輝子「ぴ、Pとの日々……」 (44)

スレタイ詐欺

色んなアイドルとの短編です

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1392295504


輝子「……」ペラペラ

P「……!」

輝子「……」ペラペラ

P(あれ……珍しく輝子が本読んでる)

P(なに読んで……『友達とは?』)

輝子「……」ペラペラ

P(ま、またなんでそんな重そうなのを……)

輝子「……」

輝子(『本当の友達とは何も話すことがなくても一緒にいて心地よく、何も話さずとも想いが伝わる、そういう関係をもてる人のことを言う』)

輝子(……)

P「……なぁ輝子」

輝子「え、あ、ぴ……P、いたのか?」

P「結構前からな……ところでお前、なんでそんなもの読んでるんだ?」


輝子「そ、それは……」

輝子「……」

輝子「……」ジッ…

P「ん?」

輝子「……」ジー

P「どうした?」

輝子(……ほ、本当の友達なら話さなくても伝わる……はず)

輝子(……Pともっともっと……な、仲良くなりたいから……この本読んでたって……)

輝子(Pと……仲良くなりたいって……伝われ……伝われ……)

輝子「……」ジー

P「な、なんなんだおい」

輝子「……」

輝子「……つ、伝わったか?」

P「へ? 何が?」

輝子「……」

P「……」

輝子「……」ジワッ

P「ちょっ……なんで、なんで泣く輝子!」







P「……」カタカタ

こずえ「……ねえねえー」クイックイッ

P「……? どうしたこずえ?」

こずえ「ぷろでゅうさー……あそぼー?」

P「あー、すまんな、後ででいいか?」

こずえ「……いそがしいのー?」

P「そう、だからまぁ後で遊ぼうな」

こずえ「……」

こずえ「わかったー……」



…………


P「……」カタカタ

こずえ「……ねえねえー」クイックイッ

P「……? なんだこずえ?」

こずえ「がおー」

P「……」

こずえ「……」

P「……そのライオンのキグルミ、どうしたんだ?」

こずえ「になからかりたのー」

P「……似合ってるぞ」ナデナデ

こずえ「……えへへー」

P「それじゃごめん、俺仕事に戻るから……」

P「……」カタカタ

こずえ「……」

こずえ「……がおー」



…………


P「……」カタカタ

こずえ「……ねえねえー」クイックイッ

P「ん、今度はなんだ?」

こずえ「うちゅーじんだー……ぴぽぴぽ」

P「おお、懐かしい衣装だな」

こずえ「これこずえのおきにいりなのー」

P「そうかそうか、気に入ってるならまたそれでライブするのもいいかもな」

こずえ「んー……やったぁー……」

P「はは、喜んでくれて何よりだ……それじゃ俺は仕事に…」

こずえ「がおー」カプッ

P「うおっ、か、噛むな……どうしたんだ?」

こずえ「ぷろでゅうさー、あそんでくれないから……こずえらいおんがおこったのー」

P「……お前今ライオンじゃなくて宇宙人なんじゃ…」

こずえ「……」

こずえ「……うちゅーじんだってかむ……のかなー?」

P「いや、知らんけど……」


こずえ「むー……とにかくこずえとあそぼー? じゃないとゆうかいするよー……」

P「誘拐されるのか」

こずえ「きゃとるみゅーてぃれーしょんだー……」

P「分かった分かった、じゃあ何して遊ぶ?」

こずえ「……あそんでくれるのー?」

P「ちょっとだけな、何がしたいんだ?」

こずえ「えーと……んーと……」

P「……」

こずえ「……」

こずえ「……ふわぁ……ねむくなってきたー……」

P「え、おいおい、遊びたいんじゃなかったのか?」


こずえ「んー……でもねむいー……」

こずえ「……そうだ……ぷろでゅうさー、いっしょにねよー?」

P「ええー……」

こずえ「ここのそふぁー、ふわふわだよー?」

P「いやでも寝るのは……それなら俺は仕事に戻ってもいいか?」

こずえ「……」ジー

P「……」

P「……分かった、分かったよ」

こずえ「わーい……ぷろでゅーさーといっしょにおやすみ……たのしみー……」

P「一緒に寝るだけだし、そんな楽しみに思われても……」

こずえ「ぷろでゅうさーとだからたのしいのー」

こずえ「……ゆめのなかで、ぷろでゅーさー、いっしょにあそぼうねー?」







P「巴、今日の衣装なんだが…」

巴「お、今日はどれにするんじゃ?」

P「これなんだけど……」

巴「ふむふむ……って、またこの服なんか……」

P「だめか?」

巴「別に悪いことはないが……それにしても最近は和服ばっかりじゃ」

巴「うちは一応アイドルなんじゃけえ、もう少しなんというか、こう、キラキラとかチャラチャラした服の方がええんじゃないかのう?」

P「あ、えと……まぁそうなんだけど」

P「……んと」

P「……巴にそういう衣装着させて演歌を歌わすとギャップが凄くてな」

巴「な! 演歌のどこが悪いんじゃ! ファンからも、うちの演歌がええと評判高いんじゃぞ!?」

P「あ、ああ、そうだな……うん」

P「でも、そのな? そうだ、やっぱ巴のイメージだと和装が似合うからどうしてもこういう服が多くなるというか……」

巴「それは十分に承知しとるが、それでも多いわ」

P「……」

P「ま、まぁ和服とは言え、アイドル用のデザインになってるから別に悪くないんじゃないか……?」

巴「……なんかP、様子が変じゃのう」


P「……」

巴「……」

巴「……何か隠しとるんか?」

P「」ビクッ

巴「……ほうか、なんかやっぱり隠し事がありそうじゃのう」

P「……」

巴「……ほら、正直に言ってみい……今言えばうちも優しいけえ……な?」

P「と、巴……笑顔が、笑顔がこわい…」

巴「早く言わんか」

P「……」

P「……その……巴が…」

巴「うちが?」

P「……昔は和装で事務所に来ることもあったのに、最近はもうないだろ?」

巴「まぁ最初の頃は家の用事からそのままここに来ることも多かったけえな……」

P「だから……だからその…」

P「巴の和服姿が……もっと見たいなーなんて……」


巴「……」

P「……」

巴「も、もしかしてそのためだけにうちのライブの服を和装にしとるんか?」

P「……うん」

巴「何考えとんじゃワレ! そんなわやなことプロデューサーがすんなや!」

P「だ、だって、いいじゃん! 巴の和服俺もっと見たかったのに! 楽しみにしてた正月も私服で来てたし……」

巴「そ、それは……ええじゃろう別に! 杏姉さんやきらり姉さんの着物に鼻の下伸ばしとったくせに!」

P「な、何故それを……」

巴「……うちも初詣に誘いたかったのに、先に行くんじゃもん……Pが見てくれんのんなら、わざわざ着物なんか着る必要なんかないじゃろうが……」

巴「……」

P「……巴、お前…」

P「……すまん聞き取れなかった、なんて言ったんだ?」

巴「……っ! あほー! うちはもうPの前じゃ和服は着んけえの!」

P「まっ、待て! それは困る!」

巴「ええい、うるさいわ! 着んっつったら着ん!」

P「巴! 頼む、頼むから!」



…………


ちひろ「それで交換条件として…」

P「……はい、そういうわけで」

ちひろ「今日は和服姿で出勤なんですか」

P「なんか最終的に自分だけが和服姿ってのは気に入らない、だから俺が和服ならあいつも和服を着てくるって……よくわからないんですけど」

ちひろ「はぁ……」

P「恥ずかしくて死にそうです……」

ちひろ「というか紋付羽織袴って……」

P「しょうがないんですよ、俺の持ってる和服ってこれしかなくて」

巴「……」ガチャ

ちひろ「あら、巴ちゃん、おはよう」

巴「ちひろさん、おはようございます」

ちひろ「巴ちゃん律儀ねぇ、ちゃんと着物姿で…」

巴「……」チラッ

P「……」

巴「……Pが今日和服で来る代わりにうちも着物姿で来る約束したけえ……しょうがないんです」

ちひろ「……ふふ」

巴「……へ、変ですか?」

ちひろ「いやいや……なんだか巴ちゃんも立派な着物着て、プロデューサーさんも紋付袴で……」

ちひろ「なんだかまるで、結婚式みたいだなーって……」

巴「……へ?」


巴「……」

巴「……」チラッ

P「……ん?」

巴「……」












…………


巴「ええい、脱がしてくれ、頼むから!」

ちひろ「だめ! だめよ巴ちゃん! こんなとこで脱いじゃだめだってばば!」

P「やっぱり巴の和服はいいなぁ……」

ちひろ「プロデューサーさんも巴ちゃん止めるの手伝ってください!!」







アーニャ「プロデューサー、スニェーク…雪が、街を包んでいますね?」

P「そうだな……うぅ、さぶさぶ、東京で雪積もるとかなんなんだちくしょう……」

アーニャ「雪みると、パパとママ、懐かしい……故郷を思い出します」

アーニャ「故郷はもっと凄い雪、ですけど」

P「あぁ、ロシアだもんな……」

アーニャ「……」

アーニャ(いつかプロデューサーに私の故郷、見せたい……ズヴェズダ……星が雪を照らすような、そんな夜にプロデューサーと…)

P「いやぁ、ロシアはこんな寒さじゃないだろうな、絶対行きたくないわ、俺死んじゃうかも、ははははは…」

アーニャ「……」

アーニャ「……」ピトッ

P「おわっ! つ、冷た……!」

P「な、なんで急に俺の首に手を……というか冷たい、え、お前手冷たすぎるって……!」

アーニャ「ロシア、寒いですから」

P「か、関係ないと思うんだが……なんか怒ってる?」

アーニャ「……イジオーット」

P「い、イジオーット? どうゆう意味だそれ?」

アーニャ「……日本語でいうとバカ、です」

P「」


アーニャ「……イズヴィニーチェ……ごめんなさい……意地悪、でした」

P「い、いや、俺の方こそゴメンな……あれだ、ロシアを馬鹿にした風に聞こえたならそういうわけじゃないから……」

アーニャ「……そういうことじゃないです」

P「……そうなのか?」

P「……」

P(じゃあなんで急に俺は馬鹿なんて言われたんだ……)ズーン

アーニャ「……あの、私の手、そんなに冷たい、かったですか?」

P「え……まぁ…」

アーニャ「……やっぱり、ごめんなさいです……プロデューサー寒いと言ってたのに、私がもっと寒くしました」

P「い、いや、大丈夫、驚きはしたけど体自体冷えちゃったわけじゃないし…」

アーニャ「でも……」

アーニャ「……」

アーニャ「プロデューサー、少し待ってて下さい」テクテク

P「え、おお……」



…………


P「……」

P(……だいたい五分くらい待ったけど)

P「いつまで待てば……」

アーニャ「プロデューサー」

P「おっ、来たか……もういいのか?」

アーニャ「ダー……プロデューサー、少しかかんでほしいです」

P「……? こうか?」

アーニャ「……」ピトッ

P「おわっ……」

P(また首に手を……って、冷たくない……むしろ……?)

アーニャ「どうです……あったかいですか?」

P「え、その……うん……でも、その、なんだこれ?」

アーニャ「隣の部屋のストーブで手、あっためました」

アーニャ「……この部屋にはストーブないから、代わりに私の手でプロデューサー、あっためます」

P「えっ……い、いや、ずっとこうしておくわけには……」

アーニャ「……ふふ、ショートカ……冗談、です」

アーニャ「私のマフラー、持ってきました……これ、使って下さい」

P「アーニャの?」

アーニャ「ダー、あったかいですよ?」

P「だけどそれじゃお前が……」

アーニャ「私は大丈夫、です」

アーニャ「……プロデューサーに触れて、ちょっと体、暑いくらい……ですから」







ありす「……」

P「あれ、何見てるんだありす」

ありす「あ、Pさん……」

P「……アニメか?」

ありす「はい、いちご999%っていう、イチゴが大好きな女の子達がイチゴ嫌いの怪人を倒すアニメで、今大人気なんです」

P「へー…」

P「……」

ありす「……」

ありす「Pさん、今子供っぽいって思った……」ジトー

P「いっ、いや、そんなことはないぞ」

ありす「これは友達に勧められて見てるだけですから、自分からみてるわけじゃないですもん……」

P「分かってる、分かってるって」

ありす「……ふんだ、早く大人になってPさんを驚かしてやるんですから」


P「それにしてもあれだな、小学生の高学年ぐらいの子ってこうゆうアニメはもう見ないイメージがあったんだが」

ありす「そうでもないですよ、私のクラスでもこのアニメの話題は凄い多いですし」

ありす「それに、子供だけじゃなくて、なんだか大人の人にも大人気らしいです」

P「大人も?」

ありす「はい、えーと確か、特に男の人が多いってテレビで…」

P「……」

ありす「大人になっても子供のアニメが楽しめるっていいことな気がします……私も大人になるならそんな純粋な…」

P「ゴメン……ゴメンなありす、それは違う、違うんだ、それはその……かなり不純なんだ」

ありす「ふ、不純? なにがですか?」

P「……それはまぁ、大人になればわかるさ」

ありす「また子供扱いする……」

ありす「……確かに、確かに私は子供ですけど、大人になれば分かるなんて卑怯な言い方です」

P「か、かといって、これはその、教えるわけにはいかなくてだな…」

ありす「……むー」

ありす「あれです、きっと私が大人じゃないわけじゃないんです、Pさんが子供の心を忘れちゃったんです」

P「へ?」

ありす「子供の心を忘れちゃったPさんは、ちゃんと子供の気持ちをわかるようにならないと……ほら、ここどうぞ」

P「ここって……?」

ありす「Pさんが子供の気持ちを思い出すためにも、一緒にこのアニメを見ましょう……えへへ」



…………


ありす「……」ジー

P「……」ジー

P「な、なぁありす、あのでかいイチゴが敵なのか?」

ありす「はい、妖怪イチゴリアンです」

P「これって悪役はイチゴ嫌いなんだよな、なんでそれなのにイチゴの姿に…」

ありす「……そういうものとしか」

P「で、でも…」

ありす「あ、ちょっと静かにしてください……今いいとこに…」

P「お、おう、すまんな」

ありす「……」ジー

P「……」ジー

P「……?」

P「なぁ、なんでせっかく味方が五人もいるのに一人だけで戦ってるの? 他の四人解説しかしてなくないか?」

ありす「これはえーと、今戦ってる敵がその女の子の因縁の相手で…」

P「それでも他の四人が何もしない理由には…」

ありす「そ、そういうものなんです」

P「……そうなのか」

ありす「……」

ありす(誘ったこっちもあれだけど……Pさんもう少し静かに見てくれたって…)

P「……え、あれはなんなんだありす、なんで…」

ありす「……はぁ」


ありす「……」

P「……」

ありす「……?」チラッ

ありす(あれ、いつのまにかPさん静かになって……凄い真面目にアニメ見てる)

ありす(確かに今は主人公がなんだかヌルヌルウネウネしたものに囚われててピンチなところで、これからどうなるか気になるところだけど…)

P「……」ジー

P(こんなものを子供達は見てるのか……実に、実にけしからん……!)ゴクリ

ありす「……Pさん?」

P「ほぐぁっ!」ビクッ

ありす「わっ」

P「え、あ……ありす? ご、ごめんちょっと夢中になってて…」

ありす「……」

ありす「……ふふ」

P「……ど、どうした?」

ありす「Pさん今、子供みたいです」

ありす「私のこと言えないじゃないですか……そんなにおもしろかったですか?」

P「え……あ、ああ、確かに面白いな」

P「割と話も練られてたし、キャラも可愛くて……うん、あの変身した後の服のデザインとかも凄く良かったしな」

ありす「……服?」

P「ああ……はは、ありすが着ても似合うかもな」

ありす「……ああいう服が好きなんですか?」

P「ん……い、いや、あくまでアニメの話だし……そういう風に言われると困るが……」

ありす「……」



…………


ちひろ「え? 次のライブはこういう衣装が着たい?」

ちひろ「それってアニメのキャラクターの服だから版権とかそういうのとかはどうなのかしら…」

ちひろ「それにプロデューサーさんにも相談してみないと…」

ちひろ「……え? プロデューサーさんには秘密? そういうわけには…」

ちひろ「最悪ライブで着れなくてもいいって……それじゃいつ…」

ちひろ「え!? それ着て事務所に来るって……それはちょっとやめた方が、やめた方がいいわよありすちゃん!?」







P「はっくしょい!!」

仁奈「……P、寒いでごぜーますか?」

P「ん、ああ……さっき外回り行ってきたから体冷えちゃって」

仁奈「それならPも着ぐるみを着るですよー」

仁奈「キグルミはあったけーです…」

P「ん……今日はシロクマなんだな、確かにあったかそうだ」

仁奈「ちょっと待ちやがってください、確か仁奈はこのバックの中に……」ゴソゴソ

仁奈「あった! ほら、グリズリーです! Pに特別に貸してやります!」

P「お、熊さんか」

仁奈「グリズリーでやがりますよ!」

P「どっちにしろ熊なんだから別に……」

仁奈「うー、がるるる……そんな意地悪言うPにはキグルミは貸さねーです……」

P「すまんすまん……でもな仁奈」

仁奈「?」

P「お前のサイズのキグルミを俺が着れるわけないだろ?」

仁奈「あ……」


P「でも気持ちは嬉しかったよ、ありがと」

仁奈「……」

仁奈「ぴ、Pが仁奈と同じくらい小さくなればいいんじゃねーですか?」

P「それは無理じゃないかな……」

仁奈「それならこのキグルミを頑張って伸ばして…」

P「やめとけやめとけ、破れるぞ」

仁奈「……」

仁奈「Pとお揃いで熊さん……」

仁奈「……」ズーン

P「……」

P「……ま、キグルミは残念だけど代わりに……よいしょ」

仁奈「わっ、何しやがりますか!」

P「こうやってキグルミの仁奈を抱えれば寒くないかな」

仁奈「!」


仁奈「!」

仁奈「……」

仁奈「……」ギュッ

P「お」

仁奈「あったかいでごぜーますか?」

P「ああ、あったかいぞ」

仁奈「……」

仁奈「しょーがねーです、キグルミ着れないPに代わって仁奈があっためてやります」

仁奈「……もっとフワフワでモフモフであったけーキグルミを探してきてやらねーとですよ」









アーニャ「……」

ちひろ「……あれ、アーニャちゃん……そんなにストーブの近くにいると火傷しちゃうわよ?」

アーニャ「……シロクマさんには負けられない、です」

ちひろ「……?」







P「蘭子、新しい衣装はどうだ?」

蘭子「……」

P「……蘭子?」

蘭子「フフ……ハハハハハ!」

蘭子「新しい服に身を通すと、新しい私になったかのよう。我が友P、私はもう一度…生まれ変わるわ! 魂の輝く、新たな形態に再誕するの! 本当の姿は、貴方だけが知っていて…!」

P「お、おう……」

蘭子「フフフ……再誕の時は…今!」

P「ま、まぁ喜んでくれてるようでないよりだ」

蘭子「~♪」

P「それにしても……そうかぁ、蘭子の本当の姿ねえ……」

蘭子「我の真実を唯一知る者であることを光栄に思うがよい!」

P「……」


P「あっ、蘭子、パンツ見えてる」

蘭子「……えっ!?」

P「ほらそこ、その衣装尻の所が破けちゃって……」

蘭子「う、嘘っ! 見ないで! 見ないで下さいっ!」バッ

P(……面白いくらい良い反応するよなぁこいつ)

蘭子「ど、どこ? どこが破れて…」

蘭子(……う、後ろだと……見え辛くてどこが破れてるかわかんないよ……)

P「……」

P「蘭子、えーと、すまん嘘だ」

蘭子「……へ?」

P「……」

蘭子「……」

P「蘭子の本当の姿かー」

蘭子「なっ、何が言いたい!」


蘭子「……卑劣なり、我が友」

P「いや、悪い悪い、ちょっとからかいたくなってな」

P「もう嘘はつかないよ」

蘭子「……二度はないぞ」

P「あぁ、もうしない」

P「だから本当のことを言うぞ蘭子……」

蘭子「……?」

P「その前に、ゆっくり目を閉じてくれ」

蘭子「え」

P「何も喋るな……そして、目を閉じるんだ蘭子」

P「俺がお前に嘘をつかないために」

蘭子「え、え……え?」


蘭子(嘘はつかない……目をつぶれ……?)

蘭子(……)

P「いい子だから……な?」

蘭子「……は、はい」

蘭子「……」ギュッ

P「……蘭子」

P「別に顔を上げる必要も、背伸びする必要もないぞ」

蘭子「!」ビクッ

蘭子「……ち、違うんですか?」

P「多分違うかな」

蘭子「……」

蘭子「……契約をするのではないのか?」

P「多分違うかな」

蘭子「……」


P「……」

蘭子「……」

蘭子(……違うんだ)

P(なんかよくわからんが蘭子静かになったし、この間に……)

P「……」カキカキ

蘭子「……」

蘭子(……それじゃなんでプロデューサーは目をつぶれなんて)

蘭子(何かしてる音も聞こえるし……き、気になる……)

蘭子(……ちょっとくらいなら)

P(……よし)

P(この書き置きを机の上に置いて俺はゆっくり逃げ…)ソーッ

蘭子「……あ、あれ、どこへいこうとしてるんですか?」

P「……え」

P「……い、いや、蘭子、お前こそなんで目をつぶって…」

蘭子(……? なんだろう、メモ帳が机に……)

蘭子(『実は本当に衣装のお尻のとこが…)

蘭子「……」

P「……」

蘭子「……!」バッ

P「い、いや、蘭子あのな……その…」

蘭子「ばかっ……何故最初の段階で真実を伝えずに…!」

P「ら、蘭子があんまりいい反応するからつい……もっとからかいたく…」

蘭子「……もー! ばかぁっ!」







のあ「今日は星がよく見えるわ……」

P「確かにいい夜ですね」チクチク

のあ「when you wish upon a star ……なんて」

P「星に願いを……ですか……いてっ」チクチク

のあ「そうね……でも願いは幻想に過ぎないのでしょうね……本当の夢は自分で掴み取るしかないのだから」

P「きっとそうでもないですよ、もちろん努力はしないといけないですが、のあさんの願いもまた力になってくれるはずです」チクチク

のあ「……ふふ、ロマンチックなこと言うのね」

P「はは、あんまり洒落たことは言えないですけど……」チクチク

のあ「……」

P「……」チクチク

P「……いつっ」

のあ「……ところで、あなたはさっきから何をしているの」

P「え?」


P「いや、なんだか新しく発注した衣装でもうすでに破けてたのがありまして」

P「こんな脆いんじゃライブには使えないけど、蘭子とかも気に入ってたんで一応形として残しておいてやろうと…」

のあ「それは作った会社が悪いんじゃないのかしら……あなたが別に裁縫をする必要は……」

P「まぁそうなんですけど、その会社に連絡とっても返品は受け付けないって言われて……」

P「多分、その、タチの悪い会社だったんじゃないかと……」ズーン

のあ「……落ち込む必要はないわ……悪い偶然が重なる時はいつだってあるはずよ」

P「ありがとうございます……そうですよね、気が楽になりました」

のあ「そう……」

P「……」

P「……あの、でもそのことでのあさんにちょっと言わなければならないことがありまして…」

のあ「なにかしら?」

P「のあさんの新しい衣装も……その、さっき言った会社に頼んだやつなんですよ」

P「衣装が破けてるわけではないんですが、それもまたいつ破けるかわからないので今回は新しい衣装の件は保留に…」

のあ「……」

P「……あ、あれですよね、悪い偶然が重なる時はいつだって……はは…」

のあ「……」

P「……」

P「……ごめんなさい」


のあ「いいわ、しょうがない……しょうがないもの」

P「あの、あのですね、のあさんの新しい衣装には出来るだけすぐ取り掛かるようにして、作る時はいつもお世話になってて信頼できるとこに頼んで、のあさんの意見も十分に反映するようにしますから!」

のあ「……本当?」

P「本当です、約束します!」

のあ「……そう」

のあ「でも、私の意見は別にいいわ……」

P「えっ、でも……前の猫やウサギをモデルにしてた衣装結構気に入ってたみたいですし、今度は犬にだって出来ますよ?」

のあ「……犬」

P「ええ、いや、犬でなくても鳥とかでも…」

のあ「あなたは私を動物にしたい趣味でもあるのかしら……ふふ、それともペット?」

P「えっ、い、いや! そんなことは……!」

のあ「……私は犬でも鳥でもなんでもいいわ……あなたが決めてくれたものならなんだって」

P「は、はぁ……なんだかそれはそれで緊張しますね、下手なもの選ばないようにしないと」

のあ「大丈夫よ、貴方の選んだもので、私がそれを着るなら……きっと凄く素敵なものになるわ」

P「……んー、それならなんだろう、ワニ……とか」

のあ「……ワニ?」

P「あっ、蛇とか蛙とかも……」

のあ「……P、それは冗談かしら」

P「えっ……いや、真面目ですけど」

のあ「……」

P「……」



…………


ちひろ「わぁ、のあさん今度の衣装は犬なんですね」

のあ「えぇ、どうかしら」

ちひろ「似合ってます似合ってます、とっても可愛いですよ!」

ちひろ「ほら、プロデューサーさんもみてください!」

P「……」ズーン

ちひろ「……」

のあ「……何故Pはこんなに落ち込んでいるのかしら」

ちひろ「それがなんだか大切にしてたペットの蛙が全員逃げちゃったみたいで……」

のあ「……」

のあ「……そう」

のあ(……あの時、蛙や蛇を無性に推してたのは確かに冗談じゃなかったのね)

P「……カエ郎、カエ太……なんで…」

のあ「……」

のあ「……P」

P「あ……のあさん、ワンちゃんですか、似合ってますね……」

のあ「……」ギュッ

P「ほわっ!?」


のあ「P、ペットがいなくなるのは凄く悲しいことなんでしょう……分かるとは言わない……でも、私が悲しみを紛らわしてあげることはできるわ」

P「の、のあさん?」

のあ「……蛙でも蛇でもないけど……私は貴方のもとから逃げたりしない……」

P「……」

のあ「……ふふ、貴方の犬として飼ってくれてもいいのよ?」

のあ「貴方の側にいられるならそれもきっと楽しい……」

P「……」

P「……のあさん、ありがとございます」

P「はは、きっとのあさんみたいなペットが本当にいたら……俺はカエ郎とカエ太ぐらい可愛がるんでしょうね」

のあ「……蛙、そんなに好きなの?」

P「え、まぁ……」

のあ「犬や猫は、どうかしら」

P「いや、俺犬とか猫はむしろ苦手なんですよね……あ、でものあさんのその衣装は凄く似合ってると思いますよ!」

のあ「……」

のあ「…………わん」ガブッ

P「い、いてっ! な、なんで噛むんですか!?」

のあ「何故かちょっと釈然としなかったからよ……」







輝子「……」グスン

P「お、落ち着いたか?」

輝子「……うん」

P「よ、良かった……それでなんで泣いたり…」

輝子「……!」ウルウル

P「おわっ……す、すまん! 聞かない! もう聞かないから!」

輝子「……」グスン

P「……はぁ」

輝子「……な、なぁ…P」

P「なんだ?」

輝子「私とP……と、友達じゃないのか?」

P「え、いや、そんなことはないだろ」

輝子「でも…」

輝子「……」

P「……ん、いや、友達じゃないかもな」

輝子「そ、そんな……!」


P「だってさ、俺はお前と今までずっと一緒にいて、お前のいいところも悪いところも普通の友達以上に沢山知ってるんだ」

P「俺とお前は友達じゃない、友達以上の関係だよ」

輝子「!」

P「だからまぁ、なんだ、何悩んでるのか知らんが……あんまり考えすぎるなよ?」

輝子「……と、友達以上の、関係?」

P「おう」

輝子「……親友とか、家族とか」

P「はは、まぁそういうとこだろうな」

輝子「フフ……フフフ……Pと親友……家族……!」

P「お、おう」

P(……なんかここまで喜ばれるとこそばゆいな)

輝子「……」

輝子(友達以上の存在って……恋人とかも……?)

輝子「……」ジッ…

P「……ん?」

輝子「……」

輝子(こ、恋人とか分からん……分からないけど……)

輝子「……ありっちゃあ、あり……フヒ」

P「?」






おわり

結局モバマス一週間しかもたなかったし、もうネタない、他にいいアイドルはいないだろうか


前かいた、杏「プロデューサーとの日々」もよろしく
杏「プロデューサーとの日々」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1391778679/)

見てくれた人ありがとうございました
駄文失礼しました―

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