橘「とあるとアマガミが交差するとき」上条「物語は始まる!」(105)

梅原「よお、大将」

橘「ああ、なんだ梅原(ウメハラ)か」

梅原「って橘(タチバナ)よお、親友の梅原君に向かって『なんだ』はねえんじ

ゃねえか?」

橘「はは、ごめんごめん」

梅原「……んまあいい、今年ももうすぐクリスマスだな!」

橘「うん、去年は色々あったよね」

梅原「ああ、本当に色々と……」

梅原「(ったく、去年のミスサンタコンテストはすごかったぜ……)」

梅原「(毎年、この輝日東(キビト)高校ではクリスマスイブに学校の創設祭があ

るわけだが)」

梅原「(その祭りの中でも人気の高い、最もサンタの似合う女子を決める『ミス

サンタコンテスト』……)」

梅原「(急に参加者7人が審査員に橘を指名したっていうのに橘本人は自分自身

を争奪している戦だったって意味に気付いてなかったしな)」

梅原「(結局、決戦は今年に持ち越した、か)」

梅原「(あの時、3年だった学園のアイドルこと森島はるか(モリシマ)先輩なん

て、大学を地元にして橘を狙ってるってのに……)」

橘「梅原は今年は香苗さんと回るのか?」

梅原「お?ああ、そりゃまあな」

橘「梨穂子の幼馴染でパソコン部・部長の伊藤香苗(イトウ カナエ)さん……

梅原が好きだって聞いたときはすごい趣味だと驚いたものだけど」

梅原「おい、待て」

橘「いやあそれでもオアツイねえ……うらやましい限りだよ」

梅原「まあつっこまないでおいてやるよ」

梅原「……ってもおめえさんも女の子の友達はいっぱいできたし男だけの聖夜

ってことにはならなそうじゃないか」

橘「ああ、うん。まあ友達としてなんだけどね」

梅原「そんで、お前は好きな女の子とかいn」

げしっ!!!!

棚町「ぐっもーに~ん、男性諸君!」

梅原「いっでええーーー!!」

梅原「て、てめえは橘と中学時代からの悪友で、輝日東の問題児・棚町薫(タナ

マチ カオル)!」

棚町「問題児じゃないわよ!」

橘「もう夕方だってのにまだモーニングなのか……ってどうした?梅原」

梅原「い、今棚町……」

棚町「な に も な い」

棚町「ね?」ニッコリ

梅原「は……はい……」

棚町(誰が好きかは本人の意志以外で聞かないって言ったでしょうが!)

梅原(わ、わりいわりい……あんまりあんたらがのんびりやってるもんでな……

)

棚町(いいのよ、私達7人もこの関係にようやく慣れてきたところなの)

棚町「そうだ、純一、忘れてないでしょうね?明日のこと」

橘「わかってるわかってる。18時20分から18時40分まで一緒に行動するんだろ

?」

棚町「よーし、1分でも遅れたらぶっとばすわよ!」

橘「はいはい」

梅原「……なるほど、1人20分与えられてるのか」ボソッ

棚町「」ギロッ

梅原「な、なんも言ってないじゃねえか……」

棚町「まっ、覚えてるならいいわー」

梅原「そういやクリスマスと言えば七面鳥だけど創設祭じゃ七面鳥は売ってな

いよな」

橘「それもそうだな……でも屋台で七面鳥売ってるのなんて聞いたことが無い

ぞ?」

棚町「それにアレ、手がべたつくし食べ歩くのには適さないってもんでしょ?



梅原「まあそうなんだが、七面鳥はかわいそうだと思うぜ……」

梅原「なんせこの創設祭という大舞台で日の目を見ることが無いんだからよお

……」

橘「それもそうだな……今度からクリスマスはKFCじゃなくて七面鳥を買うこと

にしよう……」

棚町「丸焼きにされて食べたいって思う鳥はいないでしょ」

ガララ
橘「あ、絢辻(アヤツジ)さんに梨穂子(リホコ)」

橘「一緒だったんだね」

梨穂子「うん~、そこで会ったから一緒に行こうってなってね~」

絢辻「桜井(サクライ)さんもちょうど部活が終わるところだったらしくてね」

梅原「(悪友、棚町と同じく棚町に挑む乙女たちその2,3だな……)」

梅原「(幼馴染の桜井梨穂子さんとなんでもこなす委員長こと絢辻詞(ツカサ)さ

ん)」

絢辻「私も委員長の仕事と創設祭実行委員の仕事、はやめに終わらせてもらっ

たのよ」

橘「なるほど、お疲れ様!」

梨穂子「あれ、みんなはまだ来てないんだねー」

棚町「ぐんも~、まだ私だけよ」

梅原「……?なにかはじまるのか?」

橘「いや、ただみんなで一緒に帰るだけだけど?」

梅原「………………」

梅原「(なるほど……森島先輩は学校にいないから無いとしても、もしかして6

人全員と一緒に帰るつもりなのか……)」

梅原「くそっ!恋人のいる俺より幸せそうじゃねえか!」

橘「……?どうした、梅原?」

梅原「しらん!俺は帰る!」タタタタッ

絢辻「梅原くーん!廊下は走っちゃだめよー!」

棚町「まったく騒がしい男ねえ」

橘「薫が言えるのかあ?」

棚町「どういう意味よっ!」

***
中田「あっ、すみません、みなさんお待たせしてしまって」

七咲「私も今来たの。大丈夫だよ」

中田「逢(アイ)ちゃん……ありがとう」

橘「よし、七咲(ナナサキ)も中田(ナカタ)さんも来たし帰ろうか」

上崎「うん!いこっ、橘くん!」グイッ

げしっっ!!

上崎「いたっ!」

棚町(7人がいるときはお触り禁止って言う約束でしょうが!)

