露してる」

真美「露骨な知性アピールだね」

響「いや、確かにこれはネットから仕入れた知識だけれども」

P「まぁそれはそれとして、随分お早いお帰りですね、高木元死刑囚」

社長「死んでないもんっ」

小鳥「気持ち悪い」

社長「大体、私は刑務所に入ってなんかいないぞ」

ワニ子「そうなんですか?」

社長「あの程度の発言(第二十三話)で投獄されたらやってられんよ」

P「それはいいことを聞きました」

社長「まぁ例によって警察からはキツいお説教をくらったがね」

亜美「いい歳コイて何やってんのさ」

真美「そんなんだから、ZZ時代よりダメなヤザンって言われるんだよ」

社長「ダメじゃないもんっ」

小鳥「それホントに気持ち悪いですよ」

社長「メタルグレイモン」

響「何言ってんだコイツ」

社長「かっこいいと思って」

亜美「あー、知ってる!それ『ぎゃおっち』でしょ?」

真美「違うよー、『ぎゃおっぴ』だYO!」

律子「アンタ達ホントに中学生?」

P「でも、それならなんで今まで事務所に来なかったんですか?」

社長「そのまま海外出張に行ったからな。……って、あれ?音無くんから何も聞いてないのかね?」

小鳥「ピピピピーピーピーピッピピー♪」

亜美「FFのファンファーレだ」

真美「口笛でごまかす曲として、チョイスが完全に間違ってるところが、余計に腹立たしいね」

響「逆に『してやったり』って感じだしな」

律子「やっぱりピヨさんはクビにしましょう」

小鳥「ま、待って!私をクビにしたら、プロデューサーさんのセクハラを止める者がいなくなるわよ!」

ワニ子「止めたことなんてありましたっけ?」

小鳥「私をオトリにして食い止めるわ。トリだけに。そしてそのあと即連結!」ハァハァ

P「オヤジギャグと逆セクハラのコンボで、もう心がボロボロです」

律子「やっぱりピヨさんとエロデューサーを保健所に放り込みましょう」

響「せいぜい檻の中で子作り頑張れよ」

小鳥「ピヨッ!」

P「最悪の巻き込み事故だ」

社長「はっはっは。久しぶりに戻ってきたが、みんな変わりないようで安心したよ」

律子「まぁ社長が特に気にしないのであれば、ピヨさんを事務員に戻すことに異論はありません」

社長「分かった。では、今この瞬間より音無くんは事務員に戻ることとする」

亜美「お帰り、ぴよちゃん」パチパチ

真美「ぴよちゃん、お帰り」パチパチ

響「お帰りだぞ、ぴよ子!」パチパチ

律子「小鳥さん、お帰りなさい」パチパチ

P「お帰りなさい、小鳥さん」パチパチ

小鳥「みんな……ただいまっ!」ウルウル

ワニ子「なんですかこの茶番?」

小鳥「じゃあ私はさっそくトイレの汚物入れを漁らせてもらうでゲス」

社長「な、何を言ってるんだね音無くん?」

亜美「考えてみれば、清掃員じゃなくても汚物入れ漁りは可能だった」

真美「こいつは盲点だったぜ」

響「ワニ子、甘噛みだ」

ワニ子「獣王会心撃!」ガブッ

小鳥「ぐああああああああ!」ブシュー

P「あれは本当に甘噛みなのかなぁ」

律子「ところでワニ子はこれからどうするの?」

ワニ子「せっかくだからアイドルデビューしてみようかと」ガブガブ

小鳥「だから私をくわえたまましゃべらないで!」ブシューブシュー

亜美「ハム蔵、いぬ美、カモ先生に続く四人目のアニマルアイドル誕生だね!」

真美「ユニット名は『バラエティーアニマル』だYO!」



第二十九話 終わり

━第三十話━

千早「月曜日にやよいを愛でて~♪」

千早「火曜日にアナルをなめて~♪」

千早「水曜日に春香を噛んで~♪」

千早「木曜日にケツ毛をむしる~♪」

千早「テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャ~♪」

千早「テュリャテュリャテュリャテュリャリャリャ~♪」



真美「千早お姉ちゃんが気持ちの悪い歌を歌ってる」

美希「歌がうまいから歌詞が耳にキレイに入ってきて、余計気持ち悪いの」

あずさ「ロシア民謡の『一週間』ね」

真「ロシア人ってそんな気持ち悪い生活を送ってるの?」

春香「言っとくけど、私はむしるほどケツ毛は生えてないからね」

亜美「…………」

ザッ

千早「あら、亜美?どうし……」

亜美「千早お姉ちゃんのばかっ!」

千早「!?」

真美「!?」

千早「ど、どうしたの急に?」

亜美「最近いっつも、やよいっちとはるるんのことばっかり……亜美は妹じゃなかったの!?」

春香「おやおや、面白いことになってきたよ」ニヤニヤ

あずさ「あらあら、春香ちゃんは他人のこととなると本当に楽しそうねぇ」ニコニコ

真「あずささんもね」

千早「そんなことないわ。お姉ちゃんね、亜美が中学生になったからあんまりベタベタしちゃいけないかなって……」

亜美「そんなの言い訳だよ!それにやよいっちだって中学生じゃん!」

真「きたきたっ、ジェラシーだよ!太陽のジェラシーだよ!乙女チックオーラがビンビンだよぉ!」ハァハァ

美希「真クンの真クンがビンビン!?ステキなの、ミキの乳首もビンビンなの!」ハァハァ

あずさ「ものすごく気持ちの悪い空間ね」

春香「乙女チックオーラっていうのは、毒ガスの類なのかな」

真美「どうしよう、また亜美のビョ→キが再発しちゃった」

千早「じゃあどうすれば……」

亜美「そんなの自分で考えなよっ!言っとくけど、シーよりランドの方が好きだかんねっ!」

春香「分かりやすいなぁ」

あずさ「千早ちゃん、亜美ちゃんの次のオフは来週の日曜日よ」

千早「わかったわ。亜美、来週の日曜に二人でデートに行きましょう!」

亜美「やったー!」ピョンピョン

真美「あずさお姉ちゃん、亜美の次のオフは三日後だよ?」

あずさ「三日後は、私達がオフじゃないでしょう?」

真「尾ける気マンマンだよこの人」

美希「真クンの真クンがマンマン!?ステキなの、ミキのミキもマンマンなの!」ハァハァ

真美「ミキミキ、さすがにそれは意味がわからないよ」

春香「まったく、あずささんも人が悪いですねぇ」ニヤニヤ

あずさ「春香ちゃんこそ」ニコニコ

真美「(あ、この面子……私がメンドくさいパターンだ)」

━デート当日━

亜美「おっはよ→、千早お姉ちゃん」

千早「おはよう、亜美。かわいいわねその服、似合ってるわ」

亜美「あ、ありがと///千早お姉ちゃんもその穴開きグローブ、チョ→カッコイ→よ!」

千早「ふふっ、今日はお姉ちゃんだからね。それじゃ、行きましょうか」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

あずさ「ついにはじまったわね」

真美「ちゃんと舞浜のランドに待ち合わせててよかったよ」

春香「千早ちゃんのことだから、よみうりランドと間違えたりしないか心配だったよ」

あずさ「あら?ここってよみうりランドじゃないの?」

真「あずささんは、そう思っててください。あと迷ったら、太陽の昇る方角が西ですので」

あずさ「わかったわ、お歌にもあったものね~」

美希「ところで、なんで千早さんは穴開きグローブなんてしてるの?」

真美「『お姉ちゃんだから』の返しも意味不明だよ」

春香「うーん、千早ちゃんは中二病だからなぁ」

━スプラッシュ・マウンテンみたいなやつ━

亜美「ヒャア~!水しぶきが顔にかかってまるでブッかけ祭りだよ!」

千早「オウフ……オウフ……」ビクビク

亜美「どったの、千早お姉ちゃん?」

千早「今日は穴開きパンツを穿いてきたから、水がお股に入ってしまったの。すごい刺激だったわ」ハァハァ

亜美「すごいすごい!穴開きおパンツなんて、大人のオンナだね!」

千早「お姉ちゃんだからね」エッヘン

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

真美「千早お姉ちゃんは頭に穴が開いているの?」

あずさ「否定はできないわね」

真「大体、どんなパンツ穿いていようが股に水は入らないだろうに」

美希「きっと落下の瞬間に逆立ちしてたの」

春香「そのまま墜落すればよかったのに」

━キャッスルカルーセルみたいなやつ━

真「要はただのメリーゴーランドだね」

真美「カル→セルって、尿道にブッ刺して強制おもらしさせる管だっけ?」

あずさ「それはカテーテルね」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

亜美「キャッホ~!回れ回れ~!」

千早「こういうのも悪くないわね」

亜美「ところで、カル→セルって、尿道にブッ刺して強制おもらしさせる管のことなんだって」

千早「まぁ。そんなこと知ってるなんて、亜美も立派な大人のオンナね」

亜美「もしもの時は、亜美が千早お姉ちゃんのカル→セルになってあげるよ」キリッ

千早「ステキ……濡れちゃう///」ジュン

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

春香「何言ってんだアイツら」

あずさ「同じ勘違いをするなんて、さすが双子ねぇ~」アラアラ

真美「えへへ」

真「強制おもらしさせないといけないような『もしもの時』って、どういう状況なんだろうね」

美希「山火事の時とかじゃない?」

春香「千早ちゃんとは絶対に山登りに行かないことにするよ」

━ホーンテッドマンションみたいなやつ━

春香「コースターに乗って回るオバケ屋敷だね」

あずさ「怖くなったら目をつぶればいいから、お子様でも安心ね」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
亜美「キャーコワーイ」

千早「よしよしよしよし」ペロペロペロペロ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

春香「チッ」イライラ

真美「は、はるるん怖いよ……」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
亜美「オネエチャンタスケテー」

千早「ぺろぺろぺろぺろ」ビチャビチャ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

あずさ「ヨダレが私達のコースターまで飛んでくるわ」

真「うわぁ、ヌルヌルする」

美希「真クンのマンマンがヌルヌル!?ステキなの、ミキのマンマンもヌルヌルなの!」ハァハァ

真美「ミキミキ、そいつぁマズいよ」

春香「さっきから千早ちゃん、亜美をなめてばっかじゃない?」イライラ

あずさ「アトラクションを楽しむ気は無いのね」

真「遊園地デートの男の人って大体そんな感じじゃない?」

真美「まこちんが言うと意味深だね」

春香「自分の感想を同性全体の意見として言っちゃうのはマズいよ」

美希「真クンがイッちゃう!?全然マズくないの!ミキも一緒にイくの!」ビクビク

真「みんなが夢の国の乙女チックオーラにあてられておかしくなった」

あずさ「乙女チックオーラっていうのは、催眠ガスの類なのかしら?」

━プーさんのハニーハントみたいなやつ━

真「さっきのホーンテッドマンションみたく、乗り物に乗ってプーの世界を見て回るんだね」

美希「絵本の中に入り込んだみたいなの」

真美「『プーの世界』っていうと、なんだかニートの日常生活を見せられるみたいでヤだなぁ」

あずさ「ホーンテッドマンションと違ってレールがないから、どっちに進むのかわからないわ」

春香「乗り物がハチミツの壷の形をしててカワイイ♪」

真美「ハチミツの壷がカワイイって感覚は理解し難いなぁ」

真「春香の脳ミソも、夢の国の乙女チックオーラにやられちゃったんだね」

美希「ズルいの!ミキも真クンにヤラれちゃいたいの!」フーッフーッ

あずさ「あらあら、今日の美希ちゃんはいつもに増してクソビッチねぇ」

春香「真って本当は乙女チックオーラのこと嫌いでしょ?」

真「いや全然?」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
プー「やぁ僕プーさん。よろしくね」

亜美「見てみて、真っ赤なチョッキだよ!まるではるるんみたい!」

千早「言われてみれば、どこでも転びそうなマヌケ面も春香にそっくりね」

亜美「世界的人気キャラクターにそっくりだなんて、さすがはるるんだね!」

千早「まったく、大したメインヒロインだわ」

亜美「ところで、どうして下半身を露出しているの?変態なの?」

プー「この世界では、下半身を露出させるのがルールなのさ。キミたちもレッツトライ!」

千早「わかったわ!」スポーン

亜美「ゴ→にイってはゴ→ゴ→カレ→だね!」スポーン
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

春香「メインヒロインだなんて、千早ちゃんったら……デヘヘ」

あずさ「大分乙女チックオーラに脳が侵されてるわね」

真「大変だ、ボク達も下半身を露出させないと!」スポーン

真美「何言ってんの、まこちん?」

春香「きっと、気が狂ったフリをして私達四人の貞操を奪うつもりなんだ」

あずさ「まるで、さかりのついたオス猫ね」

美希「さすがのミキも、これには苦笑いなの」

真「ボクは正常だよ!」

真美「まこちん、この世界では脱いだパンツを被るのがルールらしいよ」

真「なるほど」カポッ

あずさ「恐ろしい世界だわ」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
プー「ごらん、あいつはピグレットだ」

亜美「ピンクのブタさんだね」

千早「あの子はどうして下半身を露出していないのかしら?」

プー「ヤツは反逆者だからね。生意気にも、定職についてやがる」

亜美「許せないね」

千早「資本主義のブタめが!」

プー「さぁ、このハチミツの壺を投げつけてやるんだ」ポイッ

亜美「くらいやがれ、淫乱ピンク!」ガシャーン ガシャーン

千早「ハチミツまみれになりやがれ、この生ハム野郎!」ガシャーン ガシャーン
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

美希「なんかおかしなことになってきたの」

真「プーさんは共産主義者だったんだね。赤だけに」

春香「共産主義者だって、定職にはついてると思うんだけど」

真美「それより、亜美たちがいきなりアトラクション内の機材を壊しはじめたんだけど」

あずさ「プーさんの教えだからいいんじゃないかしら?」

真「このっ!このっ!男だか女だか分からん恰好しやがって!」ガシャーン ガシャーン

真美「まこちん……」

春香「ところで、『プーさんのハニーハント』ってこんなアトラクションなんですか?」

あずさ「これはあくまでも『プーさんのハニーハントみたいなやつ』だからね」

美希「なるほどなの」

真美「ところで淫乱ピンクといえば、いおりんを連れてくればよかったと今さらながら後悔してるよ」

美希「いんらんってなぁに?」ポカーン

春香「おデコの広い女の子のことだよ」

美希「そうなんだ。じゃあデコちゃんは淫乱ビッチなの!」

真「確かに、伊織が入ればタダで入場できたしね」

真美「そういう意味じゃなくてね。ていうか、真美たち働いてるんだからチケット代くらいケチらなくていいじゃん」

あずさ「でも私、毎月ゼクシィを近隣の本屋から手当たり次第買い込んでるから、あまりお金がないわ」

春香「ゼクシィは買えば買うほど婚活力が上がるシロモノじゃありませんよ?」

あずさ「でも、私のせいで買えなかった連中の婚活力が下がれば、相対的に私の婚活力はぐーんと上がるわ」

真「陰湿な作戦ですね」

美希「これじゃ結婚できないわけなの」

あずさ「フンッ」ドゴッ

美希「リレイションッ」バターン

真美「あ、ゼクシィ」

春香「この破壊力、さすがリクルートですね」ニヤニヤ

あずさ「春香ちゃんに喜んでもらえてよかったわぁ」ニコニコ

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
プー「あいつらはズオウとヒイタチだ」

亜美「ヤツらがハチミツ泥棒なんだね」

千早「それで、あいつらの爪を何枚はがしてやればいいのかしら?」

プー「えっ、それはやりすぎじゃない?」

千早「一罰百戒よ」

亜美「はがした爪は、ヤツらのケツの穴に詰めてやろうよ!」

千早「爪を詰める……ぷっ、くくくっ……」

亜美「千早お姉ちゃんが笑った!」

千早「ゲヒャヒャヒャヒャヒャ」

亜美「千早お姉ちゃんの笑顔が見れるなんて、デートに来た甲斐があったなぁ」

プー「二人はレズカップルなの?」

千早「姉妹よ」

亜美「ちなみに亜美の体が濡れてるのは、ハチミツじゃなくて千早お姉ちゃんのヨダレです」

プー「まいったなぁ。今日は日曜だから病院は休みだぞ」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

春香「プーさんも困り顔だよ」

真「姉妹って、あんな奇行を日常的に行うものなの?」

真美「少なくとも双海家ではそんな経験はないね」

美希「ところでズオウとヒイタチって何なの?」

あずさ「ゾウとイタチのことよ」

美希「そうなの?」

あずさ「ティガーがうまく発音できなくて、なまっちゃったのよ」

春香「まるで響ちゃんだね」

真「言われてみれば、頭のネジが2、30本抜けた感じのスットボけた顔も響そっくりだ」

真美「ひびきんを連れてくればよかったと今さらながら後悔してるよ」

あずさ「確かに、響ちゃんがいればタダで入場できたものね」

真美「そういう意味じゃなくてね。ていうか、ひびきんに全部支払わせるつもりなの?」

春香「??」

美希「??」

真「??」

真美「ひびきんを連れてこなくてよかったよ」

>>574
>真「確かに、伊織が入ればタダで入場できたしね」

春香「今さらだけど、『伊織がいれば』じゃないの?」

あずさ「さすが、脳ミソまで筋肉なだけあるわね」

真「いや、『伊織がランドに入れば、その瞬間にSP総動員の特別体制が敷かれて
  周りのボクらも含めてVIP待遇』みたいに考えれば意味は通るよ」

真美「苦しいなぁ」

美希「苦しそうな真クンもステキなの」

春香「でも確かに、伊織がランドに入ったら一般人がサァーッと道をあけそうなイメージはあるね」

あずさ「まるでモーゼね」

美希「むしろデコちゃんのデコちゃんなの」

真「ははっ、それじゃ伊織の歩いた後はペンペン草一つ生えなくなっちゃうよ」

あずさ「美希ちゃんもまだまだねぇ」

美希「勉強不足だったの。てへっ、なの」テヘペロ

真美「それにしても、ランドみたいにクソ混雑してる場所でモーゼの真似事をしたら大変なことにならない?」

真「確実に2、30人は圧殺できるね」

春香「あっ、それって新しいアトラクションにならないかな?」ワクワク

美希「夏休みシーズンに突入したら、デコちゃんを誘ってもう一度ランドに来るの!」

あずさ「まぁ、それは夢が広がるわねぇ~」

真美「クラッシュした人の周りは、みんな服が真っ赤になっちゃうね」

美希「プーさんのコスプレなの!」

真「飛び散る脳ミソはハチミツの味」

春香「あ、デスポエム」

あずさ「乙女チックオーラ満開ね」

プー「こ、コイツらイカれてやがる」

━シンデレラ城ミステリーツアーみたいなやつ━

真美「こんなアトラクション、あったっけ?」

あずさ「数年前に終了した気がしたけど、そんなことはなかったみたいね」

春香「シンデレラ城の地下に眠る魔王を退治する、体験型アトラクションみたいだね」

真「十数人で一グループとなって進み、ガイドさんに選ばれた一人が『勇者』になるらしいよ」

美希「楽しみなの!」

春香「でも、どうして終了した……ような気がしちゃったんだろうね」

あずさ「きっと『どうしてウチの子が勇者じゃないの!?』みたいなバカ親が増えたからよ」

真美「モンスターペロペロだね!」

真「モンスターペアレントでしょ」

小鳥「千早ちゃんと亜美ちゃんが恋人つなぎでシンデレラ城へ……握りしめられた手の汗をペロペロしたいわ」ハァハァ

春香「見なよ、モンスターペロペロだよ」

美希「気持ち悪いの」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
小鳥「ゲエッヘッヘッ、この世をありとあらゆる汁まみれにしてくれるわ!」

