サトシ「カイリュー貸してくれ」アイリス「は? 子供ねえ」(128)

サトシ「頼む、アイリス!」

サトシ「今度のイッシュリーグ、俺、絶対負けたくないんだ!」

アイリス「そんなこと言われても……」

サトシ「今の俺の手持ちポケモンじゃイッシュリーグで勝ち抜けないと思うんだ」

サトシ「具体的に言うと準々決勝辺りでポッとでのうざキャラに負けてしまう気がする…」

サトシ「おまえのカイリューさえ居ればきっと勝てるんだ!」

サトシ「頼む! 貸してくれ!」

アイリス「何言ってるの? あたしのカイリューがいなくても」

アイリス「サトシにはこれまで一緒に旅してきた頼もしい仲間たちがいるでしょ!」

サトシ「こいつらじゃダメなんだ!」

サトシ「アイリスだって知ってるだろ」

サトシ「ドンバトルでもドンナマイトでもジュニアカップでも俺は勝てなかった…」

サトシ「こいつらじゃ無理だ! とても勝てるとは思えない」

サトシ「頼む! カイリューを俺にくれ!」

アイリス「くれってなによ! あげないわよ!」

サトシ「ただでとは言わない! 俺がイッシュに来てゲットしたポケモンをぜんぶやるから交換してくれ!」

アイリス「要らないわよ!」

サトシ「そんなこと言うなって。こいつらだって良いところはあるんだぜ」

アイリス「そんな言うならサトシが自分で使えばいいでしょ」

デント「そうだよ、サトシ。そんなこと言ったら」
デント「これまできみと一緒に頑張って戦ってきたみんなが可哀想なテイストじゃないか」

サトシ「もういい! おまえらには頼まないよ!」

サトシ「くそっ、こうなったら……」

司会「イッシュリーグ・ヒガキ大会開幕!」

司会「それではまず本戦に進む前に予備選を行います」

司会「この戦いに勝ったトレーナーが本戦に進めます」

司会「予備選は使用ポケモンは1体のみのバトルです!」

司会「そして一回戦第一試合は・・、サトシ選手VSシューティ選手!」

──観客席

アイリス「ちょっと、サトシの対戦相手シューティよ」

デント「いまのサトシじゃ勝てないテイストかも知れないね」


サトシ「いきなりシューティか。だが、俺は負けない」

サトシ「この大会こそ、今度こそは勝ってみせる!」


アイリス「シューティはどんなポケモンをだしてくるのかしら」
デント「それよりサトシが心配だね。こいつらじゃ勝てないとか言っていたけれど」


審判「それでは、バトル始め!!!」

サトシ「行くぞ! シューティ!」

シューティ「どれだけ強くなったのか見せてもらうよ!」

シューティ「でてこい! ジャローダ!」

ポンッ

ジャローダ「ジャロォォ!!」


デント「ジュニアカップと同じく、ジャローダで来たか」

アイリス「あのジャローダ強かったわね」

デント「スピードはしびれるほどのテイストだったしね」

アイリス「ジャローダに有利なのは・・・、チャオブー!」


サトシ「ふん・・・。二度も同じ過ちは犯さない。・・行ってくれ、ゴウカザル!」

サトシ「きみに決めた!!」


ゴウカザル「サルゥゥゥ!!」

デント「ゴウカザル!?」

アイリス「なにあのポケモン、初めて見るわ」

デント「これはビンテージなテイストを選んできたね」

デント「前に聞いたことがあるよ、サトシがシンオウ地方を旅してた時に連れていたポケモンだ」



シューティ「ゴウカザル……? そんなポケモンを持っていたのか」

サトシ「覚えてるぜ、シューティ」

サトシ「ジュニアカップのとき俺のチャオブーじゃそのジャローダにはまるで歯が立たなかった」

サトシ「相性の差では勝っていたのにスピードの差で負けたんだ」

サトシ「だが、このゴウカザルはあのぶたっころとは違う」

サトシ「俺がこれまでゲットしてきたポケモンのなかでもトップクラスに早い!」

シューティ「おもしろい、勝負だ!」

シューティ「いけ! ジャローダ! ドラゴンテール!!」

サトシ「……マッハパンチ」

ゴウカザル「サルゥゥ!!」


シュッ、バチコーンッ!!!


