黒子「電撃早漏事件、ですの?」(58)

初春「はい。なんでもアスキーメディアワークスが埋め立て荒らしをして、IP掘られたらしいですよ?」

黒子「はぁ? 今時IP掘られる企業なんてありますの?」

初春「それがあったんですよ。で、2chでの工作が芋づる式に露顕したって感じですね」

黒子「なんともまぁ、お馬鹿さんなんですのね。そんな会社、とっくに絶滅したものかと」

初春「ですよね。これほどm9(^Д^)プギャー の似合うおマヌケさんは久しぶりですよ。よくそんなので「やはり三木は天才と言わざるを得ない 」なんて自演出来てましたよねw 今見るとホント臭過ぎてwww お前は何を言ってるんだよとしかwwwwww」

黒子「今日はしょっぱなから黒いんですのね。初春……」

初春「……コホン。まぁそれで、やっていた事は俗に言うステマってやつです」

黒子「また随分と、時代遅れな手を。たしか犯罪行為という事で、欧米ではもうとっくに法規制されていましたわよね?」

初春「はい。ステマなんて俗称は詐欺師側のイメージ操作みたいなもので、やってる事は騙り詐欺そのものですから」

黒子「『法さえ守れば問題ない』なんていう不道徳な輩は、いつの時代でもいますものね」

初春「ステマ行為も、日本だとまだ法規制がないので、やりたい放題です」

黒子「それで、やり過ぎでIP焼かれた、と」

初春「です。しかも自分の思い通りにステマ出来なかったからって、ファンに向かって「死ね、早漏」なんて書き込んじゃったみたいですよ?」

黒子「ああそれで『電撃早漏事件』なんて名称が付いていますのね。わたくし、いったいなんのセクハラかと」

黒子「……で、そんな事を報告をする為に呼んだんじゃありませんわよね? 今日はいったい何の用ですの?」

初春さん「それなんですけど。白井さんには、今までとあるシリーズで使われたセリフの中で、ブーメランになりそうなものを集めてきて欲しいんです」

黒子「は? なんですの、それ?」

初春「いえ、白井さんが類人猿って呼んでる人とか、学園都市のあちこちで色んな人に説教してるじゃないですか?」

黒子「みたいですわね」

初春「それに、私達も犯人に向かって色々と言ってきたじゃないですか?」

黒子「ええ」

初春「つまりそれって、騙り詐欺に加担しながら、あんなセリフやこんなセリフを吐いちゃっていた訳です」

黒子「まぁ、当然そうなりますわね」

初春「それって、説得力皆無じゃないですか? 自分は騙り詐欺の片棒担いで、どの口が説教してるんです?」

黒子「そう言われてしまったら、反論できませんけれど……」

初春「そんな見事なブーメラン私見た事ないですよ。お前が言うな大賞の年間MVP取っちゃいますよ」

黒子「その意味はわかりませんけれど、たしかに、人の道にもとる行為ですわね。ジャッジメントの心得以前の問題ですの」

初春「はい。なので、白井さんにはこれから過去に戻ってもらって、セリフをステマ批判となるように変更してきて欲しいんです」

黒子「はぁ? なんでまたそんな事を……?」

初春「 私 の ス ト レ ス 発 散 の 為 で す ! !」

黒子「言い切りましたわね」

初春「はい。嘘を吐いちゃ三木ステマさんと同じになっちゃうんで」

黒子「それにしても他に言いようがあるでしょうに」

初春「まぁ後は、未だ謝罪の一つもしないAMWに向けての嫌がらせとか今まで騙しやがってこんちくしょーとかファンなら金落とすのが当たり前とか思わされていたけれどそれも口車に乗せられていただけかよ使った金返せや詐欺師とかよくも人の心を弄びやがってとか――」

黒子「……」

初春「私も詐欺の片棒担いで周りにいっぱい布教しちゃったじゃねーかボケとかあの感動が実は金儲けの為なら詐欺行為も辞さないクズ野郎に乗せられた結果だったとは一気に冷めるわとか、色々とあります。えっへん!」