ガイド「まぁ大変!勇者様、この光の剣で魔王の胴体を貫いてください!」

千早「えっ、私が勇者?」

小鳥「そんなナマクラ刀より、この光のバイブの方がよろしくってよ?」ポイッ

ガイド「ちょっと、アドリブはやめてください」

小鳥「さぁ、そいつで私の股間のモンスターを貫いてェェェェェェェェ!!」ハァハァ

千早「ハッ!!」ゴシャッ

小鳥「ハイカブリッ」バターン

ガイド「すみません、その剣刺すと引っ込むやつなんです。刺してください」

千早「それじゃ退治できないじゃない」メキャッ グチャッ

亜美「さっすが千早お姉ちゃん、ストイックだね!」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

春香「なんで小鳥さんが魔王役をやってるんだろう」

美希「多分アルバイトなの。事務員の給料だけじゃキツいんじゃないかな?」

あずさ「女性の一人暮らしなら十分だと思うのだけど」

真美「あずさお姉ちゃんみたく、近隣のゼクシィを買い漁ってるんだよ」

真「普通にエロ同人誌を買い漁ってるだけじゃないかな」

春香「それは普通なのかなぁ」

真美「それにしても、刺すと引っ込む剣も振れば普通に鈍器になるんだね」

あずさ「新発見ね。トリビアに投稿しましょう」

真美「その番組、もうとっくに終わってるよ?」

美希「脳ミソが昭和で止まってるの」

あずさ「美希ちゃんを刺すと引っ込む剣で何回殴ると死ぬのかしら?」ニコニコ

春香「トリビアの種で満開狙えますね。早速検証しましょう」ニヤニヤ

美希「やめてなの!」

千早「あなた達、何をしているの?」

真「あっ、千早」

美希「バレちゃったの」

春香「とりあえず、千早ちゃんのセリフをそっくりそのままそちらへ返すよ」

亜美「亜美たちは秘密のデ→トをしてたんだYO!」

あずさ「遊園地で淫行に及んだり破壊の限りを尽くしたりすることをデートと呼んでいいのかしら?」

真美「少なくとも双海家の辞書にはそんなこと書いてないね」

春香「真美と亜美ってホントに姉妹?」

真「片方は橋の下から拾ってきたんじゃないの?」

あずさ「片方が拾い子なのにこれだけ似ていたら、逆にホラーね」

美希「じゃあ逆に、橋の上から拾われてきたに違いないの!」

真「何言ってんだコイツ」

春香「美希はサル山から拾われてきたに違いないね」

美希「……???ミキ、菜緒お姉ちゃんとはあんまり似てないよ?」

あずさ「話が通じなくてイライラする」

春香「それにしても、もう少し尾行を続けたかったなぁ」

真「やっぱり、同じグループでミステリーツアーに参加するのは無理があったね」

千早「あら、もっと前から気づいていたわよ?」

あずさ「なんですって?」

亜美「亜美たちは皆が気づいていることを知りながら、わざとデートを続けてたってワケさ」

真美「つまり……どういうことだってばよ?」

千早「これは私と亜美のしかけたイタズラだったというワケよ」

美希「つまり……どういうことだってばよ?」

亜美「皆は亜美たちの手の内で踊らされていただけに過ぎないってことだよ」

美希「つまり……どういうことだってばよ?」

千早「これは仕組まれた罠だったのよ」

美希「つまり……どういうことだってばよ?」

あずさ「本の角アタック!!」ガツンッ

美希「シャナリシャナリッ」バターン

真「ゼクシィが真っ赤になっちゃった」

春香「まるでウエディングブーケだね」

真美「そのブーケは受け取りたくないなぁ」

亜美「そもそも千早お姉ちゃんをデ→トに誘ったのが、亜美の小悪魔的イタズラだったのさ」

千早「それに気づいた私は亜美に性的イタズラをしかけたわ」

亜美「そして尾行している皆に対し、わざと変態的行動を見せつけるイタズラを決行したのさ」

千早「まぁ言ってみれば、尾行そのものもイタズラみたいなものだしね」

小鳥「私は千早ちゃんたちに性的イタズラをしかけるはずが、逆に物理的イタズラを食らってしまったわ」

あずさ「私が結婚できないのも、運命のイタズラのせいなのよ」

春香「つまり……?」

千早「私たちはイタズラでつながっているのよ」

亜美「この空はイタズラとつながっている」

真「ひとりでは出来ないこと 仲間となら出来ること」

真美「乗り越えられるのは Unity is strange」

あずさ「それじゃ変態集団になってしまうわ」

小鳥「だけど、言い得て妙ね」

美希「世界中の手を取るのー!」

春香「The world is all one !!」



Unity mind ♪



第三十話 終わり

━第三十一話━

━765プロ━

亜美「やっぱ空中元彌チョップっしょ!狂言の未来がかかってるんだよ!」

真「いやいや、長渕キックだよ。なんたって、蹴った方もよろけるほどの威力だからね」

P「お前たち何の話してるの?」

亜美「『最強の格闘技』決定戦だよ」

真「今、決勝戦です」

P「格闘技の未来が危ないなぁ」

響「格闘技ってか、どっちかっていうと一発ギャグだぞそれ」

P「格闘技談義もいいけど、もう少し女の子らしい話題はないのか?」

亜美「女の子らしい話題って?」

P「んー、恋愛とか、スイーツとか?」

真「うだつのあがらない中年サラリーマンと同じ発想ですよ、それ」

響「アイドルのプロデューサーとしてそれでいいのか?」

P「うるさいなぁ、エクステつけて『響』って呼ぶぞ」

真「ごめんなさい勘弁してください」

響「真、自分たち友達だよな?」

亜美「さすが兄ちゃん、一言で二人を同時に攻撃するとは」

亜美「でもさ、兄ちゃん。女の子らしい話題と言うけどね」

P「うん?」

亜美「そういった話って普通、学校の休み時間とか放課後にするものだよね」

P「まぁそうだな」

真「ボクたちはその時間を削ってアイドル活動をしてるから、女の子らしい話題には正直ついていけないんですよ」

P「流行の最先端をいくアイドルとしてどうなんだ、それ?」

響「流行の最先端をいくなら、今流行のことには無関心でいいじゃん」

P「ふむ、一理ある」

P「じゃあ流行の最先端をいくアイドルが今、一番関心のある話題……3、2、1、キュー!」

亜美「やっぱ44浣腸っしょ!威力がダンチだよ!」

真「いやいや、イチジク浣腸だよ。早い、安い、うまい!三拍子揃ってるからね」

P「お前たち何の話してるの?」

亜美「『至高の浣腸』決定戦だよ」

真「今、決勝戦の引き分け再試合です」

P「アイドルの未来が危ないなぁ」

響「どうでもいいけど、冒頭のプロデューサーのフリにイラっときたぞ」

P「うるさいなぁ、ポニテちょん切って『真』って呼ぶぞ」

真「すみません頼むからやめてください」

響「さっきから真の反応がグサグサくるんだけど」

亜美「ところでまこちん。早い、安い、うまい!の『うまい!』って何?」

真「うまい」ヂュルヂュル

P「か、浣腸液を飲んでる」

真「なんかお腹が痛くなってきたんだけど」

亜美「それは恋だよ」

P「さぁ早く雪歩にアタックするんだ」

真「わかりました!」

ドヒューン

響「トイレに行かせなくてよかったのか?」

P「雪歩がいるから大丈夫だろう」

亜美「何が大丈夫なの?」

P「もしもの時は穴を掘ってくれる」

亜美「土に還すんだね」

響「コンクリートジャングルじゃ土もクソもないけどな。クソだけに」

P「響……」

亜美「ひびきん……」

響「自分をいじめるな!」

P「ところで、小鳥さんはどう思います?」

亜美「ぴよちゃんいたんだ」

小鳥「そうですねぇ、やっぱりオーソドックスに注射器型の浣腸かしら。牛乳なら見た目もキレイですし」

P「なぜ数ある話題からそれをチョイスしたのですか?」

亜美「大体、亜美たちは小学生のイタズラ的な浣腸トークをしてたわけで、エロ目的の浣腸は正直ドン引きなんだけど」

響「小学生のイタズラでイチジク浣腸使うの?」

亜美「とにかく、もう一度チャンスをあげよう」

P「ところで、小鳥さんはどう思います?」

小鳥「そうですねぇ、いじめられてる響ちゃんを見ると加虐性欲がそそられてトロけちゃいそうだわ」ドロドロ

響「ぴよ子を土に還そう」

亜美「液体だからそのまま流し込めばいいね」

小鳥「ピヨッ!?プ、プロデューサーさん、助けてください!」ドロドロ

P「小鳥さん、地球と合体できますよ」

小鳥「キタァァァァァ!!地球のヨダレをたらふく飲んで新しい月を孕んでやるわァァァァァ!!」ニュルニュルニュル

亜美「あっ、人型に戻った」

響「くそっ」

P「ところで、今何か聞き捨てならないセリフが聞こえた気が」

亜美「ぴよちゃん、赤ちゃんってどうやってできるか知ってる?」

小鳥「男の人のヨダレが女の子の胃を侵食してポリープを形成し、それが大きくなって赤ちゃんになるのよ」

響「どうしよう、こんなところに性知識が小学生で止まっている人がいたとは」

P小学生で止まっているというよりは、通常とは別の進化形態を歩んでしまったというか」

亜美「まるでブロリーだね」

小鳥「そして十分育ったら、コウノトリさんが母親のお腹を食い破って赤ちゃんを連れていくのよ。きゃ、ロマンチック☆」キャピルン

P「こういう人に無修正のポルノをつきつけるのは、下卑た快感っていうのにあたるのかなぁ」

亜美「相手が飛びぬけて下卑てるからノーカウントだろうね」

響「もう人型のままでいいから土に還そうよ」

ガチャ

春香「ただいまー」

P「あぁ、お帰り春香」

響「お帰りだぞー」

春香「何の話をしてたんですか?」

亜美「ぴよちゃんをどうやって土に還そうかって話だよ」

小鳥「そんな話だったかしら?」

春香「ふふ、なんだか楽しそうだね。血は流れるのかな?」ワクワク

小鳥「春香ちゃんは私を土に還すことワクワクしてるの?それとも事務所に血が流れることにワクワクしてるの?」

春香「うーん、それは本当に小鳥さんの聞きたい質問?」

小鳥「本音を言えば、オッパイをモミモミペロペロしながら春香ちゃんの喘ぎ声を聞きたいわァァ」サワサワ

春香「モット トオクヘ オヨイデミタヒー」

小鳥「ウギャァァァァァ!」ブシュー

P「春香のデビルソングだ!」

響「ぴよ子が耳から血を流してるぞ!」

亜美「デビルソングは超音波だね!」デビルマーン

春香「ふー、満足満足♪」

響「春香は歌を歌えたから満足なのか?それとも血を見れたから満足なのか?」

春香「うーん、それは本当に響ちゃんの聞きたい質問?」

響「本音を言えば、どうして人一人殺した直後にそんな笑顔ができるのか聞きたいぞ」

春香「でも、小鳥さん生きてるよ?」

小鳥「ヴヴ……イ゙ダギモ゙……イ゙ダギモ゙ヂイ゙イ゙ィィィィィィィィ」ドロドロ

P「溶けながらうめき声をあげている」

亜美「まるでバイオブロリーだね」

響「気色悪い」

春香「気色悪いといえば、さっき真に会ったよ」

響「そんなこと言ってやるなよ」

春香「でも、お腹とお尻を抑えながらヒヨコ走りで近づいてきたから……」

P「それは確かに気色悪い」

春香「それで、一緒にいた雪歩にいきなり『連れてって!マコトをトイレに連れてって!』って」

亜美「ひどい南ちゃんだなぁ」

春香「そしたら雪歩が顔を赤らめて、二人で個室トイレに入っていったよ」

響「二人で同じトイレに入って何をするつもりなんだろう」

小鳥「愛を育むに決まってるじゃない」

P「いつの間に人型に戻ったんですか」

春香「『二人で個室トイレに~』の部分が、小鳥さんのリビドーに触れてしまったみたいだね」

亜美「本当にゲスだなぁ」

小鳥「トイレで行われる婚前交渉!そして生まれる愛の結晶!実に乙女チックだわ!」ハァハァ

亜美「トイレで何をしようが、生まれてくるのはウンコが関の山だよ」

ガチャ

真「ただいまー。雪歩のおかげでスッキリしたよー」

響「おまえは何を言っているんだ」

雪歩「真ちゃんの……すごくおっきかった……///」

小鳥「ホァァァァァァ!!??ハホハァァァァァァア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」ブルブル

春香「小鳥さんのテンションがおかしなことになっている」

響「ちなみにこれは、真がウンコをしてスッキリして、雪歩はそのウンコのデカさに驚いてるだけだからな」

亜美「誰に言ってんの?」

響「自分に言い聞かせないと、この場のよくない雰囲気に飲まれそうなんだ」

P「なるほど」

真「そういえば、トイレから出たらお腹の痛みがおさまったんだけど」

P「だろうな」

真「もしかしてこれが、愛の破局!?」

小鳥「何を言っているのかしら?」

春香「ウンコと一緒に脳ミソも流れ出ちゃったのかな?」

真「だってさっき亜美が『お腹が痛いのは恋のせいだ』って」

響「あー」

亜美「記憶力のいいバカは余計にタチが悪いなぁ」

雪歩「ここで愛が壊れるくらいなら、真ちゃんを壊して私も死ぬッ!!」ブンッ ブンッ

真「わわわっ!?」シュッ

P「雪歩が無双乱舞をはじめた」

亜美「妙に手慣れたスコップ捌きだね」

春香「きっとこんな修羅場が何度も繰り返されてきたに違いない」

小鳥「主人公とヒロインの修羅場回キタワァァァ!!次週は仲直りで神回決定イィィィィィイビビビ!!」ビショビショ

響「ぴよ子の脳内でアニメと現実がごっちゃになってる」

P「よくあることだな」

亜美「どっちを止める?」

春香「小鳥さんでしょ」

真「くらえッ!!」バシッ ドゴッ メキャ ゴシャッ

小鳥「プベァ」バターン

響「か、肩に飛び乗ってからのチョップ四連弾だァ~!!」

亜美「空中元彌チョップだね!」

雪歩「真ちゃんステキ!抱いて!」

P「これで最強の格闘技が決定したな」

春香「狂言の未来は安泰ですね」



第三十一話 終わり

━第三十二話━

━近所の幼稚園━

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
園児1「会いたくて 会いたくて 震える~♪」ブルブル

園児2「揺れる想い~ 体じゅう感じて~♪」ブルブル
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

愛「あっ、見てください!幼稚園のみんなが私達のダンスを踊ってます!」

涼「私達って『ダブルディルド』(第二十二話)の?」

愛「体を小刻みに振動させながら頭頂部を相手の股間にこすりつけるあのダンスは、間違いなく私達のダンスです!」

尾崎「狂ってるわ」

涼「芸能界が、ですか?それとも教育現場が、ですか?」

尾崎「両方よ」

愛「私達の頑張りの結果ですね!」ブルブル

愛「こらこら愛ちゃん、道のド真ん中でダンスを踊っちゃいけないよ」

尾崎「そう言ってる割に、気持ちよさそうな顔してるわね」

絵理「私まで変態と思われるから、『私達』って表現は控えてくれる?」

>愛「こらこら愛ちゃん、道のド真ん中でダンスを踊っちゃいけないよ」

尾崎「ど、どういうことなの?」

涼「今のは僕が言ったんですよ」

絵理「どう聞いても愛ちゃんの声にしか聞こえなかったのだけど」

涼「聞き違いだよ」

愛「き、キチガイ?」

尾崎「聞き違い」

愛「き、キチガイ?」

尾崎「聞き違い」

愛「き、き、チガイ?」

尾崎「き、キチガイ?」

愛「き、キチガイ!」

尾崎「ちがいちがい!」

愛「ピヨピヨ!ピヨピヨ!」バタバタ バタバタ

尾崎「ピヨピヨ!ピヨピヨ!」バタバタ バタバタ

絵理「愛ちゃんと尾崎さんの方からトリの声が聞こえる」

涼「聞き違いだよ」

絵理「き、キチガイ?」

涼「それでもあってるよ」

尾崎「ていうか、結局ユニット名は『ダブルディルド』になったのね」

絵理「愛ちゃんの頭、涼さんの頭と息子で、チンコが一本多いって話じゃなかった?」

涼「後日まなみさんが調べたところ、ダブルディルドの中には片側が二又に分かれているものもあったらしいよ」

絵理「イメージ的に言うと、エヴァのロンギヌスの槍?」

尾崎「なるほど、いい例えね。さすが私の絵理だわ」

涼「まさか本物を画像検索してもらうわけにはいかないからね」

愛「これなら安心ですねっ」ハナマルデスッ

絵理「私たちは健全なジュニアアイドルだから」

涼「さっき思いっきし『チンコ』って言っておいて、健全もなにもないよ」

尾崎「というか、健全なジュニアアイドルってなんなのかしら」

絵理「ひぅっ」

尾崎「そういえば、さっき幼稚園の子たちが歌ってたのって、あなた達の歌じゃないわよね?」

涼「ああ、あれはこの前出したアルバムですね」

尾崎「アルバム?」

涼「コンセプト・アルバムです」

愛「ダブルディルドを使ってそうな曲を集めてみました」

絵理「西野カナの曲は、恋人を想ってオナニーする切ない女心を歌い上げているのね」

尾崎「なるほど。どうりで若い女の子の共感を得られるワケだわ」

涼「尾崎さんは違うんですか?」

尾崎「私くらいになると、相手がどうとかじゃなく単純に快楽を求めて『そういうこと』をするのよ」

愛「ママと一緒ですねっ」

絵理「『そういうこと』ってぼかした言い方をするあたり、やっぱり尾崎さんは真面目ですね」

涼「絵理ちゃんも見習ったら?」

尾崎「そうよ、もっとアイドルとして節度のある振る舞いを心がけなさい」

絵理「今日は私への風当たりが強い?」

テクテクテク

伊織「あら、あなた達」

涼「あっ、師匠」

尾崎「水瀬さん、こんにちは」

絵理「珍しいですね、伊織さんが歩いてるなんて」

伊織「私だって歩くことぐらいあるわよ……近場なら車より早いし」

愛「伊織さん、こんにちはー!!」ブルブル

伊織「きゃあ!なんで小刻みに震えながら頭をこすりつけてくるのよ!」

愛「あいさつのダンスです!」フフン

涼「まるでゴリラだね」

尾崎「ゴリラってそんな気持ち悪い生き物なの?」

涼「ヤツらは意外と賢いんですよ」

絵理「頭に毒物を塗りたくって、相手の股間になすりつけるんです」

愛「ごりらさんはあたまがいいですー」ハナマルー

伊織「アンタ、出会いがしらに私を殺すつもりだったの?」

愛「なんてったって、『愛・殺のダンス』ですから!」エッヘン

絵理「うまい」

尾崎「自分の頭に毒物を塗りたくるのって、賢い動物の行動とは思えないのだけど」

涼「まぁ所詮サルですから」

伊織「一刻も早くこの場を去りたいわ」

涼「それにしても、頭に毒物なんか塗りたくったら、おデコが師匠みたいになっちゃいますね」

伊織「アンタ、私のことを慕う気あるの?」

尾崎「そもそも、どうして水瀬さんのことを師匠と呼んでいるのかしら」

絵理「今のやり取りをみるに、無理やり呼ばせてるに違いない」

愛「家でも外でもご主人様って呼ばれてるから、別の呼ばれ方をされてみたかったんですね」

伊織「外でもって……私のファンをなんだと思ってるのよ」

尾崎「別にファンのこととは一言も言ってないのに」

絵理「やっぱりご主人様って呼ばせてるんだ」

涼「きっと師匠は、ファンのことを肉奴隷としか思っていないんだ」

伊織「」ズドンッ

涼「キュアドリームッ」バターン

愛「すごいっ!涼さんが動かない肉塊になりました!ピクピクしててホンモノのチンコみたいですっ!」ハナマルゲー

絵理「もう、愛ちゃんったら。そんなこと大きな声で言っちゃいけないよ?」ニヤニヤ

尾崎「絵理、もう少しそのニヤケ笑いを抑えなさい」

絵理「ところで愛ちゃん、まるでホンモノのチンコを見たことあるかのような物言いだったね」

愛「見たことないですよ?」キョトン

尾崎「じゃあなんでよりによってあんな言い方を……」

愛「この前、社長が耳から血を流して倒れた時(第二十話)のことをママに話したら、ママがそう言ってました」

絵理「ロクな親じゃないね」

尾崎「まぁ、マトモな感性を持っていたらアイドルなんてできないわ」

伊織「周りを見てるとそれを痛感するわ」

涼「痛た……」ムクッ

尾崎「あっ、起きた」

絵理「回復が早いなぁ」

涼「若いからね」

愛「10代のチンコは回復が早いってママが言ってました!」ハマナルキー

伊織「本当にロクな教育を受けてないわね」

涼「ちなみに、さっきの『ムクッ』は息子の起きる音も兼ねてます」

伊織「頭と下半身のどっちを不能にしてあげようかしら?」

涼「すみませんごめんなさい許してください」ドゲザー

尾崎「あっ、師匠と弟子っぽい」

絵理「怖いお師匠さんだなぁ」

涼「冗談はおいといて、僕は師匠の事務所での立ち位置に感銘を受けたんだ」

尾崎「立ち位置?」

涼「師匠は765プロにおいて、他のアイドルのストッパー的役割を果たしているからね」

尾崎「確かに、最近の秋月さんは以前に比べて絵理や日高さんとバカ騒ぎすることが減ったわね」

愛「私たちのことを一歩引いた目で見てて、正直言って感じ悪いです」

絵理「こっちがちょっとヤンチャしただけで、容赦なく無配慮な言葉の暴力を投げかけてくるし」

尾崎「自分で自分のことを大人だと思ってるガキンチョほど痛々しいものはないわ」

伊織「遠まわしに私の心をエグるのをやめてくれる?」

涼「大丈夫ですよ師匠。師匠は言葉じゃなくて本物の暴力ゴリラですし、そのデコは大人顔負けです」

伊織「」バチコーン

涼「レントンッ」バターン

尾崎「女の子にゴリラって言っちゃいけないわね」

絵理「今日の涼さんの中で、ゴリラがブーム沸騰中?」

涼「ところで、師匠はどこに行くところなんですか?」

伊織「あずさを探しにきたのよ。レコーディングの途中でいなくなっちゃって」

尾崎「ああ、今度出す新曲ね。確か両A面だっけ?」

伊織「そうよ。まぁ片方はあずさのソロだけど」

愛「あずささん、歌うまいですもんね」

伊織「それに、今度の新曲はあずさのバースデー企画も兼ねてるのよ」

絵理「あずささん、迷ってるんじゃなくて逃げ出したんじゃないですか?」

涼「どうせその企画は師匠発案なんですよね?」

伊織「なんでよ……千早よ。7月2日に誕生日パーティーを開催された腹いせでしょうね」

涼「じゃあそのパーティーが師匠発案なんですよね?」

伊織「アンタ、私をどうしたいの?」

涼「師匠が僕の理想になってくれないと、僕も理想に近づけないんですよ」

伊織「アンタ何になるつもりでいるのよ」

涼「トップアイドルです」キリッ

伊織「あ、律子」

涼「ウ、ウヒャア~!?お助けぇ~!!」ブルブル

尾崎「さすが師匠、弟子の扱いがうまいわね」

絵理「勉強になります」

愛「べんきょう。べんきょう。」

伊織「ところでアンタ達はどこに行くつもりなの?」

尾崎「朝の情報番組の収録の帰りよ」

絵理「私のドラマの番宣と、『ダブルディルド』関連商品の紹介です」

伊織「関連商品って?」

愛「『日高愛と秋月涼のダブルディルド~愛と涼とあなたと私・絶頂カルテット~』です!」

伊織「長い!ていうか関連商品ってまんまじゃない!」

涼「今思えば、よく朝の情報番組で紹介できましたね」

尾崎「ユニット名の時点で相当だから、もうどうにでもなれって感じね」

絵理「関根麻里さんも苦笑いでした」

涼「もこみちさんも『それでは早速食べてみよ……おっと!これはフォークじゃなくて
  今朝紹介されたダブルディルドだった~!(スタジオ苦笑い)』って」

伊織「言ったの!?」

愛「言ってもらおうと思ってフォークをすり替えようとしたら、スタッフさんに止められました」

伊織「出禁にならなかっただけでも、ありがたいと思いなさいよ……」

伊織「大体、ダブルディルドなんて売れるの?」

愛「ひどいですよー。結構人気なんですよ?こないだ出したアルバムも売れてますし」

伊織「そういえば思ったんだけど、あのアルバムどうして他の人の曲ばかりなの?」

絵理「カバーアルバムだからですよ。チンコだけに」

涼「本当は僕は皮被ってないんだけどなぁ」

伊織「アンタ達ホントしょうもないことしか考えつかないのね」

絵理「話を戻しますけど、割といい売れ行きみたいですよ」

伊織「意外ね。購買層が『愛と涼のファン』かつ『レズ』って時点で相当苦しいと思ってたけど」

尾崎「あら、別にレズだけとは限らないわよ?」

涼「一人エッチにも使えますからね」

絵理「気分によって、愛ちゃん側か涼さん側かを選べるの」

尾崎「さながら両A面のごとく」

愛「竜宮小町の新CDと同じですね!」ハナマルッ

伊織「今から律子に頼んで、3曲同録にしてもらうわ」

涼「そういえば私たちのダブルディルドはブッ刺すモノが3本ついてるんですよ」

愛「やっぱり竜宮小町の新CDと同じですね!」ルンルンルルンッ

伊織「アンタたち呪いの人形か何かなの?」

涼「どこまでも師匠についていきます」キリッ

伊織「律子ー。こっちよー」

涼「アバビュウェ~!?」ブルブル

絵理「ホント勉強になるなぁ」

愛「べんきょう。べんきょう?」

伊織「じゃあそろそろ私は失礼するわ」

絵理「あずささん、見つかるといいですね」

アリガトウゴザイマシ、タ

尾崎「あら、今雑貨屋からでてきたのは……」

涼「あずささん……と夢子ちゃん?」

夢子「あっ、皆さん。こんにちは」

あずさ「どうしたんですか、こんなところで?」

伊織「それはこっちのセリフよ!レコーディングほったらかしてどこほっつき歩いてるのよ!」プンスカ

あずさ「ごめんなさい、何かとても腹の立つことがあったみたいで。記憶をカッ飛ばそうと外に出てみたの」

愛「あずささんは道に迷うと記憶がカッ飛ぶんですか?」

尾崎「そりゃ帰ってこれないわけだわ」

あずさ「そしたら偶然夢子ちゃんと会って、そこの雑貨屋で誕生日プレゼントを買ってもらったの~」

涼「あれ?誕生日のこと思い出しちゃって大丈夫なんですか?」

あずさ「えっ?誕生日ってみんなにお祝いしてもらえるステキな日でしょ?そんな日を忘れたくないわ」

絵理「どうやら自分の年齢を忘れてしまったらしい」

伊織「ちょうどいいからこのままにしておきましょう」

尾崎「それで、何を桜井さんに買ってもらったの?」

夢子「『日高愛と秋月涼のダブルディルド』です」

涼「師匠、これが『愛と涼のファン』かつ『レズ』の人ですよ」

伊織「まさかこんな身近にいたとは」

夢子「何言ってるのよ涼。私は『バイ』よ」

涼「そういえばそうだったね」

夢子「……じゃなきゃ、涼のことを好きになんてならないじゃない///」

涼「夢子ちゃん///」

愛「雪歩先輩のデスポエムみたいな光景です」

あずさ「あらあら、ヤケちゃうわねぇ。ケツからテキーラぶちこんでやりたいわ」

絵理「ケツが焼けちゃいますよ」

伊織「アホなこと言ってないで帰るわよ」

夢子「ちょ、ちょっと待ってよ!これからさっそく、お姉様とプレゼントを使ってみようねって話してたのに!」

あずさ「あらあら///夢子ちゃん、声が大きいわ」

涼「ゆ、夢子ちゃん!?僕というものがありながら……」

夢子「だってこれを使えば、お姉様と涼との疑似3Pを楽しめると思って」

涼「なるほど」

絵理「でもそれには、愛ちゃんというメス豚が付随しているよ?」

伊織「メス豚て」

夢子「日高愛なんて今は眼中にないから、問題ないわ」

愛「それなら納得ですね」ハナマルー

尾崎「あら、ショックを受けないのね」

愛「この流れで『日高愛も交えて、くんずほぐれつの疑似4Pを楽しみましょう』とか言われる方が精神的にキツいです」

絵理「愛ちゃんのくせにメンタルが強いだなんて生意気だなぁ」

涼「『メス豚』より『メスゴリラ』の方が効果的だったと思うよ、絵理ちゃん」

絵理「涼さんのゴリラ推しは正直うっとおしい」

伊織「876プロのストッパーならちゃんと止めなさいよ」

涼「てへっ」

夢子「(あ、カワイイ///)」ドキューン

夢子「とにかく、私はこれを使ってお姉様を孕ませるのよ!邪魔しないで!」

あずさ「何を言ってるのかまったく理解できないけど、夢子ちゃんが頑張るならお姉さんも頑張っちゃうわ」

涼「そ、そんな!?どうせなら疑似じゃなく本当の3Pで……くそっベルトが」ガチャガチャ

伊織「あ、パイナップル」

涼「ホンギャギャギャァァァァァァァァ!!」 ブルブル

尾崎「似てる物でも効果があるのね。大した想像力だわ」

あずさ「中学生のエロ妄想は現実を遥かに凌駕するからね」

尾崎「エロ妄想をしながら怯えるなんて、器用な子ね」

あずさ「もしかして、怯えてるんじゃなくて悶えてるのかも」

伊織「愛も絵理もこんな変態に近寄っちゃダメよ」

絵理「勉強になります」

愛「べんきょう?べんき?べんきべんき!べべべべべべべべ」プスプス

あずさ「まぁ大変!愛ちゃんの頭から煙が出てるわ」

夢子「勉強のさせ過ぎね」

伊織「勉強のさせ過ぎというけれど、今日のやり取りの中で一体何を学んだのかしら?」

愛「ゴミの片付け方です!」エッヘン

涼「傷つくなぁ」

あずさ「じゃあ学んだことは即実践してみましょう」

絵理「あ、エビフライ」

涼「何言ってんの絵理ちゃん?」

夢子「ブログで信者に祭り上げられて、頭がおかしくなっちゃったのね」

あずさ「まずはググれ?(笑)」

尾崎「だからネットはダメだとあれほど……」

愛「絵理さん、道に落ちてるエビフライは汚いから食べちゃダメなんですよ?」

絵理「あ、あれ?」

伊織「どうやら去年の律子の恰好は、涼の嗜好に合わなかったようね」

絵理「涼さんの言葉よりも、皆がここぞとばかりに涼さんに便乗してきたことがショック」ドヨーン

尾崎「絵理がブルーになっちゃった」

伊織「メンドくさいわね」

愛「せっかくだから、黄色のペンキをブッかけてみましょう!」

夢子「青と黄色で緑になるから?」

あずさ「ブルーな気持ちっていうのは分かるけど、グリーンな気持ちってなんなのかしら?」

涼「どうでもいいから早くやろうよ」ワクワク

尾崎「秋月さんが調子に乗ってる」

愛「あ、ゴリラ」

涼「モギョヌパァァァァァァアアンッッ!!」ブルブル

伊織「愛はゴミ掃除がうまいわねぇ」

愛「勉強の成果です!」エッヘン

あずさ「律子さんってそんなにゴリラに似てるかしら?」

絵理「単純に、涼さんの中でゴリラが大流行なんです」

夢子「気持ち悪いわね。さっさとこのゴミ捨てましょう」

愛「燃えるゴミは月・水・金です!」



第三十二話 終わり

━第三十三話━

━7月14日 はれ━

今日から、ついに夏休みとつにゅうです!

