雪乃「由比ヶ浜さん、料理をしましょう」 (18)
やはり俺の青春ラブコメはまちがっているのSSです
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結衣「え!?ゆきのん、本気で言ってる…?」
八幡「」ガタン
雪乃「あら、比企谷くん。カバンを持ってどこに行くつもりかしら」ガシッ
八幡「いや…ははは……そう!今日は小町に早く帰ってきてくれって頼まれてたんだよ!」
雪乃「…こんにちは、小町さん」プルプルプル
八幡「おい、ちょっ!」
小町『あ、雪乃さん。やっはろーです。うちの愚兄が何かやらかしちゃいましたかー?』
雪乃「いいえ。実は今日あなたのお兄さ……」
小町『いいですよー!うちの兄が役に立つかは分かりませんけど好きなだけ扱き下ろしちゃってくださーい』
八幡「おい小町!」
小町『兄が騒がしくてすみません。お兄ちゃん!あまり雪乃さんを困らせると小町泣いちゃうからねー。あ、今の小町的にポイント高いかもっ』
雪乃「こちらこそ。今日は遅くなるから申し訳ないのだけれど…」
小町『あ、全然気にしてませんからっ!それじゃあ失礼するであります!』ガチャ
雪乃「…というわけだから今日は遅くなっても大丈夫だそうよ、比企谷くん」ニコリ
八幡「後生だ由比ヶ浜…」
結衣「あはは…。あたしがんばるね、ヒッキー!」
八幡「雪ノ下……」
雪乃「安心しなさい。骨は不燃ごみに出すから」ニコリ
こうして俺たち三人は雪ノ下の自宅へと連行されていくのだった。
雪乃宅
雪乃「まず今日作るレシピは…」
結衣「ゆきのん、ゆきのん」クイクイ
雪乃「何かしら由比ヶ浜さん?」
結衣「あんまりむずかしいメニューは止めてほしいかなーって、アハハ」
八幡「賛成、賛成!雪ノ下一人で作ればなお良いと思う!」ギシギシ
雪乃「全く…椅子に自縛しておきながら何を言っているのかしら、この変態は」
八幡「ふざけんな!お前が有無を言わせず俺を椅子に縛り付けたんだろうが!」ギシギシ
雪乃「当然でしょう。あなたみたいなケダモノに家捜しされたら堪らないもの。正当防衛よ」
八幡「んなことするか!帰らせろ!」
雪乃「というわけで今日のレシピは焼き魚と味噌汁、それとプリンよ」
結衣「本当にヒッキーを椅子に縛り付けたまま料理始めるんだ」アハハ
雪乃「まず最初にプリンから作ることにしましょう」
結衣「はーい」
八幡「え?マジで縛られたまま放置されんの?」
八幡「え?なぁおい!」
八幡「俺が何をしたって言うんだよ!」
プリン
材料
・砂糖……30グラム
・水 ……30グラム
・牛乳……400cc
・全卵……2個
・砂糖……60グラム
・バニラビーンズ……1本
(バニラエッセンスなら適量)
道具
・片手なべ
・ヘラ
・耐熱容器(金属は×)
・ボウル
・万能こし
・電気ケトル(なければ片手なべ)
・フライパン(深め)
・アルミホイル
・バット
雪乃「材料は以上よ」
結衣「ねぇねぇ、砂糖が二回も書いてるけどいいの?」
雪乃「一番上の砂糖と水はカラメルソースで、残りはすべてプリン液よ」
結衣「プリンって変なブツブツできるからつくらないんだよね…」
雪乃「それは"すが立つ”というのよ。心配しなくても大丈夫だから」
結衣「うん、がんばる!」
雪乃「といわけで一番最初は手洗いね。どれだけおいしくても不衛生では意味がないわ」
結衣「はーいっ」バシャバシャ
雪乃「次にカラメルソース作りね。片手なべに砂糖と水を入れてから中火で水あめ状になるまで煮詰めること」
結衣「これ、気付いたら真っ黒こげになっちゃうんだよね…」
雪乃「カラメルは時間が勝負よ。煮詰まってきたら強火にして、焦げ始めたらヘラでゆっくり混ぜる」
結衣「はーい」マゼマゼ
雪乃「少しでも茶色が濃くなれば弱火にして、全体があめ色になるまで混ぜて頂戴」
結衣「茶色になったよ、ゆきのん!」
雪乃「あらかじめ出しておいた耐熱容器に等分になるようにソースを注ぐこと。ソースは100℃を超えるから間違っても触れないように注意しなさい」
結衣「終わったよ!」
雪乃「次は今使ったナベを軽く水に濡らしてから、牛乳を入れて中火で加熱しましょう」
結衣「なんで水に濡らすの?」
雪乃「こうすることで牛乳の膜を付きにくくするのよ」
結衣「へー」
雪乃「牛乳が沸騰しないように注意しつつ、ボウルに全卵と砂糖を入れて混ぜること」
結衣「混ざったよ、ゆきのん!」
雪乃「沸騰直前の牛乳を数回に分けてボウルに入れて混ぜて」
結衣「全部入れたらダメなの?」
雪乃「卵が固まってしまうから数回に分けて入れるのよ」
結衣「そうなんだー。あ、終わったよ!」
雪乃「バニラエッセンスを数滴混ぜる。それが終わったら耐熱容器の上にこしきを置いて、プリン液を静かに均等になるように注いでいきましょう」
結衣「次は何するの?」
雪乃「ケトルでお湯を沸かしてフライパンの準備ね。それから耐熱容器にアルミホイルで隙間ができないようにふたをしましょう」
結衣「お湯はどのくらい沸かせばいいの?」
雪乃「直径21センチのフライパンなら2リットル弱かしら。ケトルは1リットル前後だからフライパンでも沸かすといいわ」
結衣「はーい」
雪乃「フライパンに容器を並べてプリン液が浸るくらいまでお湯を注いで、蓋をしましょう」
結衣「蓋したよ!」
雪乃「とろ火で15分。その後20分は余熱を使って火を通します。その間に洗い物を終わらせましょう」
結衣「ねぇねぇ、とろ火ってどんな感じ?」ゴシゴシ
雪乃「比企谷くんの存在感くらいかしら」ニコリ
八幡「おい、さらっと俺をディスるのやめろよ」
結衣「分かりやすいねー」ジャバジャバ
雪乃「………………」
結衣「………………」
結衣「ねぇねぇ、ゆきのん。もしバニラエッセンスがなかったらどうすればいいの?」
雪乃「そういう時はカラメルソースを牛乳で溶かせば良いわ。そうすれば材料は卵・砂糖・牛乳だけで済むから」
結衣「それなら簡単にできるね」
雪乃「そうね。……余熱が15分になれば1リットルをケトルで沸かせること」
結衣「はーい」カチャ
雪乃「沸いたらフライパンのぬるま湯を半分捨てて、沸かしたお湯を入れてまた二十分放置。今の動作をあともう一度繰り返して」
結衣「うんうん」
雪乃「加熱と余熱で計75分立ったらアルミホイルをとって、竹串で刺して最後まで刺されば火は通っているわ」
結衣「やったー」
雪乃「あとは冷水で満たしたバットで荒熱を取って、冷蔵庫で冷やせば完成ね」
結衣「あたしでもできた!」
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