絢辻(気持ちはわかるけど……上崎(カミサキ)さん)

***
橘「え!?学園都市?」

絢辻「ええ、そう。確か……長天上機学園だったかしら」

絢辻「そこから交換学生に来ないかって言われてて……」

橘「へぇ!すごいじゃないか!絢辻さんはどうするの?」

絢辻「行くわけないでしょ?なんで私があんな劣等感を感じまくらなきゃいけ

なさそうなところに……」

橘「(絢辻さん、僕の前では裏の黒いところも弱いところも見せてくれるんだよ

ね)」

橘「絢辻さんが劣等感を感じるなんて僕が行ったら泡吹いて倒れちゃうよ」

絢辻「あら、あなた劣等感を感じるほど自信とか責任感とか持ってたのね」

橘「ひ、ひどいな……」

中田「先輩、明日なんですけど」

橘「ああ、うん19時40分からでしょ?」

絢辻「(チッ、私の番はもう終わりだったか……)」

中田「はい、でも多分私の同好会に行く時間は無いと思うので……」

橘「ありゃ、それは残念だなあ。中田さんの同人誌、楽しみにしてたんだけど



中田「なので今ここで渡してもいいですか?」

橘「おお!それじゃあ僕は世界で最も早く中田さんの『イナゴマスク』が見れ

るのか!」

??「不幸だー!!」

橘「ん?」

絢辻「あら、あなた劣等感を感じるほど自信とか責任感とか持ってたのね」

橘「ひ、ひどいな……」

中田「先輩、明日なんですけど」

橘「ああ、うん19時40分からでしょ?」

絢辻「(チッ、私の番はもう終わりだったか……)」

中田「はい、でも多分私の同好会に行く時間は無いと思うので……」

橘「ありゃ、それは残念だなあ。中田さんの同人誌、楽しみにしてたんだけど



中田「なので今ここで渡してもいいですか?」

橘「おお!それじゃあ僕は世界で最も早く中田さんの『イナゴマスク』が見れ

るのか!」

??「不幸だー!!」

橘「ん?」

上条「不幸だ……不幸だー!!」

上条「おいおい……まじかよ……さっきのパラシュートでの落下の時にサイフ

と携帯を落としたってのか……?」

上条「くっそー!土御門(ツチミカド)のやつ……毎回毎回超音速ステルス爆撃

機にぶちこんで、『止まれないからパラシュートで降りてね☆』なんていう無

茶させやがるからこんなことに……」

橘「あの」

上条「あ、はい」

上条「(な、なんだこの集団は!?)」

上条「(1、2、3……6人も女の子を引き連れるって両手に花なんてレベルじ

ゃねえぞ!)」

上条「(いいなあ……俺も1人でいいから女の子と一緒に寮に帰りたい……)」

明日目が覚めたら更新します
支援よろしこしこ

橘「どうかしたんですか?」

上条「あーえっと、簡単に言うと観光客的な感じなんですがーあー」

上条「サイフとケータイ落としたみたいで……」

絢辻「それは困りましたね……すぐに警察に」

上条「あーえっと、それはできないんです。俺、学園都市の人間でその色々あって……」

七咲「学園都市……ですか」

上条「それに、一緒にほかに5人ほどツレがいたんだけどはぐれちゃって……」

棚町「ぷははっ!6人でいて一人だけ携帯も財布も落としてはぐれるって……ぶふっ」

梨穂子「ちょ、ちょっと棚町さん笑っちゃだめだよ」

上条「いやいや、いいんです。俺、不運には自信があってこんなこと日常茶飯事なんですよー」

上崎「でも、5人と会わなきゃいけないけど警察使えないって……どうするんですか?」

上条「ああ……そうだ、まあなんとかします」

七咲「なんとか……本当にできるんですか?」

上条「ピンチを潜り抜ける自信はあるので、気にかけてもらって申し訳ない」

橘「……いや、待ってよ」

上条「え?」

橘「クリスマスイブイブだと言うのに困った人をこのまま放っておくなんてできっこないよ!」

中田「先輩……」

橘「よし、みんなで手分けして探そう!」

***

***
上条「いやあ、本当にすみません!」

橘「だからタメ口はやめようよ、ちょっとの間だけどよろしくね」

上条「っと……ああ、それじゃあすまないけどみんな、頼む!」

棚町「ふむふむ、この名前と特徴で見つかるかわかんないけど……やってみるわ」

七咲「女性ばっかり……橘先輩みたい」ボソッ

女性陣「(激しく同意……)」

***
棚町「ってもすごい連中ねー、イギリス人から槍持った人まで……」

棚町「ちょっとした事情ってレベルじゃないでしょこれ」

棚町「悪いけど私はそこの公園で一休みさせてもらおうかなーっと」

棚町「はぁあー、上崎さんがやることになった『元の場所で待機』は私が買って出たかったわー」

御坂「うーん、ここの自販機はまともそうなジュースが多いわね……」

棚町「ん?あれって……」

棚町「制服、茶髪、短髪、中学生くらい……ってそんなのたくさんいるし……たまたまか」

棚町「すみませーん、自販機使うのでちょっといいですか?」

御坂「ちぇいさー!」

どごぉおん!!!