今年は海の日が早くきたから、夏休みが長くてラッキーです。

はなまるはなまるっ。

でもどうして昨日、先生はつうしんぼをくれなかったんだろう。

きっと先生も、「人が人をひょうかすることのおろかさ」に気づいたに違いない。

ママにそのことを話すと、

「フハハハハ、そのことに気づくとは、さすがわがはいのむすめである!」

と高笑いしたので、今日はそうめんがおいしかったです。

おわり。

━7月15日 はれ━

今日は絵理さんと絵理さんといっしょにショッピングにいきました。

絵理さんと絵理さん、というのは、消しゴムで消すのがめんどくさかったからです。

ほんとは、絵理さん、です。

でもあれは本当に絵理さんだったのだろうか。

私の学校がきのうから夏休みに入ったことを話したら、

いつもよりもすてきなえがおをしていました。

もしかしたら、にせものかもしれない。

でも楽しかったからいいや。

そんなことを考えていると、前からりょうさんとりょうさんがやってきました。

りょうさんとりょうさん、というのは、消しゴムで消すのがめんどくさかったからではありません。

絵理さんが、「りょうさんのこかんには、もうひとりのりょうさんがいるんだよ」と教えてくれました。

私が「こかんってなんですか?」と聞くと

りょうさんが「よし、ろんよりそーす、みせてあげるよ」といってズボンをぬぎはじめ

そのままけいさつにつれていかれたのでおもしろかったです。

おわり。

━7月16日 はれ━

今日は海の日です。

今年は海の日が早く来たおかげで夏休みが長いです。

あらためて、かんしゃかんしゃ。

今日は765プロにあそびにいきました!

じむしょに入ると、小鳥さんしかいませんでした。

小鳥さんというのは、765プロの「じむいん」さんです。

とくに何もしないので、たぶん「じむいん」というのは校長先生のことだと思います。

このまえ、スーパー超天使アイドル・天海春香さんが(←「超」という漢字は春香さんに教えてもらいました。)

「小鳥さんみたいな人のことを『としま』というんだよ」と教えてくれました。

「としま」ってなんだろう。シーマ・ガラハウのともだちかなぁ。

そういえば、小鳥さんにもシーマ・ガラハウと同じ場所に小ジワがあるような。

つづく。

━7月16日 はれ━(つづき)

私は「こんにちは、としまさん。シーマ中佐はお元気ですか?」とあいさつしました。

すると小鳥さんは「ぴぎゃぁぁぁぁぁ」と言って口から白いものをはきだしながら、ねてしまいました。

あとで聞いたところによると、あれはたましいだったみたいです。

今度765プロにいくときは、虫とりあみを持っていこうっと。

小鳥さんがねてしまったので、起きるまで私は事務所のそうじをすることにしました。

ホワイトボードが汚れていたので、いっしょうけんめいみがきました。

学校では、いつも黒板をきれいにするのが得意です。

765プロには、日直さんはいないのかな?

もしかしたら、サボって帰っちゃったのかもしれない。

そこで私はハッとしました。

今日は、海の日。

祝日だから、日直さんは、いない。

世の中うまくできてるな、と思いました。

おわり。

━7月17日 あめ━

今日は朝から雨が降っているので、家の中で歌の練習をすることにしました。

―――――――――――――
まるぐるる

もくもくも

あっというまに

はなまるです

(中略)

あしをたかくあげて

てをおおきくふって

めをおもいっきりあけて

いちにいちにすすもう
―――――――――――――

絵理さんに教えてもらいました。

この歌は、テロリストの歌だって。

つづく。

━7月17日 あめ━(つづき)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【テロリスト視点】

ひょうてきを、ぐるりと囲い込み(まるぐるる)

毒ガスもくもく攻撃(もくもくも)

ターゲットはいっしゅんで(あっとゆうまに)

おだぶつです(はなまるです)

(中略)

【ターゲット視点】

テロリストから逃げようと、必死に走り出します(あしをたかくあげて)

いっしょうけんめい、まわりに助けをもとめます(てをおおきくふって)

毒ガスの苦しさに、血走った目をみひらきます(めをおもいっきりあけて)

イモムシのように、地べたをはいずりまわります(いちにいちにすすもう)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

二人の人物の心情を交互につづった、とてもむずかしい歌です。

いっぱい練習しないと。

今日もはなまるでーすっ!

おわり。

━7月18日 はれ━

今日は、ギャラクティカ超天使アイドル・天海春香さんといっしょにおでかけしました。

ひととおり町をねり歩いたあと、公園で一休みしました。

ふと、足元にいた毛虫を見ながら、春香さんは言いました。

「ねぇ愛ちゃん。ホシイミキがどんなにいやなヤツでも、面と向かって『金髪毛虫』と呼んではいけないよ」

ホシイミキというのは、美希センパイのことです。

人のいやがることはしない。

さすが、春香さんは人格者です。

「でも、毛虫のことを『ホシイミキ』と呼ぶことは、なんら問題ないんだよ」

そういって春香さんはホシイミキをふみつぶしました。

すごい!

これが発想の逆転というやつなんだな、と私は思いました。

私も春香さんを見習わなくっちゃ。

今日からは、ホシイミキを見つけ次第はなまるでーすっ!

おわり。

━7月19日 あめのち、はれ━

今日は、あずささんの誕生日パーティーにお呼ばれしました!

765プロのドアを開けると、血の雨が降っていました。

そこから先は覚えていません。

雨の血、はれ。

おわり。

━7月20日 くもり━

今日は、尾崎さんが遅刻しました。

社長が電話したら、「あ、あれ?今日は海の日でお休みじゃないんですか?」と言っていました。

絵理さんが「時代に取り残された老人ほど、哀れなものはないな」と言っていました。

絵理さんのドヤ顔と、涼さんのかなしげなほほえみが対照的でした。

(↑「涼」の字は、涼さんに教えてもらいました。)

涼さんが言うには、絵理さんは「ちゅうにびょう」らしいです。

絵理さんが空を見上げながら「黒い風が泣いている……」と言ったので

「黒い風ってなんですか?」と聞くと

顔を真っ赤にしてトイレに閉じこもってしまいました。

たぶん、黒い風というのはウンコのことだと思います。

おわり。

日高愛

日高愛

日高愛

日高愛

日高愛、日高愛、日高愛、日高愛、日高愛、日高愛、日高愛、日高愛、日高愛、日高愛

尾崎玲子

日高愛

━7月21日 あめ━

今日は私の家で、絵理さんと涼さんの三人でDVDを見ました。

見たのは、前々から涼さんが見たがってた「DESU NOTE」(デスノート)です。

これは、名前を書くとその人が死んじゃうノートが出てくるという、すっごく怖いお話です。

でも途中で出てくるリュークっていうおばけはちょっとかわいかったです。

見終わった後、絵理さんが「ボクは新世界の神となる……」といってフラフラとリビングを出ていきました。

涼さんが「また発症したね」と言いました。

そういえば、絵理さんは私より年上なのに、どうして「中二」病なんだろう。

引きこもりだから、留年しちゃったのかな。

そんなことを考えていると、絵理さんが戻ってきました。

とても晴れ晴れとした顔をしていたので、私もニッコリです。

涼さんはびみょうな顔をしていました。

おわり。

━7月22日 はれ━

またやよいさんに負けた。

三連敗だ。

さすがにちょっとへこんじゃいます。

うわあぁぁぁぁぁん!!

うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!





一日泣いて、ようやくスッキリしました。

次は絶対に負けない。

「ピカピカぴかりんじゃんけんポン♪」なんてふざけたセリフで

キモオタどもを洗脳した気になっている生娘なんぞ

この私の必殺のグーでぶちのめしてくれる!!

お前も蝋人形にしてやろうか!!

なんて、ちょっとママのマネをしてみました。

来週また頑張ろうっと。

ちなみにサザエさんには勝ちました。

おわり。

━7月23日 はれ━

今日は、765プロと合同でダンスレッスンです。

レッスンが終わった後、千早さんに「『ダブルディルド』のダンスを教えてくれる?」と言われました。

どうやら、今度「ダブルH~Hinnyu & Hinkon~」のライブパフォーマンスに取り入れるようです。

「ダブルH」というのは、千早さんとやよいさんのデュオユニットです。

私が「『ひんこん』ってなんですか?」と聞くと

セクシャルバイオレット超天使アイドル・天海春香さんが「レンコンの仲間だよ」と教えてくれました。

レンコンは歯ごたえがシャキシャキしてて大好きです!

「じゃあ、ひんにゅうもおいしいんですね!」と言うと

千早さんににらまれてしまいました。

でも春香さんはげらげら笑っていました。

高校生は、多感なおとしごろ、です。

つづく。

━7月23日 はれ━(つづき)

千早さんへのお詫びも兼ねて、来月発表する新しいダンスを教えることにしました。

これは、相手のお股に頭をこすりつけるのではなく、指を使って直接……。

おっと、これはまだ秘密だった。

先生も気になったら、DVDを買ってくださいね。

ダンスを教えると、千早さんはヨダレを垂らしながらニヤニヤしていました。

春香さんはげらげら笑っていました。

高校生は、よくわからない、です。

千早さんが「お礼に『ダブルH』のダンスを教えてあげるわ」と言いましたが

目つきがいやらしかったのでお断りしました。

というか、相手のワキをなめるダンスとか、正直ありえない。

頭おかしいんじゃないかな。

千早さんとはあまり関わらないようにしようっと。

おわり。

━7月24日 はれ━

今日はお買いものに行く途中で、響さんといぬ美ちゃんに会いました。

さんぽ中だったみたいです。

私が「かわいいですね。どこで買ったんですか?」と聞くと

いぬ美ちゃんが「沖縄よ」と教えてくれました。

響さんが何か言いたそうだったけど、以前千早さんが

「がなはさんを無視した時のさびしそうな表情を見ると、たまらなく興奮するの」と言っていたので

あえて無視してみました。

響さんの、飼ってた金魚が死んでしまった子どものような表情を見ていると

お股がちょっとうずうずしました。

私、風邪でも引いたのかなぁ。

おわり。



大丈夫よ、愛。
それは愛が大人に近づいた証なの。
今夜はお赤飯ね!

舞より

━7月25日 はれ━

今日は、貴音さんとラーメンを食べに行きました。

貴音さんが、「この店の水は油が浮いているので、飲み物は前もって用意しなさい」と言うので

私は黒ウーロン茶を持っていきました。

アイドルだから、カロリーには気をつけてます!えっへん!

一方、貴音さんはお店の外で並んでいる間に塩ラーメンを食べていました。

貴音さんが言うには、「しおらぁめんは飲み物です」とのことです。

月の重力は地球の六分の一なので、貴音さんの脳みそも地球人の六分の一なんだと思います。

肝心のラーメンは、量が多すぎて半分も食べられなかったので、残りは貴音さんに食べてもらいました。

貴音さんは頼りになります!

あと、ラーメンのつけあわせのモヤシで遊んでいた男の人がいたので

貴音さんが「ギルティー!!」と言いながら鼻にモヤシをつめ込んでいました。

鼻からつめたモヤシが口から出てきておもしろかったです。

おわり。



P.S.
ママ、昨日はありがとう!
病気じゃないと分かってホッとしたよ。
でも、お赤飯にピスタチオを入れるのはもうやめて。

愛より

やっほー。ミキだよ☆

今日は愛の家に遊びに来たの。

途中でデコちゃんがワケのわからないことを言い出したけど

それも含めてとっても楽しかったの!

だから、お礼にいいこと教えてあげるね。

あのね、「びっち」っていうのは、「15歳の女の子」のことなの。

だから愛は、あと2年したらびっちなの。おめでとうなの♪

あとね、「いんらん」っていうのは、「おデコの広い女の子」のことなの。

だからデコちゃんは、来年になったら「いんらん熟びっち」なの。

熟びっちっていうと、熟したピーチみたいでおいしそうなの☆

でも、ミキが好きなのはイチゴババロアだから、正直言っていらないな。

だから、来年になったらデコちゃんはようなしなの。

あれ?

デコちゃんはピーチなのに、洋ナシなの?

なんだかすっごくおっかしいの!

あはは。

あはははは。

あはははははは。

あれ?

ミキは、誰なの?

━7月26日 あめ━

今日は、絵理さんと涼さんと美希センパイといおりさんといっしょに遊びました。

いおりさんは、お仕事があったのでちょっと遅れました。

なので最初は四人で、桃鉄大会をはじめました!

桃鉄というのは、テレビゲームのすごろくゲームです。

各自DSを持って、ゲームスタート!

私は弱いので、いぬやま×3体にしました。

美希センパイは初めてだったので、あかオニ×3体です。

絵理さんと涼さんは、さくま×3体でした。

涼さんは「このぼくのどうたい視力をもってすれば、サイコロの目押しなど造作もない」と言っていました。

私は、(あ、ちょっと「ちゅうにびょう」っぽいな)と思いました。

絵理さんは「リセット……勝つまでリセット……」と呟いていました。

私は、(絵理さんの体にも、リセットボタンがついてたらよかったのにな)と思いました。

つづく。

━7月26日 あめ━(つづき)

しばらくすると、いおりさんが到着しました。

いおりさんは「何してるの?」と聞きました。

涼さんが「桃鉄ですよ」と言うと、

いおりさんは「四人までしかプレイできないじゃない……どうするのよ」と、ゲンナリした顔で言いました。

すると絵理さんが「大丈夫ですよ、それぞれコンピュータと対戦してるだけなので」と言いました。

いおりさんは「それ、友人の家でやる意味あるの?」とあきれ顔です。

出ました。この顔です。

「私は、アンタ達みたいな狂人とは違うのよ」とでも言わんばかりの顔です。

でも、私は知っています。

普段、普通ぶっている人こそ、本当は恐ろしいということを。

普通ぶっている人は、狂人。

狂人ぶっている人も、やっぱり狂人。

あれ、じゃあ私は?

私は、ふつうです。

ふつう、ですよね?

うん、そうだよ。

えへへ、ありがとう。

つづく。

━7月26日 あめ━(つづきのつづき)

涼さんが「こうやって遊ぶことで、桃鉄がリアルファイトに発展することを防いでるんですよ。」と言いました。

絵理さんが「キレやすい現代っ子に適した、桃鉄のプレイスタイル?」と続けます。

いおりさんは「まぁいいわ。今日はDSを持ってきてないから、私はみんなのプレイを横で見てるわね」と言いました。

出ました。いおりさんのめがみスマイルです。

私が母の日に、かりんとうと間違えて犬のフンをプレゼントしたときのママと同じ顔です。

あの顔を見ると、とても安心します。

あんしん、あんしん、はなまるでーすっ!

おわり。

━7月27日 はれ━

今日は夏祭りです!

絵理さんと、涼さんと、リクームウルトラファイティング超天使アイドル・天海春香さんと

その他ゆかいな仲間たちといっしょに、近所のお祭りに行ってきました。

お祭りといえば、金魚すくいです!

小さな水そうの中を、ところせましと泳ぎ回る金魚たち。

お祭りが終わっても売れ残った子たちは、みんなしょぶんされてしまうのでしょう。

私は、そんな金魚たちを助けてあげたい。

そう、金魚すくいとは、「金魚救い」なのです!

そんなわけで、今日は10匹の金魚をすくってきました。

いいことをすると気持ちがいいなぁ。

今日のごはんはなんだろな~♪

おわり。



お祭り、楽しかったみたいね。
今日は金魚のムニエルとお刺身よ♪

舞より

━7月28日 はれ━

先生が家に乗り込んできました。

先生は、「二週間ほど無断欠席が続いているので、どうしたのか心配になって」と言いました。

私は「やだなぁ先生。二週間前から夏休みですよ」と言いました。

すると先生はけげんな顔をしました。そして、「夏休みは今日からだよ」と。

先生はおかしな人だなぁ。

ママに聞いても、社長に聞いても、まなみさんに聞いても、おざきさんに聞いても。

みんな、「夏休みのはじまりは海の日だよ」と言っていたのに。

4対1で、私の勝ちです。

あれ、絵理さんと涼さんはなんて言ってたかな?

つづく。

━7月28日 はれ━(つづき)

先生は「まぁいいや。昨日終業式だったから、つうしんぼを持ってきたよ」と言いました。

や、やめろ。

そのうす汚い紙キレを、私に近づけるな。

指先がチリチリする。

口の中はカラカラだ。

目の奥が熱いんだ!

そのとき、私はすべてを悟りました。

先生は悪のそしきの構成員で、私はまぞくとのハーフで、私のしんぞうが地球爆発のキーとなっていることを。

先生は「どうした日高?病院、行こうか?」と言いました。

きっと組織のアジトに連れていって、怪人に改造しようとしてるに違いありません。

こんな先生は、はなまるです!

まるぐるる

もくもくも

あっというまに

はなまるです

つづく。

━7月28日 はれ━(つづきのつづき)

さすがに大人はしぶといです。

もぞもぞ動いているので、ホシイミキと呼ぶことにします。

ふみつぶすには大きすぎるので、公園の木の下にホシイミキをおいてきました。

はなまるはなまる。

というわけで、あくのせんぺいは去りました。

しかし本当のたたかいはこれからです。

この世界に真の平和がおとずれるまで

私は力の限りたたかいます!

おわり。



P.S.
ママ、昨日のごはん、おいしかったよ!
今度は、おどり食いがいいなぁ。

愛より



【なつやすみのとも 愛のえにっき 第一部・完】



第三十三話 終わり

スーパー超天使アイドルの元ネタは↓です。大好きなSSの一つです。

亜美「2番と3番がガッとやってチュッとすってはーん」春香千早「」
http://blog.livedoor.jp/goldennews/archives/51696573.html

>>647が「愛ちゃん、ピース、サザエさんの出した手は何でしょう?」
という頭の体操になっていて驚いた
↓間違っているかも知れないが、以下、俺の推論(ネタバレにつき改行)






(答え)
愛ちゃん=パー、ピース=チョキ、サザエさん=グー






(解説)
負けた反省に次はグーで勝とうとしているのでピースの手はチョキ(*1)
それに負けたので愛ちゃんはパー(これは愛ちゃんの頭の中の暗喩)
それで勝てたのでサザエさんはグー

(*1)
普通に殴る意味の「グー」かも知れないのでここ間違いかも
ただし、愛ちゃんがそういう思考パターンで次の手を決めているとすると、
三連敗が説明できる(まではいかないが矛盾はしない)

    ピース  愛ちゃん
7/1  グー   パーまたはグー(負けてたら四連敗なのでチョキはなし)
7/8  パー   グー (くっ…パーで来るなら次はチョキで勝つです!)

7/15 グー   チョキ(くっ…グーで来るなら次はパーで勝つです!)
7/22 チョキ  パー (くっ…チョキで来るなら次はグーで勝つです!)

…ような気がするがだんだん循環論理で誤魔化している気がしてきた
頭がおかしくなりそう…もとい最初からおかしくなっていたのかも知れない

>>665

>それに負けたので愛ちゃんはパー(これは愛ちゃんの頭の中の暗喩)

愛「ひどいですっ、私の頭はパーじゃないですよ!」プンプン

涼「じゃあなんなの?」

愛「私の頭ははなまるですっ」

涼「それは脳内お花畑ってこと?それとも頭がおだぶつってこと?」

絵理「それ、どっちにしろ頭がパーってことじゃない?」

愛「おだぶつってなんですか?」キョトン

涼「自分で日記に書いたのに、忘れちゃったの?」

愛「過去は振り返らないのさ」

絵理「中二病っぽいなぁ」

涼「あれ、絵理ちゃんは病気落ち着いたの?」

絵理「人にうつすと治る」

涼「つくづく人に迷惑のかかる病気だね」

愛「私の頭には魔界のオジギソウが満開なのさ」

涼「カッコよく決めたつもりだろうけど、メチャクチャ頭悪そうなセリフだよ、それ」

絵理「中二病になっても、愛ちゃんは愛ちゃんで安心?」



第三十三話 おまけ 終わり

━第三十四話━

━765プロ━

プルルルルルル

亜美「千早お姉ちゃん、ケ→タイ鳴ってるよ」

千早「あら、誰かから電話かしら?」

春香「プッ……アッハハハ!千早ちゃんに誰かから電話とか、冗談は胸だけにしてよ~」アハハハ

千早「冗談じゃないのだけれど」

真美「千早お姉ちゃん、ジョークってのは切り上げどころが大事なんだよ」

亜美「場がシラケる前に、さっさとアラーム切りなよ」

千早「そこで待ってなさい。電話の相手を始末したあとは、あなた達の番よ」

真美「電話の相手も、とんだとばっちりだなぁ」

ピッ

千早「はい、もしもし…いえ、あなたなんて知りませんけど」

ピッ

亜美「誰だったの?」

千早「間違い電話だったわ」

春香「ンハハハハ!んなこったろうと思ったわ!」ゲラゲラ

真美「はるるんがうさんくさい関西弁になってる」

亜美「本場の人の前で使うと怒られる系のやつだね」

千早「ひどいわ……」ウルウル

春香「あ、あれ?千早ちゃん、どうしたの?」

千早「春香は、春香だけは、私の友達だと思っていたのに……」グスン

春香「ご、ごめん千早ちゃん!私は千早ちゃんのこと大好きだよ!」アタフタ

千早「スキありィィィィィィイィ!!」グサッ

春香「ウギャペァァァァァァァァ!!」ブシュー

亜美「決まったァ→!ケ→タイのアンテナではるるんの鼻の穴を凌辱カーニバルだァ→!」

真美「未だにアンテナつきのケ→タイを持ってることにビックリだよ」

最近誰が狂っていて誰がまともなのかわからなくなってきた

>>673
いおりんだけは常識人。…ちょっと…過激になりつつあるけど狂人相手だから仕方ない
やよいだけは天使。…ちょっと…黒が混じりつつあるけど狂人相手だから仕方ない

でもさ! >>672の春香千早だって可愛いよね
読み続けるにつれ、だんだん狂人なんて最初からいなかったんじゃないかって気がしてきたよ!

