照「パンダコパンダコパンダ」(229)
照「パンダコパンダコパンダっ」
照「パンダコパンダコパンダっ」
照「パンダコパンダコパンダっ」
照「てれってってーん」
照「……」
照「てってーん」
菫「……」
誠子「……先輩」
菫「……なんだ」
照「マーマー マーマー」
照「ちっちゃいちっちゃいマーマー」
誠子「……部室の中にいるのって……」
菫「……照だけだろうな」
照「パーパー パーパー」
照「おっきいおっきいパーパっ」
誠子「……じゃあこの歌声って」
菫「……まあ、照だろうな」
パンダパパンダコパンダじゃね
尭深「あの、おはようございます……」
淡「菫せーんぱいっ!亦野先輩!おはようござ」
誠子「……」
菫「……」
淡「いま……す……?どうしたんですかー?」
照「おーはーぁなーしぃーしようよぅ」
淡「……」
尭深「……」
照「はらっぱにぃこにこーよー」
照「なーかーよーしーこよしだもーん」
照「わっはっは―――――」
照「……――――だーもぉーん」
>>5
素で間違えてた
照「パンダパパンダコパンダっ」
照「パンダパパンダコパンダっ」
照「パンダパパンダコパンダっ」
照「てれってーてーん」
照「……」
照「ぶーぅー(ラッパの真似)」
菫「……」
誠子「……」
淡「……」
尭深「……」
照「マーマー マーマー」
照「お花のお花のマーマー」
照「パーパー パーパー」
照「ぱいぷのぱいぷのパーパっ」
照「おーはーなーしぃしよおよー」
照「ありんこけっらけらーよー」
照「なーかーよーしーこよしだもーん」
照「ワッハッハ――――」
照「……――――だーもぉーん」
淡「……っ」ウズッ
菫「あっ、おい!淡」
照「パンダパパンダコパンダっ」
ガラッ!
照「っ!!!?」
淡「パンダパパンダコパンダ!」
ダッ
誠子「パンダパパンダコパンダっ!」
照「!!!!?」
ダッ
尭深「パンダパパンダコパンダっ」
照「!!!!!?」
菫「……」
ザッ
菫「……ぱんだぱぱんだこぱんだ」
照「!!!!!!!?」
淡・誠子・尭深「「「てれってってーん!」」」
菫「……」
照「……」
菫「……ぶ……ぶーぅー(ラッパの真似)」
照「……」
淡「……」
誠子「……」
尭深「……」
菫「……」
照「……」
菫「……さ、さぁ、麻雀やるか」
誠子「そ、そう、そうですね」
菫「ほら皆卓に着け」
淡「はーい」スタスタ
尭深「……」ギシッ
……
照「……」
菫「……」
淡「……」
誠子「……」
尭深「……」
照「……聞いてた?」
菫「……何をだ」
照「…………いや……さっきの」
菫「いや……何も」
照「……ならいい」
菫「……」
照「……」
尭深「……」
誠子「……」
淡「ねえねえテルー」
照「なに?」
淡「パンダすきなの?」
照「うあああ」ダッ
誠子「あ!宮永先輩!!」
尭深「逃げちゃった」
菫「淡!!お前ストレートすぎるだろ!!」
淡「えーでもはずかしがる事ないじゃん」
……
スタスタ
照「……」
照(見られた……すごい恥ずかしい)
照(あんな、パンダコパンダの歌を熱唱してる所とか……)
照(それもこれも全部パンダがかわいいのがいけないんだ)
照(なにもかにもパンダがわるい……)
―おうち―
パンダ『まふまふ』
照「わあ……」
照(すごいかわいい……)
宮永母「照……またその動物ビデオ見てるの?飽きないわね」
照(こう、白と黒が潔くてかわいい)
宮永母「見終わったらちゃんとご飯食べなさいよー」
照「うん」
照(もそもそのったりしてるのもかわいい)
照(いいなあ……かわいいなあ)
パンダ『まふまふ』
照「うおお……」
照(パンダ……見てみたいなあ)
―つぎのひ―
淡「ロンだよ!テル!」
照「うん……」
菫「なんだ、調子悪いな」
菫(まああんな事あったらしょうがないか……)
照「……ねえ」
菫「うん?」
照「明日、休みだね」
菫「ん?ああ、そうだな」
誠子「学校も部活も休みですね」
尭深「どうかされたんですか……?」
照「…………パンダが見たい」
一同「「「えっ」」」
照「……パンダが見たい」
照「誰か私に力を貸して」
菫「ぱ、パンダか」
照「うん」
誠子「パンダっていったら……上野とかですかね」
照「上野……」
尭深「東東京……」
照「……多分一人じゃ行けない」
照「誰か、一緒に行ってくれないかな」
淡「うあー!明日はおかーさんの実家に用事があって無理だよー!」
誠子「お安い御用です!……といいたい所なんですがもう用事があって……」
尭深「ごめんなさい……私も、もう既に用事が」
照「うう」
菫「悪い、照。私も明日はもう用事入れてるんだ」
照「……ぐう」
菫「また、今度連れてってやるから、明日は我慢しろ?な?」
淡「そうだよテル!また今度行こうよ!」
照「……」
誠子「そうですよ!えっと、次いつ休みになるかはわかんないですけど」