司会「おおっと!! マッハパンチ炸裂! ジャローダは技を放つ前にふっとばされた!」


シューティ「なん……だと……?」

サトシ「そのままフレアドライブ!!」


ゴウカザル「サルゥゥ!!」


ジャローダ「ジャロォォォ!!」

サトシ「さらに、倒れたところにかえんほうしゃ!!」


ボォォォォォ!!!! (炎上するジャローダ)

シューティ「そ、そんな・・・、ボクのジャローダがこんな簡単に・・・」

サトシ「簡単? 知らなかったのか、シューティ」

サトシ「草タイプは炎タイプに弱い。そんなの基本だろ?」


シューティ「」

シューティ「ぐふっ」


実況「試合開始わずが7秒! ジャローダ戦闘不能!!」


実況「本戦出場はサトシ選手だ!!!」

シューティ「・・・サトシ、今回はボクの負けだ」

シューティ「でも次は絶対負けない、アデクさんに挑戦するまでボクはもっともっと強くなる」

サトシ「・・・あまちゃんになっちまったな、シューティ」

シューティ「なに・・!?」

サトシ「今回どうして俺がおまえに勝てたかわかるか?」

サトシ「それは俺が甘さを捨てたからだ」

サトシ「勝負は勝たなければ意味がない。俺はイッシュに来てゲットした弱いポケモンたちはぜんぶ捨てたんだ」

シューティ「なん・・だと・・・?」

サトシ「ドンバトルもドンナマイトもジュニアカップも勝てなかった」

サトシ「あんな弱い奴らはいらない」

サトシ「ツタージャ以外はみんな逃した」

サトシ「そして俺は今大会のためにオーキド博士の研究所から」

サトシ「歴戦の、本物の仲間たちを呼び寄せたのさ」

シューティ「ポケモンに大事なのは絆だって言ってたのはきみだろ・・?」

サトシ「勝ち負けの方が大事だと言っていたのはおまえのはずだ」

シューティ「!?」

サトシ「あの頃、俺はおまえに勝てなかった」

サトシ「そして、いまは俺が勝った」

サトシ「どっちが正しいかは明白だな」

シューティ「・・・・・・。」

サトシ「シューティ、俺はかならずイッシュリーグを制覇する」

サトシ「そして、アデクさんやシロナさんも倒して、ポケモンマスターになってやるんだ!」

シューティ「サトシ……」

実況「さあ、イッシュリーグヒガキ大会も3回戦!」

実況「サトシ選手VSケニヤン選手のバトルはどんな展開を見せるのか!」


ケニヤン「レパルダス! シャドークローだ!!」

サトシ「キングラー! クラブハンマー!!」

 ドッガーンッ!!

実況「おっと!! サトシ選手のキングラー! なんて強力なパワーだ!」
実況「一撃でレパルダスを吹き飛ばした!!


ケニヤン「くそっ、もどれ、レパルダス」
ケニヤン「よく頑張ったな」

ケニヤン「次はおまえの番だ! ゼブライカ!」

実況「ケニヤン選手、水タイプに有利な電気タイプのゼブライカを出した!」

サトシ「ふん。戻れ、キングラー」

実況「サトシ選手はここでポケモンを交代させる!」


デント「確かに水タイプは電気タイプに弱いからね。なかなか賢いテイストだよ。でも・・・」

アイリス「こんな戦い方、サトシらしくないよ・・・」

サトシ「よし、行け、ドンファン!!」

ドンファン「パオーン!!」


アイリス「また見たことのないポケモンだよ!」
デント「地面タイプのポケモンだね。サトシはこんなに多彩にポケモンを持っていたんだ」
アイリス「でも、地面タイプならガマガルやワルビアルだっているのに・・」