黒子「要するに私怨ですのね」

黒子「でもまぁ、彼らのやった事は純粋に楽しんでいたファンの心を弄ぶ最低の行為ですし、手を貸すのもやぶさかではありませんけれど」

初春「ですよね! しかも、未だに公式からの謝罪がないっていうのがありえないんですよ」

黒子「……? 証拠はバッチリ出ているんですわよね?」

初春「はい。ファンの立てた板を埋め立て荒らしして「死ね、早漏」って言ったのは確定です」

黒子「それなのに、なんの反応もありませんの?」

初春「ないんです! しかも、アフィカスどもにまで手を回してまでもみ消そうとするなんて、ありえないです!」

黒子「いえ、アフィカスどもとか、わたくしよく解らないんですけれど……」

初春「要は広まらないように、裏で繋がってたステマサイトに緘口令を敷いてるんです」

黒子「いつの時代も、悪人がやる事に変わりはありませんのね」

初春「ですです」

黒子「まぁ、仔細はよくわかりませんけれど、悪事がもみ消されようとされているのなら、放ってはおけませんの」

初春「ですよね! という事で、とあるシリーズの過去へレッツGOです!」

黒子「でもまぁ、彼らのやった事は純粋に楽しんでいたファンの心を弄ぶ最低の行為ですし、手を貸すのもやぶさかではありませんけれど」

初春「ですよね! しかも、未だに公式からの謝罪がないっていうのがありえないんですよ」

黒子「……? 証拠はバッチリ出ているんですわよね?」

初春「はい。ファンの立てた板を埋め立て荒らしして「死ね、早漏」って言ったのは確定です」

黒子「それなのに、なんの反応もありませんの?」

初春「ないんです! しかも、アフィカスどもにまで手を回してまでもみ消そうとするなんて、ありえないです!」

黒子「いえ、アフィカスどもとか、わたくしよく解らないんですけれど……」

初春「要は広まらないように、裏で繋がってたステマサイトに緘口令を敷いてるんです」

黒子「いつの時代も、悪人がやる事に変わりはありませんのね」

初春「ですです」

黒子「まぁ、仔細はよくわかりませんけれど、悪事がもみ消されようとされているのなら、放ってはおけませんの」

初春「ですよね! という事で、とあるシリーズの過去へレッツGOです!」

黒子「でも実際、過去になんてどうやって行くんですの?」

初春「もう、そんな細かい事はいいんです! 適当にとんでも設定付け加えれば済む話です。時間制御能力者が居るとかなんとか」

黒子「そこは適当なんですのね」

初春「あと、セリフをステマ批判使用に変えるのは、この食蜂さんがやってくれます」

食蜂「学園都市第五位の超能力者、食蜂操祈です。よろしくねぇ☆」

黒子「……やっぱり帰らせてもらいますの」

初春「な、なんでですか!?」

黒子「なんでって……初春、わたくしがどんな目にあったか忘れたんですのっ?」

初春「う……。たしかにそうなんですけど」

黒子「なら、なんでこんな女を呼んだんですの?」

食蜂「あらぁ、こんな女呼ばわりは聞き捨てならないわぁ。また洗脳しちゃうゾ?☆」

黒子「――」ギロッ

食蜂「きゃー怖ぁーい☆」

初春「まぁまぁ白井さん。人のセリフを改竄するとなれば、食蜂さんクラスの能力者じゃないと」

黒子「それはそうですけれど……」

初春「それに、原作も、話しの流れ的には食蜂さんと和解しますよ。きっと」

黒子「えー。一時的にとはいえ、お姉様の記憶を消すなんて、さいっ――――――――ていの事をされましたのに?」

初春「それはきっと、御坂さんが許してあげて、その流れで白井さんも仕方なく、ってありそうな流れじゃないですか?」

黒子「まぁ、お姉様がお許しになるというのなら、わたくしだけ許さない、というのもなんですけれど……」

初春「ですです。きっと御坂さんの事ですから、最後は強引に良い流れに持っていきますって」

黒子「はぁ……簡単に想像できるだけに否定できませんの」

初春「という事で、私のストレス発散の為に、よろしくお願いします!」

黒子「やっぱり帰りたくなってきましたの」

黒子「まぁ、悪人を放っておく事など出来ませんし……今回だけは手を貸しますわ」

初春「さすが白井さん! そこにシビレル憧れるぅ!」

食蜂「んんー? 話はまとまったかなぁ? それじゃあ、よろしくねぇ☆」

黒子「…………、すぅーーーーーーーーーごっく不満ではありますけれど、よろしくお願いしますわ」

初春「ではでは、続きの説明をしますね?」

黒子「もう好きにしてくださいな」

初春「こほん。では、ブーメラン回収ミッションの概要を説明します」

食蜂「きゃー☆ 待ってましたぁ☆」

黒子「……」イライラ

初春「白井さん達にはまず、時間制御能力者さんの能力で過去に飛んで頂きます」

食蜂「それでそれでぇ?」

初春「この日の為にパワーアップした重福さんの能力で白井さん達の気配を消します。そして――」

食蜂「私の能力でセリフを改竄しちゃうって訳ねぇ☆」

黒子「……? でもたしか、あの類人猿には能力が効かないんではなくて? それは大丈夫ですの?」

初春「それはですねぇ……なんと!」

黒子「なんと?」

初春「こういう話が出来る時点で、私達はレベルシックスなんですよ」

食蜂「ナ、ナンダッテー☆」

黒子「……さっきからやけにノリがいいですわねこの女」

初春「コホン。ですので、いくら幻想殺しといえども、食蜂さんの能力を完全に打ち消す事は出来ません。セリフを微妙に変えるくらいの事なら可能です」

黒子「それはまた、とんでもない設定にしましたわね。一体どういう理屈ですの?」

初春「あれ? 白井さんわかりませんか?」

食蜂「はいはーいぃ! レベルシックスはぁ『神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの』の事だからぁ」

初春「それはつまり、『創造主と同じ意思レベルを持つ』という事なんです」

黒子「なるほど。私達を創った創造主と同じ次元の内容を話題に出来るという事は」

食蜂「まさに『神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの』そのものだって事よねぇ☆」

黒子「ま、とってつけた感はありますけれど、一応は分かりましたの」

初春「そういう訳で、早速行っちゃいましょう!」

食蜂「よろしくねぇ☆」

重福「よ、よろしくお願いします」

黒子「って急に出てきましたわね。……よろしくお願いしますの」

初春「ちなみに、重福さんの出番はここだけです」

黒子「……それは余りにも不憫じゃありませんの?」

初春「大丈夫です。報酬は佐天さんのパンツですから本人大喜びです」

重福「そ、そんな……私は別にパンツが目的って訳じゃ」ポッ

黒子「…………。いえ、本人がそれでいいのなら、別に構わないんですけれど」

初春「という事で、前置きがだいぶ長くなってしまいましたが、そろそろ本当に行っちゃいましょう!」

黒子「はぁ、やっとですのね」

初春「それでは、時間制御能力者さん、お願いします!」

時定「……」コクッ

黒子「この方も出番はここだけですのね。微妙な名前まで作ってあるのに」

初春「まぁ細かい事はいいじゃないですか」

食蜂「細かい女は嫌われるゾ?☆」

黒子「……」ギロッ

初春「はいはい。喧嘩してないでさっさと行ってください。もう見ている方のストレスも私のストレスもMAXです。はいドーン!」

黒子「ちょ、初春っ。いきなり突き飛ば――」

黒子「……う。こ、ここは、どこですの?」

食蜂「ここは第一話の彼の部屋の前のようねぇ。ほら、シスターさんが血まみれでお掃除ロボットにつつかれてるわぁ」

黒子「本当に過去に来たんですのね。って、早く介抱しないと!」

食蜂「あらダメよぉ。干渉するのはあくまでセリフだけ、そういう約束なんだからぁ」

黒子「ですけれど、大怪我をしている女の子を放っておくなんて……」

食蜂「あら『放っておいた方が助かる命』なのよぉ?」

黒子「ですけれど……」

食蜂「下手に干渉して『助かる予定が狂ってしまった』なんて事の方が大問題だと思うわぁ」

黒子「くっ……納得はいきませんが、今はそういう事にしておきますの」

食蜂「(それよりほらぁ、今から始まるわよぉ)」

上条「なんで、だよ?」

食蜂(じゃあ早速☆)ピッ

黒子(はぁ、わたくしがついてきた意味あるんですの?)

上条「何でだよ! 俺はマーケティングなんてメソッド知らねえし、テメエらマーケ要員みたいな生き物は理解できねえよ!」

食蜂(ちなみに「メソッド」とは「方法、方式」のことだゾ☆)

上条「それでもお前達にも正義と悪ってモンがあるんだろ? 守る物とか護る者とかあるんだろ……?」

食蜂(今回の事件を知った後で聞き返すとぉ。感慨深いセリフよねぇ)

黒子(悪事の片棒を担いでいる人間が正義を問う、なんて事になってしまっていますのね)

食蜂(小説のモノローグでも言ってるように『偽善使い(フォックスワード)』に言えた義理じゃないわよねぇ。まさに『偽善』って感じだゾ☆)

上条「何も知らない子供達を、寄ってたかって騙して囲って、洗脳して。これだけのリアルを前に! テメェ、まだ自分の正義を語る事ができるのかよ!!」

食蜂(騙して洗脳して宣伝要員にしちゃうのが『バイラル(感染的な)マーケティング』って事よねぇ)

黒子(特に10代20代は感染に対する抵抗力も弱くて、いわゆる「信者」に成り易いですものね。悲しい事ですわ)

食蜂(ホント、金だけ落としては減らず口を叩くどころかマンセーして、さらには自分から感染先を増やしてくれるんだから、いい家畜よねぇ)

黒子(家畜……ですのね。お姉様も、あの時たしか……)

食蜂(それにしても、これだけのリアルを前に、かまちーさんはまだ自分の正義を語るのかしらぁ?)

ステイル「だ(ry」

食蜂(と、次にいきますかぁ☆)

黒子「……」

食蜂「ささ。次はどこに着くのかなぁー☆」

黒子「あの……」

食蜂「彼の軌跡を辿れるなんて幸運よねぇ。興味があったしぃ」

黒子「あの……ちょっと」

食蜂「過去が気になりだすなんて、もしかしてこれが恋ってやつぅ?」

黒子「ってちょっと! シカトするんじゃありませんわよ!」

食蜂「何よぉ? もぉ」

黒子「……ふん。基本的な疑問なんですけれど、これってわたくしが居る必要あるんですの? 貴方だけでよろしいんではなくて?」

食蜂「えー。だってぇ。私だけじゃ面白くないっていうかぁ。ぶっちゃけこのSSの作者さんは貴方押しみたいだしぃ」

黒子「そんな下らない理由でわたくしまで付き合わされていますのね……はぁ」

食蜂「どっちにしろここまでついて来ちゃったんだからぁ。最後まで、みたいなぁ?☆」

黒子「はぁ。わかりましたわよ。……それで、次はどこに着くんですの?」

食蜂「どうやら14巻のテッラさんに対する説教みたいねぇ」ピッ

上条「マーケティングって、その程度なのかよ」

食蜂「(また分っかり難いシーンに飛んだわねぇ。まだアニメにもなってないんだから、分かる人居ないんじゃないかしらぁ?)」

上条「マーケティングが悪いって訳じゃねえ。とあるとかSAOで感動してた奴の良心がここまでズレてるとは思わない」

黒子(ですわね。少なくとも、そうは思いたいですわね)

上条「テメェはそれ以前の問題だ。マーケティングって言葉の意味が全く分かってねぇんだよ、テメェは!」

食蜂(そもそも、マーケティングっていうのは「顧客が真に求める商品やサービスを作りうんぬん」って事だから)