尭深「でも、みんなで行けば……」
照「……いい」
菫「……照?」
照「いいよ……大丈夫」
照「これは多分試練なんだ」
誠子「……!?」
淡「テル、まさか」
照「明日は、一人で上野に行ってくる」
一同「「「!!!!?」」」
尭深「お、おちついてくださいっ」
誠子「そんなの無茶です!」
淡「そうだよ!冷静になってください!」
照「私はいたって冷静だよ」
菫「いや、もっと冷静になれ照」
照「……なにが言いたいの菫」
菫「お前、お前一人で上野に行くって事がどれだけ難しいかわかるのか?」
照「……」
菫「……お前、上野に行くって事は……!」
照「……?」
菫「……電車……乗り換えるんだぞ……!」
照「……!!」
菫「お前、それが分かってるのか……!?」
照「だ、大丈夫だよ」
菫「いや、それだけじゃないんだ」
照「!?」
菫「……いいか、照」
菫「乗り換える路線もいろいろあるんだ……それをお前が理解できるとも思えん」
菫「そして何より……いいか?」
菫「路線によっては…………」
菫「新宿駅を経由しなきゃならないんだ……!」
照「!!!!!」
照「新宿……」
菫「ああ、手を繋いでいてもお前を見失いそうになったあの魔窟だ」
誠子「私でも未だにロクに出口を見つけられないです……」
尭深「人多いしね……」
淡「あんな魔窟にテルを一人でいかせられないよー!」
照「……」
菫「……わかってくれたか?」
照「……」
菫「わかったなら大人しくパンダを見るのは今度に」
照「それでも、私は行く」
尭深・誠子・淡「「「!!!?」」」
菫「照、お前っ!」
照「……滅多に無い休みだよ。滅多に無い休みなんだよ」
照「きっとこれは……パンダ神のお告げか何かなんだよ」
菫「でもお前っ、そこまでしてっ!」
照「大丈夫」
菫「!」
照「……皆」
ザッ
淡「!テル!」
誠子「宮永先輩!!」
照「次に会うときは……聞かせてあげる」スタスタ
クルッ
照「…………パンダの土産話」
バタンッ
菫「……!」
尭深「だ、大丈夫かな……」
淡「うう……不安だよう」
―夜・てるのへや―
照「着替えよし」
照「ハンカチとティッシュよし」
照「寒い時の上着よし」
照「水筒よし」
照「地図よし」
照「コンパスよし」
照「携帯よし」
照「よし」
パチン
照「おやすみなさい」
照(……待ってろ、パンダ)
照(待っていろ上野動物園)
……
…
・
―あさ―
照「荷物よし、お財布よし」
照「よし」ザッ
宮永母「どこいくの?」
照「上野」
宮永母「晩ご飯までには帰るのよ」
照「うん、大丈夫」
宮永母「いってらっしゃい」
照「行ってきます」
ガチャッ
照「出発だ!」
サンサン
照(うん……快晴だ)
照(絶好のパンダ日和というやつだ)
スタスタ
照「ぱんだぱぱんだこぱんだ」
照(まずは、京王線の駅まで歩こう)
照(京王線なら新宿まで一本で行ける)
照(武蔵野台駅なら通学の時に見かけたりするから迷わず行ける!)
照(多摩霊園は……少し遠いしなんだか名前が怖いからやめとこう)
……
―武蔵野台―
ザッ
照(着いた!)
スタスタ
照(こんなにあっさりクリアできるなんて)
照(ふふふ、これは楽勝な予感な感じのあれだ)
―改札―
ガション ガション
照「……」
照(ふっ、昨日までの私なら切符を買ってわたわたしていたはず)
照(けど、今日は違う)
バッ
照(今日の私は、PASMOを持っている!)バァン
照(ようやく長野県民からハイカラな東京人になれた気分だよ)
照(それじゃ早速改札をくぐろう)
スタスタ
照(くるぞ……このセンサーのところに、PASMOの入った財布を)
照(ふんっ)
……
照「………………あ、あれっ?」
照「あ、れっ、っ、ふんっ」パサパサ
……
照「……!?」
照(反応しない……!?)
照「そりゃ、うりゃっ」ペシペシ
……
照「な、なんで……!」
<……
照「っ!?」クルッ
<ドウシタンダ ハヤクシロヨ
<コワレタノカナ ナニヤッテンダ
照「あ、あわわわ」
照(わ、わわ、私のせいですごい渋滞が)
照「えいっ、えいっ」
……
照「な、なんで……?」
<ナンデコンナニツッカエテンノ? アノコガトロトロシテンノカ
照「と、とりあえず一旦どかなきゃ」
スタスタ
照「ふう……みんなの目線が怖かった」
照「でもなんでPASMOが……あれ」
ゴソッ
照「……」
照「…………」
照(スカートのポケットに入ってた……)
……
ガタンゴトン
照(うう、とりあえずいろいろあったけど……電車には乗れた)
照(これであとは新宿まで勝手に行くから安心していられる)
キィィ―
プシュゥゥゥ
『えー、府中、府中です』
照「……」
照「ん?」
『えー、ドア、しまります』
プシュゥゥゥ
ガタンゴトン
照「……?」
照(気のせいかな……)
キィィー プシュゥゥゥ
『えー、分倍河原、分倍河原です』
照(……!?)
