P「天海なんて芸名を使ってるの?」
春香「音無家とは親戚というのもあるので、仕事に私情を持ち込みたくないからです」
春香「そういうプロデューサーこそ、お父さんが村下孝蔵なんて有名なシンガーソングライターなのに、
なんで音楽方面に進まないでアイドルのプロデュースをやってるんですか?」
P「父は偉大すぎた。あんなに音楽の為だけに生まれてきた様な人の真似なんて、俺にはとても無理だ」
※このSSでは、春香はアニメめぞん一刻の五代春香、Pは村下孝蔵の息子という設定で書いてます
公式と違いこのPは作曲なんかも手がける本当のプロデューサーとして書いてます
なお、かなりフィクション混ぜてますが、おっさんホイホイSSなのでご容赦を
それと選曲はただの趣味です 何の曲かはわかる人は分かるだろうけど
全員分は思いつかなかったので、適当に選びました
あと村下孝蔵と懇意にしてた中森明菜とか某サッカー選手とかは一切出ません
SS初心者なので突っ込まれても困ります それと書き溜めてます
P「父は元々は広島の飲み屋を転々と流しで生計を立ててた苦労人だ
その客に推薦されてデビューした経歴を持つ人だったんだ
絶対音感の持ち主で、楽器ならなんでも演奏出来た
ピアノの音調の調整から、ギターを自作で作ったり、春香のご両親の為に曲を作ったり、
とても俺には真似が出来ないことばかり 偉大すぎた
俺にはそれが嬉しくもあるけど重みにも感じる事が多かった」
P「ま、そんな父の後を追ってみたくて、プロデューサー業なんかをやってはみたものの、
到底父には追いつけないと毎日思い知らされる
父が当時のアイドルに向けて作った曲や自分の曲をアレンジしてみんなに歌ってもらったりして
気分的には後を追っているつもりにはなっているけど、とても父には勝てないよ」
春香「流しって、飲み屋さんで客に語り弾きしてお金を貰うって仕事ですよね
その客がソ*ーに推薦してデビュー出来たって話は知ってます
CDを何枚か買って聞きましたけど、どんなにボイトレとかやってもお父さんにはとても手が届かないですよ」
P「父の影響もあって、初期から曲や仕事、他の女優さんや歌手との提携とかが多くて思ったよりは
順調に皆仕事が入ってきているけど、それでもまだまだだな」
春香「知ってますよ、プロデューサーさん。たまに深夜まで残業して、ギター弾きながら曲を作っているって事。
私の両親に送った曲みたいに、自分で曲を作って私たちに歌って貰おうとしてますよね?」
P「やっぱバレてたか どうしても父に追いつきたくてね そりゃ必死だよ
それに曲を作っている時間がとても好きなんだ」
P「でも、まだみんなには内緒だぞ それに正直、父みたいな歌詞で感動させて、優しい歌声で魅了するなんて、
千早レベルの歌手に歌って貰っても、どうしても比較されてしまって、オリジナル性が出せないでいるんだ」
春香「それならいっそ、アップテンポ調でいて、村下孝蔵から離れた曲を作ってみて、
それを765所属のタレント全員で歌える様な曲を作ってみてはどうですか?」
P「それも考えた 最近の他の事務所から出てるアイドルの曲はパソコンで音を作ってとても演奏出来ない様な
曲作りをして、それが売れてるんだもんな でも、それじゃ父の曲を否定されているようで、気が向かないんだ
事務所としてはそれでもいいんだろうけど、俺自身が作ってプロデュースするからには、
せめて父と並んでみたいんだ」
千早「村下孝蔵さんの曲はどれを聞いても逸品だけど、それはお父さんが歌ったからなのでは?
私はそれにこだわりません 是非ともプロデューサーさんの作るオリジナルの曲を歌ってみたいです
アレンジで分かったんですけど、プロデューサーさんはアップテンポ調のリズム感のある曲が好きみたいですし」
P「あれ?いつの間にみんな帰って来てるんだよ・・・気付かなかった」
伊織「私のバレンタインキッスのアレンジ、あれプロデューサーがやってたじゃない
あんな感じで今風の作りでもいいんじゃないの?