棚町「おお……」

御坂「……ヤバッ!人いたの!?」

御坂「自販機を回し蹴りしてるところを見られてしまった……!」

棚町「あなた……今自販機を……」

御坂「あーいやそのこれはえっと……」

棚町「だめじゃない!ここの自販機は……」

御坂「ちっ!めんどくさいっここは逃」

棚町「ちぇすとー!!」

どごぉおん!!カコン


***
御坂「いやあ、一時はどうなるかと……」

棚町「はははーっ、なんか他人の気がしなかったもんだから」

棚町「ついつい、『棚町必殺・自販機裏ワザ』を教えてしまったわー」

御坂「まさか、自販機の後を蹴るのが正解だったとは」

御坂「んでも助かったわー、私、急に出かけることになって財布とか一切持ってきてなかったもんだから」

棚町「ん?」

御坂「え?」

棚町「もしかして、その制服……学園都市の学校だったりする?」

御坂「(まあ有名っちゃ有名だし知ってることもあるか)うん、そうなの」

御坂「学園都市から急に出かけるって変だとは思うだろうけど……」

棚町「あんたが御坂美琴(ミサカミコト)か!!」

御坂「はいぃ!?」

***
森島「え?外国人の女の子?」

中田「はい……探してるんです」

桜井「先輩のバイト先が近かったのでもし見てたら…と」

森島「あーそうねえ……」

中田「その……いなかったら……」

森島「やっぱりあの子迷子だったのね~!」

桜井「えっ!?先輩、見たんですか!?」

森島「見てたもなにも、パラシュートが体に絡まった姿がなんだからこの前見たネコちゃんの写真みたいできゅんきゅんしちゃったから拾ってきたわ!」

中田「ふふっ、先輩すごいです」

森島「でしょ~!」

桜井「えとえと、その女の子は今?」

森島「あーうん、ここのクレープ上げてみたらどんどん食べて大変なの!」
***
森島「はい、この子?」

?????「…………」

中田「えっと……魔女みたいな帽子に……えっと」

桜井「オティ…ヌスちゃん?」

オティヌス「ああ、そうだ」

森島「うふふ、本当にキュートなんだから!見てみて~!この髪!きれいよね~」

オティヌス「や、やめろ!髪を触るな!」ワシャワシャ

桜井「んー、やっぱりここのクレープおいしいな~!」

桜井「最近は普通過ぎて敬遠してたチョコ味だけどやっぱり王道だ~」

中田「イナゴマスクと対峙する魔法少女……」

中田「あっ!今すごいのが頭に」

森島「んん~もう離さないわよー!うちで飼うー!」

オティヌス「くそおー!上条!私を守るんじゃなかったのかあー!!」

店長「な、なに?この4人……バラバラ……」

***
七咲「浜辺に来てみました……けど」

七咲「人の影の一つもないですね」

七咲「あっ、ゴミが……もう」

七咲「浜辺のゴミは輝日東高校水泳部の私達がボランティアで拾うように活動してるけど……」

七咲「なかなか減らないな……」

七咲「よし、ここのだけ拾って今度、部のみんなで片付けよう」

七咲「っ!」

七咲「(消波ブロックにつまず……)」

がしっ

??「大丈夫ですか?」

七咲「あ、ありがとうございます」

七咲「(さっき誰もいなかったはずなのに……)」

五和「手、汚れちゃいましたね。おしぼりどうぞ」

七咲「ありがとうござい……あれ」

五和「おしぼり……いらないですか?」

七咲「えっと……」ペラ

メモ『19歳くらい 大きい槍が入った剣道具入れを担いでいる ピンクのセーター おしぼり』

七咲「……」

『おしぼり』

七咲「……はぁ」

『おしぼり』

五和「?」

七咲「五和(いつわ)さんで間違いありませんか?」

***
絢辻「うーん……」

絢辻「ここで闇雲に走り回るのもバカよねえ……」

絢辻「こういう時は、『一見普通に見えて普通じゃない行動をとっている人』がそうだったりするものなのよね」

絢辻「っても、普通に見えて普通じゃないなんてすぐ見つかるものじゃないんだけど……」

絢辻「あの女子高生は……普通にたむろしてるだけね。こんな寒い中、呆れるわ」

絢辻「………………私も私で、好きな人がやるって言ったことをまんまと賛成する呆れた人だけど」

絢辻「……ん?」

??「……」

絢辻「あの人……」

絢辻「大きな横断歩道の途中にある待つ場所に腕くんで……」

絢辻「普通に信号待ちしてる……にしては何かを探しているような」

   歩道
―――――――――――
   □□□□□
 
   □□□□□ 車道
 
   □□□□□
 
 ■?■■■■■■■
 ■■■■■■■■■
 
   □□□□□
 
   □□□□□ 車道
  
   □□□□□
―――――――――――
   歩道

絢辻「あのー」

??「……ふう、何か?あいにく私はこの町の者ではないので道案内はできかねるよ」

絢辻「いえ、もしかして人を探してるのかな、と思いまして」

??「…………ほう」

??「ただ信号を待ってただけには見えない、のか」

絢辻「ええ、まあ」

バードウェイ「まあその通りだ。馬鹿が5人ほど迷子になりよってな」

絢辻「やっぱりそうでしたか、実はその人の一人の上条という方が……」

バードウェイ「あー、いいよいいよ」

絢辻「え?」




バードウェイ「『表の顔』で話す必要はない、かえって気持ち悪い」

バードウェイ「……失礼、職業柄人間の裏表は雰囲気でわかってしまうんでね」

絢辻「…………っ!」

絢辻「どんな職業なんだか」

バードウェイ「夜のお仕事……なーんてな」

絢辻「……とにかく、どっちが迷子なんだか知らないけどバードウェイ、さんね?」

絢辻「無関係な人に見つけてもらった以上ひとまず感謝してもらいたいものね」

バードウェイ「あ、言っておくが私は迷子ではない。他のやつらが……」

絢辻「まああなたみたいな中学生とさっきの上条って高校生どっちが迷子になってるかって聞かれたら……」

バードウェイ「違う。私の方があいつより幼いが違う」

絢辻「……」ニコニコ

バードウェイ「……」ニッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

***
上条「ったく!インデックス!だからオティヌスと二人で留守番してろって言ったじゃねえか!」

インデックス「だってだって!魔術に関する以上は私がいたら役に立つのは明らかなんだよ!」

インデックス「それにとーまが出て行ったら私の晩御飯がどうなるかわからないでしょ!」

上条「絶対、お前の狙いは晩御飯だけだろ!今回のは確かに規模は大きいが大したことは無いって言ってたのはお前自身だし!」

橘「まあまあ、見つかったわけだし戻ろうよ」

上条「ああ、そうだな悪い悪い」

インデックス「とうまがどうもお世話になりました」ペコリ

橘「いえいえ、人助けするのは当たり前のことだよ」

上条「……にしても橘はすげえな、知らない人を助けて……そうやつ好きだぜ」

インデックス「人助けマスターのとうまが言えることじゃないかも……」

橘「ははっ、ありがとう。イブイブで気分が高ぶってたからかな?」

橘「去年までのボクだったら話しかけなかったかもしれないや」

上条「それでも今は助けてんだ。それを誇ればいいんじゃねえか?」

上条「俺はそういう人間は尊敬するよ」

橘「そうだね、ありがとう上条」

***
橘「みんなー、待たせてごめん」

中田「せんぱい…!」

森島「おーっ、橘クン!」

橘「あ、森島先輩!バイト終わりですか?」

森島「そうなのー!楽しそうだからついてきちゃった……じゃなくて」

森島「大変なのよ!」

橘「え?」ミワタシ

橘「(この女の子は中学生らしいこれからの発育に期待大な控えめな体に制服がお嬢様感を出しつつ、短髪でギャップを感じさせる……いい!こっちの娘は中田さん並みに大きな胸がよくわかってしまう薄いピンクのセーターにお尻から脚のラインまではっきりと映し出す薄目のジーパン、大人っぽさを演出する美しい髪も素晴らしい!この魔法少女っぽい女の子はなにより肌の露出が多いね、魔女の被る帽子がコスプレアイドルを彷彿とさせてまたそそる。薄い布としか言えないもので隠された小さな胸もきれいな形を…ぐおっ、これはお宝本の貧乳特集並みにいいんじゃないか!?……いかんいかん、この女の子は白のブラウスが大人の色気を出している…が、年齢本来の童顔によってギャップが生まれ、さらにエロティズムを促進している!さらにこのシスターは体の特徴が隠れてしまう修道服色々な想像を書きたて、きれいな銀髪が海外の特権を激しく主張している!!)」