照(いや……これは気のせいじゃない……!)
<……
照(さっきまで適当に聞き流してた車内アナウンス……ちゃんと聞いてみよう)
照(もし私の嫌な予感が正しかったら)
『えー、この電車は、終点、京王八王子いきでございぁす』
照「 」
…………
キィー プシュウゥゥ
『えー、聖蹟桜ヶ丘、聖蹟桜ヶ丘です』
スタッ
照「……」
照(…………新宿と逆方向に来てた)
ガタンゴトン
照(この車両は新宿行きで間違いない)
照(聖蹟は特急が通ってるから早く着くね)
照(これも計算のうちだったよ)
照「……」
照(上野まで行けるといいな)
……
―新宿―
照「着いた」
照(やった、あとは電車一本で行ける……)
照(……でも)
ガヤガヤ
照(…………電車まで辿り付けるかな)
照(まずは改札を出……)
照(なにぃ)
ばばーん
照(改札が二つあるなんて!)
照(こんな……迷うよ……困る)
照(選べる贅沢がこんなに苦しいなんてね)
照「……」
照(よし、人が少ないし、こっちの改札から出よう)
……
―西口広場付近―
照「あふぁっ?」
照(どうしよう、外に出ちゃった)
照(まるで魔術だよ、こんなの)
照「ここどこ……」オロオロ
ばぼーん
照「あ、変なビルだ」
照(いつ見ても変な形のビルだなぁ)
照「……」ボー
照「あっ、電気屋さんだ」
照(あんなに大きい電気屋なら全自動麻雀卓とか、おいてるのかなぁ)
照「置いてるといいな」フラフラ
……
―東口付近―
照「あふぁっ!?」
照(さ、さっきまで見えてた変な形のビルがどこにもない)
照(なんだか人もいっぱいだし、ますます駅を見失っちゃった)
照(うう……ここどこ……)オロオロ
照(あ、スクリーンで麻雀の試合やってる)
照(小鍛治さんはやっぱり強いな)ボー
―アルタ前―
智葉「はあ……!?来れなくなったあ?」
ダヴァン『本当に申し訳ありまセン、学校から呼び出されてシマイまシタ』
智葉「そうか……はあ、無駄足か」
ダヴァン『すみまセン……新宿のラーメン屋巡りに付き合わせようとしたノハ私なのに』
智葉「いや、いいさ。適当にぶらぶら遊ぶからな。気にするな」
ダヴァン『またいずれ埋め合わせはシマス。ソレデハ!』
ピッ
智葉「はあぁ……まあしかたねーか」
智葉(適当にぶらついて帰るか……)
スタスタ
智葉(しかしそうとなると今日一日暇になっちまったな)
智葉(何をして過ごすか……ん?)
智葉「…………あれは……」
照「あう……」オロオロ
照(ここどこ……また風景がいきなり変わっちゃった)
照(新宿には魔物が住んでるんだ……私を惑わしているんだ)
照(……心細いよ)
照(うう……こんな時麻雀部のみんながいてくれたら……)
「よう、久々だな。チャンピオン」
照「えっ」クルッ
智葉「奇遇だな。こんな所で何やってんだ?」
照「……」
智葉「…………?おい、チャンピオン?」
照「……」
智葉「おい、宮永?大丈夫か?」
照「ガイトだぁ……!」ガシッ!