ドンドンドン

千早「あら?誰かしら」

ガチャ

響「あぁ、やっと開いた……」ハァハァ

亜美「ひびきんだ」

真美「やっほー、ひびきん」

千早「こんにちは、我那覇さん」

響「開けてくれてありがと……って、千早!なんでさっき電話切っちゃったんだよ!?」

亜美「あれ、さっきの電話ってひびきんだったの?」

千早「どうやらそのようね」

真美「どうやらそのようね、って」

千早「『自分だぞ、響だぞ!』って言われてもわからないわ。普通は名字を名乗るべきじゃない?」

響「で、でも声でわかってくれるかと……」ウルウル

千早「大丈夫よ。私は我那覇さんのことが大好きよ」モミモミ

響「ち、千早///」カァー

千早「スキありィィィィィィイィ!!」グサッ

響「モガガレゥァァァァァァァァ!!」ブシュー

亜美「決まったァ→!はるるんの純血つきアンテナで、ひびきんの鼻の中が乱交パ→ティ→だァ→!」

真美「正直これは予想できたよ」

春香「ところで、響ちゃんはどうして事務所に入れなかったの?」ギュッ ギュッ

響「えっとな……あ、ちょっと待って。ティッシュ詰めるから」ギュッ ギュッ

亜美「はるるんとひびきんの見た目が被ってる」

千早「我那覇さん、あまり春香の個性を奪っちゃダメよ」

響「お前、よくそんなこと言えるな?」

千早「だって春香は私の大切なお嫁さんだもの」

春香「千早ちゃんったら///」

真美「はるるんは遠回しにバカにされてることに気づいてるのかな?」

亜美「千早お姉ちゃん自身もバカにするつもりで言ってるわけじゃないから、別にいいんじゃない?」

響「いいコンビだな。できれば二人だけでどっかに行ってほしいぞ、永久に」

響「今日は事務所のカギを持ってないんだ。それで、窓から千早が見えたから電話をかけたんだぞ」

千早「そうだったのね」

響「ていうか、なんで事務所のカギを閉めてたんだ?いつもあけてるのに」

亜美「今日は仕事で来てるわけじゃないからね、みんなもお休みだし」

春香「その証拠にホラ、社長もプロデューサーさんもいない」

真美「ク→ラ→使い放題、ゴ→ジャスセレブプリン食べ放題のこの部屋でくつろいでたってわけさ」

響「お前らホントやりたい放題だな」

春香「連休明けの律子さんと伊織の顔が楽しみで仕方ないよ」

響「頼むから私を巻き込んでくれるなよ」

亜美「それで、ひびきんは事務所に何の用なの?」

響「あぁ。携帯をどこかに無くしちゃってな。もしかしたら事務所にあるかもって、探しにきたんだ」

真美「ひびきんは千早お姉ちゃんにどうやって連絡を取ったの?」

響「携帯でだけど?」

春香「ダメだこりゃ」

千早「ここまでポンコツとは思わなかったわ」

亜美「ゴ→ジャスセレブプリンを食べさせれば、少しは頭が良くなるかもしれない」

響「もぐもぐ」

春香「ふふふ、これで響ちゃんも共犯者だよ!」

響「う、うわぁぁぁ!ハメられたぞ!」

真美「ひびきん、今左手に持っているのが、探してる携帯じゃない?」

響「あっホントだ!こんなところにあったのかー」

春香「さぁさぁ、見つかったお祝いにプリンをもう一口」

響「もぐもぐ。おいしいなー、これ」

千早「すごいわ。こんな面白いオモチャが身近にあったなんて」

>>679

>響「頼むから私を巻き込んでくれるなよ」

千早「これは一体どうしたことかしら?」

春香「弁解があるなら聞いてあげるよ」

響「う、歌の練習のし過ぎでつい言っちゃったんだぞ」

亜美「そうは言うけど、『Next Life』にも『TRIAL DANCE』にも『私』という単語は出てこないよ」

響「で、でも『Brand New Day!』には『私色(わたしカラー)』って単語があるぞ!」

真美「なるほど」

春香「ところで響ちゃんのイメージカラーってなんだっけ?」

響「浅葱色(あさぎいろ)だよ」

亜美「どんな色なの?」

千早「ペプシブルーを飲んだあとのウンコの色よ」

亜美「へー」

響「おいやめろよ、かわいそうだろ」

真美「自分が?」

響「自分が」

春香「自分で言っちゃうなんて、大した人だよ響ちゃんは」

亜美「事務所でダラダラするのも飽きたし、このままひびきんで遊ぼうよ」

響「おい、ひびきん『で』ってなんだ」

真美「細かいことは気にしないでさ、ひびきんの家に遊びに行こうよ」

響「別にいいけど、今日はいぬ美が家にいるぞ」

春香「今日はって、いつもはいないの?」

響「最近アイドル活動が忙しくなってきたからな」

亜美「ゲロゲロキッチンも大人気だもんね」

千早「それで、いぬ美がいるとなにかマズいの?」

響「いぬ美がいると、家でなかなかジュースを飲ましてくれないんだ。『飲み過ぎると体に悪いから』って」

真美「いぬ美はひびきんのお母さんなの?」

春香「いよいよどっちがペットか分からなくなってきたね」

真美「ところで、いぬ美が出演してるのは『レロレロキッチン』じゃなかったっけ?」

亜美「おっと、しっけ→しっけ→」

響「自分が言うのもなんだけど、最近言い間違いが多いな」

春香「人間は間違いを犯す生き物なのよ」

真美「はるるんがはるるんらしくないことを言ってて気持ち悪い」

千早「はやく高槻さんと間違いを犯したいわ」ハァハァ

亜美「千早お姉ちゃんが千早お姉ちゃんらしいことを言ってて気持ち悪い」

真美「なんだか気持ち悪くなってきたから、冷たい飲み物でも飲もう」

亜美「そだね」

響「えーっと、冷蔵庫に麦茶とか入ってたかな……」

パカッ

やよい「もぐもぐ」

……バタン

響「今、何かいたか?」

真美「ざしきわらしがいたね」

春香「ざしきわらしって、冷蔵庫に棲みついてるの?」

亜美「少なくとも悪い妖怪の類には見えなかったから、そうじゃないかなって」

響「もう一度開けてみるぞ」

パカッ

やよい「うっうー、プリンおいしいです!」

響「やよいだ」

春香「やよいだね」

真美「疑いようもないね」

亜美「嘘だと言ってよ、バーニィ」

千早「どうしたの、みんな?」

響「やよいが冷蔵庫の中にいるんだ」

千早「でしょうね。私が入れたんだから」

真美「千早お姉ちゃんはサイコパスか何かなの?」

亜美「どうしてそんなことをしたのか、理由を聞くのも恐ろしいよ」

千早「夏になると、冷やし○○っていうのが流行るじゃない?冷やし中華とか、冷やしカレーとか」

春香「うん」

千早「その要領で、冷やし高槻さんっていうのを試してみようと思ったの」

響「その説明でみんなの納得が得られるとでも思ってるのか?」

真美「やよいっちは千早お姉ちゃんにどういう手口で騙されたの?」

やよい「冷蔵庫に入れば、ゴ→ジャスセレブプリンが食べ放題だって言われたの」

春香「そう言われて、何も疑問に思わなかったのかな?」

やよい「伊織ちゃんには悪いかなーっって思いましたけど、プリンの魅力には勝てませんでした」

千早「食べ物の魅力に負けちゃう高槻さん、かわいい!!」ハァハァ

亜美「ちなみに、普通の人が冷蔵庫に入ると死ぬ恐れがあるので、絶対にやめてください」

響「普通じゃない人はどうなんだ?」

真美「普通じゃない人も死ぬ恐れがあるけど、あえて『絶対にやめてください』とは言わないよ」

春香「とりあえず、冷蔵庫のドアを閉めよっか」ワクワク

亜美「どうしてはるるんはワクワクしてるんだろう」

やよい「春香さん怖いですー」

千早「よしよし、とりあえず冷蔵庫から出ましょうね」ペロペロ サワサワ

真美「やよいっちはもっと身近な人間に恐怖を感じた方がいいと思うな」

響「とりあえず、何か飲み物を飲んで落ち着こう」

亜美「何が入ってるかな~」

春香「あ、ペプシブルーがあるよ」

真美「それ、いつの?」

響「飲んだら間違いなく腹を下しそうだぞ」

やよい「ペプシブルーってなんですか?」

千早「飲んだら我那覇さんの匂いがウンコみたいになるステキな飲み物よ」

亜美「違うよ、飲んだらひびきんのイメージカラーがウンコみたいになるんだよ」

響「おいやめろよ、泣いちゃうだろ」

真美「自分が?」

響「自分が」

春香「本当に大した人だよ、響ちゃんは」

亜美「ところで、早くもゴ→ジャスセレブプリンを平らげてしまったわけですが」

真美「週明けのいおりんの怒りがヤバいだろうね」

やよい「伊織ちゃん、許してくれるかなぁ……」

千早「大丈夫よ、私も一緒に謝ってあげるから。だから私と一夜の過ちを犯しましょう!」ヨダレダラダラ

真美「千早お姉ちゃんの、いけない家族計画がはじまった」

亜美「おやおや、これは聞き捨てならないねぇ」イライラ

春香「嫁と妹と野良犬の目の前で、娘だけを溺愛するのはいかがなものかなぁ」イライラ

響「なんかメンドくさいことになってきたぞ」

響「ところで、野良犬って誰のことなんだ?」

真美「本気で言ってんの?」

亜美「ジョークだとしても笑えないよ」

響「えっ、でもホントにわかんないし……」

春香「人間は間違いを犯す生き物だよ、響ちゃん。間違っててもいいから、当ててごらんよ」

響「そしたら……嫁は春香、妹は亜美だから……そうか!野良犬は真美だな!」ヒラメキー

真美「チッ」

響「舌打ち!?」

真美「あっ、ごめんごめん。間違えちゃった」

響「何を間違えたら舌打ちしちゃうような事が起きるんだよ!ひどいぞ!」プンプン

亜美「チッ」

春香「チッ」

千早「チッ」

響「みんなも間違えたんだよな?」

やよい「どうでしょうね」

春香「やよい、そこは『チッ』って言った方が面白くなるよ」

やよい「わかりました!……チッ」

響「今日ここに来たのが間違いだった」

真美は愛人だったな

響「とにかく、プリン事件の共犯者にされたくないから、自分は帰るぞ」

千早「待って我那覇さん!帰る前に、私の携帯のアンテナをキレイにしていってちょうだい」

やよい「うわぁ、血まみれです」

真美「千早お姉ちゃん、何言ってんの?」

春香「自分で鼻の穴にツッこんだくせして」

亜美「さすがにそれは亜美たちもフォローできないよ」

千早「じゃあ妥協案として、アンテナをもう片方の鼻の穴にツッこませてちょうだい」ペロペロ

春香「アンテナっていうのは、今まさに千早ちゃんがなめまわしている物体のこと?」

千早「まさにそうよ」ベチャベチャ

やよい「あの舌使いで私の脇をなめまわしていたと思うとゾッとします」

響「そんなヨダレまみれの物体を鼻の穴にツッこもうだなんて、今さらだけど正気を疑うぞ」

千早「でも、キリスト教では『右の鼻の穴を突かれたら、左の鼻の穴を差し出しなさい』と教えてるわ」

亜美「キリスト教はカルト宗教なの?」

春香「亜美、その発言はちょっと危険だよ」

真美「大体、千早お姉ちゃんはキリスト教徒じゃないでしょ?」

千早「クリスマスにケーキは食べるわよ」

やよい「神さまのBirthdayケーキですね!」

響「そっかぁ、宗教上の理由なら仕方ないな」

千早「わかってくれて嬉しいわ」

亜美「亜美にはちょっと、この会話の流れがわからないよ」

真美「真美も」

千早「それじゃあ、いくわよ」

響「や、優しくしてほしいぞ……///」ドキドキ

千早「……///」ズブリ

亜美「なんかこっちまでドキドキしてきたよ」ドキドキ

真美「高校生はエロスだね」ドキドキ

響「ふぁ……鼻の奥にあたってる……///」ドキドキ

プルルルルルル

響「アガガガガァァァァァァァァーーー!!」ブシュー

やよい「千早さんのケータイが鳴り出しました!」

亜美「アンテナの振動で、ひびきんの鼻の中が大惨事になってるYO!」

真美「ケ→タイが着信しても、アンテナは振動しないはずなんだけどなぁ」

千早「私の携帯、調子悪いの」

亜美「それで、誰からの電話なの?」

千早「えっと……あら?切れてるわ。しかも非通知ね」

やよい「イタズラ電話ですか?」

春香「友達からじゃなくて、残念だったねぇ千早ちゃん」ゲラゲラ

真美「あっ、いつの間にかはるるんの手元にケ→タイが」

千早「まったく、お楽しみ中に無粋な人がいたものだわ」ペロペロ

亜美「でも、まんざらでもないって顔してるね」

やよい「さっきの電話は、本当に友達からじゃなかったのかなぁ」

真美「『友達』の意味を考えさせられる問題だね」

響「」ドクドク



第三十四話 終わり

>>696

>真美は愛人だったな

千早「真美が愛人であるということは、春香はもちろん亜美にも高槻さんにも秘密なのよ」

真美「まぁ、『愛人』だからね」

千早「そういえば、最近愛人らしいスキンシップが取れてなくて寂しいわ」

真美「最近のクソも、一度もそんなことはないよ」

千早「もしかして、私のこと……嫌い?」

真美「嫌いじゃないけど、そもそも千早お姉ちゃんの愛人になることを認めた覚えはないね」

千早「そんな……春香と別れろっていうの!?」

真美「本妻への格上げを望んでるわけじゃないよ」

千早「じゃあどうすればいいの?」

真美「あー、えーと、もういっそ近所の八百屋さんぐらいの距離感でありたいなぁ」

千早「わかったわ。じゃあ真美は社長のお嫁さんね」

真美「近隣住民まで設定してあるの!?もはや家族計画じゃなくてシムシティだよ」

千早「これから真美と社長のことを『加藤茶夫妻』と呼ぶことにするわ」

真美「勘弁してください」



第三十四話 おまけ 終わり

>>703

>真美「最近のクソも、一度もそんなことはないよ」

真美「失礼、噛みまみた」

響「そういうこともあるよ」

P「俺の時は噛んだらボロクソに言われたのに、随分扱いが違うな(第二話)」

亜美「まぁ、亜美たちはもともと滑舌が悪いからね」

春香「ていうかプロデューサーさん、いつの間に?」

P「野暮用で近くを通ったから、ついでに寄ってみただけだよ」

やよい「野暮用ってなんですか?」

千早「真美の舌を噛みたい」ハァハァ

響「話進まないから黙っててくれるか?」

P「涼を警察から引き取りに行ってきたんだ。律子が出張中だから、代理ってことで」

亜美「涼ちん、なにかやらかしたの?」

P「なんでも、同僚の前で下半身を露出したらしい」

やよい「クズですね」

春香「夏だなぁって感じだね」

P「警察が言うには、『もう一人のボクを愛ちゃんに見せてやるんだ!』と言ってたとか」

真美「セリフだけ聞くと中二病っぽいなぁ」

響「というかそういうのって、普通親が迎えにいくんじゃないのか?」

P「うーん、俺は律子から頼まれただけだからなぁ」

千早「もしかしたら、P×涼のフラグを立てようとした小鳥さんの毒電波がもたらした結果かも」

亜美「そういえば、そろそろコミケだしね」

真美「ネタの補充をしたかったんだろうね」

春香「夏だなぁって感じだね」



第三十四話 おまけのおまけ 終わり

━第三十五話━

━765プロ━

ガチャ

真美「おっはよ~ん」

貴音「おはようございます」

雪歩「あ、四条さん、真美ちゃん。二人お揃いだね」

真美「うん、事務所の前でグ→ゼン一緒になったんだ」

貴音「ふふ、偶然ではないのですよ」

雪歩「どういうことですか?」

貴音「熱い日射しに照らされて道路にしたたる双海真美の甘い汗をなめながら、ずっとあなたを尾行していたのです」エッヘン

真美「わぁ、まるで千早お姉ちゃんだね!」

雪歩「真美ちゃんは糖尿病なの?」

貴音「もちろん、甘いというのは比喩です。如月千早の真似事をしていたら、感性も彼女に似てきた気がします」

真美「すごいね~。あ、ちなみに千早お姉ちゃんは事務所の窓から飛び降りることができるよ」

貴音「そうなのですか?」

雪歩「知らないけど、間違いないですね。早く真似した方がいいと思います」

貴音「それで、萩原雪歩は事務所のど真ん中でマヌケ面をブラ下げて、何をボーっと突っ立っているのですか?」

真美「わぁ、今度はまるでりっちゃんだ!」ピョンピョン

貴音「ふふふ、最近月では物まねが大流行なのです」

雪歩「傷つくなぁ」

真美「今度は誰のマネをしてもらおっか?」

雪歩「響ちゃんなんてどうかな?」カチャ

貴音「なぜスコップを取り出しながら言うのですか?」

雪歩「響ちゃんは、スコップでケツの穴を掘ると野良犬みたいにハァハァ喜ぶんですよ」

真美「そうなの?」

雪歩「知らないけど、間違いないね」

貴音「まぁそれはそれとして、なぜ荷物も置かずに立ち止まっていたのですか?」

雪歩「それが、事務所に入ったらなぜかスケジュールボードが真っ白になっててビックリしちゃって」

貴音「面妖な」

真美「うひゃ~、本当に真っ白だね。汚れ一つないよ」

貴音「きっと如月千早がなめまわしたのでしょう」

雪歩「いくら千早ちゃんでもそこまでするかなぁ」

貴音「高槻さんの書いた字……これをなめるということは間接的に高槻さんの指をなめるということに……」ペロペロ

真美「すごいすごい!あんまり似てるもんだから、鳥肌立っちゃったよ!」ブルブル

雪歩「私も気持ち悪くて鳥肌立っちゃったよ」ブルブル

貴音「これが青い鳥肌というやつですね」フフン

真美「すごいすごい!この調子で窓から飛び降りてみてよ!」

雪歩「窓はあけておきました」ガラッ

貴音「もしかして、二人は私を殺そうとしているのですか?」ブルブル

雪歩「比喩的に言うとそうなります」

貴音「そうですか、比喩なら安心です」ホッ

真美「いったい何の比喩なんだろうなぁ」

雪歩「ところで、このスケジュールボードどうしよっか?」

真美「真美、思ったんだけどさ」

貴音「なんですか?」

真美「真美たちでスケジュールボードを好き勝手埋めてしまえば、皆を行動を意のままに操れるのではないだろうか」

貴音「まぁ!それは素敵なことですね」キラキラ

雪歩「でも、みんな自分の予定は手帳なり携帯なりに控えてあるんじゃないかな?」

真美「もちろん、全員を操れるとは思ってないよ。でも、スケジュールを手帳とかに書き留めていないアホなら
   このイタズラに引っかかる余地は十分にあるんじゃないかな?」

貴音「つまり、このイタズラは765プロメンバーのアホさ加減をはかるリトマス試験紙……」

雪歩「恐ろしいですぅ」

真美「イタズラのターゲットといえば、まずは兄ちゃんだね」

貴音「何をしてもらいましょうか」

雪歩「パッと思いつくのはアイドルにセクハラ系だけど、それだと普段と変わりないなぁ」

小鳥「『涼ちゃんのケツの穴を掘る』なんて、どうかしら?」ハァハァ

真美「ぴよちゃん、いたんだ」

小鳥「気づいたら事務所の床で寝てたわ」

雪歩「私けっこう朝早く来たんですけど、いつからいたんですか?」

小鳥「あら?私は昼過ぎに来たはずなんだけど……」

貴音「ちなみに今日は17日です」

小鳥「え゙!?」

真美「その様子だと、昨日からずっと寝てたみたいだね」

雪歩「三十路までの数少ない貴重な日々をまた一日ムダにしてしまいましたね」

小鳥「ぴよぴよ。ぴよぴよ。」

真美「ぴよちゃんの予定は『辞表を提出し、寿命間近のネコのように誰にも知られず樹海にいく』としよう」

小鳥「ぴよぴよ。ぴよぴよ。」カキカキ

貴音「机に座って何かを書き始めました」

雪歩「小鳥さんはアホだったんだね」

真美「でも、あの紙はマンガの原稿用紙だし、手に持っているのはペンじゃなくて修正用のホワイトだよ」

貴音「さすがにあの辞表は受理されそうにありませんね」

雪歩「そもそもなんでマンガの道具が事務所にあるんだろう」

小鳥「ぴよ。」サッ

真美「真美に渡されても困るなぁ」

貴音「困ったときには、響になんとかしてもらいましょう」

雪歩「響ちゃんの予定は『小鳥さんの辞表をムシャムシャ食べる』でいこう」

真美「部下の辞表をドラマのラストシーンで破り捨てるイケメン上司みたいだね!」ピョンピョン

雪歩「響ちゃんにも、たまにはいい思いをさせてあげないといけないからね」

貴音「優しい友達を持って響は幸せですね」

ガチャ

美希「おはようなのー」

真美「おはようミキミキ」

美希「あれ?スケジュールボードがデコちゃんみたいにピカピカなの」

雪歩「待ってね美希ちゃん。今すぐ命令を書きこむから」

真美「命令て」

貴音「美希の予定は『オニギリが大嫌いになる』、と」

真美「もはや予定じゃないね」

美希「あっ、大きな星が点いたり消えたりしている。アハハ、大きい。彗星かな。
   イヤ、違う、違うな。彗星はもっとバーって動くもんな。
   暑っ苦しいなココ。ん、出られないのかな。おーい。出して下さいよ、ねぇ」

