秋山駿「奉仕部だって?」 (109)

秋山「おかしいな、別に成績とか文句ないでしょ?平塚ちゃん」

静「君のその軽い態度を矯正するといっているのだ」

秋山「そんな人のことをチャラ男みたいに言わないでよ、それに今時重い方がモテないんだからさ」

静「・・・」ビュッ!

秋山「おっと」ヒョイ

駿「それに奉仕部って何?」

静「私が顧問を勤める部活だ、行けば分かる」

駿「行かないつってんでしょ、話聞いてた?」

静「君に拒否権はない」

駿「先生さ、教師でも指導の範疇を越えてたら職権濫用って分かってる?」

静「部員は雪ノ下雪乃だ」

駿「……マジ?」

静「やはり有名人みたいだな、あいつは」

駿(彼女の親の会社には儲けさせてもらったんだよなぁ)

駿「んー……そういうことなら試しに行ってみるよ」

静「ついてこい」

奉仕部

雪乃「……」ペラッ

ガラガラ!

静「新入部員を連れてきたぞー」

雪乃「先生、入るときはノックを」

静「ん?しなかったか?まあいい、コイツが新入りだ」

駿「この先生はノックアウトしかできないから言うだけ損だよ、雪ノ下さん」

静「ふん!」ブン!

駿「初めまして、秋山駿です」ヒョイヒョイ

雪乃「……よろしく」ペラッ



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静「ぜえぜえ……と、とにかくぜえぜえ、あとは任せた」ガラガラピシャッ

駿(ふーん、この子が、ね)「座ってもいいか?」

雪乃「そこに椅子があるわ」

駿「了解」ガタガタン

雪乃「……」ペラッ

駿「で、ここは何をする部活なの?」

雪乃「今こうしていることが部活動よ」

駿「本を読むこと自体が?」

雪乃「そうではないわ」

駿「じゃあ、何かしらを待機していると考えればいいわけだ」

雪乃「合っているわ」

駿「となると、顧問の性格を考えると捻りは利いていなさそうだ。……ずばり、ボランティアに準ずるとみた」

雪乃「正解ということにしときましょう」

駿「詳しく聞かせてよ」

雪乃「ボランティアというのは、厳密に言えば語弊があるわね、無償で全てを提供するわけではないのだから」

駿「アドバイザー、コンサルタントのように口出しや援助までが部活動なのか?」

雪乃「その通りよ、鋭いわね」

駿「だけど暇なもんだな、コンサルタントって忙しいもんなんだけど」

雪乃「この部活が知られてないからではないかしら?」

駿「俺も初耳だったからな、知名度は無いに等しいだろうな」

ガラガラ

結衣「奉仕部ってここですか?ってアッキー!」

雪乃「知り合いかしら?」

駿「どうだったかな?多分見たことはあるけど」

結衣「アッキー教室で大人しいのにそんなキャラだったの!?」

駿「そりゃ友達とかいなけりゃ大人しいでしょ」

雪乃「アッキー……」

結衣「何かアッキーチャラい……」

駿「よく言われるんだけどさ、君に言われたくないなぁ、遊んでそうだし。神室町でよく見るよ?君みたいなの」

結衣「遊んでるってなんだし!あたしはまだ処……ななんでもない!」ワタワタ

駿「別に何でもいいけど、何か用があって来たんじゃないの?」

結衣「あ、そうだった」

雪乃「聞かせてもらえるかしら」

結衣「実は……」

駿「クッキー?」

結衣「うん、ちょっと渡したい人がいて」

駿「涙ぐましいねぇ」

雪乃「茶化さないの、作り方を教えればいいのね?」

駿「俺は教えられないな、そういうのさっぱりだから」

雪乃「とにかく、家庭科室に行きましょう」

結衣「ありがとう」

家庭科室

雪乃「さっそく取り掛かりましょう」

駿(俺、帰ってもよくない?)「よろしく」

結衣「おー!」

チーン

駿「何これ?木炭?」

雪乃「レシピ通りのはずなのだけれど……」

結衣「うう……あたし、向いてないのかな?」

雪乃「一度だけで決めるのは良くないわ、根気よくやりましょう」

結衣「ありがとう……」

駿「それにあれだよ、渡す相手が野郎なら作ってもらえるだけありがたいしさ」

結衣「そうなの!?」ズイッ

駿「そういうもんだよ、少なくとも俺は嬉しいね」

結衣「そっか……」

雪乃「まだ作る時間はあるわ、続ける?」

結衣「うん!よろしく!」

駿(おーおー、気合十分だねぇ)

チーン

駿「木炭からは進歩してるね」ゴリゴリ(咀嚼音)

雪乃「何も食べなくてもいいのよ?」

結衣「そうだよ、さすがに辛いでしょ?」

駿「確かに、苦いしカチカチだし歯のほうが削れそうだけどさ」ゴリゴリ

雪乃「だけど何かしら?」

結衣「……」

駿「これに真剣味があるなら守備範囲内なんだよね、この味でも」ゴリゴリ

雪乃「……」

結衣「アッキー/////」

駿「気持ち、伝わるといいな」ゴリゴリ

結衣「うん!ありがとう!」

駿「さて、今日はお開きでいいかな?」

雪乃「そうしましょう、片付けるのは手伝ってもらえるわよね?」

駿「任せろ」

結衣「あたしもとーぜん片付けるからね」

翌日 奉仕部

駿「クッキー渡せたのかな?」

雪乃「あとは由比ヶ浜さん次第よ」ペラッ

ガラガラ

結衣「やっはろー!」

駿「結果の報告に来てくれるなんて、意外と律儀じゃないの」

雪乃「どうだったのかしら?」

結衣「え?まだ渡してないよ?」

駿「教えた意味ないじゃないか」ガクッ

雪乃「何か理由があるの?」

結衣「マズイまま渡すのは嫌だから、練習してちゃんとしたクッキーを渡したいんだよ」

駿「なるほどね」

雪乃「そういうことならタイミングが合えば付き合うわよ」

結衣「ありがとうゆきのん」

駿(ゆきのん?)「幸いうちは暇だからな、実質いつでも付き合えると考えてくれ」

雪乃「一言余計よ」

結衣「ってことでお礼!」つクッキー

駿「ありがとうね」

結衣「感想聞かせてね?」

駿「じゃあさっそく……」バリバリ(咀嚼音)

結衣「どうかな?」ドキドキ

駿「もっとがんばりましょう」バリバリ

雪乃「まだまだ指導の余地があるわね」

結衣「うっ……頑張る!」

駿(こりゃまだ渡せなさそうだな)バリバリ

別の日

駿「暇だねえ」

雪乃「そうね」ペラッ

結衣「ねー」ピコピコ

ガラガラー

葉山「奉仕部はここかな?」

結衣「隼人君?」

雪乃「何か用かしら?」

葉山「平塚先生に聞いてここに来たんだけど」

駿「依頼ってことか」

葉山「君も部員だったのか」

駿「俺のこと知ってるの?参ったな、有名人なんて」

結衣「同じクラスだから!」

駿「そうなの?こりゃ失礼。儲からないことは覚え悪くて」

葉山「そんなキャラだったんだな……」

駿「俺、どんな目で見られてるの?」

結衣「いつも一人な寂しい人?」

葉山「寂しいかはとにかく、誰かといるところは見たことないな」

駿「友達いないからねぇ、寂しくはないよ?」

雪乃「依頼内容を聞かせてもらえないかしら?」

葉山「すまない、実は……」

駿「迷惑メール、ね」

雪乃「犯人に心当たりは?」

結衣「誰でも怪しいよね………」

隼人「あいつらはいいやつだしな」

駿「犯人を見つけてどうするの?半殺し?」

葉山「そんなことはしないよ、ただ知りたいんだ。みんな仲良くがモットーだからね」

駿「ふぅん、みんな仲良くねぇ」ヘラヘラ

葉山「どうかしたのか?」

駿「別に?なんでもないよ?」

雪乃「………」

結衣「犯人かぁ」

駿「………あのさ山葉君」

葉山「葉山だ」

駿「どうでもいいよ、そんな下らないことよりも。自分が何言っちゃってるか分かってる?」

葉山「何が言いたい?」

雪乃「恐らくなのだけれど、彼はあなたのその考えに文句があるみたいよ」

駿「言っちゃうんだもんなぁ」

葉山「俺のどこが悪いんだ?」

駿「悪くはないよ?人類皆兄弟!大いに結構!だけどさ、メールの内容ってどんなだったっけ?」

葉山「戸部はヤンキーで(略)」

駿「だよね、で、お前は戸部くん大岡くん大和くんのお友だちなわけだ」

葉山「だからなんなんだよ?」イラッ

駿「そいつらが本当の友達ならさ、悪口言われたら腹立たない?」

結衣「!」

雪乃「………」

駿「例えばだよ?仲良くつるんで一緒に遊んだり絡まれて喧嘩したりしたらさ、そりゃもう友情ってやつが育つわけじゃない?」

葉山「………」

結衣「喧嘩って………」

雪乃「由比ヶ浜さん、これは例えよ………多分」

駿「なのに山葉君は大事なお友達がバカにされてるのに怒る素振りがないんだもん、この案件の対処法はともかく、そんな様だとこっちとしてはやる気が出ないわけ、分かるかなー?」

