番長「SOS団?」(1000)

>うっ……。

???「おや、お目覚めですか」

>どうやら長机に突っ伏して寝てしまっていたようだ。

>見知らぬ部屋だ……ここは。それに、あなたは。

???「起き抜けに質問ですか。僕としてはこちらから質問をしたかったのですが」

>見知らぬ制服を着た学生風の男に問いかけられた。

>部屋には彼と自分しかいないようだ。

???「僕が来たときにはあなた一人で突っ伏して寝ておられましたよ」

>……。

???「困惑していらっしゃるようですし、いいでしょう。質問にお答えします」

???「そうですね、場所は県立北高です。さらに言うなれば旧校舎文芸部部室」

>北高……? 文芸部……?

古泉「……それと僕の名前でしたね。名前は古泉一樹と申します。所属は1年9組」

>どうやら、とある高校と、その生徒のようだ。

古泉「こちらからもいくつかお聞きしてもいいでしょうか」

>なんだろうか。

古泉「まずお名前を教えていただいてよろしいですか」

>自分の名前を伝えた。

古泉「ふむ、聞き覚えはないですね。
   仲間内からもこの部内でもあなたの名前が出たことはありません」

古泉「もう一つよろしいでしょうか。あなたは、北高の生徒ですか?」

>八十神高校の2年生であることを伝えた。

古泉「ヤソガミ高校……あなたの着ている制服から北高の生徒ではないことは察せましたが、
   聞いたことのない高校ですね。少なくともこの学区内ではないようだ」

>聞いたことがない……? ここは八十稲羽市ではないのだろうか。

古泉「ヤソイナバシ、それも聞いたことがありません」

古泉「どうやらあらゆる意味で僕とあなたは初対面のようだ。
   もし昔の知り合いで忘れていたのなら失礼でしたから、よかったです」

>如才のない笑みを浮かべ、ふうとため息をついている。

古泉「しかし、それはそれで困りましたね」

古泉「僕の知る限り、ヤソイナバシはこの日本には存在していない」

>……!?

古泉「しかし……おそらく、あなたの言っていることは本当なのでしょう。
   なにか犯罪的な目的でここに忍び込んでいたとしても、全く存在しない架空の地名を言う意味がない。
   逆に怪しい人物として疑われるだけですからね」

>犯罪者に見えるのだろうか……。

古泉「いえ、そのようなことは。むしろ話した限りでは正反対の印象です。
   この北高文芸部に不法侵入している一点を除けばですけどね」

古泉「詐欺師なのだとしたら、才能がおありだと思いますよ」

>あまり嬉しくない褒め言葉だ。

古泉「ふふ、冗談です」

古泉「あとは、そうですね。架空の地名を言って相手を困惑させる趣味がおありですか?」

>そんなものはないと伝えた。

>逆に、自分が騙されているのではないだろうか不安になってきた。

古泉「そうですね……あなたのおっしゃるヤソイナバシが
   存在しないことを証明することはできるかと思います」

>どうやって?

古泉「簡単ですよ、そこのパソコンから検索すればいいのです。
   幸いインターネットにも繋がっていますしね」

>借りてよいだろうか。

古泉「ええ、どうぞ。現在のこの部屋の管理者として許可しますよ」

>パソコンのある席に座り、インターネットブラウザを立ち上げ検索エンジンへアクセスした。

古泉「使い方は、わかるようですね」

>古泉一樹と名乗った生徒は後ろからパソコン画面をのぞきこんでいる。

古泉「僕のことは気にせず、どうぞ」

>……。"八十稲羽市"と、検索窓に入力し検索ボタンをクリックする。

古泉「なるほど、八十稲羽市と書くのですか」

>検索結果は、なんとゼロ件だ。

古泉「ゼロ件ですか」

>続いて、"八十神高校"と入力し検索を掛けた。

>……!!

古泉「やはり、ゼロ件ですね」

>こんなバカなことがあるのだろうか。

古泉「いえ、これはこれで有益な情報でしょう」

>どういうことだろう?

古泉「それはですね――」

ガチャ

???「よお……ん? なんだ、来客か?」

>同じように制服を身にまとった男子が現れた。

古泉「ああ、あなたですか」

???「俺じゃ不満のような口ぶりだな」

古泉「いえいえ、そんなことはないですよ」

???「ところで、こちらはどちらさんだ。
    学ラン姿から察するに北高の生徒じゃないみたいだが」

>自分の出身高校と名前を告げた。

???「わざわざ丁寧にどうも。俺は――」

古泉「彼はここのメンバーから『キョン』と呼ばれていますので、あなたもそう呼んであげてください」

>ああ、わかった。

キョン「おい、勝手に俺の呼称を決めるな」

古泉「いいではないですか。この方だけ別の呼称では混乱してしまいますよ」

キョン「ったく……この方だけって他の団員が来るまで、この人はいるつもりなのか?
    ってことは古泉、お前の客じゃないのか」

古泉「ご明察です。僕を目当てのお客様ではありません」

キョン「俺の後にくる人物の客っていうと、朝比奈さんか長門か」

古泉「おや、涼宮さんの名前は挙げないのですね」

キョン「アイツに会いたい奇特なやつがそう何人もいてたまるか。
    それにハルヒが、この見るからに普遍的な他校の男子生徒に興味を持つとは思えん」

キョン「まあ、学ランの前全開は少しロックだけどな」

古泉「少し、番長、的な雰囲気が漂っていますね」

キョン「よし、なら今から呼び名は番長ってことで。
    俺も勝手に呼び名を決められたんだ、文句は言わせないからな」

>それで構わないと伝えた。

キョン「おう、よろしくな。で、どっちだ」

>どっち、というと?

キョン「朝比奈さんと長門をどっちを待っているんだって話だ。
    ちなみに色恋沙汰を目的にしているな両方とも諦めたほうがいいぞ」

>誰のことを言っているのだろう……だがなぜか敵意を感じる……。

古泉「それは、僕からお話しますよ。推察の域を出ない話ですがね」

キョン「……はぁ? なんで古泉が話すんだ」

古泉「涼宮さんが来ないうちに話してしまいたいのですよ」

キョン「ハルヒ? あいつなら今日は来ないぞ。
    用事があるとかで終業のベルと同時に矢の如く教室を飛び出していったからな」

古泉「それは好都合です。いえ、必然なのかもしれませんね」

キョン「……? 何を言ってるんだお前は」

ガチャ

???「こんにちはぁ」

???「……」

>女性が2人が入室してきた。

古泉「これはグッドタイミングですね」

キョン「朝比奈さん、こんにちは」

???「あ、キョンくんこんにちはぁ」

古泉「彼女が朝比奈みくるさん、もう片方が長門有希さんです」

>耳打ちをしてきた。

>長門有希と紹介された寡黙な女子生徒は無言のまま部屋の隅の椅子に着席し、読書を始めてしまった。

キョン「……長門は、ちがうのか」

キョン「ってことは朝比奈さんのお客さんですか?」

みくる「お客さん?」

キョン「彼ですよ」

>敵意のない視線を向けられる。

みくる「はじめ、まして? ですよね? 朝比奈みくるです」

>ペコリとお辞儀をされた。

>初対面であることを伝え、自分も自己紹介をした。

キョン「朝比奈さんの知り合いでもないんですか?」

みくる「う、うん……」

みくる「あ、そうだ。お客様でしたらお茶をご用意しますね」

>なにやら、いそいそと準備を始めたようだ。

古泉「せっかくですし、長門さんも自己紹介なさってはいかがですか?」

>読書に向かっていた視線がこちらに向けられる。

>読書に向かっていた視線がこちらに向けられる。

長門「長門有希」

>それだけ言うと、そのままこちらを見つめてきた。

>自分も自己紹介をした。

長門「そう」

>……もう読書に戻ってしまったようだ。

キョン「おい、古泉、どういうことだ」

古泉「それを今から話そうというのですよ、メンバーもそろったことですしね」

みくる「あれ、涼宮さんは?」

古泉「涼宮さんは用事があってこられないそうです」

みくる「あ、そうなんですかぁ。あ、お茶です。熱いので気を付けてくださいね」

>ありがとう。

古泉「さて、これから番長氏についてお話しようと思います」

みくる「番長……?」

キョン「あだ名ですよ、学ランをロックに着こなしてるんで」

みくる「あ、キョンくんみたいな」

キョン「……そうですね」

古泉「……いいでしょうか。
   番長氏、お手数ですがもう一度出身と高校を教えていただいてよろしいですか」

>"八十稲羽市"の出身で"八十神高校"の2年生であることを伝えた。

キョン「って、上級生だったのか……ですか」

>溢れる寛容力で今まで通りでよいと伝えた。

キョン「そ、そうか。なんかスンマセンでした」

>どこか完二のようだ……。

古泉「番長氏が上級生であることはポイントではありません。
   みなさんは、この地名と高校名ご存知ですか?」

キョン「知らないな、少なくとも近所じゃないことは確かだ」

みくる「ごめんなさい、私も知らないです」

キョン「長門はどうだ?」

長門「……知らない」

古泉「ちなみに、僕も全く知りません」

キョン「お前はどこで、番長に会ったんだ」

古泉「もちろんこの部室ですよ、あなたが来る30分ほど前でしょうかね。
   時間さえ違えば僕よりあなたが先に会っていたかもしれません」

キョン「ってことは、まさか不審者なのか……?」

みくる「えっ、えっ……?」

>困惑した視線が刺さる。

古泉「そこもポイントではありません。
   それと話した印象である程度彼の人柄は分かると思うのですが」

キョン「まあ、な」

古泉「では、話を戻しますよ。このパソコンの画面を見てください」

>長門有希以外がディスプレイを見つめた。

>"八十稲羽市"の検索結果 0件
>"八十神高校"の検索結果 0件

みくる「これは……?」

古泉「つまり、このような地名と高校はこの日本に存在しないのです」

キョン「じゃあ番長がウソを吐いてるってことか?」

古泉「このようなすぐバレてしまうウソを吐く意味はありません。
   またここまで具体的な地名や高校名はとっさの嘘では出てきづらいと考えます」

キョン「ってことは……どういうことだ?」

古泉「彼は、本当のことを言っているのでしょう」

キョン「何を馬鹿な」

古泉「確かに馬鹿なことです。事実、この日本には八十稲羽市も八十神高校も存在していない。
   ですが、この状況にすっきりと説明がつくとある説があります」

キョン「もったいぶらずにその説とやらを披露しろ」

古泉「みなさんもわかるのではないでしょうか。
   何よりこの場所に突如現れたことを考えれば察することができるはずです」

キョン「まさか……」

古泉「そのまさかです。彼は異世界人である可能性が非常に高い」

>……!

みくる「異世界人……ですかぁ」

長門「……」

古泉「涼宮さんが望む、そしてまだ唯一埋まっていないパーソナルが異世界人です」

古泉「僕は、番長氏はいわゆるパラレルワールドの住人ではないかと考えます」

>ここが、パラレルワールド……!?

古泉「番長氏からすれば、なぜこのような突飛な発想になったのか疑問に思われるかもしれませんね。
   ですが、僕たちからすればこれはほぼ当然の帰結なんですよ」

みくる「かもしれませんね」

キョン「あ、ああ……」

>どういう意味だろうか?

