千棘「小咲ちゃんが怖いの」(42)
千棘「もやし!一緒に帰るわよ!」
楽「え、あぁ、いいけど、いつもそんなこと言わねえじゃねぇか、お前、なんかあったのか?」
千棘「い、いや...理由は後で言うわ!早く行きましょう!」
楽「あぁ」
小野寺「─妬ましい」
小野寺「(私は一条君とは中学から一緒で、千棘ちゃんよりも一緒に居ると言うのに...後から来た千棘ちゃんの方が一条君との距離をあんなに縮めるなんて...
妬ましい、、
私の行動力がないせいなのかもしれないけど─けれど、あの距離の縮まり方には、、、我慢できない...
そうだ、あの二人は『偽物』の恋人だ。なら─無理やりでも『本物』の恋人になりたい...。私の気が済まない)」
小野寺「(そもそも私は今までずっと一条君のことを思っていたんだ─本来なら私が一条君の隣に居たんだ、居るべき人間なんだよ。それを千棘ちゃんに─邪魔されたんだ。
今まで行動力が無かったっていうなら─行動に移すのは今しかないよ。
千棘ちゃんを...
限界まで追い詰める)」
小野寺「(そうすることで、私はおそらく最短距離で一条君の隣に行けるはず─多少無理はあるかもしれないけれど。
悪いのは全部千棘ちゃんだ。)」
小野寺「千棘ちゃんのせいだ...。」
るり「どうしたの小咲」
小野寺「うわぁあ!」ビクッ!
るり「独り言?─千棘ちゃんって言ってなかった?」
小野寺「ううん、言ってない言ってない!気のせいだよ、きっと。さぁ、帰ろうるりちゃん!」
るり「─うん」
帰り道
楽「えぇ!?そんな理由で!?」
千棘「ちょ、声でかいわよあんた!や、やめてよ」
楽「だ、だってよ、心霊もののテレビ番組を見てそれが忘れられないって─お前って以外に幽霊とか信じてるんだな、びっくりしたぜ」
千棘「う、うるさいわね!もやし!幽霊はいるのよ!実際─たぶんだけど」
楽「居るわけないだろあんなものは」
千棘「何でそう言い切れるのよ!」
楽「あんなの光の角度とかで人工的に生み出せるだろ、幽霊なんていねぇよ」
千棘「そ、そうは言われても─怖いものは怖いのよ!」
楽「─でも幽霊ってこんな街中ででるか?でるとしたらもっとなんか墓とか影とかそういうところにでそうだけどな」
千棘「いや分かんないわよ、案外こういう街中にこそ出るのかもしれないじゃない」
楽「出たとしてもわかんねぇかもな、人がそこそこいるから」
千棘「直接見るのは無理でしょ?えんなの直接目で見ることになるんだったら私達の組同士の争いを起こさせたほうがマシだわ!」
楽「どんだけ嫌いなんだよ─てかそれは街が一つ消えるからやめとろ!」
千棘「」モジモジ
楽「・・・」
千棘「」モジモジ
楽「なんだお前落ち着かねーな」
千棘「う、うん」
楽「幽霊か?幽霊がでそうな予感かがしたか?」
千棘「いや、違うわ...」
楽「なんだはっきり言えよ」
千棘「─トイレ」
楽「へ?」
千棘「トイレにいきたいわ」
千棘「」モジモジ
楽「・・・」
千棘「」モジモジ
楽「なんだお前落ち着かねーな」
千棘「う、うん」
楽「幽霊か?幽霊がでそうな予感かがしたか?」
千棘「いや、違うわ...」
楽「なんだはっきり言えよ」
千棘「─トイレ」
楽「へ?」
千棘「トイレにいきたいわ」
千棘「このへんに無いの!?」
楽「まじかよ!丁度コンビニも飲食店もないエリアだ!」
千棘「え」
楽「そんなヤバいのか!?」
千棘「一歩でも動いたら─漏らしちゃいそうで...」
楽「小さいほうか!?」
千棘「そ、そうよ」