智葉「な、ちょ……いきなりなんだよ?」
照「ありがとうガイト、出会ってくれてありがとうガイト」
智葉「お、おう……どうしたお前」
照「心細かった、心細かったんだよ」
智葉「わかった、おう、わかったから一旦落ち着け」
照「ねえガイト」
智葉「なんだよ」
照「暇?」
智葉「…………まあ、暇だが」
照「ねえガイト」
智葉「なんだよ」
照「パンダに興味ある?」
智葉「よし、一旦おちつけ宮永」
パンダマン「サッサッ!パンダ!」
照「」
残ってるとはおもわなんだ
…………
智葉「なるほどな……それで上野に行きたいってわけか」
照「うん……でも都心は本当に凶悪。移動すらままならない」
智葉「そうな……そうか?」
照「だから、お願いガイト」
智葉「うん?」
照「ちょっと上野に連れて行って欲しい」
照「移動費も私が出すし、駅までで大丈夫だから……」
智葉「…………無理だな」
照「!…………うう、やっぱり」
智葉「その調子じゃ、上野まで行っても動物園には行くのは無理だな」
照「ぐむむ」
智葉「よし……――――それじゃ行くぞ」
照「えっ」
智葉「だから行くぞ、上野。今日一日付き合ってやるよ」
照「えっ、えっ」
智葉「なにしてんだ?いかねーのか?」
照「でもさっき無理って」
智葉「いや、だからそれはお前が動物園にたどり着くのが、って事で」
照「えっ、じゃあ」
智葉「あーもう……なんだ、だから上野まで一緒に行ってやるって」
照「……」
照「……ふぐ」ウルッ
智葉「泣くなよ……」
ガシッ
照「ガイトー」ギュゥゥ
智葉「抱きつくんじゃないよ、離れろっての」
照「うん、ごめん」
智葉「よし、それじゃ行くか。動物園閉まっちまうぞ」
照「うんっ」
…………
ガタンゴトン
智葉「…………」
照「大丈夫?なんだか疲れてるけど」
智葉「うん?……いや、まさかお前の引率がこんなに疲れるなんてな」
照「え、そ、そうかな」
智葉「なんで電車乗るまで何十回もはぐれそうになるんだよ」
照「ごめん……」
智葉「……まあ、いいけどな」
照「かたじけないぜ」
智葉「なんだ、むかつくなそれ」
照「でも、上野までどのくらいかかるの?」
智葉「ん?……うーん、25分くらいか?」
照「結構かかるね」
智葉「そういうもんさ」
智葉「しかし、ちょっと意外だな」
照「なにが?」
智葉「お前パンダそんなに好きなのか」
照「大好き」
智葉「大好きか……」
照「可愛いでしょ」
智葉「まあ、愛嬌あるな」
照「ふわふわしてるし」
智葉「まあ、恰幅いいわな」
照「笹食べるし」
智葉「うん、よく食うな」
照「なにより潔い」
智葉「うん、潔い……潔い?」
照「白と黒だし」
智葉「ああ、まあな……潔いのは私も好きだ」
照「ガイトは好きな動物とかいないの?」
智葉「え?私か?」
照「うん」
智葉「好きな動物なぁ……」
照「ペンギンとか」
智葉「ああ、ペンギンもいいな」
照「しまうまとか」
智葉「しまうまか。いいな」
照「バクとか」
智葉「バクか。いいn……バクかぁ」
照「スカンクとか」
智葉「……」
照「牛とか」
智葉「全部白黒じゃねえか、そんな好きか、白と黒」
……
ザッ
智葉「うし。ほら着いたぞ」
―上野駅―
照「うし……?」
智葉「え?なんだ?」
照「今ガイト『うし』って」
智葉「いや、あれは『よし』みたいなもんだ」
照「そうか」
智葉「お前お願いだからこういうの説明させんなよ」
スタスタ
照「え、えっと……ここから動物園って」
智葉「こっちだ。隣のでかい公園の中だよ」
照「そうなんだ」
スタスタ
照「……大きいね」
智葉「まあな、美術館やらもあるしな」
照「美術館?」
智葉「ああ」
照「そんなにアミューズメントして疲れないかな」
智葉「どうだろうな……美術館はアミューズメントじゃないだろ」
照「楽しいよ」
智葉「お前の匙加減じゃねえか」
照「そうかな」フラフラ
智葉「おい宮永」
照「うん?」
智葉「そっちはスタバだ」
照「うん……?」
智葉「お前はお願いだから離れてくれるなよ」
ザッ
照「……着いた……!」
智葉「ああ」
照「ここが……」
智葉「ああ、ここが――……」
―上野動物園―
照・智葉「上野ZOO」「上野動物園!」
智葉「お前さ、なんでいきなり英語だよ」
照「ごめん」
智葉「なんか乗った私がアホみたいだったじゃねーか」
照「ごめん……智葉を惑わせたかった」
智葉「てめえ……」
照「それよりも早く入ろう」
智葉「そうだな……」
智葉「とりあえず入場券買うぞ」
照「うん」スタスタ
受付の人「いらっしゃいませー」
照「こ」
智葉「こ?」
照「こ、高校生二人分お願いします……」フルフル
智葉「おいおい、宮永お前」