葉山「………」

駿「お前さ、クラス仲良くなんて出来るわけないの分からない?もっと言うと山葉君は人を」

葉山「やめろ!」

結衣「!」

雪乃「………」

秋山「………」ニヤニヤ

葉山「とにかく、皆のためにもこれはしてもらいたい、頼めないか?」

駿「どうする?部長」ヘラヘラ

雪乃「やるわ」

駿「だってさ、よかったなー、俺が部長ならつまみ出してるぞ?」ペシペシ

結衣「アッキーどうしたの?そんなに隼人君に突っ掛かって」

葉山「いいんだ、秋山の言うとおりだ」

駿「そうやって全部を捨てない姿勢、お前の器じゃ無理だ、諦めろ」

葉山「………」

雪乃「聞き込みから始めましょう」

駿「了解しました部長!」ビシッ

結衣(アッキーワケわかんない………)

雪乃(姉さんみたいな男………)

葉山(なんてやつだ………)

駿「♪」ヘラヘラ

教室

駿(聞き込みは任せろって由比ヶ浜は言うけど………)

結衣「ごめんアッキー!無理だった」

駿「だよなぁ」

葉山「どうだ?見つかりそうか?」

駿「さあね、さっぱりだ」

葉山「そうか………」

大和「………」ピッピッ

大岡「………」ピッピッ

戸部「………」ピッピッ

駿「うすっぺらいお友達だねぇ」

葉山「何か分かったのか?」

結衣「そうなの!?」

駿「いや、犯人は知らないよ」

葉山「そうか………」

結衣「仕方ないよ!」

駿「だけどあのメールが出回る原因は分かったね」

結衣葉山「!!」

駿「場所変えよっか」

部室

雪乃「教えてもらおうかしら?秋山くん?」

駿「なんのこたぁない、あいつら三人は山葉君の考えにそぐわないってだけだったよ」

葉山「?」

結衣「どゆこと?」

雪乃「そういうことね」

駿「山葉君の『皆仲良く』って考えがあくまで山葉君の独り善がりだったのさ」

葉山「!」

結衣「?????」

雪乃「葉山くんとその三人は友達なのだけれど、その三人から葉山くんが抜けると他人に近いということよ」

駿「そういうこと♪友達の友達、これがメールが出回る原因、解決は簡単、山葉君があの三人と距離をとればもうバッチリ」

結衣「そんな簡単なの?」

葉山「試す価値はある」

数日後

葉山「本当に来なくなったよ、ありがとう」

駿「部活ですから」ヘラヘラ

雪乃「私はなにもしてないわ、そこの秋山くんの手柄よ」

結衣「ほんとすごいよアッキー」

駿「すごくはないでしょ、特に何をしたでもないし」

葉山「そんなことはない、仮ができたな」

駿「安上がりに恩を売れるとなると、やった甲斐があったな」ヘラヘラ

結衣「アッキーチャラい!」

雪乃「態度は改めた方がいいわね」

葉山「俺はもう失礼するよ、ありがとう」ペコッ

ガラガラー

駿「一件落着落着」

雪乃「あなた何者なの?」

結衣「あたしも気になる!」

駿「何者って、俺はただの堅気の高校生だよ」ヘラヘラ

結衣「なーんか怪しい」

雪乃「堅気と使うところが特に怪しいわね」

駿「そういわれてもなぁ」

雪乃「まあいいわ、いつか分かることよ」

結衣「あたしが見つける!」

駿「大したもんでもないんだけどなぁ」

神室町

駿「♪」テクテク

雪乃結衣「・・・」コソコソ

結衣「ゆきのん、なんであたしちたちアッキーをつけてるの?」

雪乃「どうも高校生とは考えられないからよ、腕時計は見たかしら?」

結衣「あのアッキーがつけてるおしゃれなやつ?」

雪乃「それともう一本の金色の見るからに高いであろう時計よ」

結衣「あー、あったねー」

雪乃「父がにたような時計をつけていたわ、恐らく数十万円から数百万円相当の時計よ」

結衣「ええ!?」

雪乃「つまり、彼には何か莫大な収入源があると思うの」

結衣「だけど東京っていったってそんなお金稼げるバイトなんて・・・」

とある雑居ビルに入っていく秋山

雪乃「私たちも入りましょう」

結衣「うん!」

スカイファイナンス

駿「今日も今日とて暇ばかりっと」スパスパ

花ちゃん「社長!まーた散らかしてー!」

駿「そんな怒らないでよー」スパスパ

花ちゃん「それに、今日は集金日なんですよ!」

駿「そうだっけ?」

花ちゃん「そうですよ!ほんといい加減なんだから!」

ガチャッ

雪乃結衣「あの・・・」

花ちゃん「はーい、いらっしゃいませー!」

駿「・・・」スパスパ

雪乃結衣「・・・」

駿「えっと、ご融資の相談でおいでなすったんですかね?」

花ちゃん「あれ?高校生?」

駿「・・・」スパスパ

雪乃「金融、喫煙、夜遊び・・・まだまだほこりが出そうね?」ニコニコ

結衣「アッキー社長なんだ・・・」

駿「面倒だから口止めしないよ、好きに平塚ちゃんでも厚木のおっちゃんなにでもチクればいい」スパスパ

雪乃「・・・」ジロジロ

結衣「あの、店員さん?」

花ちゃん「え?あ、はい?何かな?」

結衣「あたしたち、アッキーと同じガッコの・・・」
説明
雪乃「・・・というわけで彼を尾行してここを突き止めました」

花ちゃん「社長!バレないようにするって言ってたじゃないですか!」

雪乃「こうして改めて考えると、彼は最大限努力はしていたと考えられます」

駿「努力?俺が?」ヘラヘラ

結衣「成績はアッキーのクラスでは一番です!」

雪乃「学年二位よ」

駿「そうなんだよなぁ、雪ノ下に勝てないんだこれが」ヘラヘラ

雪乃「この性格で彼は友人がいません」

駿「友達はあれだよ、金持ってからいなくなっちゃってさ」ヘラヘラ

結衣「だから学校で一人なんだ・・・」

花ちゃん「社長・・・」

駿「俺が好きで友達いないんだからさ、いいじゃない」

雪乃「友人を作らないのはシンプルながら絶大な効果ですが、たまたま私たちが気になって彼を尾行したからこの状況を把握したにすぎません」

花ちゃん「それってつまり、黙っててくれるってこと!?」

雪乃「わざわざ報告する必要がありませんので」

結衣「あたしも同じ気持ちです!」

駿「違うでしょ雪ノ下」

雪乃「何が違うのかしら?」

駿「扱いにくい俺に手綱を着けたいだけだろ?コントロールさえ効けば俺って割りと優秀だしな」ヘラヘラ

雪乃「あなたは姉に似ているわ」

駿「ふーん」ヘラヘラ

雪乃「制御なんか考えていないわ、成績以外あなたに勝てる気がしないの、だからあなたには私自身を高める栄養源になってもらうわ」

駿「そうきたか」

結衣「とにかく、あたしは何も喋らないからね!」

駿「好きにしなよ」

雪乃「そうさせてもらうわ」ニコニコ

花ちゃん「良かったですね社長!首の皮一枚繋がりましたよ!」

駿「別にどうでもいいんだけどねぇ」ヘラヘラ

雪乃「いつかあなたと対等になって見せるわ」

駿「さいですか」ホジホジ

花ちゃん「ゴメンね?この人お金の扱い方以外ホントいい加減で・・・」

結衣「この散らかり方だとね・・・」

雪乃「今日は失礼します」

結衣「バイバイアッキー」

駿「はいさいなら」ヒラヒラ

花ちゃん「また来てね、韓来の焼き肉弁当出したげるから!」

結衣「焼き肉かぁ・・・楽しみです!それじゃ!」

雪乃「次回は手土産を用意してお邪魔します、それではまた」

バタン

花ちゃん「いい子達ですね」

駿「ここら辺の女の子よりは癖はないよね」

花ちゃん「もう!そんなこと言って!」

駿「集金行ってくるよ」ノシ

花ちゃん「いってらっしゃい」

駿(平塚ちゃんにバレたらうるさそうだしなぁ、ま、バレてもいいけどね)スタスタ

雪乃たちは

雪乃「まさか金融業を営んでいるなんてね」

結衣「ほんとビックリしたよ」

雪乃「色々合点がいったわ」

結衣「お金持ちかぁ」

翌日

駿「ふぁーあ」

結衣「おはようアッキー」

駿「はいおはようさん」ノビーッ

結衣「眠そうだね」

駿「いやー、昨日二人が帰ったあとにさ、集金に行ったわけよ」

結衣「うんうん」

駿「そしたら踏み倒すつって暴れる客がいてさ」

結衣「・・・うん?」

駿「ちょっと痛い目見てもらってたら遅くなっちゃって」ゴシゴシ

結衣「えー・・・」

駿「金貸しやってると結構あるんだよねぇ、こういうこと」

結衣「あたしと住む世界が違う・・・」

葉山「なんの話をしてるんだ?」

駿「東京って怖いなって話をねぇ」

葉山「確かに物騒らしいな」

駿「山葉君も気を付けなよ?喧嘩の相手がヤクザなんてこともあるんだからさ」

葉山「お、おう」

静「席につけー」

結衣「戻るね」

葉山「俺も」

静「出席を取るぞ、秋山ー」

駿「はいはい」


昼休み

駿「ったく、すぐ平塚ちゃんは怒るんだからおっかないなぁ」

結衣「授業中にいびきかいて寝てたらダメだよ・・・」

駿「ああそう?」

優美子「結衣ー」

結衣「優美子何ー?」

優美子「ちょっとジュース買ってきてくんね?」

結衣「え、あたしちょっと・・・」

優美子「は?なにが?」

結衣「今日は約束あるから無理っていうか・・・」

優美子「なんなの?はっきりいいな」

結衣「その、だからね?」

優美子「結衣さぁ、もっとはっきりもの言わないとダメじゃない?しかも最近付き合い悪いし」

結衣「・・・」

駿(うちのキャストでもあの手の揉め事あるんだよなぁ、やだやだ)ガタッ

優美子「ん?」

駿「その辺にしとけよ」

優美子「ああん!?」ギロッ

駿(面倒な女だ)「由比ヶ浜にも都合ってあるんじゃないのか?お前のパシりのために割いてやる時間が勿体なく感じるねぇ」

優美子「いきなり何いってんのあんた」

雪乃「その通りよ」

駿「あれ、雪ノ下?なんだ、由比ヶ浜の都合って君の事だったのね」

優美子「そうなの?結衣」

結衣「うん、そうなんだよ」

雪乃「来ないと思ったらこんな事になっていたのね」

駿「ジメジメネチネチ怖いもんだよまったく」

雪乃「行くわよ、由比ヶ浜さん」

結衣「うん、そういうことだから優美子、またね」

優美子「・・・」

駿「猿山のボスの格付けは決まったみたいだね」ゲラゲラ

優美子「・・・」ギロッ

駿「おー怖い怖い、お茶でも買ってこよーっと」イソイソ

何も考えずに俺ガイルと組み合わせた結果がこれだよ!