そのこだわりがプロデューサー自身を制約してる様にしか見えないわよ」
真「ボクもAK*みたいなノリのいい曲で構わない
むしろそういう曲で可愛い服装で女の子してる曲をやってみたいよ」
P「うーん、自作レベルなら、実は考えたのもある
これならファンの食付きも変わるし多分今まで見向きもしなかった客層にもCDが売れるってものを」
P「実はAK*の事務所のブレーンとは知り合いで、作ってから使うかどうか検討中の曲を無理言って
765で使わせて貰う方向で話を進めてる曲がある
ただ、今までのファンがついて来るかどうかが心配で、俺も悩んではいるんだ」
千早「取り敢えずどういうものなのか、聞いてみたいわ」
P「みんな向けと千早、お前のソロの2つある
全員で歌うのは今言ったAK*の事務所から無理言ってこっちでやらせて貰おうと思っている曲
もう一曲はチョコレートのメーカーからの依頼で、こっそりと作っていたものなんだが、
良い意味でイメージを変えるものなんだが、ざっと流して聞いてみるか?」
貴音「直接仕事を発注する所から仕事を貰うなんて、今までには無かった事ですね わたくしも聞いてみたいです」
P「そっか、じゃあ・・・」
P「まずこれが765プロ全員で歌うって曲だ」
P「世代的にも丁度いいかと」
~♪~
海岸線を~ バスは進む~ 空は高気圧~
これが 最後の夏だから~(略)
~♪~
参考:http://www.youtube.com/watch?v=yev8638LHZE
千早「これ、誰が歌っているんですか?」
P「高校生時代に組んでたバンドのメンバーに試しに歌って貰ったり、
メロディーに実際に音を加えて貰ったりして、かなり完成されてるものなんだ
ちなみに俺はドラムを担当してる」
やよい「なんか曲が今までと違って、すごくノリノリですね」
雪歩「なんかこういうの歌ってみたいかなーって」
伊織「アンタ、やれば出来るじゃないの」
春香「私はこれ、センターで歌いたいです!プロデューサーさん!」
P「でも、これAK*みたいにお揃いの制服で歌ったりしたら、さすがにあの事務所と被らないか?」
P「でもって、次はこれ千早向けに作ってみたんだが、歌詞が千早が嫌がるかもしれないと思って
まだ結論出てないんだ」
P「これも同じく高校生時代のバンドメンバーで歌って貰ったり音入れして貰ったりして、完成品に近いんだ」
~♪~
ねぇ 今日は一年で 一日のバレンタイデー
そう 女の子が男の子にあげる スペシャルディ(略)
~♪~
千早「///」
律子「随分と乙女チックな曲ですね」
小鳥「『歌うよりも 好きになりそうで』なんて、千早さんが歌ったらファンはビックリですよ」
春香「こだわるのはやめて、この2つ、是非ともやってみませんか?どう、千早ちゃん?」
千早「わ、私は・・・///」
春香「決・ま・り・ね♪」
P「なぁ、みんなは本当にこれでいいのか?」
あずさ「私もこういう曲で喝采を浴びてみたいです~、プロデューサーさん~」
亜美真美「全員で歌うんでしょ↑? そういうの無かったからやりたいな→」
社長「P君、君は高校生時代にあっちこちの有名なバンドのブレーンをやって作曲してたじゃないか
そのどれもが年間チャートでベスト100に入ってる逸品ばかり
だから私は君に賭けている 遠慮せずにやってみなさい」
P(そんなこんなでレコーディングやら交渉やらはまとまり、いよいよ765プロの社運を掛けた
一連のプロジェクトがスタートする事になった)
P「それじゃ雪歩ソロを作ってみた これも千早のと同じで高校時代のメンツに協力して貰ったものだ」
雪歩「私のソロですか?」
P「一連のプロジェクトの一環として、雪歩のイメージを崩さない、けれども今までとは違った曲だ」
雪歩「是非とも聞きたいですぅ」
~♪~
ねがいはひとつ サンタクロース
どうか恋が実りますように 叶えて下さい今夜 メリークリースマース(略)
~♪~
雪歩「なんかひと皮剥けたプロデューサーさんって感じがしますぅ
私はこれ、是非とも歌いたいです!」
P「うーん、なんか目指してる方向が変わってきてる気が凄くするんだけど、気に入って貰ってるならそれもいいか」
あずさ「私にも何か無いんですか?プロデューサーさん」
P「えーと、これなんかどうだろう? 一応専門学校から依頼されて作詞作曲したものがあるんだが
ちなみにCMソングなんだ 誰に歌ってもらうのがいいかと悩んでたんだけど」
あずさ「CMに使うんですか?聞きたいです~」
~♪~
カバンにつめた あふれる夢を 君は誰にも 伝えられない
泣きたいくらい 冷たい空が 見上げるほど 遠くに見える
たった一つの 君の世界 誰よりも 特別な 明日がきっとあるからー