ケニヤン「相性が有利だからって簡単に勝てると思うなよ!」

サトシ「何を言ってるんだ? ポケモンは相性がすべてだろ」

サトシ「行け! ドンファン! じしんだ!!」


デント「!? いけない! あの技は!!」
アイリス「卑怯よ、サトシ! みんな気を使ってその技は使わないのに!!」


実況「おっと! サトシ選手! 禁断の大技じしんを繰り出した!!」

実況「一撃だ! またしても一撃でゼブライカ倒される!!」


サトシ「・・俺は勝つためなら手段を選ばない」

ケニヤン「やるなぁ、サトシ・・・! でもまだ俺にはこいつが残ってるぜ」

ケニヤン「いけ! ダゲキ!」



サトシ「──きたか」



サトシ「戻れ、ドンファン」

実況「サトシ選手! ここでドンファンを引っ込めた!」
実況「いったい何のポケモンを繰り出す気か!」


デント「ここまでのサトシは完璧にケニヤンの手持ちを呼んで、メタ対策をやっている」
デント「おそらく次に出すのは飛行ポケモンかエスパーポケモン」

アイリス「わかった! ケンホロウを使う気ね!」


サトシ「いけっ! オコリザル!!」

ケニヤン「オコリザルだって・・・?」

実況「おっと! サトシ選手がここで繰り出したのは」

実況「同じ格闘タイプのオコリザルだ!!」


サトシ「そっちがドンナマイトのチャンピオンポケモンなら」

サトシ「こっちはP1グランプリのチャンピオンポケモンで勝負だ!!」


ケニヤン「格闘対決か、いいぜ! ダゲキ! ビルドアップだ!」


サトシ「させない! オコリザル! ちょうはつ!!」

ケニヤン「ちょうはつ!?」


オコリザル「ウキ? ウキウキウキ? (おまえ顔色悪いな。眉毛変だし)

ダゲキ「リキキィ!!」


実況「おっと! ダゲキ! オコリザルにちょうはつされてビルドアップが使えない!」

ケニヤン「だったらその怒りを相手にぶつけろ! インファイト!!」

サトシ「オコリザル、・・・かわせ」


シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!シュッ!


実況「おっと! 怒り狂ったダゲキの攻撃! しかし、オコリザルには当たらない」


サトシ「けたぐり」


ズコオォッ!!


実況「ダゲキ! 足を蹴られてすっころばされる」


会場「HAHAHAHA!」


実況「なんとドンナマイトで優勝したあの強豪のダゲキが手玉に取られてるぞ!!」

サトシ「ケニヤン、冷静さを掻いた攻撃じゃ、俺のオコリザルには当たらないぜ」

ケニヤン「つよい・・、あのオコリザル、何者なんだ・・・」

サトシ「言っただろ。P1グランプリのチャンピオンポケモンだ」

サトシ「オコリザルはな、アノキさんのもとで14年間もずっと修行していたんだ」

サトシ「おまえのダゲキなんか生まれて2年かそこらだろ」

サトシ「そんなポッとでの格闘ポケモンなんかに負けるわけがない!」


サトシ「オコリザル! オーバーヒート!!」


ブワァァァァ!!!


サトシ「そのままダゲキに抱きついて、炎の地球投げだ!!」


グルングルングルン・・・・・ドバッシャァァ!!!

実況「サトシ選手! 見たこともない大技もオコリザルに指示した!!」


アイリス「す、すごい、なに、あの技・・」
デント「よくわからないけどグレイトなテイストだね!」


サトシ(ふっ、あれはイブキさんのハクリューと戦った時に編み出した技だ)
サトシ(経験が生きたな)



ダゲキ「ダゲ・・グフッ」


審判「ダゲキ戦闘不能! オコリザルの勝ち!」

実況「決まったァァァ!! 3回戦の勝者はサトシ選手だ!!」

ケニヤン「そんな・・・」

サトシ「さすがオコリザルだ! ズルッグなんかとは格が違うぜ!」

ケニヤン「ダゲキ、おまえもよく頑張った。戻れ」


ケニヤン「・・・強くなったな、サトシ。まさか1体も倒せないまま負けるなんて」

サトシ「そうだよ、弱いポケモンはぜんぶ捨てたからな」

サトシ「いまの俺の手持ちには強いポケモンしかいないのさ」

ケニヤン「サトシ・・・?」

サトシ「ケニヤンも強くなりたいなら、あのレパルダスとゼブライカは捨てた方がいいかもな」

ケニヤン「あ、ああ・・・」

──そして、



実況「それでは4回戦の組み合わせを発表します!」

実況「場内のみなさま! モニターに注目してください!」



 サトシ VS コテツ



サトシ「・・・遂に来たか、このときが」

サトシ「俺はかならず勝つ。コテツに勝って、イッシュリーグを制覇する!」

サトシ「いくぜ! みんな! 俺たちの戦いはこれからだ!」



サトシ選手の次回作にご期待ください。



後半書けたらまたスレ立てるよ
読んでくれてありがとー

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