廊下

結衣「アッキー」

駿「まだいたのか?」

結衣「さっきはありがとね」//////

駿「気にするなよ、花ちゃんとかキャストの子であの手のあしらいかたはよく分かってるからさ」ヘラヘラ

結衣「キャスト?」

駿「あー、こっちの話」

結衣「でも、ホントありがと!じゃ!」

駿「さて、お茶買いにいきますかね」

放課後

結衣雪乃「・・・」

なぜか部室の外から中の様子をうかがう二人

駿「どうしたの?爆弾でも見つけた?」

雪乃結衣「!!!!!!」ビクっ!
結衣「脅かさないでよアッキー!!」

雪乃「本当に驚いたわ」

駿「で?中に何があるっての?」

材木座「・・・」

駿「誰?」

雪乃「知らないわ」

結衣「あたしも」

駿「おーい、うちに何か用かー?」

雪乃「・・・」

結衣「・・・」

材木座「うむ!待っていたぞ駿!!」

雪乃結衣「駿?」

駿「いや、俺の名前だから。っていうか君誰?どうして俺の名前知ってるの?チャンピオン街の人?」

材木座「ええ!?いやいや!体育でたまに組むじゃないですか!」

駿「・・・・・・」ンー?

材木座「ほら、先週『重い』を連呼しながら僕を振り回してたでしょ!?」

雪乃「この巨体を・・・」

結衣「アッキーすごい・・・」

駿「あ、そういえば」ピーン

材木座「や、やっと思い出してくれた・・・」ホッ

雪乃「うちに来たのは依頼かしら?」

駿「そうなの?あれか、ダイエットの依頼か」

材木座「違う!」

結衣(あたしもそうだと思っちゃった・・・)

材木座「ラノベの感想が欲しいのだ!」

三人「ラノベ?」

材木座「うむ!これこれこういう代物なのだ」

駿「ふーん」

雪乃「そこの分厚い用紙がそうなのかしら?」

駿「読むのに時間が掛かりそうだ」

結衣「あたし読みたくないなぁ」ボソッ

材木座「軽くでいいから読んで欲しいのだ!」

駿「しゃあない、読みますか」

雪乃「そうしましょう」

結衣「うう・・・」

読んでみた

材木座「どうだった?」ドキドキ

駿「グー」zzzz

雪乃「つまらないわね」

結衣「・・・」zzzz

材木座「うごぁぁぁ!」ガクッ

雪乃「二人とも起きなさい」ユサユサ

駿「んん?花ちゃん、集金は行ったじゃない」ゴシゴシ

雪乃「花さんではないわ雪ノ下雪乃よ」

駿「あー、寝ぼけてた」ゴシゴシ

結衣「眠い」

材木座「二人とも、どうだった?」

駿「表現の世界だからよくは知らないけど、この作品が金になるのはありえなさそうかな?」

結衣「一ページもたなかった」

材木座「あがぁぁぁ!」

駿「それにさ、こういう文学って人生経験いるんじゃないの?ネタとしてさぁ」

雪乃(彼が本を出せば買いたいわね)
結衣(アッキーの本読んでみたい)

材木座「うううう・・・」プルプル

駿「まあ何事も皆新人から始まるからさ、落ち込まずに続けてくのが大事だよ」ポン

材木座「はい!頑張ります!」ダダダ!

駿「行っちゃったねぇ」

雪乃「またあれを読むのね」

結衣「眠くなるなぁ」

駿「これも部活動ですから」

雪乃「それもそうね」

結衣「だよねー」

駿「帰るか」

雪乃「そうしましょう」

結衣「バイバイアッキー、ゆきのん」

駿「さいなら」ヘラヘラ

帰り道

駿「・・・」テクテク

静「秋山」

駿「あれ?平塚ちゃん、どしたの?」

静「なかなか成果を上げているみたいだな」

駿「そうなの?よく分からないけど」ヘラヘラ

静「ラーメンでも食いにいくか」
駿「俺の奢りでね」ヘラヘラ
静「相変わらず金持ちだな」
駿「そこは企業秘密ってことで」ヘラヘラ
静「どこで食べたい?」
駿「それなら神室町の九州一番星かな」
静「行くか」
駿「はいはい」

九州一番星

静「ここのラーメン、豚骨がたまらないんだよな」

駿「俺も好きだよ」

静「なっ////」

駿「チャーシューもいいんだこれが」

静「そ、そうだな・・・/////」

駿(平塚ちゃんが教師じゃないならエリーゼで働いて欲しいんだけどなぁ)「いただきます」

静「いただきます」

駿「んー、変わらずうまいねぇ」ズルズル

静「ああ」ズルズル

駿「何か用があって誘ったんじゃないの?」ズルズル

静「ふと誰かとラーメンが食べたくなってな、他意はない」ズルズル

駿「またフラれちゃったか」ゲラゲラ

静「うっ!」

駿「図星か」ズルズル

静「私の何が悪いというのだ・・・?」ズーン

駿「そういっているうちはさ、自分の足りないところに気付いてないって事だからなんじゃないの?」ズルズル

静「・・・悔しいが一理あるな」ズルズル

駿「人間、欲を出すとキリがないからねぇ、神室町なんかその権化みたいなとこだしねぇ」ズルズル

静「君は私の欠点に気付いているのか?」ズルズル

駿「そりゃ、すぐに手を出すわ怒るわ少年誌好きだわ、上げ出したらいくらでも出るよ?」ズルズル

静「うう・・・」ショボーン

駿「だけどさ、面倒見はいいし優しい、何より立派に教師やってるんだから俺は平塚ちゃん好きだよ?」ズルズル

静「ぶうっ!?」ゲホゲホ

駿「あれ?俺なにか変なこと言った?」

静「大人をからかうなぁ・・・////」

駿「赤くなっちゃって、可愛いねぇ」

静「//////」プシュー!

駿「ホント、家事さえできたら結婚してほしいんだけどねぇ」

静「・・・」チーン

駿「ありゃ、放心しちゃってるよこの人」

静「はっ!あ、あ、秋山ぁ!」

駿「なに?」

静「今から努力して、家事ができるようになったらけけけけけけ結婚してくれるのか!?」

駿「それも良いねぇ」ヘラヘラ

静「う、嘘じゃないよな!?」/////

駿「俺が他の素敵な女に捕まる前ならいいよ」

大将「姉ちゃん、頑張んな!」

静「・・・やってやる!」
駿(平塚ちゃん可愛いなぁ)ニヤニヤ


秋山家

駿「ただいまー」

小町「お兄ちゃんお帰りー」

駿「よお小町、いい子にしてたか?」

小町「小町はいつでもいい子だよー?」

駿「それもそっか」ナデナデ

小町「えへへ・・・」

駿「勉強は進んでるか?」

小町「まぁそこそこかな」

駿「それならいい」

小町「今日は神室町行かないんだね?」

駿「金貸しも暇なんだよ」

小町「もうひとつの方は?」

駿「あっちも連絡がない以上問題なしって感じかな」

小町「なるほど」

駿「たまには休まないとね」

小町「ゆっくりしていってね!」

駿「俺の家だ」

小町「そうでした」

翌日学校昼休み

駿(たまには静かなところで飯食うのも悪くない)モグモグ

駿(ちょくちょく来てるんだけどね。んー、冷めても韓来の焼き肉弁当はうまいねぇ)モグモグ

駿「ごちそうさま」人

駿「♪」シュボッ!スパスパ

駿(食後の一服はたまりませんなぁ)スパスパ

結衣「こら!」

駿「ん?」スパスパ

結衣「タバコ吸っちゃダメでしょ!?」

駿「えー」

結衣「えー、じゃない!ほら!消す!」

駿「しょうがないなぁ」ケシケシ

結衣「ほんとにもう・・・」

駿「わざわざタバコ注意にきたの?」

結衣「え?違うよ?罰ゲーム」

駿「タバコ注意が?」

結衣「違うよ!ゆきのんとじゃんけんで負けた方がジュース買いにいくってだけ!」

駿「ふーん」(たまたまか)