いつまーでもー いつまーでもー 夢を追いかけ~(略)
~♪~
参考:http://www.youtube.com/watch?v=vfcEN0yNhMQ
あずさ「また随分と方向性の違う曲を作ったんですね、プロデューサーさん」
P「色々細かい打ち合わせをしてたから、すんなりと歌詞とメロディーが出てきたんだよね」
あずさ「でも、いい曲じゃないですか」
P「でも父には届かないんだよな、いくら頑張っても」
真「ボクにもソロ欲しいです、プロデューサーさん」
P「うーん、父のアレンジ曲でいいならすぐに出せそうなのあるけど」
~♪~
煩わしさに挫けず 壁があったら乗り越え
ここより遠い場所へ 人は頑張るだけ
勝ち負けよりどんな汗を流して来たのか
人に勝つことよりも 自分に勝て(略)
~♪~
参考:http://www.youtube.com/watch?v=qipgS1GgXFA
真「これ、お父さんの『教訓』じゃないですか ボクが歌ってもいいんですか?」
P「今権利は俺にある 問題ないぞ」
真「でも、ホントは乙女チックな曲が良かったかなって・・・」
P「春香、実は今回春香のお母さんにも出てもらうからな」
春香「・・・ヴァい?」のヮの;
響子「いつも娘がお世話になっております、プロデューサーさん」
春香「お、おおお母さん、い、いつの間にっ」ドンガラガッシャーン
響子「あら春香、私も765プロのアイドル候補登録生なのよ?社長さんのリップサービスで
まさか本当に声をかけられるとは思わなかったけど」
P「いえいえ、ティンと来ましたので 今回、安全地*の方から許可は得ています
(ま、ホントは俺が作ったからなんだけど) 是非ともこれを歌って下さい」
~♪~
手のひらのそよ風が 光の中きらきら踊りだす
おろしたての笑顔で 知らない人にも おはようって言えたの
あなたに会えなくなって 錆びた時計と泣いたけど 平気
涙が乾いたあとには 夢への扉があるの 悩んでちゃいけない(略)
~♪~
参考:http://www.youtube.com/watch?v=8IUa5coDN8A (春香お母さん本人バージョン)
響子「私、歌はあまり・・・」
P「春香だって初めからうまかった訳ではありません 大丈夫です」
響子「で、でも・・・」
春香「へぇーお母さんの歌がTVで聞けるのね これは楽しみ」
響「自分もやりたいなーって」
P「おお、響にはこれのアレンジで行こうかと思ってる
(これも俺が作ってるからな)すでに許可は貰ってる」
~♪~
教室の隅に 置き去りにしてきた未来
教科書だけもって 君は何処へ行くの
街へ飛び出してみようよ
忘れてた空の広さに気づくよ きっと(略)
~♪~
参考:http://www.youtube.com/watch?v=pVSTopum6Ek
響「自分聞いた事無いけど、いい曲だね」
P「昔の曲だからな 響世代じゃ聞いた事ないかもしれないけど、これも作曲してたからな」
美希「私のはなんなのなの?ハニー?」
P「ハニーはやめろ そしてこれだ」
~♪~
はじめようここから 太陽に向かって
新しい二人の季節を
恋は寄せては返して 揺れる波の様に
胸の鼓動 鳴り響いている(略)
~♪
参考:http://www.youtube.com/watch?v=akk8TZCPmTc
美希「なんか聞いた事があるの」
P「結構アレンジしたけど、メロディは同じだからな」
美希「エイベック*には許可貰ったの?」
P「当然 あそこに友人がいるから、割とすぐに許可もらえたんだ」
亜美「亜美や真美達の曲はないの?兄ちゃん」
真美「そうだそうだ→」
P「これなんてどうだ?」
~♪~
八月の風を 両手で抱きしめたら
イマジネーション飛び立つのサバンナへ
輝く銀色のセスナは二人を乗せ
遥かな国境を今超えるよ
退屈なイルミネーションざわめく都会のノイズ
ステレオタイプの毎日がほら 蜃気楼の彼方に消えてく(略)
~♪~
参考:http://www.youtube.com/watch?v=6jxMOMima6k
律子「これ双子で歌うのに丁度いいわね」
真美「そうそう、同じ声だから重ねられるし」
P「これは俺のバンド時代に俺が作った曲のアレンジだ」
(そして1ヶ月が経過)
P「まさか全員の曲とソロが揃いも揃ってMステに出る事になるとは、思いもよらなかった」
響子「わ、私までCDデビューどころか、TV出演なんて ど、どうしましょう?」
春香「お母さん、もうここまで来たら覚悟してね でも販売枚数でお母さんに負けるなんて、ちょっとショック」
律子「プロデューサーさんって、高校時代に作った曲って、実はもっとあるでしょ?