受付「はい、1200円になります」
照「えっ?……じゃあ2400円ですか?」
受付・智葉「「ん?」」
照「良かった意外と安かった……」ホッ
受付「いえ、あの」
照「はい?」
受付「高校生は一人600円なので、二人で1200円ですよ?」
照「なにいっ」
―場内―
スタスタ
照「なんでこんなに安いんだろう……なんの陰謀だろう」
智葉「お前いくらかかると思ってたんだよ」
照「一人5000円くらいかと思ってた」
智葉「ディズニーランドじゃあるまいしな……」
智葉「ちなみに都内住みの中学生だったら無料だったぞ。惜しかったな、四年程」
照「……っ…………」
智葉「うわ、なにその凄い絶望顔……末原みたいだぞ」
智葉「それより、私の分の600円返すって」
照「いい。今日付き合ってくれてるガイトへのせめてものお礼」
智葉「つっても私も好きでやってるだけだから気にしなくても」
照「いいから。とっておいて」
智葉「まあなんだ、ありがとうな」
照「大丈夫」
照「それで、パンダはどこ」
智葉「まあ落ち着け」
照「落ち着いてなんていられない」ソワソワ
智葉「ちょっと待て、ほら。パンフ」
照「うおぉー」タッタッタ
智葉「おい宮永っ、おいこら待て」
照「……ごめん」ピタッ
智葉「何も考えずに突っ込むなっての……ほら、これ見ろ」
照「うん」
智葉「パンダは……なんだ、すぐそこだな」
照「行こうっ、すぐ行こうっ」
智葉「ああ、行くか」
照「いるかな……」ドキドキ
智葉「そりゃいるだろ」
スタスタ
智葉「おっ、ほらあそこだ」
照「うん」ドキドキ
―パンダの場所―
智葉「さて、うわ。やっぱり人が多いな……」
照「人気者だ」
智葉「上野動物園の看板だしな」
照「み、見えない」ピョンピョン
智葉「ある程度人の流れあるみたいだな。それに沿うしかねーか」
照「うん」
スタスタ
智葉「……あ、見えた」
照「えっ、どこどこ」
智葉「ほら、あそこだ」
照「パンダっ!」
パンダ「ふぁふ」メシャメシャ
智葉「笹食ってるな」
照「ほぉぉ……」
智葉「どうだ、パンダだぞ」
照「うん……」
智葉「……」
照「……」
智葉「……白黒だな」
照「うん……」
智葉「やっぱ愛嬌あるな」
照「うん……最高」
パンダ「オファア」メシャメシャ
照「ふああ」
智葉「……」
照「……」
智葉「……意外と黄ばんでるな」
照「お風呂入ってないのかな」
智葉「まあ、ぐうたらしてそうだしな」
照「うん……」
智葉「……」
照「……」
智葉「……めっちゃ笹食ってんな」
照「うん……本当に笹好きなんだね」
智葉「ああ……」
照「……」
智葉「……なんだ」
智葉「あれだ…………可愛いな」
照「うん……うんっ」
パンダ「オフ」モシャモシャ
智葉「……」
照「……」
智葉「……あれだな、この角度」
照「うん」
智葉「足で死角になってたけど……座りながら垂れ流してんな」
照「うん……ち」
智葉「言うなよ……」
照「ごめん……」
智葉「……アレも緑色なんだな」
照「伊達に笹ばかり食べてるわけじゃないんだね」
智葉「ああ……」
照「……」
智葉「……しかしだらしないな」
照「黄ばむのも頷ける」
照「……」
智葉「……」
パンダ「フエエ」
照「あ、寝た」
智葉「寝たな」
照「……」
智葉「……」
パンダ「……」
照「……」
智葉「……」
照「……」
智葉「……」
照「…………ちょうかわいい……」
智葉「……」
照「……」
パンダ「……」
智葉「……」
照「……」
パンダ「……」
智葉「……」
照「……」
パンダ「……ファァ」
智葉「……」
照「……」
照「…………とてもよろしい」
智葉「……そういや宮永」
照「なに?ガイト」
智葉「写真とかとらなくていいのか」
照「えっ」
智葉「?どうした」
照「撮影って駄目なんじゃ」
智葉「いや、ここは撮影は大丈夫だったと思うぞ」
照「ええっ」
<ちょーかわいいよー パシャパシャ
智葉「ほら、皆撮ってるぞ」
照「えええっ……」
智葉「まさか、お前」
照「……撮影禁止かと思ってカメラ持ってきてなかった」
智葉「そうか……」
照「だって、アイドルとか撮影だめだし、動物たちは皆アイドルだから……」
智葉「……」
照「私は、なんて思い違いを」
智葉「携帯は?」
照「!」
智葉「携帯で写真とれるだろ」
照「そっ、その手があった」ゴソゴソ
照「じゃーん」
智葉「テンション高いな……」
照「ありがとう、ガイト。ありがとう」
智葉「いいから撮れって。パンダが檻に帰っちまったら撮れねーぞ」
照「うん。パンダ、こっち向いて」パシャパシャ
パンダ「……」
照「きゃああ、可愛い」パシャパシャ
智葉「……ははは」
長野
―roof-top―
ジャラッ!
