Ｐ「じゃあつけるな」

智絵里「パソコンでするんですか？」

Ｐ「うん、フリーゲームだからね」

Ｐ「はい、これがコントローラー。説明はあとでするよ」

Ｐ「じゃあはじまるよー」

智絵里「はい」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

『主人公の名前は？』

Ｐ「どうする？」

智絵里「男の人……ですよね。じゃあプロデューサーの名前でいいんじゃないですか？」

Ｐ「じゃあ、Ｐで」

ﾊﾞｻﾊﾞｻﾊﾞｻ

智絵里「……始まりました」

『町外れにある無人の館
　そこにはお化けが出るという噂があった』

智絵里「町外れにある無人の館。そこにはお化けが出るという噂があった」

智絵里「……お化け」

智絵里「……」ｸﾙｯ

Ｐ「何？」

智絵里「あ、あの……もしかしてこれ……怖い……ゲームですか？」

Ｐ「まぁそうだね」

智絵里「……」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

Ｐ「大丈夫だよ。俺もいるから」

智絵里「が、ががが、頑張ります」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

『中は思ったよりきれいだな』

智絵里「卓郎さん……」

『何だか寒いわ……』

智絵里「美香さん……」

『お、おい……もう帰ろうぜ……』

智絵里「たけしさん……んふ」

Ｐ「（今、笑ったな）」

ﾊﾟﾘﾝ！

智絵里「ひぅ！？」

『お、おい……もう帰ろうぜ』

『馬鹿馬鹿しい……』

智絵里「あ、動かせるようになりました」

智絵里「……なんだかＢＧＭが不気味で怖いです」

Ｐ「そりゃ、そうしないと怖くなくなるだろ。怖がらせるゲームなんだからしょうがないよ」

智絵里「まずは部屋に入ればいいのかな」

『鍵がかかっている』

智絵里「あれ？ じゃ、じゃあ右に……」

智絵里「あ、入れた……」

Ｐ「いろいろ調べて進めていくんだ。怪しいとことかね」

智絵里「お皿が割れてます」

『皿の破片を手に入れた』

智絵里「あ、何かゲットしたみたい」

智絵里「……他にはなにもないです……あそこは鍵がかかってるし一回戻らなきゃいけないのかな」

智絵里「……」

智絵里「……え」

『皆さん……？』

智絵里「え……え……卓郎さん、美香さん、たけしさん……んふ」

Ｐ「（たけし……）」

智絵里「ど、どうしよう。でもやっぱり皆を探さなきゃいけないよね」




智絵里「あ、この部屋入れる」

智絵里「何もないなぁ」

ｶﾞﾀﾝ！

智絵里「へあっ！？」

智絵里「い、今……タンスが揺れた……あ、開けなきゃ」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

ｶﾞﾁｬ

『ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ』

智絵里「た、たけしさん……」