橘「すごい……」

七咲「へ?」

純一「(学園都市すごいッ!さっきはあんなこと言ったけど、今すぐ転校したいくらいだっ!!)」

オティヌス「……これは……ここまで効果が出始めたか」

上条「どうしたッ!?」

上崎「み……」

橘「上崎さん?」

上崎「みないでっ!!」

橘「えええ!?」

棚町「ちょっとこっちきなさいっ!」ドカッ

橘「(そんな、見ないでだなんて……うっ痛い)」

梨穂子「か、上崎さんとりあえずスカート押さえて私達の影に……」

上条「おいおい、どうしたんだ?」

五和「実は……あの魔術が拡大しているうえに隠し切れない状況になってるみたいで」

上条「……!」

橘「ちょっと待ってくれ!どういうことなのか説明を!」

七咲「その……先輩、耳を貸してください」

橘「う、うん」

七咲「ごにょごにょ」

橘「えっ、えぇ~~~!?」


橘「上崎さんのパンツが美味しそうなチキンに変わっただって!?」

上崎「橘くんっ…言わないで……」

橘「(と、ということは……今……)」ゴクリ

また来ます

またきます

書き込めてないと思ったらできてたでござる

***
インデックス「というわけなんだよ」

橘「ま、魔術……」

御坂「私もいきなり魔法だのなんだの言われても信じられなかったけど本当なのよ」

オティヌス「今言った通り、この房総半島は、チキン地獄と化している」

オティヌス「カップルの一部のクリスマスプレゼントが何故かチキンに変わってしまうという地獄にな……」

森島「うわーお!でも、上崎ちゃんのパンツはプレゼントじゃないわよ?」

アマガミ女性陣「(プレゼントだったらただじゃ済まさない……)」

上崎「ち、違う違うよ!!」

バードウェイ「おかしな話だが、どうやら魔術の効果範囲が広がっているらしいな」

バードウェイ「おそらくこれはちゃんとした魔法陣やら零装を使ってない……となると」

インデックス「呪い、だね」

桜井「……全然わからないけど……ようするに大変なことになってるの?」

五和「はい、今までは『ごく一部のプレゼント』が対象だったのがそれだけじゃなくなったわけですから」

上条「急いで呪いをこの手でぶっこわさねえと……」

絢辻「手?」

上条「あー……なんていうか、学園都市の能力開発だと思ってくれればいいんだ」

上条「俺の右手にはどんな魔法も科学も無効にできる能力がある」

橘「じゃあ、その呪いを触ればいいんだね」

上条「そうだ」

御坂「とりあえずパンツ新しいの買ってくる?」

五和「たぶん、意味ないと思います。一度呪いにかかった以上、何回履いてもパンツはチキンに変わるはずですから」

上条「」ジー

五和「ぱん……じゃなくてチキンに触っても呪いは解けませんよ!」

上条「な、ちがっ!」

インデックス「おそらくこれは七面鳥に変化してるんじゃなくてどこかの七面鳥とパンツが入れ替わってるみたいだからね。チキンそれ自体に呪いはかかってないんだよ」

上条「だからっ!俺は上崎のパンツを触ろうと思ったんじゃない!」

七咲「ところで、手がかりはあるんですか?」

上条「おい」

インデックス「この輝日が発信源だってのはわかるんだけど……」

オティヌス「私の魔神の力があれば……」

バードウェイ「お前の力はデカすぎる。文字通り神だと自覚しろ」

オティヌス「……ちゃんと封印したもん」プイッ

五和「みなさん、この輝日の『昔から不思議なことがおこる所や人』に心当たりはありませんか?」

インデックス「これは呪いだから、この七面鳥にやたらと執着のある人や機関なんかでもいいんだよ!」

アマガミ勢『うーん……』

橘「七面鳥」

棚町「七面鳥ね」

二人「「お?」」

***
梅原宅
ぴんぽーん

梅原「へいへいっと」ガチャ

橘「やあ、梅原」

梅原「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

棚町「何ボケっとしてんのよ?」

梅原「この短時間で女の人が増えている!!」

絢辻「…………本当に信じがたいことだけど全員今さっき出会ったのよね」

橘「……で、七面鳥が食べたかったり七面鳥の欲望にまみれてたりする?」

梅原「……あー欲望に?えらく突然変なこと言い出すなあ」

梅原「まあ季節も季節だ。寿司ばっかり食ってる俺としては七面鳥をいただけるなら是非って感じだな」

絢辻「梅原君はお寿司屋さんの次男坊だったわね」

インデックス「あ!これ!」

上条「なんだ?普通の庭じゃないか」

梅原「だっはー!すげえだろ!寿司屋はビジュアルも大事だからな!庭の手入れは結構丁寧なんだぜ!」

インデックス「この石と草花の配置……」

五和「……これ、隠れキリシタンの風景を十字架に見立てる作法に似ていますね」

インデックス「寿司は日本……七面鳥、クリスマスはキリスト教……」

梅原「え?なになに?何が起こるの?」

上条「俺の父さんが適当に置いた霊的なお守りが馬鹿でかい術をくんじまったこともあるしな……」

梅原「あのーみなさーん?俺の庭が……何か……」

オティヌス「ただちに破壊すべきだ」

バードウェイ「だな」

梅原「はっ!?破壊!?!ちょっとまてー!!」

御坂「」バチバチ
バードウェイ「」ゴゴゴ
五和「」シュィイイン
オティヌス「」ボッ

ピカッ

***
梅原「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

橘「梅原、君のおかげで世界の平和は戻ったんだ……」

梅原「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

七咲「先輩、……今度ゲームセンター行きましょう……みんなで」

梅原「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

棚町「まあまあ、そんなしょげんじゃないわよー、きっとどっかの偉い人が弁償してくれるでしょう」

梅原「」バタッ

橘「梅原が倒れた!!」

***
上条「まあ、そんなわけだ。これで解決、世話かけちまったな」

橘「いや、役に立てて良かったよ」

五和「魔術のことは絶対に口外しないでくださいね。たぶんしばらく天草の監視がつくと思いますが……」