楽「てかなんでもっと早く言わなかったんだよ」
千棘「─ごめん」
楽「もういい!わかった!ここから500m先にマクドナルドがある!ここから行ける範囲だとそこしかトイレはない!そこまで俺が連れて行く!」
千棘「な、なにでよ」
楽「おんぶ」
千棘「お、おんぶ...(この状況じゃ断れないわよね)」
楽「どうした?背中に乗れよ」
千棘「う、うん」
楽「呉々も漏らすなよ!?」
千棘「大丈夫─よ」
楽「乗ったか!じゃあ行くぞ!」
千棘「なに張り切っちゃってんのよ」
楽「極力振動を抑えて行くからな、じゃあ行くぞ!」
千棘「うん─!」
タッタッタッタッ
450m経過
楽「ほら!もう見えてきたぞ、もう少しの辛抱だ!」
千棘「・・・」
楽「お、おい?」
千棘「・・・」
楽「お前、まさか・・・」
千棘「極力喋らないようにしてるのよ、それぐらい察してよ・・・」
楽「もう相当やべーじゃんか、それ
・・・。急ぐか」
千棘「い、いやもういいわ、ほら、着いたわよ」
楽「おお、本当だ─え、中までおんぶで行くのか?」
千棘「今の・・・私が・・・歩け・・・るとでも・・・言う・・・の」
楽「それもそうだな、よし、耐えろよ」
千棘「・・・」
マクドナルドの中
楽「(結構人いるな・・・この時間帯だから仕方ないか)」
千棘「(うわっ!人多すぎ!─ちょっと恥ずかしいわね・・・)」
スタスタスタ
スタスタスタ
楽「ほら、ここからは歩けよ、頑張って」
千棘「─う、うん」
楽「さすがに女子トイレには入れないからな」
千棘「そっと降ろしてよ、そっと!」
楽「分かってるよ」
2分後
ガチャ
千棘「ふぅ・・・(こんなことになるんだったら学校で済ますんだったわ・・・)」
楽「お前、この年になって漏らしそうになるなんて子供か?」
千棘「う、うるさいわね!しょうがないじゃない!怖かったんだから!─そ、それよりありがとうね、私をおぶってくれて」
楽「んだよ、当たり前のことをやっただけだ俺は─別に感謝されるようなことじゃねぇよ」
千棘「そ、そう・・・。で、でも、そ、そうだ、マックシェイクぐらいならおごってあげてもいいわよ?」
楽「え?いやだから感謝とかいいって─」
千棘「もううるさいわね!私がおごるっていったらおごるのよ!むしろ感謝しなさい!」
楽「(感謝の意でおごってもらうのにそれに感謝するって・・・─まぁいいか)」
千棘「じゃああんた、バナナ味でいいわよね?」
楽「そんな味あるのか?」
千棘「知らないの?─これだからもやしは」
楽「んだと!?」
千棘「最近期間限定で出てるのよ、私は一回飲んだことあるだけど、とても美味しくてねー」
楽「ふーん」
千棘「飲んだら絶対忘れられないはずよ!あの味は」
楽「お前そんなにマックシェイク好きだったんだな、以外だわ」
千棘「意外でしょ?それを言うなら─帰国子女の私に日本語で負けるって、あなた日本人なのかしら?」
楽「あぁ!?うっせーな!そもそもただの誤字だろうが!」
千棘「あ、マックシェイク下さい」
楽「軽く流すなぁあ!」
??「くっ、くくくく」
千棘「─あ、あなたまさか」
集「いやー仲むつまじいなぁー!お二人さーん!」
楽「集!?お前何でこんな所にいるんだよ!てかバイトしてたのかよ」
集「あはははー、意外だろ?それよりさー、何?あのスキンシップ!仲良過ぎるよー二人よー!」
千棘「─え、まさか」
集「あぁ見てたよ!楽が桐崎さんをおんぶして入ってきたのを!もうニヤニヤが止まらなくてねー。接客どころじゃないよー!まぁ、スマイルならいくらやっても無料だからなー!!あっはっはっはー」