古泉「……お話してもよいのですが、もう少し確証がほしいのです」

キョン「長門」

長門「なに」

キョン「番長のこと、なにかわかるか?」

>なぜ彼女に聞くのだろうか……。

>長門有希はこちらをじっと見つめている。

キョン「どうだ?」

長門「わからない」

古泉「わからないというのは……?」

長門「彼のパーソナルデータを読み込むことは不可能」

>長門有希は立ち上がり、握手を求めるように手を突き出してきた。

長門「触れて」

長門「端末である私自身がこのように彼と直接接触すれば、ある程度は読み込める。
   人体を構成する物質はあなた達人間と同じもの。心拍、脳内物質の増減、代謝、全て正常値。
   しかしそれ以上の情報を得ることは不可能」

長門「彼に対しては、情報操作も情報結合も情報連結もすべて不可能。
   情報統合思念体が私たち端末を介さず直接彼にアプローチを試みたが失敗に終わった」

長門「私自身も彼の中に不明なパーソナルデータを複数確認、解析を試みたが失敗。解析は不可能と断定」

長門「情報統合思念体はあらゆる手段を用いて解析を試みたが検出結果から有意性は認められない。
   確かに彼はここに存在している。しかし彼は存在自体の位相がすべての次元から外れている」

長門「そのため私たち端末以外から情報統合思念体が干渉することも不可能と断定」

長門「よって、わからない」

>手を解き、また読書に戻っていってしまった。

キョン「そうか……」

古泉「これは決定的といっていいでしょうね」

長門「……彼から敵性は検知できない。安心していい」

キョン「ありがとよ、長門。お前がそういうなら、そうなんだろう」

>何を言っているのかさっぱりわからない……。

古泉「なるほど、パラレルワールドというより
   完全な別世界からやってきたと考えたほうがいいようですね」

みくる「別世界の可能性は、かなり早い段階から指摘されていました。
    ですけど、結局観測はできないままでした。まさか、こんなところで……」

古泉「こちらに街単位で存在しないのです。僕らも彼の世界では存在していないのでしょう」

古泉「微細にずれた世界なのではなく、まるっきり構造が違うと判断することが賢明でしょうね」

みくる「なるほど……だから観測できなかったのかな」

>確かに、この高校名は聞いたことがない。

キョン「高校名はあまり当てにならんがな」

古泉「確かに、地名ならともかく高校名ではどうしようもないですね」

>あたり一帯の地名を聞いた。

>しかし、心当たりはない……。

古泉「ふむ、やはりですか」

>異世界と聞いて真っ先に浮かぶのはマヨナカテレビだ。

>しかし、霧もない。メガネも掛けていない。どうやらテレビの中の世界ではないようだ。

古泉「さて、長門さんのお墨付きも出たところで、
   なぜ僕があなたを異世界人であると推察した経緯を説明しましょう」

古泉「順を追って説明させていただきますので、
   できれば質問などはすべて後回しにしていただけるとありがたいです」

>わかった。

古泉「ありがとうございます。
   この部屋は先ほど文芸部部室と説明しましたが、実はもう一つの団体の部室でもあります」

キョン「SOS団、なんてふざけた名前のな」

>SOS団?

キョン「世界を大いに盛り上げる涼宮ハルヒの団、だそうだ」

>涼宮ハルヒ……? 誰だろうか。

古泉「そのSOS団は、僕たち4人と現在この場にいませんが、
   先ほど彼が述べた涼宮さんを中心とした5人の団体なのです」

古泉「何をしている団体なのかは、この際後回しにさせていただきます。
   重要なのはこの団を構成しているメンバーです」

古泉「この団体の中心人物である涼宮さんは少々特殊な力を持っていましてね。
   自らの願望を無意識のうちに叶えてしまう力を持っているのです」

>……!?

キョン「ハルヒの奴は、宇宙人やら未来人やら超能力者みたいな、
    未知の人種に会うことを強く望んでいる節があってな」

キョン「そのことについては俺のクラスのやつらに言質をとってもらえれば十分確認できる。
    初日にぶちかましやがったからな。忘れようもねぇよ」

キョン「で、そんときに言ったのが
   『この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい』だ」

古泉「そして、文字通り集まったのですよ、この学校にね。
   具体的なエピソードは割愛させていただきますが、僕たちは間違いなくそれぞれの属性を宿しています」

古泉「先ほどあなたと握手をした長門有希さんは、情報統合思念体を母体とするいわゆる宇宙人です」

>……!?

キョン「もっとも本人たちは、宇宙人だなんて呼び方はしていないけどな」

長門「対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」

キョン「……だ、そうだ」

古泉「そして、お茶を淹れてくださった朝比奈みくるさんは未来人です」

みくる「あっ、は、はい……未来から来ましたぁ」

キョン「俺が何度か一緒にタイムリープは経験してる、それも間違いない」

古泉「そして、僕がいわゆる超能力者です。かなり限定的ではあるんですがね」

キョン「最初に言っておくがスプーン曲げとかよく言われる一般的な超能力は期待するだけ損だぞ。
    今のこいつは俺とさして変わらん」

古泉「ふふ、そうですね」

キョン「そんで、俺は一般人だ、掛け値なしのな」

>順当に行けば彼が異世界人では?

古泉「僕もそれを疑って調査をしましたが、間違いなく一般人ですよ」

キョン「当たり前だ、俺にへんな属性を付与するな」

古泉「……と、いうわけで異世界人の席だけぽっかり空いてしまっていたのです」

古泉「そして、そこに長門さんですら解析ができないあなたが来た」

古泉「これはほぼ確定的とみなしていいと思います」

キョン「突然こんなこと言われてもわからないと思うがな」

>たしかに、にわかには信じられないことばかりだ。

古泉「僕も、そこが引っ掛かっていました」

キョン「何がだ」

古泉「いいですか。基本的に僕たちは自らの意思を持ってこの学校へ来ました。
   人間ではない長門さんですら、正確には情報統合思念体ですが長門さんを送り込んできたわけです」

古泉「しかし番長氏は、全くこの世界のことを理解していない。
   それどころか現在の状況すらつかめていないのです」

古泉「現在の状況を理解していないまま来ることがあり得ないのは
   朝比奈さんを見ていればわかります。彼女もちゃんと調査をしたうえでこちらに来ている」

みくる「そ、それはそうですけど……」

古泉「それはつまり、彼は自らの意思でここにきているわけではないことを示しています」

キョン「それがなんだというんだ」

古泉「いえ……いえ。これは大きな違いですよ。
   僕たちは涼宮さんを目的にしています。しかし番長氏はその涼宮さんすら知らないようだ」

古泉「これでは、まるで迷子ではないですか」

キョン「ってことはなんだ、番長はハルヒのはた迷惑な力に巻き込まれただけっていうのか」

古泉「そう考えるのが妥当でしょうね」

キョン「長門ですらわからない存在を、ハルヒがねぇ……」

みくる「あ、あのぉ……いいですか?」

キョン「朝比奈さん、どうしたんですか?」

みくる「あのね、説明したのはいいんだけど……理解してもらえたのかなぁって」

古泉「たしかに、言葉だけでは信じてもらえないかもしれないですね」

>……。

キョン「俺だって初めて言われたときは信じられなかったんだ。
    無理もないさ」

キョン「長門に頼めば一発で証明できるだろうけど……今すぐ雨を降らせるとかでな。
    ただ……」

>!? そんなことが可能なのだろうか。

長門「可能」

キョン「あー、だけどな」

長門「現在よりこの地域一帯に1時間程度降雨させた場合、237年後に自然界へ影響が出ると予測される」

キョン「ってことだ。長門を頼るのは無しだな」

古泉「そうですか、朝比奈さんは」

みくる「ごめんなさい、わたし以外がTPDDを使用する場合許可がいるんですけど……」

古泉「……下りそうにないですね」

古泉「仕方ありません、僕が証明しましょう」

キョン「……連れて行くのか?」

古泉「ええ、幸か不幸か近くに極小の閉鎖空間ができています。
   僕一人でも対応ができそうですからね」

キョン「……随分、番長にご執心だな」

>何やらキョンと一樹は顔を近づけて話をしているようだ。

古泉「いいですか、彼は何かしらの力を持っている可能性が高い」

キョン「チカラ?」

古泉「異世界人、そう聞けば聞こえはいいですが、
   同じような世界から一般人が紛れ込んだからといって涼宮さんが喜ぶでしょうか」

キョン「……喜ばんだろうな。異世界人とはいえ、ただの一般人なら隣の県やら海外に住んでいる奴と変わらん。
    そんな土産話を聞いてもハルヒは喜ばんだろうよ」

古泉「その通りです。能動的にこちらに来たのならともかく、
   涼宮さんの力に巻き込まれたのなら特殊な力を少なからず持っていると思います」

古泉「そのため、彼の力を見せてもらうために、ある程度こちらも譲歩して
   力を見せなければ信用を得ることはできないでしょう」

古泉「もし敵だとしても、僕の能力ならある程度公開してもデメリットにはなりません」

キョン「敵って、まだ信用していなかったのか」

古泉「誰であろうと、手放しで信用するのは危険だと思いますよ? たとえ長門さんでも朝比奈さんでも」

キョン「やれやれ……なら、最初から自分で手をあげればよかっただろう。
    どうしてわざわざ長門や朝比奈さんに振ったんだ」

古泉「いきなり僕が見せると言ったら、変に勘ぐられるかもしれませんからね。
   仕方なしに見せるという演出がほしかった、それだけです」

キョン「やれやれ……」

>何を話しているかは聞き取れなかったが、どうやら話は終わったようだ。

>何か特別な関係かも知れない。

>そっとしておこう……。

古泉「では、僕の力をお見せしますよ。校門までご足労願ってよろしいでしょうか」

>古泉一樹についていくことにした。

――北高校門前

>外に出てみたが、やはり見覚えのない景色だ。

古泉「こちらです」

>突然、一樹に手を取られた。

古泉「少し、目をつぶっていただいてよろしいですか?」

>どういうことだろうか。

古泉「大丈夫です、すぐ終わりますから」

>なぜか悪寒がする……。

>しかし溢れる勇気と寛容さで目を閉じた。

古泉「僕がいいというまで眼を閉じていてくださいね」

チョイのみもの作ってくる

古泉「では、行きますよ」

>手を取った一樹はゆっくりと歩いているようだ。

>どこへ連れて行かれるのだろう……。

古泉「もう、目を開けていただいて大丈夫ですよ」

>目を開けると、すべてが灰色の世界が広がっていた。

古泉「先ほども自己紹介したように、僕は超能力者です。
   この世界限定のですけどね」

>一樹が赤い光に包まれ、赤い球体へと変貌した。

古泉「これが僕の能力です、そして――」

ドォン――

>何か大きなものが崩れる音がした。

>!? 何か青白く光っている巨大なものが現れた。

古泉「では、番長氏。しばしお待ちを。少し仕事をしてきますので」

>一樹は、球体のまま青白い物体へ飛んで行ってしまった。

>しかし、この雰囲気は、似てる。

>マヨナカテレビ……。

どうせ即興だしさるらない程度にゆっくり書いてく

>遠目だが、青白く光っている物体の周りを一樹が飛び回っているようだ。

>よく見ると巨大な人型のようだ。青白い巨人……。

>あれは、シャドウの一種なのだろうか。

>しばらくすると、霧散するように青白い巨人は消えてしまった。

>赤い球体がこちらへ戻ってきた。

古泉「お待たせしました」

>赤い球体から、古泉一樹の姿に戻っていく。

古泉「先ほどの、巨人は『神人』といいましてね」

古泉「また少し説明しても?」

>かまわないことを伝えた。

古泉「涼宮さんが、無意識化に願望をかなえたいと思っているということは
   先ほど説明したとおりですが……」

古泉「彼女は、突飛な発言や未知への願望を強く持っていますが極めて常識的な人なのです」

古泉「こんな世界であってほしい、でもあるはずがない。
   そのせめぎ合いの中で発生するストレス、それがこの空間を形成しているのです」

飯食ってたから今から書く

古泉「要するにこの空間は彼女のストレス発散場所なんですよ」

>では好きに暴れさせたらよいのでは?

古泉「僕もそれで済むのでしたら苦労はないのですがね。
    放っておくと、この世界と現実世界が反転してしまうのです」

>……!

古泉「しかし、一度も反転したことはないので確実なことは言えません。
   根拠はありませんがわかってしまうのです。
   これは超能力者だからわかってしまう、ということで納得していただけるとありがたいですね」

>わかった。

古泉「そろそろですね、空をご覧ください」

>……! 空がひび割れ、砕け散っていく。

古泉「これにて、任務完了です」

>いつの間にか先ほどの校門前に戻ってきている。

古泉「では戻りましょうか」

>風景にも色が戻っている……不思議な世界だったが……やはり似ている。

>一樹の後に続いて文芸部室へ戻っていった。

――文芸部室

古泉「ただいま戻りました」

キョン「毎度お勤めご苦労なこったな」

古泉「いえ、これで世界の平和が保てるのであれば安いものですよ」

古泉「これで僕たちが――正確には僕だけかもしれませんが、
   僕たちの言っていたことが嘘ではないことをわかっていただけたかと思います」

>いや、みんなのことも信じるよ。

古泉「おや、ずいぶんあっさりと信じるのですね」

>自分を騙してもメリットはないだろう?

古泉「……聡明な方で感謝しますよ、ええ本当に」

古泉「もう少し詳しくお話しましょう」

古泉「閉鎖空間が彼女のストレスによって形成されることはお話しましたね」

>ああ。

古泉「彼女の精神状態に寄るのですから
   もちろんあの空間は均一なものではありません」

古泉「今回のものは極小のものでしたから僕一人で対応が可能でしたが
   もっと多くの神人や巨大な空間になった場合は難しいですね」

>となると、他に仲間が?

古泉「本当に察しがいい方ですね、その通りです。
   僕たちは"機関"と呼ばれる組織に所属し、彼女の精神状態の監視を行っています」

>あの空間についてもっと詳しく教えてほしい。

古泉「……ずいぶん興味を持たれたようですね?」

>それは……。なんと伝えればよいだろう。

古泉「気になるのですか? 閉鎖空間が」

>実は似たような空間に入ったことがある。

古泉「! 似たような空間…ですか」

キョン「おいおい、番長の世界にもハルヒがいるっていうのかよ……」

>いや、その女性のことは知らない。

キョン「そ、そうか」

古泉「詳しく教えていただいてよろしいでしょうか」

>マヨナカテレビと中の世界について説明した。

古泉「……!」

キョン「またオカルトじみた話だな……」

みくる「雨の日の深夜0時にテレビを見ると人影が写る……ですかぁ」

キョン「ハルヒが聞いたら喜んで試しそうだ」

>こちらではやはりマヨナカテレビの噂はないようだ。

キョン「でも確かに閉鎖空間と似てるかもな、精神面が映し出されるところとか」

古泉「僕はどちらかというとシャドウ、と呼ばれる存在が気になりますね」

古泉「そのシャドウという存在。人の抑圧された精神が暴走する――
    まさに涼宮さんと神人の関係と酷似しているではありませんか」

キョン「ひとつ聞いていいか?」

>なんだろうか。

キョン「そのテレビの中ってどうやって入るんだ?」

飲み物作ってた書く

>画面に触れれば入ることができると伝えた。

キョン「テレビの画面に触るだけでいいのか?」

キョン「パソコンじゃだめなのか?」

>画面に触れてみるがどうやらダメみたいだ。

キョン「そうか、残念だな」

古泉「そもそもこの世界でも入れるかは不明ですけどね」

キョン「ああ、そうか、それもそうだな」

古泉「ですが、僕自身も試してみたい、という気もしています」

みくる「あの……」

キョン「どうしましたか?」

みくる「視聴覚室か音楽室なら大きなテレビあるんじゃないかなーって」

古泉「ナイスアイディアです」

キョン「音楽室は吹奏楽部が使っているでしょうから視聴覚室に行きましょう」

>全員で視聴覚室へ向かった。

――視聴覚室前。

>どうやら鍵がかかっているようだ。

キョン「まあ、こういうときの長門だな」

キョン「頼んだぞ」

>脱力に近い様子で有希は扉の前に立った。

長門「……」

>口元が高速で動いているが何を言っているかは聞き取れない。

長門「開錠した」

キョン「ありがとよ」

ガラッ

>なんと扉が開いた……!

古泉「……図らずとも長門さんの力の一端を見せることができてよかったですよ」

>この女子生徒には確かに不思議な力が備わっているらしい。

キョン「長門ならこれくらいはな」

古泉「それより今はテレビです、入りましょう」

さる喰らうの嫌だからゆっくり投下してくよ

――視聴覚室。

>大きなテレビが置かれている。これなら人も入れそうだ。

キョン「基本は、ここで映像なんか見る場合、スクリーンで見るから少し心配だったがちゃんとあるな。
    ほとんど無用の長物になっているが」

古泉「番長氏が入れるかどうかは、ともかくとしてまずは普通のテレビであるかどうか試してみましょう」

>自分と長門有希以外がテレビの画面に触れている。

キョン「……まあ、アホらしいほど入れないな」

古泉「ええ、いたって普通のテレビのモニターです」

みくる「そもそも、薄いテレビじゃ突き抜けちゃうんじゃ……?」

キョン「いや、そういうことを言ってるんじゃないと思いますよ……」

みくる「え、えっ?」

古泉「……長門さん、このテレビに異変はありませんか?」

長門「ない。普遍的なもの」

古泉「では、番長氏試してみていただいて構いませんか?」

>テレビの画面に右手で触れる。

>……! いつもと同じように右腕がテレビ画面に吸い込まれた!

キョン・みくる・古泉「「「!」」」

みくる「わっ、わっ、わっ! う、腕が突き刺さっています!」

キョン「こ、これは……手品とかじゃねぇよな?」

古泉「ではないでしょうね。一瞬ですが画面が液体のように波打って見えました。
   普段ではありえない光景です」

>しかし、この世界にもマヨナカテレビが存在していたのだろうか……。

>中がどうなっているか気になる……。頭を突っ込んでみることにした。

>しかし中に空間が広がっていることが分かっただけだ。

みくる「あ、頭が、刺さってます!! 刺さってますよ!」

キョン「こりゃあ……本物だな」

古泉「ええ……力を見せたかいがあるというものですよ」

>テレビの中から頭を出した。

キョン「ど、どうなってるんだ」 コンコン

キョン「画面はやっぱり堅いぞ……」

古泉「画面がやわらかくなった、というわけではなさそうですね」 コンコン

みくる「ど、どうなってるんですかぁ……?」 ツンツン

キョン「長門、やっぱりテレビは普通なのか?」

長門「今は普遍的なもの」

キョン「今は……?」

長門「彼が触れたときにのみ異空間への接続を確認した」

長門「そのときのみは普遍的とは言えない。異空間への入り口として機能している」

古泉「なるほど……
   では彼が触れている間であれば我々もテレビの中へ入れるということですか」

キョン「そうなのか? 長門」

長門「肯定する」

古泉「番長氏はどう思われますか?」

>以前テレビに入る力を持たない人と一緒に入ったことがあると伝えた。

古泉「ふむ……」

キョン「……一応何を考えているか聞いておいてやる」

あ、ID変わるから適当に察してください

古泉「何を考えている、とは?」

キョン「まさか中に入ろうとかいうんじゃないだろうな」

古泉「おや、なぜそう思うのです?」

キョン「お前のその顔はろくでもないことを考えているときくらいなもんだ」

古泉「それは、すみません。極力顔に出さないようにしているつもりなのですが」

キョン「このSOS団で過ごしてりゃそれくらいわかるようになる。
    それとそれは、俺の言ったことはあっていると受け取っていいんだな」

古泉「ええ、そうですね。確かに興味はあります」

>やはりただならぬ関係性をうかがえる……。

>そっとしておこう……。

キョン「大体なんでそんなもんに興味を持つんだ。
    平穏安寧を求めて凪のように穏やかな生活を送りたいんじゃなかったのか。
    シャドウなんてやばそうなもんがいる世界に踏み込みたいだと? とうとう血迷ったか」

古泉「先ほども言った通り、単純に興味があるだけです。
   ふふ、いつもあなたばかりが不思議な体験をしているので、その嫉妬もあるのかもしれませんね」

キョン「……ふん、そんなもの。できれば変わってやりたいくらいさ」

>どうやら深い関係のようだ……。

みくる「は、はいるんですかぁ?」

>みくるは怯えているようだ。

古泉「いえいえ、少なくともみなさんを巻き込もうなんて考えていませんよ」

古泉「何度も言っている通り、僕が個人的に興味があるだけです。
   万が一行くことになっても僕だけで十分ですよ」

キョン「……そうかい」

古泉「それに番長氏が許可しない限り、僕にテレビの中へ入る権限はありませんからね」

>残念ながら安全は保障できないことを伝えた。

古泉「とのことです、残念ですが諦めますよ。
   自らの身を危険に晒すのは、閉鎖空間だけで十分ですから」

>そもそも、自分も入ったら出られないことを伝えた。

古泉「どういうことですか?」

>中にとある協力者がいなければこちらに戻る道を作れない。

キョン「番長はムリなのか?」

>できない。

古泉「そうですか……それは、非常に残念です」

>露骨に残念そうだ。

キョン「だ、そうだ。諦めることだな」

長門「できる」

キョン「な、長門?」

古泉「何ができるでしょうか?」

長門「先ほどの空間接合時に解析は終了している。
   彼自身に情報操作は不可能だが、先ほどの異空間には可能。
   一度解析を完了したため、こちらから空間接合も情報連結の解除も可能」

古泉「さすがとしか言いようがありませんね」

キョン「ってことはなんだ。出口も入口も作れるってことか」

長門「そう受け取ってもらって構わない」

>本当だろうか……。

長門「情報連結および空間連結を開始する」

>先ほどと同じように高速で口元が動いている……。

長門「情報の連結を確認。空間の接合の完了した」

古泉「では、失礼して」

>一樹がテレビの画面に右手を当てた。

>なんと一樹の右腕がテレビに突き刺さっている!

古泉「これは、凄いですね。単調な感想しか言えないほど感動していますよ」

キョン「その右腕は、な、なんともないのか?」

古泉「ええ、何ともありません。ただ空間が広がっているだけですよ。
   生物の気配もありません」

>一樹はテレビから右腕を引き抜いた。

古泉「この通り、何もなっていません」

キョン「でも中にはシャドウってやつがいるんだろ?」

長門「異空間内部に敵性の検知はできない」

>この世界ではシャドウがいないのだろうか……?

古泉「さて、これで二つの危険性がクリアされてしまったわけです」

キョン「なんだそのもったいぶった言い回しは」

>一樹は嬉しそうだ。

チョイ飲み物つくってくる

よし、休憩もしたし書く

古泉「危険性が排除されたのであれば、僕の興味を遮る理由はありません」

キョン「ってことははいるのか?」

古泉「ええ」

>入るのであればついていこう。

キョン「番長まで……」

古泉「それは心強いです。
   向こうの世界に慣れた番長氏が来てくださるなら百人力です」

>万が一シャドウが現れては、一樹では対応することはできないだろう。

古泉「護衛を買ってくださるとは光栄です」

古泉「ですが、長門さんが敵性はないと判断したのでしたら大丈夫だと思いますけどね」

古泉「(……妙なものいいですね。まるで、そう。自分ならばどうにかできるような)」
   
古泉「(テレビの中に入ることだけが力というわけではないみたいですね)」

古泉「では、行ってまいります」

キョン「…………待て。俺も行く」

古泉「おや、どういう風の吹き回しですか?」

キョン「……気が変わった、それだけだ」

キョン「(何か嫌な予感がする……
     無能力者の俺の最大にして唯一の武器、勘ってやつだ)」

キョン「俺がついていって何ができるとも限らねぇけどな」

古泉「僕も最初から何かする気はありませんよ。ただの観察ですから」

>よし行こう。

長門「……」

キョン「って長門。どうした」

長門「私もついていく。
   情報統合思念体は異空間の精緻な調査を望んでいる」

古泉「これは、なおさら安心ですね。危険な要素が見当たらない」

みくる「あのっ、えっと、えっと」

キョン「朝比奈さんは待っていてください。
    もし俺たちがあまりにも長時間戻らなかったら
    未来あたりに助け舟を出していただけるとありがたいです」

みくる「え、あっ、う、うん……わかりました」

>みくるは心配そうだ。

みくる「い、いってらっしゃい」

古泉「では、行きましょうか」

>一樹、キョンの頭がテレビに突き刺さる。

>落ちるから気をつけろよ。

キョン「落ちるってどういう――うおっ!」

古泉「これは――」


>……! 2人はテレビに飲み込まれるように吸い込まれていった。

>伝えるのが少し遅かったようだ。

>溢れる寛容さで自分を許した。

長門「……」

>有希は無言で入っていってしまった。

>そろそろ自分もいこう。

………
……


――テレビ内部。

>無事に到着できたようだ。

キョン「いっつつつつ……番長、落ちるってことはもう少し早めに言ってくれ」

古泉「思い切り落ちましたね」

キョン「尻を強打したぞ……」

>すまない。

古泉「長門さんは華麗に着地してましたけどね」

キョン「逆に言えば長門くらいなもんだろう……」

古泉「しかし、なんでしょう。ここは」

>霧に覆われてはいないもののどこかどんよりとした淀んだ空気が漂っている。

古泉「……似ていますね。閉鎖空間に」

キョン「似ているって、ここはあの味気ない灰色の世界と違って色があるだろう」

古泉「ええ、外見はあまり似ているとは言えませんが、雰囲気といいましょうか。
   閉鎖空間に入ったときの空気と酷似しているのです」

古泉「もしかしたら、番長氏も同じことを考えたのではないでしょうか」

>その通りであると伝えた。

古泉「やはり、同じ精神世界を映す世界として似ているのでしょう」

キョン「そういうものなのか。俺も一度入ったことあるが……わからん」

>しかし、ここはなんだろう。

キョン「なんつーか……ただのだだっ広い部屋だな」

古泉「そうですね、床はフローリングですし。
   よく分からないですが、子供が遊ぶようなおもちゃが転がっていますね。
   100メートル、150メートルほどでしょうか、コンクリートの打ちっぱなしの壁が見えます」

長門「現在位置から前方の壁までの距離は137.82メートル」

キョン「天井は、結構高いな……10メートルくらいか」

長門「8.59メートル」

古泉「……だ、そうです」

>いくつか窓も見受けられるが、夜なのだろうか、窓から光は差し込んでいない。

キョン「番長、テレビの中って大体こんな感じなのか?」

>自分たちの世界のテレビの中は、入ったものの心に呼応して形成される。

キョン「ってことは、俺らの誰かがこの風景を作り出しているってことか?」

>ということだと思うが……。

古泉「ふむ……」

長門「この光景は涼宮ハルヒの深層心理に酷似している」

キョン「ハルヒの?」

長門「完全な同一性は見出せない。しかしかなりの適合率で合致している」

古泉「つまりこれは、涼宮さんの心象風景ということなのでしょうか」

>一樹とキョンは何か考え事をしている。

>あたりを見回してみたが、出口は前方に見える扉だけのようだ。

キョン「とりあえずこの部屋から出てみるか?」

古泉「ええ、推察はここをでてからでいいでしょう」

キョン「……そうだ長門。もう一度確認しておくが出口は作れるんだよな?」

長門「問題ない。この空間と外界の接合は容易」

キョン「よかった。安心したよ」

古泉「では、張り切って行ってみましょうか」

長門「――止まって」

キョン「どうした? 長門」

長門「敵性を感知。正体不明、警戒を必要とする」

キョン「警戒だと……!?」

>やはり、シャドウか……!

長門「外界の物質のすべてと不適合。未知の物質で構成されている。
   質量、分子構造、構成物質、すべて不明」

長門「こちらに、来る――」

シュウウゥゥウゥウ―――

???「くすっ」

>これは……まさか。

キョン「な、長門!?」

古泉「長門、さん……?」

長門「否定。私ではない」

>有希ではない。

>だが……有希の、影。

>有希の影は怪しく笑っている。

キョン「ば、番長。ど、どうなってる」

>これは――。

有希の影「いい、説明しなくて。分かってるはず」

>!

キョン「声まで一緒かよ……」

有希の影「当然、私は彼女、彼女は私」

長門「否定。情報統合思念体が地球に送り込んだ対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース、
   パーソナルネーム『長門有希』は私しか存在しない」

長門「よってあなたは『長門有希』ではありえない」

有希の影「くすっ、そう思いたいのなら思えばいい」

古泉「……」

長門「また情報統合思念体全域にあなたは存在していない」

キョン「長門の恰好をした偽物さんよ、何の目的でこんなことをする」

有希「くすっ、キョンくん、会えてうれしい。でも何の目的、と聞かれたら困るかな」

キョン「!? な、なんでお前が俺のあだ名をを知っている!?」

>>166
>有希「くすっ、キョンくん、会えてうれしい。でも何の目的、と聞かれたら困るかな」

有希の影ね、脳内補完よろしく

有希の影「何で知ってる、って私が長門有希だからに決まっているでしょう?」

キョン「ふざけるなッ!」

有希の影「ふざけてなんかいない。本当のことを言っているだけ」

古泉「どうやら、困ったことになったようですね」

長門「あなたの言動は整合性に欠けている。理解不能」

有希の影「そんなことはないわ、情報の伝達に齟齬が生じることはありえない」

有希の影「私はあなたのことなら何でも知っている。
      涼宮ハルヒの観察の為にここに来たことも、急進派と対立したことも、
      永遠とも思える特定期間を延々と繰り返したことも、自らを改変し世界をも改変してしまったことも」

有希の影「みんなみんな知ってる。なんならこの地球に潜伏している端末の数も知っている」

有希の影「異時間同位体でもない、まったく完全に私はあなた」

長門「……」

キョン「なんなんだ、こいつは……!」

長門「相互理解は不可能と断定。同じく対象の敵性の上昇を確認。レベルを警戒から戦闘態勢へ。
    ターミネートモードへ移行。情報操作を開始する」

>有希の口元が高速で動く。

>……! しかし有希の影も同じように動いている。

若干疲れてたからのんびりやってく

よっし、休憩終わり書く

>2人とも見つめあったまま、動かなくなってしまった。

キョン「な、長門?」

長門「…………情報操作により対象の無力化を試みたが失敗した。
   情報妨害因子を構成し、こちらの情報操作を無効化したと考えられる」

有希の影「ふふふ、無駄、無駄よ、そんなこと。
      あなたにできることは私もできるのだから」

キョン「……いい加減にしろ」

有希の影「ふふ、どうしたのキョンくん」

キョン「やめろ、その名前で呼ぶな。本物の長門にだって呼ばれたことないんだ。
    それをお前が軽々しく呼ぶんじゃねぇっ!」

長門「……」

有希の影「ふふふ」

キョン「その笑いもやめろ!
    いいか、長門の表情っていうのはな、長門検定1級の俺じゃなければわからんような微細な変化だ。
    それにお前みたいに長門は笑顔を安売りしない!!」

キョン「長門と同じ顔をしてやがるくせに、長門が到底しないような事ばかりしやがって。
    顔と声だけ似せても、全くに長門に似てねぇんだよモノマネ野郎!」

有希の影「ふふふ、傷つくなぁ、傷ついちゃうなぁ」

キョン「やめろっつってんだろ!!」

長門「……」

>キョンは激昂している。

古泉「確かに、長門さんを模倣するにしては外見以外の完成度が低すぎますね」

古泉「番長氏は、どういうことかわかっているのではないですか?」

>……あれは、有希の影。彼女の中に存在する一面が具現化しているものだ。

>つまり……文字通り、もう一人の有希といっても過言ではない。

キョン「ん、なっ!?」

有希の影「ふふふ、だから言っているでしょう?」

古泉「つまりそれは……」

有希の影「私はこんな風に人間みたいに笑いたいってこと。もっと人間らしくいたいってこと」

長門「否定する」

有希の影「あなたは否定しても、キョンくんなら心当たりがあるんじゃない?」

キョン「……! それは、世界を改変したときの長門のことを言っているのか?」

有希の影「ふふ、せいかーいっ」

古泉「どういうことですか……?」

キョン「前に、俺が世界の改変に巻き込まれたことは話したよな」

古泉「ええ」

キョン「そのときの長門は、その、なんだ。宇宙人じゃなく人間になっていた。
    感情も豊かとはいえないまでも、今の長門からは考えられないくらい表情を変化させていた」

有希の影「つまり、そういうこと」

キョン「ぐっ、ぐっ……!」

長門「あれはエラーの集積が起因している。私の意思ではない」

有希の影「ふふふ、嘘ね。長門有希は、私は思った通りに感情を発したい」

長門「否定する」

有希の影「もっと濃密に人間とコミュニケーションをとりたい」

有希の影「対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースなんかではなく
      人間のように、人間として彼と接したい」

長門「否定する」

有希の影「彼のことを、キョンくんと呼びたい」

長門「……強く否定する」

有希の影「キョンくんと一緒にいたい。2人きりでいたい。
      そのためには涼宮ハルヒは邪魔。朝比奈みくるは邪魔。古泉一樹は邪魔。
      今の無感情な私は邪魔!」

キョン「長門……」

古泉「……」

長門「……やはり言語による相互理解は不可能」

有希の影「ふふふ」

長門「私はあなたのすべてを否定する」

有希の影「ふふふ、あはっ、あはは、アハハハハハハハハハハハッ!!」

>これは、マズイ!

>有希の影から力が溢れだしている……!

長門「うっ……」

>有希がひざからくずおれた。

>倒れる直前に受け止めることができたようだ。

シャドウ有希「我は影、真なる我……今私が本物になるから……待っててねキョンくん!
        その前には、邪魔な3人を……消す」

>殺気がこちらに向く。

古泉「これは、マズイですね。ダメ元で試してみますが、能力が使えるかどうかは……
   よしんば使えたとしても通用するかどうか」

古泉「長門さんは完全に気絶してしまったようですし」

キョン「長門が……そんな」

古泉「それだけならまだしも、敵自体があの長門さんです。
   ……これほど絶望的な状況が、今まであったでしょうか」

古泉「これは、無抵抗のまま殺されてしまうかもしれませんね」

キョン「何を諦観していやがるっ」

古泉「そうは言いましても……残念ながら打開策は思い浮かびません」

キョン「くっ……」

>キョン、有希を頼む。有希の身体をキョンに預けた。

キョン「あ、ああ……番長、どうするつもりだ?」

>何とかしてみせる。

古泉「(やはり、彼の力はこれだけでなかったようですね……!)」

シャドウ有希「あなたに何ができるのかしらァ……?」

>行くぞ、ペルソナッ!!

あ、寝落ちしたらごめんなさい

古泉「(ペル……ソナ?)」

キョン「古泉、アイツの邪魔にならないように離れるぞ!」

古泉「え、ええ」

>イザナギ――ッ!

シャドウ有希「アハハッ! そんな人形で何するつもりかしらッ!」

>こうするっ! ジオダインッ!

――ピシャァンッ!

キョン「い、イカズチ!?」

古泉「彼もこの空間限定で能力を行使できるということでしょうか……?」

シャドウ有希「うぐっ……ふふ、なるほど。
        あなたの中にあった正体不明のパーソナルデータはそれね」

シャドウ有希「複数確認できたということは、つまり、それだけじゃないわね。フフフフ、いいわ。面白い。
        いえ、ここはユニークといった方がいいかしらね、アハハハッ!」

>イザナギ、もう一度ジオダインッ!

シャドウ有希「もう効かない。対象を確定及び崩壊因子を構成、実行――」

>!! ジオダインが霧散してしまった……!

シャドウ有希「確かにあなたに対して情報操作はできない……
        だけど、受けた攻撃なら、あなたの攻撃の位相が確定する瞬間を狙って
        演算を行い崩壊因子を組み込めば攻撃を無効化することは容易にできる、ふふふふ」

>ならば、ルシフェル! アギダインッ!

シャドウ有希「ぐうっ!! でも……ありがとう。その攻撃を覚えさせてくれて」

>くっ……大したダメージはないようだ。

シャドウ有希「今度は私が披露する。ターミネートモードへ移行。
        でも、情報操作は無効化されてしまう」

>なにかが、くる!

シャドウ有希「あなたに通用する攻撃――それはッ」

ヒュン

>はやっ――

シャドウ有希「あなたの追えないスピードで、普通に殴るッ!!」

ドォンッ!!

キョン「ば、番長!」

古泉「10メートルは飛びましたね……」

キョン「そんな悠長なこと言ってる場合か!」

シャドウ有希「あなたに触れることができるのは、すでに実証済み。
        そして、今ので終わり」

>……まだだ。

シャドウ有希「……なぜ? 常人なら間違いなく死ぬ攻撃」

>――ヨシツネ、何とか間に合った。

シャドウ有希「よくわからないけれど、物理攻撃も無効化する……やっかい」

シャドウ有希「ならば、物理攻撃でもない、私の攻撃でもないもので
        お前にとって未知の攻撃する」

>……どうするつもりだ?

シャドウ有希「こうするつもり」

一樹の影「……」

キョン「!!」

古泉「参りましたね……今度は僕ですか」

シャドウ有希「この影は既に私の情報統制下に置かれている」

シャドウ有希「そしてシャドウたちを、吸収するっ!」

>!!

>どこからともなく現れたシャドウたちが有希の影に取り込まれていく!

シャドウ有希「アハハハハハあハあははハハはははアはハハハはッ!!」

>形状が大きく変わっていく。巨大化し、青白く発光を始めた。

シャドウ有希「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ヴァアアヲオオオオ!!」

>完全に自我が崩壊している。

>これは……!

キョン「お、おいおい。これじゃあ、まるで」

古泉「神人ではないですか……!」

シャドウ有希「ヲオオオヲオオヲヲヲ!!!」

ギィン――

>有希の影の手のひらに赤く光る球体が形成されていく。

古泉「あれは、まさか……」

古泉「避けてください!」

>!!

ギィン!!

>先ほどまで自分がいた場所の床が消滅している。

古泉「困りましたね……我々の力を持つ神人、ですか」

シャドウ有希「オオオオオオヲヲオオオオ……」

>先ほどと同じ、赤い球体を連続で放ってきた。

>しかし、すべて容易に避けられる。

>自我がなくなったことで命中精度が著しく落ちているようだ。

シャドウ有希「ヲオオオ……」

>しかし、射出される数が多すぎるため避けることで精いっぱいだ。

キョン「古泉! どうにかならないのか!」

古泉「長門さんの影が能力行使してるのですから……やってみます」 キィン

キョン「……それはいつぞやのカマドウマのバケモノを退治したときに使った?」

古泉「今の僕では、この手のひらサイズの大きさを形成することが限界のようです」

古泉「おおよそ神人であれば、人でいう心臓部か頭部を破壊すれば消滅します」

キョン「じゃあ、そいつで、打ち抜けば……」

古泉「……無理です。能力が全開で使えるならともかく、
   この程度では長門さんの影の速さを追い切ることはできず急所に当てることはできないでしょう」

キョン「なら、番長に動きを止めてもらってその隙に、ってのはダメか?」

古泉「ええ。それしか、ないでしょうね。彼に止められる技があることに期待しましょう」

古泉「神人狩りなら僕の方がプロフェッショナルですから、やりますよ。意地があります」

古泉「番長氏!」

>! どうしたのだろう。

古泉「避けながら聞いてください! 一瞬で構いません!
    あの神人の、長門さんの影の動きを止められますか?」

>一瞬でいいのか?

古泉「かまいません、確実に仕留めてみせます!」

>……ああ! わかった! 全力で止めよう!

>ヨシツネ! ヒートライザ!

古泉「なんと……閉鎖空間時の我々と同等、いやそれ以上の速度かもしれません」

シャドウ有希「ヲオオオオオオオオオ……」

>――ルシフェル! 足元を狙う! メギドラオン!!

ドォオオォンッ!!

シャドウ有希「ヴォオオオオヲオオオヲ……!!」

キョン「体勢を崩した……!?」

古泉「(――今!)」

古泉「ふッッ!!」

>……! 一樹の投擲した赤い球体が、有希の影の心臓部を貫いた! 

シャドウ有希「ヴォオオオヲォオオオオッ……!」

>……! 有希の影はまだ暴れている!

シャドウ有希「ヲヲヲヲヲオオオオォオおおおおお……」

シャドウ有希「おおおおおぉおおぉぅわあぁああぁああ……」

シャドウ有希「あああああ……崩れる……身体が崩れていく……私の身体が……」

>青白い身体が、溶ける様に朽ちていく。有希の影がむき出しとなった。

キョン「結構グロいもんだな……」

シャドウ有希「キョン……く…ん……また……一緒に……」

キョン「長門……」

シュウウゥウウ――……

有希の影「……」

キョン「急に、大人しくなった……?」

古泉「暴走を止めたので、一時的に大人しくなっているのでしょう」

>あとは、有希次第だ。

キョン「どういう意味だ?」

>有希はこれから、向き合わなければならない。抑圧していた自分、見て見ないふりをしていた自分と。

キョン「だが、当の長門は否定していたぞ。あいつがたとえ影だったとしてもウソを吐くとは思えないが」

古泉「無意識下、というものは誰にでもあるということでしょう。それがたとえTFEI端末であっても。
   特に長門さんの場合は、我々の想像以上に無意識下の抑圧が大きかったのではないでしょうか」

キョン「……ああ。そうかもしれないな」

>TFEI端末?

古泉「ああ、長門さんたちヒューマノイド・インターフェースのことです。一々こう呼ぶのも面倒ですからね」

長門「ん……」

も一度言っとくけど寝落ちしたらごめーんね

キョン「気づいたか、長門」

長門「……問題ない」

キョン「そのなりで問題ないわけないだろう」

長門「今は目の前の問題の解決を優先すべき」

>ふらふらとした足取りで、影によっていく。

有希の影「……」

長門「……あなたは、私のエラーの集積」

長門「しかし、エラーの中に私の願望が混在していることを完全に否定することはできない」

長門「この惑星の有機生命体、特に人類とより円滑にコミュニケートできるように願っていることも事実」

長門「さらに特定人物の動向に興味があることも事実。しかしその周囲の環境を障害であるとは思わない」

長門「それらもすべて含めて興味の対象、それはあなたも理解できるはず」

長門「あなたは私」

有希の影「(コクッ)」

――自分自身と向き合える強い心が、“力”へと変わる…

>有希の影は有希の中へ戻っていったようだ。

長門「う……」

>また倒れそうになっていたが、今度はキョンが支えたようだ。

キョン「やっぱり大丈夫じゃねぇよな」

長門「……平時のパフォーマンスを現在行うことは困難」

キョン「当たり前だ、少し休んでろ」

長門「……了解した」

キョン「さて、そうだな……これは一度戻るべきだろうな」

古泉「ええ、この状態の長門さんを連れまわすわけにはいきませんからね」

長門「その前に……まだやるべきことがある」

一樹の影「……」

古泉「え、ええ」

キョン「そういえばいたな……」

長門「あなたも、向き合うべき」

古泉「……わかりました。ですが、少し離れていていていただけるとありがたいです。
   相当自分の深いところを他人に聞かれるのは恥ずかしいですからね……」

キョン「ああ、分かったよ」

>一樹と一樹の影から離れた。

キョン「古泉のやつも難儀だな」

>しかし、向き合わなければ暴走してしまう。

キョン「わかってるよ……長門の影でさえ暴走したんだ。
    俺たち人間が向き合わなかったら、間違いなく暴走するだろうよ」

>随分、有希を信頼しているようだ。

キョン「それは、当たり前だ。俺は長門に何度も助けられているし、
    一切の誇張虚飾なく額面通りの命の恩人だからだ」

>命の恩人?

キョン「ああ。だからこそ、俺は長門に絶対的信頼を置いているのさ」

>キョンと有希の間には、確かな絆が芽生えているようだ。

……――ハッハッハッハッハッハ!!

>一樹と一樹の影のいる方向から謎の高笑いが聞えてきた。

キョン「遠目だからわからんが、古泉のやつえらく困惑してるように見えるな……」

>自分の負の部分と向き合うのはそれだけ大変だということだ。

キョン「そういうものか……そうだよな」

長門「……」

キョン「……なあ、もしかして長門はあいつらの会話聞き取れるのか?」

長門「可能」

キョン「……ちょっと教えてもらうっていうのは、もちろんダメだよな?」

長門「古泉一樹は、あなたに知られることを望んでいない。よって私の独断で話すことは推奨しない」

キョン「……そうだよな。ちょっとした冗談だ。聞かなかったことにしてくれ」

長門「そう」

>……!

>どうやら、一樹の影は一樹の中へ戻っていったようだ。

キョン「よう、随分満身創痍だな」

古泉「よ、ようやく終わりました。想像以上に大変なことなのですね、自分と向き合うことは」

古泉「自分が必死で目を逸らしていたものを突きつけられる気分は最悪でした。
   長門さんの一件を見ていなければ、間違いなく僕も否定していたでしょうね……」

>誰も、そういうものだ。

古泉「それに、ただはいはい言っているだけではダメでした。本当に認めて、受け入れなければ自分は納得しない。
   正直いい経験とは言えませんが、自らを見つめ直すいいきっかけではありました」

キョン「じゃあ、戻るか。長門もこんなだしな」

古泉「それならよかったのですがね、残念ながらそうはいかないみたいですよ」

>どういうことだ……?

古泉「お客様がもう1名いらっしゃったようですから」

キョン「どういうこ……!?」

キョンの影「……」

キョン「あー、これって」

古泉「そういうことになりますね」

古泉「我々は離れたところで待っていますから。思う存分ぶちまけてきてください。
   手早く、とはいかないと思いますが、できる限り早く戻ってきてくれることを僕は望んでいます」

古泉「それと、くれぐれも暴走させないでくださいね。もう僕に戦う力は残っていませんから」

>自分の体力も厳しい事を伝えた。

キョン「なあ、番長、これを拒否する方法って――」

>いってらっしゃい!

キョン「……わーったよ! 行ってくるよ! いってくればいいんだろ! チクショウ!」

長門「待っている」

……


キョン「……よう」

古泉「気分はいかがですか?」

キョン「あんなモン突きつけられて不愉快にならんやつがいたらみてみたいね……」

古泉「でしょうね」

キョン「少しでも古泉の影との会話を聞こうと思った俺が馬鹿だったよ。
    あんなもの聞かれたら俺は間違いなく悶え死ぬ」

古泉「……この際、前半部分は聞かなかったことにします。今は向こう側に戻りましょうか」

キョン「ああ」

キョン「長門、疲れているところ悪いが出口を作ってもらっていいか?」

長門「問題ない」

>また何か高速で口元が動いた。

長門「空間の接合に成功」

>……! 視聴覚室にあるテレビと同じようなモノが出てきた。

キョン「行きも帰りもテレビの中に入っていくのな……」

よし飲み物入れてから書く

>>244

――視聴覚室。

>どうやら無事に戻ってこられたようだ。

みくる「よ、よかったぁ……戻ってきたぁ…うぇぇぇえぐっ、ひっく、えっぐ……」

>いきなりみくるはボロボロと泣き出してしまった。

キョン「あ、朝比奈さん? どうなさったのですか?」

古泉「それほど時間がたっていましたかね」

長門「私たちが異空間に侵入してから、およそ1時間47分経過している」

キョン「す、すみません。お待たせしてしまったようですね」

みくる「違うんです、違うんですぅ…」

>どうしたんだろうか。

みくる「だって、だってぇ……キョンくんたちが入ってしばらくしてから
    テレビの画面触ってみたんですけど、は、入れなくなってて……」

>おそらく中で長門の影が暴走したときだろう。

みくる「もしかしたらキョンくんたちが中で何かあったと思ったら、いてもたってもいられなくなって……」

>>289
みくる「なにがあったのかこの時代のこの時期に何があったのか調べても、
    機密扱いでなにも調べることできないし……緊急案件として出しても静観しろって言われちゃうし」

みくる「禁則事項してみなさんを止めようと思っても禁則事項にふれて禁則事項になっちゃうし……」

>きんそく……? なんだ?

キョン「あー、あとで説明してやるから気にするな」

みくる「わたし、何もできなくて、わたし…わたし、うぇぇぇぇぇぇ……」

古泉「大丈夫ですよ、朝比奈さん。事実僕たちはこうして無事に戻ってきている」

キョン「そうですよ。未来でもいわゆる規定事項じゃなかったんですか?」

みくる「しんっ、心配っ、心配しましたぁ……」

>みくるは心の底から団員達を心配しているようだ。

>みくると、団員たちの間に絆を感じる。

古泉「朝比奈さんにご心配していただけるとは、光栄の極みです」

古泉「しかし、今は休ませていただいてよろしいですか? 少々、疲れました」

みくる「え、あ、う、うん! じゃ、じゃあどうすれば……」

古泉「彼と長門さんを送って行ってあげてください。僕は番長氏とゆっくり帰りますから」

みくる「わ、わかりました。って、え! な、長門さんをですか」

キョン「一番疲労困憊なのが長門ですから。朝比奈さん、よろしくお願いします」

長門「お願いする」

みくる「は、はい! ……中で一体何が? あ、じゃあ、部室から2人の荷物とって来るね」

古泉「部室のカギは僕が締めておきますから、そのまま帰っていただいて構いません」

キョン「ああ、頼んだぜ。ほら、お前らもでろ、長門が施錠できねぇだろ」

>視聴覚室を後にした。

>キョンと長門とみくるは、部室へ向かっていった。

古泉「さて、僕たちはゆっくり向かうとしましょう。
   いろいろ話したいこともありますし」

>身体は大丈夫なのか?

古泉「……精神的には疲れましたけどね。
   元より閉鎖空間で力を行使する人間ですから一般人である彼よりは疲労度も少ないはずです」

古泉「それに、実際に戦ったのはあなたですから。それには比べるべくもありません」

古泉「校門が閉まるまではまだ時間があります。ゆっくりお話ししましょう」

>のんびりと部室へと向かっていった。

――文芸部部室。

古泉「これで、ようやく一息つけます」

>文芸部室には、自分と一樹の荷物以外なくなっていた。

>話したいこととはなんだろうか。

古泉「そうでしたね。あのテレビの中のお話は、長門さんや他の方々がいるときでよろしいでしょうか」

>構わないと伝えた。

古泉「まずひとつお聞きしたいことは、あなたの能力についてです。
   たしか、ペルソナ、と記憶していますが。
   あの力はテレビの中の限定で行使できると考えてよいのでしょうか」

>その通りだ。

古泉「あの力は一体……? 差支えのない範囲でよいので教えていただけますか」

>ペルソナについて自分の知っていることを教えた。

古泉「自らと向き合い自らのシャドウを制御することで人格の鎧、ペルソナとなる、ですか」

古泉「というと、我々も使えるようになっているのでしょうか」

>そういえば、シャドウががペルソナに転生した様子はなかった。

古泉「……ふむ。おそらくですが、この世界のテレビの中と
   あなたの世界のテレビの中では多少性質が異なるのでしょうね」

>確かに、一樹も能力を使っていた。

古泉「ええ、そこです。そこからある推察につながるのですが、それはまたあとにしましょう」

古泉「それと、ペルソナが特別な人物でなければ使えないというのでしたら別ですが、
   お話を聞く限りそういうことでもないようですし」

古泉「ペルソナを行使できないことは残念ですが、仕方ありませんね」

>他に聞きたいことは?

古泉「では、もう1つ。あなたは本当に涼宮さんをご存じないのですね?」

>ああ、知らない人物だ。

古泉「では、あなたがご自分の世界へ戻る方法はご存知ですか?」

>……! そういえば、どうすれば戻れるのだろうか。

古泉「やはり、あなたは迷子のようだ」

>困ったことになった。今すぐに戻れない限りここで生活する必要が。衣食住の確保しなければ……。

古泉「よろしければ全面協力させていただきますよ」

>……!

古泉「自体を解決していただいた恩もありますし、
   老婆心ながらマンションと食費、あと数点の衣服でしたらご用意させていただきます」

>よいのだろうか。

古泉「僕が機関という組織に所属していることは依然述べたとおりですが、
   その機関に決して潤沢とは言えないですが、活動資金があります」

古泉「経費として落としますよ」

>助かる。

古泉「それと、よろしければ北高への転入手続きもしますが。
   異世界とはいえ、何か明確な身分を持っていることに不便はないと思いますよ」

>いたれりつくせりで、申し訳なってくる。

古泉「いえ、僕としてもあなたに興味は尽きませんからね」

古泉「もちろん、僕のマンションにご一緒に止ってもよいですが」

>そっと遠慮しておこう……。

古泉「ふふっ、そうですか」

古泉「では、少々手続きをしてまいりますのでお待ちください」

>一樹は携帯電話を取り出しながら部室から出ていった。

>そういえば、こちらの世界で自分の電話を使えるのだろうか。

>……圏外だ。電話は使えないようだ。

チョイ飯

>古泉「自体を解決していただいた恩もありますし、

事態ね、事態

うし、食ったから書く
>古泉「もちろん、僕のマンションにご一緒に止ってもよいですが」

泊まるね、泊まる。誤字多いから適当に脳内補完して

……


古泉「お待たせいたしました。マンションの手続きも終わりました。
   家具も備え付きのタイプの部屋ですので、今からでも寝泊りができます」

古泉「それと、北高への転入ですが3日後になりそうです」

>ありがたい。

古泉「言い方は悪いですが転校生としての手続きと偽造もなかなか手間がかかるものでして」

古泉「それと、3日後に北高に来たときにはおそらく涼宮さんから
   何かしらのアプローチがあると思います」

>この団体の中心にいる女性か。

古泉「ええ。かなり突飛な人物なので、はじめは面食らうと思いますが、番長氏なら大丈夫でしょう」

>覚悟しておこう。

古泉「ええ。それでは今日は帰りましょうか。
   あなたの泊まるマンションにご案内しながら、この街をご案内しますよ」

古泉「ちなみに僕も同じマンションに住んでいますから住んでいますから、
   困ったことがおありでしたらいつでもご相談に乗らせていただきますよ」

>古泉一樹との間に絆が芽生えを感じる……。

>文芸部室を後にし、街を案内してもらいつつ帰路についた。

き、絆の芽生えね…

――翌日、北高、放課後。

キーンコーカーンコーン……

ハルヒ「ちょっとキョンッ!」

キョン「なんだ、耳元で大声を出すな。鼓膜がイカれちまう」

ハルヒ「人体がそんな簡単に壊れるわけないでしょ。
     それに今日1日いつにもましてだれてるからカツを入れてあげたのよ」

ハルヒ「ってキョンのことなんてどうでもいいのよ!
     そんなことより有希よ、有希!」

キョン「長門がどうかしたのか」

ハルヒ「どうかしたから言ってんの! 休んでるのよ今日!」

キョン「ああ、そのことか」

ハルヒ「ああ、そのことか、って何よそのリアクション」

キョン「……昨日部室にいったときに長門にあってな、どうやら風邪をひいてたみたいだ」

ハルヒ「有希が、風邪?」

キョン「ああ、確かに微熱程度だったし本人も大丈夫と言っていたんだがな。
    長門は、無理をし過ぎて危なっかしい節があるだろ。だから俺が明日は1日休んどけと言ったんだ」

ハルヒ「ふぅん……」

休憩しながらちょいちょい書いてく

仮眠とってきたからいける

ハルヒ「ま、キョンにしてはいい心遣いじゃない。
     確かに有希は顔に出さないものね」

キョン「だろ。でも大したことないと言っていたから、今頃元気にしてるかもな」

ハルヒ「ダメよ、風は治りかけが一番危ないの!
    そうね、今日は有希の家にお見舞いに行くわ!」

キョン「おい、大勢で行ったら逆に迷惑じゃないか?」

ハルヒ「誰が大勢で行くなんていったのよ。行くのはあたしとみくるちゃんだけでいいわ」

キョン「俺と古泉は?」

ハルヒ「特に何もしなくていいわよ。だから今日のSOS団の活動はお休み」

ハルヒ「そもそも1人暮らしの女の子の部屋に野郎が上がろうって考えがダメなのよ。
     風邪で弱ってる有希を狙うつもりなら諦めなさい。もしそのつもりならあたしが鉄拳で制裁してあげるわ」

キョン「安心しろ。そんなこと宇宙を飛来してるニュートリノほども持ち合わせちゃいない」

ハルヒ「そう、ならよかったわ。SOS団から犯罪者が出るのは忍びないからね」

キョン「やれやれ……きまったなら早く行ってやれ。長門も喜ぶだろうよ」

ハルヒ「じゃ、キョンは古泉くんに今日の活動はなしって伝えといてあげて」

キョン「確かに承ったよ、団長様」

風邪ね、風邪……

――文芸部部室

キョン「……ってことだ。そういうわけで今日もSOS団の活動はなしだそうだ」

古泉「そうですか。それにしてもあなたも嘘がうまくなりましたね」

キョン「ふん、長門の体調が思わしくないことも事実だし
    俺が休んでおけと助言をしたことも本当だ」

キョン「俺は長門の体調の悪さを風邪と言っただけで、
    それ以外の嘘は何もついていないさ」

古泉「ふふ。ええ、その通りです」

キョン「正直俺もかなりだるいんだがな。
    古泉、お前も休む可能性があったし、その上俺まで休んだら団長様が暴走しかねん」

古泉「おや、僕のことを気遣ってくれたのでしょうか?」

キョン「そんなわけあるか。俺は自分の平和を守りたかっただけだ」

古泉「ふふ、そういうことにしておきましょう」

キョン「……それより、番長はどうしたんだ。もしかしてもう元の世界に帰ったのか?」

古泉「いえ、機関の用意したマンションにご案内して寝泊まりしていただいています。
    まだ、戻る手立ては見つかっていませんね」

キョン「番長も、面倒なことに巻き込まれたもんだな。同情するぜ」

古泉「それと、彼のここにいる間の身分として北高の生徒になっていただきました。
   明後日には、彼は北高の2年生ですよ」

キョン「それも、機関の力ってわけか」

古泉「僕もあなたが先ほど言ったように僕自身の平和を守るためでしたら尽力しますよ」

古泉「番長氏が現れたということは、涼宮さんは何かしらの刺激を求めているのでしょう。
   そう望んでいるにもかかわらず、何も起こらなかったらどう思います?」

キョン「……さあ、想像したくないね」

古泉「ストレスから閉鎖空間がいくつも生まれることが容易に想像がつきます。それも特大の」

古泉「僕が過労死しないためにも番長氏は必要なのですよ」

キョン「相変わらず迷惑を惜しげもなく振るうのか、ハルヒのやつは」

古泉「いえ、そんなことはありませんよ。極めて寛容といってもいい」

古泉「ほんの些細な刺激でいいのです、それこそ転校生が来るといった程度のね」

古泉「それで満足していただけるのでしたら、大変ありがたいことです」

キョン「……お前がそれでいいならいいさ」

古泉「ええ。僕はこの現状を掛け替えのない平穏そのものだと認識していますよ」

>>395
キョン「で、どうする?」

古泉「どうするとは?」

キョン「ハルヒ、朝比奈さん、長門が不在。番長もいない。
    やることもないだろうから、今日はもう解散でいいか?」

古泉「そうですね……では、一局どうです?」

キョン「あー将棋か?」

古泉「ええ。久しぶりだと思うのですが」

キョン「……最初にいっておくぞ。昨日の今日でだるさも抜けていない。
    俺は頭が回らん。負けてもハンデ戦だったってことだ」

古泉「ええ、そういうことにしておきましょう。それで構いませんよ」

キョン「……気が変わった。全力で潰してやろう」

古泉「お手柔らかに」

……


――番長、自室。

>何もすることがない。暇だ。

>>455
――マンション前

>何もすることがないため外に出てきた。

>今日の食事の買い物に出かけよう。

――スーパー。

>今日は、魚介類とダイコンが特売しているようだ。

>ブリ大根の材料をカゴに入れていく。

???「みくるちゃんは、病食って何がいいと思う?」

みくる「えっ、えっとぉ……」

???「病食って言っても寝込んでいるわけじゃないからおかゆは無しよね」

みくる「お、お野菜の栄養がとれるのもがいいんじゃないでしょうか」

???「野菜……野菜ね」

>聞き覚えがある声がする……

>朝比奈みくると……見覚えのない顔だ。制服から察するに北高の生徒なのだろう。

>しかし、無駄な接触は避けるべきだろうか……。

>見なかったことにして買い物を続けた。

みくる「あっ、あれ?」

???「なに、みくるちゃんの知り合い?」

>見つかってはなぜか厄介な事になりそうな気がする。

みくる「……? きのせい、かな?」

???「いい、みくるちゃん。今は無駄なことをしている時間はないの。
     今は有希のお見舞いに行くことを最優先すべきなのよ!」

みくる「は、はいぃ~」

>どうやら見つからずに済んだようだ。

>あまり、ふらふら出歩くのはやめよう……。

>早々に購入して帰宅した。

――マンション前

古泉「おや、どこかへお出かけでしたか」

>今日の買い出しへ行っていたと伝えた。

古泉「自炊できるのですね」

>それなりにではあるが。

古泉「なにか、トラブルはありませんでしたか?」

>特にないと伝えた。

古泉「それでしたらよかったです。あなたにはできる限りこちらで
   快適に過ごしていただきたいですから」

>そういえば、朝比奈みくるをスーパーで見かけた。

古泉「朝比奈さんですか……もしかしたら誰かがそばにいたのでは?」

>見覚えのない女子生徒と一緒だった。

古泉「おそらく……涼宮さんでしょうね。
   もしやとは思いますが、接触は……?」

>余計な接触は避けるようにした。

古泉「ふう、本当にあなたが聡い人で助かります。
   あなたと涼宮さんは、偶発的なものではなく涼宮さんが会いに行く、という必要がありますからね」

古泉「助かります」

>特に何もしていない。

古泉「いえ、これは僕の本心ですよ。
   僕はあまり嘘が得意ではないですから、また何かもっともらしい嘘を
   用意しなければならないのかとひやひやしました」

>苦労しているんだな。

古泉「そんなことはありません。これでも僕は高校生活を満喫していますからね」

古泉「ところで、本日は何を作る予定なのでしょうか」

>ブリ大根を作る予定だ。

古泉「いいですね。僕も好きですよ」

>よければ一緒に食べるか?

古泉「本当ですか? お相伴にお預かりできるのでしたら大変喜ばしいですね」

>ああ、1人で食べるより誰かと食べたほうが美味しいからな。

古泉「ではお言葉に甘えさせていただきますよ」

>一樹と一緒に食事をとることにした。

>さて、今日はブリ大根を作ろう。

>コメをといだ水で大根を下ゆでし、ブリに振り塩をしてから湯霜を作り……

>――あとは落し蓋をして煮込むだけだ。

古泉「素晴らしい手際です。僕が見ても惚れ惚れしますよ」

>褒めても特に味は変わらない。

古泉「最近は、ずっとレトルトでしたからね。非常に楽しみです」

>一樹は1人暮らしなのだろうか……。

>てりつやブリ大根ができた。

古泉「それでは、いただきます」

古泉「素晴らしいです。これほどおいしい料理は久々です」

>満足してもらえたようだ。

古泉「涼宮さんではないですが、僕もあなたに出会えてうれしく思いますよ」

>一樹との間に純粋な友情を感じる。

古泉「ふふ」

>……たぶん。

古泉「そろそろ、僕は自室に戻りますよ。
   大変おいしかったです」

>そうだ。ひとつお願いがある。

古泉「何でしょう?」

>外に出るわけにもいかずあまりにも退屈なので何か暇つぶしの道具がほしい。

古泉「ああ、すみません。そこまで気が回りませんでした」

古泉「何か希望がございましたら、そちらをご用意いたしますが」

>娯楽用品でなくとも本や勉強道具、内職のような仕事でも構わないと伝えた。

古泉「そうですね……勉強道具、教科書が届くのは明日ですのでお待ちください」

古泉「でしたら、僕の趣味のテーブルゲームのルールを憶えていただいてもよろしいでしょうか?」

>テーブルゲーム?

古泉「ええ、なかなか一緒にプレイしてくださる方は少ないのですよ。
   あなたが覚えてくだされば、非常に嬉しいのですが」

>ああ。それで構わない。

古泉「では各ゲームの戦術本もお付けしますよ。
   しばしお待ちください」

>……! 一樹から大量のテーブルゲームのルールブックと戦術本を受け取った!

