P「律子からチョコ貰えるかなぁ」ルンルン (29)

――事務所

P「しくしく……しくしく……」

小鳥「プロデューサーさん、大の大人がさめざめと泣かないでください」

P「ぐすっ、すみません……」

小鳥「残りの感じだと、午後いっぱいかかりますね。頑張りましょう」

P「……はい」

小鳥「…………」カタカタ

P「…………スンッ」

小鳥「…………」カチッカタカタ

P「…………スンッスンッ」

小鳥「あーもーうっおとしいぜッ!!プロデューサーさんッ!!」

P「だって……だって……」

小鳥「チョコなら私あげたじゃないですか!」

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P「…………律子のが欲しかった」

小鳥「」カッチーン

P「あ、怒りました……?」

小鳥「しょうがないでしょーが、風邪引いちゃったんだから!」

P「何で今日に限って休むんだよ……」ションボリ

小鳥「電話して、チョコだけでも持ってくるよう言いますか?」

P「………………いや、それはさすがに」

小鳥「随分間がありましたね」

P「まぁ、用意してくれているかも分かりませんし」

小鳥「…………」スパーン

P「痛いッス」

小鳥「そんだけ騒いどいて貰える確信なしですか」

P「可能性が潰えた、という一点で騒いでました」

小鳥「呆れた」

P「すみませんでした」

小鳥「まったく……」カタカタ

P「…………ねぇ、小鳥さん」

小鳥「…………何か?」

P「……ちょっと、律子に電話してみてくれません?」

小鳥「はぁ?」

P「いや、大丈夫ー?みたいな、装ってチョコの有無をさりげなく」

小鳥「………………しかたないなぁ」←ちょっと興味ある

P「随分間がありましたね」

小鳥「ケータイ取出し、ポパピプペ」ピッピッピ

P「チョコレートくれま・す・か」

小鳥「……あ、もしもし、律子さん? いえ、そういうわけじゃ……はい」

P「…………」ソワソワ

小鳥「体調はどうですか? ああ、良かった……ええ、本当に」

小鳥「あははっ、そりゃそうですよ。ええ、ええ……」

小鳥「確かに確かに。あ、何かできることあったら……そうですか、しっかりしてますね」

小鳥「いや、私が風邪引いた時なんか……あはっ、そうそう」

小鳥「ええ……そうですね。はい、お大事に……はーい、はいはい……はい」ピッ

小鳥「ふぅーっ」

P「…………」

小鳥「…………あ」

P「普通に会話楽しんでんじゃねー!」

小鳥「めんごめんご」

P「ちくしょー……みんな馬鹿にしてやがる……」メソメソ

小鳥「…………」ガサガサ

P「…………しくしく」

小鳥「…………」スッ

P「…………もぐ」

小鳥「…………」スッ

P「……もぐもぐ」

小鳥「…………」

P「甘いッス」

小鳥「ふふ、手作りです。……元気出ました?」

P「…………全然」

小鳥「そこは嘘でも元気出せよ!」

P「……なんで律子すぐ風邪引いてしまうん?」

小鳥「最近忙しかったからじゃないですか?」

P「はぁー、心配だなぁ」

小鳥「おっ? やはり心配ですか、このこのーっ」

P「チョコレート」

小鳥「そっちかよ!」

P「だって……」

小鳥「だってもくそもないですよ」

P「す、すみません」

小鳥「心配するなら、律子さんの身体の方でしょう?」

P「り、律子の肉体……?」ゴクリ

小鳥「中学生かアンタは」

P「すみません……はぁ、仕事戻りましょう」

小鳥「はいはい……」

P「…………」カタカタ

小鳥「…………」カタカタカチッ

P「……小鳥さん、そっちにUSBメモリありますか?」

小鳥「ああ、はいはい」

P「…………」カタカタ

小鳥「……先方にメールしましたけど、一応、後でファックスしておきましょうか?」

P「あ、そうですね」

小鳥「了解です」

P「…………小鳥さん」

小鳥「なんでしょう?」

P「……チョコレートってどれくらいもちますかね」

小鳥「あの、いっそもう取りに行ったらいいじゃないですか?」

P「はぁ!? 小鳥さんあなたっ、あなっ、あなっことっりつっ!? はぁ!?」ガタタッ

小鳥「うるさっ」

P「えっ、はっ、えっ??? はぁ??」