楽「」
千棘「」
楽「(こいつには俺と千棘が偽物の恋人であることを既に伝えてあるはずだが─こいつそれを分かっているうえで言っているな?)」
千棘「ちょ、誰にもいわないでよ、あんた」
集「あぁ大丈夫だ!その辺は安心してくれ!」
楽「─そ、それよりマックシェイクをくれ」
集「あー、オッケーオッケー」
集「店長ー!このカップルさっき─」
楽「何言ってんだよー!!!!」
千棘「何言ってんのよー!!!!」
ガシッ
集「あー、やめてやめて、二人して頭掴まないで」
小野寺「─ねぇ、今のって・・・」
るり「完璧に一条君と桐崎さんね、おんぶして遊ぶなんて、子供っぽ...いや、仲がいいわね」
るり「(なんだかまた本当のカップルなのか偽物のカップルなのか分からなくなってきたような...)」
小野寺「ちょっと─仲良すぎないかな?」
るり「ん?仲良過ぎっていうか─まぁ、普通なんじゃない。小咲も早く行動に移さないと、一条君とられちゃうよ?」
小野寺「─そうだよね。行動に、移さないと─とられる...」
るり「─あ、あの小咲、今のあくまでも冗談だから、あんま真に受けないで」
小野寺「ん?あ、いや、別に真に受けてなんかないよ!早く行こ!」
るり「─うん」
るり「(なんか怪しい...。どこか憎しみ、妬みを感じさせる雰囲気が出ているような気がする...)
>>1です
夜の十時から投下したいと思います
あと放置すおま
夜の十時から投下したいと思います
あと放置すいませんでした
帰り道
千棘「しまった...もう日が暮れてしまった」
楽「全然時間見てなかったからなぁ」
集「まぁ楽しい時間ほど早く過ぎるって言うしね!しょーがないよなー」
楽「・・・」
楽「あれ?なんでお前がいるんだ?まだバイトの時間のはず」
集「ん?あぁ、それさっきクビになっちゃった」
楽「お前バイト始めて何日目だ」
集「6日だけど」
楽「早っ!?どんなことしでかしたんだよ!」
集「うーん、やっぱフライドポテト揚げるとこにハンバーガーのパンの部分をうっかり入れてしまったことかな」
楽「どんなミスの仕方だよ」
集「まぁ、あと。さっき店長に二人がカレカノの関係だってことをバイト中に思い切りいっちゃったことかなー?」
楽「─お前、バイト向いてないんな」
集「いやいや、マクドナルドが俺に合ってないと思うけどな」
楽「それはまずない」
千棘「ねぇ、舞子君」
集「ん?なんだい千棘ちゃん」ニヤニヤ
千棘「私バイトに興味あるんだけどさ、いいバイトなにか知らない?」
楽「それをコイツに聞くか!?」
千棘「だって、もやし、あんたバイトの経験薄そうだもん」
楽「─まぁ、その通り・・・」
千棘「なら、バイト経験が豊富そうな舞子君に聞くほうがいいでしょ。で、何かないかな?」
集「うーん・・・。デッサンのモデルになるとか?」
千棘「─デッサンのモデル?」
集「主に裸だけどね」
千棘「」
楽「おい待て待て待て!何ちゅうバイト勧めてんだよ!」
集「いや、面白いいんだろうなーって思って。ちなみに俺はそんなバイトやってねぇからな?」
楽「まぁ、そうだろうとは思ったけど・・・」
千棘「うーん・・・─いいや、やっぱ。なんか私にはバイトの世界は早い気がするわ」
楽「なんかいろいろバイトに対して誤解してねぇか・・・」
千棘「バイトっていうのは大人がやるものってことでしょう?私には早いわ・・・」
集「まぁそんなとこだねー」アハハハハ
楽「─人生超楽しんでそうだな、お前」
夜
千棘「ただいまー」