ウチの事務所のメンバー数考えると、当分この勢いは維持出来ますね」
小鳥「まさか事務員の私までCD出してMステに出るなんて事になろうとは
どうするんですか事務仕事。もうだいぶ溜まってしまって、処理しきれない状態ですよプロデューサーさん」
P「うーん、高校時代が一番充実してたんだよな
全然関係の無い商業高校に通ってて、父が亡くなって家計を助ける為に会計事務所でバイト始めて、
そしたら税理士資格まで取れちゃって新聞で報道されるし、作曲活動も顧問先の人達と一緒に
共同作業で作ったりして、学業も趣味も一番輝いてたんだ そんな時の遺産を食いつぶしてやってる感じなんだよな
あ、小鳥さん 事務作業は俺がやっておきますよ
その変わり、律子、みんなの事頼むよ 不慣れな小鳥さんや春香のお母さんも出演するんだから」
小鳥「今サラッと流したけど、プロデューサーさん税理士なんですかぁ?高校生で税理士取ったって?」ポカーン
P「これ税理士しかつけてないバッジですよ」ピラ
小鳥「なんのバッジかとずっと思ってたけど、まさかプロデューサーさんが税理士・・・なんからしくないですね」
P「普段は業界人やってるけど、今も高い登録料払って税理士業やってるんだ
だから社長とは実は懇意で色々やらせて貰ってるから というか顧問先だったんだよ
そのツテでこの会社に入社して、今この765プロの税務顧問は俺がやってる」
P「更に言えば、CMとかの直接取引は税務相談や経営相談を引き受けているから、
その顧客からの依頼なんだ 普通この業界内だけで営業活動やってたら、
そうそう受けられるものでもないし」
小鳥「・・・なんか、とても手が届かない人にしか見えなくなっちゃいました」
P「でも所詮は高卒 卒業して正規職員として数年頑張ったけど、どうしても父の歩んだ道を見てみたくてね
その会計事務所じゃ副所長までやらせて貰ったけど、辞めて今こんな事をしてるんだ
これで正解だったかどうかは分からないけどね」
小鳥「何かあっても食いっぱぐれが無いじゃないですか、プロデューサーさんは 凄いなぁ」
P「小鳥さんも今夜Mステに出るんですから、ちゃんと準備して下さいね?
事務処理は責任をもって全部終わらせておきますから心配はいりません
それと仕事が終わったら、少し話がありますから、帰らないで下さいね」
小鳥「え!?」ピヨッ
響子「ふふっ、何か良い事が起こりそうですね、小鳥さん」
おまけ
~♪~
唇尖らせて 口笛吹いてる 横顔が可愛くてため息さ
ありふれた朝の 曖昧な時間 早起きの 音がする
片目あけ見れば 歌いだす声
あなたの夢目覚めたら 幸せのメロディー聞こえてくる
白い壁に寄り添った 新しい暮らし愛したい
洗いざらしのシャツ ブカブカのままで 肩にかけ髪をとく可憐な手
優しさにあふれ 微笑みがこぼれ ブラインド欠伸する
青空に雲が おはようの絵文字
窓の外の街並みに 満たされて生きる恋人達
ひとりじゃないよろこびと 新しい暮らし愛したい
あなたの夢 目覚めたら 幸せのメロディー聞こえてくる
白い壁に寄り添った 新しい暮らし愛したい
~♪~
参考:http://www.youtube.com/watch?v=PBDJEAyJuVM
P「ご清聴有難うございました」ポローン
小鳥「プ、プロデューサーさん・・・」
P「父の曲ですが、私からの小鳥さんへのプロポーズです これしか無いって思って」
小鳥「えっ、そそそんなぁ・・・でも、なんかとても嬉しいです」グスッ
小鳥「でもでも、なんで私なんかを選んだんですか?」
P「出会った初めの時から一目惚れしてました 仕事忙しくて何も伝えられなかったけど、なんか吹っ切れました
これもみんなのお陰です」
※なんとなく乃木坂の曲聞いてから思い付きだけで書いてみた
終わり
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません