紅莉栖「クッチャクッチャクッチャクッチャクッチャクッチャクッチャクッチャクッチャ」 (76)

岡部「おえっ」

鈴羽「ちょっとー!牧瀬紅莉栖の口臭すぎーっ!」

紅莉栖「はぁぉっ!?」

鈴羽「歯ちゃんと磨いてよね!」

紅莉栖「イラッ」

紅莉栖「ガツガツ!ムシャムシャ!クッチャクチャクチャ!!ゴクッ!ゴクッ!グビグビッ!ゲェーップハァ」

紅莉栖「・・・」ジー

鈴羽「な、なに・・・?」

紅莉栖「ハァアアアアアアアアアアアアアアアア~~~~~~~っ」

鈴羽「うっ!く、臭いぃぃぃぃぃぃっ!!!オエッ!オエェェ」

紅莉栖「ケラケラ」キャッキャッ

鈴羽「ちょっと岡部ー!」

岡部「なんだ、また喧嘩か」

鈴羽「違うよ聞いてよ! 牧瀬紅莉栖ったら下品なんだよ!」

岡部「なにがどう下品なんだ」

鈴羽「クチャクチャ飲み食いした後でわざと息吐きかけてきてさ。それが臭いのなんのって!」

紅莉栖「やめてよ! 岡部にそういう話するの」

鈴羽「だって事実じゃん!」

岡部「本当なのか紅莉栖」

紅莉栖「……」

鈴羽「だから言ってんじゃん! ほら、これが牧瀬紅莉栖が食べ散らかした残骸」

紅莉栖「違う。これは橋田が」

ダル「僕かよ!?」

鈴羽「父さんのせいにしないで!」

岡部「……」

鈴羽「ねえ岡部、なんとかしてよ! 彼氏でしょ?」

岡部「紅莉栖」

紅莉栖「……私はやってない」

岡部「……」

鈴羽「見苦しいよ! 牧瀬紅莉栖」

紅莉栖「それより私こそ迷惑してるんだけど!」

鈴羽「出た! お得意の論点すり替え!」

紅莉栖「すり替えじゃない! あなたの“臭い”のことよ」

鈴羽「はぁ? 私はちゃんと朝昼晩と歯を磨いてる健康児だよ」

紅莉栖「あんたの汚い歯並びした口なんてどうでもいい」

鈴羽「なんだと!」

紅莉栖「体臭よ体臭。岡部も感じない?」

岡部「体臭? 鈴羽からか?」

紅莉栖「そう、運動した後でシャワーも浴びない汗くっさい体臭」

鈴羽「え、えっ! うそ! 臭ってる!?」

ダル「いや、特に感じないけど……」

紅莉栖「臭うわよ。ほら、鉛筆臭くない?」

岡部「言われてみれば……」

鈴羽「え、鉛筆ってなによ」

紅莉栖「え? まさか知らないの? プスッ」

鈴羽「なに知ったかぶってんのさ! 言ってよ!」

紅莉栖「それ、ワキガの臭いよ絶対」

鈴羽「わ、ワキガ!?」

岡部「ま、まさか……」

紅莉栖「間違いないわよ。鉛筆くっさいもん。それにあなた橋田の子だし」

ダル「え、それ関係あるん!?」

紅莉栖「あるわよ。ワキガは遺伝するからね」

岡部「紅莉栖、それは暗にダルもワキガだと言っていることにならないか?」

紅莉栖「そうだけど?」

ダル「ぼ、僕ワキガじゃないし!」

岡部「……」

紅莉栖「……」

ダル「……ワキガじゃないよね? オカリン」

岡部「たぶん違うと思うが……」

鈴羽「牧瀬紅莉栖! 私はいいけど、父さんをバカにするのだけは許さないよ!」

紅莉栖「あ! じゃあ自分はワキガだって認めるんだ!」

鈴羽「ぐっ……」

紅莉栖「フッフーン」

鈴羽「お、岡部……私ワキガかな?」

岡部「すまん、鈴羽。実は俺は鼻が悪いんだ。だから正直言うと判断がつかない」

紅莉栖「プークスクス」

鈴羽「……」

ダル「げ、元気出せよ阿万音氏! 僕は臭いなんて感じないぜ」

鈴羽「……それは父さんもワキガだからじゃないの?」

ダル「あ……」

鈴羽「……」

紅莉栖「ゲラゲラ」

紅莉栖「なんかこの部屋臭くない? 換気しよ換気」

岡部「外は寒いぞ」

紅莉栖「耐えらんないわよ、こんなワキガ臭さ」

鈴羽「……」

ガララ

紅莉栖「あーいい風。早く臭いの元もどっか行ってくれないかしら? プフッ」

鈴羽「……いいよ、わかったよ」

紅莉栖「なにがよ?」

鈴羽「岡部に決めてもらおうよ。どっちが臭いか」

岡部「は?」

紅莉栖「き、決めてもらうってどうやってよ」

鈴羽「お互い1時間の間、岡部に匂いをかいでもらうんだよ。密閉空間で」

ダル「み、密閉空間!?」

鈴羽「それで岡部が耐え切れずに出てった方が負け。より臭いってこと」

岡部「な、なんで俺なんだ。さっきも言っただろう、俺は鼻が悪いと」

鈴羽「鼻が悪い岡部だからこそだよ。そんな岡部にさえ臭いと言わしめる人物がいるとすれば、その人は自分が臭いって認めざるを得なくなるでしょ」

紅莉栖「な、なるほどね」

鈴羽「それにたいていの人はすぐ耐え切れなくなって逃げちゃうだろうし。牧瀬紅莉栖の口臭はほんと人知を超える臭さだから」

紅莉栖「ピキッ……それはあなたの脇臭の間違いじゃないの?」

鈴羽「……ふんっ、言ってなよ」ゴゴゴ

紅莉栖「……」ゴゴゴ

紅莉栖「じゃあさっそく始めましょう」

鈴羽「望むところ」

岡部「おい、俺に決定権はないのか……?」

紅莉栖・鈴羽「「まさか断る気??」」

岡部「……いえ、やらせてください」

ダル(あの二人怖いお……)

紅莉栖「密閉空間ってのはどこにするの」

鈴羽「トイレでいいでしょ」

紅莉栖「わかったわ。それじゃじゃんけんで勝った方が先攻よ」

鈴羽「わかった。それじゃ……じゃんけん、」

ぽんっ

鈴羽「私が先攻だね。いこ、岡部」

岡部「ああ……」

岡部(ダル、助けてくれ……)

ダル(ごめん、オカリン……)

紅莉栖「岡部に変なことしないでよ」

鈴羽「……」

紅莉栖「ちょっと!」

バタンッ

紅莉栖「あの女……ほんとむかつくわ!」

紅莉栖「クッチャクッチャ……」

ダル(……牧瀬氏、勝つ気あるのか?)

鈴羽「じゃあ、1時間だけだけどよろしくね。岡部倫太郎」

岡部「ああ、お手柔らかにな」

鈴羽「なんか寒いね」ブルブル

岡部「ほんとだな」

鈴羽「……」

岡部「……」

鈴羽「と、とりあえず座ろっか!」

岡部「そ、そうだな。しかしどっちが座る? 便座は一つだぞ」

鈴羽「岡部倫太郎が座ってよ。私は膝の上貸してもらうから」

岡部「あ、ああ……」

鈴羽「お、重くない?」

岡部「別に。むしろ軽いぞ、紅莉栖より」

鈴羽「そ、そう。ありがと」

岡部「……」

鈴羽「……お、岡部倫太郎」

岡部「ん? どうしたす……バイト戦士よ」

鈴羽「……そ、そのさ」

岡部「?」

鈴羽「もっと匂い嗅いでくれなきゃゲームにならないよ……///」

岡部「!」ドキッ

岡部(お、おおお落ち着け鳳凰院凶真! 何を焦ることがある!?)

岡部(これは罰ゲームだ……なにもやましいことなどない。ゆえに過度に心拍数をあげる必要もない)

岡部「すぅ……」(深呼吸)

鈴羽「お、岡部倫太郎……?」

岡部「! す、すまん」

鈴羽「いや別にいいけど……」

岡部「に、匂い……だったな。だがしかし、匂いといってもどこを嗅げばいい……?」

鈴羽「う、腕とか……首とか……」

岡部「……」ゴクリ

鈴羽「……///」ドキドキ

岡部「こ、こうか……?」スンスン

鈴羽「そ、そう……そんな感じ……んっ」

岡部「……」スンスン

岡部(仄かに汗のにおいがするな……臭いというほどでもないが)

鈴羽「お、岡部倫太郎……その、どう?」

岡部「……と、特に臭いとは感じない」

鈴羽「そ、そっか……それならよかった」

岡部「……」

岡部(俺は……俺はいったい何をしてるんだ?)

岡部(トイレの個室で膝に人を乗せて、そいつの腕の匂いを嗅いでいる……)

岡部(はた目から見ればさぞや間抜け……いや怪しく見えるだろう)

岡部(……監視カメラとかついてないよな?)

鈴羽「お、岡部。次はその……首とかも」

岡部「わかった……」スンスン

鈴羽「……んっ」

岡部(へ、変な声を出すな鈴羽……何か俺がエロティックなことをしているみたいではないか)

鈴羽「ひ、ひゃっ……く、くすぐったいよ……」

岡部「す、すまん……」

鈴羽「……っ、いいよ。続けて……」

岡部「あ、ああ……」スンスン

鈴羽「あ、んっ……ぁ……///」

岡部「……っ」ドキドキ

岡部(す、鈴羽……モゾモゾと動くな……)

鈴羽「……っ、あぁ……んあ……」

岡部(こ、股間のアレがその……刺激されて……)ムクムク

鈴羽「うわっ……」

岡部「ど、どうした」

鈴羽「う、ううん……なんでも」

岡部「そうか……」

鈴羽「……うん、だからもっと嗅いで……私の匂い」

岡部「わかった……」スンスン

岡部(汗と微かなシャンプーの香りが入り混じっていて……なんというかその……やばい)

鈴羽「ん……んっ……ぁ」ズリュズリュ

岡部「す、鈴羽……!」

鈴羽「な、なにぃ……?」

岡部「そ、その……あまり動かないでくれないか」

鈴羽「な、なんでぇ……っ……」

岡部「うぐっ……」

岡部(す、鈴羽のケツに押し潰された股間が……刺激されて……っ)

鈴羽「お、岡部……倫太郎……」

岡部「す、鈴羽……」

鈴羽「わ、私……なんか変になったみたい……」ズリュ

岡部「うっ……な、なにして……」

岡部(す、鈴羽が座る向きを変えてきた……)

鈴羽「……お、岡部に体の匂いを嗅いでもらって……その……」

岡部「す、鈴羽……顔がちか……」

鈴羽「……すごく、興奮してる……んっ」チュ

岡部「!」

鈴羽「……っ、んぷぁ……は、はぁ……」

岡部「っ、はぁ……す、鈴羽……」

鈴羽「……もっと、私の臭い……嗅いで……」

岡部(す、鈴羽……脇を……)

鈴羽「は、ぁ……っ」

岡部「んぐっ……」

岡部(……っ、さっきよりキツ目の匂いだ……しかし……)

鈴羽「わ、私の脇……臭い、かな……?」

岡部「いや、……」

鈴羽「……んフ……そうだよね……っ」

岡部「?」

鈴羽「だって、岡部倫太郎のここ……」ニギッ

岡部「うっ……!」

鈴羽「すっごく固くなってる……」サワサワ

岡部「す、鈴羽……それはまずい……」

鈴羽「っ、なにがまずいの……?」

岡部「ん……はぁ……」スンスン

鈴羽「ねえ……んっ……岡部倫太郎……」サワサワ

岡部「ラボにはダルも……それに紅莉栖だっている……」

鈴羽「いいじゃん……そんなの」

岡部「……ダメだ」

鈴羽「岡部倫太郎はシたくないの……?」

岡部「……っ」

鈴羽「私の脇の匂い嗅いで……興奮してるくせに……」ギュゥ

岡部「す、鈴羽……!」

鈴羽「いいよ……わかった」

岡部「……?」

鈴羽「私の匂い、いっぱい嗅がせて……岡部の本心……剥き出しにしてあげる」

岡部「す、鈴羽……っ」

ドンドン!

岡部・鈴羽「!」ビクッ

紅莉栖「そこまでよ! もう一時間たったわ!!」

鈴羽「え、えーっ! まだでしょ!」

紅莉栖「いいから出てきなさい! あんたの番はもう終わり!」

鈴羽「ちぇ~……」

岡部(た、助かった……)

鈴羽「……あ、あのさ……岡部倫太郎」

岡部「ん?」

鈴羽「……また……しようね」

岡部「!」ドキッ

紅莉栖「早くしろって言ってんでしょ!」ドンドン

鈴羽「うるさいなぁ、わかったって言ってんじゃん」

ガチャ

紅莉栖「岡部!」

岡部「ど、どうしたクリスティーナ」

紅莉栖「な、なんかされなかった?」

岡部「いや……特に」

紅莉栖「ほんと?」

岡部「ああ……」

紅莉栖「……じ、じゃあその……ずズボンの前に張ったテントはなによ?!」

岡部「! し、しまっ……」

鈴羽「……ふふん、見てわかるでしょ」

紅莉栖「はぁん?」

鈴羽「岡部倫太郎は私の匂い嗅いで……興奮してたんだよ」

紅莉栖「なっ! ほ、本当なの岡部!?」

岡部「……」

鈴羽「つまり私の匂いは臭いどころか、岡部倫太郎にとっては“いい”匂いだったってこと」

紅莉栖「そ、そんなはずないわよ! あんたの脇臭なんてドブ以下!」

鈴羽「ふーん?」ニヤニヤ

紅莉栖「くそ、むかつく……」ギリリ

鈴羽「だったら証明してみれば? 同じようにさ」

紅莉栖「は?」

鈴羽「私がしたように、岡部倫太郎をあんたの匂いで興奮させてみなよ」

紅莉栖「わ、私の……匂いで?」

鈴羽「ただし! 口臭だよ、口臭。これはそういう戦いなんだから」

紅莉栖「くっ……」

鈴羽「じゃあ楽しみに待ってるからね」

紅莉栖「あいつ……!」

バタンッ

岡部「く、紅莉栖……本当にやるのか?」

紅莉栖「あんな言われたら引き返せないでしょ! 始めるわよ岡部!」

岡部「……」ゴクリ

岡部(今度は紅莉栖の口の中を嗅ぐんだよな……)

岡部(正直なところ、鈴羽よりもだいぶハードルが高い気がする……)

紅莉栖「じゃあ息吐きかけるわよ……いい?」

岡部「ちょ、ちょっと待ってくれ!」

紅莉栖「な、なによ? もしかして嫌なわけ……?」

岡部「い、いやそういうわけでは……ただ俺にも心の準備というものがだな」

紅莉栖「わかってわよ……じゃ3分ね」

岡部「すぅ……」(深呼吸)

岡部(もし、先ほどテーブルに食い散らかしてあったものを食べたのが紅莉栖なのだとしたら……)

岡部(あれらを取り入れ、すり潰し、唾液でとかし、グチャグチャになるまで咀嚼した口の中の匂いは相当なものだろう……)

岡部(その匂いを嗅いで……俺は耐えきれるだろうか)

紅莉栖「……」

岡部(鈴羽には悪いが……なんだかんだで俺も紅莉栖と付き合っている自覚はある。できればこの勝負、紅莉栖には負けてほしくない)

岡部(いや負けたからと言って何がどうなるわけでもないが……)

岡部(そもそもこの勝負自体なんなんだ……?)

岡部「……」

岡部(ただ俺が、鈴羽より紅莉栖の方が臭いと言えば、間違いなくこいつは傷つくだろう……)

岡部(それだけは彼氏として、絶対にやってはいけないことだ……と思う)

紅莉栖「岡部、そろそろ……」

岡部「あ、ああ……」

岡部(鳳凰院凶真、男の覚悟を決めろ……)

岡部(お前は牧瀬紅莉栖の彼氏だ、そうだろう!? 彼女の口臭くらい受け入れてみせよ!)

岡部(よし、俺はどうあっても揺るがない……!)

岡部(さぁこい、紅莉栖! お前の口に秘められし匂い、とくと嗅いでやろうではないか!)

紅莉栖「いくわよ?」

岡部「……」コクリ



紅莉栖「はぁあぁあああああああ……」

岡部「うぼぇっ!! おえっ、オエエエエエエエ!!!」

紅莉栖「ちょ、岡部!?」

岡部「おぇ、っ……く、紅莉栖……そこをどけ!」

紅莉栖「え、ええ……」

岡部「お、おろろろろろろ……」ゲオゲロ

紅莉栖「いやだ、ちょっと! 汚い!」

岡部「……っ……お、お前がそれを言うか……」

紅莉栖「ど、どういう意味よ」

岡部「お、ぇっぷ……おろろろろろ……」

紅莉栖「ちょ、跳ねるからもっと便器に顔近づけて吐け!」

ドンドン!

鈴羽「岡部倫太郎! 大丈夫!?」

ダル「オカリン、どうした!?」

紅莉栖「なによ、まだ10分も経ってないでしょ?」

鈴羽「そんなこと言ってる場合!?」

ガチャ

紅莉栖「な、勝手に入ってくるな!」

鈴羽「うるさい、どいて!」

ダル「うお……ひどい惨状」

鈴羽「岡部倫太郎!」サスサス

岡部「す、鈴羽か……悪い……」

鈴羽「いいよ。それより牧瀬紅莉栖になにされたの?」

紅莉栖「なにって失礼ね! 私の口の匂い嗅がせただけよ!」

ダル(そ、それだけでこの破壊力かよ……恐ろしすぎるぜ牧瀬氏の口臭)