雪歩「美希ちゃんが精神崩壊を起こした」

貴音「ボードに書かれた命令の残酷さに、心が耐えられなかったようですね」

真美「さっきから思ってたんだけど、なんで本人の目の前で書いてるのに効果があるの?」

雪歩「なんかだんだん怖くなってきたよ」

貴音「気を取り直して、どんどんいきましょう」ワクワク

真美「今日のお姫ちんは本当に楽しそうだなぁ」

雪歩「真ちゃんの予定は『突然チンコが生えて、雪歩に襲い掛かる』でいいよね?」ワクワク

真美「いいよ、どうでも」

ガチャ

真「おっはよー!」

雪歩「あっ!おはよう真ちゃん!」ドキドキ

真「えーっと今日の予定は……『突然チンコが生えて、雪歩に襲い掛かる』だって?タチの悪いイタズラだなぁ」

貴音「何も股間に生えてこないのですか?」ガックシ

真「やだなぁ、当たり前じゃないか」ハハハ

雪歩「この真ちゃんはニセモノだ!本物の真ちゃんを返して!!」ブンッ ブンッ

真「う、うわああぁぁぁ!!」

真美「ゆきぴょんはホンモノだなぁ」

貴音「あの狂気はなかなか真似できません」

真「かわいい雪歩に襲い掛かるなんて、ボクにできるはずないじゃないか」

雪歩「真ちゃん……///」キュン

真美「あっという間に仲直りとは」

貴音「今のデレ雪歩なら、私にも真似できるかもしれません」

ガチャ

響「みんな、おっはよー!」

貴音「響ちゃんのケツの穴掘って埋まってますゥゥゥヴヴヴ!!」ヒャッハー

響「メケェェェェェェェェ!!」ズリュズリュズリュ

真美「すごいすごい!本物のゆきぴょんみたいだよ、お姫ちん!」

貴音「はて、野良犬のようにハァハァ喜ぶはずですが……」

雪歩「ダメだよ響ちゃん、ちゃんと野良犬の真似しないと」

響「事務所に来てそうそう、ひどい目にあった」

真「いつものことじゃない?」

響「そんな気もするけど、それを認めるわけにはいかないんだ」

真美「ひびきん、これぴよちゃんの辞表ね」サッ

響「ムシャムシャ」

貴音「響は期待を裏切りませんね」

響「あぁっ!ぴよ子からの手紙を読まずに食べちゃったぞ!」

雪歩「しょうがないから、手紙で聞き返すしかないね」

響「えーっと、『さっきのてがみの ごようじなぁに』っと」カキカキ

真美「はい、ぴよちゃん」サッ

小鳥「ムシャムシャ」

雪歩「予定に書いてもいないのに食べはじめた」

小鳥「大変、読まずに食べちゃったわ!仕方ないわね、『さっきのてがみの ごようじなぁに』っと」カキカキ

真「はい、響」サッ

響「ムシャムシャ」

真美「いつまで続けるの?」

真美「ところで、今のところ765プロメンバーは4人中3人がアホという状況なんだけど」

雪歩「真ちゃんが頑張ればパーフェクトだったのに」

貴音「真には失望しました」

真「ボクはアホの方がよかったの?」

美希「モチロンなの。『踊るアホウに見るアホウ、同じアホなら踊らなソンソン』なの」

真美「ミキミキ、正気に戻ったんだね」

響「美希が言ったのはどういう意味なんだ?」

美希「真クンはダンスが得意だから、アホになれば踊るアホウなの。
   踊るアホウはパンダのソンソンちゃんだから、一日中動物園で寝て暮らせて幸せなの」

真「何言ってんだコイツ」

雪歩「やっぱり正気じゃなかったね」

小鳥「でも、いつもこんな感じだった気もするわ」

小鳥「まぁ美希ちゃんの妄言はおいといて、もう一度真ちゃんにチャンスをあげてもいいんじゃない?」

貴音「小鳥嬢の口から妄言という単語が出てくるとは思いませんでした」

真美「じゃあ、まこちんにもう一度だけアホになるチャンスを与えよう」

真「ちょっとはボクの話も聞いてほしいなぁ」

響「別に構わないぞ」

真「じゃあ、ダンスばかりじゃなく歌もうまくなりたいから、そんな感じの願い事にしといてくれる?」

雪歩「もう一度スケジュールボードを使うことに対しては、異論はないんだね」

真美「おまけにスケジュールボードを七夕の短冊と勘違いしてやがる」

美希「だけどせっかくの真クンの意見だから、尊重すべきだと思うな」

真美「じゃあ、まこちんの予定は『千早お姉ちゃんみたいになる』ってことで」

真「やった!これでボクも歌姫だ!歌プリンセスだ!」キャルルン☆

雪歩「ちなみに千早ちゃんは事務所の窓から飛び降りることができるよ」

貴音「窓はあけておきました」ガラッ

真「いっけぇー、マグナム!」ガシャーン

美希「どうしてわざわざ、閉まってる方の窓を突き破って飛び降りたのかな?」

響「きっと周りの言いなりになるのが嫌だったからだぞ」

小鳥「よりによって、千早ちゃんの中二病をコピーしてしまうなんて」

小鳥「ところで、真ちゃんは大丈夫かしら」

雪歩「ちょっと見てみますね」

響「雪歩は意外と勇気あるなぁ」

真美「家庭の事情で、血は見慣れてるんじゃない?」

雪歩「あー、えーと、はい、無事ですね」

美希「よかったの」ホッ

貴音「本当に無事なのですか?」

雪歩「まぁ、比喩ですけどね」

貴音「比喩なら安心です」ホッ

小鳥「いったい何の比喩なのかしら」

真美「帰りに事務所の前を通るのが怖いなぁ」



第三十五話 終わり

━第三十六話━

あずさ「ねぇ、亜美ちゃん、伊織ちゃん」

亜美「なになに?」

伊織「どうかしたの?」

あずさ「よく、世界中の人から1円ずつもらえば、60億円集まるって話があるじゃない?」

伊織「今は『世界の人口は70億人』って教わってるわよ」

あずさ「まぁ、そうなの?」

亜美「そりゃ、バブル世代のあずさお姉ちゃんは知らないだろうけどね」

あずさ「伊織ちゃんの誕生日プレゼントは、亜美ちゃんの毛皮でいいかしら?」

伊織「私の誕生日は、クリスマスの倍近く先の話よ?」

亜美「いおりん、そこはあずさお姉ちゃんをなだめるような発言をしてほしいところだよ」

あずさ「伊織ちゃんのクリスマスプレゼントは、亜美ちゃんの生爪盛り合わせでいいかしら?」

伊織「盛り合わせって……つけ爪にでもするの?」

亜美「やべぇ、この人たち目がマジだ」

伊織「大丈夫よ、亜美。私は人の生爪をつけ爪にする趣味はないから」

亜美「いおりんが正気で安心したよ」

あずさ「話を戻していいかしら?」

伊織「さっきツッコみそびれたけど、その話は大抵の人が小学生の頃に卒業しているからね?」

あずさ「あらあら、いくら私が若いからって小学生は褒めすぎよ?」

亜美「あー面白い面白い。あずさお姉ちゃん、そのジョークはナウなヤングにバカウケだよ」

あずさ「伊織ちゃんのお年玉は、亜美ちゃんといぬ美ちゃんのレズセックスDVDでいいかしら?」

伊織「いぬ美って18歳未満だけど、児ポ法に抵触するのかしら?」

亜美「だからいおりん、素朴な疑問を口にする前にあずさお姉ちゃんの暴走を止めてよ」

伊織「だったらアンタもアホな煽りをやめなさいよね」

亜美「もしかして、わざとやってらっしゃいました?」

伊織「当たり前じゃない」

あずさ「ふふふ、今日の伊織ちゃんは私に優しいのね」

伊織「まぁ、今日くらいはね」

あずさ「え?」

亜美「いおりん、いおりん」

伊織「あぁ……で、何の話だっけ?」

あずさ「あのね、この理論を応用すれば私は劇的に若返ることができるのよ」

亜美「どゆこと?」

あずさ「世界中の人に私の人生を1秒ずつ還元すれば、約220年若返ることができるわ」

伊織「何世代遡るつもりなのよ」

亜美「応用もクソも、『世界中の人から1円ずつ』理論はハナから実用化されてないからね」

あずさ「おかしいわねぇ。私が小学生の頃に既に、理論は確立されていたのに」

亜美「あずさお姉ちゃんの小学生時代って、全共闘の頃だっけ?」

あずさ「千早ちゃ~ん、亜美ちゃんの毛皮と生爪盛り合わせ、どちらがいいかしら~?」

千早「体液盛り合わせを希望します。卵もつけてください」

亜美「いおりん、助けて~」

伊織「自業自得よ」

ガチャ

春香「あははー、千早ちゃーん、まだ準備終わってないんだからそっち行っちゃダメだよー」

千早「ごめんなさい、妹の危機だったもので」

亜美「その割には、千早お姉ちゃんからは助けてくれる雰囲気が1ミリも感じられなかったよ」

千早「妹の危機を特等席で眺めるためよ」

伊織「歪んだ愛情ね」

あずさ「ところで、千早ちゃんはドアも開けずにどうやって入ってきたのかしら?」

亜美「ドアと床のスキ間から入ってきたんだよ」

春香「あはは、千早ちゃんは妖怪・いったんもめんだからね」

千早「何かしら、妖怪・チン毛散らし?」

伊織「そのやりとり(第二十六話)、まだ続いてたのね」

あずさ「ところで春香ちゃん、なんだか機嫌がいいわね?」

春香「昨日、迷える子羊にこの世の真理を教えてあげましたから、気分がハイになってるんですよ」

亜美「千早お姉ちゃん、またはるるんに変なクスリ飲ませたでしょ?」

千早「睡眠薬以外を飲ませたつもりはないわ」

あずさ「つもりって」

亜美「それにしても、一日たっても気分が高揚し続けるなんて、どんなことがあったんだろうね?」

ガサッ

伊織「キャッ、毛虫!?なんで事務所に……」

グチャッ

亜美「む、無言で踏みつぶした」

春香「ホシイミキに容赦はいらないよ」

あずさ「ホシイミキって、その毛虫のこと?」

伊織「もしかして、それが『この世の真理』ってやつじゃないでしょうね」

春香「疑いようもないでしょ?」

千早「そうね。さすが春香だわ」

春香「あはは、どうやらこのホシイミキは向こうの部屋から逃げ出したみたい。驚かせてごめんね」

あずさ「一体そっちの部屋で何をしているのかしら?」

亜美「まぁ、もうすぐ分かるよ」

伊織「千早、律子はまだなの?」

千早「もうすぐ帰ってくると思うのだけど……」

タダイマー

亜美「あっ、りっちゃんだ!」

伊織「ようやく帰ってきたわね」

春香「じゃああずささん、向こうの部屋に行きましょう」

あずさ「えっ?」

千早「まだ準備が残ってなかったかしら?」

春香「響ちゃんに全部食べさせれば大丈夫だよー」

あずさ「本当に、そっちの部屋で何をしているのかしら?」

伊織「いいからいいから。早く行きましょう」

ガチャ

あずさ「あら、これは……」

やよい「パパパパーン」

真「パパパパーン」

響「パパパパーン」

雪歩「パパパパーン」

真美「パパパパーン」

貴音「パパパパーン」

律子「I love you forever」

美希「あなただけのこと」

P「あずささん、誕生日おめでとうございます」

伊織「バースデーソングってこんなのだったかしら?」

あずさ「み、みんな、ありがとう」ニコッ

美希「わぁ、笑ったの!」

小鳥「満面の笑みね」

伊織「真横から見ると、ひきつった笑顔に見えるのだけど」

律子「きっと光の屈折のせいよ」

社長「はっはっは。喜んでもらえて何よりだよ」

あずさ「朝からみんなバタバタしてると思ったら、パーティーの準備をしてたのね」

伊織「そうよ。私と亜美はあずさの足止め役ってことでね」

亜美「亜美があずさお姉ちゃんをやたら挑発してたのは、気をひきつけるためだったのさ!」

あずさ「あらあら。亜美ちゃん、ありがとう」ニコッ

雪歩「ひきつった笑顔だね」

千早「真横から見ても、ひきつった笑顔に見えるわ」

春香「人の親切を素直に受け止められないなんて、心が屈折してるね」

真美「はるるんの辞書にも親切って言葉があったなんて」

伊織「間違った説明が載ってるくらいなら、いっそない方がマシだったわね」

春香「じゃあさっそくパーティーをはじめよう♪まずは私が考えた余興からね」

伊織「いきなり余興なの?」

春香「名づけて『ホシイミキ惨殺ゲーム』だよ☆」ドンッ

あずさ「む、虫カゴいっぱいに毛虫が」

亜美「ミキミキはなんとも思わないの?」

美希「ミキも、アノ日のナプキンのことを『アマミハルカ』って呼んでるからお互い様なの」

小鳥「それじゃあ美希ちゃんは、月一で春香ちゃんを股間に押しつけてるってことね!」ハァハァ

千早「あぁっ、女の子の日が待ち遠しいわ!」ハァハァ

P「こらこら、あずささんを置いてけぼりにして盛り上がっちゃダメだぞ」

あずさ「ふふっ、プロデューサーさんは優しいですね」

社長「私は、置いてけぼりを食らった方がマシだと思うがね」

伊織「やっぱり私も準備側にまわるべきだったかしら」

亜美「しかし、よくもまぁこんな余興を許可したね」

律子「妥協に妥協を重ねた結果よ」

雪歩「気持ち悪いから、せめてパーティーの頭に持ってきてサッサと終わらせようってことになったの」

亜美「そこは妥協すべきところじゃなかったなぁ」

千早「そういえば我那覇さん、リハーサルに使ったホシイミキは片付けてくれた?」

伊織「『残ってる準備』って、もしかしてそれの片付けのことだったの?」

響「なんで自分が春香のまき散らしたゴミを片付けないといけないんだ」

真「ほら、響はハム蔵のエサをよくつまみ食いしてるからさ」

響「ハム蔵は毛虫なんて食べないよ!大体、毛虫を食べて片付けるなんて正気の沙汰じゃないぞ!」プンプン

春香「残念だなぁ」

真美「とりあえずリハーサルの分は、ホウキで部屋の隅にまとめといたよ」

やよい「おいしそうですー」ジュルリ

伊織「!?」

あずさ「ねぇ春香ちゃん、余興もいいけれど、お腹すいちゃったからまずはケーキを食べない?」

春香「あずささんが言うならそうしましょう」

伊織「ナイスよ、あずさ」

亜美「あとでコッソリ片付けよう」

真「バースデーケーキ持ってきましたー」ドンッ

亜美「わぁ、ショートケーキだね!」

雪歩「みんなで頑張って作ったんだよ」

真美「ロ→ソクもいっぱい刺したしね!」

あずさ「あら?どうしてローソクで『30』の文字を作っているのかしら?」

小鳥「だってあずささんは30歳……おっとごめんなさい、つい7進法で数えてしまいました」

律子「無理やりあずささんを、自分より先に三十路に到達させたのね」

社長「音無君はそれで満足なのかね?」

小鳥「すがすがしい気分です」

千早「かわいそうな人」

伊織「そういえば律子、誕生日プレゼントは買ってきてくれたの?」

律子「えぇ、いくつかお店をまわってたら遅くなっちゃったけどね」

ドサドサッ

伊織「……なにこれ?」

真「『Oggi』、『CREA』、『STORY』……いわゆるアラサーが読んでそうな雑誌ですね」

律子「あずささんの新しい方向性を決める手助けになればと思って」

春香「アラフォーっぽいのも混ざってません?」

律子「だって私、アラサーもアラフォーも似たようなものに見えるし」

小鳥「ピヨリンヌッ!!」バターン

P「おや、思わぬところにダメージが飛んでいったな」

伊織「いい薬よ」

貴音「しかし、なぜこのように同じ雑誌を何冊も……」

律子「あずささんはゼクシィを何冊も買いこんでると聞いたので、それをリスペクトしてみました」

真美「それにしても、すごい量だね」

亜美「重ねるとまるで砦だよ。誰も寄ってこれないね」

美希「まるであずさ自身なの!きゃは☆」

千早「対男性専用の砦ね。実に愉快だわ」

社長「おや、こっちにはニッセンのカタログまであるようだね」

春香「あはははっ、それじゃまるで50代ですよ~☆」

あずさ「」プツンッ

雪歩「あ」

真「ヤバいね」

伊織「もしもし、新堂?あら、もう事務所の前なのね。さすがだわ」

亜美「いおりん、助けて~」

伊織「ごめんなさいね、今日の車は五人乗りなの。運転手、新堂、私、シャルル、やよいで満員ね」

真美「は、薄情者ぉ!」

――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――――

涼「遅くなっちゃったね、もうパーティーはじまってるかな」

絵理「涼さんがプレゼント選びに手間取ってたから……」

愛「でも、おかげでいいものを買えました!」

涼「『Cawaii!』ね。あずささん、こういうファッションも似合うと思うんだ」

絵理「皮肉も聞いてて、とてもいいプレゼントだと思う」

愛「??」

コンコン

愛「はーるーかーさーん。あーそびーましょー」

絵理「それはなんか違う」

涼「返事がないね」

愛「あけちゃいましょう!」

涼「あっ、ちょっと……」

ガチャ

あずさ「シャァァァァァァァァ」

涼「う、うわあぁぁぁぁぁっ!?」

絵理「精神的しょっくニヨリ、しすてむだうん。直前ノ記憶ヲでりーとシマス。でりーとシマス」ピー ガー

愛「なんかこの雨、あったかいなぁ」



第三十六話 終わり

>>753

>絵理「皮肉も聞いてて、とてもいいプレゼントだと思う」

涼「『皮肉も効いてて』じゃない?」

絵理「あの日の記憶はデリートしたから、なんのことだか分からない」

愛「ところで、絵理さんはいつからロボットさんになったんですか?」

絵理「ロボチガウ ロボチガウ ロボチガウ ロボチガウ ロボチガウ ロボチガウ ロボチガウ ロボチガウ」カタカタカタカタ

涼「ロボだこれー!!!」ガビーン



第三十六話 おまけ 終わり





わざとじゃないです。
最近は、そう思われても仕方ないほど誤字を連発してますが。
困ったものです。

━第三十七話━

━公園━

亜美「新しい朝が来た~♪」

真美「希望の朝だ~♪」

あずさ「公園でラジオ体操なんて久々だったけど、やってみると気持ちがいいわねぇ~」

P「よーし。体操も終わったことだし、みんな集まれー」

ワラワラ ワラワラ

P「それでは社長、お願いします」

社長「ウォッホン、諸君……」



社長「今日からこのダンボールハウスが新しい事務所だ」

小鳥「以前、響ちゃんが住んでいたやつですね」

P「いやぁ、昨日は目が覚めたら事務所が半壊していてビックリしましたよ」

小鳥「壁も天井も床も、真っ赤も染まってましたしね」

雪歩「きっとあわてんぼうのサンタクロースさんが、私の誕生日をお祝いしにきてくれたんです」

響「クリスマスカラーって赤一色だったっけ?」

亜美「たぶんサンタさんは麻薬中毒者なんだよ」

P「一つの色に執着するのは、麻薬中毒者の典型的な症状だからな」

真美「ヤクでもやってなくちゃ、トナカイで空を飛ぶなんて酔狂なことはできないしね」

小鳥「あれ、そういえば社長は黒一色ですね」

社長「イカン、幻覚が見えてきた。音無くんがアラフォーに見えるぞ」

P「よかった、正常だ」

響「それにしても、どうして自分たちは事務所で寝ていたんだろう」

雪歩「珍しく全員揃ってたしね」

亜美「なぜか愛ぴょんたちもいたよね」

真美「あずさお姉ちゃん、何か覚えてる?」

あずさ「う~ん、悪いけど何も……」

小鳥「伊織ちゃんはどう?」

伊織「ノーコメントでお願いするわ」

P「噂では、『勇者一行に攻め込まれて、ついに打ち滅ぼされた』らしいぞ」

響「打ち滅ぼされたって」

社長「ウチの事務所は、近所からバーンパレスと呼ばれていたからな」

亜美「アイドルプロダクションを魔王軍扱いするなんて、ヒドい話だよ!」

真美「こりゃ見せしめに、向かいの心療内科を焼き払うしかないね」

伊織「そんなこと言ってるから魔王軍扱いされるのよ」

あずさ「でも、この中で言うなら大魔王バーン様は間違いなく伊織ちゃんよ」

小鳥「バーン様、カイザーフェニックスであのビルを焼き払ってください」

響「炎系の究極魔法だな!」

P「ただし魔法はデコから出る(笑)」

伊織「」ドスッ

P「」バターン

亜美「手刀で一撃だ!」

真美「カラミティエンドだね」

雪歩「それにしても、よくこのダンボールハウス残ってましたね」

亜美「ケ→サツも職務怠慢だねぇ」

響「こういうものの撤去って警察の仕事なのか?」

亜美「亜美は適当に言っただけだから、あんまり信用しないでね」

真美「なんたって真美たちは、ケ→サツとケンサツの区別もロクについてないからね」

響「あー。自分もよく、ハッシュドビーフとハヤシライスの区別がつかなくなるなぁ」

雪歩「それはみんなそうだよ」

亜美「ひびきんのくせに無難なこと言っちゃって」

真美「本当はカレーとウンコの区別がつかないんでしょ?」

響「つくよ!食べられる方がカレーだよ!」

亜美「じゃあウコンとウンコは?」

響「ウコンは……あれ?ウコンって食べられるのか?」

あずさ「両方とも食べられないということは、まさか……」

響「う、うわぁぁぁ!ウコンとウンコは同じものだったのか!?」

小鳥「まぁ大変!私、飲み会前によくウコンの力を飲んでるわ!」

雪歩「この人たち、どこまで本気で言ってるんだろう」

伊織「私には区別がつかないわ」

社長「はっはっは、若い頃の勘違いはよくあることだ。かくいう私も、去年は亜美くんと真美くんの区別がつかなくてね」

あずさ「そういうことは思ってても言っちゃダメですよ」

小鳥「しかも去年の自分を『若い』って言っちゃうあたりがアレですね」

雪歩「あんまりそういうこと言うと、自分にハネ返ってきますよ」

亜美「まぁでも正直、今は髪型が違うから区別がつくってだけの話だよね」

真美「だからこうして髪型を揃えると……よっと、これでどう?」

響「おー、そっくりだなぁ」

P「でもまだ服装が違うぞ。脱いだら本当に区別がつかなくなるか、今すぐ試してみよう、今すぐ」ハァハァ

真美「おまわりさ~ん」

警察「警察だ。逮捕する」

社長「ご苦労様です」

あずさ「警察はちゃんと仕事してるわね」

雪歩「よかったよかった」

亜美「服装のことはおいといてさ、どうよ実際?」

真美「どっちが真美で、どっちが亜美でしょう?」

あずさ「難しいわね」

小鳥「私には分かるわ」

雪歩「どっちがどっちですか?」

小鳥「なめて(味が)おいしいのが亜美ちゃん、なめて(反応が)かわいいのが真美ちゃんよ」

亜美「おまわりさ~ん」

伊織「プロデューサーを連行していったから、もういないわよ」

真美「ぴよちゃん、命拾いしたね」

小鳥「じゃあさっそくクイズの答え合わせをさせてくれるかしら?」レロレロレロレロ

伊織「」バキッ ドスッ ゴォォォ

小鳥「ギレラレー」バターン

亜美「息もつかせぬ三連コンボだ!」

真美「天地魔闘の構えだね」

雪歩「あれってカウンター技じゃなかった?」

あずさ「細かいことはいいのよ」

伊織「そろそろバカ話はやめにして、事務所に入らない?」

雪歩「そうだね、紫外線はお肌の大敵だし」

あずさ「元々は響ちゃんの家だし、響ちゃんに中を案内してもらおうかしら」

響「別にいいけど、ここは入る度に中身が変わるからあまり案内できないぞ」

亜美「不思議のダンジョンか何かなの?」

真美「よくこの中で生活できたね」

響「中のモンスターにやられると入口まで戻されるから、急いでるときは便利なんだ」

亜美「モンスターまで出るとは」

真美「なんだか不安になってきたよ」

あずさ「うふふ。魔王軍の名を冠する私たちなら、モンスターを叩きのめせると思うわ」

伊織「昨日のあずさを見てると、冗談に聞こえないわね」

あずさ「???」

雪歩「???」

伊織「たまにアンタ達が羨ましくなるわ」

社長「それではキミ達、頑張って冒険してきたまえ」

亜美「冒険って言っちゃったよ」

雪歩「社長は一緒に来ないんですか?」

社長「音無くんを放っておくと、鳥葬されかねないからね」

真美「あぁっ、いつの間にかぴよちゃんがカラスに囲まれている」

伊織「そ、そんなに強く叩いたかしら……」

あずさ「大丈夫よ伊織ちゃん。あれは集団獣姦レイプを楽しもうとしている顔だから」

雪歩「よく見ると小鳥さんが猛禽類のような顔をしている」

響「逆にカラスを取って食わんばかりの顔だぞ」

小鳥「クエックエックエックエッ」

カラス「カ、カァーッ?」ブルブル

亜美「カラスが怯えてる」

真美「男の人ばかりか、カラスまで寄りつかないなんて」

社長「まぁ、プロデューサー君も警察から説教を受けてそろそろ戻ってくるだろうし、それまで待つよ」

あずさ「減給とか謹慎とか、そういう処分は考えてないんですか?」

社長「減給はともかく、謹慎処分にすると人手が足りなくなってしまうからね」

亜美「じゃあ向こう半年、兄ちゃんの給料は一日あたりうまい棒三本ってことで」

雪歩「ちょ、亜美ちゃんやめて」

真美「どったのゆきぴょん」

雪歩「うまい棒と聞くと、なぜか体が疼くの」

あずさ「一体どうしたのかしら」

雪歩「たぶん、私の前世はうまい棒で飢えをしのいでいたんだと思う」

亜美「まるで今のひびきんだね」

響「別に自分は、ペットのエサで飢えをしのいでるワケじゃないからな」

真美「ペットのエサって下手したら人間の食べ物より高いからね」

伊織「バカなこと言ってないで、サッサといきましょう」

━ダンボールハウス・一階━

あずさ「トンネルを抜けるとそこはダンジョンでした」

雪歩「壁はダンボールだけど、床は石造りなんですね。穴も掘りやすそう」

伊織「一体どうなってるの?」

響「これはアタリだな。床が土だと虫が出てくるから」

亜美「それより、入口が消えたんだけど」

響「ここには上に行く階段しかないぞ。二階からは落とし穴もあるけど」

真美「でも、前に真美たちが来たとき(第十八話)は、ひびきんが入口のドアをあけてくれたよね?」

響「四階にある階段を上がると、入口につながるドアがあるんだ」

雪歩「異次元的だね」

伊織「ところで、外から見た感じと明らかに部屋の広さが違うんだけど」

あずさ「しかも、正面と左右にドアがあるってことは、ダンジョンはさらに奥に続いてるってことかしら」

亜美「上に行く階段がこの部屋にないってことは、そうなんだろうね」

響「フロアの大きさは、入る度に変わるぞ。体育館なみの広さだったり、逆に六畳一間だったり」キョロキョロ

真美「どったの、キョロキョロして」

響「いや、一階には大体食べ物が置いてあるんだけど、この部屋には見当たらないなぁって」

亜美「ひびきん、床に落ちたものを食べてたの?」

真美「えんがちょ~」

あずさ「よくお腹を壊さなかったわね」

雪歩「かわりに頭を壊しちゃったのかも」

響「いやいや!ゴーヤチャンプルとかソーキそばとか、ちゃんとお箸を使って食べるものだったから!」

あずさ「手づかみで食べたかどうかを聞いているわけじゃないのだけど」

亜美「むしろゴーヤチャンプルを手づかみで食べてたら、本当にサル同然だよ」

響「『本当に』ってなんだよ!」

伊織「……そうじゃなくて響が言いたいのは、ちゃんとお皿に盛ってあったよ、ってことじゃないの?」

響「ん?……あぁ、そうそう?そういうことだぞ、伊織?」

伊織「なんでアンタが疑問形なのよ」

響「いやぁ、お箸を使ってたことはハッキリ覚えてるんだけど、お皿に盛ってあったかは記憶が曖昧なんだ」

伊織「わざわざお箸まで用意してるのに料理は床に直盛りって、逆にイジメでしょうが……」

真美「お箸を使って床に落ちたゴーヤチャンプルを食べるって、相当シュールな光景だね」

雪歩「想像するだけでポエム力が上がった気がするよ」

━ダンボールハウス・二階━

響「結局一階に食べ物はなかったぞ」ガックシ

雪歩「残念だったね」

亜美「それはそうと、ひびきん」

響「なんだ?」

亜美「まだモンスターが全然現れないんだけど」

響「そんなにしょっちゅう出てきたらリラックスできないからな」

真美「頻度に関係なく、モンスターが出てくる家なんてリラックスできないよ」

響「まぁ、イメージ的にはゴキブリに遭遇するくらいの頻度かな?」

雪歩「その例えは人によってかなりイメージにバラつきがあるなぁ」

あずさ「響ちゃんって北海道の出身よね?そうよね?」

響「何言ってるんだ?自分は生まれも育ちも沖縄だぞー」ハハハ

亜美「ですよね→」

真美「沖縄のゴキブリかぁ」

ガサッ

伊織「何か来るわッ!」

ザッ

モンスター「はるはるはるはる」

伊織「……」

雪歩「……」

亜美「はるるんそっくりだ」

あずさ「そっくり度で言えば、松浦亜弥と紋舞らんくらい似てるわね」

真美「あ、あずさお姉ちゃん?」

あずさ「あらあら」ウフフ

響「コイツらは最下級モンスターだ。簡単に倒せるぞ、それっ!」ゲシッ

モンスター「はるはるっ!?」コテン

響「はいさいっ!」バキャッ

モンスター「はるはるー!!」ウギャアー

亜美「転ばせてからの、頭部直撃サッカーボールキックだ」

真美「ヒーローとは程遠い攻撃方法だね」

モンスター「はるー……」シュウウウ

雪歩「あっ、春香ちゃんもどきが消えていく」

響「モンスターは倒すと消えるんだぞ」

伊織「本当にどうなってるのよ、この空間は」

響「コイツらは頭が弱点なんだ。こんな感じで倒しながら進んでいくぞ」

亜美「……」

真美「……」

響「え、どうしたの?」

亜美「いや、モンスターとはいえ、はるるんの形をしたものをよくあんな風に攻撃できるな、と」

真美「しかも微妙に楽しそうだったような」

あずさ「もしかしてこの空間って、響ちゃんの願望が具現化したものじゃないかしら?」

雪歩「春香ちゃんを『最下級』と言ってるあたり、あり得ない話じゃないですね」

響「……」

亜美「『本当に自分の願望だったら、お前らを最下級にしてるはずだぞ』って顔してる」

真美「恐ろしいことだよ」

伊織「恐ろしいのはアンタ達よ」

響「い、伊織ぃ~」ウルウル

伊織「あ、暑苦しいから抱きつかないでよっ!///」

あずさ「今さらだけど、このパーティーなかなかバランスいいわね」

雪歩「伊織ちゃんの負担が大きいですけどね」

亜美「ところでひびきん、もしかして他のモンスターも765プロのみんなに似てるの?」

響「ああ。社長とかぴよ子も含めて、全員出てきたんじゃないかな」

真美「うーん、そりゃマズいね」

あずさ「ここにいるメンバー似のモンスターが出てきたら厄介ね」

響「似てるっていっても、注意して見れば大丈夫だと思うぞ」

雪歩「響ちゃんのくせに大した自信だなぁ」

亜美「銀杏とウンコの区別もつかないくせに」

響「つくよ!食べられる方が銀杏だよ!」

真美「じゃあうどんとうどん粉は?」

響「うどん粉の方が一文字多くて……あれ?あとは同じかな?」

亜美「じゃあウンコとうどん粉は?」

響「うどん粉の方が一文字多くて……あれ?ま、まさか!?」

亜美「真理に気づいたようだね」

響「うどん粉はウンコだったのかぁぁぁ!!」ガガーン

真美「しかも、うどん=うどん粉と考えると……」

響「うぎゃぁぁぁぁぁ!?!?うどんはウンコなのかァーッ!?」ガクガクブルブル

雪歩「そろそろ香川県民から苦情がくるよ」

━ダンボールハウス・三階━

雪歩「二階はたくさんモンスターが出てきたね」

伊織「アンタ達、私似のモンスターが出たときは随分楽しそうだったじゃない」

亜美「どうしてそんな風に思うのかな?」

真美「自分の日頃の行いに対して、何かやましい気持ちがあるからそう思うんじゃない?」

亜美「品性はお金で買えないんだよ?」

真美「もちろん友人もね?」

伊織「…………」

亜美「あ、あれ?」

あずさ「こういうイジリ方には弱いみたいね」

真美「ご、ごめんよいおりん」

モンスター「あみあみあみあみ」

モンスター「まみまみまみまみ」

響「亜美真美もどきのモンスターだ!」

伊織「私に任せなさい」

亜美「ちょ、いおりん!敵はあっちだよ、あっち!」

伊織「くすんくすん、涙で視界がボヤけちゃうわ。これじゃ標的を間違えても仕方ないわね」

真美「た、助けてェー!」

雪歩「すごいなぁ、あんな乾いた目は初めて見たよ」

響「いい薬だな」

あずさ「まぁまぁ、三人とも落ち着いて」

伊織「あずさがそういうなら……」

亜美「いおりんごめ→ん」

真美「ごめんね→」

ガサガサッ

響「この音……ヤバいぞ!」

雪歩「どうしたの?」

響「最上級モンスターがくるんだ!」

あずさ「最上級モンスター?」

響「他のモンスターとは比べものにならないほど強いんだ。ここにいるみんなでかかっても倒せるかどうか……」

ガサッ

伊織「くるわ!」

ザッ

モンスター「がながながながな」

伊織「…………」

雪歩「…………」

あずさ「…………」

亜美「ハイしけ……」

響「えっ、何?し、しけ?」

真美「しらけるってことだよ」

雪歩「もうそういうのいいから」

あずさ「どうせハム蔵ちゃん達と協力して仕組んだんでしょう?」

亜美「自分そっくりのモンスターに亜美たちをボコボコにさせて、日頃の恨みを晴らそうってコンタンなんだね」

伊織「恨みを買ってる自覚はあるのね」

真美「ドサクサに紛れて、本物のひびきんも攻撃してくるかもしれない」

響「いやいやいや!確かに流れ的にこうなるとは薄々感じてたけど!あいつは本当にヤバいんだって!」

━ダンボールハウス・四階━

亜美「はぁはぁ……なんとか逃げ切れたYO」

伊織「モンスターは階段を上がってこれないのね」

響「ああ。だからここでは、危なくなったら逃げるのが一番なんだぞ」

真美「それにしても、まさか口から溶解液を吐くとは」

雪歩「絵的にもヤバかったね」

あずさ「あれはいぬ美ちゃんの仕込みなのかしら?」

響「だから違うって……てかなんでいぬ美なんだよ」

あずさ「いぬ美ちゃんはゲロゲロキッチンのレギュラーだからよ」

亜美「あずさお姉ちゃん、いぬ美が出てるのはレロレロキッチン(第二十四話)の方だよ」

あずさ「あら、そうだったかしら」

真美「ていうか、ゲロゲロキッチンの『ゲロゲロ』はカエルの鳴き声だからね?」

雪歩「冷静に考えると、料理番組であのタイトルはどうかしてるよね」

響「自分も出たことある番組だから、あんまり貶さないでくれ」

サワサワッ

亜美「きゃあっ!?」

真美「亜美!?」

伊織「どうしたの、亜美!?」

亜美「か、壁から手が出て亜美の胸を……」

モンスター「ちひゃちひゃちひゃちひゃ」

響「ああ、これはワナモンスターだな。壁や床に擬態するんだ」

あずさ「まったく気づかなかったわ」

モンスター「ちひゃっ」ペッ

あずさ「きゃっ、ツバを!?」

響「ツバを吐くのは今までなかった行動だな。普段は胸を触ったり顔をなめてきたりするんだ」

伊織「どうしてここのモンスターは行動までウチのアイドルそっくりなの?」

雪歩「もはや偶然の一致というレベルを超えているよ」

響「でも、こいつはいいモンスターだと思うぞ。機嫌のいい時には、ほねっこをくれるし」

亜美「え?」

真美「ひびきん、ほねっこ食べたの?」

響「も、もちろん床に落ちたやつは食べてないぞ!」

雪歩「床に落ちたかどうかは問題じゃないのだけど」

あずさ「まぁ、普段からいぬ美ちゃんのエサを食べているくらいだからねぇ」

響「あー、えっと、そ、それにお箸!ちゃんとお箸を使って食べたぞ!」アタフタ

伊織「それは逆におかしいでしょ……」

ガタガタガタガタ

雪歩「な、何?この音……」

ボインッ ボインッ

響「ワ、ワナモンスターの胸が大きくなっていくぞ!」

あずさ「戦闘力7000……8000……!!バカな……!!!」

亜美「あっという間に、あずさお姉ちゃんなみの大きさだ!」

モンスター「ちひゃ!?ちひゃちひゃちひゃ!?!?」

真美「嬉しさより、とまどいの方が大きいみたいだね」

ガタガタガタガタ

伊織「これは……壁だけじゃない!ダンジョン全体が形を変えているわッ!!」

響「ど、どういうことなんだ?」

雪歩「もしかして……!!」

亜美「わかったの、ゆきぴょん!?」

雪歩「響ちゃん、ここは入る度に中身が変わるんだよね?」

響「ああ、それがどうかし……はっ、まさか!?」

雪歩「そう……誰かが私たちの後に入ってきたんだよ!」

真美「な、なんだってーーー!!!」

ガタガタガタガタ

あずさ「きゃっ!床が貴音ちゃんのお尻みたいに盛り上がってるわ!」

モンスター「ちひゃちひゃちひゃちひゃ」ダラダラダラダラ

亜美「モンスターのヨダレのせいで床がすっごくすべるよ!」

真美「いいモンスターじゃなかったの!?」

響「確か、汗脇パッドを渡せば落ち着くはず……これでどうだ!」

モンスター「ちひゃちひゃちひゃちひゃ」スンスン

雪歩「千早ちゃんって、こんなに見境なかったっけ?」

あずさ「やっぱり、響ちゃんの願望が多少は混ざってるのよ」

伊織「こっちに階段があったわ!急ぐわよ!」

――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――――

━外━

伊織「ハァハァ……なんとか無事出られたわね」

亜美「今までは、こんなことなかったの?」

響「うーん、自分が暮らしてた時はなかったなぁ」

真美「運がいいなぁ」

響「でも、出かけようとすると玄関の前に子供が倒れてることは何度かあったぞ」

あずさ「子供が?」

響「ああ。なぜかみんな、ケツに犬とかハムスターとかに噛まれたあとがあったなぁ」

雪歩「響ちゃんは幸せ者だね」

響「あー、また自分をバカにしたなぁ!」プンスカ

雪歩「そんなつもりはないよ」

亜美「よく今までケ→サツ沙汰にならなかったなぁ」

真美「ケ→サツ沙汰というか、保健所沙汰というか」

社長「おぉ、キミ達。新事務所はどうだったかね?」

伊織「今すぐ別の場所を探すことをオススメするわ」

社長「そうかね?いい物件だと思うんだがなぁ」

あずさ「外装だけ見て判断しないでください」

雪歩「まぁ、外見だけ見てプロデューサーや事務員を雇った社長らしいですけどね」

伊織「というか、外装だけで考えてもダンボールハウスはおかしいけどね」

亜美「ところで、兄ちゃんは戻ってきたの?」

社長「ああ。それでキミ達の後を追いかけて中に入っていったよ」

伊織「アイツが犯人だったのね」

社長「『まださっきの実験が終わってません!亜美と真美で毛の生え具合が違うかもしれませんし、
   髪の毛以外全部剃ったうえで比較してみましょう!』と言ってカミソリを片手に飛び込んでいったよ」