七咲「天草の監視?」

五和「あ、えっとまあ日本の魔術の秘密結社とでも思っていただければ」

オティヌス「もうはやく帰らないか?正直寒い」ブルッ

御坂「あんたはその恰好が悪いでしょうが!」

森島「えぇー!オティヌスちゃん帰っちゃうのー!?」

中田「ぁ…っ」

バードウェイ「よし、近くの飛行場でジェットが手配できたみたいだ」

絢辻「ほんの数時間のことだったけど、なんだかさみしいわね」

一同『……』

中田「ぁ…の……」

御坂「んじゃ、帰りますかー!」

中田「 あ の ! ! ! 」

***
橘「そ、そんな……」

棚町「嘘……さっき庭はこっぱみじんに爆破したのに……」

七咲「中田さんのパンツが……」

中田「うっ……」

上崎「私のパンツも戻ってないです……」

桜井「じゃあ他に原因が?」

オティヌス「ああ、そうなるな」

森島「う~ん、大変!」

上崎「か、軽いですよ先輩!」

インデックス「さっきの人には悪いけど、また考え直さないといけないんだよ」

五和「まさかここまで手こずることになるとは思いませんでした……」

絢辻「他に不思議なところや七面鳥に関するところ……ねぇ」

オティヌス「思いつくものはとりあえず全部あげて全部あたる力技でいいじゃないか」

七咲「そんなたくさん輝日東に不思議なところがあっても困りますけどね」

バードウェイ「七面鳥とパンツが入れ替わる……」

バードウェイ「それ自体は基本である『変身』の魔術の応用の呪いだな」

アマガミ勢『変身!?』

とある勢『え?』

***
五和「遊園地……ですか」

七咲「そうなんです、以前ちょっと行ったことがあるんですけど……」

絢辻「人が変身させられるっていうアトラクションがあったの」

梨穂子「それも煙をぶわーっ!ってかけられたら突然!」

棚町「……ってか、ここにいるみんな行ってたのね」

棚町(ってことはみんな純一とあそこに行ったってことか……くっ!)

梨穂子(えぇ~、私だけじゃなかったのかあ……)

絢辻(恥をかいたとは言え忘れることが不可能な思い出作ったと思ってたけど……甘かったわね)

中田「私、辞書になりました……」

梨穂子「私は服に……」

七咲「私は……その、醤油ラーメン……」

棚町「私なんて男になったわ」

絢辻「私は小学校の頃に戻ったみたいに」

森島「もう一度ワンちゃんになりたいな~」ウキウキ

上崎「なんで私はタワシ……」

バードウェイ「おいおい……なんだそれ、一般サイドの日本でそんな神秘すぎることが起こるのか……」

絢辻「輝日では普通のことよ」

とある勢『!?』

橘「え……もしかしてあそこ行くの?」

上条「そこが元凶である可能性がある以上、な」

インデックス「こうしてる間にも呪いは範囲を拡大するかもしれないんだよ」

中田「それは困ります……」

上崎「明日はクリスマスイブなのにっ」

バードウェイ「さあ、そうと決まったのならその遊園地に急ごうじゃないか」

絢辻「そうね」

きゃー!!

オティヌス「今度はなんだ?」

インデックス「あ、あれは!」

御坂「ちょっ!?どんどんスカートの女の人の足元に七面鳥ができていく……」

五和「効果範囲はどうやら『スカートをはいた女性のパンツ』に及んでるみたいですね」

七咲「急ぎましょう!」

橘「(な、なんて素晴……むごい事態なんだ!これが魔術……)」

橘「(も、もし僕が魔術を使えるようになったら……)」ゴクリ

橘「(い、いや!そんなことはいけない!そうだ、僕は紳士だからな!)」

***
遊園地
橘「げっ、僕お金持ってないよ……どうするのさ?」

森島「あれ?でも受付に人がいないわ」

オティヌス「何かが遊園地の中で起こっているのかもしれないな」

上条「遊園地の中だけ…か?」

インデックス「呪いを遊園地全体を使って生み出しているのだとしたら敷地内の呪いが特別、濃くなっちゃうってのはよくある話なんだよ」

バードウェイ「どうでもいい、行くぞ」

上条「待て、もし呪いが濃くなってるってんならこいつらは連れていけない」

御坂「そうね、ここで待ってもらった方がいいんじゃない?」

バードウェイ「いや、このペースで呪いが広がっているのならむしろ私達の近くにいたほうが安全だろう」

上条「そういうもんなのか……」

***
梨穂子「あっ!あれ!」

親子連れ「助けてー!」

中田「サングラスをかけた悪そうな七面鳥に襲われてます!」

五和「ふんっ!」ドッ

七面鳥「ビヨビヨー!!」パリィン

森島「わお!悪そうだけどすっごく可愛かったのに~残念ね~」

七咲「悪そうな七面鳥、消えちゃいました」

橘「上条、まずはここにいる人を助けて安全なところへ!」

バードウェイ「だから、安全なところなんて無いと言っているだろう。さっさと呪いを解けばいいだけだ」

インデックス「悲しいけどそうなんだよ」

上条「だめだ、でも放っておけない……よし、じゃあここで戦闘要員が一人残って人々を守るってのはどうだ?」

橘「じゃあ僕たちの中でも何人か人を出して人々の避難誘導をしよう!」

中田「店員のお姉さんたちもいないみたいですし…やらなきゃ」

梨穂子「そうだね~」

オティヌス「よし、では私が残ろう。魔神の力は無いが、この程度の式紙相手なら一人で全部相手にできる」

橘「じゃあ僕たちは……」

中田「私、やります」

梨穂子「じゃあ私も~!」

森島「オティヌスちゃんが頑張るのなら私もやるわよ~!」

バードウェイ「決まったか?急ぐぞ」

絢辻「それじゃあ、みんな気をつけて!」

***
七面鳥の群れ「ビヨビヨー!!」

上条「ふっ」パリーン!

バードウェイ「はっ」バァン

絢辻「そこを左!」

グオオオオオン!!!!

一同『!?』

五和「あれって……」

七咲「じぇ、ジェットコースターに羽根が生えてる……!」

バードウェイ「どうやら七面鳥の呪いはものを操ることまでできてしまうようだな」

インデックス「こ、こっちに襲ってくるんだよ!!」

ジェットコースター「ガタンガタンガタン!!!」

バードウェイ「せやっ!」ガシィン

御坂「すごい、あの巨体を片手で止めた!」

七面鳥「ビヨビヨー!!」

絢辻「!! 座席から七面鳥が……きゃー!」

ぼんっ!

