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深夜のスレ復活待てないので投下します
***
友「おつかれー!」
男「うん、そんじゃみんなまたねー!」
男「あちゃー、結構時間立ってるよ」
男「飲み会はついつい遊んじゃうから困るねー……」
男「家に連絡入れたかったけど携帯の充電が切れちゃって困ったな」
男「まあ急いで帰ればいいかな……」
***
まだ人のにぎわう最寄駅に着いた時、
なんだか最近開発の進んでいる駅前を歩いている時、
ギリギリ最後のバスに乗った時、独りで降りた時、
静かで冷たい地元の夜道を歩いている時、
僕は何か嫌な予感を感じていた。
鍵を閉め忘れたかもしれない、とかガス栓忘れたかも、とか。
そんなときの心境に似ていた。
運悪く携帯の充電が切れていたなんてことはよくあるし、
今までだって家に帰るのが少しくらい遅くなるなんてことはあったけど。
でも、それとは別の何か……シックスセンスなんてモノがあるとすればこういうのを言うのかもしれない。
その違和感は、坂道の途中にある少し大きな自分の家の近くまで来た頃に、確信へと変わることとなる。
男「…………なんだこれ……」
家の周りには3台のパトカーが付けられ、人だかりができていた。
深夜の11時だ。
普通、パトカーが来ていてもこんな寒い日には面倒くさがって野次馬なんてしようとも思わない人が多いだろうに。
しかもそれが自分の家の目の前にあるのだから、不安に駆られるわけで。
男「……あ、あの」
警察A「はい?」
男「こ、この家の者なんですが……」
警察A「本当ですか!?ちょっと逃げないで待ってくださいね」
警察A「お兄さん見つかりました!」
警察B「本当か!?よし、すぐに連れていけ!」
男「あの、何があったんですか!」
警察B「何も知らないんだな……」
警察A「……ひとまず署に行こうね」
***
***
男「………………」
警察C「もう一度言おうか」
警察C「妹さんが、君のお母さんを……殺害した」
男「……………………」
男「……いや、いやいや……いくらなんでも……」
警察C「今は信じられないと思うけど……本当なんだ」
警察C「だから、色々聞かせてほしい」
男「…………はぁ……」
男「(いくらなんでも、妹ちゃんが人を殺すなんて……)」
男「(わからない、何が起こってるのか、わからない……)」
男「い、妹に会わせてください」
警察C「……うむ、……今は厳しいんだが……いいでしょう」
***
男「……」
妹「……」
男「……妹ちゃん」
・・・・・
妹「…………お兄ちゃん」
男「……?」
妹「本当は兄さんを殺すつもりだったんだけどね」
男「!」
妹「…………」
妹「兄さんを殺そうとしているのがお母さんにバレちゃったからさあ」
男「そんなっ……!」
妹「あ、あとで警察の人に見せてもらうと思うけど、毒とか入ってた瓶をお兄ちゃんの机に入れて、自殺に見せかけて殺そうとかもしてたの」
男「嘘……だ……」
妹「お母さんがいる時間、もっと念入りにチェックすればよかったわあ」
男「…………ッ」ダッ
妹「…………」
>>7 なんかミスってる恥ずかしい
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****
*****
女「そんなことが……」
女「じゃあ、その瓶はその時の」
男「後からわかったことなんだけど、僕には変な保険がいっぱいかけられてたらしくて」
男「僕を殺して保険金を全部自分のものにしようとしたんじゃないかな……」
女「……」
男「今まで大好きだった妹が、突然僕を殺そうとするなんてさ」
男「そんなの聞いたら女の人を信じるのも難しくなっちゃって」
女「私は……」
女「私は、それでもあなたが好きです」
女「男さんの家族のことは気にしてない……から」
男「……そっか、ありがとう」
***
10年前
母「いいわね?妹ちゃん」
妹「うん」
母「あなた学費のためなのよ」
妹「(私、お兄ちゃんが死んじゃうくらいなら学校なんか行かなくていいよ)」
妹「わかってる……」
母「とにかく、あなたは電車でこの荷物を男の上の棚に乗せるだけでいいから」
母「荷物の配置的に絶対上に置いたら落ちるようになってるわ」
母「あ、たまに忘れてるみたいだけど男には冷たく接すのよ」
妹「うん……」
***
妹「(これで、障害保健が下りるから……って……そんな)」
妹「(……やっぱりお兄ちゃんを傷つけるなんてできない……)」
妹「ねえ」
男「荷物、持とうか!」
妹「そうじゃなくて」
男「あ、あ……あー……うん」
妹「同じ空間にいると気持ち悪くなるから私より後の電車に乗って」
妹「(ごめん、お兄ちゃん……)」
***
男「ただいま!」
母「っ!」
母「(平然と帰ってきた……!?)」
妹「…………(これでいい……)」
***
妹「何?」
母「あのね、悪いんだけどこの瓶を男の引き出しの奥の方に入れるのを頼みたいのよ」
妹「なんで?」
母「それに睡眠薬入れてるから、机に大事そうに入ってたら何かで死んでも警察は自殺だと思うでしょ」
妹「!!!」
妹「そ、それ……て」
母「うん……そろそろあの人の遺産も残り少なくなってきたからねえ」
母「殺そうと思うのよね」
妹「(そんなっ、お兄ちゃんが……)」
妹「そ、そうなんだ」
母「何、びびってるのよ?あなたは私の子供なんだから、賢く生きるってことを教えてきたでしょ?」
妹「わかってる、賢い生き方……」
母「それじゃ、頼むわね」
妹「うん…………」
妹「(これは私が持っていよう……)」
***
母「ちょっと待ってね、疲れがとれるスープを作ってあげるわ」
男「もうお腹いっぱいだよ」
母「ちょっとだけだからちゃんと飲みなさい」
母「(多めに睡眠薬を持って風呂に入れば……)」
母「(風呂で眠ってそのまま水死になる!)」
男「はーい……」
妹「(お母さん……!きっと睡眠薬入れるつもりだ……)」
妹「(極力、私が料理をするようにしてきたけどこれは避けられない!)」
***
男「はぁ、お腹いっぱいで眠くなったや」
男「はやくお風呂入って寝よう……」
妹「ねぇ(お兄ちゃんを風呂に入れちゃだめだ……!)」
男「ん?何?」
妹「私、今日まだ風呂入ってないから」
男「あーうん、すぐ上がるからちょっとだけ待ってくれない?」
妹「はぁ……(こんな風に言うしか……ないよね)」
妹「…………気持ち悪いから私より先に入らないで」
妹「今日は長くなるから諦めて明日入れば」ガチャ
男「あ……」
妹「(ごめん、お兄ちゃん……本当にごめん)」
***
母「ほら見て、妹ちゃん」
妹「ん?ネットの……危険な山紹介してるサイト?」
母「そうなのよ、男ってなんか山登るの好きじゃない?」
妹「うん」
母「そこに誘導すれば事故死させれるのよ!」
妹「(次から次へと……)」
妹「(せめてもの救いは私にいちいち全部話してくれること)」
妹「(私が絶対にお兄ちゃんを守るから……っ!)」
***
妹「とりあえず、途中までお兄ちゃんをつけたのはいいけど」
妹「これ以上は電車代がないからついていけない……」
妹「なんとかしてお兄ちゃんに山を登らせないようにしないと……」
妹「……っ!そうだ……!」
***
男「ここだなー……よしよし」
男「柵を登って……」prrrrr
男「え……電話?」
男「ったく、なんだってこんな時に…………って妹ちゃん!?」
男「(珍しいな!なんだろう!頑張ってとかかな!いやそんなわけないか!)はい」ガチャ
妹「あー……あのさ」
男「うん」
妹「今すぐ迎えに来て」
男「え?」
妹「家に帰るバスのためのお金落としちゃったから(最初から遊んでないけど……)」
男「え?え?」
妹「すぐに駅に来てくれないとあの本捨てるからね」
男「えええええ!?!」
男「(あの本って友から借りた本だよね……)」
妹「(こうするしか思いつかなかった……最低な妹だ、私)」
妹「(結局、私はお母さんの血が流れてる娘でしかないってこと……か)」
***
母「それじゃ、妹ちゃん行ってくるわ」
妹「う、うん……本当にやるの?」
母「ええ、アリバイはばっちり作ったから」
妹「……気を付けて…」
妹「(『男が泊まってるホテルを放火しに行く』って……冗談じゃないよ)」
妹「(お母さん、きっとだんだん頭が回らなくなってきてるんだ)」
妹「(お金欲しさにお兄ちゃんを殺せばそれでいいって思ってる……)」
妹「(今回もお兄ちゃんには帰ってきてもらおう……)」
妹「(でも、どうやって……?)」
妹「(お兄ちゃんはあれから部屋に鍵かけるようになったからモノで脅すのもできないし……)」
***
ホテル
男「さて……今日は遠くの山だったけど頂上は気持ちよかったなあ」
男「車飛ばしてまで来た価値はあったよ」
男「この前の山に登ろうと思ったのに、『マナーの悪い人が増えたため登山禁止』になってたし」
男「あの時登れてたらなあ……」
男「……今日は早く寝て明日はお土産買って帰ろう」
prrrr
男「あれ……?」
男「また妹ちゃんか……嫌な予感しかしない」
男「…………はい」
妹「……あの」
男「うん」
妹「ケガしたから、病院に連れて行ってほしいの」
男「……っ!?」
男「大丈夫!?すぐいくから、どこ?」
妹「家……階段から落ちちゃって」
男「母さんは!?」
妹「遊びに行ってる……」
男「わかった、すぐに行くから!じっとしてて!」
妹「(階段の上からジャンプして足の甲で着地したんだ……きっと折れてる)」
妹「(これで許して……お兄ちゃん)」
***
男「大丈夫!?」
妹「うん……でも」
男「青くなってる……!」
妹「ちょっと痛い」
男「車に乗せるから……その」
妹「何?」
男「触ってもいい?」
妹「ああ……うん(お兄ちゃんにだっこされるの……ううん、触ってもらうのいつぶりだろ)」
妹「(…………お兄ちゃんとどこか遠くに逃げ出したい)」
***
母「うーん」
妹「どうしたの?」
母「もうめんどくさいし、毒でも盛ってやるかなって」
妹「……」
母「私が出かけて、あらかじめ毒を塗っておいた野菜類とカレーの道具を出しておけば自分で作って自分で食べるんじゃないかしらねえ?」
妹「わ、わからないよ。だっていつも私が作ってるし、私を待つかも」
母「んじゃあ、あなたも遅く帰ってきなさいね」
妹「…………」
***
妹「……」ガチャ
男「あ、おかえりなさい、妹ちゃん」グツグツ
妹「……っ!(あれってもしかして……!間に合った!)」
男「何?」
妹「……(ひとまず食べる気無くしてもらわないと)」ゴソゴソ
男「え?それって部活の絵具だよね?それをどうするつも……」
妹「……」ポチャン
男「あああああ!!!なんでカレーに入れてんの!?!?!」
妹「(え、えっと、なんて言えば……!)」
妹「(間違えて?いや、違うでしょ。間違えるわけ……)」
妹「(ああ……そうか、私が悪くないなんて思ってもらおうとする時点でおかしいんだ)」
妹「(とことん悪役にならないと……それでお兄ちゃんが生きられるのなら)」
妹「お……お…お前のカレーなんか食べないから!!」ザッパア
妹「……」タッタッタ
男「…………え」
妹「(これでいい…………)」
***
妹「(もう、完全に嫌われた……ね)」
妹「(最近話しかけてこないし)」
妹「(もう疲れちゃった……)」
母「ねえねえ」
妹「(もう守れないよ……お兄ちゃん)」
母「計算してみたらね、死に方によっては2億2000万円くらい出るみたいなのよね」
妹「(何が賢い生き方よ……最低の……クズ人間……)」
母「それで、殺し代行みたいな人がいるらしくって」
妹「…………!?」
母「それが依頼料1億円と口止め2000万くらいらしいから、引いても1億円以上はおつりがくるのよ」
妹「(本気で……言ってるのか、この人は)」
母「だから、依頼しちゃおっかなーって」
妹「…………もう、無理」
母「え?」
***
妹「もしもし」
妹「母を」
妹「殺しました」
妹「私が」
妹「包丁で」
妹「胸を」
妹「深く」
妹「突き刺して」
妹「逃げるので」
妹「追いかけて」
妹「何度も」
妹「何度も」
***
妹「(きっとお兄ちゃんが優しくしてた私が人を殺したなんて知ったら)」
妹「(お兄ちゃんはもうちょっとくらい人を疑うようになるかな)」
妹「(じゃあ……100%私が悪いことにしよう)」
妹「兄さんを殺そうとしているのがお母さんにバレちゃったからさあ」
妹「あ、あとで警察の人に見せてもらうと思うけど、毒とか入ってた瓶をお兄ちゃんの机に入れて、自殺に見せかけて殺そうとかもしてたの」
男「嘘……だ……」
妹「(これで……全部終わり……)」
***
男「うん、ちょっと色々あってダブっちゃったんだよね」
女「やっぱり年上だったんですね」
男「うん、一つだけ」
女「良かったら、色々もっとお話ししませんか?」
男「え?」
女「私、なんだか男さんのことが知りたくなって」
男「……君、おもしろいこと言うね」
女「え?」
男「うん、おもしろい。色々話そうか」
男「(今はまだ話せないことがたくさんあるけど……)」
***
男が結婚して20年。
男は女と結婚し、子供が一人できていた。
少し同い年の子供たちとは違った雰囲気ではあったが、
なにより美しく、頭がよかった。
「へぇ、お父さんってこんなに保険かかってんだ……すごいね」
「あ!」
「そういえば、お父さんが大事にしてる瓶……あれってなんなんだろう」
「調べてみよっと♪」
男「妹が殺人犯です」女「えっ」完
最後はパッとしなかったけど良かったよ
お疲れ
>>39
我ながら最後適当だったと思う
乙ありがとう
前のスレ復活してるじゃねーか
無駄なスレ建て失礼申し訳ないです
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