優希「ロンだじぇ!」
咲「やっぱり東場は強いなあ、優希ちゃん」
まこ「ほらお前ら。カツ丼、おごりじゃ」
和「えっ、いいんですか?」
咲「ありがとうございます!」
優希「太っ腹だじぇー」
まこ「まあ気にしなさんな、新部長としてこれくらいは」
prrrr
まこ「お?電話か?」
優希「咲ちゃんの方から聞こえたぞー」
和「咲さんですか?」
咲「え?えっと……あ、メールだ」
優希「誰だー?もしかして、彼氏か!?」
和「そんなオカルトありえません」
まこ「あんまり詮索しちゃるな」
咲「えっと……」
咲「…………お姉ちゃん?」
和「?照さんからですか?」
咲「うん……珍しい、なんだろ」
ピッ
咲「ヒッ」
まこ「どうしたんじゃ?」
咲「いや、こ、これっ」
優希「なんだー?……うっ!?」
和「な、なんですかこれ……!?」
まこ「緑色の汚泥の写真……!?」
咲「うう……!?えっと……『パンダ可愛いよ』…………パンダ!!!?これが!!!?」
照「あっ」
智葉「どうした」
照「しまった、しまった」
智葉「だからどうしたっての」
照「パンダの写真、妹にも送ったんだけど」
智葉「宮永妹にか」
照「間違えて、手元が狂って写しちゃったうんちの写真送っちゃった」
智葉「なにやってんだ……」
照「取り消し……」
智葉「いや、もう送ったメールは取り消しは……」
照「うう……」
智葉「本文なんて送ったんだ?」
照「パンダ可愛いよ、って」
智葉「……パンダの身に何があったのか不安になるな、それ」
咲「お姉ちゃん、パンダに一体何を」
和「で、でも写真を間違えたとかじゃ」
優希「間違えたにしてもなんでこんなグロい写真持ってるんだじぇ」
咲「うう」
まこ「ま、まああれじゃ、なんかの間違いじゃろ」
prrrr
咲「!」
和「またですか?」
咲「うん……またお姉ちゃんだ」
ピッ
優希「なんて書いてある?」
咲「えっと、『間違えた、こっちだよ』」
咲「なんだ、間違え――……ヒィッ」ガタッ
和「どうしたんです……うっ!?」
まこ「なんじゃこの皿に乗ったボロボロの焦げた肉塊は……!!」
照「また失敗したっ」
智葉「つぎはどうした」
照「また写真を間違えて送っちゃった……!」
智葉「なんの写真だ?」
照「前に自分で作ったハンバーグの写真」
智葉「ハンバーグの写真てお前……」
照「これ」スッ
智葉「……」
智葉(無惨な……)
照「このままじゃ私が猟奇的姉になってしまう……!」
智葉「……」
照「と、とりあえず別の普通のパンダの写真を」
パッ
照「あっ、ガ、ガイト……」
智葉「へえ、これがスマフォってやつか……ハイカラだな」
照「返してっ、返してっ」ピョンピョン
智葉「まあ、ちょっと待てって……うしっ」
照「うし……?」
智葉「それはもういいっての……ホラ、宮永。そこ立て」
照「え?」
智葉「妹さんに写メ送るんなら、せっかくならお前の元気な姿も見せてやれ」
智葉「私が撮ってやるから」
照「・…………ガイト」
智葉「せっかく仲直りしたばっかなんだろ?」
智葉「だったら少しでも元気な顔見せて安心させてやれって」
照「……うん」
智葉「ほら、パンダが逃げちまうぞ。早くちゃんと立てよ」
照「うんっ」
智葉「うん、そこだ。そうそう」
照「……ここ?」
智葉「おう。んじゃ、撮るぞー」
照「……」
智葉「……」
照「……」
智葉「……宮永」
照「なに?」
智葉「お前、笑えって」
照「え」
智葉「いや、ちょっとだけでも笑えっての……異様なくらいに無表情じゃねえか」
照「……こうっ?」ニコォッ!
智葉「その営業スマイルはやめろ。気味が悪いったらないぞ」
照「うう……でも、どうしていいか」
智葉「……そうだ」
照「え?」
智葉「じゃあ、頭の中に今から言うものを思い浮かべろよ」
照「……?……うん」
智葉「それじゃ、いくぞ」
照「うん」
智葉「……パンダ」
照「…………」
智葉「……宮永咲」
照「…………」
パシャッ
智葉「よし、終わりだ。その写真でも送ってやれ」
照「え?もう終わり?」
智葉「ああ、十分だったさ」
―長野―
優希「だ、大丈夫だ咲ちゃん。きっと間違っただけだじぇ」
和「そうです、そうですよ咲さん」
咲「うう、お姉ちゃんまさかまだ怒ってるのかな……」
まこ「お前さんの考えすぎじゃ、大丈夫じゃと思うぞ」
咲「でも、なんでこんなスプラッタな」
prrrr
咲「ヒッ」
和「またメールですか?」
咲「……う、うん。お姉ちゃんからだ」
まこ「だ、大丈夫か?無理して開けんでも」
咲「いえ……大丈夫です…………開けてみます」
ピッ
咲「……」
咲「…………わあっ」
……
…
・
スタスタ
智葉「けっこう歩いたな」
照「うん。凄い広いんだね、上野動物園って」
智葉「ああ」
照「でも、楽しかった」
智葉「……ああ」
照「……」
智葉「……」
照「あ」
智葉「ん?どうした」
照「さっき、スタバあったよね」
智葉「ああ、公園の中にあるな」
照「……寄らない?」
―スタバ―
スタスタ
照「おまたせ」ガシャン
智葉「おう……なんだ、その菓子の量。お前それ全部食うのか」
照「うん」
智葉「あきれたな……」
照「あきれられたな……」
智葉「おう」
照「……」モグモグ
智葉「……」ズズ
照「……ブラックだけ?」
智葉「ん?ああ……まあな」
照「お菓子……いる?」
智葉「いや、私は大丈夫」
照「そっか」モグモグ
智葉「……」ズズ
照「……」モグモグ
智葉「……」
照「……」モグモグ
智葉「……」
照「……?……お菓子、いる?」
智葉「いや、いいって」
照「じゃあなんでじっと私を見てるの?」
智葉「んー?……さてなあ」
照「てれるぜ」
智葉「照だけにか」
照「……!?」
智葉「…………すまん、悪い、本当忘れてくれ、今の」
照「……お菓子、いる?」
智葉「いや、いらな……はぁ、一つ貰おうかな」
智葉「……」モグモグ
照「……」モグモグ
智葉「……」モグモグ
照「……」モグモグ
智葉「……」ズズ
照「……」モグモグ
智葉「……これ、コーヒーと合うな」
照「そう?」モグモグ
智葉「ああ」モグモグ
照「なら良かった」モグモグ
智葉「……」
照「……」モグモグ
照「あ、今日撮った写真見よう」ゴソッ
智葉「んー?……んん」
照「……かわいい」
智葉「……」
照「はあ……かわいい」
智葉「本当に好きなんだな」
照「うん……」
智葉「……」
照「……」
智葉「……昔さ」
照「うん?」
智葉「私が小さい時、友達の家に行った時」
智葉「なんだ、あんまり覚えてないんだが、パンダのアニメを友達が見ててな」
照「……」
智葉「普段アニメとか全然見ないから……もう全然内容も名前も覚えてないんだが」
智葉「楽しかった……懐かしいなぁ……そんな事思い出したよ」
照「……」
智葉「いや、すまないな。いきなり……ちょっと懐かしくなっちまって」
照「パンダパパンダコパンダ」
智葉「!」
照「パンダパパンダコパンダっ」
照「パンダパパンダコパンダ」
照「パンダパパンダコパンダっ♪」
照「ふふーふふーん……♪」
智葉「ああ……そんな主題歌だった」
照「……ガイトも観てたんだね」
智葉「まあ、一回きりだけどな……懐かしい」
智葉「……出てくる食べ物が全部美味そうでな……」
智葉「カレーとか、クッキーとか……」
智葉「あ、それと」
照・智葉「「笹とタケノコ」」
照「……一緒だね」
智葉「あはは……あれ美味そうなんだよな」
智葉「……でも、思い出してみれば、思い出せるもんだ」
照「うん」
智葉「ああ……懐かしいな」
照「……」
智葉「……」
照「……街が水の中に沈む話」
智葉「え?なんだ?いきなり」
照「街が水の中に沈む話が好きだった」
智葉「ああ、そういえばそんなのもあったな」
照「うん……水に沈んだ街の上を、ベッドのボートで移動するの」
智葉「……あったなあ……」
照「……そこらへんで魚が泳いでて」
智葉「うん」
照「まるで、天然の水族館みたいで」
照「……腹ばいになって、目を凝らさなくても……魚がそこらじゅうに見えて」
智葉「…………」
照「ほんと、自分で水族館を作らなくてもいいんだって」
照「ベッドの上で、何をしなくても……寝てるだけで」
照「寝てるだけで、魚を見る事ができて」
照「…………羨ましいなあって……思ってた」
智葉「……うん」
照「……そして」
照「何を思ったか私は、あの世界に行くには、パンダと知り合わなくちゃって思って」
智葉「ぷっ、あははっ」
照「いつの間にかこんなにパンダが好きになってた」
智葉「あははは、宮永らしいなっ、あははは」
照「ガイト、笑いすぎ」
智葉「はははっ、ふふっ……」
照「……」
智葉「……ふっ……ああ、ご機嫌な話だ……本当に」
照「……ガイトが笑うとこ、初めて見た」
智葉「そうか?」
照「うん」
智葉「悪いな、でも馬鹿にしたわけじゃないからな」
照「わかってる」
照「でも、笑ったガイト可愛い」
智葉「やめろやめろ、柄じゃないっての」
照「ガイト可愛い」
智葉「やめろっての、寒気がするって」
照「メガネ、いつも外してればいいのに」
智葉「まあ、あれはいざという時にしかやらないからな」
智葉「地元じゃいつもこんな感じだぞ」
照「ふわふわの髪可愛い」
智葉「だからおべっかはやめろっての」
照「面白いからしばらくやめない」
ガタッ
智葉「さて……そろそろ出るか」
照「うん」
スタスタ
智葉「さ……もう帰るか」
照「……」
智葉「……宮永?」
照「うん」
智葉「……」
照「……」
智葉「……宮永」
照「なに?」
智葉「今日の今まで、お前の我がままに付き合ったんだ」
智葉「……次は私の我がままに付き合えよ」
照「!」
照「えっと、それって」
智葉「それじゃ……まずはアメ横でも行くか」
照「!……うんっ」
智葉「その後は……そうだな……」
智葉「うん、スカイツリーでも行くか」
照「!!噂のスカイツリー!」
智葉「なんだ?お前まだ見たこと無いのか……って、西東京ならそれもそうか」
智葉「丁度アメ横行ってスカイツリー行けば丁度ライトアップがいい感じだと思うぞ」
照「行くっ」
智葉「そのあとは、そうだな……」
照「その時考えよう」
智葉「ああ、それもそうだな……よしっ」
智葉「それじゃ、行くぞ。宮永……――今日はとことん付き合え!」
照「…………うんっ!」
………
…
・
―日曜・白糸台―
菫「……」ソワソワ
淡「菫先輩、テルからメール結局帰ってきました?」
菫「いや……まだだ」
誠子「結局一人で行けたんですかね……」
菫「……」
尭深「でも、宮永先輩……休日の部活には一番に来てるのに……」
淡「まだ来ないね……ううう」
菫「……いや、でも、大丈夫じゃないのか、うん」
菫「いくらなんでも、困ったら交番に」
誠子「でも……東東京ですよ……?」
尭深「……都会人の魔窟」
菫「……!」
淡「ううー……!もしかしたらテル……!」
淡「悪いパンダ(暗喩)に食べられてるかも……!」ブルブル
菫「っ……!お前ら、三麻でもやっててくれ!」ダッ
淡「菫先輩!?」
誠子「何処へ!?」
菫「ちょっと上野あたりまで照を――……」
ガチャッ
照「せーふ」
一同「「「!!!!」」」
菫「照!」
淡「うわーん!テルー!」
誠子「良かった……無事だったんですね!」
尭深「心配しました……」
菫「ああ……って、照?」
照「なに?」
菫「いや……なんで私服なんだ?」
照「それは――……」
「それじゃ、私はここらで帰るぞ」
一同「「「「!!!!?」」」」
照「あっ……うん、ごめんね。ガイト」
智葉「いいって。私が無理行って着いてきたんだ」
照「でも多分ガイト居なかったら無事帰れなかった」
智葉「はは、違いない」
菫「つっ……辻垣内!!?」
智葉「ん?おお、弘世か」
淡「どど、どうしてここに!?」
智葉「まあ色々あってな……それじゃ、宮永」
照「うん……ありがと」
智葉「ああ、またな」
照「うん、またメールする」
智葉「おう、こっちもだ」
淡「あわっ、あわわわっ、あわわわわ」
誠子「ま、まさか」
智葉「また泊まりに来い」
照「うん。そっちも是非来て」
智葉「ああ」
照「それじゃ……じゃあね」
智葉「おう。あばよ」
尭深「これは……」
菫「……っ……!」
照「…………行っちゃった……」
一同(((朝帰り――……!!)))
菫「照、お前っ、昨日どうしたんだっ」
照「え?……動物園に行ってきた」
誠子「じゃあなんで辻垣内さんが!」
照「新宿で迷ってた私を助けてくれて、遊んでくれた」
淡「遊んだだけ?遊んだだけだよねっ」
照「うん……動物園行って、アメリカ横丁行って」
尭深「アメヤ横丁です」
照「そのあとスカイツリー行って……そこの水族館行って」
照「で、ガイトの家に泊まった」
菫「ナニィッ!!!」
淡「あわわわ」
尭深「辻垣内家で一体何を……」
照「ご飯いただいて……お風呂で背中流し合って」
淡「うぐぐ……」ゴフッ
照「それで、ちょっと麻雀して」
照「それから寝る前に……」
照「……」
誠子「……先輩?」
菫「寝る前に……なんだ?」
照「……寝る前に」
照「……」
プイッ
照「……な、なんでもないっ」
一同「「「「 」」」」
菫(なっ……!!何故頬を赤らめて目を逸らす!!!!?)
淡「うわぁーん!あいつです!あいつが悪いパンダさんなのです!!」
菫「言え!寝る前になんだ!」
照「なんでもない」
淡「うわぁーん!サトハを猟銃でしとめてくるぅー!」ジタバタ
誠子「落ち着け淡!落ち着けって!」
尭深「……お茶飲みたい」
菫「照!寝る前に何をした!照ゥゥ!!!!」
照「恥ずかしくて……言えないっ」
菫「照ゥゥ!!!!」
照「……」
照(言えるわけない)
照(寝る前に……一緒に)
照(ツタヤで借りてきたパンダコパンダを見てきたなんて――……)
………
…
・
―臨海女子校―
ガチャッ
智葉「おう、おはよう」
シーン……
智葉「……」
智葉(なんだ……まだ誰もきてないのか)
智葉「……」
スタスタ
ギシッ
智葉「ふう……」
智葉(土曜の疲れがまだ取れないな……週初めは辛い)
智葉「……」
シーン
智葉「…………」
智葉「…………パンダパパンダコパンダ」ボソッ
智葉「パンダパパンダコパンダ」
智葉「パンダパパンダコパンダ」
智葉「パンダパパンダコパンダっ」
智葉「パンダパパンダコパンダっ♪」
智葉「てれってってーん♪」
智葉「ずんちゃちゃずんちゃずんずんちゃちゃっ♪」
智葉「ぶーぅー(ラッパの真似)♪」
智葉「マーマー、マーマー♪」
智葉「ちっちゃいちっちゃいマーマー♪」
ダヴァン「……」ガタガタ
ネリー「あわわ」フルフル
智葉「パーパー、パーパー♪」
智葉「おっきいおっきい」
智葉「パ…………パ…………?」
ダヴァン「あ……あ……」ガクガク
ネリー「はわわわ」フルフル
智葉「……」
ダヴァン「……」ガクガク
ネリー「はわわ」フルフル
智葉「うわあああああああ」ダッ
…………
照「それで、早速泊まりに来たんだ」
智葉「ああ……多摩動物園行こう」
照「学校は……?」
カン
保守とかありがとうございました
途中何回か死ぬかと思った
ガイトさんちゅっちゅ
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