雪歩「どうして通報しなかったんですか?」

社長「音無くんを放っておけないからね」

真美「あぁっ、いつの間にかぴよちゃんのまわりに大きな水たまりが」

社長「カラス達とひとしきりハッスルした後、あのまま動かないんだ」

あずさ「どうして通報しなかったんですか?」

亜美「よく見ると、小鳥さんのまわりに動かないカラスの群れが」

社長「死んでいるわけじゃないから、安心したまえ」

雪歩「それは、小鳥さんが死んでいるわけじゃないってことですか?それともカラスのことですか?」

あずさ「『安心したまえ』って言っているから、きっとカラスさんのことよ」

社長「キミ達もたいがいだね」

響「それで、どうする?」

真美「とりあえずぴよちゃんをダンボールハウスに放り込もう」

響「それっ」ポイッ

ゴゥンゴゥンゴゥン

亜美「なんか乾燥機みたいな音がする」

真美「ダンジョンが形を変えていく音だね」

あずさ「プロデューサーさんと音無さんはどうなっちゃうのかしら?」

雪歩「おっぱいが大きくなって帰ってくるかも」

響「あの二人はモンスターみたいなものだからな」

あずさ「実験に成功したら、千早ちゃんに教えてあげましょう」



第三十七話 終わり

━第三十八話━

━765プロ跡地━

千早「もやし祭りをしようと思うの」

春香「もやし祭りって、高槻家でやってるエア焼肉のこと?」

伊織「別にあれは肉の幻覚を楽しんでるワケじゃないわよ」

千早「高槻さんになったつもりで、もやしを食い散らかすのよ」

真「散らかしちゃダメでしょ」

春香「でも、普段自炊しないでカップ麺もロクに作れない千早ちゃんにそんなことできるの?」

千早「失礼ね。カップ焼きそばは無理でもカップラーメンなら作れるわ」

真「湯切りが苦手なんだね」

伊織「なんで急にそんなことを言い出したの?」

千早「私は今まで急ぎすぎていたわ」

美希「??」

千早「やみくもに高槻さんにアタックする前に、まずは高槻さんのことをもっと知ろうと考えたのよ」

真「なるほど」

千早「高槻さんのことを海よりも深く理解した暁には、きっと彼女の方から股を開いてくると思うの」

春香「千早ちゃんは自分の身のほどを知った方がいいと思うよ」

美希「身のほどってなに?バストサイズってこと?」キャハッ

千早「美希は自分の死に様を知りたいようね」

真「できれば、ここがこれ以上汚れない方法で頼むよ」

春香「いまだに血の臭いが取れないものね」

伊織「それで、どうしてこのメンバーを集めたの?」

千早「これが私の考えるベストメンバーだからよ」

真「ふむ」

千早「まず、春香は私の代わりに料理をする係ね」

春香「せめて『私と一緒に料理をする係』とかにしとこうよ」

美希「100%他人任せなの」

千早「真は、食材を私の家まで持ち運ぶ係よ」

真「別にボクじゃなきゃ運べないほど、もやしは重くないでしょ」

千早「でも、一回で成功するか分からないし」

伊織「もやし祭り数回分のもやしを、一度に買い込むつもりなのね」

真「料理の腕前に関しては、随分と控えめな自己分析だね」

美希「謙虚なの。千早さんは謙虚なナイトなの」

春香「いや、料理するのは私なんだけど」

千早「水瀬さんは、お金を出してくれればそれでいいわ」

伊織「お金以外に役に立たないみたいな言い方しないでくれる?」

真「大体、もやしなんて大した値段じゃないでしょ」

千早「でも、ウチにはホットプレートがないし……」

春香「ホットプレートまで買わせるつもりなの?」

美希「千早さんは恐れを知らぬ剛の者なの」

千早「高槻さんのためと思えば、安い買い物じゃない?」

伊織「そう思うなら自分で買いなさいよ」

春香「あと、間違ってもこれはやよいのためにはなり得ないからね」

美希「それで、ミキはどんな係なの?」

千早「美希は毒……出来上がったもやしを最初に食べて、みんなに笑顔をふりまく係りよ」

美希「わーいなの☆」

伊織「今、毒見って言おうとしたわよね」

真「千早の料理はそんなに壊滅的なのかなぁ」

春香「何度も言うけど、料理するのは私なんだけど」

━スーパーマーケット━

千早「えっと、もやしを買って、タレを買って……みんなの分の紙皿と割り箸も必要ね」ポイッ ポイッ

真「お客様用の食器はないんだね」

春香「千早ちゃんの家に友達が来るなんて、今まで考えられなかったものね」

千早「…………」

美希「じゃあミキが千早さんの初めてを奪ってあげるの。ショジョソーシツなの☆」

千早「ふふっ、ありがとう美希。カビキラーにしようと思ったけれど、クレンザーにしておくわ」ポイッ

伊織「クレンザーで何をするつもりなのかしら」

真「春香どうしたの、薄気味悪い顔して」

春香「いやぁ、千早ちゃんの家の処女は私が既に貫通済なのに、何も知らない美希は哀れだなぁって」ニヤニヤ

伊織「そこまで好きなら、千早の胸をえぐるようなこと言うのよしなさいよ」

美希「その通りなの。大体千早さんにはもう、えぐる胸は残ってないの」キャハキャハッ

千早「やっぱりカビキラーにするわ」ポイッ

真「カビキラーで何をするつもりなんだろう」

伊織「私が払うんだから、あまり食材以外のものを買わないでよね」

春香「食材だよね?」

千早「もちろんよ」

真「怖いなぁ」

ピピピピッ ピピピピッ

真「ん?」

美希「どうしたの真クン?」

真「妖精さんの声がする」

春香「またよくない電波を受信しちゃったんだね」

伊織「最近落ち着いてきたと思ったのに」

真「なんだか呼ばれてる気がするから、行ってくるよ」

千早「もうすぐ私の家に着くから、別にいいわよ」

美希「真クンの分も、ミキが食べておいてあげるの」

真「さすがにもう少し引き止めてほしいんだけど」

春香「メンドくさいなぁ」

━公園━

テクテクテクテク

雪歩「あっ、ロミオちゃん」

真「ジュリエット!ジュリエットじゃないか!」ダッ

雪歩「ばかっ、寂しかった!」ダキッ

真「ごめんよ、もう絶対にキミを離さない!」ギュッ

雪歩「///」

真「///」

亜美「か、肩がもげそうだぜ」

真美「二人とも何してんの?」

真「妖精さんがこう言えって」

雪歩「ふふっ、それは私が妖精さんにお願いしたんだよ」

真「ははっ、実は雪歩が妖精さんにお願いをしたくなるように、ボクが別の妖精さんを仕向けたんだよ」

雪歩「じゃあ私は、真ちゃんが妖精さんを仕向けたくなるように、別の妖精さんにおまじないをかけてもらったんだよ」

真「わあぁ、妖精さんがいっぱいだね♪」

雪歩「たくさんの妖精さんに囲まれて、私たちは夢の泉のほとりで幸せに暮らすの」

真「あはははは」

雪歩「うふふふふ」

真「あはははははは」

雪歩「うふふふふふふ」

亜美「あ、頭がもげそうだぜ」

真美「大変!亜美がガンダムのラストシューティングみたいになっちゃう!」

亜美「ところでまこちんは、どこに行くところだったの?」

真「千早の家でもやし祭りをする予定だったんだけど、妖精さんに導かれてこっちに来たんだ」

真美「あくまでも妖精さんの仕業だと言い張るんだね」

真「だって本当のことだし。それで、みんなは何してるの?」

雪歩「第二次討伐の準備だよ」

亜美「今度こそ、あのダンボールハウスを完璧に攻略するんだ」

真「でも、あの中にはまだプロデューサーと小鳥さんがいるんじゃないの?」

真美「別にいいじゃん」

真「確かに」

ギェェェェェェェェナノォォォォォォォォ

亜美「あっ、ミキミキの声だ」

雪歩「断末魔だね」

真「もやし祭りがはじまったんだ」

真美「もやし祭りってのはデスマッチなの?」

亜美「高槻家では、毎週木曜に血の雨が降ってるんだね」

真「うーん、どうだろう?いま千早の家でやっているのは、千早が考案した改良型もやし祭りだからね」

真美「どこをどう改良したのか、見当もつかないよ」

ガシャーン イマダーイビーン

亜美「今度ははるるんの声だ」

雪歩「ガラスの割れる音も聞こえたよ」

真「多分、千早の癇に障ることを言ったんだろうね」

真美「いつも思うんだけど、あの二人は仲がいいの?悪いの?」

真「ケンカするほど仲がいいってやつじゃないかな」

亜美「なるほど」

雪歩「真ちゃんが春香ちゃんと千早ちゃんのことに詳しくて悔しいッ!」カミカミ

真美「ゆきぴょんの癇に障ったみたいだね」

亜美「ハンカチを噛んで悔しがるなんて、少女マンガでしか見たことないよ」

ガシャーン アオイィィィトリィィィィィ パタパタ

真美「今度は千早お姉ちゃんだ」

亜美「ガラスを突き破ってパタパタ飛んでいくよ」

真「うーん、さすがにあれは何があったのか想像つかないなぁ」

雪歩「真ちゃんが千早ちゃんのことに詳しくなくて嬉しいッ!」キュッ

真美「きゅってした!」

亜美「ああ、きゅってしたな!」

真「ボクは自分が思ってるほど雪歩のことに詳しくないのかもしれない」

千早「アノソォォォラヘェェェェェ」パタパタ パタパタ

尾崎「ピヨピヨ!ピヨピヨ!」バサバサ バサバサ

グシャッ

真美「あぁっ!千早お姉ちゃんが何かとぶつかった!」

真「あれは確か、876プロの尾崎さんだね」

亜美「どうして空を飛んでいるんだろう」

雪歩「きっと何かショッキングな出来事があったんだよ」

真美「ショッキングなことがあると、空を飛べるようになるの?」

真「『いっそ鳥になって、どこかへ飛び去ってしまいたい』って思うからじゃないかな」

亜美「ふむふむ」

真美「大人って大変だね」

ヒュー …… ベチャッ

真「うわぁ、うまい具合にこっちに落ちてきたよ」

雪歩「二人のまわりが夢の泉みたいになってる」

亜美「夢の泉ってのは血の池地獄なの?」

雪歩「その方が、夢であってほしいって感じがするでしょ?」

真美「まぁね」

千早「痛た……」グジュグジュ

尾崎「死ぬかと思ったわ」グジュグジュ

真「すごいなぁ、もう再生してる」

亜美「よかったよかった」

雪歩「起きなかったら、またダンボールハウスに放り込まなきゃいけないところだったからね」

真美「本当によかったよ」

真「尾崎さん、どうしたんですか?」

尾崎「私の絵理が私の名前を、デスノートに書いたような気がしたの」

亜美「何言ってんだコイツ」

雪歩「妄想と現実の区別がつかなくなってるね」

真美「しかもその妄想にショックを受けて空を飛んでしまうなんて」

真「メンタルが弱いにもほどがありますよ」

亜美「というか、『私の絵理』ってど→ゆ→こと?」

尾崎「『My Ellie』ってことよ」

雪歩「なんか愛ちゃんのママと絵理ちゃんのレズカップルみたいに聞こえますよ」

真美「まいえり!まいえり!」キャッキャッ

尾崎「ピヨピヨ!ピヨピヨ!」バサバサ バサバサ

真「あぁ、また飛んでいっちゃった」

雪歩「予想通りだね」

亜美「そんで、千早お姉ちゃんはどしたの?」

千早「どうして私に先に声をかけてくれなかったの?」

真美「本当にメンドくさいなぁ」

真「尾崎さんは一応、目上の人だからね。一応」

千早「まぁいいわ。早く戻って、もやし祭りの続きをしないと」

雪歩「ところで、千早ちゃんの家で催されているのは本当にもやし祭りなの?」

亜美「さっきからの奇声を聞く限り、どう考えても亜美たちの知るもやし祭りとはベツモノな気がするんだけど」

真美「あれじゃあ、お肉じゃなくて魔のモノの召喚儀式だよね」

真「本物のもやし祭りも、肉の召喚儀式じゃないんだけど」

亜美「えぇっ!じゃあホントにもやしだけを食べるの?」

真美「それじゃあおムネが育たないよ~」

雪歩「まぁそれでも、やよいちゃんは千早ちゃんより胸があるけどね」

亜美「それもそ→だね」

真美「もやしの栄養価はあなどれないね」

雪歩・亜美・真美「キャッキャッキャッ」

千早「あなた達をまとめて夢の泉に沈めてあげるわ」

真「本当に血の池地獄みたいになっちゃうよ」

千早「そんなに疑うなら、一緒にウチに来てみる?『百聞は一見にしかず』よ」

亜美「NO THANK YOU」

真美「お断りします」

千早「そう、残念だわ。じゃあ行きましょう、真」

真「えっ、ボクは確定なの?」

千早「さっきは勢いで別れてしまったけど、改めて考えると、手伝ってもらったのに悪いかなって」

雪歩「『勢いで別れた』ってどういうことかなぁ、真ちゃん?」ヒュン ヒュン ヒュン

真「誤解だよ雪歩、誤解だ。だから落ち着いてよ」

亜美「スケコマシっぽい発言だなぁ」ゲラゲラ

真「頼むから黙っててくれる?」

千早「優しくしてくれたお礼に、手料理をご馳走したいの」

真美「わぁ!女の子の手料理イベントだ!そのままベッドに突入の流れだよ、まこちん!」キャッキャッ

真「だから頼むから黙ってて……ってか、手料理って春香のでしょ?」

亜美「千早お姉ちゃんだけじゃ飽き足らず、はるるんまで籠絡するつもりなの!?」

真「いい加減にしろこのクソガキどもがァァァァァァァァ!!」

真美「うわぁぁぁぁぁ!ごめんなさいごめんなさい!」

千早「随分と落ち着いてるわね、萩原さん」

雪歩「心中穏やかじゃないけどね。とりあえず真ちゃんは、一週間ポエム禁止の刑かな」

千早「事務所も静かになるし、なによりだわ」

━千早の家の前━

千早「結局みんなついてきてくれたのね。嬉しいわ」

亜美「まこちんに連行されました」

真美「同じく」

千早「ふふ、照れなくてもいいのに。じゃあ、入りましょう」

ガチャ

伊織「あら、お帰りなさい」

亜美「いおりんも来てたんだね」

伊織「ええ。ちょうどいいわ、全然減らないから、みんなももやし食べちゃってくれる?」

真「えっ、買ってきたもやしを全部一人で食べきるつもりだったの?」

雪歩「伊織ちゃん、もやしじゃ髪は生えないよ?」

伊織「ブッ飛ばすわよ?そうじゃなくて、ホットプレートにある分に決まってるじゃない。それに、春香もいるわよ」

春香「わぁ、にぎやかになってきたね」

千早「あら。随分回復が早いのね、春香」

春香「ベランダにリボンが引っかからなければ、そのまま墜落するところだったよ」

千早「次からはリボンを取ったうえで突き落とすことにするわ」

真美「本当に、仲がいいんだか悪いんだか分からないなぁ」

ジュー ジュー

亜美「わぁ、おいしそう」

雪歩「バイオハザードみたいなのを予想してただけに、意外だね」

春香「食べるなら、こっちのプレートの方が温め直したばっかりだからおススメだよ」

真美「ほんと→?」

伊織「あっ、そっちは……」

ギェェェェェェェェ

雪歩「亜美ちゃんと真美ちゃんが泡を吹いて倒れた」

千早「そっちは美希用のプレートなのよ」

真「どうして春香はそっちのプレートを温め直したの?」

春香「そろそろ美希が起きる頃かなって思って」

美希「うーん……」ムクッ

千早「美希、おはよう」

美希「はるかぁ!さっきのもやしはヒドかったの!きっと火が通ってなかったんだと思うな!」プンスカ

春香「ゴメンね美希。さっきのもやしは、ひげを取ってなかったから美味しくなかったの。こっちは大丈夫よ」スッ

美希「そういうことなら許してあげるの。もぐもぐ」

ギェェェェェェェェナノォォォォォォォォ

真「怖いなぁ」

千早「春香のことが?」

真「春香の頭も、美希の頭も、かな」

雪歩「伊織ちゃんは、どうして止めなかったの?」

伊織「美希がさっきのアンタと同じことを言ったからよ」



第三十八話 終わり

━第三十九話━

小鳥「『暗示』ってあるじゃないですか」

P「どうしたんですか、唐突に」

小鳥「いや、この前聞いた話なんですけどね」

P「それって、俺のバナナがパッションフルーツしちゃう話ですか?」

小鳥「あるいは」

P「どうぞ続けてください」

小鳥「『これは火をつけたタバコです』って言ってただの棒を握らせたら、
   本当に手のひらが火傷したって話があるらしいんですよ」

P「本当ですか?すごいですね」

小鳥「それを応用すれば、私がプロデューサーさんの子供を妊娠することも可能だと思いません?」

P「一理ありますね」

小鳥「それじゃ、さっそく実践してみますねっ」ハァハァ

P「それっ」ジュゥゥゥ

小鳥「アヅヅッッ!!」

小鳥「なんで火をつけたタバコを押しつけるんですか!」

P「だってさっきの話を応用するって言ったじゃないですか」

小鳥「そうじゃなくて、自己暗示で妊娠するって話ですよ。
   大体、押しつけるにしたって火のついてないタバコでしょう?」

P「すみません。せっかくライターとタバコを拾ったので使ってみたくって」

小鳥「もうっ、イケない坊やね。火遊びは、ヨ・ル・だ・け・だ・ゾ♪」

P「それっ」ジュゥゥゥ

小鳥「アヅヅッッ!!」

P「いま、夜でしたっけ?」

小鳥「確かめる前にやらないでください!」

P「ゴメンなさい。……それで?」

小鳥「はい?」

P「パッションフルーツはどうなったんですか?」

小鳥「あれ?プロデューサーさんは妊婦萌えじゃないんですか?」

P「どうせ孕ませるなら、違法に若い娘の方がいいなぁ」

小鳥「いい加減捕まりますよ?」

P「ところで、さっきの話を聞いて思いついたんですけど」

小鳥「はい」

P「『これは火をつけたタバコです』って言ってただの棒をくわえさせたら、どうなると思います?」

小鳥「くわえさせるのは、本当にただの棒なんですか?」

P「一応そのつもりですけど、何か手違いが起きる可能性は否定できませんね」

小鳥「それはステキですね」

P「でしょう?それじゃさっそく……」

小鳥「実践ですねっ!」ハァハァ

P「ここから出ましょう」

小鳥「何をためらう必要があるんですか?」

P「どうせくわえさせるなら、違法に若い娘の方がいいなぁ」

小鳥「ここから出たら真っ先に通報してやる」

P「大体、どうして小鳥さんはここから出たがらないんですか?」

小鳥「みんなが謝りにくるまで、絶対にここから出ないって決めたんです」

P「何をバカみたいなこと……響みたいなことを言ってるんですか」

小鳥「それだと、響ちゃん=バカみたいに聞こえますよ?」

P「何か問題でも?」

小鳥「私は一向に構いません」

小鳥「想像してみてくださいよ、プロデューサーさん」

P「??」

小鳥「伊織ちゃんが土下座で私たちに謝る光景を」

P「それは実にパッショネイトですね」

小鳥「おデコを地面にこすりつけて、髪の毛が抜け落ちるまで土下座させ続けましょう」

P「いいですね。抜け毛は集めてそうめんにしましょう」

小鳥「ピーヨピヨピヨピヨ」

P「キョーッキョッキョッキョッ」

━ダンボールハウスの外━

ピーヨピヨピヨピヨ

キョーッキョッキョッキョッ

ガナガナガナガナ

ギャァァァァァ ギェェェェェェ

長介「ここです、おまわりさん」

警察1「数日前から、昼夜を問わず奇声が聞こえるらしいね」

かすみ「怖くて私たち、このままじゃ公園で遊べません」

警察2「よし、さっそく突入だ」

いぬ美「待ってください」

かすみ「あっ、いぬのおまわりさん」

警察1「署長、どうしたんですか?」

かすみ「署長?」

警察2「彼女は一日署長なんだ」

いぬ美「中にいるのは不審者じゃありません。まいごのまいごのこねこちゃんなんです」

長介「随分と醜悪なこねこちゃんがいたもんだね」

いぬ美「彼らは人生という道の迷子なのよ」

長介「今の日本にはいっぱいいそうだなぁ」

警察1「しかし、だからといってこのまま放置するわけには」

いぬ美「大丈夫です。そろそろモンスターにやられて出てきます」

ガチャ

P「ゲフンッ」ズザァァァァァ

小鳥「ピヨンッ」ズザァァァァァ

かすみ「あれ、この人たちどこかで見たことある」

長介「765プロの清掃員さんじゃないかな、きっと」

警察2「キミ達の知り合いかい?じゃあ、もうこんなことしないよう言っておいてくれるかな」

いぬ美「寛大な処置に感謝します」

P「ん……」

小鳥「痛た……」

P「こ、小鳥さん!いましたよ、違法に若い娘です!!」

小鳥「ヒャッホウ!こっちにはショタっ子もいます!!」

P「さっそく彼女にくわえさせましょう!」ハァハァ

小鳥「私はカレのをくわえてきますね!」ハァハァ

かすみ「ごめんなさい、やっぱり知らない人でした」

警察1「やっぱり不審者だったか」

警察2「よし、逮捕する」

長介「どうしてあの人たちは、あんな風になっちゃったの?」

いぬ美「ネコだからよ」

かすみ「発情期なんですね」



第三十九話 終わり

━第四十話━

━765プロ跡地━

春香「あぅ~、ヒマだよぅ~」

千早「ねぇ春香。私、新しい遊びを考えたの」

春香「なになに?」

千早「『ジャージしりとり』っていうんだけど」

春香「ふんふん」

千早「これは『ジャージ』って言葉だけでやるしりとりなのよ」

春香「面白そう!さっそくやってみようよ」

千早「ええ、じゃあ春香からどうぞ。最初はジャージの『ジ』からね」

春香「ジャージ」

千早「ジャージ」

春香「ジャージ」

千早「ジャージ」

春香「ジャージ」

千早「ジャージ」

春香「ジャージ」

千早「ジャージ」

春香「ねぇ、これクソつまんないんだけど」

千早「奇遇ね、私もそう思ってたところよ」

春香「あぅ~、またヒマになっちゃったよぅ~」

ガチャ

真美「おはよ~ん」

千早「おはよう真美」

春香「おはよー」

千早「ねぇ真美。私ね、『ジャージしりとり』って遊びを考えたの」

春香「えっ、またアレやるの?」

千早「さっきは二人だったからよくなかったと思うの。しりとりって大勢でやった方が楽しいじゃない?」

真美「なになに、どんな遊びなの?」

千早「『ジャージ』って言葉だけでしりとりをするのよ」

真美「なにそれ、チョ→面白そう!はやくやろうよ!」

千早「ええ、じゃあ今度は私から行くわ。最初はジャージの『ジ』からね」

千早「ジャージ」

真美「ジャージ」

春香「ジャージ」

千早「ジャージ」

真美「ねぇ、これクソつまんないんだけど」

春香「真美はドクターストップが早いなぁ」

千早「最近の子は飽きっぽいのね」

真美「むしろこれで5秒もヒマをつぶせたのが奇跡だと思うよ」

春香「さっき私たちはこれで10秒つぶせたよ」

千早「合計で15秒ね」

真美「もはや二人の存在が奇跡だよ」

春香「あぅ~、またまたヒマになっちゃったよぅ~」

ガチャ

伊織「おはよう」

真美「おっはよ→」

春香「おはよう伊織」

千早「ねぇ水瀬さん。『ジャージしりとり』って遊びを考えたんだけど、やってみない?」

伊織「名前からして嫌な予感しかしないんだけど」

千早「しりとりを『ジャージ』って言葉だけでやるのよ」

伊織「人生の無駄遣い以外の何者でもないわね」

春香「やりもしないでつまらないと決めつけるのはよくないよ」

伊織「アンタ達はもうやってみたの?」

真美「真美は一回やったよ」

春香「私は二回かな」

千早「私は家で試しにやってみたから、三回だわ」

伊織「それだけやってなお私にすすめてくる意味が理解できないわ」

ガチャ

愛「おっはよーございます!!!」

ミシミシッ

春香「おはよう愛ちゃん」

伊織「どうしてフルフェイスのヘルメットなんかしてるの?」

愛「朝のあいさつのときには、必ずヘルメットをするよう事務所から言われてきたんです」

千早「まぁ、なんとなく理由はわかるわ」

真美「さっきのあいさつで、事務所の壁がまた少し崩れたからね」

千早「そういえば日高さん。私ね、新しい遊びを考えたのよ」

伊織「ちょ、アンタ」

愛「どんな遊びなんですか?」

千早「『ジャージしりとり』っていうのよ」

真美「『ジャージ』って言葉だけでしりとりをするんだよ!」

愛「すごい面白そうです!さっそくみんなでやりましょう!」

春香「愛ちゃん、これは一人でやる遊びなんだよ」

千早「私たちはもうやったから、日高さんにもぜひ楽しんでもらいたいの」

愛「わかりましたー!!」ハナマルハナマルッ

愛「ジャージ」

愛「ジャージ」

愛「ジャージ」

春香「さて、何秒もつかな」

真美「楽しい遊びに早変わりだね!」ピョンピョン

伊織「アンタ達、悪魔なの?」

真美「ところで、今日愛ぴょんは何しにきたの?」

愛「ジャージ」

春香「なんだろう、毒電波に引き寄せられたんじゃない?」

伊織「一応、アンタのことを尊敬してる子なんだから……今日は合同ダンスレッスンなんでしょ?」

千早「ああ、そういえばそうだったわね」

愛「ジャージ」

真美「なんでワザワザ、半壊してるビルをレッスンに使うんだろうね」

春香「確か、律子さんが『これは野外ライブを想定としたレッスンなのよ』とかほざいてたよ」

伊織「半壊したビルでライブって……どこの世紀末よ」

愛「ジャージ」

真美「ダンスレッスンには誰が行くの?」

愛「ジャージ」

春香「えっと、私と千早ちゃんと愛ちゃんと……あと、絵理ちゃんかな」

愛「ジャージ」

千早「水谷さんは仕事の都合で途中参加だそうよ」

愛「ジャージ」

伊織「ねぇ愛、いま幸せ?」

愛「はい、すっごく楽しいです!しかも全然終わらないから、いつまでも遊べます!」

千早「喜んでもらえて、私も嬉しいわ」

春香「ねぇ、今度の24時間テレビでこれやってみない?」

真美「『特別学級の子どもたちと日高愛の30人31脚!24時間ジャージしりとりを続けられるか!?』」

伊織「苦情がくるからやめなさいよ」

春香「それじゃ愛ちゃん、そろそろレッスンの時間だし、しりとりは一回やめにしようか」

千早「あとで水谷さんにも教えてあげてね」

愛「はい!こんな楽しい遊びを思いつくなんて、千早さんはすごいですっ!」ハマナルッ

千早「ふふっ、褒めてもなにも出ないわよ?」

春香「愛ちゃん、あれはもっと褒めてほしいって顔だよ」

愛「さすがミラクルセクシー超天使アイドル・天海春香さんの愉快な下僕さんですねっ!」

千早「春香。愛の教育のことで話があるのだけど」

春香「あっ、今の言い方ってなんだか夫婦っぽくてドキドキするね!」ドキドキ

真美「わざわざ『愛』って呼んでるもんね」

愛「えっと、春香さんがママで、千早さんがパパですか?」

伊織「思いっきり胸を見ながら言ってる」

千早「違うのよ、日高さん。春香もママで、私もママよ」

愛「春香さんもママで、千早さんもママで、ママもママだから……ママママママ」プスプス

真美「あぁっ!愛ぴょんの頭からケムリが出てる!」

春香「メンドくさいからこのままレッスンルームに連れていこう」

伊織「じゃあ私たちはボイトレ行ってくるわ」

真美「またあとでね~」

━三時間後━

ガチャ

愛「レッスン終わりましたー!!!」

ミシミシッ

伊織「お帰りなさい。随分長かったわね?」

愛「レッスンのあと、千早さんに秘密の……おっとこれは秘密でした」

真美「一体何があったのだろう」

絵理「……」ゲッソリ

伊織「あら絵理、どうしたの?」

絵理「……高校生って汚らわしい……」ブルブル

真美「本当に一体何があったのだろう」

伊織「一応フォローしとくと、春香も千早も一般的な高校生とはかけ離れてるからね?」

真美「何に対するフォローなの?」

伊織「来年私も同類に思われたら困るから」

真美「いおりんの自己保身の徹底ぶりには頭が下がるよ」

愛「それじゃあ私たちは帰りますね」

絵理「お疲れ様でした」

伊織「お疲れ様」

真美「まったね→」

バタン

伊織「あえてツッコまなかったんだけど、愛の右手の指はなんでベトベトしてたのかしら」

真美「きっと右手がバターになったんだよ」

伊織「アンパンマンの後釜でも狙ってるの?」

真美「ボクのバターをお食べ」

伊織「胃がもたれそうだわ」

ガチャ

千早「ふぅ……あら、二人とも。もう戻ってたのね」

伊織「そっちが長引いただけで、私たちは時間通りよ」

真美「千早お姉ちゃん、首のまわりがヨダレでベチャベチャだけど、どうしたの?」

千早「今日のダンスはかなり扇情的でね、興奮を抑えられなかったわ。特に水谷さんには刺激が強すぎたみたい」

真美「『扇情的なダンス』って、普通は見る側にとっての言葉だよね」

伊織「まぁ絵理は千早を見てショックを受けたのだろうから、そういう意味では間違ってないけど」

真美「ところではるるんはどうしたの?」

千早「日高さんに教わった新作ダンスを試したら、疲れてしまったみたい。おっと、これは秘密だったわ」

伊織「まったく隠す気が感じられなかったわ」

真美「よくみると千早お姉ちゃんの右手が、愛ぴょんと同じようにベトベトしてる」

千早「妻が寝てることだし、久しぶりに真美(愛人)とダンスがしたいのだけどいいかしら?」

真美「全力でお断りするよ」

真美「あっ、愛ぴょんたちが外を歩いてるよ」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
愛「絵理さん!『ジャージしりとり』って知ってますか?」

絵理「……て……予感……?」

愛「これは『ジャージ』って言葉だけでしりとりをするんです」

絵理「……無駄……。………………」

愛「本当は一人でやる遊びなんですけど、絵理さんは初めてなので一緒にやりましょう!」

絵理「勘弁…………」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

真美「愛ぴょんの声は遠くからでもよく聞こえるなぁ」

伊織「絵理はなんて言ってるのかしら」

千早「たぶん水瀬さんと同じようなことを言ってるのだと思うわ」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
愛「ジャージ」

絵理「……」

愛「ジャージ」

絵理「……」

愛「ジャージ」

絵理「……」

愛「ジャージ」

絵理「……もーど解除……自爆…………30、29……」ピー ガー カタカタカタ

愛「わぁ!ジャージ以外の言葉を喋ったから絵理さんの負けです!私の勝ちでーす!」ハナマルー
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