小鳥「いや、冗談ですけど……あ、そうだ、お見舞いしに行けばいいんですよ」

P「…………なるほど」

小鳥「お見舞いで好感度アップ、ついでにチョコレート貰って……」

P「ふむふむ」

小鳥「あわよくばさらにその先に」

P「えっ、その……そーゆーの、は、ちょっと」カアア…

小鳥「中学生かアンタ」



P「というわけで、律子宅まで来ました」

小鳥「プロデューサーさん、仕事早かったですね」

P「そりゃもう。なんでついてきたんですか」

小鳥「アンタが律子さんの家知らないから……」

P「そんなことより早くインターホン押してください」

小鳥「聞く耳持たずかよ。都合悪い事はトコトン避けますね」

P「ハリーハリー」

小鳥「はいはい……」ピンポーン

律子『……はい』

小鳥「小鳥です。お見舞いに」

律子『ああ、すみませんわざわざ』

P「俺も来てるよ」


ガタガタッドタッバタバタッ


小鳥「…………」

P「…………」

ガチャッ

律子「お、おはようございます……」

P「おばんです」

小鳥「律子さん、何かありました? 五秒くらい」

律子「え、ええ……ちょっと、足攣っちゃって」

P「それはたいへーん」

律子「あっ、いえ……すぐ、治りましたから」

小鳥「気を付けてくださいね」

律子「ええ、まあ、中にどうぞ」

P「邪魔するよ」

律子「狭いとこですけど」ギィ

小鳥「ちょっとちょっと、ナチュラルに締め出さないでください」ガシッ

律子「あ、小鳥さん居たんで……ごほん、すみませんでした」

小鳥「なんか今『居たんですか?』って言いかけませんでした?」

律子「そんなこと」

P「ないですよ」

律子・P「「ねー?」」

小鳥「息ぴったりかよ」

――律子の部屋


小鳥「それで、こっちが……」

律子「……はい、ありがとうございます」

P「お見舞いなのに、仕事の話ってなんだかなぁ」

小鳥「らしいと言えば、らしいですけど」

P「それはまぁ……」

律子「今日一日でほとんど治りましたし、大丈夫ですよ」

小鳥「よかったです。……とすみません、トイレ借ります」

律子「はい、どうぞー」



 ガチャ バタン


P「…………」

律子「あの……今日は、すみませんでした」

P「えっ、ああ……仕事はほら、一日くらいどうってことないよ」

律子「それもそうですけど……その、今日、バレンタインだったじゃないですか」

P「…………うん」

律子「……ちょっと、期待してたんじゃないですか?」

P「そ、そんなこと……」

律子「ふふっ、二日前くらいからずーっとそわそわしちゃって」

P「……そわそわしてた?」

律子「してました。明日にでもあげようかと思ってたけど、
  プロデューサーが来てくれたし、今あげる。ちょっと待っててください」スッ

P「…………」

律子「……はい、どうぞ」

P「手作り……?」

律子「……ちょ、っと不恰好かもしれないですけど、味は問題なしです。多分」

P「ありがとう、律子」

律子「いえ、そんな大したことは……」

P「本当に嬉しいよ」ギュッ

律子「わっ、あの、ぷ、プロデューサー……私……」

P「…………」チュウ

律子「…………んっ」

P「…………む」



ガチャッ


小鳥「……ふぅー、いやー、どうもすみま……せ……」

律子「んぐっ、むー! ふろむーはー!」

P「……ぷはっ! げえっ! 小鳥さん!」

小鳥「うぇっ、にゃ、な、な、なんかごめんなさい……」ジャーンジャーン

律子「……なんてことなの、もうお嫁行けない」カアア

P「そうだな。俺のところに来るしかないな……」

小鳥「えーと……すみません、私先に帰るのでその……ご、ごゆっくり」タタタ…

――後日

春香「……今日、プロデューサーさん休み?」

千早「ええ、何でも風邪を引いたとか……ですよね、小鳥さん」

小鳥「…………え、ああ、そうそう」

律子「…………ごめんなさい」ポッ

春香「えっ、なんですか?」

律子「あ、いやなんでも……」

小鳥「……F**k the system!F**k the system!」



おわりつこ

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