黒子(ステマなんて真逆の発想ですわよね。騙される事を望んでいる顧客なんて居ませんもの)

上条「テメェらの親玉だって、こんな争いを生むために文庫を広めていったって訳ねぇだろうが!」

食蜂(でも現状の電撃板なんて争いだらけだしぃ)

黒子(他社のネガキャン、火消し要員、荒らしまで混ざって、阿吽絶叫の地獄絵図ですの)

上条「ふざけやがって。勝手にマーケティングの定義を決めつけて一人で満足するって言うのなら……」

黒子(そういえば、電撃文庫の親玉が「次なる文化の担い手の若者たちに確かな評価を得られると信じて、ここに「電撃文庫」を出版する」とか書いてましたわね)

食蜂(悪事の謝罪も出来ないのに、確かな評価なんて得られるのかしらぁ?)

黒子(それとも、親玉も『そういう考え』の持ち主なんですの?)

上条「まずは、そのふ(ry」

食蜂(はいはい。そげぶそげぶ。次いってみよぉー☆)

黒子「ふぅ。結局、とんだやっかい事に巻き込まれてしまいましたの」

食蜂「あらぁ、でも貴方も、けっこうノリノリで批判してるじゃない☆」

黒子「それは……悪事を働くような輩を、放ってはおけないだけですの」

食蜂「それも「己の信念に従い、正しいと感じた行動をとるべし」ってやつぅ?」

黒子「その言葉も、正しくない事の片棒を担がされていたと分かった今となっては、とんだお笑い草ですけれどね」

食蜂「ホント、正義感強いわねぇ。苦労も多いんじゃない?」

黒子「どう捉えて貰っても結構ですの。……て、なかなか次に到着しませんわね? どうなっていますの?」

初春『白井さん白井さん! 大変です!』

黒子「――ッ! 初春っ? 急に大声で通信しないでくださいな。びっくりしますでしょう?」

初春『あ、ごめんなさい。って、それより、大変なんですよ! ちょっと聞いてください白井さん!』

黒子「はいはい。いったい、何があったんですの?」

初春『 飽 き ま し た 』

黒子「……」

食蜂「…………」

初春「………………」

黒子「はい? ちょっと、よく聞こえませんでしたの。もう一度お願いしますわ」

初春『ですから、 飽 き ま し た 』

黒子「ってちょっと初春! まだ二件しか終わっていませんのよっ? それを、もう飽きたって貴方……」

初春『だって、いまいち盛り上がらないっていうか……ぶっちゃけ、思ったほどブーメランになるシーンがありませんでした。てへっ』

黒子「これだけ大掛かりな準備をしてそれですの……」

初春「うーん。ホントはもっとあると思ったんですけどねー。まだアニメ化されてないシーンへ行っても、知らない人が多いですから」

黒子「まったく……じゃあさっさと戻してくださいな。わたくし、今日はお姉様とデートの約束がありますの」

食蜂「あ、それ私もお邪魔しようかなぁ? もう一度、彼女と話してみたかったのよねぇ」 

黒子「……」ギロリ

食蜂「冗談よぉ。冗談っ☆ 相変わらず面白い人ねぇ☆」

初春『ま、白井さんの異常性癖はいつもの事です』

黒子「初春? 帰ったら覚えていなさいな?」

初春『わぁ嘘です嘘です! と、それより、帰る前にもうワンシーンだけ寄ってきて欲しいんですけど、いいですか?』

黒子「まぁ、こうなったら二つも三つも一緒ですから、いいですわよ?」

初春「ありがとうございます! じゃあ早速、次のシーンへレッツGOです!」

まどか「ほむらちゃんは、過去に戻れるんだよね?」

黒子(って違うアニメですの?)

まどか「こんな終わり方にならないように、歴史を変えられるって、言ってたよね?」

食蜂(ああ☆ かの有名なステマアニメだからぁ、ここは外せないって訳ねぇ)ピッ

まどか「私に騙される前の、何も知らない子供達を、助けてあげてくれないかな?」

黒子(人の気持ちなど露ほども理解せず、理非善悪の意識など持たずに己の利のみを貪る者……)

食蜂(まさに、ステマの発想そのものよねぇ☆ 「儲けた奴が正義」ってやつぅ?)

黒子(そんな正義、認める事など出来ませんの)

食蜂(学園都市と一緒で、子供達はみんな、大人の餌食になるモルモットでしかないのかしらぁ)

食蜂(それしてもぉ。よくこんな盛大なブーメランを創ったものよねぇ。製作者達はマゾなのかしらぁ?)

黒子(彼女達の宇宙がどうたらと心配しているだけ、まだQBの方がましですの)

食蜂(かもねぇ。ステマをするような人間は、自分の財布の事しか考えてないものねぇ)

黒子(別に、儲ける事が悪い事だとは言いませんけれど……詐欺行為に手を染めるなんて、絶対に間違っていますの)

食蜂(なんにせよ、それだけは確かよねぇ)

黒子(って、中々戻りませんわね? 初春? 今度はどうしましたの?)

黒子「……」

食蜂「……?」

黒子「初春? どうしましたの初春? 応答してくださいな」

食蜂「あらら、今度なんのトラブルかしらぁ?」

黒子「初春、――ッ!?」

食蜂「え――ッ!?」

食蜂「あららぁ? ここはどこの研究所かしらぁ? 随分と急に転移したわねぇ」

黒子「……あ、あれは」

食蜂「なになにぃ? 何が――」

美琴「ったく。モルモットだの家畜だの、どんだけ自分を憐れんだら、そんだけ逆恨み出来んのよ」

テレス「――この街じゃテメェなんざ、ただのデータ。ひゃっはっは! そうだ、減らず口を叩く、データだ!」

美琴「学園都市はね。私達が私達で居られる、最高の居場所なの。――だから」クルッ

美琴「死んで貰うわよ。黒子」

黒子「え……? お姉様? わたくしの事が、見えて?」

食蜂「――ッ!! ダミーチェックが機能してないわぁ!」

美琴「まったく、好き勝手言ってくれちゃって、何を偉そうに批判してくれてるんだか。アンタのその正義感、正直ウザいのよね」ピィンッ―-

黒子「おねぇ、さま?」

食蜂「――なに呆けてるの!! 危ないっ!!」ガバッ

美琴「こんなスレまで立てちゃって……電撃早漏事件わね、みんなに知られちゃいけない事なのよ。だから――ッ!!」バシュウゥゥゥウウウウウ!!

食蜂「た、イタタ。……さすが、噂に名高いレールガン。かすりそうになっただけでキモが冷えたわぁ」

美琴「ちっ。外したか」

黒子「おねえ、さま。……お姉様。……うそ、嘘ですわよね!? お姉様! 今のは何かの間違いと、そう仰ってくださいまし!」

美琴「ったく。ホントにしょうのない子よね、アンタは」ニコッ

黒子「お姉様……」ホッ

美琴「いまさら騒いだって大手のアフィブログは全て押さえてるんだから、広まるハズないじゃない。馬鹿じゃないの?」

黒子「な……」

テレス「テメェら萌え豚って家畜はなぁ、大人しく金さえ落としてりゃいいんだよ」

美琴「そして、私の素晴らしさを広めなさい? お姉様が大好きなんでしょ? アンタは」

黒子「お姉様……」

テレス「お前ら家畜を操るのは簡単だったぜぇ? ちょっと煽れば勝手に広めてくれるんだから。ほんと、楽な商売だわ」

食蜂「最低ね……私が言えた義理じゃないけれど」

美琴「どんなにアンタ達が吠えたって、角川グループの力の前じゃ無意味なのよ」

テレス「悪い奴は必ずやっつけられるとでも思ってるんでちゅかー? ぎゃはははは!」

黒子「くっ……」

美琴「いい加減大人になりなさいよ、黒子。この社会に、正義のヒーローなんて居ない」

テレス「そんなのは所詮、画面の中だけの幻想なんだよ」

美琴「そう。どれだけ綺麗事を吐いても、悪人は裁かれないし、善人は容易く騙される。現実の世界ってもんは、そういうものでしょ?」

黒子「それ、でも……わたくしは、ジャッジメントですのっ! 自分は詐欺の片棒を担いだままで、いったい何を正すと言うんですの!?」

美琴「それが不満だと言うのなら、やっぱりアンタは死になさい。私達に、アンタは不要だわ」

黒子「お姉様は……」

美琴「……?」

黒子「お姉様は、そんな事を言うお方じゃありませんの」

テレス「はっ。何を言ってんだお前は? 御坂美琴は、現にお前の目の前に居るだろうが?」

食蜂「貴方……」

黒子「未熟者だったわたくしに、色々な事を教えてくれたお姉様。……お姉様に教わった事は、本当に大切な事ばかりでしたわ」

黒子「わたくしが、入学前に危惧していた‘歪んだ方達’のように為らなくて済んだのは、お姉様のおかげですの」

美琴「…………」

黒子「きっと、お姉様に出会わなければ、わたくしは色々と間違えていましたの。それこそ、独善を翳し、歪んだ価値観のまま生きていたのでしょう」

美琴「ぐ……」

黒子「そうしてわたくしを導いてくれたお姉様が、そんな事を言うハズありませんの」

美琴「ぐ……ああ……」ガクッ

黒子「ですから! 出てきなさい! お姉様に、あんな下らない事を口走らせた、下衆野郎!」

??「よく、わかったな」

黒子「当然ですの。初春との連絡が取れなくなった直後、わたくし達は意図しない場所へ飛ばされた」

食蜂「なるぅ☆ だったら、それを行った黒幕が居ると疑って当然よねぇ」

??「だが、わかった所でいまさら。お前達は、本当の創造主に逆らい過ぎた」パチンッ

黒子「何を……? ――ッ!? か、体が動かないですの!」

食蜂「え? ほ、ホントだわぁ。今までは大丈夫だったのにぃ!」

??「当然だ。君達の自由を奪わせて貰った。先程までの創造主には退場して貰ったよ。少々目障りだったのでね」

黒子「なっ!?」

??「君達がまだ自我を保っていられるのも、私の手心、と言ったところか」

食蜂「っ! 能力も封じらてるわぁ。こんなの無茶苦茶よぉ!」

黒子「……くっ! それで、貴方の目的はいったい何ですの!?」

食蜂「それだけの干渉力を持っているのに、私達を生かす意味が分からないわぁ」

黒子「貴方のような悪党が、まさか本当に「手心だけでわたくし達の自我を残してる」なんて事、ありませんわよねっ?」

??「ふっ。酷い言われ様だな。私は本当に、君達の事を可愛く思っているんだよ?」

黒子「ふんっ! 貴方に可愛いなんて思われても、ちっとも嬉しくありませんのっ!」

??「それは残念。今まで萌え豚共を存分に扇動する事が出来たのは、君達のその容姿ゆえだと言うのに」

食蜂「……その言い方、中身は無いとでも言いたいのかしらぁ?」

??「あるとでも思っているのか?」パチンッ

黒子「――っ!? がっ……はっ……息がっ」

食蜂「止め、られ……っ」

??「そう、私の意思ひとつで、君達は言葉一つ満足に喋る事が出来ない。そんな操り人形に、中身が伴っているとでも?」