――翌日。

>他のみんなは学校へ向かっている。

>今日は教科書などが届くらしい。その荷物を受け取ること以外予定はない。

>そういえば、一樹から大量のゲームのルールブックを受け取っていた。

>手当たり次第読んでみよう。

………
……


>チェス、囲碁、軍人将棋、変わったところでは象棋などのルールを覚えた。

>また人生ゲーム、モノポリーなどパーティゲームなどのルールブックもあった。

>一樹は、よほどボードゲームが好きなんだろう……。

ピンポーン……

>インターフォンで確認する限りどうやら宅配のようだ。

>荷物を受け取った。中は、北高で使う教材一式のようだ。

>体操服、ジャージ……しかし制服がない。

>どうやら八十神高校の制服で登校しなければならないようだ。

>明日の登校の準備をした。

>……やることがなくなってしまった。

>今度は戦術本を読んでみよう。

………
……


>外がすっかり暗くなるまで読みふけってしまった。

ピンポーン……

>今度は誰だろうか。インターフォンで確認をする。

古泉『こんにちは。開けていただいても?』

>一樹だ。鍵を開け部屋へ入れた。

古泉「今日はいかがでした?」

>部屋からでずに、本を読んでいたと告げた。

古泉「それは結構ですね。これでこの半軟禁生活も終わりですから、
    我慢していただいてありがとうございます」

>特に不便な生活ではなかったと告げた。

古泉「そう言っていただくと僕も幾分か心が軽くなりますよ」

>そういえば、北高の制服がなかったと告げた。

古泉「ええ、それに関してはわざとですよ」

>わざと?

古泉「あなたのキャラクターづけのためですよ。
    転校生という属性だけでは、既に僕が使用してしまっていて弱いですからね。
    ここは学ランをロックに着こなしていただいて、番長のあだ名を不動のものにしていただきたいですね」

>そういうことならまかせろ!

古泉「ええ、お任せします」

古泉「一応あなたはご両親の都合で、こちらへ来た転校生ということになっています。
   さらに急の決定だったので、制服を用意する時間がなかったという設定です」

>随分細かい設定だ。

古泉「できる限りぼろを出さないようにするためですよ」

古泉「できれば、聞かれたときにそれらしい嘘をご用意しておくことをお勧めします」

古泉「あとは、以前の高校のことを聞かれたら
   あなたの高校のことを話していただいて構いませんから」

>わかった。

古泉「ええ、それでは僕から言うことはこれ以上ありません」

チョイ休憩

のみもん作ったら書く

>>538
どうでもいい話だけど
なんの飲み物つくってんの?

>>539
紅茶
おいしい

>ありがとう。

古泉「ところで、夕食はもうお召しになられましたか?」

>そういえば、本に耽っていたせいで全く用意していなかった。

古泉「それは僥倖です。実はここに豚の生姜焼きの材料を買ってきておりましてね」

>一樹がスーパーの袋を掲げた。

古泉「ですが、僕はあなたのように手際よく作ることもおいしく作ることもできません」

古泉「よろしければ作っていただけると嬉しいのですが」

>買い出しにいけていなかったからむしろありがたい。

古泉「では、お願いしてもよろしいですか?」

>問題ないと告げた。

古泉「僕は幸運ですね。役得というべきでしょうか」

>一樹から純粋な友情を感じる。

>一樹と一緒に夕飯時を過ごした。

古泉「ふふ、こちらも大変おいしかったです」

またIDが変わったら適当に察してください

古泉「では、僕はそろそろお暇しますよ。また明日学校でお会いしましょう」

>ああ、ありがとう。

古泉「学校でのボードゲームも楽しみにしておりますよ」

>一樹はでていった。

>今日は明日に備えて早めに寝よう。

………
……

――翌日、マンション前。

古泉「おや、昨夜は学校で言いましたがこんなところでもう会ってしまいましたね」

>……自分も随分早く出たつもりだが、一樹はもっと早いようだ。

古泉「これでも僕は真面目な転校生のキャラクターを守っているんですよ。
   間違っても遅刻なんてしないような予防線ですね」

古泉「そういうあなたも随分早いですね」

>道がイマイチわかっていなからな。迷った時の保険だと伝えた。

古泉「なるほど、ずいぶん真面目なようだ。
   ご一緒に行けば迷うことも遅刻することもないと思いますがいかがです?」

>……初日から転校生と仲が良いのは不自然ではないだろうか。

古泉「それは、『登校途中であなたに道を聞かれ、そのまま一緒に登校した』というのはいかがでしょう」

>一樹は、本当は嘘が得意なのではないだろうか……。

古泉「とんでもないですよ。買いかぶりです」

古泉「さて、あとは道すがらにしましょう。遅刻しては無意味ですからね」

(ジャンプ読んでたとか言えない)

――校門前。

古泉「では、僕はこれで。職員室はあちらですので」

>一樹は足早に校舎へ消えていってしまった。

>学校はまだ早いせいか生徒の数はまばらだが視線を感じる。

>やはり学ランは目立ちすぎるのかもしれない。

>職員室に急ごう……。

………
……

――2年某教室。

鶴屋「やっほーやっほー、おっはよーみっくるー!」

みくる「あ、おはようございます」

鶴屋「堅い、堅いよみくるー。転校生くんもそんな表情してたら緊張しちゃうよー」

みくる「転校生……?」

鶴屋「そーそー! ちょろーっと職員室までみてきたんだけどねっ!
    学ランをバッチっと決め込んで、かなりハイカラさんだったんさ!」

みくる「あっ……それって」

鶴屋「なになにっ! もしかしてみくるの知り合いっ?」

みくる「う、ううん。北高と違った制服の人がいるなって」

鶴屋「学ランさんならその人っさ!
   それもそれも! なんとこのクラスの転入生!
   こーんなへんな時期に転入なんて、楽しい予感しかしないっ!」

みくる「そ、そうだね」

鶴屋「だーかーらー、硬いよーみくるー」

みくる「あ、あはは……」

ガラッ

鶴屋「おーっとっとぉ。先生来ちゃったねぇ! また後でねっ」

教師「ほら、せきつけー。君も入ってきなさい」

>ざわついた教室に足を踏み入れる。

>……! なんと見知っている顔がいた。

教師「えーこのような変な時期ではあるが、
   親御さんの関係でこちらの学校へ転入してくることとなった。
   自己紹介を」

>簡潔に自己紹介をした。

教師「突然決まったことらしく、このように制服も以前の学校のままのものだそうだ」

教師「目につくかもしれないが、皆と同じように接してやってほしい。君の席はそこだ」

>言われた席についた。

教師「ではホームルームを始める」

>また新しい学校生活が始まる。

……


>ホームルームが終わった。

>自分が学ランだからだろうか。好奇の視線に晒されれているようだ。

鶴屋「こんちはっ! 転入生くんっ!」

みくる「こんにちはぁ」

>みくるとその友人らしき人物に声を掛けられた。

みくる「え、えーと、はじめ、まして? 朝比奈みくるです。こちらは、友人の鶴屋さんです」

>みくるはどのように接していいかわからず困惑しているようだ。

鶴屋「気さくに鶴屋さんって読んでくれて構わないっさ!」

>呼び方は全く気さくではないがそっとしておこう……。

>改めて自己紹介をした。

鶴屋「ねねっ、その学ランの着方はポリシーかなんかなのかなっ?
   転校初日にいい子ぶる様子もなく、前全開!
   いいねっ! そういうアグレッシブな精神はあたしも大好きだっ!」

みくる「つ、鶴屋さん。
    番長くんもいきなりそんなこと言われたら困っちゃいますよぉ……」

鶴屋「番長くん……?」

みくる「えっ! えーっとぉ、あ、あの、えっと」

>みくるはどうやら、どこか天然なところがあるようだ……。

鶴屋「番長……番長か!
   あははっ! いいね、そのあだ名っ! 学ランにそのアグレッシブな精神っ!
   まさしく番長だよっ! 番長くんっ! 転入生くんのあだ名は番長くんにケッテイっ!」

みくる「つ、鶴屋さん~……」

みくる「ご、ごめんね、番長くん」

>別にかまわないと伝えた。

鶴屋「みんなー! 今度から転入生くんは番長くんって呼んだげてー!」

>どうやら、番長のあだ名が定着してしまったようだ……。

鶴屋「じゃー、この学校初心者の番長くんにあたしたちが案内をしてあげるっさ!」

みくる「あ、はい。しますよ」

みくる「番長くん、わからないことがあったら何でも聞いてね」

>みくるは朗らかに笑っている。

>みくるとの間に絆の芽生えを感じた。

鶴屋「ささ、人間に与えられた時は有限っ! 差し迫るは次の授業っ!
   ってことで、めぼしいところだけさっくり紹介するからねっ!」

>圧倒的な行動力で鶴屋さんに引っ張られるように連れまわされた。

………
……


――1年5組。

ハルヒ「ねっ、キョン。聞いた?」

キョン「何をだ」

ハルヒ「転入生よ転入生。2年生に転入生が来たらしいわ」

キョン「そうかい。俺ら1年坊には何も関係がないことだな」

ハルヒ「何言ってるのよ! こんな時期に転入なんて古泉くんの時以上の不思議転入生よ!」

ハルヒ「それに1人だけ違う制服を許されてるみたいなのよっ! これは由々しき事態だわ!」

晩飯喰ってなかったから喰ってる

ハルヒ「いくわよ、キョン! そんな逸材を他の誰かに取られてたまりますか!」

キョン「おいおい、上級生をSOS団に引き込むつもりか?」

ハルヒ「何言ってるの、みくるちゃんがもういるじゃない」

キョン「朝比奈さんはちょっと特殊だろうよ……」

ハルヒ「あーもう! 御託は並べなくていいわ!」

キョン「うおっネクタイを引っ張るな! って今から行くのかよ!」

ハルヒ「当ッたり前じゃない! 時間は待ってくれないのよ。今やらなくていつやるの!」

キョン「わかったよ、自分で歩くからネクタイを放してくれ」

ハルヒ「わかればいいのよ。その転入生のナリによってはあたしも制服改造してやるんだから」

キョン「やれやれ……」

キョン「(古泉……お前の思惑は大当たりみたいだぞ)」

ハルヒ「ボサっとしないできりきり歩くっ!」

キョン「へーへー」

ハルヒ「でもいい? 手放しで迎えるのは無しだからね!」

ハルヒ「ちゃんと見極めるの。不思議の匂いを持っていそうならいれる、
     持ってなさそうなら見切る」

キョン「俺はもう個人的にSOS団は飽和状態だと思っているがな」

ハルヒ「何を言ってるの。どんな組織にも刺激は必要不可欠よ!
    それはSOS団でも例外じゃないわっ」

ハルヒ「停滞は淀みを生み組織を腐敗させるわ! そんなこと絶対許さないんだからね!
悪貨は良貨を駆逐するし、腐った枝葉は大木をも腐らせるの!」

キョン「そうかい」

ハルヒ「あたしの目が黒い内は、枝葉の一本一葉たりとも腐ることは許さないのよ!」

キョン「わかったわかった。俺もせいぜい腐らないように頑張るさ」

ハルヒ「わかったならよろしい。そういえば、その転入生って2年の何組なのかしらね」

キョン「おいおい、そこの調査もしてないのかよ」

ハルヒ「ま、みくるちゃんに訊けば分かるでしょ」

――2年某組。

ガラッ!!

