コナン「おお、ついに完成したのか、だけどいまいち信頼できねぇな」
アガサ「そういうと思っておったわい。証拠を見せてやるわい」パンパン
光彦「はい、なんですか博士、呼びましたか?」
コナン「光彦じゃねぇか、お前も来てたのか」
アガサ「なにを言っておるんじゃ新一、この光彦君は哀クンじゃよ」
コナン「な、なんだって!?」
光彦「なにを言ってるんですか博士、僕は光彦ですよ」
アガサ「どうじゃ、これで信じるかいの?」
コナン「バーロー、お前ら2人でオレを担ごうったってそうはいかねぇぞ」
アガサ「まったく、新一も疑り深い男じゃのぅ。じゃがもうわしと新一、それにオリジナルの光彦君しか哀クンのことは覚えとらんぞ」
コナン「そんなことあってたまるか! 歩美に電話だ!」ぷるるるる
コナン「歩美、灰原のことなんだけどよ!!」
歩美『どうしたのコナン君、灰原って、だれー?』
コナン「!? いや、なんでもないんだ」ピッ
アガサ「わかったかの」
コナン「いや、まだだ!」
コナン「灰原が光彦じゃないと証明するには……そうだ!」
コナン「携帯で、ふんふんふーん」七つの子
アガサ「誰に電話しとるんじゃ新一、おっと、わしの携帯が鳴り始めたわい」
コナン「七つの子のメロディでダイヤルするとあのお方につながるらしいんだ」
アガサ「なるほどのぅ、ちょっとわしは電話に出てくるわい」すたすたすた
コナン「でねぇな、あ、もしもし!」
あのお方『わしじゃよ、あのお方じゃよ』
コナン「お前が黒の組織のボスか! シェリーのことなんだけど」
あのお方「はて、シェリーとは誰のことかのぅ、わしは光彦君しか知らんぞ」
コナン「そうか……」ピっ
アガサ「いやあ、わしへの電話は間違い電話じゃったわ。新一はもう電話終わったのか?」
コナン「ん、ああ。そんなことよりも博士、オレわかっちまったんだ」
アガサ「な、なにかのう」ドキィ
コナン「そのスイッチ、本物じゃねぇか!!」
アガサ「お、おお、そうかわかってくれたか!」
コナン「じゃあさっそくそれ借りていくな!」
アガサ「だめじゃよ」
コナン「な、なんでだよ!」
アガサ「だって新一に貸すと悪用しかせんし、最近わしへの警察のマークが厳しいんじゃから」
光彦「あ、だから最近メグレ警部がよく来るんですね!」
アガサ「新一にわかるか? メグレ警部が週5で訪ねてきて、しかも何時間も居座られる気持ちが!」
アガサ「ムラムラしてしょうがないんじゃからな!!」
コナン「い、いままでのことは謝るよ、だから今回だけ! な!」
アガサ「絶対に悪用せんか?」
コナン「ああ、死んでも悪用しない!! 命賭けるよ!!」
アガサ「仕方ないのう、いいか、くれぐれも悪用するんじゃないぞー」
その日の夜、毛利探偵事務所
コナン(さーて、スイッチを借りてきたのはいいけど、最初のターゲットは誰にしようかなぁ)
コナン(蘭に使っちまうと飯を作ってくれる人がいなくなるから……おっちゃんだな)
コナン(えーと、スイッチの裏にあるダイヤルをおっちゃんの名前に合わせて……スイッチを押す!)ポチ
蘭「コナンくーん、ご飯できたよー」
コナン「うーん、今行くー」たったった
蘭「今日はお父さんの好きな鯖の煮つけだよ」
光彦「えー、いいんですかぁ! いただきまーす!!」
コナン(本当に光彦になってやがる!!)