橘「七面鳥が絢辻さんにあたって姿が……」

ロリ辻「んん……あれ?これあの時と同じ……!」

ロリ辻「あ、ぱんつ……」

七面鳥「ビヨビヨ!!」

ロリ辻「きゃーやめろばか!」ジタバタ

棚町「絢辻さんがジェットコースターの座席にさらわれたわ!」

棚町「絢辻さん意外とかわいいじゃない」

ロリ辻「そこ気持ち悪いわよ!」

橘「でも相変わらずの性格だ……」

ロリ辻「はなせー!!ぱんつもどせー!!」ジタバタ

五和「今、助けますっ!」

バードウェイ「まあ待て」

五和「え?」

バードウェイ「一人助けるのに何人もここに留まる必要はないよ。あんたらはさっさと例のところへ急げ」

上条「……すまない、バードウェイ!絢辻を頼んだ!」ダダッ

たたたたっ

バードウェイ「さて……」

ジェットコースター「ぐごーーーん!!」

バードウェイ「『明け色の陽射し』のボスであり、『グレムリン』の正規組織員の実力をまさかジェットコースターと戦う日が来るとはな……」

バッ

***
きびにゃん「ガーー……」

棚町「あれは……ここキビトランドのマスコットのきびにゃん!」

七咲「なんだか……ゾンビみたいですね」

五和「はっ」ゲシッ

上条「でやっ」ボコォ

御坂「ふんっ!」バチバチッ

上条「くそっ、こいつ中に人が入ってるのか!?」

七咲「一応、着ぐるみなので……」

橘「中にいる人を消したりしないでね!」

上条「わかってる!」

ずしーん ずしーん

橘「こ、こんどはなんだ!?」


パーフェクトキビニャン「オオオ……」

棚町「あれは、この前追加された新アトラクション『パーフェクトキビニャン』!」

御坂「(デカかわいい)」

棚町「なんてブサイクなの……どこ向けのデザインよ!」

七咲「やっぱり幼児向け…でしょうね」

御坂「(えっ?可愛くないの?あれ)」

御坂「あいつは大丈夫よ、ほら行くわよ!」

七咲「で、でも!」

パーフェクトキビニャン「ウオオオオン……」

七咲「五和さん、待ってて私がとってくる!」

五和「だめです!危険です!」

七咲「私、泳ぐの得意ですから大丈夫です!」

五和「私は槍無しでは戦えないというわけではないんです、それに……」

七咲「それに……?」

五和「その湖、なぜか七面鳥であふれてるんです!」

七咲「なんで!?!?!」

あーミスったクソ 
>>71は無しで

五和「私が相手をしますっ!」ヒュッ

ガキィン!

橘「みんな、急ごう!」

たたたっ

パーフェクトキビニャン「ウガー!!!」バンッ

五和「きゃっ!?」

キィン!

七咲「あっ!槍がはじかれて湖に……」

五和「くっ、しまった……」

>>71

七咲「でも……行きます!」ファサ…

五和「七咲さん、水着を服の中に着てたんですか」

ざぱーん!

七面鳥「ビヨビヨー!!」

七咲「(私の体が七面鳥の力で変わってしまうのも時間の問題……!)」スイスイ

七咲「(それまでに槍を拾って湖の外に投げる……!!)」スイスイ

七咲「(あった!)」ガシッ

七咲「(お、重い……けど)」

七咲「えいっ!!」ポイッ

カランカラン

五和「七咲さんっ、ありがとうございます」キャッチ

醤油ラーメン七面鳥入り (頑張ってください!)


五和「はぁ―――――ッッ!!」

ズバッ

***
橘「な、なんだこれ……」

インデックス「わー!学園都市のと違っておいしそうなジュースがたくさん転がってるんだよ!」

上条「普通、落ちてないしお金払ってないだろ……って、こら拾うな!」

棚町「自動販売機が七面鳥たちに壊されたんでしょ?」

御坂「……ほら、さっき言ってたお化け屋敷ってどこよ?はやく行」

ガタン!!

棚町「何!?」

インデックス「この缶……全部で魔法陣の役割を持ってたんだ!」

上条「ど、どういうことだ!?」

インデックス「私が触ったせいで魔法陣が乱れたから……間違いなく何かが起こっちゃうんだよ!」

ガタン!

御坂「あれ!自動販売機が!」

橘「うわぁ!?こっちに向かってくるぞ!」

棚町「だらしないわねー純一!こんなの……」


棚町「 ち ぇ す と ー ー っ ! 」ガコーン!!

自販機「」ピピープシュゥゥ

橘「薫って学園都市に居たことあったっけ?」

ガタン!ガタン!

棚町「ってまだいるの!? ……全部ふっとばしてやるわ」

御坂「んじゃ私も一緒にやりますかねっと」

上条「橘、インデックス!ここはこいつらにまかせて急ぐぞ!もうすぐそこだ!」

インデックス「わかったんだよ!」

橘「う、うん!大丈夫かな?」

上条「なーに、御坂は電撃使いだ。自販機は電気に関するものがいっぱいついてる。何も心配することはないさ」

需要なさそうだけど楽しいから続けるやで~

橘「ここだ!」

上条「ここがファラオの扉……なんていうか普通のお化け屋敷だな」

インデックス「油断しちゃだめなんだよ!今は戦えるのがとうましかいないんだからね!」

上条「わかってる!」

橘「急ごう!なかのしかけが動いていないのならひたすら直進だ!」

***

上条「くそっ、暗いからどこから来るかわかんねえぞ!」

橘「いっそのこと全速力で走り抜けたほうがよさそうだね」

インデックス「ってふたりとも前ー!!」

七面鳥「ビヨビヨー!!!」

上条「しまっ……」

橘「うわーーーっ!?!」

ぼんっ

「うっ、僕も七面鳥を受けてしまった……」

上条「くそっ、まだこんなところに!」タッチ

橘鳥「うわっ、やめてよ!」

上条「って、七面鳥じゃなくて橘なのか……!?」

インデックス「よく見たらサングラスもついてないし、頼りなさそうな顔してるんだよ」

橘鳥「失礼な!!」

上条「でもお前が鳥になるだけでよかったぜ、さあ急ごう!」

橘鳥「うん!……うん?良くないような」

***
たったった……

インデックス「大広間みたいなところに出たね……」

橘鳥「ここがこの前呪いを受けたところだ!でっかいファラオ像がいるから気を付けて!」

上条「わかった、お前たちは少し下がっていてくれ」

ささっ



上条「……」タッタッタ


ウォォォオオオオオオオオ!!!!

