海未「そういえば昨日はバレンタインでしたね」 (61)

海未「まぁ私には関係ないですけど」

煎餅ポリポリ

海未「あ、これ湿気ってますね」

海未「まぁいいや」

ぐー

海未「お腹減った」

ぐー

海未「ピーナッツの気分です」

海未「んー……コンビニ行きますかー……」(伸びをしながら)

コンビニに到着

海未(今日はいつにも増して賑やかですね)

店員「いらっしゃいませー」

海未(笑顔がうるさい店員ですね……)

海未「すみません、ピーナッツあります?」

店長「………え?あ……はい!こちらにありますー」

海未(……ちょっと鈍臭そうな人ですね)
海未「お願いします(ニコッ)」

店員「はい、こちらになります」

海未「えっ……」

店員「え?」

海未「あの、お願いしたものと違うんですけど……」

店員「あれ?頼まれたものってピーナッツですよね?」

海未「はい」

店員「……これピーナッツですけど?」

海未「……違います。これはカシューナッツです」

店員「………あれ?……あ!失礼しました!」

海未「………」

コンビニ外

海未(鈍臭い人でした)

海未(ピーナッツとカシューナッツを間違えます?普通……)

海未(……まぁ、別にいいですけど)

海未(あ……)

穂乃果「でねー!それでねー!~~」

海未(穂乃果だ……)

海未(………)

海未(……って、なんで私隠れてるんですか)

海未「あの、穂乃……」

海未「……いない」

海未「………まぁいいや」

海未「家に着きました」

海未「ただいまー」

ガラガラ

海未「………」

海未「………」

海未「あれ?」

海未「………」

海未「あ、そうでした。今日は誰もいないのでした」

自分の部屋
海未「さて」

ガサゴソ……ガサゴソ……

海未「ピーナッツを食べますか」

海未「……ん?」

海未「………」

海未「なんでしょうこの袋」

海未「こんなもの買ったっけ」

海未「これは……肉まん、ですね」

海未「………」

海未「ぬくい」

海未「はっ!」

海未「この肉まんよく見たら……!」

海未「あ、あんまんでした!」

海未「………」

海未「………」

真ん中を少しだけ割いてみら

海未「……あ、肉まんでした」

海未「穂乃果にあげたら喜ぶかも」

海未「見た目パンっぽいし」

海未「少なくとも和菓子ではないですから、きっと喜んでくれます」

海未「………」

海未「………」

海未「………」

海未「………冷めてても意外と行けますねこれ」

海未「あ、食べちゃった」

ピロピロピン♪

海未「穂乃果からメールが着ました」

海未「写メが添付されてますね」ポチッ

海未「ことりとのツーショット写真……」
海未「本文は……
『ことりちゃんと買い物デート!たのしー!』と」

海未「……ふふっ。文章から穂乃果の楽しいが伝わってきます。
写真も抜群に可愛いです。ふふふふっ」

海未「………」

海未(携帯ポチポチ)

海未(ポチポチ)

海未「よし、保存っと」

海未「……うーん、何度見ても可愛い写真」

海未「………」

海未「あれ?私誘われてないぞ?」

海未(携帯ポチポチ)

『件名:こ、ことりとデート!?

本文:酷い!どうして私も誘ってくれなかったんですかっ!酷い!』

海未「よし、こんなものでしょうか」

海未「………うーん」

海未「………(ポチポチ)」


『件名:こ、ことりとデート!?

本文:ひどい!どうして私も誘ってくれなかったんですかっ!ひどい!』

海未「こっちの方が可愛い」

海未「返信が」

海未「こない」

海未「………」

海未「……まぁいいです。勉強でもしましょうか」

海未「………」携帯チラッ

海未「………」携帯チラっ

海未「………」携帯チラッ

海未「おかしい、もう三十分も経ってるのに返信がこない」

海未「………」

海未「あ、まだ五分も経ってなかった」

海未「来ないですね」

海未「……さっき見かけたあたりにいるんでしょうか」

海未「………」

スクッ←立ち上がる音

海未「………」

ストン←座る音

海未「………っ!」

スクッ!←立ち上がる音

海未 「………はぁ」

ストン←座る音

海未「……よし!」

スクッ←立ち上がる音

海未「喉が渇いたのでっ!」

ガチャ←扉の開く音

海未「外にお茶を買いにっ……!」

海未「………」

海未「……行こうかと思いましたけど、冷蔵庫にお茶がありましたね」

海未「………」

海未「まぁ……いいや」

海未「穂乃果のことですから、ただ単に忘れてるのでしょう」

海未「こんなことでわざわざ問い詰めに行くのも……なんですし……」

海未「………」

海未「お茶取りにいこー……」

バタン←扉の閉まる音

冷蔵庫
海未「お茶ーお茶ー……」

海未「………」

海未「ないっ」

海未「日本を代表する飲み物がないなんて……」

海未「日舞の家元として恥ずかしいっ……!!!」

海未「………」

海未「……日舞は関係ないか」

海未「あー、飲み物買いに行きますかぁ」


にこ「あら?」

海未「寒いです……死にます……寒いです……死んじゃいます……寒いです……」

にこ「海未じゃない。奇遇ねこんなところで」

海未「寒い……何か羽織るものを持ってくるべきでした……」

にこ「あれ?おーいっ。もしもし?聞こえてないの?」

海未「ダメです……このままじゃ死にます……一旦家に戻りましょう……」

にこ「………………」

海未「このままじゃ近所で……ご近所で一人八甲田山しちゃう……」

海未「はやく、はやく家に帰らないと……しぬっ!しぬるっ!」

にこ「………」
にこ「はぁ……」

ファサァ……

にこ「仕方ないわね。にこのマフラー貸してあげるわよ」

海未「……?!いずこかからマフラーがっ。これは一体!?」

にこ「……それとっ!!!
いい加減あたしの存在に気付きなさい!あんたは!」

デッコピーン☆

海未「あいたぁっ!!??」
海未「………あっ」
海未「奇遇ですね、にこ。こんにちは」

にこ「………」
にこ「…あたしにあれだけ失態を晒しておいて
よくそんなに平然としてられるわね、あんた……」

海未「マフラーありがとうございます、にこ」

にこ「いいわよこれくらい。
……それで?どこか出掛けるつもりだったの?」

海未「ええ。お茶を買いにコンビニに行こうかと思いまして」

にこ「えっ。お茶を?コンビニで?」

海未「はい。お茶を。コンビニです」

にこ「……ちょっと意外ね。
海未の家ってすごく和風っぽいからお茶なんていくらでもありそうなのに」

海未「………」
海未「いえ、お茶はお茶でもただのお茶じゃないです。
玉露を買いに行くんです。玉露を」

にこ「コンビニに玉露はないでしょ」

コンビニ前
海未「着きました」

にこ「着いたわね」

海未「………そういえば」

にこ「ん?」

海未「今更ですけど良かったんですか?」

にこ「へっ?何が?」

海未「なんとなーくここまで二人で一緒に来ましたけど、
にこにも何か用事があったんじゃないですか?」

にこ「あー……まぁ……」

海未「……あッ!」

海未「私にこからマフラーを借りたままでした!
す、すみません!付き合わせちゃう感じになっちゃって……!!」

にこ「……いいわよこれくらい。大した手間じゃないし」

海未「ごめんなさい……。
私が気づかなかったせいでにこに余計な手間をかけさせちゃって……」

にこ「気にしなくていいって。
もともと私が勝手に貸したもんなんだし」

海未「でも」

にこ「そ・れ・に!
あたしもコンビニで買いたいものあったし丁度良かったわ
あんたが気にする必要はないの。わかった?」

海未「………」

海未「………」
海未「……にこって」

にこ「うん?」

海未「……優しいですよね」

にこ「は、はぁ?!何よいきなり!」

海未「……にこのそういう優しさ、私すごく好きです」

にこ「………」

海未「みんなが心の何処かでにこを頼りにしたくなる気持ち、私すごくわかります」

にこ「………そ、そう」

海未「………」

にこ「………」

海未「あ」

にこ「?」

海未「マフラーのお礼にファミチキ奢ってあげますね」

にこ「それは太るからいらない」

海未「そうですか」

海未「にこ」

にこ「うん?」

海未「大変です」

にこ「うん」

海未「ここのコンビニ、ローソンでした」

にこ「うん」

にこ「………」

海未「………」

にこ「……だ、だから何?」

海未「ここでは……ファミチキを買えない……っ」

にこ「そ、そうね」

海未「ファミチキは無理なのでつくね棒を奢りますね」

にこ「だから私は要らないってさっき……」

海未「~~♪♪」

にこ「………」

海未「あっ。ごめんなさい。何か言いました?」

にこ「……つくね棒はカロリー高そうだからこっちのあんまんにして」

海未「了解です」
海未「私も食べたいので半分こしましょう」

にこ「うん」

海未「無事、お茶を買えました」

にこ「玉露じゃないけどそれでいいの?」

海未「………」

にこ「玉露じゃなくて伊右衛門だけどそれででいいの?」

海未「………」

にこ「………」

海未「………」

にこ「……なに無視してるのよ」

海未「……無視はしてないです。聞き流してるだけです」

にこ「同じことじゃないのよ!
……まぁ、あんたが何を飲もうがどうでもいいけどさ」

海未「ささっ、そんなことより半分こしましょう、にこ」

にこ「はいはい」

にこ「………」

海未「………」

(二人であんまんモグモグ)

にこ「………」

海未「………」

にこ「……そういえば、あんたとこうやって二人きりになるのって珍しいわよね」

海未「………」

にこ「………」

海未「………」

にこ「………」

にこ「………海未?」

海未「温かいあんまん、美味しい……っ!!美味っ……!!」

にこ「………」

海未「やはりあんまんは温かいものに限りますね!にこ」

にこ「……まぁいいや」
にこ「そうね、あんまんはホットに限るわね」

???「あ!」

海未「あれ、にこの背がいつもより高く見えます」

にこ「え?……あー、いつもより厚底の靴だからかしらね」

海未「違います」

にこ「言い切ったわね……」

海未「成長期なんですよ。きっと。第二次成長期」

にこ「第二次ってあんた……あたし高校生なんだけど?」

海未「………もちろん知ってますよ」

にこ「………なに、今の間」

海未「深い意味はないですけど」

???「おーい!おーい!」

にこ・海未「「ん?」」

穂乃果「うーみちゃんっ!やっほー!」
(後ろから急に抱きつく)

海未「ほほほほ、穂乃果!?」

にこ「っ!……穂乃果じゃない!ビックリさせないでよ、もう!」

穂乃果「にこちゃんもっ。やほにこにーんっ!」

にこ「改造するんじゃないわよ!『にこにこにー!』よ!!」

海未「ほ、ほ、ほのか……?」

穂乃果「?なにかな、海未ちゃん」

海未「ここここ、こ、これは違うんです。浮気とかそういうんじゃなくてあのそのあのは、はのぅっ!!これは数奇な運命というかなんというか……確率論的にはある意味当然の出会いだったというかなんというか、あのあの?あのぅっっ!!」

にこ「えっ……?」

穂乃果「ふむふむ……」
穂乃果「なるほどなるほど……」
穂乃果「…………」
穂乃果「……よし!」
穂乃果「海未ちゃん!」

海未「は、はい!」

穂乃果「何を言ってるかさっぱりわかんない!」

海未「はうっっ!」

穂乃果「海未ちゃん、私のメールちゃんと見た?」

海未「え?……ことりとのツーショット写真のことですか……?」

穂乃果「それじゃなくてー……あ!
おーい!ことりちゃーん!こっちこっちー!」

タッタッタッタッ!(←走る音)

ことり「ほ、ほのかちゃん……っ、急に、走りださないで、よぉ……ハァハァ……」

穂乃果「ごめんねっ。海未ちゃんの姿が見えたからつい」

ことり「ハァハァ……つ、疲れたぁ……ハァハァ……」

海未「それでメールって……私だけ誘わないなんて酷いですよ!」

ことり「ハァハァ……ハァハァ……えぇ?」

穂乃果「海未ちゃん。これこれ」

(自分の携帯を見せる穂乃果)

本文:買い物してる途中であっただけだよ?
今からことりちゃんと一緒に海未ちゃんのお家に行くね~

穂乃果「ね?」

海未「あらまぁ」

穂乃果「私たちが海未ちゃんだけ誘わないなんてことあるわけないよ!」

海未「穂乃果…….っ!」

ことり「子供の頃からの付き合いだもん。私ちちずっと一緒だよ?」

海未「ことり……っ!」

海未「………っ!」

ギュー~ッ!
(思わず抱きつく)

海未「私、不安で……不安でえぇっ…….ほのかぁ……ことりぃ……」

穂乃果「ひゃぁっ!あはは大袈裟だなぁ、海未ちゃんはー」ナデナデ

ことり「不安にさせてごめんねー?」ナデナデ

海未「二人とも大好き……大好きですぅ……」

にこ(………)
にこ(………)
にこ(なんだこれ……)

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