花陽「ありがとう」 (87)
りんぱな
70レス程度
書き溜めをひたすら投下するスタイル
凛ちゃんは、私のこと、どう思ってくれているんだろう。
私は、凛ちゃんにとって、どんな人だろう。
アイドルが大好きで、ずっとアイドルになることが夢で、
自分に自信がなくて、人見知りで、迷ってばっかりで…
凛ちゃんは、どうしてこんな私と一緒にいてくれるのかな。
私のいいところなんて、全然なくて…
凛ちゃんを怒らせてしまったことも何度かあって、喧嘩になっちゃったこともあった。
でも、朝会うと、凛ちゃんが絶対先に謝ってくれて。
私が悪いって、わかってるのに。凛ちゃんが謝るのを待ってしまう…
こんな私じゃ、ダメだよね…
凛ちゃん、私のこと、どう思う?
私は、凛ちゃんのこと、大好きで、大切に思ってて、ずっと一緒にいたくて。
今度、聞いてみようかな。
いきなりどうしたの?って、笑われそうだなあ…
やっぱり、聞けないや。
でもね、これだけははっきりしてるよ。
私は、凛ちゃんのこと、大好き。
あなたは…どうかな?
かよちんにとって、凛ってどんなひとなんだろう。
元気いっぱいで、スポーツが好きで、得意で…
うん、そこまでは自分でもわかるよ。
その後だよね。
凛にとって、かよちんは、アイドルが大好きで、優しくて、誰より頑張り屋さんで…
いままでずっと一緒にいて、これからもずっといっしょにいたいひと。
あとは…
大好きな人?かな。
かよちんにとって、凛はどんなひと?
きいてみようかな、明日。
自信ないなあ…
かよちんは、凛のこと、大好きだって思ってくれるのかな?
嫌い、っていうことはないと思う…いや、わからないなあ…
いままでずっと迷惑だったけど、かよちんが優しいから一緒にいてくれたのかも。
そうだったら…どうしようかな。
ダメだ、やっぱり聞けないや…
でも、これだけは聞きたいな。
凛は、かよちんが大好きです。
あなたは…どうですか?
凛「かーよちん!おはよ!」
花陽「凛ちゃん、おはよう!」
凛「よーし、今日も頑張るにゃー!」
ーーーーーーー
凛「…ねえ、かよちん」
花陽「ん?なに?凛ちゃん」
凛「……ごめん、やっぱりいいや」
花陽「え?そ、そうなの?」
凛「うん、そう。ごめんね?」
花陽「え~…気になるなあ…」
凛「大したことじゃないから。忘れて?」
花陽「凛ちゃんが言い渋るなんて、珍しいね」
凛「そうかもしれないね~。凛は思ったことはすぐ口に出しちゃうから」
花陽「そういうの、すごいと思うなあ…私には出来ないよ」
凛「そんなことないよ?だって、相手がいやだ、って思うことも言っちゃうよ?」
凛「ちょっと考えたらわかるのになあ…って。だから、かよちんはそのままでいいの!」
花陽「そうなのかなあ…」
凛「ほら、今だって。やっぱり話すのやめよ、って、なんかすっきりしないでしょ?」
花陽「う~ん…まあ、そうかも…」
凛「そうだよー。あ、真姫ちゃんだ!まきちゃーん!」
真姫「え?」
真姫「ああ、凛、花陽」
凛「真姫ちゃんおはよー!」
真姫「ええ。あなたは朝から元気ね」
花陽「真姫ちゃん、おはよう」
真姫「ええ。おはよう、花陽」
ナンデリンニハオハヨウッテイッテクレナイノー!?
花陽「ねえ、真姫ちゃん」
真姫「え?なによ」
花陽「言いたいことがあったら、言っちゃった方がいいのかな?」
マキチャンキイテルー?
真姫「なに?何か言いたいことがあるの?」
花陽「あ、ううん。そういうわけじゃないの」
真姫「まあいいけど。というか言いたいことがあるなら言っちゃえばいいのよ」
花陽「で、でも…相手が傷ついたりとかしちゃうの考えると…やっぱり言えなくて…」
真姫「まあ、それはあるけど…それより言いたいことを言わなくて自分が辛くなるなんて馬鹿らしいじゃない?」
花陽「そうなのかな…」
凛「真姫ちゃーん!!」
真姫「うるさいわね!聞こえてるわよ!」
凛「じゃあ返事してよー!」
真姫「花陽と話してたでしょ!ちょっとは空気読みなさいよ!」
花陽「ふふっ、いつも通りだね」
ーーーーーーー
先生「じゃあ、大問2やって。そうだね…(1)を西木野さん、(2)を星空さん。終わったら板書してね」
真姫「…」ガタッ
凛「…」ガタッ
凛(ねえ真姫ちゃん。これであってるの?)
真姫(さあ。間違えたらいいじゃない)
凛(ええー!?そんなこと言わないで教えてよー!)
真姫(…使う公式が間違ってるのよ)
凛(えっ、じゃあ最初からやり直し?)
真姫(ま、ほとんどそうね)
凛(ええー…1なら出来てるのに…)
真姫(運が悪かった、ってことね)
凛(…とりあえず出来たから、もうこれでいいや…)
真姫(そこ、計算ミスってるわよ)
凛(もうなんでもいいにゃ…)
凛「ってことがあったんだよ!」
花陽「そ、そうなんだ」
凛「真姫ちゃんもひどいよねー。教えてくれればいいのに」
真姫「出来ない凛が悪いんでしょ?」
花陽「その言い方はちょっと…」
凛「ほら真姫ちゃん!かよちんもこう言ってるよ!」
花陽「凛ちゃんもちゃんと自分で出来るようにしなきゃ!」
凛「えー!?かよちんどっちの味方なのー!?」
花陽「え!?ど、どっちって言われても…」
真姫「花陽、気にしなくていいわよ」
凛「まーきーちゃーん!」
花陽(うん、いつも通りだね)
ーーーーーーー
今日も、いつも通り、って感じでした。
凛ちゃんが真姫ちゃんに話しかけて、真姫ちゃんがそれを軽くあしらって。それで、ときどき私が口をはさんで。
うん。いつも通りで、とっても楽しいです。
ずっと、こんな日が続けばいいなあ。無理なんだ、ってわかってても、そう思ってしまいます。
ーーーーーーー
花陽「今日も楽しかったなあ…」
花陽「明日も楽しくなりますように。おやすみ、凛ちゃん…」
ーーーーーーー
花陽「た、たすけて…」
凛「かよちんがんばって!次の曲、かよちんがセンターなんだから、かよちんが主役にならなきゃ!」
絵里「今まで通り、普通にやればいいのよ。それだけの力が今の花陽にはあるんだから」
花陽「で、でも…ソロパートになるとやっぱり緊張しちゃって…」
絵里「まあ、とりあえず一度やってみましょう。きっとすぐ慣れると思うわ」
凛「がんばってかよちん!見てるから!」
花陽「う、うん…」
ーーーーーーー
絵里「うーん…一旦休憩にしましょうか」
花陽「うう…ごめんなさい…」
凛「かよちんどうしたのー?昨日は出来てたのに」
花陽「ご、ごめんね…」
絵里「花陽は力はあるんだけど、緊張に弱いわね…」
希「そうやね。何か考えてあげんと…ん?」
真姫「…」ツカツカ
花陽「真姫ちゃん…?」
真姫「花陽、あなた、力はあるんだから大丈夫よ。声を出すのと一緒。簡単よ。あなたならできるわ!」
花陽「真姫ちゃん…」
凛「あー!?真姫ちゃんそれ凛の仕事だよー!?」
真姫「誰がやってもいいじゃない!」
ワーワー
花陽「…絵里ちゃん!」
花陽「もう一回やらせて!」
絵里「花陽…よし!再開するわよ!」
ーーーーーーー
今日は、PVの撮影をしました。
私がセンターだから、私から撮影を始めたんだけど…やっぱり緊張しちゃって…
でも、真姫ちゃんに励ましてもらって、なんとかやりきりました。
凛ちゃんが「かよちんを励ますのは凛の仕事!」って言ってたけど。えへへっ。
でも、やっぱり、ありがとうは言えませんでした。
言おう、言おう、と思ってても、のどの辺りで止まってしまいます。
なんでだろう。昔は、こんなふうには思わなかったのに、ね。
ありがとう、ぐらい、ちゃんと言わなきゃ。じゃなきゃ…す、好きなんて言えないよね。
ーーーーーーー
花陽「……」
花陽「私、変わらなきゃだめだよね…」
ーーーーーーー
凛「よーし、練習はじめるにゃー!」
穂乃果「おー!」
絵里「あの2人はいつも元気ね」
希「ええことやん?」
ことり「あの2人にはいつもひっぱってもらってるよね♪」
海未「いい方向だけではありませんけどね」
花陽「あはは…」
凛「みんなー!はやくはやくー!」
絵里「はいはーい!さっ、行きましょ?」
のぞことはなうみ『はーい!』
ーーーーーーー
絵里「それで、ここのパートなんだけど…正直かなりきついと思うわ」
絵里「体力的に…凛か海未がやることになると思うわ」
凛「凛かにゃー?」
海未「わ、私ですか?」
絵里「どっちか、やってみない?」
海未「わ、私はちょっと…」
凛「凛できるよ!」
絵里「…反対の人は?…じゃあ決定!ここは凛にやってもらうわ!」
凛「よーし、頑張るにゃー!」
ーーーーーーー
今日、凛が1番難しいダンスパートをやることになりました!
凛は運動が得意だから、きっとできるよね!うん!頑張るにゃー!
…この日記もなんか面倒になってきたよー…
これ、かよちんが「一緒にやろ?」っちいうから始めたんだけど、やっぱり凛には向いてないにゃ!
でも、やめるわけにもいかないよねー
まあ、続けるだけ続けようかな?やめる時はきっと忘れた時だよね!
ーーーーーーー
凛「んーっ…」
凛「…寝よ……」
凛「おやすみ、かよちん…」
ーーーーーーー
絵里「じゃあ、一旦休憩!」
花陽「はあっ、はあっ…」
凛「かよちん大丈夫?」
花陽「う、うん。大丈夫…」
凛「大丈夫に見えないよー?かよちんは体力ないなあ…はい、水」
花陽「うう…ご、ごめん…」
花陽「凛ちゃんは体力あって羨ましいなあ…」
凛「凛は運動が得意だからねー」
絵里「よーし、再開するわよー!」
ーーーーーーー
絵里「じゃあ、各自ストレッチして終わり!」
穂乃果「ふいー疲れたー!」
凛「凛はまだいけるよー!」
海未「凛、今日はもうやめておきなさい。大丈夫だと思っていても体は疲れているんですから」
凛「えーまだ動き足りないよー!」
海未「穂乃果の二の舞になっては困るのですよ!」
穂乃果「うっ…」
凛「はーい…」
凛「かよちーん!ストレッチやろー!」
花陽「う、うん!」
海未「…まったく、どんな体力しているのですか、あの子は…」
ーーーーーーー
今日の練習はいつもよりハードでした!みんなくたくただったなあ…
凛はもっと運動したかったんだけど、海未ちゃんに止められちゃった…
そういえば、かよちんすごいつらそうだったけど、大丈夫かなあ?
でも、かよちんならきっと大丈夫だよね!
ーーーーーーー
凛「…うー……」
凛「やっぱり動き足りないよー!」
凛「でも、やめておいた方が良いんだよねー…」
凛「しょうがない、寝るかにゃ…」
ーーーーーーー
花陽「…はあ…はあ…」
花陽「…もっと、体力つけなくちゃ…」
花陽「もう、凛ちゃんやみんなに迷惑かけられないよ…」
花陽「ほら、頑張れ花陽。もう一本…」
ーーーーーーー
ーーーーーーー
海未「花陽、話があるのですが、いいですか?」
花陽「え?う、うん」
ーーーーーーー
海未「話というのは、曲のことについてなんです」
海未「花陽、作詞してみませんか?」
花陽「えっ…ええええ!?」
海未「みんなで作詞する時、花陽はいつもいいアイデアをくれています。だから、どうですか?」
花陽「あ、あれは元になるものがあるから…私はそれにちょっと加えてるだけだし…」
海未「花陽が困っていたら、もちろん私たちも手伝います。だから、やってみませんか?」
花陽「…じゃ、じゃあ、やってみようかな?」
花陽「って、言ってみたのはいいけど…」
花陽「何から始めたらいいのかわからないよお…」
花陽「うう…海未ちゃん、いつもどうやってるんだろ…すごいなあ…」
花陽「何か題材とかあったらなあ…」
花陽「…凛ちゃーん…」
海未(やっぱりこうなりましたか)
ことり(普通はなるよお~!)
花陽「わからないよお…」
凛「かよちん前見ないと危ないよー?」
花陽「何書けばいいのお…」
凛「ことりちゃんとか海未ちゃんに聞いてみたら~?」
花陽「だ~れ~か~た~す~け~て~」
凛「発声ぐらい普通にやろうよ~!」
海未(…完全にことりと同じですね)
ことり(…私あんな感じだったの?)
花陽「うー…」
凛「かーよちん?相変わらず悩んでるみたいだね?」
花陽「うん…」
花陽「やっぱり、無理なのかなあ…」
凛「かよちん…よし!」
凛「かよちん、走りに行こ!」
花陽「ええ!?」
凛「悩んだ時は、動いて気分転換にゃー!」
花陽「え?あ、待って~!」
ーーーーーーー
凛「さーて、気分転換なんだし軽くだね~」
凛「かよちん、それでいい?」
花陽「え?う、うん…」
凛「どうせ走るんだから、楽しく行くよー!」
花陽「…うん、そうだね!」
凛「よーし、いくよー!」タッ
花陽「うん!」タッ
ーーーーーーー
凛「かよちん、ペース落とすー?」
花陽「はあ…はあ…だ、大丈夫…」
凛「ほんとにー?無理はだめだよー?」
花陽「う、うん…はあ…はあ…」
花陽(…結構体力ついてきたと思ってたんだけど…)
花陽(凛ちゃん、速すぎだよ…)
花陽(うう…凄いなあ…)
ーーーーーーー
凛「ふー!スッキリしたにゃー!」
凛「どう?かよちん、気分転換に…」
花陽「はあっ…はあっ…」
凛「……ならなかったかなあ?」
凛「かよちん、大丈夫?はい、お水」
花陽「あ、ありがと……」ゴクゴク
凛「ちょっと速かったかにゃー…」
花陽「うん…凛ちゃん、相変わらず、すごいね…」
凛「でしょー?凛はダンス任されてるから、もっと体力つけなきゃ、ね!」
花陽(……すごいなあ、ほんとに…)
花陽(…もっと、がんばらなきゃ)
花陽(…凛ちゃん)
花陽(凛ちゃんだって、すごく頑張ってるんだ)
花陽(凛ちゃんと同じぐらい…いや、もっとがんばらなきゃ…)
花陽(歌詞を考えることも、体力をつけることも、ダンスも、歌も)
花陽「…よし、また走ってこよう。その後に歌詞作りをしよう」
花陽「凛ちゃん…私も、もっと頑張るよ…」
ーーーーーーー
凛「かよちんおはよー!」
花陽「おはよう、凛ちゃん。…ふああ…」
凛「んー?かよちん寝不足ー?」
花陽「あはは…ちょっとね……おっとと」
凛「だ、大丈夫?ほんとに無理しちゃだめだよ?」
花陽「う、うん。ありがと。でも、ほんとに無理なんてしてないから…」
凛「本当に?かよちんはいつも頑張りすぎちゃうじゃん。」
花陽「ほ、ほんとに大丈夫だから…」
凛「……わかったにゃー」
ーーーーーーー
教師「この問題は二次関数なので……」
花陽「……」ウトウト
教師「えー…じゃあ、小泉さん。…小泉さん?」
花陽「あ、は、はい!」ガタッ
教師「まず何をすればいいですか?」
花陽「あ、えっと…平方完成を…」
教師「そう!じゃあ、平方完成のやり方は?」
花陽「え、えっと…xの係数の1/2を2乗して…」
教師「はいOK!すわっていいよ」
花陽(よ、よかった…)
花陽「…」ウトウト
凛(かよちん眠そうだにゃー)
ーーーーーーー
花陽「ふっ、ふっ…」タンタン
凛「タラララーン♪」タンタン
希「今日もみんないい感じやね?」
絵里「ええ。これなら次のライブも大丈夫そうね」
真姫(……本当にそうかしら?)
真姫(みんな気づいてないみたいだけど、花陽、いつもの花陽じゃない気がする。花陽らしくないっていうか…)
真姫(何かあったの…?)
真姫「ねえ、花陽」
花陽「ん?どうしたの真姫ちゃん」
真姫「体調でも悪いの?今日、何か練習の時おかしかったじゃない」
花陽「え?そ、そんなことなかったと思うんだけど…」
真姫「今日の花陽は、なにか…こう、花陽らしくなかったっていうか…」
真姫「何がおかしいかって、それは、その…よくわからないんだけど、ね」
真姫「おかしいって思ったの、私だけだったみたいだし」
花陽「そ、そうかなあ?でも、本当に何もないから…」
真姫「ならいいんだけど…何かあるなら言ってよ。私たち、仲間なんだから」
花陽「うん。ありがとう、真姫ちゃん」
花陽(……ほんとは、その通り)
花陽(ほんとは、わかってる)
花陽(最近、思うように体が動かなくて…ぎこちない動きになってるのかもしれない)
花陽(でも…)
花陽(私は、体力は無いし、ダンスも苦手だし)
花陽(真姫ちゃんは綺麗な声って言ってくれたけど、歌だって、得意だって思えない)
花陽(だから…私はμ'sの足手まといになってる、かもしれない)
花陽(だから…だからこそ、少しぐらいで弱ってちゃいけないの)
花陽(…凛ちゃんみたいに、なりたいの)
海未「今日は3年生がいないので私が指示を出します!」
穂乃果「ああ…あの地獄の日々が蘇る…やめて…こないでぇ…!」
海未「あ、今日は軽めにするつもりです」
穂乃果「う、海未ちゃんが練習を軽めにするなんて…」
凛「明日は何が起こるにゃー?」
海未「私は何なのですか!」
花陽(…よかった、助かったかも)
海未「ほら、早く始めますよ!」
ーーーーーーー
海未「じゃあ、一旦休憩にします!」
凛「ふー…あ、部室にタオル忘れててきちゃった。ちょっと取りに行ってくるねー!」ガチャ
花陽「あ、私も忘れちゃった…」
花陽「私も取ってくるね」
海未「あ、わかりましたー!」
穂乃果「やった!休憩が延びる!」
海未「ほーのーかー!」
穂乃果「じょ、冗談だよう…」
ガチャ
凛「えーっと、タオルは…あれ?」
花陽「よいしょっと…ふー…」
凛「あれー?かよちん凛のタオル知らないー?」
花陽「え?…うーん、知らないなあ…」
凛「あれー?…あ、あったあった!お待たせかよちん!」
花陽「うん、じゃあ行こ?……おっとと」フラッ
凛「だ、大丈夫かよちん?」ガシッ
花陽「う、うん。ありがとう凛ちゃん。大丈夫」
凛「…ほんとに大丈夫なの?」
花陽「…えっ?だ、大丈夫だよ?」
凛「嘘。かよちん前もふらついてたじゃん。それだけじゃなくて、最近の練習だって」
凛「かよちん、やっぱり無理してるよね?凛わかるよ。かよちんがいつもと違うことくらい。だって親友だもん」
凛「ね、だから一回休んだ方がいいよ?」
花陽「…ほんとに、大丈夫だから…」
凛「だめ。かよちんはいっつも頑張りすぎちゃうもん。だから休まなきゃだめなの」
花陽「…ほんとに、大丈夫なんだってば!!」
花陽「…あっ」
花陽「…ご、ごめんね!私、先に行くね!」
ガチャ
凛「あっ…」
凛「…かよちん…」
ガチャ
花陽「ご、ごめん、お待たせ!」
穂乃果「うん!…あれ?凛ちゃんは一緒じゃなかったの?」
花陽「えっ…」
花陽「……うぅ」
穂乃果「…花陽ちゃん?」
ガチャ
凛「ごめーん!お待たせー!」
穂乃果「あ、きたきた!」
海未「凛、遅いですよ!」
凛「ごめん、タオルがどこかに行っちゃってて、探してたら遅くなっちゃったー!」
海未「まったく…さあ、練習を始めますよ!」
ーーーーーーー
海未「ワン、ツー、スリー、フォー!」
花陽(……私、最低だ)
花陽(勝手に悩んで、勝手に無茶して)
花陽(みんなに心配してもらってたのに、無視して)
花陽(それで、一番大事な親友まで傷つけて…)
花陽(…私、もう……)
フラッ
海未「花陽!!」
花陽「…え?」
花陽「……あ、あれ?」
凛「!!」ダッ
バタッ
海未「凛!花陽!」
凛「…うー、いたた…」
海未「大丈夫ですか!?」
凛「う、うん…でも、ちょっと足挫いちゃったみたいにゃー…」
花陽「……え」
海未「ことり、真姫!私は凛を保健室に連れて行ってきます!花陽をお願いします!」
ことり「う、うん!」
海未「頼みます!」ダッ
真姫「花陽、大丈夫!?」
花陽「……私は、大丈夫、だけど。凛ちゃんが…」
真姫「今は自分のこと!とにかく、花陽は怪我はないのね!?」
花陽「…うん」
真姫「…よかった」
花陽「………」
真姫「…やっぱり、無理してたのね?」
花陽「……うん」
真姫「…はあ、全く…」
真姫「ほら、立てる?」
花陽「……うん」
ーーーーーーー
ことり「…それで、凛ちゃんは?」
海未「……腱にダメージがあるかもしれないそうです」
海未「なので、これから病院に行って、精密検査…運が悪ければ絶対安静。1日か2日ほど入院しなくてはならないかもしれないそうです」
穂乃果「そんな…」
海未「…花陽は大丈夫なのですか?」
ことり「うん。凛ちゃんが庇ったおかげで、怪我はないって」
海未「…そうですか、良かった」
ことり「…でも、最近無理してたみたいで…」
真姫「今日も、それが原因だったの」
海未「…花陽」
海未「あなたは休んでください。幸い明日は休日なので、しっかり休めるでしょう」
海未「絶対に練習しないでください。わかりましたか?」
花陽「……うん」
海未「…では、今日はもう終わりにしましょう。みんなもしっかり休んでください」
ーーーーーーー
花陽「……」
コンコン
凛「はーい!…あ、かよちん!」
凛「来てくれたんだね!今日は練習ないの?」
花陽「…私だけ、休むように、って」
花陽「だから、この休日は練習に行けないの」
凛「…そっか」
凛「……ごめんね、かよちん」
花陽「………え?」
凛「ちょっとお節介過ぎたかなー、って思って。ほら、かよちん怒ってたでしょ?」
花陽「…そんな…」
花陽「……なんで、凛ちゃんが謝っちゃうの?」
花陽「悪いのは私なのに…本当は、私が謝らなきゃいけないのに…」
花陽「どうして、そんなに優しいの…?」
花陽「うぅ…うわぁーん!!」ダキッ
凛「か、かよちん!?」
花陽「凛ちゃぁん!凛ちゃぁん!」
凛「……まったく、かよちんはほんとに泣き虫だにゃー…」ナデナデ
花陽「凛ちゃん…ごめんね…ごめんね…!」
凛「…かよちん…いいよ、そんなの。」ギュッ
花陽「…うっ…うっ…」
凛「…ちょっとは落ち着いた?」
花陽「…うん、ごめんね…」
花陽「…あの、凛ちゃん、これ」
凛「ん?」
花陽「あの、私が考えてた歌詞、なんだけど…良かったら、読んでくれないかな…?」
凛「…うん、読んでおくね!動けないから暇だったんだよー!」
花陽「………クスッ」
花陽「じゃあ、もう時間だから…明日も来るね、凛ちゃん」
凛「うん、わかった。またね、かよちん!」
花陽「…うん、ばいばい!」
ーーーーーーー
凛「やっほー!」ガチャ
海未「凛!もう退院したのですね?」
凛「うん!…でも、練習できるようになるのはもうちょっと後だって。もー、凛は早く練習したいにゃー!」
穂乃果「あはは…凛ちゃんは変わらないね…」
真姫「…よかったわね、花陽」
花陽「…うん!」
絵里「凛、ちょっといい?」
凛「どうしたの絵里ちゃん?」
絵里「次のライブのことなんだけど…」
凛「あー…やっぱり交代しなきゃだめかにゃー…?」
絵里「いえ、そうじゃないの。実際あれはもう凛にしか出来ないから、ね」
絵里「ライブ、延期したのよ。いくら凛でも病み上がりになっちゃうから、って」
凛「…そうなんだ」
凛「んー…ごめんね?」
絵里「いいのよ。私たちも凛だけに無理をさせるわけにはいかないから」
絵里「つまり、何が言いたいかっていうと…」
絵里「ライブまでにしっかり治しなさい!ってことよ!」
凛「…うん!もちろんだよ!」
絵里「よろしい!…あ、もうひとつ」
凛「え?」
絵里「…花陽の歌詞、見たわよね?」
凛「うん、見たよー?」
絵里「あれ、すごくいいと思うんだけど、9人で歌うにはちょっと難しいと思うのよね。…だから、花陽にソロで歌ってもらおうかなって思うんだけど」
凛「…かよちんのソロ?」
絵里「ええ。花陽の一番の親友の凛から見て、どうかしら?」
凛「…うん!絶対良いと思う!」
絵里「じゃあ、花陽にもそう言っておくわね。…ライブが楽しみね!」
凛「うん!凛も絶対治して成功させるからね!」
絵里「ええ、頼んだわよ!」
ーーーーーーー
凛「……よっし!」
凛「みんな、どう!?」
穂乃果「…うわー、凄いね、ほんとに」
真姫「ホント、おかしいわね。この子」
希「みんなより練習出来なかったはずやんなあ…」
ことり「しかも治った直後だし…」
凛「ふふーん♪これならライブも大丈夫にゃー!」
絵里「よし、じゃあ今日は練習終わり!ライブの曲順を考えましょう!」
ーーーーーーー
ジャアスタートハコレデ…
海未「…それにしても、凛が大丈夫そうで良かったです」
絵里「ほんと、そうよね。あの曲がなくなると大きな穴が空いてしまうもの」
マッテ、コレトコレイレカエタホウガ…
凛「ね、みんな。考えがあるんだけど…」
ボソボソ
>>1だけど規制食らった
ちょっとまってて
あいぽんには字でデータ残ってたけどパソコンに切り替えるから1レスに時間かかる
すまん
花陽「…ええ!?」
穂乃果「……面白そう!よし、それで行こう!」
花陽「ええ!?ちょ、ちょっと待って!」
穂乃果「大丈夫だって!絶対大丈夫!はい決定!絵里ちゃんもこれでいいでしょ?」
絵里「んー?…あら、いいじゃないこれ!誰の案?」
凛「凛だよー!」
絵里「さすが花陽の一番の親友ね。よくわかってるわ!」
凛「ふふーん♪」
穂乃果「そういうことで、曲順はこれで決定!」
花陽「ええー!?大丈夫かなあ…」
花陽「…ほんとにあれでいいのかなあ…」
凛「大丈夫だって!かよちんだから大丈夫!」
花陽「うぅ…不安だよぉ…」
―――――――
凛『あのね、考えがあるんだけど…』
凛『かよちんの新曲、最後にするっていうのはどう?』
凛『それで、アンコールを9人の曲にするの!』
穂乃果「……面白そう!」
―――――――
花陽「うう…なんでこうなっちゃったのぉ…?」
ーーーーーーー
ワーワー!!
海未「みなさん!今日は私たちのライブに来てくれてありがとうございます!」
にこ「今日もみんなをにっこにっこにーと笑顔にしちゃうよー!!」
穂乃果「さあ、早速行きましょう!!μ's!ミュージックー…」
『スタート!!』
「あこがーれーを語るきーみーのー!」
「ゆずーらーなーい瞳がー!大好き!!」
「大好き!!」
ワーワー!!
穂乃果「さあ、次は今日初公開の新曲です!みなさん、聞いてください!!」
凛(さあ、いくよ!)
ーーーーーーー
穂乃果「みなさん、どうでしたか!?」
穂乃果「みんなに届けば、私たちも幸せです!!」
絵里「これで午前の部は終わりになります!午後の部も楽しんで行ってくださいね!」
ーーーーーーー
凛「やったにゃーー!!」
穂乃果「凄いよ凛ちゃん!大成功だったね!」
海未「やはり凛に任せて正解でしたね?」
絵里「気を抜いちゃダメよ!山は一つ越えたけど、まだまだライブは続くんだから!」
真姫「当然よ!」
にこ「当たり前にこ!」
絵里「よし!じゃあ各自午後に備えておいてね!」
―――――――
ワーワー!!
穂乃果「みなさん、お待たせしました!これより、午後の部スタートです!」
穂乃果「みなさんももう一度、ご一緒にー!μ’s!ミュージックー…スタート!」
「あーふーれそうなー!ゆめーたーちー!」
「もーっとー!もっとみーせてー!」
ーーーーーーー
穂乃果「さあ、次で最後の曲です!」
穂乃果「最後はなんと!新曲で、あの子のソロです!」
穂乃果「さあ、花陽ちゃん!」
花陽「……うん!!」
『出会いが 私を 変えたみたい なりたい自分を見つけたの』
『ずっとずっと 憧れを 胸の中だけで 育ててた』
凛「かよちん…」
穂乃果「やっぱり、いい曲だよね…」
『大きな なわとび みんなが跳んで 私は こわくて 入れない』
『子供みたい ためらいながら いつも待っていたのきみを』
絵里「花陽…」
真姫「…綺麗な歌ね」
『あきらめかけたとき 支えてくれた』
『優しい手の その温もり 好きだよ』
―――――――
花陽「…」
シーン…
花陽「み、みなさん!ありがとうございました!」
ウワアアアア!!!
カヨチンサイコー!!!
ウッ…ウッ…
花陽「……みんな!」
穂乃果「花陽ちゃん!お疲れ!」
凛「かよちーん!!」
真姫「ほら、やっぱり出来たでしょ?」
花陽「…うん!」
アンコール!アンコール!
絵里「さあ、アンコールよ!花陽、準備は良い!?」
花陽「うん!」
穂乃果「よし、行こう!」
―――――――
穂乃果「やったー!!」
海未「今回も大成功でしたね!」
ことり「うん!きっと楽しんでもらえたよね!
絵里「さ、みんな今日は疲れたでしょう?早く帰って、しっかり休むこと!」
にこ「はーい」
希「はーい」
ーーーーーーー
凛「かよちーん!!」ダキッ
花陽「うわあ!?り、凛ちゃん!?」
凛「かよちんかよちーん!」
花陽「も、もう…」
凛「かよちん、ソロ、すっごく良かった!凛泣きそうになっちゃったよ!」
花陽「そ、そんな…凛ちゃんだって、ダンス、凄かったよ」
凛「ううん、あれは誰でもできるの。でも、かよちんの歌はかよちんにしか出来ないんだよ!」
凛「歌詞を作ったのもかよちんだし、あれはかよちんにしか出来ないの!だから、あれはかよちんの歌なんだよ!」
花陽「凛ちゃん…」
花陽「…あのね、凛ちゃん」
花陽「あのね、あの歌、凛ちゃんの歌なんだよ」
凛「え?」
花陽「歌詞、病院で初めて見せたでしょ?」
凛「うん、そうだったね」
花陽「歌詞が出来たの、あの前の日だったの」
凛「前の日って…凛が怪我した日?」
花陽「…うん」
花陽「私が無理して練習して、転びそうになって、凛ちゃんが助けてくれて…」
花陽「おかげで私は怪我しなかったけど、凛ちゃんがひどい怪我しちゃって…」
花陽「それで、その日の夜はずっと泣いてたの。私のせいで凛ちゃんが、って」
凛「それは違うよ!あれは凛がかよちんのこと守りたいから…」
花陽「…うん」
花陽「私も、凛ちゃんがそうやって言うんじゃないかな、って思ったの」
花陽「だから…あの、えっとね…」
花陽「えっと…つまり、凛ちゃんはいつも私のこと、大切に思ってくれてるのかな、って思って」
花陽「そうやって考えたら、勇気が湧いてきて」
花陽「そういえば、いつもそうだったなあ、って思ったの。今まで、ずっと」
花陽「μ'sに入った時もそうだったんだよ」
花陽「あの時、凛ちゃんが私に勇気をくれた。私の背中を押してくれた。みんなと跳べるように。だから、私は縄に入れたの」
花陽「だ、だから…」
花陽「これからも、私は、凛ちゃんに背中を押してほしい。いつも待っていた君は、凛ちゃんなの」
花陽「…凛ちゃん」
花陽「あのね、昔から、ずっと言いたかったことがあるの」
花陽「今も、凛ちゃんに勇気をもらってる。だから、今、言うね」
花陽「凛ちゃん。私は…」
花陽「凛ちゃんのこと、大好きです」
花陽「これからも、ずっと、一緒にいてください!」
凛「…かよちん、ずるいよ」
凛「凛だって、かよちんに言いたいこと、いっぱいあるのに」
凛「かよちんが先にいっちばん大事なこと言っちゃったら、凛も言うしかないじゃんか…」
凛「…かよちん!」
凛「凛も、かよちんとずっと一緒いたい!」
凛「かよちん、大好き!」
花陽「…凛ちゃん」
凛「えへへ、やっと言えた」
凛「でも、かよちんに先に言われるなんてねー」
凛「かよちんのことだから、凛が先に言わなきゃダメだって思ってたのに、かよちんに先を越されちゃったね」
凛「…かよちん、強くなったね」
花陽「凛ちゃん…それじゃ、久々に会った親子みたいだよ?」
凛「凛はかよちんの保護者だよ?」
凛「だから、かよちんとずっと一緒にいるの。これからも、ずっと」
花陽「…うん!」
花陽「…凛ちゃん、大好きだよ!」
ありがとうって 溢れ出してくる
夢が 少しずつ 近づいて
凛「…かよちん!凛もかよちんのこと、だーい好き!」
ありがとうって 溢れ出してくる
ありがとう
花陽「……ふふっ」
凛「……えへへ」
うれしくて うれしくて 幸せすぎると
泣けちゃうの
『ありがとう』
終わりだよ
SS書くたびに忍法帖リセットされたらたまらんよマジ
次何書こうかなあ…
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