上条「きやがったか!」

ファラオ「ウオオオオオ!!!」

上条「どこを触ればいいんだ!?」

上条「これは呪い、って話だから何かわかりやすい魔法陣や置物でもあれば……」

ファラオ「ウオオオオオオ!!」

上条「くっ、その巨体でぶん殴られたらたまったもんじゃないけど……」パンチッ

パリィン!

上条「やっぱり魔術みてえだな!俺の右手が効く!」

ファラオ「ウオオオオ!!!」

上条「(俺の右手はどんな異能でも打ち砕く!……が、あまりに質量の大きな魔術なんかは消しきれずに今みたいに受け止めるだけになっちまう)」

上条「(でもそれを利用して、攻撃を受け流すこともできるッ!)」

上条は右手で止めたファラオの拳を後へと流しながら拳の下へともぐりこんだ

上条「ファラオの頭にあるあの丸いのが『核』かッ!?」

ファラオ「ウオオオオオオオン!!!!」

上条「(来るッ!おそらく包帯を飛ばして足元を狙った攻撃!)」

上条「(なんとなく呪いならゲームで言うコンピューターAIみたいなのが組まれてそれにしたがって行動しそうなもんだけど……)」ヒョイヒョイ

ファラオ「オオオオ!!」

上条「(こいつの行動は単純なAIの動きじゃない!)」ヒョイ

上条「(俺が培ってきた『危機を察知する感覚』と『右手』をフルで使ってもかわすのがせいいっぱいだ……!)」


ファラオ「……ウオアアアア!!!!」

上条「くそっ、今度はなんだ!?」

七面鳥の群れ「ビヨオオビヨビヨオオ」

上条「くそっ、数は俺にはどうにもできないっ!」

上条「くそっ、いったん逃げ……」シュッ

上条「(包帯が脚に絡んで……ッ!)」

どてっ
上条「くそっ、こんなの右手で触ればちぎれるんだろっ」パリィン

ファラオ「ウオオオオオオオオオオン!!!」

上条「ッ!」

上条「(だめだっ、逃げ道が無……)」

橘鳥「上条―――ッ!」バッ

上条「た、橘!」

ファラオ「」ピタッ

上条「何っ、ファラオの動きがとまった……!?」

インデックス「とうま!その呪いはファラオのお面ならどこを触っても溶けるんだよ!急いで!」

上条「!」

上条「うおおおおおお」ダダダッ

橘鳥「すごい!ファラオの腕をかけあがっていく!」

上条「(この呪いがどんな理由で生まれたのか、誰が何を願って使ったのかはわからない)」


上条「(でもっ!)」


上条「(こうして、苦しんでいる人間が出てしまったんだ……!)」


上条「(俺にできることは、急いでこの呪いを解いて、みんなを安心させることだけ!)」


上条「だったらまずは……」


上条「その幻想をぶち殺すッ!!」

***

オティヌス「ふむ、これで一般人は全員この広場に集まったんだな」

中田「大丈夫……だと思います!」

森島「あー!オティヌスちゃん!あれあれ!!」

オティヌス「……?」チラッ

梨穂子「わあ~、七面鳥がたくさん!」

オティヌス「どうやらここに人間が集まっているとわかっているようだな」

オティヌス「なら」



オティヌス「まとめて消せる分かえって都合がいいッ!!」

オティヌスが一振り腕を振るうと眼帯の右目が輝きだし、オティヌスの姿が大蛇へと変貌する。
その大きさは身体をうねらせ、ようやく遊園地の敷地内にギリギリ収まるほどに大きかった。
大蛇―――の姿をしたオティヌス―――が攻撃らしい動きもしないうちに、空中に飛んでいる黒い鳥の群れはそのカバンにすれば高そうな皮膚に触れるだけで消失していった。


オティヌス「さあ、片付いたぞ」

梨穂子「な、中田さんっ!大丈夫!?」

中田「ご、ごめんなさい……っ、腰が抜けちゃって…っ」

森島「オティヌスちゃんはヘビになれるのね~」

オティヌス「私はだいたいなんでもなれるぞ」

森島「本当!?じゃあ次はわんちゃんになってよー!えっとね、この雑誌の~」

オティヌス「いやだ!なんで私がお前のためにそんなことを……っ!」

森島「えー!オティヌスちゃんイケズ~!でもそんなとこも子猫みたいで可愛いかも?」

***
ジェットコースター「」

バードウェイ「ふっ、あっけないな」

ロリ辻「へー、まあそれなりにやるんじゃない?」ガクガク

バードウェイ「なんだ、おびえているのか?」

ロリ辻「そ、そんなわけないでしょうが!」

バードウェイ「私は『ダメ人間を見下している絢辻詞』より今の『恐くて脅えてるダメな絢辻詞』の方が可愛いと思うぞ?」

ロリ辻「は、はー!?」

バードウェイ「少しだけ妹に似ている」

ロリ辻「私、もともとあなたより年上なんだけど?」

バードウェイ「だが今はどう見てもランドセルを背負った小学生だ」

ロリ辻「……」

ぐおおおおん!!!

ロリ辻「ひゃっ!?今度は蛇!?なんとかしなさいよ!」ギュー

バードウェイ「……こりゃオティヌスだな」

バードウェイ「さ、絢辻。がっしり人の腰に抱きついてないで『ファラオの扉』まで案内してくれ」

***
五和「七咲さんジュル」

七面鳥入り醤油ラーメン(七咲)「……はい」

五和「さきほどはありがとうござい…ジュル…ございました」

ラーメン「あの……もしかして、食べたいんですか?」

五和「へっ!?そ、そんなことないです!」

五和「そんな、その、なななななさきさんを食べたいだなんて」// ボッ

ラーメン「……一口だけ食べてみますか?」

五和「えっ……」

ラーメン「流石に冗談で」

棚町「あらー?おいしそうなラーメンじゃないの!」

御坂「ほんとだ、さっきまでジュースとかお茶とかあふれるほど見てきたからなんかお腹すいてたのよねえ」

棚町「あふれるほどって言うか踏みつぶした缶からあふれてたんだけど……」

五和「だ、だめですっ!」

御坂「あら、あんたいたの?」

棚町「五和さん……だっけか、いいじゃない、一緒に食べましょうよー」

五和「そうじゃなくて、これは七咲さんなんです!」

棚町「ああ、あの子のなの?」

ラーメン「違いますってばっ!」

***
上条「みんな、無事だったんだな」

オティヌス「ふむ、そちらも済んでいたか」

橘「いやあ、それにしても学園都市にはすごい人がいっぱいいるんだね」

御坂「(ま、学園都市から来たって言っても学園都市の人間は私とツンツン頭のこいつだけなんだけど)」

梨穂子「ところで、そこに座ってるおじいさんはだあれ?」

インデックス「その人がこの呪いの術者だったんだよ」

おじいさん「フォフォフォ…」

森島「わお!私もっとヒゲもじゃもじゃで魔法使いみたいな人かと思ってたわ~」

橘「あの、なんでこんなことをしたんですか?」

上条「それに、術者なのに七面鳥に捕えられていたり……説明してくれ」

おじさん「ふむ……まあなんにせよ私の自己紹介から始めなければならないな」

おじさん「私の名前はセント・ニコラオス」

インデックス「!」

バードウェイ「ふむ……」

上条「バードウェイ、何が『ふむ』なんだ?」

バードウェイ「……こいつはお前たち日本人も大好きなおっさんだからな」

上条「??」

おじさん「日本人には『サンタクローズ』と言えばわかるかね」

アマガミ勢『えぇ!?』

中田「さ、サンタさん?」

サンタクローズ「いかにも」

サンタクローズ「魔術の世界ではニコラウス財団の団長でもあるわけですが……まあそれはいいでしょう」

サンタクローズ「私がこの呪いを発動させたのには理由がありましてね……」


サンタクローズはこの世界の実在のサンタとして生活していた。
とは言ってもクリスマスイブの夜に良い子にプレゼントをあげに行く……などという、夢のようなことをしていたわけではない。
カナダを拠点とし、世界中の貧しい子供を可能な限り魔術的側面から助けるというのが彼の仕事であった。

サンタクローズ「しかし、ここ最近のクリスマスは……」

サンタクローズ「若者は祭りだから良いのだと酒を飲んで暴れ、クリスマスの幸せを感じもせず」

サンタクローズ「ただ、周りに迷惑をかけるだけというものが増えています」

橘「(わかるっ!わかるなぁ~!クリスマスだからって浮かれて女の子を連れてるチャラチャラしたやつとかねえー!)」

サンタクローズ「そこで、ほんのちょっとだけ『いつも通りの生活』がどれだけいいものか、をわかってもらうために」

サンタクローズ「……と思ったんですがな……」

オティヌス「呪いの暴走か」

サンタクローズ「そうなのです。財団の団長とは言え私は魔術をほんの少しかじった程度の一般人」

サンタクローズ「まさか呪いに使った七面鳥の生産地までかかわってくるとは思っておりませんでしたもので」

バードウェイ「まったくいい迷惑だ」

絢辻「本当にね」

バードウェイ「いや、お前はあのままが良いと思うがね」

サンタクローズ「本当にみなさまにはご迷惑をおかけしました」

棚町「まあ、でも確かに最近は『クリスマスだーっ!』ってハメはずしすぎな人、いるわよねえ」

サンタクローズ「少しでもそう思ってくれた方がいるのならそれで十分です」

***
上条「ああ、だからサンタクローズがこれからどうなるのかはバードウェイに任せとけば大丈夫らしい」

橘「なんだか僕らを想っての行動だったのだとしたら罰を受けるのがかわいそうに思っちゃうな」

インデックス「呪いの暴走が招いた事態とは言え、一般人に向けて魔術を行使したわけだからね……」

オティヌス「世界滅ぼしたり色々ヤバいことした私がのうのうと生きている世界だ。心配することは無い」

橘「え?」

上条「さー!オティヌスさん、帰りましょうねー!!!」

インデックス「とうま!帰ったらまずは晩御飯なんだよ!!」

上条「だーもう、わかったから早く飛行機の席に座れ!シートベルトつけて待ってろ!」


橘「上条、とても楽しかったよ」

上条「いやあ、本当に迷惑かけた。みんなにもよろしく頼む」

橘「でも本当に僕たちはなんにもなしでいいの?」

上条「ああ、なんか俺もよくはわからんがしばらく五和達天草の監視は受けることになると思っててくれ」

橘「監視かあ……」

上条「悪いな」

橘「うん、今度千葉に来たときは案内させてよ」

上条「ああ、今度は普通に遊びに行こうぜ!みんなでな」

橘「それじゃあそろそろ」

上条「おう」グッ

二人の主人公が握手を交わし、学園都市制超音速戦闘機は千葉の空を飛び立った

終章(エピローグ)

バードウェイ「だからお前はサンタクローズとしての自覚が足りていないと言っている」
 
サンタクローズ「ごもっともではありますが……」

バードウェイ「勘違いするなよ?お前はサンタクローズになりきれていない、と言っている」

サンタクローズ「は?」

バードウェイ「いいか、サンタクローズって言うのは笑うとき『ホホホ』と笑うんだ」

サンタクローズ「はぁ……」

バードウェイ「それなのにお前は『フォフォフォ』と笑っていた。それを直せ」


サンタクローズ「わ、わかりました」

バードウェイ「それでお前がサンタクローズであることが証明されれば、私が財団の方もお前の身の上もなんとかしてやる」

サンタクローズ「……あなたは」

バードウェイ「気にするな。愛する妹はサンタさんがいなくなると困るんだ」

***

上崎「うぅ……まさか人ごみにまぎれてそのまま迷子になっちゃうなんて……」

上崎「橘くーん……どこ?」

上崎「まあいいや……今日は帰ろう……」

上崎「明日は勝負の日だしね」ドンッ

一方通行「ンだァ?」

上崎「あっ、ごめんなさい」

一方通行「いや、気にしてねェよ」

一方通行「それより、人を探しているンだが知らねェか?」

上崎「人ですか?」

一方通行「あァ、ツンツン頭の男とか銀髪のシスター……魔女のコスプレした奴とか」

上崎「…………」

一方通行「ま、知らねェよな。目立ってるだろォ、つって聞いてみたが……」

一方通行「時間取って悪かったなァ」タッタッタ

上崎「(あの人も忘れられたのかな……)」


橘「とあるとアマガミが交差するとき」上条「物語は始まる!」完

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