???「あれ、由比ヶ浜さん?」

結衣「あ、彩ちゃん!」

戸塚「どうしたの?こんなところで」

結衣「ちょっと不良に注意をね」

駿「不良?おっかないなぁ、進学校にもいるんだねぇ」

結衣「・・・はぁ、彩ちゃんの方はどうしたの?」

戸塚「僕はテニス部でちょっと用事があったから・・・」

駿「女子テニス部も大変だねえ」

結衣「同じクラスだし!大体彩ちゃん男の子だし!」

駿「男?こんな可憐な子が?」

戸塚「あの、僕、本当に男の子です・・・」

駿「世界は広いんだねぇ」

結衣「ほんと人を覚えないんだから!」プンプン

戸塚「僕は秋山君のこと知ってるよ?テニス上手だよね」

結衣「そうなの?」

駿「さぁ?いつも壁に向かって打ってるだけだからねぇ」

結衣「・・・」

戸塚「フォームも綺麗だし反射神経もすごいし、何より素早いんだよ!」キラキラ

結衣「そーなの?」

駿「比べる物差しがないのに分かるわけないでしょ」

彩加「こないだなんか一度もボールを取りこぼしてなかったし、かなりうまいと思うよ!」

結衣「アッキーに意外な才能が・・・」

駿「別にテニスやる気ないからどうでもいいけどねぇ」

戸塚「もったいないなぁ、僕なんか上手くなりたくて仕方ないのに・・・」

駿「とりあえず練習してたらいいんじゃないの?」
戸塚「秋山君にも手伝って欲しいな・・・」

駿「え、嫌だよ?」

結衣「あ、それなら奉仕部で・・・」

部室

雪乃「事情は分かったわ」

結衣「じゃあ決まりね!」

戸塚「よろしくお願いします!」ペコッ

駿「それで?具体的には何して戸塚君を育てるの?」

雪乃「簡単よ、死ぬまで走り込んで死ぬまで打ち込んで死ぬまで練習するのよ」ニコニコ

駿「それだと死ぬじゃない・・・」

結衣「あたしも思った」

戸塚「頑張る!」

雪乃「その意気よ、早速練習しましょう」

練習中

戸塚「はあはあ」

駿「頑張るねえ」

戸塚「強くなりたいんだ!」ゼエゼエ

駿(冴島さんなら弟子とってたからこういうの得意そうだね)ピッピップルルルルル

冴島「なんや秋山?出入り(喧嘩の隠語)か?」

駿「いえ、そういうんじゃないです、実は・・・」

冴島「はぁ?テニスの兄ちゃんを育てろやと?」

駿「そうなんですよ、なんか頼まれちゃって」

冴島「ほぉん、お前には借りあるからな、行ったるわ」

駿「ほんとどうもすみませんね、場所は・・・」

冴島「わかった、総武高校やな?」

駿「よろしくお願いしますね」ピッ

結衣「誰と話してたの?」

駿「特別コーチ」

雪乃「?」

戸塚「ありがとう秋山くん!」

黒塗りセダン軍襲来

ザワザワ!

組員「お疲れさまです!」

冴島(ジャージ姿)「おう」ズンズン

組員「親父、こないなとこで何用なんですか?」

冴島「ちょいと恩人に呼ばれてな、俺一人でいくからお前らは目立たんとこで待っとれ」

組員「へいっ!」ペコッ

冴島「ほんだらいっちょいったろかい」ズンズン

テニスコート

冴島「おう秋山、来たで」

駿「待ってましたよ、冴島さん。お久し振りです」

冴島「そないかしこまんなや、同じ主人公やないけ」

駿「そういうわけにもいきませんよ」

冴島「そんで?テニスの兄ちゃんが見当たらんのやけど」キョロキョロ

雪乃結衣戸塚「」

駿「彼がその兄ちゃんですよ」

戸塚「よ、よろしくお願いします!」ペコッ

冴島「秋山、これ姉ちゃんやないかい!」

駿「確かに見えませんけど、これでも男なんですよ」

冴島「むぅ・・・そら済まんかった」ペコッ

戸塚「え!?あの、気にしないでください!」

冴島「ほうか?ほんならとりあえず体力チェックから始めよか」

戸塚「はい!よろしくお願いします!」

冴島「おお、気持ちのええ兄ちゃんやのう」

雪乃「秋山くん」チョイチョイ

駿「ん?どしたの?」

雪乃「明らかに危険そうなのだけれど・・・」

結衣「すごく怖いよ・・・」ブルブル

駿「普通にいい人だよ?ちょっとでかいから威圧感はあるけどね」ケラケラ

雪乃「二メートルくらいあるわよ?ちょっとではないわ」

駿「確か闘技場のデータだと190だったんだけどなぁ、確かに見えなくもないよね」ヘラヘラ

結衣「アッキーも背が高いのにあの人さらに大きいよ・・・」

雪乃「闘技場?」

駿「あ、そこは気にしないで」

雪乃「わ、忘れておくわ・・・」

冴島「おう秋山!」

駿「なんですか?」

戸塚「」チーン

冴島「この兄ちゃん倒れてしもた」

雪乃結衣「!?」

駿「あらら」

戸塚「・・・はっ!」ガバッ!

結衣「彩ちゃん大丈夫!?」

雪乃「何があったのかしら?」

冴島「いやな?体力チェックはそこそこやったから、ラリー言うんか?それやっとったら兄ちゃんの頭に当ててしもて」

戸塚「大丈夫です、まだやれます」

冴島「あかん」

戸塚「でも・・・」

冴島「ちょうどええわ、一旦休憩せえ、その後しごいたる」

駿「コーチの言うことは聞いといた方がいいよ?あの人の弟子、結構良い腕してるからね、聞いといても損はないよ」

冴島「そない誉めるなや」テレテレ

雪乃「弟子・・・?」

結衣「すごい人だった!」

冴島「お!エエこと思い付いたわ、秋山、俺とテニスしようや」

駿「ええ!!俺が!?」

冴島「お前と桐生と品田と谷村くらいしかやりあえる知り合いおらんからな、たまにはええやろ?」

雪乃「品田?聞いたことあるわね・・・」

結衣「どうせいかついんだろうなぁ」

駿「分かりました、胸を借りますよ?冴島さん」キリッ

冴島「上等じゃい、始めよか」

結衣雪乃(普段からそうしてればいいのに・・・)

戸塚「二人とも頑張って!」


試合開始!

♪バトルのテーマ

駿「サーブは?」

冴島「お前からでかまへん」

駿「お言葉に甘えて」スッ・・・

駿「っらぁ!」パコーン!

秋山のサーブは速く、そして的確にコートを捉えていた。

冴島「おらぁ!」ドゴォ!

大型バイクを振り回す腕力と190センチのリーチ、そして93キロの体重というヘビィ級の規格を活かしすさまじい威力で返す冴島。

駿「おぅらぁ!」パコーン!

秋山も自信の素早さとセンスで冴島の圧倒的な腕力に対抗、冴島の腕力を封じる位置に打球を叩き込む。

冴島「甘いわ!」ドゴン!

数割り程度冴島の馬力を封じているとはいえ、
やはりヘビィ級、強力無比なのは相変わらず。

駿「ちいっ!」バコーン!

持ち前の素早さで打球をいち速く捉え、腕力を捩じ伏せるべく打ち返す

結衣「すごい・・・」

雪乃「あの大男と秋山君が渡り合うなんて・・・」

戸塚(僕もこういう風になりたい!)

この時、戸塚彩加の胸中に己が理想とする選手像が出来上がっていた。

駿「ほんとバケモンですね!」パコーン!

冴島「ワレも大概やるやないけ!」ドゴォ!

ポイントは0ー0、ラリーが始まり五十が過ぎる頃

優美子「あれ?テニスやってんじゃん」

葉山「あれは秋山と・・・誰だあの大男?」

冴島「どらぁ!」ドゴン!

駿「うおらぁ!」パコーン!

後に雪ノ下雪乃は語る

雪乃「ええ、全くの互角でした、私も運動神経には自信がありますが・・・あのレベルとなると不可能です」

「それはつまり・・・」

雪乃「同級生に、生まれて初めて敵わないと悟った瞬間でした」

「よほど名のあるテニスプレイヤーだったんですね」

雪乃「私も、その道のプロ相手に勝つ、負けるなどは考えません」

「それはつまり」

雪乃「秋山君が呼んだあの大男は、確かに弟子を育成してはいるようですが、格闘技でした」

「格闘家がですか・・・」

雪乃「ええ、だから勝てないと悟ったんです」

雪ノ下雪乃が、世界の広さを知ることとなった出来事である

駿「はあ・・・はあ・・・」パコーン

冴島「はあ・・・はあ・・・」ドゴォ!

戸塚「あの、そろそろ休憩終わりませんか?」

駿「そんじゃ、先にポイントとった方の勝ちってことで」ゼエゼエ

冴島「せやな、それで決めよか」ゼエゼエ

結衣「彩ちゃんの練習だったよね?」

雪乃「確か、きっかけはそうだったわね」

戸塚「正直、フルで試合をみたいけど時間がね」

駿「お次は冴島さんからサーブで」

冴島「公開すんなや」スッ・・・

この瞬間、秋山の脳裏に浮かんだのは巨大な大砲だった

駿「ーーーーっ!」ゾッ

冴島「おらぁぁぁぁ!」ドッゴオオオン!

幸いテニスのルール上、一度コートにボールを叩き込むのが必須、それが秋山を救った

駿「っっっっらあぁぁぁ!!」パコーン!

これが秋山や冴島たちの普段行っている『喧嘩』ならば、間違いなくこの殺人サーブで秋山は昏倒を免れない、しかし一度コートで勢いを殺した打球を、秋山は辛うじて返すことができた。

冴島「なにぃ!?」スカッ

このサーブで秋山に勝てるといった慢心が、冴島の反応を遅らせた。ましてや秋山は速球を得意とする、その秋山相手の冴島の遅れは致命的である。

駿「俺の勝ちですね」ゼエゼエ

秋山駿、合計195回に及んだラリーに勝利!

ワーーーーーーー!スゲーーーーーー!

冴島「やるやんけ秋山、俺の完敗やわ」

駿「たまたまですよ、それに喧嘩じゃあ冴島さんに勝てませんから」ヘラヘラ

冴島「喧嘩もお前が命懸けなら分からんわ」

雪乃「試合に見いってしまったわ」

結衣「こういうのが名勝負なんだね!」

戸塚「二人ともすごい!」

駿「てか、いつの間にこんな観客集まったの?」

冴島「やっぱ人間、真剣勝負に呼ばれるようやな」

葉山「秋山!すごいじゃないか!」

優美子「あんた何者?プロでもなかなかいないレベルなんだけど」

冴島「こら戸塚の兄ちゃんのコーチは持ち越しやな」

駿「ですね」

雪乃「解散しましょう」

全員「了解」

撤収後

冴島「次勝負するときは負けへんで」

駿「受けてたちますよ」

戸塚「今日は勉強になりました!ありがとうございました!」ペコッ!

冴島「半端になってすまんのう」

戸塚「いえ、何か掴めたような気がします」

冴島「ほんならええわ、せやけど今日は時間とれてんけど忙しいときは戸塚の面倒見られへんのやわ。堪忍な」

戸塚「そんな、気にしないでください」

冴島「そこの秋山なら兄ちゃんのええ先生なれると思うで、世話なってみるんもありとちゃうか?」

駿「え、嫌だよ?」

冴島「秋山ぁ!」

駿「は、はい?」ビクッ

冴島「真剣になっとる人間の面倒くらい見たらんかい!オドレは真面目なクラスメイトの気持ちにまでええ加減なんかい!?おお!?」ズイッ

駿「えー・・・」

戸塚「冴島さん・・・」

駿「・・・」ンー

冴島「このガキャ相変わらずええ度胸しとるのう・・・」ハァ・・・

戸塚「僕、秋山くんに自分の力で教わります!」

駿「だから嫌だよ?」

冴島「弟子入り前の座り込みゆうやっちゃな」

駿「困るんだけどなぁ」

冴島「まああれや、俺も曾田地のとこで教えることなったんも最初は気ぃ乗らんかってんけど、師匠いうんもやるとおもろいで」

戸塚「秋山くん!弟子にしてくれるまでは逃がさないからね!」

冴島「根性あるやっちゃ」ゲラゲラ

秋山「まあ、今日はありがとうございました」

冴島「おう、またの」ノシ

戸塚「ありがとうございましたー!」

冴島「おう!戸塚も秋山も元気での!」

着替え中の奉仕部室

雪乃「!・・・思い出したわ!」

結衣「なにが?」

雪乃「ほら、あの冴島って大男のことよ!」

結衣「そうなの?もしかしてプロレスの人?」

雪乃「違うわ、私の記憶が正しければ・・・冴島大河、東城会の大幹部よ」

結衣「・・・ヤクザだよね?」

雪乃「間違いなく」

結衣雪乃「・・・」

雪乃「今日のこの事は忘れましょう、それがお互いのためよ」

結衣「うん・・・」

ガラガラ!

駿「戸塚が今日のことで礼を

雪乃(下着姿)「・・・」

結衣(下着姿)「・・・」

駿「出直すよ」クルッ

結衣「アッキーのバカッ!」ブン!

駿「おっと」ヒョイ

雪乃「・・・」ブン

駿「いてっ!」ガン!

戸塚「秋山くん大丈夫?」

駿「平塚ちゃんのノックをしない癖が移っちゃった」ヘラヘラ

翌日 塾

秋山「それでは、御返済を確認致しました。今後ともうちをご贔屓にお願いしますね」ペコリ

講師「それにしても、本当にあんな審査なのに無利子無担保で良かったんですか?」

秋山「思い付きで審査はしておりますので。ああ、無理な審査はしませんので次からも安心して借りに来てくださいね」

講師「何かあればお世話になります」

秋山「では、ここらで失礼します」ペコリ

塾前

秋山(保証人立ててりゃそりゃ無茶なこと言わないよ。ホント、客層もピンきりだねぇ、そこが面白いんだけどさ)スタスタ

沙希「・・・」ポスターを見ている

秋山(あれ?あの子、どっかで見たなぁ、どこだっけ?)

沙希「・・・」テクテク

秋山(何見てたんだ?どれどれ・・・進学?ふうん、不良っぽいのにそんなの考えてるんだねぇ・・・ん?これは・・・便利な制度もあるもんだ)フムフム

ファミレス

秋山「うーん、ドリンクバーとペペロンチーノで」

店員「かしこまり!すぐお持ちしナス!」

秋山(グラサンくらい外せばいいのに・・・)スパスパ

雪乃「由比ヶ浜さん、ここの式の値は分かるかしら?」

結衣「うーん・・・」

雪乃「まだ二問目よ、掛ける時間は早い方がいいわよ」

秋山「急かしてやるなよ、この子みたいなのは教えるのに根気がいるんだからさ」

雪乃「あら秋山くん」

結衣「あれアッキー?何してるの?」

秋山「ちょっと近くで用があってね、それを済ましてきたんだよ」

戸塚「秋山くん!」

秋山「戸塚もセットなんだね」

戸塚「秋山くん!テニスしない!?」

秋山「しないよ」

戸塚「残念」シュン

小町「大志くん、お兄ちゃんなら夜の人だからそういうの詳しいかもしれ・・・お兄ちゃん!」

大志「この人がお兄さんですか!カッコいいですね!」

雪乃結衣戸塚「お兄ちゃん?」

秋山「俺の妹」

小町「おー!お兄ちゃん!ケバくない友達もいるんだ!」

秋山「この三人は知り合い、あとはわかるな?」

小町「まーたこのお兄ちゃんは・・・」

秋山「それより、その連れてる子なに?」

大志「初めまして、川崎大志っていいます!」

結衣「とりあえず皆座りなよ」

秋山「それで?さっき俺ならどうとかまでは聞き取れたんだけど」

小町「大志くんのお姉さんが朝まで帰ってこないみたいなんだよ」

秋山「お姉さんいくつ?」

大志「十六です・・・お兄さん達と同い年です」

秋山「ふーん、普通に男のとこなんじゃないの?」

大志「聞いたんですけど違うみたいです」

結衣「んー、じゃあ遊んでるとか?」

秋山「遊ぶったって、歓楽街によく行くけど君たちくらいの子は見ないけどねぇ」

雪乃「あなたの夜遊びも考えものね」

秋山「それやめたら飯食えないよ、勘弁してよ」

小町「小町的にも困りますね」

秋山「それに、花ちゃん一人じゃさすがに無理あるしねぇ」

雪乃「そこは置いておきましょう」

戸塚「???」

秋山「で?そこ大志くんのお姉さんはどこの高校の人なの?」

小町「お兄ちゃんと同じみたいだよ?」

結衣「川崎・・・沙希?」

秋山「あれ、知ってるんだ」

結衣「お!な!じ!ク!ラ!ス!」

戸塚「川崎さんかぁ、確かに結構遅刻してるよね」

秋山「朝まで帰らないならそりゃなるよな」

大志「お願いします!姉の朝帰りの原因を突き止めてほしいんです!」

雪乃「分かったわ、任せてちょうだい」

大志「ありがとうございます!」

秋山「ふーん、頑張ってねー」ノシ

ガシッ!

雪乃結衣「あなた(アッキー)も頑張るよね?」

秋山「やりゃいいんでしょやりゃあ」ハア・・・

翌日 学校

秋山「さてと、あれが川なんとかさんだねぇ。どっかで見たな・・・?」

結衣「川崎さんだから!」

雪乃「私たちが直接聞いても話さないでしょうから、何か手を考えましょう」

秋山「人生を長く生きるあの先生をけしかけてみますか」ヘラヘラ

雪乃「言い方に悪意があるわね」

職員室

秋山「ってことで、頼めない?平塚ちゃん」

静「君のその態度は癪にさわるが・・・良いだろう」

沙希「先生は自分の結婚とか考えた方がいいよ、マジで」

静「」チーン

秋山「あーあ、失敗かぁ」

雪乃「結婚の話を出した瞬間に沈んだわね」

結衣「先生・・・」

静「もうおうち帰る・・・」グスッグスッ

秋山「最悪俺が貰ったげるから安心しなよ」キリッ

静「うっ/////お、大人をからかうなぁー!」ダダダダ!

秋山「結構本気なんだけどなぁ」

雪乃「・・・」

結衣「本気・・・」グヌヌ

カマクラ作戦

雪乃「にゃあ」

カマクラ「にゃー」

秋山「雪ノ下ー、川なんとかさん、猫アレルギーだってさ」

雪乃「・・・あなたは、何も見てない、そうよね?」

秋山「え?何が?」

雪乃「あなたは私が猫ににゃあと話しかけたところなんか見ていない、そうよね!?そうでしょ!?」ユサユサ!

秋山「見てない!見てないから!揺らさないで!お願い!」ガックガック!

雪乃「ならいいわ」パッ

秋山「ったく」

セツゲーカー♪

雪乃(演歌・・・)

秋山「はいはい、小町じゃないの?」

大志「小町さんの携帯を借りてます、それより、さっき電話があって・・・」

秋山「うん、うん、分かった、調べるよ」ピッ

雪乃「何か分かったのかしら?」

秋山「エンジェル何とかって店から電話があったみたいだねぇ」

雪乃「調べましょう」



メイド喫茶

秋山「営業時間的にエンジェルってつく店はここともう一店舗だけだしねえ、入りますか」

材木座「うむ、いざ参らん!」

結衣「なんでちゅうにまで?」

秋山「何か、たまたま会って、この店にいったことあるみたいだから」

材木座「ここは楽園ぞ、メイドさんにチヤホヤされるのだ!」

秋山「チヤホヤ、ねえ」ヘラヘラ

結衣「・・・」クイッ

秋山「由比ヶ浜?」

結衣「何か、イヤな感じ・・・」ムスッ

雪乃「とにかく入りましょう」

店内

店員「お帰りなさいませご主人様!お嬢様!」

材木座「あ、四人です」

秋山(ふーん、教育が行き届いてるねぇ、うちのキャストの教育にも使えそうだ)

秋山は冥土の極みを覚えた!(使いません)

雪乃「秋山くん、ここはメイド服の試着も出来るそうだから、探るために行ってくるわ」ヒソヒソ

結衣「アッキー、待っててね!」

店員「お待たせ致しました!天使のお豆さんのコーヒーとワッフルワッフルです」

秋山「どうも」

材木座「いただきます」

秋山「普通のコーヒーだねぇ」ズズズー

材木座「メイドさんが運ぶとか一緒に写真とれるとか以外は普通なものだ」モサモサ

秋山「ま、キャバクラでもキャストでもってるようなもんだしねぇ」

材木座「キャスト?」

秋山「あー、こっちの話」

材木座「??????」

結衣「アッキー・・・どうかな?////」モジモジ

秋山「おおー、可愛いじゃない」

結衣「/////」カーーー!

雪乃「どうやらここには川崎さんはいないみたいね、シフト表に彼女の名前がなかったわ」

秋山「ハズレか、雪ノ下も似合ってるねぇ」

雪乃「そ、そう」////

秋山「となると、あっちの方か」

雪乃「そうね、行きましょう」

ホテルのバー

秋山「遅いな・・・」

雪乃「少し遅れたわ」

結衣「ゴメンアッキー!着るのに手間取って!」

秋山「入りますか」

雪乃「材木座君は?」

秋山「ドレスコードを突破できる服がなかった、俺の服も入らなかった」

結衣「なるほど・・・」

バー内

沙希「・・・」カチャカチャ

秋山「この店って山崎の三十年ものある?」

沙希「あんた、あたしと同じクラスでしょ」

秋山「ありゃ、ダメ?」

沙希「ダメ」

雪乃「川崎さん、こんなところでアルバイトしていたのね」

結衣「川崎さん・・・」

沙希「あんたらには関係ないでしょ」

雪乃「そういうわけにはいかないの、こちらも頼まれているのよ」

結衣(大人な雰囲気だー)キョロキョロ

秋山「それにさ、そろそろ時間が許さない、なのにまだ仕事してるのはどうしてだろうねぇ?」ヘラヘラ

沙希「さあね」

結衣「どういうこと?」

雪乃「十八才未満は夜働けないのよ」

結衣「そういえばそっか」

秋山「ま、そんな風に働いてる奴なんていくらでもいるけどさ」ヘラヘラ

結衣「そこ認めたらダメじゃん!」

雪乃「どういうつもりかしら?」

秋山「帰る場所があって、心配してくれる家族がいるのにこんなことするなんてねぇ」

沙希「進学のために金がいるんだ、それともあんたが必要な金を出してくれるっていうの?」

秋山「金を稼ぐには働かないとね、それなりに働くならそれに見合った金を払えるよ?」

雪乃「まさかあの店で・・・」

結衣「ええ!?」

秋山「ま、それは最終手段、現実的な話をしてやるから朝の五時に駅前のハンバーガー屋に来てみてよ、損な話じゃないからさ」ヘラヘラ

沙希「・・・分かった」

ハンバーガー屋

秋山「そろそろ来るねぇ」

雪乃「・・・」

結衣「眠い・・・」

小町「お兄ちゃんは沙希さんをどうする気なの?」

大志「どうするって・・・」

秋山「まあまあ、あいつが来たら分かるしさ」ヘラヘラ

沙希「来たよ」

大志「姉ちゃん」

沙希「あんた・・・」

秋山「夜ふらつく俺が言うのもなんだけどさ、金を稼ぐよりも大事なもんがあるんじゃない?」

沙希「あんただったんだね」

大志「姉ちゃん、バイトしてたんだ・・・」

沙希「あんたも来年は高校生でしょ、あたしも進学したいし、それで・・・」

小町「あのー、お兄ちゃんはこんなですけど、これでも小町を養うために夜に・・・いや確かに遊んだしてますけどね?それでもやるしかないから夜に働いてるんです」

雪乃結衣「・・・」

沙希「だけどこいつは金持ちでしよ?時計と靴で分かるよ」

秋山「金を稼ぐのは、誰かに使われるだけじゃないんだよねぇ」ヘラヘラ

沙希「・・・」

秋山「そういうこと、あのホテルだって、誰かが儲けてるもんなんだからさ、そこに気付いてないと大きい金は稼げないよ」

沙希「それもそうだね」

秋山「それに、君は本来働く必要は恐らくない、塾に通ってるよね?」

沙希「なんで知ってるの?」

秋山「ちょっと用事があってね、そのときに君を見かけたんだよ、で、あそこにはスカラシッブって制度があって・・・」

秋山「解決解決」

雪乃「それにしても、あなた塾なんて通ってたのね」

結衣「だから成績いいんだー」

小町「通ってませんよ?」

秋山「通ってないよ?」

結衣「じゃあどうして?」

秋山「そりゃぁ、俺の客がいたからだよ?」

雪乃「あの会社の・・・」

秋山「もう二度と来ないだろうけどねぇ」

結衣「どういうこと?」

秋山「いや、だって付き合いで神室町で飲んでたら手持ちの金無くしただけみたいだし?」

雪乃「そういうこと・・・」

秋山「ま、川なんとかさんがうちで働いてくれると花ちゃんも楽できそうだからそれはそれで良かったんだけどさ」

結衣「川崎さんを雇うの!?」

秋山「もちろん十時まででね」

雪乃「めちゃくちゃね」

結衣「あたしも働きたい・・・」

秋山「んー、雪ノ下ならともかく、由比ヶ浜は難しいかな?」

結衣「ひどいよアッキー!」

秋山「いやー、だって数字に強くないと難しいし」

小町「小町も同じ理由で手伝ってません!」

秋山「それはそれで困るんだけど」

小町「頑張ります!」

雪乃「そろそろ帰りましょう」

帰り道

小町「お兄ちゃんが部活なんてねー」

秋山「俺もやりたくないんだけどねぇ」

小町「それにしても、お兄ちゃんが仕事の話を教えるなんてねー」

秋山「つけられちゃってさ」

小町「なるほどー」

秋山「まあ、実害ないし無問題でしょ」

小町「適当だなぁ」

秋山「さっさと帰るぞ」

小町「はーい」

別の日奉仕部

雪乃「あら、秋山くん」

秋山「どうも、由比ヶ浜は休みだってさ」

雪乃「そう」

秋山「・・・」ストン

雪乃「・・・」ペラッ

秋山(お、この銘柄は買いだね)タンタン

雪乃「そういえば」パタン

秋山「ん?どしたの?」タンタン

雪乃「由比ヶ浜さんの誕生日が近いのだけれど」

秋山「ふーん」タンタン

雪乃「それで、あなた、随分と女性を泣かせているようだから聞きたいのだけれど」

秋山「泣かせてないよ?いや、ゼロじゃないけどさぁ」タンタン

雪乃「そんな女の敵の秋山くんに聞きたいのだけれど、あなたは女性のプレゼントの好みを知っていそうよね?」

秋山「んー、ケバい子達なら大体好みが分かるんだけど、俺位の年のやつの好みは知らないねぇ」

雪乃「そう・・・」

秋山「なに?プレゼントでもする気なの?」

雪乃「わ、悪いかしら////」

秋山「悪くはないねぇ、ただ君がするとは思わなくて」

雪乃「私だって、友人くらいにはプレゼントはするわ」

秋山「ふーん、そういえば、一方的に俺のこと友達だって奴がさ、誕生日に何リクエストしてきたか聞きたい?」

雪乃「・・・少し興味があるわ」

秋山「なんと現金百万円だってさ」ヘラヘラ

雪乃「・・・」

秋山「なめられてるってよーく分かったし、腹も立ったから半殺しにして縁を切ったねぇ。他にもあるけど聞く?」

雪乃「やめておくわ」

秋山「友達なんてさ、ある程度張り合える奴じやないと友達になれないもんなんじゃないの?」

雪乃「そんなこと

秋山「無いとは言わせないよ?持たざる者は持つものにすがるんだよ、多分アイツは君から離れてくんじゃないかな?」

雪乃「・・・」

秋山「いやごめん、ホントにそうなるかは知らないけどさ、君みたいな子が心を開く人間を増やすと壊されちゃうんだよねぇ」

雪乃「あなたは、そういうところを見てきたの?」

秋山「見てきたよ、最初は皆舞い上がるんだ。だけど次第に壊れていく、毒が廻っていって最後には動けなくなるんだ」

雪乃「それは、どうすれば避けられるのかしら?」

秋山「使うんだよ」

雪乃「使う?」

秋山「簡単だよ、そうやって頼ろうとする奴を使うんだ、そしたら最低限身は守れるんだ。」

雪乃「そういう・・・」

秋山「悪く言えば利用するとも言うかな?ま、人を都合よく使おうってする人間ほどそこのアンテナが鋭いから、百人中何人使えるかで器が決まるんだよねぇ」

雪乃「・・・」

秋山「結局のところ、やることは一つで、主導権の取り合いだから。難しく考えないこと、相手に『頼む』んじゃなくて『期待』することがミソかな?」

雪乃「期待・・・」

秋山「他にもあるよ?こちらは『大したことに思ってません』と余裕を見せることも肝心だねぇ」

雪乃「あなたもそれはしているのかしら?」

秋山「そういやしてないねぇ」

雪乃「ならダメじゃない・・・」

秋山「最近は、だよ」ヘラヘラ

雪乃「!」ムッ

秋山「ああそうだ、雪ノ下、コーヒー買ってきてくれないかな?いつでもいいけどさ」

雪乃「嫌よ」

秋山「そっか、雪ノ下なら買ってきてくれると思ったけど仕方ないか」ヘラヘラ

雪乃「なんのつもりかしら?」

秋山「いや別に?ぜーんぜん大したことじゃないよ?」ヘラヘラ

雪乃「分かったわよ、買ってきてあげるわ」ガタッスタスタ

秋山「よろしくー」ヘラヘラ




二分後

雪乃「か、・・・買ってきてあげたわ」ゼェゼエつコーヒー

秋山「ほら引っ掛かった」ヘラヘラ

雪乃「え?・・・っーーーー!//////」キッ!

秋山「いやー、面白いくらい見事に引っ掛かってくれたねぇ」ヘラヘラ

雪乃「//////」

秋山「けど、人の上に立つ以上、こういった人の性格を把握してそれに基づいた使い方をしないとね」つ五百円

雪乃「お釣りを返すわ」ゴソゴソ

秋山「お駄賃がわりにお釣りはあげるよ。・・・もちろん、これにも意味があるよ?ただ人を使いっぱなしだと不満が残るからね、報酬で不満を相殺するんだよ」ヘラヘラ

雪乃「・・・」

秋山「もっとも、殆どの会社って百二十円稼いできてもらってもその半分の六十円も払わないもんだけどね」ヘラヘラ

雪乃「悔しいけど勉強になったわ・・・」ムスッ

秋山「怒らないでよー、勉強んなったでしょ?」ヘラヘラ

雪乃「怒っていないわ」ムスッ

秋山「怒ってないとして、今の気分を変えてくれないとせっかくの雪ノ下が買ってきてくれたコーヒーが不味くなるねぇ」ヘラヘラ

雪乃「/////」

秋山「お、機嫌なおった」

雪乃「/////」ムスッ

秋山「気難しいなぁ、由比ヶ浜のプレゼント、俺も選んでやるから機嫌直せよ、な?」

雪乃「掛かったわね」ニヤリ

秋山「!!!」

雪乃「なるほど、こうするのね」

秋山「こりゃ、一本取られたねぇ」ヘラヘラ

日曜日ららぽーと

秋山「お待たせ」

雪乃「行きましょう」

秋山「何を買うつもりなの?」

雪乃「見て回って決めるつもりよ」

秋山「好みとか分かんないからねぇ」

雪乃「目星はついているのだけれど・・・」

秋山「決めかねてるって感じか」

雪乃「そうなのよ」

秋山「ま、何かをもらうことに意味があるだろうから、変なのじゃなきゃ嬉しいと思うよ?」

雪乃「そう・・・」

秋山「服でも見に行きますか」

雪乃「そうしましょう」

服屋

秋山「そろそろジャケットも暑い時期なんだよねぇ」

雪乃「・・・」グイグイ!

秋山「雪ノ下?何でそんなに服を引っ張ってるの?」

雪乃「いえ、丈夫なほうがいいかと思って」グイグイ!

秋山「いらないでしょそんなの」

雪乃「・・・そうかしら」

秋山「由比ヶ浜のイメージ的に、なんかこう・・・そうだな、頭の悪そうなデザインで見てやったらどうかな?」

雪乃「酷い言いようなのだけれど、納得してしまうから困るわね」

秋山「ま、頑張ってね、俺も見繕うからさ」

雪乃「これにするわ」つ頭の悪そうなエプロン

秋山(お、これいいかも)

休憩

秋山「さてと、買うもん買ったし、帰る?」

雪乃「・・・」ジー

パンさん(めっちゃ見られとる)

秋山「何?パンさん好きなの?」

雪乃「そうよ、何かおかしいかしら?」

秋山「おかしかったら問答無用で笑うよ」

雪乃「そ、そう・・・」

秋山「俺もお金好きだしねぇ」

雪乃「俗物・・・と言いたいところなのだけれど、妹さんを養うために必要なのよね」

秋山「それも大いにあるけどさ、稼いでて思うんだよ、楽しくてやってるんだなってさ」

雪乃「・・・」

わん!わん!

サブレ「へっへっへっへっ!」ゴロン

秋山「ん?この犬どっかで」

結衣「すみませーん!うちのサブレが・・・ゆきのんとアッキー!?」フラッ

秋山「奇遇だねえ、俺たちは

結衣「わー!わー!聞きたくない!」

雪乃「由比ヶ浜さん、私たちは

結衣「い、今からサブレペット美容室に連れていくとこだから!またね!」ダダダ!

秋山「なんなんだ?」

雪乃「さあ・・・」

陽乃「あれえ?雪乃ちゃん?」

雪乃「姉さん・・・」

秋山「お姉さん?確かに似てるねぇ」

陽乃「おー!こりゃまたイケメン連れちゃってー!背も高いしお金持ち!しかも守ってくれそうな彼氏だねー!」

雪乃「そんな関係ではないわ」

秋山「初めまして、妹さんにはお世話になっております、秋山と申します。同じ部活でしてね」

陽乃「初めましてー♪あたしは雪乃ちゃんの姉の雪ノ下陽乃って言いまーす♪」ズイッ

秋山「こりゃどうも」

陽乃「秋山くん、妹を泣かせたら承知しないからね!」

雪乃「だから秋山くんは・・・」

陽乃「それじゃ、邪魔しちゃ悪いからあたしは帰るね!バイバイ!」

雪乃「はあ・・・」

秋山「すごい人だねぇ」

雪乃「よく言われるわ、明るくて聡明で・・・」

秋山「人の心を掴むのがうまくて、カリスマがある・・・かな?」

雪乃「ええそうよ、秋山くんのいうとおりよ」

秋山「いやいや、俺が言いたいのはあそこまでそういう風に振る舞えるってところだよ」ヘラヘラ

雪乃「!」

秋山「俺のこと、金持ちでそこそこ喧嘩出来るって見抜いてたし、人を値踏みするのに慣れてるよねぇ」ヘラヘラ

雪乃「驚いたわ、姉さんの本性を見抜いたのはあなたが初めてよ」

秋山「いやぁ、そんなことないと思うけどねぇ、こないだ会った冴島さんとか桐生さん、谷村君もきっと見抜けるよ?」

雪乃「冴島さん以外知らないのだけれど・・・」

秋山「ま、世界は広いんだ、ああいうタイプもいるってだけだよ」ヘラヘラ

雪乃「それではそろそろ帰りましょう」

秋山「ほいほい」

帰り道

秋山(あのバカそうな犬・・・どこで見たんだっけ?)ンー

秋山「!」

秋山(閃いた!天啓が・・・・・・来たっ!)ピーン!

回想 総武高校入学式当日

秋山(一年生になって友達百人とか辛いだけでしょ、そんなの)テクテク

結衣(スッピン黒髪)「あ!サブレ」

サブレ「わん!わん!」テテテテテテテ

黒い高級車「!」キイイイイイイイ!

秋山(俺なら間に合う!)サッ!

黒い高級車「ほっ」ブウウウウウン・・・

サブレ「わん!わん!」ペロペロ

秋山「可愛いもんだ」ナデナデ

結衣「サブレ!ダメでしょ!」

秋山(何か礼を言われるのも面倒だし消えよ)ソソクサ

結衣「あの人・・・あたしと同じ学校なんだ・・・」

回想終わり

秋山「思い出した!あの犬は由比ヶ浜の犬だったのか!ってことは・・・そりゃアッキーとか言われるわ、犬の恩人だもん」

秋山(あースッキリしたー、プレゼント買い直そ。このパジャマは小町にあげよう)スタスタ

陽乃(やっぱあの子、雪乃ちゃんの入学式に行く途中に轢き掛けた子だ・・・あんな速度のスウェイは初めて見たから覚えてたんだよね)

陽乃(これまた変な縁で繋がってるなぁ・・・楽しいからいいけど)

秋山「へっくしょい!」ズズッ

翌日

秋山「カラオケ?」

結衣「うん!カラオケ!」

雪乃(どうするの?秋山くん)ヒソヒソ

秋山(誕生日だし、付き合ってやろう)ヒソヒソ

結衣「・・・」

雪乃「分かったわ、行きましょう」

秋山「俺もいいよ」

結衣「うん・・・ありがと」

道中

材木座「ん?駿ではないか!」

秋山「おー材木座か、ダイエットノベルは書けてるの?」

材木座「ライトノベルだ!」

秋山「先に体重をライトにしないと」

材木座「誰がうまいこといえといった!?」

秋山「まあまあ」

材木座「それより何をしているのだ?」

秋山「ん?カラオケに行くとこ」

材木座「そ、そうか・・・」ソワソワ

結衣「?」

雪乃「・・・」

秋山「どしたの?そわそわして」

材木座「我も参加したいといいますか・・・」モジモジ

秋山(だって、どうする?)ヒソヒソ

結衣(んー、知らない仲でもないし、いいんじゃない?)ヒソヒソ

秋山「いいよ」

材木座「感謝いたします!」ペコリ!

秋山(あ、だけど由比ヶ浜のプレゼント用意してきてね)ヒソヒソ

材木座(む、分かった、手帳でも買ってこよう)ヒソヒソ

秋山(渋いのはダメだよ、ファンシーなやつで)ヒソヒソ

材木座(承知、早速行ってくる!)ヒソヒソ

秋山「はいはい」

材木座「少し一度用を済ませてから合流させていただく!」ダダダダ

結衣「どうしたのちゅうに?」

秋山「さぁ、何か買い忘れがあるみたいだったねぇ」ヘラヘラ

カラオケ『ネズミの国から』

秋山「さてと、手続きしてくるよ」

材木座「おまたー」

結衣「どこいってたのちゅうに?」

材木座「買い忘れたものがあってな」

結衣「ふーん?」

雪乃(どうやって手続きするのかしら?気になるわね)ソワソワ

秋山「はい、よに

戸塚「秋山くーん!」

秋山「・・・五人に変更ってできます?追加料金?ああ、はいはいそりゃ当然でしょうね」

戸塚「カラオケなんか入ったから気になっちゃって」

秋山(その小包って由比ヶ浜にあげるやつ?)ヒソヒソ

戸塚(そうだよ?)ヒソヒソ

秋山「じゃ、お前も参加な」カキカキ

戸塚「うん!」

材木座「我だけすげえ疎外感!」

部屋

秋山「馬鹿みたい♪」

材木座「ヒューッ!」

戸塚「あ、そうだ由比ヶ浜さん」ゴソゴソ

雪乃秋山材木座「!」ゴソゴソ

結衣「どうしたの?さいちゃん」

戸塚「はい、プレゼント。誕生日おめでとう!」

結衣「わー!ありがとさいちゃん!」

雪乃「私からもあるわ」つフリフリエプロン

材木座「我からもあるぞ!」つファンシーな手帳

結衣「ちゅうにまで!?ありがとうね!」

秋山「はい、俺からも」つ首輪

結衣「ありがとアッキー/////」首輪を装着する犬ヶ浜

秋山「思い出したんだけどさ、君って入学式の時に犬轢かれかけたのを俺が助けた飼い主だよね?」

結衣「うん・・・やっと思い出してくれたんだ/////」

秋山「だからさ、その首輪はあの犬につけるためであって君がつけるものじゃないよ?」

雪乃「っ!くくっ!くくくくく!」プルプルプルプル

結衣「あ、アッキーのバカぁ!」/////

秋山「え!?俺が悪いの!?」

材木座「なんだこの夫婦漫才は?」

戸塚「まあまあ、楽しそうでいいじゃない」
雪乃「っ!っ!っ!」プルプルプルプルプルプルプルプル!
結衣「ゆきのんも笑いすぎだから!」
雪乃「ご、ごめん・・・くくっ!なさい!ひゅいがはまさん!っっ!」
結衣「もーーーーーー!」
秋山「ま、なんか誤解も解けたみたいだしいっか」


夏休み

秋山「花ちゃんも有給取って貰ってるしエリーゼも問題なし、暇なもんだ」

小町「おにいちゃーん、どっかつれてってー」

秋山「蒼天堀でも行く?かに道楽とかだるまとかうまいよ?」

小町「んー、それもいいんだけどねー普通に千葉県内で遊びたい」

秋山「ふーん、そんなら駅前まで行くか」

小町「あ、着替えとか水着とか持ってきてね?」

秋山「なんで?」

小町「いいからいいから♪」

秋山「?」

駅前

静「来たか、秋山」

小町「言われた通り連れてきましたよ!」

雪乃「こんにちは、秋山くん」

結衣「やっはろー!」

戸塚「やっはろー!」

夏休み

秋山「花ちゃんも有給取って貰ってるしエリーゼも問題なし、暇なもんだ」

小町「おにいちゃーん、どっかつれてってー」

秋山「蒼天堀でも行く?かに道楽とかだるまとかうまいよ?」

小町「んー、それもいいんだけどねー普通に千葉県内で遊びたい」

秋山「ふーん、そんなら駅前まで行くか」

小町「あ、着替えとか水着とか持ってきてね?」

秋山「なんで?」

小町「いいからいいから♪」

秋山「?」

駅前

静「来たか、秋山」

小町「言われた通り連れてきましたよ!」

雪乃「こんにちは、秋山くん」

結衣「やっはろー!」

戸塚「やっはろー!」

秋山「千葉村?」

静「そうだ」

雪乃「あなただけ聞かされていなかったのね」

結衣「アッキー、正直に話したらこないだろうしねー」

小町「仕事は問題ありませんので、花さんも休みですし」

秋山「まんまとくわされちゃったねぇ、行きますけど」

静「それなら話は早い、行くぞ」



休日に更新すると言ったな?あれは嘘だ

千葉村

静「ついたぞ」バタン

秋山「ゴツい車だねえ」

雪乃「荷物を置きにいきましょう」

小町「んじゃ、後でねおにいちゃーん」

結衣「・・・あの車」

優美子「あれー?結衣じゃん。雪ノ下さんも」

結衣「やっはろー優美子ー」

姫菜「秋山君と隼人君!更には戸塚君!?フォーーーーーーーー!駿隼フォーーーーーーーー!彩駿フォーーーーーーーー!」

葉山「秋山、お前も来てたのか」

秋山「おー山葉くんか」ヒラヒラ

戸塚「葉山くんだよ!?」

葉山「いや、もういいんだ」

静「君たちには子供たちの引率をしてもらう」

秋山「え?嫌だけど?」

静「いいからやれ」ブンッ!

秋山「めんどくさいなー」ヒョイッ

葉山(なぜあの速度の拳を避けられるんだ・・・?)

優美子(隼人かっこいいよ隼人)

姫菜(秋山君のニヒルな攻めが隼人くんを・・・グフフフフフ!)ダラダラ

雪乃(秋山くんは相変わらずね)

結衣(アッキーかっこいいよアッキー)

秋山(帰りたいんだけどなぁ)

小町(お兄ちゃんの嫁候補が・・・五人!)ニヤリ

静(秋山と結婚したら尻に敷いてやる)

自己紹介後

静「それでは、夕飯のカレーを作ろう!」

わー!わー!

秋山「まいったな、俺料理てんでダメなんだけど」

小町「いっつも小町が作ってたからねー」

雪乃「まあいいわ、あなたには雑用をしてもらうわ」

結衣「じゃあ、あたしが

小町「結衣さんは野菜を洗ってください!」

結衣「え?うん!わかった!」ウキウキ

雪乃秋山(ナイス)

トントントントントン・・・

秋山「小町はともかく、雪ノ下も達者なもんだ」

雪乃「一人暮らしだから、このくらい普通よ」

小町「お兄ちゃーん、お米洗っといてー」

秋山「了解」

結衣「あ、それならはい!」つ洗剤

秋山「おー、こりゃまた定番の冗談だねぇ」

雪乃「由比ヶ浜さん・・・」

小町「さすがにそれは・・・」

結衣「え?え?」

秋山「米を洗うのに洗剤はいらないよ」ケラケラ

雪乃「秋山くんの言う通りよ、そんなもの使えばお腹を壊すわ」

小町「小町は信じてますからね!冗談だって!」

結衣「うう・・・」ズーン

秋山「まあまあ、落ち込まないでよ、次しなけりゃいいんだからさ」

結衣「アッキー/////」

雪乃「・・・」ムスッ

小町(雪乃さんが妬いてる!?)

葉山「秋山、すまないが玉ねぎ余ってないか?」

秋山「いくついるの?」

葉山「二つあればいい」

雪乃「・・・」つ玉ねぎ

葉山「ありがとう、雪ノ下さん」

戸塚「・・・」ジー

秋山「戸塚はなんでニンジンをそんなに見つめてるんだ?」

戸塚「僕、ウサギが好きなんだけど、本当に美味しいのかなって」



秋山「人間なら加熱して食べないとダメでしょ?」

戸塚「わかってるよ」

秋山「そりゃそうか」ヘラヘラ

留美「・・・あ、あの」

ゆっこ「でさー」

「マジでー?」ケラケラ

留美「・・・」

秋山(おー、さすが女社会はジメジメしてるねえ)「なぁ、暇なら手伝ってよ」

留美「え?私?」

秋山「そ、俺料理さっぱりでさ、頼めない?」

留美「分かった」

「なにあいつー?」

「調子のってない?」

秋山「山葉ー!」

葉山「どうした秋山?」

秋山「ちょっとあの子達の班から一人借りたからあの子達手伝ってやってくれない?」

葉山「?構わないが」

秋山「助かるよ」

葉山「やぁ君たち、手伝うよ」

「やったー!イケメンの葉山さんが手伝ってくれるって!」

「あたし、秋山さんのがいいなー」

「私は葉山さん派だから嬉しい!」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年04月25日 (金) 00:59:02   ID: zvtqVWDT

おもしろいわ、はよ続き頼む

2 :  SS好きの774さん   2014年05月02日 (金) 02:09:31   ID: Y0SFm8Rv

続き楽しみ

3 :  SS好きの774さん   2014年09月18日 (木) 07:49:02   ID: h4bE8gBP

高校生の秋山が想像できない。

4 :  SS好きの774さん   2018年08月03日 (金) 10:31:41   ID: ULnegJ7Q

1.2.3<
頭大丈夫ですか?

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