蘭「どう、おいしいお父さん?」
光彦「ええ、とってもおいしいです! やっぱり蘭さんの煮つけは最高です!!」
蘭「えへへ、コナン君も早く食べてね」
コナン「う、うん……(だめだ、笑いが堪えられねぇ)」
コナン「ら、蘭ねぇちゃん、テレビつけてもいい?」
光彦「もう、ダメですよコナン君、食事のときは食事に専念しないと」
蘭「まあいいじゃないお父さん、たまにはテレビくらい」
コナン「ありがとー」ポチ
テレビ『さーて、来週のサザエさんはー……たらちゃんですー!!』
コナン(ちっ、今日はタラオのターンか……そうだ、あのスイッチで!)ぽち
テレビ『カツオ兄さんが、ママの事を鬼嫁って言ってたんです。でも鬼嫁ってなんですか? 来週のサザエさんは、光彦、一家の主……』
コナン(すげー、このスイッチ二次元にも効果あるのかよ!! ということは)
コナン「蘭ねぇちゃん、僕もうお腹いっぱいだか先に部屋に戻ってるね」たたた
光彦「コナン君、ほとんど食べてないじゃないですか、どうしたんでしょうね」
蘭「うん、お腹でも痛いのかなぁ」
コナン「さて、この時間帯、博士は灰原……いや、今は光彦か、と一緒に今朝録画したプリキュアを見てるはず。くらえ博士!!」ぽちぽちぽち
アガサ邸
アガサ「ブランデー片手に今朝のプリキュアを見る、至高の時間じゃわい」
光彦「博士、あんまり飲みすぎてはだめですよ」
すぱすぱすぱーくすぷらっしゅすたー
咲「行くよ!」
舞「うん!」がし
アガサ「来たわい来たわい!!」
光彦「デュアルスピリチュアルパワー!!」
光彦「聖なる泉を汚す者よ!」
光彦「アコギな真似はお止めなさい!!」
アガサ「……なんじゃこりゃぁぁぁぁ、新一ぃぃぃぃぃ!!」
探偵事務所
コナン「あー、おもしれぇ! 登場人物が全員光彦とか!!」
光彦「あ、コナン君、いつまで起きてるんですか! 明日学校なんだから早く寝ないとダメですよ!!」
コナン「あー、おっちゃんか、わぁったよ、おやすみー」
コナン「明日が楽しみだぜ」
翌日、学校
歩美「おはよー、コナン君」
コナン「おはよー歩美」ポチ
光彦「コナン君、昨日の電話は何だったんですか、灰原って誰ですか?」
コナン「あー、わりぃわりぃ、あんときは寝ぼけてたんだ」
光彦「そうだったんですか、もう、コナン君は相変わらずおっちょこちょいですね」
光彦「おはようございます、みなさん」
光彦「あ、光彦君、おはようございます」
光彦「コナン君、昨日博士が楽しみにしていたプリキュアにいたずらしたらしいですね、博士が怒ってましたよ」
コナン「あ、おまえ灰原光彦か」
光彦「違いますよ、僕は円谷光彦です」
光彦「そうですよ、光彦君は灰原なんて名字じゃありませんよ。昨日から変なコナン君ですね」
元太「おはよー、コナン、光彦、光彦!」
光彦「あ、元太くん、おはようございます」
光彦「おはようございます、元太くん」
コナン「ったく元太、お前は朝からうな重かよ」
元太「へへへ、いいだろ、コナンと光彦と光彦も食うかー?」
コナン「ばーろ、おめえのうな重なんて食えるかよ」
クラスメイトA光彦「おはようございます、皆さん」
クラスメイトB光彦「今日も少年探偵団は仲良さそうですね」
コナン「そういえばオリジナルの光彦がこねぇな」
きーんこーんかーんこーん
光彦「ほら、みんな席に着いてくださーい、出席を取りますよー」
光彦「はーい」
光彦「呼ばれたら返事をしてくださいねー。江戸川コナン君」
コナン「ばーろ」
光彦「小嶋元太くん!」
元太「うな重」
光彦「円谷光彦君」
光彦「はい!!」
光彦「円谷光彦君」
光彦「はい!!」
光彦「円谷光彦君」以下繰り返し
元太「お、また光彦増えたんじゃねぇか?」
コナン「やべぇな、さすがにやりすぎたかも知れねぇ。調子に乗ってたらもうオレと元太しか残ってねぇじゃねぇか」
光彦「あれ、今日は光彦君は休みですかね。なんの連絡も来ていないのですが」
光彦「まあいいですね、授業をはじめますよー」
光彦「きりーつ、きょーつけー、れー」
きーんこーんかーんこーん
元太「おいコナンと光彦たち! サッカーやろうぜ!」
光彦「いいですね、行きましょう!!」
光彦「ちょっと待ってください、コナン君、お話しがあります」
コナン「なんだよ光彦」
光彦「ちょっと廊下で話しましょう」
コナン「で、話ってなんだよ光彦」
光彦「どういうことなんですかこれは! なんでそこら中に僕がいるんですか!! というかこの学校、コナン君と元太くん以外みんな僕じゃないですか!!」