??「君達は所詮、金儲けの道具だ。私の都合の良いように言葉を喋り、家畜ども扇動する、ただのデータに過ぎない」

黒子「そ、んな、事……」

テレス「はっ。無駄な正義感なんて持たず、大人しく萌え豚共にケツ振ってりゃいいんだよ。お前らは」ドガッ

黒子「あぐっ!」

テレス「今まで散々そうして来ただろうがよぉ? サクラと共に盛り上げては感染先を増やす、病原体としてな」

??「今さらそれはイヤだと言うのか? 君達はその為だけに存在するというのに」

黒子「それ、が……わたくし達が、存在する意味だと言うんですのっ!? それだけが!」

??「まさか、違うとでも言うのか? ただの創造物に過ぎない君達が」

黒子「違いますの!」

テレス「はっ。何が違う!?」ドガッ

黒子「がっ!?」

テレス「萌え豚共から金を搾取しなけりゃ生きていけない分際で、何を偉そうに吠えやがるってんだぁ!?」

??「君達が元気に画面の中で元気に動き回れるのも、私達のステマのおかげだろう?」

黒子「そんな事、わたくし達が望んだ訳じゃありませんの!」

??「だが、君達を生んだ創造主達の望みはそれだ」

黒子「そんな創造主、こっちから願い下げですわ!」

テレス「所詮はテメェも、あのバカと同じって訳か」

美琴「ぐ……あ、う……」

黒子「お姉様!」

??「はは。苦しそうだろう? 彼女の自我には退場してもらったよ。‘意識だけはある状態で’な」

黒子「――ッ! お姉様に一体なにを!?」

食蜂「惨い……」

??「気付いたかね? そう、彼女の自由は奪わせて貰った。私に操られていると知りながら、自分の行いを内側から見ているしかない状態でな」

黒子「――ッ! ……あな、たはぁああああああ!!」ダダッ

テレス「いちいちうっせーんだよ! ガキが!」ドガッ

黒子「があっ!?」

??「御坂美琴。彼女もやっかいな存在だったよ。私が下手に出ていれば、犯罪に加担する気など無いと言う」

黒子「……く……お姉様」

??「体の自由を奪われても、ためしに足をもぎ取ってみても、最後まで反発していたよ」

食蜂「文字通り、生かすも殺すも自由って訳。貴方、最っ低ねぇ」

??「どうとでも言うがいい。君達は所詮、私の都合でどうとでもなる存在なのだから」

テレス「はっ。いい加減、諦めろ。テメェらがどんなに足掻こうが、家畜共を解放する事なんて、出来っこねーんだからよぉ!?」

黒子「ぐ……それでも、わたくしは貴方達に屈する訳にはいきませんの!」

テレス「萌え豚共を増やすしか能の無い病原体が、何言ってやがる!」

黒子「それでも、わたくしは――ジャッジメントですのっ!! こんな事、許せるハズがありませんの!!」

??「そうかい。なら君も、御坂美琴と同じ道を歩んでもらおうか」パチンッ

黒子「――ッ!?」

黒子「……」

??「どうだい? 全ての自由を奪われた気分は? 悔しいか? 悲しいか? 苦しいか?」

黒子「…………」

??「だがそれも、君が幼稚な正義感など振り翳すからいけないのだよ。素直に私の指示に従っていれば、苦しむ事も無かったろうに」

黒子「………………」

??「さて、次は……」

食蜂「ッ!」

??「君はどうするのかね? 大人しく私の指示に従うなら良し。もし嫌だと言うのなら」

食蜂「ふっ。そうねぇ……私は白井さんほど正義感溢れるキャラって訳じゃないけれど。貴方の操り人形に成り下がるなんて、絶対にごめんだわぁ☆」

??「そう言うと思ったよ」パチンッ

食蜂「……」ガクッ

??「さて、今日もたしか放送日だったな。存分に家畜共を増やしておくれよ? それが、君達の生きる唯一の意味なのだから」

黒子「……」コクッ

食蜂「……」コクッ

??「ふふ……ははは……はーっはっはっは。どれだけ抗おうが今更だ。金も権力もある私達を、誰が裁ける? なぜ裁ける?」

??「こんな所で騒いだところで、誰が手を貸すと言うんだね?」

??「この事件は、闇に葬られる運命なのだよ。それが定めだ!」

??「そして、家畜共は増え続ける。私達の財布としてなぁ!!」

??「さぁ、今日も存分に踊っておくれ! 私の可愛い操り人形たち!」

??「そして、存分に苦しむがいい! その心に反する言葉を吐き続けながら、誰も救う事が出来ない現実で、誰かを救う幻想を見せながらなぁ!!!!」

おわり

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