クロード「お嬢ォォォォォォオ!!!」
千棘「え??」
クロード「帰りが遅いものですから心配しました!!」
千棘「ん、あぁ、ごめん」
クロード「このクロードめ...まさかお嬢を見失ってしまうとは...。不覚です。お嬢を危険に晒してしまって申し訳御座いませんっ!!!」ガンッ
千棘「いい、いい。いいよそこまで謝らなくて!」
クロード「大丈夫ですか、一条楽になにもされはしなかったでしょうか」
千棘「大丈夫よ、なにもないわよ」
クロード「それは良かった・・・・。では、そろそろ夕食の時間ですので急ぎましょう」
千棘「もうそんな時間かぁ」
クロード「今日は『もやしタンタン麺』です」
千棘「もやし!?」
クロード「何か問題でも─?」
千棘「い、いや?なんでもないわ」
──────────────
次の日
千棘「おはよー!ダーリン!」
楽「今日も元気だねハニー!」
ヒューヒューヒューヒュー
休み時間
千棘「ふぅ・・・恋人のフリって疲れるわ・・・(小声)」
楽「だな・・・」
小野寺「・・・」ジーッ
小野寺「(いくら偽物の恋人だとしても、限度があるってもんだよ・・・。千棘ちゃんはいつになったらそこを離れてくれるんだろう)」ジーッ
るり「小咲?」
小野寺「うわ!」ビクンチョ
小野寺「な、なに?」
るり「なんか一点を見つめてたような気が」
小野寺「ううん、そんなことはないよ」
るり「─そう」
───────────────
放課後 マクドナルド
るり「みんな、よく聞いて。事態は深刻よ」
みんな「・・・」ゴクリ
るり「なんと─明日数学の抜き打ちテストがあるそうなのよ。友達から情報をリークしてもらったわ」
るり「それに範囲は、入学してから学んだところの全てを含むらしいの」
千棘「─いきなり明日で」
楽「しかも、」
小野寺「全範囲」
集「なの!?」
るり「なにその妙に息のあったコンビネーション・・・─そういうことで、今日は勉強会を開くことになったわ」
千棘「そういうことだったのね─にしても酷いわね!予告なしのテストってどうなのよ?」
楽「まぁ、抜き打ちテストってそういうもんだから、、、」
千棘「けれど、私は心配することはないわ。普段の勉強を怠らずに頑張ってきたから、結果に自信があるからね!」ドヤァ
楽「俺も少しは勉強しとければよかったぜ・・・。そうだったな、お前割とっていうかかなり頭良かったんだったよな」
千棘「当たり前じゃない!もやしなんかと比べないでほしいわ!」
楽「んだと!?」
るり「はいはい、そこまでそこまで。喧嘩をしている暇があるのなら─」
るり「勉強しなさい」ギロッ
楽棘「は、はい!」
小野寺「(今の目怖っ・・・!)」
るり「小咲、あんたもよ」ギロッ
小野寺「は、はぃー!」
集「ふっふー。俺は?」ニヤニヤ
るり「あんたは黙ってなさい」
集「そこは睨んでくれないの?るりちゃん」
るり「いいから」ギロッ
集「おおー!」ニヤニヤ
楽「・・・」
このSSまとめへのコメント
はやくかけや
いつできんだよ
おい、SS書くなら最後まで書け
かけー
はよ
はやく
書いとくれー
かけよください
千棘かわいい
小野寺こんな性格だったらおもしろいのに笑w
あれっ続きまだ?
続き早よ続き早よ
あの・・・まだですか?
続き!!
遅いよ!
遅過ぎる!
ss書くなら最後までちゃんとかけ
鶫は無いんですか
オラ、待ちくたびれたゾ
書くならちゃんと書けよもや、ゲフンゲフン茄子
撫子だな、こりゃ。てか続きはよ
続きはよして
はよー書いてー
かけー