鈴羽「ひどい……やっぱりあんたの口臭は害悪だよ!」

紅莉栖「な、なによ! あんたの匂いが原因かもしれないでしょ!」

鈴羽「はあ?」

紅莉栖「時間差よ時間差! 私の匂いはきっかけにすぎず、本当に臭かったのはあんたの……」

鈴羽「往生際が悪いよ、牧瀬紅莉栖!」

紅莉栖「くっ……」

岡部「……っ……ぜぇ……はぁ」

鈴羽「大丈夫? 立てる?」

岡部「な、なんとか……」クラッ

紅莉栖「お、岡部……」

岡部「……」

紅莉栖「わ、私の口臭……そんなに臭かった?」

岡部「……ああ」

鈴羽「ほらね! あんたの負け! 早くコンビニで歯磨きセット買ってきなよ!」

紅莉栖「……」

鈴羽「岡部倫太郎、とりあえずあっちのソファーに横になろう」

岡部「……待ってくれ、鈴羽」

鈴羽「?」

ダル「どうした、オカリン」

岡部「……紅莉栖」

紅莉栖「な、なによ……」

岡部「……」

紅莉栖「……っ、……ぇぐ」ポロポロ

ダル「ま、牧瀬氏!?」

紅莉栖「ど、どうせ……私の口は臭いわよ……!」

紅莉栖「脂もの、炭酸、高カロリー大好きで、食べ方だって下品よ……!」

ダル(自覚はあったんだ……)

紅莉栖「それでも私は……岡部のこと信じてた」

岡部「……」

紅莉栖「こんな私でも受け入れてくれるって、好きでいてくれるって!」

ダル(無理だろjk……)

紅莉栖「でも、臭いんでしょ……? 阿万音さんの匂いが好きなんでしょ?」

岡部「……」

紅莉栖「そ、そんなに彼女の匂いが気に入ったんなら……」

紅莉栖「私となんてさっさと別れて……ワキガ女のくっさいくっさい匂い、一生嗅いでなさいよ! このバカ岡部ぇええッ!!」

岡部「……」ダキッ

紅莉栖「……えっ」

紅莉栖「い、いやっ……離してよバカ……!」

岡部「離さない……!」

紅莉栖「……!」

岡部「俺は、お前の口臭が臭いと言った……」

紅莉栖「やっぱりそうじゃない……」

岡部「だが、一度も“嫌い”なんていった覚えはないぞ」

紅莉栖「!!!!!!」

鈴羽「ちょ、岡部倫太郎……?」

岡部「お前の口の中……もう一度嗅がせてくれ」

紅莉栖「で、でもさっき……胃の中のもの全部戻す勢いで吐いてたじゃない……」

岡部「ああ、臭かったからな」

紅莉栖「! だったら……!」

岡部「臭いけど興奮したんだ!!!」

紅莉栖「!!!!!!!!!!??」

ダル「オカリン……それってどういう……」

岡部「俺にもわからない……だが、証拠はある」スチャ

紅莉栖「岡部……!」

鈴羽「ちょっ!」

ダル「オカリン!?」

岡部「……ふんっ!」ヌギッ

鈴羽「……っ///」

岡部「見よ、我が息子はさっきよりギンギンにしなっている!」

ダル「なにしてんだよオカリン! とちくるったのか!?」

岡部「……ダル、俺はいたって正気だ」

ダル「嘘だろ! 牧瀬氏の口の草さで頭のどっかに異常きたしたんだろ!?」

岡部「ダルよ! 一つだけ言っておく」

ダル「な、なんだよぉ……」

岡部「今後、紅莉栖の口を臭いと言っていいのは……その良さを知っているこの俺だけだ!」

紅莉栖「お、岡部……」ジュワッ

岡部「紅莉栖……もう一度嗅がせてくれ」

紅莉栖「う、うん……岡部さえよければ……///」

鈴羽「……」

ダル「……」

紅莉栖「はぁあぁああああ……」

岡部「おぅっ……!!」

紅莉栖「はぁあああぁああぁあああああああ……」

岡部「はぁっあっ……!!」

紅莉栖「はぁあぁあああぁあああああああああああ……」

岡部「ふんぬぐぅっ……!!」

鈴羽「あ、そうだったー(棒」

ダル「ん、どうしたん阿万音氏……」

鈴羽「わたし、もうすぐバイトがあるんだったー。いかなくちゃー(棒」

ダル「あっ……ぼ、僕も。予約した新作エロゲ取りに行ってこよ」

バタンッ

紅莉栖「岡部、もう一度……はぁああああああ……っ///」

岡部「ぐぅ、うおおおおおおおっ!! 臭い、猛烈に臭いぞ紅莉栖ぅう!!」

その後、未来ガジェット研究所からラボメンの足は徐々に遠のいていった。



おわり

正直鈴羽の件だけ書きたかったんだ。反省はしている

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