千早「水谷さんの動きが急にぎこちなくなったわ」

伊織「まるでロボットね」

真美「マブタヲアケテ サワヤカオメザメ」ゲラゲラ

千早「このロボットの停止スイッチは右乳首かしら?それとも右眼球かしら?」

真美「ごめんなさい右でも左でもないです勘弁してください」

ドカーン

千早「あら、花火かしら」

伊織「日中に花火なんて、変わったことをする連中もいたものね」

真美「た→まや→!」



第四十話 終わり

「ジャージしりとり」は、自分が中学生のときに同級生が実際にやっていた遊びです。
本来は愛ちゃんのように、一人でやる遊びです。Tくん、パクってごめんなさい。

━第四十一話━

━765プロ━

ガチャ

貴音「ただいま戻りました」

亜美「ごくろう、S」

真美「S、任務の報告を頼む」

貴音「え、えす?なんのことです?」

亜美「スパイごっこだよ」

真美「スパイだから、お互いをイニシャルで呼び合うのさ」

貴音「面妖な」

雪歩「スパイなのに全く素性を隠せてないよ」

雪歩「はい、四条さん。お茶です」コトッ

貴音「ありがとう、萩わ……H」

雪歩「気に入ったんですか、スパイごっこが」

貴音「ええ。私の101個目の秘密は『四条貴音は実はスパイである』にしたいと思います」

雪歩「だから、全然秘密になってないですよ」

亜美「確かに、Sは見るからにスパイっぽいからねぇ」

真美「おムネとお尻がボイ→ンでバイ→ンだからね」

雪歩「スパイってみんなグラマーなの?」

亜美「兄ちゃんのパソコンを調べた限りではそうだね」

真美「スパイごっこの初任務の成果だYO!」

雪歩「また律子さんに報告しとかなきゃ」

貴音「ところで、二人のことはどう呼んだらいいのですか?」

雪歩「二人ともFになっちゃいますもんね」

真美「真美のことはMFと呼んでくれたまえ!」

亜美「亜美はAFでヨロシクたのむよっ」

雪歩「あはっ、なんだかアナルファックみたいだね」

貴音「なんですか、あなるふぁっくとは?」

雪歩「穴掘りのことですよ」

貴音「なるほど。良き名です」

亜美「真美、スパイごっこやめてもいいかな」

真美「もう少し続けようよ、AF」

ガチャ

響「ただいまー」

亜美「お帰り、G」

真美「G、お帰り」

貴音「お疲れ様です、G」

響「あ、新手のイジメかこれは?」

雪歩「そんなことないよ、G」

亜美「あっ、Hも遊びに加わるんだね」

雪歩「面白そうな流れだったからね」

響「遊びと称したイジメなんだな!ひどいぞみんな!」

貴音「Gの様子が変です」

真美「丸めた新聞紙で頭を叩けば落ち着くかもしれない」

ペシーン

ウギャー

――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――――

響「なるほど、そういうわけか」

亜美「ごめんね、G」

響「ていうか最初から口で説明してくれればよかったのに、なんでいきなり叩いてきたんだ?」

真美「『Gを見かけたらとにかく新聞紙で叩きまくれ』というのが双海家の教えなんだ」

雪歩「萩原家でもそうだよ」

貴音「まぁ、そうなのですね。月の民にも、Gを見かけたら叩き潰すよう周知しておきます」

響「そのGは我那覇のGじゃなくて、ゴキブリのGのことだよな?」

貴音「おや、違うのですか?」

響「月の民に我那覇家が滅ぼされるところだった」

響「とにかく、Gってのはやめにしないか?」

貴音「では、どうしましょう?」

雪歩「AFみたいに、フルネーム方式にしてみようか」

亜美「HG……」

真美「ハードゲイだ!」

亜美「『あの人は今?』によく出てくる人だね!」キャッキャッ

響「自分の名前は呪われてるのか?」

真美「このメンツに囲まれたことが呪いのはじまりだよ」

貴音「それにしても、Hの淹れてくれたお茶は美味ですね」

雪歩「『えっち』じゃなくて『えいち』って呼んでくれません?」

貴音「はて、えっちでは駄目なのですか?」

雪歩「えっちなのはいけないと思います!」プンプン

貴音「///」ズキューン

真美「ハードゲイといい、今日は古いネタが多いなぁ」

亜美「自分でアナルファックとか言っといて、今さらエッチもクソもないよ」

響「こら雪歩!貴音を誘惑するなぁ!」

雪歩「これはハニートラップだよ、HG」

貴音「なんと。実にスパイ的ですね」

真美「スパイ的で思い出したけど、そもそもこれはスパイごっこだったね」

亜美「さっきから人の名前で遊んでるだけだったから、すっかり忘れてたよ」

貴音「それはいけません。早く任務に戻りましょう」ワクワク

雪歩「AFとMFはさっき、プロデューサーのパソコンを調べたんだよね?」

真美「うん。そんで分かったのは、スパイはセクシ→ダイナマイトだと言うことと」

亜美「兄ちゃんが犯罪予備軍だってことだね。児ポ法的な意味で」

響「早く通報するかパソコンをブッ壊すかしようよ」

真美「あと、ぴよちゃんにもチャンスがあるってことも分かったよ」

雪歩「つまり何でもアリなんだね、プロデューサーは」

亜美「どこでも守れる、ユ→ティリティ→プレイヤ→だね」

響「真美と同じだな」

真美「犯罪者と一緒にされる日がくるなんて思わなかったよ」

亜美「でも虫系のAVは流石になかったから、Gは兄ちゃんと付き合えないよ」

貴音「可哀想なG……私がついていますからね」

響「だからそのGは我那覇のGじゃなくて、ゴキブリのGのことだよな?」

貴音「おや、違うのですか?」

響「貴音は天然だからそういうことを言っちゃうんだって、自分信じてるからな」

真美「それじゃ今度は兄ちゃんの机の中を調べようか」

雪歩「プロデューサーを徹底攻撃するんだね」

貴音「殿方の机の中というのは、非常に興味深いですね」

亜美「それでは、兄ちゃんの机の引き出しをマンコ・カパック~」ガラッ

響「お、おい!それはダメだって!」アセアセ

真美「どしたの、G?」

雪歩「マンコ・カパックは人名だよ、HG」

響「えっ……あっ、えっ?」

亜美「偉大な王、マンコ・カパックの何がダメなのかな?」

雪歩「ひょっとしてイケない想像をしちゃったの?」

真美「大方、ウルトラマンコスモスでもおんなじこと考えてたクチでしょ?」

貴音「見損ないましたよ、G」

響「う、うわぁぁぁぁぁん!」ダッ

亜美「あっ、待ってよG!」ダッ

雪歩「ちょっとやり過ぎちゃったね」ダッ

貴音「早く追いかけて謝りましょう」ダッ

響「う、うわぁぁぁぁぁん!」ダッ

律子「あれ、響どうしたの……あー、行っちゃった」

亜美「りっちゃ→ん!」

律子「どうしたの、亜美?」

真美「Gがそっちに逃げてったんだ!捕まえるの手伝って!」

律子「Gが!?それは一大事ね!」

貴音「いました、給湯室のテーブルの下です!」

雪歩「はい、律子さん。丸めた新聞紙です」

律子「ありがと、雪歩。さぁ、Gよ覚悟なさいッ!」

ベシーン ベシーン

ウギャー

――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――――

響「いやいや、どう考えてもおかしいと思うんだ」

律子「仕方ないわ。あの流れでGって言われたら、誰だってゴキブリを連想しちゃうでしょ」

響「大きさ的に自分とゴキブリを間違えるのはおかしいし、そもそも雪歩が丸めた新聞紙を渡した意味が分からないぞ」

雪歩「律子さんが丸めた新聞紙を欲しそうな顔をしてたから」

貴音「言われてやるのは二流、言われる前にやるのが一流、ということですね」

響「時には言われてもやらない勇気も必要だと思うぞ」

亜美「あっ、名言っぽいね」

真美「やるねぇ、G」

響「そ、そうか?///」テレテレ

貴音「ふふっ、Gの機嫌が直って何よりです」

律子「ところで、これは新手のイジメなの?」

雪歩「やっぱりそう聞こえます?」

律子「……なるほど、スパイごっこねぇ」

亜美「ちなみにAFたちは既に、兄ちゃんの秘密をいくつかゲットしてるよ」

真美「さぁ、いくらで情報を買うんだい?」

律子「秘密ったってどうせ、聞いたら不快になるようなことばかりでしょ?」

雪歩「あれ、もう知ってるんですか?」

律子「知らないけど、他に考えられないわよ」

響「確かに」

亜美「ちぇっ、耳寄りな情報ばっかりなのにな→」

律子「そこまで言うなら、一つ言ってみなさいよ」

真美「兄ちゃんのパソコンで『りつこ』って打つと『勉三』と変換されます」

律子「ありがとう、とてもいい情報だわ。はい、500円」

貴音「これでらぁめんが食べ放題ですね」

亜美「さすがに500円でラーメン食べ放題は無理だから、ガリガリ君とかにしとこうよ」

真美「というか、何もしてないSが平然と報酬を受け取ってることにビックリだよ」

響「ところで、プロデューサーの机の中ってどうなってたんだ?」

亜美「そういえば、中身を見る前にこっちに来ちゃったね」

貴音「早く戻って情報をAに売りつけましょう」ソワソワ

雪歩「Sの頭の中がラーメンのことでいっぱいだ」

真美「いつものことだよ」

響「お、おいみんな!プロデューサーの引き出しから何か出てきたぞ!」

コロ助「ワガハイはコロ助ナリ」

亜美「に、兄ちゃんの机の引き出しからカラクリロボットが」

雪歩「色々混ざり過ぎてワケが分からないよ」

真美「とりあえず丸めた新聞紙で叩いてみよう」

ペシーン ペシーン

コロ助「痛いナリ!殺す気ナリか!コロ助だけに!」

雪歩「うまい」

亜美「うまいけどちょっとウザかったから、引き出しに戻そう」グイグイ

コロ助「ちょ、やめるナリ!痛た、チョンマゲが挟まってる、挟まってるってば」

ピシャッ

貴音「さて、さっそくAのところに戻りましょう」ソワソワ

響「本当に楽しそうだな」

真美「でも、この情報は買ってくれるかなぁ」

雪歩「どちらかというとこの情報は、プロデューサー本人に高く売れそうじゃないかな」

タダイマー

亜美「あっ、ウワサをすれば兄ちゃんが」

響「いぬ美の話だと昨日警察に連行されたみたいだけど、随分早く釈放されたんだな」

真美「どうせまた説教だけ受けて帰ってきたんだよ」

貴音「警察も大変ですね」

ベシーン ベシーン ベシーン

ウギャー

雪歩「プロデューサーの悲鳴が聞こえる」

亜美「Aの制裁を受けてるんだね」

真美「このタイミングで、兄ちゃんのパソコンに関する情報をAに売ったらどうなるんだろう」

雪歩「Aの怒りが限界突破するよ」

貴音「血の雨が降りますね」

響「やめろよ、殺す気か!コロ助だけに!」

亜美「何言ってんの、G?」

真美「別にGが言っても、シャレとして成立しないんだよ?」

響「あ、あれ?」

――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――
――――――――――――――

P「いや、律子の語尾が『~ッス』になったら面白いなって思っただけです。地味メガネとか、そんなことは一切……」

雪歩「Pの情けなさが限界突破だね」

律子「まったく反省の色が見られないわ」

亜美「ところでP、机の引き出しに入ってた藤子ロボットはなんなの?」

P「いや、知らないな。ていうか、Pってなんのことだ?」

真美「スパイごっこだよ」

貴音「互いを名字の頭文字で呼び合っているのです」

P「そうか。でも、俺の名字はPじゃないぞ」

亜美「そ→なの?」

P「あっでも、俺の下半身をポコニャンと解釈すれば」

律子「」ドゴッ

P「チンプイッ」バターン

雪歩「どうする?」

真美「あくまでポコニャンだと言い張るなら、さっきの藤子キャラよろしく引き出しに押し込もう」グイグイ

P「ちょ、やめて!痛た、ポコニャンが挟まってる、挟まってるってば」

ピシャッ

ウギャー



第四十一話 終わり

>>911

>亜美「どこでも守れる、ユ→ティリティ→プレイヤ→だね」

>響「真美と同じだな」

真美「なんで真美と一緒なのか、イマイチ分かりづらいよ」

亜美「さすがに先月(第七話)のネタを引っ張りだしてくるのは、やり過ぎだったね」

雪歩「それよりも真美ちゃんが常人として全く機能してないことが、一番の問題なんだと思うよ」

真美「じゃあ聞くけど、常人ってどんな人なのさ?」

亜美「ワニ子とかカモ先生は、常人と言えるんじゃないかな」

雪歩「人じゃないけどね」

貴音「面妖な」

響「あと、自分も常人だな!」フフン

律子「人じゃないけどね」

響「おい、泣くぞ。いいのか」



第四十一話 おまけ 終わり

>>932

>真美「なんで真美と一緒なのか、イマイチ分かりづらいよ」

>亜美「さすがに先月(第七話)のネタを引っ張りだしてくるのは、やり過ぎだったね」

律子「↑の二行の間に、↓のセリフを入れ忘れたわ」

※律子「真美は常人も狂人もこなせるユーティリティープレイヤー、って意味よね」

亜美「りっちゃんはうっかりさんだなぁ」

雪歩「入れ忘れるのは、虹色のお薬だけにしたいね。はい、響ちゃん。お茶どうぞ」

響「おっ、サンキュー」ゴクゴク





響「なぁ、これって」

雪歩「今回は入れ忘れたかどうか、忘れちゃったよ」

真美「うっかりさんが多くて困っちゃうなぁ」




第四十一話 おまけのおまけ 終わり

━第四十二話━

━765プロ━

美希「そこの幸薄そうなデコちゃん。寄ってらっしゃい見てらっしゃいなの」

伊織「…………」

美希「あはっ、薄いのは幸じゃなくて髪の毛だったの☆それじゃ改めて、そこの髪の毛薄そうな……」

伊織「」ペチンッ

美希「痛っ!デコピンしないでなの!」

伊織「デコピンで済んだだけありがたいと思いなさい。で、なんなの?」

美希「星井美希のお悩み相談室なの~♪」

伊織「帰るわ」

美希「待って!特別に安くしとくから!」ガシッ

伊織「ちょっと、シャルルをつかまないでよ!ってかお金取るの!?」

美希「それで、デコちゃんのお悩みは?ミキがなんでも解決してあげるの」

伊織「いや、アンタに解決してもらうような悩みはないんだけど」

美希「あふぅ、デコちゃんはノーテンキなんだね。たまには頭使わないと毛根も刺激されないよ?」

伊織「いま目の前にはり倒したい奴がいてイライラするんだけど、どうすればいいと思う?」

美希「う~ん、デコちゃんはちょっと暴力的過ぎるから、たまには我慢してみるのもいいと思うな」

伊織「そうかしら?」

美希「うん!まずは2回我慢してみるの。それでもし次にイライラしたら、3回分のイライラをぶつけちゃえばいいと思うな」

伊織「あら、美希にしてはマトモそうなことを言うじゃない」

美希「当然なの!デコちゃんにも、ミキの爪のアカを煎じて飲ませてあげるの」

伊織「絶対イヤよ」

美希「あ、そっか。デコちゃんが欲しいのは爪のアカじゃなくて髪の毛だもんね」

ピコーン

伊織「帰るわ」

美希「待って!315円なの!」ガシッ

ピコーン ピコーン

伊織「ちょっと、シャルルをつかまないでよ!ってか中途半端な金額ね」

美希「消費税分ももらっておかないと、オニギリを買うときにピッタリ払えないの」

伊織「どうでもいいでしょそんなの……うーん、細かいのがないわねぇ」

美希「あっ、デコちゃん今ウンコっていったの!お下品なの!お下品デコビッチなの☆」キャハキャハッ

ピコーン ピコーン ピコーン

伊織「」ドゴッ

美希「さ、鎖骨をグーで……」

伊織「顔面じゃないだけマシよ。ほら、お釣りはとっときなさい」チャリン

ガチャ

響「ただいまー。あれ、美希なにしてんの?」

美希「星井美希のお悩み相談室なの~♪」

響「へ~。自分も相談していいのか?」

美希「もちろんなの!相談は『一人でも後ろ指をさされずにお昼を食べられるオススメスポットは?』だっけ?」

響「なんでだよ!お昼はいつもみんなで食べてるだろ!」

美希「みんなってハム蔵とかいぬ美とか?」

響「美希とか貴音とかだよ!昨日も一緒に食べたじゃないか」

美希「デコちゃんは?」

響「最近は伊織とはご飯食べてないなぁ」

美希「じゃあハブられっ子のデコちゃんに、オススメスポットを教えてあげるの」

ピコーン

伊織「今度は肋骨にしようかしら」

美希「だんだん狙いをお腹に近づけていくのはやめてほしいの」

美希「それで、どんな悩みなの?」

響「今も若干その雰囲気があったけど、とにかく事務所のみんなが自分をナメくさってるんだ」

伊織「愛情の裏返しじゃない?」

響「ケツの穴にニンジンをブッさしたり、新聞紙でブッ叩いたりするのは愛情なのか?」

美希「小鳥の机の引き出しに、そういうことしてる薄い本がいっぱいあったの」

伊織「随分と歪んだ恋愛マンガね」

響「ぴよ子の人生を参考にしちゃいけないって、みんな知ってるはずなんだけどなぁ」

美希「それはおいといて、響は自分でカンペキカンペキ言い過ぎなのがいけないと思うな」

響「そうなのか?」

美希「『完璧だから』って言われると、ついそれを崩したくなっちゃうの」

響「そういうものなのかなぁ」

美希「間違いないの。たまには『自分、不器用ですから……』とか言ってみるといいの」

響「あっ、なんだかそのセリフかっこいいな!」タカクラー

響「ありがとな、美希。正直まったく期待してなかったけど、意外とためになったぞ」

美希「どういたしましてなの。お代は525円なの」

響「えっ、お金取るの?」

美希「モチロンなの。ビタ一文まけられないの」

響「どうしよう、手持ちが足りないぞ」

伊織「アンタ……サイフに500円も入ってないの?」

響「いくらなんでも失礼だぞ、伊織!500円はあるけど25円が払えないんだ!」プンプン

伊織「ああ……うん、ごめん。なんかごめん」

響「どうすればいいかな」

美希「そういうときは、『ツケで!』って言っとくといいの」

響「そうなのか。じゃあ、ツケで!」

美希「りょーかいなの。じゃあ今の相談と合わせて1050円ね」

響「えっ、今のも相談に入るのか?」

美希「モチロンなの。ビタ一文まけられないの」

響「どうしよう、手持ちが足りないぞ」

美希「そういうときは、『ツケで!』って言っとくといいの」

響「そうなのか。じゃあ、ツケで!」

美希「りょーかいなの。じゃあ今の相談と合わせて1575円ね」

響「えっ、今のも相談に入るのか?」

美希「モチロンなの。ビタ一文まけられないの」

響「どうしよう、手持ちが足りないぞ」

美希「そういうときは、『ツケで!』って言っとくといいの」

響「そうなのか。じゃあ、ツケで!」

美希「りょーかいなの。じゃあ今の相談と合わせて2100円ね」

響「ウワァァァァァ!?ど、どんどんお金が増えていくぞ!?」ガクガク

美希「これがミキの錬金術なの!」エッヘン

響「美希はゆとりの錬金術師だったのかァー!」ガガーン

伊織「アンタ達バカじゃないの?」

響「伊織、そこは『ニーサン』って言うべきだぞ」

美希「ほらほら、早くパンツ脱いでフンドシつけるの」ケラケラ

ピコーン ピコーン

伊織「肋骨が折れると、肺にささって死に至ることもあるらしいわね」

美希「そ、そういうプレッシャーのかけ方はやめてほしいの」

ガチャ

あずさ「あら、みんな何してるの?」

響「錬金術だぞ」

あずさ「いいわねぇ、私にもかけてくれないかしら」

伊織「一体何と勘違いしているの?」

美希「錬金術はアンチエイジングとは関係ないの」

あずさ「うふふ、そうだったのね」

美希「まぁ、横文字に弱い世代にはちょっぴり難しいお話だったかな?」

あずさ「美希ちゃんを原料にして賢者の石を錬成しましょう」

響「なんでも錬成できちゃうスーパーアイテムだな!」

伊織「あずさ、成功したら315円を錬成してちょうだい」

響「自分には2100円を頼むぞ」

美希「どうして誰一人あずさを止めようとしないの?」

あずさ「それで、本当のところは何をしてたの?」

美希「星井美希のお悩み相談室なの~♪」

あずさ「あらあら。それじゃあ私が美希ちゃんの悩みを聞いちゃおうかしら」

美希「えっ、どうしてあずさがミキの悩みを聞くの?」

あずさ「だって、『星井美希のお悩み』相談室でしょう?」

美希「あっ、ホントなの!あずさすごいの~」

あずさ「えっへん」

伊織「なんかおかしなことになってきたわ」

響「面白そうだからしばらく様子を見ていよう」

あずさ「それじゃあ、美希ちゃんの悩みを聞かせてもらおうかしら」

伊織「でも、美希みたいなノーテンキに悩みなんてあるの?」

美希「デコちゃんヒドいの。ミキにだって、悩みぐらいあるの」

響「意外だな、本当に」

あずさ「どんな悩みなの?」

美希「あのね。ミキの家を出ると、駅に向かう道の途中におっきな交差点があるの」

伊織「へぇ」

美希「そこの赤信号がすっごく長くって、ミキいっつも困っちゃうの」

響「信じられないほど普通の悩みだった」

あずさ「そうねぇ。そういう時は……」

美希「うんうん」

あずさ「信号を青ペンキで塗りつぶしちゃうってのはどうかしら?」

伊織「何言ってんだコイツ」

美希「まったく、呆れてモノも言えないの」

響「そのとおりだぞ」

あずさ「あ、あら?」

美希「信号の色は青と言いつつホントは緑だから、緑で塗らなきゃダメなの」

響「交差してる道路の信号も赤で塗っておかないと、事故が多発しちゃうぞ」

あずさ「あらあら、私としたことがうっかりしていたわ」

響「でも、これで完璧だな!あ、いや不器用だな!」

あずさ「不器用?」

美希「これが、三人寄ればモジャモジャのチン毛ってやつなの☆」フフン

響「じゃあさっそく、その交差点に行ってみよー!」

伊織「頭が痛くなってきたわ」

あずさ「まぁ大変。じゃあ今度は伊織ちゃんの悩みを聞いちゃおうかしら」

美希「さっきミキが悩みを解決したばかりなのに、まったくデコちゃんは欲張りなの」ヤレヤレ

ガチャ

春香「ただいま~。今日も暑いね~」

響「春香お帰りー」

あずさ「ちょうどよかったわ、こっちにどうぞ」

春香「えっ、なんですか?」

美希「星井美希のお悩み相談室なの~♪」

春香「へぇ、なんだか面白そうだね」

美希「相談は、『メインヒロイン(笑)』の『笑』を取るにはどうすればいいか、でいいよね」

あずさ「『課長補佐代理心得』の人が本物の『課長』になるより難しいわね」

伊織「課長補佐代理心得ってどんな役職よ」

響「係長とどっちが上か、ものすごく分かり辛いぞ」

あずさ「でもその相談内容だと、解決しても『メインヒロイン()』になって余計に滑稽ねぇ」

美希「春香にピッタリなの♪」

春香「それより毛虫の駆除方法について悩んでるんだけど、どう思う?」

美希「毛虫が駆除できなくて悩んでるの?」

春香「ううん、どうやって毛虫をなぶり殺そうか悩んでるの」

響「美希は春香の言ってる意味を分かってるのか?」

伊織「分かってるワケないじゃない」

響「あっでも、春香の前に伊織の悩みを聞くのが先じゃなかったか?」

伊織「思い出さなくてよかったのに」

あずさ「そういえばそうだったわね」

美希「それじゃあらためて、お悩みをどーぞなの!」

伊織「帰っていいかしら」

春香「えー、それはダメだよー」

伊織「なんでアンタが決めるのよ」

春香「だって伊織が、心底帰りたそうな顔をしてるんだもん」

伊織「『だって』の意味、分かってる?」

美希「春香は芸人だから、フリと勘違いしてるの」ケラケラ

春香「」ペチンッ

美希「痛っ!デコピンしないでなの!」

春香「あれ、フリじゃなかったの?ごめんねー」

伊織「心底楽しそうな顔してるわね」

美希「デコちゃんが悩みを聞かせてくれないなら、他の遊びをするしかないの」

あずさ「遊びって言っちゃったわね」

春香「あれ、私の悩み相談は?」

響「それじゃ、信号のペンキぶっかけ祭りに行ってくるかー」

春香「何それ、すごく面白そう!」キャッキャッ

伊織「頼むからやめてちょうだい」

あずさ「どうして?」

伊織「プロデューサーとか事務員とかならまだしも、同僚のアイドルが警察の厄介になるなんてゴメンだわ」

響「プロデューサーと事務員はいいんだ」

春香「まぁ、人気商売じゃないしね」

美希「わかったの!つまり、信号をペンキまみれにする前に、デコちゃんをペンキまみれにしてほしいってことだね」

伊織「この子の日本語が理解できないわ」

春香「う~ん、何色がいいかなぁ」

響「ていうかどこを塗るんだ?」

美希「モチロン、おデコなの!もう誰にも、お下品デコビッチなんて呼ばせないの」

あずさ「誰も呼んでないけどね」

春香「じゃあ、髪の色とあわせてブラウンかな?」

美希「それじゃ面白くないの。ここは髪の毛もろともピンクのペンキまみれにしてやるの」

響「髪まで塗っちゃうのか?」

美希「そうなの。そんでもって、みんなでバカ犬バカ犬と罵ってやるの」ケラケラ

ピコーン ピコーン ピコーン

伊織「」ドゴッ

美希「ろ、肋骨をグーで……」

あずさ「心底痛そうな顔をしてるわね」

春香「フリかな?ねぇねぇ、あれはフリだよね?」ウキウキ

響「たのむからやめてやれよ」

美希「デコちゃんヒドいの!あまりの痛みに肋骨が一本なくなっちゃったの!」プンスカ

響「いや、いくら殴っても骨の数は減らないぞ……」

あずさ「むしろ殴ったら骨が折れて増えるんじゃないかしら?」

伊織「そんなに強く殴ってないわよ」

春香「あっ、なんだか昔そんな歌があったね」

響「ポケットの中にはビスケットがひとつ~♪ってやつだな」

あずさ「美希ちゃんを叩くと肋骨がふたつ~♪」

春香「もひとつ叩くと肋骨がみっつ~♪」ドゴッ

美希「やめてなの!」

あずさ「さすが春香ちゃんね。ちゃんとフリにかぶせてきたわ」

響「やめてやれって言ったのに」

美希「これはどう考えても響のせいなの」ウルウル

響「な、なんでだよ」

美希「『やめてやれ』だと、『やめて』なのか『やれ』なのかわからないの」

響「アイツの日本語が理解できないぞ」

伊織「私の言ったとおりでしょ?」

春香「響ちゃんがやめてやれって言ったから、いったん殴るのを『やめて』、そのあとで殴って『やった』んだよ」

響「こ、ここは本当に日本なのか?」

伊織「落ち着きなさい。まだ3対2でこちらが勝ってるわ」

あずさ「面白そうだから、私も春香ちゃんと美希ちゃんの意見に賛成するわ♪」

響「ここは日本じゃないのかァー!?!?」

伊織「落ち着きなさい!」

響「Nice to meet you. I'm Hibiki Ganaha.」

美希「響がガイジンになったの」

春香「環境の変化に適応しようとして進化したんだね」

伊織「それにしたって、『はじめまして』はおかしいでしょ」

あずさ「もしかしたらショックで別人格が形成されたのかも」

響「Hahaha, jibun kanpeki! You are not kanpeki! Nankuru, nankuru.」

春香「何言ってるんだかよく分からないよ」

美希「だけどなんだかイラッとすることを言われた気がするの」

あずさ「あらあら、こんな悪い子はいらないわね」

春香「悪い人格はデリートしちゃおう!」ドゴッ

響「UGYAAAAAHHHH!!!」バターン

あずさ「これで響ちゃんも元通りね」

伊織「元通りというか、いつも通りね」

美希「めでたしめでたしなの☆」



第四十二話 終わり

━第四十三話(最終話)━

━765プロ━

亜美「ねぇ真美」

真美「な→に→?」

亜美「以前、はるるんのリボンを取ったら動かなくなったじゃん」

真美「大分前(第一話)の話だね」

亜美「他のみんなは、リボンを取ったらどうなるのかな?」

真美「それは実に興味深いね」

亜美「というワケで、リボンを取ってくれたまへよ、いおりん」

伊織「何が『くれたまへ』よ。まぁいいけど」

真美「あれ、ヤケに素直だね」

亜美「これはついに、いおりんのデレ期到来!?」

真美「結婚だァー!結婚してくれェー!!」

伊織「うるさい!」

伊織「アンタたちのバカ騒ぎに長々と付き合ってられないから、さっさと済ませたいだけよ」

亜美「つれないなぁ」

真美「『さっさと済ませたい』って、義務的にカレシとセックスするときに言いそうなセリフだね」

亜美「きっとシャルルと倦怠期なんだよ」

真美「ぶるるぁぁぁぁぁ水瀬くぅぅぅぅぅん、濡れてないから入れにくいよぉぉぉぉぉぉ」

伊織「」ゲシッ バキッ

亜美「うぐぐ……」

真美「ケツに思い切り蹴りを……」

伊織「感謝しなさい、キズにならない場所を選んであげたのよ」

亜美「気を取り直して、どんどんいこう」

真美「リボンと言えば、あとはひびきんだね」

伊織「響ならそこにいるわよ」

亜美「おーい、ひびきーん」

響「Oui.」

真美「ひ、ひびきんが黒井のおっちゃんみたいになってる」

響「What's up, Ami?」

亜美「なんて言ってるかわかる?」

伊織「まぁ、『どうかしたか、亜美?』ぐらいの意味よ」

真美「そりゃこっちのセリフだよ」

響「Hahaha, souiunatte. Nankuru nicer.」

亜美「なんか今のは分かった気がする」

真美「『なんくるないさー』が舌を巻いた感じの発音で、すっごくイラッときたよ」

亜美「いおりん、どうにかなんないの?」

伊織「斜め45度から頭をチョップすれば治るわ」

真美「昔のテレビだね」

亜美「GO TO HELL!」ベシッ

響「NUWAAAAAAAAAAAAAA!!!」バターン

真美「叫び声は純和風だなぁ」

響「痛た……いきなり叩くなんてヒドいぞ」

亜美「ゴメンね、次はちゃんと言ってから叩くよ」

響「違う、そうじゃない」

真美「よかった、ちゃんと元に戻ったね」

伊織「昨日からこんな感じで、たまに変になるのよ」

響「なんでだろうな、夏カゼでもひいたのかもな」

亜美「そんな奇妙な症状聞いたことないよ」

真美「この前(第四十一話)ゆきぴょんに飲まされた、虹色のお薬のせいじゃない?」

響「えっ、やっぱりあのお茶何か入ってたの?」

亜美「あっ」

真美「ところで今日は実にいい天気だね」

伊織「ごまかし方が絶望的にヘタクソね」

響「ところで、何か用があったんじゃないのか?」

伊織「見事にごまかされてる」

亜美「ひびきんは期待を裏切らないね」

真美「実は、ひびきんのリボンを取ってみてほしいんだ」

響「ん?別に構わないぞ」スルッ

亜美「あれ、なんともならないの?」

響「春香じゃないんだから、リボン外したくらいでどうにかなるワケないぞ」

真美「期待外れだなぁ」

亜美「ねぇねぇ、このリボンをいぬ美のエサに混ぜてもいいかな?」ワクワク

響「いいワケないだろ!また自分が食べちゃったらどうするんだ」プンプン

真美「思いっきり笑ってあげるよ」

伊織「なんでアンタが食べること前提なのよ」

響「じゃあ、そろそろいいか?髪を元に戻したいんだ」

亜美「うん、あんがとね」スッ

響「はい、どういたしまして」

真美「じゃあチョップするよ」

響「えっ?」

亜美「空中元彌チョーップ!!」ベシッ

響「ぬわーーっっ!!」バターン

伊織「な、何してるのよアンタたち!」

真美「ひびきんが『元に戻したい』って言うからだよ」

亜美「さっきは右側頭部を狙ったから、今度は左側をチョップしました!」フフン

真美「バランスも大切~♪」

響「Oh……Hey,Ami! Hidoizo!」

亜美「ごめんごめん」

真美「リボンも口調も元通りだね!」

伊織「いやいや、そっちが元じゃないから」

ガチャ

小鳥「あらみんな、何してるの?」

伊織「随分久しぶりね、小鳥」

亜美「留置所生活は楽しかった?」

小鳥「そんなところに入ってないわよ……プロデューサーさんと一緒に警察から説教受けただけよ」

真美「説教受けただけって言うけど、それだって相当だからね」

亜美「亜美たちの認識では、既に犯罪者とほぼイコールだよ」

響「Hentai.」

小鳥「久々に会ったんだから、もうちょっと優しくしてくれてもいいんじゃないかしら?」

伊織「それで、警察に拘束されてたワケでもないのに、この数日間どこに行ってたの?」

小鳥「コミケが近いから、仕事サボって家でマンガを描いていたのよ」

真美「こ、こやつホントに社会人か?」

小鳥「見てみて!今度の作品はP×涼なのよ!」

亜美「同性でもセクハラで訴えられるって知ってる?」

小鳥「タイトルは『Dazzling World ~ボクをオンナにしてください~』よ!」ハァハァ

真美「聞いちゃいねェ」

亜美「まっ昼間からオナニー見せつけられちゃたまんないよ」

小鳥「あら、なんで亜美ちゃん中身を知ってるの?今回は涼ちゃんのオナニーシーンから始ま」

伊織「」ゲシッ

小鳥「ティンティンッ」バターン

真美「断末魔までお下劣だなぁ」

亜美「ところで、さっきの続きなんだけどさ」

真美「うん?」

亜美「ぴよちゃんにはリボンがないから、かわりにインカムを外してみようよ」

真美「そだね」

カポッ

響「……Nanimo okoranaizo.」

伊織「起こしてみなきゃわからないわよ」

亜美「ぴ~よ~ちゃ~ん。お~き~て~」ユサユサ

小鳥「……あっ、真美ちゃんそれ返して!」アタフタ

真美「どしたの、そんなに慌てて?」

小鳥「私、インカムを外すと生理がきちゃうの」ドバドバ

響「Fuckin crazy.」

伊織「どうして小鳥は人間をやめちゃったの?」

小鳥「だって、せっかく子種をゲットしたのに生理の関係で着床しなかったら最悪じゃない」

亜美「亜美は今の気分がサイアクだよ」

小鳥「だからいつ中出しされてもいいように、このインカムで生理の周期をコントロールしてるのよ」

真美「30目前の女というのは、ここまで必死なのか」

伊織「努力の方向が破滅的に間違ってるけどね」

響「Azusa mitai dana.」

亜美「それは方向音痴って意味で?それとも同類って意味で?」

響「What?」

伊織「そのアメリカ人がよくやる『やれやれ』みたいな仕草をやめなさい」

真美「そろそろうっとおしくなってきたから戻そう」ベシッ

響「GYOEEEEEEEEE!!!」バターン

亜美「ていうか、ぴよちゃん今なんか変なこと言ってなかった?」

真美「ぴよちゃんは変なことしか言わないよ」

亜美「それはそうなんだけど。ぴよちゃんはヨダレで妊娠するって勘違いしてる(第三十一話)んじゃなかったっけ?」

伊織「何それ?本格的に痛々しいわね」

小鳥「亜美ちゃんの言うとおりだけど?」

亜美「そのわりには、『中出し』とか『着床』とか、不穏な単語がポロポロ出てきてたけど」

小鳥「『中出し』はヨダレを口内発射することで、『着床』はヨダレが胃に侵食しポリープを形成することよ」

伊織「妄想もここまでくると見事なものね」

真美「じゃあ、ぴよちゃんの股の穴はなんの為についてるのさ」

小鳥「濡れ具合で興奮度を示すバロメーターよ」ビショビショ

亜美「なんて無駄な器官なんだ」

真美「なんかビショビショいってるんだけど、興奮してるの?」

小鳥「だって真美ちゃんの口から『股の穴』なんて単語が出てくるから///」

伊織「アンタ、ホントは全部分かってて言ってるんじゃないでしょうね」

ガチャ

雪歩「ただい……なんで響ちゃんは床にブッ倒れてて、小鳥さんの股からは謎の液体がしたたり落ちてるの?」

亜美「いつものことだよ」

雪歩「それもそうだね♪」

真美「ときに、ゆきぴょんや」

雪歩「どうしたの?」

亜美「ゆきぴょんは、ひびきんのリボンやぴよちゃんのインカムみたいに、いつも身につけてるアクセはあるかい?」

雪歩「えっと……鎖、かな」

伊織「く、鎖?」

真美「なんだか嫌な予感がしてきたよ」

小鳥「なんだかステキな予感がしてきたわ」ハァハァ

雪歩「萩原雪歩はね、運命の鎖に縛られているの」

伊織「ちょっと、誰か早く止めなさいよ」

雪歩「ヒトが人類として歩み始める遥か昔、私は彼と禁断の園でとろけるように愛し合う日々を過ごしてたの」

響「……目が覚めたら、世にも奇妙な物語が始まってたぞ」

雪歩「朝は色とりどりのヒヨコさんのさえずりで目覚め、晴れた日には三つ足ウサギさんとおいかけっこを楽しんだの」

亜美「禁断の園は縁日なの?」

小鳥「そういえば最近カラーヒヨコって見ないわね」

真美「ていうか三つ足ウサギって普通にホラーなんだけど」

雪歩「お昼はウサギのソテーを堪能したわ。彼はよく食べるから胴体と脚2本。私は脚1本だけ。でも、スイーツは別腹☆」

響「ウサギってもしかして、さっきの三つ足ウサギのことか?」

亜美「おいかけっこって、狩りのことだったんだね」

伊織「ヒトが人類として歩み始める前から、スイーツなんて存在してたの?」

雪歩「そして午後は泉のほとりで、彼と互いの花園に口を添えて優雅なティータイムを過ごしたの」

真美「テキトーな言葉でごまかしてるけど、トンでもなく卑猥なこと言ってるよ」

亜美「ぴよちゃんと同レベルだね」

小鳥「ステキ……///」ドロドロ

真美「ほら、共感して溶けてる」

伊織「いいからさっさと鎖の話に入りなさいよ」

雪歩「これからがいいところなのになぁ」

小鳥「残念だわ」ドロドロ

雪歩「彼と死に別れる時、生まれ変わってまた結ばれることを誓いあったの」

伊織「はいはいはいはい」

響「伊織、気持ちはわかるけど」

雪歩「そして私と彼はこの時代に生まれ変わったわ。……でも!」

亜美「でも?」

雪歩「あぁ、なんてことなの!今の私は真ちゃんに心を奪われてしまっているわ!」サメザメ

真美「えっ、『彼』ってまこちんのことじゃないの?」

雪歩「違うよ。なんで?」

小鳥「だって、『彼』だし」ドロドロ

雪歩「『彼』は四条さんですよ。『よく食べる』って言ったじゃないですか」

伊織「もっと分かりやすいヒント出しなさいよ。ラーメンとか」

雪歩「やだなぁ伊織ちゃん。ヒトが人類として歩み始める前に、ラーメンなんて存在してるワケないよ」ケラケラ

亜美「ゆきぴょんの世界観がよく分かんないよ」

真美「理解したら死ぬよ、たぶん」

伊織「で、つまり?」イライラ

雪歩「四条さんと前世で交わした契りと、真ちゃんに対する抑えきれないトキメキと情欲……
   二つに挟まれて身動きの取れない私は、運命の鎖で魂を牢獄に繋がれた咎人なの」

亜美「まぁ、犯罪者一歩手前って感じだね」

響「そういう意味では、咎人ってのも分からなくはないな」

真美「こりゃちょっと、ゆきぴょんの鎖を外すのは無理そうだね」

小鳥「」ビショビショ

響「ぴよ子が完全に溶けて液体になってる」

亜美「今の話のどこに共感する要素があったというのか」

真美「ヤダ、ちょっとフローリングに染みてきてるよ」

伊織「ちょうどいいわ、リフォーム業者を呼んで張り替えてもらいましょう」

雪歩「何がちょうどいいの?」

伊織「ゴミ掃除もできて、ちょうどいいわ」

響「なるほど」

小鳥「サセナイ……」

響「えっ?」

小鳥「ハリカエサセナイ……コミケガオワルマデ……シネナイッ!!」ブワッ

亜美「ぴ、ぴよちゃんの幽霊だっ!」

真美「ホントに人間をやめちゃったんだね」

小鳥「ヨダレヲノマセテ……ハラマセテ……ハラボテアイドルトシテ……デビューサセテヤル!!」スーッ

雪歩「気持ち悪いこと言いながら、こっちに近づいてくる」

伊織「ボーっとしてないで逃げるわよ!」ダッ

亜美「わわっ、急に走らないでよぉ!」

ツルッ

亜美「あっ」

スッテーン ペラッ

伊織「きゃぁ!?スカートがめくれ……」

真美「ちょ、亜美が急に転ぶから真美も……」

ガシッ ズッテーン ズルッ

真美「あっ」

雪歩「転んだひょうしに、キレイにパンツだけずりおろしたね」

響「見事なコンビプレーだな」

伊織「」

亜美「いおりんのパンツを取ったら動かなくなった」

雪歩「次回のスレタイはこれに決定だね♪」

響「何言ってんだコイツ」

雪歩「妖精さんがそう言えって囁くの」

真美「今日は毒電波の受信量が多いなぁ」

小鳥「伊織ちゃんのノーパン姿ァァァァァキタコレェェェェェエ゙エ゙エ゙エ゙エ゙!!」ニュルニュルニュル

亜美「あぁ、ぴよちゃんが人間の形を取り戻していく!」

真美「めでたしめでたしだね♪」

伊織「ちっともめでたくないわよっ!アンタたちィィィィィ!!」

バシッ ドゴッ ピカー メキャ ゴリゴリゴリッ ゴシャッ ゴォォォ ウギャー ギェェェ





亜美「」

真美「」

響「亜美と真美が動かなくなった」

雪歩「明日になれば元通りだよ」



第四十三話(最終話) 終わり

終わりです。皆様ありがとうございました。

まとめサイトに載ることはないと思いますが……もし載るようなことがあれば
SSWikiにある注意書き(第一話・第六話にスカトロ描写があること)と、
一話完結なのでそれらを読み飛ばしても問題ないこと、
そしてあらすじの1レスSSも載せていただけると幸いです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1340565510

時期はお約束できませんが、いつかまた書きます。
スレタイは、多分違うと思います。いおりんのパンツをまた取るのは良心が痛むので。

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