コナン「ああ、お前光彦オリジンか。午前の授業サボってどうしたんだ?」
光彦「当たり前じゃないですか! 起きたら家族もご近所さんも、テレビに出てる人もみんな僕なんですから!」
コナン「あ、驚いた?」
光彦「それどころか学校に着くまでですれ違った人もみんな僕でしたよ!!」
コナン「まあ、わりぃな、さすがにやりすぎたとは思ってるよ」
光彦「どうせ博士の発明のせいですよね! 今すぐ元に戻してください!!」
コナン「わあってるよ、でも博士にしか元に戻せないからな、放課後になったら博士の所にいこうぜ」
光彦「約束ですよ!!」
光彦「あーいましたいました、コナン君、光彦君、早くサッカーやりましょうよ!」
光彦「元太くん達はもう先にグラウンドに行っちゃいましたよ!」
光彦「光彦君、そんなに怒ってどうしたんですか?」
光彦「いや、なんでもないんですよ」
コナン「もう誰が誰だかわかんねぇな」
放課後
コナン「はかせー、そろそろ元に戻してくれよ」
光彦オリジン「そうです、早く元に戻してください!!」
光彦「ただいま帰りましたー」
元太「博士ー、うな重出前とってもいいかー?」
光彦「もう、元太くんはまだうな重食べるんですか?」
アガサ「おお、おかえり哀クン。元太くん、電話の所にお品書き置いてあるから好きに頼んでええわい。そこの光彦君は歩美くんかのぅ」
元太「おお、ありがとな」
光彦「僕は歩美じゃなくて光彦ですよ」
コナン「おい博士、聞いてんのかよ」
アガサ「知らん」
コナン「なんだよその態度!!」
アガサ「わし新一嫌いじゃ」
コナン「は?」
元太「はかせー、肝吸いもたのんでいいかー?」
アガサ「おお、ええぞええぞ、好きなだけ頼むとええわい」
コナン「おい博士!!」
アガサ「悪用しないって約束したのに裏切ったじゃないか」
光彦「博士はキュアイーグレットのファンだったんですよ」
コナン「悪かったって。ちょっとした出来心じゃねぇか」
アガサ「わしの心は深く深く傷ついたんじゃ」
光彦オリジン「僕の心もズタボロですよ!」
アガサ「だまらんか光彦!!」
光彦オリジン「は、はぁ……」
元太「博士、勝手に特上にしちまったけどよぉ、よかったかぁ?」
アガサ「ああ、いいんじゃよ元太くん。食べざかりなんじゃからお金のことは気にしなくていいんじゃよ」
光彦「博士、お手洗い借りますね」
アガサ「ああ、他の光彦君が入ってないかちゃんとたしかめるんじゃぞ」
コナン「なあ博士、頼むよ、とりあえずなんかもう収拾つかなくなってるから元に戻そうぜ」
光彦オリジン「そうです! まずは元に戻してから話しましょうよ!」
アガサ「光彦は黙っておれ!」
アガサ「新一、もうだめじゃ。もう新一の口車には乗せられんのじゃ」
光彦「こんにちはー、うな重お持ちしましたぁ!」
元太「おお、まってたぜー」
光彦「お会計5200円になります」
アガサ「光彦、払ったら元に戻してやらん事もないぞ」
光彦オリジン「本当ですか!」
光彦オリジン「では10000円でお会計お願いします」
光彦「はい、では10000円頂戴いたします。ではまたの注文お待ちしておりますね。ありがとうございましたー」
光彦「ご苦労様です」
光彦「また来てくださいねぇ」
光彦「あ、元太くん、一口くださいね」
元太「博士ありがとうな!!」
光彦オリジン「さあ博士、払ったんだから戻してください」
アガサ「光彦は口をひらくな!!」
あ、ミスりました。お釣り返し忘れてる……
コナン「博士、頼むよ、なんとか今回だけ、な。愛してるから!!」
アガサ「本当に愛してくれてるのか?」
コナン「ああ、本当だって!!」
アガサ「じゃあキスして」
コナン「ば、ばーろー、光彦達の前じゃねぇか!」
アガサ「わしへの愛はそんなものなのか?」
光彦「ひどいですよ、その程度の気持で博士を弄んでいたんですね!」
光彦「博士かわいそうです……」
光彦オリジン「博士……」
アガサ「最後の光彦はしゃべるんじゃない!!」
光彦達「きーす! キース! きーす! きーす!!」
コナン「くそ、わあったよ!!」ちゅ
アガサ「新一……もっと! もっとはげしくじゃ!!」ぎゅぅぅぅぅ
メグレ「アガサ博士、今日も来ましたぞ」ガチャ
メグレ「!? な、なにをしておる!! 強制わいせつの現行犯だ! 確保ー!!」
光彦(白鳥)「確保ー!!」
アガサ「ちがうんじゃ、誤解じゃ、誤解なんじゃ!! 新一が無理やりわしを!!いやじゃぁぁぁ!!」
光彦「博士、捕まっちゃいましたね」
光彦「博士、かわいそうですね」
光彦「コナン君、あんまり落ち込んじゃだめですよ?」
光彦オリジン「大丈夫ですよ、きっとすぐに博士は釈放されますよ」
コナン「本気だったんだ」ぼそ
光彦「……え?」
コナン「俺は博士の事本気で好きだったんだよぉぉぉ」
数ヶ月後、毛利探偵事務所
コナン(あの日から、オレの日常は変わった。博士がいなくなったオレにはなんの意味があるのだろうか。
この壊れ切った心は博士以外の何で埋まるのだろうか……)
光彦「コナンくーん、手紙が届いてますよー」
光彦「なんですか、コナン君は今日も引きこもってるんですか?」
光彦「あ、お父さん。はい、やっぱり博士が捕まったのがショックみたいで……」
光彦「あれ、この手紙……」
光彦「コナン君、手紙、博士からですよ」
コナン「!?」
コナン「見せてくれおっちゃん光彦」ばっ
アガサ『お元気かのぅ新一。最近は新一とイースの事ばかり考えておるわい。
それでな、新一、この間の定期検診でわかったんじゃが……できておったんじゃよ。
本当はこのこと伝えるか迷ったんじゃが……新一が、もしも新一がわしの事を待っててくれるのなら、
わし、産んでみたいんじゃ……もしも待っててくれるなら……光彦君の所へ来てはくれんかのう』
コナン「はは、ばーろー、決まってんだろ、待ってるによ……」
コナン「おっちゃん光彦、光彦! ちょっと光彦のところいってくる!!」
光彦「まってくださいコナン君!!」
光彦「放っておいたらいいですよ。コナン君だってもう子供じゃないんですから」
光彦「あ、そんなことよりも、ついに全人口の99%が光彦になったらしいですよ!!」
光彦「そうですか、もう残ってるのはコナン君とアガサ博士、元太くんだけなんですね」
コナン「待ってるからな博士! いつまでも待ってるからな、ひろしぃぃぃ!!」たったったった
エピローグ
数年後、教会
光彦「おめでとうございます、博士、コナン君!!」
光彦「まさか2人がこんなに早く結婚するなんて思いもしませんでしたよ!」
光彦「末永く幸せに暮らしてくださいね!!」
アガサ「新一、わし、幸せじゃよ」
コナン「ばーろー、なんだよ今さら」
アガサ「新一……」
コナン「なんだって!」
アガサ「好き」///
コナン「バーロー!!」
光彦「ひゅーひゅー!!」
アガサ「あ! いまお腹の中の光彦が蹴った!」
コナン「本当か!!」
光彦「ふふ、コナン君もすっかりパパの顔ですね」
コナン「灰原光彦!」
光彦「コナン君の光彦が生まれたら、いつか僕たちの光彦と遊ばせましょうね」
光彦「光彦君、光彦がパパーって泣いてますよ」
コナン「歩美光彦!」
光彦「コナン君、子育てでわからないことあったらなんでも聞いてくださいね。僕たちの方が先輩夫婦なんですから」
コナン「灰原光彦、歩美光彦……おまえらはいつもアツアツだな」
元太「おーい、こなーん!!」
光彦オリジン「コナンくーん!!」
コナン「光彦! 元太!」
元太「おめでてーな、祝いうな重だ!」
コナン「さんきゅー」
光彦オリジン「あの、博士、あの時、元に戻してくれなくて、ありがとうございました……」
アガサ「シャーーー!!」
コナン「光彦……オリジナルのお前が今じゃ元太と結婚して光彦を身ごもってるんだもんな、おめでとう」
光彦「えへへ、コナン君たちこそ、おめでとうございます!!」
光彦「みなさーん! もう式始まりますよー!!」
コナン「あ、ついに式始まるってよ」
アガサ「緊張してきたわい」
光彦「ほら、花嫁さんがそんなんでどうするんですか!」
アガサ「だってのぅ、バージンロードなんてはじめてじゃし」
コナン「大丈夫だよ博士、オレ達の未来にはまだまだ初めての事ばかり待ちかまえてるけど、2人で乗り越えていくんだろ」
コナン「これがオレ達の最初の一歩だ」
アガサ「新一……」
コナン「行こうぜ!」ぎゅ
アガサ「ああ、そうじゃの」
光彦一同「おめでとうございまーす!!!!」
青空に舞う純白の光彦たちと、色とりどりの光彦の花が、2人の門出をいつまでも祝福していた。
完
くぅ~疲れました! これにて完結です。
最後に光彦達の。
ということでここまで付き合っていただいてありがとうございます。
たまには皆が幸せに終わってもいいんじゃないかとおもってこんな終わりになりました。
本当は元太はフラグの予定だったんですが、時間とアイデアの関係で放置してしまいました。ごめんなさい。
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