ハルヒ「みくるちゃーん!」

キョン「おい、ちょっと自重しろ。上級生の眼が点だ」

ハルヒ「あれ? ちょっとキョン! みくるちゃんいないじゃない!」

キョン「しらん、俺に訊くな」

ハルヒ「あたしが必要なときにいないなんて団員失格よ! 失格!」

キョン「お前の気分に常に付き合える方が奇特な存在だ」

……


鶴屋「どうかなっ、簡単だけど今紹介したところが主なところっ」

>ありがとう。

鶴屋「うんうんっ、いいねいいねっ! 見た目に反して素直で素敵だよっ」

>なんと思われているのだろう……。

みくる「あれ? あの教室の前にいるのって涼宮さんとキョンくん?」

鶴屋「およ。ハルにゃんもキョンくんも何かうちのクラスに用があるのかなっ?」

>見覚えのある後姿だ。片方はキョンだろう。

鶴屋「やーやー、ハルにゃんっ! こんなところでどうしたのっ!」

みくる「涼宮さん、何かあったんですか?」

ハルヒ「って、みくるちゃん! どこに――」

>眼の前の女子生徒から強烈な視線を感じる……。

ハルヒ「でかしたわ! みくるちゃん! さすがよっ!
     あたしの行動を予見して先立って確保するなんて団員の鏡よっ!」

キョン「なーにが鏡だ。さっきまで失格とか言ってたくせに」

ハルヒ「そんな昔のことを引きずるのはこの先何の利益にもならないわ」

鶴屋「あー、そうそうっ! ハルにゃんたちにも紹介しておくよっ!
    この学ラン全開が似合う転校生が番長くんっ!」

ハルヒ「番長……?」

鶴屋「そっ! 学ランさんをこんな風にバシッとハイカラさんに着こなしてるからねっ!」

キョン「ハイカラときますか、俺はロックだと思うんですがね」

鶴屋「うーんっ! ロックかぁ、それもいいねっ!
   実はこのあだ名の名付け親はみくるなんだよっ!」

キョン「あ、朝比奈さん……ですか」

みくる「う、うん……」

>キョンとみくるは何やらアイコンタクトをしていたようだ。

ハルヒ「番長……うん! 番長! いいわね! みくるちゃん、ナイスアイディアよ」

みくる「あ、ありがとうございます」

キョン「やれやれ」

ハルヒ「まず自己紹介しておくわね、あたしは涼宮ハルヒ」

ハルヒ「番長くん! あなた異世界人?」

>……! いきなり確信をつく質問をしてきた。

キョン「……おいハルヒ、上級生なんだ。その言葉遣いはないだろう」

ハルヒ「今重要なのは上級生かどうかじゃないの!」

>涼宮ハルヒと名乗った女子生徒はこちらを睨みつけるように見つめている。

>負けじと見つめ返しはっきり違うと告げた。

ハルヒ「ん! よし! 合格!」

>……いったい何なのだろうか。

キョン「……一応聞いといてやる、何が合格なんだ」

ハルヒ「彼よ、彼に決まってるじゃない」

キョン「……異世界人じゃないと言っていたのにか」

ハルヒ「あたしだって、そんな簡単に異世界人に会えるとは思っていないわ」

キョン「じゃあ、なんで聞いた」

ハルヒ「あたしが見たのは気概よ気概。
     ここでふざけて『はい異世界人です』なんて言うようなら即不合格よ」

ハルヒ「それに、少しでも言いよどんでてもダメ。狼狽えてもダメ。
     そんな精神的軟弱者はSOS団にはいらないわ!」

ハルヒ「でも彼は一切目を逸らさず力強くこちらの質問に答えてくれるたわ。
     それは精神的な強さの裏付け、つまりSOS団でやっていける資質よ!
     あたしくらいになると今の質問だけでわかるの!」

キョン「……そうかい」

ハルヒ「番長くん、ありがたく思いなさい! SOS団に入る権利をあげるわ。
     この権利は、全宇宙を見渡しても最上級に名誉あることなのよ!」

>ありがとう。

鶴屋「やー、すっごいねぇ、番長くん」

キョン「一応言っておくが、拒否する権利もあるからな」

>せっかくのお誘いだ。入れてもらうことにしよう。

ハルヒ「みくるちゃん!」

みくる「は、はいぃ。なんでしょうか……?」

ハルヒ「もちろんSOS団の説明は番長くんにしておいてあるわよね?」

みくる「あの、その、しないですぅ……」

ハルヒ「みぃ~くぅ~るぅ~ちゃぁ~ん!」

みくる「ひゃぁぁっ! ごめんなさいぃ!」

>みくるは身体をまさぐられている。どうやらみくるは彼女のおもちゃのようだ……。

>キョンが顔を近づけてきた。

キョン「本当に良いのか。ろくでもない団体だぞ」

>楽しそうでいいじゃないかと伝えた。

キョン「番長がそういうならこれ以上はいわねぇさ」

キョン「ふう……おい、ハルヒ、そろそろやめておけ」

ハルヒ「なによ、まだお仕置きが終わっていないわ」

キョン「朝比奈さんは番長を確保しておいてくれたからいいじゃないか。
    許してやろうぜ。それにほら」

キーンコーンカーンコーン……

これいつ終わるんですかね

>予鈴がなっている。

みくる「ひゃぁぅぅぅ!!」

キョン「な、終了の合図だ」

ハルヒ「仕方ないわね……これくらいにしておいてあげるわ。
     キョンの言うことも0.1理くらいはあるからね」

キョン「それでいいから、離してやれ」

みくる「ううう……」

ハルヒ「いい、みくるちゃん、今日は部室に絶対集合だからね! 番長くんもつれてきなさいよ!」

みくる「わ、わかりましたぁ……」

>そういうとハルヒはずんずん廊下を進んでいってしまった。

キョン「すみません、朝比奈さん」

みくる「う、ううん、いいの。大丈夫だから」

鶴屋「みくるのことはあとはあたしにお任せ侍っさ!」

キョン「ええ、お願いします」

ハルヒ「こらー! バカキョン! 早く行くわよ!」

キョン「わかったよ。じゃあ、また部室でな、番長。朝比奈さんも」

>>588
着地点だけ決めて即興で思うまま書いてるから俺にもワカリマセン

――2年某教室。

>今日1日の授業が終わった。

鶴屋「やー! 終わったねぇ! どうだい? はじめての北高の感想は」

>悪くないと、伝えた。

鶴屋「うーん、いつか番長くんに『よかった』ってい言わせてみたいっ!」

>高校の授業を受けていると八十神高校のことが思い浮かぶ。

>まだ元の世界に帰る方法も見つかっていない。

みくる「じゃあ、そろそろ行きますか? 番長くん」

鶴屋「そっかそっか! 番長くんもお呼ばれしてるんだったねっ。
    頑張ってくるっさ。あたしはここらで消えるとするよ、ばいばいっ、みくる、番長くん」

>鶴屋さんは、教室から出ていってしまった。

みくる「いきましょう」

>ああ。

>2人で文芸部の部室に向かって歩いていく。

>質問してもいいだろうか。

みくる「うん、どうぞ?」

>鶴屋さんは、未来人なのだろうか?

みくる「ううん、ちがう。でもこっちに来てからであった掛け替えのない友人」

>みくるはどうやら鶴屋さんを信頼しているようだ。

>他に未来人はこの学校にいるのだろうか。

みくる「それは、ごめんなさい、禁則事項なんです」

>言えないということだろうか。

みくる「はい……」

>みくるは申し訳なさそうな顔をしている。気にしなくていいと伝えた。

みくる「ありがとう……ふふっ、キョンくんと一緒ですね」

>何がだだろうか。

みくる「ううん。なんでもない」

>会話をしているうちに、文芸部部室まで到着した。

完全に寝落ちしてたから大人しく寝ることにする

>>595から書く

>>595
みくる「番長くんは今日が初めてのSOS団なのよね」

>ああ。

みくる「いろいろ、ビックリすると思うけど……頑張ってね」

>そう言って、文芸部室のドアを開けた。

長門「……」

みくる「あ、長門さんこんにちはぁ」

>有希だ。すでに部屋の隅で読書をしていたようだ。

>体調はもういいのだろうか……。

長門「平気」

>ならばよかった。

みくる「あ、あのね。番長くん。ちょっと着替えるから外に出ていてほしいな」

>着替え……? なにかユニフォームでもあるのだろうか。

みくる「う、ううん。そうじゃないんだけど……」

>とにかく外に出よう。

>>847
>扉の前で待っているが、他の団員が来る様子はない。

>かなり早く来てしまったのだろうか。

みくる『あ、番長くん、ありがとう。もう大丈夫』

>扉の向こうから入室許可がされたようだ。

>……! なんとエプロンドレスだ。

みくる「ごめんね、締め出して。今お茶入れますから座って待っててね」

>みくる、似合ってる。

みくる「えっ、えぇっ! ど、どうしたんですかぁ?」

>感想を述べただけだと伝えた。

みくる「こ、ここまではっきりストレートに男性に言われたのは
   初めてだったからちょ、ちょっと照れちゃいましたぁ」

>しかしみくるはまんざらでもないようだ。

みくる「あ、これお茶です」

>給仕する姿が板についている。ずっとしてきたのだろうか……。

みくる「これ、長門さんのお茶です。ここに置いておきますね」

埋まるからあとのことは適当に考える

落ちてねーし埋まってないのか

埋まってないなら適当に書いてく

>>890

>有希は一瞥をくれただけでまた読書に戻ってしまったようだ。

みくる「ふふふっ、ちょっと新鮮」

>何がだろうか。

みくる「ううん、いつもは長門さんと2人きりで
    特にキョンくんや涼宮さんが来るまで話したりすることもないから」

>……この二人は仲が悪いのだろうか。

みくる「そ、そんなことないですよぉ。
    ただ、長門さんはああやって読書してますし、その邪魔をするのも悪いし」

みくる「あ、でも別に寂しいってわけじゃないんですよ!
    こうやって待ってる時間もお茶の本読んだりしてて、あとお掃除とかも」

>みくるは、楽しそうに話している。

>みくると他愛無い会話を楽しんだ。

みくる「でもこうやって、お話して待っているのも悪くないかなって。
    番長くんと話をしていて思いました、ふふっ」

>みくると少し仲良くなれたようだ。

みくる「そろそろ、皆さんも来ると思うのでお茶の準備しなくっちゃ」

>みくるはお茶の準備を始めたようだ。

ガチャ

キョン「うぃっす。……って本当に来たのか」

みくる「あ、キョンくんこんにちは。これお茶です」

キョン「朝比奈さん、ありがとうございます」

>キョンの声色が自分や一樹と話しているときと違う。

キョン「なにが哀しくて野郎に、そんな声色使わないといかんのだ」

キョン「それより番長。ハルヒのヤツな、えらく張り切ってたから覚悟しておいた方がいいぞ」

>確かに今朝は驚いた。

キョン「あれで驚いてたら、これから先思いやられるぜ。
    ま、お前さんがいつまでこの世界にいるかわからんがな」

みくる「あ、そういえば、どうやって戻るんでしょうねぇ」

>そろそろ真剣に考えなければいけない問題だ。

キョン「なんでそんな落ち付いていられるんだ
    ……俺が別の世界にいったときは恥ずかしい話、発狂モンだったぞ」

>何かヒントがあるかもしれない。詳しく教えてほしい。

キョン「そんときは長門と朝比奈さんに助けてもらっただけで
    俺は何もやってないんだがな。帰還のヒントになるんならその2人に聞いてくれ」

>何か心当たりがあるだろうか。

みくる「あたしができるのは、ごめんなさい。特にないんです。
    前にも言ったように、この期間は機密扱いで何も教えてもらえませんし……
    TPDDの使用にも制限がかかっていて」

キョン「……朝比奈さん方面はダメみたいだな」

>有希は何か心当たりはないだろうか。

長門「今言えることはない」

>今?

長門「以前もいった様に彼自身の解析ができない。
   そのためこれ以上の進展は大きく望めないと予測される」

キョン「長門でもわからんなら俺は完全にお手上げだ。それは古泉もいっしょだろうよ」

>手がかりをつかむのはまだ先のようだ。

バンッ!

>! 大きな音を立てて突然ドアが開いた。

ハルヒ「みんな、ちゃんと来てるかしら!」

古泉「こんにちは」

>一樹は何やら大きな紙の束を持っているようだ。

ハルヒ「さっそく今日の活動を始めるわよ!」

キョン「おい、ハルヒ、番長の自己紹介も無しか」

ハルヒ「2年に転入してきた番長くんよ! 今日からSOS団に入ることになったわっ、以上!」

キョン「それは自己紹介じゃなく他者紹介だ」

ハルヒ「今日はまず新団員の番長くんにSOS団の活動を知ってもらって
    それでもってSOS団の知名度を世に知らしめる一石百鳥くらいのことをするの!」

ハルヒ「古泉くん! 例のアレくばって!」

古泉「了解しました」

キョン「お前は例のアレと言いたいだけじゃなかろうか」

>なにやら原色をふんだんに使った眼が痛くなりそうなチラシが配られた。

ハルヒ「さ、ざっとでいいから目を通してちょうだい」

キョン「ああ? 『SOS団活動の軌跡』?」

>手書きのチラシには、みくるのバニーガール姿などの写真と共に紹介されていた。

キョン「お前授業中何かしてると思ったら、こんなもん作ってやがったのか」

ハルヒ「いいかしら? 目を通した?」

>どうやら先ほどといいキョン発言は流される傾向が強いようだ。

キョン「それに、カラー印刷って金はどこから?」

ハルヒ「タダよタダ。SOS団の活動資金なんてスズメの涙なんだから
     節約できるところは節約しないとね」

古泉「実をいうと、生徒会室に忍び込んで勝手に印刷をしていたみたいで」

ハルヒ「生意気よね、あたしたちと同じ生徒なのにカラーコピー機なんて入れて。
    同じように学費払ってるんだから、使って当然よ」

キョン「……それ以上は聞くまいよ。頭が痛くなりそうだ」

>大丈夫なのだろうか……。

SS速報かどっかで

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom